梨子「内浦の冬の夜空は凄く綺麗だよね」

曜「ほんとだね」

梨子「東京と比べると星がたくさん見えるもの」

曜「梨子ちゃんに言われて、この空の尊さが初めて理解できた気がするよ」

梨子「この町の良いところの一つだね」

曜「うん」

曜「見てよ梨子ちゃん」

梨子「うん？」

曜「月が綺麗だね」

梨子「！！」

梨子「///」

曜「？」

梨子「…私も///」

曜「それじゃあ、私はバスに乗るから」

梨子「うん///」

曜「バイバイ」

梨子「バイバイ///」

曜（梨子ちゃん、顔が赤くなってたな…）

曜（梨子ちゃんも風邪ひいてたりして…）

曜（やっぱり風邪流行ってるんだな）

曜（私も気をつけないとね）

曜（それにしても『月が綺麗だね』って言ったら『私も』って返すのは不自然じゃないかな…）

曜（『私も月が綺麗だと思ってる』って意味かな？）

次の日


曜「おはヨーソロー」

梨子「お、おはよう///」

曜「顔が赤いね。やっぱり風邪なんじゃない？」

梨子「そ、そんな事はないわよ///」

昼休み

曜「千歌ちゃんは風邪で休んでるし、梨子ちゃんは用事があるって言ってたし、暇になっちゃったな」

曜「図書室でも行こうっと」

図書室

花丸「ルビィちゃんにクイズを出しますずら」

ルビィ「わくわく」

曜「面白そう。私も参加する！」

花丸「I LOVE YOUを、かの文豪夏目漱石は何と訳したでしょうか？」

ルビィ「うーんとね…」

ルビィ「吾輩は猫である」

曜「坊っちゃん」

花丸「ぶっぶーずら！」

花丸「答えは『月が綺麗ですね』だよ」

曜「！！」

ルビィ「ええー！？何でそうなるの？」

花丸「学生がI LOVE YOUを『我君ヲ愛ス』と訳したら、夏目漱石先生は『日本人はそんな事言わないずら。『月が綺麗ですね』と訳すずら。それで伝わるずら』って言ったそうだよ」

ルビィ「ふーん」

曜「まさか…」

曜（梨子ちゃんは夏目漱石の話を知ってて）

曜（『月が綺麗だよ』が『I LOVE YOU』となったんじゃ…）

曜「うわああああああ///」

ルビィ「ピギィ！？」

花丸「ずら！？」

ごめんなさい、>>10にミスがありました

×『月が綺麗だよ』→○『月が綺麗だね』

放課後

ダイヤ「はい、今日の練習はこれで終わりにしましょう」

鞠莉「みんな！千歌っちや善子みたいに風邪ひかないようにね」

「はーい」

曜（…梨子ちゃんの事考えてたら全然練習に身が入らなかった）

梨子「今日も二人だね」

曜「うん…」

梨子「…」

曜「…」

梨子「今日も昨日みたいに夜空が綺麗だね…」

曜「梨子ちゃんも綺麗だよ」

梨子「え///」

曜「梨子ちゃん」

梨子「は、はい///」

曜「前から言いたかった事があるんだけど」

梨子「う、うん」

曜「月がだああああああああああい綺麗だね！！！」

梨子「えっ」

曜「///」

梨子「ふふっ。曜ちゃん変なの」

梨子「でも…」

梨子「私も綺麗だと思うよ」

曜（二人で見る月は本当に輝いていて…とても綺麗でした）


終わり