モバP「金持ちは異性にモテるらしい?」 (17)

亜子「せやで」

P「………」

亜子「………」

P「いや、当たり前だろう」

亜子「だよね~」

P「愛はお金で買えないっていうけど、お金があるに越したことはないからなあ」

亜子「お金があったほうが愛は潤うってやつやね。わかるわかる」

P「お金欲しいなあ」

亜子「欲しいねえ」

P「宝くじでも買うか」

亜子「おっ、プロデューサーちゃん夢がある~! もし1億円とか当たったらどうするん?」

P「そうだな……まずは」

亜子「うんうん、まずは?」

P「………貯金?」

亜子「って使わんのかーい!」

P「はは、ごめんごめん。ほら、お金は欲しいんだけど、いざ何に使うのかって聞かれると思いつかなくてな」

亜子「プロデューサーちゃん小市民ー。そういうとこめっちゃ小市民ー」



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P「そういう亜子は何に使うんだ?」

亜子「口座に預けて利息がっぽり」

P「それ貯金だろ」

亜子「ジョークジョーク! そうやねえ……やっぱり初手は満漢全席……と思ったけどフランス料理フルコース……いやいやここはイタリアン……」

P「食べ物ばっかりだな」

亜子「食欲は三大欲求のひとつ! いいもの食べれば人生も潤う!」

P「それはそうだ」

亜子「はい、てことでアタシは高級料理にお金使う! プロデューサーちゃんは?」

P「うーん……」

芽衣子「旅行とかどうかな?」

P「芽衣子」

芽衣子「お金があればいろんなところに旅に行けるし、そうしたら心も潤うと思うんだ」

亜子「旅行かー。確かにいいかもしれんね」

P「たまには仕事以外で海外に行くのもありだなあ」

芽衣子「私パリに行きたいな♪」

P「なんでついてくること前提なんだ」

芽衣子「ほら、やっぱり旅に慣れてる人間がいたほうが何かと……ね? ねねっ?」

P「芽衣子と海外に行くと寄り道ばかりで迷子になりそうだな」

亜子「気づいたら凱旋門観光する予定がピサの斜塔まで行ってたりして!」

芽衣子「いくら私でも国境までは越えないよ!」

P「本当に?」

芽衣子「………たぶん?」

亜子「そこは自信もって言ってくださいよ……」

夏美「なになに? 旅行の計画?」

P「また増えた」

夏美「CA役なら任せて!」

P「飛行機チャーターでもするつもりですか」

芽衣子「夏美さん聞いて? プロデューサーさんも亜子ちゃんも、私と一緒に海外旅行したら国境越えそうって言うんだよー?」

夏美「越えそう」

芽衣子「がーん!」

夏美「旅行に行くなら、温泉なんてどうかしら? お肌も潤うし♪」

洋子「温泉で美肌かあ。私も行きたいな」

P「さっきから思ってるんだけど、みんなどこから話を聞きつけて湧いてきているんだろう」

亜子「ウチの事務所、年齢層高いほうがパッション溢れとるよね」

洋子「面白そうなことがあると、自然とアンテナが反応するんだよね」

芽衣子「わかる!」

夏美「わかるわかる」

P「アンテナって……こうもどこからともなく嗅ぎつけられると、まさに」


美羽「壁に耳あり!」

メアリー「障子にメアリー!」


P「………」

夏美「………」

洋子「………」

芽衣子「そういえば! 帽子とか買うのもいいかもね!」

P「帽子か」

夏美「あ、いいかもね。Pさん帽子似合いそうだし」

P「前髪の少なさが隠れるからですか」

夏美「誰もそんなこと言ってないでしょ! 被害妄想!」



美羽「あ、あれ? おーい、みなさーん?」

メアリー「ちょっとミウ、話が違うワヨ! このネタならダーリンの初ワライをもらえるって言われたからやったのニ!」

美羽「おっかしいなあ。完璧なネタだと思ったのに……」

亜子「あ、アタシは面白いと思ったけどなぁ?」

美羽「だよね! さすが亜子ちゃん、大阪の人はお笑いがわかってる!」

亜子「いやアタシ静岡出身」

メアリー「アコのやさしさが身にしみるワネ……」


翌日


友紀「宝くじが当たったらどうするか?」カキーン

P「そうそう」ブンッ

友紀「昨日なんか盛り上がってるなーと思ってたら、そんな話してたんだ」カキーン

P「最初は俺と亜子のふたりで話していたんだが、思いのほか盛り上がってな」ブンッ

友紀「モテるモテないの話から始まってるんだし、プロデューサーは彼女にお金を使えばいいんじゃないの?」カキーン

P「それにはまず彼女を作らないとな……」ブンッ



早苗「P君彼女募集中だってさ」

未央「な、なんで私に振るの?」

早苗「そりゃあもう、ね?」ニヤニヤ

未央「うう……そ、それにしても! プロデューサー、さっきから一球も打ててないね!」


P「バッティングセンターなんて久しぶりだからな……もうちょっと当たると思ったんだけど」

友紀「あたしは結構イイ感じだったなー。寒い冬でも時々バットを振ってたかいがあったよ」

未央「ふたりともおかえりー」

早苗「宝くじで大金ー、なんて甘っちょろいこと考えてるから、バットにも雑念が入るのよ。夢見るより堅実にお金を稼ぐことっ」

P「ちゃらんぽらんな人に正論を言われてしまった」

早苗「誰がちゃらんぽらんよ! あたし元警官! 真面目が服着て歩いてるようなもんでしょ」

P「でも酒飲んだらすぐ服脱ぐじゃないですか。この前の打ち上げだって」

早苗「うぐ……ぬ、脱ぎ癖はなんとかしようと思ってます、ハイ」

友紀「やっぱりね、お金だけあってもダメなんだよね。補強をしながら若手選手の育成にも励まないと、優勝は難しいんだ」

未央「プロ野球も難しいんだねえ」

P「さて、俺はリベンジのためにもう一回バッターボックスに入るけど」

友紀「プロデューサー、さっきみたいな大振りやめれば打てると思うよ」

P「大振りになってた?」

友紀「なってたなってた。空振りするたびに前髪がぶわあーって!」

P「俺の前髪は長打警戒シフト敷いてるだけだからな」

友紀「誰も生え際の話はしてないって」

早苗「自爆したわね」

未央「やっぱり気にしてるんだ……」

早苗「未央ちゃんは恋人のそんなところ気にしないから、心配しなくていいのにね?」

未央「うんうん」

未央「………」

未央「あ、いや、今のはちがっ」カアァ

早苗「あ、まだ恋人じゃなかったか♪」

未央「まだもなにもそんな予定はないってば~!」




P「おーっ! 当たった!」

友紀「惜しいー! もうちょっと左ならホームラン賞だったのに!」

さらに翌日


P「早苗さんに言われた通り、地道に稼いで、かつ節約していくのが一番かな」

芳乃「塵も積もれば山となる……日々の積み重ねが、いつしか大願成就につながるのでしてー」

P「芳乃の言う通りだな。今後は節約を意識していこう」

芳乃「おせんべい、食べましてー?」

P「ああ、いただくよ。ありがとう」

P「このおせんべい、おいしいよな。ちょっと値が張るけど、それだけの味はある」

芳乃「さすがは高級おせんべい………はっ」

芳乃「…………今後は、おせんべいの値段も節約なのでしてー?」

P「いや、事務所のおやつは経費で落ちるから大丈夫」

芳乃「それはよかったのでしてー」ポリポリ

P(今、この世の終わりみたいな顔してたな……)




P「しかし、ちょっと考えてみると節約も難しいな。欲しいものがあるとついつい買っちゃうのを止められればいいんだろうけど」

光「難しいよね、それ。アタシもお店でヒーローのフィギュアとか見つけると、ついつい買っちゃうし」

麗奈「趣味でお金かかるヤツは大変ねえ」

光「好きで集めてるから、後悔とかはしてないんだけどな」

P「逆に考えれば、お金のかからない趣味を見つければ節約につながるのか……」




P「というわけで、運動を趣味にしようと思うんだ。だからまずは基本のランニングから始めようと」

茜「任せてください!! では早速走りましょう!!!」ダダダダッ

真尋「冬の寒さに負けないくらい汗かいてこう!」ダダダダッ

P「え、ちょっと速い。俺の想定していたペースよりだいぶ速い」

真尋「早くしないとおいてくよー!」

P「ま、待ってくれ………!」




翌日


P「ランニングはかえって湿布代がかさむんじゃないかと思いました」←筋肉痛

心「わかるー☆ この歳になると運動後のケアがきついもんな☆」

また別の日


P「ごめんな、お菓子の買い出しに付き合ってもらって」

未央「これくらいどうってことないよ。未央ちゃんにおまかせっ、なーんてね」

P「はは、それは頼もしいな」

未央「そういえばさ。最近お金が欲しいーって言ってたけど、何かいい案は見つかったの?」

P「いや、全然。結構いろんな子の話を聞いたりしたんだけど、俺が実践できそうなものはなかなか」

未央「そっかー。難しいね」

P「けど、みんなの考え方とかたくさん知ることができたから、俺にとっては得だったかな」

未央「へえー。たとえば?」

P「そうだな――」



清美『仮に大金が手に入ったとしても、浮かれすぎてはいけません。生活レベルを変えてしまうと、後でお金が無くなった時に困りますからね!』

清美『あたしのように、どんな時でも風紀を守れるように』

美羽『富貴でも風紀を守る……おおっ、これはウケる!』

清美『あたしのセリフでギャグを作らないでくださいっ!』

紗南『あたしはやっぱり自宅にVRゲーム機が欲しいなあ。あと高騰してるレトロゲーム一式も』

イヴ『ブリッツェンが最近腰痛で悩んでいるそうなので、そろそろサポートしてくれる新しいトナカイさんが欲しいですね~』

ブリッツェン『ぶもっぶもっ』

梨沙『わわっ、ちょっと下ろしなさいよ! これのどこが腰痛で悩まされてるのよ!』

紗南『めちゃくちゃ元気そうだけど』

イヴ『日によって腰の調子が変わるそうです~』

梨沙『ぎゃーっ!! 鼻水ついた!』

イヴ『ブリッツェンは梨沙ちゃんのことが大好きなんですね~』




未央「これ『大金が手に入ったらどうするか』っていう話題になってない?」

P「いつの間にかそうなっていたんだ」

未央「あはは! なにそれ~」

P「未央はどうだ? ある日大金が手に入ったら、何に使う?」

未央「私は、そうだな~……満漢全席とか!」

P「それはもう亜子が出してる」

未央「おっと、まさかの被り。じゃあ……そうだ」

P「何か思いついたか?」

未央「プロデューサーを一日自由にしていい権利!」

P「どこで売られてるんだ、それ」

未央「プロデューサーの心の中?」

P「発売した覚えはない」

未央「えへへ、だよねー。言ってみただけ」

P「もし売られていたとして、未央はそれが欲しいのか?」

未央「欲しいよ?」

P「即答か」

未央「たまにね、プロデューサーを独り占めしちゃいたいときがあるんだ。わがままなのはわかってるけど」

P「そういうことなら、お金なんていらないのに」

未央「ホントに?」

P「本当本当」

未央「ふーん、そっか。いいこと聞いちゃった♪」

P「うれしそうだな」

未央「みんなにも伝えていい?」

P「それは困るな。全員が全員一気に頼んできたら、さすがに俺の身体が持たない」

未央「じゃあ、未央ちゃんだけの特権?」

P「今回は、そういうことになる」

未央「そっか……そっかそっか」

P(さらに笑顔になったな)

未央「じゃあ、早速一個お願いしてもいいかな?」

P「ああ」

未央「今度、うちに晩御飯食べに来ない? 私が作るから」

P「いいのか? お呼ばれしちゃって」

未央「もちろん♪ 高級料理は出せないけどね」

P「アイドルに作ってもらえる時点で、その料理はプライスレスだよ」

未央「キザだね、プロデューサー」

P「正直今のは狙ってかっこつけた」

未央「あははっ。だと思った」

P「日程はどうする?」

未央「そうだなぁ――」


後日


早苗「お酒を飲むとすぐに脱いじゃう癖をなんとかしたいんだけど」

夏美「そもそも脱ぎにくい服を着るとか」

早苗「それだっ!」

愛梨「私もお酒を飲むようになったら気をつけないといけないですね~」

心「愛梨ちゃんは今も気をつけたほうがいいと思うぞ……」



未央「うーむ」

芽衣子「未央ちゃん、何か考え事?」

未央「あー、うん。料理のレシピ本を読んでたんだけど」

芽衣子「プロデューサーさんに手料理作るの?」

未央「えっ……なんでわかったの?」

芽衣子「だって、すごい真剣に読んでるんだもん。これはもう、料理を作る相手が……ね?」

未央「な、なにが『ね?』なのか、未央ちゃんにはわかりませんな~~」

芽衣子「うふふっ、照れない照れない♪」

芽衣子「なんなら毎日お弁当作ってあげれば? そうしたらプロデューサーさんのお昼代が浮いて、節約にもつながるし」

未央「……なるほど」




P「………」

亜子「どしたのプロデューサーちゃん?」

P「いや……今、女子高生に餌付けされそうな予感がして」

亜子「ええ……さすがにそれはヤバない?」

P「だな……万が一にもそうならないように、やっぱりお金は稼いでいこう。ヒモにならないようにしよう」

亜子「その意気その意気! アタシとプロデューサーちゃんでがっぽり稼ぐで~!」

P「ああ! そうと決まればお仕事お仕事!」




P「でもそれと並行して宝くじもちょこちょこ買っていこう」

亜子「やっぱ一攫千金も大事やね」

P「ロックな生き方を忘れないようにしないとな」

仁奈「ロックなきもちになるですよ!」

夏樹「おーい、誤用を広めるな、誤用を」





おしまい

おわりです。お付き合いいただきありがとうございます

シリーズ前作:モバP「威勢がいいと異性にモテるらしい?」

その他過去作
モバP「なっちゃんとクリスマス」
モバP「飛鳥とこたつでゆっくりと」

などもよろしくお願いします

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