【デレマスSS】長富蓮実「バレンタイン・キッス」 (13)

設定の都合上、蓮実と茄子は寮の部屋が一緒です

事務所のPと電話している設定
「」と『』に注意してください。『』は電話です。



~2月14日 午後10時~


蓮実『もしもし?』

モバP『おう、もしもし』

蓮実『今時間ありますか?』

モバP『あると思うか?』

蓮実『・・・ごめんなさい』

モバP『ありまくりだよ馬鹿』

蓮実『うふふ、やっぱり』

モバP『で、どうした?』

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モバP『で、どうした?』

蓮実『・・・いやあ、ただお話がしたくなって』

モバP『チョコの話じゃないのか』

蓮実『・・・敏感すぎるのは嫌いですよ』

モバP『悪い悪い、冗談だ』

蓮実『まあ、その話なんですけど・・・暇だったらでいいんですけど』

モバP『暇暇、すごい暇』

蓮実『やっぱりですか』

モバP『一応これでもプロデューサー』

蓮実『・・・えへへ』

モバP『あと定年まで2か月だけど』

蓮実『いつもそれ言いますよね』

モバP『言わせてくれよ、もっとちやほやしろ』

蓮実『もう』

モバP『・・・しかし、今日は大変だったろ』

蓮実『そうですね・・・』

モバP『・・・最近のアイドルファンって、割と草食的なんじゃなかったのか』

蓮実『・・・予想外でした』

モバP『お前のファンの年齢層を知りたいよ』

茄子「あ!蓮実ちゃん・・・あ、電話中、ごめん」

蓮見「あー!茄子ちゃんごめん!」

茄子「謝ることなんて全然ないよ!むしろ私も嬉しいです!」

モバP『茄子か』

蓮実『はい、運ぶの手伝ってくれてて』

茄子「電話ってプロデューサーさん?」

蓮実「うん」

茄子「プロデューサーさ~ん」

蓮実「聞こえてるのかな」

モバP『茄子~』

蓮実「あ、聞こえてる」

茄子「えへへ」

モバP『・・・で、それ食いきれるのか』

蓮実『ファンの方々の愛情の結晶ですから、食べるしかありませんよね』

モバP『男性ファンが多いからな、市販のやつばっかりだから安全だとは思うが』

茄子「どうしよう蓮実ちゃん!冷蔵庫がチョコであふれてます!」

蓮実「私冷蔵庫一面のゴディバ初めて見ました」

モバP『親衛隊すげえな』

蓮実『嬉しい限りです、朝事務所前にトラックがいて腰ぬかしましたけど』

モバP『毎年恒例だからな、事務所に一括で全アイドル宛てのチョコが来る』

モバP『お前らは初めてだったか』

蓮実『壮観でしたね』

茄子「しかもあの中に蓮実ちゃんチョコ沢山あったもんね」

蓮実「茄子さんも一杯もらってましたね」

茄子「茄子は女の子からが多いかな」

モバP『蓮実のはファンレター付きのも多かったからな』

蓮実『お返事って書いていいんですか?』

モバP『まあ・・・書ければいいんじゃないか』

蓮実『絶対書きます』

茄子「私も来たやつには書こうっと」

蓮実『ところで、今事務所ってプロデューサーさんだけですか?』

モバP『いや、まだちひろが事務作業してる』

ちひろ「羽生結弦カッコよくてヤバい」

モバP『随分と忙しそうだ』

ちひろ「オリンピック見ながらでも仕事はできます」

蓮実『ちひろさんにお疲れ様ですと伝えてください』

茄子「私からもお疲れ様です~」

ちひろ「ウラディミールバレンティン、裏で見るバレンタイン・・・韻踏めるな」

モバP(聞こえてないのか・・・)

モバP『・・・ありがとうって』

蓮実『良かったです』

蓮実『それで・・・何でしたっけ』

モバP『物忘れか、年だな』

ちひろ「女性は菜々の倍数、男性は八の倍数・・・」

茄子「ほら蓮実ちゃん、チョコの話」

蓮実『あ、そうだ、チョコの話ですよチョコの話』

モバP『さっきまでしてただろ』

蓮実『そうじゃなくて・・・私たちのです、私たちのチョコの話。私たちがもらったチョコの話じゃなくて、私たちがあげたほう』

モバP『・・・ああ』

蓮実『・・・食べました?』

モバP『まだ』

蓮実『なーんだ』

モバP『今机の上にあるけどな、みんなから貰ったやつ』

蓮実『そうなんですね』

モバP『さすがにこの年になるとほぼ100パーセントで義理だからやりやすいね』

ちひろ「どの年でもだろ(小声)」

モバP「残業中の荒れ方がすごい」

モバP『確か・・・ちょっと待てよ、・・・あったあった、蓮実と茄子の』

モバP『一緒に作ったんだっけな』

蓮実『はい、頑張りました』

茄子「いっぱい練習したもんね」

モバP『包装がかわいいな、和紙っぽい』

蓮実『島根県っぽく』

モバP『・・・これ、今食べていいか?』

蓮実『え!?今ですか!?』

モバP『・・・何か問題あったか』

蓮実『・・・いえ』

茄子「味なら大丈夫だよ、あんなに頑張ったんだから」

蓮実「・・・だといいんだけど」

モバP『・・・いい匂いがする』

蓮実『・・・』

茄子「どうだって?プロデューサーさん、どうだって?」

蓮実「今かすかな咀嚼音しか聞こえない」

茄子「え、ちょっと受話器貸して」

蓮実「はい」

茄子「本当だ、すごいシュールです」

蓮実「うん」

モバP『・・・結論から言う』

茄子「結論から言うって」

蓮実「え、怖い」

茄子「え、受話器返すよ」

蓮実「え、怖い怖い」

モバP『・・・めっちゃうまい』

茄子「めっちゃうまいだって!」

蓮実「あー!良かった!」

茄子「やったね!」

モバP『え、どういう状況』

茄子『一瞬だけ茄子でした~』

モバP『お、おう』

蓮実『良かったです~!』

モバP『普通に丁寧に作られてた、それにビターでおっさんに優しい』

蓮実「茄子ちゃんビターで正解だった~!」

茄子「やっぱりね~!ビターがベタ~!」

モバP『テンション高いなおい』

モバP『・・・嬉しいな、やっぱり心のこもったチョコを貰うと』

蓮実『甘い甘い恋のチョコレート、貴方にあげてみても目立ちはしないから、ビターです♪』

モバP『・・・バレンタインキッスか』

蓮実『はい!』

モバP『やっぱ懐かしい歌知ってるな』

蓮実『趣味がアイドルですから』

モバP『こんなにチョコ貰えるのも、というか蓮実のチョコは今年で最初で最後だから、嬉しいよ、ありがとう』

蓮実『・・・私、あげますよ、チョコ、来年も、ずっと』

茄子「私もあげます、当たり前ですよ」

モバP『ありがとう、だ・・・ったら一つ約束してくれ』

蓮実『・・・はい』

モバP『4月からの新しいプロデューサーには、もっといいチョコをあげろ』

蓮実『・・・』

モバP『・・・お願いだ、プロデューサーにそういう同業者への嫉妬みたいな感情は不必要だ』

モバP『・・・まあ、信頼できるやつだから、無いとは思うが』

蓮実『・・・分かりました』

モバP『それさえ守ってくれたらいい、ありがとう』

蓮実『・・・歌ならいいですか』

蓮実『歌なら、心にしか残りませんよね、歌は、入りませんよね、チョコの価値には』

モバP『・・・』

蓮実『・・・シャラララ、素敵にキッス、シャラララ、素直にキッス』

蓮実『・・・キスはできないので、私には歌が最後の手段です』

モバP『・・・お前のそういう所が好きなんだよなあ』

蓮実『・・・ありがとうございます』

蓮実『あと、やってみたかったんです、電話機の前で歌うって、すごい昔のアイドルみたい で』

モバP『確かにな』

蓮実『長電話も、少女の特権ですし』

茄子「曲かけよっか、蓮実ちゃん」

蓮実「ありがとう、茄子さん」

ちひろ「・・・蓮実ちゃんに甘いですよね」

モバP「聞いてたのか」

ちひろ「はい、ずっと」

モバP「・・・まあ、な」

ちひろ「今のアイドルだったら、文通とか、普通は許されないんですからね、特例ですよ特例」

モバP「・・・俺が昔から見てきた、アイドルというものに、あいつをさせてみたいんだよ」

モバP「自分の意志で進むアイドルってやつをさ」

ちひろ「・・・貴方のそういうところ、嫌いじゃないですよ」

モバP「・・・おう」

茄子「準備できたよ!」

蓮実『プロデューサーさん!聞いててくださいね!行きますよ!』

モバP『おう!』

モバP「・・・幸せ者だったな、俺」


以上です。失礼しました。

長富蓮実「ザ・ベストテン」の続編です、合わせてお読みいただければ幸いです

過去作
小松伊吹「映画みたいに」速水奏「いかない」
千川ちひろ「檸檬」

などもよろしくお願いします

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