【艦これ】大淀「スカートのスリットを隠せ、ですか?」 (41)


明石「今更ですよ提督ー。なんで今更になって隠せなんて言うんですか?」

提督「今更も何も、そのお前らのスカートは刺激が強すぎる!」

提督「ぶっちゃけ今までは我慢してた」

大淀「え」

提督「でもなあ、そろそろ我慢の限界なんだよ。はち切れそうなんだよ!」

明石「うわあ」

大淀「提督、私たちをそーゆー目で見ていらしたんですか」

明石「提督の頭、修理が必要ですか?」

提督「お前らのスカートを修理しろというんだ!」

大淀「えぇ……」


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提督「えぇ、じゃないよ! 俺がどんな思いで日々我慢してたかわかるか!」

提督「俺だってなあ! お前らのスリットは極力気にしないようにしてたさ!」

提督「だがな! 毎日毎日顔を合わせるたびに、そこからうら若き女性の肌が見えるんだぞ!」

提督「下手すれば下着だって見えそうな服だ!」

提督「俺だって男のサガをいつまでも封印できるような聖人君子じゃない!」

提督「はっきり言って、お前らの衣装はめっちゃ罪作りなんだからな!」

明石「提督も男の人ですからねえ……」

提督「お前ら特に熱心に働いてくれるから、そういう下心は抱きたくなかったんだよ!」

大淀「変なところがまじめなんですよねえ……」

明石「面倒くさいなあ……」


提督「だからそのスリット入りのスカート、今日から廃止な」

大淀「それはできません」

提督「なんでだよ! 俺がケダモノになってもいいのか!?」

提督「いやそもそもだ。お前らのそのスカート、はいてて恥ずかしくないのか?」

大淀「恥ずかしくないですよ?」

提督「だって見てるこっちが恥ずかしいんだぞ?」

明石「何を言ってるんですか! 全然問題ありません!」

提督「……じゃあ島風の衣装に着替えてみるか?」

明石「それはできませんよー」

大淀「お断りいたします」

提督「だよなあ」


提督「……よし、わかった。ほかの連中にも聞いてみよう」

大淀「と言いますと?」

提督「何人か呼んで、スカートの規格をお前たちのはいてるスカートにしたいと相談する」

提督「それでみんながNGを出せば、そのスカートがおかしいと言う判断ができる」

明石「そ、そうですか。まあいいですけど」

提督「よし、そういうことなら早速呼び出そう」ジーコロジーコロ

大淀「……ねえ、提督の置電話、なんでダイヤル式なの?」

明石「そっちの方が格好いいって……」


 * 数分後 *

長門「提督、私たちを呼んだか」

霧島「どのようなご用件でしょうか、司令?」

明石「戦艦のお二人ですか?」

提督「ああ。力の長門、頭脳の霧島。我が鎮守府が誇る最高戦力、艦隊の二枚看板だ」

提督「この鎮守府の顔とも言うべき二人に相談したいことがある」

長門「ほう、何だ?」

提督「艦娘の制服のスカートを、明石や大淀と同じデザインにしようという案があるのだが、どうだろうか?」

長門「!!」

霧島「!!」

提督(顔色が変わった……これは拒否してくるぞ!)ニヤリ


長門「なるほど。それならば問題ない」

霧島「ええ、問題ありません」

提督「え……本当か?」

長門「ああ、かまわないと思うが」

霧島「私も異論ありません」

提督「……そ、そうか。問題ないのか」

提督「ちなみに変更しようとした衣装が島風の衣装だったとしたら?」

長門「それはさすがに……」

霧島「司令……本気ですか?」

提督「い、いや、確認したかっただけなんだ! そうか、よくわかった!」


提督「とにかく参考になったよ。ありがとう、下がっていいぞ」

長門「ああ」

霧島「失礼いたします」

 ゾロゾロ

大淀「……」

明石「……」

提督「……マジで?」

大淀「そう仰ってたでしょう」

明石「そうですよー。問題ないって言ってたじゃないですか」

提督「い、いや、ちょっと待て。別のメンバーを呼ぶ」ジーコロジーコロ

大淀「はあ……いいですけど」


 * 数分後 *

祥鳳「提督、お呼びでしょうか!」

鳳翔「何か御用でしょうか?」

飛鷹「艦載機の整備があるから、手短にね?」

大淀「あら、このお三方は……」

提督「祥鳳、鳳翔、飛鷹。気品と淑やかさを兼ね備えた軽空母の御三家だ」

提督「この鎮守府の品位とも言うべきこの三人に相談したいことがある」

飛鷹「あら、なあに?」

提督「艦娘の制服のスカートを、明石や大淀と同じデザインにしようという案があるのだが、どうだろうか?」

「「「!!」」」

提督(今度こそ……!)ニヤリ


祥鳳「悪くないんじゃないでしょうか」

鳳翔「よろしいと思いますよ?」

飛鷹「いいんじゃない? 上着も合わせないといけないかも、だけど」

提督「!?」

飛鷹「なに固まってんの?」

鳳翔「思えば大和さんも同じデザインですし、特に反対する理由もありませんが……」

提督「……そ、そうか。反対しないのか」

祥鳳「はい。相談というのは、このことだったんでしょうか」

提督「そ、そうだ。とにかく、お前たちの意見はわかった」

提督「ちなみに……島風の衣装だったとしたら断ってたよな?」

鳳翔「そ、それは……」ジリッ

提督「確認! 確認だ、念のための! 断ってたよなって言ったろ!? 他意はないんだ!」


提督「とにかくありがとう、下がっていいぞ」

 ゾロゾロ

大淀「……」

明石「……」

提督「……マジ?」

大淀「マジですよ」

明石「反対しないって言ってましたよね」

提督「待て。頼むから待て。もう一回、別のメンバーを呼ぶ」ジーコロジーコロ

大淀「はあ……」


 * 数分後 *

古鷹「失礼します」

木曾「よう」

矢矧「失礼するわね」

鳥海「司令官さん、どうかなさいましたか?」

明石「提督、この皆さんは?」

提督「木曾、矢矧、鳥海、古鷹。我が鎮守府でも気立てのよさは指折りの巡洋艦、名付けて『いい性格四天王』だ」

大淀「そのネーミングはどうかと思いますが……」

提督「この鎮守府の良心とも言うべきこの四人に相談したいことがある」

古鷹「そ、そんな、良心だなんて……恐れ多いです」

木曾「俺たちに相談事か。いいぜ、なんでも言ってみろ」

提督「艦娘の制服のスカートを、明石や大淀と同じデザインにしようという案があるのだが、どう思う?」

「「「「!!」」」」

提督(動揺してるな……さあ断れ!)ニヤリ


矢矧「いいんじゃないかしら?」

木曾「ありだな。いいぞ」

提督「いいのか!?」

鳥海「そ、そんなに驚くようなことを言いましたか?」

古鷹「とくに反対する理由はありませんよ?」

提督「ないのか!? 本当にないのか!?」

古鷹「はい。提督は反対する理由がおありなんですか?」キョトン

矢矧「そうね。そのまで狼狽する理由がわからないわ」

提督「ええ……」

鳥海「相談というのはこのことだったんですか?」

提督「あ、ああ。それと一応聞いておくが、島風の衣装だったら断ってたよな?」

古鷹「そう、ですね……それはちょっと」

木曾「お前……」

提督「睨むなよ……わかってる、わかってるけど確認のためなんだ」

矢矧「もう、びっくりさせないで欲しいわ」


提督「時間を取らせてすまなかった。ありがとう」

 ゾロゾロ

大淀「……」

明石「……」

提督「……ありえねえ……」

大淀「ありえてます」

明石「提督、現実を見てください」

提督「もう一回。もう一回だ」ジーコロジーコロ

明石「……」


 * 数分後 *

松風「失礼するよ」

谷風「待たせたね!」

涼風「アタイの出番かーい!」

嵐「よう、何の用だ!?」

大淀「提督、この人選は?」

提督「涼風、松風、谷風、嵐。数いる駆逐艦の中でも取り分け気風の良さで知られる『いい風吹か四天王』だ」

大淀「……ネーミングもさることながら、この鎮守府には何組四天王がいるんですか」

明石「むしろその名前だと天津風ちゃん入れないとおかしくありません?」

提督「天津風はいい風を受ける側で、こっちの四人は吹かしてる側、という認識だ」

提督「さて、この鎮守府の薫風とも言うべき四人に相談したいことがある」

涼風「へーえ、アタイたちに相談かい?」


提督「ああ。艦娘の制服のスカートを、明石や大淀と同じデザインにしようという案があるのだが、どう思う?」

「「「「!!」」」」

提督(さすがに駆逐艦たちには抵抗があるだろう……!)ニヤリ

松風「うん、いいんじゃないかな?」

谷風「谷風さんもいいと思うよ!」

嵐「まあ、俺に服の相談をするのもどうかと思うんだけどなー」

提督「……」

涼風「なんでえなんでえ、アタイたちの答えがそんなに意外だったのかい!?」

提督「い、いや、そういうことじゃない。そうか、反対なしか」

松風「ああ。姉さんたちも嫌がったりしないと思うよ」

提督「……ノーと言われることを前提で聞くが、島風の衣装だったら断るよな?」

谷風「あー……まあ、そりゃあ、ねえ」ポリポリ

嵐「その、やめてくれよ……島風に悪いからさ」


提督「うん……悪かった。相談に乗ってくれてありがとうな」

 ゾロゾロ

大淀「……」

明石「……」

提督「うっそだろ……」

明石「提督、もう4連敗ですよ」

大淀「いい加減認めてください」

提督「いや、次の連中は絶対断ると思うんだ……」ジーコロジーコロ

大淀「……」


 * 数分後 *

曙「来たわよ、クソ提督!」

満潮「何の前触れもなくいきなり呼び出すなんて!」

霞「つまんない用事だったら怒るわよ!」

明石「これはわかりやすい……」

提督「曙、満潮、霞。どこの鎮守府へ行っても、叱咤激励か悪口雑言かわからない言動を誇る『怒濤の三鬼神』だ」

満潮「はぁ!? なにそれ、意味わかんない!」

提督「……この鎮守府の反骨精神とも言うべき三人に相談したいことがある」

曙「反骨!? 寝言は寝室で言いなさいよ、このクソ提督!」

提督「……」ナミダメ

霞「早く要件を言いなさい、このクズ!」

提督「あ、あのな。艦娘の制服のスカートを、明石や大淀と同じデザインにしようという案があるのだが、どう思う?」グスン

「「「!!」」」

提督(この三人なら、俺の言うことに反抗するはずだ……!)ニヤリ


霞「そういうこと。それなら別にいいわよ」

満潮「そうね。でも、なんでそんなこと私たちに聞くのよ」

提督「……へ? い、いいのか?」

曙「別にいいわよ。何よ、私たちがあんたの言うことに全部反対すると思ってんの?」

提督「い、いや、そういうことではないよ……お前たちの意見が聞きたかったんだ」

満潮「ふーん……」

曙「まあ、いいけど……」

霞「そういう話なら、ちゃんと答えるわよ」

提督「それと、一応! 一応聞いておくが……絶対に断ると思うが、これが島風の衣装だったら断るよな?」

霞「はあ!? 何考えてんのこのクズ!」

満潮「バカなんじゃないの!? 心っ底、意味がわかんない!」

曙「本気で言ってんじゃないでしょうね、このクソ提督!」


提督「……い、いや、わかった。わかったから。ありがとう、下がってくれ」ナミダメ

 ゾロゾロ

大淀「……」

明石「……」

提督「怖かったよう……」グスグス

明石「そろそろやめましょうよ……」

大淀「不毛ですよ……」

提督「……」ジーコロジーコロ

明石「無言でかけ始めた……」


 * 数分後 *

千代田「千代田、入ります!」

筑摩「失礼しますね」

山城「扶桑お姉様との団欒の時間が……」

大井「北上さんとの逢瀬の時間が……」

龍田「うふふ、私たちにいったい何の御用なのかしら~」

明石「こちらの面子もわかりやすいですね……」

提督「龍田、大井、筑摩、山城、千代田。我が鎮守府の姉妹艦大好き娘、人呼んで『私の姉は星五つ』だ」

明石「改装MAXなんですよね」

大淀「比叡さんは入ってないんですか?」

提督「比叡が言うには、金剛は誰にでも好かれているから関係ない、だそうだ」

明石「まあ、榛名さんや霧島さんも、金剛さんのことを慕ってますからねえ」ウンウン

大淀「金剛さんも誰に対しても面倒見がいいですからね」ウンウン


提督「さて、この鎮守府の良き妹とも言うべき五人に相談したいことがある」

山城「相談? 私たちが?」

大井「……お伺いしましょう」

提督「ああ。艦娘の制服のスカートを、明石や大淀と同じデザインにしようという案があるのだが、どうだろうか?」

「「「「「!!」」」」」

提督(あ、やべ。姉のその姿が見られるなら、ありって顔してる)

千代田「そうですか……別にいいと思いますけど」

筑摩「はい、私たちの場合は似合うかどうかわかりませんが」

山城「……まあ、いいんじゃないですか」

大井「そうですね……特に悩むこともないと思います」

提督「うん? 意外と乗り気じゃないようだが……まあ、そうなるか……」

龍田「あら~、提督? どうして落ち込んでるんですか~?」

提督「あー……いや、気にしないでくれ」


提督「それと一応聞いておくが、これが島風の衣装だったら断ってるよな?」

山城「当然です」

大井「当然ですよ。提督は何もわかっていませんね」

千代田「いいって言われても、そもそもあたしや千歳お姉には似合わないと思う……」

筑摩「利根姉さんには似合いそうですけど、それは駄目ですよ」

龍田「そうね~」

提督「……わかった。ありがとう」

 ゾロゾロ

提督「……はあ」

明石「提督、気はすみましたか」

提督「ああ、もう諦めた……」

大淀「では、私たちのスカートの改装はなしということで」

提督「認める。認めざるを得ない。我慢するよ……」


提督「ところでだ。龍田、なんでお前は退室しなかったんだ?」

龍田「うふふふ~。二、三、提督に言っておきたいことがありまして~」

提督「なんだ?」

龍田「まずは島風ちゃんの衣装の件ですけれど~……」

龍田「確かに、みんな恥ずかしいっていうのもあるけれど、彼女のためにも遠慮してるんですよ~?」

提督「? どういうことだ?」

龍田「ほら、あの子、速度にと~ってもこだわってるじゃな~い?」

龍田「だから、あの子、スピードと可愛さを追求して、自分であの服を仕立てたの」

龍田「こだわりのデザインなんだからぁ、安易に真似ちゃいけない、って、みんな認識してるのよ~?」

提督「そ、そうだったのか……」

龍田「やーっぱり、気付いていなかったのね~」クス


龍田「艦娘の服っていうのは、みんなそれぞれに思い入れがあってのものなんだから……」

龍田「安易に変更しようなんて思わないほうがいいわよ~」ニコ

提督「なら、みんなが大淀たちのスカートを受け入れていたのは何故だ?」

龍田「この二人なら鎮守府の功労者でもあるし、願掛け的な意味でも抵抗もそんなにないってところかしら~」

提督「……そうか。そうだな、合点がいったよ」

提督「大淀、明石、すまなかった。俺の理解不足だった」ペコリ

明石「提督……!」

大淀「ご理解いただけましたか!」


 * 翌日の執務室 *

天龍「へーぇ、そんなことがあったのか」

大淀「はい、おかげでスカートは改装せずに済みました」

天龍「へへ、さすが俺の妹だ! しっかし提督のやつは遅っせえなあ。どこで道草食ってんだ?」

大淀「少し遅れると連絡がありましたが、確かに遅すぎますね……」

 コンコン

天龍「お、やっと来やがっ……」

提督「待たせたな!」(明石のスカート?着用)バーン!

天龍「!?」

大淀「!?」

提督「いやあ、昨日の龍田の言葉が身に染みてな」

提督「どんな気持ちになるのか試しにはいてみたんだ」


提督「すーすーするが、はいてみると意外と気にならないな!」

天龍「」

大淀「」

提督「? どうしたお前たち」

天龍「う、うわあああああ! た、た、龍田あああああ!!」

大淀「もしもし明石!? 提督が壊れたの、すぐに来て!!」

龍田「あら~、いったい何……あらぁ……」

提督「……どうしてこうなった」

龍田「それはこっちのセリフよぉ……」




金剛「ヘーイ提督ゥー! 脚の除毛してあげるネー!」バーン

全員「「やめろォ!」」


いい風~には江風さンも入れたかったんだけど、語呂が合わなくなっちゃうので断念。


あなたの鎮守府の四天王はなにしてんのう?

失礼しました。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2018年02月28日 (水) 07:14:07   ID: Fu6cj74K

テンポよくてすき。

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