楓「今度のオフの件なんですけど……」モバP「はい?」 (30)

楓「久しぶりのお休みですし、温泉宿に行こうと思うんです」

P「いいんじゃないですか?最近忙しかったですし」

楓「ですが、候補が決めきれなくて……」

P「どこです?」

楓「奮発して高級宿にしようか、それとも以前番組で紹介させていただいたところにしようか……」

P「番組……あぁ、あのご主人がとても気さくな方の」

楓「はい。また是非に、と仰ってくださったので」

P「だったらそこにすればいいんじゃないですか?」

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楓「……プロデューサーもそう思いますか?」

P「高級宿もいいですけど、楓さん、そういうところだと、逆に肩の力を抜けないんじゃないです?」

楓「それは……そうですね」

P「それに、あそこなら仕事でお邪魔したところですし、色々と話も通しやすいんじゃないですか?」

楓「色々と……確かに」

P「あのくらい気さくな雰囲気のところの方が、ゆっくり羽根を伸ばせそうじゃないですか」

楓「……やっぱり、プロデューサーに相談してよかったです」

P「いえいえ。このくらい」

楓「さすが、私のこと、よくご存知ですね」

P「何年貴女のプロデュースしてると」

楓「ふふっ、そうですね。では、すぐに連絡してきます」

P「はい、いってらっしゃい」

~数分後~


楓「戻りました」

P「おかえりなさい」

楓「予約、取れました」

P「よかったですね」

楓「ちょうど一部屋、空いていたようで」

P「ギリギリでしたね。もう少し迷ってたら危なかったかも」

楓「ふふっ、そうですね。ありがとうございます」

P「あまり羽目を外しすぎないでくださいね」

楓「気をつけます。……ふふっ、楽しみですね」

P「ご主人、楓さんの大ファンだって言ってましたからね」

楓「お話ししたら、色々とサービスしてくださるそうで」

P「よかったじゃないですか」

楓「お食事も、少し色をつけてくださるそうです」

P「お、いいですね」

楓「混浴露天も、貸切にしてくださるそうですよ」

P「貸切ですか。すごいです……ね?」

楓「ちょっと恥ずかしいですけど、当日までにはもう少し磨いておきますね」

P「……はい?」

楓「あぁ、本当に楽しみです」

P「…………」

楓「ね、プロデューサー」

P「ちょっと待ってください」

楓「なんでしょう?」

P「……楓さんの今度のオフの予定ですよね?」

楓「えぇ、そうですよ?」

P「ですよね?」

楓「はい。私と、プロデューサーの」

P「…………」

楓「…………」

P「……キャンセル連絡、してきます」

楓「あら、やっぱり高級宿の方がよかったですか?」

P「そうじゃない、そうじゃないです」

楓「じゃ他に何か問題でも?」

P「むしろ問題しかありません」

楓「?」

P「初耳ですよ、そんな話」

楓「あら、そうでしたっけ?」

P「そうですよ」

楓「……話忘れてたかもしれませんね。楓、うっかり♪」

P「可愛く言ってもダメです」

楓「ちぇー」

P「だいたいぼくも忙しくて、仕事が溜まってるんですよ」

楓「た、溜まってるんですか?///」

P「仕事がですよ」

楓「///」

P「自分で言い出して照れないでください」

楓「で、でも、そんなに忙しいのでしたら、それこそ休養は取らなきゃダメです」

P「う……」

楓「プロデューサー、前に休んだのはいつですか?」

P「それは……えっと……1ヶ月前くらい……あれ、もっと前……?」

楓「ほら。そんなに働いてばかりだと、身体壊しちゃいます」

P「……でも、その日程にも、確かロケがもう入ってて……あれ?」

楓「あ、それは大丈夫ですよ」

P「……この温泉ロケって?」

楓「それ、入れたの私です」

P「…………」

楓「予約しておきました♪」


P「……ちひろさんが許すはずが……」

楓「彼女には、私からお願いしてあるから大丈夫です」

P「うそぉ」

楓「お願いシンデレラ、です」

P「…………」

楓「『くれぐれも、羽目を外しすぎないように』と」

P「…………」

楓「まだ、何か?」

P「……はぁ、わかりました。ぼくの負けです」

楓「わーい♪」

P「ただし、ぼくが行くからには、ちゃんと節度は守ってもらいますよ」

楓「わかってます♪」

P「温泉で飲んだくれちゃだめですよ」

楓「もちろんです」

P「あと、ご主人にあまり甘えすぎないでくださいね」

楓「えぇ、ご厚意だけ、ありがたく受け取ることにします」

P「あと混浴はダメです」

楓「何でですか?」

P「節度、です」

楓「ちぇー」

P「まったく……まぁ、でも、その……」

楓「?」

P「ありがとう、ございます。気を遣ってくれて」

楓「……いえ♪楽しみですね」

P「……そうですね」

~当日、温泉にて~


P「あ゛~……生き返る……」

楓「そうですね~」

P「……足伸ばせる風呂って、やっぱりいいですね……」

楓「広いお風呂は気持ちがいいですよね」

P「料理もすごい豪華でしたし……」

楓「カニ、美味しかったです」

P「湯浴み酒もOKとは……」

楓「このお酒、とても美味しいです」

P「……こんなにゆっくりしたの、いつ以来かなぁ」

楓「ほら、やっぱり来てよかったじゃないですか」

P「はい……」

楓「ほら、プロデューサーも、こっち来て飲みましょう」

P「……ダメだって言ったのに、普通に入って来ましたね……」

楓「せっかくの混浴ですから」

P「……鍵掛けといたのになぁ……」

楓「ご主人が開けてくださいました」

P「ご主人……」

楓「家族と説明してあるので、きっと大丈夫ですよ」

P「……ほんとですかね」

楓「だから、こっち向いてもいいんですよ?」

P「いえ、それとこれとは別問題なので」

楓「そっぽ向かれながらだと、少し寂しいです」

P「すみません、どうも寝違えてしまったみたいで」

楓「新幹線の中で、よく寝てましたもんね」

P「やっぱり疲れてたみたいです」

楓「それなら仕方ないですね」

P「わかってくれましたか」

楓「私がそちらに行きますね」

P「全然わかってないですね」

楓「……見たくないんですか」

P「そういう問題じゃないです」

楓「見たく、ないんですか?」

P「…………」

楓「……だとしたら、ショックです……」

P「…………」

楓「女としての魅力がないんですね……」

P「……そんなわけないでしょう」

楓「でも、見たくないんですよね?」

P「……ずるいですよ、それ」

楓「……じゃあ、どうなんですか?」

P「…………」

楓「どうなんですか?」

P「……………………見たい、です」

楓「どうぞ」

P「どうぞじゃないですホント勘弁してくださいちょっとは隠してくださいなんでタオルしてないんですか」

楓「お風呂にタオルをつけるのはマナー違反ですよ」

P「あなたがそれを言いますか……」

楓「いい加減腹括ってください」

P「少しは恥じらってください」

楓「頑固ですね」

P「お互い様です」

楓「むぅ……仕方ないですね、こうしましょう」

P「?」

楓「私の背中を、流してください。それで勘弁してあげます」

P「……なんか釈然としないですが、まぁそのくらいなら」

楓「じゃあお願いします。……よっこいしょ」

P「そんな声出さないでくださいよ……」

楓「オフですので」

P「おっさんじゃないんですから……」

楓「どうですか?私の身体」

P「変な言い方しないでください……うわ、ほっそ」

楓「今日のために、エステにも通ったんですよ」

P「……お肌、すべすべです。でも、本当に細いですね」

楓「スタイル維持は、努力してますので」

P「……こんな細い背中で、期待やらなんやら、色んなもの背負ってたんですね」

楓「その背中を、支えてくれる人がいましたから」

P「……いつも、お疲れさまです」

楓「……ありがとうございます」

P「…………」

楓「……プロデューサー?」

P「なんですか?」

楓「今なら鏡越しによく見えますよ」

P「見ませんよいい雰囲気ぶち壊しじゃないですか」

~お部屋にて~


楓「いいお湯でしたね」

P「……そうですね」

楓「プロデューサーの背中は、大きかったです」

P「……そうですか」

楓「流すの、大変でした」

P「……ありがとうございました」

楓「やっぱり、プロデューサーも男の人なんですね」

P「……そうですよ」

楓「では、プロデューサーが男の人だとわかったところで」

P「……本当にわかってますか?」

楓「そろそろ寝ましょうか」

P「……どうぞ、おやすみなさい」

楓「プロデューサーは寝ないんですか?」

P「ぼくは、その辺で雑魚寝しますので」

楓「ダメですよ、ちゃんとお布団で寝てください」

P「……そのお布団が一組しかないから言ってるんですよ」

楓「それが何か?」

P「何か?じゃないですよ。ちゃんとご主人に説明したんですよね?」

楓「えぇ、家族ですって」

P「本当に?」

楓「はい。家族(予定)って」

P「そんなことだろうと思いましたよ」

楓「本当に、色々と話がわかる方で」

P「わかりすぎなんじゃないですかね」

楓「『がんばってください、応援してます』って」

P「意味合いがずいぶん違うような」

楓「ファンの方にあんなに応援されてしまっては、応えないわけにはいかないです。アイドルですから」

P「アイドルならこんなことしないでくださいよ……」

楓「でも、プロデューサー」

P「……なんですか?」

楓「今日は、オフなんですよ」

P「…………」

楓「……プロデューサーは、わかってくれますか?」

P「……もう、どうなっても知りませんよ」

楓「……大丈夫ですよ、プロデューサーも、オフですから」

~後日~


ちひろ「おかえりなさい、プロデューサーさん」

P「ただいまです。すみませんでした、忙しい時期に」

ちひろ「いえいえ、私も休みを取って欲しいと思っていたので」

P「ありがとうございます」

ちひろ「そのかわり、お土産話、聞かせてくださいね♪」

P「わかりました」

ちひろ「あ、そうそう」

P「?」

ちひろ「楓さんから、『色々』伺ってはいますので♪」

P「」

ちひろ「どんなお話が聞けるか、楽しみですね~」

P「」

楓「おはようございます」

ちひろ「噂をすれば、ですね」

P「」

楓「何のお話ですか?」

ちひろ「この間の『ロケ』のお話です♪」

楓「あぁ、とてもいいお宿でした」

ちひろ「それはよかったですね」

楓「えぇ、また是非行きたいですね」

ちひろ「それは、この人次第ですね」

P「」

ちひろ「プロデューサーさん、私言いましたよね?『羽目を外しすぎないように』って」

楓「えぇ、だから、なかなか放してくれませんでした」

P「」

ちひろ「……それはそれは」

楓「とても、素敵でした」

P「」

ちひろ「……次回の査定、楽しみですね」

P「」

ちひろ「……まぁ、せめてちゃんと責任はとってくださいね。『色々』と」

P「…………ハイ」

楓「ところで、プロデューサー」

P「……なんですか?」

楓「次回の『オフ』は、いつにしましょう?」

以上になります。

さすがに最近ちょっと寒すぎやしませんかね。
ぼくも温泉行きたいです。

HTML化依頼出してきます。
ありがとうございました。

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