マスター「お店のメニューを増やしたいと思うんだがね」ガヴリール「はぁ…」 (27)

~喫茶店「エンジェル珈琲」~

マスター「ねぇ、天真くん?」

ガヴリール「なんすか?」

マスター「うちの店もそろそろメニューを増やしたいと思うんだがね。何かいいアイディアはないかな?」

ガヴリール「メニュー? コーヒーすか、それとも食べ物の?」

マスター「食べ物の方だよ」

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ガヴリール「ないですね、特に…」シラーッ

マスター(えぇっ、諦め早くないっ!? そこはもっと食いついても良くないのかなっ!!)

マスター「そ、そうかね…ははっ」

ガヴリール「あっ、そういえば……」

マスター「おっ、なにかね?」

ガヴリール「そろそろあがりですね…。んじゃあ、私帰りますので」スタスタ

マスター「えぇぇーーっ………」

~翌日 学校~

ヴィーネ「えっ、マスターさんが新しいメニューを?」

ガヴリール「そう。だけど、良いアイディアがないかなって困ってたよ」

ヴィーネ「それは大変ね。で、ガヴは何かいいアイディア出したの?」

ガヴリール「別に興味ないから、そこは「ないです」と答えたよ…」

ヴィーネ「って、何言ってるのよ、あんたはっ!?」

ガヴリール「だって、実際にそうなんだしさ」

ヴィーネ「だからってあしらわないで、もっと食いついていかないとだめじゃないの!!」

ヴィーネ「と、言う訳で良いアイディアを出し合いましょうか!」

サターニャ「ちょっと呼び出しておいて何なのよ、それ!? なんで、私がガヴリールのアルバイト先のメニューのアイディアを出さないといけないのよ! ガヴリールのアルバイト先なんだから、ガヴリールが出しなさいよっ!!!」

ガヴリール「いや、私は特にアイディアがないんだよ!」

ラフィエル「でも、何だか面白そうですね、それ♩」

サターニャ「どこがよっ!? ガヴリールが問題を持ち込んで、それを聞いたヴィネットが私とラフィエルを巻き込んでるだけじゃないのよ!!」

ヴィーネ「はいはい。無駄話はしないで、アイディアを出して? はい、まずはサターニャから」ビシッ

サターニャ「ふん。人間風情に出すアイディアなんてないけど、敢えて言うなら…この大悪魔様を満足させられる物wヴィーネ「無駄話しない!!」バンッ

サターニャ「ヒィッ!? め、メロンパンは…どう、かしら?!」ビクビク

ヴィーネ「ふぅーん、別にいいんじゃない。はい、次はラフィ!」

サターニャ「ちょっと、なんでアイディア出したのに軽くあしらわれなきゃならないのよっ!!」

ラフィエル「ぷ、ぷくくっ……///」ブルブル

ヴィーネ「ラフィ、アイディアはない?」

ラフィエル「そうですねぇ…あっ、肉ジャガなんていかがですか?」

ガヴリール「おもっきし家庭料理か……」

ヴィーネ「悪くはないけど、喫茶店というよりは定食屋のメニューね」

ラフィエル「そうなんですか? 肉じゃがって素朴でしょうけど、味も良いですし、どこで食べても最高だと思いますよ♩」

サターニャ「あんたって金持ちの癖して、意外と庶民的な物が好きなのね…」

ヴィーネ「とりあえず、サターニャはメロンパン、ラフィエルは肉じゃがで、OKね。で、ガヴは?」

ガヴリール「おいっ、話聞いてたか? 私は別にアイディアはないって言っただろ!」

ヴィーネ「でも、あんたのアルバイト先なんだし、マスターさんにもいつも迷惑かけてるみたいだから、たまには良いアイディア出して協力してもいいんじゃないの?」

ガヴリール「チッ…。カップラーメンはどうだ?」

ヴィーネ「却下。」

ガヴリール「なんでだよ!?」

ヴィーネ「おもっきしインスタント食品じゃないの!? それに店で出すのも違和感あり過ぎて変じゃないのっ!!」

ガヴリール「だったら、そういうヴィーネはどうなんだよ?」

ヴィーネ「私?」

サターニャ「そうよ。あんたが言いだしっぺなんだし、あんたも答えなさいよ?」

ヴィーネ「う~ん。喫茶店だったらクラブハウスサンドとか、ナポリタンとか、ハンバーグかしらね」

ラフィエル「ヴィーネさん、中々良いアイディアをお出ししましたね♩」ニコリ

ヴィーネ「そ、そうかしらっ?///」テレテレ

ガヴリール「で、この会議みたいなやつはいつ、お開きなんだ?」

ヴィーネ「ある程度、アイディアを出して、最後に決めてからよ!!」

ラフィエル「結局は、アイディアが決まらなければ帰れないって事ですね?」

ヴィーネ「そうよ。」

サターニャ「ったく、どうして私がこんな事を…」ブツブツ

ヴィーネ「何か言ったかしら?」ニコリ

サターニャ「うっ、な、なんでもないわ!?」ビクッ

ガヴリール「ってか、ヴィーネはどうしてマスター何かの為にそこまで真剣になるんだよ?」

ヴィーネ「えっ、私?」

ガヴリール「あぁ。だってヴィーネはコーヒーを飲みに行くだけで、マスターとは何の接点もないはずだろ?」

ヴィーネ「そうね…。けど、私はあそこのマスターさんにはお世話になったことがあるの」

ラフィエル「お世話ですか?」

ヴィーネ「うん。以前、私が困っていた時に相談に乗ってもらった事があって。それに美味しいコーヒーもいつもご馳走になってるし、マスターさんにいつまでも頑張ってもらいたくて、こうしてアイディアを出そうなんて言い出したのよ」

サターニャ「ヴィネット、アンタ…」

ラフィエル「ヴィーネさん……」ウルッ

ガヴリール「お前、他人に対しても本当に優しいんだな…。まるで天使だよ」

ヴィーネ「いや、私、悪魔なんだけどっ!?」

ガヴリール「でも、まぁしょうがない。こうなったら、料理の事であの部に相談するか…」

ヴィーネ「あの部?」

その後…。

ガチャン♩

マスター「いらっしゃいmって、あれ天真くん?」

ガヴリール「渡したいものがあって、これなんすけど…」スッ

マスター「んっ、これは一体なんなんだい?」

ガヴリール「レシピっす。ある料理のですけど」

マスター「えっ、レシピッ!?」ビクッ

ガヴリール「何も聞かず、ただこのレシピ通りに作ってみて下さいよ? きっと新たなメニューが増えると思うんで…では」スタスタ

マスター「天真くん……って、行っちゃった…」

~翌日~

ヴィーネ「えっ、今日から三日間、エンジェル珈琲が休みになる?」

ガヴリール「あぁ。家に戻ってすぐにマスターから連絡が来てさ…明日から三日間休みだって伝えられたんだよ」

サターニャ「人間め、一体何を考えてるのよ…」ブツブツッ

ラフィエル「うふふっ、どう出るか…見物ですね♩♩」ワクワクッ

~三日後 エンジェル珈琲~

ガヴリール「おーい、マスター。来てました(お客として)」

マスター「やあ、天真くん、三日ぶりだね! 今日、君を呼んだのはまぎれもなくあれの事だよ」

ガヴリール「おっ、完成したんすね、カレーが…」

マスター「そうだよ。天真くんのくれたレシピにはカレーの作り方が記されていたけど、他にもアドバイスでカレーに使うスパイスの買い付けから調合まで自分で行うようになんてのもあったからね! その通りに行ったよ…まぁ、大変だったけどね。」

ガヴリール「じゃあ、カレーをご馳走してくださいよ…。腹が減り過ぎて」

マスター「おー、それは大変だ。じゃあ、至急用意しようか」

マスター「はい。おまちどお様」コトッ

ガヴリール「おぉっ、良い匂いだっ///」クンクンッ

マスター「召し上がれ♩」

ガヴリール「いただきます…」パクッ

ガヴリール「………」モグモグ

マスター「………」ドキドキ

ガヴリール「うっ!?」ゴクンッ

マスター(うっ?)ドキドキ

ガヴリール「うめええええぇぇぇぇっっっっーーーーーー!!??/////」

ガヴリール「なにこれっ、マジで美味過ぎるんだけど!!??/////」パクパクパクッ

マスター「ほっ。良かったぁ…。どうやら美味く調理出来たようだねぇ」

~数日後~

お客「カレー、おかわりで!」

ガヴリール「はい。ただいま…」

お客B「私はカレー大盛りで!」

ガヴリール「はい」

マスター「いやあ、今日も忙しいねぇ」

ガチャン♩

ガヴリール「らっしゃーい!!」

サターニャ「今日も来てあげたわよ!!」

ガヴリール「帰れ…」

サターニャ「ちょっとー、お客様に向かってそんな言い方はないんじゃないのっ!?」

ガヴリール「誰がお客だよ…。どうせ冷やかしだろ」

サターニャ「失礼ね!? ここのカレーを食べに来たのよ!!」

ガヴリール「あっそ…」

ガチャン♩

ガヴリール「へい、らっしゃーい」

ヴィーネ「ガヴー、頑張ってる?」

ラフィエル「いつものを食べに来ましたよ♩」

ガヴリール「なんだ、お前らも来たのか…」

サターニャ「あらっ、ヴィネットにラフィエルじゃないの?」

ラフィエル「あっ、サターニャさーーん♩」フリフリッ

ヴィーネ「サターニャ、あんたも来てたの?」

サターニャ「別に…。私はただ、下等生物が作るもんを仕方なく食いに来てやってるだけよっ///」

ラフィエル「あらあらっ」

ヴィーネ「素直じゃないわね。普通にここのカレーが気に入ったら食べに来たって言えばいいのに」

ガヴリール「で、そういうヴィーネもラフィエルも気に入ったのか?」

ヴィーネ「えぇ。初めて食べた時にすっごく美味しかったし、それ以降度々ね」

ラフィエル「下界で食べたカレーの中で、ここのカレーが一番美味しかったので、同じくです!」

マスター「天真くん、それにお友達の皆さんもメニューを提案してくれて本当にありがとう!」

ヴィーネ「いいえ。こちらこそ、たまに相談に乗って頂いたり、いつも美味しいコーヒーを頂いたりとありがとうございます。」

ラフィエル「ヴィーネさんがその恩も兼ねて、マスターさんの役に立ちたいという事で同じくメニューの提案を手伝いました」

サターニャ「ってか、巻き込まれたって感じだけど…」

マスター「でも、天真くんたち、良くあのレシピとかアドバイスとかを思い付いたものだね?」

ガヴリール「あー、あれはっすねぇー………」

~回想 料理部の部室~

まち子「えっ、コーヒーに良く合う料理?」

ガヴリール「あぁ。料理部所属の委員長ならご存知かと思ってな…」

まち子「う~ん、そうねぇ……」

まち子(でも、天真さんはどうしてコーヒーに合う料理なんて……ハッ、もしかしてコーヒー通だから!? そうよね…それだったら、天真さんが急にこの事を聞く理由にも納得が行くわ……。)

まち子「て、天真さん…」

ガヴリール「んっ?」

まち子「一つ良い料理があるんだけど、教える代わりに天真さん、今度好きなコーヒーの種類を教えて? 私も、料理だけじゃなくて、料理と一緒に出されるコーヒーの事も目に向けて覚えていきたいからさ!」

ガヴリール「へっ?」

~回想終了~

ガヴリール「ってな訳で、訳分からんな事を教える条件に、カレーが良く合うって言われて、レシピを教えてもらったという事だ。ちなみにアドバイスは後から来た部員(二人)から教わったんだよ。コーヒーに拘るなら、カレーにもこだわった方が良いって事みたいでさ!」

ヴィーネ「へぇ~、委員長さんと料理部の人たちから教わったのね」

サターニャ「ふん、人間の癖に良い知恵出すなんて、やるじゃないの…」

ラフィエル「確か聞いた事がありますが、「カレーに使われるスパイスのうち、ショウガやトウガラシ系はコーヒーとの『食べ合わせ』がいい」らしいですよ? もしや、そこからきているのかもしれませんね」

マスター「そうかいそうかい。まぁ、何はともあれ、ありがとう!」

マスター「だけど、ただ……」チラッ

お客C「ここのカレーが最高に美味いんだよ! そんでもって、食後に頼むコーヒーが意外と合ってそれもまた美味い訳だよ!!」

お客D「おぉ。まさにコーヒーとマッチするカレー専門店なんだな!」

マスター「一部のお客様からは、コーヒーじゃなくてカレーメインなんて勘違いされたり、時にはカレー専門店だと思われたりするのが玉に瑕でねぇ…」ズーン

ヴィーネ「ははは…。まぁ、そこは、その…仕方ないというか、止むを得ないという感じですね…」アタフタッ

ラフィエル「とりあえず、人気が出て良かったじゃありませんか!」ニコリ

サターニャ「私に感謝しなさいよ、人間!」ニヤニヤ

ガヴリール「なんで、お前がエラそうなんだよ……」ボソッ

ヴィーネ「あっ、マスターさん、とりあえず私はいつものカレーとホットのブレンドコーヒーで!」

ラフィエル「同じくカレーと冷たいカフェオレを!」

サターニャ「カレーとホットモカよ。早くしなさい!!」

マスター「かしこまりました!」

ガヴリール「じゃあ、私はカレー大盛りで」

マスター「ちょっと天真くんは仕事中だよねっ!!??」


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