夕依「大福談義」[スクストSS] (27)

[ショコラーデミラ・チームハウス]


夕依「どうぞ、こちら粗茶ですが…」コトッ


ハヅキ「なんだか気を使わせたみたいで悪いねぇ」


夕依「いえ、本日はハヅキさんに色々と御教授願いたいと思っていますので…」


夕依「これぐらいは当然のおもてなしではないかと」


ハヅキ「そうかい、まぁ夕依がそう言うならありがたくいただくさ」ズズッ


ハヅキ「…うん、なかなか良い味じゃないか」


夕依「お口に合ったようで何よりです」


ハヅキ「それで…今日は何の話がしたくてあたしを呼んだんだい?」


夕依「大福についてです」


ハヅキ「おやおや」

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ハヅキ「大福ねぇ」


ハヅキ「あたしに大福の何を聞きたいっていうんだい?」


夕依「至高の大福とは何か?それをハヅキさんにお聞きしようかと」


ハヅキ「そうだねぇ」


ハヅキ「教えるのは構わないけど…その前に夕依にとっての至高を教えてもらおうか」


夕依「私にとっての至高…でしょうか?」


ハヅキ「ああ」


夕依「私としては…やはり形と大きさが良い物こそが至高の大福ではないかと」


ハヅキ「例えば?」


夕依「そうですね…まだ私はそれほど多くの大福を見てきたわけではありませんが…」


夕依「形ならほたるちゃん、大きさなら栞さんが良いですね」


ハヅキ「ほほぅ」

夕依「しかし形でいうなら、椿芽さん・天音さん・雪枝さんもなかなか良い大福をお持ちだと思います」


夕依「幸子さんもダークホースですね」


夕依「大きさ枠では伊緒さんは勿論の事、いつみさん・リョウコさん・楓さん・陽奈さん…」


夕依「最近ではターニャさん・モニカさんという新勢力も現れてなかなか甲乙つけがたい状況ですね」


ハヅキ「それ以外の子達の大福は評価するに値しないのかい?」


夕依「そこまでは言いませんが…形や大きさの優れている大福よりは劣るものだと考えています」


ハヅキ「つまり…夕依にとっては形と大きさこそ大福を大福たらしめる要素であると…そういう事だね?」


夕依「そうなりますね」

夕依「古来より絵画や彫刻で表現されているように、大福にとって形と大きさが重要なのは当然であり必然です」


夕依「大きさは富や包容力の象徴として…」


夕依「また形は、円周率を表す記号としてπが使われているように…」


夕依「より美しく大きな大福こそが理想であり完全な大福ではないかと」


ハヅキ「本当にそうなのかい?」


夕依「…ハヅキさんはそうではないと?」


ハヅキ「…確かに、形が良くて大きな大福の方が鑑賞用としては優れているさ」


夕依「なら…!」


ハヅキ「でもね、夕依」


ハヅキ「大福というのは見てるだけでは不完全なんだよ」


夕依「詳しくお聞かせ願えますでしょうか」


ハヅキ「勿論さ」

ハヅキ「そうだね…まず、あたしが夕依に知って欲しいのは…」


ハヅキ「この世に優れた大福も、ましてや劣った大福なんてものも無いって事さ」


夕依「形や大きさの異なる全ての大福が平等である…と?」


ハヅキ「そうさ」


夕依「…そんな事があり得るのでしょうか?」


ハヅキ「もっと視野を広げてみるんだ」


夕依「視野…?」


ハヅキ「大きさや形、それだけが大福の評価すべき点ではなく…」


ハヅキ「触感や感度も評価しないと…ね?」


夕依「なんと…!」

夕依「確かに私は大福の外見だけに捕らわれていました…」


夕依「大きさや形だけでは優劣が生まれてしまうところに触感や感度といった不確定要素を加える事で平等に扱う…さすがです」


ハヅキ「目先の大福に釣られるのは大福初心者に良くあるミスさ」


夕依「しかし…他人の大福の触感や感度など評価しようがないのではないでしょうか?」


夕依「同性とはいえ、そう簡単に触らせてもらえるものではありませんし…」


ハヅキ「あぁ…あたしもそこは苦労したもんだよ」


夕依「…?ハヅキさんは常日頃よりここの皆様の大福を揉んでますよね?」


夕依「そのハヅキさんが苦労…?」


ハヅキ「話せば長くなるけどね」

ハヅキ「元々あたしはフィフス・フォースに選ばれる前から大の大福好きでねぇ」


ハヅキ「五稜館学園に編入したときは心が躍ったもんさ」


ハヅキ「なんせ、ありとあらゆるところに美少女の大福があるんだからねぇ」


夕依「そのお気持ち、良く分かります」


ハヅキ「とはいえ、クラスメイトとは大福を触らせてもらえるほどの交友関係はなかなか築けなくてねぇ」


ハヅキ「今思うと、編入早々に隣の席の子の大福を鷲掴みしたのが原因だったのかねぇ」


夕依「警戒されるには十分なエピソードですね」


ハヅキ「まぁ、そんなこんなで悶々とした日々を過ごしていたところにティエラ先生からフィフス・フォース入りの誘いが来てさ」

ハヅキ「先生の大福を見て即答したもんだよ」


ハヅキ「フィフス・フォース、ヤらせていただきますってね」


夕依「下心が隠し切れてないですね」


ハヅキ「で、ココナッツ・ベガに編成されてさ」


ハヅキ「うちのメンバーと変身コスを見た時は鼻血で出血死するかと思ったよ」


ハヅキ「なんだいあの大福バイキングはと」


夕依「ベガの皆様は大福のサイズも様々な上、通常変身コスでも大福の露出が多くて羨ましい限りです…むむむ…」


ハヅキ「あたしはミラの通常変身も好きだけどねぇ」


ハヅキ「こう…殆ど大福の露出が無い分、脱がす味わいがあるというかさ」


夕依「言われてみれば確かに…」

ハヅキ「でだ、幸いにもチームリーダーに選ばれたもんだからとにかく皆との信頼関係を築いたわけさ」


ハヅキ「そして結成から1ヶ月、チームハウス内を下着姿でうろついても注意されなくなったところで大福に手を出してね」


夕依「よく1ヶ月も我慢出来ましたね」


夕依「あれだけ魅力的な大福が間近で揺れていたら、と考えると私なら1週間もつかどうか…」


ハヅキ「いやぁ、確かにキツかったねぇ」


ハヅキ「任務に出る度にあたしの中の獣が大福を襲えと暴れてたからねぇ」


ハヅキ「…でもね、1ヶ月じゃあまだ早かったのさ」


夕依「1ヶ月でも…!?」

ハヅキ「軽いジャブのつもりでひと揉みしたら、イミナにはぶん殴られ、リョウコには泣かれ、アコからはセクハラで訴えると脅されたし、マリに至っては一週間無視されるという散々な結果でさ」


夕依「そんな…」


ハヅキ「でもね、そこであたしは諦めなかったんだ」


ハヅキ「殴られようと、泣かれようと、脅されようと、無視されようと、めげずに大福を揉んで揉んで揉みまくったんだ」


夕依「なんて情熱と根気なのでしょうか…!」


ハヅキ「そうこうして更に1ヶ月後、奇跡が起きたんだ」


ハヅキ「チームの皆があたしの大福揉みに慣れるという奇跡がね」


夕依「やりましたね!」


ハヅキ「もうそうなればこっちのもんさ」

ハヅキ「もはやベガの中であたしの大福揉みは男子小学生のカンチョー並みにごくありふれたスキンシップと化していたからねぇ」


ハヅキ「他のチームの子達にも、あたしの大福揉みキャラはすぐに浸透してたもんだから、ちょっと揉んだぐらいで怒られたり泣かれたりする事も無かったもんさ」


夕依「なるほど…普段から皆様の大福を揉むに至るまでその様な険しい道のりがあったと…」


ハヅキ「そのおかげで、今はこうして全ての大福を平等に愛する事が出来たってわけだから後悔はしてないけどね」


夕依「大福の見た目だけで大福を評価していた私はなんと愚かだったのでしょうか…」


ハヅキ「気に病む事は無いよ」


ハヅキ「あたしが特別なだけだからさ」

夕依「…私も」


ハヅキ「うん?」


夕依「…私もハヅキさんの様に大福揉みキャラとなる事は可能なのでしょうか?」


ハヅキ「今のを聞いて…修羅の道であると知った上で言ってるのかい?」


夕依「覚悟なら出来ております」


夕依「こう見えて私、頑固ですので」


ハヅキ「よし、なら止める理由は無いね」


ハヅキ「すでにチームメンバーとの信頼関係は十分だし、まずはその大福を揉む、そこから始めようじゃないか」


夕依「はいっ!」


ハヅキ「さてと、それじゃあ今回の話はこの辺で切り上げるとするかね」


夕依「貴重なお話、ありがとうございました」ペコリ


ハヅキ「次に会うときは真の大福について語りあおうじゃないさ」

ハヅキ「それじゃあ失礼するよ」スクッ


夕依「お気をつけて」


ハヅキ「はいよ」


ほたる「…あっ、ハヅキさんこんにちは!」ドアガチャ


ハヅキ「おや、こんにちは」モミッ


ほたる「ひゃわっ!」ビクッ!


ハヅキ「ふむ…確かに良い形の大福だねぇ」モミモミ


夕依「ふふふ、そうでしょうそうでしょう」ドヤァ


ほたる「だだだ大福!?何の話ですか!?というかいつまで揉んでるんですか!?」


ハヅキ「おっと、すまないねぇ」パッ


ハヅキ「んじゃ、ごきげんよう」ドアガチャ


夕依「あれが達人の技…さすがです」


ほたる「何がぁ…?」ヘタリ


夕依「それはそうと、ほたるちゃん」


ほたる「それはそうと、で今の出来事を流すのはどうかと思うよ?」

ほたる「で、どうしたの?」


夕依「実はほたるちゃん…それからミラの皆様にも大事な話があって…」


ほたる「明日の和菓子の話?」


夕依「それも大事だけど今回はそれより大事な話なの」


ほたる「和菓子より!?」


ほたる「えっ、なに、どうしたの!?」


ほたる「遂に不法入国とかしちゃったの!?」


夕依「ほたるちゃんは私を何だと思ってるの?」


ほたる「漫画とかによくいる方向音痴が過ぎて空間をねじ曲げる系の人かなーって…」


夕依「…まぁとにかく、ミラの皆様も揃ってから話すから、外で見かけたらここに集まるように伝えてくれる?」


ほたる「う、うん…わかった…」


ほたる(そんなに重要な話なんだ…)

~30分後~


あおい「まさか夕依から呼び出しとはな」


栞「よほど大事な用…なのかしら?」


チカ「こんな風に全員が呼び出されたのってあの時以来だよねー」


ほたる「あー、あの時ね」


栞「チカちゃんがこっそり持ってきたあんまん(こしあん)を私達が食べてたのがバレた時ね」


あおい「こしあんに対するつぶあんの優位性について三時間ほど説教されたやつな」


チカ「しばらく夢に出たよね」


ほたる「まぁ、今回は和菓子の話じゃないらしいですけど」


あおい「えっ」


栞「えっ」


チカ「えっ」

あおい「あの夕依が和菓子以外に大事な話だと…!?」


栞「しかもミラの全員を集めるほどだなんて一体…!?」


チカ「またチカが何か怒らせる事でもしちゃったのかな!?」


ほたる「うーん…そういう感じじゃなかったと思うけど…」


あおい「そうなるとミラ関連…いや、生徒会関連の可能性もあるか…」


あおい「まさか生徒会を抜けるとか言うんじゃないだろうな…」


栞「生徒会の仕事的には何の支障も無いけれど、抜けてもらいたくはないわね…」


チカ「仕事はほぼ3人でやってますもんね」


ほたる「チカちゃんも勘定にいれればいいのに」


チカ「チカはまだ書記見習いだから…」


あおい(和菓子係よりは仕事してると思うがな)

あおい「…まぁどんな話だとしても受け入れてやるとしよう」


あおい「もっとも…当人が現れない事にはどうしようもないがな」


栞「そういえば夕依ちゃんまだ来ないわね」


夕依「お待たせいたしました」ガタン


ほたる「タイミング良すぎっていうか何処から出てきたの!?」


チカ「そこウォークインクローゼットだよね!?」


夕依「まぁまぁ、お気になさらず」


栞「もう気にしたら負けね」


あおい「そのようだ」


あおい「それで…私達に何の話があるんだ?」


夕依「実は皆様に折り入ってお願いしたい事がありまして…」


ほたる「お願い?」


チカ「チカ達に出来る事なら何でもするよっ!」


夕依「それでは…」

夕依「実は…」


4人「…」ゴクリ


夕依「皆様のだいふ…お胸を揉ませていただきたくてですね」


4人「…ん?」


夕依「お胸を」


4人「んんん…?」


栞「ゆ、夕依ちゃん…?もう一度言ってもらってもいいかしら?」


夕依「ですから皆様のお胸を揉ませていただけないかと」


あおい「…は?」


あおい「はぁぁぁぁぁぁぁ!?」


あおい「むっむむっ胸を揉みたいだと!?おまえ正気か!?」


夕依「勿論です」


チカ「なおさら悪いよ!」


ほたる「ほんと大丈夫!?夕依なんか悪いものでも食べたんじゃない!?」


夕依「ほたるちゃん、親しき仲にも礼儀ありって言葉を知ってる?」

栞「あー…あー!あれよね!」


栞「ハグ的な意味で言ってるのよね、きっとそうだわ!」


夕依「いえ、ただ純粋にお胸を揉ませていただきたいだけなのですが…」


栞「ジーザス!」


あおい「誰に何を吹き込まれたんだ!言いなさい夕依!」


あおい「男か!男だろ!」


チカ「あおいさん過保護なお父さんみたいになってるよ!」


夕依「男性からは何も言われてませんが」


ほたる「男性“からは”って事は女性からは何か吹き込まれたんだね!?」


夕依「吹き込まれただなんて人聞きの悪い…」

夕依「私はただハヅキさんのように多くのお胸を愛でたいだけなのに…」


あおい「あの“ハレンチが服を着て歩いてる”みたいな奴の仕業かぁ!」


ほたる「夕依!目を覚まして!」


夕依「目を覚ます…?違うよほたるちゃん」


夕依「むしろハヅキさんのおかげで私は新たな領域に目覚める事が出来たんだから…!」


チカ「夕依ちゃんがヤバい宗教にハマった人みたいになっちゃった!」


栞「ととととっ、とりあえずお話しましょ?胸を揉むのはその後でも出来るでしょ?ね?ね?ね?」


ほたる「栞さん落ち着いてください!」


夕依「つまり揉ませていただけると」


ほたる「誰か助けてー!」

あおい(神装変身)「すまん、ちょっと出掛けてくる」スチャッ


チカ「このタイミングで!?」


チカ「というよりなんでEXRメモカ装着してるの!?」


あおい「栞、お前のメモカと月詠(ifURペガサスモード)借りてくぞ」


栞「あはは、いってらっしゃーい」


ほたる「栞さん止めて!考えるのを放棄しないでください!」


あおい「はぁあ!」


月詠「ヒヒーン!」


パカラッ パカラッ パカラッ…


夕依「帰ってきたら揉ませてくださいねー!」


ほたる「夕依ちょっと黙って!」


栞「そんなに揉みたいなら、あおいが帰ってくるまで私の胸を揉んでてもいいわよー」


ほたる「栞さんお気を確かに!」


チカ「誰か助けてー!」

~数分後~


[ココナッツベガ・チームハウス]


ガシャーン!


イミナ「うわぁっ!?」ビクッ!


マリ「敵襲…!?」ガタッ


リョウコ「…って、あおいさんと月詠ちゃん!?」


あおい「不知火のバカはどこだ!」


アコ「ハ、ハヅ姉ならついさっき、まだ見ぬ大福を探す旅に出るとか言って出かけたのだ…」


あおい「あの色情魔めぇぇぇぇぇぇ!」


END

(ハヅキと夕依からすれば)真面目な話


ちなみに夕依の大福(意味深)好きは雑談とComicChannelよりの公式設定です


最後に、ここまで読んでいただきありがとうございますm(_ _)m


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ではまたいつか

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