兵士「お...女...?」(254)

「号外!!号外!!魔王が我が国に宣戦布告!!号外!!」

「おい!一枚くれ!!」

「毎度!!ほらほら号外!!」

「おいマジかよ...!!」

「すでに国境付近の村には魔王軍の姿が...だってよ...」

「首都にも攻めてくるのか?!」

『当直幹部より全兵へ、外出中の全兵は城へ帰隊せよ繰り返す』

曹長「...とんでもない事だなこりゃ」

兵士「宣戦布告って...めっちゃやばくないっすか?」

曹長「あぁ、一波乱ありそうだぜ、戻るぞ」
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作戦本部

中将「敵の軍勢はおおよそでいくらだ?」

「はっ...魔王軍の勢力はおおよそで300万、まだ後方で待機している部隊も...」

大将「うーむ...我が軍は前年の戦で主力部隊を失っておる、そして大兵力の敵軍...」

中将「...この際、勇者様に...頼んで見てはどうでしょうか?」

「そうですよ...!勇者様のお仲間には戦士様や僧侶様、それに賢者様や魔法使い様がおれられます、
そして各部隊を教育していただいて...使える戦力になるかも知れません!」

中将「それに勇者様には優れた統率力があります、戦闘の指揮をしていただければ...」

大将「二度も三度も迷惑を...しかし背に腹は変えられん...話をしてみよう、時間も無い」

中将「早速使いを出しましょう」

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隊長「号外は詳しく書いて無いからいかんな...」

兵士「自分にも読ませて下さい」

曹長「ただいま戻りました」

隊長「おぉ、それで詳細は分かったか?」

曹長「はぁ、魔王自体はまだ城を出てない様子で...敵軍の動きも見られないとの事です」

隊長「敵がくるのは早くて半月、遅くて一ヶ月かな...」

兵士「この号外にはもう国境の村で魔物を見ていると書いてますが...」

曹長「何度か作物を荒らす野生の魔物を退治しに出向いているだろ、恐らくその類の魔物だ」

隊長「...勇者様なら何とかしてくれるかなぁ」

曹長「勇者様ですか...上層部は面子がどうらたと言って要請しないかなぁ...」

隊長「いやぁ、でも大将様あたりのお方ならば多少の融通は利くと思うぞ」

兵士「勇者様ってすごい方なんですか?」

隊長「知らんのか?なんでも15歳にして西の大陸を支配していた竜の王を単身で倒し
東の島々を支配していた魔王を、優秀な能力を持った方々と協力し倒し...」

曹長「しかも顔は中性的で男からも女からも熱い支持を受けている...パーティーの
人も結構ファンが多いそうだ」

兵士「へぇ~ホモからも愛されてんすね」

隊長「お前の着眼はそこかよ...お前と同じ19歳だぞ、確か」

兵士「マジッスか?生まれた歳も同じなのになんで俺はどん百姓の生まれなんすかねえ」

隊長「百姓も立派な職業だぞ?てめぇが食ってる飯も百姓が居なけりゃ誰が作るんだ?」

ガチャ
少尉「ただいま戻りました」

曹長「あ、少尉殿、お疲れ様です」

少尉「お、おつかれさん、聞きましたか?宣戦布告の件は」

隊長「あぁ、魔王の奴も無茶するもんだ...先代の築き上げてきた人間界で唯一、同盟関係にあった我が国に
戦争吹っかけるなんてなぁ」

少尉「はは...魔王もかなり若いと聞きましたが、まさかもう行動を起こすとは」

隊長「しかし俺らものほほんとはしとられんようだな...そろそろ鬼の師団長が...」

ピッー!!ガガッ...

『あー。テステス...○師団に所属する以下の隊長並びに幹部は、至急会議室に集合せよ繰り返す...』

隊長「ほうらお呼びだ、少尉行こう」

少尉「はい」


バタン...

兵士「勇者様かぁ~どんな人なんだろう...あってみたいなぁ」

曹長「女から人気あるってんなら相当イケメンなんじゃねぇか?」

兵士「やっぱそうなんですかね?いいなぁ~イケメン...」

曹長「男から人気もあるってんだから...男色家からも...?」

兵士「ん?英雄色を好むってそういう事なんすか?」

曹長「いや...違うと思うぞ...?」

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二日後...

大将「...と、言った次第であります...」

戦士「それで俺らを呼んだわけか?」

大将「はい...魔王討伐の件から何度もご迷惑をお掛けしていますが...」

賢者「それは僕らに何か得はあるの?」

中将「得...と申しますと...?」

賢者「僕らがわざわざ出向いてあげて何か見返りは無いか...ってこと」

大将「はっ...それでしたらあなた方の所望するものでしたら...」

戦士「まぁ一任は勇者が着たらって事でいいだろ?」

賢者「えー?勇者だけが働くならまだしも僕まで呼び出されたんだよ?」

戦士「別にいいじゃねえか、かび臭い書庫に閉じこもってるよりかは」

賢者「僕はねぇ...!

ガチャ

勇者「遅れてすまない...もう話は...」

戦士「お前に任せるってよ」

勇者「そうか...あぁ賢者、久しぶりに外で見たよ」

賢者「書庫の本貸してあげてるのに、その言い草は無いんじゃないの?」

勇者「ははっ、ごめんごめん..では、.申し訳ないが内容を最初から聞いてもよろしいですか?」

大将「はい、先日魔王の使者から宣戦布告を通達されたのですが魔王軍と我が軍の戦力差を見たところ...
魔王軍の方が戦力も兵の練度も一回り上回っているのが確認されました...」

大将「昨年の大戦で軍事訓練を受けた兵を数多く失ってしまい...その為に新たに募集した兵で師団が成り立っていますので...」

勇者「それで...僕たちは何をすれば?」

大将「部隊の教育をお願いしたいのです、戦士殿には兵の訓練のプログラムを、賢者殿には攻撃魔法を扱う部隊の
訓練を...僧侶殿には...欠席しておりますが...勝手にこちらが決めてよろしいのですか?」

勇者「後で僕が説明して、承諾したらいいよ」

大将「は、ありがとう御座います...僧侶殿には、訓練で怪我を負った兵の治療部隊の班長を...」

勇者「分かった後で伝えておくよ」

大将「ありがとう御座います」

賢者「で?勇者はどうするの?」

大将「はい、勇者殿には戦闘の指揮を...」

勇者「はぁ?僕が軍の指揮を?」

大将「はい」

勇者「僕の生まれは小さな村の百姓だよ?たまたま運良く勇者になれただけで...」

賢者「そういえば国王の姿が見えないね...こういった席では出席すると思ってたけど」

大将「はっ、陛下はただいま体調が優れず...正直申し上げますと喋るのも
ままならぬ様子で...『この無様な姿を見せるとは勇者様に失礼だ』との事です...」

勇者「そうか...姫は元気にしているかい?」

大将「はい、陛下の変わりに職務を...」

勇者「そうか...分かりました、では話を戻そう、その依頼を引き受けます、みんなもいいかい?」

戦士「おう、勇者の好きにしな」

賢者「ちぇ...いいよ、もう」

勇者「ありがとう、では明日から仕事に取り掛かりましょう」

大将「ありがとうございます...!!」

勇者「ところで、姫はどこで仕事をしているのですか?」

大将「っは、自室にて職務をなさってます」

勇者「ありがとう、じゃぁみんなも明日に備えて養生してくれ」

戦士「りょーかいっと」

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『食堂』

兵士「えぇ?!今日休みなんですか?!」

コック「いやーすまんねぇ...今日手伝ってくれるはずだった人が体調不良で...」

兵士「そっか~...お昼どうしよっかな~...」

コック「お、そうだそうだ!ちょっと待てってな...えーっと確か...」ガサゴソ

兵士「?」

コック「そら、あったあった...城下町の酒場は行ったことあるよな?」

兵士「はい」

コック「そこ俺の知り合いが働いててさ、先日招待券貰ったんだが...これお前にやるよ」

兵士「え?良いんですか?」

コック「これ使用期限あんだけどさぁ、休みねえから俺いけないんだわ...だからせめてもの
お詫び!ほれ!それあったら何でも食えるぞ?」

兵士「じゃあ頂きます、ありがとうございます」

コック「良いって事よ!明日は食堂開けられるから!明日は来てくれよ!」

兵士「はい!それじゃぁ食ってきます!」ッタッタッタッタ...

コック「おう!しっかり食って来いや」

コック「ふぅさてと...お?こりゃ...前貰った招待券...あぁ!!あれ一昨年貰った...!」

コック「やべえよ...やべえよ...」

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勇者「失礼します!」

ガチャ

勇者「姫!長らく会えず仕舞いで...あれ?」

姫「Zzz...」

勇者「机で寝たらお体に障りますよっと...タオルか何か...あった」

フサッ

姫「んん...Zzz...」

勇者(こんなに書類が...出直すか...)

ガチャ

執事「おや...勇者殿?」

勇者「久しぶり、執事さん」

執事「お久しゅうございます...前あったのは...何年も前のことでしたなぁ」

勇者「うん、ここ最近姫に会えずじまいだったから来てみたんだけど...立て込んでるようだね」

執事「はい...国王が病に倒れてからは、姫様が自らが率先して国王の職務を...
それに最近は魔王の宣戦布告の件もあり仕事が忙しくなっておりまして」

勇者「そうか...」 チラッ


姫「Zzz...」

執事「おやおや...やはり疲れておいででしたか」

勇者「また出直そうと思ってね、しばらくはこの国に滞在する予定だから
姫が起きたら伝えてもらえますか?」

執事「承りました...」ペコリ

その頃...

兵士「ええ~!?使えないんですかぁ?!」

店主「ったりめえだ!一昨年の招待券だぞ!」

兵士「あーあ...毎日日替わり定食頼んでたのにこんな仕打ちねえよまじで...」

店主「あぁ?これコックから貰ったのか?」

兵士「はい、今日食堂行ったら閉まってて、お詫びにこれでと」

店主「んで、一昨年の招待券つかまされたって訳かい...ウーン」

奥さん「あんた、今日ぐらい許してやんな、金はコックから貰えばいいのさ!」

店主「ウーン...そうだな!すまねぇ兵隊さん!今日は何でも食って良いぞ!」

兵士「えぇ?!良いんですか?手持ちそんなに持ってないですよ?」

店主「いいんだよ!お代は後でコックにしっかり払ってもらうさ!」

兵士「はぁ...それなら...」

店主「よーし!ご注文は?」

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兵士「はぁ...それなら...」

店主「よーし!ご注文は?」

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戦士「ここだよここ!!ここの店の飯が美味いんだ~!」

賢者「あまりはしゃがないでよ」

勇者「はは、まぁ今日くらいは大目に見てあげようよ」

賢者「えー?ここって居酒屋ー?」

戦士「いやか?」

賢者「レストランとかお洒落な店がいいなー」

戦士「まぁ子供にはここの良さは分からねえか...」

賢者「むーっ!もう子供じゃ無いもん!」

戦士「そうか~?俺から見りゃまだまだ...」

勇者「ほら喧嘩しないで、賢者もたまにはわいわいできる所で一緒に食事ってのも良いじゃないか、ね?」

賢者「勇者が言うなら...」

戦士「よし!入ろうぜ!」

ガチャ

戦士「おやじ!久しぶり!」

店主「ん?そのうるさい声は...うっわとうとう帰ってきやがったか!戦士!」

戦士「2年振りだっけか?」

店主「知らんがな、それより何食うよ?」

戦士「今日は勇者たちも来てるからさ、貸切出来ないかな?」

店主「あー貸切は...」チラッ


兵士「うめっうっめ」 ハフハフ


戦士「あ~もう客来てるのか...」

店主「そう、だからいきなり貸切は厳しいんだよ...あの客、俺の知り合いと仲良いからさ...」

戦士「んー...思いっきり騒ごうと思ったが、客が帰るまで待つか...」

店主「そうしてくれると助かる」

兵士「あー食った...お?他にも客来てんのか」

店主「兵隊さんよ、もう食ったかい?」

兵士「はい、ありがとうございました」

店主「おう、お礼はいらねえって事よ!」

兵士「あの人たち装備いいですね、傭兵ですか?」

店主「いや勇者様のパーティーだ、運が良かったなぁもうちょっと遅れてたら
飯食えなかったぞ」

兵士「へぇ~」

店主「すまねえが今日はもう閉店だ、今度は仲間でも連れて来てくれよ?」

兵士「了解しました」

店主「ありがとよ」

兵士(あれが勇者様か~...めっちゃイケメンだな...ホモにも人気があるのも頷ける)

兵士「んじゃ。ご馳走様でした」

勇者「すまない、ちょっと話があるんだが...」

兵士「はぁ。自分でありますか?」

勇者「あぁ、変な事を聞いてすまないが...例えば君は貴族や上級仕官の生まれだとしよう」

兵士(なにいってだこいつ)

兵士「はぁ」

勇者「そして仮に、君の上官は百姓の生まれだ。その上官にあれこれ言われると
どう思うかな?」

兵士「う~ん、別にどうも思わないと思いますけど」

勇者「どうして?」

兵士「いや...まぁ兵隊ってそういうモノじゃないんですか?上の人間がどうであろうと...自分はその
命令が正しいものであれば...まぁ従いますけどねぇ、命令ありきっすよ、はい命令がすべて」

勇者「そうか...時間を取らせてすまない。ありがとう」

兵士「はい」

バタン

戦士「なんだ、迷ってんのか?」

勇者「いや...少し気になっただけだよ」

賢者「勇者ホンとに依頼受けるの...?あまり無理しない方が...」

勇者「大丈夫だよちょっと気にかかっただけさ、他の人に聞くのはこれっきり
にするよ」

賢者「うん...」

戦士「それよりも!オヤジ、いいよな?」

店主「あぁ、分かってるよ」

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戦士「おら勇者も飲めって~!!ヒック」

賢者「だから居酒屋嫌いなんだ...」

勇者「はは...」

戦士「賢者も飲んだるォ?!」

勇者「賢者はまだ未成年だって!やめろ!」

店主「あーあーやっぱりこうなるんだな...戦士は悪酔いするからあまり飲ませたくはねえんだよ」

勇者「迷惑を掛けた、申し訳ない...そろそろお開きにしよう」

戦士「俺はもォォっと飲めんぞこるぁっ!っと ヒック」

勇者「賢者...戦士を眠らせてくれ」

賢者「はーい、Эгё...」テレテレテレッ

戦士「うらぁぁあ...Zzz...」

勇者「すまない店主、お勘定を」

店主「はいよ」

勇者「賢者、今日はお開きにしよう、戦士は僕が送るから」

賢者「はーい」

店主「馬車でも呼びましょうか?」

勇者「そうしたいが...もう夜中だ、馬車の音で近隣住民に迷惑を掛けるから遠慮しておくよ」

店主「そうですか、では気を付けて。オイ戦士あまり迷惑掛けんなよ?」

戦士「リョーカイ~ウイック...」

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曹長「上等兵と兵士今日はお前らが夜勤だろ?」

兵士「あぁすっかり忘れてた!行くぞ!」

上等兵「はいよっと...北門の受付でしたよね?」

曹長「あぁ、今日は納品の馬車が多いだろうから気を引き締めてくれや」

兵士「了解、行くか上等兵」

上等兵「俺の略帽どこ行ったっけなぁ~」

曹長「今かぶってるのは?」

上等兵「...行ってまいります」

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『北門』

兵士「はい、大丈夫ですね、入城を許可します」

業者「はいどうも~...それにしても魔王の宣戦布告から、めっきり警備が厳しくなりやしたねぇ」

兵士「はい、業者さん達なら通しても平気だとは思いますが念のためと言う事で」

上等兵「ジャガイモにニンジン...今日の昼はカレーだぜおい!」

兵士「はしゃぐなよ...次の方~」

勇者「よいしょっと...この酔っ払いも数に入れてくれ」

兵士「あれ?確か昼に...」

勇者「君は...どこか見覚えがあると思ったがやはり君だったか、夜勤は面倒だろう?」

兵士「ははっ、これで金貰ってるんで...しょっている方は...戦士様ですね、どうぞ入城を許可します」

勇者「すまない」

兵士「勇者様ご一行でしたら入出門許可証を発行出来ますよ?出入りも激しいと思いますので
なんでしたら今作りましょうか?」

勇者「そうだな...今は立て込んでそうだ、明日にでも作ってもらうよ、ありがとう」

兵士「そーっすか、はい、次の...

戦士「アーハキソ...」

勇者「おい今は我慢を...

戦士「ウッ..ウブッ、オロロッロロロロr...  ビタビタッ!!

上等兵「うっわ、書類が...兵士よ~これ大丈夫か?」

兵士「あ~...勇者様これは...」

勇者「っす、すまん!これはとんでもない事を...!」

兵士「仕方ないか...上等兵、衛生兵呼んできてくれ」

上等兵「おうよ」タッタッタッタ

兵士「勇者様、戦士様をそこに寝かして下さい、気道確保は忘れずに」

勇者「あっあぁ...寝かせるぞ...」

戦士「ウウ~...ウップ...」

兵士「ひとまずこの桶に」

勇者「あぁ分かった」


「なんだなんだ~?」

「まーだ時間掛かりそうですかね~?」

勇者「ど、どうすれば...」

上等兵「衛生兵連れてきたぞ、こっちだ!」

衛生兵「あ~こりゃ相当飲みましたね~、酒のにおいが強烈だ」

上等兵「担架にのせろ、医務室に連れて行くぞ」

衛生兵「おう、じゃぁ持ち上げるぞ...3、2、1、はいっ」

上等兵「兵士、始末書どうするよ...」

兵士「あぁ後で俺が書いとくよ、早く連れて行ってあげて」

上等兵「おう、よーし行くぞメディック」

衛生兵「はいよっ...うわおっも...」


勇者「すまない...僕がしっかりしていれば...」

兵士「大丈夫ですよ、それよりも医務室へ行って下さい、軍医に説明しないといけないんで...」

勇者「あぁありがとう、礼は...」

兵士「すいません...混んでるのでまた今度でも良いですか?」

勇者「あ、あぁそうだな、すまない...」

兵士「お待たせいたしました。次の方~」

業者「何があったんで?」

兵士「ははっ...ちょっと...」

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__

__
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曹長「...」ペラッ

兵士「...」

曹長「よし...原因は把握したご苦労だったな」

兵士「はい」

曹長「まぁ...察しの通り、あの後クレームが来てな、兵の入城許可の発行が遅れた
おかげで、次に納品する予定だった店からクレームが来たってさ、クレームクレームうるセぇってのマジで...」

上等兵「はぁ」

曹長「しかしだ、今回の件はお前らに非はない、むしろ慌てず落ち着いて患者の
手当てが出来た事はむしろ感謝状贈られても良いくらいだと思うがなぁ」

兵士「まぁ遅れたのは事実ですから...」

曹長「そうか...まぁこの事は隊長と師団長に報告しておく、色つけてな...改めてご苦労だった」

兵士「はっありがとう御座います」

曹長「んじゃ、帰ってよしっと」

バタン

上等兵「はぁ~疲れたぁ~」

兵士「ははっ...でもおかげで二日の休み貰ったね」

上等兵「休みったってお前...戦争中だからどにもいけないぞ?」

兵士「久しぶりに大浴場入るかな~」

上等兵「はぁ?いやだぜぇ~あそこ師団長とか騎士団の偉いさんの井戸端会議
場と化してんのに...」

兵士「今は昼だから誰も居ないよ、上等兵も行くか?」

上等兵「俺はいいや、今日は寝る」

兵士「ふーん、んじゃぁ行ってくるよ」

上等兵「おーう行って来い」

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__

__
_

『大浴場』

カポーン...

兵士「ふうぅう...」チャプ

兵士「誰もいないんだなぁ~...上等兵もくればよかったのになぁ...」


「あぁいつものように、誰も入れないでくれ」


兵士(ん?この時間に珍しいな...)


ガララッ

勇者「ふう...ん?」


兵士「あっ...お、お疲れ様です...」

兵士(なーんでタオルを全身に巻いてんだ?)

勇者「あっ...あのっ...きっ君は...っそ...」

兵士「だ、大丈夫ですか?自分が何か失礼な事...」

兵士(あ...勇者様だしな、体中に傷とかついてッから...)

勇者「っち、違っ...なっなぜこんな時間に...」

兵士「べ、別に(体中の傷なんて)気にしなくても良いですよ、職業柄仕方がないでしょう」

勇者(こ、こいつ僕が女だと気づいて...?!)

兵士「あー...それでも気になるなら自分はもう出ますが...」

勇者「いっいや!出なくて良い!少し...っは話をしよう!今後の事についてだ!」

兵士(勇者様と政治の話とは...さすが大浴場)

勇者「もう...これ以上隠し通す事は出来ないか...驚くのも無理はないよな
この世界の英雄が...その...アレなんて...」

兵士(あ、まだその話だったンすね、体中の傷なんて...別に珍しくないだろ...僕にもあるし)

兵士「いやぁ...別に関係ないと思いますよ?」

勇者「関係ない...?」

兵士「いつから悩んでたんですか?」

勇者「あぁ...もう小さい時からだ...父親に言われたんだ...」


父親『隠し通せ!我が一族の為に何としても!』


勇者「僕は気にしてなかったんだ...でもある日父にこの事を言われたんだ
最初に...竜の王を倒してほしいと言う命令を受けてから」

兵士(隠し通せ?体の傷は勲章じゃないのかな勇者様の家系的には)

兵士「そんな厄介に考えてどうするんです?関係無いですよ...貴方はすごい人です」

兵士「勇者様はその自分自身の体を大層なこぶとしか見ていないようですが...勇者様は勇者様です
ほかの何者にも変えられない、あなた自身の行動が、勇気がそのこぶをみんなの眼差しから取り除いてくれると思いますがね」

勇者「...」

兵士「長話が過ぎましたね...自分はそろそろ隊に...

ガシッ

勇者「...君になら...すべてを見せても良いと思える」

兵士(うっわ...この人本気で悩んでたんだなぁ)

勇者「見てくれないか...?これが僕だ...」 バサッ

兵士「う...わ...」

兵士(全身を覆っているタオルが取り除かれた時、そこには歴戦の勇者とは
思えない程に華奢で、そして無数の切り傷があった)

兵士「あぁ...」

兵士(美しい...こんな言葉では表しきれない程美しかった、数々の痛ましい創傷も、火焔に焼かれた
肌でさえも美しく感じた)

兵士(でも男なんだよな)

勇者「な、何とか言ってくれ...///その...黙っていられると不安なんだ...」

兵士「...」ジー

勇者「...///」プルプル

兵士(...チンコが...無い?)

兵士「いやそんな筈は」ズイッ

勇者「ち、近づかれると恥ずかしい...のだが///」

兵士「あぁ...ああああああああっ?!」

勇者「ひうっ...な、何?」

兵士「あぁ?!ああああ?」

勇者「ぼ、母音だけで話されても...会話出来ない...」

兵士「ボインじゃないから!?俺ってばボインじゃないから間違ってたんだ!」

勇者「ぼ、ボインじゃない...?!」

兵士「はァ?!いやァ?!」

勇者「落ち着けバカ者!!」ポカッ

兵士「いや...でもだって...」

勇者「今まで国民を騙すようなマネをしたのは悪いとは思っている、しかし
ここまで驚かれるとは思わなかった」

兵士「いや~驚くでしょ普通...あのっ、そろそろタオル巻いた方が...よろしいかと...」

勇者「っ~///すまない///」

兵士「いえ、眼福であります!」ビシッ

勇者「僕が見みてきた中で一番きれいな敬礼だぞ...」

勇者「僕を...その...け...軽蔑とか見損なう事は無いんだな?」

兵士「はぁ、見損なうなんてことは無いと思われますが」

勇者「そうか...確か君は酒場で言ったな...」

兵士「あ、あの~そろそろ出ませんか...?自分は女性と一緒の風呂に入る
というのに慣れてない物で...」

勇者「あっああそれもそうだな!さっさと出よう!」

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__

__
_

勇者「ここなら人気も無い、ゆっくり話そう」

兵士(これ以上何を話すって言うんだ...)

勇者「そういえば...君はいつから僕が女だと気づいたんだ?」

兵士「勇者様がタオルガバッってやった時です」

勇者「へ...?じゃぁ最初からは気づいては無かったと...?」

兵士「はい」

勇者「で、でも僕に気にするなって...」

兵士「あぁ、あれ傷の事です」

勇者「き、傷の事?」

兵士「はい、自分はてっきり体中の傷を気にしてたのかと思って」

勇者「...」

兵士「だからタオルガバッてされた時は本気で悩んでたのかと...ん?」

勇者「...っ」ウルウル

兵士(あ、たぶんやばい奴だこれ)

勇者「だっ...だったら...ヒッグ最初っから...グスッ...言って...ヒッグヒッグ...くれれば...」

兵士(ガガガガチ泣き?!)

兵士「あ、すいません!あの自分語彙力?が少ないものでして!」アセアセ

勇者「グスッ...ヒック...ウエエエエン!!」

兵士(ヒエ~)

兵士「こんなとこで泣かないで!誤解されちゃうから!」

兵士「あ、飴玉いります!?!」

勇者「僕もう子供じゃないもん!ウエエエエエン!!」

「なんだなんだ??」

兵士「あ」

上等兵「おい兵舎の裏で盛り合うn...お前...」

兵士「違うのね、これは僕の本意じゃないの」

上等兵「貴様という男は女に縁がねえからって男に手を...」

兵士「えっ、違っ...あ」

兵士(ここで勇者様が女ってバレたら...勇者様的にゃまずいんじゃ...)

兵士「あ、アーそうだ?!文句あんのかメーン?!」

上等兵「メーン?!お、俺のケツもか?!」

兵士「いやお前は無い」

上等兵「お前さぁ...!コクっても無いのに振られる人の気持ちも考えろよ!」

兵士「あすいません...」

上等兵「で?ホントの理由は何だよ」

兵士「え、いや」

勇者「グスッ...ヒック...」

上等兵「まぁ面倒事に巻き込まれたくないから俺は帰るけどさぁ、ダルイことに
巻き込まれちまったら相談しろよお前」

兵士「了解しました...」

上等兵「はぁ~...飴でも渡して泣き止ませとけ、んじゃ」 ツカツカ

兵士「りょ...了解...」

勇者「グスッ...エッグ...」

兵士「飴...いりますか...?」

勇者「...いる」

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__
_

兵士「もう落ち着きましたか...?」

勇者「な、何とか...///」

勇者(人の前で泣くのは稽古を付けてくれた師範代以来だ...)

兵士(こんなに泣かれたのは間違って女子便所はいって居合わせた女に泣かれた時以来だ...)

勇者「ゴホンッ...さて、見苦しいところを見せてすまない。ではこれからのお互いの
付き合いについて考えよう」

兵士「え、別にいいっしょ...あんま付き合いないし...」

勇者「ま、まぁそれはそうなのだが...まだ...その...」

兵士「勇者様が女性だと言う事を喋らない...そういった保障が欲しい...ですか?」

勇者「う、うむ...身勝手なこととは分かっているが...」

兵士「う~ん喋るつもりは毛頭ございませんが...」

勇者(...僕は何を言ってるんだ...?自分が下手をこいただけなのに...僕のミス相手のせいにしてるだけじゃないか...)

勇者「...すまない、今の言葉は忘れてくれ」

兵士「でも不安でしょう?こんな一兵卒風情に弱み握られてるようなもんですよ?」

勇者「僕は君を信用する、どうしても喋りたければ君の意思に委ねる...」

兵士「...分かりました、ではこの機密はわが身を捨ててでも黙り通します」

勇者「...ありがとう...」

兵士「でも...その...一つだけ良いですか?」

勇者「何だ?」

兵士「その...俺と...っ俺と!!」

勇者「っ///」

兵士「飲み仲間になってk「それはまだ早いと思う!!!!」

兵士「は?」

勇者「ででででっ出会ってまだ間もないからお互いの事もちゃんと理解出来てないから///!!

勇者「ぼ、っぼくとしては嬉しいが今後の事もあるしお互いまだ片付けなくては
いけない仕事も///!!!っだだから!」

兵士「...」

勇者「もうちょっと段階を踏んでからでも...遅くは無いと思う///」

兵士「...」

勇者「っででは僕は仕事があるからぁ///!!」 ダダダダッ


兵士「えぇ...(困惑)」

兵士「コクってもないのに...!振られる男の気持ちも考えろよ!!」

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__
_

『本日 正午過ぎに兵舎の裏手で不純性交友らしき行為を見たという
情報が入りました。軍としては個人のプライベートに干渉するつもりは御座いませんが
場所を選び励みましょう』

隊長「兵舎の裏で盛るバカがあるか!!」

兵士「ほ、ほんとですよね~」

曹長「まったく戦争中だというのに...腑抜けているな!」

上等兵(なぁ、あの後結局ヤッたの?)ヒソヒソ

兵士(ヤッてないよ)ヒソヒソ

隊長「あ、そうだ明日から緊急で派遣された戦士様が我が部隊に稽古をつけて下さるそうだ
二人、明日も休みだと言ったな...あれはウソだ」

上等兵「ウソってなんすか!」

兵士「まぁいいじゃん...休み中でも行けるとこ限られてんだし」

曹長「明日は覚悟しといた方がよさそうだな」

兵士「怖いな~戦士様とかぜって~手加減知らないタイプですよ」

隊長「明日のためにしっかり休んどけよ、稽古開始は昼からだそうだ」

兵士「了解しました」

_
__

__
_

上等兵「明日がお前の命日にならねぇと良いな」

兵士「言うなよ、お互い様だ」

上等兵「しかし何で戦争も始まってるってのに今から稽古なんかするのかね、全軍を挙げた
練成らしいぜ?」

兵士「さぁ?まぁ俺らは明日生きられる事を祈ろうよ」

上等兵「そうだな~たっぷり寝るかいな...」

_
__

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姫「ちょっと勇者?大丈夫?」

勇者「...」ポケー

姫「だめだこりゃ...」

執事「はてさて、困りましたな...」

姫「んも~!!しっかりしなさい!」 ポカッ

勇者「ヒャッ...あぁすまない、書類はどこまで進んだ?」

姫「もう終わりました!何しにきたのよもう!」

執事「気分が優れないご様子ですな...休憩なされては?」

勇者「しかし...」

姫「居たところで何も出来てないじゃないの...今日はもう休みましょう?」

勇者「すまん、そうしようか...」

姫「ねぇ!久々に大浴場行かない?」

執事「大浴場でございますか...?あそこは兵のたまり場となっております
から、あまりお勧めは...」

姫「いいのよ!!今の時間は居ないでしょ?あ!勇者の仲間も呼ばない?」

勇者「あぁ、聞いてみようか」

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戦士「俺大浴場初めてだな~!!何かテンションあがってきたぜ!!」

賢者「勇者、男女と別れてるの?」

勇者「ううん、混浴だよ」

僧侶「混浴...私が入っても大丈夫でしょうか...」

姫「いいのよ、どうせ神も今は女神とイチャコラして人間なんか眼中にないわよ」

僧侶「そ、その発言は聞かなかった事とします!」

戦士「僧侶、お前いつ帰ってきたんだ?」

僧侶「はい、昨晩のうちに帰って参りました」

勇者「国中の孤児院を回るのは大変だったろう、僕も一緒にいけたらよかったが...」

僧侶「いえ、この程度勇者様の苦労に比べたら...」

姫「んまっ~この謙虚さ!戦士にも見習って欲しいもだわ~」

戦士「んだこらぁ!!」

「すいませ~ん!ちょっと静かにしてもらえませんか?」

勇者「あ、すまな...あっ」

兵士「気をつけて下さいよ...あっ」

勇者「っ~///っき君は///!」

兵士「っど、どうも...」

戦士「あ?なんだお前?」

勇者「お前が吐いた時に助けてくれた人だ...そういえば礼はまだだったな...」

戦士「あ、あん時の...あぁそりゃすまねぇ!といっても...記憶はねぇんだが」

兵士「い、いえなんて事は無いですが...他の兵も寝てるので静かにして下さいね...では」

勇者「すまない...また迷惑を掛けてしまったな...」

兵士「いえ、あ...そうだ、ちょっと時間いいっすか?」

勇者「僕か?」

兵士「はい、すぐ終わりますんで...」

勇者「っそ///そうか...じゃぁみんな先にいっててくれ」

賢者「誰、その男...」

勇者「...っ///知り合い...かな///?」

賢者「っぼ、僕も一緒に...!」

勇者「すぐ終わるから...ね?」ソワソワ

賢者「ムーッ...君!」

兵士「な、何でしょう」

賢者「...」チョイチョイ

兵士「?」

賢者(勇者と一緒にいる時間は僕のほうが長いんだからね!)
兵士(はぁ、そりゃそうでしょうが...)

勇者「っは、早く出来ないかな...///」ソワソワ

兵士「っすすいません」

戦士「そら賢者...勇者のおねえさんは大事な話があるそうだから俺らはいきましょうね~」

僧侶「っせ、戦士様!!あなた今!」

戦士「?う、あっと...聞いた?」

兵士「何をでしょうか...?」

魔法「っほ...なんでもないんだ、すまない行くぞ」

賢者「ッムー」


「聞かれてたかな~」
「恐らく大丈夫だと思いますが...」
「あれ勇者の彼氏!?どうなの?!」


兵士「時間を取らせて申し訳ありません...手短にすませます」

勇者「...///」

兵士「勇者様、俺と飲み仲間になって下さい」

勇者「...えっ」

兵士「前に勇者様に申し上げたのですが...うまく伝わってない様子でしたので...」

勇者「前...」

兵士「はい、勇者様が...その...勘違い的な事を...」

勇者「...あ」

兵士「その...前の大戦で飲み仲間を結構亡くしまして...居酒屋にも一人で行く
のは寂しいもので...」

勇者「...僕の事...好きって事じゃないんだ...」

兵士「は...?」

勇者「あの時...僕に告白してくれたのかと思って...」

兵士「っそ、そりゃ勇者様は魅力的ですし...じ、自分も憧れはありますが...って言うか...え?好き?」

勇者「...」コクッ

兵士「その...どういった経緯で...」

勇者「初めて...僕の初めてを...!」

兵士「え?え?」

勇者「あんな気持ちになったのは初めてなんだっ!!君は言っただろう!?
僕は僕...他人は関係ない...って」

兵士「...は、初めてってそれ?」

勇者「僕は嬉しかった!!胸のモヤモヤが...取れた気がしたんだ!!」

兵士「え...でもそれだけの理由なら...自分が言わなくても...それを言った人間に
なびくんじゃ...」

勇者「分からない...今までそんな事言われたことが無いんだ...さっきも言っただろう...
「僕の初めて」って」

兵士(めっちゃ分かりにくい!)

兵士「あ~...すいません...でも...」

勇者「...」 グスッ

兵士「自分も...勇者様の事は好きですよ...はい...」

勇者「...えっ///」

兵士「いや、っで、でもねあれっすよ?!まだお互いの事はよく理解できてないから...その...まずは友達
からって言うのは...」

勇者「...あぁ、段階を踏まないとな」

兵士「そう言う事です」

勇者「こんな事...初めてだ...とんでもない奴だなお前は」

兵士「はは...すいません...」

勇者「でも、嫌いじゃない...」 チョイチョイ

兵士「?」

勇者 チュッ

兵士「...」

兵士「...いや、それは卑怯じゃありませんか?///」

勇者「まだ頬で十分だ、もっと凄いのは...段階を踏んでから」

兵士「了解であります...」

勇者「っざ、残念そうな顔をするんじゃない!だって口で接吻などしたら...
っそ///その赤ちゃんが...///」

兵士「...そうですね」

兵士(まずは基礎教育だな...)

_
__

__
_

上等兵「おい!起きろ!寝過ごしたぞ!!」

兵士「んあ...うおっ!何時?」

上等兵「九時!朝礼には...間に合わんか」

兵士「諦めるか」

曹長「ゴルア!!!」

上等兵「ヒエ~」

そして

隊長「上等兵はまぁ、珍しくないが...お前が遅刻とはな」

兵士「申し訳ございません」

曹長「今日の稽古の切り込みはこいつにしましょうか」

兵士「え?自分ですか」

隊長「そうだな、生け贄となって貰うか...」

上等兵「ッホ」

曹長「お前は二番目だぞ」

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_

隊長「そろそろ我が隊の番だな」

少尉「私らは見学と言う事で...」

曹長「お、前の隊が帰って着ましたよ」


「うぅっ...」

「ッヒュー...ッヒュー...」


兵士(瀕死じゃねえか...)

上等兵(遺書書いときゃよかったなぁ...)

曹長「いけるか?」

兵士「厳しい戦いだと思います」

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_

戦士「んだよ!張り合いねぇな!」

勇者「あまり痛めつけるな?戦力の低下につながる、ちょっとは手加減というものをだな」

戦士「でもよぉ...百戦練磨の俺がこんな師範代みてえな爺臭い事なんかできっかよ~まだ隠居しねえぜ」

勇者「まぁ良いじゃないか、以前の君は誰彼かまわず喧嘩を吹っかけては相手は大怪我...
やっていた事は、君の忌み嫌う山賊と同じだったんだ」

戦士「そうだけどさ...」

勇者「だが今は違う、今は君を必要としている人が沢山いるんだ」

戦士「あぁ...」

隊長「失礼します!!○○師団、△部隊!入ります!!」

戦士「おう!!今日は楽しもうぜ!」

兵士「怖いな~...」

上等兵「なぁ拝啓ってこれであってたっけ?」

兵士「違う違う、背中の背に景色の景で...」

勇者「あ...///」

兵士「あ...」

勇者「二番手は君の部隊だったのか...」

兵士「っど...どうも、お手柔らかにお願いします...」

戦士「さぁ一番手は誰だぁ?」ブンブン!!

兵士(自分よかでけえ大剣振り回してる...)

兵士「自分が一番手であります!よろしくお願いします!」

戦士「お前か、前は世話になったな。だが今日はそんな事関係ねぇよな?」

兵士「はい、そのつもりで」

ゴ~ン!

戦士「ウルア!!」 ブウンッ!!

兵士「あぶねっ!」スカッ

戦士「てめぇよけるな!」ブンッ!!

兵士「ッフ」ガキインッ!

戦士「ウオッ...」

兵士(粘るだけなら...イける!!)

兵士「ッシャらぁ!」
ドゴオッ!!

戦士「ウグッ...ってェ~...

上等兵「そうだ!蹴っちまえ!!」

曹長「落ち着けバカモンが」

勇者「な、中々姑息な手を...」

兵士「うちの隊はこれで何度も死線をくぐり向けてきたんだ、立派な戦術ですよ」

戦士「っく...くっそおおおおおお!!!!」

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__

__
_

兵士「ちょ...調子に乗りすぎた...」ボロボロ

戦士「ったく、粘りやがって...」

上等兵「おーい大丈夫か?」

兵士「あぁ...息が出来るって素晴らしい...」

曹長「こりゃいかんな、衛生兵。こいつを医務室へ頼む」

衛生兵「了解しました、ほれ行くぞ」

兵士「うっ...」

勇者「っぼ、僕も着いて行こう」

衛生兵「いえそんな...人数はそろってますので手助けは...」

勇者「あ、いや...っそそう!僧侶に用事があるんだ!」

衛生兵「そ、そうっすか」

勇者「こちらは私が持とう」

兵士「あっ...じいちゃん見える...」

上等兵「三途の川渡り始めたぞ、早く連れてってあげてくれ」

衛生兵「はいよ...よいしょっと!行くぞほら」

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__

__
_

勇者「僧侶は不在か」

衛生兵(てか僧侶って医務室に来るのかな)

軍医「そ、僧侶様ですか...?医務室に来たっけな...すみません確認してないもので」

勇者「あ、あぁ大丈夫だ大した用じゃないから...先の兵卒はどこへ?」

軍医「あぁ、あいつでしたら端の個人部屋に寝かせてます、兵卒が何か?」

勇者「あぁちょっとな...」

軍医(勇者様が兵卒に何の用だ?まぁ良いか)

軍医「では私は戻りますので何かあったら医務室へ来て下さい、では失礼」

勇者「ありがとう」

勇者「ここか...」

コンコン

「どうぞ~」

勇者「失礼する」

兵士「勇者様?わざわざこんな汚いところまで...」

勇者「あぁ、死にかけてたからな、とっても心配したぞ...?」

兵士「すいません...どうも昔から弱い癖して意地だけはいっちょ前に...」

勇者「ふふっ...無茶な事をしたものだ、あの戦士がほぼ本気で戦ってた位だぞ?」

兵士「はは...そんなまさか(絶望)」

勇者「何か飲んだか?飲むなら水を汲んで来よう」

兵士「あ、すいません。お願いします」

勇者「あぁ、ちょっと待っててくれ」

バタン

ガチャ!

兵士「あれ?早かった...なんだお前か」

上等兵「よう、もう動いても平気なのか?」

兵士「いや、軍医さんはしばらくは安静にしとけって」

上等兵「そっか~大変だったな」

兵士「お前は終わったのか?」

上等兵「おうよ、戦士様が疲れたから今日はやめるってさ」

兵士「クソ、運が良かったな」

上等兵「日頃の行いだ、っと、隊長から伝言だ『なるたけ安静にして飯もきちんと食うように
、あと盛るなよ~』ってさ」

兵士「あぁ?!盛るなってどういうことだ!」

上等兵「知らんがな、じゃぁ俺夕方に勤務あるから行くわ」

兵士「あぁ、気をつけて」

バタン

兵士「ったっく...」

コンコン

兵士「はぁ...どうぞ」

「あ、開けてくれ...僕だ」

兵士「アレ?どうしたんですか?大丈夫...うわっ」

勇者「ははっ...蛇口が壊れてしまった...」ポタポタ...

兵士「タオルは...えーっと」

勇者「あぁすまない、水だ...」ポタポタ...

兵士「タオルです、すいません水が欲しいって言ったばっかりに...」

勇者「何てことは無いよ...ちょっと捻りすぎただけ、僕は着替えに戻るよ、今日は安静にしないと
だめだよ?」

兵士「了解しました...おやすみなさい」

勇者「あぁ。おやすみ...」チュッ

兵士「...まだ頬ですよね///」

勇者「少し大胆にしてもバチは当らないね...///」

兵士「...はい」
_
__

__
_

?「来た...来たぞォ...!!こいつだ!こいつが!!!」

?「おォ...?おいおい占い師さんよ~あんたも歳だなぁ?別の人間みてんだろ?こんな冴えない男が...」

?「勇者の...想い人?」

?「勇者にとって大切か...そんな事ワシには分からん...一時的な好奇心やも
知れぬ...が、今一番勇者が求め欲している者である!!」

?「はぁ~...とにかくこの男を魔王のとこに持っていけばいいんだな?」

?「この男が...」


『あぁ?!盛るなってどういうことだ!!』

_
__

__
_
『正門』

兵士「退院してすぐに一人で夜勤ですか...」

上等兵「ボヤクなよ~お前が入院してるときに俺が変わりに出てやったんだぜ?」

兵士「んだば出ねえ訳にゃいかねえな、ありがとよ

上等兵「ハナっから素直になれって、んで、今日は深夜帯の納品は無しだ、朝まで暇だぜ」

兵士「おう、了解」

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__

__
_

兵士「Zzz...ンガッ...あ寝ちゃった、今何時っと...一時間も経ってねえや...」
リー... リー...
兵士「鈴虫か...コーヒーでも飲んで静かに聴いてたいねぇ」

コンコン

兵士「はい。今出ます」

フードの男「夜分遅くにすまん、ここはこの城の正門か?」

兵士「あ、あぁ、納品ですか?本日は納品の予定がないからなぁ...ちょっと門は開けられないんですよ...身分証明書見せてもらえばあさイチで入門出来ますよ」

フード男「そっか、ならこれで」

兵士「?...ウーン、ちょっとこれでは...てか、どちらの国の言語で...?」

フード男「...なぁこれメンドクセエんだけど?!!」

フード女「はぁ...大声を出さないで下さい、応援を呼ばれたらどうする、騒いで申し訳ない
私達は旅の物で身分が分かるような物は一切持ち合わせてないのです」

兵士「あちゃ~...それはちょっとまずいですねぇ...明るいうちなら何とか
手続きで済ませられるんですが...あさイチって訳にゃあ」

フード男「もうめんどくさいからさっさと持ってこうぜ、時間掛けるような事じゃねぇ」

フード女「はぁ、貴方は少し性急すぎる」
兵士「ちょっと...?無視っすか」
フード男「魔王様から生を受けた日から俺はこんなもんさ、文句は魔王にってな」
兵士「おーい」
フード女「ハア...ย้ายมายากล!!」
キイイイイイインッ
兵士「っは?はぁ?えっちょ...俺光ってる?!」

兵士「っぐ...ってめェ!俺光らせてどうすんだ!!」ッグイ
フード女「ッキャ!...っクソ、離せ」

兵士「んなろ...ッグ...キイイイイイイイン...

ッパア...

フード男「っさ、さってと...自分たちも帰りますか...?」

フード女「あ、あぁ...」

_
__

__
_

隊長「バックレ...ってこたぁねぇだろうよ...」

少尉「はい、兵士はこと仕事に関しては真面目です」

曹長「じゃぁ兵士はどこに...」

隊長「ウーン...少将殿に報告して...」

上等兵「った隊長...兵士をもう少し休ませときゃ...」

隊長「...大丈夫だ、お前の所為じゃねぇ、大丈夫だ」

バタンッ

上等兵「...」

曹長「気負うことはねぇ、兵士はああ見えてタフだ...戦場で何度も見たろうが」

上等兵「はい...ッヒッグ...グスッ...」

_
__

__
_

隊長「...」

少将「つまり逃げた...と?」

隊長「いや...逃げた訳じゃないと思います...真面目な奴なんで」

少将「...はぁ、真面目かは知らんが?魔王国との戦争も控えているしな、戦争が始まったから逃げた...いつもの事だ、気の弱い兵が逃げることは」

隊長「っ...無駄な時間を取らせて申し訳御座いません、失礼しまし...

ガチャ

勇者「失礼する、僕の教練プログラムについてだが...今は大丈夫か?」

少将「あぁ申し訳御座いません...おい、さっさと出ろ」

隊長「はい...」

隊長「あ、勇者様...あそうだ、兵士の居場所って」

勇者「兵士の居場所?兵士に何かあったのか...?」

隊長「っは、昨晩の単身夜勤中に兵士が姿を消しました...バックレなどという事は無いです...」

勇者「...何か魔王側から使者等は来ていないか?」

少将「っは、今はそのような者は来ておりません」

ガチャ!!

「失礼します!」

少将「何だ」

「魔王国から使者が参りました、勇者殿もご同行願えますか?」

少将「使者...勇者様」

勇者「あぁ、話はその使者から聞いた方がはやそうだ...」

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__
_

兵士「てめぇこんな一兵卒捕まえて何の得があるってんだおい!!」ッガシャン!!

フード男「...」イライラ

兵士「冗談じゃないぞおい!!皆勤賞逃しちまったじゃねえかよ!!」ドオン!!!

フード男「あぁっ!!うっるせぇ!!ずっとそればっかじゃねえか!言ってて飽きねぇのか!!」

兵士「うるせぇ!!何だそのキザなフードは!!」

フード男「フードは関係ないだろ!?」

フード女「勇者が興味を持つのも頷ける、こんな強烈な性格の人間は初めてだ...」

フード男「おい、こいつに睡眠魔法掛けてくれ。じゃなきゃ俺が寝られない...」

兵士「また眠らそうってか!!もう目が冴えて寝られんぞ!」

フード男「頼むっ...頼むから寝かせてくれ...!!」

兵士「寝ればいいじゃん」

フード男「こんのっ...!」

フード女「もうお前は別室へ行ってこい、檻に入れてるんだから私だけでも何とかなるさ」

フード男「はぁ~そうするわ...」

兵士「ッチ...暇つぶしが出て行きやがった...」

フード女「君は見てる限り性格が一転二転しているが...どれが本物の性格なんだ?」

兵士「それ本人に聞くか?」

フード「まぁ...それもそうか、私はここにいるから何かあったら呼んでくれ」

兵士(はぁ~...騒いでたら何かすっきりした...しかしここは...魔王城か?)

兵士「なぁ」

フード女「ここは魔王城では無いよ」

兵士「...俺の考えてた事分かったんだな」

フード女「あぁ、まぁもっとも、いつもは他人の心なんて読まないけどね」

兵士(伊達に魔王に使えてないってか...)

フード女「ははっ...怖いかい?」

兵士「怖いかそうじゃないかって聞かれたら怖い、エロい妄想出来ないし」

フード女「そう...」

兵士「で、ここはどこなんだよ?」

フード女「ここは間諜や隠密で行動する者が使う拠点兼隠れ家だよ」

兵士「真っ直ぐ城に行かせてくれよ」

フード女「私はあまりいい目で見られるては居ないんだ、だからあの城にはいたくないんだよ」

兵士「謀反でも起こしたのか?」

フード女「君に教える義理は無いよ」

兵士「...」ホワンホワン

__
_

兵士『ははっ、無表情な割には随分と濡れ濡れじゃないか...ちょっと激しくしてみるか』クチュクチュ

フード女『っや...///』

兵士『おっ、今声が...』

フード女『っこ、声など出してない///!』

兵士『っは、でもここは正直だぞ?ほら...大洪水だ...』ヌルヌル

フード女『んひっ...///っや、やめろぉ...痴れ物ぉ///』

兵士『ははっ今夜は寝かさないぞ...』

フード女『...んっっ///』
_
__

兵士「ウヘヘ...」

フード女「っ///!!!っき貴様///!!」

兵士「フヘヘ...」

フード女「っや、やめんか///!!おいっ///!」

兵士「なんですか?」

フード女「貴様...分かっててやっただろう...!!」

兵士「勝手に人の心読むなよ!!!」

フード女「こ...殺す...!」チャキッ

兵士「あっ、ウソウソ!すいません!もうしません!!」

フード女「次は無いぞ...!?」

兵士「了解しました」
_
__

__
_
大将「して、相手はなんと?」

中将「はい、内容は人質の有無と今後、我が国が魔王国に服従するか否か...との事です。
人質の有無に関しては我が国の兵を捕らえ監視下においている...と」

勇者「それは彼が言っていた兵士という男か?」

中将「名前などは一切記載されておりません、しかし兵の失踪は先ほど聞いた
兵士だけなので...間違いないかと」

勇者「そうか...」

中将「それと...」

勇者「なんでしょう?」

中将「これはただの挑発かと思われますが...兵を救出するのならば勇者一人
で来い...と」

勇者「ほう...?」

少将「ふん、幼稚な挑発ですな...」

勇者「それだけか?」

中将「はい。以上です」

勇者「一人で来い...か」

大将「敵の軍勢は分かっているだけでも300万です、勇者様が不在の間、魔王が何もしてこない訳がありません」

勇者「う~ん、仮に僕が魔王城に乗り込んで魔王を倒したとしたら...?」

中将「それは...して下されば幸いですが、無謀です、我が軍を練兵し決戦に臨みましょう!」

勇者「...その事だが、短期間の訓練で魔王の軍と対等に渡り合うのは
いささか厳しいんじゃないか?」

大将「...」

勇者「...はぁ、魔王軍は多種族で構成されている、突撃隊にゴブリンやオーク、ドラゴンを操る騎士...対してこの国の戦闘対象は人間...
戦士の実演訓練を見て感じた...魔物との戦闘は想定外だろう?」

中将「っ...そんな事はっ...」

大将「やめろ中将、確かにそうです。我が国は魔族との戦闘は経験しておりませんし...想定していませんでした」

勇者「そうか...もういい、やはり僕が単体で乗り込もう、無駄な犠牲が出なくてすむ」

大将「...」

中将「...国境まで護衛をつけましょう」

勇者「いや、魔王はどこから見ているか分からない、護衛はいりません」

中将「っで、では資金を用意します!」

勇者「大丈夫です、ちょっと出かけるだけですので」

バタン

中将「っはぁ~...」

大将「兵の一人くらい見捨てておけば...と思う俺は相当この階級に慣れたらしい...だが、勇者様の考えることは分からん...」

少将「この兵...何か握っているのでは...」

中将「小隊の兵卒風情と勇者様に交友なんぞあるわけが無いだろう」

大将「ンなことはどうでも良いんだよ...」

_
__

__
_

兵士「ん...」 ムクリ

フード女「眠れたか?」

兵士「あぁお陰さまで」

フード女「飯だ、食ったらここをでて魔王のところへ行くぞ」

兵士「はい...?」

兵士(魔王...?この女は眷属じゃないのか?)

フード女「悪いが君に教える義理は無いよ」

兵士「勝手に心読むなっつーの...」 ハフハフ

兵士「...他人の心読めるとか結構苦労したんじゃねえか」

フード女「あぁ、余計な事まで耳に入ってしまうからな。私の周りはいつも険悪な
ムードだった、でも皆が思っている事は一つ、『邪魔者め、うせろ』ってね」

兵士「ふーん、魔界にも俺らと同じようなのがいるんだな」

フード女「言葉が話せる生物の根本は変わらないよ。いい奴もいれば悪い奴もいる」

兵士「へぇ~大変だな、お茶ないの?」

フード女「水で我慢しろ」 コトッ

兵士「っちぇ...しけてやんの...ゴクゴク...ップハア!!そいえばあんたの同僚は知り合いじゃぁないのか?」

フード女「今回の仕事で初めて顔を合わせただけでよく知らん、仕事が終わればまた自分の持ち場に戻るだけさ」

兵士「なんだ、仲よさそうに見えたが」

フード女「あいつはアレでかなり魔王を狂信している、私は魔王のことは...まぁあれだ、早く食え」

兵士「...?」

_
__

__
_

フード女「...ッスー...フウー」

兵士「大丈夫か?」

フード女「あぁ、大丈夫だ...そろそろ謁見の間だ、身なりを整えろ」

兵士「...」

フード女「よし、行くぞ」

兵士「...仕事が辛いんだったら、忠義立てしてないんなら辞めてもいいんじゃないか」

フード女「魔王様がいらっしゃる、喋るな」

兵士「...」

フード女「開けるぞ」

フード女「辞められるならこんな所...今すぐにでも辞めてやるさ」ボソッ...

兵士「...」

フード女「例の兵卒を連れてまいりました!入ります!!」

ゴオオオオオオ...

兵士(...でかいから壁かと思った)

衛兵「魔王様がお待ちだ」

フード女「あぁ、行くぞ歩け」

兵士「あ、はい」

衛兵「そのしけた男が魔王様の客か?」

フード女「客だとしたら君は今すぐ不敬で首をはねられている、口に気をつけろ」

衛兵「ッチ...魔王様!連れてまいりました!」

魔王「...貴様が?おい、こいつがか...?」

フード女「はい、確かに勇者の最も大切な人間です」

魔王「にわかには信じがたいが...」

フード女「あの耄碌爺が映し出しました、信用は出来るかと」

魔王「そうか...それならいい。おい貴様」

兵士「はい?」

魔王「お前は勇者のなんだ?恋人か?家族か?」

兵士「さぁ...?」

フード女「適当な事は抜かさない方が君の為だ」

兵士「そうは言われましても...ウーン...友人...かな?」

魔王「もっとも大切な人が友人?」

兵士「いや...これ以上の言葉が見つかりませんで...」

魔王「フーン...解せぬ...勇者の思考が全く持って解せぬ」

衛兵「魔王様、勇者はやってくるでしょうか」

魔王「来たとして、小僧っ子一人に何が出来る?今頃は人間界との国境付近にある
風俗街の男娼で調教を受けてるころだろう、そうは思わんか?兵卒」

兵士「っへ...そりゃ貴方みたいな変態には胸熱な話でしょうな...」

衛兵「貴様!!口が過ぎるぞ!!」チャキッ

魔王「...」

ザシュッ

衛兵「...っへ?お、俺の腕...?」

魔王「上司は客に剣を向けろと衛兵の教育で教えてきたのか?」

衛兵「アアアアアアアアッッッッ!!!!!」

魔王「外へ出せ、目障りだ」

フード女「っは」


兵士(こいつ...基地外か...)

魔王「基地外とは心外だな、大切な客に剣を向ける無法者...それを罰しただけの
事だ、そちらの国王もそうすると思うが」

兵士「何が客だよ...てかあんたも心が読めるのか...」

魔王「ふんっ我には造作もない事だ...ただ、あの女の心だけはどうしても読めない、気に入らん」

兵士「女...あのフード被った女か...秘書か?」

魔王「眷属...と言えば奴は不快感を表す...まぁ無理もない、教えてやろう
あの女はな、我の奴隷だ」

兵士「奴隷...?」

魔王「あぁ、直属の奴隷だ、奴はこの国より北にある山脈の麓に拠点を置く、『エルフ族』の
の王の娘だ」

兵士「お、王の娘...?が何で奴隷なんかに...?」

魔王「我はいまあの女の大切な”者”を預かっている、釈放の条件は...我の言うことに従い任務は確実に成功させる事...」

兵士「...んなこたぁどうでも良いんだよ」

魔王「っふ...質問に答えよう...あの女の父、つまり族の国王は我に戦争を仕掛けて
きたのだ、それも少ない手勢でだ...バカな話だとは思わないか?我がエルフの女郎達を言い値で買おう話を持ちかけてやったのに...」

兵士「おい...まさか...」

魔王「若い女全員に決まっておろうが、エルフのメスは何千年とその容姿を変えずに生きれるのだ、我の元に置かずしてどこにおくのだ?」

兵士「お前...この腐れ外道めが...!」

魔王「感情的になるな...男も貴様になら分かるだろう?女を常にそばに置き、自分の欲求を満たす...それなりの地位に付けばそれが可能になる、なれば実行に移す!...お前にも分かるだろう?」

兵士「ハーレムは良いがなぁ...相手が幸せだからこそハーレムは築けるんだよ...!!それを貴様はぁ...!」

魔王「フーン...分かり会えぬか...まぁどうでも良い...勇者が来れたとしても貴様も勇者も殺すまでだ...」

兵士「今殺せよチンカス野郎...!」

魔王「本人の目の前で殺したほうが赴きがあるだろう?」

魔王「まぁ来れたらの話だ、あまり鵜呑みにせず死ぬ覚悟だけしていれば良い」

兵士「勇者様が来れたらって...何かやったのか?」

魔王「何か...そうだな、主要な街道に軍を配置したくらいだな...総勢290万ほど」

兵士「ほぼ動員させたのか...」

魔王「前までは1000万ほどはいたのだが...粛清やらなんやらで逃げ出して
しまってな、全く腰抜け連中め...」

フード女「魔王様、勇者が」

魔王「ほう?もうやられたか?」

フード女「...」

魔王「なんだ...?もう男娼で指名度No1にでもなったか?」

フード女「勇者、こちらです」

勇者「お初にお目に掛かりますだね...魔王様?」


兵士「は?」

魔王「は?」

魔王「あ、あらっ?え?」

兵士「お、おい!!290万の軍勢はどうしたんだよ?!!」

魔王「い、いや...確かに配置したはず...」

兵士「じゃ、じゃぁ何で勇者様がここに立ってるんだ!!おかしいだろ!!」

魔王「し、知るかぁ!!っな、何で貴様がキレてるんだ!!!」

兵士「切れてねえよ!!びっくりしてんだよこっちは!!!」

勇者「兵士、なんで怒ってるの...?」ウルウル...

兵士「いっ、いえぁ怒ってねぇっすびっくりだだけ、幽霊じゃないですよね?」

勇者「ッムー!失礼だなぁ!ちゃんと生きてますぅ!」

フード女(兵士の前ではキャラが違う...)

魔王「っわ、我が配置した兵は...?」

勇者「兵?あぁ全然骨が無かったね、もう一回鍛え直した方がいいよ、まぁもっとも...もうみんな死んじゃってるけど...」

兵士「...ッ」ゾクッ

魔王「おっおいエルフ!!こやつを何とかしろ!!」

フード女「...申し訳ございませんが、契約は只今を持って終了となります」

魔王「何をバカな!!」

フード女「...」ッス

エルフ「お母様と妹ももう死んでいる...」

魔王「んなにをバカな事を!しゃんとい、生きておるわ!!!」

エルフ「...貴方が切りつけた衛兵が死に際に吐きました...」

__
_

衛兵『お前の母はとうに死んでる...妹は...陵辱されて死んだ...おっ俺は見たん...だ!』

エルフ『...』

衛兵『お、俺は関係ないぞ!俺は止めた...だが...』

エルフ『分かっていた...とうの昔に...大方そろそろ魔王も私に辱めを...?』

勇者『君はエルフ族だね...?魔王のいる所まで案内して欲しい』

エルフ『...了解しました』
_
__

エルフ「魔王よ、貴方は言った筈だ、任務をこなせば二人は返すと」

魔王「bbっば、死に際の戯言だ!!信用するな!!」

エルフ「勇者、後はお好きに...」

勇者「うん、ここで終わらせる」

魔王「っへ兵卒よ!勇者を止めろ!互いの性癖を語り合った仲ではないか!!」

兵士「ハーレム物と男色が好きな変わり者と語り合った覚えは...」

魔王「さっきの男娼のは冗談だっ!さらっと流せそのくらい!」

エルフ「貴様ホモだったのか...?」

魔王「違う!断じて違う!!」

勇者「フッ...!!」

魔王「貴様だいた...い...」ズシャッ!!

兵士(こいつほんとに魔王かよ...まぁ魔王の理想像知らねえからなんとも言えんが)

兵士「イチャラブ物が好きだったのなら生かす事も考えてやったが...」

勇者「性癖...?何を話してたの?」

兵士「えっ?あ~っと...世界情勢などを...」

エルフ「勇者よ、そいつはかなりの変態です、気をつけた方がよろしいかと」

勇者「え?え?変態?」

エルフ「兵士よ...昨晩はよくもやってくれたな?」

兵士「え?あぁ...えぇ?!今それ話す?!」

エルフ「あぁ、お陰で私の純潔は奪われたも同然だ違うかな?」

兵士「多分違う!!俺は妄想しただけで!!」

勇者「何...?なにかしたの?」

エルフ「勇者よ、君は保健はどこまでやったかな?」

勇者「え?あぁ...応急処置のあたりまでで...」

エルフ「そうか、では簡潔に話そう、私は昨日彼と逢引をした!それも彼から強引に!」

勇者「逢引?」

エルフ「そうだ!お陰で赤子を身ごもったかも...」オヨヨ

兵士「っはぁ?!ヤッてないから!考えただけだか...ら...?」

勇者「赤子...赤ちゃん...?口でキス...?」ウルウル

エルフ(あれ?まさかそうとうウブなのか?)ヒソヒソ

兵士(お前がが思っている数万倍はウブだ!!)

勇者「ッヒッグ...グスッ...エウッ...」

エルフ「あちゃ~」

兵士「あちゃ^~じゃねえよ!弁解して!ねぇ弁解してぇ!」

勇者「ウエエエエエエエエン!!ビエエエエエエエエエ!!!」

兵士(今までに無い程のガチ泣き!?)

勇者「っ結婚...グスッ幸せな家庭っ...ヒッグ...ウエエエエエエン!!」

兵士「理想の家庭をもう考えてたんすか?!」

エルフ「...とりあえず、国に帰るか?」

_
__

__
_

兵士「そいえばエルフだっけか...聞いていいかワカンねぇけど、故郷とかはどうなってんだ?」

エルフ「あぁ、帰る場所はもう無いな、も 国自体が存在してない。生きている仲間は方々に散らばってしまっているんだ」

兵士「へぇ~何かと入用なんだねどこの国も...しかし起きないなぁ」

勇者「Zzz...」

兵士「重いな...ヨイショット」

エルフ「女心を分かっちゃおらんな君は、少女に重いは禁句だぞ?」

兵士「寝てるからダイジョブ」

勇者「...ダイエットしてるもん...」

兵士「...」ガタガタ

エルフ「耄碌爺の千里眼で君たちを見てきたが、勇者は特にキャラが変わっているな、特に兵士の前ではコロコロと」

兵士「耄碌爺って存在が気になるが...そうなんですか勇者様」

勇者「っそ、そんなことは...///」

エルフ「察してやれ」

兵士「わぁったよ、あ、そうだお礼言ってなかったな...勇者様、改めてありがとうございます」

勇者「そんなの気にしないでよ...カゾクナンダカラ...///」

兵士(あれ?もう家族化計画始まってんの?)

勇者「あっあぁ今のは無し!忘れて!!///」

兵士(後で恥ずかしくなるタイプのアレだ)

エルフ「君も罪な男だな」

_
__

__
_

兵士「あと少しで国境ですが...疲れた心身で夜中に平原を歩くのはいささか酷とは思います」

勇者「うーん...野宿かな...?」

エルフ「なら、あと少し歩いたところに『聖域の森』がある、寝るならそこで寝よう、魔物も入ってこないから安全だぞ」

兵士「んじゃそこをキャンプ地とする!」

『聖域の森』

兵士「きのこ光ってるよおい!」

勇者「そんなに珍しいかな」

エルフ「旅や冒険をしていればいやでも目に入るだろう」

兵士「俺は国粋主義者なんでね、実家と首都からは絶対に出ないように心がけてるんだよ」

エルフ「多分それは違うと思う」

勇者「う~...やっぱり夜は冷えるね...毛布か何かあれば良いんだけど...」

兵士「毛布...は無いが...ちょっと待ってて下さいな...エーット」

エルフ「背嚢にずっと入れてるのか?」

兵士「ダニはちゃんと駆除してるよ...エーッツトお、あったあった」

『一人用テント』ボロボロ

勇者「年季入ってるね」

兵士「ずっーと使ってますからね」

エルフ「しかし一人用のテントだぞ?」

兵士「前の大戦でテントが破けちゃった奴がいたんだ、二人で入ったら大きく動かなければ案外イケたんだよ」

勇者「誰と入るの?」

兵士「勇者様とエルフで入って下さいよ」

エルフ「君はいいのか、今日は冷えるぞ?」

兵士「焚き火でもして寝ますよ、ささっどうぞ入って入って」

勇者「え、でも...」

兵士「寝心地は最高ですよ?朝露がつかなければの話ですが」

エルフ「勇者は君を心配しているんだよ、どうするんだ君は」

兵士「自分は地面で寝るには慣れてるんで、これでも泥水すすって戦場這いずり回ったんですよ?」

勇者「そんな再々寝たい寝方じゃないよそれ...」

エルフ「わかった、では言葉に甘えよう、だが何かあればすぐに知らせるんだぞ?」

兵士「了解」

そして...
テント内

勇者「狭いけど、何かワクワクするね」

エルフ「...勇者の噂は我がエルフの国にも届いてましたのでどんな方かと思ったのですが中々どうして」

勇者「え?変かな...?」

エルフ「いえ、常に人を気に掛けており接し易い...人望が在るのも頷ける」

勇者「えへへ...人前じゃあちょっとクールぶってるけど...こっちの方が僕は話し易いんだ」

エルフ「しかし周囲の人間がそれを良しとしない...ですか?」

勇者「...うん、お父さんからは「常に厳格な態度でいろ、それが勇者という物だ」って...
小さい頃に言われたから、その時は良く分かんなかったけど...今じゃ自然にクールぶっちゃって...」

エルフ「苦労なさったのですね...」

勇者「エルフのお父さんはどんな人だったの?」

エルフ「私の父上は...みなから慕われておりました、幼い頃から剣術や弓術に長けてたそうで
私も周りからは常に期待されてましたが...どちらも妹の方が優秀でしたが」

勇者「妹さん...」

エルフ「時期の国王はエルフ族では初の女王かとまで噂されるようになり、次第にみなは私への関心を無くし妹と父上に着いて行きました」

勇者「...」

エルフ「でも、それでもあの国は私にとってかけがえのない故郷でした...また仲間と
一緒に日々を過ごしたい」

勇者「...大丈夫だよ、きっとまた再建できるよ」

エルフ「勇者が言ってくれると心強い..

「あっちゃーーー!!!火強すぎた!」

エルフ「...フフッ」

勇者「もう...フフッ」

エルフ「国が再建できたら勇者を招待します、きっと気に入ってくれるはずだ」

勇者「うん、絶対に行くよ...」
_
__


__
_

兵士「そろそろ我が国の国境ですな...」ゼエゼエ

エルフ「案外近かったな」

兵士「近くねぇよ、何で疲れてないんだ...」ゼエゼエ

勇者「もっと鍛えたほうが良いよ?そうだ!戦士の訓練をもう一回受けてみる?」

兵士「遠慮しておきます...ん?あの見覚えのあるアホ面は...」


上等兵「お~い!!!!生きてやがったかぁ!!!」ブンブンブウンッ

曹長「やめろみっともない、勇者様もいるんだぞ?」

隊長「隣の美人さんはどちら様かねえ」

兵士「みんな...お~い!!!!」ッタッタッタッタ

勇者「...あっ」

エルフ「走るだけの元気はあったみたいだ」

勇者「...」

エルフ「...まだクールで行くか?」

勇者「...もう少しだけ...ね?」

エルフ「フフッ...それもまた赴きがある」


兵士「ウアアアンッ怖かったよォォォォ~~!!!!」

上等兵「っだ、抱きつくなアホウ!!」

曹長「やっぱり兵舎ウラで盛ってたのはお前らだったのか...」

隊長「勇者様、我が隊の仲間を救出して頂きまことに感謝いたします...」

勇者「はは...僕は個人的に行きたかっただけだよ」

隊長「突然の遠征でお疲れでしょう、我が隊が首都まで護衛します」

勇者「あぁ、ありがとう」

曹長「お荷物預かります」

勇者「いや、これは僕が持つよ、君たちもここまでの移動で疲れてるだろう?」

曹長「ですが...うーんそうですね、兵士、お前持て」

兵士「ええ~?自分も拘束中に拷問をば...」

曹長「どうせ大声で愚痴ばっかこぼして看守困らせてただけだろ」

エルフ(正解だな)
兵士(う、うるせぇ!)

勇者「兵士が持ちたいと言うのなら...な?」

兵士「勇者様に頼まれちゃ断れませんよ...ヨイショット」

エルフ「では私は兵士のテントを持とう」

勇者「あっ...僕が持つよ」

エルフ「いえいえここは私が...」
勇者「いやっ、兵士にばかり持たせるのも...っ!」


上等兵「...美人に美男子か、お前守備範囲広いな」

兵士「もう何とでも言ってくれ...」

そして...

兵士「帰った~っ!!」バタン

上等兵「風呂入っぺ風呂!!」


曹長「早速だが兵士、大将様がお呼びだぞ」

兵士「あぁ...行かなきゃ駄目ですか」

曹長「お前とだけで話たいそうだ」

兵士「了解しました...」

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_

大将「捕まったのお前だったのか...まぁ掛けてくれ」

兵士「いえ、自分はこのままで結構です」

大将「長くなるぞ?」

兵士「...失礼します」ストン

大将「お前らの隊を離れてもう五年か、俺が隊長ん頃はまだ新兵だったな」

兵士「はい、懐かしいです」

大将「だな、良い隊だったよ...所で、話を聞きたい」

兵士「魔王の死に様でありますか?」

大将「んなこたぁどうでも良い、勇者様が自らの意思でお前を助けに行った事だ、ドエらい啖呵を切られたよ」

大将「己の生命を投げ打ってまで危険なところまで行く様な事は...ただの兵士相手ならあぁまで啖呵切ってまでしない事だと思うが」

兵士「はい」

大将「率直に聞こう、勇者様との関係は?」

兵士「...今は友人であります」

大将「それ以上は?」

兵士「いえ友人であります、今はまだ...それ以上もそれ以下もありません」

大将「...そうか、今は...か、二人の秘密ってか?」

兵士「そんなもんです」

大将「国の大事に関わるか?」

兵士「隊長...じゃない大将を核心とした我が軍と国民の気の持ちようならどうとでも無い問題かと」

大将「そうか...なら安心した!大いに親睦を深めろ?兵卒で逆玉なんかそうそうねぇからな!」

兵士「お、怒らないのですか...」

大将「大事な俺の元部下を勇者様が見ていてくれるだけで安心だ、これで話は終わりだ」

兵士「はい、失礼しました」

バタン
大将「...大した問題ではねぇか」
_
__

__
_
居酒屋

上等兵「でさぁ幼馴染が早く帰って来いってうるさいんだよォ!」デレデレ

兵士「それ他の男との結婚の報告だろ」

上等兵「いや!あいつはまだ独身だ!俺にもチャンスはある!」

曹長「まぁ可能性はゼロじゃぁないな限りなく少ないが」

上等兵「曹長もはやく家に帰って奥さんに会ってやって下さいよ~!」ヒック

兵士「あぁ、例の栗色ストレートですか?」

曹長「なんでお前まで知ってんだよ...」

上等兵「町の繁華街を美人さんと歩いてるとか嫌でも目に付きますよ~!ヒック」

曹長「てめぇ俺の女房が視界に入るのが嫌ってか!!?」

店主「豚に真珠って意味だろ」

曹長「あんたまで何を!」

店主「まぁそうカッカすんなよ、最近会ってんのかよ?なんで態々営内で暮らしてるから知らんが、家を首都に置いてんなら毎日帰ってやれよ」

曹長「次の休みには帰るつもりだ...子供も欲しいしな...」グイッ

上等兵「赤ちゃん生まれたら報告してくださいね~」

曹長「お前にはしたくねえな~」

兵士「ははっ」

上等兵「そういえば、兵士の実家って東の地方だよな?」

兵士「うん、結構離れてるから帰ろうと思って中々帰れなくて」

曹長「妹さん元気か?」

兵士「はい弟と姉が育ててます、俺は仕送り担当で」

店主「そっか、親御さん亡くなっちゃったんだよな...」

兵士「まぁ悲しんでも仕方ないですよ、いまは残った家族を守らないと...」

曹長「カッコいいこと言うじゃねえかぁ!あぁ?!」

上等兵「あちゃ~曹長酔っちゃった...」

曹長「俺だってよォ?!こんな中途半端な階級で満足できっかよォ!!」

兵士「はいはいそうですね」

上等兵(ちょっと出てくる)

兵士(いつものだ、早くな)

曹長「女房もよォ!これがまたキャワイイのよ!!」

兵士「あぁそうですね」

曹長「寝るときもよォ!ちょっと添い寝してやりゃぁ「キャッ///」なんてぇ~デヘヘ」

ガチャ

上等兵「こちらであります!」

女性「あなた!!」

曹長「でへh...お前...」

兵士「今日は添い寝でキャまで話されました」

女性「んもう!!いつもいつも酔っ払ったら...話があります!!」ガシッ

曹長「あっ!!違うんです!今日は家の猫の話で!」

「おいまたおしどり夫婦だぞ~」

「まだ話聞いてねぇぞー」

曹長「黙りやがれ!!っは、話し合おう!」ズルズル

女性「私からも話がありますから!!」

上等兵「隊長にも曹長は明日休ませろって言ってたんで代休処置しときまーす」

兵士「3連休楽しんで~」

曹長「兵士!!上等兵!!覚えてやg

バタン!!

店主「この漫才俺の店だけでやってるって聞いたが?」

上等兵「気のせいですよ」

兵士「新聞読んでもいいですか?」

店主「あぁ好きにしな、第一お前はなぁ...」

兵士「少将、東の要塞に転属...要塞守備隊長に上番...」

店主「東の国は山賊や蛮族も多い土地だからなぁ、少将さんも苦労するだろうよ」

兵士「姉ちゃん達大丈夫かなぁ...」

上等兵「大丈夫だお前の故郷までは来られないさ...でも用心しといた方が良いかもな」

兵士「さぁってと俺らも明日から3連休だ...そろそろ帰るか~」

上等兵「そっだな店主さん、いくら?」

店主「2千」

上等兵「ちょっと位サービスしてくれよ...はいちょうど」

店主「おう、確かに丁度だな寄り道せずに帰れや」

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賢者「っほんとに!!無茶なばっか事して!!」

勇者「っす、すまない...僕の理性が吹っ飛んでしまっていたようだ...」

賢者「反省してるの!?」


戦士「おうおうお姉ちゃんがいなくて寂しかったのかねぇ~」

僧侶「賢者が必死になるのも頷けます、せめて一言言って欲しかったです」

エルフ「姉弟の喧嘩とは...微笑ましい光景だ」

戦士「いつも賢者が説教食らわしてるんだよな~」

僧侶「はいはい二人とも、そこら辺で終わりにしませんか?」

賢者「でも!今回という今回は!」

戦士「賢者君お姉ちゃんがいなくて寂しかったんでちゅか~??」

賢者「っそ、そんな事は...!」

僧侶「はいはい戦士も...明日は休みですよ?こんなことで疲れてはいけません」

勇者「あぁ、そうだったね、早めに寝よう」

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チュンチュン...

店主「さ~て今日の朝刊はっと...」

『東の要塞守備隊長へ少将着任
関連記事:東の要塞の兵力増強の為に軍事物資運搬中、物資を武装集団に奪われる。キャラバンは全滅か』

店主「東の地方...何か胸騒ぎがするな...」

店主(杞憂だと良いが...)
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『正門』

兵士「はい確かに本人ですね、どうぞお通り下さい」

「あんがとよ~」

兵士「ふぅ...今日休みだったはずなんすけどねぇ」

曹長「午前中だけだ、ほんと勘弁だ、東の地方の自治体が着任する少将へ挨拶まわりにきてんだな、つーか蛮族出たらしいが...お前んとこの姉弟は大丈夫か?なんだったら官舎の家族寮で一時住まわせられるが...」

兵士「知らせは出しましたが、農作業が本格的に始まったみたいなんで今は離れられないと...」

曹長「しかしなぁ...今は要塞がガラ空きだ...指揮もままならんのに町村の防衛が出来るかね...」

兵士「まぁ本格的にやばそうだったら呼びますよ」

曹長「そうだな、早めに呼んどけ?敵が来てからじゃ遅いんだ」

兵士「東国が宣戦布告しなけりゃ良いんですが」

曹長「どうだかな~...魔王の一件以来どうも奴らの動きがきな臭いんだ」

兵士「...」

曹長「...手紙だけでも書いとけよ」

兵士「はい...」

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_

「勇者様を是非我が地方へ!!」

「最近村の詰め所の兵が不審な動きを見せております!妻子は不安で寝られないと!」

姫「勇者派遣の件に関してはこちらで検討します、蛮族の動きに対しては調査部隊を派遣いたしますので少しの間我慢して頂けますか?」

「頼みますぞ!」


姫「はぁ~~...地方自治体の相手って疲れるのね~...」

執事「姫様、これで来賓の予定はありません、休憩を取られて下さい」

姫「ふぅ~...今なら大浴場開いてるよね?」

執事「?勇者様と入浴なさるおつもりですか?」

姫「いいでしょ?勇者一行と水入らず!」

執事「はぁ...あまり粗相の無いように...」
_
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__
_
『大浴場』
ガララッ
兵士「はぁ~3連休っつうか通常の休みと半分か...まぁ良いや一番槍ならぬ一番風呂!」
チャプ...
兵士「フウウウウウウウウン...生き返るぅ~...」

兵士(そいえば2年くらい帰ってないな...妹俺の事覚えてるかなぁ...)

兵士「今度の長期休暇は帰ろ...」チャプッ...


「姫、いけません!ほかの者が入浴しております!」

「いいじゃないの、減るもんじゃなし!」

「せめてタオルだけでも!」
ガララッ

兵士(静かに入れないのかよ...ん?姫?)

姫「おやっ?君は確か...」

勇者「姫!タオルを...あ」

兵士「うおっ!ゆ、勇者様!タオル!タオル!...///」

勇者「あっごめん...もう入っていたのか...///」

兵士「姫様とはいつもご一緒で入浴なされるのですか?」

勇者「姫とは時々だが、ここ最近はちょっと多くなってきたな」

姫「だって勇者ってばいつ国を出るか分からないんだも~ん...所で君、勇者の秘密を知っているっぽいね?」

兵士「はい、眼福ですわ」

姫「エライ肝が座ってるね...珍しいね、秘密を教えるのはパーティーの仲間ぐらいなのに」

兵士「ちょっとした手違い?が御座いまして...ね?」

勇者「あ、あぁ...でも兵士は黙ってくれると約束してくれましたから僕は...
ガララッ!!
戦士「イヤッホーーウッッ!!」 バシャーーン!!

賢者「こら!!風呂場では走らない!あっ勇者だ」

戦士「おお、もう入ってたのか?っと?お前もいたのか!!お疲れさん!!」

兵士「はぁ...お疲れ様です...ではこれにて...」

兵士(さ、さっさと出よう...)コソコソ

エルフ「これが風呂か~...君、脱走は重罪だぞ?」

兵士「ヒエッ...」

兵士(俺をここから出せ!!)

エルフ(え~?いいだろう?それに姫やエルフの裸体なんぞ滅多にお目にかかれるものじゃないぞ?)ポヨン

兵士(っぽ...ポヨンてしてんぞ...!!)

兵士(ってかお前エロ耐性着いてないもんだと思ったが案外平気なのな)

エルフ(この国の書物で勉強したからな!大抵の事では動じんぞ!)

兵士(いやそれはおかしい)

勇者「っな、何をコソコソと話している...?」

エルフ「兵士がポヨンポヨンの方が好みと...」

兵士「何言ってんだおま...え」

勇者「...」スカスカッ

兵士(絶壁っ!!それはまさに!絶p)

兵士「ってあんた何言ってるんだ!違いますよ?!勇者様のはステータス!希少価値!」

勇者「...グスッ」

賢者「君さぁ...」

戦士「無いわ~」

姫「おーよしよし...で?何か言い残すことは?」

兵士「待ってください!話を聞いておくんなせえ!」

エルフ「年貢の納め時ってやつだ」

兵士「何が年貢だ!常に納めとるわい!あんたが原因だろうが!ねぇ弁解してぇ!」

姫「とまぁ漫才はここまでにして...ほらしゃんとしなさい!」

勇者「はい...」

兵士(自分、脱走いいっすか?)

エルフ(まぁ常識的に考えて返してくれる訳がないだろう)

兵士「...」
_
__

__
_
『居酒屋』
兵士「酷い目にあった...」

エルフ「この枝豆と塩辛を貰おう」

「はいよ!」

兵士「順応できてるな」

エルフ「あぁ、最初はちょっと怖かったが慣れると案外楽しい物だな」

勇者「...グスッ」

兵士「勇者様...機嫌直して下さいよ...自分が悪かったですから」

勇者「うるさい...もう大きいおっぱいでも追いかけてたら良いじゃん...!」

兵士(フード被せといて良かった...)

賢者「誠意が足りないよね」

兵士「うえっど、どうぞどうぞささっグイッと...」ペコペコ

賢者「ん、よろしい」

兵士「ふぅ...」

賢者「でも...勇者がこんなに楽しそうなのは初めて見たよ」

兵士「え?今進行形で拗ねあげてますが」

賢者「いや今は良いよ...勇者ってさ、職業がら大勢の人に期待されるから...威厳を保つ為か、いつもムスッとした顔で過ごしてたんだけど...君と会ってからちょっとずつ変わってきたんだよ...前よりも笑顔になる事が多くなったし」

兵士「はぁ...」

賢者「悔しいけど...」

兵士(感じちゃう?...俺もう駄目かもわからんね)

賢者「君のお陰だって...みんなは思ってるよ?」

兵士「...///」

エルフ「なに照れているんだ初心な奴め」

兵士「って、照れてねぇよ!」

賢者「個人的な事だけど勇者には、もうあまり無茶しないで欲しいんだ...」

兵士「...」チラッ

勇者「Zzz...」

賢者「君も勇者が無茶しそうになったら引き止めてね...たぶん僕らが引き止めるよりも効果がある」

兵士「え、しょ承知しました」

兵士(俺に出来るか...?)

エルフ「...」

エルフ「まぁ今はそんな大事に考えなくても、勇者の性格上そう言う時がいつかやってくるだろ...その時に決心すればいいんじゃないか?」

兵士「...そりゃそうだな、ありがとう」

賢者「さーてっと...今日はお開きにしようか」

兵士「はい...勇者様は如何いたしましょう...」

エルフ「テイクアウトすればいいだろう」

兵士「バカ言うな、命が幾つあっても足りやしねえぞ」

賢者「部屋まで運ぶのを手伝ってくれるかな...僕は非力でね」

兵士(バイキルトでも唱えればいいじゃん)

エルフ(それは攻撃魔法だ)

賢者「ささっちゃっちゃと運ぶ!」

兵士「了解しましたっと...」

兵士「ふぅ...(言うほど重くねぇな)」

_
__

__
_
『正門』
リーン...リーン...
上等兵「であるからして、自分は勇者様ネコ派論を主張した次第であります。終わり」

兵士「お前休み明けの一発めの夜勤でその話はディープだわ」

上等兵「勇者様タチネコ論争はお前の介入のお陰でさまざまな方向へ発展してしまったんだ、ちょっとは責任感をだな」

兵士「しらねぇや...」

上等兵「ちぇっ...で?勇者様とはどこまでイッたんだ?α?β?」

兵士「AもBも行ってないよ」

上等兵「はぁ?魔王城から帰還する時に野営したんだろ?だったらチャンスはあった筈だぜ?」

兵士「エルフがいたからテント譲ったんだよ...俺は外で寝た」

上等兵「っへ粋なことを...」

「ッハア...ッハア...」ヨロヨロ...

上等兵「ん?こんな時間に客か?」

兵士「いや違う、我がとこの兵隊だ!ど、どうした!?」

「ッハア...っじ、自分はカハッ...先日に襲撃されたキャラバンの隊員であります!!」

兵士「襲撃された...良くここまで...っと、とりあえず中へ入って休んでいて下さい!上等兵、隊長へ緊急連絡だ!」

上等兵「おうよ!」ッタッタッタ

兵士「どうぞこちらへ!」

「ありがとう...っ...」ヨタヨタ...

兵士(相当疲労している...ずっと走ってきたのか...)

「あぁ...っ...ッハア...武装集団を指揮してた奴...!東の国の...!」

兵士「分かりました、今は休んで下さい、話は後でゆっくりと...」

「あぁ...っ...」

兵士(これは...一波乱ありそうだぞ...)ッブル

上等兵「もう少しで衛生兵と隊長が来る、ちょっと待っててくれ」

兵士「...」

上等兵「おい...大丈夫か?」

兵士「っあ、あぁ平気だ...問題ない」

上等兵「?」

ガチャ

隊長「おう、話を詳しく聞かせてくれ」

兵士「話せますか?」

「あぁ...あいつらキャラバンが移動中に...」
_
__

「この武器高いんだろうな~」

「っへっへ、いっそのこと売り払っちまうか?」

「バカ言うな、首がすっ飛ぶぞマジで」

「へへ冗談d
ザシュッ!!!
「ッカハッ...ヒュー!ヒュー!」ジタバタ!

「っだ、誰だ!!」

?「...皆殺しだ」

「っう、うわあああああああああああ!!!」

ブシャア!!

__
_

「それで...逃げようとしたら奴をみた...間違いねぇ、東の国の奴らだ!」

兵士「...」

隊長「見間違いではないな?」

「あぁ...あの...悪趣味な戦闘化粧...間違いなく!!ウップ...」

隊長「ありがとう、もう良い休んでくれ」

上等兵「上層部への報告はいかがしましょうか」

隊長「あぁ俺が報告してくるわ、お前らは衛生兵がくるまでこいつの看護に当ってくれ」

兵士「了解しました」

上等兵「じゃぁあいつ見てるから受付頼む」

兵士「あぁ何かあったら呼んでくれ」

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__
_

大将「武装集団は東の国にまたがる山を拠点としている山賊と判明しました...東の国の軍が正規装備として保有する武器を所持していたとのことです」

姫「そう、近隣の村に被害は無い?」

大将「そのような報告はまだ届いておりませんが...詰め所の兵が街道に不審な動きをしている馬車が多数ありとの報告が、武装集団とに関係はありましょうか」

姫「何か良からぬ事を企んでいるだけならまだ対処はできるけど...山賊とつるんでるというのは流石にヤバイわね...」

大将「先日のキャラバン襲撃で...山賊でも小国の軍隊程の戦力は持っているでしょう...」

姫「勇者を派遣するか...それとも当初我が国だけで対処するか」

大将「元から怪しい国はありましたが、まさか仕掛けてくるとは」

大将「姫様...この件、当初は我が国だけでさせてもらえませんか、我が軍のメンツにも関わります...」

姫「分かりました...今回の始末は大将、貴方に託します。面子も大事な威厳ですからね、時間を取らせてごめんなさい、早速取り掛かって」

大将「了解です!」
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大将「ではこれより作戦会議を開く、中将頼む」

中将「っは、今回の作戦指揮及び参謀長を勤めさせて頂きます中将です、では早速先日の襲撃事件の内容を元に、山賊の殲滅、及び今後東国軍の対応についてを考えたい」

賢者「ねぇ、この集団の戦力はどれ位なの?」

中将「はい、襲われたキャラバンの武具等で小国の軍隊程度の装備があり、それを根こそぎ盗まれました、現時点で分かっている事は元の武装も含めたら集団は小国の軍隊以上の戦力を持っている、です」

賢者「つまり未知数って訳ね...」

戦士「面倒だから俺らがちゃっちゃと片付けてくりゃ良いじゃねえか?」

賢者「僕はやだよ、働きたくない」

戦士「まったお前はそんな事言ってからに...」

賢者「今回の件は人間同士の戦争でしょ?作戦指導の権利は軍にあるんだから僕ら関係無いじゃん、僕らは魔王を倒して欲しいって頼みでこの国に来たんだよ?」

僧侶「まぁまぁ衣食住全てを揃えて貰っているのですし、話を聞くだけでも...」

大将「それは重々承知しております、今回の事件は我が軍の力で解決します」

僧侶「そう言えば勇者様はどちらへ?」

賢者「さぁ?粗方兵士君の所にでもいるんじゃないの?」

戦士(おっ?こいついつもなら嫉妬するのに成長したな~)

賢者「失礼な事考えてない?」

戦士「い、いや?別に?」

僧侶「では今回は私達の出番はないと言う事ですね?」

中将「はい、ですが兵の教練は続行すると言う形で勇者様とは合意いたしました」

賢者「え~?」

賢者「ちぇっ...」

戦士「んじゃあ俺らは解散だなっと...」

大将「時間をとって申し訳ない、一応今は我が国の軍に所属している勇者一行にも報告の義務ありと思ったので」

賢者「まぁ別にいいけど...」
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__

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兵士「はーい、入城を許可します」

「どうも~」

兵士「ふぅ...」

勇者「精が出るな、てか君ずっとここにいるな」

兵士「あ、勇者様?もう勤務は終わりですか?」

勇者「あぁ、姫の書類整理で半日を使ってしまったよ」

兵士「ははっ...自分もそろそろ交代なんで、ちょっと待っててもらえますか?」

勇者「あぁ」

__

兵士「お待たせしました~」

勇者「ご苦労様、今か何かあるか?」

兵士「いえ、ですが勤務中に終わったら勇者様と飲みたいなぁって思ってて」

勇者「っそ、そうか...///いつもの飲み屋でいいか?では、皆も呼ぶか」

兵士「あっ...今日は二人で...行きませんか?」

勇者「っふ、二人か...///良いぞ行こう、今すぐ行こう」

兵士「はい」
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__

__
_

勇者「二人だけで飲むのは初めてかな?」

兵士「はい、最初は勇者様と飲み仲間になる予定だったんですが...へへ」

勇者「...時間が合わなかったとは言え、二人だけで飲めないのはちょっと寂しかったよ...?」

兵士「ヘタレですいません...」

勇者「大丈夫、これも惚れた弱みと言うものなのかな...」

兵士「...///」

勇者「最初の頃よりかは心身共に余裕が出来てきたと思うけど...どう?」

兵士「いやぁ女性との交友はまだ苦手で...天性なのか治ってないみたいですね」

勇者「交友...?交際じゃないのか」ムスッ

兵士「えっ?自分何か不味いこと言いました?」アセアセ

勇者「何でもない...」

兵士「あれ...えーっと...すいません...」

勇者「ナニを謝っているんだ?僕は別に怒ってはないぞ?怒ってはな」

兵士「え、あ...」

勇者「フンッ...」

兵士「...」シュン

勇者「...」チラッ

勇者「...まったく...すまんちょっとからかっただけだ」

兵士「そうですか...」

勇者「ふふっ...この前の胸の件の仕返しだ」

兵士(まだ引きずってたんかい)

勇者「まだ引きずってるのか...そんな事は考えてはいないよね?」

兵士「そのような事は一切」

勇者「ふーん...ふふっ、君と飲んでいると何か楽しい気分になるよ」

兵士「自分もです」

勇者「なら今日は朝まで飲もうか!」

兵士「っそ、それは困ります!」
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兵士「お、重い...」

勇者「Zzz...」

兵士「なーんでビール一気なんかするかなぁ...はぁ」

兵士「部屋に運んで...ん?そう言えば...」チラッ

勇者「Zzz...」

兵士「この人の部屋...どこだ?」

勇者「ん~...もう食べられない...Zzz」

兵士「ベタな寝言言ってないで起きて下さい!っへ、部屋はどこに」

勇者「部屋ぁ...ぅりゃぁ...Zzz」

兵士「うりゃぁじゃ無いんだよ可愛いな...あ~どうしよ...」

兵士(そう言えば一緒に居ることが多いけど...勇者の事なんにも知らないなぁ...)

兵士「勇者様の知り合いに聞くしか...」

戦士「お?兵士じゃんか、何してるんだ?」

兵士「あっ、戦士様!良かった~...実は勇者様が酔い潰れちゃって..勇者様の部屋に運ぼうかと思ったんです、部屋の場所知らなくて.」

戦士「あぁ。勇者の部屋なら姫の寝室の隣だぜ姫の部屋ならわかんだろ?」

兵士「姫様の部屋なんか知るわけないでしょう?」

戦士「知らねぇのか?ドンつきを右に曲がってふた部屋目が勇者の部屋だ」

兵士「分かりました、ありがとうございます」

戦士「んじゃあな!飲んでくるわ!送り狼になんなよ~」

兵士「...」

兵士(いや、戦士様に運ばせたほうが確実だったんじゃないか?)
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__

__
_
兵士「ここかな...?」

『勇者の部屋』

兵士「まぁここやろうな...失礼しまー

ガチャ
姫「でさーそしたらお父さんがね~...あらら?

エルフ「ん?どうしt....あら^~?」

兵士「あっど、どうも」

姫「意外とすみに置けないわね~?」

エルフ「気づかないうちにそこまで進展していたとは...コレは負けてられんな」

兵士「え?負け?いや部屋まで運ぼうとしていただけで...」

姫「今夜は使用人達には勇者の部屋の周りには近づくなって言っておくからへーキへーキ」

兵士「っや、やましい事は何一つ!」

エルフ「私は側室で構わんよ」

兵士「っそ、側室?」

エルフ「いや...今度また話すよこの鈍チン」

ガチャ
兵士「エルフの奴怒ることねぇだろ...お邪魔しまーす...ベッドは奥か」

勇者「...」

兵士「ぐっすり寝てますなぁ...部屋はいい匂いだぁ...(恍惚)」

勇者「...」ゾクッ

兵士「寝かせますよ...ヨイショット...」

兵士「ふぅ...寝顔もいいっすねぇ~」

勇者「...///」

兵士「今度の休みに実家帰ろうかな...勇者様一緒に来てくれるかな...?」

勇者「...」モゾッ

兵士「エルフも連れて行くか」

勇者「...」ゴロンッ
ドゴッ!
兵士「うぐぅっ!!ね、寝返りか...?寝てるよな?」

勇者「...グー」

兵士「...」キョロキョロ

兵士「寝てるなら...バレねえか」ッス

勇者「...?」
チュッ
勇者「?!」

兵士「...もう一回」
チュッ
勇者「...///」トロン...

兵士「...口でキスしたってバレたら殺されるかな...」

勇者「...///」

兵士「ここは撤退を...」ソソクサ

勇者「あっ...」

勇者「...赤ちゃん出来ちゃった...///」
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__

__
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勇者(昨日のは...どうしよう、家も持ってないし養育費も...)ボー

姫「勇者、ハンコのインク取って」

勇者(兵士の唇...カサカサだったなぁ...でも良かった...)

勇者(今度リップクリーム買ってこようかな...兵士に...)

エルフ「リップクリームなら君の使い古しを渡せば良いじゃないか、そしてキスで赤ちゃんは出来ない」

勇者「ヘアッ!んなナニを!!」

エルフ「わざわざ買うこともないだろう?君が使っている物を渡せばいい」

勇者「あ...それもアリかも...」

姫「おいゴルァ!何ボケーっとしてんの?昨日はお楽しみじゃなかったでしょう?」

エルフ「ちなみにリップクリームはもう私の使った物を渡してあるのでな、別の作戦で望んだ方が良いんじゃないか?」

勇者「......」ワナワナ

エルフ「冗談だ」

姫「いいから書類の整理しなさいよ!!」

勇者「あっごめんなさい...」

姫「まったく!ちょっと甘やかしたらすぐこれなんだから!」

エルフ(甘やかしの要素が見当たらんが)

勇者「申し訳ない...ちょっと浮かれていたようだ」

姫「だいぶ浮かれてたわよ...仕事終わったら話聞いたゲルから今は集中しなさいよ?」

勇者「はい」

エルフ「ではそろそろ私も手伝おうか」
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『以下ノ部隊を東部要塞に派遣ス○○師団第五歩兵連隊 以下略 以上ヲ派遣ス』

兵士「新聞には森ん中で起こった戦闘で小隊が消えたって書いてますね...」

隊長「あぁ、村の詰め所にいる小隊長が何を思ったか命令にない出撃をしちまってな、生き残りの話だと奇襲されて、武器も全部奪われてたってさ、なんで巣穴に入っちまったんだろうなぁ...」

曹長「現場の下っ端は上官の命令でしか動けませんからねぇ...とんでもないことになってきましたよ」

上等兵「戻ってまいりました~...おやっこの張り紙は?」

隊長「目玉見開いてみとけ、そして移動の準備をしろ」

隊長「出発は明後日の早朝、持っていくものは野戦装備品だな」

曹長「その他の備品は要塞にて配布する、嗜好品はあちらで配るから置いて行け!エロ本もだ!」

上等兵「え~!そりゃないっすよ曹長!!」

曹長「言っとくが歩きだぞ?抜く暇は無と思った方がいい」

上等兵「チックッショー!(裏声)」
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勇者「第五歩兵連隊...兵士のいる部隊も...」


賢者「今回は僕らはお呼ばれしてないから出る幕はないね~」

エルフ「しかし彼女はそうもイカンらしいな」


勇者「ちょ、ちょっと出かけて...」
ガシッ
賢者「ちょちょちょっ!今回は軍の仕事だから僕らには関係ないんだってば!勇者の出る幕は無いの!」

勇者「っで、でも兵士が...!」

戦士「お上の命令なんだから出動するのは当たり前だろ?兵士って職業はこんなもんだ。私の大切な人が居るから行かんでくれなんて通用するかよ」

僧侶「確かに止めない方が...」

賢者「行って欲しくないなら兵士に辞退届けだせって行ってくれば?」

エルフ「兵士の故郷は東の地方と言っていた、当然家族もいるだろうなぁ」

勇者「分かってる...しかし挨拶には行かせてくれ...」

エルフ「では私も同行しようじゃないか」

勇者「えっ...」

エルフ「私も勇者と同じ気持ちの立場だからな、挨拶だけなら行かせてくれ」

戦士「おう、存分に挨拶してこいや」

賢者「出発は明後日なんだから今行かなくてもいいんじゃ...?」

エルフ「乙女心の移り変わりは渓流のように早いんだよ。覚えておきたまえ」

賢者「それは違うと思う」
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上等兵「な~タオル何枚くらいいるかな~?」ガサゴソ

兵士「タオルくらい要塞にあんだろ」

上等兵「イヤに余裕だなや」ガサゴソ

兵士「もう準備すませてんだよこっちは」

上等兵「早えなぁ」

曹長「お~い兵士!勇者様が呼んでるぞ~」

兵士「勇者様が...っはい、今行きます。さっさとしろよ?」

上等兵「善処しま~す」ガサゴソ
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兵士「お待たせしました~...」

勇者「っや、やぁ...」

エルフ「君から呼んでおいてキョドるなよ」

勇者「だ、だって...」

兵士「あの~?」

勇者「え~っと...東の要塞に移動だって?」

兵士「はい、明後日には出ますね」

勇者「あーっと...あそこは今危険区域だよね、山賊も夜盗もウロウロしているらしいし...」

兵士「そ、そりゃそいつらが原因なのもありますからね」

勇者「その...っで、出来ればなんだが...その...ゴニョゴニョいでくれるか...?」

兵士「...は?」

勇者「あの...要塞へは行かないでくれるか...と...」

兵士「は?何言ってるんですか?」

エルフ「そらそうなるわな」

勇者「っだ、だって!兵が大怪我している所だぞ!?最悪死人も!」

兵士「そりゃ死人が出てて員数が不足してるから行くんであってですね...!」

勇者「心配して言っているんだ...!だって君に何かあったらかと思うと...」

兵士「ゆ、勇者様、気持ちは嬉しいです、本当に、でも自分が何言ってるか分かっているんですか?連日の業務で疲れているんじゃ...」

勇者「疲れてない!!伊達や酔狂でこんな事言ってる訳ではない!!もう一度言う!あそこへは行くな!ずっと傍に居てくれ!」

兵士「バッ、バカ言わんで下さい、命令が出てるしみんなも行くんですよ、さらに東の地方には俺の家族だって...」

勇者「知っている、東の地方に家族が居るのも...」
兵士「分かっているなら...」

勇者「それでも...イヤだ...」

兵士「勇者様...」

エルフ「勇者よ...気持ちは分かるが、兵士にも家庭があるんだぞ?」

勇者「...あぁ、そうだ...!兵士が一人抜けても他の部隊から一人補填すればいいじゃん!」

兵士「はぁ?!おい、あんた何言ってるんだ?!」

勇者「だってそうでしょ?君が「おい!」行かなくても他の部隊から...「おい!!聞けって!!」

勇者「...ッ」

兵士「自分が...行かなければ他の人間が行く事になるんだぞ...?例え他人だとしても...その人にも家族や大切な人がいるんだぞ...?分かって言っているのか...?」

勇者「...君が死ぬよりかはずっと良い」

兵士「お、お前...!何考えてんだ...あぁ!?」ギリッ

エルフ「お、おい勇者落ち着け!兵士、お前も口が過ぎるぞ!!」

勇者「命が惜しくないの?!」

兵士「そりゃ死にたくは無い!あんたとまだ話たい!!俺の勝手な気持ちでで知らない人を殺したない!」

勇者「でも...君が...」

兵士「勇者様...!」

勇者「そうだ...!兵一人抜けた位で戦力なんて変わらない!!兵なんて駒だ!!黙って僕の...上官の言うことを聞け!!」

兵士「...ッ」ッス

勇者「っこ、これは命令だ...だから
バチンッ!!
勇者「キャッ...!」

兵士「...それがお前の本音か!所詮は血筋か...!!」

エルフ「...」

勇者「な...なんで...」

兵士「少しでもお前を信用した俺がアホだった!貴方も権力を盾にし我がまま放題する奴らと一緒だったとは!!」

勇者「っぼ、僕はちが「違わない!!」

兵士「はぁ...今の非礼真に申し訳なかった、これからは関らないようにします、勿論...勇者様の仲間とも!」ッダダ

勇者「ま、待って!!話を!!」ガシッ!!

エルフ「...もう終わりだ、勇者」

勇者「離せ!離して!!」ジタバタ

エルフ「失望した、君がまさか駄々をこねるガキと同じで...しかも自らの権力を振るい他の兵を巻き添えにしようとしていたな?」

勇者「だっで...初めでの...ヒッグ...」

エルフ「言い訳無用、君は自らを修羅の道へと歩まそうとしていたんだ...今日はもう戻ろう、な?」

勇者「ングッ...ウッグ...ウエエエエエエエエエン...
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兵士「...」イライイライラ

曹長「お前...なんかあったのか?」

兵士「ナンもありませんでした」

曹長「...」

上等兵「準備終わりました~...って兵士おこやん怖」

曹長「まぁ大体は分かる、ずばり!喧嘩だろ?」

兵士「違います」

曹長「嘘コケお前、大喧嘩の後はいつもそんな態度だぞ?」

上等兵「誰と喧嘩したんだ?勇者様とか言うなよ?」

兵士「寝ます」

曹長「...オロナイン控えろ!!」

上等兵「富士焼きそば!!」

兵士「ウザッテエ!」
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曹長「ほぉ~そんな事がね~」

上等兵「お前バカだなや~」

兵士「だ、だって!」

曹長「この先そんなんじゃ昇進できんぞ?」

兵士「...でも勇者様のやり方は納得できません」

曹長「まぁそうだわな」

曹長「しかし昇進云々は置いといても、いつまでもこのままって訳にもいけんだろ」

兵士「謝るつもりはありません!」

曹長「いや別に謝ってこいって事じゃねえが...」

上等兵「この先勇者様と一緒にいるってなら近いうちに話合わんといかんべ?」

兵士「っそ、そうだけど...」

曹長「まぁ今は要塞への移動で忙しいからな、今はとりあえずコノ件は保留にするが...」

兵士「はい...すみませんでした」

上等兵「や~愛って恐ろしいなぁ~幼馴染もこうなってねえと良いが」

曹長「なってたとしてもお前には関係ないから安心しろ」
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店主「そうかー...要塞のほうへ移動になっちまったか」

兵士「はい、明日の朝出発です」

店主「じゃあ今日は俺の驕りだ!好きなだけ飲め!」
カランカラン...
兵士「あ、明日起きられなくなるので...?」

賢者「隣、いいよね?」

兵士「う...っど、どうも」

賢者「ミルク」

店主「はいよ~」

賢者「どうも...エルフから話は聞いた、今回の件は全面的に勇者に非がある、本当に申し訳ない」

兵士「なにも貴方が謝らなくても...でも勇者様があのような暴挙に出たのは驚きました」

賢者「あの子は自己表現が苦手でね、パーティーのみんなも最初は扱いに手間取ってたよ...でもあそこまでの駄々は初めて...君の事がとても大切なんだろうね」

兵士「俺の事を想ってくれているのは...嬉しいです、でもあのやり方は...」

賢者「言いたい事は分かる、あの子が未熟だから許してやってくれとは言わない、けど兵士がシバくとは思わなかった...」

兵士「それについてはごめんなさい...でも19才でアレはちょっと凄まじいですよ...?」

賢者「まぁ...生まれてからずうっと勇者になる為だけの教育を受けてきたから...人との接し方やそれこそ今の子達に教えられてる筈の知識は無知に近いね」

兵士(無知でも生きて行ける程のカリスマ性か)

賢者「信じられないだろうけど...最初の方なんかモラルの部分も欠落していてね...仲間の前で平気で着替える位まで酷かった...僧侶が何とか教育してくれたけど...」

兵士(それはうら「やましいなんて思ってないよね?」「思ってないです、はい」

賢者「どうだか...ミルクのおかわりお願いします」

店主「はいよー」

兵士「...いつ帰れるかは分かりませんが...戻ったらちゃんと話合おうと思います...賢者様の話聞いて、俺もちょっと勇者様に悪いと思いました...まだ彼女は子どもなんですね...」

賢者「それもあるけど、君が成長しすぎなんじゃないか?」

兵士「俺もまだ未熟ですが...て言うか、いいんですか?それカルーアミルクじゃ?」

賢者「ん?」ゴクッ

店主「あ、間違えちゃっちゃ」

兵士「あららら」

賢者「あぅ...」フラッ

店主「だがな、あんま店ん中で勇者様の弱みベラベラ話されると、この先困るのは勇者様だ、違うか?」

兵士「...た、たしかに...」

店主「男だろ、自分の力でなんとかしてみろ...」

兵士「分かりました...!で賢者様どうしよう」

店主「う~ん自分の力で連れて帰れとしか」

兵士「お前...」
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正門
兵士「う~ん年相応かとても軽い...ヨイショ」ズルッ

賢者「ふぁっ...///」

兵士(変な声出すな!!)


エルフ「おおぅ...もう...」

兵士「エ、エルフ姉さん...?出来たらこの子を運ぶのを手伝って欲しいのですが...」

エルフ「貴様そこまで守備範囲が広いと苦労するぞ?」

兵士「だぁー!もう!!違う!違うから!」

エルフ「どうせ酒でも飲ませたんだろう?」

兵士「う~ん、飲ませては...まぁいいやそれで」

エルフ「私が部屋まで運んで行ってやろう、兵士は明日の事もあるし早めに休んだ方がいいだろう」

兵士「助かるよ」

エルフ(賢者の部屋で勇者が精神的に腐り果てているから今会わせたら碌な事にならないだろうし)
エルフ「しかし女の子をしばいて泣かせてそそくさと...聞くだけだったらど畜生だな」

兵士「や、やめろよ...」

エルフ「大丈夫だ、誰にも話さないよ...だが勇者の気持ちも分かってやれ、お前を心の底から想っている」

兵士「あぁ...それは骨身に染みたよ」

エルフ「私だってお前の事が大好きだ、愛してる、行って欲しくないが、お前の気持ちは勇者だからなぁ...」

兵士「え...」

エルフ「だから無事で帰って来い、みんな待ってるから」

兵士「どんなタイミングで好きになったかは聞かんけど...それだったら...なんかすまん」

エルフ「良いんだよ、寝取る余地は沢山あるから、さぁ早く行った行った」

兵士「あ、あぁ、分かったよ...勇者様の事頼む...お前の気持ちも考えさせてくれ」

エルフ「あぁ、心の隅に置いといてくれれば私はそれで幸せだ、勇者はしっかり教育してやるさ」

兵士「それなら安心だ...じゃぁな」ツカツカ

エルフ「あぁ...」
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『賢者の部屋』 書庫の隅
勇者「...」

エルフ「彼は見送られる気はなさそうだぞ?」

勇者「...兵士...僕に何か...」

エルフ「...」

勇者「...グスッ」

エルフ「正直今なら彼を横取りできそうな気がするな、私の気持ちも伝えた事だし」

勇者「ウッ...ヒッグ...」

エルフ「...寝取りは彼が帰って来てからにしよう...伝言は無かったが、君の事を気に掛けていたよ、そして彼が帰ってくるまで君の事を頼まれた」

勇者「...」

エルフ「もう寝ろ、書庫で腐られて賢者もいい加減迷惑しているはずだ」

勇者「なんで」

エルフ「ん?」

勇者「なんで兵士に好きって...」

エルフ「今なら寝取れると想ったからね」

勇者「ね、寝取る...?」

エルフ「...いや、何でもない、今日はもう寝よう、な?」

勇者「...」コクッ

エルフ(腹が立ってくるほど純粋な子だ...)
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上等兵「あいさつくらい行ってこいよ」

兵士「バカいうなまだ夜も明けてねえんだぞ」

曹長「でも黙って行くのもあれじゃねえか?」

兵士「いいんですよ、それに今あっても...碌な事にならなさそうですし」

曹長「ふ~ん、いいならもう隊長に報告するぞ」

兵士「はい」

曹長「片意地張りやがってまぁ...」ブツブツ


上等兵「なぁ~ホントにいいのか?後悔してもしらんぜ?」

兵士「だからいいんだってば...」

兵士(今あったら何か罪悪感が...)

兵士(まぁ俺は悪くないし...ウン)

「開門!!」

上等兵「おっし、出発だ!行くぜ」

兵士「あぁ」

曹長「なにお前が鼓舞してんだ生意気に」
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上等兵「ところで隊長~、今日はどれくらい歩くんですか~?」

隊長「う~んそうだなぁ、行けるとこまで歩く」

上等兵「うへぇ」

曹長「兵員輸送用の馬車が品切れでな、それにのっぴきならない事情ださっさと近づいた方が明日が楽だぜ」

兵士「しかし山賊の奇襲攻撃に迅速に対応しこれを殲滅...どう読んでも無茶すぎませんかこれ」

少尉「っはっはっはボヤくなボヤくな!」

曹長(いたんだ)

曹長「しかしこの大所帯での行軍であれば流石の山賊も大規模には攻撃せんだろう、ちょこちょこはさまれるお痛をどう凌ぐかだ」

隊長「これより山岳地帯に入る!!周囲への警戒を厳とし奇襲にそなえろ!!」

上等兵「鉄仮面被っとこ」

兵士「早いよまだ」
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勇者「う~...」イジイジ

エルフ「なーにいじけとるか」

賢者「こりゃ重症だね、彼が出発してからこれだもの...しかし見送りに行かせないってのはちょっと厳しくない?」

エルフ「いいや、こやつはまた何しでかすか分かった物じゃない...兵士に会わせたら次はメンヘラになってしまうぞ」

僧侶「うーん...それは困りますね...」

戦士「この時間だと兵士の野郎がいる部隊は、今頃はもう山岳地帯じゃねーか?」

賢者「あそこらも東国の山賊が出没しているらしいね先導した部隊が痛め付けられたって...」

勇者「え?!山賊が?!」

エルフ「出ない!出ない!ノー山賊!」

エルフ「まったく、君たちは油断も隙もあった物じゃない...」

賢者「発言には気をつけないとね~」

僧侶「まぁ彼なら大丈夫ですよ、あの戦士様でさえも、もう二度と決闘したくないって言ってましたもの」

賢者「でも、少し心配だなぁ」

勇者「...」

エルフ「はぁ...先が思いやられるな...」
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「ウギャアアアアア!!!!っも!!燃えるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」ブオン!!ブオン!!

隊長「おい!布、布!!」

「はい!!」バサッ!バサッ!!!

曹長「くっそっ!!どっから投げられた!!」

兵士「崖の上からです!!」

少尉「東の公国の最新兵器、火焔壷か...やはり東国の正規軍も一つ噛んでますね」

上等兵「まだ来るぞ!!」

パリンッ!! ブオオッ!!

兵士「ええい卑怯者め!!この中に肩に自信のある奴!!」

「遠投80m!!」

「砲丸投げ14m!!」

兵士「十分だ!隊長!!いいですか?!」

隊長「決めろよ」

兵士「はい!!次の投げ込みで決めます!みんな!布を広げて!投げられた壷を取ってくれ!」

「「「「おう!!!」」」」

上等兵「来たぞ!!!」

ヒュウウウウウウ... ヒュウウウウウウ....

兵士「取れ!!」ガバッ

「おしっ!上手くいったぜ!!」

兵士「ぶん投げろォォォオ!!」

「おうよ!!」ブウウンッ!!!

「ウラアアアアア!!!!!!」ブウウウウウウンッ!!!

ガシャーンッ!! ナゲカエサレタ!!ウワアアアアアモエルウウウウウウ...

隊長「被害状況は?」

少尉「っは、四名が重軽傷を負っています、戦闘はできないでしょう...」

隊長「分かった、要塞まで連れて行き治療を頼もう、しかしもう仕掛けてくるとは...」

少尉「山岳地帯の迂回は...」

隊長「迂回したら三日は掛かる、要塞歩兵が不足している状況では一日も無駄には出来ない、怪我人もちるからな...各隊警戒を怠らず縦隊で前進!!」

「っは!!」

曹長「上も下もぜーんぶ見渡せよ!!どこに罠があるか分かったものじゃない!」

兵士「とんでもない仕事になるかもな~...」

上等兵「無事に帰れッかな~...」
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「移動中の部隊で早速怪我人だとよ」

「ほぉ、山賊か?」

「らしいぜ、先が思いやられるなぁ」


勇者「オオオオオオオオ...」

エルフ「彼が怪我をした訳ではない、あまり深く考えるな」

賢者「ていうかもうそこまで入り込まれているんだね」

戦士「だよなぁ、大将あたりに掛け合って俺らも...」
勇者「掛け合おう、今すぐに!」

エルフ「変なマネはよせ、大将にも面子がある、勇者一行頼りでは国の面目が立たん」

勇者「でも...兵士が...」

エルフ「彼なら大丈夫だろ、だって魔王と口論で渡り合っていた男だぞ?今頃、無茶な作戦を決行して敵を全滅させている頃だと思うがな」

賢者「え?口論してたの?魔王と?」

戦士「野朗何モンだよ」

勇者「でも大将と掛け合う位なら...いいよね?」

戦士「そろそろ置物じゃつまんねぇんだよ」

エルフ「しかしなぁ...」

僧侶「不安でしたら、エルフ様もご同行なされては如何でしょうか?」

賢者「まぁ...それならいいんじゃないかな?」

エルフ「う~ん...それなら...」

勇者「ッシャアイクゾオゴラア!!」

一同「?!?」
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兵士「ッハア...ッハア...」

上等兵「ふう、山の強行軍は疲れるな~おい」

兵士「...ッハア、山岳育ちは余裕だな...」

上等兵「ったりめぇだ、山岳地帯の行進は慣れているぜ」

曹長「そんなモンかよ...ハアハア...」

隊長「おいてめえ暇ならこれ持てや...!」

上等兵「あぁ軽いもんすよこれ、もっこよりも軽いっすよ」

兵士「上等兵の奴まさか登山が得意とは...」ッザッザッザ

曹長「俺も最初はびっくりだったぜ...ッハアッハア...」

上等兵「♪~」

隊長「少尉、いまどこら辺だ?」

少尉「えぇっと..お、そろそろ山岳地帯を抜けそうです、後は平野をしばらく歩けば
もう要塞ですよ」

隊長「よーし...いっちょがんばっかなぁ...」ッザッザッザ

そして...

隊長「山岳地帯は抜けられたな、今日は途中による村の詰め所で宿泊するぞ」

兵士「この街道を歩いていると言う事は...自分の村に泊まるんですか?」

曹長「そうだ、宿泊ついでに顔出しとけ」

兵士「あぁ~何話そうかな~」

上等兵「隊長、おなかすきました」

隊長「もうすぐで付くから我慢せいや」

曹長「要塞に付けば幾らでも食えるから安心しろ」

曹長「...ん?ありゃぁ...」

兵士「煙...村が燃えているのか...?」

隊長「くっそ!急げ!!」ッタッタッタ

上等兵「兵士!!ボケッとしてないで行くぞ!!」ッダダ

兵士「あ...あぁ...」ッダダ

曹長「各員密集せずに離れて行動せよ!!」

「「「「はいっ!!」」」」

『兵士の村』
ボオオオオオオオ...
「村民諸君!無駄な抵抗はやめて、武器を捨てて出て来なさい、我々の指揮官は慈悲深く、君達を痛めつける様な事はしたくないと、仰せられている!」

「5分時間をやる!それまでに出て来なければこの女性と子供達の命は保障できない!」

「あんたぁ!助けてぇ!」

「父ちゃん!怖いよ!!」


「くっそ、おっかぁを人質にとるたぁ...!!」

「っで、出ようぜ...あぁ言ってるのなら殺しはしないだろ!」

「しかし隣村はでても殺されたらしいぞ?!」

「現場見てねえなら確かじゃねぇだろ!」


「ふん、もういいな、ヤれ」

「っは...」チャキン...

隊長「んの外道共がぁ!!!」

「?!」

「な、もう応援が来たのか?!」

曹長「その短剣を捨てろ、そして地面に伏せろ、早く!!!」

兵士「村の住人を解放しろ!!」

「っく、クッソ!!応援を!」


少尉「村は我が隊が包囲している、援軍はもう呼べんぞ」


「ッヒ...っこ、降参だ...」

「お、おい!降参したら東国の正規軍に...」

隊長「安心しろ、おまえらの雇い主が粛清せずとも、俺ら直々におまえらを殺す」


上等兵「住人の解放終わりました!!」

曹長「兵士家族んとこ行ってやれ、多分怖がってるだろうぜ」

兵士「っは、はい」ッタタ


上等兵「住人から聞きましたが村民の半数は郊外へ逃げたそうですよ」

曹長「はぁ?マジかよ...そりゃちょっとヤバイな...」

隊長「そりゃイカンな...小隊を村の周辺の捜索にあたらせろ、住民を発見した場合は怪我人の有無を確認し村へ連れてこい」

「「「っは!!」」」

兵士「姉さん!みんな!!」

「お前の家族なら村の郊外へ逃げたぞ」

「あぁ、要塞の方面へ行ったぜ」

「大丈夫かねぇ」

兵士「あぁ...ありがとうございます」

「山賊を率いた東国の軍隊が方々にちらばっとる...捕まってないと良いが」

隊長「ふざけるな!住人をココに置いていけと言うのか?!」

『首都では東国の正規軍も戦闘に加わってる影響で厳戒態勢に入っている、追加の命令がない限り今は一つの小隊も動かせない』

隊長「この地方で暮らしているかねてから住人は山賊と正規軍の恐怖に怯えて過ごしてたんだぞ?!それで今日襲われたんだ!!せめて要塞に収容させろ!!」

『それは出来ない、住人の中にスパイがいるかも知れない、要塞の中から破壊させる気か』

隊長「くそが!!もういい切れ!」

少尉「っは」チンッ

隊長「一体どうすれば...」
_
__

__
_
姫「...どう言う事か説明してくれる?」

参謀「っは、東方の要塞へ移動中の隊が住人の防衛の為に大隊の増援をと抜かして...」

姫「...増援を向かわせなさい、足りない戦力は西方の要塞から引き抜いて」

参謀「っし、しかしそれでは西方の要塞の守備が...」

姫「今は敵が居ない西を守ってどうするの?第一の目標は住人の安全の確保、いい?」

参謀「いやあのですねぇ...!」

姫「早くしなさい”!!大事な国民をこれ以上殺す気?!」

参謀「...承知しました」ツカツカ...

バタンッ!!
「っへ...傀儡の小娘が...」

「どうするよ?西方の要塞から兵を出すか?」

「いや、増援はいらないだろう...これから姫君には情報は漏らすな?面倒だ」


姫「丸聞こえ...参謀の腐敗っぷりはここまで来ていたのね

大将「クソが...大変申し訳ありません...ちと参謀を信頼し過ぎた、参謀長は信頼が出来ます、一声かけて中の人事を一新させます」

姫「そうして頂戴...あとあの参謀は島流し」

大将「っは」

コンコン

姫「はぁ...どうぞ」

勇者「姫、話は聞いた」

姫「勇者...貴方達は関わらないと...」

勇者「状況は芳しくない様子だ、大将から聞いた」

姫「それで...どうするの?」

勇者「僕達は山賊を討伐する、正規軍の討伐は派遣されている部隊に任せる」

姫「...そうね...全部あなたに任せたら、えこ贔屓する世界の英雄じゃなくなっちゃうものね」

勇者「全部やってあげたいよ、本当は」

姫「彼の事が心配なのね...」

勇者「...あぁ、とても心配だ」

姫「それなら...仲直りしなさいよちゃんと」

勇者「うん、ちゃんと謝ってくる」
_
__

__
_
曹長「残された住人はどうなります!?クーデタ軍に皆殺しさせられるのがオチだぞ!なぁ頼むよ同期の好だろ!通信隊の弱み喋べっぞ!!」

『バカやめろお前!俺だって増援を出してやりてえが参謀連中が聞かねぇんだよ!!首都はいま厳戒態勢で兵の増援は出来ないって!!』

曹長「ならどうすれば?!」

『住民は置いて...ちょっと待て...はぁ...はぁ...!はい分かりました!!ありがとうございます大将殿!!』

曹長「...なんだ」

『いいニュースだ!勇者一行と二個大隊がそちらに向かっている』

曹長「勇者...様がだと?」

『あぁ、あくまでも山賊討伐だぞ?正規軍はお前らがヤれって、遅くても明日の昼に到着する、それまでは村に待機せよとの命令だ』

曹長「あぁ...分かった...さっきはすまん」

『俺もすまなかったよ、通信終了』

曹長「イイッヤッホオオオオオオオオオ!!!!!!!」

上等兵「うえい!?どうなされました?」

隊長「あかん...曹長がイカれてもうた」

曹長「二個大隊の増援と、勇者御一行が山賊討伐の為こちらに向かってくれています!到着は明日の昼と!」

少尉「それは朗報だな!」

隊長「よぉし、これで参謀の気にくわねえ声を聞かなくて済むぜ」

兵士「勇者様が...」

上等兵「いや~これで勝ち戦だべ」

曹長「はぁ~...これで安心して寝られる...」

隊長「あぁ、誰の差金かしらねえが感謝しねえとなぁ」

兵士「後は要塞に移動するだけですね」

隊長「あぁ、ようやっと動けるぜ」

上等兵「要塞に行く前にまだ村人探さねえと」

兵士「あぁ、今夜見て回るつもりだ」

上等兵「俺も一緒に探すぜ」

隊長「そうだった...住民が正規軍ならまだしも、山賊に捕まったら大事だ...」

少尉「であれば話は早い、我々もすぐ捜索いたしましょう」

隊長「よし、少数は村に残り他の部隊で捜索しよう、文句無いな?」

「「「「はい!!」」」」

僧侶「ッハア...ッハア...」

賢者「ちょっと...大丈夫?」

僧侶「っは、はい...」

戦士「ふう~...いい加減疲れたぜ...兵士がいる部隊はこの山を一日で越えたんだな」

勇者「あぁ、やっぱ彼らは山の強行軍に慣れているんだろうね...」

「っはっはっは、先に行きますよ~!」

戦士「くっそ~後で追いついてやっからな~!」

僧侶「ふぅ...少し楽になりました」

勇者「ホントに大丈夫か?」

賢者「僧侶は無茶し過ぎる所があるからね...」

戦士「よぉ~し...行くぞ~...」


「おい...山賊の死体だ、目障りだカンバス掛けとけ、埋葬は後続の部隊に任せとこう」

「っは」


エルフ「兵士の部隊がやったんだろうな」

戦士「だろうぜ、補給部隊からカッパラッた武器を持ってるなぁ...僧侶、お祈りでもしといてやれば?」

僧侶「はい...」
_
__

__
_
曹長「何か見えるか~?」

上等兵「人っ子一人見えませんね~ホントに援軍くるんすか?」

曹長「ばっか野郎お前~、俺は通信の聞き損じをした事は一回もねえぜ?」

隊長「新兵の時期に何度かヤらかかしただろうが」

上等兵「ですって」

隊長「お前ほど聞き損じはないがな」

上等兵「隊長!あっ!!先遣隊が見えました!!勇者御一行もおられる様子です!」

隊長「っしゃあ出迎えだ、木から降りろオラァ!座が高い!!」

上等兵「ひえ~」

「いや~遅れて申し訳ない!」

隊長「っはっは、十分くらいどうって事ねえよ、落伍者は?」

「一人もねえよ、運がよかった」

隊長「そりゃ良かった、ちょっと勇者様に挨拶してくるわ」

「おうよ」

勇者「...」キョロキョロ

隊長「勇者様、こんな所までわざわざお疲れ様です!」

勇者「あ...っど、どうも...」

隊長「兵士なら住人の挨拶にあ、ここが兵士の地元なんですよ。そろそろ戻る頃合でしょう...上等兵!兵士が戻ってきたらいの一番に勇者様の前へ差し出せ!」

上等兵「了解!!」

僧侶「東国軍の兵は今どのあたりに...」

隊長「東国軍と言うよりも、今は山賊ですな、それがまだ分からないのです、ここいら周辺って事は分かってんですが...」

「おいおい何だよ!!」

上等兵「いいっから来い!!」ポイッズドンッ
兵士「ってて...何しやがる!!」

勇者「っへ...いし...」

兵士「ウオッ!な、何で来たんですか?!」

賢者「っや」

戦士「状況はよろしくないようだな?え?」

兵士「ちょ、ちょいとこっちへ...」

エルフ「はい...」

兵士(どう言う事か一から説明しろ!!)

エルフ(あ、あたしは最初はしかし姫が山賊討伐ならってGOサイン出しちゃってさ!)

兵士(ええいこんちくしょう!とっても気まずいじゃねえかよ!)

勇者「ずっと会えなかったから...寂しかったんだよ?」トコトコ

兵士「っま、まだ二日くらいでしょう?っさ、流石にこらえ性が何で近づいてくるんです...んえ
チュウウウウウウウ...

勇者「ンッ...レロ...///」ッチュパ

兵士「」


エルフ「」

賢者「ウワア...///」

戦士「ウッヒャッヒャッヒャ!!!!大胆だなぁおい!」

僧侶「ハワワワ...///」


勇者「ンチュ...ップハ、ンムッ...///」

兵士「...ッハ ええい!!っや、やめて下さい///!!」

勇者「ハア...ハア...」ズイッ
兵士「おおお落ち着けって!!あ、そうだ!赤ちゃんできるって!」

「出来るわけねぇだろバーカ!」

兵士「っだ、黙っといて!」
勇者「出来ないのはもう知ってる...エルフに教えてもらった...僕...兵士に嫌われたら...ウック...ヒック...」


上等兵「兵士の奴ってば隅に置けませんね~」

曹長「皆の前でやらんでくれるかなぁ...」

隊長「う~む、さっさと要塞へ行きたいんだがこれも見たい」

上等兵「勇者一行といきましょうよ、楽しそうだ」

少尉「ですね、上等兵の案が得策かと」

隊長「だな...ではこの空気のなかどうやって話しかけるかだ」

兵士「った、隊長...どうすれば」

曹長「お、自分から掛かってくれたぜ」

上等兵「ナイスタイミング」

兵士「な、何が?」

隊長「あー...勇者様、我が隊はその兵士を含め要塞へ今から移動せにゃなら無いんですよ、村人も連れて行きますから...
勇者「では僕も行こう!」

隊長「話が早くて何よりです、んじゃ行くぞ」

曹長「はい!よしお前ら立て!出発だ!」

「「う~い」」ゾロゾロ

兵士「え?え?ちょ」

勇者「では要塞へ行こうか」ッズン

兵士「っひ、引っ張らないで!ちょいエルフ!!何とか!」

エルフ「いや、これもう無理だと思う」

兵士「諦めんなよぉ!これじゃあ計画がオジャンだ!畜生!」

僧侶「え?もう出発ですか...」

賢者「どうやら僕らも行くみたいだね...はぁ...」ヨイショッ

戦士「ッシャアもう一踏ん張りか~僧侶頑張れよー」トコトコ

僧侶「ちょ、ちょっと待ってください...荷物が重くて...」

上等兵「おんや?大丈夫ですか?」

僧侶「あ...はい大丈夫です...えへへ...荷物を持って来すぎちゃって....ンショ...お、重い」

上等兵「こんな大荷物持って行軍してたんですか?貰いましょう、うわ重いなぁ、ガッツありますね~...ヨイショッ」

僧侶「あ...すみません...」

上等兵「いえいえ、荷物もちが取り得なので...早く行かないとお仲間においてかれますよ?」

僧侶「あ、はい...」

上等兵「♪~...?」

僧侶「...」トコトコ

上等兵「...先に行かないんですか?」

僧侶「に、荷物を持って下さってるので...先に行くのはちょっと...」

上等兵「そんな事気にしなくてもいいっすよ」

僧侶「でも...心配なので...」

上等兵(そんな大層な物がこん中に入ってんのか...落としたら割れるかな)

上等兵「いいえ、一所懸命に運ばさせて頂きます、中身の安全は保障しますよ」

僧侶「っそ、そんな事では...!」

曹長「お?お前が荷物もちとは珍しいな」

上等兵「先日隊長に荷物もちさせられてたでしょ!」

曹長「っはっはっは、そうだったかなぁ~、では若いもん同士...」スタコラ

上等兵「ちっくしょ~帰ったら奥さんに言い付けてやるぞ~」

僧侶「この隊はみなさん仲が良いのですね」

上等兵「はい、皆何度も死線を一緒に越えてきた仲ですしね~!しかもこの隊に入ったら最期嫌でも曹長の酔っ払いに付き合わんと生きて帰れない」

僧侶「っふふ...面白い方ばかりなのですね」

上等兵「中でも兵士ってばめちゃくちゃ運がいい奴ですよ、今でもホラ、美人の姉さんと美少年に囲まれちゃってまぁ、しかし男同士のキスだったのに...」

僧侶(少年...?あ、勇者様の事ですね...話さらさないと...)

僧侶「じょ、上等兵さんはどちらのお生まれですか?」

上等兵「自分?自分は大陸の西の生まれでしてねぇ、山と海に囲まれて静かでいい所ですよ~」

僧侶「へぇ...いつか行ってみたいなぁ」

上等兵「まぁ交通の便はアホみたいに悪いんですけどね」


兵士「あ、歩きにくいんで...離れて下さいよ」

勇者「酔っ払った僕を部屋に連れ込み唇を奪ったのによくそんな事が言えるな!!」

エルフ「あぁ、リップクリーム渡すか渡さんか悩んでたやつか」

兵士「起きてたんすか?!ねぇ!」


上等兵「元気なやっちゃなあいつは」

僧侶「勇者様も元気そうで何よりです」

上等兵「そ言えば、僧侶さんの生まれはどちらで?」

僧侶「私は大陸の南にある小さな村で生まれました、勇者様も同じ村ですよ」

上等兵「へ~幼馴染なんすね~」

上等兵(ふうん、僧侶さんと勇者さんが幼馴染√に入らなかったお陰で今の兵士√があるのか...これは興味深い)

僧侶「?」

上等兵「幼馴染かぁ~自分の故郷にも幼馴染がいましてねぇ、昔は弟と幼馴染とで一緒に遊んだなぁ...弟もそれがまた人形みたく可愛くってまあ婿に出したくない程でしてねぇ」

僧侶「...」ポカーン

上等兵「幼馴染も別の村の男子によく告白されてましてねぇ、毎日がドキドキの連続でしたよホントっはっはっは」

上等兵「でも俺、帰ったら幼馴染と弟とで結婚するんだ」

「っや、やめろぉ!!」

上等兵「あ...熱く語りすぎ?」

僧侶「ッ...」プルプル

上等兵「おーい...?これ引かれた?」

僧侶「ップ...ウフフッ...ンフフフッ...」

上等兵(何かが壷に入ったらしい)

僧侶「ッフウ...上等兵さんも面白い方ですね...?」

上等兵「そうですか?」

僧侶「はい…ウフフッ…」

上等兵(うーん可愛E…おっといかんいかん…俺には幼馴染と弟が…)


兵士「はぁ~…もうどうでもよくなって来た…」

エルフ「最初から難しく考え過ぎなんだよ、さぁ肩の力を抜いて」

兵士「うるせぇ!こちとら気まずい思いしてんのにお前ときたら!」
__
____

__
_
『東の要塞』

「投石器用の麻縄結っとけ!もう時間無いぞ!」

「タール詰めた樽はどこに置けば?!」

「んなもん火の気の無いとこに置いとけ!」
ワー ワー

隊長「なにやら慌しいな」

守備隊長「お!増援部隊か?!」

隊長「あぁ、今着いたところだ」

大隊長「いやー!運が良かったなぁ、あと一日早く着いてたら山賊の大所帯と交戦する所だったぜ!っささ、今のうちに休憩しといてくれ!いつ敵が来るか分かったもんじゃねえ」

隊長「それはありがたいが...被害の方は?」

大隊長「あぁ、20人戦死で15人が重軽傷...少将の奴、着任してから、最初の小競り合いでチキりあげて一切顔出しやしねぇ...連れてきた部隊が役に立つ部隊でまだ良かったが」

隊長「おいおい状況は芳しくねえな」

大隊長「あぁ、我が方は劣勢も劣勢、第二次総攻撃なんか食らったら十分持つ自信なんか無かったぜ」

大隊長「なぁ、後ろに居るのって」

隊長「あぁ、勇者ご一行だ、山賊討伐で来て下さった」


勇者「もう...兵士は僕の後ろについていればいいんだよ?」

兵士「ええイ!バカ言わんで下さい!僕もう行きますからね!」

賢者「勇者、他の人にも迷惑かけるからもうやめなよ」

エルフ「まぁ今更だがな」


大隊長「いやぁ勇者様一行も元気だねぇ!増援軍もアレだけ元気ならウチの守備隊の士気も上がるってもんだ!っはっはっは!!」

隊長「おめえも元気じゃねえかよ」

曹長「隊長、部隊の全員が作業の手伝いをしたいと」

上等兵「ふう~ここに置いても大丈夫です?」

僧侶「はい、本当にありがとうございました...」

上等兵「いえいえ、いいんすよ別に...んじゃ俺行きますわ」

僧侶「はい、ありがとうございます!この御恩は...」


兵士「ひい~...やっと抜け出せた...」

上等兵「お前もようやるなぁ」

兵士「ならもうちょっと労わってくれよ...くっそ~...勇者様の事気になってしょうがねえじゃんか...」

上等兵「君それ恋やで」

曹長「はいはいサボってないで物資運ぶぞ」
_
__

__
_
「作業終了!!ご協力感謝いたします!」

隊長「とりあえずこれで攻撃に対処できるな、行軍した後の作業で疲れたろう、休んでもいいぞ」

上等兵「ふぅ~...ツッかれた~!」

兵士「タール弄ってたお陰で手がべとべとだよ...」

曹長「ご苦労さん、あと上等兵よぉ後続隊が手紙持ってきたぜ、弟さんからだ」ッス

上等兵「え?!あいつからですかい?!ウホホ!」

__________________________________

お兄ちゃんが兵隊へ行ってもう4年たちました、お体に変わりはありませんか?
母も父も、勿論僕もとても心配しています。
さて、本題に入りますが夏明けに僕と幼馴染さんとの結婚式を挙げる事になりました
まだ手紙で詳しくは書けていなかったので馴れ初めを書いておきます。
お兄ちゃんが兵隊になった後、幼馴染さんはとても心配してました、幼馴染さんは
お兄ちゃんの事がちょっと気になっていたみたいで僕も二人の中を応援しようかと
意気込んだのですが。。。

。。。どうも幼馴染さんと一緒に過ごしている間に僕らの間で恋愛感情が生まれた訳で、お兄ちゃんが兵隊へ行った年のうちに交際、そして僕の就職内定が決まり次第、結婚式を挙げようと約束しました。
前の手紙でも書いた通り、今年僕は村の近くにある街の大手金融機関から無事内定を貰えたので、今年の夏明けに幼馴染さんと結婚式を挙げようと決意した次第です。詳しくはまた送りますので楽しみにしててください。                   返信不要
_____________________________________________________

上等兵「」

兵士「」

曹長「」

隊長「」

上等兵「」


曹長「恋愛に対して優柔不断なのが仇になったなぁ...」ヒソヒソ

隊長「まさか最愛の弟に寝取られるとはな」ヒソヒソ

兵士「まだ交際にもいけて無いのでただの片思いですよ」ヒソヒソ


上等兵「」

兵士「なぁ...まぁアレだな...」

上等兵「ン...」

兵士「ん?」

曹長「お、おい...大丈夫か?」

上等兵「ンホオオオオオオオオオオオオ!!!!!!バカにナリュウウウウウウウウウウ!!!!!!」ガバッ!!!!

兵士「おっ!おい落ち着け!!お前はもうバカだ!!っそ、曹長!助けて!!」

曹長「うわ、こりゃ凄い」

上等兵「ンホオオオオオオオオオオオ!!!!!!冥府へイグウウウウウウウウウ!!!!!」

兵士「っお、俺を!巻き込むな阿呆が!!離せ!!」

勇者「っへ...兵士...?ウソ...」

賢者「...っほ、ホモだったの?」ッサ

戦士「ありゃりゃ...」ッサ

僧侶「っれ、恋愛に性別はございませんし...」

エルフ「おいおいマジかよ」

兵士「おい!尻隠すな!」

上等兵「アヘエエエ」

曹長「落ち着けバカもんが!!!!」ポカッ

上等兵「ッハ?!俺は一体...ん?この字は...弟?!」

隊長「っみ、見せるな!破り捨てろ!」

少尉「はい」ボオオオ 

上等兵「アアアア弟の手紙が消し炭に!」

兵士「いいか?お前は今何も見ていなかった、いいか?何も見ていなかった」

上等兵「お、おう...?」

そして

上等兵「実はさ...ちょっと分かってたんだ...最近弟と幼馴染がいい関係になってるの、弟との手紙のやり取りでさぁ、でも...油断してたわ...」

兵士「へぇ...」

上等兵「昔さ、幼馴染が俺に『大人になったら結婚しようね!』って言ってくれたの...
あいつまだ覚えてやがってさ...俺も(あ~いつか幼馴染と結婚するんだろうな)って思ってたのよ...」

兵士「...」

上等兵「で、それもあってか...何か油断してたんだろうな~...出征前に幼馴染が俺に『待ってるから』って言ってくれたんだけど...
俺ってばその時は兵隊に行くってんでテンション上がってて適当に話流しちゃったんだわ...「あーはいはい、気長に待ってて」
ってさ...」

兵士「...」

上等兵「その時の...あいつの顔ったらさぁ...何かを諦めて達観したような...すべてが吹っ切れたような顔してて...馬車に乗った後に
事の重大さに気づいて...手紙だしまくってたんだけど...」

上等兵「三十通目くらいかな?その内容が『無理して手紙を出す必要はありません』って、何かこう...他人行儀で書かれててさ...」

上等兵「それで俺もバカだからさ...面倒になってたし出さなくなったのよ、手紙」

兵士「...」

上等兵「したらこれだよ」

兵士「お前...クズだな」

上等兵「だろ...?笑っちゃうぜ」

兵士「ハア~...どうすんだ」

上等兵「どうしよ」

兵士「もう諦めろ...としか言いようがない、いやなら二人の結婚式をぶち壊すか?」

上等兵「いや...大切な幼馴染と弟の結婚式だ...俺は祝福するよ...うん」

兵士「う~ん...もう一回幼馴染に手紙出しとけば?それでもう終いにしろよ」

上等兵「そうだな...なんて書こうかなぁ...」

兵士「自分で考えろホモ」

上等兵「う~ん...」

兵士「じゃあ俺もう寝るからな」トコトコ


上等兵「こりゃ参りましたなぁ...幼馴染の写真見てたら涙出てキソーッス」


僧侶「あの...」

上等兵「ん?あぁ...僧侶さん」

僧侶「もう大丈夫ですか?」

上等兵「え、えぇ...何とか...ウン...」

僧侶「本当に?」

上等兵「っほ、ホントですよ?俺はポジティブなのが売りですから...」

僧侶「ウソ、とても辛そうな顔してますよ?」

上等兵「っそ、そうですかねぇ...」

僧侶「その方が...とても好きな方だったのですね」

上等兵「え...あぁ...そうっすね...」

上等兵「僧侶さん...ちょ、ちょっと自分本音いいっすか...?」

僧侶「えぇ...どうぞ」

上等兵「これホントに俺が悪いんすかぁ?いや、確かに蔑ろにしてたのはイカンですが幼馴染ってば流石に諦め早く無いっスカこれ」

僧侶「どうぞ続けてください...」ッス

上等兵「いや昔した結婚の約束をこの歳まで覚えていてですよ?それを出征の時に持ち出して...勝手に自分で完結してしかも俺はずっと結婚するって言って来たのにあのタイミングで持ち出して来て...人も一杯いるのに...真剣に答えれる訳が...ウウッ...」

僧侶「...」ナデナデ

上等兵「ずっと一緒に居たなら俺の性格もッグス...分かる筈でしょうに...ヒッグ...」

僧侶「ここで吐き出して...ずっと...全て聞いてますから...」ナデナデ

上等兵「冗談じゃぁねえよぉ...何が少し気になっていただよぉ...めっちゃ諦めてた顔してたじゃんかよオ...」

僧侶「...」

上等兵「あいつね、小学校の時も中学の時も...他の男達がいるグループに出入りしてたんすよ...?んで「仲いいんだな」って言ったら『ずっと見てるのは上等兵君だけだよ』って、もうね、アホかと、バカかと...ちょっと問い詰めてみたら『嫉妬してるの?』って...当たり前だろうがよぉ...」

僧侶「...お手紙はお書きになられるのですか?」

上等兵「え~書きますとも...くたばる前に目一杯幼馴染ちゃんの愚痴書いてやる...」

僧侶「いい心がけです、でも死ぬなんて言われたら私悲しいです...」

上等兵「あ、すみません死にません...あっ~...ッスっきりしたぁ~!」

僧侶「よかった...」

上等兵「手紙は時間が出来たときにでも書くかなぁ...」
_
__

__
_

上等兵「...」サラサラ
_________________________________________________
拝啓 幼馴染さん
そちらは初夏の梅雨も過ぎいよいよ夏本番に入るといった所でしょうか。しかし東の地方は肌寒いです、本題に入らさせて頂きます。
結婚の話は弟から聞きました、ご結婚おめでとう御座います。
大変に喜ばしく思う一方で、出遅れたよ畜生と思うのも正直な話、出征前に貴方には沢山の迷惑をお掛けしたことをここで謝罪します。
大切な弟と貴方が人生を一緒に過ごされるので特に心配事はありません...ですが弟の寝癖の悪さはどうにか治して出征しようと思ったのですがこれが中々に手強く治せませんでしたので就寝の際は注意して欲しいです。
で、僕は今少し危険な所で仕事しています、あまり考えたくはありませんが僕が死亡した場合は弔慰金が遺族に支給されます、私の両親は居ませんので弟に弔慰金を渡すように手続きをしました。弟と二人で将来生まれる子供さんの為に使って下さい、余り暇な時間が無いのでココまでとさせて頂きます。いっぱい書きたいことはありますが何か疲れたのでやめときます

返信不要
_________________________________________________

上等兵「...ふう、こんなもんか」

兵士「終わったか?」

上等兵「あぁ、綺麗さっぱり」

兵士「しっかしまぁスッキリした様な顔しちゃって...そろそろ休憩時間も終わりだから行くか」

上等兵「おうよ」

『大休憩終了!各自作業に戻れ!』
_
__

__
_
「山賊はこの地方に散らばっている雑木林の中に陣を張っている様子です」

隊長「ここから一番近い陣地は?」

「はい、こちらの要塞の正門から見下ろして...あそこです、あそこの雑木林に先日の総攻撃の際、撤退した残党が残っています、正規軍の高級将校も見受けられました」

隊長「そうか...ご苦労、休息に行ってもいいぞ」

「っは...ですが自分は味方の作業を手伝って参ります、では」

隊長「...すまない」

大隊長「あの雑木林はギリギリ射程内だな、しゃにむに火炎樽でもお見舞いするか?」

隊長「いや...ただの野焼きになっちまうからダメだ...」

大隊長「しかしなぁ...

隊長「そうだな...少尉!賢者様を呼んできてくれ」

少尉「っは」

そして
賢者「あの雑木林に?簡単だよ」

隊長「それでは早速かまして貰えませんか?」

賢者「ココに着てから一発も打ててなかったからねぇ~...腕が鳴るよ」

戦士「おぉ、久々に賢者の魔法が見れるぜ」

勇者「要塞を巻き込まないようにね」

賢者「分かってるよ~...ッフー...」

賢者「дэлбэрэх аюултай шидэт!!!」

キュイイイイイイイイインンン...
ズドン!!!!!!!!ズドンッ!!ズドンッッッ!!!!
ワー!! マホウコウゲキダー!!

大隊長「おぉ...雑木林諸共吹き飛ばした...」

隊長「あの賢者様...とうの昔に滅びた賢者一族の末裔か」

大隊長「滅んだ賢者...あぁ、かつての北西大陸戦争で、敵国の王都を大陸諸共消し飛ばしたって言う?」

隊長「あぁ...これはとてつもない戦力になるぞ...」

少将「いや~...素晴らしい魔法でした...」パチパチ

賢者「そうかな?60点くらいだよ...てかいたの?」

戦士「いつもなら雑木林から500m以内を吹き飛ばしてもんな~」


上等兵「めっちゃ煙たいんだが...」

兵士「さぁてどっかのバカが火遊びでもしたんじゃねえの?」

賢者「そのバカは...もしかして僕の事?」

兵士「ん?」
キイエエエエエエエ
_
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