47都道府県「汝は市区町村なりや?」【コンマ】 (288)

【日本最高評議会 J7会議】


東京「さて、本日諸君らに急遽集まってもらったのには訳がある」

大阪「何だよ、この忙しい時期によ」

愛知「突然呼び出しされて、ビックリしたんだからね。で、何? 早く」バンバン

北海道「落ち着きなさい、愛知。急かさないの。あなたは全くもう……」ハァ

福岡「ま……私はある程度、察しがついてるけど」

宮城「同じく。恐らくは例の噂についての件だろう」

広島「例の噂? 何それ? アタシ何にも知らないんだけど?」

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大阪「おいおい、例の噂ってもしかしてアレかよ。俺らの傘下にある市区町村が下克上を狙ってどうこうってやつか?」

愛知「あ、それなら私も聞いた事ある! 私達、都道府県を暗殺しようと企んでるとか、そんなんでしょ!」

北海道「……愛知ちゃん、何でそんなに明るく言えるの? かなり深刻なお話なんだけど……」

宮城「正確に言うのであれば、それだけではないがな」

広島「え? 宮城、どういう事?」

福岡「彼らは私達そっくりになる技を最近手に入れた、という噂なのよ。つまり……」

東京「そう。彼ら市区町村は、私達の誰かを殺し、そして殺した相手に化けている。そして、今もなに食わぬ顔をして過ごしているのよ」


「!?」

大阪「おいおい、それは単なる噂だろ。何で断定口調なんだよ。冗談キツいぜ、東京」

東京「冗談などではない。これを見ろ」バサッ

広島「何これ? どれどれ?」ペラッ

北海道「っ! これは……」

宮城「ほう……。果たし状か……。いや、これは果たし状とは呼べないな。そんな御大層な代物ではない」

福岡「宣戦布告、と言った方が正しいわね。しかもゲリラ戦の。……呆れたわ、面と向かって挑む度胸もないのね」パサッ

愛知「あわわわわわ」ガクガク

東京「少し落ち着きなさい……愛知。……脅えすぎよ」

東京「つまり、そういう事よ」

東京「既に、私達47都道府県の中の5県。この5県がどの県かまではわからないけど……」

東京「既に、市区町村に殺されている」


大阪「……クソ野郎が!」

福岡「……大した愚か者ね。蔑む言葉しか出てこないわ」


東京「そして、この5県は既に都道府県になりすまして、私達の中にいるのよ」


宮城「…………」

愛知「うううぅ」ガクブル



東京「更に、彼らは私達にこう宣言してきた」



『日本に都道府県は不要。全て残らず抹殺する』



北海道「……嫌な未来しか見えないわね」

広島「だって、そっくりになっているって言うなら、そんなの暗殺を防ぎようがないじゃん! みんな疑心暗鬼になって、それで、それで! いつかは仲間同士で殺し合いに!」


東京「そう。だからこそ、日本の首都たる私は、日本の治安と名誉を守る為、ここにこう宣言する」



『都道府県の座は、何があろうと市区町村に渡しはしない』

『例え、その為にどれだけの犠牲を払おうとも』

『必ずや、都道府県になりすましている市区町村を根絶やしにする!』

コンマ決定

都道府県になりすましている5県をコンマで決定。予めコンマシートがあるんで、それで決定されます

なお、このコンマシートは現時点では明かせません。人狼ゲームになんないので

↓1~5まで
同数やコンマシート外の数値が出た場合は再コンマ

1つだけコンマシート外の数値
再コンマ
↓1

惜しい、同数
もう一回↓1

【その夜、某所】


??①「私、○○はここに宣言する! 例えどのような犠牲を払おうとも、都道府県になりすましている市区町村を根絶やしにしてみせる!」

??①「だってよ。吹き出すかと思ったぜ、まったくよお。あの場はホント、笑いを堪えるのに苦労したぜ」

??①「まさか、俺が既に△△を殺して入れ替わってるなんて、あの様子じゃ思いもしてないだろうな。ははっ」

??②「それはいい事だけど、でも笑い事だけじゃ済まないよ、それ。あの○○さんがそれだけ本気出すって事なんだから」

??③「その通りだ。あまり敵を軽んじるな。特に○○は日本の首都なんだぞ。こいつだけは甘く見るな」

??④「まあまあ、そう言うなって。お前ら二人は心配し過ぎだっての。もう少し前向きに生きようぜえ。なあ、??⑤」

??⑤「どうでもいい。俺は……ただ殺すだけだ。都道府県は皆殺しにしてやる。塵一つ残さずにな」

??①「何故なら、俺達は地理だけにってか。なんだ、そのボケは! お笑い舐めとんのか、ゴラァ!」

??⑤「!?!?」

??④「ヤバイ、ウケるわー。何そのボケー」ケラケラ

??②「あれー、おかしいなー。なんか私、先にこの二人殺したくなってきちゃったー」


??③「……お前達、全員。馬鹿話はそこまでにしておけ……。それより、さっさと標的を決めるぞ」

??③「今夜、誰を『殺す』のかをな……」


??①「……だな。いっちょ決めるか」

??②「はーい。これから哀れな子羊さんをチョイスしまーす」

??④「ではでは、ささっと取り出しましたるはこの死出のダーツでございまするー。これを投げて当たった的が最初の犠牲者という次第でー」デケデン

??⑤「最初は俺がやる。……どけ」ズイッ

??④「て、ちょお、おい!」

??③「……いいから、さっさと決めろ」

??⑤「ああ……任せろ」スッ

市区町村はこれで(人狼役)決定


次に最初の犠牲者(人狼ゲームにおいて、一言も喋る事なく、一度も参加する事が出来ず、ただボーッと黙って成り行きを見守るしかない可哀想な存在)をコンマで決定します

なお、人狼のターゲットが人狼になる事はないので、コンマシートを公開すると人狼に当たった時に再コンマをする事になり、どの県が化けているのかわかってしまいますので、こちらも完結するまで公開はしません。予め(以下略)

では、コンマ↓1で。人狼役とシート外に当たった時は再コンマ

【深夜 横浜ランドマークタワー】



??⑤「成敗!!」ドシュッ!!



神奈川「」グハッ!!



??⑤「……赤くて良い月だ。絶好の殺し日和だな」

??⑤「ふ、ははははははっ!!!!」




神奈川「」…………(死体)

今日はここまで

【翌朝、ホテル 関東地方朝食会】


栃木「変だな……。もう朝食会が始まる時間は過ぎているのだけど……」

群馬「おーそーいー!! 私、メッチャお腹空いてるんですけどー!!」

埼玉「まあまあ、群馬ちゃん。よく言うでしょう。空腹は最高のスパイスだって。だから我慢、我慢しよぉ。ね?」

千葉「にしても、あのバカ真面目な東京と、品行方正でお嬢様な神奈川が揃って遅刻とは珍しいな。こりゃひょっとして何かあったか?」


ガチャッ


東京「……残念だが、その予感は的中している」



栃木「あ、東京。やっと来たんだ」

群馬「おーそーいー!! おーそーいー!!」

埼玉「あれ? でも、東京だけ? 神奈川ちゃんがまだ来てないんだけど、東京知らないかな?」


東京「知っている……。神奈川はここには来ない」


千葉「おい、東京。……もしかして、何かあったのか? 何か顔色が悪いぞ」


東京「……今朝早くの事だ。神奈川が……」

栃木「神奈川さんが? どうしたの?」

東京「横浜ランドマークタワー近くで……遺体で見つかった」


「!?」

千葉「遺体でって……どういう事だよ、それは!」

東京「辻斬りだ……。鋭利な刃物で背中からバッサリと斬られていた。恐らく、即死だっただろう……」

群馬「ウソだっっ!! 私はそんなの信じないっ!!」

埼玉「神奈川ちゃんが……神奈川ちゃんが……。そんな……」

栃木「あの……神奈川さんが……? 優雅で気品があって優しい神奈川さんが……死んだなんて……」

東京「事実だ……。ついさっき確認してきた。見るも無惨な姿の神奈川を……この目で見てきた」


千葉「うおあああああっっ!!!」ダンッ!!

千葉「絶対に許さねえっ!! どこのどいつが神奈川を殺しやがった!!!」

千葉「神奈川はなあ! 神奈川は……殺されるようなやつじゃ……死んでいいような奴じゃ……!!」グスッ

栃木「……気取り屋で、でも、時々おっちょこちょいで……」グスッ

埼玉「……笑顔が似合う、とても素敵な子だった……」グスッ

群馬「……う、うああああっ!!」グスッ



東京「神奈川…………」

短いけど、今日はここまで

あ、やべ。茨城忘れてた。明日訂正します、マジすみません……

>>29訂正。差し替え



【翌朝、ホテル 関東地方朝食会】


栃木「変だな……。もう朝食会が始まる時間は過ぎているのだけど……」

群馬「おーそーいー!! 私、メッチャお腹空いてるんですけどー!!」

埼玉「まあまあ、群馬ちゃん。よく言うでしょう。空腹は最高のスパイスだって。だから我慢、我慢しよぉ。ね?」

茨城「そうだよ。埼玉お姉ちゃんの言う通りだよ。群馬お姉ちゃん、お行儀悪いよー」

千葉「にしても、あのバカ真面目な東京と、品行方正でお嬢様な神奈川が揃って遅刻とは珍しいな。こりゃひょっとして何かあったか?」


ガチャッ


東京「……残念だが、その予感は的中している」



栃木「あ、東京。やっと来たんだ」

群馬「おーそーいー!! おーそーいー!!」

埼玉「あれ? でも、東京だけ? 神奈川ちゃんがまだ来てないんだけど、東京知らないかな?」


東京「知っている……。神奈川はここには来ない」


千葉「おい、東京。……もしかして、何かあったのか? 何か顔色が悪いぞ」


東京「……今朝早くの事だ。神奈川が……」

茨城「神奈川お姉さんが……? なに、どうしたの?」

東京「横浜ランドマークタワー近くで……遺体で見つかった」


「!?」

>>30、差し替え



千葉「遺体でって……どういう事だよ、それは!」

東京「辻斬りだ……。鋭利な刃物で背中からバッサリと斬られていた。恐らく、即死だっただろう……」

群馬「う、ウソだっっ!! 私はそんなの信じないっ!!」

埼玉「神奈川ちゃんが……神奈川ちゃんが……。そんな……」

茨城「やだよ……ウソだって言ってよ、東京お姉さん! ただの冗談なんでしょ!? そうだよね!?」

栃木「僕も信じられないよ……。あの神奈川さんが……? 優雅で気品があって優しい神奈川さんが……死んだなんて……」

東京「事実だ……。ついさっき確認してきた。見るも無惨な姿の神奈川を……この目で見てきた」


千葉「うおあああああっっ!!!」ダンッ!!

千葉「絶対に許さねえっ!! どこのどいつが神奈川を殺しやがった!!!」

千葉「神奈川はなあ! 神奈川は……殺されるようなやつじゃ……死んでいいような奴じゃ……!!」グスッ

栃木「……気取り屋で、でも、時々おっちょこちょいで……」グスッ

茨城「ボクに……いつも優しくしてくれた……」ヒグッ、グスッ

埼玉「……笑顔が似合う、とても素敵な子だったのに……」グスッ

群馬「……う、うああああああっ!!」グスッ



東京「神奈川…………」

【鎌倉 高徳院。神奈川の葬式会場】




ポクポクポクポク、チーン……


神奈川「」…………(遺体)



東京「神奈川……。お前は私の良き友人であり、そして妹の様な存在だった……。私は神奈川の事を生涯忘れはしない……」

千葉「ちくしょう、ちくしょう……。こんなひでえ姿になっちまいやがって……」

群馬「神奈川……。うううっ……」グスッ

埼玉「痛かったよね……。悔しかったよね……。もっと生きたかったよね……」ポロポロ

栃木「神奈川さん……。僕は、君を殺した奴を許せそうにない……。いや、絶対に許さない……」グスッ

茨城「神奈川お姉さん……。さようなら……。うっ……うううううっ……」ポロポロ

千葉「東京……。誰が神奈川をこんな姿にしやがった……。一体、誰だよ!!」

東京「…………」

千葉「黙ってないで答えろ、東京!! てめえなら目星もある程度ついてるんだろうがよっ!!」ガシッ

埼玉「だ、ダメよ! 落ち着いて、千葉!!」

茨城「やめてよ! こんな時にケンカなんかしないでよ! 嫌だよ、ボク……!!」ポロポロ

千葉「茨城……」

東京「…………」



群馬「そうだよ……。ケンカは良くない……。大体、そんなの……聞くまでもないだろ……」グスッ

栃木「……聞くまでもないって、それ、どういう事、群馬?」

群馬「どうって……犯人ならもうわかってるって事でしょ! 横浜だよ……。横浜が神奈川を殺したに決まってる!!」

千葉「横浜だと……!?」

埼玉「横浜が……!?」

東京「…………」

茨城「横浜が……。で、でも群馬お姉ちゃん、どうして横浜だって……」

栃木「何か……証拠でもあるの?」

群馬「ないよ! だけどアイツ以外、考えられないだろ!! よく考えろよ! 神奈川が死んで一番得をするのは横浜なんだぞ!!」

埼玉「それは……確かにそうだけど……」

東京「…………」

群馬「東京! アンタだって横浜が犯人だって思ってるでしょ! アイツは油断出来ない奴だってずっと前からそう神奈川に忠告してたじゃない!!」

東京「……確かに、神奈川に対してそう言った事は何度もある。県を乗っ取られないよう気を付けろと……」

千葉「なら……本当に横浜かもしれないって事かよ……!」

茨城「そういえば……神奈川お姉さん。横浜にプロ野球団や中華街まで任せてた……。信頼してるから大丈夫だって言ってたけど……」

栃木「もしも、その信頼が仇になったっていうなら……。こんな酷い話はないよね……」

埼玉「酷い……。酷すぎるよ、そんなの……。神奈川ちゃんが可哀想過ぎるよ……」グスッ

千葉「あの腐れ外道がよぉぉ!! 今から取っ捕まえて自白させて、その後は八つ裂きにしてやるっ!!」ツカツカ

東京「待て!!! 頭を冷やせ、千葉っ!!」

千葉「あんだとっ!?」

千葉「東京! 何で止める!! こっちは神奈川が殺されてるんだぞ!! 怪しいのが横浜だって言うなら、そいつを捕まえるのが当然だろ!」

東京「無論、それはわかっている。だから、横浜を問い質すのは当然だ」

群馬「なら、何で千葉を止めたのよ!!」

東京「無駄足になるからだ。既に私の命令で、横浜は査問会にかける事が決定している。つまり、出頭命令を既に出しているという事だ」

茨城「査問会……って? 東京お姉さん?」

栃木「簡単に言えば、尋問や取り調べかな……。非公式のだけど……」

東京「そう。ついでに言えば、これは横浜だけでなく、横須賀や相模原、鎌倉、川崎など、他の市に対しても命令を出している。つまり、こちらから出向く必要など、全くないという事だ」

埼玉「でも……横浜が犯人だったとしたら、査問会に来る? 私は来ないと思うけど……」

栃木「その時は、来なかった事を理由に処罰が下せる、ってところかな……。そうだよね、東京?」

東京「その通りだ」

千葉「わかった。なら、待ってやる。やつらが来るのをな!」ポキポキ

群馬「神奈川の仇だもん……。絶対に白状させて、罪を償わせてやるからね、横浜!!」

疲れてもうた。今日はここまで
もっと簡略してサクサク行きたいけど、序盤だし、まあ、こんなところで

【一方、横浜みなとみらい21では……】


横浜「防備を固めろ! 奴等がいつ攻めてくるかわからないのだぞ! 急げ!!」

職員「はっ!」


横須賀「横浜、いるか!?」バンッ

横浜「横須賀か……。それに、他の者まで」


相模原「横浜! 困った事になったの! 助けてよ!」

川崎「横浜、まずい事態になったの。……あんたも知ってるでしょ」


横浜「無論だ……。わかっている」

横須賀「お前も多分そうだろうが、東京から通達が来た。査問会に出席しろとな」

相模原「これって絶対に神奈川お嬢様の殺しが私達の仕業だって思われてるって事でしょ!? ヤバイよ!」

川崎「一応聞いとくけど……。横浜、あんたの仕業じゃないんだよね?」

横浜「当たり前だ。俺が何故神奈川お嬢様を殺さなくてはならない。恩こそあれ、恨みなど何もないというのに」

横須賀「だよな。それは俺達もよくわかっている。だけど、都道府県の連中はそうは思ってないだろう」

相模原「そうだよ。査問会に出たら最後、うちらは皆、無実の罪を被せられるか、拷問で殺されるかのどっちかに決まってるんだから」

川崎「これまで県の都合で殺された市区町村はいくらでもあるからね……。査問会から無事に帰ってきたやつなんてまずいないって話だし……」

横須賀「だから、横浜。お前もそうやって戦争の準備をしてるんだろう? 拷問で殺されるよりは、まだ戦って死んだ方がマシだと考えて……」

横浜「……それしか俺達に残された道はないのだ。多勢に無勢の上、俺達には逃げ場も隠れる場所もない」

横浜「道が一つしかないなら、その道を真っ直ぐ歩くだけだ。例えその先に地獄しかなくても、俺は最期まで真っ直ぐ進むだろう」

横須賀「横浜……」

相模原「やめてよ、そんな事言わないでよ、横浜!」グスッ

横浜「相模原……」

相模原「うちはまだ死にたくない! 死ぬのは嫌! だから、横浜、何とかしてよ! 助けてよ、横浜!!」ポロポロ

川崎「横浜……。私も当たり前の事だけど死ぬ気はないよ。だから、あんたを訪ねてきたんだ。あんたならどうにか出来るんじゃないかって、そう思ったから……」 

横浜「悪いが、無駄足だったな……」

相模原「何で!? あんた、県並みの力を持ってるじゃない! 横須賀も自衛隊持ってるし、だから皆で協力すれば、きっとどうにか!!」

横浜「……では聞くが、相模原。残りの46都道府県全てを敵に回して、それでも生き残れるとでも言うのか!?」

相模原「うっ……」

川崎「…………」

横須賀「…………」


横浜「そんな事が出来るなら、俺もとうの昔にそれをしている! 出来ないからこそ、せめて華々しく散ろうとしているのだ! それがわからないのか!」



テクテク……

??①「いやあ、そうとは限らないぜ、横浜」



「!?」

横浜「お前は……! 馬鹿な! 一体、どうやってここに……!」


??①「どうやって? そりゃ決まってるだろ。正面から堂々とここまで来たんだぜ」


横浜「そんな訳がなかろう! 県は通すなと固く命令してある! まさか、我々に一切気付かれず、守備兵を全滅させたと言うのか!?」

??①「んな訳ないだろ。お前の力は、実力だけなら日本五大都市クラスなんだぜ? 流石の俺でもそれは無理だ。いくらなんでもな」


川崎「じゃあ、どうやってここまで来たって言うのよ……?」ジリッ


??①「おいおい、よせよ、構えるな。だいいち俺はお前らの敵じゃあない。むしろ、味方なんだぜ?」


横須賀「味方……?」


??①「そうさ。何せ俺はお前らと同じで……『市』なんだからな」


「!!??」

??①「お前らだって、噂の一つぐらいは聞いた事がないか? 都道府県そっくりになれる技があるってな」

??①「そして、それを使って、都道府県を殺しなりすましている奴等がいる、ってな」ニヤリ


横浜「まさか……。お前がそうだと……」

相模原「嘘でしょ……。まさか△△が実はもう『市』になってるなんて……」


??①「その『まさか』って訳だ。だから、お前んとこの職員はあっさり通してくれたぜ。何せ市を入れるなって命令をお前は出してないからな」


横浜「確かに……それはそうだが……」


??①「そうそう。ついでに言えば、お前らんとこのアタマを殺したのは俺達だ。ははっ」


「!!!???」

川崎「お前が、神奈川お嬢様を殺しただって!?」

??①「そうさ。実のところ、今、俺のように都道府県になりすましている奴等は五人いてな。神奈川を殺したのは、その中の一人だ」

横須賀「この野郎! よくもぬけぬけと!!」

??①「おいおい、何で怒る? 俺はお前らを救ってやったんだぜ?」

相模原「救ったですって!? なに言ってんの、アンタ!? アンタらのせいで、うちらがどれだけ迷惑を受けてるのかわかってんの!?」

??①「だろ? どれだけ『迷惑』を受けたか、だろ? つまり、神奈川を殺した事自体は別に怒ってもいないって訳だ。違うか?」

川崎「べ、別に、そんな事は……」

??①「じゃあ聞くが、この中の誰か一人でもいい。神奈川が死んだって聞いて涙を流した奴がいるか?」

相模原「え? そ、それは……」チラッ

横須賀「いや、俺は……」チラッ

川崎「私も……。でも、横浜は……」チラッ

横浜「……いや。恐らくだが……誰もいないだろうな」

??①「ははっ。だろうよ。それが当然だ」


横浜「…………」
横須賀「…………」
相模原「…………」
川崎「…………」

??①「それが当然なんだよ。都道府県の横暴はどこも酷いもんだからな」

??①「俺達を馬車馬や奴隷のようにこき使うくせに、何もしてない自分達はやりたい放題だ。感謝どころか労いの言葉一つない。少しでも逆らえば言い分もきかず殺されるしな」

??①「そして、奴等はそれが当然だと思っているんだ。市区町村は自分達の奴隷だとでもな」

??①「神奈川だって例外じゃない。そうだろう、横浜? お前は一度でも神奈川から感謝された事があるか?」

横浜「…………」

??①「相模原、神奈川が一度でもお前に頭を下げた事があるか?」

相模原「…………」

??①「横須賀。神奈川が一度でもお前の事を誉めた事があったか?」

横須賀「…………」

??①「川崎。神奈川が一度でもお前の事を気遣った事があったか?」

川崎「…………」


??①「よく考えろ、お前ら。ここは民主主義の国なんだぞ。なのに、どうして身分制度が俺達にはある? 市区町村は都道府県の下だと、どうして決めつけられなければならない?」

横浜「…………」
横須賀「…………」
相模原「…………」
川崎「…………」


??①「横浜。お前なんか特にそうだ。日本十大都市の一つ、都道府県にも劣らない実力を持ちながら、どうしてワガママで世間知らずなバカガキの面倒を見て一生を過ごさなきゃならないんだ。そう思わないのか」

横浜「…………」

横浜「……お前の言いたい事はよくわかった」

??①「そうかい。それなら話は早い。お前の事だ。こちらの要望も大体わかってるだろう」

横浜「神奈川傘下にあった市区町村をまとめ、お前たちサイドにつけと言いたいのだろう?」

??①「そうだ。俺達の仲間になれ。協力して欲しい」

??①「この国から都道府県を全て無くすのが俺達の望みだ。その手始めとして、横浜。お前は表の盟主になれ。そうして、奴等に正式に宣戦布告する」

??①「これは今まで都道府県に虐げられてきた市区町村を解放する為の、正義の聖戦なんだとな」

横浜「……つまり、飾り物の盟主になって、都道府県どもを煽れと言うのか。俺も堕ちたものだな……」

??①「不服か? お前の名声が高いからこその大抜擢なんだがな」

横浜「いや……。構わない。つい先刻まで死ぬ覚悟でいたのだ。死を覚悟すれば何でも出来ようというものだ」

??①「そうかい。それなら助かる。なら、お前達は俺らが匿うから、早速ついてきな。俺達の都道府県に入れば安全だからな」

横須賀「……横浜。俺達はどうすれば……」

横浜「死にたくなければ、全員、??①についていけ。死にたければ残ればいい」

相模原「う、うん……。わかった。うちはついてく」

川崎「……まだ不本意だけど、私もついていく。それしか手はなさそうだしね」

横須賀「そうか……。なら、俺もそうする」

横浜「俺は、他の市区町村にこの事を伝え、説得してから向かう。先に行き先だけ教えてもらおうか」

??①「ああ、行き先は……」

【数日後 都内 帝国ホテル】


東京「さて、諸君。本日、緊急J7会議を開いた理由は大体察しがついているはずだが……」

愛知「神奈川の事! だよね!」

東京「そうだ。神奈川県から……。いや、今は元神奈川県か……。そこから横浜含め鎌倉や横須賀などの市区町村全てが姿を消した」

大阪「つまり、逃亡されたって訳だ。しかも全員揃ってな」

宮城「査問会への出席を全員が拒み、完全に雲隠れしたようだ」

北海道「こうなってくると、やっぱり横浜達が共謀して神奈川さんを殺したって事かしらね……」ハァ

広島「それしか考えられないじゃないの。でなきゃ、査問会をバックれる理由なんかないもん」

福岡「不届きにも程があるわね……。市区町村のくせして県殺しを行うなんて。見つけて全員処刑すべきよ」

東京「当然だ。彼等にはそれ相応の報いを受けてもらう。だが……」

大阪「だが? だが、何だってんだよ?」

東京「逃亡した市区町村は既に全国で指名手配してある。しかし、にもかかわらず、未だに発見されていないのだ」

愛知「え? 何で? それ、おかしくない?」

福岡「確かに……。私達の管轄下にあれば、どこに隠れようともすぐに見つかるはずなのにね……」

東京「その通りだ。私達の領土内に他市や他区が混ざればすぐに発覚するはずだ。なのに、どこの県も知らぬ存ぜぬと言う。これは有り得ない事だ」

大阪「じゃあ何か? 俺達の中に裏切者がいて、そいつが横浜や横須賀だとかを匿ってるって事か? それこそ有り得ないだろ」

広島「うーん……まあ、確かにね。県殺しをした市区町村を庇う都道府県があるとは思えないし……」

宮城「だとしたら、結論は一つだろうな」

北海道「結論って?」

宮城「両方有り得ないのであれば、残る可能性は一つだけとなる。つまりは……」

東京「以前に話した、都道府県になりすましている市区町村の話を諸君は覚えているはすだ。そいつが横浜などを匿っている、という事だ」


「!?」

東京「今、暫定的に元神奈川は私の領土と合併して東京都となっている。つまり、元神奈川の領土で隠れていても私が見つける事が出来る」

東京「しかし、元神奈川にもおらず、他の都道府県でも見つからないとなれば、可能性的にはそれしかない。私達は国外逃亡が不可能だからな」

大阪「ざけんな! クソッたれが! 卑怯なだけの臆病者がよ!!」

宮城「……獅子身中の虫とはよくぞ言ったものだな。とるに足らないものが獅子の命を脅かすか」

北海道「それで……。東京、その都道府県の目星はついているの?」

東京「いや、まだだ。どこの都道府県がなりすましているかまではわかっていない。ただ、現在、密かに調査を行っている。時間はかかるだろうが、いつかは」

プルルル、プルルル‼

愛知「うぎゃあっ!!」ビクッ

広島「お、驚かさないでよ、愛知……。ただの電話じゃない。まったくもう」ピッ


広島「もしもし。……あ、岡山ね。どしたの?」

広島「テレビ? テレビがどうかし……」

広島「え!? それ、ホント!? う、うん、わかった、今、つける! リモコンリモコン、どこ!?」キョロキョロ

北海道「えっと……リモコンならここよ。でも、どうしたの、広島?」

広島「いいから早くテレビをつけて! どこの局でもいいから!!」

北海道「え……。う、うん……」ピッ

【放送中】



『……以上の理由により、我が横浜は、横暴にして不遜、残虐かつ非道な振る舞いを行う都道府県どもをこのまま見過ごしておく訳にはいかぬと思い至った』

『彼等には最早、我ら市区町村の上に立つ資格がない! 否、資格がないどころか、生かしておけば彼等は永久に害毒を吐き、この日本を蝕み続けるであろう!』

『故に、本日この時刻をもって、我が横浜は旧神奈川県ーー現在の東京都から独立をし、ここに横浜連合自治区を設立する事を宣言する!』

『また、それと同時に、今ある46都道府県全てに対し宣戦を布告する!』

『これは断じて、我が身可愛さの保身でも、権力欲しさの野心でもない。これは、彼ら都道府県が今まで行ってきた外道極まりない行いへの代償であり、日本を正しき未来へと導く為の正当な行為である!』

『この放送を聞きし都道府県どもよ。お前達は過去を悔いて涙せよ。我らはお前達に対し、わずかたりとも妥協も容赦もしない』

『この放送を聞きし市区町村達よ。お前達は自分達がこれまで受けた弾圧や屈辱を思い出せ。我らはお前達を同胞として手厚く迎え、友愛と信義をもって遇する事を約束する』

『我に続け。全国の市区町村よ。正義は常に我と共にある! 同じ市区町村同士で助け合い、都道府県をこの世から消し去るのだ!』


『日本を正しき未来へと!!』


ドガンッ!!!!



愛知「ひっ!!」ビクッ‼


福岡「こうるさいテレビね……。思わず手が出てしまったじゃないの」

宮城「……冷静になれ、福岡。例えそれがどれだけ下劣で低俗な内容であろうと情報は情報だ。耳が汚れるのを承知で聞かねばならない時もある」

宮城「新しいテレビを直ぐ様用意させる。それとネット関係全般も調べるよう、外の職員に伝えておく」スタスタ

大阪「宮城。ついでにお前のとこの仙台の様子も調べさせておけよ。アイツは絶対その内裏切るだろうからな」

宮城「……かもな。そうしておく」バタンッ

大阪「愛知。お前のとこの名古屋もだぞ。よく監視しておけよ」

愛知「あわわわわわわ」オロオロ

北海道「私も札幌を見張っておく必要があるのかしらね……」ハァ

広島「にしても、横浜のやつ……。アイツ、ホント頭どうかしてる。信じらんないわよ」

福岡「東京は直ぐ様、戒厳令をしいて。今は非常事態なのよ。私達は戦争を仕掛けられたのだから」ギリッ

東京「無論だ。任せておけ。少し席を外す」スタスタ

愛知「ど、どうしようどうしようどうしよう」オロオロ、アセアセ

今日はここまで

【数時間後】


東京「まず、これまでに収集した情報を改めて整理する」


1、市区町村の一部の過激派が上に立つ都道府県を殺し、そっくりになりすましている

2、なりすましているのがどこの市区町村かは、現在のところ不明

3、その調査には時間がかかる上に、確実な判別が可能なのかも不明

4、旧神奈川傘下の市区町村が独立し、都道府県に対し宣戦を布告

5、また、彼等はなりすましている都道府県に匿われており、所在は特定出来ない


東京「そして、最後だ。6」

東京「奴等はこれから一日につき一人、都道府県を殺していくと予告した」


大阪「…………」
愛知「うう……」ガクブル
福岡「…………」
北海道「」ハァ……
広島「…………」
宮城「…………」


東京「以上の理由により、私、東京は今を非常事態だと判断」

東京「日本の首都たる私の正当な権限の元、現時刻より戒厳令をしく事をここに正式に布告する」

東京「戒厳令下においては、例えどのような異議があろうと、私の命令が絶対であり、かつ、最優先事項とされる」

東京「これはJ7たる諸君らも例外ではない。よく覚えておいて頂きたい」

東京「いいな?」


大阪「ああ……わかってる」

宮城「非常時だ。命令系統を一本にするのはやむを得まい」

福岡「……異議はないわ」

北海道「戦争だものね……。仕方ないわ……」

広島「まあ……異議があっても今更どうにもならないし」

愛知「わ、私は賛成! 東京に全部任せるから! 頼んだよ!」


東京「……よかろう。ならば最初の命令を下す」

東京「J7の諸君らは、至急、各々が担当する地方の都道府県を緊急召集せよ」

東京「関東は私が集める。手が空いてる北海道は四国を担当だ。急げ」

「了解!」

【緊急召集後 東京都、平和の森公園】



ザワザワ、ザワザワ、ザワザワ……



東京「静粛に願おうか」


ピタッ

シーン……


東京「先程、私が説明した通りだ」

東京「この中に、私たち都道府県になりすましている市区町村がいる」

東京「つまり、この中には既に、私達の敵が混ざっているという訳だ」

東京「そして、今の私達にはそれを判別する方々も時間もない」

東京「敵はそれをいい事に、私達を一日ごとに一人殺害していくと宣言している」

東京「このまま放置しておけば、私達は成す術もなく全滅の憂き目に遭うだろう」

東京「これは、都道府県制度が作られてより最初にして最大の危機だ」

東京「だが、私達は決して市区町村に屈してはならない!」

東京「この国は明治維新以降、都道府県が支えてきた国だ。市区町村ではない!」

東京「奴等はそれもわからず、またその能力もないくせに、自分達でもそれが出来ると大きな勘違いをしているだけだ!」

東京「吹けば飛ぶような力しか持たない市区町村が、日本をどう正しく導く! ネズミが束になったところで、大きな馬車を引っ張れるとでも言うのか!」

東京「市区町村が日本を動かせば、その結末は目に見えている。遅延、停滞、混乱、悪化、暴動、破綻……日本は世界で最も貧しく最も治安の悪い国となるだろう」

東京「私は日本の首都として、その様な未来を生み出す事だけは絶対に避けねばならないと、断固たる決意をもってこの場に臨んでいる」

東京「故に、ここに集まった全ての都道府県達も、私と同じく、強靭な意志と死をも厭わぬ覚悟でこれからの事に臨んで頂きたい」

東京「日本を滅亡から救う為に!」


オーッ!!

ワーワーワー、パチパチパチパチ‼

東京「では、諸君らの意思も確認出来たところで、これより本題に移る」


ピタッ、シーン……


東京「つまるところ、私たち都道府県は、なりすましている市区町村を見つけ出し、そいつを処刑すれば良い。ここまでは誰もが理解出来るだろう」

東京「だが、見つけ出す事は現時点では不可能となっている。しかし、不可能だからと放置しておけば私達が全滅し敵が勝利する。この事態だけは何としても避けなければならない」

東京「これは敵からの理不尽な攻撃だ。私達には敵を判別する術がなく、敵には私達を全滅させる手段があるのだから」

東京「では、その理不尽な攻撃を突き返すにはどうするか? これについて私は散々考え酷く悩んだが、その答えは最終的には一つしかなかった」


東京「理不尽な攻撃に対しては、こちらも理不尽な攻撃を行うしかない!」


東京「それは捨て身とも呼べる攻撃だ。狂気の沙汰と言っても少しも間違ってはいないだろう」

東京「だが、私はそれを断行する。何故なら、それ以外に私たち都道府県が勝利する方法がないからだ」

東京「集まった諸君らには、それを実行してもらう。無論、協力してくれるものだと信じているし……」

東京「反対する、と仮に言ったところで私は聞く耳を一切持たない。無理矢理にでも協力してもらおう」


ザワザワ、ザワザワ、ザワザワ……


「一体、何を……?」

「私達にどう協力しろって言うの……?」



東京「処刑人、前に出よ!」

処刑人「はっ!!」ザッ


「!?」


東京「周りも全て取り囲め! 一人たりともここから出すな!」

処刑人「はっ!!」ザザッ


「!!??」


東京「少しでも反抗する者、ここから逃げ出そうとする者は容赦なく殺せ! そいつは都道府県ではなく市区町村だ! いいな!!」

処刑人「ははっ!!」ザザザッ


「!!!???」

大阪「ま、待て、東京! これは一体何の真似だ!!」


東京「見ての通りだ、聞いての通りだ、大阪」


福岡「見ての通りって……」

北海道「これじゃあ、まるで……」

宮城「クーデターではないか……!」

愛知「ひいいいいっ!!」ブルブル

広島「東京、こんなアンタ一人の勝手な真似が許されるとでも思ってるの!!」


東京「思っている。忘れたか、広島。今は戒厳令下だ。私の命令は絶対であり、最優先事項だと言ったはずだ」


広島「で、でもっ!!」

処刑人A「黙れ!! 喋るなっ!!」ジャキッ

広島「うっ……」

処刑人A「死にたくなければ、両手をゆっくりと上げろ! 早くしろ!!」ジリッ

広島「わ、わかったから! 上げる! 上げるから!!」サッ

処刑人A「よし。だが、次はないと思え! いいなっ!!」バキッ‼

広島「うぐっ!!」ドサッ


鳥取「ひ、広島おねえちゃん!」

岡山「広島になんて事を! 女の子の顔を殴るだなんて!」

処刑人B「あーん? 何だあ? てめえも反抗する気か、おい?」ズイッ

岡山「うっ……」タジッ


広島「や、やめな、岡山! 私は平気だから!」

岡山「で、でも……」

広島「いいから! アンタまで巻き添えになる! 大人しくしてて!」

岡山「ううっ……」


処刑人B「だとよ。良かったなあ、おい、物分かりのいいお友達がいてよ。命拾いしたなあ」ニヤニヤ

岡山「ぐっ……!」

鳥取「ふ、ふええっ……。こわいよ、こわいよぉ……」グシュッ、ヒック……

大阪「で……。クソッタレの東京様よ。お前は一体、何がしたいんだ。こんな風に俺達を取り囲んでよ」

宮城「聞かせてもらおうか……。出来れば納得のいく理由であって欲しいところだがな」


東京「理由か……。理由なら、先程も話したはずだ」

東京「私はどんな手段を用いてでも、市区町村の無知蒙昧な野望を砕くとな」


福岡「もう少し詳しく言いなさいよ、東京。あんまり私を苛つかせないで」


東京「手段としては物凄く簡単な事だ」

東京「敵が私達の中に紛れ込んでいると言うのなら、私達はそれを排除してやればいい」

東京「ただし……」

東京「疑わしきは罰せずの精神ではなく、疑わしき者は処刑する、の精神でな」


「!!??」

東京「よく聞け」

東京「これから諸君らには、投票を行ってもらう」

東京「投票する内容は、『市区町村だと疑わしき者』だ」

東京「疑わしき者の名は一人だけでいい。ただし、必ず全員が記入してもらう。白票は認めない」

東京「そして、その投票で最も多く名を挙げられた都道府県は……」

東京「市区町村の疑いにより、『処刑』する」


「!?」


東京「日本は民主主義の国だ。つまるところ、多数決の国だと言ってもいい」

東京「故に、全員の意見を尊重し、平等に『処刑される者』を決める」

東京「だから、もしも私が市区町村だと疑う者がいたら、遠慮せずに私の名を書くがいい。投票で決まったのなら、私もその決定に従う所存だ。首都だから、戒厳令下だからと、その決定を反故にするつもりはない」

東京「それが私の覚悟であり、そして意志だ」

東京「例えどれだけの犠牲を出そうとも、力なき市区町村達に日本の未来を渡す訳にはいかないのだから!」

東京「では、これより諸君らに投票用紙を配る」

東京「なお、これに従わない者は、当然、市区町村の疑いにより問答無用で処刑する」

東京「今ここで死にたくなければ大人しくしておくのが賢明だろう。そう忠告をしておく」


「…………」


東京「時間は今から一時間与える。相談するも良し、探りを入れるも良し、好きに使うといい」

東京「そして、一時間後の投票の結果により……」

東京「本日、処刑される者が一名決まる」

東京「全員、心して臨む様に。私からは以上だ」

東京「始めろ」



職員「はい!」

都道府県側ターン

都道府県側(人狼ゲームにおける人間側)のコンマシートを公開

『あいうえお順』
(既に神奈川は削除済み。神奈川が抜けた分、1ずつずれています)

愛知 :1、47
青森 :2、48
秋田 :3、49
石川 :4、50
茨城 :5、51
岩手 :6、52
愛媛 :7、53
大分 :8、54
大阪 :9、55
岡山 :10、56
沖縄 :11、57
香川 :12、58
鹿児島:13、59
京都 :14、60
岐阜 :15、61
熊本 :16、62
群馬 :17、63
高知 :18、64
埼玉 :19、65
佐賀 :20、66
滋賀 :21、67
静岡 :22、68
島根 :23、69
千葉 :24、70
東京 :25、71
徳島 :26、72
栃木 :27、73
鳥取 :28、74
富山 :29、75
長崎 :30、76
長野 :31、77
奈良 :32、78
新潟 :33、79
兵庫 :34、80
広島 :35、81
福井 :36、82
福岡 :37、83
福島 :38、84
北海道:39、85
三重 :40、86
宮城 :41、87
宮崎 :42、88
山形 :43、89
山口 :44、90
山梨 :45、91
和歌山:46、92


では、最初に処刑される都道府県を決定します

上記の数値以外は再コンマで
↓1

さらば、三重県
今日はここまで

【およそ一時間後】



東京「投票は全て終わり、そして既に開票結果も出ている」

東京「つまり、本日処刑される都道府県はもう決定しているという事だ」


ザワザワ、ザワザワ……


東京「だが、その発表の前に私は諸君らに悲しい事実を伝えなければならない」


「……?」


東京「何故なら、今回、処刑される都道府県は……」

東京「恐らく市区町村ではないからだ」


「!?」

福岡「市区町村ではないって……。どういう事よ、東京」

群馬「そ、そうよ! これは市区町村だと思う都道府県を見つけようっていう投票なんでしょ! なのに何でよ!」


東京「その者が処刑される理由は非常に簡単だ」

東京「私が出した命令に逆らい、白紙で投票したからだ」


栃木「白紙で……!?」


東京「ああ、そうだ。私は諸君らに最初に忠告したはずだ」

東京「この投票に従わない者は問答無用で処刑する、とな」

東京「まさか聞いてないとは言わせないぞ、三重!」


三重「……ぅ」ブルブル



愛知「み、三重ちゃんが!? な、何で!?」オロオロ

兵庫「三重……どうしてそんな事を……?」

三重「だ、だって……」ブルブル

三重「こんなの……間違ってる、から」ガクガク


東京「ほう……。私が間違っているとお前は言うのか」


三重「そ、そうよ……。東京……あ、あなたは間違っている……」ブルブル

三重「だ、だって、疑わしきは罰せずが日本の刑法なんだもの……」ガクガク

三重「なのに……。疑わしい者を殺して、無実かもしれない者を次々と殺していって犯人を見つけようなんて……」ブルブル

三重「こんなの……近代国家がとる方法じゃない……。そんなの……子供だってわかる事じゃないの……」ガクガク


東京「…………」


三重「私達は……封建的で封鎖的な歴史を過ぎて、ようやく誰もが平等な民主主義を手に入れたのに……」ブルブル

三重「これでは、まるで中世に逆戻りよ……。民主主義とは名ばかりの投票をして、これのどこが日本の正しき道なの……」ガクガク


東京「…………」


三重「東京……あなたは間違っている……。私はそれをどうしてもあなたに伝えなきゃならないから……。だから……」ブルブル


東京「……なるほど」

東京「それが、お前が投票を白紙で出した理由か」

三重「そ、そうよ……」ブルブル

東京「そうか。非常に立派な意見であり、聞くに値する文言だった。心に留めておこう」

三重「そ、それなら……」ガクガク


東京「処刑人!」

処刑人「はい!」ザッ

東京「三重を直ちに拘束し、処刑台まで連れていけ! 可能な限り楽に死なせてやれ!」

処刑人「ははっ!」


三重「!?」

処刑人A「縄で拘束させてもらう。動くなよ!」ササッ

三重「……うぅ!」グスッ



大阪「おいゴラァ、東京!! てめえ、どういうつもりだ!!」

滋賀「今、三重の主張を立派だと誉めたばかりじゃねーか! それが何でそうなんだよ、なあ!!」

京都「…………」

和歌山「同じ近畿の仲間として見過ごしておけないよ、僕も!」

奈良「そうだ、そうだ! ふざけんのも大概にしろや!!」

兵庫「何なら……近畿全部を敵に回すかい、東京……?」


岐阜「待ちなさい。近畿だけでなく東海も参戦するわよ」

愛知「え、え、え、ちょっと岐阜ちゃん」オロオロ




東京「黙れっっっ!!!」



愛知「ぴやぁぁぁぁ!!!」ビクッ‼

東京「ならば聞こう!」

東京「三重! 貴様に今の状況を打開する案があるのか!!」

東京「都道府県を全滅から救う為に、貴様はどんな方法をとれと言う!! 答えろ!!」


三重「…………ぅぅ」ポロポロ


東京「具体的な案もなく、ただ理想や正論を振りかざすだけなら誰でも出来る!!」

東京「今が非常時だという事を忘れるな!! 理想を語りたければ平和な時に存分に語れ!!」

東京「敵に銃口を向けられてる最中、人殺しは犯罪だと正論を説く事に何の意味がある!!!」

東京「それは正しい行いだが、同時に愚か者のとる行動だとわからないのか、お前たちは!!!」


滋賀「ぐっ……」

和歌山「……それはそうだけど」

兵庫「だが……とはいえ三重を処刑するというのは……」

岐阜「そう! それはやり過ぎよ! 三重が何をしたって言うのよ!!」

奈良「人でなしにも程があるってーの! 白紙で出しただけだろが!!」

大阪「非常時だからって独裁者気取りも大概にしとけよ、東京!!」

京都「…………」ハァ


三重「ぅぅぅぅぅ」グシュッ、ヒック

今日はここまで

東京「皆の言い分はよく理解した。だがそれは偽の都道府県が消え、平和が戻った時に改めて聞くとしよう」

大阪「てめえ!! 聞く気ゼロかよ!!」

東京「では、予定通り処刑を執行する。処刑人は三重を死刑台へ……む?」



京都「」ツカツカ

京都「三重」

三重「え……? な、何ですか……? 京都先輩……」グシュッ


京都「この、愚か者!」

バシンッ!!!


三重「あぎっ!!」ドサッ



岐阜「!?」

滋賀「え、お、おい!? 京都!?」

京都「今は戒厳令下。東京の言う事に従うのが筋と言うものよ!」バシンッ!!!

三重「い、痛いっ!!」

京都「なのに、何故、あなたは投票をしなかったの! 反省しなさい!!」バシンッ!!!

三重「うあっ!!」


和歌山「きょ、京都先輩! どうか落ち着いて下さい!」

奈良「ちょ、京都! 待てや!! やめてやってくれ!!」


三重「あ、うぅぅ……」ポロポロ


東京「何のつもりだ……。京都?」

京都「見ての通りよ。私達の仲間である三重があまりに愚かな事をしでかしたから反省させてるの」

兵庫「しかし、京都先輩……。それは……」

京都「兵庫は黙ってなさい」

兵庫「…………」

大阪「おい、京都……お前」

京都「あなたもよ、大阪。しゃしゃり出ないで大人しくしてなさい」ピシャリ

大阪「ぐ……」


東京「…………」

京都「さて……東京」

東京「……何だ」

京都「あなたも見ての通り、三重の不始末は私が厳しく叱っておいたわ」

東京「…………」


三重「ひぐっ、ぅぅ……」ポロポロ


京都「流石に三重も反省してるだろうし、次の投票には三重も白紙を提出する事はないはずよ」

京都「だから、ここは私の顔を立てて三重の処刑を取り止めにしなさい。いいわね?」

東京「……そうか。それが狙いか……」

東京「私がそんな猿芝居を真に受けるとでも思うのか、京都?」

京都「へえ……。それなら、東京は私の顔を潰す気? ずいぶんと偉くなったものね」

東京「…………」

京都「たかだか四百年ぐらい日本の首都をしているだけの分際で」

京都「千年を越える私の顔に泥を塗る気なの?」

京都「いつからそんなに偉くなったのか、私に教えてくれない……? 東京……?」ゴゴゴゴゴ


東京「…………」

東京「いいだろう……」

東京「京都が責任を持つと言うのなら、三重の処遇は京都に委ねる」

東京「だが、それは今回に限りだ。二度はない。それが今の私に出来る最大限の譲歩だ」

東京「それでいいな、京都」


京都「いいわ。それで手を打ちましょう」

京都「……あなたもわかったわね、三重」ジロッ

京都「二度とこのような真似は赦さないから」

京都「次の投票の時は、必ずどこかの都道府県に投票すると、今、この場で誓いなさい」


三重「うっ、うぁぁぁ……」ポロポロ

三重「きょ、京都先輩……」ポロポロ

三重「わ、私には……」ポロポロ

三重「私には……それが、出来ません……」ポロポロ


京都「三重!!」


東京「…………」

三重「わ、私は……これでも日本の都道府県なんです……」ポロポロ

三重「だ、だから都道府県である以上……日本の刑法に従います……」ポロポロ


京都「三重!! いい加減にしなさい!!」

岐阜「あなた、死にたいの!? 無記名で投票するだけじゃないの!!」


三重「わ、私だって……死にたくないです……」ポロポロ

三重「死ぬのは怖いです……。嫌です……。でも……でも……!!」ポロポロ


兵庫「……本当の愚か者か。理想に殉じて死を選ぶとは……」ハァ



東京「……京都。これで決定だな。まさか文句は言うまい」

京都「っ……」


東京「三重を死刑台へ連れていけ」

処刑人「はいっ!」ザッ


三重「うぁぁぁぁ……。ごめんなさい……。みんな……ごめんなさい……」ポロポロ


和歌山「…………」ギリッ

奈良「バカ野郎が…………」

滋賀「なんだよ、これはよぉ…………」

三重「ぁ、ぅ……」ガクガク、ブルブル


処刑人A「目隠し、取り付け完了しました」

処刑人B「縄は既に首にかけてあります」

処刑人C「後は、この下の台を外せば自動的に絞首刑の執行となります」


東京「……そうか」

東京「では、三重。何か最期に言い残す言葉はあるか?」


三重「わ、私は……」ガクガク、ブルブル

三重「それでも……間違っていない……」ポロポロ


東京「……正しいか、正しくないかは、これからの歴史が決めるだろう」

東京「吊るせ」


処刑人「はっ!」

処刑人「」ガコンッ‼


ガタンッ‼


三重「がっ! あっっ!!」

三重「っ……!!!」

三重「」ビクンッ……ビクンッ……


三重「」プラーン……




「三重ぇぇぇーーーーーーー!!!!」

東京「死体は今日の夜まで吊るしておけ」

東京「都道府県であれば、その都道府県の県鳥が寄る。市区町村であればカラスがたかるはずだ」


東京「それと、愛知、岐阜、滋賀、京都、奈良、和歌山の職員を動員し、三重の市区町村全てを捕らえにいけ」

東京「三重県の象徴が消えた今、やつらを捕らえるのは容易いはずだ。急げ!」

東京都職員「ははっ!!」ビシッ






三重「」…………(死体)






「酷い…………」

「これは……あまりに……」

「うぅ、うぅぅ……」グシュッ

今日はここまで

【三重県内】


愛知職員「探せっ!! 私達が狙うのは四日市と津だ!」

愛知職員「メイン都市を手に入れ、愛知をより豊かにするぞ!!」

「おーっ!!!」


━━━━━━━━━━━━━━


滋賀職員「鈴鹿を見つけたぞ! こっちだ!! 捕まえろ!!」

鈴鹿「た、助けて!!」ダダダッ

滋賀職員「待てぇ!! 鈴鹿サーキットは滋賀が貰う!!」ダダダッ


━━━━━━━━━━━━━━


京都職員「さあ、大人しくしろ! 貴様は完全に包囲されている!」ジリッ

伊賀「くうっ!!」

京都職員「伊賀の里は京都のものだ! 投降しろ!」


━━━━━━━━━━━━━━


和歌山職員「志摩、鳥羽は捕まえた。鳥羽水族館とスペイン村の確保に成功」

志摩「くっ! 殺せ!」ジタバタ

鳥羽「和歌山め……! 覚えてろよ!」ギリッ


━━━━━━━━━━━━━━


岐阜職員「桑名ゲットだぜ!」

桑名「……無念!」

岐阜職員「ウェーイ! ナガシマスパーランド!!」


━━━━━━━━━━━━━━


奈良職員「食材は私達、奈良のものだな。ふふふふっ」

松阪「ちくしょう……! ちくしょう……!!」

伊勢「奈良県ごときにぃぃ!!」ギリッ

奈良職員「伊勢神宮は奈良にこそ相応しい!! はーっはっはっはっ!!」

【その夜】


東京「そうか。有名無名含め、全ての市区町村は漏れ無く捕らえたのだな」

職員「はい」

東京「宜しい。予定通り、捕らえた市区町村は、その都道府県の傘下に置け。書類を手配しておくように」

職員「かしこまりました」コクッ

東京「それで……処刑した三重の様子はどうだ」

職員「それが……」

【死刑台】


三重(死体)「」プラーン……プラーン……


シロチドリ「」バサバサ、バサバサ





和歌山「三重……」グシュッ

岐阜「…………」ポロポロ

奈良「三重が死ぬ必要がどこにあったんだよ……。なあ、大阪、何でだよ……」

大阪「……俺に……聞くな」

京都「…………」

滋賀「……三重は立派だった。立派過ぎたんだよ、お前はよぉ……」グシュッ

兵庫「……健気なやつだった。どこまでも健気で、そして儚かった……。最期までな……」





東京「……やはり、三重は市区町村ではなかったのだな」

職員「……はい」

東京「……死体はもう下ろしていい。手厚く葬ってやれ」

職員「はっ……」






東京「三重……。お前の死は決して無駄にはしない……。決して……」

職員「…………」

【一日目、まとめ】


『神奈川県が日本から消滅しました』

『代わって、東京都神奈川市が出来上がりましたが、実質的には無法地帯と化しています』

『横浜をリーダーとする横浜連合自治区が誕生しましたが、現在これは名前だけで土地は持っていません』

『三重県は六分割され、愛知、岐阜、滋賀、京都、奈良、和歌山の一部になりました』



『残りの都道府県は40、化けている市区町村は5、消えた都道府県は2です』



『殺された都道府県一覧』
神奈川

『処刑された都道府県一覧』
三重

『処刑された市区町村一覧』
なし

【深夜】


??①「予想外の事態だな、おい」

??②「○○のサイコちゃんが無茶苦茶な事をやり始めたからねー」

??④「あいつ、マジクレイジーだよな。頭どうかしてるわ」

??③「悪い意味で日本を象徴してる女だ。捨て身で我々を殺しにきた。……神風特攻隊を作るだけの事はある」

??⑤「なら、殺せばいい……。それだけだろ」

??③「お前はいっつも殺す殺す言うけども。前に決めただろ。殺しの順番は俺達が誰に化けてるのかバレにくいよう、完全にランダムで選ぶって」

??①「まあ、それが無難だよな。それに、○○はその内自滅しそうな感じだしよ。あんな横暴、いつまでも続く訳がないからな」

??②「反感相当買ってるだろうしねー。確かに、その内、投票で処刑されそうな感じあるかも」

??③「むしろ……今は放置しておいた方が良いと?」

??④「んー、かもな。とりあえず俺らを疑ってる都道府県なんてそうはいないだろうし、俺らが処刑される可能性は低いだろ」

??⑤「…………」

??①「メリットもあるしな。俺達が手を下す事なく死んでいってくれるなら手間が省ける」

??②「とりあえず、まだ様子見? そんな感じ?」

??③「それでいいだろう。今のところはな……」

??④「なら、今夜もいっとくかー? とびっきりヤバイ死出のダーツを」

??②「あ、それなら今回は私がやるー。ダーツセットちょーだい」

??⑤「……ほらよ。使え」スッ

??②「オッケー。じゃあ、いっくよー。今回は誰になるかなー?」


??②「そーれっと!!」ピュンッ

第二の犠牲者をコンマで決定


以下、毎回の事になる説明(なのですっ飛ばし可)

市区町村のターゲットが市区町村になる事はないので、コンマシートを公開すると市区町村に当たった時に再コンマをする事になり、どの都道府県が化けているのかわかってしまいます。なので、完結するまで公開はしません。予め(以下略)

なお、化けている市区町村と消えた都道府県はコンマシートから既に除外済み


では、コンマ↓1で。00と81以上が出たら再コンマ

【仙台城 伊達政宗像前】


宮城「……こんな深夜に△△から大事な話があるとはな」

宮城「用件は恐らく、今日の東京の暴挙の事だろうが……」

宮城「しかし、遅」


ズドンッ‼


宮城「……っっ」ガクッ

宮城「あ、ぐっ……」グラッ

宮城「な……」

宮城「まさ……か……狙撃を……」



ズドンッッ‼‼ ズドンッッ‼‼



宮城「」ドサッ






??②「いっちょあがりーっと。J7なんて言っても大した事ないよね。イェイ!」ブイッ

今日はここまで

【同時刻 大観密寺、仙台大観音像前】


仙台「……まさか、アンタに呼び出しされるなんて思ってなかったわね」

仙台「……で、私に何の用なの? 横浜」


横浜「…………」


仙台「まあ、聞くまでもないか」

仙台「私に味方になって欲しいって事でしょ? 違う?」

仙台「東北地方で最強の力を持つ私にね」


横浜「そうだ。お前の力は役に立つ」

横浜「単刀直入に言おう。俺と共に来い、仙台」

横浜「宮城県傘下の市区町村全てをまとめ上げ、共に都道府県を滅亡の道へと導く」


仙台「ふーん……」

仙台「まあ、いいよ。面白そうだしね」ニヤリ

横浜「そうか」

仙台「正直、私も宮城には愛想を尽かせていたしね」

仙台「宮城がJ7に入れたのは私のおかげだというのに、アイツはそれを何もわかってなくて、つけあがってさ」

仙台「挙げ句の果てには私に監視役をつける? バカじゃないの?」

仙台「飾り物として上に置いてあげてるだけなのに、どこまで増長すれば気が済むんだろうね」

仙台「宮城県の実質的な支配者は私なのに、生意気にも程があるわよ」

仙台「あなたもそう思うでしょう、横浜?」フフッ


横浜「…………」

仙台「で、横浜。私に何をして欲しいの?」

仙台「宮城を殺して、私もあなたみたいに独立して欲しいの?」

仙台「それとも、宮城になりすまして欲しいの? その技を私は知らないから、それは教えてもらわないとだけどね」


横浜「いや……なりすます必要はない」

仙台「へえ。それはどうして?」

横浜「宮城は死んだ」

仙台「え……?」

横浜「既に、俺達の仲間が殺している」

仙台「……へえ。……そう」

横浜「だから、仙台には俺同様、宮城県内の市区町村全てをまとめ上げ独立宣言をしてもらう」

横浜「そして、とりあえずは雲隠れしてもらおうか」

横浜「今はまだ全面戦争をするたげの戦力が整っていないからな。埋伏の時だ」

横浜「決戦の時まで力を溜め、俺達は確実な勝利を手にする。いいな?」

仙台「……ふーん。まあ、いいか。そこまではいいけどさ」

仙台「でもさあ、横浜?」

横浜「何だ」

仙台「私に命令しようっての?」

横浜「…………」

仙台「気に食わないんだけどさ、その言い方。まるでアンタの方が上みたいじゃない」

仙台「もしかして、人口が市区町村の中じゃ一番上だからって、立場まで私より上だと思ってんの?」

仙台「何ならここで戦争してみる? その勘違い、思い知らせてあげよっか?」ゴゴゴゴゴ


横浜「…………」

横浜「……わかった。いいだろう」

横浜「それなら、仙台。お前はお前で好きにするといい」

横浜「こちらから命令はしないし、干渉もしない。自分の判断で動けばいい。俺達は、ただ共通の敵を持つというだけの間柄だ」

横浜「故に、お互いに得になるようなら利用しあえばいいし、気に食わないなら潰しあえばいい」

横浜「それでいいな、仙台」


仙台「そうね、それでいいわ」

仙台「じゃあ、早速だけどこれで私は帰るわよ。今夜は忙しくなりそうだし」クルッ


横浜「いや、待て、仙台。身を隠す場所はわかっているのか? 今、都道府県に化けている市区町村は全部で五つあって、その内の一つは東北地方だから、お前はそこに」

仙台「わかっているわよ、横浜。どうせ□□は市区町村が化けているんでしょ?」

横浜「知っていたのか……!?」

仙台「見てればわかるわよ。あまり私をなめないで欲しいわね」

横浜「…………」

仙台「それじゃあね、横浜。せいぜい敵に殺されないよう気を付けなさい」

仙台「もしも瀕死で逃げて来るような事があれば、助けてあげるわ」

仙台「石を投げて追い払ってあげる。ほら、あなたを苛める悪い県はもう逃げていったわよ、よしよし、ってね」

仙台「その後、ずんだ餅もご馳走してあげるわ。良かったわね」フフフ


横浜「…………」

横浜「……やっと行ったか」

横浜「相変わらず危険な女だ、だがその強さは確かでもある」


横浜「まあ、それでも私の敵ではないのだが……」


横浜「しかし、味方にすれば面倒で、敵にすれば厄介とはな……」

横浜「いずれ始末する時が来るかもしれんな……」

横浜「そう思わないか、お前も」


??②「どうだろねー。でも、基本的に悪い子じゃないんだよねぇ」

??②「ちょーーーーっとだけ、プライド高いとこあるけどさあ」

??②「でも、自分より下だと思ってる子には優しいから人望あるよ。面倒見いいし」

??②「まあ、横浜も我慢して。こんな最初から仲間割れされても困るからさー」

??②「ね?」


横浜「……わかっている。余計な念押しをするな」


??②「まったく、こっちもこっちでプライド高いから困るよねー、ホント」

【蔵王町 御釜】


仙台「……という訳で、皆には集まってもらったのよ!」


気仙沼「宮城のクソ野郎が死んだのか、ヒャッハー!」

白石「姐さん! 今日はパーティーっすね!」

大崎「ビール持ってこい、ビール! 寿司も取ろうぜ!」

石巻「今日は焼肉なのー! 牛タンお腹一杯食べるのー!」エヘッ

松島町「お代わりもいいぞ!」

蔵王町「お、おい、そのワードは良くない! やめろ!」アセアセ

仙台「皆、落ち着きなさい。はい、静かに」パン、パン

気仙沼「あっと、すみません、つい。喜んでばかりじゃいられないですもんね」

白石「アタシら、このままだと多分、まずいっすからね。三重の時みたいに全員捕まえようとしてくるの間違いないっすから」

大崎「それで、仙台さん。俺らどうします? 横浜みたく、逃げて独立宣言しますか?」

仙台「そうね。私はそうしようと思ってる。仙台連合自治区を作って、いつかこの土地を取り返すつもり。逃げるアテもあるしね」

石巻「なら、独立なのー! 独立するのー!」ピョンピョン

松島町「俺もそれに賛成! 日本三景の一つを他の県にやれるかっての!」

蔵王町「お、俺もだ! 俺は仙台姐さんについていく!」

仙台「うん、ありがと。で、他の皆はどう? 私についてきてくれる?」

気仙沼「当たり前ですって!」

白石「アタシら全員、仙台姐さんにいつもよくしてもらってますからね。姐さんが一声かければ、どこの市区町村も首を縦に振るに決まってますよ」

大崎「だな。これまで宮城の横暴からどれだけ救ってもらったか。仙台姐さんなら、この命、安心して預けられますよ」

仙台「そう。ありがとう。なら、私も約束するよ」

仙台「何があっても、私は皆を見捨てない。皆を絶対に大切にする」

仙台「そして、都道府県全部を滅ぼした後は……」

仙台「私が日本の新しい首都になってみせる!」キリッ


「うおおおおおおっ!!!」



セーンダイ、セーンダイ‼

セーンダイ、セーンダイ‼

セーンダイ、セーンダイ‼



仙台「未来の日本は、東北仙台から始まるのよ!」ビシッ

とりまここまで

【翌朝 緊急J7会議】


ガチャッ

東京「……遅れてすまない」


福岡「別にいいわ。予想してた事だし……」

大阪「……どうせまた、俺らの仲間が殺されたんだろ」

北海道「そうね……。三重は……違ったものね。嫌だわ……こんな重苦しい会議」ハァ……

広島「で……今度は誰なの?」

愛知「も、もしかして、宮城がまだ来てないから、今度は東北地方の誰か……?」


東京「……それについては、後で話す。先に紹介しておかねばならない奴がいるからな」

大阪「紹介?」

東京「ああ。入っていいぞ」


ガチャッ

愛媛「失礼します」ペコッ


広島「愛媛じゃない。アンタ、どうしたの?」

北海道「……四国で何かあったの? 都道府県に化けている市区町村でも見つかったとか……?」


東京「いや、そうではない」

東京「彼は四国代表としてこの場に呼んだ。香川と悩んだのだが、彼女は辞退し、愛媛を推薦したからな」

愛媛「恐縮です」


福岡「……それはいいけど。四国の代表? どういう事かしら、東京。話が見えないのだけど……」

東京「……今朝、J7に欠員が出来た。彼はその穴埋めだ」

東京「昨夜、市区町村に殺されたのは東北代表の宮城だ」


「!!??」

北海道「宮城が……。そんな……」

東京「事実だ。それで今、東北地方の面々が旧宮城県へと向かっている」

広島「で、でも、宮城が殺されたって、アイツ凄い強いし、なのに……」

福岡「……J7の恥晒し。いいえ、面汚しと言うべきかしら」ギリッ

愛知「ちょ、ちょっと、福岡ちゃん、それはあんまりだよ! 宮城が殺されたんだよ!」

福岡「うるさいわね!! 私が今、どれだけあいつに対して怒っているのかわからないの!!?」バンッ!!!

愛知「きゃうっ!!!」ビクッ

福岡「何でそんなに簡単に殺されるのよ!? いつも冷静沈着で、隙なんて全くなくて、だから私も密かに頼りにしていたのに!! ある意味尊敬していたのにっ!!!」 

福岡「何でっ、何でそんなあいつが市区町村ごときにあっさり殺されるのよ!!! 恥晒しもいいとこじゃないの!!! みっともなさすぎよ!!!」

福岡「何なのよ、あの駄目男は……!!  何で死ぬのよっ……!! いい加減にしなさいよ……!!」ポロポロ……


大阪「……福岡」

北海道「今はそっとしておきましょうか……。ね、愛知」

愛知「……う、うん」


東京「…………」

【旧宮城県、仙台市、瑞鳳殿】


青森「聞いた話だと、ここで宮城の亡骸が発見されたって事だけどよ……」

岩手「…………」

秋田「……それにしても静かだね」

山形「そうだよねー……。やっぱり仙台達は逃げたのかなーって、そんな気がするよねー……」

福島「恐らくはね。見つかったら当然、取り調べもせず処分だろうし。それが当たり前だとボクは思うよ」

青森「疑わしきは処刑する、か……。敵も味方も問答無用でな。やっぱり正気の沙汰じゃねえよな……」

岩手「……逃げる奴は敵だ。逃げない奴はズル賢い敵だ」

秋田「……笑えないよ、それ」

山形「なんかホント昔の魔女裁判みたいだよねー……。面と向かってそれは言えないけどさー……。三重みたいに処刑されちゃうだけだし……」

福島「そうだね。間違いが正解になり、正しい事が間違っている状況となっている。無理が通れば道理が引っ込むとはよく言ったものだよ」

青森「俺は、三重が最期に遺した言葉が今でも耳から離れねえよ。『私はそれでも間違っていない』ってのがよ……」

岩手「いや……死んだ事は間違いだ……。生きていれば別の方法もあった……」

秋田「……それはそうかもしれないけど」

山形「み、皆、ちょっと待って! あ、あれ!!」

福島「どうしたんだい、山形? 向こうに何か……。っ!?」






磔にされた宮城「」……(死体)


ガン「」バサバサ、バサバサ




『この者、都道府県により、見た者は唾を吐きかけてから通るべし』






「宮城ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!」

メシ行ってきます。これたらまた後で

青森「おい、冗談じゃねえぞ! 何だよ、これはよ!!」ダダッ

秋田「青森! どこへ!?」

青森「決まってんだろ! 宮城を磔から下ろす!! こんな死者を冒涜する様な真似、許せるか!!」

福島「待った! 青森!! 待つんだっ!!」ダダッ、ガシッ!!!

青森「な、何する!! 何故、止める!! 福島!!」

福島「宮城の周辺をよく見るんだ! 土の色がおかしい!!」

山形「えっ?」

岩手「土の色……?」

秋田「……言われてみれば確かにそうだね。何かあの周辺だけ少し黒っぽいような……。でも、それが何か……?」

青森「いや、待て。もしかしてこれは……」

岩手「…………」テクテク、ヒョイッ

山形「岩手。石なんか拾ってどったの……?」


岩手「」ポイッ



ドガンッ!!!!!



秋田「嘘だろ……。地雷……?」

福島「やっぱりか……。気付いて良かったよ。絶対、何かあると思ったからね……」

青森「じゃあ、あのまま宮城に近付いていたら、俺も……」

岩手「死体がもう一つ増えていた……」

山形「何なの、これー……。もうイヤ……」ブルブル

福島「これが戦争だという事だね……。これはボク達の認識が少し甘かったかもしれない……」

青森「だからって、このやり口は!! 汚い上に人道に反してやがる!! 人の心ってもんが奴等にはねえのかよっ!!!」

岩手「戦争に綺麗も汚いもない……。相手は人殺しだぞ」

秋田「……皆、そういう議論は後にしようよ。まずは宮城を弔わないと……」

青森「……だな。わかった。おい、皆。周囲に警戒しながら宮城の死体を下ろすぞ。あいつには悪いが安全なところまで持ち帰ろう。ここじゃ、あいつが浮かばれねえ」

山形「ううぅ……。うん……」グスッ

秋田「立派な県だったからね、宮城は……。立派な墓に入れてあげないと……」

岩手「良い奴ほど早く死ぬ……。そういう事だ……」

福島「宮城……ごめんよ。君を故郷に埋める事は難しいみたいだ……。ごめんよ……」




磔にされた宮城「」……(死体)


【東京都 帝国ホテル】


東京「そうか……。わかった」ピッ

東京「皆、東北地方の面々から連絡が来た。宮城の遺体を回収してこれから戻るそうだ」

大阪「そうかよ……。で?」

東京「とりあえず、先程まで議論していた提案を先に決議にかけるとしよう」

東京「まず、北海道を新たに東北地方に加え、東北地方の代表となってもらう。これは既に東北地方の同意も得ている」

東京「また、旧宮城県は暫定的に山形と合併させ、山形県宮城市とする。これも山形の承認を得ている」

東京「ここまでは恐らく問題ないだろう。誰かこの案に反対する者はいるか」


シーン……


東京「では、愛媛のJ7入りを含め、この三点は可決とする」


東京「ここからが、ようやく本題だな」


大阪「…………」
広島「…………」
福岡「…………」
北海道「…………」
愛知「…………」
愛媛「…………」

東京「まず、私達が話し合う事は二つある」

東京「一つは攻撃だ。敵に対して攻撃を行う」

東京「つまりは、どうやって化けている市区町村を見つけ出すかだ」

東京「これについては現状、私の方では処刑以外に手段が何一つない。だが、これはやむを得ずの下策だ。そこで、何か良い案があれば聞かせて欲しい」

東京「あればの話だがな」


大阪「」イラッ

福岡「その言い方、正直ムカつくわね……。自分以外、頭の切れる人間は一人もいないとでも言いたいの?」


東京「では、何か良い案があるのだな、福岡?」


福岡「ないけども。そういう事を言ってるんじゃないのよ、本当に腹が立つわね」イライラ

北海道「」ハァ


愛媛「すみません、私から一つ宜しいでしょうか」ノ

東京「何だ」

愛媛「前から少し気になっていたのですが、J7による監査は不可能なんでしょうか? それによって消えている市区町村を見つけ出す事が可能なはずですが」

愛知「…………」

愛媛「確かに、私達はお互いの県に断りなく入る事を固く禁じていますがね。しかし、今は非常事態ですし、東京の権限によってそれが可能ではないかと考えますが……」

広島「ムリムリ。もう少し考えなって、愛媛」

大阪「監査に入るヤツが100パーセント市区町村じゃないって保証がないからな。うっかり入れて殺されるなんてマヌケ、誰がなりたいと思うんだよ」

福岡「仮に東京が監査に入る事になっても、私なら断るわね。東京が市区町村じゃないって決まった訳じゃないし」

愛知「で、入れろ入れないでゴタゴタして、最終的には都道府県同士で戦争になる? のかな?」

北海道「まあ……そんなところでしょうね。そもそも私達は元々他県に干渉されるのが大嫌いな人ばかりだし……」

愛媛「そうですね……。確かに、県警でさえ縄張り意識が激しいですからね」

愛媛「念の為に確認という事で一応聞いてみましたが、やはり駄目なのでしょうね。わかりました」


東京「ああ。それで、他に意見は?」

愛知「うーんと、こういうのは? 他県に入るのがダメなら、全員一ヶ所に集めちゃおう作戦」

北海道「?」

福岡「要は、推理小説とかでよくあるやつね……。大雪が降る山荘で殺人事件があって、それで誰が犯人かわからないから、とりあえず広間に集まってお互いに監視しあいながら全員で過ごそうってやつでしょ?」ハァ

大阪「却下だ、アホか」

愛知「うぇい!?」

広島「殺人鬼なんかと一緒に過ごせるか! 私は一人で部屋に閉じ籠っている! ってパターンよね」

愛媛「死亡フラグというやつですか。まあ、一人か二人は絶対、そういう方が出てくるでしょうね。他にも、そこで皆殺しにされる可能性がないとは言えませんし」

北海道「それもあるけど……。この方法って結局、問題解決になってないのが一番の問題よね」

大阪「先送りにしてるだけだからな。いつまでも続けられるものでもないし、不可能だろ」

広島「そーゆー事。残念ね、愛知」

愛知「べ、別に、いいもん」


東京「で、他に何か策はあるのか」


「…………」

実際、人狼って、リアルだったら、解決策って吊るしかないのかねえ? 謎や

今日はここまで。なかなか進まない

一人の方がマシって言って単独行動取ったヤツが消されるのがミステリのお約束
市町村が混じってようが大勢で監査してシロ確定したヤツを次の監査に回して行けばいいじゃん

>>161
ん?その意見は違くね?
この場合の監査っていうのは「その県に姿を消した市町村がいないかどうか」を調べるってことであって、「その県が市町村かどうか」を見分けられる訳じゃないよ?
ABCDEの県が市町村の化けたものだとして、姿を消した市町村がD県やE県に匿われてる場合、A県やB県で市町村見つからなかったからってシロ判定出してそいつらに監査任せたりしたら、いいようにやられるだけだし

書き忘れた
あと、となりあった県が市町村の化けたものだったら監査自体が無効化されかねないしね
連投ごめんなさい

市町村が揃ってても確定シロとは言い切れないんだよなあ
人狼B県の市町村が人狼A県の市町村に成り代わる能力があった場合、監査の時だけ代役を立てる手が使える訳だし
そもそも、>>155にあるように監査自体を受け入れようとしない県の方が多いだろう状態では有効だったとしても現実的な手じゃないんだろう
大人しくストーリーが進むの待った方が得策かな?
1、化けた狼を外見その他で見破るのは不可能
2、三重と宮城は白だった(狼は全員健在)
3、狼の人数は不明(メタ的には5名)
4、狼の詳しい能力は不明
・狼は、県の姿と本来の市の姿、両方を行き来できるのかどうか
・狼は自分の出身県にだけ化けられるのかどうか
・途中で別の県に化け直すことが可能かどうか
・別の「市」に化けることは可能かどうか
・化ける能力を持つ狼が増えることはあるのか(メタ的にはないと思うが)

県側が反撃ターンを迎えるのは、敵の人数やその辺の能力を把握してからかな

>>168ミス
【人狼B県の市町村が人狼A県の市町村に成り代わる能力があった場合】
→【人狼B県の市町村が人狼A県、もしくはA県の市町村に成り代わる能力があった場合】

個人的には寄生獣の広川市長みたいに県でありながら市町村側に立つ狂人ポジの県の登場に期待

これだけ盛り上がったら作者ウッキウキだろうな
プレッシャーも凄いだろうけどww
現時点で人狼5村人40、役職なし(自動霊媒師あり)、投票の名を借りた完全ランダムか……
ゲームとしては戦略も何もなく運(コンマ)任せでしかないクソゲーなんだけど、実際に参加させられる人間からしたらたまったもんじゃないなこれ
ゲームの勝敗予想というよりドラマの観客のつもりで楽しむわ
少しくらいご都合主義があっても大丈夫だぞ
責任はコンマ神がとってくれる
>>1頑張れ

北海道「あの……東京。囮捜査とかはどうかしら?」

東京「囮か……」

愛媛「警察の捜査でも使われる手ですね。わざと狙われやすい都道府県を作り、襲ってきたところを捕まえるという」

愛知「あ、それいいかも! 流石、北海道ちゃん!」

大阪「いや、それもどうかな。なあ、福岡」

福岡「……そうね。微妙なところね」

愛知「え? 何で? 良い作戦だと思うんだけど?」

東京「この作戦には穴が幾つもあるからだ」

愛知「?」

東京「私も囮捜査については考えたのだが、却下した。理由は幾つかあるのだがな」

愛知「その理由って?」

東京「理由、1。危険な役の為、囮を誰も志願しない」

北海道「ああ……。そうね……確かにそうかもしれないわね」

東京「理由、2。仮に志願した者がいたとして、それが確実に都道府県である保証がない。逆に罠に嵌められる可能性が高い」

大阪「志願したそいつが市区町村だったら終わりだからな。ミイラ取りがミイラになって帰ってくる訳だ」

愛媛「なるほど」

東京「理由、3。仮に志願した者が都道府県だったとしても、やはりリスクが高い。罠に嵌められる可能性がないとは言い切れない」

福岡「……それはどういう事、東京?」

東京「例えば仮に、こんな状況になるかもしれないという事だ」

愛知「?」

東京「最悪の例として挙げるが、囮を青森が引き受けたとする」

愛媛「一応尋ねますが、何故、青森を例に?」

東京「特に理由はない。あいうえお順で一番上にきてたからだ」

愛媛「はあ……。まあ、いいです。それで?」

東京「この時、青森は市区町村ではなかったと仮定する」

東京「そして、我々J7のメンバー全員が、現れた市区町村を捕らえる為に待ち構えていたとする」

東京「更に、囮捜査は上手くいき、青森を狙おうとしている敵が現れたと仮定しよう」

東京「つまり、この時点での状況は、市区町村1 VS 都道府県8という状況だ。我々に圧倒的に有利な数字であるのは間違いない」

福岡「……そうね。それのどこに問題があるの?」

北海道「もう後は、包囲して捕まえるだけでしょう?」

東京「そうなるな。しかし、最悪の状況を想定すると、ここから都道府県が全滅する」

広島「はあ? いくらなんでもそれは有り得ないでしょ?」

東京「それが有り得るから、最悪の状況だと言っている」

東京「まず、第一に敵が横浜と仙台を密かに連れていたとする」

広島「ああ……。まあ、なくはないけどね。敵が一人で来るとは限らないし……」

愛媛「保険の為に、どこかに隠れて見張らせている可能性は確かにありますね」

大阪「だが、それでも市区町村3 VS 都道府県8だ。まだこっちの有利は変わらないだろ」

東京「そうだ。だが、我々J7の中にも『化けている市区町村』が二人いたとしたらどうだ?」

愛知「うぇ!? 二人も!?」

北海道「いえ……。残念だけど、間違いなくいない、とは言い切れないわね……」

広島「で、でも、まだそれでも市区町村5 VS 都道府県6でしょ? 都道府県のが強いんだし、有利なのは変わらないんじゃないの?」

福岡「いえ、ダメよ。その状況になっていたら、もうアウトね。東京の言う通り、全滅するわ」

愛媛「それはまた……何故でしょうか?」

東京「裏切者が混ざっている時点で、囮作戦が敵に筒抜けだという事だ」

愛知「あ……」

大阪「なるほどな……。後は、横浜・仙台・裏切者二人で油断してる奴を奇襲して闇討ちすればいいと、そういう事か……。都道府県側がこれで一気に4人も消えるな」

東京「そうだ。この時点で、市区町村5 VS 都道府県2となる。こうなると最早勝負にもならない」

北海道「……そこまでいくと、もう終わりね。確かに全滅するわ」

東京「一応付け加えておくが、あくまでこれは最悪の仮定だ。だが、それがもしも現実になった場合、私達は一気に六都道府県を失う。対して、敵の損失は0だ」

東京「更に付け加えるなら、囮捜査が上手くいくという保証もなく、上手くいったとしても敵が失うダメージは少ない。リスクリターンの計算が合わないと私は思うのだが、諸君らはどう考える」

全員「…………」

東京「結局のところ、私達が抱えている最大の難点は、敵が見えないとそういう事だな」

愛知「見えない???」

福岡「そうね……。敵の人数や拠点、状態が全く把握出来ていないのが問題ね」

愛知「あー」ポンッ

大阪「情報戦じゃ大負けだからな。そして、さっき言ってた通り、この中に市区町村が混ざってたらこっち側の情報は全部筒抜けって訳だ。アホらしい」

北海道「何か良い手はないのかしらね……。このままだと、本当に疑心暗鬼になって内部分裂を起こしかねないわよ」

愛媛「結局のところ、信用出来るのは最終的には自分自身のみですからね。まだお互いを信頼しているという体でいますが、本心では恐らく全員が全員を疑っていると思います。これが表に出始めると非常にまずい事態になるでしょうね」

広島「だから、そうならない為に会議をしてるんでしょうが。わざわざ言わなくったって全員がわかってるわよ、そんな事」

愛知「え」

東京「そこで、私から一つ提案がある」

福岡「提案?」

東京「会議の当初に言ったと思うが、我々が考える事は二つある」

東京「一つは攻撃だ。だが、これに関しては特に妙案が出る事はなかったので、次に移る」

東京「つまり、防御だ。敵からの攻撃に対して備える。これについて私から一つ提案がある」

大阪「何だよ? 何か良い案でもあるのか?」

東京「良いかどうかまでは判断がつかないがな。だから、諸君らの意見を聞きたい」

広島「ん。で、どんな案なの?」

東京「信頼における都道府県一つを決め、その者に特権を与えた上で護衛を依頼しようと思う」

福岡「……信頼における? はあ?」

愛媛「特権、ですか……」

北海道「護衛を依頼、ね……」

愛知「つまり、ボディーガードって事?」

東京「そうだ」


全員「…………」

東京「古代であれ近代であれ、敵と戦う際の基本的な戦略戦術というものは一切変わりがない」

東京「つまり、『敵が嫌がる事をしろ』と、そういう事だ。違うか?」

愛媛「……そうですね。それは確かに間違っていません」

東京「その点、敵の戦略は正しい。私達は敵の姿がわからず見えないものだから、対処に困っている」

東京「だから、私は犠牲を承知で敵が一番嫌がる事を実行した。つまりは投票による無差別なローラー作戦だ。敵からすればこれが一番対処に困る。何故なら、防御の仕様がないからだ」

広島「…………」

東京「今回も同じ事をしようと思う。敵が見えないのなら、こちらも相手にとって見えない敵を作り上げる。これは敵にとって最も厄介な存在だ」

福岡「……一応聞いとくけど、どうやってその護衛役を選ぶつもりなの?」

東京「方法としては、まずJ7の面々で投票を行い、護衛役を一人選ぶ。その護衛役が誰かは首都たる私ですらわからないようにする」

東京「敵からすれば、完全に見えない相手だ。これを一番狙われやすそうな都道府県に密かにつけ護衛させる。また、どの県を守るかは護衛役に決めさせる。無論、誰にも言わずにな」

東京「これは、先程の囮作戦と似てはいるが、情報が敵にも味方にも一切出てこないというのが違う点だ。この一点が大きいと私は考える」

東京「ここまで、何か意見や質問があれば聞こう。あるか?」


「…………」

とりあえずここまで。来れたらまた

愛媛「では、何点か確認しておきたいのですが」

東京「何だ」

愛媛「一つ目は、特権を与えるという事でしたが、具体的にはどのような特権を?」

東京「他県への無断侵入許可と、化けている市区町村に対しての殺人許可だ。無論、武器の携帯も許可するし、必要とあらばこちらで用意する」

愛媛「なるほど……。要約すると、『選ばれた都道府県は好き勝手に他県に入り、化けている市区町村を見つけたら何の許可もなく殺していい』と、そういう認識で良いでしょうか?」

大阪「おいおい、ちょっと待てよ。昔の西部劇じゃねえんだぞ。何だよその無法地帯にいるガンマン様はよ」

東京「実際、今の状況は西部劇の様なものだろう。保安官の様な強力な力と権限を持つ者が必要とされている状態だ」

広島「うーん……。何かなあ……」

愛知「え、えと」オロオロ

福岡「バカバカしい、と笑えないところが既に間違ってるわね……」

北海道「まるで三重の言う通りじゃないの……。私達は今、時代を逆行しているのね……」ハァ

愛媛「それでは二点目、選ぶ方法は私達J7の面々による投票という事でしたが、これをもう少し詳しく教えて頂きたい」

東京「今、考えている案としては、それぞれ信頼のおける都道府県を信頼順に五県ほど書き出してもらう。1、大阪。2、福岡といった具合にな」

東京「この中で皆から最も信頼度が高かった県が選ばれるという形だ。集計や伝達などは全て職員に任せ、私達はそれについて一切関与しない」

福岡「一つ聞くけど、もしも選ばれた都道府県が嫌だと言ったら?」

広島「ま、その可能性もあるわよね。危険な上に、自分はあまり得にならないんだし。他人にやってもらった方がいいって人はいるでしょ。……愛知みたいに」

愛知「え、え」オロオロ

北海道「その場合はどうするの、東京?」

東京「無理矢理やってもらう」

大阪「おーおー、流石独裁者気取りの東京様は言う事が違うな、おい」

東京「でなければ、この作戦自体が成り立たないからな。不本意であろうがなかろうがやってもらう。もっとも、私達からの信頼度が最も高い県が、この話を断るとはあまり思えないがな」

広島「ま、そういった事を含めての投票って事ね」

東京「そうだな」

愛媛「では、最後に一番気になっている事を……」

愛媛「もしも、私達が選んだ都道府県が『化けている市区町村』だった場合は?」

北海道「……そうよね。私もそれが気になっていたわ。絶対違うなんて保証はないんだし……」

福岡「もしも化けている市区町村を選んだら、必然的に、敵に力を与える事になるわよね。これほど馬鹿らしい事もないんだけど?」

大阪「だな。そこらへんのところはどう考えてるんだよ、東京」

東京「特に何も考えていない」

愛知「ふぇ!?」

東京「というより、考える必要がない。仮に、間違って市区町村にこの特権を与えたとして、私達に何か損になる事があるか?」

広島「え、そりゃ……あるでしょ?」

北海道「ええと……」

福岡「……よく考えると、あまりないわね。さっき愛媛が言ったように……」


『選ばれた都道府県は好き勝手に他県に入り、化けている市区町村を見つけたら何の許可もなく殺していい』

『武器の携帯も許可する。ない場合は支給する』


大阪「そうか……。連中は元々、それをやっているって訳か。都道府県と市区町村の言葉は逆になるがな」

東京「そういう事だ。武器の支給だけが問題だが、一件目の神奈川殺しは刃物で、二件目は銃だ。奴等は元々武器を所持している」

愛媛「つまり、仮に化けている市区町村を選んだとしても私達の損にはならないと、そういう事ですか……。現状維持になるだけで、悪化はしないと」

東京「そうなる。だからこその提案だ」

広島「なるほどねえ……。うーん、まぁ、それなら……」

福岡「賛成しなくもないわね……」

愛知「え、えと、私はどっちでもいいけど……」ワタワタ

大阪「お前はどうだ、北海道?」

北海道「悪くはないわね……。少なくとも、処刑するよりはずっといいわ」

愛媛「私も特に反対する理由もありませんし、宜しいのではないですか?」

東京「そうか。ならば、早速今から投票を行い、護衛役である都道府県を決定するとしよう」

都道府県側ターン

護衛役(人狼ゲームにおける狩人役)を決定します。


以下、通常の人狼と違う点↓

1、村人ではなく、人狼が選ばれる可能性があります。
2、村人を襲っている人狼を見つけたら、狩人は守るだけでなく、殺害出来ます。


なお、コンマシートは都道府県側(人狼ゲームにおける人間側)を使用します。

『あいうえお順』
(既に消えた都道府県は削除済み。3県が抜けた分、3ずつずれています)

愛知 :1、45
青森 :2、46
秋田 :3、47
石川 :4、48
茨城 :5、49
岩手 :6、50
愛媛 :7、51
大分 :8、52
大阪 :9、53
岡山 :10、54
沖縄 :11、55
香川 :12、56
鹿児島:13、57
京都 :14、58
岐阜 :15、59
熊本 :16、60
群馬 :17、61
高知 :18、62
埼玉 :19、63
佐賀 :20、64
滋賀 :21、65
静岡 :22、66
島根 :23、67
千葉 :24、68
東京 :25、69
徳島 :26、70
栃木 :27、71
鳥取 :28、72
富山 :29、73
長崎 :30、74
長野 :31、75
奈良 :32、76
新潟 :33、77
兵庫 :34、78
広島 :35、79
福井 :36、80
福岡 :37、81
福島 :38、82
北海道:39、83
宮崎 :40、84
山形 :41、85
山口 :42、86
山梨 :43、87
和歌山:44、88


では、護衛役の都道府県を決定します。

上記の数値以外は再コンマで
↓1

おめっと、大阪
今日はここまで

【投票後】


東京「これで投票用紙は全てだな」トントン

東京「では、これは諸君らも見ての通り、そのまま職員に渡す。後は事前に言っておいた指示通りに」スッ

職員「はい」

職員「」スタスタ


広島「これで決定って訳ね」

東京「そうだ。後は、投票で選ばれた都道府県の活躍に期待しよう」

大阪「とはいえ、一人だけだからな。そこまで大した期待はしてないけどよ」

福岡「いないよりはマシ程度のものだし仕方ないわね」

愛知「で、でも、頑張ってくれるかもしれないよ! ね、北海道ちゃん!」

北海道「……愛知は前向きね、羨ましいわ」

大阪「こういうのはお気楽脳ってんだよ、北海道」

愛知「何かスゴい酷い事を言われた気がする!?」

愛媛「まあ、こんな状況下ですし、ある意味、それは度胸があるとも言えますが……」

愛知「度胸?」キョトン

福岡「やめなさい、愛媛。この子、どうせその事に気付いてなんかいないのだから」

愛知「ちょっと待って、福岡ちゃん。その事って??」

東京「次に敵のターゲットとなりそうなのは、愛知、お前だという事だ」

愛知「ふぇぇぇぇぇ!?」


全員「…………」

愛知「え、ちょ、な、何で私が!?」オロオロ

北海道「えっと、それはまあ……何て言えばいいのかしら……」

大阪「アホらしい。愛媛、こいつでもわかるよう簡単に説明してやれ」

愛媛「単純な話ですよ。プロファイリングなんて大袈裟なものではありませんが、これまで敵に殺された県の特徴から考えると、次は愛知さんが狙われる可能性が高いというだけの話です」

愛知「だ、だから、何で私なの!? 私、何かした!?」オロオロ

福岡「」ハァ

福岡「これまで殺された県は、神奈川と宮城よ。この2県に共通する特徴は何よ?」

愛知「と、特徴って、ええと、そのあの」アタフタ

東京「まず、都道府県に匹敵する大都市を有している。これが一点目だ」

広島「そして、県庁所在地が県の名前と同じじゃない、って事。ここまで言えばわかるでしょ?」

大阪「敵は、とりあえず強い味方が欲しいって推測がつく訳だ。それも市区町村のシンボルになりそうな奴をな。県名と同じだと、イマイチ象徴的な存在にならないだろうからよ」

愛媛「そして、その条件に該当する県はと言えば、まず真っ先に上がるのが名古屋を有する愛知さん、あなたなのですよ」

愛知「!!??」

愛知「わ、私、次に殺されちゃうの……!」ブルブル

広島「あーあ、もう。落ち着きなってば。猫に睨まれたネズミじゃないんだから」

東京「別に、殺されるのが確定という訳ではない。その可能性が現時点では高そうだという予測がつくだけの話だ」

福岡「もちろんわかっているとは思うけど、北海道、あなたもよ」

北海道「大丈夫……流石に自覚はしてるわ」ハァ

大阪「あと、神戸を傘下に持つ兵庫もだろうな。多分、次はこの中の誰かを狙ってくるんじゃないのか」

愛媛「どうでしょうね……。敵もそこまで簡単ではないと思いますが……。その裏をかいて全く別の都道府県を狙ってくるかもしれませんし……」

東京「何にせよ、今は情報が少なすぎて判断がつかないだろう。ただ、愛知と北海道は今夜は特に注意して欲しい。兵庫にも慎重に行動するよう私から後で促しておく」

福岡「……そうね。気を付けなさいよ、二人とも。特に愛知は」

愛知「あわわわわわわ」オロオロ

東京「さて、ある程度の議論も済んだ事だし、残念だがそろそろ時間だ。行こう」ガタッ

大阪「おい、東京。行こうって、お前……」

広島「また例の投票による処刑をやろうっての……。アンタ、三重のあの最期を見たってのに、まだやる気……」

東京「確かに、三重は痛ましい犠牲だったな……。だが、だからこそこれは続行せねばならない。三重の死を無駄にしない為にもな」

北海道「そうやって、何人もの痛ましい犠牲を繰り返すだけじゃないの。これでは、死んでいった三重が浮かばれないわよ……」

福岡「前から聞こうと思ってたけど、東京、あなた正気? 気でも狂ったんじゃないの?」

東京「その問いは不毛だな。正気と言えばそれを信じず、狂ったと言えばそれを信じるのは間違いない。一択しかない質問に対してわざわざ答える必要はないだろう」

愛媛「つまり、私達の意見は聞く気がないと?」

東京「遺憾ながらな。それでも私に従えないというなら、諸君らには三重と同じ道しか私は用意出来ない」

福岡「っ……」ギリッ

大阪「クレイジーピエロが」チッ

北海道「」ハァ

広島「殺されるのと、処刑されるの、どっちがマシかって感じね。地獄の方がよっぽどかも」

愛媛「…………」







愛知「ど、どうしよ、どうしよ。殺されちゃう。とりあえず、名古屋に電話して、そ、相談を」ワタワタ

【移動中】


大阪「くそがっ。東京の気狂い野郎。どうしたもんか……」


ピピッ

大阪「ん? メール?」ピッ


大阪「……これは!」


大阪「……へえ、なるほどなるほど」

大阪「そうかよ……。俺が選ばれたって訳か……。護衛役によ」

大阪「ふっ、ふははははははっ!」

大阪「こりゃいいや、そうかよ、俺か」

大阪「J7の中じゃ、俺が一番信頼されてるって事かよ。ははははははっ!」

大阪「ざまあねえなあ、東京! こりゃ俺が次の首都になる日もそう遠くねえぞ。ははははははははっ!」

【全国緊急招集令 東京都、平和の森公園】



ザワザワ、ザワザワ


東京「諸君」

ピタッ、シーン……


東京「既に聞いてはいると思うが、昨夜、宮城が市区町村によって殺された」

東京「そして、宮城を殺害した奴等は今ものうのうとこの中に紛れ込み、次の標的を虎視眈々と狙っている」

東京「この恐れも身の程も知らない愚か者達を、私達は断固として粛正せねばならない。日本を破滅の道から救う為に」


東京「故に!」


東京「今回も、怪しいと思う都道府県を今から処刑する。諸君らには、その為の投票を必ず実行してもらう」


ザワザワ、ザワザワ


東京「これに参加しない者がどうなるか、反対する者がどうなるかを諸君らはその目で見たはずだ。同じ過ちを諸君らが繰り返さない事を祈る」

東京「では、前回と同じく、諸君らには一時間の猶予を与える。投票はその後だ」

東京「これが有益な一時間となる事を願う。では、各自、好きに行動せよ。以上だ」




ザワザワ、ザワザワ……



東京「…………」

都道府県側ターン

処刑する都道府県を決定します。


都道府県側のコンマシートは以下の通り。

『あいうえお順』
(既に消えた都道府県は削除済み。3県が抜けた分、3ずつずれています)

愛知 :1、45
青森 :2、46
秋田 :3、47
石川 :4、48
茨城 :5、49
岩手 :6、50
愛媛 :7、51
大分 :8、52
大阪 :9、53
岡山 :10、54
沖縄 :11、55
香川 :12、56
鹿児島:13、57
京都 :14、58
岐阜 :15、59
熊本 :16、60
群馬 :17、61
高知 :18、62
埼玉 :19、63
佐賀 :20、64
滋賀 :21、65
静岡 :22、66
島根 :23、67
千葉 :24、68
東京 :25、69
徳島 :26、70
栃木 :27、71
鳥取 :28、72
富山 :29、73
長崎 :30、74
長野 :31、75
奈良 :32、76
新潟 :33、77
兵庫 :34、78
広島 :35、79
福井 :36、80
福岡 :37、81
福島 :38、82
北海道:39、83
宮崎 :40、84
山形 :41、85
山口 :42、86
山梨 :43、87
和歌山:44、88


では、今回処刑される都道府県を決定します。

上記の数値以外は再コンマで
↓1

まだ一度も出てきてない福井、グッバイ
今日は多分ここまで

【極秘資料1 昨年行われた都道府県同士による印象調査】


✳プライバシー保護の為、登場する都道府県には目線が入っており、音声も変えてあります



ピッ(再生)


■■「どうも、こんちはっす」

『こんにちは。本日は宜しくお願いします』

■■「こちらこそ。どもども」

『では、早速、お願いします。まずは首都である東京の印象から』

■■「東京っすか。そうっすねー」


(中略)


『次は、福井をお願いします』

■■「福井? あー……福井ね。福井。オッケー」

『どんな印象をお持ちですか?』

■■「んー…………。これといって特には。嫌いでもないし、好きでもないみたいな?」

『普通、という事でしょうか?』

■■「ああ、えっと……フツーっつーか、何て言うんすかねー……? アレなんすよ。ぶっちゃけちゃうと、俺、福井って顔すらよく思い出せないんすよ。ろくに印象に残ってないっていうか……」

■■「ほら? なんか、アイツ、言っちゃ悪いかもしんないけど、地味じゃないっすか。全然目立たないっていうか」

■■「無口だし、大人しいし、なんかパーティーとかあったらいつも端っこにいるイメージ? だから、俺、ほとんどアイツと話した事すらないんすよー」

『他人以上、知り合い以下みたいな、そんな感じですか?』

■■「あー、まあ、そうっすね。そんな感じです。ま、俺とアイツじゃ距離も結構離れてますし、仕方ないんじゃないすか? だって俺、●●地方でしょ? で、アイツ、東北じゃないっすか。だから」

『福井は中部地方ですね』

■■「え……? ウソ、それマジで? アイツ中部なん? えー、俺、ずっと東北だと思ってたんすけど、うわー、マジかー……」

■■「なんか前に米作ってるっての聞いた事あって、だから東北ってイメージしかないんすけど、違ったのかー。そっかー……」


『どうもありがとうございます。福井に対する印象はよくわかりましたので、次の県にいきましょうか』

■■「あ、はい。オナシャス」




ブツッ

【同、極秘資料2】


ピッ(再生)


『では、次は福井についてお願いします』

◆◆「福井? あー、あのメガネね」

『そうですね。都道府県の中では珍しく眼鏡をかけている方ですね』

◆◆「だよね。アイツの印象って言ってもさあ、正直、メガネしか覚えてないんだけど?」

『そうですか』

◆◆「だってさあ、奥手なのか人見知りなのかしんないけど、ゼンッゼン喋んないっしょ? 最初、話した時、アタシ嫌われてんのかと思ったし」

『他の都道府県からも、無口とは、よく言われていますね』

◆◆「そりゃそうっしょ。大体、ノリ悪いんだって、アイツ。皆で騒いでる時も、一人、しらーっとしてさあ」

◆◆「別に悪い奴じゃないってのは聞いてっけど、とにかく喋んないからさあ。ああいうのはホントダメ。正直、アタシは苦手。だって、一緒にいて楽しくないじゃん?」

『そうですか。あまり良い印象は持っていないんですね』

◆◆「ん、そう。あと、アイツ遅刻多すぎ。冬になると、毎回毎回、雪で遅れた雪で遅れたって、そればっかりだし」

『積雪量が日本一ですから』

◆◆「どうでもいい。アタシはとにかく、あんまアイツの事、好きになれない」

『わかりました。では、次の県に』



ブツッ

【現在 投票、五十分前】


群馬「ねえ、栃木。誰が一番怪しいと思う?」ヒソヒソ

栃木「それは……僕にもわからないよ。ただ……」ヒソヒソ

群馬「ただ?」

栃木「前からずっと気にかかってた事があるんだ……。都道府県へのなりすましについて」

群馬「……何が気になるの?」

栃木「都道府県に化ける技があるっていうのはいいんだ。僕らは象徴的な存在だし、そんな技があってもおかしくはないと思う。でも……」

群馬「? 急に何の話?」

栃木「いや……。その技で化けられるのって、外見だけでなく内面までそっくりに化けられるのかな、ってそれが気になって……」

群馬「……ああ。それは私も少し気になったけど。でも、それがどうしたのさ?」

栃木「だからさ、群馬。もしも、市区町村が化けられるのが外見だけだったとしたらだよ……」

群馬「うん」

栃木「市区町村は、化けた都道府県の『演技』をしてるって事だよね……」

群馬「ま、そうだろうね。もしも、そうだったとしたらね」

栃木「うん。でも、どんなに演技上手でも、完全に他人になりきって誰にも気付かれる事なく騙し続けるなんて不可能だと思うんだよ」

栃木「少なくとも僕だったら、そんな事は無理かなって思って。普段通りにしてたら、なんか変な事言って、すぐにボロを出しそうだもん」

群馬「かもね」

栃木「だから……」

群馬「だから?」

栃木「もしも僕が化けている市区町村の立場だったとしたら……」

群馬「したら?」

栃木「多分、ほとんど他の人と話さないと思うんだよね……。距離を置いて、出来るだけ喋らない様にすると思う……」

群馬「……わかった。つまり、最近、人付き合いが急に悪くなった都道府県が怪しいって事ね」ヒソヒソ

栃木「もしくは、元から人付き合いが悪かった都道府県とか……。あと、ほとんど喋らない都道府県とか……。他には、そんなに目立たない都道府県とか……」







福井「…………」ポツーン





群馬「ねぇ、栃木」ヒソヒソ

栃木「うん……。もしかしたら……」ヒソヒソ

【投票 三十分前】


愛媛「では、皆さん、前に打ち合わせした通りの投票をお願いします」ペコリ

愛媛「普段は他の地方に比べてどうにも結束が弱い私達ですが、ここはどうにか私の提案通りに」

香川「わかってるっての。で、肝心の標的はアタシが決めたアイツでいいんでしょ?」

徳島「ああ、構わない。中部地方は他の地方と比べて数が多いからな」

高知「少なくとも、四国から犠牲を出すのはアカン。これはもう仕方ない。結託してでも、別地方から出さんと。愛媛の提案通りにするわ」


愛媛「はい。そして、この機会に四国の中国地方からの完全独立を果たせれば万々歳と」

香川「中国・四国地方とか一緒にされるのマジムカつくかんね。四国は四国だってのに」

徳島「そういう事だな」

高知「こういう時ぐらい、俺らもまとまらんとな」



四県「四国の中国地方からの完全脱却を目指して!」

【投票、十分前】


広島「福岡」タタッ

福岡「広島ね……。どう? わかった?」ヒソヒソ

広島「何とかね。中国地方の皆を集めて、関東勢と四国勢の投票先を密かに調べさせたから」ヒソヒソ

福岡「そう……ありがとう。それで、結果は?」ヒソヒソ

広島「今のところ、福井に6票入ってるみたい。多分、一番多いと思う」ヒソヒソ

福岡「そう……。福井と言えば、確か中部ね……。それなら、私達も……」ヒソヒソ

広島「うん。それでいこ。福井には悪いけど、時間的にも、もう確定させた方がいいでしょ」ヒソヒソ

福岡「じゃあ、私は九州地方の面々にこの事を話して、福井に投票させるように言うわ」ヒソヒソ

広島「オッケー。私も中国地方の皆に伝えて、福井に投票させるから」ヒソヒソ

福岡「悪いわね……。でも、仲間を処刑されるよりはマシでしょ……?」ヒソヒソ

広島「わかってる……。でも、この罪悪感は一生忘れられそうにないけどね……。じゃあ」タタッ


福岡「…………」

福岡「福井……。運が悪かったわね。でも、多数決ってそういうものなのよ。……諦めなさい」

福岡「」クルッ

福岡「」スタスタ……

【投票、五分前】


福井「」ハァ……

福井(困ったな……。どうしよう……)

福井(これだけ長い時間悩んでるのに、未だに誰に投票するか決まらないや……)

福井(だって、どれだけ考えても怪しい人なんて思いつかないし……)

福井(この中に市区町村が混ざってるなんて、それこそ、そっちの方がよっぽど疑わしいよ……)

福井(皆、いつもと変わらないし……。遠巻きから見てる事が多い僕だけど、それは本当に確かなんだ……)

福井(僕は、人見知りする方だから皆とあまり話す機会とかはそうないけど……)

福井(でも、それでも、皆が良い人達ばかりだって、そう思えるし……。だから……)

福井(でも、誰か一人書かないと、三重みたいに僕が処刑されちゃうし、ああ……)

福井(でも、書いたら書いたで、もしかしたら僕のその一票のせいで書いた人が処刑される可能性だってあるし……ああもう!)


福井「」ハァ……


福井(こんな時、嫌いな人とか苦手な人とかいれば良かったのに。そんな人がいれば書けたかもしれないのに……)

福井(僕は……一体、誰の名前を書けば……)


『投票、1分前です!』



福井「!!」ビクッ

福井(じ、時間がない!)

福井(でも、まだ誰か決まってないし!)アセアセ

福井(う、う、うううっ……!)

福井(ご、ごめん、ごめんよ、岩手! あんまり目立たないし、無口だし、何より画数少なくて書きやすいから、だから君に!)カキカキ



『時間です。ペンを即座に置き、投票して下さい』



福井(ま、間に合った……。どうにか時間内に書ききれた……。良かった……)ホッ

【開票後】


東京「さて、では投票の結果を発表する」

東京「今回は白票はない。故に、純粋に一番怪しいと思われる県が投票された事になる。全員、心して聞け」


ザワザワ、ザワザワ


青森「嫌な瞬間だな……。今まで生きてきた中で最悪の瞬間だ……」

福島「原発のメルトダウンよりも心がざわつくとはね……恐れ入るよ」

山形「私じゃありませんように。私じゃありませんように。私じゃありませんように。私じゃありませんように。私じゃありませんように」ブルブル



愛媛「…………」

香川「誰になるか、流石に不安だし……」

徳島「……誰だろうと、四国ではない、はずだ」

高知「そんな保証あるかい……。可能性が低いだろうってだけだ……」



広島「…………」

福岡「…………」



福井(どうか岩手が処刑される事がありませんように。お願いします、お願いします、お願いします)ブルブル

東京「今回、処刑される都道府県は……」


シーン……




東京「福井、貴様だ」




福井「!!?」ビクッ

福井「ぼ、僕……?」

福井「え……そんな……何で……どうし……て……」ガクガク

福井「お、おかしいよ……。な、何で僕が…………」ガクガク



東京「貴様に投票された数、実に21票。これは、全体のほぼ半数を占める」

東京「それでもまだ、自分が処刑される理由を聞きたいか、福井」



福井「ち、違う! こ、これはおかしい、変だよ!!」ガクガク

福井「だ、だって僕は市区町村なんかじゃないのに、何で!! ち、違うのに!!」ガクガク



東京「問答無用! 処刑人、そこの市区町村を引きずり出せ!」

処刑人「はいっ!!」ザッ



福井「うわああああああああああああああああああああああああああああっっ!!!」

処刑人B「ぐえっへっへっへ! おら、来いや!! 汚ならしい市区町村がっ!!!」グイッ‼


福井「ひぎいっっ!!」ドサッ


処刑人A「お前は、福井市か? それとも坂井市か? 越前市か? 鯖江市か? どうなんだ!!」ゴスッ‼


福井「げふっ!!」ゴホゴホ




新潟「福井っ!!!」

富山「や、やめてぇぇぇぇ!!! 福井が何をしたって言うのよ!!」ポロポロ

石川「東京! 待ってくれ! 福井は市区町村なんかじゃない! 私が保証する! 第一、この投票数の多さは尋常じゃない! これはあまりに不自然だ!」ズイッ


山梨「よせっ、石川!! やめろっ!!」グイッ

石川「な、何をする! 何故、私を止める、山梨!!」

長野「富山もだ! 下がるんだ!!」グイッ

富山「な、何でよっ!! このままじゃ福井がっ、福井がっ!!」ポロポロ


静岡「……新潟も下がる。……福井を庇っては……ダメ」グイッ

新潟「静岡!? ……どうして貴女までこの様な真似を!?」


岐阜「北陸の絆はわかるわ……。だけど……今、福井を庇えばあなた達まで殺されるわよ」

新潟「……で、ですが!」


愛知「おおおおおお落ち着いて、みんな」ガクガク、ブルブル

東京「何をしている、処刑人。さっさとそこの市区町村を吊るせ」

処刑人C「イエッサー!」ビシッ


処刑人B「おら来いっ、上等な縄がお前を待ってるぜぇ!! ぐへへへへっ!」グイッ、スタスタ

福井「い、嫌だっ!! た、助けてっ!! みんな、助けてよっ!!」ズルズル


福井「助けてっ!!! 僕は本当に都道府県なんだっ!!! 助けてっ!!!」ポロポロ




愛知「あうぅぅぅぅ……」ブルブル

石川「愛知っ!! この役立たずがっ!!! 貴様、それでも中部の代表かっ!!! 仲間の助けに耳を塞いでどうするっ!?」

山梨「っ……。やめろ、石川……。愛知を責めるな……。止めた俺だって同罪なんだ……」

富山「福井……。福井……」ポロポロ

長野「……俺だって、耳を塞ぎたいさ。こんな情けない真似をした自分が心底恥ずかしい……」

新潟「有り得ませんのに……。あんな優しい心の持ち主が市区町村のはずありませんのに……」グシュッ

岐阜「私達は……とことん無力なのよ。無力だから……福井が死んでいくのよ……」ギリッ

静岡「……福井。……私は最期までこの目で見届ける。……この怨み、忘れない為に」

【処刑台】


東京「最期に何か言いたい事があれば聞いてやる」

東京「それが、貴様がこの世で残す最後の言葉だ。言え」


福井「ぼ、僕は……」ポロポロ

福井「本当に……都道府県なんだ……。だから……助けて……」ポロポロ


東京「聞くだけ無駄だったな」

東京「吊るせ」


処刑人「はっ!!」

処刑人「」ガコンッ‼


ガタンッ‼


福井「ぎっ! ぐあっっ!!」

福井「がっ……!!!」


福井「」ビクンッ……ビクンッ……



福井「」プラーン……




「…………」

東京「死体は、前回と同じく夜まで吊るしておけ」

東京「都道府県であれば、その都道府県の県鳥が寄る。市区町村であればカラスがたかる」


東京「加えて、石川、滋賀、岐阜、京都の職員を動員し、福井の市区町村全てを直ちに捕らえにいけ。抜かるなよ」



東京都職員「ははっ!!」ビシッ






福井「」…………(死体)







石川「……こんな理不尽がいつまでも罷り通ると思うなよ、東京……」

富山「福井の死体……まだ下ろす事も出来ないなんて……」ポロポロ



香川「……にしても、アイツ、本当に都道府県だったんかな? 一番怪しかったのは確かだから、選んだんだけど……」

愛媛「どうでしょうか……。まだ何とも言えませんが……」


群馬「ね、ねえ、栃木……。もし、福井が都道府県だったら、これって……」

栃木「……僕達も……人殺しの仲間って事になるのかな…………」


福岡「…………」

広島「……ねぇ、福岡。……私、あの時、福井が選ばれるの聞いてさ、心底ホッとしたんだ……」

広島「良かった。予定通りにいって、って……」

広島「それってさあ、今思うと、人として最低でさ……。なんかもう、死にたい気分なんだけど……」ツー、ポタッ、ポタッ

福岡「じゃあ、次はあなたが吊られれば? ……仕方ないじゃないの、他人の命より自分の命の方が大事なんだから……」

広島「わかってる。わかってる。……けどさ」ポロポロ

福岡「そんな涙……最低の涙よ。私は泣かないから……絶対に」

今日はここまで

【福井県内 嶺北地方】


あわら市「ね、ねえ、もう聞いた!?」

勝山市「ああ、聞いたとも! よりにもよって福井県が処刑されたんだろ! クソッ、あの根暗地味野郎がよ!!」

鯖江市「皆さん、これはまずくありませんか。都道府県のやつらは、きっと我々を捕まえに来ますよ」クイッ

越前町「うん! だから私、車持ってきたよ! 皆、急いで乗って! 早く!」


バアンッ!!


岐阜職員「その必要はない!」

石川職員「この建物は既に包囲されている! 全員、動くなっ!」



あわら市「きゃあっ!!」ビクッ

勝山市「も、もう来やがったのかよ!」

鯖江市「しまった……!」

越前町「ううっ……」



岐阜職員「丁度揃ってて助かりましたねえ、はっはっは」

石川職員「全くです。で、岐阜はどこを貰いますか?」

岐阜職員「そうですね……。地理的に、越前ガニとメガネを貰いましょうかねえ。宜しいですか?」


越前町「」ビクッ‼

鯖江市「……っ」クイッ


石川職員「なるほど。では、芦原温泉と恐竜博物館は、私の方という事で」

岐阜職員「ええ、それで手を打ちませんか、どうです?」

石川職員「はい、結構ですよ。いやあ、お互い得をしましたねえ」

岐阜職員「いや、全くで。ははっ」


あわら市「ううっ……」グシュッ

勝山市「なんて事だ……」

鯖江市「……今は耐えよう、皆。その内、きっと僕らの誇りを取り戻す日が来るから……」

越前町「悔しい……。私、悔しいよぉ」ポロポロ

【福井県 嶺南地方】


敦賀市「聞こえるか、都道府県職員ども! 俺達は命を懸けてお前達と戦う!」

小浜市「そうよ! そこから一歩でも近付いてみなさいよ! すぐに、敦賀原発や美浜原発の冷却機能を停止させてやるんだから!」

おおい町「僕達は本気だからなっ! 死なばもろともだ! そもそも、お前達に電力を供給してるのは誰だと思ってるんだ!!」



京都職員「やれやれ……。これが原発銀座の意地とはね。愚かしい真似を」

滋賀職員「ですねえ。全く困ったもので。聞き分けが悪い」



敦賀市「黙れ! 原発をメルトダウンされたくなければ、すぐさまここから出ていけ!」

小浜市「この美しい自然を汚染されたいの! 重要文化財を破壊されたいの! 早くあっち行きなさいよ!」


京都職員「そういうセリフは、こいつを見てもまだ言えるのか?」

滋賀職員「ほら、来い!」グイッ

美浜町「」ヒグッ、グシュッ


おおい町「美浜町!? お前、捕まってたのか!?」


京都職員「さあ、こいつの命が惜しければ、全員投降しろ。それとも仲間が無惨に殺される様をそこで眺めるのか」

滋賀職員「美浜町の他に、若狭町、高浜町も既に捕まえてある。そいつらが全員死んでいくのを眺めたいと言うなら、そこにずっと立て籠っているといい」


おおい町「ひ、卑怯だ!!」

敦賀市「……くっ」


美浜町「み、みんな、ごめんなさい……ごめんなさい……」ポロポロ


小浜市「……敦賀市。……美浜町とかを私は見捨てられないよ……」

おおい町「……僕もだ」

敦賀市「わかった……。投降する。お前達の勝ちだ……。好きにしろ……」



京都職員「よしっ。踏み込め! 全員、拘束しろ!」

「ははっ!」

【夕方】


東京「そうか。福井の制圧はほぼ完了し、捕らえた市区町村の他県への組み込みも完了したのだな」

職員「はい。ですが、いまだ福井県のメインである福井市と坂井市が見つかっていないのです」

東京「見つかっていない……? この時刻になり、しかも福井全土をほぼ制圧したというのにか?」

職員「はい。単純に上手く隠れているだけなのかもしれませんが……。しかし、ひょっとすると……」

東京「……他県に逃げ込んだか、あるいは」

職員「はい。福井市か坂井市のどちらかが福井県に化けていた可能性が……」


東京「…………」


東京「わかった。私、自らが確認しよう。福井が吊るされている処刑台へと向かう」ガタッ

職員「はい」

【死刑台】


福井(死体)「」プラーン……プラーン……


つぐみ「」バサバサ




石川「……すまない、福井。私は……私は……」グスッ

富山「……福井。もうすぐ下ろしてあげるからね。……もうすぐ、ちゃんとしたお墓に入れてあげられるから……」ポロポロ

新潟「……辛かったでしょうけど、もうすぐよ。……貴方の好きなソースカツ丼も用意してあるの。……もうすぐ、もうすぐ日が暮れるから……」ポロポロ



東京「寄ってきたのはつぐみか……。では、福井は……」

職員「…………」




石川「来たか……東京」グシュッ、ゴシゴシ

東京「石川……」

石川「あれを見ろ。その目でよく見ろ。貴様にはあれがカラスに見えるのか。あの愛らしい小さな鳥が、真っ黒でゴミを漁るカラスに見えるのかっ!! 答えろ、東京っ!!」グイッ

東京「……離せ、石川。私が決めた事ではない。投票で決まった事だ」

新潟「投票……! 投票ですって……! その投票を行う事を決めたのは一体誰だと言うのよ!!」ポロポロ

富山「福井を返してっ!! あの優しくて穏やかだった福井を返してよっ!! 今すぐ返してっ!! 市区町村じゃなかったんだから返してよっ!!!」ポロポロ



東京「……死者は生き返らない。不満なら私を投票で吊れ、富山」



石川「貴様ぁぁ!!!」バキッ‼

東京「ぐっ……」ヨロッ

石川「貴様のせいで、福井が!! 福井が死んだんだぞ!!」バキッ‼

東京「……私一人のせいにするな、石川。責めるなら、力不足だった自分を責めろ」

石川「なん……だとっ!!」グッ


「そこまでよっ!!」


石川「!?」

京都「そこまでにしなさい、石川!」


石川「京都……!」

京都「あなたの気持ちはよくわかるわ。私も三重を処刑されているのだから」

石川「ならばっ……!」

京都「だけど、ここは私に免じて引きなさい。東京がまだ我慢している内にね。そうでなければ、反逆者としてあなたが処刑されかねないわ」

石川「今更だな。京都、お前は私が命を惜しむ様な人間に見えるのか」

京都「そう見えないから私が止めているのよ」

石川「…………」

京都「もう一度だけ言うわ。……引きなさい、石川。言いたい事はあるだろうけど、ここは大人しく私に従いなさい」

石川「……従わないと言ったらどうする」

京都「従え、と私は言ったのよ。それ以上、何の答えがあると言うの、石川?」ゴゴゴゴゴ……


石川「……いいだろう。ここは引き下がってやる。だが、京都」

京都「何かしら」

石川「私がいつもお前に従うと思うなよ。今回はお前の顔を立ててやるだけだ。それをよく覚えておけ」

石川「」クルッ、スタスタ……


京都「…………」

とりま、ここまでに

京都「さて……」チラッ


富山「京都さん……」
新潟「京都お姉様……」


京都「あなた達二人も、もう行きなさい。福井を弔ってあげて」


富山「…………」
新潟「…………」


京都「早く行きなさい。私は東京と少し話があるから」


富山「……わかりました」
新潟「……はい」


クルッ、トボトボ……





東京「……それで、どういうつもりだ、京都?」

京都「さっきの件についてなら、石川に言った通りよ。あのままにしておいたら、石川を処刑しかねないから止めただけ。実際、そうだったでしょう?」

東京「…………」


東京「……そうか。ならば、それはいい。それで、私に話とは何だ」

京都「ああ……。さっき丁度、私のとこの職員から連絡が入ってね。福井市と坂井市が見つかったそうよ」

東京「そうか。やっと見つけたか」

京都「いえ、正確に言えば『見つけた』というのは正しい表現ではないかもしれないけど」

東京「……?」

【坂井市 東尋坊】


京都職員「そうですか……。ここの崖に二人分の靴が……」

石川職員「ええ。それと、この書き置きが一緒に。遺書でしょうね、多分」

岐阜職員「……そこには何が?」

滋賀職員「見ますか?」スッ

岐阜職員「……どうも」ペラッ





『私達は、もう誰のものにもならない』





岐阜職員「…………」

石川職員「現在、死体の捜索も行っていますが、まだ発見されてません」

京都職員「今日は海が荒れているので、発見は難しいかもしれませんね」

滋賀職員「そうですね。しかし、自殺とはね……」

岐阜職員「福井市と坂井市は欲しかったんですが……。仕方ないですか……」

石川職員「ええ……。もったいない事をしました」

【その夜 越前市、永平寺】



ポクポク、ポクポク……



棺桶「」…………




山梨「……福井。……お前はきっと俺を許してくれないだろうな……。お前が処刑されるのを黙って見ていただけの俺を……」

長野「許さなくていい……。決して許されない事を俺達はしたんだからな……」

静岡「……福井。……私達を未来永劫憎み続けて。……天国からずっと」


石川「っ……」ヒグッ

富山「…………」ポロポロ

新潟「……福井。……さようなら」ポロポロ


岐阜「……ごめん、福井」

【通夜】


長野「それで、結局、福井市と坂井市は他市と合併する事になったのか……」

静岡「……そう。……福井市は鯖江市と、坂井市はあわら市と吸収合併」

山梨「という事は、岐阜の領土がかなり増えたな……」チラッ

岐阜「……なに、その目は、山梨。まさか私がそれを喜んでるとでも思ってるの?」

山梨「そういう訳じゃない。福井が処刑されて気が立ってるのはわかるが、俺に突っ掛かってくるな」

岐阜「……わかったわ。ごめんなさい。確かに気が立ってたかもしれない」

石川「……そういえば、岐阜。愛知はどうした? 姿が見当たらないが……」

岐阜「…………」ハァ

岐阜「……愛知なら線香だけあげてすぐに帰っていったわ」

石川「何だと……?」ガタッ

富山「愛知……冷たすぎない……? 福井が処刑されたっていうのに……!」

新潟「……福井は仲間ではないとでも思っているのかしら? いくらなんでもそれは……!」

岐阜「……一応、東海のよしみで言わせてもらうけど、多分、そうは思ってない。ただ……」

長野「ただ?」

岐阜「あの子は、今、自分の事で手一杯なのよ、きっと。だから、許してあげて」

静岡「…………」

【名古屋市 名古屋城】


愛知「だ、だからね、もしかしたら今夜、私が狙われるかもしれないの」オロオロ

愛知「わ、私、どうしたらいい? どうしたら助かる? ねえ、みんな」オロオロ


名古屋「おいおい、お嬢。そんなに心配するなって。お前には俺達がついてるじゃないか」キランッ

名古屋「なあ、皆? そうだろ?」

豊田「そうだぜ、お嬢。お前を狙おうとしてる奴がいるってんなら、俺達がそいつを返り討ちにしてやるよ。だから、安心しな」

岡崎「そうですよ。俺達が絶対にお嬢を守ります。それが誰であれ、お嬢には指一本触れさせませんから」

一宮「だ、そうだよ。もちろん、僕もね。だから、お嬢。そんな泣きそうな顔をしないで。ね?」ニコッ


愛知「みんな……」


名古屋「ま、そういう事だ。これでわかったろ? お嬢は俺達全員が命を懸けて守ってやるからよ」

名古屋「だから、お前は何も心配するな。いつも通りにしてろ。いいな?」ナデナデ

愛知「え、う、うん……///」


豊田「うっし。なら、今夜の配置決めるぞ。今日はより念入りにお嬢を警備するからな。いいな、お前ら」

岡崎「了解です。あ、俺、知多とか春日井とかも呼んできますね」

一宮「それなら、僕はお嬢が落ち着けるようハーブティーとか用意するよ。あと、ご飯もまだだったよね? こっちもすぐに用意するからちょっと待っててね」ニコッ

愛知「あ、ありがとう、みんな」


名古屋「なあに、お安いご用さ。なあ、そうだろ?」

豊田「ああ、礼なんか必要ないっての」

岡崎「皆、お嬢の事が大好きですから。これぐらい当然です。気にしないで下さい」

一宮「そういう事だね」ニコッ


愛知「そう? えへへ///」

【同時刻 兵庫県、神戸ポートタワー】


兵庫「……という訳だ。皆、わかっていると思うが、俺は今夜狙われる可能性が高い」

兵庫「その為、護衛を今夜は普段の二倍以上に増やすつもりだが……」

兵庫「その中に裏切者が混ざっていたら……逆にそれが仇となる」

兵庫「……その点は無論わかっているな、神戸?」


神戸「もちろんですわ、兵庫様。どうか御安心を」ニコッ

神戸「だって、私は兵庫様を愛していますもの。そんな私が兵庫様を危険に晒す様な真似は決して致しませんわ」

神戸「だから、ここにいる面々は私がしっかりと教育してありますわ。全員、兵庫様に忠誠を誓う者ばかりですの」 

神戸「そうでしょう、あなた達?」

宝塚「ああ、もちろんだよ、神戸。私は兵庫様に忠誠を誓った身さ。例えこの命尽きようとも、生涯、兵庫様にお仕えするつもりよ」

姫路「私もなのです! 兵庫様に忠誠を誓っているのです!」ピョン、ピョン

淡路「淡路島のメンバーもですよ。兵庫様をしっかりとお守りいたしますわ」ニコッ


神戸「ですから、兵庫様、安心なさって下さい」ニコッ

神戸「私が兵庫様を裏切らない限り、兵庫様はいつまでもご無事ですから」

神戸「そして、私は決して愛する兵庫様を裏切りませんもの。兵庫様が私を愛してくれている限りは、永遠にね」

兵庫「…………」


神戸「ねぇ、あなた達、そうよね? ふふふふっ」クスクス

宝塚「ああ、そうだね。御安心を」

姫路「兵庫様を守るのですー!」ピョイン

淡路「あらあら、姫路ったら。こんなにはしゃいで。遊びじゃないのよ、めっ」

姫路「えー。怒られたのですー。姫路はこれでも真剣なのですよー。遺憾なのですー」プンプン


ウフフフッ、ハハハハッ



兵庫「…………」

【二日目、まとめ】


『宮城県が日本から消滅しました』

『代わって、山形県宮城市が出来上がりましたが、実質的には空白地帯と化しています』

『仙台をリーダーとする宮城県の市区町村全ては、東北地方のどこかに匿われ潜伏中です』

『福井県は四分割され、石川、岐阜、滋賀、京都の一部になりました』

『自殺したと思われる福井市・坂井市は現在、行方不明扱いとなっています』



『残りの都道府県は38、化けている市区町村は5、消滅した都道府県は4です』



『殺された都道府県一覧』
神奈川、宮城

『処刑された都道府県一覧』
三重、福井

『処刑された市区町村一覧』
なし

【深夜】


??②「皆さん、大変お待たせしましたー」

??③「現在、J7の中で最も信頼されている都道府県様の御登場です」

??④「皆、盛大な拍手で迎えてやって下さいな! へいっ、カウントダウンGO!」

??⑤「3、2、1……」


パンパカパーン‼


??①→大阪「よおっ! 今回、護衛役として選ばれた大阪だ! 宜しくな、お前ら!」

??②「イエーイっ!! カッコイー!!」

??③「待ってたぞ、大阪!」

??④「大阪、最高! 大阪、最強!!」

??⑤「……流石、大阪」


大阪「はーっはっはっはっー! ありがとよ、お前ら!」

大阪「さて、それじゃあ折角の歓迎パーティーだし、俺も少し期待に応えて、隠し芸を披露してやろう」

??②「うわー、なに、なにー!?」

??③「一体、どんな芸を披露してくれるんだ?」

??④「こんなんメッチャドキドキしてまうだろ。何をするんだ?」

??⑤「……期待」


大阪「よしっ。いくぞ」スッ

大阪「特技、メタモルフォーゼ!!」ピカッ


ボンッ!!!


大阪市(女)「はーい! いっつも元気一杯の大阪市ちゃんに変身でーす! ぶいっ!!」ニコッ


??②「wwwwwwwwww」

??③「戻っただけwwwwwwww」

??④「俺らも出来るっつーのwwwwwww」

??⑤「…………」

大阪市「いやー、大阪ってほら、お笑いの本家でしょ。やっぱり一回はボケをかましておかないと」グッ

??②「うん。なんか冷静に考えると全然面白くないボケだったけど、ノリで笑ったからオッケー」グッ

大阪市「誉めてるのか貶してるのかわからないけど、とりあえずありがとう」グッ


??④「はいはい、まあ、茶番はここまでにしとこか。本題入るぞー」

??③「それにしても、都道府県の奴等の目が本当に節穴だという事が今回の件でよくわかったな」

??⑤「全く気付いていない……というのが証明された」

??②「元々、頭悪いんだよねー。だから、殺されるのも、まあ、仕方ないかなーって感じだし」

大阪市「いやいやー、変身していてもどうしても滲み出る私の魅力とカリスマのせいだね、これは」

??②「はいはい。次の人ー」

??③「何にせよ、この様子からいくと俺達の誰かが処刑される可能性は低いだろう」

??⑤「……確かに」

??④「なら、当分はまだ様子見みたいな感じで良さげか?」

大阪市「いいんじゃない? なんか切り札切ったみたいな感じの護衛役が実質、何の役にも立ってない状況だしさー」

大阪市「あと、こっちがランダムで殺してるなんて向こう全く考えてないだろうから。あと何回かはイケると思うよ、私は」

??②「なら、今日もいっとくー? 世界で一番ヤッバいダーツ」スッ

??④「そうだな。今日は俺が担当しよう」ズイッ

??⑤「……わかった。的を回すぞ」

??④「ああ、やってくれ」


??⑤「」クルッ


??②「さーて、今日は誰に当たるのかなー」

大阪市「とーうきょう! とーうきょう!」


??④「……せいっ!」ピュンッ

第三の犠牲者をコンマで決定


以下、毎回の事になる説明(なのですっ飛ばし可)

市区町村のターゲットが市区町村になる事はないので、コンマシートを公開すると市区町村に当たった時に再コンマをする事になり、どの都道府県が化けているのかわかってしまいます。なので、完結するまで公開はしません。予め(以下略)

なお、化けている市区町村と消えた都道府県はコンマシートから既に除外済み


では、コンマ↓1で。00と77以上が出たら再コンマ

【上越市 高田公園】


新潟「…………」テクテク

新潟「深夜に出歩くのは不用心だと止められましたけれども……」

新潟「でも、この時間、この季節でないと見れないんですもの……」

新潟「この景色だけは……」




桜「」

キラキラ、キラキラ……



新潟「日本三大夜桜の一つ……。やっぱり綺麗ね、美しいわ……」

新潟「……ねえ、覚えていますか、福井」

新潟「昔、貴方にもこの景色を見せた事がありますのよ……」

新潟「コシヒカリの研究を一緒にしてた時に……ここの景色を……」

新潟「貴方はとても感動して……。まるで子供みたいに目を輝か」



ズガンッ!!!!




「ば、爆発っ!!?」

「おい、あそこで誰か倒れてるぞ!!! すぐに救急車をっ!!!」






??④「北陸地方は運がなかったな。……ま、福井とはあの世で仲良くやってくれ」

??④「あの世なんてものがあればの話だけどな」クルッ

??④「良き死を、新潟に」スタスタ……

ここまで。新潟、登場から退場まで早かったな……

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