エレン「……お前そんな喋り方だったか?」 (109)

エレン「!よぉ、アニ」

アニ「エレン……何か用か?」

エレン「あぁイヤ、昨日は……って、あれ?」

アニ「?どうしたんだ?」

エレン「……お前そんな喋り方だったか?」

アニ「そんな喋り方?何言ってんだあんた」

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エレン「イヤ、なんつーかもう少し……」

アルミン「あれ。おはよう、エレン、アニ。そんなところで何してるの?」

エレン「!アルミン、ちょうど良かった。ちょっと耳貸してくれ」

アルミン「え?何……」

エレン(アニの様子が何かおかしいんだよ。
    ただ、オレの気のせいかも知れねぇから、お前も判断してくれねぇか?)

アルミン(様子がおかしい?それってどういう……)

アニ「オイ、何こそこそ話してるんだ?」

アルミン「……えっ?」

アニ「さっきから様子がおかしいが……変なもんでも食ったのか?」

アルミン「…………」

エレン(な!変だろ?)

アルミン(確かに、これは……)

アルミン「えーっと、アニ?何かあったの?」

アニ「それはこっちのセリフなんだが……。私は別に変わらないだろ?」

アルミン「イヤ……あぁ、うん。ごめん、なんでもないよ。
     それよりホラ、もうすぐ朝食の時間だ。食堂に行こう」

アルミン(エレン、また後で話そう)

エレン(あぁ……)




ミカサ「おはよう、エレン、アルミン」

エレン「よぉ」

アルミン「おはよう、ミカサ」

ミカサ「……エレン?どうかした?何かあったの?」

エレン「!あぁ、まぁな……ちょっと気になることがあってよ」

ミカサ「気になること?」

エレン「アニのことなんだが、どう説明すりゃ良いのか……」

ミカサ「アニがどうかしたの?」

アルミン「なんというか、口調がおかしいんだ。
     上手く言えないんだけど……男っぽくなってるとでも言えば良いのかな」

エレン「あぁ、それだ!男っぽくなってるんだ」

ミカサ「……?大した変化じゃないように思えるけど……」

エレン「いいや、お前も話してみればわかるぞ。すっげぇ違和感あるから」

ミカサ「まぁ……機会があれば」

エレン(しかし、そうだな……よし。対人格闘の時にでも、修正するように言ってみよう)




対人格闘術訓練、直前

エレン(アニは……居た、あそこだ)

エレン「オーイ、アニ。今日も一緒にやろうぜ!」

アニ「はぁ……飽きないんだな、あんたも」

エレン「そうだ、アニ。今朝言ったことなんだが……やっぱりお前そんな喋り方じゃなかったよな」

アニ「は?」

エレン「男っぽい口調になってるんだよ、お前。自分でわかってないのか?」

アニ「男っぽい口調って……私は初めからこうだろ?」

エレン「!ホラ、今の『だろ?』ってのも、いつもなら『でしょ?』だと思うんだが」

アニ「……あんた本当に体調でも悪いんじゃないのか?」

エレン「今のもだよ!『じゃないの?』だろ、いつものお前なら!」

アニ「はぁ……。訓練する気がないんなら私はもう行くが、良いよな?」

エレン「待てって、オイ!その前にその喋り方なんとかしてくれ!違和感がすごいんだって!」

アニ「……じゃあどうすれば良いんだ」

エレン「イヤ、もう少し女子っぽいっつーか……。そんな感じだったろ、前は……」

アニ「は?意味わからねぇこと言うなっての。付き合ってられねぇ……もう行くぜ」

エレン「!?」

エレン「な、なんだよそりゃ!お前……悪化しちゃってるじゃねぇか!」

アニ「じゃあな」

エレン「オ、オイ!……くそっ!」

エレン(なんだよ今の……!あれじゃあまるでユミル……)

ユミル「…………」

エレン「!ちょうど良かった!オイ、ユミル!」

ユミル「?なんだよ、何か用か?
    あー……言っとくが、私はお前みたいなヤツと真面目に訓練する気はないからな」

エレン「イヤ、そうじゃなくてだな……。
    お前、アニのヤツが変になってることについて何か知らないか?」

ユミル「は?アニがどうしたって?」

エレン「あ……い、いや。知らないなら良いんだ……すまん」

ユミル「……?用が済んだんならもう行くぞ」

エレン「!ちょっと待てよ。お前、この時間どうするつもりなんだ?」

ユミル「あぁ?対人格闘なんか適当にサボるに決まってんじゃねぇか」

エレン「お前なぁ……。クリスタと組んだりはしないのかよ?」

ユミル「はッ。誰があんなクソ真面目なヤツと組むか。
    普段一緒に居る分には構わねぇが、こんなことまで付き合ってやるつもりはないね」

エレン「……なんか、あいつのことが好きなのか何なのかよくわかんねぇヤツだなお前」

ユミル「は?私がクリスタを好き?本気でそう思ってんのか、なぁエレン?」

エレン「いや、まぁ……。別に滅茶苦茶好きってわけでもなさそうなのは分かってたが」

ユミル「何言ってんだお前。滅茶苦茶好きに決まってんだろ。クリスタまじ女神愛してる」

エレン「!?」

エレン「い、今なんて言ったんだ、お前……?」

ユミル「クリスタぺろぺろしたい結婚したいと言ったんだが」

エレン「は!?お前何言って……!」

ユミル「おっと、こうしちゃ居られない!
    早くあいつのとこに行ってやらねぇと。じゃあなエレン!」

エレン「オ、オイ!」

エレン(な、なんだよこれ、どうなってんだ……!?
    ユミルまでおかしくなりやがった……!)




夜、食堂

エレン「——なんてこった……」

アルミン「エ、エレン、何か知ってるの?
     あの2人……ユミルとアニの様子について、何か……」


ユミル「ほらクリスタ!私が食べさせてやるからさ、口開けろ口!」

クリスタ「ちょ、ちょっとユミル恥ずかしいよ……!自分で食べられ、もがっ……」


ライナー「アニ、お前……頭でも打ったのか……?」

アニ「は?なんじゃいワレ言うことあるならはっきり言わんかいコラおぉ?」

ミカサ「今なら、エレンとアルミンが今朝言ってたことがはっきりわかる……。
    確かにアニは喋り方がおかしい」

アルミン「お、おかしいなんてレベルじゃないよ。
     今朝はここまでじゃなかったはずなのに、一体どうして……」

エレン「あいつ、今日1日の間にどんどん悪化していきやがった……。
    何度も直してやろうとしたのにまるで意味なかったぞ……くそっ」

ミカサ「それにユミルも……」

ユミル「オイ、良いこと思い付いたぞクリスタ!口移しで食わせてやるよ!」

クリスタ「えっ!?ユ、ユミル、待っ、んむ〜〜〜〜っ!?」

ジャン「何やってんだあいつら……イカれちまったのか……?」

コニー「オ、オイ!あいつらってそうだったのか!?そういう関係だったのか!?なぁ!?」

サシャ「ひえぇ……なんだかすごいことになってますね」

ミカサ「だけど何故、こんなことに……?」

エレン「どうすりゃ良いんだ……。な、なぁアルミン、何か分かったりしないか?」

アルミン「た……確かエレン、何度もアニの口調を直そうとしたって言ってたよね。
     もしかしたら、そこに何か口調が悪化した原因があるのかも知れない。
     ユミルがおかしくなった瞬間を見たのもエレンだし。
     直前の会話なんかを思い出せば、何か手がかりが……」

エレン「!い、言われてみれば直そうとするたびに悪化したような……。
    会話の内容か、確かにそれは考える必要がありそうだな。
    しかし流石だな、アルミン!お前が協力してくれるとやっぱすっげぇ頼りになるよ」

アルミン「っていうかなんで僕ばっかり頼るの?殺すよ?」

エレン「!?」

ミカサ「アルミン……?」

アルミン「何かあるとすぐアルミンアルミンってさぁ〜。
     僕は便利屋でも何でも屋でもないんだよ?僕の迷惑とか考えたことある?」

エレン「い、いや、その……すまん……」

アルミン「僕に頼らないで自分でなんとかしてよ。僕もう一切協力とかしないから。
     部屋に戻ってもう寝るよ。じゃあね、ばいばい」

エレン「ア、アルミン!」

サシャ「い……行っちゃいましたね」

エレン「まさかアルミンがあんな……くそっ!
    オレはあそこまでアルミンを追い詰めてたのかよ……!」

ミカサ「いや……違う。そうじゃない。
    アルミンは、アニやユミルと同じ……おかしくなってしまったんだと思う」

エレン「え!?そ、そう、なのか……?」

ミカサ「あなたは罪悪感で気付いてないかも知れないけど……
    さっきのアルミンの豹変ぶりは異常だったし、それにアルミンはあんな暴言を吐くような人間じゃない。
    そのことはエレンもよく分かってるはず。違う?」

エレン「っ……そ、そりゃ確かにそうだが……」

ミカサ「私は、アルミンをあんな酷い人だと認めたくない。私は……友達を信じたい、信じる。
    だからエレン……あなたも。信じるべき……信じて、アルミンのことを。
    ……だから、エレンは……つまり、悪くない。
    自分を責めるべきじゃない……と、私は思う」

エレン「ミカサ……。……そうか、そうだよな。
    アルミンはあんなヤツじゃない……それはオレたちが一番わかってることじゃねぇか」

エレン「お前のおかげで思い出せたぜ。ありがとな、ミカサ」

ミカサ「そう……良かった」

サシャ「いやぁ、ミカサは本当にエレンのことが大好きなんですねー」

エレン「は……?なんでそうなるんだよ。
    オレがアルミンを誤解してたから、ミカサはそれを解いただけだろうが。
    アルミンのためであって、別のオレのことが好きとかそんなんじゃねぇよ」

サシャ「あははっ、わかってますよ。
    ミカサはエレンもアルミンもどっちも大好き……」

ミカサ「そんなことはない。私はエレンのことを何より大事に思ってるし愛してる。
    エレンはナンバーワンでありオンリーワン。
    だからエレンに暴言を吐く人間は絶対に許さない。たとえそれがアルミンでも」

エレン「!?」

エレン「は!?何言ってんだお前!さっきと言ってることが全然違うじゃねぇか!」

ミカサ「ちょっとアルミンのところに行ってくる。しかるべき報いを……」

エレン「待てよミカサ!」

ミカサ「離して、エレン。私はアルミンをギッタギタに……」

エレン「バカ!行くなって言ってるだろうが!」

ミカサ「あっ……ごめんなさい、エレン。私はあなたから離れるべきじゃなかった」

エレン「は……?うわっ!?オ、オイ、ミカサ!?抱き付くな!オイ!」

サシャ「え、えーっと……?」

ミカサ「あぁ、エレン……もう離さない」

エレン「やめろって!ちょっ、いい加減に……!」

ジャン「オイ……何やってんだ、お前……?」

エレン「!?ジャン!?」

ジャン「前からべったりだとは思ってたが、ついにてめぇ公然と……」

エレン「どう見てもくっ付いてんのはミカサだろうが!
    も、もうこの際お前でも良い!頼む!こいつを引き離すのを手伝ってくれ!」

ジャン「何……?そ、そりゃ構わねぇが……」

エレン「サシャ!お前も手伝ってくれ!」

サシャ「えっ?は、はい!」

サシャ「よく分かんないけど分かりました!
    えーっと、それじゃあミカサ、失礼します!」

ミカサ「っ!」

サシャ「ふんぬぐぎぎぎ……!」

エレン「頑張れサシャ!ジャン、お前も早く手伝えっての!」

ジャン「お、おう!悪く思うな、ミカサ!うぉおおおおお!」

ミカサ「うぬぬ……!」

エレン「よし良いぞ!もう少しで……おらぁあ!!」

ミカサ「あっ……!」

エレン「やった!離れた!」

ミカサ「やだ、エレン……!」

サシャ「わあっ!?ひ、引きずられる!」

ジャン「嘘だろ!?こっちは2人がかりだぞ!?」

エレン「マ、マジかよ……!」

エレン(くそっ、どうする……!こりゃどう見ても、ミカサまでおかしくなっちまってる!
    早く元に戻してやらねぇと……!しかし一体どうやって……。
    !そ、そうだ、確かアルミンがおかしくなる直前に重要なことを……)

ミカサ「エレン……はぁはぁエレン……」

エレン「うぉおおお!?どんどん迫ってくる!」

エレン(どうする、オレだけ逃げるか!?イ、イヤ駄目だ!
    逃げたりなんかしたら、今のミカサは何をしでかすかわからん!
    しかしこんな状況で落ち着いて考えることなんかできるのか……!?)

エレン「くそっ、もう少しで何か分かりそうなのに……!」

アニ「おどれら何やっとんじゃい」

エレン「!?アニ……だ、だからなんだよその喋り方!男っぽいってレベルじゃねぇぞ!
    思いっきり男じゃねぇか!男にでもなるつもりかよ!?」

アニ「あぁ?どう見てもか弱い乙女やろがいてまうぞコラ」

エレン「か弱い乙女はそんな喋り方しねぇ……はっ!」

エレン(そうだ、思い出したぞ!
    昨日の夜、アニについてのそういう会話があったような……!)




昨日の夜

コニー「すっげぇ怖かった……アニのヤツ……」

ジャン「オイオイ、大丈夫かよコニー」

エレン「ん?なんだ、コニー。アニと何かあったのか?」

コニー「イヤ……。たまたま用事があってアニと話してたんだが……。
    その時になんとなく身長のこと言ったらもの凄い顔で睨まれてさ」

ライナー「あー……そりゃお前が悪い。
      あいつは身長をバカにされるのを嫌がるからな。なぁエレン」

エレン「あ、あぁ。しかしそこまでビビるとは、よっぽど怒った表情だったんだよな。
    もしかしてコニー、身長の他にも何かまずいこと言ったんじゃないのか?」

コニー「いや、身長の話しかしてねぇはずだけどな……」

ジャン「そりゃあアレだ。チビのコニーにバカにされたってのが腹立ったんだろ」

コニー「うるせぇな!つーかバカにしたつもりもねぇよ。
    言ったのは確か、お前って結構背ぇ低いよな……とか、
    娘は父ちゃんに似るって言うけど父ちゃんはチビなのか、とか……」

エレン「……どう考えても2つ目だろ。親父さんをチビ呼ばわりは良くねぇよ……」

ライナー「あぁ。それに俺の考えが正しければ、あいつは結構父親のことが好きと見た」

コニー「えっ、そうなのか?」

ライナー「あぁ。『お父さん』って呼んでたしな。
     嫌いな父親ならそんな呼び方はしねぇだろ?」

コニー「いや、身長の話しかしてねぇはずだけどな……」

ジャン「そりゃあアレだ。チビのコニーにバカにされたってのが腹立ったんだろ」

コニー「うるせぇな!つーかバカにしたつもりもねぇよ。
    言ったのは確か、お前って結構背ぇ低いよな……とか、
    娘は父ちゃんに似るって言うけど父ちゃんはチビなのか、とか……」

エレン「……どう考えても2つ目だろ。親父さんをチビ呼ばわりは良くねぇよ……」

ライナー「あぁ。それに俺の考えが正しければ、あいつは結構父親のことが好きと見た」

コニー「えっ、そうなのか?」

ライナー「あぁ。『お父さん』って呼んでたしな。
     嫌いな父親ならそんな呼び方はしねぇだろ?」

連投失敬

エレン「言われてみりゃそんな気もするな、確かに」

コニー「そ、そうか。あいつ父ちゃんっ子だったのか……じゃあ悪いこと言っちまったな」

ジャン「しかし『お父さん』とは……また随分と可愛らしい呼び方をするじゃねぇか」

エレン「可愛らしいと言えば……あいつ、配給のパンを受け取る時両手で受け取ってたな。
    かなり昔の話だが、たまたま見たことがある」

ライナー「ほう……両手でとは、そりゃまた意外だな」

コニー「なんだ、アニって思ったより女子っぽいんだな。オレ全然知らなかったぜ」

ジャン「そりゃあの目つきに態度だしな……。
    へっ、しかしあいつの意外な一面を知れただけでも結構面白いネタじゃねぇか」

ライナー「だが間違ってもあいつに言ったりするなよ。
     女子っぽいだの可愛らしいだの言っちまったらどんな蹴り技が飛んでくるか分からんぞ」

エレン「別にそこまで怒ったりはしねぇと思うが……」

アニ「…………」

エレン「うわっ!?ア、アニ!?」

ライナー「い……今の話、聞いてたのか?」

アニ「……さぁ」

コニー「えっと、さ。その……わ、悪かったよ、アニ。
    まさかお前が父ちゃんっ子だったなんて思わなくてさ。
    でも、別にお前の父ちゃんをバカにしたわけじゃ……」

ジャン「オイ、バカ!余計なことを言うんじゃねぇ!」

アニ「…………」

エレン「い……行っちまった」




エレン(そうだ、その時からだ!アニの様子がおかしかったのは!
    それで今朝話したら口調がおかしくなってて……!
    わかったぞ、アルミンが言ってたのはこのことだったのか!)

アニ「おう何見とんじゃいワレ。言いたいことがあるんならはっきり言わんかいコラ」

エレン(アニもユミルもアルミンもミカサも、直前に言われたのと逆の状態になってるんだ!
    アニはオレが何回も『もっと女子っぽいはずだ』って言ったから
    言われるたびにどんどん悪化したんだ!だったら……!)

エレン「お前めちゃくちゃ男らしいよな!本当!それでこそお前だぜ!アニ!」

アニ「……え?」

エレン「ど……どうだ、アニ。何か喋ってみてくれ!」

アニ「あ、あぁ……うん」

エレン「やった……!戻ったぞ!やっぱりこれが正しかったんだ!
    そうと分かれば早速ミカサのヤツを……!オイ、ミカサ!」

ミカサ「!何、エレン?プロポーズなら、私はいつでも受ける準備はできてる」

エレン「だよな!お前オレのこと死ぬほど好きなんだもんな!それでこそミカサだ!」

サシャ「えっ!?ちょ、ちょっと何言ってるんですかエレン!?」

ジャン「てめぇ!人にミカサ抑えさせといてふざけんなこの野郎!」

エレン「良いから黙ってろ!なぁミカサ!お前オレのこと大好きだよな!」

ミカサ「……違う。私はエレンが好きなわけじゃない」

エレン(よしっ!)

サシャ「あ、あれ?ミカサが急に落ち着きました……なぜ?」

エレン(良かった、これでミカサも元通り……ん?)

ミカサ「私が好きなのは……」

ジャン「!な、なんだよミカサ?オレに何か……」

ミカサ「私が好きなのはジャン。私はあなたと一緒に内地で快適に暮らす」

ジャン「!?」

サシャ「えぇっ!?ミカサがジャンに抱き付いた!?」

エレン「は!?そ、そこまで極端になるのかよ!?」

ジャン「オ、オオオイ!バ、バカ、お前っ……ミ、ミカサ、お前っ!」

エレン「やめろミカサ!ジャンのヤツなんかにくっ付くんじゃねぇよ!オイ!」

ミカサ「死に急ぎ野郎は黙って。ジャン……私はあなたのことが好き。大好き。愛してる」

ジャン「ちょっ、イヤ、ちょっと待っ、おまっ、ハ、ハハハっ……」

コニー「な、なぁマルコ?さっきから一体何が起きてるのか分からねぇのはオレがバカだからか?」

マルコ「イ、イヤ……。僕も同じだよ。
    まさかミカサがジャンのことを好きだったなんて。
    ジャンがミカサのことが好きだったのは知ってたけど……」

エレン「な、なに!?そうか、お前ミカサのことが好きだったのか!通りで……」

ジャン「……は?誰が誰を好きだって?バカじゃねぇのか?」

ミカサ「……ジャン?」

ジャン「ちっ……くっ付くんじゃねぇよ。離れろ、ミカサ」

ミカサ「え……」

ジャン「はぁ……気持ち悪いヤツに抱き付かれて気分悪くなってきたぜ。
    オレは部屋に戻るが付いてくるんじゃねぇぞ、ミカサ」

ミカサ「ま、待って……ジャン……行かないで……」

マルコ「っ……!?ジ、ジャン、お前どうしたんだ一体……!」

エレン「オ……オイ、マルコ。ジャンのヤツがミカサを好きってのは、確かなのか……?」

マルコ「あ、あぁ確かだ!ジャンはミカサのことが好きなはずだ!なのに……!」

エレン(ってことは……ジャンまでおかしくなっちまったってことかよ!?
    原因はさっきのマルコとオレの発言か……!くそっ、迂闊だった!)

エレン(しかし、どうする……?逆のことを言えば良いと思ってたが、
    まさかミカサがあんな極端になるなんて予想外だ!
    ってことは今のところ元に戻ったのはアニだけ……)

アニ「あ……あのさ、エレン」

エレン「!なんだよ、悪いが今ちょっと……」

アニ「……///」

エレン「は?スラッシュスラッ……。
    あ、あぁ、顔赤くしてんのか……何言ってんだオレ……」

エレン(……って、なんでこいつ顔赤くしてるんだ?)

アニ「あの、さ……。エレン、私のこと心配してくれてたんだよね?」

エレン「そりゃ、そうだが……」

アニ「あ……ありがとう。嬉しかった……///」

エレン「……は!?ど、どうしたんだアニ!様子が変だぞ!」

アニ「いたっ……!い、痛いよ、エレン……。肩、そんなに強く掴んだら……」

エレン「!?お前……はっ!ま、まさか!」

エレン(こ、こいつもミカサと同じで極端になっちまったのか!?
   今度は男っぽくじゃなくて、マジでか弱い乙女になったってのかよ!?)

エレン「ち、ちくしょおぉおおおお!!」

アニ「きゃっ!?エ、エレン……?」

エレン「あっ、すまん、大声出して……って違う!そうじゃない!
   お前そんなか弱くなかっただろ!?なぁ!?くそっ、早いとこなんとかしねぇと……!」

アニ「ぐすっ……エレン、どうしたの?怖いよ……」

エレン「誰だよお前ぇえええええええ!?」

アニ「ひっ……!」

ライナー「オイ待て、エレン!」

ベルトルト「落ち着くんだ、気持ちは分かるけど……!」

エレン「はっ……!ラ、ライナー、ベルトルト……!」

アニ「ひうっ……ライナぁ、ベルトルトぉ、えぐっ……エレンがぁ……」

ベルトルト「あ、あぁ……とりあえず、アニは泣き止もう」

ライナー「エレン、お前もこんな状況で混乱してるのは分かる。
     だがオレたちがしっかりしてないとどうにもならねぇだろ」

エレン「ライナー……そ、そうだよな、すまん……」

ライナー「まずはマトモそうな奴らをここに一旦集めよう。
     おかしくなってる奴も、話が通じそうなら集めるべきだ。
     オイ、アニ。落ち着いたらで良い、話し合いに参加してくれるか?」

アニ「ぐすっ……うん」

ちょいと抜けます
22時頃に多分戻ってきます

コニー「オイ、ライナー!お前らはマトモだよな?」

マルコ「良かった……みんなおかしくなってて、不安だったんだ」

ライナー「無理もないさ。しかしお前らも無事なようで良かった……ん?どうした、エレン」

エレン「あぁ、イヤ。流石だと思ってよ。
    やっぱ同期から信頼集めてるだけあって頼りに……はっ!」

エレン(しまった!こんなこと言ったら、今度はライナーがおかしく……!)

ライナー「なんだ?どうしたエレ……」

サシャ「ぃよいしょお!!」

ユミル「おらぁ!!」

ミカサ「ふん!!」

アニ「ふっ!!」

ライナー「ぐおぉ!?」

エレン「は!?」

ライナー「がはっ……ど、どういうことだ……お前ら、なぜ……」

エレン「オ、オイ!?何やってんだよお前ら!」

サシャ「!あ……あれ?今私……」

ユミル「……なんだ?私、何を……?」

ミカサ「あぁ……ジャンが居ない……ジャンが……ジャンガジャンガ……」

アニ「えっ……?ライナー、どうしたの、ライナぁ……!ふぇええん!」

エレン(ま、まさか……ライナーの場合は周りのヤツらがおかしくなるのかよ!?)

ベルトルト「ラ、ライナー!?オイ、ライナー!息をするんだ!」

エレン「!?」

ライナー「」

エレン「う、嘘だろ!?ライナー!オイ!?」

コニー「だ、大丈夫かよライナー!?」

マルコ「まだ間に合う!蘇生術を!」

ユミル「うわっ、男同士のキスかよ。見たくねぇ」

エレン「お前のせいだろうがふざけんな!!」

ユミル「んなこと言われたって覚えてないしなぁ……」

クリスタ「それでもそんなこと言わないの!
     ユミルのせいでライナーが大変なんだから……!」

ユミル「じゃあなんだよクリスタ。お前は見たいってのか?野郎同士のキスをよ」

クリスタ「べ、別に見たいわけじゃ……そういう問題じゃないでしょ!?」

ユミル「ホラ、クリスタも見たくないってさ」

コニー「お前と一緒にするんじゃねぇよクソ女!」

エレン「クリスタの場合は恥ずかしいからとかそんな理由……はっ!」

クリスタ「そんなことないよ!すごく見たい!
     誰が人工呼吸するの?ベルライ?エレライ?コニライ?マルライ?」

エレン(しまったぁああああ!!)

コニー「は?ベルラ……エレ?……?」

クリスタ「ホラ、早くしないと!ライナーが死んじゃうよ!」

ベルトルト「わ、わかってる!」

クリスタ「きゃーっ!ベルトルトなのね!ベルライなんだ!きゃーっ、きゃーっ!」

マルコ「な、何を喜んでいるんだクリスタ!?ライナーが死にそうだって言うのに!」

クリスタ「しっ!黙ってて!ホラ、唇がもうすぐ……!」

ライナー「ぐっ!?げほっ、げほっ……!」

ベルトルト「うわっ!?い、息が戻った!」

クリスタ「あぁん!もうちょっとだったのにぃ!1人で復活しちゃったぁ……」

ベルトルト「よ、良かった!無事かライナー!」

ライナー「はぁ、はぁ……なんとかな……」

マルコ「しかし、一体どうしたって言うんだ。
    みんな突然ライナーに暴力を振るったり……」

エレン「ま、待てマルコ!下手なことを喋るとまずいことになる!」

マルコ「えっ……?も、もしかしてエレン、お前は何か気付いているのか!?
    だったら早く教えてくれ、僕はジャンやみんなのあんな姿を見ていたくない……!」

コニー「あぁ、そうか……。お前結構ジャンと仲良いもんな。そりゃあ心配……」

エレン「ッ!!駄目だ!やめろコニー!」

コニー「えっ?」

マルコ「は……?別にジャンとかどうでも良いんだけど。
    勝手に向こうが親友の矢印向けてるだけだし……」

ライナー「ま、まさかマルコまで……!」

ベルトルト「なんてことだ……」

マルコ「勝手に親友面されて迷惑してたんだよね、本当にさ。
    僕までジャンみたいなクズと同類だと思われて困るんだよ」

ミカサ「マルコ……許さない。私のジャンにそんな暴言を……」

ライナー「!?ミカサいつの間に……!」

エレン「に、逃げろマルコ!」

ベルトルト「駄目だ、間に合わな……!」

サシャ「ミカサすとぉーーっぷ!」

ミカサ「っ!」

エレン「サシャ!?お前……!」

ミカサ「離して、サシャ……」

サシャ「お、落ち着いてください!駄目ですって!」

ライナー「ま……まともなのか?サシャのヤツは……」

ベルトルト「ライナーの時は一時的におかしくなっていただけ……みたいだ」

コニー「しかし流石だな、いち早く危険を察知するとはよ!
    食欲だけが取り得だと思ってたがやっぱやる時にはやる奴だと思ってたぜ!」

エレン「オ、オイ!!コニーお前また……!」

サシャ「はっ!よく見たらみんなのご飯があんなに余ってる!
    こんなことしてる場合じゃありませんね!いただきまぁあああす!!」

コニー「あ、あれ?サシャ、オイ!お前こんな時に飯なんか食ってる場合かよ!?」

エレン「お前のせいなんだよコニー!良いかよく聞け!こいつらがおかしくなるのは……」

ミカサ「マルコ殺すマルコ殺すマルコ殺す」

マルコ「はぁ……ジャンが好きとかミカサ頭おかしいんじゃないのか?」

エレン「!?や、やばい!」

ライナー「待てミカサ!落ち着けと言ってるだろ!マルコも煽るんじゃねぇ!」

ベルトルト「ぼ、僕とライナーがとりあえずはミカサを抑えてる!
      エレンたちはマルコを連れて逃げるんだ!」

コニー「あ、あぁ!流石お前らだな!体もでかいし、2人とも頼りになる奴だぜやっぱり!!」

エレン「コニぃいいいいいいい!!」

ミカサ「ふん!」

サシャ「どっせい!!」

ユミル「死ね!!」

アニ「ふっ!!」

ライナー「ぐおぉ!?」

コニー「ラ、ライナー!!」

ベルトルト「僕とかほんと駄目……自分の意思無いし……名前も忘れられるし……」

エレン「オイ!しっかりしろベルトルト!
    オレたちがお前の名前忘れたことなんてないだろ!?」

ベルトルト「僕とかほんとベトベトンだし……。あれ?ベトベトンだよね?
      ヘルバルト?アルベルトだっけ?ベルセルク……?」

エレン「ベルトルトだよ!自分の名前だろうが!しっかりしろ!自分を保て!!」

コニー「オ、オイ!どうするんだよエレン!みんなおかしくなっちまったぞ!!」

エレン「お前のせいだよバカ!!大バカ野郎が!!
    事態悪化させるだけなんだからもう何もするんじゃねぇよバカ!!じっとしてろ!!」

エレン(くそっ、どうする!?言ったことと逆になるってんなら、
    なんとか言葉を選べば元のあいつらの状態に近づけることは出来るかも……。
    だがそれじゃ根本的な解決にはならない!原因自体をどうにかしねぇと……!)

コニー「なぁ、エレン」

エレン「は!?なんだよバカ!!またバカなこと言うつもりか!?」

コニー「そうじゃない。原因を解明したから説明する。それに解決策の提示もだ」

エレン「は……?お前何言って……」

コニー「病気だったんだよあいつらは。病原菌もついさっき特定した。
    こいつがその病原菌だ。そして薬もここにある。
    原因の解明から薬の開発まで数秒かかってしまったが……。
    今なら十分間に合うだろ?さぁ、こいつをあいつらに投与するんだ。それで全て解決だぜ」

エレン「!?」

コニー「信じられないか?まぁそうだろうな……。なら証明してみせよう」

エレン「オ、オイ!その注射まさかベルトルトに……」

コニー「その通りだ」チクッ

ベルトルト「ベルサイユ……?レトルト?ベルモンド……?……ベルトルト。え?
      うん、僕の名前はベルトルトだ。あ、あれ?なんでこんなことで頭を悩ませて……」

エレン「!ベルトルト、お前元に戻ったのか!?」

コニー「もう何を言っても異常をきたすことはないぞ。試しに言ってみると良い」

エレン「ベ、ベルトルト!お前って頼りになるヤツだよな!背は高いし運動もできるしよ!」

ベルトルト「え?あ、あぁ、ありがとう……?」

エレン「……!本当に元に戻ってる……。ど、どうなってんだコニー!」

コニー「なんだ、まだ分かんねぇのか?お前のおかげだよエレン。
    お前がオレをバカ呼ばわりしてくれたおかげで、オレは天才的頭脳を手に入れることができた。
    そして薬を開発することができたんだ」

ベルトルト「そ、そうだったのか……!」

エレン「マジかよ、すげ……」

コニー「おっと、褒めるんじゃねぇぞ?褒めたらバカになっちまうだろ」

エレン「!そ、そうか、悪い」

ベルトルト「コニー、治療薬は人数分あるんだよね?
      だったら早くエレンにも打ってあげた方が良いんじゃ……」

コニー「イイヤ、その必要はない。エレンは感染していないからな。
    今までこいつだけ無事で居られたことからもそれは分かるだろ?」

エレン「っ!そ、そうか、確かに……。
    そういうことなら、早く他の奴らを元に戻してやろうぜ!」

コニー「無論そのつもりだ」

今日はこのくらいにしておきます。
明日の夜にまた来ます。

ベルトルト「ま、待ってくれ2人とも!みんなを治すより先にライナーを……!」

エレン「そ、そうか!オイ、ライナー!大丈夫……」

アニ「ふーっ!ふーっ!ふぇええん!やだよぅ、ライナー死んじゃやだぁあ!」

エレン(ア、アニが泣きながら蘇生術をやってる……!?)

ライナー「っ……がはっ!ぜぇ、ぜぇ……」

アニ「!ライナぁ!良かったぁ、良かったぁあ!」

ライナー「うぐっ……さっきまで息が止まってたんだ。抱き付くのは勘弁してくれ……」

アニ「だって、だってぇ……」

コニー「良い雰囲気のところ悪いが……」チクッ

アニ「私、ライナーが生きてて本当に……。…………」

エレン「ア、アニ、元に戻ったのか?」

アニ「…………」

ライナー「やっと離れたか……っと、オイ?お前どこへ……」

ベルトルト「……行ってしまった」

エレン「オ、オイ、コニー!まだ変だったぞアニのヤツ!滅茶苦茶気分悪そうな顔してたし!」

コニー「安心しろ、間違いなく元に戻ってるよ。
    ただ、自分がおかしかった時の記憶はすべて残ってるんだ。
    あの反応も仕方ない。大方部屋にでも戻って気持ちの整理でもつけるつもりだろ」

ライナー「じ、状況が掴めないんだが……お前、コニーか?」

コニー「あぁ、コニーだ。ただしお前らの知るコニーとは違うけどな」

エレン「実はかくかくしかじかで……」

ライナー「あぁ、なるほど……。
     っ!そうだ、それなら早ぇとこミカサのヤツを戻してやろう!」

ベルトルト「し、しかしミカサはマルコを追って……」

マルコ「ミカサならジャンの部屋だよ。『部屋でジャンが待ってる』って言ったら飛んで行った」

コニー「!マルコ、ちょうど良かった」チクッ

マルコ「まったく、あんなクズのどこが良いんだ、か……。
    ……って、いや、何を言ってるんだ僕は!!ジャンが大変だって言うのに……!」

エレン「やった!マルコも元通りだ……!」

コニー「この調子でどんどん行こう」

コニー「次はあいつを元に戻してやろうと思うんだが」

サシャ「ハムッ ハフハフ、ハフッ!!」

マルコ「なんだあの腹の膨らみ!?」

エレン「ほ、放っておけば腹が裂けるまで食い続けそうだな……」

コニー「オイ、サシャ。食うのをやめろ」チクッ

サシャ「むーしゃ、むーしゃ!しあわせーー!!……って、あれ?
    なんで私こんな時にご飯食べて……。
    そ、そうだミカサは……うぷっ!お、お腹が……」

ライナー「腹が落ち着くまではそこでじっとしてろ」

サシャ「す、すみません。そうさせてもらいます……げふぅ」




エレン(!オイ、居たぞ!あの2人だ!)

ライナー(オイオイ、あいつらまさか……)

ユミル「な、クリスタ良いだろ?1回だけ、1回だけだからさ!」

クリスタ「えー?でも私、女の子同士には興味ないんだけどなぁ」

ユミル「まぁそう言わずにさ。私が女の体の良さってのを教えてやるよ」

クリスタ「んっ……もう、ユミルったら。まぁ体験してみるのも悪くないかも……」

コニー「こんなところでナニをする気だお前ら」チクッ

ユミル「は?オイ、バカ。邪魔するんじゃねぇよ。私はクリスタと今夜一線を……
   ……越えてどうするんだよ。な、何言ってんだ私……気持ち悪い……」

クリスタ「ユ、ユミル?え、えっと、私はその、女の子同士って言うのは……」

ユミル「!い、いや待てクリスタ、落ち着いてくれ!私は別に……!」

ベルトルト「…………」

クリスタ「ベ、ベルトルト!?あっ、さ、さっきはその……ち、違うの!
     あれは、えっと……うぅ……なんで私、あんな……」

ベルトルト「あ、あぁ、大丈夫……わかってるよ」

ライナー「オイ、俺はよく知らねぇんだが……クリスタはどうおかしくなったんだ?」

マルコ「知らない方が良いと思うよ……」

コニー「あぁ。それより、次を急ごう」




男子部屋

ミカサ「ジャン、お願い、こっちを見て……私を見て……」

ジャン「あー、さっきからハエがうるせぇな。誰か追い出してくれねぇか?」

ナック「オ、オイ。どうすりゃ良いんだよアレ……」

ミリウス「どうするったって……。追い出そうとしたトーマスがあのザマだぞ?
     オレたちにはどうしようもねぇよ、もう……」

トーマス「巨人が……巨人が……あばばばば……」

サムエル「巨人なんか居ねぇよ!しっかりしろトーマス!オイ!?」

ミカサ「ジャン、お願い……。私は、あなたのためならなんでもする……」

ジャン「ちっ……しつこいぞミカサ。
    なんでもするってんなら今すぐオレの前から消えろクソ女」

エレン「オイ!ミカサに何言ってんだてめぇ!」

ジャン「あぁ?……ったく。またウゼェのが来やがった。オイ死に急ぎ野郎。
    このブスを連れてさっさとオレの視界から消えてくれねぇか?」

ミカサ「そんな……やだ、私はジャンと……」

コニー「見ていられんな」チクッ

ジャン「しつこいって言ってんだろ。
    いい加減離せ体が腐……らねぇよ何言ってんだオレ!?」

ミカサ「…………」

ジャン「オイ、ミカサ!今までの全部嘘だ!!
    な、なんというか、その……す、すまん!!オレは……!」

ミカサ「……良い、わかってる……。おかしかった……私たち、2人とも……」

ジャン「信じてくれ!オレはお前のことそんな風に思ったりはしてねぇ!
    む、むしろオレは……!」

ミカサ「……ごめんなさい。今は……1人にして」

ジャン「ミ、ミカサ……」

ライナー「ジャン……涙を拭け」

マルコ「ぐ……愚痴なら付き合うよ、ジャン」

エレン「オ、オイ、ミカサ……行っちまった」

マルコ(あのミカサがエレンに話しかけずに……よっぽど気まずいんだろうな)

コニー「ところで、訊きたいことがあるんだが……。
    なぁジャン、アルミンのヤツはどこへ行った?」

エレン「え……あっ!?た、確かにアルミンが居ないぞ!
    あいつ、確かに部屋に戻ってるって言ってたのに!」

ジャン「知らねぇよアルミンなんか……。
    あぁあ……くそっ……なんでオレ、ミカサにあんな……」

ライナー「……今のこいつにあまり多くを訊くのは酷だな」

エレン「ジャンが駄目なら……オイ、お前ら!アルミンを見なかったか!?」

トーマス「はっ!エ、エレン……?あれ?オレは一体……」

サムエル「気付いたかトーマス!良かった……!」

ライナー「それは良かったが、とりあえずはアルミンだ!どこに居るか知らないか?」

ミリウス「オレは見てねぇな……お前ら見たか?」

ナック「オレたち結構早く部屋に戻ってきてたんだが、
    アルミンはそもそも戻ってきてないと思うぞ」

ベルトルト「それじゃあ、アルミンは一体どこへ……」

コニー「……まさか!」

エレン「!コニー、何か心当たりがあるのか!?」

コニー「話は走りながらする!付いて来い!こっちだ!」




医務室

アルミン「くくく……できた、ようやく完成だ……」

コニー「やはりここだったかアルミン!」

アルミン「ん?コニー……それにライナー、ベルトルト、エレン。どうしたの、何か用?」

エレン「どうしたのじゃねぇよ!お前……何とんでもないこと考えてんだ!」

ライナー「この病原菌を改悪し撒き散らす細菌テロ……本当にその通りなのか、アルミン!?」

アルミン「へぇ……よく分かったね。そうさ、今ちょうど完成したところだよ。
     僕はこいつを使って訓練兵たちを……いや、全人類を大混乱に陥れる」

エレン「じ、人類を大混乱にだと……!」

ライナー「そんなことが許されると思ってるのか!?」

ベルトルト「…………」

コニー「アルミン、お前は本当にどうしようもないゲス野郎だな。最低最悪のクソッタレだ」

エレン(!そうかコニー!そう言ってしまえば、アルミンはその真逆の性格に……)

アルミン「あぁ……なるほどね。くくっ、そういうことか……」

エレン「え……!?」

アルミン「無駄だよ。僕はもう、何を言われても性格が変わることはない。
     そういう薬を作って、既に打ってあるからね」

アルミン「僕の性格を元に戻すには、治療薬を打つしか手がないよ」

ライナー「なにっ……!?」

コニー「くっ、遅かったか……!」

アルミン「そしてコニー。どうやら僕の行動を見抜いたのは君のようだね。
     病気によって得た頭脳で……ね。ただその頭脳は邪魔だから……」

ベルトルト「っ……!まずい、コニー逃げ……」

アルミン「コニーは本当に天才だ。
     世界最高の完璧な頭脳の持ち主だ。君の頭の良さには誰も敵わない」

エレン「なっ……し、しまった!」

コニー「あうあうあーwwwwwwぱしろへんだすwwwwwwwwww」

ライナー「くっ……!だ、だが同じことだ!今度は思い切り貶せば……」

アルミン「させると思う?」

エレン「……!?お、お前なんだそのマスク……うぐっ!?」

ベルトルト「!?このガス……かっ……かはっ……!」

ライナー「っ……ぐ、がっ……!」

アルミン「あぁ、安心してよ。このガスはすぐ死ぬようなものじゃないから。
     ただ全身の筋肉が弛緩して声すら上げられなくなるだけだ。
     それととりあえずコニー。君には僕の作った薬で、そのままのバカで居てもらおう」チクッ

コニー「wwwwwwwwwww」

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