鎮守府愛の劇場~愛は仮なれど~ (13)

このSSには、過度の昼ドラ描写があります
苦手な方はブラウザバック推奨です
電はケッコン後は司令官呼びですのでそれを採用しております

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鳳翔「大破撤退ですか……鎮守府近海の相手と侮っていたのは否めませんね……」

鳳翔「海防艦の娘たちの練度を上げよと提督のご命令でしたが……少し時間を空ける必要が出てきましたね」

鳳翔「う~ん、30分ですか。お昼ご飯を作りにいけるかしら……」

鳳翔「私が作らないとまたかっぷらぁめんなどで済ませてしまいそうですね」ふぅ

鳳翔「まったく、電ちゃんが作ってくれるのなら心配いらないんですが……」

鳳翔「……あの人に押し切られそうですねえ。……よし、帰りましょうか」

鳳翔「あ、明石さんに一言言っておかないと……」パタパタ

鳳翔「ふう、急げば間に合うものね。後10分ってところかしら」

鳳翔「丼ものにしたのが正解ね。親子丼、喜んでくれるかしら」

鳳翔「お盆は……よいしょっと……お手拭きとお新香と……ああ、電ちゃんの分もだから二膳必要ですね」

鳳翔「よし、それでは参りましょうか」



鳳翔「執務室にいらっしゃるはずですよね」

鳳翔「そういえば電ちゃんも一緒にいるとは限らないんでしたね。まあ、残ったら誰かが処理してくれるでしょ」

?「……ンッ……アハッ……」

鳳翔「あら?今何か大きな声が聞こえたような?」

鳳翔「気のせいかしら」

?「……モット、モットナノデス」

鳳翔「……これは……執務室……からですか?」

?「……アンッ……アアァァッ!」

鳳翔「……悲鳴……ですか……」

?「ソレ……キモチイイノデスゥ……アハァ」

鳳翔「え……ま、まさか……この声……え……?そんな……」

鳳翔「嘘、嘘よ、あの人に限ってそんな……」

?「とってもとっても熱いのですぅ!やぁんっはぁんっ!」

鳳翔「いや……そんな……あ……あ……」カタカタ

?「イイのぉ……イイのですぅぅぅ」

鳳翔「やめてぇぇっ!」ガシャンッパリン

?「…………」

鳳翔「あなた達はそこで何をしているんですっ!」バタンッ

鳳翔「え……?」

提督「ほ、鳳翔これは……違うんだ……その……」

電「何が違うのですか、司令官」

提督「え……電、それは……」

電「司令官と電は、愛し合っていたのです。何も違う事なんてないのです」ぎゅぅ

鳳翔「や、やめなさいっ!そんなこと……」

電「なぜ貴方に命令されなければならないんですか?」

鳳翔「わた……私はその人の妻です!それに……」

電「電は貴女以上に司令官を愛しているのです。ね、司令官」

提督「え……あ……それは……」

電「ふふっ、大丈夫なのです。電は分かっているのです。だって……ほら……」さわっ

提督「くぅっ!」びくん

鳳翔「やめなさいっ!そんな……そんな汚らわしい事を……!」

電「汚らわしい……?」

電「今、汚らわしいといったのですか?自分もしておいて!」

鳳翔「それ、は……。私は貴女とは……」

電「何も違う事はないのです!同じ様に、司令官を愛しただけなのです!」

鳳翔「違いますっ!だって……だって……貴女には……」

電「電の方が汚らわしいと言いたいのです。貴女のような人の血が半分混じっているだなんて……!」

鳳翔「そうよっ!だから貴女は私の子で、提督の娘なのよっ!!」

電「それがどうしたのです?」

鳳翔「それがって……大切な事じゃない!貴女たちがやっているのは異常な事で、許されざる事なのよっ!」

電「異常?許されざる?そんな事誰が決めたのです?」

鳳翔「それは常識で……」

電「はっ、常識。そんなもの、貴女の認識なのです。電の常識は、どんな障害があろうとも好きな人とは添い遂げられるべきなのです」

鳳翔「そ、そんなの屁理屈です!こんなおぞましいことが世間様に知られてしまったら……」

電「ほら、そうやってすぐに人の目を気にするのです。そうして自分の常識を押し付けて、自分だけは綺麗なままでいようとするのです」

電「……なんて汚い人なのですか……」

鳳翔「そ、そんな事は……」

電「だから司令官の心は貴女から離れたのです。司令官の事を理解しようとしなかったから」

鳳翔「そ、そんな……そうなの、あなた!?」

提督「…………」

電「ほら、沈黙が全てを物語っているのです」

鳳翔「い、いや……」

電「司令官から聞いたのです。お母さん……鳳翔さんは、司令官の事をお口で慰めてあげた事、一度もないそうなのですね?」

鳳翔「そ、それ……は……」

電「電はしてあげたのです。そうしたら司令官はとっても悦んでくれたのです!」

鳳翔「いやぁ……」

電「他にも手でも足でもお尻でも、電は全身を使って司令官の事を気持ちよくしてあげたのです」

鳳翔「いや……いや……そんな事聞かせないでぇ!」

電「電はとってもとっても幸せだったのです。大好きな人を気持ちよくさせる事が出来て。悦んでくれて」

鳳翔「…………!ケダモノォ!!」ガタガタ

電「ケダモノで結構なのです。電は愛に正直に生きるのです。ねえ、司令官」

提督「…………」

鳳翔「あぁ……あな……た……」

電「司令官をそんな風に呼ばないで欲しいのです。鳳翔さんにはそんな権利、ないのです」

電「……形骸だけにすがって愛さなかった人には……」

鳳翔「…………」キッ

電「そんな目で見て……なんなのです?」

鳳翔「……でも、私は貴女の母親です。せめて間違った道から貴女を救い出す事はしないと……」

電「間違った道?何を寝言を言っているのです。神様からも祝福された道なのです」

鳳翔「……?」

電「うふっ……。そう、神様からの祝福、なのです」なでなで

鳳翔「…………そん……な……?ま……さ…………」

鳳翔「お願いよぉ!嘘って言ってぇぇ!」

電「なんで嘘をつかないといけないのですか。こんなにも嬉しい事なのですよ?」

鳳翔「いやぁぁぁぁぁぁっ!!」



鳳翔の慟哭がむなしく響き渡る。
一方、勝ち誇った顔の電は、ただただ愛おしむ様に自らのお腹を撫で続けるのでありました。

デデンデンデデン♪デデンデンデデン♪パララーパーパーパー↓♪パララーパーパーパー↑♪

暁「ふぇぇぇ~~電がぁぁ~~!」ガタガタ

提督「だから執務室で何てもん見てやがるんだよ!金剛!!」

金剛「オーウ、これは新しく始まった番組ネー」

榛名「毎週月曜から金曜日、昼13時スタートです!」

提督「時間なんて聞いてねえよ!」

霧島「私の調べによると、この鎮守府での視聴率は80%です。内訳は戦艦100%、空母100%……」

提督「それも聞いてねえよ……って空母100%?ってことは鳳翔さんも……?」

霧島「はい、もちろんです」

提督「どんな顔してみてんだよ……知りてえ……」

霧島「今度はそれもリサーチしてきますね」

提督「ああ……ってそれも違えよ!」

比叡「この後、なんと雷ちゃんとの間にも子どもが出来ていることが発覚するんですよ!」

提督「どんな鬼畜だよ!」

金剛「ガッデム!なんてむごい事するデース!」

提督「おう、お前もそう思うか、金剛」

金剛「……ネタバレをするだなんて……これから先の楽しみが薄れマース……」

比叡「ひぇぇっ、ごめんなさい金剛お姉さま~!」

提督「そっちじゃねえよ!」

暁「ひ~~んっ!じれ゛~が~ん゛!いなじゅみゃが!いにゃじゅみゃがぁっ!!」

提督「あ~あ~ほら、大丈夫だから。あれはドラマ、お芝居だから、な?」

暁「びぇぇぇっ!!」

金剛「……こうして少女は大人になっていくのデース」

提督「こんなんで大人になって行ったらトラウマしか覚えんわっ!」

霧島「ちなみに電ちゃんは毎日楽しみに視ているそうです」

提督「大淀ー!今すぐ電を止めろー!!」

暁「ヒック……ヒック……」

提督「暁……ショックだったか?」

暁「…………」コクン

提督「なあ、暁。電はあんなひどい事言うヤツだったか?」

暁「……ううん。電は、電はとっても優しい私の自慢の妹だもんっ」

提督「だったら、さっきのは嘘だって分かるよな?」

暁「……うん……」

提督「じゃあ、もう気にしないで居られるよな?」

暁「……違うの」

提督「何が違うんだ?」

暁「……電に、あんなひどい事言わせたことが、ショックだったの……」

提督「よぉし、大和と武蔵に連絡を取れ。全艦上げて砲撃準備!目標、港区赤坂の〇〇〇本社ビル!俺の暁(天使)を泣かした奴らを生かしておくな!!」

榛名「お、落ち着いてください提督」

金剛「……ソーリーね……電がああなったドラマを見せるのは、少し無神経すぎたようデース……反省シマス」

暁「…………」

金剛「お詫びに、さらば司令!暁と死す!っていう自分の母親と似た面影を持った孤児の少女暁と、妻子が居る身で暁に恋してしまった提督との悲恋の映画を見るデース」

提督「なんも反省してねーじゃねえかっ!!」

以上で終了です
最後まで読んで下さりありがとうございました
鳳翔さんは悲痛な顔での悲鳴を上げさせたくなるのはなぜでしょうか…
ゾクゾクします

それでは皆様もよい駆逐ライフを~

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