【艦これ】二人暮らしの大鳳さん (11)

【注意】
・艦これのSSです
・独自の設定や解釈有り
・更新は遅め

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1517632835

世界中の海に突如として現れた新たな脅威『深海棲艦』
制海権を奪われた人類の切り札として開発されたのが人型兵器、通称『艦娘』と呼ばれる存在である。
アメリカ、ロシア、イタリア、ドイツ、日本が中心となって開発された艦娘は、第二次世界対戦の艦艇を模して造られているものが大半だ。
その特殊性、人道的理由から世の中には存在は公表されていない。

各国が存在を隠したい理由は主に艦娘の建造方法にある。
基礎となる人間の遺伝子を採取、遺伝子組み換え等の最新技術を駆使し人工的に造られるのが現実だ。
しかし、無理に遺伝子を改造したことが仇となり、後に致命的な欠点が発覚した。
それは10年程で『艦娘』としての機能を失ってしまうというものだ。

日本の防衛省は対策のため、第000鎮守府を設立する。
いわゆる艦娘のに対する救済措置というものだ。
着任から10年以上経った艦娘達はここに配属され、ゆっくりと過ごす。

しかし現状として、第000鎮守府に配属させるより、その場で解体してしまった方が合理的とされている。
だから第000鎮守府に配属される艦娘は全く居なかった。
配属される前に解体されるからである。

これは第000鎮守府に着任した提督と、彼に解体寸前に拾われた装甲空母『大鳳』の話である・・・

2016年 4月1日
午前6時30分 晴れ

大鳳「・・・督」

大鳳「提督、起きて下さい」

提督「ん・・・」

大鳳「おはようございます。提督」

提督「大鳳か・・・、おはよう」

大鳳「私の他に誰がいるんですか。ほら、早く起きて下さい。朝食の用意は出来ていますから」

提督「あと30分だけ寝かしてくれ・・・」

大鳳「駄目です!前日もそう言ってなかなか起きてこなかったでしょう。だいたい提督は自覚が無さすぎです!艦が私しかいないとはゆえ・・・」

提督「分かった分かった、起きるよ」

大鳳「まったく・・・、そうやって一回でちゃんと起きてくれればいいんですけど・・・」

大鳳「今日の献立は白ご飯、だし巻き玉子、塩鮭、お味噌汁、トマトとキャベツのサラダです」

提督「おっ、美味そうだな」

大鳳「それと、朝刊です」

提督「ん、ありがとう」

大鳳「それでは・・・」

提督・大鳳「いただきます」



大鳳「提督、何かありますか?」

提督「んー、『泥沼化する戦争 米軍大規模作戦実行か』だってさ。あとは特に無いな」

大鳳「・・・どうなってしまうんでしょうか」

提督「それは俺にも分からないよ。・・・長期化しないといいんだがな」

大鳳「・・・」

提督「・・・」

大鳳「・・・そういえば珍しく書類が来ていましたよ」

提督「本当に珍しいな。何だろうか?」

大鳳「私も詳しくは見ていないのでよく分かりませんが・・・、速達ではありませんでしたよ」

提督「そうか」

提督・大鳳「ごちそうさまでした」

提督「片付け、手伝おうか」

大鳳「あっ、ありがとうございます」

ガチャガチャ

大鳳「提督が手伝ってくれると本当に助かります」

提督「まあ、いつも助けてもらっているからな」

大鳳「これからは毎日手伝ってくれてもいいんですよ?」

提督「こういうのは時々手伝うからこそいいんだ」

2016年 4月1日
午前7時10分 晴れ

提督「今さらこんな鎮守府に何の用だろうか?」

提督(作戦指示書はあり得ないし・・・、新しく配属される艦娘か?しかし、それもほぼあり得ないだろう)

提督(こんな戦争真っ只中で、そんな余裕はないだろう。政府が効率より艦娘を採るなんて・・・)

ビリッ

提督「・・・」

提督「・・・!?」



第000鎮守府 提督殿

防衛省より通達
これより許可のない者の回覧を固く禁ずる

第000鎮守府所属 識別番号588ー36 装甲空母大鳳

長期化する戦争による資源の枯渇問題対策として、上記の艦娘の『解体処分』を提案する。

提督(クソ野郎・・・。散々利用した挙げ句、この仕打ちか!?)

提督(艦娘は使い捨てカイロなんかじゃないんだっ!)

コンコン

大鳳「失礼します。・・・提督、どうかされましたか?」

提督「い、いや。何でもない」

提督(大鳳に言うわけにはいかないよな・・・)

大鳳「そういえばさっきの書類、どうでしたか?」

提督「いや、まだ見ていない。後で目を通しておくよ」

大鳳「そう言って、忘れないでくださいね。すぐ後回しにしては忘れるんだから」

2016年 4月1日
午前7時50分 晴れ

大鳳「提督、この後ってする事ありますか?」

提督「いや、特に無いが・・・」

大鳳「なら・・・、オセロしません?どうせお昼まで暇なんですし」

提督「よし、良いだろう。だが、手加減はしないぞ」

大鳳「この間角を3ヶ所も取られて頭下げたのは誰ですか?」クスッ

提督「・・・あれは手を抜いていただけだ」

大鳳「弱い人が言う台詞は誰も一緒なのね」

提督「オセロを教えたのは俺だぞ!」

大鳳「提督が私に勝ったのって初めの一戦だけですよね」

提督「ちょっと負けたからって本気になりやがって・・・」

大鳳「最新鋭の装甲空母が負けたままでは納得いかないわ。勝負は何事も、本気で挑むのが基本だもの」

大鳳「それに、悔しいのならそれだけ練習すればいいんですよ」

提督「大鳳、もしかしてオセロゲームを俺のパソコンでやったりしていないか?」

大鳳「ええ、どうやったら提督に勝てるのかの練習用に」

提督「勝手に俺のパソコンにオセロゲームをインストールしたのお前か!」

提督「というより、パスワードどうやって外した?」

大鳳「提督、いくら何でも誕生日は単純すぎるわよ」

提督「・・・返す言葉もございません」

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom