サウル「おお、神よ……」ドロシー「またやってるんですか」 (15)

サウル「またとはなんですかドロシー、これは神に仕える者として必然の行為……」

ドロシー「必然じゃないですー」

サウル「……ああ!! ドロシーと話してる間に女性が行ってしまったではないですか!!」

ドロシー「よかったですねー」

サウル「ぐぬぬ……」

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サウル(おかしい……私は何故こうも上手くいかないのか……)

サウル(今じゃ仲間の中での私のイメージは『エセ神父』、『ナンパ男』……)

サウル(しまいには仲間の女性に近づこうとすると逃げられる始末……)

サウル(どうにかして私のイメージを変えなければ……)

ドロシー「なにボーッとしてるんですか?」

サウル「……ん?」

ドロシー「はい?」

サウル(今、唯一私に近づいてくれる女性はドロシーだけ……)

サウル(ということは……)

サウル(……)

サウル(……)

サウル「そうか!!」

ドロシー「!!!?」ビクッ

ドロシー「ちょっと! 脅かさないでくださいよ、びっくりしたじゃないですか」

サウル「ああ、すまなかった」

サウル「……と、それはともかくドロシー。 喉、乾いてませんか?」

ドロシー「私ですか? まぁ確かに……」

サウル「そうでしょう。 では飲み物を持って来ますよ」

ドロシー「え、いいですよ。 私、自分で持って来ます」

サウル「まぁまぁそう言わずに。 先程の戦闘で疲れてるでしょうし」

ドロシー「……」

サウル「どうぞ」

ドロシー「……ありがとうございます」

ドロシー「……」ゴクゴク

ドロシー「……どういう風の吹きまわしですか?」

サウル「?」

ドロシー「いつもの神父様だったら私にこんな事しないですよね」

サウル「……ドロシー、私は気づいてなかったのです」

ドロシー「はい?」

サウル「私の一番身近にいる女性……それはドロシーだということを」

ドロシー「……!!」

サウル「私と多く話してる人も……」

サウル「私のナン……布教を止めてるのも……」

サウル「ドロシーではありませんか」

サウル「こんな日頃お世話になってるのなら……私も恩返しをしないといけない」

サウル「私はそう思ったのです」

ドロシー「……」

サウル「さて、次は……」

サウル「肩でも揉みましょうか」

ドロシー「!!」

ドロシー「なっ……」

サウル「どうです? こってないですか?」

ドロシー(近い!!///)

ドロシー「なんでいきなり肩揉んでるんですか!! こってるなんて一言も言ってませんよ!!」

サウル「おっと、失礼しました」

ドロシー「……ったく」

サウル「……ドロシー、私にして欲しいことはないですか?」

サウル「料理でも作りますか?」

ドロシー「……いいです」

サウル(ふふふ……どうです、仲間の皆さん)

サウル(この光景を見た女性の方達は恐らく……)

サウル(『まぁ、サウルさん素敵』『本当はあんなに優しい人だったのね』と見直すに違いない)

イグレーヌ(また何かやってるわ)

セシリア(彼女……嫌そうね)

サウル「……」

サウル(心なしか変な目で見られてるような)

別の日

サウル「ふうむ……特に大きな変化はない」

サウル「この作戦は失敗だったか……?」

ドロシー「……」

サウル「おや、どうしましたドロシー」

ドロシー「お金渡すんでお菓子買って来てください」

サウル「はい?」

ドロシー「わ、私に尽くすって言ったじゃないですか!!//」

サウル「いや、そんな事言ってませんよ!!?」

ドロシー「!! い、いや!! だからあれ、恩返し!! 恩返しって言ったじゃないですか!!」

ドロシー「いいから早く!! 買って来てください!!」

サウル「……やれやれ、しょうがないですね」









ドロシー「……」

サウル『こんな日頃お世話になってるのなら……私も恩返しをしないといけない』

サウル『私はそう思ったのです』








ドロシー「……」

サウル「買ってきましたよ」

ドロシー「……ありがとうございます」

ドロシー「……あれ」

ドロシー(私、お菓子としか言ってないのに……これ、私の一番の大好物だ)

ドロシー「……神父様、どうしてこれを買って来たんですか?」

サウル「どうしてって……ドロシーの大好物だからですよ」

ドロシー「知ってたんですか?」

サウル「知ってますよ。 どれだけ一緒にいると思ってるんですか」

ドロシー「!!」

ドロシー(知ってくれてた……神父様が……私のことを……)

ドロシー(私の事を……ちゃんと見てくれてるって事なのかな?)

ドロシー「……」

サウル「さて、次はなんですか?」

サウル(こんな無意味な事、早く終わらせたいのですが……)

ドロシー「神父様」

サウル「なんです?」

ドロシー「……好きです」

サウル「へ?」

ドロシー「だ、だから!! 好きだって言ったんです!!」

ドロシー「神父様はいつも変態で……女の人ばっかと話して……」

ドロシー「好きになる要素なんて……どこもないのに……」

ドロシー「なのに私は……神父様の事を考えると……何故か……」

ドロシー「胸が……苦しくなって……」

サウル「……」

ドロシー「……って言うのはどうですか!!」

サウル「は?」

ドロシー「ほ、ほら!! この間神父様も私を騙したじゃないですか!! だからお返しです!!」

サウル「いや、騙すも何も私はドロシーを騙そうとした事は一回も……」

ドロシー「じゃあ私もう行きますんで!! もう私の為にあれこれしなくていいですからね!!」ダッ

サウル「あ……ドロシー!!」

サウル「……」

サウル「……よく分からないが……この作戦は失敗のようですね」













ドロシー「……」

ドロシー「……バカ」

ドロシー「私のバカ……」

サウル「……おや、あそこに美しい女性が……」

サウル「やはり私にはこれしかありませんね」

サウル「……ああ神よ、今日という日の出会いに……」

終わり

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