【ガヴドロ】対照的な私 (83)

ガヴリール宅――


ヴィーネ「ほんと、掃除ぐらいしなさいよ、ハウスダストで体調崩すわよ」セッセ

ガヴリール「と言いつついつも掃除してくれてるじゃん」

ヴィーネ「しないとずーっとしないからよ」

ガヴリール「……いつかはするよ」パソコンカチカチ

ヴィーネ「いつするのよ……」アキレ

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ラフィエル「まあまあ、ヴィーネさんもゼルエルさんが来た時に悲しんでいたではないですか」

ガヴリール「そーだそーだー」カチカチ

ヴィーネ「あれは……あれよ、言葉の綾よ」

ラフィエル「言葉の綾……ですか」ニコニコ

ヴィーネ「な、なによ」

サターニャ「私は今のままでいいわ、前のガヴリールははっきり言って気持ち悪いわ!」

ガヴリール「……」

ガヴリール「でさ……」

3人「?」

ガヴリール「なんで私の所に集まっているんだよ、用事ないだろ」

ヴィーネ「掃除をしにね」テキパキ

サターニャ「勝負ね!」

ラフィエル「サターニャさんの後を付いて来たらここに来ちゃいました♪」ニコニコ

サターニャ「ラフィエル……それストーカっていうのよ」

ラフィエル「知っています♪」

ヴィーネ「知っていたうえでするのね……」

ガヴリール「サターニャ、ハウス!」ビシッ

サターニャ「それ犬の命令!」

ラフィエル「こういう事もあろうかと、犬の耳、首輪、リード、用意してきました!」スッ

ガヴリール「でかしたラフィ、それをつけて連れて帰って!」

サターニャ「どういう事があると思っているのよ! 付けないわよ!」

ヴィーネ「いくら片付けても見事に散らかしてくれるわね……」テキパキ

ガヴリール「はぁ……もぅ……早く用事終わらして帰れよな」カチカチ

ラフィエル「用事が終わるまで居さしてくれるツンデレガヴちゃんも可愛いですよー」ムギュ

ガヴリール「むぎゅ……抱き着くな」カチカチ

チカッ

ラフィエル「あら? ガヴちゃん?」

ピカッ

ヴィーネ「ちょっと、ガヴ」

ピカー

サターニャ「ガヴリール、体が!」

パアアア

ガヴリール「ん、体が? うわっ、何だこれ! 光ってる!」ピカー

ヴィーネ「サターニャ、また何かしたのね!」

サターニャ「まだ何してないわよ!」

ラフィエル「ガヴちゃん、ど、どうしちゃったのですか!?」アセアセ

ガヴリール「どうかって知らないよ! 私が聞きた


  シュバン


ラフィエル「……ガ……ガヴちゃん?」キョトン

サターニャ「へ? 消えた?」

ヴィーネ「ちょっと……嘘……ガヴ」

――――――――


シュン ドスッ

ガヴリール「いったぁ! 尻うったぁ!」ジタバタ

サターニャ「なーっはっはっはっはっは!! これで情けなくてダメなガヴリールが出てきたわけね! ざまあ見なさい! これでこいつと勝負して私の勝よ!」

ラフィエル「あら……あらあら♪」ニコニコ

ヴィーネ「ちょっと、サターニャ! ……こっちも……ガヴなの?」

ガヴリール「いてて……へぇ……サターニャ、お前よっぽど私と勝負したいみたいだな……」ゴゴゴ

サターニャ「……へ?」

ラフィエル「これはこれは、非常に面白い事になってきました♪」ニコニコ

?「ちょっと、ま、待ってください!」ダキッ

ガヴリール「うわっと! 誰だ、危な……」

ガヴリール「へ?」

ガヴリール?「むうう……」ギュー

ガヴリール「……は? へ? 私!? は?」

ガヴリール「……」

ガヴリール「えーっと……じゃなくて、離せって!」グイー

ガヴリール?「あっは、はい」パッ

ガヴリール「全く……」

ガヴリール「しかし……」ジー

ガヴリール?「あ、あの、なにか私の顔についているのでしょうか……」

ガヴリール「……」ホッペツマミ

ガヴリール?「ひ、ひたいですぅ」

ガヴリール「おお、触れる……」パッ

ガヴリール「で、どういう事だサターニャ? なんで私がいるんだ、説明しろ」

サターニャ「ちょっとどういう事、私は『ふぇぇ~怖いよ~』って言うダメで情けないガヴリールが出てくると思っていたのに……もしかして不良品?」

ガヴリール「あぁ?」イラッ

サターニャ「ひぃっ!」ビクッ

ラフィエル「えっと……そちらのガヴちゃん、落ち着いてください」

ガヴリール「そうだラフィ、確かリード持っていたよね、それでサターニャが逃げない様に縛ってくれないか? 色々聞きたいからな」

サターニャ「え、ちょっと!?」

ラフィエル「私ですか? ……持ってきていませんが?」

ガヴリール「さっき出したじゃん」

ラフィエル「私が……ですか?」

ガヴリール「うん」

ラフィエル「出していませんが……」

ガヴリール「あれ?」

ガヴリール?「落ち着いてください、ケンカはダメですよ」アワアワ

ガヴリール「そうだ! こいつどうすんだよ!」ユビサシ

ヴィーネ「どうするって……こっちが本体で、貴方が複製じゃないの?」

ガヴリール「えっ……複製って……私が?」

ヴィーネ「ええ」

ガヴリール「へ?」

ガヴリール「……」

ガヴリール「ちょっとお前」

ガヴリール?「わ、私でしょうか?」

ガヴリール「うん、この状況説明してくれない?」

ガヴリール?「え、ええ……わかりました」

数分前――


ガヴリール?「ここがこうなって……そうです」

ヴィーネ「なるほど……ありがとうガヴ、ここ学校で分からなかったから助かったわ」

ガヴリール?「ふふっ、親友として当たり前ですよ♪」


ピンポンピンポン


サターニャ「ガヴリールー! 勝負しなさーい!」

ヴィーネ「またサターニャなのね……」

ガヴリール?「あははは……ちょっと、出てきますね」

ガチャ

ガヴリール?「取りあえずこちらへどうぞ、飲み物出してきますね」

サターニャ「え? あっうん、ありがとう」

ヴィーネ「またガヴにちょっかい出しに来たの?」

サターニャ「ちょっかいじゃないわ、勝負よ!」

ラフィエル「私も来ちゃいました♪」

ヴィーネ「ラフィも相変わらずね……」

ガヴリール?「はい、どうぞお茶です♪」カタン

サターニャ「ありがと」

ガヴリール?「ラフィも来たのですね、ラフィの分も用意しますね」

ラフィエル「ガヴちゃん、ありがとう♪」

サターニャ「うー……やっぱりガヴリールの流れに乗らされるわね」ズズズ

ラフィエル「まあまあ、ここは一つ甘んじましょう♪」

ヴィーネ「でもいつもできていないわよね」

サターニャ「う、うるさいわね……今回こそはやっちゃうんだから」

ラフィエル「あら、何をするのですか?」

サターニャ「それは……いや、言わないわ!」

ヴィーネ「もう、迷惑かけないでよ」

ガヴリール?「ラフィ、お茶をどうぞ♪」

ラフィエル「ありがとうございます」

サターニャ「ガヴリール!」スクッ

ガヴリール?「はい、なんでしょうか?」

サターニャ「これを食らいなさい!」バーン

ガヴリール?「キャッ!」コテン

ヴィーネ「ちょっとサターニャ! 何したのよ!」

ラフィエル「あらあら、ガヴちゃん大丈夫でしょうか?」

ガヴリール?「ありがとう、大丈夫です……多分何もない、ですね……ちょっとびっくりしただけです」

サターニャ「ようやく……ようやくやることが出来たわ……」

ラフィエル「サターニャさん、一体何をしたのでしょうか?」

サターニャ「これはダメ人間複製銃! これは撃った相手と同じ物を複製するわ!」

サターニャ「『人間』と書かれているけど人間以外も効果があるわ! そしてただの複製ではない! なんとその複製はダメになるのよ!」

ヴィーネ「という事は……」

サターニャ「そう! これを打った相手、つまりダメで情けないガヴリールが複製されるってわけよ」

ラフィエル「でも……複製は出来ていませんが……」

サターニャ「それはこの中に撃った相手の情報があるのよ!」スッ

ガヴリール?「それは……さっき打った弾の薬莢?」

サターニャ「この中にダメで情けないガヴリールが入っているわ!」

サターニャ「今からダメで情けないガヴリールを出してあげるわ!」

サターニャ「そのダメな姿を見て落胆しなさいガヴリール! そしてそいつと勝負し悠々と勝って情けない涙を流させてあげるわ! なーっはっはっはっはっは!」

サターニャ「文字通りヒーヒー言わしてあげるんだから!」

ガヴリール?「はあ……」キョトン

ラフィエル(でも勝負するのは『ダメで情けないガヴリール』だから実質ガヴちゃんには何もありませんね♪)

サターニャ「出てきなさい!」


ヤッキョウポイ

カラン

ピカー


ヴィーネ「眩しっ、大丈夫なのこれ!?」


シュバッ

ドスッ

ガヴリール「いったぁ! 尻うったぁ!」ジタバタ


――――――――

――――――――


ガヴリール?「という事です……」

ガヴリール「……」

ガヴリール「はぁ……サターニャ、ちょっとこっち来て」

サターニャ「いいわ! 来てあげるわ! ダメで情けないガヴリールなんかヒーヒー泣くぐらい勝ってあげるんだから!」

ガヴリール「ふんっ!」ゲンコツ

サターニャ「ニギャ」コチン

ヴィーラフィガヴ?「!?」

ガヴリール「いてて……ふん、私に勝とうなんて100年早いね、そして悔い改めろ」

ラフィエル「ガヴちゃんが……」アゼン

ヴィーネ「サターニャを殴った……」アゼン

ガヴリール?「……」ポカーン

ガヴリール「……まあ、私もあまり殴ったことは無いけど」

ガヴリール「ほらサターニャ、これぐらい平気だろ」

サターニャ「いったいわね! 何するのよ!」ギャー

ガヴリール「そんだけ吠えることができるのであれば全然大丈夫だな」

ヴィーネ「ねえ、大丈夫?」

サターニャ「ええ、大丈夫よ……ジンジンするけど」

ラフィエル「えっと……ガヴちゃん、ですよね?」

ガヴリール「勿論、私は天真=ガヴリール=ホワイトだ」フンス

ガヴリール?「あのー……」

ガヴリール「何?」

ガヴリール?「貴方は私の複製ではないのでしょうか?」

ガヴリール「それは絶対にないね!」キッパリ

サターニャ「この複製はやたらと攻撃的ね」

ガヴリール「だから複製じゃないよ!」

ラフィエル「でもいきなり、いえ、まさか殴るのとは……意外です……」

ガヴリール「こうでもしないとこいつは手を引かないからな」

ガヴリール?「で、でも叩くのはいけないと思いますよ!」プンプン

ガヴリール「いや、なんでお前が怒っているんだよ……」

今更タイトルの誤字に気付いた……

対照的→対称的

ヴィーネ「ねえサターニャ、確かその銃から出てきた複製はダメになるんだったよね」

サターニャ「そうよ」

ガヴリール「さっきから複製複製って言っているけど、複製じゃないって」

ラフィエル「では……あなたはガヴちゃんとどのような……」

ガヴリール「だから、こいつもガヴリールで私もガヴリールだよ」

ガヴリール?「ではあなたは一体……」

ガヴリール「その『ダメ人間複製銃』だっけ?」

サターニャ「これの事?」

ガヴリール「多分だけど……違う世界の同一人物を転移させるんじゃない?」

ラフィエル「ではあなたもガヴちゃんですが、違うガヴちゃん……という事でしょうか?」

ガヴリール「うん、そういう事」

ヴィーネ「ちょっと信じがたいわね」

ガヴリール「でもそれ魔界通販の物だろ? だったら十分あり得ると思うんだけど」

ガヴリール?「サターニャさん! また無駄遣いしているのですね!」

ヴィーネ「以前も買い過ぎて生活が苦しいとか言っていたじゃない」

サターニャ「で、でも……ガヴリールに勝つためには」

ガヴリール?「でもではありません! 無駄遣いして生活できなくなっては困りますよね!」プンプン

ラフィエル「その時は私の所に来てもらっても十分ですよ♪」ニコニコ

サターニャ「それは絶対に嫌よ」

ラフィエル「あらら、拒否されてしまいました」

ガヴリール「逆に拒否されない要素があると思っていたの?」

ラフィエル「フォローは入らないのですね」ションボリ

ガヴリール?「そういえば……一つ聞いてもいいでしょうか?」

ガヴリール「なに?」

ガヴリール?「俄には信じがたいですが、貴方が私の複製ではないことは……一応理解しました」

ガヴリール?「ただ、一つだけ否定していない事があります」

ガヴリール「?」

ガヴリール?「それは『ダメ』という単語なのですが……」

ガヴリール「ああ、それね」

ヴィーネ「今更だけどこっちのガヴ、髪がボサボサね」

ガヴリール「確かに私は『ダメ』だしそう自負している!」ドヤッ

ガヴリール「ってかお前は以前の私と一緒だね、よく演じれるな」

ガヴリール?「以前?」

ガヴリール「そう、私が駄天する前のね」

4人「堕天!!?」

ガヴリール「私のダメさの原因はそれしかないね!」フンス

以下
ガヴリール→駄ガヴ
ガヴリール?→天ガヴ

ヴィーネ「誇ったような言い方しなくても、堕天って一体何したのよ……」

ラフィエル「ガヴちゃんが堕天……さぞ壮絶な事があったのですね……」

サターニャ「あああ、あれね、きっと向こうの私がしたんだわね! 流石ね!」アワアワ

天ガヴ「あの! あなたが例えこれから先とても苦しい事があったとしても、私が助けてあげますから、心配しないでください!」ウルウル

駄ガヴ「……」

駄ガヴ「あの~、なにか勘違いしていませんかね?」

ヴィーネ「勘違いって堕天でしょ、深刻な事になるわよ」

ラフィエル「確かにこちらのガヴちゃんからはあまり天使力を感じられません……はっ、もしかして堕天したから?」ブツブツ

天ガヴ「いえ、そのままではだめですね……再び天使に、絶対に昇天させてみせます!」

駄ガヴ「あー! もう、皆勘違いしているよ!」

駄ガヴ「私が言っている『だてん』の『だ』は『駄目』の『駄』だから!」

天ガヴ「つまり……駄目の駄で……駄天?」

駄ガヴ「そーそー、家に引きこもりゲームだけをして生活することをする事を目標にしている天使のことだ」

天ガヴ「えっ、えぇ!?」コンワク

ヴィーネ「えっと……」

ラフィエル「それはそれは……なんと言うべきでしょうか」

サターニャ「ざ、ざまあ無いわね……」

駄ガヴ「……皆その憐れむような眼で見ないで」

駄ガヴ「というかさ、私いつ戻れるの?」

ヴィーネ「……サターニャ、どうなの?」

サターニャ「えーっと……」

駄ガヴ「おい」ゴゴゴ

天ガヴ「あの、落ち着いてください、説明書とかは無いのですか?」

サターニャ「……効……読ん……てた」ボソボソ

ラフィエル「?」

駄ガヴ「聞こえない!」ダン

サターニャ「ひっ! こ、効果だけ読んで……捨てたわ……」

駄ガヴ「捨てたって、お前の家のゴミ箱にあるだろ?」

サターニャ「文字通り……燃やした……」

駄ガヴ「はあ!?」

ヴィーネ「なんで燃やしたの?」

サターニャ「ちょっと焼き芋をしようと」

ヴィーネ「なんで今焼き芋を……」

駄ガヴ「そんな下らない理由で……」

駄ガヴ「……ねえ、私どうしたらいいの……」

ヴィーネ「もう一度同じものを買うとか!」

サターニャ「限定一品だったのよ、これ」オドオド

ラフィエル「あらら、完全に分からないという事ですかね……」

駄ガヴ「……はぁ……こっちでもサターニャに振り回されるのね」

サターニャ「ごめんなさい」ショボン

駄ガヴ「ごめんじゃないよ、全く……」

天ガヴ「何とかならないのでしょうか……」

駄ガヴ「……」

駄ガヴ「よし、お前」

天ガヴ「私ですか?」

駄ガヴ「うん、お前の家に住ませろ」

天ガヴ「私の家にですか!?」

駄ガヴ「お前の家は私の家と同じだからな、使い勝手が分かるからね」

天ガヴ「確かに何も住む所が無いですから……分かりました、私の家に暫くいいですよ♪」

ラフィエル「今のこちらのガヴちゃんはホームレス状態ですからね」

ヴィーネ「ガヴ、大丈夫なの?」

天ガヴ「任せてください!」ムネポム

天ガヴ「私がしっかりと責任をもって彼女を元の世界に戻してあげます!」

駄ガヴ「無い胸を叩かれてもな……」

サターニャ「あんた、ひどい事を言うわね」

ラフィエル「何かあった時は私も居ますからね、ガヴちゃん♪」ムギュ

駄ガヴ「むみゅ……こっちでもラフィ、変わらない……」

ラフィエル「あら、では一番変わっているのはやっぱり」

駄ガヴ「私しかいないだろ」

サターニャ「こっちのガヴリールは怖いわ」

駄ガヴ「誰のせいだと思っているんだよ」

サターニャ「ひっ」ビクッ

ヴィーネ「サターニャ、そんな事思っていても言っちゃだめよ」

駄ガヴ「……ヴィーネ、もしかして私が怖いとさらっと思っているの?」

ヴィーネ「ご、ごめんなさい」

駄ガヴ「いやいや、謝罪求めてないし、そんなことでいちいち謝るなんてヴィーネらしくないでしょ」

駄ガヴ「ゴキブリ見たら部屋爆破するぐらいの勢いがなくちゃね」

ヴィーネ「ゔっ……」

天ガヴ「ヴィーネ?」

ヴィーネ「い、いえ、何でもないわ」アセアセ

天ガヴ「そ、そうですか……」

ヴィーネ(下界で初めてアレを見た時、ついやっちゃったのを言えない)

ラフィエル「その言い方……あちらのヴィーネさんはまさかしたのでしょうか?」

駄ガヴ「したよ、私も巻き込まれたしね」

ヴィーネ(何も言えないわ……)

サターニャ「向こうのヴィネットも怖いわね……」

駄ガヴ「いや……多分一緒だよ」

駄ガヴ「とにかく、私は元に戻れるのであればなんでもいいよ」

ヴィーネ「私も協力するわ」

駄ガヴ「という事で」ゴロン

ラフィエル「あらら」

駄ガヴ「ねえ、何かないの?」ゴロゴロ

サターニャ「えぇ……」

ヴィーネ「いきなりゴロゴロし始めたわね」

駄ガヴ「いきなりって……そもそも、ある意味私は誘拐事件の被害者だよ」

サターニャ「うぐっ……」

駄ガヴ「という事でお菓子無い? 無いなら買ってきてよ」グデー

ラフィエル「あらあら、ダメダメ全開ですね……」

ラフィエル「でもこれはこれでガヴちゃんの見られない一面を見られて非常に新鮮ですね♪」ニコニコ

天ガヴ「皆さん、大丈夫です!」

4人「?」

天ガヴ「こちらの私があちらに帰る頃にはダメとは言われないようしっかりとした天使にします!」

3人「おぉ!」

駄ガヴ「えー」グデー

天ガヴ「『えー』ではありません」

駄ガヴ「なんでこっちまで来た上で真面目に天使しないくちゃいけないの……」

駄ガヴ「本当に堕天しようかな」

天ガヴ「そ、それは本当に駄目ですよ」アワアワ

駄ガヴ「あっそうだ、ノートパソコンない?」

天ガヴ「え? はい、机の上にありますが……」

駄ガヴ「よいしょっと」オキアガリ

ゴソゴソ
カチカチ

駄ガヴ「充電もしっかりできているな……うわ、デスクトップに何もないな……」

ヴィーネ「何をしているの?」

駄ガヴ「何もする事は無いからね」カチカチ

ラフィエル「パソコンはお得意なのでしょうか?」

駄ガヴ「いや、得意というほどでも無いけど」カチカチ

天ガヴ「はっ、も、もしかして……」

サターニャ「ガヴリール、どうしたの?」

天ガヴ「あ、あ、あの!」

駄ガヴ「ん?」

天ガヴ「え……」モジモジ

駄ガヴ「え?」

天ガヴ「え、えっち……なの、は……だ、だめです……よ」カアア

駄ガヴ「はあ!? ちょっ、なにいっているんだよ!? そんなものしないって!」

天ガヴ「えっ? あっ、私ったら」カアア

ヴィーネ「早とちりにしてはすごい発言ね……」

ラフィエル「いえ、こちらのガヴちゃんは駄天しているからそういう考えに至ったのだと」

駄ガヴ「ラフィ、私ってそんな性格に見えるの?」

天ガヴ「すみません……では一体何をしているのでしょうか?」

駄ガヴ「ん? これだよ」スッ

天ガヴ「えっと……これは……」

駄ガヴ「ゲームだよ」

天ガヴ「ちょっと!? このパソコン私のですよね!?」

駄ガヴ「お前は私、私はお前、だからお前の物だから私の物だろ?」

天ガヴ「え? そ、そうですね……あれれ? そう……ですか?」

駄ガヴ「そうそう、そうだよ♪」カチカチ

駄ガヴ「よし、データは無いけど……これであとはインストールだけだ」

サターニャ「他人の物に躊躇なく手を出すわね……ヴィーネ、これA級悪魔的行為よ……」

ヴィーネ「私に振られても、その区分分け聞いたことないわよ」

ヴィーネ「というか、言い聞かせ方が凄く雑ね……それにガヴが丸め込まれるなんてちょっと信じられないわね……」

ラフィエル「ある意味自分だからこそつけ入る隙も知り尽くしていると……だから適当な事でもその隙さえつけば雑な言い聞かせでも信じてしまうかと……」

ヴィーネ「……なんだか私より悪魔っぽいわね……本当に堕天していないのか心配だわ」

サターニャ「なるほどね……」

>>55修正
サターニャ「なるほどね……」

サターニャ「……なるほどねぇ」ニヤリ

サターニャ「そっちのガヴリール!」

駄ガヴ「……ん? 私?」

サターニャ「そうよ! こっちのガヴリールの弱点を教えなさい!」

天ガヴ「えぇ!? わ、私のですか!?」

ラフィエル「あらあら、直接行きましたね……」

ヴィーネ「流石に……言わないわよね?」

駄ガヴ「……」

サターニャ「……」

天ガヴ「……」

駄ガヴ「お前馬鹿か?」

サターニャ「な゙っ! ば、馬鹿とは何よ!」

駄ガヴ「あっインストール完了したね、これでやっとゲームができる」カチカチ

サターニャ「無視するなー!」ガー

天ガヴ「こらー、人に馬鹿というのは駄目ですよ!」プンスコンプン

駄ガヴ「いやいや、お前も考えてみろよ、わざわざ自分の弱点を言わなきゃいけないの?」

サターニャ「だから私はこっちのガヴリールの弱点で!」

駄ガヴ「だからこいつは私だろ? こいつの弱点は私の弱点だ」

サターニャ「そうだけど……」

駄ガヴ「だからそんなの口が裂けても言わないね」

サターニャ「ぐぬぬ……」

サターニャ「……」

サターニャ「ふん! 今回はあきらめてあげるわ!」

ヴィーネ「……ねえ、そろそろ私たち勉強再開してもいいかしら?」

天ガヴ「そういえばそうでしたね」

ラフィエル「サターニャさん、あまりお二人の邪魔をするのもどうかと思いますよ♪」

駄ガヴ「勉強なんてよくやれるよ……」カチカチ

サターニャ「……ねえ、ガヴリール」

天ガヴ・駄ガヴ「私?(でしょうか?)」

サターニャ「こっちのダメな方よ!」

駄ガヴ「サターニャにダメと言われるのは腹立たしいな……なに?」

サターニャ「勝負よ!」

駄ガヴ「お前それしか言えないのか?」

サターニャ「もともとダメなガヴリールをここに出した理由はあんたに勝って情けない涙を流させることなのよ!」

サターニャ「だからあんたは私と勝負する義務があるわ!」

ラフィエル「サターニャさんは寂しがり屋なので構ってほしいとのことです♪」

サターニャ「そ、そんな事言ってないわよ!」

駄ガヴ「はあ……一度言い出したらキリが無いのも一緒なのね……しょうがない……で、何をするんだ?」

サターニャ「ふふん!」ドヤッ

駄ガヴ「……」

サターニャ「……」

ラフィエル「サターニャさん?」

駄ガヴ「何も考えなし? ならやっぱやーめた」カチカチ

サターニャ「ちょっと!?」

ヴィーネ(集中できない……)

天ガヴ「ヴィーネさん、ここ間違えていますよ」

ヴィーネ「あっ、本当だ、ありがとうガヴリール」

ラフィエル「ここも間違えていますよ」

ヴィーネ「あら、ほんとうね……」

ヴィーネ「……」

ヴィーネ「ねえラフィ、いつのまに見ていたの?」

ラフィエル「うふふ~♪」ニコニコ

駄ガヴ「ほら、お前がうるさくするからヴィーネが勉強に集中できていないんだって」カチカチ

サターニャ「うっ……ヴィネット、ごめん」

ヴィーネ「あぁ、気にしなくてもいいのよ」

駄ガヴ(あのサターニャが素直に謝った!?)カチカチッ!


――――
――――――

――――――
――――


ヴィーネ「……」カキカキ

天ガヴ「……」カキカキ

駄ガヴ「……やっぱダメでないな……」カチカチ

サターニャ「スー、スー」ウツラウツラ

ラフィエル「……」サターニャガンミ

駄ガヴ「……ん? もう夕方か」

ヴィーネ「あら、もうそんな時間なの?」

駄ガヴ「ヴィーネもよくここまで勉強出来るよな」

ヴィーネ「あなたもよくここまでゲームできるわね……」

サターニャ「んっ……今何ひっ!!」ビクッ

ラフィエル「あぁ、せっかくサターニャさんの寝顔を堪能していたのに、残念です……」

サターニャ「顔が近すぎよ! 流石に焦ったわ」

天ガヴ「でもいい時間ですし、今日はこれまでとしませんか?」

ヴィーネ「それもそうね、かなり進んでよかったわ、ありがとうガヴ」

天ガヴ「いえいえ、親友として当たり前です♪」

ラフィエル「では、私も今日はさよならさせていただきますね♪」

サターニャ「今度は絶対に勝負するんだから! 特にこっち側!」

駄ガヴ「おー、がんばれ~」カチカチ


バタン


駄ガヴ「……」カチカチ

天ガヴ「……あの」

駄ガヴ「何?」

天ガヴ「元の所に戻るための手立てとかはあるのでしょうか?」

駄ガヴ「無いね」キッパリ

天ガヴ「……では、私も力不足になると思いますが、元の所に戻れるようにお助けします!」

駄ガヴ「う~ん、頼むよ~」カチカチ

そのころ、駄ガヴが居た世界――


ヴィーネ「ねえ、何でいないの!」

ゼルエル「落ち着け! 私にも分からない」

ゼルエル「そもそもガヴリールの気配が全くないのだ」

サターニャ「それってどういう事よ!?」

ラフィエル「……おそらく今はこの世界に居ないという事です……」

ヴィーネ「天界は!? 探したの!!?」

ゼルエル「勿論調べての事だ……まったく世話の焼ける妹だ、どこにいるのだ……」

ラフィエル「ガヴちゃん……どうか無事でいてください……」

天ガヴの居る世界――


駄ガヴ「ねえ、そういえばご飯まだなの?」グデー

天ガヴ「今準備していますよ♪」

駄ガヴ「おお、さすが私だ、生活リズムが一緒だね」

天ガヴ「そういう所はある意味一緒に居て過ごしやすいですね♪」

駄ガヴ「それもそうだね」

駄ガヴ「……」カチカチ

駄ガヴ「……」

駄ガヴ「じゃなくて!」ダン!

天ガヴ「ぴゃい!」ビクッ

駄ガヴ「なんで私ここで寛ごうとしているの!」

天ガヴ「あ、あの……」オロオロ

駄ガヴ「なに! 帰る方法分かったの!?」

天ガヴ「い、いえ…・・・そうではなく……突然大きな声出して……その、どうしたのかなと……」

駄ガヴ「なんで私はこんなところで寛ごうとしているんだという事にだよ!」

天ガヴ「え、ええ……」

駄ガヴ「私がやりたいのは『私が今までやっていたゲームのデータ』だ」

駄ガヴ「でも、これは新しいデータ……」

駄ガヴ「つまり今まで私がやっていたデータではない!」

駄ガヴ「早く戻ってログボだけでも入手しないと……もし時間経過が私たちの世界の方が早かったら大変なことになっっているよ……」

天ガヴ「は、はあ……」

駄ガヴ「そうだ! 姉さんいるよね?」

天ガヴ「ゼルエル姉さんでしょうか?」

駄ガヴ「うん、この事態を報告して解決の糸口を見つけてもらおうよ!」

天ガヴ「ちょっとあの姉さんは……出来るだけ……」

駄ガヴ「? 何言ってるのさ、お前が天界の私であれば姉さんは尊敬するほどだろ?」

天ガヴ「流石にあれは……」

駄ガヴ「……姉さんを『あれ』呼びは……こうまでも違うのか……」

天ガヴ「……多分、あってみたら分かると思います……出来るだけ会いたくはないですが……」

駄ガヴ「ん? とにかく連絡するね」

天ガヴ「私は……ちょっと隠れていますね」

駄ガヴ「いや、私でもそこまでしなくても……」

駄ガヴ「……まあ連絡するね」スマホタプタプ


プルル


駄ガヴ「あっ、ゼルエル姉さん?」


シュン


ゼルエル「ガヴリールゥー!」ダキッ

駄ガヴ「うわぁっと!? ね、姉さん!?」

ゼルエル「久しぶりに連絡くれて心配したんだぞ☆」ギュー

駄ガヴ「ちょっと暑苦しいから離れて!」

ゼルエル「嫌だ、堪能する!」ギュー

天ガヴ「うぅ……」モノカゲカラノゾキ

ゼルエル「♪~」

ゼルエル「……あれ? あっちにもガヴリールが?」

駄ガヴ「いいから! 離れてよ!」バッ

ゼルエル「……」

駄ガヴ「ゼルエル姉さん聞いて」

ゼルエル「……ここは天国かよ」

駄ガヴ「はい?」

駄ガヴ(にしてもあいつ隠れるって言っても思いっきり顔出してこっち覗いているじゃん、隠れてないじゃん)

駄ガヴ「ゼルエル姉さん!」

ゼルエル「ああ、何用事かな? 我が愛しの妹、ガヴリールよ!」

駄ガヴ(……ああ、なんとなくわかってきた)

駄ガヴ(これはこっちのガヴリールが嫌いわけだ、私でも鬱陶しいと思えるよ)

駄ガヴ「えっと、実は……」


――――
――――――

――――――
――――


駄ガヴ「……という事なんだ」

ゼルエル「おお、かわいそうなガヴリール!」ダキツキ

駄ガヴ「一々抱き着かんでいい」チョップ

ゼルエル「うぉふ、ガヴリールにチョップされる事なんて、今日は非常にいい経験をした!」

駄ガヴ「……で本題なんだけど」

ゼルエル「お前の元の世界に戻してほしい、という事か?」

駄ガヴ「うん」コクリ

ゼルエル「……」

駄ガヴ「……」

ゼルエル「……」ゴゴゴ

駄ガヴ「……」ゴクリ

ゼルエル「そんな事より、いつまで隠れているのかなガヴリール、バレバレだぞ?」

天ガヴ「うっ……」ソローリ

ゼルエル「はっはっは! もう、可愛いなぁ!」ダキッ

天ガヴ「からかわないで下さい」ヒョイ

ゼルエル「はっはっは! 手堅いなぁ!」

駄ガヴ(短時間でこっちの私がなぜゼルエル姉さんを異様に避けているのか分かった……)

駄ガヴ(スキンシップが過度だ!)

駄ガヴ(そんな事よりもだ……)

駄ガヴ「ねえ、私の世界に戻れる方法とかあるの?」

ゼルエル「ん? あぁ、それについてはだな……」

ゼルエル「はっきり言おう、私では無理だ!」

駄ガヴ「……」

駄ガヴ「無理でも調べることぐらいは出来るよね」

ゼルエル「ん?」

駄ガヴ「ねえ、同じもの買えないのかな?」

天ガヴ「同じものというと?」

駄ガヴ「私をここに連れてきたものだ」

天ガヴ「ええと、サターニャさんに頼めば多分ですが……ただお高いと言っていましたけど……」

駄ガヴ「よし、もう1個買わそう」

天ガヴ「それは流石に……」

駄ガヴ「私をこっちの世界に強制に連れてきた罰だ、それ位当たり前だ」

駄ガヴ「で、それを姉さんに解析させたらいけるんじゃないかな?」

ゼルエル「あのガヴリールが私を必要としてくれる! 今、私は猛烈に感動しているぞ!」

駄ガヴ「……ゼルエル姉さん」

ゼルエル「何だい、ガヴリール?」ワクワク

駄ガヴ「という事だから、もう帰っていいよ」

ゼルエル「え゙?」

駄ガヴ「正直ウザい」

ゼルエル「……」ショボーン

駄ガヴ「また何かあったら連絡するよ」

ゼルエル「ガヴリール」パアア

天ガヴ(私はあまり連絡したくはありませんが……)

ゼルエル「おっと、そういえば」オホン

ゼルエル「ガヴリール、下界での修行頑張るんだぞ」

天ガヴ「……はい」

ゼルエル「寂しかったら抱き着いてもいいのだぞ!」

天ガヴ「いえ、大丈夫ですので帰って下さい」

ゼルエル「はっはっは! ツンデレだな! ではまた会おう!」

シュン

駄ガヴ「……」

天ガヴ「……」

駄ガヴ「え? 何なんなのあれ? あれがゼルエル姉さん?」

天ガヴ「そちらのゼルエル姉さんはこうではないのでしょうか?」

駄ガヴ「うん、キモくない」

駄ガヴ「いちいち口うるさいし厳しい」

天ガヴ「……う」

駄ガヴ「う?」

天ガヴ「羨ましいです! それはつまり常にあなたの事を心配しているからですよね!」

駄ガヴ「え゙!?」

天ガヴ「真っ当な目で確り見てくれる、それに正当に心配してくれる……」

天ガヴ「こちらのあれとは比較になりません!!」

駄ガヴ「ちょっと!? 落ち着こうよ!」

天ガヴ「あっ……すみません、取り乱してしまいました……」シュン

駄ガヴ「まあ……こっちのゼルエル姉さんに日ごろから絡まれていたらたまったもんじゃないと思うよ」

駄ガヴ「で、話を戻すよ」

駄ガヴ「先ずサターニャに同じものを買わせる」

駄ガヴ「その次にゼルエル姉さんをにそれを渡し解析させて、もし私が元に戻る方法が見つかったら一件落着だ!」

天ガヴ「もし、その方法が分からなかった場合は……どうしますか?」

駄ガヴ「……」

駄ガヴ「さて、サターニャの所に行きますか、多分家の場所も同じだろうな」

天ガヴ(あっ、考えるのから逃げました)

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