男「ゲームの世界で生き残る!」(19)

ゲーム世界1日目

男「・・・ここどこ?なんで草むらに寝てんの俺?」

男(夕べは俺何してたっけ?・・・そもそもこんな森、家の近くにあったっけ?)

モニター「お目覚めですかー?」

男「うわっ!?」

モニター「お目覚めみたいですね。糞プレイヤー様」

男「ど、どちら様?」

モニター「申し遅れました。わたくし当ゲームの管理プログラムでございますよー」

男「管理プログラム?どゆこと?そもそもここどこ?」

モニター「流石、糞プレイヤー様は知能も糞ですね」

男「なんだその糞プレイヤーってのは!」

モニター「えー、先日あなた様が購入されました新作ゲーム、まぁ2,3日前のことですのでさすがに覚えてますよね?」

男「・・・あー、あのクソゲーか」

モニター「クリアもしないでクソゲー扱いはあんまりだと思うんですけど?」

男「糞かどうかは実際にやったやつが決めるもんだと思うけど?」

モニター「むむ・・・まぁそれは置いておいて、話を戻しましょう」

男「話を戻す前に俺を元の場所に戻してくれよ。どこだよここ?」

モニター「ぶぶー、それは出来かねますね」

男「はい?」

モニター「クリアできないからってクソゲーといって切り捨てる。そんな人間たち向けに組まれたのが私なのですよ」

男「・・・」

モニター「そんな心無い人たちに実際にゲームの世界を体験してもらおうというプログラムそれが私です」

男「え?ここゲームの世界なのか!?」

モニター「それくらいはわかるんですね。早速ですけれども状況を説明させていただきます!」ドンッ

男(へったくそな絵だな)

モニター「今からあなたにはあなた自身の行動によってゲームをクリアまで進めていただきます」

男「クリアできれば元の世界に帰れるのか?」

モニター「えぇえぇ。もちろんですとも」

男「ちなみにこのゲームのクリア条件ってなんだ?」

モニター「あなた・・・取扱説明書すら読んでいないんですか?」

男「取説なんて操作ボタンのページくらいしかよまねーよ」

モニター「・・・まぁいいでしょう。このゲームのクリアは魔王の討伐です。ごくごく一般的なRPGです」

男「・・・」

モニター「ちなみにちゃんとレベルやHPの概念もあります」

男「へー・・・やっぱレベル1からスタートなんだな」

モニター「当たり前です。初めからレベルMAXなんて何の面白みもないでしょ?」

男「・・・」

モニター「まぁ私も鬼ではないので、初期装備くらいはあなたに恵んであげますよ」ポイッ

男「・・・剣と盾」

モニター「ま、どのゲームの主人公も大体それくらいの装備から始まるんですからがんばってくださいねー」プツンッ

男(めんどくせーことになったなぁ・・・)

モニター「あ、ちなみにぃ」

男「うわっ!?まだいたのか!?」

モニター「この世界にきているのはあなただけではないというのがあなた方の最大の利点ですよ?」

男「ん?他にも誰かいるのか?」

モニター「それはまぁご自分の目で確かめてくださいね」プツンッ

男(俺以外にもここにきてるやつがいるのか?)

~スタート地点付近の村~

男「うっわ・・・THE村って感じの村だな」

キャー

男「ん?なんだなん・・・」

ドラゴン「グギャアアアアアアア!」

村人「誰か!誰かいないか!娘が!」

男(いやぁありゃ無理だろ。どう見てもストーリー中盤から後半のモンスターだろあれ)

村人「誰か!誰かいないか!娘が!」

村人「誰か!誰かいないか!娘が!」

村人「誰か!誰かいないか!娘が!」

男(おいおい、誰かが行くまでずっとこれかよ)

男「ん?そういえば動けないわけじゃないんだよな俺」

男(村人もみんな外に出てきてるみたいだし)

男「・・・」チリンチリン

~村・道具屋~

?「っ!?」

男「うおっ!?だ、誰だ?!」

?「お、お前こそ誰だ!?」

男「俺は・・・んー・・・なんていったらいいのか」

?「まて、その恰好・・・まさかお前もこの世界に連れてこられた口か?!」

男「ということはお前も?」

?「・・・考えることはみんな一緒みたいだな」

男「そうだな・・・あんな竜にレベル1で勝てるわけがないだろ」

?「もちろんだ。まずは手持ちのアイテムと武器。これを確保するのがRPGの鉄則だ」

?「よし、さっさと盗るもんとっておさらばしようぜ」

男「そうだな、急ぐぞ」

ピピーーー

自警団「そこまでだコソ泥ども!観念しろ!」

男・?「!?」

~牢屋~

男「おいどういうことだよ・・・・自警団いるならドラゴンに向かって行けよ・・・!」

?「あいつらは村人の生死よりも村の備蓄のほうが大事だということか」

男「こりゃどうやってもあのドラゴンにいどむしかないってことか・・・」

?「それは無理だな」

男「いやまぁ無理だとは思うけどさ・・・一応ゲームの世界だし」

?「お前気付いてるか?」

男「なにを?」

?「俺たち、抵抗されないようにって最初にもらった武器すら押収されてるんだぜ?」

男「・・・・・・・・・え?」

?「まぁ、持ってかれちまったもんは仕方がない。とりあえず今の状況を理解するためにも自己紹介くらいしておこう」

男「あ、あぁ・・・俺は男っていうんだ。男って呼んでくれ」

?「あぁ。俺のことは田中って呼んでくれ」

男「よろしくな田中」

田中「あぁ。それで、これからどうするかなんだが・・・」

男「なぁ、一つ思ったことを言ってもいいか?」

田中「なんだ?」

男「ここにずっといて、他のやつらがあのドラゴンを倒したら脱獄するっていうのはだめかな?」

田中「・・・なるほど・・・少し様子見ということか」

男「ここの見張りの自警団はここから頑なに動く気配がないしな」

田中「こんな奴らに村の警備を任せてる時点で糞としか言いようがないな」

~3日後~

男「・・・なぁ」

田中「どうした?」

男「この作戦はやっぱりやめたほうがいいのかもしれない」

田中「・・・そうだな」

ワイワイガヤガヤ

男「・・・牢屋めっちゃ人増えてる・・・!」

田中「やはり皆考えることは同じか」

男「とりあえず仕方がない。ここから出よう」

田中「どうやって?」

男「とりあえずはこいつらから情報を集めよう」

田中「ふむ」

男「なぁあんた、ここに来る前あのドラゴンはどうなってた?」

?「え?あたし?あのドラゴンは村人の女の子をわしづかみにして暴れてたわよ」

男「やっぱりイベントの進行は全くしていないみたいだな」

田中「そのようだな」

男「ドラゴンに戦いを挑んだ奴はいたか?」

?「うーん・・・私は見てないわ」

男「・・・ちなみに君はなんでここに?」

?「宿屋に泊まったらお金がなくて」

田中「心がきれいな捕まり方だな」

男「しょうがない・・・とりあえずここを出よう」

田中「どうやって?」

男「そこの自警団を倒すしかない」

田中「ふむ・・・」

男「大の男が2人いれば何とかなるだろ」

男「よし、行くぞ!」

田中「おう!」

?「わ、わたしも!」

男「君までさらに罪を背負うことはないと思うけど」

?「私もはやくここからでたいもん」

田中「戦力は一人でも多いほうがいい。君、名前は?」

?「私女って言います」

男「よし、女さん俺たちがこいつを羽交い絞めにするからその間にカギを奪ってくれ」

女「わ、わかった!」

男「よし行くぞ!」

ボッゴォ!

男「いたた・・・」

女「大丈夫ですか?!」

田中「なんだあいつは!?一撃で200以上のダメージを与えてきたぞ!?」

男「あいついればドラゴンに勝てるだろ・・・」

田中「俺たち個人の最大HPの軽く10倍のダメージを与えられるNPCとか・・・職務怠慢にもほどがあるぞ」

女「で、でも、なんとかカギは奪えましたよ!」

男「そこらへんには無関心なんだな。まさにクソゲー」

田中「自警団のやつらは逆らったもの、盗みを働いたものにのみ反応するみたいだな」

男「・・・あれ?カギ盗んだ割には何もしてこないな」

女「ほんとだ」

田中「そこら辺の作りが甘いのもクソゲーの所以だな」

男「数十人が脱獄してるのにこっちに気付きもしないぞあいつ」

田中「・・・」

女「これは確かに職務怠慢・・・かも」

田中「・・・」スタスタ

男「お、おい!?田中!?」

田中「・・・・・・・・・」

自警団「・・・・・・・・・・」

スタスタ

男「お、おい田中?何を話してたんだ?」

田中「本日も異常なしであります!・・・だとさ」

男「異常しかないだろ・・・」

~村~

男「さて、無事脱獄できたはいいが・・・」

ドラゴン「グギャアアアアアアアアアアア!」

田中「状況はまるで変っていないな」

女「やっぱりあれと戦うしかないんです・・・かね?」

男「ゲームである以上勝算のない戦闘はないと思うが・・・」

田中「どうする?試しに戦ってみるか?」

男「・・・いってみるか?」

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