まゆ「寒さに負けず!」 美玲「もりくぼカケル!」 (14)


・「アイドルマスター シンデレラガールズ」のSSです
・描写について、複数のコンテンツの要素や独自の解釈を含むことがあります



佐久間まゆ「はいっ。人見知り克服系トークバラエティ、『もりくぼカケル!』、今日も始まりました♪」

早坂美玲「外は寒いけど、張り切っていくぞッ!」

まゆ「こたつの中でまったりとご覧くださいねぇ」

美玲「MCはこのウチ、早坂美玲と!」

まゆ「佐久間まゆの二人で、お送りします♪」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1519067450


美玲「前回の放送は、ここからチェックだッ!」


※ここにテロップがあるものとする※

前回
まゆ「もりくぼカケル!」 美玲「略してカケくぼ!」

まゆ「今年は東京でもたくさん雪が降って大変でしたけど、皆さんはいかがお過ごしですか?」

美玲「ウチらは、事務所のみんなで雪合戦したぞ!」

まゆ「うふふ。美玲ちゃん、大活躍でしたねぇ」

美玲「まあなッ! 前に野球のお仕事をした時、いろいろ教わったからなッ」ドヤァ

まゆ「それでも、最後まで勝ち残ったのは乃々ちゃんでしたね」

美玲「アイツ、避ける天才だからな……」

<タダニゲマワッテタダケナンデスケド……

美玲「今日もノノは舞台裏スタートか……代わりにぴにゃこら太のぬいぐるみ置いてってるし」

まゆ「ご丁寧に『のの』って名札を付けてますね、この子」

美玲「細かいネタ仕込んでるのな……まぁいいや。ノノは後で引っ張り出すとして」

まゆ「その間に、VTRをご覧頂きましょう♪ どうぞっ」




PHASE 10
『森久保乃々×相葉夕美』



相葉夕美「こんにちは、乃々ちゃんっ! 今日はいろいろお話しようねっ」

森久保乃々「は、はい……その、お手柔らかに、お願いします……」

夕美「ふふっ♪ 相変わらず、照れ屋さんだね」

乃々「あぅ……もりくぼには、人と目を合わせてお喋りするのは、やっぱり難しくて……すみません……」

夕美「そっか。ううん、気にしないで。お花だって、種を植えてから咲くまでにかかる期間はまちまちだもん」

夕美「乃々ちゃんも、自分のペースで、ゆっくり慣れていけばいいんじゃないかな?」ニコッ

乃々「あっ、ありがとうございます……。夕美さん、優しい……!」

乃々「もりくぼのペースだと、かたつむりくらいゆっくりになるかもしれませんが……頑張ります」

夕美「じゃあ、今日の乃々ちゃんは……つむりくぼ、かな?」

乃々「つむりくぼ……ふふ、語呂がいいですね……。この机が、殻の代わりですかね」

夕美「そう言われれば……それっぽいかも」クスッ

乃々「……あの、ところで……さっきから気になっているんですが」

夕美「なぁに?」

乃々「そちらの……夕美さんの横に置いてあるものは……?」

夕美「そうそう! えぇと、これがパンジーで、こっちがシクラメン! ふふっ、綺麗でしょ? それから……」

乃々「あの、そういうことではなくて……どうして、そんなにたくさんの鉢植えを……?」

夕美「折角の機会だから、乃々ちゃんにプレゼントしようと思って持ってきたんだ♪ 机の下って薄暗いだろうから、ちょっとでも華やかになればいいなって」

夕美「……そう思ってたんだけど……」キョロキョロ

乃々「あ、ありがとうございます……どうしたんですか?」

夕美「もう、いくつかあるんだね。鉢植え」

乃々「……これですか。これはお花じゃなくて……キノコですね」

夕美「……キノコ」

乃々「はい。輝子ちゃんのオトモダチの……。これがシメジクンで、こっちがマイタケチャン……マイタケクン、だったかな……?」

夕美「えっ……キノコって、そういう性別みたいなの、あるんだ?」

乃々「さ、さぁ……? もりくぼには、よくわからないのですが……」

夕美「でも、こうやって見ると、キノコも可愛いねっ」ツンツン

乃々「えへへ……キノコとお花とで、もりくぼの住処が癒しの森に……♪」

夕美「ホントはね。乃々ちゃんの誕生花を持って来たかったんだ。でも、確か乃々ちゃんって、夏生まれだったよね?」

乃々「あ、はい……8月27日です……。季節的には、ちょうど真逆……」

夕美「やっぱり! えぇと、その日の誕生花は……」スマホポチー

夕美「……あった。はい、これが乃々ちゃんの誕生花。ホウセンカだよっ」

乃々「これがホウセンカ……聞いたことはあります……」

乃々「鮮やかな、赤い色……あんまり、もりくぼには似合わなさそうですね……」

夕美「そうかな? 確かに、乃々ちゃんは青や緑っぽい衣装をよく着てるイメージがあるけど……暖色系も、きっと似合うと思うなっ」

乃々「あぅぅ、そう言われても……あっ」

夕美「どうしたの?」

乃々「その、写真の下に書いてある、花言葉なんですけど……」

夕美「ホウセンカの花言葉は……『わたしに触れないで』だね。熟した実に触れると、それだけで種が弾け飛んじゃうのが由来なんだよ」

乃々「……それは、ちょっともりくぼっぽいかも……もりくぼも人と目を合わせると、魂が弾け飛んでしまうので……」

夕美「あ、あはは……」





PHASE 11
『森久保乃々×松本沙理奈』



松本沙理奈「ねぇ、乃々ちゃん?」

乃々「は、はい……」

沙理奈「なんだか、いつもに増して目線が泳いでない?」

乃々「いっ、いえ……! そ、そんなことは……」アワアワ

乃々「ただその、なんというか……目のやり場に、困ってしまって……」

沙理奈「目の……あぁ。もしかしなくても、ココのこと?」ツンツン

乃々「あ、あぅぅ……///」

沙理奈「……触ってみる?」ニヤニヤ

乃々「ひぃ!? そ、そんなはれんちなこと、もりくぼには無理です……!!」ブンブン

沙理奈「アハハ! 破廉恥って。別に女同士で照れること無いでしょ~? 千枝ちゃんに触らせてあげたことだってあるし」

乃々「そ、そう言われても……! 無理なものはむーりぃ~!」

沙理奈「そう? フフ、残念♪」

乃々「……どうして」

沙理奈「ん?」

乃々「……どうして沙理奈さんは、たくさんの人から見られても、堂々としていられるんですか……?」

沙理奈「う~ん。人の注目を浴びるってことは、それだけアタシが魅力的に見えてるってことじゃない? それが嬉しいから、かな?」

乃々「……もりくぼは、そんなに前向きに捉えられなくて……人を目を合わせることも出来ませんし……」

乃々「期待されればされるほど、それに応えられないのが、怖くて……」

沙理奈「……ね、乃々ちゃん。アタシの一番の武器って、ドコだと思う?」

乃々「武器、ですか……? それは、やっぱり……えぇと……す、スタイルの良さ、ですか……?」

沙理奈「フフっ、ありがと♪ ……触ってみる?」

乃々「結構なんですけど……!」ブンブン

沙理奈「もー、頑ななんだから。それじゃあ、乃々ちゃんの武器は、何なのかしら?」

乃々「も、もりくぼですか……!? そんな、武器と言えるようなものは、何も……。もりくぼ、丸腰……」

沙理奈「だったら、アタシからひとつ提案。何でもいいから、自分の武器をはっきりさせるの。他のことはイマイチかもしれないけど、これだけは出来るっていう、何かをね」

乃々「は、はぁ……」

沙理奈「正直、アタシと乃々ちゃんじゃタイプが正反対だから、説得力無いって思うかもしれない」

沙理奈「けど、得意なことを褒められると嬉しいのはきっと誰でも同じなはずだし、自信にもなると思うの」

乃々「それは……はい、確かに……。褒められるのは、少し恥ずかしいけど……嬉しいです……」

沙理奈「だから、自分に自信を持ちたいなら、まずは自分の強みが何なのか理解すること。で、それを徹底的に磨くこと。どう?」

乃々「でも……もりくぼですよ? 人に誇れるようなものなんて、本当に何も……」

沙理奈「えー? アタシ、乃々ちゃんのここがいいなって思うところ……パッと思いつくだけでも二、三個はあるけど?」

乃々「そ、そんな……!? な、なにかの間違いだと思うんですけど……!」ブンブン

沙理奈「うーん、これは筋金入りね……」

沙理奈「よし! こうなったら、アタシがとことん付き合ってあげるわ!」

乃々「えっ……それは、どういう……?」

沙理奈「フフン、いい考えがあるの」

沙理奈「そうね……とりあえず、夏になったら二人でビーチに行きましょ! いいカンジの水着買って!」

乃々「えぇぇ……!?」

沙理奈「このセクシーボディのアタシと、メルヘン可愛い乃々ちゃんが一緒にいれば、ビーチの視線を二人占め間違いなし! これなら、イヤでも人に見られる耐性が付くでしょ!」

乃々「あ、荒療治が過ぎます……! というか、ただ沙理奈さんが海に行きたいだけなのでは……?」

沙理奈「あー、早く夏にならないかな~♪ 今から楽しみ!」

乃々「あぅぅ……むーりぃ~……!」





PHASE 12
『森久保乃々×櫻井桃華』



櫻井桃華「このような場所では、優雅にティータイム、というわけにはいきませんわね……」フゥ

桃華「お話のお供にと、お気に入りのローズヒップティーを用意しているのですが……」

乃々「え……私たち、割といつも、机の下でお茶してますけど……」

桃華「まあ、そうなのですか? ……でもそれは、少々お行儀がよろしくないのではなくて?」

乃々「す、すみません……」

桃華「あぁ、そんな顔をしないでくださいな。……そうですわね、郷に入っては郷に従えとも言いますし……」

桃華「机の下のお茶会も、体験してみれば意外と楽しいのかもしれませんわね」クス

乃々「あぅ……年下の桃華ちゃんにこんなに気を遣わせるなんて……もりくぼのだめっぷりが浮き彫りなんですけど……」ズーン

桃華「そんな、駄目だなんてことは……ほら、今お茶をお淹れしますわ」

乃々「……あ、いい香り……」

桃華「うふっ、そうでしょう? さあ、どうぞ召し上がれ♪」

乃々「あわわわ……よく見ると、カップも高級品のような……」カタカタ

乃々「どっ、どどどうやって飲めばいいですか……!? か、カップを回すとか……!?」グルグル

桃華「それは、お抹茶の作法なのでは……? 普通で構いませんわ、普通で」

桃華「あっ、お茶請けもありますのよ。この日のために地元のパティシエに作って頂いた、フロランタンですわ」

乃々「い、至れり尽くせりぃ~……!」サクサク

桃華「うふふ♪ 喜んで頂けて、何よりですわ。」

乃々「えへへ……ナッツのお菓子は、好きです……。以前スイーツ作りのお仕事をした時も、ナッツがいっぱいのタルトを作って……」

桃華「まあ! 乃々さん、ご自分でスイーツ作りをなさいますの?」

乃々「あっ、いえ……! もりくぼはアイディアを出しただけで、実際に作ったのはプロの方なので……」

桃華「ということは、乃々さんのオリジナルなのですね! 素敵ではありませんか!」

乃々「あぅぅ、そんな大層なものでは……それに、一緒のお仕事だった愛梨さん達に助けてもらって、やっと出来たものですし……」

桃華「あら……乃々さんのその謙虚な気立ては、レディもかくや、ですわね」

乃々「ほ、褒めても何も出ませんけど……」

桃華「オリジナルの……自分で作った、なにか……」

桃華「思い返してみれば……わたくし、与えられた舞台を完璧にこなすことについてはそれなりの自信がありますが、自分でいちから何かを作り出すというのは、あまり経験がありませんの」

乃々「そうなんですか……? もりくぼなんて、ラジオで即興ポエムを作れなんていう、きちくな指示もあるのに……」

桃華「ですが、それに応えられる乃々さんは、やはり素晴らしいと思いますわ」

桃華「わたくしもアイドルとして、乃々さんを見習って、もっと自己表現というものに挑戦しなければなりませんわね」フンス

乃々「見習われるとか、ほんとにむーりぃー……」

桃華「ふふっ、また謙遜なさって。……お茶のおかわりはいかが?」

乃々「あっ、どうも……」

乃々「……よく考えてみれば、本来はもりくぼが桃華ちゃんをおもてなししなければならない立場なのでは……?」

桃華「それは、まあ……ゲストはわたくしの側ですけれど」

乃々「それなのに、桃華ちゃんにお世話をさせてしまって……すみません。やっぱり私はだめくぼでした……」

桃華「そんな、これはわたくしが好きでやっていることで……! 乃々さんはだめくぼなんかではありません!」

桃華「だめくぼなんかではなく……えぇと……『素晴らしいくぼ』、ですわっ!」

乃々「あぅ……なんか、新種の『くぼ』が生まれてしまったんですけど……」

桃華「……ということは、これはある意味、わたくしのオリジナル……?」

桃華「……ちょっと、思っていたのとは違いますわね」

乃々「ですよね……」





まゆ「以上、今回も三者三様のトークをお届けしましたぁ」

美玲「よし。ノノ、ちょっとこっち来い」

乃々「うぅぅ……な、なんですか……?」トボトボ

美玲「とりあえず突っ込みたいところはいろいろあるけど……」

美玲「ナンだよ新種の『くぼ』って! 生き物みたいに言うなよッ!」

乃々「ひぃ!? そ、そんなつもりじゃなくて……!」

まゆ「今回は『つむりくぼ』も出ましたし、そろそろ図鑑が作れそうですねぇ」

乃々「あれは、もりくぼじゃなくて夕美さんが……」

美玲「これで、半年後には『夏くぼ』とか『海くぼ』が生まれるのか……サリナさんに連れられて」

乃々「そ、そうでした……今から不安で仕方がないんですけど……むーりぃ……」ガクブル

美玲「ったく、しょーがないなぁ……」ハァ

美玲「……どうしてもって言うなら、ウチもついて行ってやってもいいぞ?」チラ

乃々「美玲ちゃん……!」

まゆ「もちろん、まゆもご一緒しますよ。輝子ちゃんやプロデューサーさんも誘って、みんなで行きましょう」

乃々「まゆさんも……ありがとうございます……!」

まゆ「うふふ。以前、みんなでBBQをした海がとっても綺麗なところで……また行きたいなって思ってたんです」

美玲「海もいいけど、プールもいいよなー! LittlePOPSで行ったところのウォータースライダー、めっちゃ楽しかったぞッ!」

乃々「……まさかお二人も、ただ遊びに行きたいだけ……?」

美玲「おっと、これ以上季節感が無くなっちゃう前に、そろそろ締めるかッ!」

まゆ「次回も、どうぞお楽しみに♪」

乃々「もりくぼは、海じゃなくて森に帰りたいんですけど……」



おわり



以上、お付き合いありがとうございました。

先の二人の人選には特別な意図はなかったのですが、三人目については
『相葉、松本ときたらCu枠は櫻井しか無いだろう』という謎の強迫観念に囚われてしまいました。
……飛鳥についてはまた別の機会があればということで。


いつも書いてる毒薬シリーズ
キャンディアイランドの得てして毒にも薬にもならないおしゃべり

こちらも、よろしければどうぞ。

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