【艦これ】悪鬼が出るか大蛇が出るか【あんこ】 (117)






大体こんな感じ。自分のコンマを使います

【艦これ】どうなるかなんて知ったことではない【あんこ】
【艦これ】どうなるかなんて知ったことではない【あんこ】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1515067024/)


提督「…………」






【今回は取り敢えずここから】






【提督さんの経歴って】



0.普通
1.普通
2.ルーキー
3.普通
4.普通
5.ベテラン
6.アホ
7.正義
8.畜生
9.普通


【普通の軍人ってどんなだろうか】





提督「そこそこに慣れてきたな、この生活にも」





【能力采配技能】



0.普通
1.普通
2.超絶無能
3.普通
4.やる気無し
5.普通
6.戦える
7.超絶有能
8.普通
9.普通






【切れ者のようです】



提督「気付いたらここまできてた」



【ルックスとか魅力とか】



0.普通
1.ド不細工
2.普通
3.普通
4.普通
5.普通
6.超絶イケメン
7.おっさん
8.普通
9.普通
ゾロ目.魅惑のフェロモン


【普通でよかった】



提督「眠い……ヘリって疲れるなぁ」





【最後に指針を】



0.安穏と
1.安穏と
2.安穏と
3.女
4.安穏と
5.反逆
6.安穏と
7.安穏と
8.深海死ね
9.安穏と
ゾロ目.信条を持たないのが信条




【プロフィール】



提督「戦争が終わるのは、早いに越したこと無い。
でも仮令それが次の世代でも、遺せたってことなんだから」



提督

経歴:平均的軍人
能力:超絶有能
ルックス:普通
人生:安穏といければ


【始まります】



提督「さーて、部下のことを知らないとなぁ」



【同僚って大事、大事】



0.一人
1.二人
2.二人
3.三人
4.一人
5.一人
6.一人
7.一人
8.二人
9.二人
ゾロ目.六人


【無難】



提督「普通だと思うし理解も納得もしてるけど戦闘要員が一人っておかしくないか」



【どうか病みませんように】



0.駆逐艦A
1.軽巡洋艦
2.重巡洋艦
3.戦艦
4.水上機母艦・航空母艦
5.特殊艦・潜水艦
6.駆逐艦B
7.軽巡洋艦
8.重巡洋艦
9.海外


【何か憑いているのかな? 】



提督「一人はおかしいって思ったけどもっと変な状況だった」



【何処からいらっしゃったの? 】



0.伊
1.米
2.露
3.英
4.独
5.伊
6.米
7.露
8.英
9.独
ゾロ目.もちろん初期艦は別ですよ?




【パスタの国からこんにちは】



提督「なるほど……地中海文化なんて知らないぞ、俺」



【記念すべき】



0.Roma
1.Littorio
2.Aquila
3.りべっちお
4.酔っ払い
5.Zara
6.Luigi Torelli
7.Roma
8.Littorio
9.Aquila
ゾロ目.そのコンマ艦(ドS)


【ローマに通ず】


Roma「ヴィットリオ・ヴェネト級戦艦4番艦、ローマです。よろしく。
何? あまりジロジロ見ないでくださいね」

提督「ん、ご挨拶だ。……よろしく頼むよ」



【病むな病むな病むな病むな病むな】



0.普通
1.好き
2.嫌い
3.普通
4.散歩、行くわよ
5.普通
6.好き
7.普通
8.嫌い
9.普通
ゾロ目.残念病みからは逃げられない


【よかったよかった】



Roma「ふぅん? 私を部下にしたぐらいだし有能には見えるけれど……普通ね」

提督「能ある鷹は爪を隠すって言葉、ご存知無い? 」

Roma「知らない。……ま、よろしく」

提督「はいよ」



【さて、お仕事お仕事】



0.出撃
1.哨戒
2.出撃
3.哨戒
4.建造
5.お前さすがに部下足りねぇな
6.出撃
7.哨戒
8.お話
9.出撃
ゾロ目.他の基地で不穏な……


【重くない? 資材足りる? 】



Roma「私、結構派手にやっちゃうけど」

提督「命令には逆らえない。しがない軍人だからね」

Roma「ふん……ま、やれと言われたからには、やるわ」



【かるーくかるーく】



0.勝利
1.Rome was not built in a day!
2.大破撤退
3.勝利
4.大破撤退
5.勝利
6.大破撤退
7.勝利
8.大破撤退
9.残念だけどね、守りが足りない
ゾロ目.生命力一段階上昇


【生命があるだけいいと思うよ】



Roma「ちぃっ、痛いじゃない……覚えてなさいよ」

提督「悪役っぽい台詞だね」

Roma「あぁ? 」

提督「怖い怖い。……やっぱ悪役っぽくない? 」



【あのね……】



0.あなたの指揮だって、関係あるのよ
1.……次はしっかりやるわ
2.これだから東洋人の猿は
3.あなたの指揮だって、関係あるのよ
4.……次はしっかりやるわ
5.あなたの指揮だって、関係あるのよ
6.……護りたいものが、無いから
7.……次はしっかりやるわ
8.あなたの指揮だって、関係あるのよ
9.……次はしっかりやるわ
ゾロ目.箍(1/3)


「次はしっかりやるわ」

彼女の言葉は素っ気無い。
無線で撤退を進言され、素直にそれを飲み込んだ。
上官もそのことには異論は無いようだった。

「あぁ、頼むよ」

悪い女ではないようだけれど、俺に対して特にいい女である必要性も感じていないようだ。

確かに、俺と彼女の関係は男と女ではない。
敵と敵という程険悪でもないが、情愛を交わす程深くもない。

「……都合良く働いてくれるんなら、誰がやっても同じだよな」



ーーーーそう、悪くないのならば、それでいい。それで、いいんだ。


【挫折と展望と】


Roma「ふぅん……これが、シベリヤ」

提督「好きなんだよ、それ」

Roma「名前はどことなく気に入らないけれど、気に入ったわ、Grazie」

提督「それほどでも。紅茶はお前が淹れたやつだしな」



【ゆるゆる二人でいければどんなにか】



0.出撃
1.哨戒
2.出撃
3.哨戒
4.建造
5.お前さすがに部下足りねぇな
6.出撃
7.お話
8.出撃
9.お話
ゾロ目.他の基地で不穏な……


【まさか失敗なんてしませんよね】



Roma「あなたに言っても仕方無いのは分かるけれど」

提督「悪いな。お前一人で哨戒なんてさせる意味は俺も見出せない」

Roma「万が一敵が引っ掛かったとして、勝てると思う? 」

提督「さぁ……見つからない方に賭けようか」

Roma「……はぁ」



【さて】



0.敵影無し
1.敵影無し
2.敵影無し
3.敵影無し
4.死ね
5.敵影無し
6.大戦果
7.敵影無し
8.敵影無し
9.敵影無し
ゾロ目.やっぱ死ーなない


「まぁまぁ……ってとこね」

降り注ぐ銃弾、視界を塞ぐ硝煙、足下の水中を飛び交う魚雷。
飛び跳ねる波飛沫が服に掛かるのも、今ならば不快じゃない。

やってやる、殺ってやるんだ。

私が誰かなんてことは気にもならない些末事。
私は人間ではないかもしれないけれど、古臭くてガタのきた船じゃない。
ましてや戦火に散った想念の亡霊なんかでは絶対に、あり得ない。

私は私。時々何かに囚われて過去とも言えないいつかの記憶に混濁することはあるけれど、違う。
私は、Roma。それ以外になんてなってたまるものか。

「攻撃を開始する。主砲、撃て! 」

無線からは相変わらず撤退を促す声が聞こえたけれど、関係無い。
この私が、一人で地に立った女が、負けたままではいられない。

命令無視なんてものは、知らない。
偉い上官なんてものは、知らない。

敵も上官も、それに国家も同じ。
黙らせれば、いいんだ。仮に私が沈んだのならさようなら。

でも、もし仮に私が私であり続けることが許されるのならーーーー




「新しいスイーツでも……奢らせてあげる」



強い女に傅かせて、貢がせてやろうというのだ。いっそ感謝でもしてほしい。
あぁ、そうだ。私は負けない、沈まない。

必ず帰って、帰って……いや、雑念は不要だ。
目的なんてものは無くたっていい、後からつくればいい。
取り敢えずは、そう……スイーツくらいしか思い付かない自分の間抜けさだって火力に変えよう。





「姉さん? あなたが来る前に、全部終わっちゃうかもよ? 」


【えぇ……】



提督「褒賞が出るってさ」

Roma「ふぅん……あなた」

提督「うん? 」

Roma「怒らないの? 」

提督「何で? お前の戦果は俺の功績だぜ? 」

Roma「そうだけど……でも……いえ、いいわ」

提督「事後処理が大変なのは仕方無い。取り敢えず今は風呂でも行っ

Roma「ワガシ、ってやつが食べたいわ」

提督「は? 」

Roma「二度は言わない。…………あなただって、勝利の女神と勝利の美酒に酔いたいでしょう? 」

提督「酒に合う和菓子なんて……いや、いいさ。用意させておくよ」

Roma「ええ。……じゃ、また後で、提督」

提督「ん」




硝煙と潮とそれから敵性体の返り血と。
物騒で剣呑な臭いを漂わせていたけれど。
確かに、そう。
確かにこの瞬間の彼女はーーーー




提督「勝利の女神…………また、微笑んで、くれるのかな」



【褒賞タイムへ】


【源氏巻です】



Roma「これは……」

提督「ん? 口に合わなかった」

Roma「いえ、美味しいわ。Grazie」

提督「それは重畳」

Roma「でも……vinoに、ワインに合わない」

提督「どっちもお前の指名だけどな」

Roma「……む」



【何かな何かな】



0.艦
1.伊政府から
2.艦
3.艦
4.艦
5.艦
6.新装備です
7.艦と資材と金
8.艦
9.艦
ゾロ目.全部


【妥当といえば妥当】



提督「仲間が増えるぞ」

Roma「ふぅん……来るのは明日以降ね」

提督「そりゃ……飲み過ぎだろうお前」

Roma「うるさいわね。あなたも飲みなさい」

提督「はぁ……書類だけ見させてくれよな」



漸く、漸く彼女を守り守られる仲間が増える。
きっとそれは喜ばしいことだ。

絶対強者の如く波濤に君臨する彼女だけれど、
それは一人で孤独に立つからこその、それは寂しい勇姿だ。

そんな彼女が、守るに値すると、背中を預けるに相応しいと思ってくれればいいのだがーーーー

あぁ、あとそれから。幾許かの資材と、資金もくれるみたいだ。



【今なら何も怖くない】



0.駆逐艦A
1.軽巡洋艦
2.重巡洋艦
3.戦艦
4.水上機母艦・航空母艦
5.特殊艦・潜水艦
6.駆逐艦B
7.軽巡洋艦
8.重巡洋艦
9.海外
ゾロ目.生来の宿敵、または恋人


【重巡だそうです】



Roma「足手まといにならないなら、いいわ」

提督「おう。……飲み過ぎだ」

Roma「だからうるさいって……あぁ、嫌な予感」

提督「ん? 」

Roma「お酒と重巡でちょっと」

提督「はい? 」



【嫌な予感が当たらないといいですね】



【重巡洋艦の「型」】




0.酔っ払い
1.最上型・利根型
2.高雄型
3.妙高型
4.青葉型・古鷹型
5.酔っ払い
6.最上型・利根型
7.高雄型
8.妙高型
9.青葉型・古鷹型
ゾロ目.酔っ払い+もう一度


【ふぅ……】



提督「? 何のことかは知らねぇけど、来るのはこの国の子だぞ」

Roma「そうなの? よかった」

提督「……うん? 」

Roma「折角の褒賞が飲み干されたら堪らないものね」



【高雄型から? 】



0.高雄
1.愛宕
2.摩耶
3.鳥海
4.高雄・愛宕
5.摩耶・鳥海
6.ドM高雄
7.ドM愛宕
8.ドM摩耶
9.ドM鳥海
ゾロ目.ヤバい姉妹


【ぱんぱかぱーん、かーらーの? 】



提督「愛宕か……なるほど」

Roma「強いの? 」

提督「強いぞ。きっと心も芯のある子に違いない」

Roma「そ。精々私の足を引っ張らなければいいわね」

提督「無い無い。大本営が戦果の褒美扱いで寄越すやつだぞ? 手練れに決まってる」

Roma「そこまで言うなら……期待しておく」

提督「おう。…………取り敢えず、最後の一杯な」

Roma「んなっ」



【どっちに転んでも喜びそうではある】



0.好き
1.普通。普通オブ普通
2.嫌い
3.好き
4.嫌い
5.好き
6.嫌い
7.好き
8.……ふふ
9.嫌い
ゾロ目.末期


【…………】



愛宕「海兵を成績上位で卒業した切れ者かぁ……うーん」

愛宕「無能よりはいいけど……顔は普通だし」

愛宕「いっそ脂ぎった中年とかの方がまだ濡れ……燃えるのに」

愛宕「……………………なんだか、気に入らないわねぇ~」




【そのまま嫌っていてくれた方が、余程】


【さて時と場所は戻りまして】




提督「だーかーら……やめよ? もう明日は今日だぜ? 」

Roma「酔ってはいるけど潰れてない」

提督「…………仕方無い」



【どうするの? まだ仲は深くない】



0.部屋に持っていってやるか
1.部屋に持っていってやるか
2.…………地上では
3.部屋に持っていってやるか
4.部屋に持っていってやるか
5.部屋に持っていってやるか
6.部屋に持っていってやるか
7.お話する
8.部屋に持っていってやるか
9.お話する
ゾロ目.戦場が呼んでいる


【大人で紳士な対応をしました】



Roma「いっつ……頭が痛い」

提督「頭が痛いで済んでるのが不思議だよ」

Roma「うるさいわね。頭に響くからもう少し静かにして」

提督「へいへい」

Roma「…………ま、前後不覚でもなかったし。襲ってきてたら、潰してたわ」

提督「ふぅん? どこを? 」

Roma「役に立ちそうもない股のそれよ。命拾いしたわね」

提督「や、俺は紳士に対応したんだが……何なのその目。もしかしてセクハラ扱いなの? うん? 」




【あのー……】



0.愛宕
1.出撃
2.愛宕
3.お話
4.出撃
5.愛宕
6.建造
7.愛宕
8.建造
9.お話
ゾロ目.どこぞの基地で不穏な空気が


【普通の子で頼みますよ】



提督「なるほど」

Roma「そういえば姉さんって可能性もあるのよね」

提督「そうだな」

愛宕「あのー、私…………タイミング悪かったかしら」

提督「あぁ、悪いな。取り敢えず部屋はここからまず右な行っ……何その目」

Roma「別に悪いやつでもないわよ。嫌ってもいいけど私に迷惑だけはかけないで」

愛宕「はーい。大人しくしてまーす」



【誰? 】




0.駆逐艦A
1.軽巡洋艦
2.重巡洋艦
3.戦艦
4.水上機母艦・航空母艦
5.特殊艦・潜水艦
6.駆逐艦B
7.軽巡洋艦
8.重巡洋艦
9.海外
ゾロ目.出てきたらドSな雰囲気


【資材確保へ? 】



Roma「ん……私の補助にはなりそうもないわね」

愛宕「そこは提督の力の見せ所ねぇ、ねぇ提督閣下? 」

提督「おう。……何でそんな棘あるの? 」



【ちょっと足りないのは許してください】



0.明石
1.伊504
2.大淀
3.伊58
4.伊8
5.伊401
6.伊168
7.あきつ丸
8.伊14・13
9.呂500
ゾロ目.陸軍からの……


【アイエー? 】



提督「」

168「伊168よ! イムヤでい

愛宕「あらぁ……」

Roma「面倒な……」

168「……よろしくね? ね? 」




【あきつさん……? 】



0.やっぱ普通
1.間者
2.やっぱ普通
3.やっぱ普通
4.間者
5.やっぱ普通
6.ハニトラ
7.間者
8.やっぱ普通
9.ハニトラ
ゾロ目.押し掛け女房


【ナンデ⁉︎ ナンデ⁉︎】



168「あのイムヤの部屋はど

あきつ丸「提督殿。このあきつ丸に御用でしょうか! 」

提督「や、用っていうか何ていうか」

Roma「何なの? あなた。どこからともなく湧き出てきて」

愛宕「あっ、なんかもう雰囲気で分かるわ。私、合わない」

あきつ丸「ハンッ、提督殿の良さも分からぬとは所詮海軍の小娘であります」

愛宕「……は? 何? やるの? 」

提督「いや、俺お前に会ったことあったっけ……? 」



【……? 】



0.一目惚れ
1.一目惚れ
2.海兵のころから目をつけていたであります
3.一目惚れ
4.一目惚れ
5.一目惚れ
6.一目惚れ
7.そんな、忘れたのでありますか?
8.諜報なんて忘れた
9.一目惚れ
ゾロ目.些末なことを。ささ、提督殿の寝室へ


自分は、間者だ。否、間者、だった。
密命が解けたわけではないが、そんなものはドブなでも捨てればいい。

愛の為に、愛さえあれば、であります。
様々な人間を見てきたから分かる。

この方は、特別なお人だ。
それが軍事か政治かはたまた人間としてかは知らないが間違い無い。

自分は一生着いて行く、それだけであります。

「…………ふふ」






提督「?…………何か寒気がする」

168「あのー、イムヤの部屋は、どこ? 」




【忘れられた子と捨てた子と】


【まだ焦るような時間じゃない、はず】




あきつ丸「提督殿、実は今陸軍では海軍を抑えつけるために

提督「待て待て待て、何故そんな機密を、しかも身内のこ

あきつ丸「提督殿の為であります。取り敢えず横須賀に入り込んだ中で注意すべきなのは

提督「やめろ、やめてくれ、いや、やめてください。
こんな大っぴらに話さないで、聞かれたら殺されちゃう」

あきつ丸「まさか。自分が肉の盾にでもな……大っぴらでなければいいのでありますね? 」

Roma「こんな時間から寝室なんて行かないでね? 執務中よ」

愛宕「趣味わっるー……」

168「取り敢えず部屋は見つけたよ! 」



【忘れてたわけじゃない。伊168さんはこの人どう思います? 】



0.好き
1.普通
2.普通
3.嫌い
4.好き
5.嫌い
6.嫌い
7.好き
8.普通
9.…………わぉ!
ゾロ目.ハイライトさん廃業です


「ふ、ふふ……ふふふふふふふふっ」

放置されたって構わない。だって私とあなただもの。
それにこれは蔑ろにされているわけじゃない。ね、そうでしょう?

陸軍から来た女狐の相手をするのは当然だよね。
だって油断していたら何をされるか分からないもん。

だからこれは必要なこと、うん、きっとそう。
部屋を案内してくれたのが仏頂面の眼鏡と金髪趣味悪女なのは気に入らないけど、許してあげる。

だってそう、私とあなただもの。

一目惚れ? 違う。これは必然、運命ですらない。
私とあなたは一心同体一蓮托生相補関係ベストカップル。

文句なんて無いよね? だってそう、私とあなただもの。

私は大人の女であなたは大人の男。
ついでに軍人なんていう面倒なしがらみまである、けど。

そんなのちょっとしたスパイスどころか壁にもならない。
くだらないものなんて全部二人で突き破って踏み潰して蹂躙して進みましょう。

その為なら、私ーーーー



「ふふ…………なんだって、しちゃいますよ? 」






でも、うん、ちょっとイムヤも怒っちゃった。
放置なんて、無いよね、うん。
お嫁さん放置、駄目。許せない。
もう許したけど、順番が違うけど、そのうち罰を与えないと、うん。
これは仕方無いよね、だってそう、私とあなただもの。





「あはっ、楽しくなりそ! 」


【前世で不義理とか轟沈とかさせたのかな? 】




提督「あれ、ティーカップ変えた? 」

Roma「? 知らないけど」

提督「っかしーな……Romaが戦果挙げたときの記念品だったんだけど」

Roma「まぁ、カップそのものはあるんだしいいじゃない。
不味いものは願い下げだけどそんなもので味が変わったなんて言う程偏屈でもないわ」

提督「そうか。…………でもこの談話室の鍵は俺しか持ってないはず、うーん」

愛宕「夢遊病でも発症した? 退役する? 」

168「愛宕さん、ちょっと」

あきつ丸「おい、そいつは自分の獲物だ」

Roma「…………誰かしら。いっそ嫌がらせの方が救いがある気もするけれど」



【今日はあとまとめて終わりです】



0.出撃
1.建造
2.出撃
3.建造
4.お話
5.出撃
6.出撃
7.愛宕
8.あきつ丸
9.伊168
ゾロ目.女三人寄れば……


【愉快な仲間たちですね! 】



提督

経歴:平均的軍人
能力:超絶有能
ルックス:普通
人生:安穏といければ

Roma

能力:勝利の女神
提督? 普通ね、普通。邪魔だけはしないで


愛宕

性格:ドM
提督? 普通過ぎてつまらないし、嫌いね


あきつ丸

経歴:元間者
提督殿? 運命の人、特別な御仁であります


伊168

近況:放置された
司令官? ふふっ、それ聞いちゃう? ねぇ? 聞きたいの?


何故こうなってしまうのか……

次回は未定ですが取り敢えずは嫌われている子から


ありがとうございました


【お話しましょう? 】



愛宕「何故あなたなんかとお茶なんて飲んでるの? 」

提督「一応まぁ、親睦? 不満とか聞くのも上官の仕事だから」

愛宕「あなた」

提督「うん? 」

愛宕「上官を信頼できない、以上」

提督「これでも海兵の成績は優秀だし有能だって言われ続けてるんだけど」

愛宕「気のせいか、それとも煽てられてるだけね」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「…………」



【どう出る? どう来る? 】



0.……ねぇ
1.……なぁ
2.……ねぇ
3.……なぁ
4.……ねぇ
5.……なぁ
6.……お前、ドMだろ
7.……ねぇ
8.……なぁ
9.……でもあなた、サドっぽいわね
ゾロ目.優秀なとこ見せてくれれば、認めてあげる


「…………なぁ、それでも何が駄目か言ってくれないと、できない」

彼女は俺の能力を信頼できず、存在に我慢がならないという。
自賛する、という程でもないが軍人としての矜持はそれなりに持っているつもりだ。

それだけに、見目麗しい女にそんなことを言われると、正直傷付く。
確かに、目の前の女一人上手く扱えないようではそういった意味で優秀ではないのかもしれないが。

「あなたには悪いけど、これは私の問題。あなたが変わってもきっと駄目なの」

「…………」

悪いけど、なんて謝罪を口にしながらも彼女は俺のことなどどこ吹く風。
つまらなさそうな顔で冷めているであろう紅茶を啜った。

「……でも」

「何だ? 」

糸口、糸口だけでもいい。何かあれば、聞きたい。
殊更に彼女と仲を深めたいだとか、そういったことではない。

人として、そして同じ戦場に身を置く同胞として。
その姿を見送るしかない、情けない男として。

彼女が、彼女たちが陸にいる間はせめて、支えになってやりたいのだ。

「私も何故嫌いなのかなんて分からないし」

「……あぁ」

「あなたが優秀なとこ見せてくれたら、私が意識してあげる。感謝してね? 」

「…………あぁ」

それはどう考えても一方的な上から目線で、きっと理不尽な要求だったけれど。
戦場に立てない自分に劇的な活躍を見せろというのは無理難題だと思ったけれど。

でも、それでいい。
一歩譲って、彼女がチャンスをくれだのだから。
あとは応えるだけ、仕事をするだけなのだ。





…………………………………………………





「…………ふぅん? 」



【約束。或いは願い】


【進んでいこう、どこまでも】



168「それ、少しずれてる」

提督「ん? あぁ、ありがとう」

168「んーん、あなたの為だから」

提督「あなた? 」

168「気にしないで、あなた」

提督「……うん? 」



【次は何がくるのだろうか】



0.出撃
1.建造
2.出撃
3.建造
4.お話
5.出撃
6.出撃
7.愛宕
8.あきつ丸
9.伊168
ゾロ目.女三人寄れば……


ちょ……ちょっと待って、待ってください
明日か明後日に来ます、許してください

極端に短いですけど、ありがとうございました


「司令官? 紅茶のお代わりいる? 」

「ん、貰おうかな。……少し暑くないか? 」

「そう? イムヤは何ともないけど」

木洩れ日の様に暖かな陽射しが差すプライベートルーム。
無闇矢鱈と俺の世話をしたがるイムヤの勢いに負けて、今日は午後からティータイムだ。

スコーンの甘さが紅茶独特の香りに合って気分がいい。
最近働き詰めだった所為か眠気が酷かったがゆっくりとした時間が心地いい。

もしかするとそれは多少優秀と自賛できるとはいえ、
ルックスも気配りも人並の自分に献身してくれる少女の御蔭かもしれなかったが。


「司令官? 眠いの? 」

「ん? あ、あぁ……何だか、紅茶を飲んだら疲れが一気にな」

「そう? 確かに最近は司令官、働いていたものね」

ふんわりと笑む少女の瞳を見ていると時々目が離せなくなる。
Romaなんかは暗い海の底を感じさせる狂気にも似た感情が渦巻いている、
なんて愚にもつかないことを宣っていたが、そんなことは無いだろう。

だって、今も俺を見つめてくるこの瞳を閉じさせて、閉じさせてそれからーーーー



コン、コン



静かな時間が流れていた部屋に一瞬だけ緊張が走る。
休んでいる軍人への予期せぬ来客なんてものは大体よろしくないものなのだ。



「…………誰かな。オフの俺に用なんて悪い報らせじゃないといいが」

「チッ…………イムヤが出るね? 」

「あぁ」


まずかった。これでいい。自分より余程強いとはいえ少女に邪な感情を向けて仕舞いそうになるなんて。
誰だかは分からないが、助かった。ついでに眠気が押し寄せる頭を振って立ち上がる。

眠気はとても心地良いものだったが、まさか不意の来客に無様を見せるわけにもいかない。

「……あなたたち、何の用? イムヤと司令官はお茶してるんだけど? 」

来客は、あきつ丸と愛宕。
表情は視線が背の低いイムヤを見ている為に分からなかったが、どうやら緊急事態で無さそうだ。

「まぁ、いいじゃないかイムヤ。丁度仕事も思い出したし少し出てくる。
スコーンの残りはあきつ丸たちと楽しんでくれ」

「…………」

言って、部屋を後にする。さすがに午後の陽射しが差しているとはいえこの時期の廊下は少しだけ肌寒い。

紅茶と、それからきっとイムヤの心遣いで心身はとても暖かく快適だったが。

「それにしても……何だか身体が熱いなぁ。熱とかは勘弁してくれよ? 」


168「ねぇ……用も無いのに来ないでくれない? 折角司令官と二人っきりだったのに」

愛宕「あらぁ、このスコーン美味しいわね。あの男も趣味は悪くないんだ」

あきつ丸「イムヤも紅茶の淹れ方は悪くないな」

168「…………」

愛宕「本当ねぇ。男の趣味は悪いけど」

168「あ? 」

あきつ丸「は? 」

愛宕「こっわーい。…………用といえばまぁ、それなんだけど」

168「何よ。司令官が戻ってくる前に終わらせて」

愛宕「あんまりあの男を調子付かせないでくれる?
曲がりなりにもあの男の判断は私たちの生命に関わるのよ? 」

あきつ丸「問題無い。自分が……まぁ、癪な話だが168やRomaとかいう女も優秀だろう」

168「そうね。イムヤだけでも十分だけど」

愛宕「…………はぁ」


これだから嫌だったのだ。
最近目の前の敵以外のことばかり見る女二人に釘を差すなんて。

Romaと相談して一度牽制する、と決めたまではよかったのだが。
何故だか彼女は途轍も無い勢いでその役目を拒否した。

確かに、一人の男にこんな狂ったような愛情を向ける女を二人相手するのは不愉快ではあるけれど。
自分の生命と一時の気分なんてものを天秤に掛けてしまう程の間抜けだとは思えなかった。

もしかすると他に理由がーーーー



【狂気2+常人1=女3人】



0.……うっさいマゾ女の僻みでしょ
1.仕事はするわ
2.仕事はするであります
3.仕事はするであります
4.仕事はするわ
5.仕事はするわ
6.……背中に注意するであります
7.仕事はするわ
8.仕事はするであります
9.仕事はするであります
ゾロ目.敵


「仕事はするであります。自分はそこまで無能ではない」

「そ。イムヤも馬鹿じゃないから」

「そう? まぁ、それならいいわ。精々沈まないようにして添い遂げてみて」

上官としての責務を果たして私を認めさせる、なんて約束もしたことだし。
これは彼や彼女たちにも決して悪く無いことの筈だ。

「……何? 」

「う、うん? ちょっと思い出してたことあるだけ」

「ふぅん……? 」

「…………」

一瞬、ほんの一瞬だけ、部屋の温度が下がった気がした。
時間は昼食を過ぎてティータイムには絶好の夕方前。

暖房もしっかり整えられた士官用の部屋が静かに寒くなるなんてことは無い筈。
Romaが拒絶したのはこういうことだろうか。それなら理解はできる、けれど。

「……でも」

「ん? 」

一瞬の間があった後は二人ともいたって普通、普通の女だった。
鬱陶しい程に恋するただの、女。

「あなたこそ、司令官とベタベタしないでこのまま嫌っておいてね」

「あぁ。無駄に男好きはしそうだからな。できれば街で適当な男にでも股を開いてくればいい」

ついでに口も目付きも悪かったが。

ともあれ、Romaと交わした約束は果たした。
あとはこの二人が自分の使命を頭の片隅にでも置いておいてくれることを願おう。
所詮ただの同僚であるところの自分には大した力なんて無いのだ。

「酷いわねぇ~ 。これでも自分の安売りなんてしないつもりなの、私。
変な男に身を捧げるくらいなら舌でも噛むわ」

「ふぅん……」

「……ほう」

…………余計なことを言った気もしたが。


Roma「あなた、余計なこととか不用意なことは言わなかったでしょうね」

愛宕「まっさかぁ。私も馬鹿じゃないの」

Roma「それならいいけど。…………取り越し苦労、か」

愛宕「ん? 」

Roma「何にも。でもそれならまた伝達事項があるときは頼むわね? 」

愛宕「え、ちょーっとそれは……うーん」

Roma「やっぱり何か……いえ、聞きたい話ではないけれど」

提督「さーって仕事仕事。昨日は夕方からぐっすり寝て夕食逃した位だし元気もあるからなぁ」



【このまま頼みますよ? 】



0.出撃
1.建造
2.出撃
3.お話
4.建造
5.イムヤ
6.出撃
7.建造
8.あきつ丸
9.愛宕
ゾロ目.愛宕さんの休日☆


提督「と、言いつつも今日はデスクワークばっかだなぁ」

やる気と元気だけがあっても、状況は変わらない。
今は力を溜めるべきとき、ってことだろうか。



【それとも……】



0.またイムヤに紅茶でも淹れてもらおうか
1.あきつ丸に陸軍のことを訊いてみるか
2.愛宕に認めてもらうには
3.またイムヤに紅茶でも淹れてもらおうか
4.あきつ丸に陸軍のことを訊いてみるか
5.愛宕に認めてもらうには
6.またイムヤに紅茶でも淹れてもらおうか
7.来客
8.あきつ丸に陸軍のことを訊いてみるか
9.愛宕に認めてもらうには
ゾロ目.やたら元気なのは確かだし、風俗にでも……


【えぇ……】



「んんっ……仕事も単調な裁決事項ばっかだし終わっちゃったか」

時間はまたも昼過ぎの気怠い午後。
ただし今日はイムヤもいないし、あきつ丸といった来客も無かった。ちょっと寂しい。

「……………………風俗でも行くか」

行く、行くったら行く。今心に決めた。
そもそも忍耐を続けろというのが土台無理な話なのだ。

自分に興味が無さそうなRomaは別としても。
矢鱈と構いたがってくるイムヤ。
頻りに身体を寄せてくるあきつ丸。
嫌われているとはいっても大事な約束を交わした愛宕。
いや、Romaだって最近は一緒にスイーツを探してみたりする。

つまり、なんだ。
特殊な兵士とはいえ見目麗しい女性に囲まれていては、困る。
目には優しいが股間と理性によろしくない、困る。

とはいっても早寝快眠の御蔭だろうか、
昨日から矢鱈と全身が元気に満ち溢れている。
一人で終わらせてしまっても何かスッキリしない予感がある。

お誂え向きに以前ここに来た同期がいい店をおしえてくれているのだ。
持つべきはエロトークのできる友人である。

「…………どんな子にするかなぁ」






168「…………………………………………」



【何なのもう……】



0.明るい髪の元気な少女
1.色白で陰のありそうな女の子
2.ここはパツキンお姉さん
3.明るい髪の元気な少女
4.色白で陰のありそうな女の子
5.ここはパツキンお姉さん
6.取り敢えず大車輪確定で
7.明るい髪の元気な少女
8.色白で陰のありそうな女の子
9.ここはパツキンお姉さん
ゾロ目.ガシャン


「あら、出掛けるの? 」

「あぁ。何か買ってきてほしいものでもあるか? 」

「美味しい江戸揚げが食べたいわ」

「了解。……Roma、それはスイーツか? 」

「いいじゃない。最近煎餅にハマってるのよ。それじゃ」

「ん」



出がけに会ったRomaと言葉を交わして駐車場を目指す。
美味しい江戸揚げなんてものが一体どこで売っているというのか。

スマホがあるとはいえ賢者タイムにそんなものを、
上官に探させるのはどうかと思う。
いや、彼女は俺の外出理由なんて知らないが。

「っと……しっかし寒くなってき



「司令官? 」

「は、はいっ? 」

…………今度は、何だ。いよいよ限界なのだが。



【他の選択肢じゃなくてよかったですねぇ】



0.今日は愛宕さんの歓迎会だよ?
1.パンクしてない?
2.街に行くならイムヤも連れてって?
3.パンクしてない?
4.今日は愛宕さんの歓迎会だよ?
5.パンクしてない?
6.街に行くならイムヤも連れてって?
7.パンクしてない?
8.街に行くならイムヤも連れてって?
9.パンクしてない?
ゾロ目.ふふ……駄目だよ? 売女なんて


168「街に行くの? 」

提督「ん? あぁ、ちょっと野暮用でな」

168「ふーん……」

提督「何だ? もし欲しいものがあるなら言ってくれれば買っ

168「パンクしてない? 」

提督「うん? 」

168「パンクしてると思う」

提督「……………………は? 」

168「今日は下士官の人たち訓練とかで忙しそうだったけど……呼んでくる? 」

提督「い、いやいいさ、そんな大した用事じゃないし」

168「そっか。じゃあまたイムヤが紅茶、淹れてあげる」

提督「頼むよ」

168「うんっ。……それにしても誰がこんなことしたんだろうね? 」

提督「あぁ。……………………誰? 」



見渡した限りタイヤに穴を空けた釘は、
俺が死角になってイムヤには見えなかった筈だが。
いや、最初にパンクに気付いたくらいだし彼女には他の釘でも見えていたのだろう。

…………それより、Romaは機嫌を悪くするかもしれないな。



【次は無いよ】


提督「…………はぁ」

あきつ丸「? お身体に問題でも? 」

提督「一面では正しい」

あきつ丸「は? 」

提督「怖い顔するなって。単にまぁ、不満というか元気が有り余ってるだけだ」

Roma「最近はトレーニングの負荷も増やしているものね」

愛宕「軍人としては当然だけれどねぇ~ 」

提督「うっさい。……ま、そういうことだ。不調とかじゃない」

あきつ丸「それならば、いいのでありますが」

168「…………ふふ」



【適度に発散した方がいいと思うよ? 】



0.出撃
1.建造
2.出撃
3.お話
4.イムヤ
5.建造
6.愛宕
7.出撃
8.あきつ丸
9.建造
ゾロ目.……今日こそ風俗。行くったらイく


Roma「余裕よ」

愛宕「あの二人がまともに働いてくれればね」

Roma「……ちゃんと牽制してきたんでしょう? 」

愛宕「まぁね。たぶん大体きっと」

168「与えられた仕事はするよ? そうじゃないと司令官と一緒に幸せになれないもん」

あきつ丸「ハンッ、戯言を」

168「は? 」

あきつ丸「あ? 」

提督『えーっと、今日の敵はどんなやつらかなぁ』



【会敵】



0.余裕
1.辛勝
2.余裕
3.辛勝
4.辛勝
5.余裕
6.余裕
7.惜敗
8.余裕
9.撤退
ゾロ目.ドロップ


【余裕余裕。まだいける】



Roma「やればできるじゃない、あなたたち」

168「恋する女の子は強いから」

あきつ丸「同意してやるでありますよ」

愛宕「いったぁい……Romaは兎も角として何でこの子たち無傷なの? 」

提督『また本営から褒美が来るな』



【もう少し厳しくてもよかったね。反省反省】



0.金
1.物資
2.物資
3.金
4.金
5.物資
6.物資
7.見合い相手
8.金
9.金と物資
ゾロ目.艦娘


【順当なところ】



提督「ほう……仲間を増やす幅が広がったな」

あきつ丸「要らないであります」

提督「や、でもあきつ丸たちだって絶対的というわけで

あきつ丸「要らないであります」

提督「でも万がい

あきつ丸「要・ら・な・い、であります」

提督「…………」



【建造の可能性が増えたよ! やったね! 】


あきつ丸「……手を組むべきかもしれんな」

168「……そうだね」

あきつ丸「本営からの命令は仕方無いとして、如何に提督殿に

168「建造なんて愚挙に出ないでもらうか」

あきつ丸「…………」

168「…………」

Roma「あら、あの男の選んだ江戸揚げ、いいわね」



愛宕「…………何であんなのが仲間なのかしら」

提督「うん? 」



【建造増えたよ】



0.建造
1.出撃
2.建造
3.お話
4.イムヤ
5.建造
6.愛宕
7.建造
8.あきつ丸
9.建造
ゾロ目.……仕方無い一人でヌくか


何故またピンポイントでくるのか何なのか
ともあれ順調で何より

また、よろしくお願いします
ありがとうございました


ねぇ、司令官? イムヤ知ってるんだからね。
あなたが無理して我慢しているってこと。
その所為で世迷言に惑っちゃったこと。
イムヤのこと酷く酷く傷付けたこと。
お仕置きが仕方無くなったこと。

何がいい?
イムヤのこと刻むやつ?
イムヤのこと確認する?
イムヤのこと貪るやつ?
イムヤのことに気付く?
なーんて……
放置されたことくらい、許してあげる。
だって、イムヤとあなたの仲だもん。

イムヤとしては、イムヤにあなたを確認させてほしいのだけれど。
でも、それじゃあきっとお仕置きにはならないから、だからーーーー



【 ???? 】



0.刻む
1.確認させる
2.貪らせる
3.気付かせてあげる
4.気付かせてあげる
5.刻む
6.気付かせてあげる
7.確認させる
8.気付かせてあげる
9.貪らせる
ゾロ目.貪る刻む認めよ忘れるな


「な、何だ……これ」

俺は、何をしていた?
何をしていれば自分の寝台に身体を磔にされる?
鎖なんてものはどうやって手に入れる? 手枷なんて本当にどこで?

只管に全く意味が分からない。分かりたくない。
何やら最近の疼きも度を越して、酷い。

頭だけが熱に浮かされたように呆とするのに、身体は鋭敏だ。
食い込んだ手枷の痛みは既に神経接続された針の如く自分を責め苛む。

「ねぇ……あなた」

「イ……ムヤ? 」

唐突に寝台の左側から出てきたのは、イムヤ。
何くれとなく俺の世話をしてくれる女の子。
可愛らしさと女らしさを同居させた美少女。
しかし…………

「…………解けよ」

「知ってて言ってるの? 」

「…………」

俺は鈍感難聴ではない。そもそも主人公になったつもりも無い。…………だからーーーー


【…………助けてくれ】



0.残念、現実は非情である
1.残念、現実は非情である
2.残念、現実は非情である
3.残念、現実は非情である
4.残念、現実は非情である
5.提督殿!
6.残念、現実は非情である
7.巫山戯んのも大概にしろ!
8.残念、現実は非常である
9.巫山戯んのも大概にしろ!
ゾロ目.あぁ、そう……もう据え膳とか皿まで舐めてやるわ


「……イムヤ」

「あなたが悪いの。イムヤが居るのに他の女、しかもクズの売女なんて」

磔にされた時点で何もかも狂っているとは思うけれど。
そもそも、媚薬だか精力剤だか謎の、
成分も副作用も不明な何かを飲まされていたであろうことも狂気だけれど。
絶世、と言ってもいい美少女が十人並みの俺にこんなことをするのもイカれているけれど。

「やめろ、やめろよイムヤ……イムヤぁ」

巨大な裁ち鋏が俺の軍服を寸断し斬り刻み布切れ未満のゴミクズに変えていく。
冷たい刃が時折肌に触れることが背筋を凍らせる程恐ろしい。

愛、愛?
愛って何だろう?
当然こんな子に好かれていることに嫌悪なんて感じない。

ちょっと頭がいいだけの青二才。
評判の風俗にときめくそれなりの変態。
或いは一般的男の子。

そんなやつにこの愛は、重くない?
どういうこと? 何が起こっているの? パニック? パニクっていい? どうしたらいいの?

「あなたが悪いの、あなたが悪いの、あなたが悪いの……イムヤがいるのに、イムヤがいるのに」

「ま、まだ間に合っヒッ! 」

ベッドサイドの僅かなライトでしか照らされない薄暗闇に一際光る鋏が食い込む。
太腿って切るもの? いや、刺すものだっけ?

「いっ、たいっーーーー…………! 」

「黙って」

「ーーーー」

寸断されて見る影も無い衣服が下着ごとまとめて放り投げられる。
大の男が呆気なく剥かれて、嗚呼、無様を晒している。

「あはっ、これじゃあお仕置きにならないかもっ……! 」

「…………」


【二度目は無いって言ったよ? 】



0.痛み
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2.痛み
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4.だから、刻む
5.痛み
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7.痛み
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9.惹かれていたのにッ
ゾロ目.男は狼


「ごめん、こめんねあなた」

「は、は……? 」

ーーあなたが悪いよね?
あなたが悪いのあなたが悪いのあなたが悪いのあなたが悪いのあなたが悪いのあなたが悪いの
あなたが悪いのあなたが悪いのあなたが悪いのあなたが悪いのあなたが悪いのあなたが悪いの
あなたが悪いのあなたが悪いのあなたが悪いのあなたが悪いのあなたが悪いのあなたが悪いの
あなたが悪いのあなたが悪いのあなたが悪いのあなたが悪いのあなたが悪いのあなたが悪いの
あなたが悪いのあなたが悪いのあなたが悪いのあなたが悪いの……!

でも

ーーイムヤも悪いよね?
イムヤも悪いのイムヤも悪いのイムヤも悪いのイムヤも悪いのイムヤも悪いのイムヤも悪いの
イムヤも悪いのイムヤも悪いのイムヤも悪いのイムヤも悪いのイムヤも悪いのイムヤも悪いの
イムヤも悪いのイムヤも悪いのイムヤも悪いのイムヤも悪いのイムヤも悪いのイムヤも悪いの
イムヤも悪いのイムヤも悪いのイムヤも悪いのイムヤも悪いのイムヤも悪いのイムヤも悪いの
イムヤも悪いのイムヤも悪いのイムヤも悪いのイムヤも悪いのイムヤも悪いのイムヤも悪いの

胸板を這う指先がひんやりと、しかし熱を持って身体を撫で回す
剥き出しになった逸物には反対の指先がネットリと絡みつく

耳元に寄せられた口から発されるのは、呪詛か、悪意か、それとも叫びか

「ふふ……怖がらなくてもいいわ。あなたへのお仕置きは馬鹿な私への罰でもあるの」

強制的に隆起させられたソレが高速で扱かれる。
早く早く早く、しかしときに先端を責めることも忘れない。
外気にさらされて緊張した乳首も抓られる。

「無防備って恐ろしいでしょう? 怖いでしょう? 孤独を覚えるでしょう? 」

「…………」

鋏、鋏はどこにーーーー

「だーめ……だめよあなた。私とあなたが溶け合うのに無粋なものは何一つとして要らないの、だってーーーー

邪魔なものは、この世に存在する価値なんて無いもの。

ーーーー…………痕を刻むのなら、刻むモノも私たち自身でなくっちゃ、ね?





数瞬。時が止まって、そして痛みでまた、現実に引き戻される。

煌めいた犬歯が、やけに綺麗だったように、きっと後から思い出すのだろう、なんてーーーー






「あはっ……! あなたの血肉が、痛みが、叫びが、こんなに! さぁ! 私の心も、魂も、全てっ、さぁ……! 」


愛宕「…………」

Roma「…………」

愛宕「…………」

Roma「…………こういうことよ」

愛宕「…………はぁ」






提督「いっつ……」

168「ごめんね、ごめんね……でも仕方無かったの。許してなんて言わないわ、私も絶対許さないし」

提督「ひっ…………や、やめ」

あきつ丸「提督殿が嫌がって、いや、怖がっているだろうがッ! 」

168「ふぅん? それで? 」

あきつ丸「なっ…………」

168「イムヤだって同じところに同じ数の痕付けてもらったもん」

あきつ丸「なっ…………! 」

愛宕「…………羨ましい」

Roma「そういやドのつくドM…………帰りたい」



【ゴールが近付いて参りました、か? 】



0.痛みこそ愛
1.出撃
2.建造、或いは修羅場
3.出撃
4.痛みこそ愛
5.待つであります
6.痛みこそ愛
7.痛みこそ愛
8.殉愛
9.痛みこそ愛
ゾロ目.お前、大概にしておけよ……


許せるか、といえばそれは否。
許したいか、といわれればそれは、否。
では嫌悪するのか、問われれば、それも否。
愛するのか、そう訊いてくれなくては。

「い、イムヤ」

「なぁに? 」

何て、何て、尊いのだろう。
一人の、冴えない男にここまで殉粋な笑顔を向けることのできる無垢な少女。
一つの望みだけを抱いて大海にでも臨める女。

毒々しい? 馬鹿な。貴様が女の愛を知らないからだ。
禍々しい? 悲しい。貴様が無垢な献身を知らないからだ。
恐ろしい? 可哀想に。貴様が痛みという共感を識らないからだ。
愛とは、痛みだ。痛みとは、相互理解の道具に他ならない。

「首が……痒いんだ」

「ふぅん? 」

それで? 何が言いたいの? なんて……そんな澄ました顔も可愛らしい。
でも、意地悪なんてこと、してほしくない。

「頼むよ……イムヤ」

「だから、何が? 」

笑みは濃く、瞳の色は濃く、そしてきっと愛も濃く、濃厚に、刻んでくれる。
生の実感が湧かない人生なんかよりも万倍マシだ。
否、そんなものと比べるのも烏滸がましい。

愛は、痛みは、共感っていうのはーーーー

「あなた? その前に、昨日愛宕と何か話していたでしょう? こそこそと」



【これが本当に最後】



0.……ごめん
1.許してくれ
2.……ごめん
3.許してくれ
4.……ごめん
5.約束は忘れられない
6.……ごめん
7.約束は忘れられない
8.約束は忘れられない
9.……ごめん
ゾロ目.敵襲


「……ごめん、イムヤ。全部、言うよ。愛宕と前に約束したことがあっーーーー

「! 」

「! 」

鳴り響くのは、悪鬼の咆哮か。
それとも大蛇が唆す悪魔の果実か。




『ふん……まぁまぁ、美味しいじゃない』

『陸軍も海軍もどうでもいいであります』

『……あなたのこと、ずっと見てる』

『……………………約束、したでしょう? 』




「馬鹿男! 指示出しなさいな! 」

弾かれたように、蝶番が外れそうな程に、そんな扉も気にならない。
甲高いサイレンの音は無情に聴こえた。

「あ、あぁ! ……行けるか? 」

「当然。ただの無能を好きになる単なる雌豚になったつもり、ないんだから」

敵襲、なんてものでは片付けられない。
敵が誰だかなんて知らない。
俺が何か直接的にダメージを与えるなんて、無理だ。

けれど……殺ってやる。消し炭にしてやる。

覚悟を決めて運命を見据えた女に、一人の男が応えようとしていたのだ。
無粋、まったくもって空気が読めない。
故に、存在する価値など皆無。

「愛宕、 お前は今すぐ出ろ! 陸軍の航空隊と近隣の戦力が来るまで耐えておけ! 」

「しっかたないわねぇ~ 」

「あきつ丸! 愛宕のカバーを頼む。お前はイムヤが全力で守る! 」

「ッ、承知ッ」

「Roma! 」

「あぁん? 」

「存分に、殺れ」

「当然。……逃げておいた方がいいんじゃない? 」

「抜かせ」

一瞥の先には半裸に傷だらけの男女が映っただろう。
しかし、構わない。
俺たちは戦うことを忘れた雌豚でも、怠惰な老犬でもない。


「イムヤ……鬼でも、蛇でもいい。お前が何になろうと、俺がお前の帰る場所だ」

「ん……パンツ、脱げかけてるよ? 」

「ばーか。……余裕だろ? 」

「ええ。……………………んっ」

「んっ、ん、ぁっ……帰っ、てこいよ。指示は、出す」



血の滴る唇もいっそ溶け合わせたい。それもまぁ、きっと悪くない。
アロマや薬品で生まれた高揚感だとして、きっとそれすら俺の現実。
否、それでしかあり得ない。なんたって、それが痛みってもので、痛みってのはリアルのんだから。

「行け! そして、帰ってこいーーーー…………! 」



【本当にガチのマジに最後。或いは最期】



0.痛みこそ正義
1.哀という痛み
2.痛みこそ正義
3.痛みこそ正義
4.哀という痛み
5.現実は非情である
6.悪鬼という正義
7.痛みこそ正義
8.哀という痛み
9.痛みこそ正義
ゾロ目.十年後☆


ははは……寝ます

ありがとうございましたぁ……


「……………………」



敵襲、といえばそれはたったの一言で済まされる出来事だ。
敵が襲ってきた。その程度の意味しか持たない単純な言葉。

焼け落ちた建築物。崩落しかかった軍港。煤だらけの、全て。
溢れた重油とそれに引火した火焔。零れた生命が溶け込んだ、海。

目に沁みる塩辛い海風が吹く。
吹き荒んで、微風になって、何処かへ行ってしまう。

運ばれていったのは煤と、煙と、それから大切なーーーー



【これは、誰の現実だろうか】



0.赤髪の少女は帰ってこない
1.赤髪の少女だけが、立つ
2.二週目(はぁと)
3.傷痍
4.瓦解
5.赤髪の少女は帰ってこない
6.赤髪の少女だけが、立つ
7.二週目(はぁと)
8.傷痍
9.瓦解
ゾロ目.返り討ちハッピーエンド


「……………………」



感情、なんてものは勝手に湧いてくるものだと思っていた。
あなたが笑ってくれると、嬉しかった。
あなたが悩んでいると、辛かった。
あなたが巫山戯ていると、笑い合えた。
あなたが怒っていると、心底怒れた。
あなたが決意を固めたから、私は戦えた。

あなたが、あなたが、あなたが…………ーーーー

崩れ破砕され如何なる用も足さない瓦礫は何も応えない。
応えなら呻き声でも、いや、苦痛に歪んだ怨嗟でも構わない。

それなら、癒せる。癒せるなら、どれだけの時間も捧げよう。
私は、そう心に誓っているのに。

「…………イムヤ。探すぞ」

「……………………」

身体はその喝に応えたいのに。
答えなんて決まっているのに、なんて私はーーーー



【人間の強度。それとも化け物の狂度】



0.腕
1.身体
2.吐息
3.“ 無い ”
4.腕
5.身体
6.吐息
7.“ 無い ”
8.腕
9.身体
ゾロ目.……やぁ


動け、動けよ、動いてよ……!
私の愛が歪んでいるなんてことは生まれ落ちたときから知っているんだ。
自分の感情が所々抜け落ちた欠陥品だなんて知っているんだ。

それでも、それでもこんなときに動けない女に何の価値があるっていうんだろう。
愛した男の生と意志を信じることができずして。
感情を、痛みさえも共有した唯一無二を探し当てることができずして。

「何をッ……! 」

「……あぁん? 」

「あのクズ、割に頑丈だし何とかなってるでしょう」

「出撃させた女の子全員生還からのバッドエンドなんて誰得ってやつだしね~ 」

心底から、同意できるのに、動かない。
奥底から、衝動は湧き上がるのに、一歩が無い。

人間は弱いんだ。
生きている筈がない。
そんなことは考えたくないのに。
こんな自分は嫌いなのに。

ある意味で最大の敵であるあきつ丸。
憎らしいけれど大切な約束をしていた愛宕。
それから、単に甘味で餌付けされただけのようなRoma。

そんなやつらですら。
それなのに、この世で最も尊い契りを交わした自分は、何だろう。

徒らに時を浪費して瓦礫を前に突っ立って。
化け物らしい怪力で鉄筋やコンクリートを持ち上げる同輩を目に写しただけで。

それだけショックだったんだ、なんて。
馬鹿馬鹿しいくらいに乙女な無様に少しだけ安心して。
自分の愛の深さに安心するなんてあっちゃいけないことなのに、私は、私は。


「…………汚いわね」

「まったくであります」

「まぁまぁ。彼らなりに戦ったこと、忘れちゃいけないのよ? 」



また、違った。
彼では、ない。

イムヤたち“ 艦娘 ”が所属する基地は特殊だ。
人間の戦闘員は共に出撃した陸軍航空隊や、
非合法な任務も厭わない特警くらいしかいない。

それでも、様々な人間たちがいたのだ。
参謀や整備班、軍人ではない食料搬入の為の軍属だって。

その彼ら彼女らの死体が、バラバラなんて生易しい表現ではない肉の塊が一つ、また一つと“ 発掘 ”されていく。

イムヤは隣を往く僚友を喪ったことが、無い。
或いは直前まで笑い合っていた僚友が弾け飛ぶ姿に慣れていれば、
何事も無く動けたのかもしれないけれど。



「ぅ…………ぁ……」



現実は、非常だ。
世界は私に、優しくない。


「…………やぁ」

「あ? 生きてたんだ、あなた」

「そりゃまぁ……一応最高指揮官でしてね? 防空も高い部屋だし核並の火力じゃなきゃ何とかなる」

「…………」

「…………」

「…………」

「…………何だよ」

急に馬鹿らしくなって興味の失せた顔。Romaだ。
巫山戯た問答がしたいのではない蔑み。愛宕だ。
安心しつつもやり切れない渋面。あきつ丸だ。
それからどんな顔をしているか探したいのだがーーーー

「……よくもまぁ、片腕が潰れて腰から下も怪しいのに口だけは動いたものね」

「本当それ。俺ってこういうとき素になるタイプだったんだな」

「…………はぁ」

「馬ッ鹿馬鹿しいわねぇ。…………担架、いらないでしょ? 」

「待て待て待て。俺はこれでも生きてる上官だぞ。担げとは言わないけどせめてだな」

喧騒の中で四人だけを、認知できる。
あきつ丸に、愛宕に、Romaに、それから自分自身。
最も見たいはずの笑顔が、いやもしかすると空元気のアホ面に憤った乙女の怒気かもしれないが。

兎に角それだけが、無い。

「まぁ、いい。…………イムヤは? 」

「あー…………愛宕」

「んー、振らないでほしいんだけど、Roma? 」

「まったく。…………気絶したわ」

「は? 」




ーーーーーーーーーーーー




心底から心配されて、自分もしていたのだが、しかし。
イムヤは、俺が最もこの世で一つに近付いた存在は。
潰れた俺の腕を見て、泡を吹く間も無く、意識を落としたらしかった。

徽章や衣服が認識できるのなら、せめて生死くらい確認して、できれば泣いてほしいな、なんて。

言おうと思った筈の自分も、出血の所為でどうやら三日は起きなかったとか、なんだとか。


168「……………………」





提督「起きねぇな」

愛宕「無駄に頑丈な指揮官様は片腕になっても生きているっていうのに」

Roma「あと少しで不随のところ絶妙な位置で避けて歩けるなんて悪夢ね」

提督「や、お前別に俺のことそこまで嫌ってなかっただろうが」

Roma「この前、嫌いになったわ。馬鹿面見て」

あきつ丸「あぁん? 」

Roma「はぁ。…………あなたも難儀ね。ついた勝負の後にも操立てるなんて」

愛宕「単に未練があるだけでしょう? 」

あきつ丸「…………」

提督「は、はは……はは、は? 」



【もう選択肢なんて、無い】



0.……あな、た?
1.……さっ、いらっしゃい
2.……あなたは、誰?
3.幸福な、ユメ
4.……さっ、いらっしゃい
5.……あな、た?
6.……あなたは、誰?
7.……あな、た?
8.……さっ、いらっしゃい
9.……あなたは、誰?
ゾロ目.数年後そこには


【……あなたは、誰? 】





一週間の昏睡状態。それから数度の覚醒を経てさらに一週間泥のように沈んだ意識。
それでも不思議と生命活動だけはしっかりとしていた美しい女狐の第一声がそれだった。

目を見開いて固まる馬鹿な、そう本当に何にも気付けなかった幸福な男。
諦めと恐怖を感じ引き下がる負けた女。
知っていた狂気を確認して鼻を鳴らした戦女神。

それからはもうとんとん拍子、なんてものではなかった。
どれだけ感覚を伝え、技術を伝えても儘ならないどころか全く発動しない力。
“ 艦娘 ”としての力を完全に喪ったただの少女が、そこにはいた。

人間としての生を受けたわけではない私たち。
バックボーンが無いというバックボーンが指針である筈の私たち。
そんな存在が唯一無二の歪みさえも失ったのだ。

殊の外平静な本人を除いて。
周囲は大わらわも大わらわだった。

前を向いて記憶を喪った少女を引き取ると宣言した男。
その夢は叶うことなんて無いだろう。

後ろを振り返って陸軍の間諜に逆戻りした女。
その背中の悲しさ、少しだけ分かるわ。

変わらず戦場だけを向いた異国の戦姫。
或いは私もあなたのようでありたかった。

あぁ、私? 私はほら、褒賞として与えられたのに与えられた張本人が退役してしまったものだから、ね。
結局元いたところに戻って、今でもお堅い姉や奔放な妹たちと愚にも付かない戦闘を。

今ではあのときの二人が何処に消えて、何処で何をしているのかなんて皆目不明。
知りたいとも思わないけれど、きっと知れないことこそ心の安寧。

私だってあの上官を認めていた部分もあったのだけれど。それも今ではただの記憶。
精々が危機的状況を自己で脱したときの付属的感慨。



「まぁ、それでも悪くはなかったわ」

「? 」

「んーん、何でもない。…………高雄、ドSのイケメンなんて知らない? 」

「あなたね、何度その感性で男性を壊してきたのよ。実はあなたがサドなんじゃないの? 」

「まっさかー。私は昔から、今でも、いつだって荒々しい海の男に抱かれたい女よぉ」




ただまぁ、もしまたあの少女か例の元上官に会えるのなら一言だけ言ってやりたいことがある。

「…………鈍感演じた私たちに、感謝なさいね」

「は? 」



ーーーーーーーーーーーー


「これが、私たちの、家? こんなにいいところにいて、いいの? 」

「あぁ、イムヤが何も思い出さなくたって、それでも今日が最初になるならって思ったんだ」

軍は抜けた。故郷も、親兄弟さえも、捨てた。
今、俺にはイムヤしか、いない。
彼女さえいれば、他は何も要らない。

幸いにしてイムヤたちの功績で俺には多額の金がある。
元より遊び暮らしていたわけでもない。
貯金を多少切り崩して購入した物件は、海の見える小高い丘の一軒家だ。

「…………ごめんなさい。あなたのこと、大切だとは思うんだけど」

「ッ……いいさ、それでも。寧ろよかったのか? 自分より幾つも歳上の男に着いてきて」

「うん。あなたのことは分からないけど、女の勘は絶対的に正しいの」

「ふぅん? 」

確信めいた言葉を乗せたイムヤの舌先に、ふと見入る。
あの舌で、あの舌が舐めた犬歯で、抉られたい。肉を裂かれ内臓に突き立てられたって構うものか。

それでもそんなことはおくびにも出さず鍵を取り出し、回す。
思えば色々なことがあったものだ。

曲がりなりにもエリート軍人と呼ばれ、持て囃されつつも対立と嫉妬に巻き込まれた日々。
それを終わらせた狂気染みた少女との共有。
共有が過ぎて精神的に傾いた、俺。

その俺が立ち直れたのは、正直イムヤがイムヤではなくなってくれたからかもしれない。
今でもあの狂気には強く惹かれつつも、どこかで安心している自分がいるのも、確かだ。

魅力的な毒、それを体現していたのがイムヤだったのだと思う。
それが今では、ただの不安げな少女でしかない。

変えられたのならば、今度は俺がゆっくりとでも守ってやる。
喪ったものを喪ったもので埋めて、また喪うことの無いように。


「イムヤ。お前の部屋はそっ……イムヤ? 」

開けたドアの先にはまだ新築の匂い漂う真新しい玄関とリビング。
一足の靴も置かれていない玄関で靴を脱ごうとして、脱げない。

何故なら少しだけ屈んだ俺の腰に細い腕が巻き付いているから。

「…………あのね」

「? 」

「私はあなたが誰だか分からないし、もしかするといつまでも分からないかもしれない」

「……」

構わない。それすら俺のお前への愛だと信じているから。

「人間になった、って言われても私は元々人間だったとしか思えない」

「……」

それでいい。あれ以上はお前を喪う恐怖に耐えられない。

「そんな私に私が人間じゃないって思わせてくれるのはこの染めたとしか思えない色の、地毛だけ」

「……」

いいんだ。不安定なお前を守ることだってできると、俺に存在理由を与えてくれ。

「あなたの言葉も、優しい瞳も、おっかなびっくりな掌も、
それに時々見せる怯えたような顔も、“ 今の私 ”の現実でしかないの」

「……」

「それでも、私を離さないでくれるのよね? 」

「あぁ、別に責任とか憐憫でお前を引き取ったわけじゃない」

「ふふ……分かった。知ってたけど」

笑みから漏れた吐息が背中に当たった。
その息は不思議とイムヤのイムヤらしさ、とも言える何かを呼び覚ます。
言葉や手付きならばいざ知らず、そんなものでは個人など分かる筈もないのに。

「? まぁ、それはおいおい飯でも食べなが

「それに」

「ん、んん? 」

吐息で湿る背中。声は震えていないけれど、涙、だろうか。
できうることなら拭ってあげたいのだけれど、思いの外彼女が回した腕の拘束は、強い。
ただの少女になって記憶すら喪失した筈なのに。これが意志の力というやつだろうか。

せめて、顔くらいは、いや瞳くらいは見たいのだが。

「いつ、“ 元の私 ”になっても、絶対離さないからね? 」

「あ、あぁ、そんなの当たり前の






ーーーーーーーーーーーー







二度目なんて絶対に赦さないって、言ったでしょう……?



ふふ…………あなた?




【“ 二度目の生 ”】


おわり



今回でいい加減分かりました。
生き死に、よくない。次は誰も死なない不幸にならない設定でいきます。
色々と不完全燃焼なので早めに何かやります。

急転で申し訳なかったです。
ありがとうございました

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