モバP「アイドルにサスペンスドラマの犯人役のオファーだって!?」 (130)

[諸注意]
このssはデレマスのアイドルが様々な理由により、殺人を犯すssです。
場合によっては、アイドルが死ぬ場合もあります。
このアイドルが殺人を犯すとしたら、どんな動機だろう?ということがコンセプトになっていますので、シリアルキラーばかりにはならないと思います。
サスペンスドラマのワンシーンという想像で読むことをおススメします。

以上の点を踏まえたうえでの閲覧をお願いします。

最後に、筆者は本ssに登場するアイドルが嫌いなわけではありません。
むしろ好きなアイドルもいます。
決してアイドルdisのためではないことをご理解ください。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1517152472



[高森藍子編]


「プロデューサーさん、お話ってなんですか?」

私はプロデューサーさんに呼び出されて、事務所まで来ていました。
今日はオフだったので、本当は断っても良かったんですけれど、断ると後が怖いので行くことにしました。

「ああ、来たか。実はな、藍子に新しい仕事が来ててな」

「えっ?どういう内容なんですか?」

最近、プロデューサーさんが取ってくるお仕事は、正直に言うとちょっと恥ずかしかったり、できればやりたくないようなお仕事だったりが多かったので、今度のお仕事も「そういうの

」であれば断ろうと思いました。

「今度のはな、『アイドル水着相撲大会』だ!これは売れるぞ!」

プロデューサーさんはそう言って、企画書の束を取り出しました。
読まなくてもわかりました。「そういう」お仕事だということは。

「プロデューサーさん、ごめんなさい。私、このお仕事はお断りします」

プロデューサーさんから差し出された企画書を受け取らずに、私はそう言いました。

「前にも言いましたけど、私はこういう露出が多いお仕事はやりたくないんです」

そう言って、私は頭を下げました。

うちの事務所は、最近経営が厳しいらしいです。
深夜帯の歌番組に出れたらいい方。ゴールデンなんてもってのほかでした。
そんなときにプロデューサーさんはこのようなグラビアの仕事を持ってきました。

最初は、私も未央ちゃんも茜ちゃんも恥ずかしがっていましたけど、「事務所を助けるため」とそういったお仕事も受けていました。
やがて、未央ちゃんはドラマや舞台に出るようになり、茜ちゃんはスポーツ系のバラエティー番組に出るようになりました。

私は、私だけは、まだこのようなグラビア系のお仕事を続けていました。
私はスタイルがあまりよくありませんけど、どうも「そういう」マニアの方にウケがいいそうで、プロデューサーさんは何度もこういうお仕事を取ってくるようになりました。
でも、本当はそろそろやめて欲しかったんです。
こういうDVDを見て、男の人が「そういうこと」をしていることくらい、私でもわかります。
自分が「そういうこと」のオカズにされていることに、もう耐えきれなくなりました。
だから、私は断りました。

「……そうか。じゃあこれは未央にでも回すかな」

プロデューサーさんがそう呟きました。
それを聞いた時、私の中で何かが切れる音がしました。

「っ!未央ちゃんは関係ないじゃないですか!!未央ちゃんを巻き込まないでください!!」

「おいおい、なんだ急に。じゃあやっぱりお前がやるのか?」

と、プロデューサーさんが企画書を突き出してきました。

目の前に出されたその腕を、私は思わず払いのけてしまいました。

バサバサと企画書が床に散らばります。

これにはさすがのプロデューサーさんも、気分を悪くしたようです。

「藍子、一体これはなんのマネだ…?第一、俺が取ってきた仕事にケチつけるなんて、お前はいつからそんなことができるようになったんだ?え?」

と言って、私の肩をつかんできました。

「きゃぁ!」

「大して売れてもないクセによ!お前のグラビアなんざ、マニアでもなきゃ興味ねぇんだぞ!!ああ?」

そしてプロデューサーさんはもう片方の手も伸ばしてきました。
それを見た私は身の危険を感じて、とっさにプロデューサーさんを突き飛ばしてしまいました。

しかし、それがいけなかったのです。
普段温厚な私に反撃されると思っていなかったのでしょう。
プロデューサーさんは後ろに大きくよろけました。
そして、その足元にはさっき散らばった企画書の紙が。

「うわっ!」

それを踏んだプロデューサーさんは後ろに転びました。

ゴツッ!

という鈍い音が聞こえました。

「うっ」

プロデューサーさんの短く、小さなうめき声で、私はハッとしました。

目の前で倒れているプロデューサーさんはピクリとも動きません。

プロデューサーさんの背後には、応接用のテーブルがあったのです。
どうやらプロデューサーさんは、転んだ拍子にそのテーブルの角に頭を強く打ち付けたようです。

プロデューサーさんは、動きません。

「プロデューサーさん…?」

おそるおそる、声をかけてみます。
ドクン、ドクンと自分の心臓の鼓動が大きく聞こえます。

「プロデューサーさん?」

側によって、再度声をかけます。
ハァ、ハァ、と自分の速い呼吸の音が聞こえます。

プロデューサーさんからは何も聞こえません。

手を伸ばしてプロデューサーさんの首元に当てます。

そこで初めて、私は自分がとんでもないことをしてしまったのだと理解しました。

「あ…ああ……」


何分ほど、その場に座り込んでいたでしょうか。
5分でしょうか?10分でしょうか?1時間は経っていないと思います。

ふと、顔を上げると書類をしまってある戸棚のガラス戸が目に入りました。

鏡映しになっている向こうの彼女は、呆然としたような表情をしていましたが、なぜか口角だけは上がっていました。

「……?」

右手で、口元を触ってみます。

口角が、上がっていました。

なぜでしょう?それを感じたとたん、急に頭の中がすっきりとしてきました。

私は、今日の行動を振り返ってみました。

プロデューサーさんに電話で呼び出されて、事務所にきて、プロデューサーさんからお仕事の話を聞いて、断った。
そしてプロデューサーさんを突き飛ばした。

うちは小さい事務所ですから、受付や警備室もありません。
入口に防犯カメラくらいはありますが、確か故障していたはずです。
さらには、ここのドアを開けるときは、防寒用の手袋をしていました。

つまり、私が今日ここに来た証拠となり得るのは、プロデューサーさんの携帯くらい。

それに気づいた私はソファーに置いていたコートのポケットから手袋を出してはめ、プロデューサーさんのジャケットの内ポケットからスマホを取り出しました。
プロデューサーさんの指をつかんで、ホームボタンにあてると、ロックが解除されました。

この時には、私は自分でもわかるくらいに、口角が上がったと思います。

そして発信履歴からさっきの私へのものを消去し、私の携帯からも着信履歴は消去しました。
これで、私が今日事務所へきたという証拠はなくなりました。

後は、明日何食わぬ顔で事務所に来るだけ……。

「うふふっ…」

なぜでしょう?こんなにもスッキリとした気持ちになりました。

私はコートを着て荷物をまとめると、何事もなかったかのようにその場を立ち去りました……。



モバP「お疲れ、藍子。名演技だったじゃないか!」

藍子「あ、あはは……。ちょっと複雑な気持ちですけど、ありがとうございます」

モバP「少し撮影は休憩なわけだけど、ここから藍子がどう逃げ切るのか楽しみだなぁ」

藍子「あれ?Pさん台本読んでないんですか?」

藍子「私、この後自転車に乗ってきた刑事さんにつかまっちゃうんですよ?」


[高森藍子編]は以上になります。

このようにオムニバス形式?で書いていきます。

アイドルの名前を書いてくれたら書いたり書かなかったりするかもしれません。
何人かはすでに決まっているので、それまではちょくちょく更新していきます。

おまたせいたしました。

次の話ができましたので投下いたします。

[鷺沢文香編]


私は、自他共に認められるほどの濫読派ですが、それでもあまり好まないジャンルはあります。

「好まない」と言うと少々語弊がありますね。
「登場人物の気持ちがわからない」と言いましょうか。

ミステリ小説を読んでいるときの私は、物語の中というよりは、どこか俯瞰でただただストーリーを眺めているだけだったということに、最近気づきました。

「ミステリ小説」と一口に言っても、さらにそのジャンルは多岐にわたります。
中でもとりわけその感覚が強かったのは、いわゆる「推理小説」でした。

登場人物が主に殺人などの犯罪を犯し、様々なトリックでそれを隠蔽し、探偵や刑事がそれを解き明かしていく、というのが基本構築ですね。
近年では、その基本にあてはまらない作品も多くあるわけですが、私はこのような作品に登場する人物の気持ちがわからないのです。

その理由として考えられるのは、「私が経験をしたことがないから」でしょうか。
もちろん、小説である以上フィクションですから、非現実味を帯びているのは当たり前です。
私は、恋愛も冒険も経験はありませんが、それを想像することはできます。
故に、同じく非現実味を帯びている恋愛小説であったり冒険小説であったりといったものでも、私はその世界に入り込み登場人物に共感をしたり反感したりできるということです。

対して、犯罪を犯す、ということは、私には想像もつきません。
例えば、この国では殺人は犯罪とされています。
にも関わらず、ニュースでは頻繁に殺人事件が報道されていますし、推理小説の中でも登場人物が殺人を犯すことは少なくありません。
それでも殺人を犯すのは、それに至る動機があったからでしょう。そこまでは私にも想像ができます。
その動機は金銭目的であったり怨恨であったりと様々ですが、私は、罪を犯してでも、と考えるほど金銭的に困ったことはありませんし、人を恨んだこともありません。
もちろん、そのような人の方が多いのでしょうし、大抵の人は理性が罪を犯すことを止めます。
しかしながら、私の中に蠢く経験欲が、知識欲が、私の理性でも押さえつけられないほどに増大していくのがわかります。

「殺人者の気持ちを知りたい」

私の動機はこれです。
…えぇ、私の理性などというものは、とっくに崩壊しているのでしょうね。

さて、前置きが長くなってしまいました。

これから私は殺人を犯すわけですが、そう簡単につかまっては面白くありません。
せっかくですから、過去に読んだ小説をヒントに、完全犯罪というものを目論んでみましょう。

幸い、呼び出しておいた彼女が来るまでもう少し時間があります。
確認をするくらいはできるでしょう。

まずは指紋を残さないための手袋です。
証拠を残さないための基本ですね。
読んだことがある小説でも、衝動的な犯行だったために指紋を残してしまい、それが証拠になるケースがありました。

次は殺害方法です。
なるべく痕跡を残さない方が良いでしょう。
刺殺や撲殺は以ての外です。
血痕が付着してしまった場合、それを完全に拭き取るのは困難です。
小説の中では、完全に拭き取れなかった血痕がルミノール反応によって発見されてしまい、それが証拠となってしまいました。
今回は、紐で首を絞める絞殺にしましょう。
もっと痕跡が残らない殺害方法もありますが、今回の場合は絞殺が現実的でしょう。
絞殺にも、「紐やロープの痕が手に残ってしまう」というデメリットがありますが、これは時間が経てば消えてくれます。

次に遺体の処分方法です。
先程「時間が経てば」と言いましたが、すぐに遺体を発見されてしまっては意味がありません。
できるだけ見つからないように遺体を隠すか処分してしまう方が良いでしょう。
最も良いと思われるのは、遺体を燃やしてしまうことです。
多少見つかりやすくはなってしまいますが、顔を潰した上で遺体を燃やせば、個人の特定は困難になります。
指紋は焼けてしまい、顔はわからず、歯形も参考になりづらいとなれば、被害者を明らかにするまでにかなりの時間を要することでしょう。
そして、遺体を燃やしてしまうことで、遺体に付着した私の髪の毛などの僅かな痕跡まで消し去ってくれます。
それでも手袋をするのは、やはり燃え残ってしまうことが怖いからです。
ヒトの身体というのは、水分が多く意外に燃えにくいものです。
しっかりと燃えるのを確認できるまでその場にいるわけにもいきませんし、早く発見されて消火されれば、それだけ燃え残る部分も多くなります。
そのような場合に少しでも痕跡を残さないために、油断は禁物です。

次はアリバイです。
これもトリックの基本ですね。
簡単に言ってしまえば、その時間にそこに私がいなかったことを証明できれば良いわけですが、これは変に凝る必要もないでしょう。
あまりにもアリバイが完璧であるのは逆に不自然に思われるパターンもあります。
遺体を燃やすことで、どこまで正確に死亡推定時刻が明らかになるのかはわかりませんが、アリバイは持っておくに越したことはありません。
今回のアリバイトリックは単純です。

今、私はこの部屋から離れた書庫で本の整理をしていることになっています。
ここは、その書庫からぐるりと廊下を進んだ先の倉庫で、途中に人が多くいるエントランスを通ることになりますが、倉庫を出てすぐの場所にある窓から裏庭に出れば、人目につかずに

書庫の裏までたどり着けます。
ここへ来る時は、その書庫の窓から裏庭を通ってここまで来ました。

さて、そろそろ彼女が来るのでトリックの説明は後にしましょう。



ギイィ…と倉庫の扉が開く音がします。

私は入り口からは見えない物陰に隠れています。

そして、彼女が何の疑いもせずに中へ入ってきます。

コツ…コツ…と彼女にしては静かな足音が聞こえます。

彼女からは見えないように、慎重に彼女の姿を確認します。

間違いありません。私が呼び出した彼女です。

「……?文香さん?」

呼び出した私の姿が見えないことを不思議に思っているのでしょう。

キョロキョロと倉庫の中を見回しています。

そして、私の方向から目を離した隙を狙って私は物陰から飛び出します。

「…えっ?」

少し遅れて彼女が気づきますがもう遅いです。
私は手に巻き付けていた紐を彼女の首に絡ませ、そして両手で思い切り引っ張ります。

「!?っあっぐ…」

完全に彼女の後ろを取りました。
彼女は首に巻き付いている異物を外そうと踠きます。

「ぐっ…あ゛っ…」

単純な体力では彼女の方に分があります。
しかし身長は私の方が高く、力もそれなりにはあります。
徐々に、彼女の動きが小さくなるのがわかります。

「ぁ…な、なん…でっ…」

なんで?
「何故、自分を殺害しようとするのか」
彼女はそう問うてきました。

それを聞かれた時、一瞬、自分の手から力が抜けるのがわかりました。

何故、彼女でなければならなかったのか?

そこに明確な理由は恐らくありません。
しかし、それらしい理由は考えてありました。

数日前、私はいつものように本を読んでいました。
テーブルの上には数冊の本が積んであり、コーヒーカップも置いてありました。
そんな時、彼女がやってきました。
いつものように大きな声で挨拶をしてから給湯室へ向かうと、冷蔵庫の中からペットボトルの麦茶を取り出してコップに注ぐとひと息で飲み干しました。
そして彼女はその2リットルのペットボトルをテーブルの上に勢いよくドンと置いたのです。
そう、私が本とコーヒーカップを乗せていたのと同じテーブルです。
流石にすぐ側ではありませんが、その振動がこちらの方にも伝わったのでしょう。
積んであった本はバランスを保てず、コーヒーカップを巻き込みながら崩れました。
私も彼女も慌てて本を離しますが、すでに手遅れ。
数冊の本にはしっかりとコーヒーの染みがついてしまいました。

…えぇ、これだけのできごとです。
その本の中に、少し値が張り、思い入れのある本があったというだけのことです。

もちろん彼女に悪意がなかったこともわかっています。
誠心誠意謝罪をしてくれましたし、弁償するとまで言ってくれました。
無造作にテーブルに本を積んでいた私にも責任はあります。
正直に言って、この程度で殺人につながるなど、逆恨みもいいところです。

しかし小説ではない、現実の殺人の動機など、この程度のものばかりでしょう。

さらに今回はわけが違いました。
殺人に対しての好奇心が膨れ上がっているところに、およそ動機となりうる出来事が起きてしまったのです。

動機がなければ、いくら欲求が強くとも殺人など犯せません。

私は、この時に感じた些細な怒りや悲しみを育て上げ、殺意へと成長させていきました。

私は、その殺意を思い出しながら、再び両手に力を込めます。

それから数秒もすると、彼女は動かなくなりました。
しかし油断はできません。人は首を絞められると呼吸が封じられるため、まず意識を失います。
そしてその後首を絞め続けることで完全に窒息死します。

私は動かなくなった彼女の脈を確認します。

彼女の手首から手を離した私はひとまず安堵しました。


さて、ここからがアリバイトリックの続きです。

これから遺体を燃やさなければなりませんが、もちろんこの倉庫ではできません。

まず、あらかじめ用意してあった大きめの段ボール箱の中に遺体を入れます。

その後、着ていたのと別の作業服を上から着て、帽子と眼鏡で変装をしました。

倉庫の扉を小さく開け外に誰もいないことを確認すると、先程の箱と、同じく用意してあった台車を窓から裏庭へ出します。

そして、台車に箱を乗せて運びます。

向かう先は、裏庭にある大きな焼却炉。

古いものですが、今でもしばしば使われているそうです。
これなら、何かが燃えていてもあまり不自然には思われません。

遺体が小柄であったことも幸いし、なんとか箱ごと焼却炉の中に入りました。

燃えやすいように遺体に可燃性の油をかけ、焼却炉に火をつけます。

後は遺体ができるだけ燃えてくれることを祈ります。

私は台車をもって急いで倉庫まで戻り、タイヤの土や泥をタオルで拭き取った後、倉庫の中に台車を戻しました。

そして書庫へ戻る道すがら、再び裏庭の焼却炉に寄り、変装に使用した帽子や作業服、タオルや凶器の紐、手袋を焼却炉の中へ放り込みました。

全ての作業を終えた私は、書庫へと戻り、遺体が発見されるまで、何食わぬ顔で書庫の整理を続けるのでした…。


モバP「お疲れ、文香。いやー犯行時に無表情を貫いているのが、いかにも冷酷な犯人ぽくてぞくぞくしたよ」

文香「…その、ありがとうございます…?」

茜「お疲れ様です!文香さん!!お茶をどうぞ!!」

文香「あ…茜さんも、ありがとうございました…。名演技、でしたよ」

モバP「茜は、じっとしてる演技は難しかったんじゃないか?」

茜「そうですね!おかげさまで、じっとしている人の気持ちもわかりました!!」

文香「『馬には乗ってみよ人には添うてみよ』という諺もあります…。私も…良い経験になりました」

モバP「なるほどなぁ。しかしまぁ小説を参考に完全犯罪なんて文香らしいっちゃ文香らしいかもな」

文香「…えぇ。でもこの後、科捜研の徹底的な調査で犯行は暴かれてしまいますが…」


[鷺沢文香編]は以上になります。

文香の口調は思いのほか難しいですね…

コレジャナイ感があっても、ドラマの中ということでどうかお願いします…


みなさんアイドルの名前を書いてくださってありがとうございます
必ず書くとは確約できませんが、良いシチュエーションを思いついたら書くかもしれません。

あともう一つ注意なんですが、小学生組や一部の中学生組など、あまりにも純真無垢で幼いアイドルは恐らく書かないと思います。
自分のイメージ不足により、そういう子はどうしてもサイコパス?とかシリアルキラーにするしかなくなっちゃうので…
余程良いシチュエーションが思いつけば別ですが…

せんせぇサイコパス難しいよ

???「殺人鬼の気持ちなら知ってるでごぜーます」

???「反論出来ませんか、なら論破death」

???「お魚さんと同じ眼れすー」

???「ささーげよーささーげよーしーんぞーをささーげよー」

「私はアンタの人形じゃない!」とお母さんを殺っちゃう犯崎パイセン
「暴力ってロックだぜ」で殺っちゃったニワカ
「昔の知り合い」にお礼参りされ返り討ちにしたタクミン
「お金が無いなら体を売ればいいじゃない」とPを解体すちひ神様
子分にケジメつけさせるお嬢
ついアメリカ式対応が出ちゃった木場さん
厨二病が現実を侵蝕して幻想と現実の境が無くなった厨二病ガールズ
コンタクトが許せなかったメガキチ
甘味絶ちしたせいで禁断症状が出たかな子
パン絶ちしたせいで禁断症状が出た大原
ドーナツ絶ちしたせいで禁断症状が(ry
パフェ絶ちしたせいで(ry

動機なんぞいくらでもでっち上げられるから兵器兵器

長らくおまたせしました。
次の話が完成しましたので投下します。

なお、この話には少々R18G的な展開がございます。
直接の描写はしていないつもりですが、ご注意ください。

[五十嵐響子編]



「真犯人、『死の料理人』はこの中にいる!」

目の前にいる高校生が、高らかにそう宣言しました。
大丈夫です…。余計な工程が1つ増えちゃいましたけど、私の目的はすでに達成されています。
あとは、この人が私のこの後の目的に気づいていないことを祈るだけ…。


待っててね…あなた……。


私には、お付き合いをしていた男性がいました。
そう、過去形なんです。その方はもうこの世にはいません。

彼はお料理がとても上手で、今まで「お料理が得意です」と言っていた私よりも上手でした。
将来は、プロの料理人になるのが夢だと言っていました。
中でも、得意料理はハンバーグ。
ひと月に1度、私と彼と一緒にハンバーグを作って食べるのが楽しみでした。

あの日も、ハンバーグを料理部のみんなにふるまうんだと言っていました。

私と彼と、そして「あの人たち」は高校の料理部に所属していました。
料理部では、定期的に部活内で料理をふるまって評価をし合う、ということが恒例になっていて、その日は私と彼の番だったんです。
そんな日に私は風邪をひいてしまって学校も部活も休んでいたので、彼だけが料理を作ることになったんです。

でも、この日、ちょっとした事件が起こったんです。
彼の作ったハンバーグを食べた料理部の女子生徒2人が、食あたりを起こして救急車で運ばれる騒ぎになったんです。

詳しい原因はわかっていませんでしたが、暴食をしていたわけでも、変な食べ合わせもしていなかったことから、彼が作ったハンバーグが原因だろうということになりました。
その結果、料理部は一定期間の部活停止。

衛生管理が不十分だったのではないか。火は充分に通したか。など多くの批判を彼は受けていました。
彼は料理人を目指していたくらいでしたから、そんな初歩的なミスをするはずがないと、私は信じていました。

でも、心無い批判は彼の心をズタズタに引き裂いていきました。
彼はその日以来、自信をなくして料理もしなくなってしまいました。
私の作った料理も、食べてくれなくなってしまいました。

そして、それから数か月もしないうちに、彼は包丁で手首を切って亡くなりました。

遺書には、女子生徒2人への謝罪と後悔の気持ちが書いてあったそうです。
そしてそれとは別に私個人に宛てられた手紙。
そこには、私への謝罪と、「もしその気があるなら料理人を目指してほしい」ということが書いてありました。
私はその手紙を読んで何度泣いたか覚えていません。

私は、料理人になることは決められませんでしたが、せめて彼に負けないくらいお料理の腕を磨こうと、料理部を続けることにしました。


でも、料理部が再開して数日経った日、私は信じられないことを聞いたんです。

「ま、まさかこんなことになるなんて……」

「私だって、ここまでなるなんて思ってませんでした」

それは、食あたりになった女子生徒2人の会話でした。
私は、何かを感じてその会話をこっそり聞いていました。

「わたしたちがあんなことしなきゃ、良かったのかな…」

「あの人の自信をなくさせるために、わざとお薬を飲んで腹痛になる、なんて……」

(えっ…?)

「ちょ、ちょっと、その話はもうしないって約束だったじゃないですかぁ」

「で、でも…わたしはここまでするつもりなんて…」

「でもじゃありません。私が持ちかけた時も、協力してくれるって言いましたよねぇ?」

「ご、ごめんなさい…。だけど、いくらお料理の腕がすごくて嫉妬しちゃったからって、お薬を使うのはやりすぎだったかなぁって」

「人聞きの悪いこと言わないでください。私たちは自分で薬を飲んだだけ。あの人は自分で勝手に亡くなっただけ。そこに直接の関係はないんですから」

…………。

私は、音を立てないように黙ってその場を去りました。

あの会話を聞いた時の気持ちは今でも覚えています。

あの2人に対する怒りや憎しみが、ふつふつと沸き上がっていくのが、自分でもわかりました。

あの2人は、彼の料理の腕に嫉妬して、自分から食あたりを起こし彼を死に追いやったんです。

その日から、私はあの2人に対する復讐だけを考えて生きてきました。

そして迎えた、他の高校の料理部との合同合宿の日。

私は、あの2人への復讐を決行することにしました。

まず、夕食のときに私以外の全員に睡眠薬を盛りました。
数時間後、みんなが寝るタイミングに効果が現れるように調整をして。
夕食は私だけじゃなく、みんなで作りましたから、私が入れたとはばれません。

みんなが寝静まったころを見計らって、私はあの女子生徒の部屋へ向かいました。
「話を持ちかけた」と言っていたほうです。

あらかじめ盗んでおいた合鍵で、こっそりと彼女の部屋に入ります。

すやすやと眠っている彼女に馬乗りになると、私はすかさず彼女の首にロープを巻き付け、思いきりその首を絞めました。

「っ!?」

首の違和感で、さすがに彼女も目を覚ましたみたいですけどもう遅いです。
馬乗りになっているために、彼女は逃げ出せません。

でも、ここで誤算がありました。

部屋が暗かったために、彼女の状態をよく確認せずに馬乗りになってしまい、布団の上からでは押さえつけが不十分だったみたいです。

彼女は必死に抵抗し、片腕を布団から出して私の腕を掴んできました。

そして私の腕を強く握り、その爪で私の腕をひっかいてきました。

「いっ……」

でも、私は腕の力を弱めませんでした。

やがて彼女が動かなくなると、私は彼女の首元に手を当てて亡くなったことを確認しました。

私は痛む左腕を右手で抑えながら、左手で部屋の電気をつけました。

明るくなったところで、左腕を確認すると小さなひっかき傷ができていました。
右手の手袋も確認すると、白い掌にぽつぽつと赤い点がありました。

つまり、彼女の爪にも私の皮膚と血が付いているということ。

このままだと、DNA鑑定とかで私がやったということがばれちゃいます。

どうしましょう……。

この傷は長袖を着れば隠れますし、幸い私をひっかいたのは彼女の人差し指だけみたいだったので、人差し指を切り取っちゃえばわからなくなるはずです。

でも、そうすると人差し指だけがなくなっているのが不自然ですし、あの勘の良さそうな高校生に指摘されかねません。


どうしようかと考えていた私は、ふと彼が好きだったあのお料理のことを思い出しました。

そう、それはハンバーグ。

最初は玉ねぎみじん切り。
次は挽き肉と一緒にこねて。
最期に焼けば出来上がり。

その瞬間、私の中で全ての計画が繋がりました。

まだ夜が明けるまでには時間があります。
それに、他のみんなは睡眠薬で眠っていますからちょっとやそっとでは起きないはず。

私は、彼女の身体を合宿所の隣にある倉庫まで運び、そしてチェーンソーに手を掛けました。

「最初は…玉ねぎみじん切り……」

最初に人差し指を切り取った後、数時間かけて「みじん切り」を終えた私は、最後の仕上げをします。

彼女の荷物であるレシピ本から「ハンバーグ」のページを破り、その場に置きます。
これで、誰もこの見立て殺人の心意には気づかないでしょう。

「ふふっ…あははっ」

でも、できればもう「みじん切り」はしたくないです。


翌日、彼女の遺体が発見され大騒ぎになりました。
私は凶悪な殺人犯におびえるか弱い女の子を演じます。

例の高校生から、みんなに対して1人で行動しないよう、部屋の戸締りはしっかりするように通達がありました。
名探偵の孫だか知りませんけど、なんのつもりでこの場を仕切っているんでしょう。

まあ、その通達も意味はありませんけどね。

倉庫にハンバーグのレシピを置いておいたおかげで、もう1人の彼女にはこの殺人の動機がわかったことでしょう。
もしかしたら、犯人がうちの料理部の誰かということまでわかっているかもしれません。
それなら話は速いです。

合宿2日目の夕方、私は「もう1人」の部屋へ向かうと、扉をノックをしてから手紙を差し込みました。

内容は「あなたが彼女に巻き込まれただけだということは知っています。今夜1人で合宿所の裏にある林までおとなしく来て事情をすべて話せば助けてあげます」と。

もちろん助けてあげるつもりなんてありませんけど、彼女の口車に乗せられて一緒に薬を飲んだもう1人の彼女なら、おとなしくのこのこ現れるでしょう。


私は先に林で待ち伏せて、もう1人が来るのを待ちます。

数十分も待っていると、もう1人がやってきました。
ちゃんと1人で来たようです。

私は、彼女の後ろから忍び寄り、倉庫から持ち出しておいたスコップを振り上げ、彼女の頭にたたき付けました。

「がっ……」

彼女はその場に倒れ込みましたが、力が弱かったのかまだ動いています。
私が再びスコップを振りかぶると同時に、彼女がこちらを振り向きました。

「ひっ」

今度はおでこのあたりに命中。
その一撃で動かなくなったので、念のためにもう2、3回たたいておきます。

彼女が完全に動かなくなるのを確認すると、今度は見立ての準備です。

「次は…一緒にこねる……」

同じスコップで周りの土や落ち葉、枝などを集め、彼女の身体にこすりつけます。

これで、少しは「タネ」に見えるんじゃないでしょうか。

こうして私の復讐は達成されました。

「あはっ…あははっ」

と、ここで2度目の誤算がありました。

後ろからガサガサと音が聞こえたので振り向くと木の陰から誰かがこちらを見ていました。

「っ!」

私が振り向いたことに気づいたその人は逃げ出しました。

まずいです…。私にはまだやらなければいけないことがあるのに…。

そう思った私はその人を全力で追いかけました。

「あっ」

しばらく追いかけていると、その人が木の根っこに足をひっかけて転んだので、私はすかさずスコップを頭にたたき付けました。

「うっ……」

よほど強くたたいたためか、今度は一発で動かなくなりましたがまだ息があるようです。

改めて顔を確認すると、彼女は合同合宿相手の料理部の人でした。
そして手には、私が2人目の彼女に渡したはずの手紙を持っていました。

なるほど。2人目の彼女が落とした手紙をこの人が拾ってしまい、何らかの手違いでこの人も林に来てしまったのでしょう。

しかし、姿を見られてしまった以上仕方がありません。
この人も生かしておくわけにはいきませんが、工程が1つ増えてしまいました。

あらかじめ考えてあった工程は「みじん切り」「こねる」「焼く」の3つです。
「焼く」はこの後使うので、今使うわけにはいきません。

そして、思いつきました。
今から追加できる工程は「成形」。

これを思いついた私は急いで準備に取り掛かります。
まずはこの人を生かしたまま、手足を縛って動けないようにし、ついでに口も縛って声を出せないようにしました。
さらに、目印となる大きな木の近くまで運んで土をかけ、ハンバーグの形に「成形」をしました。
土の中は温かいですから、生きているうちはこれで体温が保たれるはずです。

次は、倉庫から台車を持ってきて、先ほど殺害した彼女の身体を、土や枯れ葉と一緒に合宿所まで運びます。

そして、普段は使われていない地下のホールに運び込み、その真ん中に遺体を置き、再び土や枯れ葉をまみれさせておきます。
ついでに自分の身体についた土や葉っぱや折れ枝も遺体の上に落としておきました。
その後、ホールに置いてあるホワイトボードに「ツギノ チョウリバハ タテモノノ ソト」と書きなぐっておきます。

最後に仕上げです。
用意しておいたレシピ本から「ハンバーグ」のページを破って、遺体の上に乗せました。

後は、食堂兼調理室に行き、そこの黒板に「ツギノ チョウリバハ コノタテモノノ ドコカ」と書きなぐっておくだけ。

これでやっと、全ての下ごしらえは終わりました。

翌朝、他のみんなより少し早く準備をした私は食堂の近くで待機していました。
そして、他の人たちがやってきたタイミングを見計らって、一緒に食堂に入りました。

「こ、これって!?」

「は、早くみんなに知らせないと!」

「みんなを起こして、この建物を探しましょう!」

これで時間が稼げるはずです。

私は、他の人と一緒にみんなを起こして建物を探すふりをして、こっそり建物を抜け出し林に向かいます。

目印となる木に向かうと、彼女は意識を取り戻していました。

「んんっ…んんっ!」

しかし、身体が縛られているうえ、半ば埋められている状態なので逃げ出すことはできません。

「ごめんなさい。あなたに恨みはありませんが、私の計画のためです」

「次は…成形……!」

そして、私はスコップをたたき付けました。
「ハンバーグ」のページも忘れません。
飛ばされないように石を置いておきました。

後は賭けです。

彼女を殺害した私は、急いで合宿所まで戻りました。
ここで鉢合わせたらすべてが水の泡です。

少しでも鉢合わせないよう、裏口からこっそりと中へ入りました。
中では、まだ捜索が行われていました。
なにぶん合宿所は広いので、あちこち探すだけでも一苦労なようです。

私は、賭けに勝ちました。

適当に探すふりをしながら、たまたま逢った2人組に声を掛けました。
今朝も逢った相手の料理部の人と、例の勘のいい男性です。

会話の流れでそれとなくホールへ誘導し、他の人たちと合流してからホールへ行きました。

そして遺体とメッセージを確認し、今度は林に行き、また遺体を発見します。

これで…これで本当に私の目的の8割は達成されました。

「……これが、キミが仕掛けたトリックの全貌だ。何か違うかい?」

さすがは名探偵の孫です。
私が見立て殺人を行った意味、とっさに考えたアリバイトリック、全て見透かされてしまいました。

「あはは……すごいですね……」

でも、まだ終わってはいません。
私は動機を語りながら、こっそりと準備を始めます。

そう。

「まだハンバーグを作るためには大事な工程が1つ残っています!」

私はポケットからライターと灯油の缶を取り出します。

目の前の彼を含め、みんなが止めますがもう遅いです。

私は床に灯油をまくと躊躇なくライターに火をつけました。

「最期は…焼く……!」

そして床に火を放ちます。

あっという間に火は燃え広がっていきます。

他のみんなは部屋から脱出しました。

それでいいんです。

もう他の人は巻き込みたくありませんから……。


「待っててね、ダーリン」


モバP「いやー熱演だったな、響子」

響子「あはは…。復讐に燃える女の子の役、難しかったですけど、頑張りました!」

モバP「聖靴学園の時も思ったけど、響子ってこういう役が似合うんじゃないか?」

響子「もー、それってどういう意味ですか?」

モバP「た、大した意味じゃないよ…」

響子「そういうこと言う人には、差し入れのハンバーグ、あげませんからね!」

モバP「い、今はハンバーグよりオムライスが食べたいかな、なんて…」

響子「ちなみにこの後、私、主人公の男の子に助け出されるんですけど、そういう時にプロデューサーさんはちゃんと助けてくれますよね?」

[五十嵐響子編]は以上です。

ちなみに作中での被害者は明言しませんが、モバマス初期にあった某四天王つながりです。

おまたせいたしました

次の話ができたため、投下します。

[相葉夕美編]


今日はついに待ち焦がれたあの日。

この日のために、私はたくさんの準備をしてきた。

まずはアイツに待雪草を送りつけた。
脅迫状代わりみたいなものだけど、アイツは気づいてるのかな。

次に用意したのは彼岸花の球根。
この時期に咲くには早いけど、促成栽培をして既に蕾の状態まで育てて

ある。

そしてお茶会の前夜。
私はアイツの庭に忍び込んで、白いチューリップが咲いている花壇を狙

う。

隣には私のお家があって、その2階の広間にある窓からこのお庭は見る

ことができるけど、今アイツを含めてお客さんはみんな別の部屋で寝て

るから気づかれない。

私はその花壇の前に立って、一呼吸整えた。

「ごめんね」

そう呟いて、私は目の前の白いチューリップを全て掘り返した。
もちろんお花に罪はないから、持ってきた別のプランターに植え替えて

あげたけど。

そして、チューリップが植えてあったのと同じ位置に、今度は持ってき

た彼岸花を植え付けた。
さらに。その根元に保冷剤と氷を敷き詰めた。

これでしばらく彼岸花は蕾のまま。
明日は、気温も高くならないから大丈夫。

しかし、このままではいくらお花に詳しくないアイツでも、植え替えた

ことはすぐにバレちゃう。
だから私はもう1つ道具を取り出した。

それは、チューリップの造花。
その造花の花弁の部分だけを切り取って、彼岸花の蕾に被せる。
もちろん、そのままだと被せられないので、周りを白い紙とテープで補

強する。

これで遠目からや、薄暗い中ではチューリップが咲いているように見え

るはず。

あとは自分の家に戻って植え替えたチューリップを隠しておくだけ。
これで準備は終わり。

あとは明日を待つだけ。

73訂正

[相葉夕美編]


今日はついに待ち焦がれたあの日。

この日のために、私はたくさんの準備をしてきた。

まずはアイツに待雪草を送りつけた。
脅迫状代わりみたいなものだけど、アイツは気づいてるのかな。

次に用意したのは彼岸花の球根。
この時期に咲くには早いけど、促成栽培をして既に蕾の状態まで育ててある。

そしてお茶会の前夜。
私はアイツの庭に忍び込んで、白いチューリップが咲いている花壇を狙う。

隣には私のお家があって、その2階の広間にある窓からこのお庭は見ることができるけど、今アイツを含めてお客さんはみんな別の部屋で寝てるから気づかれない。

私はその花壇の前に立って、一呼吸整えた。

「ごめんね」

そう呟いて、私は目の前の白いチューリップを全て掘り返した。
もちろんお花に罪はないから、持ってきた別のプランターに植え替えてあげたけど。

そして、チューリップが植えてあったのと同じ位置に、今度は持ってきた彼岸花を植え付けた。
さらに。その根元に保冷剤と氷を敷き詰めた。

これでしばらく彼岸花は蕾のまま。
明日は、気温も高くならないから大丈夫。

しかし、このままではいくらお花に詳しくないアイツでも、植え替えたことはすぐにバレちゃう。
だから私はもう1つ道具を取り出した。

それは、チューリップの造花。
その造花の花弁の部分だけを切り取って、彼岸花の蕾に被せる。
もちろん、そのままだと被せられないので、周りを白い紙とテープで補強する。

これで遠目からや、薄暗い中ではチューリップが咲いているように見えるはず。

あとは自分の家に戻って植え替えたチューリップを隠しておくだけ。
これで準備は終わり。

あとは明日を待つだけ。

翌日。

私のお家でお茶会が行われた。
自家製のミントティーやハーブティー、みんなが持ち寄った紅茶なんかも振舞われた。

集まったのは祖父の知り合いが多いけど、中には祖父が前に飼い猫探しを依頼した名探偵さんとそのご家族の方も来ていた。

特に一緒にいたメガネの男の子はミントやハーブについても詳しくて、小学生なのに珍しいなって思った。

そんな時、アイツが話しかけてきた。

「そういえば、アンタのあの花壇、去年までは色んな花でいっぱいだったのに今年はミントでいっぱいね」

私はその言葉に、顔を引きつらせないように注意しながら答えた。

「うん、植え替えをしたんだよ。今度から他のお花は向こうの花壇で育てようって」

そう言うと、アイツは興味なさげに去っていった。

私は1人部屋に戻ると、さっきのこと、そして去年のことを思い出していた。

あの花壇は元々、私のお母さんが作った花壇だ。
数年前、お母さんが亡くなった時に私はその花壇を引き継いで、大切にお花を育てていた。

その後、アイツが隣に引っ越してきた。
アイツの庭にも花壇があったので、声をかけてみたら、お花を育てているというので色々話していた。

そしてあの日。
私は旅行で数週間家を空けなければならず、その間のお花のお世話をアイツに頼んでしまった。

私が旅行から帰ってきて見たものは、ミントが繁殖して台無しになっているお母さんの花壇だった。

元々、私はミントも育てていたけれど、その時は全く別の花壇で、無闇に繁殖をしないよう囲いまで作って育てていた。
勝手にこっちの花壇にまで繁殖するなんてありえない。

そして考えた結果、アイツが手入れをした時にミントが花壇に持ち込まれたと思った。

普段、私は他のお花のお手入れをしてからミントの花壇のお手入れをして、しかもその後自分の服や手袋や長靴についたミントの葉っぱや茎を綺麗に取り除いてから片付けをしている。

でも、ミントのことを知らないアイツはミントの花壇からお手入れをした上、自分についたミントに全く気をつけずそのまま他の花壇のお手入れをしたのだ、と。

後日、それとなくアイツに確認したらアイツはこう言ってきた。

「普通に玄関から時計回りに手入れしたけど?」
と。

その順番で行えば、玄関前の花壇から始まり、家の裏庭を回って、ミントの花壇、そしてあのお母さんの花壇、という順番になる。

どう考えても、アイツがミントを持ち込んだことに疑いはなかった。

今考えてみれば、時々怪しいところがあった。
アイツと会話をしている時、向こうからお花について聞いてくることが多く、それもお花を育てる上では基本的なことばかりだった。

結局、アイツは近所付き合いで私に適当に話を合わせていただけで、お花が好きでもなんでもなかったということだった。

この出来事を思い出すたびに、胸の奥がジクジクと痛む。

だから私は、アイツに復讐すると心に誓った。

夜。

お茶会の当日、昨日と同様お客さんはみんなうちに泊まってもらうことになった。

広間での夕食の時、アイツも含めてみんなでアイツの庭に白いチューリップが咲いていることを確認した。

これでいい。明日になったらあの光景は劇的に変わっているはず。

みんなが寝静まる前に、私はアイツにメモをこっそり渡して深夜にアイツの庭に来るように呼び出しておいた。

そして深夜。

アイツが庭に来ているのを確認すると、私は炊事用の手袋をはめた。

そしてアイツの後ろからこっそり近づいて、ナイフで一突き。
アイツは花壇に倒れこんでもがいていたのでもう一突き。

これで息の根は止まった。

ここからは大急ぎ。

まず溶け残った氷と保冷剤を全て回収する。
炊事用の手袋をしたのはこのため。
まだ冷たいかもしれない氷や保冷剤を素手で掴むのは危ないもん。

そして彼岸花につけたチューリップの造花を残さないように綺麗にはずす。

明日は気温が高いから、日が昇ればすぐに暖かくなって、真っ赤な彼岸花が綺麗に咲くよ。

その後、氷と紙、細かくした造花はアイツの庭の排水溝から流し、保冷剤と炊事用の手袋は庭の水道で洗っておいた。

そして私はこっそりと自分の家に戻って、保冷剤を冷凍庫に戻し、炊事用の手袋もあった場所に戻しておいた。

これで、私は自分の部屋に戻った。

翌日、目を覚ました私とみんなが見たものは、血を吸ったように真っ赤に咲いている、彼岸花たちだった。

モバP「お疲れ、夕美。熱演だったぞ」

夕美「も、もう〜からかわないでよ〜」

モバP「ははっ、からかってないぞ。特にミントに覆われた花壇を見てるときの表情は迫真だったな!」

夕美「…うん。実はね、私もこの人の気持ち、ちょっとはわかるんだ」

夕美「自分が大切に育ててたお花を台無しにされちゃって……。もしも自分だったら、って考えたら、演技にも熱が入っちゃったんだ」

モバP「夕美……」

夕美「でもね、私だったら絶対こんなことはしないよ!」

夕美「この人も後で探偵さんに指摘されちゃうけど、自分が大好きだったはずのお花を殺人の道具にしちゃうなんて、ありえないもん!」

[相葉夕美編]は以上です。

改行、いつもは気をつけてるんですけどたまたま油断しちゃいました。

そろそろ探偵役(推理役)の元ネタがつきそうです。

多分、元ネタがつきたらおわりにします。
もしかしたらつきても続く、かも

大変お待たせいたしました。

次の話を書き終えたため、投下します。

なお、この話にはストーリーの都合上、メインとなるアイドル以外にも、実名がでてくるアイドルがいます。

あらかじめご了承ください。


[新田美波編]


この日、私とアーニャちゃんはラブライカとして2人で雑誌の写真撮影をしていた。

ラブライカのユニット衣装である水色のドレスを着て、何パターンかのポーズで写真を撮っていた。

写真撮影は滞りなく終わり、着替えのためにアーニャちゃんと2人で衣装部屋へ戻ろうとすると、あるスタッフさんに声をかけられた。

「あのーすみません。一箇所だけどうしても撮り直しをしなければならない部分ができてしまって……。お時間、大丈夫ですか?」

「えっ?プロデューサーさんからは何も聞いていませんけれど……」

周りを見てもプロデューサーさんの姿は見えない。恐らく、すでにほかのアイドルの現場へ行ってしまったんだろう……。

幸い、私もアーニャちゃんもこの後は事務所に戻るだけで他の仕事やレッスンなどは入っていなかったはずだ。

「アーニャちゃん、時間大丈夫だよね?」

「はい、私は大丈夫ですよ?」

「すみません!そちらのプロデューサーさんには話通してありますんで」

と言って、そのスタッフさんは私たちを連れて行こうとしたけれど

「あれ?さっきのスタジオは向こうじゃありませんでしたか?」

スタッフさんはさっきのスタジオがある方とは逆の方に案内しようとしていた。

「あ、先程のスタジオはこの後すぐに別の撮影が入ってしまっていてですね、向こうにある普段使われてない部屋を、臨時で撮影に使わせてもらうことになったんです」

「はぁ…」

私はこの時、かすかな疑問を感じていた。
この撮影所には以前にも1度来たことがあるが、他にもスタジオはあったはずだ。
わざわざ遠くのスタジオに行く必要はない。

しかし、そんなことを思っていたのも一瞬で、私はすぐに「きっと他の部屋も使っているんだろう」ということで勝手に納得してしまっていた。

私は、この時の選択を一生後悔することになる。
この時、私がもっとちゃんとしていれば、アーニャちゃんもあんな目に合わずに済んだのに……。


「さあ、どうぞ。こちらの部屋です」

「ここ、ですか?」

案内された部屋の扉は、スタジオのようには見えなかった。
倉庫のような鉄の扉に「臨時撮影室」と張り紙が貼ってあるだけ。
これには、流石に怪しいと思ったけれど、ここまで来てしまった手前、断るわけにも行かなかった。
第一、本当に臨時で使っているという可能性もある。

「すぐにカメラマンも来ますんで、中に入って待ちましょう。さぁ」

私はスタッフさんに促され、ドアノブに手をかける。
手袋越しに冷たさが伝わったが、恐らく私が感じた寒気はそれだけではなかった。


「失礼します」

と、クセで声をかけたが、中は真っ暗で何も見えなかった。
後ろからアーニャちゃん入って来るのが、足音でわかった。

ギィィ、バタン。という音のあとに小さく、カチャンという音も聞こえた。
それは恐らく、部屋の鍵がかけられた音。

私が、その音に疑問を感じるのと同時に、部屋の明かりがパッと点いた。
しかし、明るくなった部屋を見て、私はさらに困惑することになる。

「えっ?」

部屋の中は、外観のイメージ通り倉庫そのもので、とても撮影ができそうな状態ではなかった。

あのっと私が言おうとする前に、私の腕が後ろから掴まれた。

「きゃっ!」

私はわけがわからず、気づいた時には私の両腕は背中で何か紐のようなもので縛られてしまっていた。

「おら!お前はそっちで座ってな!」

そして私はそのまま突き飛ばされ、床に倒れてしまった。

「ミナミ!」

どうやら倒れた時にどこかに頭をぶつけたらしく、一瞬意識が朦朧とする。

「きゃあ!」

アーニャちゃんの悲鳴で、少しずつ意識がはっきりしてきた。

「アーニャちゃんっ!?」

悲鳴が聞こえた方を見ると、アーニャちゃんは床に押し倒され、その上にはさっき私たちをこの部屋に案内したスタッフさんが乗っていた。

それを見た瞬間に、私は全てを理解した。
あのスタッフさんは私たちを騙してこの部屋へ連れてきた。
最初から私たちを襲うつもりで。
だからこんな遠くの部屋へ案内したのだ、と。

アーニャちゃんは今、スタッフに上から抑えつけられ、抵抗できないまま、そいつに胸を揉まれてる状態だった。

「アーニャちゃん!誰か!誰か助けて!」

私は部屋の外まで届くよう、力の限り叫んだ。
しかし

「美波ちゃん、いくら叫んでもムダだよ。この部屋はね、最初は音響スタジオとして使っていたから、防音はバッチリなんだ」

「そんな……」

それなら、私が助けるしかない。
女性の私が、どこまであの男に抵抗できるかわからないけれど、少なくともアーニャちゃんが逃げる時間くらい作れるはずだ。

「くっ……」

しかし、それにも障害があった。
両腕を後ろで拘束されているため、思うように動けない。
しかも何度か腕を動かしてわかったのは、腕を縛っているのはロープなどではなく、結束バンドのようなものであることがわかった。
これでは、抜け出すことは困難。私は、どうにかして、結束バンドを切る方法を探した。
こうしてる間にも、アーニャちゃんは胸や身体を触られ続けている。
いつあの男の手が、ドレスの中に伸びるかわからない。
私はその焦りもあり、必死で何か切れそうなものを探した。

すると、私の後ろにある箱の中から、金属の角張った棒が突き出しているのを見つけた。
下手をすれば自分の腕も切ってしまいそうだが、そんなことで迷っているわけにはいかなかった。

私は金属棒を、腕と結束バンドの隙間にねじ込み、どうにか切れるように擦り続けた。

どうやらその金属棒は予想よりも尖っていたらしく、程なくして、プチッと音を立てて結束バンドが切れた。

アーニャちゃんの方を見ると、今まさにあの男の手が、アーニャのドレスの中に入れられようとしていた。

「やめてっ!!!」
私は無我夢中で駆け出し、力の限り男を突き飛ばした。

「アーニャちゃん!大丈夫!?」

私は背後で聞こえた鈍い音にも気付かず、アーニャちゃんに駆け寄り、無事を確認した。

「ミナミ…大丈夫、です」

「良かった…。早く逃げよう?」

「はい。…っ!ミッ、ミナミ…!」

「どうしたの?アーニャちゃん?」

アーニャちゃんは無言で私の後ろを指差していた。

それにつられて、私も後ろを振り向いた。


「!?きゃぁ!!」

私が見たモノ。
それは胸から金属棒を生やして倒れているスタッフさんだった。

恐らくもう死んでいる。
金属の細い棒が、男の左胸のあたりを貫いていた。
さっき、私の腕を拘束していた結束バンドを切った金属棒と似たようなものだった。
彼は、私に突き飛ばされた拍子に転倒し、この棒に背中から倒れ込んだ。
その結果、運悪く棒が心臓を貫いてしまったのだろう。

「そんな……」

私は、しばし呆然としていた後、これからのことを懸念していた。
正当防衛とはいえ、人を殺害してしまったことは事実だ。
世間からのバッシングは免れないだろう。
私はともかく、巻き込んでしまったアーニャちゃんにまで、そんな目に合わせるわけにはいかない。

「…アーニャちゃん、お願いがあるの」

「ミナミ?」

「アーニャちゃん、何事もなかったように1人で衣装部屋に戻って。私は警察に連絡をして自首するから…」

「っ!?それは、ミナミが1人で罪を被る、ということですか?ミナミは悪くありません!」

「ダメなの!仮に正当防衛が認められたとしても、私がこの人を死なせてしまったことには変わりはないわ!それが世間に知られれば、私はアイドルを続けられなくなる……。でも!ア

ーニャちゃんまで巻き込みたくないの!!」

「そ、それは私のせい、です!ミナミは私を守るためにあの人を突き飛ばしました!ミナミが悪いなら、悪いのはアーニャも一緒です!」

「いいえ!悪いのは私よ!思えば最初から、怪しいこの人に着いて行くことを決めた私が悪いの!少しプロデューサーさんや他の人に確認すればわかったことなのに…。そのせいで、ア

ーニャちゃんをあんなひどい目に合わせて…!」

私とアーニャちゃんは、2人とも目に涙を浮かべながら交互に叫んで、お互いに譲る気はなかった。

しかしそんな時、私はふとあることを思いついてしまいました。

それは悪魔のような計画。

「……わかったわ」

「ミナミ?」

「こうしましょう?この人は事故で死んだように見せかけるの。私もアーニャちゃんも関係ないふりをして」

「っ!でも、それは!」

「うん。もちろん悪いことよ。でもこうするしかないの……。アーニャちゃんを守るためには…こうするしか……」

「ミナミ……」

アーニャちゃんが哀しげな目で私を見つめる。

「ね、アーニャちゃん。お願い……」

この時、私は何を「お願い」したのでしょう?
それは私にもわかりません。

そしてアーニャちゃんは数秒の躊躇いのあと、黙ってコクリと頷きました。

「ありがとう」

そうと決まれば、早く行動に移さなければいけない。
私たちがここに来て30分以上は経っている。
着替えは私たち2人で行うことになっているけれど、衣装がまだ返却されていないことがわかれば、さすがに怪しまれかねない。
言い訳をするとしても、せいぜいあと30分が限界でしょう。

あと30分で、全ての作業を終わらせる……。

「アーニャちゃん、一人で衣装室に戻るのは嫌、よね」

「…はい」

アーニャちゃんも私の言葉全てを信じてくれてはいないのでしょう。

それなら、と私はアーニャちゃんに何にも触れないようにだけ注意をして、作業に取り掛かります。

部屋の中を見渡せば、そこには様々な箱や小道具などが乱雑に置かれていました。

これらのものを使えば、この人が荷物を運んでいる最中に、バランスを崩して倒れ込んだように見せかけられるはず。

やるからには徹底的にやらなければ。
出来るだけ証拠を残さないよう、細心の注意を払う。


まず私は自分の両手を見た。
撮影時の衣装をそのまま着ているため、今私は手袋をしている。
このまま作業をすれば、指紋はつかないかもしれないが、埃を被っているこれら道具の汚れが手袋についてしまう。
残念ながら、軍手のようなものも部屋の中には見当たらなかった。

そこで私は手袋を裏返し、左右を逆にしてはめ直した。
これなら、汚れがつくのは手袋の内側になる。
いずれはバレてしまうけれど、それは恐らく事件が事故と片付いた後になるでしょう。

次に、ドラム式の延長コードを持ってきて部屋の隅にあるコンセントに差し込み、倒れているスタッフさんの足元の近くを通して部屋の反対側に放置。
そしてそのコードを一度引っ張り、プラグの差し込みを緩くしておく。
こうすれば、あたかもこのコードに引っかかって倒れたように見えるはず。

しかしこれだけでは、何もしていないスタッフさんが急にコードに足を引っ掛け倒れたように見える。
それではあまりにも不自然。

なので次はプラスチックのカゴにさまざまな小道具を入れていく。
これを運んでいる最中にバランスを崩してコードを踏みつけ、足を引っ掛けたように見せかける。

私は、物を片付けている最中だということをよりリアルに見せかけるため、ある程度一貫性のある小道具をカゴに詰めていく。
その結果、私がギリギリ持てる程度にまで重くなってしまったけれど、そっちの方が重さでバランスを崩したと思わせることができる。

そして、スタッフさんの足元に立ってカゴを持ち上げ、落とす。
落ちたカゴは横倒しになり、中の物もあたりに散らばった。

これで「スタッフさんが倉庫の物を片付けている最中、重さでバランスを崩し、コードに足を引っ掛け転倒した」という現場を作り出すことができた。

ここで私はふと自分の両手を見てみた。
思っていた通り、手袋の内側は多少汚れてしまっている。
そして私ははっと気づいた。

スタッフさんがこの部屋で作業をしていたのなら、スタッフさんの手や服も汚れていなければおかしい。
私は、散らばった道具の中から出来るだけ汚れがつきそうなものを選び、スタッフさんの手やシャツやズボンにその汚れをつけていく。

これで完璧でしょう。

あまり時間は残っていない。
私はアーニャちゃんの衣装についた汚れも、できるだけ手で払い、私の衣装についた汚れは、アーニャちゃんに私の手袋をはめさせて、払ってもらった。

最後に裏返しにしていた手袋を元に戻してはめ直せばおしまい。

私たちは倉庫の外に誰もいないことを確認すると、素早く倉庫から出た。

と、ここで私は倉庫の扉に貼ってある貼り紙を改めて見た。
これは恐らくあのスタッフさんが私たちを騙すために貼ったもので間違いないでしょう。

私はテープの剥がし残しがないように、丁寧にその貼り紙を剥がした。
手袋をはめたままでは剥がしにくかったが、こんなものに指紋を残すわけにはいかない。

私は急ぎつつ、焦らないように丁寧に剥がしていった。
四角をテープで貼り付けているだけだったため、紙と扉の間に指を入れれば、手袋をはめながらでもなんとか剥がすことができた。

後は、衣装部屋の近くにあるゴミ箱に捨ててしまえばいい。

これで、私の隠蔽は完璧に終わった。

そう。「完璧」に終わってしまったのだった……。


モバP「お疲れ様、美波。迫真の演技だったぞ」

美波「あ、あまり褒めないでください。でもありがとうございます」

アーニャ「私も、ミナミはカッコよかっと思いますよ。タンテイ?さんとのシーンはスゴかったです!」

美波「あ、アーニャちゃんまで…。でも結局解き明かされちゃった。やっぱり、悪いことはできませんね」

モバP「まさか、不幸体質ならぬ、冤罪体質の男が第一発見者になって、そいつが呼んだ白髪の探偵にスピード解決されちゃうんだもんなぁ」

美波「現場が完璧すぎたのがいけなかったみたいですね。完璧すぎたからこそ見えた『不自然さ』。まるで本当の私に対しても言われているようでした」

モバP「そういえば、もし美波がドラマの中の設定と同じようにアーニャや知り合いを守るために人を死なせてしまったら、どうするんだ?」

美波「やっぱり、私は自首をすると思います。今度は相手の反対を押し切ってでも」

美波「だって私、もう敵わないって『経験』しちゃいましたから」

[新田美波編]は以上になります。

さて次回の更新ですが、2種類のうち、どちらかを予定しております
1つは、このまま次のアイドルのパターンを続ける
もう1つは、探偵視点(読者視点)でのちゃんとしたストーリーを書く

のいずれかになると思います。
後者の場合、まず五十嵐響子編のストーリーをしっかり書くことになると思います。
その場合、響子以外のアイドルも実名で登場し、探偵役の名前も出すため、クロスssの形式になります。
また、このssのコンセプトとはすこしズレるため、新しくスレを立て直すことになります。

どちらが良いか、アンケートとまでは行きませんが、参考までに皆様の意見を頂戴したいです。

お待たせしていてすみません。>>1です。

ご報告ですが、現在五十嵐響子編の長編を行うことで進めております。
また、制作中に心境の変化があり、某金田一君の代わりに、
モバマスの「はじめちゃん」に探偵役を務めてもらうことになりました。
いわゆるパロディになります。

また、モバマスだけでなく、他のアイマス作品のアイドルを含めた「越境」になります。
越境要素が苦手な方、金田一君を期待していたみなさんには申し訳ありませんがこの方針で進めています。

なお、パロディ元の雰囲気を重視するために一部の表現が少々露骨になるので
公開はここではなく、R18板での公開になると思われます。


「藤原少女の事件簿 料理合宿殺人事件」
近日公開です

どうも>>1です
かねてよりお知らせしていた某金田一のパロディssを投下し始めました。
更新はゆっくりになると思いますが、進めていきます。

藤原少女の事件簿 料理合宿殺人事件 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1521472179/)

なお、今後はそちらのほうを中心に進めていくため、こちらの更新は遅延もしくは停止になります。
こちらでも書きたい話は残っているので、一応残しておきます。

もしかすると、次のお話でラストになるかもしれません。

どうも>>1です。

>>127の続きができました。

なお、当初はこちらとの同時更新を予定しておりましたが、環境の変化等の理由により、こちらを続けるのは困難と判断しました。
よってこちらのSSは明日の夜にでもHTML化依頼を出しておきます

また新しいネタを思いついた際には新しいスレで再開いたしますのでよろしくお願いいたします。

ご参加、感想などありがとうございました。

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