アライさんのような害獣が生きたいと思うこと自体罪なのだ5 (584)

「アライさんのような害獣が生きたいと思うこと自体罪なのだ」
アライさんのような害獣が生きたいと思うこと自体罪なのだ - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1506749807/))
「アライさんのような害獣が生きたいと思うこと自体罪なのだ2」
アライさんのような害獣が生きたいと思うこと自体罪なのだ2 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1508996136/))
「アライさんのような害獣が生きたいと思うこと自体罪なのだ3」
アライさんのような害獣が生きたいと思うこと自体罪なのだ3 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1511252798/))
「アライさんのような害獣が生きたいと思うこと自体罪なのだ4」
アライさんのような害獣が生きたいと思うこと自体罪なのだ4 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514296947/))
の続きです。

このSSは残酷な描写があります。
けものフレンズが好きな方は勿論、アライさんが苦手な方もご不快に感じる方がいらっしゃるかと思われます。
そのような方は無理をせず、プラウザバックを何卒お願いします。
また、所謂R18G描写が苦手な方にも閲覧をお勧めいたしません。

SS初心者の自分には「力加減」が分かりかねるところがありますので転載や拡散はご配慮お願いします。

世界観・設定は原作アニメや他の名作SSを参考にしながら、自分でも埋め合わせ、調整、推測、創作等を行っています。

また、「書き物」の常として自分の主観等が混じり「こんなのけもフレじゃない」と怒られてしまわないかビクビクしています。


どうか不出来な二次創作をご宥恕頂ければ幸いです。



これまでの簡単なあらすじ

サンドスター大噴出現象をきっかけとした人類衰退期。それを打ち破った世界再建戦争から30年が経過した。
人類はフレンズとの『共存・共栄』を基本理念としながら、文明の復興を推し進めている。

日本のとある地方にある蛇張村も40年にわたった避難対象区域指定が解除され、
官民一体となった帰還運動がようやく実現しようとしていた。


しかし、住民が避難している間に蛇張村とその周辺の山林地帯は、
特定有害フレンズ『アライさん』の住処となってしまっていた。


アライさんの追い出しと住民の安全生活圏奪取のため、県兵出動がついに実施され、
ようやく村民の為の『安全生活エリア』が蛇張村村落部の一部に築かれた。

旧村復興を望む村民達の小さな一歩がまさに踏み出されようとしている。

他方でアライさんに厳しい態度をとるTTT会等の『アラ虐』と、保護・共存の道を探ろうとする『アラ信』の対立、
さらにアライさん以外のフレンズと人類中心文明の齟齬もあり、『フレンズが存在する世界』の実情は複雑である。

(なお、『アラ虐』、『アラ信』はどちらかと言うと非難のニュアンスがある他称に近い使われ方をしている。
勿論、自称する場合もある)


(あらすじの続き)

そんななか、当初はアライさんに厳しい態度を取っていた蛇張村青年団長達は、
『ある出来事』をきっかけに態度を徐々に変化させ、あくまで『郷土復興』を優先させながらも、
アライさん達や野生動物・野生フレンズの痛みにも思いをはせるようになる。

他方、セルリアンとの戦争から月日が経つにつれ、生活習慣や文化、身体能力・発達傾向の違いなどから
人間・フレンズ間の軋轢も徐々に表面化しつつあった。

フレンズの生殖能力の安定化やその基礎能力を不安視する者。
人間とそれ以外の生物の境目が揺らぐことに憂慮の念を抱く者。
かつての『戦争』の置き土産である社会の不条理。

日本政府によるフレンズの分断統治政策により、中間支配階層と位置づけられている『ジャパリ組』、
及びそれが指導管理している『公益社団法人日本フレンズ協会』。
彼女らもまた、人間側の思惑とは別に彼女たち自身の『理』により、その身の行方を定めつつある―様でもある。


人間からの根滅圧力・帰還運動によるプレッシャーを背景に、かつて『廃墟アライさん』と呼ばれたアライさんは、
自身を『大母アライさん』、幹部を『姉アライさん』とする『擬制的母系・母権家族集団』を形成。
その上で親衛隊兼家政機関兼幹部養成機関である『恩寵組(『恩寵を有するアライさん』)をお供に『家族』の支配権を固める。


付近のアライさんを配下に地盤固めをしつつ、村落部居住アライさんの疎開を成功させ、
複数の県境にまたがる地帯に版図を拡大、半野生化した家畜・家禽をも捕獲し、
『家族』の船出はまずまず順調に思われたのだが…。

勢力圏境界付近の放置林に分住していたアライさんと手入れに来た人間(TTT会)間の衝突を契機に
事態は再び緊張の色を増していく。

ピーポーピーポー

何処からか響く救急車の音―

民家からほど近い里山にアライさんが出た!!!



地元猟友会長「どっこら!」

社員A「社長!!!」

地元猟友会長「すまんな…。お呼びがかかった。暫く留守にする」

社員A「ごく…。お気を付けて!」

うっかり目上の方に『ご苦労様です!』と言いそうになる社員A。日本語って難しい。

地元猟友会長「ああ…。迷惑をかけてすまんな」

『社長』と呼ばれる地元猟友会長。

何も偉ぶっているわけではない。この人は現に社長なのである。
蛇張村に近接する自治体の猟友会会長であり…、本業は建設会社の経営者。
そして町の『有害鳥獣駆除隊』隊長でもある。

地元猟友会長「(もう昼過ぎだ…。今から夜までどのくらい行けるだろうか…)」

基本夜間は発砲禁止だ。
追い切れるだろうか―少し仕事が詰まっていたのに―よその皆さんは大事な休日だと言うのに―
そんな取り留めのない感情が泡沫の様にご老体の脳内に浮かんでは消える。
しかし―『お役目だ』―隊員の人達に召集を掛ける。
『行政から委託が来たぞ』

『こちらは防災隣町です。
農政課からお知らせします。
現在、隣町全域において、銃によるアライグマのフレンズの駆除を実施しています。
危険ですので、山林には近づかないようお願いいたします』

町中に響くように工夫され、配置されたスピーカーが唸りを上げる!

地元猟友会長「すごい音だのぉ~」
鳥獣駆除隊員1「万が一にも住民の方が巻き込まれたら大変なので…」

若手―と言ってもすでに中年を過ぎている―隊員1の何気ない言葉に、会長はコクリと頷く。

『繰り返しお知らせします!こちらは防災隣町です。
農政課からお知らせします。
現在、隣町全域において、銃によるアライグマのフレンズの駆除を実施しています。
危険ですので、山林には近づかないようお願いいたします』

行政が地元猟友会等に委託して有害駆除を行う際は、原則、前日の決まった時間に防災行政無線で
『有害鳥獣駆除実施のお知らせ』が放送される。ただし、緊急的な場合は放送を流せない場合もあるが…。

鳥獣駆除隊員2「今回は間に合ったようですね」
鳥獣駆除隊員3「誤射・誤殺が問題視されているからな。里山教室のちびっ子たちは避難済みと聞くが…。
山菜取りのお婆さんとか大丈夫かな?」
鳥獣駆除隊員4「緊急時だ!止むを得ん。あの娘さんの怪我を見ただろう!!!」

やや不安げな顔で隊員たちは言葉を交わす。
人数は6人。
やや『お年を召した』方が多い。

地元猟友会長「(本当はこういう時こそ、若者の出番なのだろうが…。困ったものだ)」

会長は内心そう思うが口には出さない。
きっと若者は若者で大変なんだ…。自分は老害扱いされたくない。
男は黙って背中で語るものだ。きっと誰かが見てくれている。

地元猟友会長「…」ペタペタ
そんなことを考えながら、ここまで急いで乗ってきた軽トラに『狩猟中』のプレートを張り、
近くの住民に注意を促す。

鳥獣駆除隊員達「「「………」」」ペタペタペタペタ

他の隊員たちも各々の軽トラにプレートを張り付ける。

因みにここにTTT会の姿はない。
彼らの気質上、是非とも参加したかっただろうが―
『身バレ』を避けるため、彼らは鳥獣駆除隊には参加していないのだ。
まあ、召集されるルートと云うか性質が異なる以上仕方がない。


さて―

地元猟友会長「ほいじゃあの。現場を見に行くかの。隊員5、6は無線を入れたら犬を頼む」

鳥獣駆除隊員5、6「「はい!」」

鳥獣駆除隊員1~4「「「………」」」コクリ!!

ガサッ!ガサガサッ!

隊員達は件の里山に足を踏み入れていく。
鳥獣(今回はアライさん)による人的被害に対する緊急対応と並んで、
被害発生地区の調査も鳥獣駆除隊のお役目だ。

勿論、今回は前者の方が優先度は高いが…、まずは現場を見ないと!
役場や警察から話を聞いただけでは今一つ状況が読めん!!

カサカサカサカサ…

落ち葉と小枝を踏み分ける音が周囲に響く。

きちんと間伐がされていない薄暗い森。
ヒョロヒョロした樹木。茎をのばす竹林。

鳥獣駆除隊員1「こちらから―あそこまで、地元の有志の方が里山教室をしていたそうです」

油断なく銃を握りながら、隊員1は話し出す。
一応、付近の安全は警察が確認済みであるが―

鳥獣駆除隊員2「ここ!ここから、あそこら辺をヨチヨチしていたアライちゃんに子供が石を投げつけて…。
アライちゃんに直撃!
その直後にパニックを起こした子が走り出したら、母親らしきアライさんが石を投げつけて来たらしいです」

地元猟友会長「ふむふむ」

警察から事前に話は聞いていたが…。
悪条件が重なったのだな。
それにしても…、中々投擲距離が長い―

地元猟友会長「…」

会長は血に染まった地面を見つめる。
TTT会員Dとアライさんが激しく争った跡だ。
微かに糞尿の臭いもする―倒されたアライさんは保健所職員が既に回収したようだ―

地元猟友会長「本当に、あと二匹居たんだな!?」

鳥獣駆除隊員3「目撃証言によれば、確かに直接助けに来たアライさん以外に二手から石飛礫が飛んできたと。
『恐らく血縁個体群であろう』と里山教室の方はお話されていたそうですが…」

コリコリコリ…

会長は少し頭を掻く。
血縁個体群―まあ、そういうこともあり得るか―

地元猟友会長「それにしても困ったぞ…」

アライさんの正確な足の速さを会長は知らないが―
元種のアライグマはあんな見た目でも、地上で時速24㎞は走ると言う。
きっとフレンズ化した後も、他のフレンズや人間と比べて極端に鈍足という事は無いだろう。
イメージとしては、身のこなしが軽そうだし…きっと、もう森の奥だ。

帰り道の時間も考えなくてはいけない―

地元猟友会長「とは言え、まあ犬を入れて追わせよう!あーあ~。隊員5、6、犬を頼む」

隊員5、6「「はい!今、そちらに向かっています」」

無線越しに隊員達に呼び掛ける。

ガサゴソゴソッ!
ワサワサワサッ!

間も無く聞こえてくる元気なワンコの息遣いが隊員たちの心を勇気づける。
2頭の白い犬。
イノシシキラーとして名高い紀州犬が薄暗い森の中に浮き上がる様に会長達の下に向かってくる。

フガフガフガ…
フガフガフガ…

樹々の間から微かに洩れる猟犬の呼気。

各隊員はそれぞれアライさんの逆襲に注意しながら、受け持った『マチバ(待ち伏せポイント)』に伏せる。

会長は後から駆けつけて来た隊員6と共にゆっくりと犬の後を追う。

地元猟友会長「今日中は難しいの…」
隊員6「ええ…」

会長がつぶやいた言葉に隊員6は控えめながら同意する。

鳥獣駆除は期間を定めて、自治体が、地域を担当する各駆除班に依頼する。
そして、捕獲する種類や頭数、捕獲方法などが具体的に指示される。
例えば『イノシシ・カラスを銃器および箱罠で捕獲する』等。

隊員6「(今回ならば―成獣アライさん2頭を指定エリア内で本日日没までに銃器で捕殺)」

件の個体群のものと推測される巣を猟犬が嗅ぎ当て、食べかす・糞などの生活痕跡を次々と発見できた時は
もしや、とも思ったのだが―
そこから先、ある地点から痕跡が上手く追えない。消えた―と言う訳ではなく、散らばった?掻き回された?

隊員6「役場に事情をお伝えし、銃器から箱罠に猟法を切り替えることも検討しましょう。
アライさんは元々、夜行性に近い生態。昼間に狩るのは容易ではありません」

初夏とは言え、悪路を進み続けるうちに背中は、じっとり汗ばんで来る。

日頃の疲れと共に明日以降の仕事を思い出し、鳥獣駆除隊員達は少しげんなりする。

勘違いされる場合も多いが、猟友会・鳥獣駆除隊員は、別に駆除を生業にしている人達ではない。
会長やこの隊員の様にそれぞれ別個に職などを持っている。
有害駆除は自分の仕事やプライベートな時間を割いて出動するボランティアなのだ。
それも平日でも急遽動員がかかることもよくある過酷な…。

隊員6「会長!そろそろ…」

隊員6は地面に屈んでいる会長に声を掛ける。
―どうやら、巣から集団で逃げ出したアライさんが道中でした糞を確認しているらしい―

地元猟友会長「はぁ~。日没までまだ間がある。もうちょっとだでぇ…」

隊員6は少しうんざりした顔をする。
せっかくの休日が…、明日も早くから仕事なのに。
殺処分の―それも空振りで空費するなんて!

じ~~

不満げな顔を浮かべる隊員に諭す様に会長は言葉を続ける。

地元猟友会長「日当貰っとるからの…。お役目だで…」

猟友会は出動すると自治体からお金が支払われる。
活動報奨金として一人当たりイノシシなら一日2,000円、カラスは2,300円と言った具合に。
この日当、ガソリン代や弾代すべて込みの値段である。
下手をしたら死ぬかもしれないのに!
マックのバイトの何分の一なのだろう!
彼らにとって有害鳥獣駆除は、実質、趣味のハンティングとは別の社会貢献なのだ。

そして、これ以外に『獲物(イノシシ・クマ・サル等)』をしとめたときは、
一頭当たり2万~3万(自治体・年度により上下あり)が捕獲報奨金として支払われる。支払われるが…。
もし犬が怪我などしたら、それも治療費などに消えてしまう。加えて銃の所持や資格維持の手続き等々…。

『アライさん3000円』などと言っている場合ではない!
アライさんが『値下がり』すればするだけ、人間の側にダメージがボディーブローの様に打ち込まれて行く。
これがもし、ワンコインにでもなろうものなら冗談抜きでお手上げだ。
『命の値段』の値引きはこと『戦い』において、人間側にのみ一方的に不利に働くのだ。

この世界の住民にとって幸運なことは、アライさんは―アライグマより大きい体であることを考慮して―
概ね、ツキノワグマやイノシシ、自治体によってはニホンザルと同額になるよう値段が設定されていることだ。

地元猟友会長「(それでも皆、地元の為に貧乏籤を引いてくれたで…)」
地元猟友会長「頼むで。堪忍な…」

会長がそう呟いたとき―

パン!

地元猟友会長・隊員6「「!!!」」

パン!!パン!!!

黄昏が迫る暗い森に、乾いた銃声が三発響いた―

ブ~ン…ブ~ン…

隊員3「……」

チクタクチクタク…
チクタクチクタク…

元から陰り気味だった森の明かりが最後の輝きを放ちながらゆっくり引いていく。

ヒトの―昼を生ける者等の―時が終わり、夜に生きるけものの時間が迫っているのだ。

ブ~ン…ブ~ン…

隊員3の担当するマチバは一応、本星!
うんこをブリブリしながら、這う這うの体で逃げ出したアライさん達の新路上に位置する―はずである。

途中で臭いや痕跡が分け分からなくなってしまったが―

犬も行ったり来たりグルグルしたり…―

ブ~ン…ブ~ン…

初夏とは言え、もう虫が湧き出している。

これが7月8月なら酷かったな。
夏場は林業者用の蚊取り線香が必須アイテムになるが…、厄介なことに獣は大抵鼻が良い。

隊員3「……」ジ~~!

マチバで待機し始めて、早一時間以上。油断なく樹々の間から獲物を窺い続けた目を少し休ませる。

隊員3「…」ホッ!
―良かった!気の乗らない殺生を重ねずに済んだ!―
もうじき、今日の狩りは終わる。

そんな隊員3の心理を世人が知れば奇妙に思うことだろう。

実際、自治体や駆除を依頼する住民は、
『猟友会の人はもともと動物を殺しているから平気なんだろう』と安易に考えているケースがままある。

しかし、彼らにとって狩猟と有害駆除は別物なのだ。

例えば、狩猟の場合なら、キジやイノシシは捕るが、サルはまず撃たない。アライさんなら猶更だ。
しかし、駆除の要請が出たら殺さなくてはいけない。そこには依頼者からは見えない心の葛藤が存在する。

まず『殺す』が先にあること。
『食べる』でも『狩猟を楽しむ』でもなく、ただ『殺すために殺す』こと。
自分の時間を割き、怪我・命のリスクを負ってまで、生き物を殺して、殺した後の処分も任されて…。

それが心に―体に―どれだけ負担なのか、引き金に手を掛けない人たちは知らない。
『だって、お金貰ってるんでしょ?けものを殺すのが好きなんでしょ?』

猟友会・鳥獣駆除隊は、害獣駆除用の罠にかかった獣の処理も頼まれることが多い。
これに至っては、もう本当に楽しくない作業だ!!!最悪な気分だ!!!

狩猟と―駆除は―違う。
分かってもらおうとは思わないが…。

それでも地域のためを思えばこそ出動するのだが…、時代は変わった。
『荒ぶる獣を倒し、里救った英雄』そんなふうに感謝されることなどまずない。
獣が神の座を追われたとき、神と向き合っていた立場の人達もまた、知らぬ間に聖性を剥ぎ取られ、
席を追われていたのだ。

残ったのは、命あるものを殺すことへの世間の白い目。
―神の座から追われた畜生と万物の霊長の自称者の醜い相克だけ―

隊員3「(タバコ吸いたいな…)」

勿論、吸わない。
森は火気厳禁だ!

もうじき、日も落ちる。アライさんはもう、逃げ去ったのだろう。
ある日森の中、人間とアライさんが出会って、どっちも正当防衛をして、結果、人間側に死人はなく、
アライさんは一匹死んだ…。

隊員3「(それで、帳尻は十分取れているだろう…。奴らも好んではヒトを襲わない)」

それに何より―ハンターはイノシシと戦ってこそだ!
アライ狩りなど邪道、ハンターはイノシシを狩ってなんぼの…

ガサッ!

隊員3「!!!」

隊員3は休めていた視線をゆっくり、銃身の遥か向こう―50メートル先に戻す。

ガサッ!ガサッ!ガサガサッ!

アライさん「…」クンカクンカ

アライさんだ!!!
例の群れの逃げそこないか!?

クンクンクン

ピクピクピク…キョロキョロ…

隊員3「……」スゥゥゥゥゥゥゥ―

隊員3は大きく息を吸い始める。全身の感覚が息と共にドンドン深まっていく。
世界が自分と銃身の先のアライさんのみに集約されて行く―――

アライさん「チビ!出てきてだい…」

パン!

プシャッ!!!

アライさん「ビギィィ!!!へぇっ!?」

アライさんは自分の体に不思議な振動を感じ―視線を少し下げる。

ドクドクドクドクドク……

真っ赤な―アライさんは色覚が異なるが―はっきり『死』を想起させるそれが自分の体から吹きこぼれる!!!

アライさん「あ…あ…あぁぁぁぁ…」ガクッ!

アライちゃん1「おかーしゃん?とつぜんおひざをついてどうしたのりゃ?」ヨチヨチヨチ
アライちゃん2「おかーしゃん?!!!まっかっかがながれてるのりゃ!!??」ヨチヨチヨチ

パン!

プシャッ!!!

アライちゃん1「ゲピィィ!!!」ビクビクビッタンビクビクブリブリブリ!

アライちゃん1の頭部が打ち砕かれたスイカのように弾け飛ぶ!!!

アライちゃん2「ひぃぃぃぃ!?おかーしゃーーん!!!」

アライちゃん3「おかーしゃーん!おねーしゃーん!どうちたのりゃーー?」ヨチヨチヨチヨチ

アライさん「あぁぁ…。チ…」パクパクゴブッ!

胸を撃たれたアライさんは残り少ない命を燃やしながら、我が子に『何か』を話す。
せり上がる血の塊で声にさえならなかった何かを…。

パンッ!!!

アライちゃん2「…」ビクビクビッタンビクビクブリブリブリ!

次は声さえ上げることは叶わない。

アライさん「……」パクパクパク
アライちゃん3「…」ハッ!

母アライさんが最後に伝えようとした何か―それを受け取ることに唯一成功したアライちゃん3は、
未練を断ち切る様にクルリと方向を変える。

アライちゃん3「みんな…。ごめんなさいなのりゃぁぁぁ。あらいしゃんだけでも…」ヨチヨチヨチ

ガサゴソガサッ!

最後に残ったアライちゃんが茂みに逃げ込む。

アライさん「…」クラッ!

バタン!ビックビクバッタンビクビク…

それを見送る様に母アライさんは白目を剥いて地に崩れ落ちる。

きっと最後まで、我が子のことを案じていたのだろう…。

隊員3「…」

隊員3はゆっくり立ち上がる。

そして、妙に強張った指で4発目の弾を詰めたい銃身に込める。

ガサゴソガサゴソ…


ハァァァァァ―

肺腑を満たしていた空気を一気に吐き出す。

もう良いじゃないか!!!

幼獣アライさんだけで生き抜けるほど、野生は甘くないかも知れないが…。

もう今日は十分だ。

隊員3「……」プラプラ

外れることを見越して、適当に茂みに狙いを付けて―

ワンワンワン!!!
ワンワンワン!!!

隊員3「…」

剛毅な吠え声が、隊員3に現実を思い出させる。
目の前に叩き付ける!
この世界には自分とアライさん以外が存在したことを!!

アライちゃん3「ひぃぃぃ!」ヨチヨチヨチヨチ

せっかく逃げ込んだ茂みから、アライちゃんが大慌てで飛び出してくる。

―そうか。この一家は犬に追われてこのマチバに―

そんな当たり前なことすら―

パン

次の瞬間に息が有る者の贅沢だ。

アライちゃん3「」ビクンビクンビッタンビクビク!

隊員3「…」

4発目の銃声。
死に絶えた4匹のけもの。

確か、幼獣2匹で成獣一匹半程度の換算だったはずだから―これで、計算は合う。
注文以上だ…。

隊員3「何の計算何だろうな…」

ぼそりと呟くと、そっと両手を合わせる。

ハアハアハア
ハアハアハア…

頑張ってお役目を果たした犬はご褒美を今か今かと待っている。

今日はここまでです。

また、二三日以内に書き込む予定です。

pixiv行きを親身に勧めて下さった方、新しいスレをこうして立てたことをお許しください。

そっちも真剣に考えていますが、こちらのスレだからこそ発信できることもあろうかとも思って…。

猟友会・鳥獣駆除隊関係は調べられる限り調べて、SSを書いていますが、もし制度・運用に誤解が有れば、
申し訳ありません。その時は脳内補完をお願いします。

大変な中、有志で活動をして下さっていることを知った時、安易に『駆除・駆除』言っていた自分が申し訳なく、
何としてもSSに反映させねばと、このエピソードをねじ込みました。

このSSはヒトとけものの相克をアライさんと言う『擬人化キャラ』で描く場合もありますが、
それは現実の世界で我が身を危険に晒し、第一線でお役目をはたしている方達を誹謗中傷する意図が
ないことを特に明記しておきます。

すみません。

>>16

✖そして、妙に強張った指で4発目の弾を詰めたい銃身に込める。

〇そして、妙に強張った指で4発目の弾を冷たい銃身に込める。

です。

アライさんのような害獣が生きたいと思うこと自体罪なのだ4 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514296947/961)
前スレ961で思い出したけど陸上自衛隊どうなったの?
アライさんが「県境を越えると追ってこないのだ!」
的な意味の台詞を言ったきり登場しなくなったけど
この世界の自衛隊ってマジでそうなん?
いっそ前スレ961の設定を逆輸入してみたら?ww

利点
・人間とアライグマの良いトコ取りでスペックはかなり高く頭も良い
・一度に子供を沢山産む上に子供は学習能力が高く成長も早い
・ちょっとでも協力すれば仲間意識が芽生えて団結する
・戦争中に第三軍になって襲うくらい野心が高い

欠点
・ほんの少し目が悪い

なんなんコイツら?何で人間側はこんな化物野放しどころか愛嬌のある生き物だなんて思ってんの?
大母どうこう以前の問題だろ

愛嬌あるなんて言及あったっけ?
1~2スレ目あたりで下膨れの気持ち悪い顔だっていう言及あったのは覚えてるけど

いや、大体の人はテレビとか本の影響とかでドジだけど憎めない愛され(?)キャラみたいな認識だって言われてたじゃん
後そのアライさんを貶す地の文は『吊り上がった醜い目をぎらつかせながら―(好奇心旺盛そうな瞳をクリクリ輝かせながら―)』とか『邪悪な(可愛らしい悪戯好きの)精神』なんて理解不能な書き方に変化してきてるぞ

んで何で急に自衛隊出てこなくなったの?
本当は「県境越えられたので追いかけられなくなった!」で退場させようとしたけど
自衛隊にナワバリは無いって突っ込まれて自然消滅させようとしているの?ww
ダサww
変わりに俺が自衛隊の退場させ方を考えてやったからパクって良いよww

・強力な団体(フレンズ愛護団体や右翼の政治家等)からの圧力により撤退させられる
・自衛隊の目的は陸自アライさんの性能をテストするためであり目的を達成したので撤退
・騒音を鳴らしたことに対し市民団体からクレームが来て撤退
・この世界の自衛隊は県ごとにナワバリが分かれている

作者です。

只今続きを鋭意執筆中です。
今日中に書き込めればいいですが、明日になるかも…。

先にちょっとご質問にお答えしておきますね。

>>25さん。
正にお気づきの通りです。そう言った脅威・恐れの気持ちも、この世界の『アラ虐の人(TTT会等)』の動機の一端です。
ただ、もしよろしければ本編全体を軽くお読み返し下さい。
この世界において、フレンズが人間社会・野生生態の一部に参加する世界において、ご指摘の点は『アライさん』のみに当てはまるのでしょうか?
『元種の動物の長所・特性を引き継いだヒト化生物が本当に現れたら、人間は彼女達にどう向き合うのだろうか?』
これがこのSSのテーマの一つでもあります。SS内の人間は『こんな各種の化物達』とどう向き合うのかで、ちょっと戸惑っているようです。
それから―今後の展開と関わるため、今は伏せますが、一点だけちょっと勘違いを成されているようです。

>>26さん、>>27さん。
アライさんの外見はアニメ・及びゲーム絵のリアル版をご想像ください。それをどう解するかはSS内の世界でも人によると以前記入した通りです。
ちょうど、私達がアライグマ(動物)に立場・年代・国籍・民族等によって異なる視線を注いでいるのと同じように…。

かつて、『SSの地の文』にご意見をいただいたことが有りました。地の文は『中立・客観的』であるべきと…。
前スレの『タヌキちゃんの地獄巡り編~里山教室~大母さんへのガイジの禁の進言』は、三部構成になっていて、私なりのその声へのアンサーのつもりです。

人は自分と言うフィルターを通してのみ世界を認知する。
作者である自分も読者の方もそれを免れることは出来ず、ましてフレンズ・けものは生きる音域・色覚等の『世界』自体が異なる。
ハエ『ガイジ』ムーブという言葉すら、その単語さえ知らなければ、そこに込められた本当の意味(侮蔑など)を知覚することが困難になる。
本当の意味での『中立・客観』な『地の文』など本当は疑わしい―

とは言え、地の文が話題になるのは良いことです―どうかこれを機会に皆さんの脳内の地の文、各々各位の『フィルター』の色を振り返って欲しい。
烏滸がましい事かも知れませんが、特定外来種の問題や―何かと議論が百出するようになった原作公式を横目にそんな問いかけを発した積もりでした。

『吊り上がった醜い目をぎらつかせながら―(好奇心旺盛そうな瞳をクリクリ輝かせながら―)』とか『邪悪な(可愛らしい悪戯好きの)精神』と云う箇所は
そんな狙いから、敢えて視線の複線化をしました。アライさんに否定的・好意的双方の人が同時に見たらと仮定して。
前者視点代表がTTT会員D、後者代表がフェネックちゃん。

アンサーの章が終わったので、今のところ、地の文は、また前者寄りに戻そうかなと思っています。
日本人として、アライグマは同情しつつも対処しなければいけない存在だし、アニメのアライさんは、所々イラッと来るキャラでしたし。
そこの『色』を見失うとこのSSは困ったことになります。勿論、これはあくまで自分の心情分析で結末の示唆ではないのでご安心ください。

(続き)

さて、>>24さん、>>29さん。
このシリーズも随分長くなってしまったので、前の場面をちょっとお忘れなのかも…。

もう一度、軽く振り返って下さい。

①この世界の日本には、自衛隊のほかにかつてのセルリアンとの戦いで郷土防衛に活躍した『県兵(アメリカの州兵的な組織)』が存在する。
②蛇張村は、サンドスター大災害時のホットスポット内にあり、他の地区が復興・避難解除される中、かなり後まで封鎖・半封鎖エリアとなっていた。
(要は、東日本大震災などの避難地域の超長期版。だからこそ、その復興は村民のみならず、県民、国民の重大関心事項だった)
③そんなか、いよいよ帰還直前になって、アライさんの大規模個体群・記録的大型ツキノワグマが確認され、地元自治体の要請の元、②の点を考慮した県知事肝いりの県兵によるアライさん放逐&村民の為の安全エリア造りが計画される。
④県兵を動かす関係上、関係省庁である防衛省にも連絡したところ、(防衛省のごり押し気味に)県・国の共同作戦になり、
これ幸いと実験部隊だった陸自アライさん隊が作戦に加わることに(その調節の為、作戦実行が遅れる)。
⑤ともあれ、作戦は実行され、アライさん等の野生動物の追い出し、逃げそこない(人間視点)アライさんの駆除・電気柵の構築が完遂され、作戦は一応の成功をもって終了する(この時点で、元々、県兵・陸自は引き上げ予定)。

⑥この世界には、TTT会を始めとしたアラ虐派・アニマルヘイト団体とアラ信・フレ信・日本フレンズ協会が存在し、合法的に或いは非合法的に影響力の拡張と、政治的発言力等の増大を志向している。

と言ったようなお話だった筈です(ご参考にさせてもらう以前に>>29さんの書いたようなことは本編中でも触れられています)。

ただ、群像劇を意識しているため、ちょっと、分かりにくい所があったかも…。反省しきりです。
5スレ目で『あれ?どうだったけ?』という方がもしいらっしゃれば、この書き込みをご参考にお願いいたします。

続きを書き込みます。

キョロキョロ

貧乏籤アライさん「お…、大母さん?アライさんへの用って…」ビクビク

一匹だけ幹部アライさん達の中に取り残された貧乏籤アライさんはすっかり恐縮している。

大母アライさん「…」ジ~

大母アライさんはそんな子分の姿を値踏みするように見つめていたが―

大母アライさん「ごめんなさいなのだ!」ペコリ
貧乏籤アライさん「!!!」

突然、頭を下げて謝る。

貧乏籤アライさん「大母さん?!」ドキッ!

スゥ――と顔を上げると大母アライさんは語り出す。

大母アライさん「さっきの小姉アライさんの進言は真っ当な物だったのだが―一点のみ間違いがあるのだ」チラリ
小姉アライさん「…」パチクリ!

貧乏籤アライさん「え~~と?どこなのだ?」

大母アライさん「『各アライさんが一功一罪が有る』という部分なのだ。
お前に限っては、人間に立ち向かい『家族』のチビを守った功こそあれ―罪はないのだ!」

ヒラヒラ…

そう言いながら、大母アライさんは周囲の恩寵アライさんに手振りで何やら指示を出し始める。

貧乏籤アライさんは、かなり戸惑う。

貧乏籤アライさん「でも…。アライさんは言われたことをしただけなのだ…。
それに、伝令役をやった宿営地アライさんにも功が有るのだ」

大母アライさん「あのマヌケは寸刻が金より重いタイミングで伝令役を一度は嫌がり、時間を無駄にしたのだ!
一功あって一罪もあり、プラスマイナスゼロなのだ!」

テクテクテク…

恩寵アライさんが二匹歩み寄る。

一匹はドングリが入った小皿を、もう一匹は瓢箪を手に持っている。

貧乏籤アライさん「…」

大母アライさん「先ずは言われたことが出来るところからなのだ…。さて、この小皿のドングリは、
ドングリ姉アライさんが先祖血縁で代々溜めて来た『ドングリピット』を一つ開けた物の一部であり、
その瓢箪の中には酒造姉アライさんのワイン汁が入っているのだ!」

貧乏籤アライさん「…」ゴクリ!

ドングリ姉アライさん「…」コクリ
酒造姉アライさん「…」コクリ

大母アライさんは少しねぎらうような視線を両姉アライさんに向けてから、
やがて貧乏籤アライさんに向け言葉を掛ける。

大母アライさん「お前達が来る直前、物見のアライさんから連絡が入ったのだ!
旧宿営地付近で銃声が4発鳴ったのだと!
どこかのマヌケが代わりに死に、ともあれ、アライさん『家族』は今生きている。
お前の手柄なのだ!褒美をゆっくり味わうが良いのだ!!!」

貧乏籤アライさん「…」キョトン
貧乏籤アライさんは、最初、意味を掴みかねていたが―直ぐに気が付く!!!
大母さんに褒められたのだ!居並ぶ姉号持ちアライさんの前で!!!

貧乏籤アライさん「大吉なのだぁぁぁぁ」ウッヒックヒック!

緊張の糸が切れたのか、貧乏籤アライさんは泣き咽びながら、与えられたご馳走に齧りつく!

ムシャムシャクチャクチャ…ゴクゴク―
ムシャムシャクチャクチャ…ペロペロ―

クチャラーの汚らしい咀嚼音が本営の暗闇に木霊す。


大母アライさん「フン…」

これで、一連の賞罰は一段落だ。
あのアホガイジチビは―体の大きさ的に考えて―
木の実草の実を集めるか、野ネズミを狩って献上するくらい出来るのだ?
そう言った手柄を上げれば、死んだ実母アライさんに免じて許してやるのだ…。

ドングリ姉アライさん「しかし―人間の妄念も厄介なものなのですのだ」チラリ

自分が献上したドングリ―の一部を―
モシャモシャ食べる貧乏籤アライさんを尻目に、ドングリ姉アライさんは大母アライさんに話しかける。

大母アライさん「妄念?」

大母アライさんはドングリ姉アライさんに問い直す。自分より実年齢では年上の『子』に。

ドングリ姉アライさん「ごく一部の例外を除いて、元種のご先祖はヒトを積極的に襲ったりはしないのだ。
これはアライさんがアライさんになってからも、同じこと。ヒトは勝手に被害妄想じみた考えを膨らますのだ…。
ハッキリ言ってほぼ病気なのだ!
クマもオオカミもサルもイノシシも、見たことないけどチンパンジーも勿論、アライグマも!
ヒトが分別を無くした振る舞いをしなければ、あっちから喰いついてくることなど稀なのだ!!!」ワナワナワナ

森に響いたと言う四発の銃声。
結果論とは言え、同種を身代わりに…。

大母アライさん「フン!妄想と想像は人間の発明の元だそうなのだ。アライさん達も多少は見習うべきなのだ。
時に一文小説を書き殴り、或いは空の上に天国だの地の下に地獄だのを思い悩む様なアホな感性を…。
『家族』以外のアライさんへの気遣いなど無用。敢えて迷い込む余地を残しておいて良かったのだ!」

そう話しながらも、大母アライさんは実のところ、この姉アライさんに少し感心する。
比較的、『家族』でも年上な故であろうか。
血縁が薄いか、ほぼ無いであろう『同種の仲間』を気遣う発言。
これまでのアライさんには、少なかった観念だ。
変わりつつあるのか―それとも、ただ、年の功+それゆえの間接的血縁個体の多さゆえの気持ちか?

チラリ!

大母アライさんはこの場の幹部で、まだ大して発言していない洞姉アライさんにも視線を投げる。
―何か言いたいことは有るのだ?話してスッキリしておくのだ!―

洞姉アライさんはポリポリ頭を掻きつつ答える。

洞姉アライさん「人間は貪欲なけもの。
さっきドングリ姉アライさんが言った『一部の例外』さえ、きっと目障りなのだ…。
まあ、アライさん的には、結局同じなのだ。
人間の妄想・心配の動機が、『身命への恐怖』なのか、『持ち物・縄張りの侵犯』への恐怖なのか。
どっちでもアライさん狩るべし、そう考えるはずなのだ…」

そして、ことこの島国において、現法制上、ジャパリアライさん以外の野良アライさんには、
一切の持ち物・縄張りが許容されていない。草一本土一掴みを犯すことさえ、ヒトから見れば罪なのだ…。
ならば―

洞姉アライさん「まあ、和議がもし成れば―という話を置いておくなら、現状、アライさんが考えるべきなのは、
いかに上手く立ち振る舞うか、という事なのだ。
別に人間と仲良くなれ合うという事ではないのだ。
そうではなく、奴らが言う『害獣』なりに効率よく収奪を行い、
一方で決定的なレッドラインは踏まないに越したことはないのだ!
奴らが『損』を覚悟でアライさん達を攻めようとするほどではいけないのだけれど…、
逆に侮られ過ぎても衝突が増すのだ!」

チビに無分別に石を投げたと言う子供は―ちょっとは懲りたのだ?

大母アライさん「…」チラリ
大母アライさんは、幹部間では何度も話したやり取りの一部を貧乏籤アライさんに敢えて聞かせている。

貧乏籤アライさん「ムグムグハグハグ…」

大母アライさん「おい!」
貧乏籤アライさん「!!??」

大母アライさん「ここまでの話。お前、理解できるのだ?
一般子分アライさんと幹部の齟齬があんまり大きいと困るのだ!」
貧乏籤アライさん「ムグ…。ゴクン!大吉なのだ!『人間とは程よく、距離を考えながら対峙する』。
『家族』で力を合わせれば、結果的に一匹ずつの負担が減るだけでなく、
仮に個々のアライさんが倒れても、その血縁が後代に残る可能性を高められるのだ!」

大母アライさん「…」
―一応、ここまでは分かるのだ?じゃあ、これがその応用編―

大母アライさん「前置きはここまでなのだ!大姉アライさん例の話を!!!」

スクッ!
大母アライさんの声と共に大姉アライさんが立ち上がり、皆に視線を投げかける。

一同アライさん達「「「!!??」」」パチクリ

大姉アライさん「あ~え~~。『家族』の運営をする中で、特に今回の事態を受けて―。
制度上の課題がいくつか見えてきたのだ…。その改善策として…」

スゥゥゥゥ―

大姉アライさんは一度息を吸い込み、やがて気を決して皆に伝える。

大姉アライさん「アライさんは、小姉アライさんと連名で―『家族』の形態を『チビ隊』ごとの宿営地分住から、
『千人隊制度』へ移行することを強く提起するのだ!!!」

一同アライさん達「「「!!!!」」」パチクリ

小姉アライさん「…」コクン

事前に『仕込み』をしていたのだろう。
大姉アライさんの提案に合わせて、小姉アライさんも力強く頷いて見せる。

今日はここまでです。

また、二三日程度で続きを書く予定です。

>>1さんへ
あなたのSSに感銘を受けてぼくもSSを書きたくなり書いてみました
>>69の続き(ifストーリー)をイメージしています
よろしければ読んでください!!

~~ ここは蛇張山 ~~~

まだ自然が豊かな山の3合目付近である。

結局ギャルはアライさんを『楽園』に送ることはできなかった。
アライさんの自由=死というのを理解していたからである。
たとえ自分に害をなす存在であったとしても、
過去一緒に暮らした思い出からペットの死を選択することはできなかった。

無論、野に放ったところでアライさんが無事生活できるとは限らないが、
確実な死よりもいくらかでも生き残れる可能性に賭けたかったのである。

ギャルはキャリーの扉を開けた。
中からアライさんが飛び出し、ヨチヨチしながらも脱兎のごとく駆けてゆく。

アライさん「ふははははーやっと自由になれたのだーこれでアライさんの天下なのだぁ!」

アライさんはギャルの方を一瞥することもなく、そのまま森の中へ消えていった。

ギャル「・・・(アライさん・・・生き延びてね)」

ギャルはアライさんの消えた方角を悲しげな表情でいつまでも見つめていた。

・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・

ギャルに反してアライさんはニッコニコのガイジ顔で森の中を歩いていた。

アライさん「これが自由なのかー!とても開放的なのだー!早速アライグマを見つけて交尾するのだー!!」

グゥーッ!!

アライさんのお腹が鳴った。時間はもう昼過ぎである。そういえば朝ごはんを食べてから何も口にしていない・・・

アライさん「おかしいのだ、何でアライさんのお腹が減っているのにご飯が出てこないのだ?」

生まれた時から飼われているアライさんにとって、食べ物とはお腹が空いたら誰かが勝手に持ってきてくれるものである。
自分で狩りをして手に入れる、という発想が抜けてしまっていた。

アライさん「お~~い、誰か、誰か食べ物を持ってくるのだ~!」

ふと、アライさんが周囲を見渡すと、すぐ傍の木に木の実が成っているのを発見した。

アライさん「アライさんが見つけたのだ~これはアライさんのものなのだぁ~!」

ヨジヨジと木を上り始めるアライさん。しかし…

ツルッ!!

ビターーーーン!!

手を滑らせて木から落ち、そのまま顔面を地面に叩きつけてしまった。

アライさん「ううっ…痛いのだ・・・アライさんは何も悪くないのに・・・どうしてこんな意地悪をするのだ・・・」

アライグマは木登りが得意な動物であり、アライグマのフレンズであるアライさんも木登りは得意だ。
しかしこのアライさんに至っては足首を切られているだけでなく、
ずっとケージで飼われていたため木を登るための筋力が低下しており、
他のアライさん達の登り方を見て真似ることもできなかった。そのため極端に木登りが下手なのだ。
しかし、我流でも今後木登りを続けていれば、いずれは上達するであろう。

アライさん「ん?あれは・・・あれも木の実なのだ!?」

アライさんは木の根元に木の実が落ちているのに気がついた。
幸いなことに落ちてまだ時間が経っていないらしく新鮮な状態だ。
アライさんは木の実を拾うと大きく口を開けた。

アライさん「いただきまーす なのだ!(パクッ!!) ・・・に、にがいのだ~!!」

あまりの苦さに木の実を吐き出すアライさん。人間が栽培している食べ物と異なり、野生の木の実は苦いものも多い。
むしろ食べられるだけマシで中には毒を持つものさえある。

アライさん「こんなもの食べ物じゃないのだ・・・どこかに食べ物は落ちていないのか・・・?」

アライさんは足早にここを立ち去る。ドッグフードは薄味とはいえちゃんとした味がついていた。
これに比べればドッグフードはスィーツのようなものだろう。アライさんは食べ物を求めて彷徨うがなかなか見つからない。

アライさん「ハァ・・・ハァ・・・食べ物・・・」

食べ物を探し始めてかなりの時間が経過した。すでに疲労困憊で喉もカラカラだ。
ずっとヨチヨチ歩きを続けていたため、手のひらは泥まみれで膝からは血が滲んでいる。
実はアライさんが彷徨っている間にも食べられる野草や小動物が隠れていた木の洞などが存在したのだが、
生まれた時から飼われているアライさんにそんな判断力は見についていなかった。
逆に言えば途中に生えていた毒キノコを食べ物と認識できずにスルーできたのもある意味幸運かもしれない。

アライさんは食べ物を見つけられないまま時間だけが過ぎてゆき・・・あっという間に夕方になった。
元々日の光が入りにくい森の中、まだ日が落ちていないにも係らず周囲は薄暗くなってきた。

サラサラ・・・

ある方向から聞こえてくる音に本能を刺激され、山を登っていくと、川を発見した。

アライさん「お宝なのだ~!お宝を発見したのだ~!」

足元はごろごろした岩ばかりだったが、アライさんは臆することなく走ってゆく。
そして川に口をつけるとゴクゴクと水を飲み始めた。
水はとても澄んでいて冷たい。水を一口飲むごとに体に力が戻るのを感じる。

アライさん「ふい~、生き返ったのだ」

アライさんは川の縁あたりに腰を下ろす。お腹は空いたままだが、喉の渇きが潤ったことにより精神的余裕が生まれた。
ふと、川の中に目を凝らすと、大きな川魚が泳いでいた。
ペットとして飼われていたアライさんでも、魚=食べられる という認識はある。
アライさんは魚を捕まえるため川の中に飛び込んだ・・・

アライさん「がぼっ!がぼがぼっ!!」

その川は意外と深かった。足首を切られていて二足歩行ができないアライさんでは水面から顔を出すことが出来ない。
アライさんはでたらめに手足を陸の方に向けて動かすが、一向に川から抜け出すことは出来ない。

アライグマは泳ぎが得意な動物であり、アライグマのフレンズであるアライさんも泳ぎは得意だ。
しかしこのアライさんに至ってはずっとケージで飼われていたため泳ぐための筋力が低下しており、
他のアライさん達の泳ぎを見て真似ることもできなかった。
更に言えば元々泳ぐのが苦手な・・・つまりカナヅチな個体であった。
そのため極端に泳ぎが下手なのだ。
しかし、我流でも今後泳ぎを続けていれば、いずれは上達するであろう。
問題はこのままここで溺死すればその『いずれは』もないことである。

アライさんは水に必死で抵抗するように手を動かし、その鋭い爪で水を切りつける。
しかし水はそんなアライさんをあざ笑うかのようにアライさんを包み込んでゆく。

アライさん「げほっ!げほげほっ!」

水が肺の中に入ってむせ返る。徐々に意識が朦朧としてゆき、元々暗かった視界が更に暗くなってきた。
薄れ行く意識の中アライさんが考えたのは・・・

アライさん「ご・・・ごほっ!(だ、だじゅけろぉおおお!かいぬしいいいぃ!ペットを守るのが飼い主の責任じゃないのかああぁ!)」

アライさんが死ぬ間際に思っていたのは、死にそうな自分を見捨てた無責任な飼い主に対する怒りだった。

・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・

アライさん「・・・」プカプカ

惜しくもアライさんは志半ばにして死んでしまった。彼女の一体何がいけなかったのだろうか?

食べ物を持ってこなかったから?
- もし食べ物を持参していたとしても、山で狩りを行わなければすぐ底をついたであろう。

狩の仕方を勉強しなかったから?
- 足首を切られているアライさんに狩れる動物がいるのか・・・せいぜい木の実や植物、虫を捕まえるのが限界だろう。

食べられる植物の勉強をしなかったから?
- このアライさんは食べ物を入手できずに死んでしまったが、問題はそれだけではない。

弱肉強食の山の中では自分より強い生き物から逃げる必要がある。
食料の調達は勿論のこと、安全な寝床を用意したり、冬に越冬の準備を行うことは、
足が不自由な元飼いアライさんには不可能だ。

では他のアライさんと、野生のアライさんと遭遇して助けて貰えていたら?
- 用心深い野生のアライさんが人間の臭いのするアライさんに近づきはしないだろう。

とどのつまり、アライさんは人間の加護を捨て、自由になろうと思った時点でアライさんの運命は決していたのだ。
部屋の隅に置かれた大き目のケージ・・・その中でしかアライさんの安全を保つことは出来ないのだ。

このスレの作者です。

本編の続きは現在執筆中ですが――>>58->>63さん。流石に目に余ります。

誤爆自体は事故みたいなものとしても、『アライちゃんのいる日常2』さんの所を拝見したら、
ちゃんと作者様から自分でスレ立てするように注意を受けていたのに。それを読んで猶、荒らし・乗っ取りを決行するとは…。

アライさん・けもフレ二次創作は、結構互いに影響を受け合っている面が有るように思います。
私も他のSSから強い影響を受け、或いは他の作品を読んでいる時に『おや、これはひょっとして自分のSSを意識しているかな』
『これは前、自分も読んだことのある『あの』スレやpixiv作品等からインスピレーションを受けているのかな』と感じる時もあります。

それをどう考えるかは各読者さん・作者様ごとにご見解をお持ちでしょうが、
私自身はそれがあくまで『物語VS物語』の構図になっているなら、良いだろうと思っています。

ただし―最低限のマナーと云うか分別を弁えて頂かないと。荒らしや乗っ取りは何処の作者さんにとっても迷惑な筈…。
それを看過すれば、『物語同士の対話』や『各物語を読み比べながら想像の世界を楽しみたい読者さんの気持ち』を台無しにしてしまいます。

こんな風に書き込むと『荒らしに構ってはいけませんよ』とご注意下さる方もいらっしゃると思います。
まったくその通りだとは思いますが、今回は自分が立てたスレだけでなく、他所のスレを横断した問題だったので、強く抗議しておきます。

>>65
何度注意しても繰り返すのは、あなたの反応を面白がってるからだと思いますよ

そもそもこういう輩が荒らしを繰り返すのは、
子供の頃に親から愛情を注いで貰えず、イタズラして叱られることでしか親に構って貰えなかったからなんですよ

そしてそんなコミュニケーションの取り方しか知らないまま、『見た目は大人、頭脳は子供』に育ったんです

だからオッサンになっても、ママへのイタズラと同じ方法で構って貰おうとするんです
こういうのは障害者みたいなもんで、一生治りません
自分から治そうとすらしません


だからこいつを見たら『可哀想な人だな』と思って、徹底して存在しないものとして扱ってください

構って貰えるまで何度も何度も悪戯を繰り返すのは目に見えて予想できますが、絶対に構わないでください
根比べに負けて触ったらあなたの負けですからね

>>67さん
以後そのようにします。
ちょっと感情的になってしまっていたのかも…。

申し訳ありません。

悪いのは荒らす人。
いじめは虐められる人が悪いんじゃなくて、虐めることが悪いのと同じ

遅くなりました。

続きを書き込みます。
ちょっと、今回は動きが少ない話です。

ザワザワ…

大姉アライさん「アライさんと小姉アライさんは連名で―『家族』の形態を『チビ隊』ごとの宿営地中心から―、
『千人隊制度』へ移行することを強く提起するのだ!!!」

一同アライさん「「「!!!!」」」パチクリ

貧乏籤アライさん「(『せんにんたいせいど』って何なのだ?
今回の事態を受けて『家族』の編成を変えるってことは伝わったのだけど…)」

一同アライさん「「「………」」」チラチラチラ

大母アライさん「…」ギョロリ!

一同アライさん「「「………」」」ビクッ!

『家族』の幹部たる姉アライさん達は、やや聞きなれない単語を耳にして戸惑いの表情を浮かべている。
―きっと『千人隊制度』というのは、先行文明…つまり人間の制度から、引用したものなのだ!
大姉アライさんが今回のような変事に備えて―
もしかしたら、文字の読み書きに堪能なタヌキ『アライ』ちゃん辺りの力を借りながら―準備を進めていたのだ…―


姉アライさん達「…」

そこまでは、流石に理解できる。

しかし―

ドングリ姉アライさん「大姉さん。千人隊制度とはどんな制度なのだ?
そもそもアライさん『家族』は、今のところ成獣全部で300匹ちょっとだから―千人?千匹?の隊は作れないのだ」


姉アライさんの中でも、やや年上なドングリ姉アライさんがもっともな質問を投げかける。

大姉アライさんはその質問に答えようとするが…


大母アライさん「貧乏籤アライさん!ところで、今の『家族』はどういう制度であるのだ?」

貧乏籤アライさん「??!!」

その回答は、やや唐突に放たれた大母アライさんの言葉に遮られる。


貧乏籤アライさん「え…。え~~と…。『家族』の一番偉いアライさんは大母さんで…みんなのお母さんなのだ。
大母さんと血縁が近い蛇張村集落部出身アライさん、血縁が薄い蛇張村山岳部出身アライさん、
血縁が無いか有ってもとても薄い蛇張村村域外出身アライさん。
みんな『家族』に加わる際、『母子姉妹の誓い』をして、大母さんの『子分』、チビになったのだ!!!」

大母アライさん「…」コクリ
頷いて先を促す。

貧乏籤アライさん「『家族』で次に偉いのは姉アライさん達なのだ!人間の国で云う大臣なのだ。
姉アライさんは『家族』の立ち上げ、拡大に功績を立てたアライさん。
及び『家族』に参加を誓った元『顔役』アライさんなのだ。
『顔役』アライさんが地域個体群・血縁個体群を率いて『家族』に参加を表明し、『姉号』を大母さんから貰い、
直後に皆で参加・服属を拒んだマヌケを打ち滅ぼす。そうやって、『家族』は拡大してきたのだ」

一同アライさん「「「………」」」コクリ
そうだったのだ。ほんの少し前の出来事なのに、色んなことがあって―凄く遠いところまで来た気さえするのだ…

貧乏籤アライさん「次に偉いのは恩寵アライさん達なのだ。
恩寵アライさんは大母さんや姉アライさん達の近親アライさんの中から選ばれた親衛隊なのだ。
大母さんの側にお仕えしながら、勉強して、やがて次の姉アライさんになったりする予定と聞いているのだ!」

恩寵アライさん「「「……」」」コクリ
恩寵アライさん達は黙って、一斉に頷く。

大母アライさん「…」チラリ
鏃アライさん「…」
タヌキ『アライ』ちゃん「…」

大母アライさんは、今の話の『例外組』に視線を向ける。

ややあって、それに気づいた貧乏籤アライさんは慌てて言葉を続ける。

貧乏籤アライさん「い…、今言ったのは『普通』の『家族』のお話なのだ…。
姉号、恩寵アライさんの選任の権は大母さんに有るのだから…。
個々のアライさんの『忠誠』や『能力』を見込んで、一本釣り的に称号・席次をあげることもあるのだ。
『異なるけもの』に『家族』への忠誠を条件に『アライ号』をあげて…、傘下にすることもある、
と聞かされているのだ。そのこと自体にアライさんは文句はないのだ!!!」

ワタワタしている貧乏籤アライさん。
鏃アライさんは体の傷が癒え切る前から、戦いに参加して、もう首級を幾つも挙げている。
タヌキ『アライ』ちゃんは大事な先生役をしてくれている。
―ひょっとして、外様扱いして、怒らせてしまったのだ…―

大母アライさん「フン!お前の文句など誰も聞いていないのだ!!!さっさと話しの『続き』をするのだ!!!」

貧乏籤アライさん「…」ホッ!
大母アライさんが、貧乏籤アライさんの失言を心配ごと吹き飛ばしてくれる。
―良かったのだ…。でも、次って?もうお終いなのだ…。後は子分アライさんが居て。それで終わりなのだ…―

ハァァァァァァ―

大母アライさんは溜息を吐く。
『家族』の制度を聞いたのにこれでは良いとこ50点ではないのだ?

大母アライさん「保母アライさんは?チビ隊は?お前、戦時以外はどう過ごしているのだ?」

貧乏籤アライさん「…」パァン!

貧乏籤アライさんは手を打ち鳴らしながら、答える。

貧乏籤アライさん「これはアライさんのうっかりなのだ!え~~と。
普段普通に過ごしていたから…言葉にするのが難しいのだ…。う~~ん」

首を捻り出す貧乏籤アライさん。
案外、『群れの制度』というものは、上から数える形式の分かりやすいものはすらすら話せても、
一旦慣れてしまった『普段の仕組み』というものは言葉にし難い。

仮に―それがアライさん達にとって、これまでの暮らしを一変させるものであったとしても。

ドングリ姉アライさんは話の流れを読んで―大母さんの意図をある程度察知し―、助け舟を出す。

ドングリ姉アライさん「子分アライさんは、『家族』に加わる際、チビを質子として差し出しますのだ。
そうして、差し出されたチビ達とそれを守り保護する保母アライさんで『チビ隊』を組んでいるのだ。
チビ隊は『家族の代母』たる小姉アライさんの指揮下にあり、
『チビ隊』+居残りアライさん(実母アライさんの一部)が戦時には後営の役割をしていますのだ。
戦いや大規模な移動―疎開など―が終わって地域の平穏が戻れば、
平定した地域の縄張り・巣などの調整をして…。
現状、手隙の実母アライさんを含めた『チビ隊』ごとに各宿営地に分住していますのだ」

チラリ!
ドングリ姉アライさんは一同に一度、視線を遣る。

ドングリ姉アライさん「アライさんにとって血縁を後代に残すのは最優先事項なのだ。
チビ隊は出来るだけ、守りやすい場所、逃げやすい所に配置するよう気を付けて―来たつもりだったのだ…」

ドングリ姉アライさんの胸に一抹の苦い思いが過ぎるが―
それに対して、貧乏籤アライさんはケロッとした顔で合いの手を打つ。

貧乏籤アライさん「そうそう。アライさん達は戦いや『儀式』、『家族』のお役目が無い時はチビ隊ごとに…、
ちょっと小さな塊ごとになっているのだ。
勿論、教育のためにタヌキ『アライ』ちゃんや賢い姉アライさん達が回って来るし、
使者・伝令・斥候・巡回のアライさんは廻って来るのだけど。何か普通に過ごしていたら―」


大母アライさん「…」
『普通に過ごしていたらそうなっていたのだ』
それはそうなのだ。
大母アライさんとて、次々と起こる事象に対処しながら、ここまで急増した『家族』を率いてきたわけで…。
流石に全部の制度を前もって設計した―と言う訳ではない。

何とか、平定戦を乗り切り、『家族』の動員を解除した時。
各々の巣やえさ場や宿営地を割り振った時。
アライさんは基本構造が『母子』の社会構造―つまり、何よりも子育てが生活の中心であるから。
だから―自然とその割り振りは『チビ隊』ごととなった。
保母アライさんは、基本蛇張村村落部出身アライさん(=大母さん・小姉アライさんの血縁)中から、
選任しているが、他のチビ隊メンバーは各血縁個体群・地域個体群に大体一致している。
割り振った宿営地も、調整こそすれど、出来るだけ各個体に馴染みがある地域になる様に配慮していたから――
『普通』に惰性で分住生活が進み出していた。

小姉アライさん「(それはそれで結構なことだと思っていたのだ…。
もともと、アライさんは強く結合した群れは作らないけもの。せいぜい、母子・血縁個体群程度。
必要に迫られてそれを転換したのだけれど…。
戦時と『儀式』と教育と―場合によっては狩りや餌集め―で共同活動が可能になれば、
普段の日常に関しては、ある程度これまでの暮らしぶりを温存しても良い―とも考えていたのだ)」

大姉アライさん「(ただ、この分住形式。
結構、成り行きでそうなってしまったから、いろいろ不味い面もあるのだ。
特に保母アライさんの立場の曖昧さは問題なのだ。小グループのリーダーなのか、チビの保母止まりなのか。
斥候と見張りを重視するよう命令はして居たのだけど、それをどのアライさんが長となって指揮・監督するのか。
まだ、大母さんが直卒している本営や各姉アライさんが率いる宿営地、班はましなのだけど…)」

『チビ隊』は小姉アライさんの管轄。
その筈だったのだけれど―
チビ隊が戦時の一時的な『保護・人質』機能から、知らず知らずのうちに分住の単位になるにつれ、
とても一匹では目が届かなくなっていったのだ。

大母アライさん「…」
ジロリ!ジロリ!

左右に目を遣り、問題の所在を各姉アライさんが認識し始めた頃合いを見計らい―
大母アライさんは断を下す。

大母アライさん「各分住地のアライさんを再編するのだ。それぞれに長とそのまた上の長と更にその上を定め、
戦時と平時両方を統べさせるのだ。
アライさん達は『家族』で生きることに慣れて来たから『チビ隊』と云う単位は大幅に縮小させ、
基本幹部アライさんのチビのみで構成するようにするのだ」

恩寵アライさん達「「「『家族』の編成制度に変更を加えるのだ!!!」」」

山姉アライさん「なるほどなのだ!それで例の…『千人隊制度』って言うので問題の解消を図るのだ?」

大母アライさん「…」コクリ
大母アライさんは一つ頷くと大姉アライさんを促す。

大姉アライさんはやや緊張した面持ちで説明を始める。

大姉アライさん「え~~。『千人隊制度』というのは古代から遊牧国家で伝統的にとられていた
十進法区分に基づいた兵政一体の社会制度なのだ。

この制度を選んだ理由は山野に伏し、厳しい自然・気候に生活を左右され、
未だ文字に不慣れな『家族』の生態と、
かなり後代まで文字を持たず、同じく厳しい気候・自然条件に左右され
離合集散が激しいドライな気質の民を統べた遊牧国家にある種の共通点をアライさんが感じたからなのだ」


そう大姉アライさんは語り出す。

大姉アライさん「そう言った共通点から―
アライさんが兎も角、急いで取り入れる軍制・政制としてはこれが適合していると感じるのだ。

その詳細としては『家族』の全てのアライさんをまず10匹ずつの隊に分け、
10匹のうち1匹が『十匹長アライさん』として他の9匹の指揮官に任ぜられるのだ。

更に、その『十匹長アライさん』10匹のうち1匹に『百匹長アライさん』の称号を与え、
百のアライさん全体がその指揮下に置かれるのだ。

アライさん達『家族』は今は成獣300匹ほどなのだけど、
もし千匹、万匹になっても同じように同格のアライさん10匹ごとに順次『長』を選任していくのだ。

このような編制に従って、平時は宿営地ごとに生活を営み、
緊急の際は上位の『長』アライさんから下位の『長』アライさんに命令を下し、
或いは報告を上げる様にするのだ。

各『長』のもと、10匹のアライさんは共同の責任で死命進退を共にするのだ!!!」

一同アライさん「「「……」」」シ―――ン
貧乏籤アライさん「…」シ―ン

シ―――ン

大姉アライさん「(へっ…?不評なのだ?!説明が分かりにくかったのだ???)」

大姉アライさん「も…勿論、各長を選ぶときは今の称号・役柄と対応させながら考慮、兼務させ…」

貧乏籤アライさん「しゅ…しゅごいのだ…」ブルブル

大姉アライさん「???」

山姉アライさん「これで…天下が取れるのだ…」
洞姉アライさん「無敵の軍団が出来上がるのだ…」

一同アライさん「「「一兆円を手に入れたよりも嬉しいのだぁぁぁぁぁぁぁ」」」コスリコスリシッポフリフリ


大母アライさん「(取れるか!ガイジか!!!
取り合えず、分かりやすくてやれそうな制度が今はこれというだけなのだ!!!
大体…一兆円がどれだけなのかこいつ等分かるのか?)」


一同アライさん「「「天下が取るのだぁぁぁぁぁぁ」」」コスリコスリシッポフリフリ
一同アライさん「「「地果て海尽きるところまで至るのだぁぁぁぁぁ」」」コスリコスリシッポフリフリ

何か変な高揚感に包まれている一団にちょっとドン引きしながら、
大母アライさんはタヌキ『アライ』ちゃんに視線を投げかける。
―後で一兆円ってどれぐらいか聞くのだ!―

タヌキ『アライ』ちゃん「うぉぉォォォォォ!!!」シッポフリフリ

大母アライさん「??!!」
―マヌケか?!此奴まで場酔いしているのだ―

かなりドン引きである。
ずっと山野に伏していた野良アライさんが新制度の導入を―
如何にも実行出来たら、『強そう』に聞こえるアイデアを―喜び勇む気持ちは何となく理解できる。

そもそもアライグマは好奇心旺盛であれやこれやと試みるのが好きな生き物なのだから―

彼らに人間の制度を真似ることに大きな抵抗感はない。
面白そうな―あるいは生存に役立ちそうな―ものは積極的に取り入れ、ダメだったらまた、考えるまでなのだ。

そして、この制度は―やっと読める様になり始めたマンガから経た知識で―
強勢を誇った遊牧国家が基盤にしていたという事もあり、アライさんの琴線に妙に触れたらしい。

一同アライさん「「「!!!」」」コスリコスリシッポフリフリ


大母アライさん「…」
―これはちょっと重症なのだ…。人間に一撃を加えられた所だからこそ、
如何にもなアイデアに飛びつき喜び過ぎている。制度変更に変な抵抗を示されるよりはましなのだが…―

制度は定めて、任じて『ハイ!お終い』ではない。
『試み』『行い』『省みなければ』―それが不十分だったから、そもそも今回の事態になったのだ!!!


大母アライさん「血の轍を踏ませねば…」ボソッ!

そう呟いた大母アライさんの声は深い暗闇に飲まれて行った。
耳が良い同族の鼓膜にさえ、捕らえられることなく―

今日はここまでです。

二三日以内に続きを書き込めればと思います。

>>82
この制度を選んだ理由は山野に伏し、厳しい自然・気候に生活を左右され、
未だ文字に不慣れな『家族』の生態と、
かなり後代まで文字を持たず、同じく厳しい気候・自然条件に左右され
離合集散が激しいドライな気質の民を統べた遊牧国家にある種の共通点をアライさんが感じたからなのだ」

擬似家族の集まりなのに「離合集散が激しい」奴らの真似するのヤバない?
ポーズとはいえ子供死んだ時血流して悲しんだのにドライな気質と似てるって言って良いの?

            \  人  /   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
          _   (__)  _ < うんこうんこうんこ!
              (__)     \________

           / ( ゚∀゚ ) \              
               ̄ ̄ ̄     人
                      (__)

                人  ∩ (__)  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\∩ (__) \( ゚∀゚ )< うんこうんこうんこうんこ!

  うんこ~~~!   >( ゚∀゚ )/ |    / \__________
________/ |    〈 |   |
              / /\_」 / /\」
               ̄     / /
                    ̄

続きを書き込みます。

>>92さん
全文を改めて読んでくだされば、お分かりかと思いますが、
遊牧国家を形成した民の『離合集散が激しいドライな気質』を真似しようと大姉アライさんは言ってはいません。

(人間の諸国家諸文明の中では)厳しい環境に生きるがゆえに血縁と実利を重視し、現実主義的な(『離合集散が激しいドライな気質』)
遊牧国家の構成諸族民とアライさんにある種の共通点を見出し、そう云った気質の諸族をも統べることが出来た制度は選ぶに足るのでは…。と提案している場面です。

某日

青年団長「これは、万里の長城だな…」

蛇張村安全エリアを取り囲む電気柵を見回し、素直な感想を彼は述べる。

佐藤「もしくは、ベルリンの壁とでも言ったところでしょうか」

自分達を守ってくれているのは分かるのだが―どうも視覚的に―受け入れがたい。

青年団員1「このエリアを足掛かりにして、故郷を復興していくんですよね?」

青年団長「ああ。そのためのプロジェクトも動き出しているぞ」
―課題も多いが。しかし、踏み出さねば―

青年団員2「そして、帰還記念式典…」

青年団長「うむ。村長だけでなく、県知事、今回の作戦にお力をお貸し頂いた県兵の皆様もいらっしゃるらしい。
どちらかと云うと感謝祭に近いニュアンスもあるかな」

佐藤「俺たちも、式典のボランティア頑張るぞ」

青年団員1、2「「はい」」

        うんこ ワッショイ!!           
     \\ うんこ ワッショイ!!  //
 +   + \\ うんこ ワッショイ!!/+

                 +    ブリブリ
   +     人      人      人     +
         (__)    (__)    (__)
  +    (__)   (__)   (__)     +   
.   +   ( __ )  ( __ )  ( __ )  +      
      ( ´∀`∩ (´∀`∩) ( ´∀`)          
 +  (( (つ   ノ (つ  丿 (つ  つ ))  +

       ヽ  ( ノ  ( ヽノ   ) ) )
       (_)し'  し(_)  (_)_)

県兵の追い出し作戦が終了して暫く経つ。
今日までの間、村民たちが怠けていた―という訳ではもちろんない。

この日は村の有志が役場から許可をもらい、村民の『里帰り』支援を実施している。
そのおかげで、セルリアンとの戦いの中運良く家を失わずに済んだ方は、数十年ぶりの帰宅がかなった。
もう世代が変わっているご家庭も多いが―

慌ただしい避難のなか、大事なご位牌やご仏壇、家族の思い出のアルバム等を持っていく暇さえなかった方も多い。

せめて、セルリアンや火事場泥棒、そして家々に住み着いていたというアライさん等の野生生物・フレンズに
一片の情があることを願うばかりだった。

そして、現実は―
彼らに少しだけ優しかったようだ――


村民1「う…う…。おじいちゃん、ただいま…。今から、お祖母ちゃんの所に連れて行ってあげるね」シクシク
ご位牌を手に真っ先に気持ちを伝える人。

村民2「家の中が空っぽになってたのに、アルバムだけは残ってた…」
村民2の夫「不思議なこともあるものだな」
村民2「見て!お祖母ちゃん。こんなに若い…」

過ぎし日の中にいる大事な人と心を交わす者。

勿論、中には現金な人もいる。

村民3「爺さん家。あれじゃもう住めないよ。いっそペチャンコになるかしてた方が補助金多かったかも…」
村民3妻「そこらへんは大丈夫よ。どの家もそんなものだから。
それより―いっそ内部をリフォームして民宿しましょうよ。
この村『セルリアンとの古戦場跡』で世界遺産狙ってるんですって。
ミリオタ?廃墟マニア?の人が観光に来るかも…」
村民3「そんなに上手くいくかな…」

『里帰り』に来た何組もの村民達は、或いは故人と心を交わし、
或いは、今を生きるため『郷里』という資源をどう生かすか考えを巡らしている。

       人
      (_)
      (___)
     (,,・∀・)  ウンコー
      ( O┬O
  ≡ ◎-ヽJ┴◎  キコキコ




       人       
      (__)      
      (__)      
ウンコー  (・∀・,,)     
     O┬O )      
キコキコ ◎┴し'-◎ ≡




61 :
              人
             (__)
             (__)
       ウンコー  (・∀・,,)
            O┬O )
_| ̄|○  キコキコ ◎┴し'-◎ ≡




   人                      <ウンコー !     
  (__)              (,,・∀・)
 (__)                ( O┬O
_| ̄|○i|!         ≡ ◎-ヽJ┴◎  キコキコ


一方―

ジ―――ン

青年団長「シクシク…う…う…」

基本、情に厚い青年団長は、村人達が失われた40年以上もの歳月を越えて『里帰り』がかなったこと、
そして、彼ら彼女らをこの地で待ち続けた『祖霊』達に再会が叶ったことに胸を熱くしている。

青年団長「良かった…。本当に…」

佐藤「しかし…。奇妙なこともあるものです」

青年団長「???」

佐藤「皆のお話では、火事場泥棒(?)に家々から物品が盗られたことは間違いないのに。
宗教関係物や思い出の品には手が付けられていないなんて…」

青年団長「泥棒も人の子。さすがに良心が咎めたのだろう。もう何十年も前の話だ…」

佐藤「(火事場泥棒の中には最近持ち出されたっぽいのもあるのだが…。
ボランティアを装った不逞の輩の仕業かな)」


青年団長「さて…。そろそろ引き上げの時間だ」
帰りのバスの出発時間を確認しながら青年団長はスピーカーを、佐藤はトランシーバーを取り上げる。

青年団長「村民の皆さん。バスの出発時刻まであと、20分になりました。名残は尽きぬところですが、そろそろ本日の一時帰宅を終了します」



避難区域が解除されたとはいえ、『村民』達には各々に帰る場所がある。
数十年の避難生活で手に入れたもう一つの故郷・職場・家族。

制度によって『宙ぶらりん』にされ続ける時期は終わった。
自分たちは、これから、これまでお世話になった新しい故郷を大事にしつつ、
ご先祖から受け継いだ蛇張村も少しずつでも復興させていかなければならない。
―きっと長い道のりになる―

         人
        (__)
       (__)┏━┓      / ̄ ̄ ̄

   o、_,o (・∀・ ) §ウ§_ ~ < 毎度~

   =○=⊂  )││ン | ~   \___
   /___/| /  丿 | |_コ._|
  γ,-/| |UU'// 丿ノ     ~

   | |(),|_| ||/二)
   ゝ_ノ ̄ ̄ ̄ゝ_ノ=3ブベベ

青年団長「(帰還式典自体は役場主体。村役場…完全に吹き飛んでいたな。まだまだ、当分、仮庁舎だろう)」

まあ、役場が隣町でもなんとかなる。それより、まずは旧村民の団結がこれから一層大事だ。
離散村民会と協力しながら―比較的、蛇張村付近に暮らしている自分達青年団が復興の先駆けにならないと!!!


ブルルルルゥー!!!


力強い排気音とともに、村民たちを乗せたバスは荒れた道を下っていく。
―この道もいずれ舗装しなおさねば!!!-

        *∵☆★☆☆*☆*☆☆★☆∴*
      ※∴★☆☆*°°|°°*☆☆★∴※
     *.∴☆☆☆°°°°|°°°°☆☆☆∴ *
    *∴☆★☆°\°☆☆★☆☆°/°☆★☆∴

   .. ※☆☆*°°★°° 人   ★ °°*☆☆※  *
   ∴☆★☆°°☆     (__)   ☆ °°☆★☆∴
   ∴☆☆*°°☆    (__)   ☆°°*☆☆∴
   ※☆★☆――★  ∩ ・∀・)∩  ★――☆★☆※   ⌒★〟

   ∵☆☆*°°     〉    _ノ   °°*☆☆∵ *
   ∵☆★☆°°☆   ノ ノ  ノ      ☆°°☆★☆∵
   ※☆☆☆*°°★ し´(_)  ★ °°*☆☆☆※ *

   *∵☆★☆°/°☆☆★☆☆°\°☆★☆∵
      ∵☆☆☆°°°°|°°°°☆☆☆∵    うんこーーー!!!
      ※∵★☆☆*°°|°°*☆☆★∵※
      *...☆∵☆★☆☆*☆*☆☆★☆∵☆    .ζ
         ※∴∵☆★☆★☆★☆∵∴※      ☆〟

『すべての道はローマに通ず』
国道はやがては首都に、県道はこの県の県庁所在地に。

その県庁内の一番立派な部屋―知事室-の頑丈な扉を少し乱暴に叩く音が響く。

ゴン!ゴン!ゴン!

県知事「はい。何事かね!」

ガチャ!ペコリ!

最低限の礼儀は守り、入ってきた男は県知事に一礼する。
県知事は相手の無作法な態度に少し眉を上げる。まあ、取り立てて注意するほどではないが―

県知事「県議殿。面会の約束はございましたかな?」

県議「先ほど急遽…」

県知事「ふむ…」
陳情でも持ってきたのだろうか…。自分も暇な人間という訳ではないのだが…。

      / ̄ ̄ヽ
     / /~ ̄ヽヽ
     | .|    | |
     |. | ・∀・| |  ベンキー!!
     ゝヽ  .ノノ
     ヽ, ̄ ̄ ̄ ̄)
     人     Y´
     し (___)

県知事「どうぞ。そちらにお掛けになって…」
県議「失礼します」

そうこうしているうちに秘書がお茶を持ってくる。

県知事「県議殿。ゆっくりお話を伺いたいが、それはまたの機会として。今日は要点のみを…」
県議「知事!!!」
県知事「…」ビクッ!

急に大声を出さないで欲しい。

県議「先の蛇張村での県兵の作戦に陸自の…アライさんが加わっていた、というのは本当ですか?」

何だそのことか…。

県知事「ああ。私も後から…。国も油断も隙もあったものじゃないの」

県議「それから―知事が県として陸自アライさん隊に感謝状贈呈を検討されているというのは?」

耳が早いな。

県知事「それも本当だ。国には私も思うところあるが―自衛隊にはお世話になっているし―
陸自アライさんの働きにも報いたい。実験部隊ということだから、贈呈のタイミングは防衛省と協議…」

県議「正気の沙汰とは思えません!!!」

県知事「!!??」

正気の沙汰ではない―とは随分な良い様だな…。

県知事「県議殿。何か誤解が御有りでは…。私はいやしくも県民の代表ですぞ。或いは言い間違いですかな?」

ことを穏便に済まそうと知事が出した助け舟を―

県議「正気の沙汰ではないと申し上げました!
例え子孫アライさんと云えども、アライさんを褒めるなど百害あって一利なし。まして野良の奴らは…。
アライさんは…本質的にテロリストですよ!!!」

県議は付き返す。

      ミ
     ミ  
       \\\
              おやすみなさいベンキー
     ( ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)
     ヽ, ̄ ̄ ̄ ̄) バタン
     人     Y´  
     し (___)

どうしたのだ?最近の若い政治家は何でも言うことが過激すぎる。
年寄りの自分にはついていけない。

『アライさんはテロリスト』そう断言する県議の顔を、知事はやや困惑したように見つめている。

短兵急なことを。
さて、どう答えたものか。

今日はここまでです。

また、二三日程度で書き込む予定です。

うんこ祭りと聞いちゃ黙っていられねえ・・・ ウンコー!!!    
  |  /  /  |便|/ // /         人    
  |/  /.  _.| ̄|/|/|/          ( _ )
/|\/  / /  |/ /           (___)
/|    / /  /ヽ     人       /〔 糞 〕〕つ
  |   | ̄|  | |ヽ/l    (__)     `/二二ヽ
  |   |  |/| |__|/   (__)     / /(_)  人
  |   |/|  |/      ( ´∀`)   (_)    ( _)
  |   |  |/      // /  ^ ̄]゚        (`   )
  |   |/        ゚/ ̄ ̄_ヽ         ⊂〔〔 糞 〕
  |  /         /_ノ(_)          ┌|___|
  |/          (__)             (_ノ ヽ ヽ
/                                (_)


アイツら土足だろうに足跡で誰か入ったか分からないのか?それに大母が纏める以前は全く荒らされてなかったの?不思議な地だな

人が住まないと住居はすぐ朽ちるって言われてるけど無事っぽいここの家は一体どうなってるんだ……
それに荒らされ具合も大母一派以外も前後で色々してただろうに無事とか違和感バリバリだわ

そういえば大母ってどこで仏具の種類とか覚えたんだっけ

お得意の手回しラジオかテレビの盗み見から得たんだろ、某「ハワイで親父に教わった」を地でやってるようなもんだしもう突っ込むだけ野暮だろ……必要な知識はいつの間に勝手に覚えてるよ
ってかその仏様の知識も「アラスコで衝撃を覚えた」とか言って取り入れてたけど結局危機回避能力に優れた大母SUGEEEEやりたかっただけになってるよな

>>117
「幽霊の正体見たり~」なんて言うし揺さぶりをかけられてパニック状態だったし多少形が変でも誤認するのは別におかしくは無いんじゃないかな
視力は知らん、他の夜行性動物と同等とか言ってるけど「アライグマに限らず夜行性の動物は基本的に視力が悪い(犬猫で0.3~0.1)」ってのは無視してるし

作者です。

ただいま続きを執筆中。

ちょっと、ご質問が溜まっているようなのでお答えしますね。

>>109さん。>>110さん。

これは、自分が簡潔に書きすぎたせいかもしれませんが…、普通に『足跡』もついているし、『荒らされて』いますよ。

そもそもこの村民たちは自分のお家が長年放棄され、アライさんや他の(イノシシやらタヌキ、ハクビシン等)野生動物の住処に
されていた、と云う前提で訪れています。当然、混乱期や放棄後には人間の火事場泥棒もいたことでしょう。
『それでも、もし…幸運にもかつての日々の縁(よすが)が少しでも残っていれば』と。

だから、逆に『足跡』があろうが、昔の家財が消えていようがそこまでは気にせず(というより、事前に村民が知りえる情報ではそれが普通のこと)、思い出の品が残っていたことを喜んでいる、という訳です。

人間の泥棒にとってもアライさんにとってもアルバムとかはあんまり価値のない、標的にならないものですし。
『ピッカピッカ』の仏具はアライさんにとっても『お宝』かも知れませんが…、
なら尚のこと『アライさんのお家』に保管するはず…。

と云うところに、大母アライさんの持ち出し禁止令が下り今に至る、と。

また、住居の無事さに関してですが―、全然無事ではないです。
シリーズが長くなってしまったので仕方ないですが、そもそも何とか原型を留めている家屋が避難前の3分の1以下と記述した記憶があります。興味があればご確認をお願いします。

実は>>110さんのご指摘について、そのまま記述された場所があります。

>>96の『村民3「爺さん家。あれじゃもう住めないよ。いっそペチャンコになるかしてた方が補助金多かったかも…」
    村民3妻「そこらへんは大丈夫よ。どの家もそんなものだから。
    それより―いっそ内部をリフォームして民宿しましょうよ。
    この村『セルリアンとの古戦場跡』で世界遺産狙ってるんですって。
    ミリオタ?廃墟マニア?の人が観光に来るかも…」
    村民3「そんなに上手くいくかな…」 』

という部分。

村民3(夫)が『あれじゃ住めない(荒れ具合。老朽化で)。いっそ、家がなくなった方が補助金が多かった』と嘆くと、
奥さんは『どの家(家庭=他の村民)もそんなもの』と答えています。

家が残ろうが残るまい(ペチャンコ)が補助金は変わらない=それだけ資産評価が出ないほどヤバイ。

そして、逞しい奥さんは『外側だけは残して、お金儲けしよう!』と提案しますが、
旦那さんに『そんなには上手くいかないのでは』とツッコまれています。

こうしたやり取りで、読者の方も村民の置かれた状況を察して下さるものと思っていたのですが、少し説明不足であったようです。

今回の一時帰宅は作中の描写道り、云わば『遺品回収』が目的の有志活動。
何十年も放棄せざるを得なかったお家にそのまま住めるとも、内部に残した物品が全部無事とも訪れた人は誰も思っていない。
そんな中でのワンシーンであることを思い出していただければ、より理解がしやすいのではないでしょうか。

続きです。

>>111さん。>>112さん。

え~~と。これもシリーズが長くなったので仕方がないのですが…。
大母アライさん、大姉アライさん等村落部出身アライさんは、蛇張村で行動圏が完結していたわけでは無く、
しばしば餌集めやら、好奇心やらで人里にも行き来していた、と書いていたはずです。

そうした日々を送れば、当然、お墓参りをする人を見かけることもあったでしょうし、
毎日仏壇にお経を読み故人に話しかけるご遺族の声を聴くこともあったでしょう。
『お前さんが逝って、○○年になるが、ワシは変わらず暮らしているよ』等。

学校にもし忍び込む機会があれば、ブッダやイエスのエピソードを聞く機会さえあったかもしれない。

さて、そんな情景を思い浮かべていただいたところで、後は読者の皆さんのご想像にお任せします。

『アライさんの様なバカは仮にそう云う機会が在ったとしても、その情景の意味を推察出来はしない。作者はアライさん贔屓。
アライさんSUGEEEEしたいだけ』とお考えになるのも結構ですし。

『いや、少なくとも他のフレンズやヒトなら仮に育った文化が違っても、ある程度場数を踏めばそれの意図するところくらいは、
察知する。アライさんが特別YOEEEE補正が掛かっていないなら、アライさんの中にもそれを(共感よりは損得勘定からでも)理解する個体はいるだろう』と感じるのも自由です。

どうぞ、ご自由に想像の翼をはためかせてください。


>>115さん。

良い所にお目を付けられました…。
このSSのスタンスに『動物の擬人化とは果たして何だろう。けものがフレンズになることは幸せなのだろうか』と云う問いがあることは何度かご説明したことと思います。

さて、夜行性動物は目が悪い―と書いて、>>115さんはあの優しい微笑みのキャラクターを思い出しませんか。
『私、夜行性だから』

実は、現実のアライグマの特徴を反映し、このSSのアライさんは『やや色盲気味。視力は明確にはし辛いが多分人間でいうBかC以下』
ぐらいの感覚で書き始めました。

ただ、それで書いているうちにちょっとした疑問が…。
よく考えたら、かなりの哺乳類が目が悪い(あくまで人間基準)。そして、夜行性、ないし半夜行性。

しかし―アニメでは特段にフレンズの目が悪い描写はなく、『アライさん目が悪いネタ』を採用しているSSも他のフレンズ関しては
概して視力を問題視していない…。

もしかして、フレンズになったら別に目は問題ないのでは?
或いは――アライさんに弱点を付け、YOEEEしたい人間の気持ち(マウントを取りたい人間の心)を鏡のように映しているのでは…。とも思えてきて―。

一応、当SSの設定では『やや色盲気味。視力は明確にはし辛いが多分人間でいうBかC以下』のノリで行きますが、
もし、>>115さんがよろしければ、私と一緒に考えていただけないでしょうか。
『なぜ、自分は(一時的にしろ)アライさんが目が悪いことを強調していたのか。他のフレンズの視力にはツッコミ疑念を一切抱かず』そう考えると見えてくるものもきっとあるでしょう。

自分は『うぉ!人間ってよく考えたらすごい所あるじゃん!!!』とSSを書きながら何時も実感する毎日です。

ああ、クマのお話は、これの応用です。
クマは耳と鼻は良いのですが―目はかなり悪い動物です。
でも、別に木にぶつからずに走れていますね。

『転がるように黒い塊が山から下ってきた。よく見るとクマ。駆け降りるのを遠めに目の当たりにし、慌てて逃げかえった』と云う
ツキノワグマと人間の実際の遭遇事案を下敷きにあのエピソードを書きました。

TTT会員達が見たのは、藪を駆け降りるクマの『黒い大きな影』。聞いたのは轟くような吠え声。
しっかりと全身を隈なく間近で観察などはしていません。入山以降ずっと彼らは地域を騒がせていた巨大クマを心配していたので…。

そういう風に書いたはずなので、どうかご確認をよろしくお願いします。

ちなみに他の作者様のお話の中はどうか存じませんが…。
当SSはしばしば、『アライさんはイメージとは異なり、チンパンジー・ツキノワグマ並みの脅威に成り得る』とかなり初期から、記していたはず…。首の力だの手(前足)の力だのと云ったお話はそちらもご参考にしてご想像いただければ、と思います。

そうだ…。

あと>>129はあくまで、自分がSSを書く上での所感でほかの作品・作者様にケチを付けている訳ではありません。

自分が書いて居るうちに、こんな心境になった。こんな気づきがあった。この物語に触れた方はそれをどうお考えですか…。
というささやかな問いかけにすぎません。


読者の方のご質問には極力お答えしようと思っているのですが、レス数や以前の荒らしの件もあってどこまでお答えすればいいのか、
分からなくなってしまうことがあります。知らずに地雷を踏んでしまっているのかも。

どの人がどういう意図で反応を返してくれたのか…。

もし、気分を害した方がいれば、申し訳ありません。

投稿して1日以上経つのに誰も乙しないwwwwwwwwwwwwww

http://livedoor.blogimg.jp/karapaia_zaeega/imgs/f/9/f98ba463.jpg
これは福島の炉心溶融から4年後の写真
建物もそうだが40年も経ってたら道路を車で走れんし
水道や電気などのインフラも完全に死んでるから
人が住めるようになるまで更に10年はかかる

自衛隊法第6章「自衛隊の行動」(第76条~第86条)にあるが、
自衛隊は外部からの武力攻撃とか人命救助以外に対しては
関係自治体からの要請なしに出動できない
2014年、秩父の大雪の際に自衛隊が孤立世帯に対する支援を提案したけど
自治体が要請しなかったから支援できなかった、って話は有名
『異世界なので法律や組織の権力図が違います』ってんなら
紛らわしいから現実の組織の名前塚わなでくれ

結局のところ、>>1が叩かれているのって
読者に対するマウントが激しすぎるからなんだよね
昨晩の投稿だって『自分は悪くありません、理解できない読者が悪いんです』
って気持ちが文章からにじみ出ている

SSなんて元々[田島「チ○コ破裂するっ!」]だろ……それを否定するやつはいないと思うぞ
頭の中の情景や設定を文章にして伝えるって難しいからしゃーない、自分は100%分かってるけど相手は0%だから思ってる以上に他人には伝わらん
だから分かりにくい文章ってのは細かく書くのを横着してるか「これくらいなら書かなくても分かるだろ」って下に見てるか、普通に伝えるのが下手かのどれか

>>1「描写が少なかったかもしれませんが少し考えれば想像できると思います」

続きを書き込みます。

県知事はマジマジと県議の顔を見つめ、やがて一つ頷く。

県知事「県議殿。少しお疲れの用ですぞ。一度出直すことをお勧めします」

スゥ―

目の前のテーブルに置かれた湯呑を示しつつ、知事は口を開く。
色々と知事も忙しい身。
要領を得ない嘆願は控えて―それを飲んだら事務所で再考してほしい。

そんな知事の反応を見て、県議はますますボルテージが上がる!
自分がわざわざ足を運んだのに、この老害の頑固者め!!!
後援者の方々が心配した通りだ。
―大方、次の知事選で『フレ信票』『アラ信票』『愛護票ならぬ愛誤票』を逃すのが惜しいのだろうが―

県議「(そうはいくものか!!!)」

ガタン―

頭に血が上った県議は激情半分、パフォーマンス半分で吠え声を上げる。

県議「これはこれは!!!失礼ながら知事は、我が県の現状を正しく認識しておられない様ですな!!!
県民の代表者たる身分でありながら…。アライさんの悪辣さは世人の知るところ。
空き家や下手すれば民家に住み着き、畑やゴミを漁り、
終いには追い出しに掛かった県兵に火炎瓶まで投げつける!!!
山や森に住みつき、野生動物・野生フレンズまで襲い、森に立ち入った子供に牙をむいた事例さえ…。
これをテロリストと呼ばず何と呼ぶのです!!!」

ハアハアハア…

県議「(我ながら…パフォーマンスが過ぎたかな…。いや、政治家と言うのはこういう積み重ねが大事。
有権者は案外よく見ている)」

肩で息をする県議。『ちょっと言い過ぎ』を軽く後悔しながら相手の出方を探る。


チラリチラリ…


県知事「(そろそろ終わりか。まあ、ここまで足を運んで『吠え声』一つ上げずに帰れば…。
流石に県議殿も後援者に面目が立たんだろうて…)」

知事は知事で、相手の『吐露』が終わるのを待ちながらタイミングを見計らう。
若手の啖呵を受け止めるのも上位の『老人』の役割―これがなかなかしんどい。

―もういいかな―


県知事「そうですな―。何と呼ぶかと問われれば―
普通に『野生動物』『けもの』ないしは―『害獣』と呼ぶ外ないでしょうな」

知事は努めて落ち着いた声で話しかける。

県議「…」キョロキョロ
若手の県議はやや毒気の抜かれたような顔をしつつ、拳の下ろし所を失い戸惑う。

―作戦は成功―

県知事「さあ。一旦腰を降ろして、どうぞお茶の冷めないうちに」

県議は暫く、席を蹴ったものか話を続けるべきか迷った末。
ストンと腰を降ろしお茶を啜り始める。

県議「…」ズズズゥ

知事は少しそれを見守った後、ゆっくり口を開く。

県知事「さて、そろそろよろしいですかな」

県知事「県議殿。あまり短兵急な物言いは責任ある立場としてよろしくありませんぞ。
県民・国民の皆さんと私は心配事を常々共有しているつもりですが…。
一般の方が『アライさんはテロリスト同然の脅威だ』と話す事と、
仮にも公職に就いている者が『アライさんはテロリストだ』と公言することでは意味が違ってくるのです」

県議「それはどういう意味ですか?」

知事の諭すような声に少し気分を害しながら、県議は問い返す。

県知事「平たく言うと―『アライさんはテロリストだ』と発言し、そう認識をすることは、
人間側、ことに日本国のみに不利益に働く―という事です」

県議「…」パチクリ!

県議は知事をおかしなことを話す人の様に見つめる。
この知事は、老害ではあってもアラ信ではなかったはずだが、何処かで思想汚染でもされたのだろうか?

ハァァァァァァ

知事は知事で県議の鈍さに溜息を吐く。
此奴はまだ若い身の上なのに―何という政治センスの無さ、迂闊さだろう―これでは一生田舎の政治家止まりだぞ。

県知事「良いですかな。
これは刑法と民法の基本ですが、『法的な権利を行使し或いは義務を負えるのは法人のみ』
『在る者に刑罰が科せられるのは、その者に期待可能性が有ったから』こそ!」

ジロリ!

県議「…」!!!

流石に高校や大学の授業で習ったことを思い出したのだろう。
県議は少しの間、黙考する。

県議「(『法的な権利を行使し或いは義務を負えるのは法人のみ』これはそのまんまの意味だ。
木石がアパートを借りることは出来ない。人間がアパートを借り荷物として石を置くことは出来ても。
ヒトがヒトを木刀で叩き殺しても、木が殺人罪にはならない。ヒトが殺人罪に問われる)」

飼い犬が他人に噛みついたら。
野良犬なら、野生動物なら…。
同じことだ。『ヒトのみが権利を行使し、責任を負い、賞罰を受ける』

ただし――フレンズと人間との関係が締結された日本国では―一応フレンズにも擬制的な人権が認められている。
ヒトの社会から離脱しない限りは――。

その範囲や扱いの詳細を巡り未だに各勢力・学説・政治的立場の諍いは絶えないけれども。

県知事「期待可能性とは―まあ、老いぼれのワシが話すより辞書を引く方が早いが…。
要は『適法な』―正しい―行動をその者に期待できる可能性のことじゃな。
『貴方は正しいことも、悪い事も自分の意思で出来た―にも拘らず、悪い事をした。だから罰を下しますよ』と。
従って、期待可能性が無いか少ない、少年や一部の精神・知的障害者―心身喪失・衰弱者―は刑を減免される。
正当防衛や緊急避難が許されるのも同じ理屈じゃな」

『暴漢に襲われ、他に適法に身を守る手段がないから止むを得ず反撃した』
『船が沈没し、自分が助かるには他人を蹴り落とすしかなかったからそうした』

どちらも、期待可能性がその場では無かったと云う理由で免責され得る(ただし、より細かくは諸説あり)。


さて――

この若者に学校の講義を思い出してもらったところで…。

県知事「『アライさんはテロリスト』そう公職にある者が発言するという事は、換言すればどういう事かな?」

県議「…」パクパク
県知事「ん?」

キョロキョロ

『テロリスト』
特に同時多発テロ以降の人間の歴史、政治史においてこの言葉は頻繁に使われるキーワードとなっている。
しかし―意外なことに『テロ』『テロリスト』と云う言葉の定義は今も見解が分かれている。

最大公約数を取れば―『恐怖心(テロル)を引き起こさせることにより特定の政治的目的を達成するため
(組織的)暴力の行使をする人物または集団―と言ったところだが――

目を泳がせ始める県議に噛んで含める様に知事は続きを話す。

県知事「『アライさんはテロリスト』と公言することは…。
アライさんは犯罪を『主体』となって犯せるヒトに準じた高度知的生命体と云わば公認するということ。
自分の意思で強くなることも、思いやりを持つことも、賢くなることもできる
―期待可能性が有る存在であると―言外に『公』が認めるということ。まあ、ヒトと完全に同格かは兎も角…」

じっと知事は県議の目を見つめる。

その言葉を発するということは、つまり、アライさんに『人権』と云うか『法的責任』を仮想的とはいえ、
想定しているわけだ。
それを想定しながら、『付与していませんでした』『一方で根滅政策やってました』では―
ヒトの側に政治責任が生じてしまう。それが強制力はない道義的・倫理的なものだとしても。

県知事「故にテロリストとは―。ちょっと軽率な言葉だな」

『アライさんはテロリスト』つまり、政治的目的の達成を目指そうとしていると―
そんな高度なことが可能な生き物だと『アライさん』を認定することは―
ほぼイコールで、アライさんは性向の違いは有れど、『本当は』ヒトと同格に成り得る、
同格な筈の存在だと認めるも同然。

そして『テロ』という概念の中には―『白色テロ』という分類も含まれる。

県知事「県議…。わざわざ、ブーメランを投げて『アライさんに有利な状況』を作る必要はありますまい」

県議「ブーメラン…」

『アライさんはテロリスト』と云えばその瞬間に、
アライさんは『人間が先に、或いは並行して白色テロを、ジェノサイドをして居たのだ!』と主張するだろう。

当然、そんな声は無視しても良い。良いのだが…。
無視できるのは個々に孤立した『野良のアライさん』の声までだ。


日本国内のアラ信・フレ信・人間と共存の道を選びその支配下で平穏に暮らしているフレンズ、フレンズ協会、
ジャパリパークのアライさんとその子孫。

200か国を超える国際社会―勿論その中には日本と利害が対立し、
日々『批判カード』を血眼になって探す国々も含まれる―。


彼らの声までは無視できない。痛みを覚悟で押し切ることは出来るかも知れないが…。

フレンズが関わる問題は、アライさんに限らずだが、本当にデリケートな問題なのだ。
何といっても、未だに流動的で―ヒトもフレンズも―現在進行形で揺れ動いている。

県議「それは…。確かに…。ご懸念は理解できました。
法学解釈や政治的な―歴史的な―文脈に沿うと厄介な面も有るとは言えるでしょう」

『特定有害フレンズ防止法』は人類衰退期の混乱期に急ぎ足で制定された諸法の一つ。
制定時から、既に半世紀近くが経つ。

当時はフレンズ(アニマルガール)を国内でどう位置付けるか定まっておらず
(現在も若干の混乱は続いているが)、その上、空路・海上輸送もセルリアンの出没で脅かされ始めていた。

そんな中、国内資源、特に農作物を守ることは至近の課題。
害獣行為を当時行っていたアニマルガールの中でも、アライさんは最も悪目立ちし、
おまけに元種が外来種で――その上、人によっては何とも小憎らしく感じる外見・言動をしていた。
性格も志向もヒト社会との相性も最悪―少なくとも当時の人はそう感じた。

『では取り合えず、此奴を対象にして様子を見よう。他の案件も山ほどある。忙しい忙しい』

それから、幾年月。
法律は一度作ると後が大変だ。
ジャパリパークのアライさんに関する例外規定の改正時は、国会も路上もドッタンバッタン大騒ぎしていた。


だから―

県議「知事が及び腰になるのも分かります。しかし、県民の不安は肌感覚のもの。
どうご説明なさるつもりですか?」

県知事「ふむ」

多少歩み寄る姿勢を見せ始めた県議の質問に対し、今度は県知事が考え込む番である。

知事であっても、本格的な対応は議会と県職員の協力が無い事には。
一朝一夕に対策案が出来上がるわけでもなし。

県知事「捕獲奨励金の額を少し調整するよう考えているところだ…。
それから、県内外市町村の鳥獣害情報交換会議を出来るだけ緊密に。
火炎瓶にはワシも驚いたから、そういうことも在ったと県警や駆除業者、猟友会にも周知しておかなくては。
後は、県民の皆様に情報発信の強化を。
アライさん・アライちゃんを含め、野生動物には濫りに近寄らず、刺激せず、何かあれば役場に連絡を、と」

県議「(絵に描いたような『お役所仕事』だな。新鮮味が欠片もない。それが悪いと言う訳ではないが…)」
県議「アライさんの『新型被害』に関する対応は如何なさるおつもりですか?」

県知事「新型の被害など…起こっていないじゃろう」

そうか!
そこに認識のずれがあったのか。

県知事「別にアライさんに限らず野生のけものは悪知恵が働くものじゃし…。
空き家や民家に住み着き、畑やゴミを漁るのは困ったものじゃが…一般的な野生動物の生態の一部じゃ。
人間としては対処せねばならんがの。
火炎瓶云々は特異なケースじゃし、それとて、野生のけもの―例えばサルとかも身に危険を感じれば、
手近な物を投げつけるじゃろう。
山や森のけもの同士―野生動物・野生フレンズ同士―喰ったり喰われたり、縄張り争いをするのは、
見る分には辛く悲しいが、これもけものの性じゃて。
不用意に攻撃したり、近づく人間に牙をむくのも同じことじゃ」


知事にしてみれば、県議の『テロリスト』発言はむしろ異常なものに思えてしまう。
知事のもとに報告が上がっているアライさんの『害獣行為』はどれも、『テロ』とは無関係な、
ただ、餌を求め、ねぐらを求め、偶発的にヒトと衝突する野生のけものの行動の範疇に留まっている。

気になることと言えば、最近少しアライさんの個体群が大きく成り気味ということぐらいだが―
まあ、血縁個体で固まる習性もあるそうじゃし、異常ということはないと専門家会議も言うていた。

県議「…」

県議は猶、何か話そうとするが―今度こそ時間切れだ。

コンコン!

控えめなノックの音がする。

県知事秘書「知事。次のご予約が」
県知事「分かった」

チラリ!

知事は話しを打ち切ることを詫びる様に軽く頭を下げ、県議も不承不承ながらそれに答える。

県知事「もし、本当にアライさんがテロだの反乱だのやれるようなけものなら…」

知事は立ち上がりながら、締めの言葉を掛ける。

県議「…」スクゥ―

県議も同時に立ち上がる。

県知事「その時はその時。上が―国が―和睦なり戦なりその両方なりを決めるじゃろう。
ワシ等はまずは身近な人々を権限の範疇でしっかりサポートしていくのが仕事じゃで…」

県議「一応、私の懸念は伝えましたから…」

これまで手堅く県政を纏めて来た『ご老公』にそう言われれば、血気盛んな若手県議も引き下がらざるを得ない。
ご老人には過激な言葉での説得は逆効果に働いてしまったようだ…。

今日はここまでです。

また、二三日後に続きを書き込みます。

>>161
『法的な権利を行使し或いは義務を負えるのは法人のみ』✖
『法的な権利を行使し或いは義務を負えるのは自然人と法人のみ』〇

でした。書き損じをお許しください。

これただ単にテロリストって言葉の意味合いについて揚げ足取ってるだけだよね、何の意味も無いわ……「特定有害指定」されてるのは何だったの?
ついでに「アライさんの悪辣さは世人の知るところ」とか色々言ってるけど今までを見てるとそんなこと全く感じられないんだよなぁ……ズレまくってるわ

俺も>>173と同じ印象
県知事は知識人ぶっているけどアラ愛へ媚びて県議の揚げ足とってるだけじゃん
つーかアライさんの駆除方針を重要視して投票する人がそんなにいるのかね?って話だし
『アラ信票』より『アラ虐票』の方が多いんじゃね?

フレンズって一応人権あるけどアライさんだけ害獣だから人権無いって設定だっけ?
害獣カテゴリーに入っているからって他のフレンズや人間と同等の知能、
人間より強大な身体能力を持っているうえ火炎瓶まで使ったのに
『特異なケース』で済ませて本格的名駆除を行わないのは無理あるわ
この世界の人間は「増えたアライさんが人間を侵略するのでは?」とか思わないのかね?

ところで『ハァァァァァァ』とか『ジロリ!』
とかの擬音を県知事が使ったのは何かの伏線?
こいつの正体はアライ星人でした、とかなら納得だが
そうでないならもうちょっと使い分けろよ

作者です。

只今、続きを執筆中。今夜あたりに書き込めればとは思いますが、もしできなければ申し訳ありません。


さて、一部の読者さんが質問・疑問を持たれているようですが―伏線の兼ね合いもあるのでどこまでお返事したものか…。

『物語』は作者と読者の対話でもある以上、1から10まで自分が『解説』するのも違う気がしますし。
対話よりも『ツッコミ』『重箱の隅』を楽しみながら読み進めたい方もいらっしゃることでしょう。
自分も時にそういうお話の読み方をすることも在るので、其処は読者の皆様のお任せします。

ただ、前回のお話は今後のお話の展開や物語のテーマとも関わるお話なので野暮を承知で、一応『回答』を書き込みます。


前回の県議と県知事の問答は―一部の読者の方にはただ単に、知事が県議の揚げ足取りをしていると受け取られたようですが―
実は『アライさんのような害獣が生きたいと思うこと自体罪なのだ2』におけるTTT会員同士の会話と相同構造になるよう意識していました。

具体的には
『TTT会現地リーダー男「俺たちが、敢えて動画を撮ってこうしたことをしているのは、本質的に『アライさんへの誅罰』ではない。
なぜなら、アライさんはガイジだからだ。人間―ホモサピエンスではない―ハエガイジには法的な能力はない。
その代わり責任もない。そもそも、自分の能力を把握して管理し、制御することが不可能な野獣である点がハエガイジがハエガイジである由縁だからだ。
おまけに俺たち一般人が奴らに同朋意識を抱く歴史的根拠も必要性もない」
TTT会現地リーダー男は皆を見渡す。基本、ビビりなこの男。しかし、彼には彼なりの信念と言うか、行動原理があるようだ。
TTT会現地リーダー男「俺たちの『行動』はアライさんの被害、苦しんでいる一番の困難者の方々に無関心な『世間の人間』にたいしての劇薬であり…。
アライさんを特定有害フレンズとしながら、さまざまな事情を理由に煮え切らない態度を取る『お上』への檄文なのだ。 』という部分とです。


即ち、『罪なきところに罰はなく、ある者が【罪を犯した】と言えるのはその者に法的能力・期待可能性が有ると考えられているからこそ』

TTT会現地リーダーと知事は、スタンスは異なるものの『アライ害』に対し同傾向の問題意識を持ち―
この部分こそが、『アライさんのような害獣が生きたいと思うこと自体罪なのだ』という表題の当作品の肝であり、謎かけでもあるわけです。
(自分で言うの恥ずかしい…)

アライさんが―テロリストに限らず広く一般的に―『罪を犯せる』と云うなら、それは逆に言えばアライさんは『罪を犯し得る』ヒトに準じた存在と言っているも同然。そうであるなら、アライさんが生きていけない社会を作り維持している(法的能力を付与せず、期待可能性がそもそもない状態に追いやっている)人間の側に政治的・法的・道義的・倫理的な責任が生じてしまうことになります。

逆に『アライさんは害獣。けものはけもの。人間とは一線を画すべき』という論理なら、淡々と(他の鳥害獣と同様に)対処するべきで、敢えて精神的・肉体的『虐』をする意味がなくなります。もしそんなことをしたら、寧ろ人間の側が酷い、虐待に加わらない人間の尊厳をも傷つけている、というお話になってしまう…。

(これは、他のSSに文句を付けているわけではありません。私の勝手な問いであり、先輩SSに対する自分なりのアンサーであり、ふと感じた疑問・感想を皆さんに投げかけ、その波紋を注意深く臨んでいるところです。他の何者も否定批判する意思はないし、けもフレ二次創作の益々の発展を望んでいることは明記しておきます。言わなくてもご存知の方も多いでしょうが念のため)

ヒトとけものの境界線が揺れ動き続ける『この世界』の中で、ある意味ではその煽りを最も受けている『アライさん』に焦点を当てながら、暫し、考察の旅を楽しんでみませんか―というのが当SSの一つの目標でもあるわけです。


知事は何も一般人が『アライさんはテロリスト』と比喩をすることは否定していません(※発言の中身をご確認ください)。

ただ、政治家・公務員などの公的立場を有する者が、この世界において―
すなわち、アライさん・フレンズに融和的な人間が一定数存在し、アライさんと同じくサンドスターを浴びてヒト化した後、社会に参加するフレンズをある程度許容し、シャパリパークのアライさんとその子孫を『名誉日本人』として遇している、この世界の日本で―

そうした言動を取るのは問題だ、自らと同じ公職にある人間に注意している―という場面に過ぎないのです―

こうした立場の人が、県庁舎の中でそうしたことを言うのは『まあ、ありだろう』と思っています。
もし、『いいや。理解不能。この世界の人間は価値観がおかしい』と思う方がいらっしゃれば…う~ん。当作品はそういうノリで行く、としか言えません。


続きを書き込みます。

ヨチヨチヨチ…

アライちゃん「……」ボロボロ

山影からお日様が上がり始める頃。
フラフラとヨチヨチ歩きをするアライちゃんが一匹。

『ガイジか!お前の母アライさんはお前のせいで死んだのだ!!!』

アライちゃん「(おかーしゃん…)」ヨチヨチヨチ

『この件』の発端となった例の里山アライちゃんだ。
『家族』の幹部会議から摘み出された後、自分の『チビ隊』の元保母アライさん等にも捨て置かれ、
本営近くの森をうろついているうちに朝となっていた。

大母アライさんと姉アライさん達は、その後もあれやこれやと多くの議題を話し合っていたのだが…。
そんなことはこの里山アライちゃんの知る術のない事。

このアライちゃん自身にとってはそんな雲の上のことよりも――

里山アライちゃん「(こあいのりゃ。ねむいのりゃ。ひもじいのりゃ。おかーしゃん。いもーと…)」ウルウルヨチヨチ

昼も必要に応じて活動するとは言え、アライさんの生態はどちらかと言えば夜行性。
昨日までなら、兄弟姉妹で――母アライさんの手が空いて居たら、母子で―大好きお寝んねを始める時間だ。

安全な巣の中で、家族の温もりに包まれ、恐ろしい他のけもの達から守られながら――

ボロボロボロ…ヨチヨチヨチ…

それが一体どうしてしまったのか。
たった一日のうちにアライちゃんの世界はひっくり返ってしまった。

元保母アライさん『ガイジの面倒なんて看たくないのだ!』
元副保母アライさん『どうせお前は追放処分なのだ!!』

かつてお乳を分け与えてくれた『育ての親達』は面倒を嫌って、里山アライちゃんを途中で放り捨てると、
取り合えず仮に割り振られていた避難先の宿営地に引き上げて行った。

『家族』のこれまでの方針と先回りしている恩寵アライさんが伝えたであろう命令により、
死んだ母アライさんの他の『チビ』は面倒を看てもらえるだろうが…。

里山アライちゃん「みっかでてがらをあげりゅなんてむりなのりゃ…。
あらいしゃんはまだにほんあちでたてないのりゃ…。おなかきゅーきゅーでうごけないのりゃ…」ヨチヨチ

トボトボ当てもなく無く歩く里山アライちゃん。
二本足で立てたところで―このアライちゃんはどうする積もりなのか?

兎も角、近場のチビ隊宿営地に近づいていく。
何とか、餌や寝所だけでも分けて欲しい。

トボトボトボ


里山アライちゃん「だれかあらいしゃんをたしゅけるのりゃ…。このままではあらいしゃんが…」ヨチヨチヨチ

里山アライちゃん「…」
―このままではあらいしゃんがかわいそうなのりゃ―
喉元まで出かかった言葉を里山アライちゃんは何とか呑み込む。

この『家族』ではその言葉は禁句なのだ。
大母さんは自分のことをツライツライ言うけものが大嫌いなのだ…。

やがて―

宿営地の側も里山アライちゃんに気が付いたようだが―

保母アライさん「お前。こんな時間に何なのだ?『家族』のチビなのか?」
本営にほど近いチビ隊専属の逞しい身体つきをした保母アライさんが疑り深そうに里山アライちゃんを見つめる。

里山アライちゃん「そ…そうなのりゃ!!おねがいなのりゃ。たべものをわけてほしいのりゃ!!!」ヨチヨチ

保母アライさん「自分のチビ隊で貰えば良いのだ!お前のチビ隊は何所の宿営地なのだ?」

里山アライちゃん「…」
自分の宿営地を聞かれ、里山アライちゃんは黙り込んでしまう。

保母アライさん「何で黙るのだ?怪しい奴なのだ!」

大母アライちゃん1「だまるのはこいつが、がいじだかりゃなのりゃ!」ヒョコ!

大母アライさんの子供である大母アライちゃん1が保母アライさんの陰からヒョコっと顔を出す。

ビクッ!

里山アライちゃんはそれを見て委縮する。
―そうか。ここは本営の近くのチビ隊。ということはこの組は―

大母アライちゃん2「きのうのうちからきいていたのりゃー!!!
がいじのせいでせいじゅうのあらいしゃんとだいじなしゅくえいちがひとつなくなってしまったと!
おまえがそのがいじだなーー!!!」ヒョコ!

大母アライさんと姉アライさん達の『チビ』が固められているエリートチビ隊だ。

親譲りの体質と他の子供より優先した餌・教育の為だろうが、同年代のアライちゃんより皆体格・毛並みが良く、
目も賢そうな光を放っている。

子分アライちゃん1「こいつがそのほったんになったがいじなのか!?」ヨチヨチヨチヨチ
子分アライちゃん2「どんなかおしてみんなのまえにきたのりゃ!」ヨチヨチヨチヨチ
子分アライちゃん3「ついほうついほうしねしねなのりゃ!」ヨチヨチヨチヨチ
子分アライちゃん4「おまえのせいでえさがふそくしたらどうするのりゃ!」ヨチヨチヨチヨチ
子分アライちゃん5「まっさきにおにくいきなのりゃ。がいじーがいじー!」ヨチヨチヨチヨチ
子分アライちゃん6「ガイジなのりゃ。あらいしゃんたちにちかよらないでほしいのりゃ」ヨチヨチヨチヨチ

次々と巣から這いより、自分を責め立てる『家族』の声。

里山アライちゃん「ヒィィィィィ――。あ…あ…ごめんなさいなのりゃ…」

里山アライちゃんは今更ながらに謝罪の言葉を述べるが、その中途半端で卑屈な態度は、
ますますこの『エリートチビ隊』の反感を買ったようだ。

子分アライちゃん7「ごめんでしゅむか!しねしねがいじ!しねがいじ!!!」ヨチヨチヨチヨチ
子分アライちゃん8「がいじ!がいじ!!がいじ!!!がいじ!!!!」ヨチヨチヨチヨチ
子分アライちゃん9「おまえにわけるえさなんてないのりゃ!」ヨチヨチヨチヨチ
子分アライちゃん10「というか、ほんとうにもうしわけなくおもうなら、おまえがみんなのえさになるのりゃ」ヨチヨチヨチヨチ


保母アライさん「お前たち静かにするのだ!!!『家族』の処罰の権は大母さんのもの。
此奴がガイジでも、大母さんが許したらしょうがないのだ…」

子分アライちゃん11「そもそもゆるされたのりゃ?」ヨチヨチヨチヨチ

ジィィィィ―――!

里山アライちゃんにその場の視線が集まる。

里山アライちゃん「み…、みっかいないにてがらをあげちゃら。ゆるしゅっていってくれたのりゃ…」

保母アライさん「それで?手柄は?」

里山アライちゃん「これからなのりゃ…」

一同アライちゃん「「「「が・い・じ!!!が・い・じ!!!が・い・じ!!!が・い・じ!!!」」」」

里山アライちゃん「う…う…。あらいしゃんはガイジじゃないのりゃ…う…う…」

保母アライさん「…」
一度は仲裁に入りかかった保母アライさんも返答を聞いて呆れ顔だ。
3日なんてあっと言う間。
一々ぐずるぐらいなら、木の実・落ち葉の一つでも拾い、ともあれ反省の色を示すのが先だろうに―
―こいつはガイジか―

一同アライちゃん「「「「が・い・じ!!!が・い・じ!!!が・い・じ!!!が・い・じ!!!」」」」


里山アライちゃん「う…う…うう。う…びぇぇぇーん!!!びぇぇぇーん!!!いじわる!いじわる!!!
なかまなのに…」ビェェェーンビェェェーン


一同アライちゃん「「「「が・い・じ!が・い・じ!なきむしがいじ!!!が・い・じ!が・い・じ!なきむしがいじ!!!」」」」


里山アライちゃん「びぇぇぇーん!!!びぇぇぇーん!!!いじわる!いじわる!!!ばか!あほぉぉぉ!!」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチ


結局、里山アライちゃんは寝床も餌も分けてもらえず、退散する他なかった。

まだ、大母アライさんの『ガイジの禁』の布告も正式には『家族』になされていないし―
為されていたとしても、このアライちゃんが周囲から温かく迎えてもらえたかは別問題だ。


しかし―

泣きじゃくりながら、ヨチヨチ遠ざかっていく『家族』を―

大母アライちゃん3「…」
大姉アライちゃん3「…」

唯一というか唯二、囃し立てに加わらなかったアライちゃんが眺めていたことを里山アライちゃんはまだ知らない。

ヨチヨチヨチ…
ヨチヨチヨチヨチヨチヨチ…

里山アライちゃん「いじわる!いじわる!!ぜったいおおてがらをあげてみかえしてやりゅのりゃ!!!」ビェェェーンビェェェーンヨチヨチヨチヨチ



タタタタタタッ!!!

『家族』にこれからも留まるために―そして、馬鹿にした同族を見返すために。
渾身のヨチヨチ歩きを始めた里山アライちゃんの後ろから駆け足が聞こえる。

タタタタタタッ!!!

里山アライちゃん「のりゃ!?」ヒョイ!

里山アライちゃんは一旦立ち止まって後ろを振り返るが―それが良くなかった。


貧乏籤アライさん「うぉぉぉぉ」
恩寵アライさん「!!!」

ドスン!ムギュウゥゥゥ!!!
里山アライちゃん「ゲピィィィー!!!」

後ろから追い抜くような形で走って来た貧乏籤アライさんに踏みつけにされる!
彼女は偶々同じ方向に、任務を帯びて、恩寵アライさんと二匹で連れ立って走って来たのだ。

里山アライちゃん「びぃぇぇぇん!!いたいのりゃぁぁぁぁ!!!」

貧乏籤アライさん「お前。あのチビなのか?!何でこんなところをほっつき歩いているのだ?」


アライちゃんを踏んずけた調本獣の貧乏籤アライさんは一面もっともなことを聞くが、
里山アライちゃんはそれどころではない。


里山アライちゃん「びぃぇぇぇん!!!ほねがおれたのりゃーないぞうがつぶれたのりゃー
おなかがすいたのりゃー。なんであらいしゃんばっか…」

貧乏籤アライさんと一緒に何処かに向かっていた恩寵アライさんは一応、アライちゃんの体を抱き上げ、
調べるが―

パン!!!

直ぐに張り倒す。

里山アライちゃん「げぴぃぃぃ」

恩寵アライさん「何が、骨だ・内臓なのだ!ちょっと踏まれただけで、何処も異常ないのだ!
アライさんは先を急ぐのだ」

恩寵アライさんはそれだけ言うとアライちゃんを放り出して、また走り出してしまう。

貧乏籤アライさんもそれをすぐに追おうとするが―

里山アライちゃん「まって。まってくだしゃいなのりゃ。おなじしゅくえいちだったよしみで…。
けつえんのよしみで…。おねがいなのりゃ。おなかきゅーきゅーで…。
これじゃてがら…はんせいのあかしなんてむりなのりゃ!!!」

里山アライちゃんは、それを必死に引き留める。
もう他に頼れる成獣アライさんはいない。

貧乏籤アライさん「…」

貧乏籤アライさんは少し考えるが、恩寵アライさんに置いて行かれるのだ嫌だったのか言葉少なく―
ヒョイっと手のかかるアライちゃんを抱えると。

貧乏籤アライさん「…」

タタタタタタッ!!!

今度こそ大急ぎで任地に向かって走り始める。
めんどくさそうに荷物を抱きかかえながら―

今日はここまでです。

続きはまた二三日ほどで。

続きを書き込みます。

タタタタタタッ!!!
タタタタタタッ!!!
クチャクチャクチャ…

里山アライさん「…」クチャクチャクチャ

恩寵アライさんと里山アライちゃんを重そうに負ぶった貧乏籤アライさんはもうすぐ目的地に到着する。

因みに里山アライちゃんが美味しそうに食べている物は貧乏籤アライさんが仕方なしに分けてあげたドングリだ。
毛皮の下に忍ばせていたのを嗅ぎ当てられてしまった。

貧乏籤アライさん「(まあ、血縁の誼なのだ。このチビを一度助けたのだから…、
二度助けるのも同じことなのだ…)」


しかし―自分のチビもそうだが―此奴も重い!

まあ、生まれてもう2か月を超えているのだから当然なのだが―

アライさんの元種アライグマの体重は成獣で4〜10kg稀に20kg。野生個体の平均6㎏とされる。

一方幼獣は出生後7週間から9週間後、巣外へ出る。
そして、巣外では母親と行動を共にするが、その頃には体重はほぼ1kgを超えている。

生後二月と経たずに親の体重の4分の一から六分の一に達し、
親子で行動出来るようになるアライグマの成長速度は中々のものだ。

野性味が強く元種の特性を色濃く受け継いでいるアライさんはこの辺りも元種にそっくりである。

生後二か月頃のアライちゃんは既に体重10㎏程度―
成獣アライさんの体重の4分の一から6分の一程度・元種の成獣の体重と同程度―に達し、
元種で云うところの『巣外での同一親子行動』即ち『二本足で立つ・歩く』が出来るようになり始める。


里山アライちゃん「…」クチャクチャクチャ


まあ、このアライちゃんはまだ立てないらしいが―。
『家族』アライちゃんの中には、そろそろ、立ったり歩いたりする個体も出始めるのではないか。

タタタタタタッ!!!
タタタタタタッ!!!

恩寵アライさん「…」ピタ!
貧乏籤アライさん「!!!」ピタ!

恩寵アライさん「着いたのだ。ここがお前の新しい任地なのだ」
貧乏籤アライさん「ゴクッ」

二匹の成獣アライさんの前には『家族』アライさんの巣穴が10個ほど。

そして―

子分アライさん1「どうしたのだ―。そろそろチビもお眠なのだ…」コスリコスリ
子分アライさん2「何か『家族』で有ったのだ?そういえば夜に…」コスリコスリ

この宿営地の保母アライさん「お前はガイジか!夜に『哭礼』をしたのだ!
『家族』のアライさんが死んで…宿営地が一つなくなってしまったのだ!!!」

子分アライさん3~9「「「そうだったのだ!!!大変なのだ~~」コスリコスリ

予め伝えてあったのか巣の前に集合している『家族』子分アライさん達。
何匹かは眠そうにしきりに目の周囲をコスコスしている。
―この『宿営地』チビ隊のこれまでの保母アライさんと実母アライさん達だ。

里山アライちゃん「(のりゃ???『かぞく』の…。いつもとちがうしゅくえいち―ちびたいなのりゃ?
びんぼうくじあらいしゃんの『あたらしいにんち』ってなんなのりゃ?)」

恩寵アライさん「ゴホン!!!」

恩寵アライさんは一度咳ばらいをして、皆の注目を集める。

恩寵アライさん「まず、『家族』は三日後に『儀式』をする予定なので、アライさんはその布告に来たのだ。
そして、今回の『儀式』に伴いアライさん『家族』は形態・編成を大きく変更する為、
一夜では準備時間が足りないのだ!今から、根回し・調整をして当日を迎えるのだ!!!」

この宿営地のアライさん達「「「……」」」パチクリ!!!

藪から棒に告げられたアライさん達はお目目をパチパチしながら、互いに顔を見合わせる。

やがて代表して、保母アライさんが恩寵アライさんに質問する。

保母アライさん「それは結構なことですのだ。
ただ、どんな変更をし、どんな準備が必要なのかは今のうちに聞いておきたいのだ…」

チラリ!

そう話しながら、保母アライさんは恩寵アライさんに並んでいる貧乏籤アライさんに視線を移す。

貧乏籤アライさんは、ようやく重たい荷物だった里山アライちゃんを降ろして一息ついているところだ。

保母アライさん「ひょっとして―そこのアライさんも、次の『儀式』の変更に関係しているのだ?」

コクン!

恩寵アライさんはその問いに肯き、宿営地のアライさん達を見渡す。

恩寵アライさん「その通りなのだ!これから、一通り説明するのだ!!!まず初めに―」

グイ!

恩寵アライさんは自分の真横に立って居た貧乏籤アライさんを皆の真正面に立たせる。

恩寵アライさん「紹介するのだ!!!このアライさんは今日からお前達9匹をまとめる長なのだ!!!
貧乏籤『十匹長』【二品】アライさん。
まあ、普段は貧乏籤アライさんないし―お前らは単に役職名で『十匹長アライさん』とでも呼べばいいのだ!」

貧乏籤アライさん「…」ビシ!

貧乏籤『十匹長』【二品】アライさんこと、通称:貧乏籤アライさんは精一杯姿勢を正す。
―ハッキリ言って似合っていない―

そして、その宣告を聞かされた宿営地の一般子分アライさんは―

一同アライさん「…」パチパチパチクリ!!!

目を白黒させている。
―何かカッコ良さそう称号なのだ―
―でも、アライさんには意味が良く分からないのだ―
―恩寵アライさん詳しく聞かせて欲しいのだ―

恩寵アライさんはそんな『家族』の反応を内心ハラハラ見つめる。
―大母さんからの大任を早速一つこなさなければいけないのだ。上手く昨日の決定事項を伝えられればいいのだけれど―

一旦ここまでです。

もし今日中に続きが書ければ、加えます。

続きを書き込みます。

ゴリゴリ…
クチャクチャクチャ…

何やら難しいお話を始めた成獣アライさん達を尻目に、
里山アライちゃんは分けてもらったドングリを必死に頬張る。

クチャクチャ…ゴリゴリ…

相変わらずの聞き苦しいクチャラーぶり!
ただ、これも致し方ない面も有る。

ドングリ―に限らず野生の食物は―基本、めっちゃくちゃ固いのだ。
そのままでは、お上品に食べる等、基本無理である。

里山アライちゃん「はむはむはむ…ゴリゴリゴリ…。おいちい!おいちいのりゃ…」クチャクチャ

雑食性であり、食物であればこだわらずに食べるアライグマ。そしてそのフレンズのアライさん。
植物性なら地下茎・根から果実・堅果まで。
動物性ならザリガニ等の甲殻類、昆虫、齧歯類、カエル、魚、鳥、更にはイノシシ・シカの死骸に至るまで。

メキメキ…ゴリゴリ食べていく―これで、顎の力が弱いなんてことは有り得ない。


里山アライちゃん「…」ペロペロコスリコスリ

ようやく、昨日からの飢えを解消し、人心地が付く―着いたところで―

里山アライちゃん「…」ゴソゴソゴリゴリ…

ちゃっと慌てて小さな穴を掘り―そこに汚いお尻をプリッと向けると

里山アライちゃん「ふん…う…う…」ブリュブリュブリブリブリ…

早速、出すものを出し始める。

ブリュブリュブリブリブリ…

この宿営地の保母アライさん「…」イラッ!

真面目な話を始めた矢先に『例のチビ』がうんこをひり出し始める臭いが漂い出し、
保母アライさんはちょっとイライラし始める。

この宿営地の保母アライさん「詳しく聞きたい話がもう一つあったのだ!何でこのガイジチビは処罰されてないのだ!!!」


里山アライちゃん「ふん…う…のりゃ…」ブリブリ…ビクッ!

ビクビク…ビクッ!

保母アライさんの怒気を孕んだ声に里山アライちゃんは、また怯えだす。
エリートアライちゃん達に虐められたことを思い出し、慌てて答える。

里山アライちゃん「ご…ごめんなしゃいなのりゃ…」ブリブリブリ…

うんこをしながらの謝罪の言葉。

プッツン!!!

この宿営地のアライさん達の堪忍袋の緒が切れる音がする半瞬前。

「それは!今回の事態の原因がそもそもこのチビには無いからなのだ!!!」

少し大きめの―しかし高すぎないように気を付けている声―が一同アライさんの前から響く。

一同アライさん「「「!!!」」」」
里山アライちゃん「…」ビクビクッ!!!

貧乏籤『十匹長』アライさん「それは今回の事態の原因が、そもそもこのチビには無いからなのだ!!!」

貧乏籤アライさんはとても緊張した面持ちながら、努めて冷静に
―『十匹長』として―これから生死を共にする『十匹隊』の仲間に声を掛ける。

一同アライさん「「「……」」」

このチビ隊のアライさん達は先手を打たれ、ちょっと気を呑まれたように、
ジィーと貧乏籤アライさんの口元を見つめる。

貧乏籤アライさん「こ…、これから!アライさんが…お前達の小グループ『十匹隊』の長が!!
昨夜、大母さんと姉号持ちアライさんで話し合ったことを述べ伝えるのだ。
どうか聞き漏らすことなく聞いて欲しい―いや、聞くのだ!!!」

一同アライさん「「「……」」」パチクリパチパチ!!!

その声を聞くと共に貧乏籤アライさんの隣に立って居た恩寵アライさんは、ほっと胸を撫で下ろす。

恩寵アライさん「(第一関門はクリアなのだ…)」

カキカキカリカリ…

胡坐をかいて車座で座るアライさんの上席で、貧乏籤アライさんは昨晩の出来事、お話を一通り伝え終える。

手元では枝と小石を使い、簡易的な組織図等を地面に書き、説明していたようだ。


子分アライさん1「むむむむ。な…なるほどなのだ。『ガイジの禁』『哭礼』『千人隊制』。
何か―とってもカッコいいのだ!!!進歩的なのだ!!!」コスリコスリ

子分アライさん2「カッコいいのだ!カッコいいことは良いことなのだ!天下が取れそうなのだ!!!」コスリコスリ

子分アライさん3「道理にかなっているのだ!それにこのチビのことも…。
確かにそもそもの原因は、人間が長年放置してきた森に突然手を入れて来たからで…。」コスリコスリ

子分アライさん4「その時点であの宿営地からの撤退は確定なのだ。
このチビの責は、せいぜい言い付けに背いたこと自体と…。
まあ、事態の悪化に多少影響があったかなかったか微妙なラインなのだ…。大母さんのご決定に異論はないのだ!」コスリコスリ


子分アライさん5「とは言え、やってしまったことはやってしまったことなのだ…。頑張って手柄を立てるのだ!」

子分アライさん6~9「「「そうなのだ!!!」」」コスリコスリシッポフリフリ!!!

意外に聞き分けが良いアライさん達。
そもそもアライさんが『聞き分けが悪いけもの』というイメージ自体はあくまで、
人間の脳内のみにあるものではあるが…。

里山アライちゃん「のりゃ…のりゃ…。あ…ありがとうなのりゃ!がんばるのりゃ!!」ウルウルコスリコスリ

優しい声を初めて掛けてもらい、アライちゃんも涙ぐみながら、素直にお礼を言う。


恩寵アライさん「…」ホッ!


アライさんは、確かに人間から見れば強情なけもの。
『自由・平等・博愛(友愛)』を旨とした近現代の人類道徳とは、
時に(かなり)価値観が異なる生き方をしている。

ただ、それはアライさんが必ずしも理解不可能・予測不能なエイリアンである―ということでもない。

アライさんは『山野に伏すけもの』として、彼女等なりに『利』と『理』を重視して生きている。

アライさんにとっての『利』とは―即ち『実利』。
より多くの食べ物、安全な巣、豊かな縄張り(ないし行動圏)、逞しい番等を必要な時に、必要な分、
手に入れること。
そして、『チビ』を孕み、育て、巣立たせること。
究極的には自分自身が属する血縁を後代に、永続的に生き残らせ続けるために。

アライさんにとっての『理』とは、そう云った『実利』を達成する為の筋道・条理・道理。
それを重視する傾向が―本能的にしろ、後天的にしろ、その両方にしろ―無ければ、
とても自然環境下で生きて等いけない。

アライさん自身は、要はアライさん自身で在ってそれ以上でも以下でもない。
『アライさんはアライさんなのだ』
それを『害獣』なり『益獣』なり―利己的なり、利他的なり、評価するのは常に人間側―
アライさんの外の者達なのだ。

因みに『また産んでやるのだ』のセリフで名高いアライさん。
ただそのイメージも要は人間の頭の中の物。
実際のアライグマは、人間によって巣から子供を取り出されても、母親は数日間子供を捜して周辺を動き回り、
子供を見つけた場合には、くわえて別な場所に移動させる等する。
子供だけが罠に入った場合に、罠の外から母親が哺乳した例も報告されている。
巣外では母子は一緒に行動し、川を渡る際、遅れた子供を母親が待ったり、迎えにゆくことも目撃されている。

野生動物の行動を過度に擬人化することは危険だが―普通はこういう行動を『母子の情が厚い』とか、
野生動物における『利他的行動が観察される』というのだろう。

その性質を受け継いだアライさんも血縁には強くこだわり、
母子姉妹一家の結束は強固だ―少なくとも巣立つまでは。

時にアライグマでネグレクトが観察されること(これは他の動物種でも往々にして発生する現象である)、
子供が流産や死産した場合に第二の発情期があることが余りにも恣意的に解釈され過ぎている―きらいが―若干あるように感じる。


まあ、アライさん達にとっては、そうやって人間が『アライさんはバカでマヌケだ』、
『情が薄く直ぐに子供を見捨てる』と舐め切ってくれていた方が、かえって与しやすくはあるのだろう。

恩寵アライさん「(ただ、ここまで簡単に説得に応じてくれるなんて…。ちょっと驚きなのだ。
マヌケはもう弾かれたということなのだ!?それとも『先祖の知恵』の実が熟したのだ?)」

大母さんは『頭の悪いアライさんは嫌いなのだ』とよく口にする。
これは、実は全アライさんの共通認識でもある。
元種のアライグマ自体が知能の高い、学習能力に優れた種でもあるわけだし―

『先祖の教え』をわざわざ血縁個体群で口伝継承、プールし続けてきたのも、そうした傾向があってこそ。
テレビやラジオ、学校に忍び込むこと、人間の会話に聞き耳を立て、その挙動を目で盗むこと。
それらに関しても―初めに『そうすれば知恵が手に入る』と『伝えた』ご先祖が居たわけで…。
何度か試して、上手く行ったり、上手く行かなかったりした同族も居たことだろう。
それらの基礎の上に『家族』のブレイクスルーが発生し―今に至るのだ。


保母アライさん「大体のことは理解できたのだ…。ただ、ちょっと質問して良いのだ?」
恩寵アライさん「…」ハッ!

少し物思いにふけっていた恩寵アライさんの意識が現実に引き戻される。

恩寵アライさん「何なのだ?大母さんから、質問にはちゃんと答えて…。
もし要望が有れば『儀式』までにきちんと上申するように命じられているのだ!!」

保母アライさんは一つ頷いた後、口を開く。

保母アライさん「では、お言葉に甘えるのだ…。いくつかあるのだけど、
初めに今回導入される『千人隊制度』について…。と云うかその前から保母として気になってはいたのだけど…」

恩寵アライさん「???」コスリコスリ
貧乏籤アライさん「???」コスリコスリ
―新制度の疑問なら兎も角、保母として?―

保母アライさん「これから先…。雄のチビはどうするのだ?
そろそろ、雌のチビと色んな違いが出てくる頃なのだ?」

一同アライさん「「「!!!」」」

パチクリ!パチクリ!

そう言えば―『家族』を作って初めての年だから―前例が…『先祖の知恵』が生かせないのだ!!??

アライさんは元種のアライグマとある程度の意思疎通が出来る。
アライさんから生まれたアライグマは、それに加え『さんどすたー』が微量ながら体内にあるらしいから、
よりメッセージも届きやすい…のだけれども―

保母アライさん「(流石に『隊』を作って同一行動は無理なのだ…。
大母さんや姉アライさん達はその辺りをどうお考えなのだ?)」

ジ――――

一同のアライさんの視線が伝令役の恩寵アライさんに徐々に集中していく。

今日はここまでです。

また二三日以内に可能なら早めに続きを書き込む予定です。

あと、う~ん。
この前の『回答』上手く伝わらなかったのかな…。

どこまで、読者さんに伝わったのかがちょっと気になっています。

このSSのこれまでの県兵・自衛隊のアライさんに関する活動は、
『テロ・反乱鎮圧を目的としたもの』では『ない』(治安出動ではない)とずっと描写してきたはずですが…。

気にしすぎ

作者自身が伝えたいものがあるのなら伝えられる努力はすべきだけど
そうでもない事なら物語が終りを迎えたときにでもまとめて答え合わせするぐらいの気持ちでいいんじゃあないのかな?

>>254見て文体に何か違和感あるなと思ったら、どこぞの報告書のコピペなんだねこれ
http://www.kansaiwildlife.com/pdf/racoon2009/2009-1.pdf

ググって出た報告結果に>>1のご想像が付け足されてるものだから、チグハグ感を感じたのかも

>>258>>260

>それをしなかったせいでわたアラに荒らしを送り込んで潰す事になったんだし。
>しかもそれでもモチベ維持できたわたアラは荒らしで潰すっていう二段構えまで持ってるっていう

これは過去にわたアラ作者に荒らされた仕返しなんじゃない?

続きを書き込みます。

>>242さん
確かに気にし過ぎだったかも…。ありがとうございます。

>>245さん
ありがとうございます。そうですね。最終回なり、ある程度の区切りごとに『答え合わせ』をするぐらいにしようかと思います。
作者が話し過ぎるのも良くないし、話し過ぎないと困るしで、何時もワタワタしています。

>>255さん。
わざわざ調べて下さったんですね。ありがとうございます。
実は前スレ『アライさんのような害獣が生きたいと思うこと自体罪なのだ4』にも、参考・引用元の『2009 年アライグマ対策技術集(暫定版)』は紹介されているので、読者の方は是非、元の資料をご覧になって下されば幸いです(URLによる紹介でしたが)。
アライグマの習性・生態から日本における対策までコンパクトながらすごくしっかり書かれています。

自分のイマイチな要約や、本編に埋め込むうえで他のアライグマ資料・図鑑や本文との整合性で、調整される前のものが読めます。
『あ…、この作者。ここの部分はほぼ丸ごと引用してるじゃん!』と突っ込まれてしまうかも…。

一応、このSS(二次創作)が、けものフレンズ・及び動物種のアライグマを『原作』としている以上、出来ればよく知られているようで、案外知られていないアライグマの生態・取り巻く環境・諸問題も考えるきっかけになればなぁ、という分不相応な気持ちも自分にはあります。
それが本題とまでは言いませんが…。

ちょくちょくこれまでも、元の資料をご紹介してきたつもりでしたが…、もうちょっと読者さんが辿れるようにした方が良いのか…。
論文ではないのだから、そこまではしない方が良いのか…。考え中です。

>>261さん。
仕返しも何も―自分は他のSS・スレに書き込んだことはないので、違います。
折角弁護して下さり、頭の下がる思いですが…。どうか今後も当SSを見守って下されば幸いです。


それと―何か勝手に私が他所のSSを荒らした犯人扱いされている…。
身に覚えがないのに。主犯どころか教唆すらしていないのにこれはどういうことなのか…。

『荒らしには反応しない』方針なので、思い込みで決めつける方には残念ですが、そのように対応させていただきます。

恩寵アライさん「雄のチビに関しては―大母さんも相当苦慮為されていたのだが―
基本、『先祖の慣習』に沿って行こうということで、姉アライさん達と合意したのだ。
その旨、皆もよく心得て、来るべき日に備えるのだ!!!」

一同アライさん「「「???」」」

『先祖の慣習』―まあ、ここでは習性位の意味なのだろうけど―どういうことなのだ?―


保母アライさん「先祖の慣習?どういう意味なのだ?」コスリコスリ

保母アライさんはその場のアライさんを代表して聞き返す。
それに貧乏籤アライさんが答える。

貧乏記事アライさん「そのままの意味なのだ。どうか皆、ご先祖。
つまり、元種のアライグマやこれまでのアライさんがどうしていたのか思い出して欲しいのだ!」

一同アライさん「「「……」」」コスリコスリ

パチクリ!パチクリ!
コスリコスリ…

里山アライちゃん「のりゃ?」

その場のアライさんは頻りに目を瞬かせ、手をこすり合わせながら、
自分や兄弟姉妹たちの『巣立ち』を思い出そうとする。

そして、番と交わり、今の『チビ』を孕んでからの日々を少しの懐かしさを覚えながら回想する。


まず、アライさんは年中発情し『交尾するのだ』と言っていそうなイメージがある。
しかし、365日24時間性交渉が基本可能な人間(ホモ・サピエンス)が特殊なだけで、
アライさんがそうな訳もなく、元種のアライグマと同じように年に1回繁殖するのが普通である。
(子供が死んだ場合・最初の時期に番が出来なかった時には第二発情期有り)

ヒトとの交流が盛んな『ジャパリパークアライさん』の子孫アライさんの中には、
『アライさんはセックスモンスター』という人間社会の思い込みを逆手にとって、
『交尾ネタ』のアライジョークを発する個体も居るらしい。
しかし、それはあくまで、同じ『群れの仲間』として身近なヒトへの親愛の表現として言っているのであって、
野生個体のアライさんの感性・習性とは別のものだ。

野生個体のアライさんは基本、繁殖期以外には交尾しないし、
その時期のオスのアライグマ以外に性的な関心を向けることもない。
というか、自然環境の下では交尾・出産は命がけなのが普通。
何時も、他のけものにまで、ほいほい股を広げていたら命が幾つあっても足りないから―
人間的な『貞操観念』とは別ベクトルからではあるが、本能的に無用な性交は忌避する。


アライグマ・アライさんの交尾期は地域・気候によって長期化ないし短縮化されるが、
概ね1月~6 月末。最盛期は3月とされるが、北方の個体群は南方の個体群より早くに繁殖を開始する。

子分アライさん1「今のチビを孕んだのは、まだお外がとっても寒い頃だったのだ」
子分アライさん2「風がヒューヒューだったのだけれど、体がじんじん熱かったから、
あまり気にならなかったのだ…。考えてみたら不思議なのだ」

妊娠期間は63~65 日。産子数は3~7 仔(平均4 仔)で、出生時の体重は平均80 g 。
巣の中で産まれた子供は出産直後、目を閉じており、生後18~24 日で開眼する。

アライさんの場合は、生まれてくる子供の約半分、雌の子供がアライグマのフレンズ所謂アライさんとなる。

大母アライさん達『家族』アライさんは、やや北寄りの土地に暮らしているためか、
多くの個体が3月中に出産に臨んでいた。

子分アライさん3「もうすぐチビが二本足で歩き始めるのだ!とっても楽しみなのだ!!」
子分アライさん4「おっぱいのお世話も、もうひと頑張りなのだ。そしたら一緒に餌を探しに親子で行けるのだ!!!」

子分アライさん5「雄のチビとの歩幅の差が心配なのだけど…。いざと成ったら家族で助け合うのだ。
おんぶダッシュするのだ!!!」


出生後7週間から9週間後でアライグマ・アライさんは巣外へ出て母親と共に行動を共にし始める。
『アライちゃん』が二本足で立ち『アライしゃん』になり始めるのはこの頃からだ。
雄『チビ』・雌『チビ』共に完全な離乳は平均70 日後である。


保母アライさん「それは良いのだけれど…。今、話しているのはその先なのだ…」
恩寵アライさん「…」コクリ!
貧乏籤アライさん「…」コクリ!

アライグマ・アライさん子供の『巣立ち』(独立)は平均で生後10 ヵ月~1年ほど。
20 週までは、子供は母親と一緒に夜間に採食し、巣穴も共にし、同居する。
その後も出生年の冬は、母親の巣かその近くに留まり、翌春早くから独立するようになる。

元種のメスのアライグマの子供・及びアライさんは、巣立ち(独立)・性成熟後も、
母親の巣の近く・行動圏内に留まることも多く、餌条件が許す限りは血縁個体同士で同居する傾向がみられる。

ただ、オスの子供は巣立った後は徐々に母親の巣から遠くへ遠くへと離れていく。
自分の行動圏(縄張り)を獲得し、『自分の番(ばん)』になったら、
今度は自分の番(つがい)達をその中に囲い込まなければいけないのだ――


恩寵アライさん「大母さんも雄をどうするかは相当迷っておられたのだけれど…。
最終的には他の姉号持ちアライさんと一緒に、ご先祖の流儀に原則的には倣うとお決めになったのだ!!!」

貧乏籤アライさん「つまりさっきのお話の応用なのだ!
アライグマ・アライさんの習性通り、雌のチビは…『暖簾分け』のことはあるにしろ、
基本『家族の構成員ならぬ構成獣』として側に残すのだ。

暫くはまだこのまま、実母の『十匹隊』の下で一緒に暮らし、
生まれてから20週が過ぎた頃にチビ同士で『十匹隊』を作るのだ。
一隊に一匹は成獣の指導アライさんを付ける予定なのだ。

生後半年前後では、まだまだチビも未熟…。覚えることも勉強することもいっぱいなのだ!」


恩寵アライさん「10か月から一年がたつ頃に―つまりこれまでなら『巣立ち』を迎えていた頃になって―ようやく半人前。

亜成獣アライさんとでもいったところなのだ…。
その頃になって、ようやくチビの『十匹隊』も準戦力扱いできるのだ。そして雄のチビに関しては…」

恩寵アライさんはチラリと悲し気な、寂し気な視線をする。

恩寵アライさん「そのころまでは実母の『十匹隊』で一緒に暮らして…。
いっぱい色んなことを教えて、直ぐには飢えることがない様にたくさん食べさせて…。

そして、『その時』が来たら、
特に立派な雄のチビ―多分、大母さんや姉アライさん達のチビに自然になるのだろうけど―は、
番候補として、『家族』の保護のもとに残し、後は巣立たせるのだ…。

巣立った先で、きっとチビはチビ自身でアライさんや雌のアライグマを見つけて繁殖するはずなのだ…」ウ…シクシクシク…



恩寵アライさんは自分の子供のことを思ってか、やや気の早い悲しみに襲われる。
―まず、そこまでが大変だろうに―

ただ、そういう気持ちは恩寵アライさんのみに止まらないらしい。

保母アライさん「そうなのか…。内心覚悟はしていたのだけれど…。
雄は巣立ったら、もう『家族』としては会えないのか…」


貧乏籤アライさん「そういうことに…なるのだ…。
勿論、『家族』の縄張りと元種のアライグマの雄雌の縄張りが重複することは有り得るのだし…。

云わば同種なのだから、餌が切迫しない限りは、
それを狩ったり、間引いたりする必要はないと大母さんもおっしゃっていたのだ!!!」


つまり、巣立った『元家族』のオスアライグマが、他の元種のアライグマ等との競合に勝ち、
自然と『家族』の縄張りの中で暮らしていても―それは構わないと言う訳だ。

あくまで、巣立てば『家族』の『構成獣』とはみなさなくなるだけで…。


勿論、今の『家族』の縄張りの中だけでは、オスも餌や番に困るだろうから、
その外へ外へと遠くに行動圏を確保に向かっていくだろう。

これまでもそうしていたように―アライグマ・アライさんの習性・慣習通りに。

子分アライさん1「雄のチビの定めとは言え、やっぱり寂しいのだ」ウ…シクシク…
子分アライさん2「仕方ないのだ…。それまでいっぱい可愛がって、賢くなるように色々教えて、鍛え上げて…。
最後はいっぱい食べさせて送り出すのだ…」ウ…シクシク…

悲しみに暮れる子分アライさん達。
しかし、全員がそうと言う訳でもない。
アライさんは貪欲に『利』を求めるけもの。


子分アライさん3「特に立派なチビは残すのだ?」

さっきの話の一部を素早く恩寵アライさんに聞き返す。

恩寵アライさん「その予定なのだ…。人間はアライさんだけでなくアライグマも根滅対象にしているから、
将来の番候補は選別して残しておく必要があるのだ。
幸い大母さんや各姉号持ちアライさんは、要は各有力血縁個体群・地域個体群の代表格なのだから…。
その雄チビもきっと立派なのだ。
上手く交尾の相手アライさんを計画すれば、『家族』の結束も固められるし、近親交配の危険も回避できるし、
満遍なく皆の血縁を後代に残せる…。
『一石三鳥なのだ』と大姉アライさんが言っていて―大母さんも同意したのだ」


子分アライさん4「ということは…。
アライさんも大母さんや姉アライさん達の逞しくて賢い血統に自分の血縁を加えて子孫を残せるのだ!!!」コスリコスリシッポフリフリ


子分アライさん5「すごいのだ!モノは考えようなのだ!!!」コスリコスリシッポフリフリ
子分アライさん6~9「「「『群れの力』を示せるのだ!
ちょっと弱いアライさんやおっちょこちょいなアライさんも『家族』に忠実で頑張っていれば、
逞しい個体と交尾できるのだ!!!」」」コスリコスリシッポフリフリ

繰り返しになるが―アライさんは『利』と『理』を重視する現金なけもの。
彼女等なりの道理が通っていることが分かれば気分の切り替えも早い。

子分アライさん1「来年の交尾が楽しみなのだ!強くて賢いチビをいっぱい産むのだ!!!」

子分アライさん2「あ…。でも、ちょっと持つのだ。
大母さんや姉さん達のチビは来年の交尾にはちょっと間に合わないかも知れないのだ…。
それに今年の夏から秋に発情する『家族』もいるはずなのだけれど…」

もっともな問いに恩寵アライさんが答える。

恩寵アライさん「それは大丈夫なのだ。各恩寵アライさんが…アライさんも含めて…。
任務が終わったら、仮眠を取って、それから『親戚雄』探しに向かうのだ…」

ピクッピックッ!!!
里山アライちゃん「(しんせきおすあらいぐましゃんしゃがしなのりゃ!?)」

恩寵アライさん「大母さんや姉アライさんの異父・年違い兄弟アライグマやおじさん・従兄弟アライグマ達が
居るはずなのだから、今の雄チビが大きく成るまでは、そのアライグマを『家族』に加えて、と。
ふ――。アライさんは過労気味なのだ…」

貧乏籤アライさん「もうちょっとなのだ!頑張るのだ!!!」
恩寵アライさん「お前は気楽でいいのだ…。まあ、良いのだ…。次の質問は?」

ピクッピックッ!!!シッポフリフリ!!!

アライさん達のお話はまだ続いているが、里山アライちゃんはそっちよりも今のお話を一生懸命考える。

里山アライちゃん「(おんちょうあらいさんはいそがしそうなのりゃ…。
きっと、しんせきおすあらいぐましゃんさがしは、あとまわしにされるのりゃ。
そんななか、もし、かんぶあらいしゃんのりっぱなしんせきおすあらいぐましゃんをみつけて、
ちゅれてこれたら!まちがいなくおおてがらなのりゃ!!!)」コスリコスリシッポフリフリ

そうと決めたら、うかうかして居られない。
恩寵アライさんより先に立派なオスアライグマを、
出来れば大母アライさんの親戚オスアライグマ辺りを見つけないと意味がない。

里山アライちゃん「(こううんにも、このあたりはすこしまえに、ひとがけもののおいだしをやっていたのりゃ!
きっと、おすも、のやまにいったんはにげこんだのりゃ!
あらいしゃんのじまんのおはなでにおいをたどってみせるのりゃ!!!)」

ヨチヨチ…ヨチヨチヨチ…

里山アライちゃんは一旦、この十匹隊を後にする。
このアライさん達は失敗した自分にもそれなりに優しかった。
雄が見つかるまで、休憩に立ち寄るくらい許してくれるだろう。

里山アライちゃん「(さあ!おおてがらにむけ、つきすすむのりゃ!!!)」

ヨチヨチ…ヨチヨチ…

渾身の高速ヨチヨチ歩きを繰り出しながら、里山アライちゃんは山野を駆ける!
明後日の方向にぶっ飛ぶのは『チビ』の頃から変わらないらしい。

今日はここまでです。

また二三日程度で書き込む予定です。

>>しかし、365日24時間性交渉が基本可能な人間(ホモ・サピエンス)が特殊なだけで、アライさんがそうな訳もなく、元種のアライグマと同じように年に1回繁殖するのが普通である。

別に『性交渉』自体は人間と同じくいつでも可能なんじゃないの?

答wwえww合wwわwwせww
馬っ鹿じゃねーのwww

作者の主義主張が話に載るのは普通だけどそれ以外の読み解きはさせませんみたいな言い方糞だろww解説とか補足ならまだ分かるけど

その上「こっちまで迷惑かかるからこの作品を引き合いにしてよそを荒らすな」っていう言葉すら思い付かないからこうなる。
わたアラこそ荒らしも教唆もしてないのにどうしたことかって言いたいだろうに。

自分に同調した人間は荒らしなんて絶対にしないっていう自信があるかどうか知らんけど
「私は何もしてない」しか出てこないってのが本当自分本位というか…その辺元アラアンチなだけある。
上でこう書いておいて引き合いに出すのは何だけど日常の方に出てる黒パーカーと、対象や言葉遣いが違うだけで中身もやってる事もそう変わらないわ

>>281
ん?普通は「自分の作品を引き合いに出して余所に迷惑をかけないで下さい」じゃないの?
そこまで人に気を使える訳がないって分かった上での発言だった?

>>283
正にお気付きの通りです(キリッ
あと>>1がやってないにせよ荒らしの内容的にここの読者(信者?)であることは明らかだから
荒らしに動けば最終的にここに迷惑がかかるってわからんと止まらないだろうとも思った。
万が一ここの荒らしがここを貶める為にやった犯行だとしても、予めそう言っておけば無関係ですって胸はって言えたんだし。
もう遅いけど

http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/17/102400408/?ST=m_news

アライグマは有名な知能テストに合格したらしいね
研究者の想像を超える独創性を発揮したとか

>>285
すごいな現実のアライグマ。あとつくづくこの世界の人間でよかったと思ったわ。
アラ罪世界の人間だったら何十年経っても研究すらしないし何があっても公表しないもの。
実は◯◯なのだ!実は◯◯なのだ!野生の力を舐めてはいけない!って言ってるけど
他のフレンズとの比較やら大母出るまでのガイジアライさん取っ捕まえてさっさと研究してりゃ普通にわかるだろみたいな事実が結構あるんだよな。
人間の慢心ですーこれが現実ですーみたいな表現ずっとしてるけど、本当の現実はこれなんだよ。害獣だろうが研究して事実を公表している。
よそのssでもこうやってアライさんの研究を重ねた上で知れ渡った生態っていう設定なのに、>>1にかかれば「全部違う!アライさんは最強!」で終わるっていうな…

>>286
>>1「他の情報も公表されてましたよ^^」
>>1「やっぱりアラ虐なんてその程度の頭なんですね^^」
>>1「私は知ってましたよ^^」
>>1「私のおかげでアライさんの事を勉強できましたね^^」
>>1「もっとアライさんの事を考えてみましょう^^」

ガチ駆除しようっていう相手を知らない奴ばかりってのはわかる。
「設定上そういう生き物です」っていうのを「アラ虐するバカの妄想」で終わらせるやり方も酷いとは思う

>>286
>>1「読んでいただければ分かると思いますが人間の記録や技術はセルリアンとの戦争によって失われ文明が一時衰退しています、その後の復興を考えると動物の研究などし直す余裕など無いと分かります」
>>1「もっとよく考えて下さい」
くらいは言いそう、もし言ったら言ったで穴だらけの糞理論だけど

そもそも現実の日本人なら平和ボケしてたりするからこんな感じになるかもしれんが少し前に戦争があったってんなら人間性は大分違うはずだよなぁ
当時の価値観じゃなくて現代の価値観で歴史評価するくらいの愚行ですわ

ところでさ
陸自アライさん部隊考えた奴クッソ有能じゃね?

体力も学習能力も、人間よりはるかに上のアライさんを完全にコントロールできてるんだぞ
しかも野良どものテレビ知識じゃなく、人間の学問を体系的に教えられるわけだし

>>290
捕虜もしくは離反=部隊の技術を取り入れて野良パワーアップ
それを懸念した奴が蔑ろにする=人間への不信感が高まって部隊が離反して野良パワーアップ
全滅=英雄(主人公)補正が無いとこんなもんです

確かにその通りだけど、十中八九これのうちのどれかだろうから大母のおやつにしか見えない

「(実験の内容をほぼ丸パクリしながら)本家アライグマは賢く実験の中で研究者の想像を越える独創性を見せたりするのだ、更に賢いアライさんにそれが出来ない訳がない」

もしも>>1がこんなんやったら正にガイジだよな
あくまで人間の方が上であるという前提と認識があるからこそで野生の獣がやってることに驚くのであってある程度の知性があるアライさんがやっても……ってなるし

作者です。

只今続きを執筆中。明日か明後日の書き込みになるかもしれません。

さて、一部の読者の方から自分は、読者の方にマウントが激しすぎるのではというお叱りを受けました。
確かに、自分でも気が強い所がありそれが文章にも出たのかと反省しきりです。

ただ、自分へのレスが『そこはすで本文に書かれています』というものも多いので、どうしても、『どうか読み直してください』になってしまう…。
書き込まれた日時、その時の文脈という『証拠』がはっきり残るのが、こういった『場』の良い所でもあり、恐い所でもありますので…。
(勿論、全部がそうと言う訳ではなく、『うぉ!!!これは鋭い…。どうしよう』というご指摘もたくさんいただいています)

>>276さん。
どうか続きをお楽しみに…。その観点からのお話もやる予定なので。シィーでお願いします。

>>277さん。
普通に『解説とか補足』の意味で『答え合わせ』という言葉を使っていることは、>>245さんと作者のやり取り・文脈上明らかだと思うのですが…。
それと、今後、罵詈雑言などは当スレではお控えください。繰り返すようなら『荒らし』として対処せざるを得ません。

今後も所謂、罵詈雑言の類は『荒らし』として対処していきます。

>>281->>284さん。
出来事をどうか先入観無く、時系列順に知って下さい。

私はこのスレの>>65で既に【『ただし―最低限のマナーと云うか分別を弁えて頂かないと。荒らしや乗っ取りは何処の作者さんにとっても迷惑な筈…。
それを看過すれば、『物語同士の対話』や『各物語を読み比べながら想像の世界を楽しみたい読者さんの気持ち』を台無しにしてしまいます。 】
と、自分やこの時に被害を受けた作者さんだけでなく、広くけもフレ(を含む)SS全般に荒らし乗っ取りは止めて下さい、と抗議しています。

その後、荒らしには関わったら負け・かえって被害が大きく成る旨、尊敬する先輩作者様からご指導を受け、今に至ります。

>>283さん、>>284さんの言うように「自分の作品を引き合いに出して余所に迷惑をかけないで下さい」と書くべきか、いや触れては余計大変なことになるのか、当時、悩んで手をこまねいてしまった面はありますが…。

ただ、>>65で既に警告・抗議をしていたにもかかわらず、全然そのことがなかったかのように自分を非難する方もいる現状を見ると、結局そう書いたとしても同じだったのかな…。それとも何かが変わったのかな…。

>>285さん。
はい。本当に初めて見たときは自分も驚きでした!あの記事が自分がこのSSを書こうと思い立ったきっかけの一つでもあります。本編の進行上何所までできるかは分かりませんが、アライグマを含め色んな動物の面白い記事を共有できればと思います。

>>286さん―>>293さん。
え~と。こう書くとまた「マウントを取っている」「言い負かそうとしている」と受け取られそうで本当に嫌なのですが…。その実験報告の記事を踏まえた描写・そして動物研究やアライさん研究報告を人間がしているシーン、もう本編に登場しています…。

具体的には2スレ目の>>915->>924の『『蛇張村の将来を考えるシンポジウム』の後半シーン。
一応一般人有志である青年団たちも専門家の協力を受けながら、自分達の研究結果を発表しています。

そしてー
【アライさんの元種であるアライグマは近年の研究で、その知能がイエネコを上回る可能性を指摘されているとも伺っています。 好奇心が非常に旺盛で個体によっては高い認知能力と道具の利用能力さえ持つと。 そうした性質をアライさんもフレンズ化で増幅されながら継承している可能性があります】と団員が話す場面。
この部分は>>285さんがご紹介して下さった記事を自分も前もって読み、その内容を念頭に置きながら記述しています。『有名な知能テスト』記事の内容と一致しますので確認したい方はどうぞよろしくお願いします(イエネコ云々は別資料の記事との抱き合わせだったかも)。


それでは、また明日以降にでも。

言っちゃなんだが「前に書いたんだから見れば分かるだろ(意訳)」ってのは相手を馬鹿にした言い方と取られても仕方ないと思うぞ、作者と読者じゃ認識量に絶対の差があるんだから

他もそうだけど言い方が悪い面が多すぎるわ

しかも「自分は気が強い所があるから」っての言い訳を免罪符にするようじゃあ「文章書くの向いてないんじゃないの?」と言いたくなるぞ、自分で喧嘩煽ってるって言ってるようなもんじゃねーか
じゃあもし「暴言沢山したけど怒りっぽい所があるから文章に出ちゃった」って言えば許すの?

人間側が馬鹿なのは叩かれてるストレス発散なんじゃないかとか邪推されてもおかしくないレベル

>>普通に『解説とか補足』の意味で『答え合わせ』という言葉を使っていることは、>>245さんと作者のやり取り・文脈上明らかだと思うのですが…。

今までの言い方からその『解説とか補足』の時の文章がそういう風にしか取れないって言外に言ってるの分からないかな?
解説や補足じゃなくて正に答え合わせってのが的確だなって皮肉だよ

作者さんは一々反応しない方がいいよ

専ブラがあるならNGにするといい

これって元々アラ虐作品として設定考えてたけど、
途中でアラ虐じゃなくして、アライさん主役で人間からの迫害に立ち向かう路線に方向転換したんだっけ

で、アラ虐SSだった頃にせっかく頑張って考えた設定を捨てるのが勿体無いから使い回してるけど、
そのせいで滅茶苦茶足引っ張られて、ストーリーの整合性が矛盾・破綻しまくってるんだよな

いっそアラ虐SSだったころの設定全部捨てて、新作としてリメイクした方が、
作者も読者も得するんじゃないの?


差別されてる善良なアライさん達が、悪い人間達と戦う勧善懲悪モノにした方が、
いろいろ無理なく話を展開できそうだと思うんだが…

まあ、>>1が読者とのコミュニケーションを楽しむことに重点置いてるなら、今のままの方がいっぱいちやほやされてレス貰えるしずっといいけども

>>さて、一部の読者の方から自分は、読者の方にマウントが激しすぎるのではというお叱りを受けました。
>>確かに、自分でも気が強い所がありそれが文章にも出たのかと反省しきりです。

反省しきり(改めるとは言ってない)
ってか「マウント取ろうとし過ぎだろ」ってのに対して「気が強いので」ってさぁ……

読者が作者のマウント取ろうとする ←いくらでもやっていい
作者が読者のマウント取ろうとする ←読者様に逆らうな駄目に決まってんだろ

これがこのスレの住人だからね、仕方ないね

>>304
作者がよその作者のマウント取ろうとする←いくらでもやっていい(>>1ルール
が抜けているぞ

個人のアンサーです、とか現実はこうです、っていう大義名分掲げてよそを罵倒したり信者煽って荒らさせたりするからダメなんじゃないのか?
確かに>>1虐目的になってる人はいるかもしれないけど、それが多いとか言うのは違う気がする。
それは「アラ虐する奴はどんな状況でも感情的で空気読まずヘタレで社会不適合者ばかり」みたいな暴論に近い

というか個人のアンサーって>>1は言うけど何なんだろうな。
アンサーって「答え」って意味が一般的じゃん?
何かよそと違う意見言うだけなら「個人の意見」っていえばいいのに何であまり見慣れない「アンサー」なんて言葉使うんだろう。意識高い系?

毎日元気な荒らし様の黒歴史


589 :既にその名前は使われています (ワッチョイ f717-Hqib [141.0.14.177]) [] :2016/12/11(日) 00:04:58.20 ID:7yJAwS/40 (1/3)
お前ら「加速中は複数回線使ってる!」

俺「へえ、じゃあどういう回線使ってるの?」

お前ら「」


これが現実
都合悪いとすぐ複数回線自演と言い出すからなあ


593 :既にその名前は使われています (ワッチョイ ) [] :2016/12/11(日) 00:12:47.28 ID:
1 名前:ID加速中 ◆tgZGQxzvtQ @無断転載は禁止[] 投稿日:2016/11/30(水) 20:09:56.29 ID:LI2FgtZY [1/21]
opera回線2本、softbank光回線、iphone等を持ってる俺に死角はなかったwwwwwwww
ファミマもあるし


焼かれて逃げる雑魚とは違うんだよボケが
で、お前らの威勢の良さはどこに行ったのかなぁ?wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww


595 :既にその名前は使われています (ワッチョイ f717-Hqib [141.0.14.177]) [] :2016/12/11(日) 00:59:57.32 ID:7yJAwS/40 (3/3)
>>594
加速中が複数回線かどうかなんて聞いてない
なんで都合の悪いレスは加速中認定なんだ?って話だよ
すぐ複数回線連呼して無理矢理な自演認定



678 : 既にその名前は使われています@無断転載は禁止 (ワッチョイ a714-ys8Q [153.167.55.95])2016/12/13(火) 17:03:59.12 ID:Zjkol4yG0
福島ocnを二回線持ってるなら別だがな
だがそんな奴いないし別人確定



>>98
みた
当該262 ID:Zjkol4yG0 [153.167.55.95] has been BBQed by 燒結金属★ (2号)




【悲報】ID加速中がまど豚だった件



1 :ID加速 ◆JQ0WomUqiI :2017/08/25(金) 22:05:59.29 ID:S6+wyDgN0https://twitter.com/EjxnAxu1m?lang=ja

気持ち悪い
やっぱりロリコン基地害だわ

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1503666358

2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/25(金) 22:06:59.17 ID:S6+wyDgN0

おっと間違えた
今のは忘れてくれ
別にSS速報民のふりして荒らしたいわけじゃないから勘違いせんでよ

3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/25(金) 22:08:03.65 ID:1UdpXIwL0

自演失敗!!wwww
SS速報民になりすましてまで構ってほしかったのか・・・(憐み)

4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/25(金) 22:08:56.67 ID:2s+LAYcP0

一人で加速中叩きと加速中やってたのか
きめえwwww



>>289
「読んでいただければ分かると思いますが人間の記録や技術はセルリアンとの戦争によって失われ
文明が一時衰退しています、その後の復興を考えると動物の研究などし直す余裕など無いと分かります」

いくら作者でもそんなこと言わないだろ。だって
>>1「野良アライさんの脅威は害獣程度の認識なので青年団が狩ったり一般市民が虐待しています」
>>1「野良アライさんを捕獲した病院があって、そこでアライさんが無能なことが判明しています」
>>1「野良アライさんを隔離した施設があって、そこでアライさんが無能なことが判明しています」
>>1「アライさんに有用性を見出し、陸自アライさんを開発しています」
>>1「蛇張村で野良アライさん駆除に貢献した『陸自アライさん』(自衛隊員でなく)を表彰しようと思います」

って世界観だから研究されてないなんていったら矛盾してしまう
あれ?上の5行ですでに矛盾してね?

どうでもいいことだけど「先祖代々の知恵」が劣化せず、しかも須らく正しいって凄くね?
普通変容していったり、迷信や勘違い等による間違いもあると思うんだけど
ついでにテレビやらなんやらで最初に知識を得た時とき聞き違いなんかをせずに大事な所は一字一句覚えてるあたりも凄いわ

アライさんは種族としては優秀だけど多くが能力を活かしてきれていない感じが色んなSSで見られるよね
大母は厳しい環境と幸運からより優秀な個体へと成長できたって事だろうし、それ自体は確率から見てありえなくもないとは思ふ

ただ大母を中心に優秀な個体が集まりすぎるご都合的な流れに少なからず疑問を感じざるを得ないかな
優秀なアライさんをスカウトするぞと少数で日本を行脚していった結果で今に至るなら納得だけど

>>251とかは、どう解釈したら『気が強いところが文章にも出た』事になるんだろう
文章の問題では無いと思うけどなあ

続きを書き込みます。


>>318さん。
あの…。文章をそのまま素直に読んでくださいとしか…。
自分の>>295の書き込みをそのまま読めば、『気の強いところが文章に出た』という言葉が主に読者さんからの質問やご意見への『お返事』を指しているとご理解いただけると思うのですが…。

私はアライさんの元種のアライグマを自分なりに調べたところ、他の哺乳類と比較してもさして子育てが下手な訳でも、母子関係が希薄な訳でもないと判断し、また、アニメのアライさんも子育てをする機会があるとしたら、『さすがにここまで酷くはないだろう』と考えながら当ssを書いています。

ただ、それは別に>>318さんに強制しているわけでもないので、『アニメも元種も関係ない』あるいは『自分はアライグマが子育てに特に不熱心な生態を知っている。アニメアライさんがもし子供を産んだらネグレクトをするという確信がある』というお立場を取られていても―そのことを自体を非難するつもりはありませんよ。

>>301さん。
ありがとうございます。そう致します。

>>302さん。
路線変更したことは確かですが、ちょっと>>302さんの言う意味とは違います。これまでのスレに書き込みが残っているので、お時間があればどうかお読み直し下さい。ところで『善良なアライさん』ってどんなアライさんなのでしょう。
『人間が言う善良なアライさん・フレンズ性善説とは結局のところ…』という語り口自体は最初からここまで大体一貫するようにしてきたつもりなのですが。

>>316さん。
シィー。今後の展開にかかわることなので…。
もし、お時間があればお付き合いをよろしくお願いします。



ヒュ――ヒュ――
荒れ果てた一面の荒野に少し寂し気な風が吹く。
寂しげな耕作放棄地と朽ちゆく掘立小屋が、ところどころ断線した鉄条網に囲まれながら延々と続く。

白髪のご老人「……」

60代半ばほどだろうか。
長いこと宮仕えしていた者特有の小心さと品の良さが入り混じった特有の空気を身に帯びている。

風に揺れる看板―『共栄農場』―
剥がれかかったペンキが留める『兵どもが夢のあと』

白髪の老人「すまなかったな。カカオ…。ワシ等はまだ若かった…」

老人は、枯れた声でそう呟く。
後悔と悔恨と取り返しのつかなさと―一抹の懐かしさを込めて―
重荷を降ろした立場で…。
ここに戻るまで本当に―あまりにも―長い時が必要だった。

辛そうな眼は顔の前に付いているのに後ろの方ばかり、この御仁に思い出させる。

そのせいで―
―季節が春から夏に進む中―いよいよ勢いを増していく野花さえ、今は視界に収めるゆとりを失くしてしまっている…。

TTT会員D「いつまで辛気臭い顔を成されているのです?」

TTT会員Dは入院中の病室で傍らの人影に言葉を投げかける。

TTT会現地リーダー「…。年頃の女性に一生跡が残るかもしれない傷を負わせれば、こんな顔にもなる…」

お見舞いに来たTTT会現地リーダーだ。
TTT会員Dのベッドの傍らの机には、何時ものメンバーがカンパした『見舞金』の入った茶封筒。
もっともこれは先程、当の本人から『恵まれない方に』と言われ、付き返されてしまったのだが―

TTT会員D「ふふふ…」
深刻な顔をしているリーダーとは裏腹にTTT会員Dは、彼のそんな反応が面白いらしい。
―いつも『同志』としてしか接してこなかったくせに可笑しなものだ―

TTT会現地リーダー「笑い事じゃないだろう!!!もう少しで死んでいたかもしれないんだぞ!!!
いや、その傷は…。お父君・お母君、未来のご夫君がそれを見たら、一体どんなお気持ちになるか…。リーダーでありながら、俺は何てことを…」


TTT会員D「(何時もは『この会に参加し、義挙に加わる以上、俺たちは君を女性扱いはできん』なんて格好つけているくせに…)」

内心、そうツッコミを入れながらも、TTT会員Dは特にリーダーに悪感情は抱かない。

元々自分には―TTT会員Dには―薄いのだ、そういう意識が。

『彼』と言われれば『彼の役』を―『彼女』と言われれば『彼女の役』を―
『お兄さん』と言われればそのように―『お姉さん』と言われればそのように―

このヒトは、その時々で『俺』になり『私』になり、割りに定めかねているし―特に定める意義・必要性を見出してもいない。


まあ、強いて言うなら、性器や臓器は『正常な』女性のものであるし、役場の届け出も其方ではある。

TTT会員Dは何方かと言えば性欲が強い方ではあるが―不思議とそこの部分に関しては無頓着を通り越してぞんざいである。


TTT会現地リーダー「なあ…」
TTT会員D「はい?」

TTT会現地リーダー「今まで…。俺も含めて皆…。その…、遠慮して。
踏み込んで良いのか分からず、聞けなかったが…。『そのせい』なのか?お前が…」


その時になって、TTT会員Dは、初めて非難がこもった眼差しを自分のリーダーに向ける。

TTT会員D「それだけは有りません。私の歪みは何の故でもなく、誰のせいでもなく、私自身によるものです」

TTT会員Dのやや決然とした物言いを、リーダーは複雑そうな顔をして聞くが、このヒトにしてみれば、そんな顔をされても困るというものだろう。

TTT会員Dは、何も見も知らぬ誰かへの配慮のためにそう言っているのではなく、本心からそう言っている。

自分の歪みも、空虚さも自分だけのもの。
物心ついた頃から、ふと『そう成っていたもの』
―その虚ろさを埋め合わせるための『行動』の帳尻も報いでさえ―

そんなことより、今は早く怪我を直して、アライ狩りに没頭したい気分だ。
殺したり、殺されたり、傷つけたり、傷つけられたりする刹那。
拷問や処刑ではない―予定調和ではない本物の―奪い合い。
生と死が交わり、世界がほんの一時、原始に回帰する瞬間に脳裏を過ぎる自分だけの『原色』。
自分は、その瞬間を噛み締め、あの色をもっと堪能したいのだと知ってしまったのだから―

本当に望んでいた欲求―云わば『生欲』を―

まあ、その『相手役』がアライさんでなければ成らない特段の理由は実はない。
ないが―流石に見知った顔の人間に迷惑を掛けまいという―分別位は持っている。

少なくとも、社会の条理から外れた『異なるもの』で欲求を満たすようにしないといけない。

TTT会員D「うんうん…」
何か一人で自己解決しているTTT会員Dに心配そうにリーダーは告げる。

TTT現地リーダー「おーい!戻ってこい!お前の家にお詫びに行こうとしたんだが…。電話しても、父君は『結構です』の一点張りで…」


リーダーの呼びかけに、ちょっと意識をこちらに戻しながら言葉を漏らす。

TTT会員D「外面は良い父が珍しい…。ひょっとして小林さんかな…」
TTT会現地リーダー「小林さん…って誰?」

うっかり呟いた言葉に何気ない返事。
だが、TTT会員Dは、珍しくばつの悪そうな顔をして、少し言い淀んだ。

TTT会現地リーダー「なあ…。小林さ」
TTT会員D「うちの家令です。失礼なことを申していたのなら謝ります」

TTT会員Dはそう言って目を瞑り、会話を打ち切ろうとする。

―しかし―

TTT会現地リーダー「お前…。家令って!結構なうちの出身だったのか!?じゃあ、なおのこと詫びをせねば!!!」


変に律義なところのある現地リーダーは、早速DOGEZAの覚悟を固める。
この場合は切腹の方なのか?

どうかやめて欲しい、そんな切実なTTT会員Dの意向は取り合えず聞いてはもらえ無そうである。

今日はここまでです。

また二三日後に。

ただ、少しリアルが立て込んできたので、3月上旬は更新が滞ることになりそうです。

フレンズなんて架空の存在を人間やアライグマの身体能力を前提に考察しても意味なくね?

困ったときは『サンドスターのおかげ』でその辺は全部解決しちゃうしな

ずっと前から言われてるけど言い続けるとテロリスト県議の二の舞になるんだよなぁ
サンドバッグ「誤魔化すな!アライさんは害獣」

なんか「キリキリキリキリキリリキリッッッッッッッッ(なんか的外れな事言う)」

サンドバッグ「(完全にツッコミどころしかない!でも台本があ
るから何もいえない)ムギイイイイイ誤魔化された!!!!!」

なんか「真理を理解できないうえ精神勝利とは…やれやれこれだからアラアンチは…我々は賢いからそんな事微塵も思わないのだよ」

アライさん「人間は馬鹿なのだ。アライさんの正体はシンゴジラだから進化して神になるのだ」コスコスコスコスコスコスシッポフリフリフリウンコブリブリブリブリ

こんな感じのを装飾過剰と一部隠蔽した展開がいつか来るんじ
ゃない?

続きを書き込みます。

アライさんの人口(頭数)に関しては作中でも触れる機会が有ろうかと思いますが…。

ただ「それまで待ってください」というのもよろしくないかと思い、少し自分の脳内で考えていることをお伝えします。

一応、今、頭の中では2つの数値を見ながら、『だいたいこんなもんかな』というイメージは有ります。

2つの数値というのは、

一つ目、現在の日本の大型哺乳類の頭数。

環境省の自然環境局の『狩猟及び有害捕獲等による主な鳥獣の捕獲数』から平成21年度(2009年度)の実際に捕獲された合計捕獲頭数を参考に計算場合。

合計捕獲数が以下の頭数となるそうです。
【そのうち()内が"害獣駆除"と"保護管理計画調整"で捕獲された頭数】
猪 30万頭(15万等)
鹿 30万頭(15万頭)
猿 1万6千頭(1万6千頭)
熊 2000頭(1500頭)

http://blog.livedoor.jp/hunter00000000/archives/10698846.html)参照。

当然、捕獲数がこれだけなら、捕獲されてない、生き延びた個体が同数以上いるわけで、裏を返せば、ある種の大型哺乳類が日本列島内に生息し得る上限も見えてくるのかな…。といったイメージです。

同時に、現実のアライグマの最大の天敵は人間。アイオワ州では死因の判明しているアライグマのうち、78%が狩猟や駆除、10%が交通事故によって死亡していたというから(他方、一般にアライグマの幼獣の生存率は高く4~6割)、作中のアライさんも(上記の現在の日本の『害獣』の様に)年間数万~数十万頭は駆除されているのでは、と言ったところです。


二つ目は、縄文時代の日本列島の人口。

縄文時代の日本列島の人口は最盛期で最大で約26万人と言われています。
それを素直に当てはめればアライさんも26万頭が最大というイメージですが…。

人間が云わば『先住』しているから、特に沿岸部の利用に制限が掛かる(アライさんにとってのマイナス要因)
日本列島の山林が縄文時代より痩せている?(アライさんにとってのマイナス要因)

ヒトより食性の幅が広く、地形を問わずある程度生息可能(アライさんにとってのプラス要因)
日本列島の山林が、過疎化や都市部への人口集中により放置され、一周回って植生が元に戻りつつある?(平成時代にも同様の現象在り、プラス要因?)
上記の理由により、イノシシ・サル・シカ・クマなどの個体数が増え、『狩りの対象』が広がっている?(平成時代にも同様の現象在り、プラス要因?)
かつてのセルリアンによる跋扈やホットスポットの出現等により、国土に一部空白地帯が出来る等し、大型哺乳類等が増加している(初期スレ参照)
いざと成れば、畑荒らしや残飯荒らしで餌・資源を調達できる(平成時代にも同様の現象在り、プラス要因)
元種のアライグマの生態上、厳冬期には『冬ごもり(半冬眠)』可能(平成時代にも同様の現象在り、プラス要因)

とそれぞれの因子が有り、(勿論、自分が見落としている因子も)それぞれをどうとらえるかで結構振れ幅が大きく成ります。

突き詰めて言えば>>348さん、>>349さんの仰る通りです。
それを承知で、ちょっと不自然過ぎない様に自分はこんなことをぐちゃぐちゃ考えていますというご報告です。

(続き)

それから、『わたしとヒトとアライさん』作者の◆7Yg2t5JHRUさんから、ご本人のスレに書き込むという形でメッセージを頂きました。


こちらこそ、当SSの一部が利用されるような形で、スレが荒れてしまわれたことを申し訳なく思っています。

自分自身どう対応したらよいのか、分からないまま、対応が後手に後手に回ってしまいました。

『塗り潰す』という強いお言葉の意味や『アラ虐界隈では…』というご論調に少しびっくりしてしまい、
真意を掴みかねていたところも、正直あります。

ただ、今も私は、『わたしとヒトとアライさん』とは、ある種の見解の相違を自覚しながらも、
良き議論仲間・創作仲間として、けもフレ二次創作の奥行きを広め、アライグマや欲を言えば、ヒト社会の一側面を共に描いていけたら嬉しいなと思っています。


生き物は、一歩も間違えなくてもやがては土に還る定めです。
ただ、それは云わばそれだけのもの。ただ、命が『あり』或いは『なく』なったというだけです。

それを尊いとか、無駄だったとか、ゴミのようだったとか、価値を付与し、意味付けるのはヒト(とこの作中世界ではフレンズ)のなすこと。


各SSの各世界で、それを作者様ごとに物語り、読者様のご想像に委ねることになるのでしょうね。


再発防止の為、展開や設定を誹謗の理由や手段にしないようお呼びかけ下さり誠にありがたく、嬉しく思います。
此方も同様にしたいと思います。

荒らしには触れてはいけないとは言え、この呼びかけぐらいならば良いのでしょうか。

???「役立たずどもめ!!!」

虚ろな部屋に低い呟き声が漏れる。
大きなお屋敷に似つかわしい、こじんまりとしているが上品な書斎。

ゆったりとした椅子には、一人の老人が報告者から手渡されたメモを眺めつつ腰掛けている。

深く刻まれた皺。
老いて猶、精気を漂わす高い上背。
高い鼻に長い指。

『海千山千』の見本と言った雰囲気。


彼は―

ビリッ!ビリビリ!!

不機嫌の元となったメモを破り捨てると、部屋の隅の暗がりに向けて吐き捨てる様に声を掛ける。

???「県知事も賢しらなことだ。自衛隊…と云うか国に、嘴を突っ込まれるのは嫌がっていたくせに…」

適度な間を置いたのち、???の下に侍していた報告者は返事をする。

報告者「ごもっとも。なかなか上手いことを考えるものです」

???「…」

報告者「いかに国から押し切られたとは言え、形式上は自治体の要請により、自衛隊は害獣駆除任務に出動したことになっています。

なら…いっその事、大げさなほどに顕彰し、恩を売った方が後々のことを考えると得である、そう考えたのでしょう。一部の防衛省幹部が推進していた『アライさん部隊』にとっても公にお墨付きが貰える機会ですし」


当初は県兵のみを用いたプランを考え、『よそ様』の介入を嫌っていた知事の突然の方向転換を報告者はそう推測する。



ちぃっ、という舌打ち音が暗闇に響く。
老いた顔を不機嫌そうに歪ませるとその面容、まさしく妖怪のようである。
―孫娘などはあからさまに祖父をそう呼んで、憚らない―

???「害獣を使って害獣駆除。アラ信共への当てつけの為には良いのでは等と思っていたが…。失敗だったな。
結果的に『善良なアライさん』とやらの生きる窓口を広げる結果となってしまった…。県議には説得は難しかったのか?」


報告者「そのようです。陸自アライさんの身分を理由に―つまり正規の自衛官なのか、軍用動物なのか―
という面を衝いて、県議には、もう少し粘って欲しかったところではありますが…。
どちらにしても、『ジャパリパークのアライさんとその子孫アライさん』は擬制的人権の適応範囲内。
それに仮に隊内の地位が、軍用犬・軍馬などに準じた存在であると強弁しても…」

???「そう強弁したとしても、まあ無駄だったろうな…。
盲導犬・警察犬・軍用犬・軍馬等を顕彰し、場合によっては名誉称号・名誉階級・表彰状などを与えること自体は広く散見されること。

これまでの人類の歴史では…。しかし!!!」

老人の相眼がギョロリと動くと報告者の心臓が縮み上がる。
蛇に睨まれた蛙とはこういう顔をするものだろうか…。

???「それはあくまでごっこ遊びのようなもの!
『ヒトにとって善きけもの』を育て、訓練し、良く使いこなした人間を表彰する場合に―当人たちを満足させる都合上―けものを直接賞する事例があったにすぎぬ。

アライさんは―四つ耳共は―これまでの人類の歴史を塗り替える可能性が有る『異物』。
今までのようにはいかぬ。何故、そう軽々と人獣の理を犯すのか!!??」

報告者「…」

???「戦後30年。ようやくあの忌々しい『四つ耳将官』『四つ耳佐官』が引き、国軍が浄化されつつあると思っていたところで…。

それと、お前の前回の出生率報告、大きな漏れがあったぞ!」

報告者はその言葉を予め予期していたようだ。
深々と頭を下げ、釈明の言葉を述べ伝える。

報告者「申し訳ありません。厚労省の資料を真に受けてしまい…」
???「厚労省の調査など何時も抜けだらけではないか!?その裏を取るのがお前の仕事だ!!!」

只管、恐縮する報告者を尻目に???は、一人、思考を静め次の手を考える。
『四つ耳共』と…、それに迎合する愚か者どもに道理を思い出させるためには何をなすべきなのか。

『アラ虐』?
或いは…

本日はここまでです。

前回お伝えしたように、3月上旬はリアルが立て込んでいるので、更新は9日以降になりそうです。

前スレでネタにされてたけど

>>鏃アライさん「サンキューガッツ!!ワイも仲間に入れてくれや」
>>
>> 義妹アライさん「ええで」
>>
>> 大母アライさんは中国やらモンゴルやらの偉い人をリスペクトして動いとる
>> それは言わば偉人の魂を降臨させているのと同じ事や
>> よって大母アライさんのユニットに加わったアライさん達は能力が底上げされるんや
>>
>>鏃アライさん「うおおおおぉぉぉ!!みwwなwwぎwwってwwきwwたwwwwww」モリモリモリィィ!!

まさにこの展開で草


???ってさも最初から用意された黒幕のように書かれているけど
突っ込み入れた読者に対抗するため思いつきで登場させただけで
最後どういうキャラにするか思いつかず
「実はアラ虐派の中心人物で数万匹のアライさんを虐殺してきました!
 でも大母アライさんの一派にはかすり傷一つ負わせられません!!」
とかになりそう

>>355
何で『アラ虐界隈では』なんて気にするんだ?>>1のSSはアラ虐SSじゃねーんだから関係無い話だろ
ってか驚いたとか真意を掴みかねるとか一体何なん?SSは議論の種じゃ無いし、ましてや他人の話に首を突っ込む為の物でも無いんだが
『塗り潰す』云々だってその人が書く上での姿勢や考えを表明しているだけで何か感じることがあったとしてもそこで完結するものであってそれ以上でも以下でもないわ
個人へのメッセージじゃないんだから「それを受けて自分は~」なんてやるなよ見苦しい、それで話の流れが変わったり矛盾が出てたら世話無いだろ

自分で「各SSの各世界で、それを作者様ごとに物語り、読者様のご想像に委ねることになるのでしょうね。」とか言ってる癖に余所の話持ってきて議論しようとするとかどうなんだ
自分の思想やらをSSに反映させるのは大変結構だけど人様に「ヒト社会の一面を~」とか押し付けまでしようとしてるし……話を通じてディベートしたいなら余所でやってくれ

あと「荒らしには触れてはいけない」って、ほぼ確定でここの信者が迷惑かけたんだから注意・呼びかけをするべきであって触れないも何もないだろ

続きを書き込みます。

ウゥゥゥ!!!グゥゥゥゥ…

殺アライP「むむむ…」

やや難しい顔をして、自宅でパソコンを眺める一人の男。
手術後、縫合された鼻は微かな跡を残してはいるものの、今も殺アライPの唇の上にしっかりある。
そろそろ、念のためのテーピングも外せる頃合いだろうか。最近の医学の進歩には助けられる。

あの時、アライちゃんに咬み破られた足首も抜糸は済み、今では硬性短下肢装具を嵌めながら、リハビリ・歩行等が可能になっている。


それは良いのだが…

殺アライP「投稿動画の反応が…。酷いことに…」

アラ信の脅迫じみたコメントは特に気にしない。むしろ、アラ虐にとっては拍手喝采のサインのような物だ。

しかし

『人間がアライさんにやられるところなんて見たくない』
『マヌケすぎ。人間が知能劣化しすぎだろう』
『もしかして、殺アライPって、隠れアラ信?』

などとコメントされれば流石に堪える。
この前の動画でアライさん・アライちゃんに反撃を許したばかりに、すっかり袋叩きだ。


殺アライP「う~ん。油断していたのかな…」

殺アライPはアラ虐なりに反省を始める。

まず、アライちゃんの運動神経を軽く見ていたこと。
アライグマは元々、決して運動音痴な動物ではない。

殺アライP「え~と、元種のアライグマは垂直方向に約110cm、水平方向に約120cm、ジャンプする能力があると…。
アライさんに成ってからはどうなのかな?普通、サンドスターは元種の能力・傾向をヒト化後にも反映・強化する方向で働くはず…」カチカチ


それなら、アライさんもジャンプはかなり得意だろう。
人間、そして元種以上に。
木登りや半樹上生活を行い、『立体行動が得意』なのだから…。

この前、自分が〆たアライちゃんはまだ、ヨチラーであった。
それでもネコほどの大きさ、つまり元種かそれよりやや小さい程度の体を持ち、しかも、同じ四本足状態。

そして、自分は屈んでいたから―

殺アライP「あ~あ。油断したな~。ファンが減ってなきゃいいけど…。あのダルマにしても前歯抜いて安心してちゃいけなかったんだな…」


更によく考えたら、ドングリを始め堅果・強張った屍肉・甲殻類・しまいには植物の根まで平気で食い出す連中の顎の力がどんなものか、想像できても良かった。


半端はせず、顎そのものを砕けばよいのだが、それでは『アライさんの惨めなセリフ』を放映できなくなる…。


人間の少女や小柄な女性の『ような』外見をしていることと、少女や女性そのものの能力・機能であることはイコールではない。

もしそうなら、そもそも野生環境下で生きて等いけないわけで…

殺アライP「悩ましいぃぃぃ!他のアラ虐の人は凄いな~。きっと、皆、動物学に秀でてお金持ちなんだろうな…」

アラ虐には専門知識とお金がかかる。
より正確には、狩猟や処刑や拷問にはお金と施設と準備が要るというのが正しいのだが。
アライさんの懸賞金が爆上がりでもしない限り、『たまたま見かけた』『運良く簡易的な罠に掛かった』等の例外を除き、アラ虐は庶民には縁遠い、画面の向こうの世界だ。


他の大型哺乳動物を相手にする場合もそうであるように―


殺アライP「よく考えれば、森に手弁当で分け入り、チンパンジー並みの猛獣を狩り、或いは小柄な女性ほどは有る生き物を監禁して、拘束、虐待し、その死体の後処理までやるのだから当然だな。

親が金持ちだったおかげで助かった…。クリエイターになるのに後援者は必須だ」


殺アライPが眺めるパソコンの画面では様々な『同業者(クリエイター)』がパフォーマンスの限りを尽くした処刑・拷問・虐待、そして狩猟をしている。


もっとも、最近は殺アライP自身が口にしている難点の為か『アライさん』よりは『アライちゃん』に、同じ『アライちゃん』では『より生後間もない小さめなアライちゃん』に同業者の人気が移りつつあるようだ。

それを探し出し、連れ出すのもまた大変なのだが…。


グツグツ地獄の大釜の様に煮え立つ大鍋。
足掻き、浮き沈みを繰り返し、這い出ようとするたびに大箸で突き落とされるアライちゃん達。

『いあなのりゃ~!!!おねがいだちてぇぇぇぇぇ!!!』
『あじゅぃぃいいいいいいい!!!!だじゅげでぇぇぇ~~!!!』
『なんでもじゅるがら~~~!!!どれいになっでもいいがら~~~!!!おねがいなのりゃ!!!』

『はい!このまま、じっくりじっくり煮込みましょう。塩・胡椒、そして唐辛子を一つまみ』


殺アライP「う~ん。やっぱり、クッキング物はいいなぁ」

こんな素晴らしい―鉄風雷火の限りを尽くし 三千世界の鴉を殺す 嵐の様な―アラ虐をやれたらさぞ気分が良いだろう。

殺アライP「あ~あ。このシーズンじゃ、もうアライちゃんもでっかく成って『しゃん』に成り出す…。くそっ!
他の人はどうやってあんな『虐』むきの『ちゃん』を手に入れているんだ!!!
ああ云うハムスターみたいな個体がクッキング向きなのに!!!狩りのプロと連携しているのかな…」

元種のアライグマは、生まれた時点で70g。
生後7~9週間で体重1㎏に達し、その頃には巣から出て母親と一緒に行動を始める。

アライちゃんは当然より重く、生まれた時点で大体1000g以上(オスは元種の子供と同じ大きさで産まれて来る)
生後7~9週間で体重10㎏近くに達し、二本足で歩きだす。

殺アライPのようなアラ虐が求める『ハムスターのような無力なアライちゃん』の期間は存外短い。

因みに比較的、アライさんに体重が近い秋田犬(30kg~60kg)は、500gほどで産まれ、生後2か月に約5~7㎏に成長する。


ゴールデンハムスターの体重は成獣で80~150gであるから、元種でも生後数日以内でないと『ハムスタークッキング』は無理である。


殺アライP「よし!秋シーズンには頑張ろう。生後2、3日以内のアライちゃんをゲットして、大きな鍋を用意して遠近法で撮影するか…。よく見たら、この動画の人もちょっと遠近トリックしているな!!!」



ウゥゥゥ!!!グゥゥゥゥ…

くぐもった声。
それに応える様に殺アライPは振り向き、気軽に声を掛ける。

殺アライP「なあ!お前もそう思うよな」

真っ赤な世界
奇妙なオブジェが不自然に足掻きながら、ぶらーん、ぶらーんと揺れている。
腹を裂かれ、其処から引きずり出された腸で首を吊られた惨めな害獣

アライさん「…」ピクピクピク

ブリブリブリュリュリュ…

ブラーン…ブラーン…


殺アライP「変事くらいはしろよー。ハエガイジさん」

そう呼びかけると殺アライPはまた、同業者視聴に戻る。

今日はここまでです。

また、ニ三日程で書き込む予定です。

訂正

>>407
✖あの時、アライちゃんに咬み破られた足首も抜糸は済み

○あの時、アライさんに咬み破られた足首も抜糸は済み

です。

>>この前、自分が〆たアライちゃんはまだ、ヨチラーであった。
>>それでもネコほどの大きさ、つまり元種かそれよりやや小さい程度の体を持ち、しかも、同じ四本足状態。

元の動物の能力から何か身体能力を考えてるみたいだけど前提が間違って無い?

まず元種と違ってアライちゃんは「二足歩行する生き物」に変化してるわけで、ハイハイ→立つ→二足歩行の人間的なプロセスに則ってるなら四足で最初から移動手段が確立してる他の動物と四足での状態を同一視したら駄目だろ
最初から四足で駆けて脚力が鍛えられている生き物と違って立てずにヨチヨチしかできないちゃんは脚力がまだ大分弱いし跳躍に必要な筋肉はほぼ無いと思うんだけど?立てない奴がジャンプできるとお思い?

それに『同じ四本足状態』っていうのも意味わからん、ジャンプするのに前足使うと思ってんの?むしろハイハイだと膝や脛が地についてる状態だからジャンプに移行するには両足を地面につけなきゃいけないから逆に他より一手遅れて不利じゃね?

後、体重とか体格の兼ね合いとかもちゃんと考えて言ってる?なんか杜撰に感じるんだけど

>>414さん。

跳躍についてのツッコミありがとうございます。
さて、この部分ですが―どちらかというとアライちゃんが木登りをするシーンの時にツッコんで欲しかったです。

というのも『四足で駆けて脚力が鍛えられている生き物と違って立てずにヨチヨチしかできないちゃんは脚力がまだ大分弱いし、野生環境下の生存に必要な筋肉はほぼ無い筈』。ハイハイしかできない赤ちゃんが木登りしたり、いくら巣の周辺とは言え、そこら辺の山野・路上をヨチヨチしているなんて、考えてみればおかしいですよね。

これは一大事。
と成れば、アライちゃんの身体能力を人間の赤ちゃん並みにするか、赤ちゃんの『ような』外見・しぐさをしている別物と考えるかだと思います。

『人間の少女や小柄な女性の『ような』外見をしていることと、少女や女性そのものの能力・機能であることはイコールではない。
もしそうなら、そもそも野生環境下で生きて等いけないわけで… 』

また、体重・体格の兼ね合いも考えるとけもフレキャラ割とずさん…。

元種のアライグマは生後4週間で木登りのレッスンを母アライグマから受け始めます。このアライちゃんも母アライさんから木登りを習い、ある程度の筋肉は有ったでしょう。

>>421
えぇー……何て言うか……えぇー……
順序おかしくない?木登り教える前にまず走り方教えるべきだろ……逆に「何で木登りが出来る生き物が四つん這いでハイハイしてるの?」って聞きたいわ

あくまで赤ちゃんの『ような』外見と仕草って言うなら尚更
むしろ仕草だなんて揶揄するぐらいなら何でハイハイするような期間があるんだよ

何か「木登りができる生き物は皆二足歩行できるのでしょうか」とか言いそうだから追加で言うけど、人間みたいな体格とアライグマみたいな体格じゃ木登りの仕方全然違うからな?
人間みたいに足が長い生き物が四足歩行の生き物みたいに木登りしたら不気味だぞ?

野生環境下で云々とか言ってるけどそもそもフレンズ自体ジャパリパークで野生とは程遠い管理された環境下で産み出されたんだから特に子供は野生生活に適した状態になってることは無いと思うわ

>>425>>426さんのお答えにとして、文中に敢えてチンパンジーという例を入れているのですが…。

半樹上生活をおくる、気性の荒く、力が強い猛獣としてこのSSにはこの例えが良く使われます。

木登りする動物も、四足で歩く場合は有るでしょう。足が長い類人猿も。

そもそも、巣が樹洞のことも多いのですから、登り下りより先に走り方を覚えるというのは、なかなか順番が逆のように感じますが。

一体何に対してチンパンジーの例が答えになってるんだ?ズレてるようにしか感じないから教えてくれ
樹洞に巣があることが多いから木登りが先ってのは説得力あるけどJCくらいの大きさがあるアライさん(産まれたら子供も)が生活できる樹洞なんてそうそう無いのでは?

>>また、体重・体格の兼ね合いも考えるとけもフレキャラ割とずさん…。

今更だけどこれって凄い失礼なこと言ってない?元ネタと話の方向性が全く違うにもかかわらず杜撰呼ばわりって……
敬意とか無いのかな?自分の方が本家よりも深くて面白いとでも思ってるんだろうか

続きを書き込みます。

>>440さん。
自分も流石に杜撰は酷いだろうと書き込んでから後悔しました。
この場を借りて、関係者の皆さんにお詫び申し上げます。


さて、それから、昨日の『このSSにおけるアライちゃんの能力』についての議論ですが、上手く自分の意見を読者の方にお伝え出来なかったことをお詫びいたします。
後で、文章を読み直したら、幾つか言葉足らずな点が見つかりまして。


まず、>>414さんへのお答えからですね。

まずは結論から、これはこのスレの読者皆さんへのご回答でもありますが―

『本SSの幼獣期アライさん(アライちゃん)は、ジャンプ・木登り・四足での一定距離の陸上移動が出来る設定です。イメージとしては、その体重の元種≒アライちゃんの行動能力位のつもりです』


これは設定のお話であり、>>414さんのご指摘が間違っていると言っているわけではありません。
冷静に、ごく常識的に考えたら、アライちゃんの重心は偏っているように見えるし、未発達な幼獣がジャンプはおろか木登りをすることも―さらにはある程度の距離を、仮に路面が舗装してあったとしても、ハイハイ四足歩行でも、移動すること等考えずらい。

つまり、『アライちゃん』という存在は全くの不合理で、自然環境下では、まずありえない存在と言わざるを得ないでしょう。
ごく普通に考えるなら、もしこの世に『アライさん』なる種が存在しても、その赤ちゃん・幼児は人間の赤ちゃん・幼児によく似た程度の能力しか持ちえず、『種としての性質』によりそうした脆弱な存在を育てられる人間でない限り、換言すれば、『アライさんがアライさんである限り』、野生での子育ては相当な困難であるはずです。メスしか基本子育てしないのですし。


その意味では>>427さんのおっしゃるご意見が一番説得力を持ちます。
アライさん達フレンズは、あくまで『人間に囲い込まれた、野生環境下では生存・存在しえない存在。ヒトの管理下でのみ最適に暮らすことが出来、元の種のような環境適応能力を持ちえない』
そういう、『けもフレワールド』『けもフレ二次創作世界線』も別に有り得ようかと思います。

そうした世界線では、恐らく、アライさんも『野良化』出来ないでしょうから、その世界の農家の方も一安心。
動物園の中のアライさんを見て『可愛いね』とニッコリ笑えようかと思います。

(続き)

逆に言えば―『アライさんがある地域において野生化し、相応の個体数にまで繁殖した世界』を想起するなら
―その幼獣個体『アライちゃん』は仮に外見が人間の乳幼児に似ていても、一定の野生環境下での生存能力を持っている、と考えざるを得ないかと思います。



まあ、その『一定の生存能力』をどう設定し、想像するかは様々有り得ようと思います。

自分は書く側も読む側も比較的イメージがわき易いという理由から『同程度の体重のアライグマ≒アライちゃんの能力』としています。


これまでの物語で、人間の側にも(青年団シンポジウム回で)『アライちゃんの危険度は同程度の体重のアライグマとほぼ近いから注意するように』と語らせてしまいましたし。


『アライちゃん』の能力についてのこのSSの設定について、今、語れることはこのぐらいでしょうか。


『要はアライちゃんという存在が居るから、それにご都合を後回しで付けているだけだろう』と云われればそれまでですが―

う~ん。どうしても納得できない方は『クマバチも飛べます』でご勘弁を。クマバチの謎は解明されましたが。
『アライちゃんがなぜ●●出来るのか』向こうの世界の方もクマバチのケースと同じように日夜研究為されているでしょう。



(続き)

後は細かい言葉尻のお話。

『木登り』

歩くのが先か、木登りが先かという論点は、実は自分は目から鱗が落ちたような気分でした。
うっかり、『アライグマは木登りが得意で、アライさんも得意だろう。なら覚えるなら木登りから…』という先入観からの書き込みだったのですが…。

むむむ。云われてみれば。


一応、理屈をつける気になれば、付けれて、例えば樹上の方が敵から逃げやすいとか、一先ずの安全を確保しやすいだろうという気はします。


或いは元種の本能・性質を無意識化で保持しているのだろうとか。

それらの理由に加えて『ヒトの直立二足歩行が、類人猿との共通先祖の樹上生活により前準備(前適応)されていた(参照http://www.seibutsushi.net/blog/2007/03/170.html)説』を応用する形で、

『アライさんは成長過程で、木登り等の生活をしながら、急速に二足歩行の準備をしているんだ』とは言えるのかな。



『樹洞』

これも、自分は目から鱗でした。
『アライグマは多くの場合、樹洞に巣を持ち、樹上で子育てをする(ただし、適応力が高い種なので地方によってそうとも限らない)』という前知識。


『多くのアライさん二次創作作品では、絵・小説共にアライさんが樹洞で暮らす様子が描写されている。
アライさんがしばしば、樹洞で暮らすということは云わば作者・読者間の了解(関羽に青龍刀のような)となっているだろう』という思い込み。


これらから、出た書き込みです。

登場アライさんの中では、洞姉アライさんが樹洞生活経験獣です。
ただ、読者の方がおっしゃるようにアライちゃんは兎も角、アライさんがマルっと入る樹洞は数が多いとは言い難いでしょう。


ただ、この単語が出た文脈をよく読んで頂きたいのですが、私は半樹上生活(木登り)をする生活の例示として、樹洞を書き込んだにすぎません。


アライさん(元種のアライグマ)が住み着く『木の穴や倒木、家の屋根裏、地中、洞穴、納屋、廃屋等』のうち、例えば屋根裏に昇り降りするために必要な能力は木登りに必要な能力とほぼ被っているように思います。


そこから、屋根伝い、排気口、壁のひび割れ伝いに外に出て、昇り降りする場合にも。

これは、自分の書き込みが紛らわしかったとしか言いようがないのですが、『樹洞を始めとした(天然ないし人工の)巣、及び巣に準じた避難先に出入りするためには、昇り降りより先に走り始めるのは…』と>>428を、やや広く受け止めて頂ければ意味も通るかと思います。



『チンパンジー』

『チンパンジー』って何の喩え?
との声がありましたが、これは>>426さんの『人間みたいな体格とアライグマみたいな体格じゃ木登りの仕方全然違うからな? 人間みたいに足が長い生き物が四足歩行の生き物みたいに木登りしたら不気味だぞ?』に対してのものです。


『人間のような形をした木登りをする四足歩行のけもの―要は類人猿・チンパンジーを想像すれば良いのでは?』

後肢の足裏の形の違いがネックと云われれば、それまでですが―アライさんは後肢全体が『毛皮(けものプラズム)』で覆われているわけですし…。

アニメでは木登りは兎も角、崖登りはやってのけていました。
他のフレンズの様子等からしても、察するに、毛皮は靴・肉球の代わりとしても、(元が木登りする種なら)幹を蹴り支えるのにも、不都合はない様に思います。


余談ですが、当SSに登場する人間達は、しばしばアライさんを『チンパンジー』ないしは『ツキノワグマ』に類する存在と発言します。

これはアライさんの生態・気性・人間との関係を彼らがどう理解しているのか、読者の方がご想像するのにお役に立てばという考えからです。


『半地上生活(時に樹上)をおくる、気性の荒く、力が強い猛獣』
『知能が高く、時に害獣行為を行い、素手では成人男性も餌食に成り得る半面、向こうからこちらを積極的に喰らいに来るわけではない』


彼方のSS世界の『一般~ややアライさんに詳しい』日本人の認識はこのようなものと想定しています。

物語もある程度進んだので、このことは明かしても差し支えないでしょう。

お返事を全員にお返しするのは、難しいので、取りやめにしています。
様々な方もいらっしゃいますし。
ただ、アライさんの生活・能力・ヒト側の認識のうち、既にSS内で描かれた部分をこの期に思い出していただく良い機会化ともと思いお伝えします。



以下、本編です。

カリカリカリ…

タヌキ『アライ』ちゃんは忙しそうにノートにボールペンを走らせる。

ジ~~~

鏃アライさん「…」ジ――
周囲の恩寵アライさん「…」ジ―――

ジ―――

一点に集まる好奇心旺盛なアライさん達の瞳。


タヌキ『アライ』ちゃん「(とっても気になって、集中できないよ…)」

集まる視線に戸惑い、ほっぺを少し赤らめながら、タヌキ『アライ』ちゃんは『書記官』のお役目を続ける。

鏃アライさんはノートを徐々に埋めていく文字に視線を向ける。

・10匹隊には十匹長の下に一匹、『伍長アライさん』を置きその留守等を守らせること。
(じゅっぴきたいにはじゅっぴきちょうのもとにいっぴき、『ごちょうあらいさん』をおきそのるすなどをまもらせること)


タヌキ『アライ』ちゃんは今、大母アライさんの命令で、『記録』を付けている。
初歩的な…、本当に初期的な文書行政兼文字文化のような物を『家族』に取り込もうとしているのだ。
漢字交じりの文と完全に平仮名の文を併記して、不慣れなアライさんにも読める様にという配慮。

というか、大母アライさん自身、まだ漢字は読めない。
タヌキ『アライ』ちゃんに聞き習い、ようやく平仮名・カタカナ、1から10のローマ数字が読めて―何とか書くまで行けるかどうか。



そこで―

タヌキ『アライ』ちゃん「(手始めに昨晩、幹部間で内定したことを『儀式』前に記す様に言われたけど…。
難しいよう…)」

タヌキちゃんは、元は人間社会に―『文字文明』に身を置いていた。
そこは様々なものが―言葉・音・出来事・気持ち・風物その他一切が―点と線よりなる記号に変換されていく。

タヌキ『アライ』ちゃんは、文字の読み解きはアライさんよりはるかに得意だが…。

タヌキ『アライ』ちゃん「(流石に決まった事項全部は覚えていない…。お義母さんの前で5回も口で繰り返したのに…)」

タヌキ『アライ』ちゃんはチラリと鏃アライさんに視線を向ける。

鏃アライさんはちょっと戸惑ったような顔をした後、ポンと手を打つ。

鏃アライさん「大丈夫なのだ。お前は頭が良いのに心配性なのだ!
あの場にアライさんも他の恩寵アライさんも居たのだから、迷ったところがあれば訊けば誰かが覚えてるのだ!」

恩寵アライさん達「「「そうなのだ!!!」」」コスリコスリシッポフリフリ

タヌキ『アライ』ちゃん「ありがとうございます」ホッ!

周囲の同僚が協力的なことに安堵の息が漏れる。
ジロジロみられるのは居心地が悪いが、邪険にするわけにもいかない。
『読み書き』の授業だと考えよう。

鏃アライさん「じ・・ひきたいにわじ…ひきち・うのもとにい・ひき、ごち・うあらいさんおおきそのるすなとおまもらせること」


まだ、覚えきれない平仮名。
鏃アライさんはそれをたどたどしく読み上げる。

他の恩寵アライさん「違うのだ、鏃アライさん!『10匹隊には十匹長の下に一匹、『伍長アライさん』を置きその留守等を守らせること』なのだ」


同僚の声。
鏃アライさんはコツンと自分の頭を軽く叩く。

鏃アライさん「うっかりなのだ」

対して、タヌキ『アライ』ちゃんは仰天する。


タヌキ『アライ』ちゃん「漢字読める様になったんですか!!??」

そんなタヌキ『アライ』ちゃんの言葉にその恩寵アライさんはケロッとした顔で答える。

恩寵アライさん「まだ読めるわけないのだ!言葉を覚えていただけなのだ」

タヌキ『アライ』ちゃん「【ことば】を覚えている?」

恩寵アライさん「そうなのだ。お前は読み書きできるし…いっぱい居るアライさんの中には平仮名やカタカナぐらいちょっとはという奴も居るかもしれないのだけど…。

アライさんは基本、文字を書けないから―『先祖の教え』は、お母さんからの口伝えが頼りなのだ」

別の恩寵アライさんもそれに応じて語り出す。

別の恩寵アライさん「懐かしいのだ。おかーしゃん、もといお母さんが、おっぱいをくれたり、お寝んねで眠りにつくまでの間に幾晩も幾晩も何月も何月も繰り返し、様々な『教え』を聞かせてくれたのだ。

姉妹や兄弟たちと―特に姉妹と―おかーしゃんが留守の間は暗記勝負、間違い探し、謎々ごっこをしたのだ…」

恩寵アライさん達「「「懐かしいのだ…。今はアライさん達がお母さん。『家族』の一番のお母さんは、大母アライさん。

でも、言葉を発すると―耳の奥の奥に気持ちを向けると―確かにアライさんのお母さんの声が今も聞こえるのだ」」」コスリコスリ

普段は陽気(?)、無遠慮(?)なアライさん達が少ししんみりする。


そんな中、タヌキ『アライ』ちゃんは少しだけ合点がいった気がする。

タヌキ『アライ』ちゃん「(アライさんは―『家族』結成前の、私に会う前という意味だけど―
人間に例えるなら、無文字文明のような状態だったのかな。
『氏族』というよりは、更に小さい血縁個体群で口承伝承で記憶や知恵を伝え、付け加え、欠ければ、何かで補う。そんな状態…。

『耳と口』を使った暗記力は私にはとても及ばない…)」

そう考えるなら、自分は光栄なことをしているともいえるだろう。
口伝えだったアライさんの歴史・出来事・命令・教訓などを改めて書き起こし、より鮮明に立体的に新しい命を吹き込む。


ちょうど、『古事記』や『元朝秘史』が口承文学から、文字による記録に歴史上のある瞬間に形を変えたように。

カリカリカリカリ…

タヌキ『アライ』ちゃんは、思い出にふける恩寵アライさんをそっとしたまま、更に手を動かし続ける。


・『哭礼』は、基本、死んだアライさんが、平のアライさんなら10匹隊ごとに、十匹長以上のアライさんなら100匹隊ごとに。

100匹長なら千匹隊ごとに。姉アライさん以上なら『家族』皆で行うこと。
(ひらがな併記)

・大母さんが北を背に南面する向きで、左手『左軍』の百匹隊長が大姉アライさん、右手『右軍』の百匹隊長が山姉アライさん。

大母さんご自身が率いる百匹隊は『中軍』と呼称すること。現在の各小グループを基礎としながら、必要に応じ、速やかに配置転換、再編成をすること。
(ひらがな併記)

・千匹隊制導入後も各姉アライさんごとの序列・席次は今までの順番を維持。
各姉アライさんは十匹長を兼務(大姉アライさん・山姉アライさんは百匹長も兼務)

従って、『家族』の序列は、
【大母さん>各姉アライさん(例えるなら大臣級)>恩寵アライさん>千匹長(現在は空席)>百匹長>十匹長>伍長】

ただし、一匹のアライさんが複数の称号・役職を兼称・兼務した際は、その中の最も高いものを基準に席次に就くものとする。

(例)中姉アライさん(十匹長兼務)>山姉アライさん(百匹長兼務)
(例)姉アライさん(十匹長兼務)>十匹長アライさん
(ひらがな併記)

・序列3位の中姉アライさんを『大蔵アライさん』に改名させ、直属の十匹隊の他、中軍の十匹隊二つを与力に加え、家畜・宝物の管理を任せるものとする。
(ひらがな併記)

・編成替えで手が余った保母アライさんを中軍に集めた上で、二つの十匹隊を作り、小姉アライさんに統率させる。

それらに、大母さん・姉アライさん・恩寵アライさんのチビ及び、各十匹長アライさんのチビの内『最も毛並みが良く育ちの良いアライさん』を集め、組み分けをして、『新チビ隊』を中軍内に作り、その養育を任せる。
(ひらがな併記)

・アライさん『家族』は大母さんとの『距離』を基準に『品』を与える。

『品』は爵号として使うものの、それ自体で『家族』内の裁量を与える意図はない。
これを設ける所以は、『家族』が増え、血縁以外のアライさん相互間の交流が増えたため、互いを『取り合えず凡その『家族』内の位置取りで名乗る』必要もあるだろうという配慮の為である。


『距離』とはアライさん同士の血縁・地縁の遠さ近さ、『家族』に加わった経緯やタイミングのことである。
蛇張村村落部出身なら『一品』、蛇張村山岳部等出身なら『二品』、それ以遠で新たに加わったものなら『三品』と言った具合に。


『品』は拡張のタイミングごとに順次追加する。

(例)通称:大姉アライさん
『家族』内の正式全名:大姉『百匹長』【一品】アライさん

個別名(ある場合のみ)+『役職名』+【等品】+アライさん

『異なるけもの』の『アライ』さんが今後加入した場合も同様とする。
(ひらがな併記)

・恩寵アライさんに取り立てられたアライさんは、以後の配置換えに関係なく、原則『一品』を名乗る資格を得る。

これは大母さんの側仕えで『距離が縮まった』と見なされるためである。
また、恩寵アライさんを経験していない『●匹長』と経験した上での『●匹長』を区別するためである。
これは試行段階なので、迷ったら誰何し、或いは臭いで補うよう。
(ひらがな併記)



タヌキ『アライ』ちゃん「ふぅぅぅー」

傍らの鏃アライさんやちらほら側にまた寄ってきた恩寵アライさんの助けを借りながら、何とか『家族初の行政文書』を書きあげたタヌキ『アライ』ちゃん。


タヌキ『アライ』ちゃん「(昨晩の取り決めが『儀式』で通れば…。私の全名は、タヌキ『恩寵』【一品】アライちゃんになるわけか、何かくすぐったくて仰々しいな…)」


そんなことを考えながら、文章を読み返し、ハテ、と小首をかしげる。

タヌキ『アライ』ちゃん「そういえば…」
タヌキ『アライ』ちゃんは、今かき上げた文章の『血縁』『蛇張村村落部』という部分に目を落とす。
ぼんやりとした疑問が文字にした時、輪郭をもって脳髄を駆け上がって来る。

鏃アライさん「どうしたのだ?分からないところでも出たのだ?」

タヌキ『アライ』ちゃん「いえ…。文書のことではないです。
アライさんは―『家族』になる前の一般的なアライさんという意味ですが―。
基本、母子か一人で生きているんですよね?」

鏃アライさん「…」パチクリ

突然どうしたのだ?

鏃アライさん「そうとも限らないのだ…。
普通はその通りなのだけど、希に雄と連れ添うアライさんも居ると聞くし、アライさん―アライグマは、雄同士は縄張り意識が強いのだけど、雌同士、アライさん同士はそうとも限らないのだ。

血縁があるアライさん同士で一緒に行動したり、一緒には行動しないまでも、ある程度の距離を保ちながら、同じエリア内に暮らすことも多いのだ」

勿論、それは餌事情を含めた生存環境の変化で大きく変わる。
元種のアライグマも、気性が荒く、餌が不足した場合では野生下の共食いの目撃情報さえ存在する反面、
そこまで切迫しない平時では、ある種のコミュニケーションを同種で取りながら、一定の距離を保ちつつ、場合によっては同居して過ごしているという。


鏃アライさんも人間に捕まる前は、成長後も姉妹と行動を共にしていた。

鏃アライさん「???」
首を傾げる鏃アライさんにタヌキ『アライ』ちゃんは文章のひらがな部分の一点を指し示す。

『へびはりむらそんらくぶ』『けつえん』

鏃アライさん「へひはりむら。けつえん」
タヌキ『アライ』さん「『蛇張村村落部』。『血縁』。
お義母さんや大姉アライさんや中姉アライさん小姉アライさん。それにかなりの部分の恩寵アライさんや元保母アライさん、もうすぐ任命される十匹長アライさんの出身です!

とっても強くて、賢い…」

タヌキ『アライ』ちゃんが鏃アライさんにとっては『当たり前の事』を強調する。

鏃アライさん「そこで旗揚げしたのだから、其処のアライさんが普通は順番に偉くなるのだ。何が変なのだ?
大母さん達は偉大で、その血縁も要は同じ資質を持っているのだ?」

タヌキ『アライ』ちゃん「そうじゃなくて…。そうじゃなくて…」

タヌキ『アライ』ちゃんはヒトの社会と、野生の世界と、そして『アライさん家族』の世界を幼いながらにそれぞれ体験してきた。


そうであるからこそ、片側だけ、三分の一だけでは気が付かなかった面も見れる。

タヌキ『アライ』ちゃんは小枝を拾うと地面に素早くある一言を書き込む。


鏃アライさん「…」チラリ

『始母は誰?』

鏃アライさん「なんて書いたのだ?」

タヌキ『アライ』ちゃん「『始母(イブ)アライさんは誰』と」


今日はここまでです。

ニ三日後に。

立て込んで、後ろ倒しになったらすみません。

何かもう本当に言い訳と屁理屈による自己正当化が激しいよな……
もう『ジャンプや木登りが出来る脚力があるのにハイハイしか出来ない不思議生物』で納得しとくわ、元種のアライグマと同程度の能力がある(但し陸上移動は非常に遅い)ってことね

後細かいことだけど
・数字は漢数字なら漢数字で統一した方が見映えがいい
・相変わらずくどい(ひらがな併記)とか一切必要無い

後、一切の口伝だけで知識を伝えてきた文明なんてあるの?原人さえ壁画とか書いてたのに
「へびはりむら」なのは読める人がいなかったってこと?

>>427
>野生環境下で云々とか言ってるけどそもそもフレンズ自体ジャパリパークで野生とは程遠い管理された環境下で産み出されたんだから特に子供は野生生活に適した状態になってることは無いと思うわ

これが

>>442
>アライさん達フレンズは、あくまで『人間に囲い込まれた、野生環境下では生存・存在しえない存在。ヒトの管理下でのみ最適に暮らすことが出来、元の種のような環境適応能力を持ちえない』

こうなり、

>そういう、『けもフレワールド』『けもフレ二次創作世界線』も別に有り得ようかと思います。
>そうした世界線では、恐らく、アライさんも『野良化』出来ないでしょうから、その世界の農家の方も一安心。


こんなオチになる
有り得るも何も、そういう『けもフレワールド』って原作の事じゃないの、なんつって

続きを書き込みます。
>>464さん。

そのご感想を今後も、どうか覚えていてくだされば幸いです。
当SSの隠れた(隠していた)テーマなので…。

『君は誰。友達(フレンズ)に成ろうよ』

『お前達は何時から、私達の親になったのか』

『ジャパリパークは『フレンズの楽園』なんかじゃなかったのです。人間と言う絶対強者が造り整備した箱庭。天国のような―監獄。壊れてくれて良かった、そう内心では思っているのですよ!優しい世界を用意してもらうのではなく、『皆で』一緒に世界を優しくしていくのですよ』


そして、もしお時間があれば、もう一度、そのことをお考えに成りながら少し拙文を読み直して下さい。

所々、『触れていた』『張っていた』ところが目に入るかと思います。

ネタバレに成ってしまうので、今日の所はこの辺で勘弁を。

アパート男「はぁ~~~」

長い溜息を吐くアパート男。

病院内のカフェスペースで、持ち込んだタブレットを開き、何とも言えない表情を浮かべている。

ヒト助けならぬ、けもの助けで重傷を負い、入院すること早3日。
明日にも退院の予定となっている。

退院すれば中断していた勉強にも戻れるし、アメリカビーバーさんの下に挨拶にも行ける。

良いことずくめだ。その筈なのだが―

TTT会員D「羨ましい限りだ。俺はもう少しかかる」

女性の声にしては、やや低い音。

アパート男の座るテーブルには、一人の女性が介添えの使用人と共に着座している。
大きな帽子を被ったその女中が、主人に程よい温度のカフェオレを持ち上げて勧めてくれる。

TTT会員D「まあ、もうほんの少しだが…」

両手が未だ回復途中のTTT会員Dは、悪びれずにそれを一口含み、ゆっくり呑み込む。

アパート男「(『俺』ってことは、今日はそっちなのか…)」

アパート男は、そんなことを少し考える。
そして、『彼』がちょっと手間取りながら、その一口を呑み込む間に、この不思議な再会を思い起こす。


自分ことアパート男は、『アラ虐』が好きである。
ただ、それは『アラ虐ネタ』の創作物が好きという意味で在って、自分が直接、生物であるアライさんに虐待を行った経験がある、と言う訳ではない。


自分は『アラ虐』の一フォロワー。
実行行為はやったことがない(自由猟法でアライちゃんを倒そうとしたことはある)。

ただ、そんな自分も一度だけ、『実行行為』を行っている団体に―つまりは『アラ虐サークル』に加入を考えたことが有る。


その際、実際の勧誘交渉をして来た会員こそ、年齢も近く、何より大学内の先輩でもあったTTT会員Dだった。

結局、その節はお断りしたのだが―
彼と云うか、彼女の返事は素っ気ない『そうか。多分その方が良いよ』だった。

大きな帽子の女中「坊ちゃん。まだ、熱うございますか?」
TTT会員D「…。お前が、坊ちゃんと云うから、今熱くなった…」

この風変わりな麗人との付き合いは、それまでの事―当時は、そう思っていた。
しかし、世の中は広い様で狭い。

あの日、アメリカビーバーさんがお見舞いに来た次の日、痛む体を起こして、今日の様にお茶をしていると、後ろから不意に声を掛けられたのだ。


TTT会員D「ほう。君も異世界転生しそこなったか?」

自分と同じように包帯と大きな絆創膏だらけになった女が、いたずらっ子の様に目を細めながら声を掛けて来た。
何処か自分の『善行』を皮肉っているようでもある。

アパート男「残念なことに。今度、善行を積むときは、トラック相手にしないと」
TTT会員D「もっとも。仏教徒なら異世界が無くても来世は有るだろうしな」

良く分からない会話。
それで互いの凡その近況を感じ取った。
詳しいお話をしたのはその後。
それ以来、彼女ないし彼とはお茶飲み仲間だ。

TTT会員D「それで?」

アパート男の回想を、カフェオレとの格闘を終えたTTT会員Dの声が打ち切る。

TTT会員D「何をそんなに珍妙な顔で見ている?」

アパート男は口をㇸの字にすると、手元のタブレット端末をTTT会員Dの方に向ける。

【『門』自衛隊、アライさんとかく戦えり】

TTT会員D「…。この恥ずかしい題名の散文は何かな?」

アパート男「自分が入院中に@ちゃんに投稿したSSですよ!恥ずかしくて悪かったですね!?」

『歳に合わぬ中二病が再発してしまった』という自覚があるのか、アパート男は少しむくれて居る。

TTT会員Dは、すまない、すまないと笑いながら二度謝し、傍らの女中の手を借りつつ、そのSSとやらの出来を確認する。

アライさん『チビ達!恐れてはいけないのだ。アライさんは常に英雄!昔語りの主人公の如く偉大で高潔な、この世界の選民たるけものなのだ!!!』


アライちゃんズ『『『しかり!!!しかり!!!しかり!!!なのりゃぁぁぁぁ!!!』』』

ジュボボボボォォォ…
ブリブリブリュブリュ…

脱糞・失禁を繰り返しながらアライちゃんズの合いの手が聞こえる。
十重二十重に…

まったく、この害獣(あらいさん)と来たら、無知蒙昧なのに繁殖力だけは有るから困る。
一体、何人のゴキアライちゃんが居ることやら…。

ゴブリンを火炎放射器で焼き払う方が手間が無くて済む。

二等陸尉(俺の転生体・主人公)「ふぅー。やれやれだぜ…。皆、もうちゃっとだからな。良く引き付けて…」

奴らは自分を世界の中心。この世の真ん中と信じてやまない害獣。
『これもあれもアライさんのもの。自分が一番。主人公様』
そんな幼稚な五歳児以下のお頭で考えた幻想を―

アライさん『うーーらぁぁぁんつぁぁぁる!!!』ダダダダダダダダッ
アライちゃんズ『『『『『うーーらぁぁぁんちゃぁぁぁぁる!!!!!』』』』』ヨチヨチヨチヨチ

ヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチ!!!!!

粉々に打ち砕いてやる!!!

二等陸尉(俺の転生体・主人公)「機関銃用意!!!一斉射撃。初め!!!」

TTT会員D「…」

TTT会員Dは、プィッと視線を逸らすと、女中にカフェオレのお代わりを目線で求める。

アパート男「あぁぁー!ちょっと。ここからが山場なのに…」

アパート男の抗議も虚しく、TTT会員Dはサクッと切り上げて、次の一口を啜り始める。

TTT会員D「いや…。もういいかなっと。これなんだ?」

真顔で問われる。

アパート男「平凡な高校生が自衛官に転生して、その世界の日本がアライさんの大量繁殖に苦しめられていて…。
そして、主人公が、アライさんの跋扈に苦しむ人々とフレンズの皆を率いて、ハエガイジ共を殺戮しまくる物語です」


カフェスペースとは言え、病院内で殺戮とか言葉にするのはどうなのか…。


ジ―――

アパート男の恨みがましい視線。

敢えて口には出さないが、そうというハッキリとした証拠は持っていないが―
―あなたはアラ虐やってる側の人でしょう!!!―

そんな抗議の視線である。

それを受けてTTT会員Dは、しょうもなさそうに続きを斜め読みする。

ふ~ん。『おかーしゃんのぶんまでいきるのりゃー』の捨て台詞と共に見捨てられた母アライさんが、拷問で『ブリブリ』をされるシーンは中々だな。

二等陸尉(俺の転生体・主人公)『ぶーりぶり!ぶーりぶり!』ボコバキゴキ!!!
軍曹『ぶーりぶり!ぶーりぶり!』ボコバキゴキ!!!
伍長『ぶーりぶり!ぶーりぶり!』ボコバキゴキ!!!
兵長『ぶーりぶり!ぶーりぶり!』ボコバキゴキ!!!
一等兵『ぶーりぶり!ぶーりぶり!』ボコバキゴキ!!!

アライさん『ごふぇ…。うごぉぉぉ…。うぅぅぅぅぇぇ…』

全身の毛皮を剥ぎ取られ、四つ足に縛り上げられたアライさん。

『ぶーりぶり!ぶーりぶり!』の声と共に四方八方から杖棒で滅多打ちにされながら、縛り上げられた体は回転していく。


軍曹『ぶーりぶり!ぶーりぶり!』ボコバキゴキ!!!
伍長『ぶーりぶり!ぶーりぶり!』ボコバキゴキ!!!
兵長『ぶーりぶり!ぶーりぶり!』ボコバキゴキ!!!
一等兵『ぶーりぶり!ぶーりぶり!』ボコバキゴキ!!!

グルグルグルグル…

滅多打ちにされながら、害獣の体は縛られた縄ごと回転していく。
廻りながら打ち据えられ、慣性と棒の衝撃でまた回転し―

キキキキキーッ!!!

グルグルグルグルグルグル!!!!

ドボーーン!!!

頭上の滑車がきしむ音と共に、その血と汁液で覆われた体は、一気に回転しながら、下に設けられた大桶に叩き込まれる。


二等陸尉(俺の転生体・主人公)はチラリと時計を見る。

チクタクチクタク秒針が時を刻む音。

最初の『ぶーりぶり』から、今ので30余回目。
両目両耳両ケモ耳からは血を、口からは血と胃液と胆汁を。
そして、肛門と尿道からは糞尿を―

絶え間なく垂れ流し続ける『それ』は、もう元の性別・種族さえ分からぬ肉の塊。

汚液を垂れ流しながら、死にゆくケダモノ。

軍曹『二等陸尉殿。そろそろよろしいかと思います』

普段は鬼軍曹の典型のように思われている彼。
しかし、そろそろ堪えてきたのだろう。
俺に介錯を勧めて来る。

その上申に首を振りながら、答える。

二等陸尉(俺の転生体・主人公)『まだだ。此奴に殺された村人の弔いの為。その命の尽きる瞬間まで、これに報いを味わわせてやる。

テロリストにはジュネーブ条約は適応されないからな!!!』

そう話しながら、俺は片手に棒状スタンガンを握り、もう一方で合図を送る。

キキキキキー

滑車が軋み、大桶のどす黒い水から、害獣の肢体が再び引きずり上げられる。

ボタボタボタ…

アライさん『あ…あらいひやん…。もう…こおしてくらやい…なのら…』

命乞いならぬ『死に乞い』を半分シカトしながら、俺は引き上げられたアライさんの後部に廻る。

二等陸尉(俺の転生体・主人公)『安心しろ。言われなくても、明日にもお前は死ぬ。な~に数時間の差さ!』

そう話しながら、俺はアライさんの汚らしい尻を割り開き、その性器を露出させる。

アライさん『ひゃめりゅ…のら…』

これが諸悪の根源。
此奴等の悪の源である『穴』か。
無駄に餓鬼をこさえやがって!!!

二等陸尉(俺の転生体・主人公)『やめるのだ?止めて下さいませ人間様だろうが!!!』

ブルスリ!!!

アライさん『あぎゃぁぁぁぁぁ!!!』

この赤黒い肉塊にまだ叫び声を上げる力が残っていた。
そのことにちょっとした敬意を抱く。

ポチ!!!

アライさん「…」ビクンビクビクビクビクビュリュブリュブリュリュ…

しかし、そんな自分の感慨などこの際どうでも良いこと。
ボタンを押し、流れる電流に合わせて、赤身が踊り、また糞尿が溢れ出す。

何時まで溢れるんだろう?腹の中の液体にも限りがあるはずだが?

TTT会員D「ふ~ん。で?自分の文才の無さに悲しみを抱いていた、と?」

『ブリブリ』シーンはまだ、終わってないのだが、もういい頃合いと、TTT会員Dはアパート男に話を振る。

アパート男「悲しいのはコメントの方ですよ…」

TTT会員D「(ふん。どれどれ…)」

女中に助けられながら、TTT会員DはSSのエピソード後にどんな感想が投げられているのか確認する。


『つまんね』
『キチガイニート、まずお外に出ろ』
『自衛隊や他のフレンズに汚れ役をやらせるなんて、リスペクトにかけている』
『害獣はアライさんだけ。人間やフレンズをキチガイにするな!!!』
『このSSはアラ虐に見せかけたアラ信の駄作。真っ当な人間は虐待をしないし、名誉ある自衛官は知的生命体を迫害などしない。アライさん虐待に見せかけた人間虐待をしている。気に喰わない!!!』

『フレンズは優しい存在。アライさんが悪さをしていても、庇ったり、共存の道を模索することは有っても、殺戮に加わるわけがない。アニマルヘイト小説を流布するな!!!』

『NG。荒らしはNG』


TTT会員D「ボコボコに炎上しているな…」

アパート男は半泣きで尋ねる。
アパート男「そんなに酷かったですか?同じくらいのものはありふれているでしょう!?」

TTT会員Dは、はてと、ここで思考を巡らせる。

アパート男の文章は稚拙ではあるが…、そこまで衆目を集めるものであろうか。

傍らの女中「思いますに…。他のフレンズや自衛隊とクロスさせたのがいけなかったのでは…」

それまで使用人らしく沈黙を守って来た女中がおずおずと声を掛ける。

アパート男「???」

主人の許しなく使用人が客人の前で話すものなのか?
そんな疑問が少し頭を掠めて、また、消えていく。

女中「フレンズも自衛隊も日本の皆様にとっては特別な存在。
勿論、フレンズと云えども、その状態の如何によっては争い合うことも在ります。特に野生環境下では…。
自衛隊も、武器を持った軍隊である以上、時に末端の将兵が残虐行為に及ぶ、といったことはケースとしては有り得ることでしょう」


しかし―

例えば、怪獣映画で自衛隊が『やられ役』になることは許容できても、加害者として異世界人や異星人等を虐殺・民族浄化に手を染めだすのは見たくない。


そう思う日本人は実は多いのではなかろうか。仮にフィクションであったとしても。
自分の周りの人に、自衛官・元自衛官がいらっしゃる場合は特に。

そう女中に指摘されると、アパート男も少し考え込んでしまう。

アパート男「ごめんなさいした方が良いのかな…」

そんな言葉を漏らすアパート男に、TTT会員Dは手を振る。

TTT会員D「好きにすればいい」

ガタッ!!!

TTT会員Dはそう言って腰を上げようとする。
手伝おうとするアパート男を制しながら、女中が体を支える。

ちょっと困った顔をしているアパート男に目配せして、TTT会員Dは、病室に戻って行く。


個人的には、何でもかんでも、不謹慎!リスペクトが云たら!というのは言論封殺のようで好ましく思わないが…。


TTT会員D「(俺は非合法活動をしている身。かつ、相手もそのことを察している。それがしたり顔で世を論じるのも変な話だ)」


幸運にも、彼奴はそうではないのだから、これから自分で考えてどうとでも答えを出せば良い。

TTT会員D「しかし、アイツ最後まで気づかないとは。鈍い男だ」

そう言いながら、傍らに目を向ける。

視線に応じて、揺籃の日々に乳を分けてくれた母代わりは静かに一礼する。

大きなキャップは、決して揺れ動いたりはしない。

今日はここまでです。

また、3日ほど後に。

>>482

修正

✖そんな言葉を漏らすアパート男に、TTT会員Dは手を振る。

〇そんな言葉を漏らすアパート男に、TTT会員Dは頭を振る。

です。

作者です。

本編の続きが遅れ、申し訳ありません。

現在、体調がやや思わしくない為、更新頻度が少なくなりそうです。

調子を整えつつ完結を目指しますので、もうしばらく続きはお待ちください。

続きを書き込みます。

少し短いですが。

クチャクチャ…ゴリゴリ…
クチャクチャ…ゴリゴリ…

腐肉を骨から引き剥がし、一心に貪り続ける。
地を這いつくばる大きな塊。
長い縞々の尻尾。

クチャクチャ…クチャクチャ…


???1「くんくん…ふしぎなにおいがするのら?」
???2「あらいしゃんのえさばに…なんかいるのら!?」
???3「!!??」
???4「…」


ゴリゴリ…?

夜闇を見通す二つの瞳。
嗅ぎ覚えがあるような…臭いが―一つ、二つ、三つ、四つ。


ようやくヨチラーを卒業したばかりのアライしゃんが四匹。
まだ覚束ない足取りで『 』に迫って来る。

アライしゃん1「あ~~!!!おまえ…。あらいしゃんたちのごはんとったな!!!」ヨタヨタフラフラ

『 』ビクッ!

アライしゃん2「とったな~~!!!ごはんどろぼうめ~!」ヨタヨタフラフラ

『 』ビクッ!?

アライしゃん3「ぐぬぬぬ~~。かえしゅのだぁ!!!あらいしゃんはもうにほんあしでたてるんだぞぉぉ!!!」ヨタヨタフラフラ


アライしゃん4「みんな…。おちつくのりゃ。あいつ、かなり…」ヨタヨタフラフラ

『ご飯泥棒』を取り囲みながら、威嚇を開始する四匹のアライしゃんズ。
両手を上に挙げ、精一杯体を大きく見せながら『 』に近づいてくる。

アライしゃんズ「「「「……」」」」フシュゥゥ―!



『 』「…」

困った。
此奴等は多分…

アライしゃん1「フシュ―!キシャァァー!!」
アライしゃん2「フシュ―!キシャァァー!!」

威嚇しながら接近する影。

仕方ない。
自分の鼻から尾の先までの間合いまでなら…

アライしゃん3「フシュ―!たぁ~~!!!」ダァァ!
『 』「!!??」

マヌケな掛け声に似合わぬ素早さで自分に飛びかかって来るアライしゃん。
子供と思い少々甘く接し過ぎたか!

『 』ダァッ!タタタタタァ!!!
アライしゃん3「へぶっ!」ゴチン!!!
アライしゃん4「うわっ!」フラァ!ドスン!

ひらりとアライしゃん3の攻撃を躱す『 』。
そのまま餌をあっさり放棄し、暗闇の中へ姿を消す。
―どうせこの辺り一帯は『 』の庭なのだから―

アライしゃん3「うぅぅぅぅぇぇん!!!びぇぇぇん!!!あらいしゃんのおはながぁぁ!!!」ボタボタダラダラ…

『 』が、素早く身を避けたため、地面に強かに鼻をぶつけたアライしゃん3。
盛大に鼻血を吹き出しながら、泣き喚いている。

お隣のアライしゃん4は、『 』が急軌道しただけで驚き尻餅を衝いてしまった。
未だ半ヨチラーではそんなものだろう。
両アライしゃんとも慣れない二本足から、挙動を開始していたことが仇になったようだ。

アライしゃん1「だいじょうぶなのら?」ヨチヨチヨチ
アライしゃん2「おおきいやつだったのら…。それにかったあらいしゃんたちはいだいなのら!!!」ヨチヨチヨチヨチ

心配と励ましの声を掛けながら、仲間達がヨチリ寄って来る。

アライしゃん3「ビェェェーン!ビェェェーン!!」ボタボタコスコス
アライしゃん4「…」コスコスコス

お隣の仲間の泣声を聞きながら、痛めたお尻を擦り癒しつつアライしゃん4は思い出す。

アライしゃん4「(ほんとうに…ほんとうに…おおき『おす』だったのら…。あんなりっぱなおすがこのよにいるのら…。てかげんしてもらえたのら?)」


ビェェェーン!ビェェェーン!!ビェェェーン!!!
コスリコスリコスリ…

粘性の強い夜闇にアライしゃんの泣声も擦り音もやがて、ぬるぅっと吸い込まれて行った。

今日はここまでです。

少しづつになってしまうかもしれませんが、また、出来るだけ早くに。


無理はなさらぬよう

>>521さん ありがとうございます。

>>519
✖アライしゃん4「(ほんとうに…ほんとうに…おおき『おす』だったのら…。
〇アライしゃん4「(ほんとうに…ほんとうに…おおきな『おす』だったのら…。

です。

【最悪のSS作者】ゴンベッサこと先原直樹、ついに謝罪
http://i.imgur.com/Kx4KYDR.jpg

あの痛いSSコピペ「で、無視...と。」の作者。

2013年、人気ss「涼宮ハルヒの微笑」の作者を詐称し、
売名を目論むも炎上。一言の謝罪もない、そのあまりに身勝手なナルシズムに
パー速、2chにヲチを立てられるにいたる。

以来、ヲチに逆恨みを起こし、2018年に至るまでの5年間、ヲチスレを毎日監視。

自分はヲチスレで自演などしていない、別人だ、などとしつこく粘着を続けてきたが、
その過程でヲチに顔写真を押さえられ、自演も暴かれ続け、晒し者にされた挙句、
とうとう謝罪に追い込まれた→ http://www65.atwiki.jp/utagyaku/

2011年に女子大生を手錠で監禁する事件を引き起こし、
警察により逮捕されていたことが判明している。

>>554
>私こと先原直樹は自己の虚栄心を満たすため
>微笑みの盗作騒動を起こしてしまいました

>本当の作者様並びに関係者の方々にご迷惑をおかけしました事を
>深くお詫びいたします

>またヲチスレにて何年にも渡り自演活動をして参りました
>その際にスレ住人の方々にも多大なご迷惑をおかけした事を
>ここにお詫び申し上げます

>私はこの度の騒動のケジメとして今後一切創作活動をせず
>また掲示板への書き込みなどもしない事を宣言いたします

>これで全てが許されるとは思っていませんが、
>私にできる精一杯の謝罪でごさいます

http://i.imgur.com/QWoZn87.jpg

>>554
>私が長年に渡り自演活動を続けたのは
>ひとえに自己肯定が強かった事が理由です

>別人のフリをしてもバレるはずがない
>なぜなら自分は優れているのだからと思っていた事が理由です

>これを改善するにはまず自分を見つめ直す事が必要です
>カウンセリングに通うなども視野に入れております

>またインターネットから遠ざかり、
>しっかりと自分の犯した罪と向き合っていく所存でございます

http://i.imgur.com/HxyPd5q.jpg

>>554
ニコニコ大百科や涼宮ハルヒの微笑での炎上、またそれ以前の問題行為から、
2013年、パー速にヲチを立てられるに至ったゴンベッサであったが、
すでに1スレ目からヲチの存在を察知し、スレに常駐。
自演工作を繰り返していた。

しかし、ユカレンと呼ばれていた2003年からすでに自演の常習犯であり、
今回も自演をすることが分かりきっていたこと、
学習能力がなく、テンプレ化した自演を繰り返すしか能がないことなどから、
彼の自演は、やってる当人を除けば、ほとんどバレバレという有様であった。

その過程で、スレ内で執拗に別人だと騒いでいるのが間違いなく本人である事を
確定させてしまうという大失態も犯している。


ドキュメント・ゴンベッサ自演確定の日
http://archive.fo/BUNiO

一次(アニメアプリ)
二次(アラ虐、アライちゃん物語)
三次(アラスコ、アラ日、その他)
四次(これ)

だから正確には五次か。四次までくりゃジャンルへのヘイト創作なんてものも出てくるよなぁ

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2018年05月02日 (水) 11:52:49   ID: oSbnJDAm

読者様ワキワキだな

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