【モバマス】森久保乃々「もりくぼにバブみを感じてオギャる……?」 (34)

乃々「なんですかそれ……」


乃々「え……? はい、はい……」


乃々「えええぇぇ……? プロデューサーさん、それって……つまり、その……」


乃々「も、もりくぼに母性を求めて甘えたい、とか、そういう感じなんですか……?」

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乃々「私なんかに、母性を求められても……そんなの、全然ないですし……」


乃々「それに……どうして私なんですか……? もっと包容力のある人は、他にもいると思いますけど……」


乃々「もりくぼには荷が重すぎます……」


乃々「むーりぃー……」

乃々「え……? 無理言って悪かった、ですか?」


乃々「てっきり、いつも見たいにぐいぐい来るのかと……」


乃々「これは仕事じゃないから、って、まあそうですけど……」


乃々「あ、もう行っちゃうんですか……? はい……お疲れ様でした……」


乃々「…………」


乃々「……………………あ……」


乃々「あの……ま、待ってください」

乃々「そ、その、保証はできないんですけど……」


乃々「私、まだ14歳で、何も知らないですし……」


乃々「甘えられた事なんて一度もないですし……がっかりさせちゃうかもしれませんけど……」


乃々「でも、もしも、プロデューサーさんが……本当にしたいんでしたら、その、うう……」




乃々「も、もりくぼに、甘えても……いいですよ……?」

乃々「はい……じゃあ、どうしましょうか……? 甘えたいって、具体的にどういう……」


乃々「えっ、ええぇぇぇ……抱きしめてほしいんですか……?///」


乃々「うう……誰かを抱きしめた事も、一度もないんですけど……」


乃々「……けど、やるって言っちゃいましたし……」


乃々「や、やって、みます……ね……?///」

乃々「プロデューサーさんは、椅子に座ってもらって……」


乃々「それで、私が足の間に立ちます……」


乃々「では……どうぞ、来てください……//////」

乃々「っ……」ギュ


乃々「お、おなかが……じんわり……///」

乃々「あ、その……自分から言っておいて、あれなんですけど……」


乃々「私の身体は、小枝みたいなものですし……あんまり、触ってても楽しくないかもしれません…………」


乃々「え? あ、えっと、そうなんですか……? そうなんですか…………」


乃々「じゃあ……もうしばらく、このままで……」


乃々「…………ふふ」

乃々「……なんだか、プロデューサーさんの体温を感じていると、少し安心します……」


乃々「プロデューサーさんもですか……? あ、でも私、体温低い方ですし……ひんやりさせてしまってたりとかは……」


乃々「ちゃんと温かい、ですか……よかったです……。もりくぼにも、人としての温かみがあったんですね……」


乃々「そりゃそうだろ、って…………ま、まあそうですけどぉ…………」


乃々「それでも、きちんとプロデューサーさんに温まって貰えるか、少し不安だったので…………あっ」

乃々「えっと、その、ひとつ思いついたんですけど……もう少し、プロデューサーさんとくっつく方法……」


乃々「頭を抱え込む形になってしまいますけど……その……」


乃々「私の方からも……しても、いいですか?」


乃々「お、おまかせですか……わかりました、そういう事なら……」


乃々「し、失礼します…………」


乃々「…………」ギュ

乃々「……」


乃々「…………」


乃々「………………」


乃々「…………」ギュ…


乃々「あっ…………」


乃々「…………ふふ」ギュッ

乃々「プロデューサーさんが、私のおなかに抱きついてて……」


乃々「私が、プロデューサーさんの頭を抱きしめてる……」


乃々「なんだか……すごく不思議な状況、ですね……」


乃々「不思議で……あったかい……」

乃々「……プロデューサーさんの髪の毛、かたいです……」サワサワ


乃々「これで普通くらい……? そうなんですか……」


乃々「私の髪は、もっとふにゃふにゃしてるので……やっぱり男の人の髪は、違うんですね……」


乃々「このちくちく感、新鮮です……」

乃々「…………」サワサワ


乃々「…………」ナデ…


乃々「あっ、すみません、つい撫でてしまって…………」


乃々「年下の娘が、プロデューサーさんを撫でるなんて……生意気な事をしてしまい…………え?」


乃々「…………い、いいんですか……?」


乃々「もりくぼに撫でられるの、嫌じゃないですか……?」


乃々「えっと、わかりました……そういう事でしたら、その……」


乃々「お、お邪魔します……?」


乃々「…………」ナデ…

乃々「よ、よーしよーし…………」ナデ…ナデ…


乃々「…………わわっ」


乃々「…………」


乃々「…………ふふ」


乃々「……はい、いいですよ……」


乃々「もりくぼでよければ、いくらでも抱きついていいですから……」ナデ…ナデ…

乃々「…………」ナデ…ナデ…


乃々「…………」ポン…ポン…


乃々「…………」ギュー…


乃々「…………ふふ」

乃々「…………」


乃々「…………あの、プロデューサーさん」


乃々「お仕事、つらいんですか……?」

乃々「今日のプロデューサーさん、いつもより疲れてるように見えました…………」


乃々「それも、何だか……いい疲れ方じゃなくて、よくない疲れ方をしているというか……そんな感じに……」


乃々「……なんでそう思ったのか、ですか……?」


乃々「…………えっと、ですね」

乃々「もりくぼも、そうなっちゃう時が、けっこうあるんです……」


乃々「初めての人に会うのが……怖い」


乃々「たくさんの人の前に立つのが……怖い」


乃々「もちろん、自分の世界というか……そういったものを広げられるアイドル活動は……嫌いなわけじゃないんです」


乃々「でも、その為には、知らない人にたくさん会わなきゃいけなくて……」


乃々「知らない人は、怖い人かもしれなくて…………そう考えると」


乃々「むーりぃー、ってなっちゃいます……」

乃々「それでですね……同じような雰囲気と言いますか……そんな空気を、プロデューサーさんから感じたんです……」


乃々「人付き合いに疲れちゃったような……そんな空気を……」


乃々「…………」


乃々「……だから、ですね」ナデ…


乃々「もしもプロデューサーさんも、むーりぃー、ってなっちゃってるなら……」ナデ…ナデ…


乃々「私でよければ、聞かせてくれませんか…………?」ナデ…

乃々「……………………はい……はい……」ナデ…


乃々「えぇぇ……? そんな方が、いたんですか…………」


乃々「それから…………はい…………それは、とっても大変だったのでは…………」ナデ…


乃々「……はい……それじゃあ、プロデューサーさんは……その時、とっても辛かったんですね…………」


乃々「たくさん、たくさん…………我慢したんですね…………頑張ったんですよね……」ナデ…


乃々「頑張ったら、疲れちゃいましたね…………」


乃々「プロデューサーさん、とってもすごいです…………」ポロッ

乃々「あ、ちが、違くてですね……その、この涙は、ですね……」ポロポロ


乃々「その、プロデューサーさんの話してくれた嫌な事を、想像してみたら……すごく、すごく、大変で……」ポロポロ


乃々「もりくぼだったら、3回は気絶してそうな、そんな体験を、されてて…………」ポロポロ


乃々「私が泣いちゃって、ごめんなさい…………で、でっ、でもっ……」ポロポロ


乃々「プ、プロデューサーさんっ、は、もっと辛かったんだと、思う、のでっ…………」ギュウッ


乃々「う、ううっ、うううっ…………」グスッ

乃々「辛かったですね……疲れちゃいましたよね……」ギューッ


乃々「お疲れ様です……本当に、お疲れ様です……」


乃々「大変だった事、私に打ち明けてくれて、ありがとうございます…………」


乃々「誰かの目線が怖いって気持ち、もりくぼには、よくわかります…………だから……」ナデ…ナデ…



乃々「私は、いつでもプロデューサーさんの味方ですからね…………」ギュッ…

────────
────

乃々「あ……お疲れ様です、プロデューサーさん……」


乃々「うう、今日もおしごと……ですよね……そうですよね……」


乃々「…………プロデューサーさんも、ちょっと気が進まないおしごとなんですか……?」


乃々「…………えぇぇ、前にお話してくれた、あの人がいるんですか……?」


乃々「それは……気が進みませんよね……。私もです……お会いしたことは、ありませんけど……」


乃々「どちらも行きたくないのなら、キャンセルという事には……はい、ならないですよね…………わかってました……」

乃々「…………じゃあ、それが終わって、帰ってきたら──」


乃々「──また『あれ』、しましょうか……」ニコリ


おわり

以上です
ありがとうございました
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