【ガヴドロSS】ラフィエル「今こそお話しましょう、わたしの黒歴史を」 (50)

ガヴドロSSです



誰にだって、思い出したくもないような恥ずかしい過去ってありますよね。


そしてそれは多くの場合、自分でも理解できないような突拍子のない行動をしでかしちゃったことや、空回りからくる勘違いを
しちゃった経験から構成されていることでしょう。


まあいわゆる、黒歴史ってやつですね。


この黒歴史。できればなかったことにしたい。記憶から抹消したい。
誰もがそう思ってるのでしょうけど、なかなかそういうわけにもいきません。


それどころか、月日がたち、ほとんど思い出すことなく暮らしていても、ふとした瞬間に脳裏にチラついちゃったりして、
再び、恥ずかしい思いをしたり悩みの種になっちゃったりしちゃう、困った過去の記憶。



今回は、そんな黒歴史に関するお話です。




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天使学校

ラフィ「ガヴちゃん、もしよかったら、一緒に図書館でお勉強しませんか?」


ガヴ「ええ、もちろんですラフィ!ぜひお願いしますっ」


ラフィ「よかった、明日のテストは正直苦手な分野だったんですけど、前日にガヴちゃんと
お勉強できるならばっちりですね」


ガヴ「なにいってるんですか、それはこっちのセリフですよ、ラフィと一緒なら心強いです」



この子は天真=ガヴリール=ホワイトさん。通称ガヴちゃん。


天使学校に入学してからのわたしの一番のお友達…、親友です。


【一緒に図書館へ向かう廊下を歩くガヴとラフィ】


ガヴ「わたしの予想では、あしたの出題範囲はうんぬん…」


ラフィ「ガヴちゃんの予想はよく当たりますからね、ためになります」


ガヴちゃんはとても優秀な天使です。


天使学校での成績は常にトップ。運動はちょっぴり苦手みたいですが、そこはまあご愛敬。
学業に関して彼女の右に出るものはいないでしょう。


そして、そんな自分の優秀さを鼻にかけることもなく、
誰にでも分け隔てなく接するとても優しい精神をもっています。


それだけではありません。

ガヴ「それで…」


ラフィ「……」


ガヴ「うん?どうしたんですか、ラフィ。そんなにずっと私をみつめて」


ラフィ「え、い、いえ別に…」


ラフィ「(……、ガヴちゃん…今日もホント綺麗ですねぇ)」


容姿端麗とは彼女のためにあるような言葉です。


透き通るような白い肌にサラサラできれいな、金髪のロングヘア―。
お人形さんのようなぱっちりおめめの整った顔立ちの美少女。


同性である私ですら、こうして思わず見とれてしまいます。


その美しい碧眼の瞳を見つめていると思わず吸い寄せられるような…

ラフィ「(って、いやいやいや)」


ラフィ「(何考えてるんですかわたしは…!)」


ガヴ「ラフィ?どうしました」


ラフィ「あ、いえガヴちゃん、なんでもないんです、さ、図書館つきましたよ。一緒に勉強しましょう」


ガヴ「ええ」


ラフィ「(……、ガヴちゃんはあくまで親友。仲の良いご学友であっても、そういう対象ではありません
…天使として、不埒なことを考えないように気をつけないと)」



…………

わたしの黒歴史の発端はこの後のことです。



図書館


夕方


ガヴ「今日はこれくらいにしておきましょうか」


ラフィ「そうですね、もうすぐ日も暮れそうですし…、他の方も帰っちゃったみたいですから、
そろそろ帰りましょう」


ガヴ「ええ、今日は勉強に付き合ってくれてありがとうございました。ラフィと一緒に勉強できて、
これで明日のテストも自信がもてます」


ラフィ「あらあら。そんな謙遜しなくていいですよガヴちゃん。成績はガヴちゃんのほうが上ですし、
ガヴちゃんには私のほうがいつも教えられてばかりです」


ガヴ「そんな、何言ってるんですか。ラフィは私が心の底から尊敬する親友ですから、
ラフィと一緒にいるととても勉強になります」

ラフィ「いえいえ、ガヴちゃん、ふふ、まあお世辞でもうれし…」


ガヴ「ほんとのことですよラフィ」


ラフィ「え?」


ガヴ「ホントのことです。わたし、天使学校に入学してラフィと会うことができて…とてもうれしいです
ラフィと一緒にいられて勉強になりますし、毎日がとっても楽しいんですから」にっこり


ラフィ「…」


窓からさす夕日に照らされながら、そんなことをいうガヴちゃん。その彼女が私に向けた笑顔…

そんな彼女をみたわたしは…


ラフィ「(ほんとキレイ…)」

ラフィ「(って、いやいや…だから何考えてるんですか、同性相手に…、もうやめにしましょう、
親友のガヴちゃんをこういう目でみるのは…)」


ラフィ「(てかノーマルですからね、わたしは)」


ラフィ「(なにがあっても、同性の天使に妙な感情を抱くようなことはしません。
まして、相手は親友であるガヴちゃん。そんな失礼なことはしません)


しかし…、オレンジ色に染まる彼女の姿はとても幻想的で…、それが彼女の美しさをよけいに、よけいに、際立たせているようでした。


彼女の私に対するうれしいセリフも相まって、いつも以上に彼女が愛おしく思えます。


そんなガヴちゃんをみて、わたしは、


ラフィ「ガヴちゃん」


ガヴ「え?…っん、」





キスしてしまいました。

がしゃああん!


おもいっきり、椅子からずっこけるガヴちゃん。


ガヴ「え、ええ、ふぇええ!??ら、ら、ラフィ!きゅ、急になにを…!?」


ラフィ「え…あ、あれ…?ああ…」


ラフィ「やっべ…」


ガヴ「やっべ!?え、な、なんですかそれ!」


ラフィ「あ、いけないつい本音が…」

夕日に照らされたオレンジ色から、今度は顔を完熟トマトみたいに真っ赤にするガヴちゃん。


いや、トマトにさせたのは私ですけどね。


ラフィ「(って、やばいですねこれ…、…と、とにかく言い訳を考えないと)」


ラフィ「落ち着いてください…ガヴちゃん…い、いまのは、その、違うんです…そ、そう!挨拶ですよ、挨拶!」


ガヴ「あ、挨拶…!?ど、どどどどういうことですか、それ!?どういうことですか!」


ラフィ「あら知らないんですかガヴちゃん、…下界では、そのキスを挨拶がわりにする国があるんですよ…
だから、それを真似しただけですよ、驚かせてごめんなさい」


ガヴ「あ、挨拶がわり…!?た、確かにそれはわたしも書物で読んだことがありますけど…、
け、けどあれって確か頬っぺたとかに軽くするだけでは…?い、い、今のはその…く、唇に…!」


ラフィ「ああ…、そんなん知ってるんですね…ちっ」


ガヴ「え!?今舌打ちしませんでした!?」


ラフィ「いえ、そんなまっさかあ」

言い訳失敗。次の手を即座に考えます。


結構、頭回るんですよ。わたし。


ラフィ「ええっと…じゃあ、…その違いますよガヴちゃん、親友同士は違うんです!
下界では…、親友同士は…その…、唇でするんですよっ!
互いの唇を重ね合わせて、ちゅっちゅー、ちゅっ、ちゅっ、って、そんな感じであいさつするんです!きわめてライトなテンションで」


ガヴ「え、えええ!?そ、そそそうなんですか!?そんなの初めて知りましたっ!
そ、そうですか…げ、下界ではそれが普通なんですか!?」


ラフィ「ええ、そうなんですよガヴちゃん、ところかまわずちゅっちゅ、するのが普通なようです、面白いですよね」

ガヴ「下界ではそんな風習があるんですね…け、けど、なぜ急に…その下界式の挨拶をわたしに…!?」


ラフィ「え!?いやまあ…、挨拶といいますか…まあ、ガヴちゃんには普段からお世話になってますし…
今日も一緒に勉強してためになりましたから…、まあ、その感謝の気持ちもこめて、というか、そんなうんぬんかんぬんですかね!」


ガヴ「そ、そうだったんですね…!け、けど、なんかその…さっき、『じゃあ』とかラフィが言ったのがすごく気になってるんですけど…それは」


ラフィ「ほらほら、ガヴちゃんもう下校の時刻ですよ、ガタガタいわないでとっとと帰りましょうね」


ガヴ「なんか対応雑になってきてません!?ちょ、ちょっと待ってくださいよラフィ!」

………

その日の夜。


自宅に帰ったわたしは、食事もとらず、そのままベットイン。


就寝したわけじゃありません。


何してたかっていうと、ジタバタしてました。


ラフィ「(あああああああああああ!)」じたばた

ラフィ「(な、なにやってんですかわたし!何やってんですか!わたしはああ!!
親友のガヴちゃんに急にあんな行為をしてしまうだなんて…じ、自分でも理解不能です!)」じたばた


ラフィ「(し、しかも…とっさの嘘の知識でガヴちゃんをだまして、ごまかしてしまいました…親友同士なら、ところかまわず唇でキス!?
下界でそんな習慣あるわけないじゃないですか!しかもわりかし長くしちゃったし!?
ガヴちゃんもガヴちゃんですよ、そんな簡単に信じちゃって!ばか、ばか!)」


ラフィ「(けど、けど!しょうがないじゃないですか!あんな夕日に照らされて、いつも以上に美しいガヴちゃんをみたら、
だれだってそんな気分になっちゃいますもん!
っていうか、わたしが常日頃から、ガヴちゃんの姿に見惚れてたこともバレちゃったのでは!?ああ、だとしたら死にたい!
恥ずかしくて死んでしまいます!)」


ラフィ「(ごめんなさいごめんなさいガヴちゃん!ウソついてごめんなさい!だって、ガヴちゃんとの関係が壊れるのが怖かったんですもの!
それにもう、あんな行為二度としませんからっ!だからもう許してください!)」

ベットの中でふとんにくるまりジタバタしながら、そんなことを考えるわたし。


…まあ、若気の至りってやつです。後にも先にも1回だけですよ、こんなこと。


しかし。この日のことは、私こと、ラフィエルの史上最大の黒歴史。


私は、この日あった出来事の記憶に鍵をかけ、ココロの奥底に沈めてしまうことに決めました。


この恥ずかしい黒歴史を、二度と、思い出さないようにするために。




ところが、まあ、それがまた難しいんですよね。

そして、数年後


舞天高校 図書館


ラフィ「(あっちゃー…)」


ラフィ「(思い出してしまいましたね…黒歴史)」


ガヴ「ラフィエル、ここ教えてよ、全然わからん」


ラフィ「ええと、ここはですね…」


まあ、無理もありません。だって、シチュがあの時と一緒なんですもん…

さかのぼること数時間前

教室

サターニャ「追試だなんて…!ああもう…最悪だわ!グラサンのやつ…大悪魔たる私になんて仕打ちをするのかしら!」


ガヴ「いや、15点の分際でなに偉そうにしてんだよバカ悪魔。その点じゃ追試になって当然じゃんか」


サターニャ「うるさい、20点に偉そうにいわれたくないわよっ!アンタだって追試じゃない!」


ヴィーネ「はあ…、ふたりそろって追試だなんて…無残ね…ちょっとヤバいわよ二人とも。
明日の追試がダメだと、留年する可能性だってあるかもしれないんだから」

サターニャ「そのとおりよ、よくわかってるじゃないヴィネット!勉強教えて!」


ヴィーネ「なんで偉そうなのよまったく…はいはい、仕方ないわね、けど今回はガヴもいるし、ねえ、ラフィも教えるの手伝ってよ」


ラフィ「ええと、それじゃあ、このあと4人でどこかに集まって勉強しましょうか」


ヴィーネ「う~ん、けど、4人集まると結局途中で遊んじゃって、いつも勉強にならないのよね、だから、今回はマンツーマン形式にしない?」


ラフィ「マンツーマン形式?それって」


ヴィーネ「つまり、わたしがサターニャを教えるから、ラフィは…」


……

ラフィ「(ヴィーネさんの案で、ヴィーネさんはサターニャさんを、わたしはガヴちゃんを二人きりで教えることに…、
ガヴちゃんと二人きりでお勉強…、しかも場所をあのときと同じ図書館にしちゃったもんですから…久しぶりに思い出してしまいましたね…あの黒歴史を)」


ガヴ「どしたのラフィエル?そんな険しい顔して…それに、ちょっと顔赤くない?大丈夫?」


ラフィ「い、いえ、別にそんなことは…あはは…」


ラフィ「(いけないいけない…、あんな昔のことを思い返してモンモンとしていては…ガヴちゃんに勉強を教えるのに集中しなければ…)」

あの時と一緒ってことは天界?

ラフィ「(あれ、けど…ガヴちゃんは覚えてるんでしょうか…あの日のこと…、
わたしがあんなことをしてしまったせいで、あの日はひどく動揺しているようでしたが…)」


みなさんご存知のことと思いますが、下界に来てからガヴちゃんは雰囲気が変わりました。

本人は駄天したとかなんとかいってます。


ラフィ「(駄天したからといって、天界のころの記憶がなくなってるわけではないようですが…、
あいまいになってる部分もある気がするんですよね…、それにまあ昔の話ですし、覚えてない…ですよね、きっと)」


希望的観測でしょうか。


ですが、今のガヴちゃんの気だるそうな表情をみていると、あの日の出来事が夢であったような気すらします。

ガヴ「あーあ、追試やだな。明日、学校爆発しないかなぁ」


ラフィ「あらあら、天使がそんなこと言っちゃだめですよガヴちゃん、うふふ。真面目に勉強してください」


ガヴ「ああ、はいはい…」


いやあ、これは覚えてないっしょ。ないない。


そう考えることで次第に平常心を取り戻した私は、ガヴちゃんのお勉強をみることに専念することにしました。

>>20 ごめん、下界の高校内の図書館のつもり

そういえば、ガヴちゃんと二人きりなんて久しぶりのこと。下界に来てからのガヴちゃんは、
同クラのヴィーネさんやサターニャさんといることの方がおおいですからね。


あの時のガヴちゃんとは、雰囲気は違いますが、こうして2人で肩を並べて勉強をしていると、なんだか、
天使学校にいたあのころのことを思い出します。


なんだか、ちょっとだけ、楽しくなってきました。


ラフィ「ガヴちゃん、ここはこの公式をつかってですね」


ガヴ「ええと、これ?」


………

………

数時間後 夕方


ガヴ「ふわあ…できた」


ガヴ「うわ、もうこんな時間…、てか夕日まぶし…
ほら、できたよラフィエル。答え合わせしてよ…ラフィエル?」


ラフィ「すう…すう…」


ガヴ「(………)」


……



……


ガヴ『ラフィ、ラフィ』


あれ、この声…この姿…このガヴちゃんは…天使学校のころのガヴちゃん…?どうしてここに…?


ああ夢ですね、これは。


どうも、ガヴちゃんに問題を解いてもらっているうちに、ウトウトして…つい寝落ちしたようです。

けど、夢とはいえ…このころのガヴちゃんに会うだなんて、久しぶりですね。


ガヴ『ラフィ』



…………

今のガヴちゃんも素敵ですが、


天使学校時代からガヴちゃんを知る私にとっては…、真っ先に思い浮かぶ彼女のイメージは、やっぱこっちのほうですかね。正直なところ。


駄天した今のガヴちゃんをみていても、私には、その内に見え隠れする天界時代のガヴちゃんの姿がチラついてなりません。



天界時代のガヴちゃん。その中でも、あの日の…あの夕日に照らされたガヴちゃんはホントに綺麗でしたね。


っていけない…あの日のこと…思い出しては…、黒歴史なのに…


親友のガヴちゃんにあんな行為をしたうえに、それをごまかすためにつまんないウソまでついた過去。


もう二度と思い出したくない恥ずかしい黒歴史です。

…なんて。


ウソばっかついてますね。わたし。


ガヴちゃんだけじゃなくて、自分にもウソついちゃってます。


黒歴史なんて…ホントはぜんぜん、おもってないくせに。


あの日のことは…、自分史上、最高の思い出として、心の奥底で、大事に大事してるくせに…


不純ですよね…天使のくせに。


情けない限りです。



……夢の中でそんなことを考えてると、


ガヴ「ラフィ」


ラフィ「ふぇ?」

ガヴちゃんに呼ばれ、はっ、と目が覚めました。


ラフィ「(やばい、寝落ちしてました、あやまらないと)」


とっさにわたしを呼ぶガヴちゃんのほうを向きました。


キスされました。

どんがらがしゃああん!


ラフィ「え、ええ、ふぇええ!??が、が、ガヴちゃん!?きゅ、きゅ、急にな、何して…!?」


ガヴ「私を無視して一人で寝てるからだよ、ばか」


ラフィ「ええ!?い、いや、け、けど…い、いまだって、き…キキキ…えええ!?」


ガヴ「ああもういいや、帰るわわたし、もう勉強あきたし。日が暮れてるし、限定クエストあるから、はやく帰らないと」

ラフィ「え、い、いや、ちょ、ちょっと待ってくださいガヴちゃん、だ、だから、い、今のは一体…!一体…!?
そ、それになんかちょっと、不機嫌になってません!?」


ガヴ「ああ、うるさいなぁ」


ガヴ「あのとき、わたしを『だました』仕返しだよ、バカ天使、じゃあな」


ラフィ「!!??」


……それだけいうと、ガヴちゃんは、私の支度を待たず、一人でとっとと家へ帰ってしまいました。

ガヴちゃんがそそくさと一人で帰ってしまったので、一人で下校するわたし。


しかし…


子ども「お母さん、あのお姉ちゃん、お顔真っ赤にして電信柱にもたれかかってるよ、大丈夫かな」


母親「し、みてはいけません、若い子はいろいろあるんだから」



………

ラフィ「ああああああ…」

あまりの予想外の出来事をまえに、ふらふらなわたし。


情けない話なんですが、頭に血が上りすぎて…、歩くのもつらくて…、まっすぐ家にかえれません。


狭い路地にある電信柱に支えられながら、いろいろな想いを張り巡らせます。


ラフィ「(うわあああ、ガヴちゃん…、覚えてたんですね、あの時のこと!あの黒歴史を、ばっちりと!
勝手に忘れてるっしょ☆、とか思い込んで安心してた自分が恥ずかしいっ!!)」


ラフィ「(っていうか『だました』仕返しって…、下界じゃ親友同士はキスが当たり前となんとかの、
私が付いたしょうもないウソもばれちゃってる!
そりゃそうですよね、下界で暮らしはじめたら、そりゃ気づきますよねっ!!)」


ラフィ「(ああ、どうしましょう、ガヴちゃんには数年越しに、嘘がばれちゃいました!

…キスするためにつまんないウソついて自分をだましたしょうもない色ボケ天使って思われてるんでしょうか!)」

ラフィ「(けど、けどですよ!ガヴちゃんのほうから、まさかあんなことしてくるだんて!なんですかあれ!どういうことなんですか!
仕返しって、…そんな仕返しがありますか!仕返しになってないですもん!久しぶりにドキドキしちゃいました!)」


ラフィ「もうガヴちゃんのばか!今更、どういうつもりなんですか!なんでほどよい距離関係になってきた今になって、そんなことしてくるんですかもう!!」


ラフィ「どうせ駄天したガヴちゃんの気まぐれなんでしょうけど…、いやわかってるんです、わかっってるんですけどねっ!
あああなんかもう、今更ちょっと期待しちゃったりしてる自分が恥ずかしいし、なんかくやしいっ!!)」へなへな


ガヴちゃんの思いもよらない行動を改めて思い返し、わたしはとうとう電信柱の前でしゃがみこんでしまいました。


顔が熱い…帰れませんよこんなもの…


あの日の黒歴史の出来事。


あの時やらかした私の行い。思い返せば、その行いを深く反省はしていましたが、特に裁かれてきたことはありませんでした。


今になって、その時のしっぺ返しにあったような気分です…。

ラフィ「ああもう…!ガヴちゃんのばか…ばかあ…」





だれにだってある黒歴史。


そんな黒歴史を恥ずかしい過去と感じつつも、記憶から抹消することもせず、どこか大切な過去として大事に大事にしてるアナタ。


そんなあなたは、ふとした時にその黒歴史に関連した出来事に出会い、もう一度、恥ずかしい想いをしたり、悩まされたりするかもしれませんよ。


それが嫌なら、その記憶を共有する人との関係を断ったり、記憶を連想させる場所に行かないようにしたり、


とにかく、なんとかして、その記憶を脳裏から完全に消し去る努力が必要なのかもしれませんね。


まあ………、私には到底できそうにありませんけど。



今回のお話はまあ、こんなところです。


それではごきげんよう。またどこかの機会でお会いしましょう。


…………

…………

……



………



とある公園



ガヴ「………」



ベンチに一人座り込むガヴリール


ガヴ「って…」


ガヴ「(ああもう…、な、何やってんだわたしはあ…!)」

ガヴ「(図書館でラフィエルと二人きりで勉強とかラフィエルのあほ!おもわず!あの時の私の『黒歴史』を思い出しちゃったじゃん!)」


ガヴ「(あのドSアホ天使の『たった一回の気まぐれ』に勘違いしまくったあの『黒歴史』を!!
ああもう、過去に戻れるんなら、あの時のバカな自分をひっぱたきたい!!)」


ガヴ「(っていうか、ラフィエルもラフィエルだ!わたしはこんな気持ちになってんのに、余裕しゃくしゃくで平然としてて、あげく眠っちゃうし!?

そんで夕日に照らされたラフィエルみてたら…なんか、あの日のことよけいに思い出して…、なんかモヤモヤして!?今回は、私のほうから
あんなことしちゃうし!?


ガヴ「ああもう…!今更なにやってんだよわたし…」


ガヴ「あのバカの気まぐれをわたしが、いまだに引きずってるみたいでなんか悔しいし、もう恥ずかしい…!死にたい!ラッパ吹きたい!ああああもう!」

ガヴ「勉強なんか全然頭に入んなかったし!どうすんだよ、明日の追試!?」


ガヴ「それもこれも!あの日、あの時、あんなことしてわたしを勘違いをさせて、『だました』 ラフィが悪いんだあ、
一生の不覚だ、あんな黒歴史…、あああ…!」もじもじ


子ども「お母さん、あのお姉ちゃん、顔真っ赤にしてベンチに座りこんでもじもじして、一人でなんかしゃべってるよ、大丈夫かな」


母親「し、みてはいけません、いろいろあるのよあの年頃の女の子は」





天真=ガヴリール=ホワイト。追追試決定。(サターニャ、追試合格)

…………



…………


※以下、ガヴリールの黒歴史




さかのぼること数年前…天界時代


ガヴリール宅


ガヴ「…」がちゃ



ハニエル「おかえりガヴお姉ちゃん、今日は遅かったんだね、御飯できて…」



ドたどたどた、ばたん!



ゼルエル「なんだアイツ、ただいまも言わないで部屋にかけこんで…」



ハニエル「何かあったのかな…?」


ベットにかけこんでジタバタするガヴリール


ガヴ「~~~~~~~!!!」ばたばた


ガヴ「(ああもう、ラフィ!ラフィ!なんですかあれ!なんですか!?」


ガヴ「(今日は急にどうしちゃったんですか、と、図書館で、一緒に勉強してたら…、急に…、き、き、キスとか…きゃああ!
一体どうしちゃったんですかラフィは!?)」

ガヴ「(下界では、親友は、唇同士でちゅっちゅしちゃう…とか!なんですかそれ!

そんなのあるわけないじゃないですか!

あの聡明で思慮深いラフィが、そんな誰も信じないようなウソつくなんて、んもう、ばか!!ばか!
もっとましなウソついてください、全然頭回ってないですよ、ラフィのばか!)」


ガヴ「(そんなのだめですよラフィ、私達、天使なのに!女同士なのにっ!清い天使なのに!そ、それにわたし、その、の、のーまるですしっ!

けど、あんな夕日に照らされた美しいラフィに、あんなことされたら誰だってドキドキしますよね、ねえ!

それに、常日頃からわたしが、ラフィの美しさに見惚れてるのも、ラフィにはお見通しなんでしょうか!?
だとしたら恥ずかしくて死んでしまいますっ!


ガヴ「(ああ、なんてことでしょう…天使学校にはいって、ずっとあこがれだったラフィの親友になれただけでもうれしかったのに…!
あのラフィにあんなことされるだなんて…!

って、ことは…ラフィは、わ、私にそ、それ以上の…、親友以上の関係を望んでる、ってことなんですか!ええええ!?)」


じたばたじたばた…!

ガヴ「(どうしましょうわたし…、ラフィが明日から、今以上の関係を求めてくることになったら……、
親友以上っていったら…そ、そそれはもう…、ここ恋人同士ってことに…
これから毎日、図書館に誘われて、今日みたいなこといっぱい…ど、ど、どうしましょう…!


ガヴ「(わたし、わたし…、こ、拒む自信がありませんっ!)」


ガヴ「(っていうか、そんなことになったら嬉しくて死んじゃ…、ってきゃあああああ!何考えてんですか、わたし!もう、ラフィのばか!ばか!)」


じたばたジタバタ…!


ゼルエル・ハニエル「………」


ガヴの部屋の前で聞き耳をたてるゼルエルとハニエル


ゼルエル「…どうだ」


ハニエル「なんかぶつぶついいながら、ベットでジタバタ暴れてる音が聞こえる…ホントどうしたんだろうガヴお姉ちゃん
学校で何かあったのかな」


ゼルエル「…いや、とりあえずよくわからんが、家族会議だなこれは…お父さんとお母さんを呼んできてくれるか」


ハニエル「うん、わかった…けど、ガヴお姉ちゃん、ほんと大丈夫かな…」


ゼルエル「まあ…、多分大丈夫だとおもうが…いろいろあるんだこれくらいの歳のころはな…お前もそのうちわかるようになるさ、ハニエル」


ハニエル「そっか、難しいお年頃なんだね」





………


ガヴ「ああもう、ラフィのばかっ!明日からわたし、どうしたらいいんですか!
駄目です、女の子同士なのに、ばか!ラフィのバカ!!きゃああ!」ごろごろごろ…





……だれにだってある厄介な黒歴史のお話








おしまい

ゆるゆりな短めのガヴラフィのお話。

よかったら感想お待ちしてます。

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