静香「今日も一日頑張ろう」【ミリマスSS 】 (16)

多少の胸糞展開ありなので閲覧注意でお願い致します。

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(劇場事務所)
プロデューサー(以下P)「おーい静香、支度できてるかぁー?」

静香「大声で呼ばないでください。子供じゃないんです、普通に呼んでもらえれば聞こえますから。」

P「悪い悪い。車出してくるから下で待っててくれ。」

静香「分かりました…ってプロデューサー!あなたこそきちんとして下さい、何ですかその恰好は。」

P「そうか?別に普通だと思うけど。」

静香「ネクタイ曲がってます。あとワイシャツ。袖のボタン外れてますよ、早く直して下さい。」

P「お、本当だ。すまんすまん、さっきまで上着脱いでデスクワークしてたからかな。」

静香「まったく。私はどうでもいいですけど、困るのはそっちですよ?」

P「気をつけるよ。いつもありがとう、おかげで助かってるよ。」

静香「お世辞はけっこうです。感謝するより毎回言わせないようにして下さい。」

P「相変わらず手厳しいな。じゃ、待っててくれ。」

静香「もう。本当にだらしのない。」



静香「困った人だわ。駄目よね、私が見ていないと…」



P「お待たせ。よし、さあ乗ってくれ。」

静香「あれ、いつもの車は?」


P「律子と麗花が使ってるよ、今日は外の仕事がけっこう入ってるからな。」

静香「そうでしたね。あ、じゃあこの車もしかして、プロデューサーの?」

P「ああ。いつものじゃなくて悪いけどな。」

静香「そうですか…煙草の匂いとかしないですよね?」

P「だ、大丈夫だよ。多分。」

静香「まあいいですけど。慣れてる車だからって飛ばしたりしないで下さいよ、安全運転でお願いします。」

P「任せておけよ。シートベルトしたか?出発するぞ。」




静香(そっか。これが、プロデューサーの。へえ…)



P「どうだ、今の仕事は?」

静香「心配いりませんよ、ちゃんとやれてます。」

P「そうか。あそこのラジオ局、スタッフさん皆熱心だからな。学べる事も多いだろ。」

静香「言われなくてもそのつもりです。それにどんな仕事であれ、学ぶ物は必ずありますから。」

P「そうか。ほんと、静香は熱心だな。」

静香「感心するより、自分の心配をしたらどうですか。」

P「はは、その通りかもな。」

静香「もう。しっかりしてくれないと困ります。」



静香(…頼りにしてるんですからね?)



P「ん?」

静香「何も言ってませんよ。」

P「そうか、空耳かな?けど本当に静香は熱心だな、感心する。翼あたりにも見習って欲しいよ、この前だって…」


静香「プロデューサー?翼に多少いい加減な所があるのは否定しません。ですが、それを同じアイドル、しかも同い年の私にこぼすのもどうかと思いますけど。」

P「ああ、確かに。愚痴のつもりじゃないけど、そう聞こえるよな。悪い悪い、忘れてくれ。」

静香「まったく。」



静香「…で、翼がこの前何と?」


P「え?いや、そういう事は言うなって。」

静香「あそこまで言ったならもう隠しても仕方ないでしょう、仕方ありませんから聞いてあげます。時間つぶしのつもりで聞き流してますから。」

P「そ、そうか…いや、大したことじゃないんだけどさ。この前のレッスンの時、ご褒美が無いとやる気出ないって、ずっと駄々こねられたってだけで。」

静香「くだらない。翼がそういう子なのはもうとっくにご存知でしょう?そういうのを上手くやるのもプロデューサーの仕事なんじゃないんですか。」

P「う。まあ、その通りだな。次からはもう少し上手くやれるよう考えるよ。」

静香「まったく。思った以上に馬鹿馬鹿しいですね、聞いて損しました。」

P「はは、面目無い。」



静香「…何をあげたんです。」




P「え?」



静香「ご褒美、翼にあげたんですよね?一体何をプレゼントしたんですか。」

P「いや、そんな大げさな。ただ…」

静香「ただ?」

P「ドライブしたいって言うから、家まで送ってやっただけだよ。」

静香「本当にそれだけですか?」

P「そうだけど。何か、まずかったか?」

静香「いえ、別に。」

P「そ、そうか…おっと、思い出した。イヤホン返しておかないとな。」

静香「イヤホン?」

P「ああ。翼のやつ、その時置き忘れてったんだよ。後ろの席に袋があるだろ。」

静香「…この車で送っていったんですか。」

P「俺も帰るついでだったからな。あいつ今日の夕方劇場に来る予定だし、こりゃ今日もタクシー代わりをさせられそうだな…」

静香「私が預かっておきます。」


P「え?いや、いいよ。どうせ会うんだし。」

静香「私が返しておきます。プロデューサーに任せておいて、また忘れたりしたら翼に悪いですから。」

P「て、手厳しいな…じゃ、お願いするよ。」

静香「はい、ご心配なく。」



静香(やっぱり翼には要注意ね、まったく。プロデューサーにこんな負担ばかりかけさせて…)



P「お、そうだ。静香、のど飴いるか?今から声使うわけだし、喉には気をつけておいた方がいいだろ。」

静香「のど飴ですか?別にいりませんけど、せっかくプロデューサーがそう言うならまあ。」

P「ならやるよ。ほら、そのダッシュボードに入ってるだろ。」

静香「ありがとうございます。いつも持ってるだなんて、プロデューサーにしては用意がいいんですね。」

P「そう言われるとちょっと複雑だな、それは可奈の置き土産だから。」

静香「……は?」


P「どうした、変な声出して。いや、可奈を送ってやった時にお礼だって言って置いてったんだよ。俺も声使うからって言われて貰ったはいいけど、どうも飴は苦手でな。」

静香「…やっぱり要らないです。」

P「そうか?でも、お前は持ってた方がいいだろ。それ、喉にすごくいいらしいし。」

静香「けっこうです、必要な時は自分で買います。」

P「そ、そうか。まあ無理に押し付けるのも悪いしな。」

静香「…あ、でも。もしかしたら、他の皆はいるかもしれませんね。やっぱり貰っていっていいですか?劇場に置いておきますので。」

P「そうか、その方がいいな。じゃ、全部持ってってくれ。」

静香「はい。」



静香(…可奈ったら。プロデューサーが煙草吸うの知っててこんなもの渡すだなんて。必要ないって事分からないのかしら、気を使わせたら駄目じゃない。)



静香「そう言えば。この車、芳香剤でも使ってるんですか?なんだかいい香りがしますけど。」

P「ああ、カーアロマ入れてるからだろ。ほら、エアコンの所に付いてるのがそうだよ。」

静香「カーアロマ?」

P「車用のアロマディフューザーだよ。消臭だけじゃなくてリラックス効果もあるから長く運転する時にぴったりなんだとさ。」

静香「へぇ。車にそういうこだわりがあるだなんて、プロデューサーも男の人ですね。」

P「いや、これは可憐に言われてな。」

静香「…え?」

P「可憐のやつ、どうも煙草の匂いが駄目みたいでな。」

静香「可憐さんは鼻がききますからね…ってプロデューサー、まさか可憐さんの前で煙草吸ったんですか!?酷い、なんて事を。」

P「い、いや。直接吸ったわけじゃ無いぞ?前に可憐がこの車に乗った時、匂いが残ってたらしくて。すごく気になるって言うから、とりあえずこれ付けてみたんだよ。」

静香「なるほど、それで。」

静香「…可憐さんも、この車に乗せた事があるんですか?」

P「ああ、何度かな。そうそう、今使ってるアロマのリキッドは可憐から貰ったやつなんだよ、いい香りだよな。」

静香「そうですね。」

静香「…」

P「ん、暑いならエアコン消すか?」

静香「いえ…いや、そうですね。お願いします。」

P「ちょっと温度上げすぎたか。今日は冷えるし丁度いいと思ったんだけどな。」

静香「ありがとうございます…プロデューサー、窓開けましたし、煙草吸いたいならどうぞ。」

P「え?いや、大丈夫だよ。」

静香「いいんですか、ニコチンって切れるとイライラするんでしょう。それで運転に支障があったらいけませんし。」

P「おいおい、アル中じゃあるまいし。平気だよ、わざわざ気を使ってくれてありがとうな。」

静香「勘違いしないで下さい、プロデューサーじゃなくて自分の安全の為です。」

P「はは、俺はそんなヘビースモーカーじゃないんだけどな。」

静香(可憐さんまで。社用車ならともかく、この車はプロデューサーの私物じゃない。それなのに、プロデューサーの好きにさせないだなんて…。)



静香(みんな、本当に自分優先よね。アイドルなんだから仕事の事で色々言うのはともかく、プライベートな事までプロデューサーに迷惑かけすぎてるわ。)

静香(プロデューサーもプロデューサーよ、甘やかしてばかりなんだから。もっときちんと、線を引かないと。)




静香「…私がしっかりしてないと駄目ね、やっぱり。」

P「ん、何か言ったか?」

静香「いえ、別に。そろそろ着きますよね?」

P「だな。よし、今日もしっかり頼むぞ。」

静香「分かってますよ、いちいち言わなくても大丈夫ですので。」

P「おっと、そうか。じゃあ…良い報告を待ってるぞ。これならどうだ?」

静香「それもなんか違う気がしますけど。まあ、頑張ってきます。」



静香「…色々忙しくなりそうですし、ね。」



おしまい。お目汚し失礼致しました。

こういうのは難しいですね、精進します。

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