かばん「た、食べないでくださーい」 (46)





サーバル「食べないよ!」




――――そんな事があった。

あの時、私は確かにかばんちゃんに食べないよって、そう言った。

狩りごっこ。

一方が一方を獲物に見立てて追いかける、ただそれだけの遊び。

捕まえた相手を本当に食べてしまう、なんて事はないんだ。


かばんちゃんと最初に出会った時、

逃げるかばんちゃんを狩りごっこがしたいんだと思った私は、

全力で追い掛けて捕まえた。

そしたら、かばんちゃんが泣きそうな顔で食べないでくださーいって、

そう言ったんだ。


食べないよ!、ってその時私は大声でそう答えた。

ただのごっこだもの、当たり前。

だけど、最近……。


かばん「…」テクテク

サーバル「…」ジー

かばん「…」

サーバル「…」ジー


かばん「…あの、サーバルちゃん」

サーバル「ん?な、なに?」

かばん「ボクの顔に、何かついてる…?」

サーバル「あ、い、いや別にー?」







……サーバルちゃんの様子がおかしい事に、

ボクは前から気付いていた。

いつもは普段どおりなんだけれど、ふとした拍子に

無言でじっとボクの顔を見詰めている事がある。


そんな時のサーバルちゃんの目は、いつものどこか愛嬌のある目じゃなくて

表情のない、何の感情も感じさせないものに思えた。

例えるなら、野生の動物が狩ろうとしている獲物を見つめているような。


サーバルちゃんは、サンドスターの作用によって

今は人間のような恰好をしているけれど、元は野生のサーバルキャット。

本質的には野生動物なんだ。

その本能が、表面に現れようとしているのかも知れない…。


かばん「さーて、今日はここらへんで休もっか」

サーバル「うん!丁度いい木のウロがあって良かったね」


ボクとサーバルちゃんは旅を続ける途中で休む時、、

丁度いいほら穴や大きな木のウロがあればそこで休む。

基本的にボクたちは寝るときそばで一緒に眠る。

けど最近、ふと、夜中に目をさましたりすると…。


かばん「…」

サーバル「…」

かばん(…サーバルちゃんの視線を、背中に感じる)

サーバル「…ウル…」

かばん(サーバルちゃんが、動物ぽいうなり声をあげてるのも聞こえる…)

サーバル「…ルルル…ルル…」


こんな時、サーバルちゃんはボクの背中をあの例の無感情な

野生動物が獲物を狙うような目で見つめているんだろう。


サーバル「さーって、朝だ!かばんちゃん、今日も頑張って旅しようねー」

かばん「う、うん…」

サーバル「あれ?どうしたの?元気ないよかばんちゃん」

かばん「う、ううん、何でもない、大丈夫」


無事に朝を迎えるたびに、ホッと胸を撫で下ろす。

そんな毎日が続いていた。









私、最近自分がおかしくなってる事に気がついていた。

ふとしたきっかけで、かばんちゃんから目が離せなくなるんだ。

かばんちゃんの、柔らかそうなほっぺ。

とっても可愛らしい腕。

そして…あの、ほっそりして…綺麗な…

首筋…。


その時の私の頭の中は、色んな思いが渦巻く。

かばんちゃんの首筋って、どんな味がするんだろう。

それから、あの可愛らしい腕は?

ほっぺは?


けど、かばんちゃんは言ったんだ。食べないでくださいって。

うん、大丈夫。食べないよかばんちゃん。

大丈夫、大丈夫。…大丈夫だよ。

……大丈夫…だから…


かばん「…サーバルちゃん?」

サーバル「あ?う、うんなにかばんちゃん?」

かばん「どうしたの?ボクの顔をじっと見て」

サーバル「あ、う、ううん?何でもないよ?」


食べない食べない、食べないよかばんちゃん。

だって、かばんちゃんは大切な友達だもの。

約束を破ったら、嫌われちゃうもんね。

……でも…





サーバル(…)

かばん「ウルル…ルルル…フゥッ」

サーバル(…サーバルちゃん、もう我慢が限界に来てるみたい…)

かばん「ルル…フゥーッ…」


サーバル(逃げても、ダメだよね)

かばん「グルッ…ルルル…」

かばん(きっと、簡単に捕まっちゃう)

サーバル「フゥー、フゥーッ…!」


かばん(…食べられるのって、痛いのかな)

かばん(たぶん、すごく痛いよね)

かばん(…お願い、サーバルちゃん。せめて、痛まないように…)

サーバル「フゥー、フゥー…」


その日、今にも飛びかかろうとする野生動物のような

サーバルちゃんのうなり声を背後に聞きながら、

ボクはいつしか眠りに落ちていった…。


かばん「…ハッ?」

かばん「…」

かばん「…サーバル…ちゃん?」


まだ薄暗い明け方、ボクは目を覚ました。

ボク、生きてる…。

いや、それよりも隣に寝てたサーバルちゃんがいない?


かばん「…サーバル、ちゃん」

かばん「サーバルちゃん!」


大声でサーバルちゃんの名前を叫ぶ。

そうしながらボクは思った。

きっと、サーバルちゃんはボクの前から姿を消したんだ。

ボクを食べてしまわないように…。


かばん「サーバル…ちゃん…」

かばん「ボク達…友達でしょ…?」

かばん「どうして、ボクを一人で置いてくの…?」

かばん「サーバル…ちゃん…」

かばん「サーバルちゃーんっ!」


命が助かった安心感よりも、

寂しさでボクの胸は張り裂けそうだった。

ひどいよ、サーバルちゃん…。

ボクを一人ぼっちで置いてくなんて。


サーバル「…かばんちゃん」

かばん「さ、サーバルちゃん?」


その時、近くの背の高い草むらから声が聞こえた。

何だ、サーバルちゃん、こんな近くに…。


かばん「もう、びっくりさせないでよ、サーバ…」

サーバル「…ウル…ルルル…」


草をかきわけ、サーバルちゃんの姿を見つけたときに

ボクは体が固まった。

サーバルちゃんは地面に丸くうずくまり、必死に自分で両腕を押さえ

今にも爆発してしまいそうな何かの衝動と戦っているようだった。


かばん「さ、サーバルちゃ…」

サーバル「来ないでかばんちゃん!はぁっ、はぁっ…ウルッ、ウルルルッ!」


サーバル「…私、ちょっと前から変なんだ」

サーバル「かっ、かばんちゃんを見てると…」

サーバル「た、食べたくって、食べたくってっ…ルルッ、ルルアーッ!」

かばん「さ、サーバルちゃん…」


サーバル「け、けどかばんちゃんは、私の大切な、大切な友達だから…」

サーバル「逃げてっ、かばんちゃん!私の抑えが効かなくなる前に、早く!」

かばん「…いいよ、サーバルちゃん」

サーバル「え…?」


かばん「ボクを、食べてよ…」

サーバル「か、かばんちゃん…!ダメだよ、そんなっ…!ウルルッ…!」

かばん「そんなに苦しんでるサーバルちゃん、放っておけないもの」

サーバル「だ、ダメッ、お願いだから…ウルルゥッ!」


かばん「ボク達、友達でしょ?」

サーバル「か、かばんちゃん…」

かばん「サーバルちゃんに食べられるなら、ボク、かまわないよ…」

サーバル「か、かばんちゃん、ダメッ…!」


サーバルちゃんはしばらく震えながら地面に蹲っていたが、

しばらくして体の震えがピタリと止まった。

そして…。


サーバル「…かばん、ちゃん」

サーバル「かばんちゃーんっ!」

かばん「う、うわぁ!?」


最初に出会った時と同じような、天高い、サーバルちゃんのジャンプ。

そして次の瞬間、ボクはサーバルちゃんにのしかかられ、

地面に押し倒されてしまった。


サーバル「はぁっ、はぁっ、か、かばんちゃんが食べていいって言ったんだからね?」

サーバル「た、食べていいんだよね?かばんちゃん?」

かばん「…うん。食べていいよ、サーバルちゃん」


サーバルちゃんの瞳の瞳孔は完全に開き、

口の端からはよだれが垂れている。

きっと、ずいぶん我慢してたんだ。

ごめんねサーバルちゃん。そんなに辛い思いさせちゃって…。


サーバル「じゃ、じゃあ、食べるよ?いただきまーす!」

かばん「あっ…!」


ボクの首筋をぺろりとサーバルちゃんがなめた。

恐怖とくすぐったさで、ボクは思わず身を硬くした。


サーバル「んっ、おいしい、おいしいよかばんちゃん!」

かばん「さっ、サーバルちゃ…!」


クンクンと匂いを嗅いだり、ペロペロとボクの首筋を舐めるサ-バルちゃん。

野性動物の本能的な行動なんだろうか。

今はくすぐったいっけど、今、そのうちに、きっと鋭い痛みが…。


サーバル「…ふぅ。思ってたよりも」

サーバル「ずっと、おいしいよかばんちゃん…」


サーバルちゃんはボクをあの野生動物の目で見下ろした。

もう、理性の歯止めが完全に失われたんだろう。

ぎらぎら輝く目。ふぅ、ふぅという荒い息遣い。

ボクの見たことのないサーバルちゃんがそこにいた。


サーバル「…じゃあ」

サーバル「いっただっきまーす!」

かばん「あっ!」


サーバルちゃんの唇が首筋に押し当てられ、ちゅーっと力強く吸われる。

そしてベロベロと舐めあげられたり軽く噛まれたり…。

な、何だか様子が…。


かばん「ちょ、ちょっとサーバルちゃ…っ」

サーバル「はぁ、はぁ、もう止められないよ!」

かばん「んっ、あっ、くすぐった、んっ!」

サーバル「ずっと、かばんちゃんにこうしたかったんだ、んっ!」

かばん「ンンンーッ!?」


唇を塞がれ、思いっ切りちゅーっと吸われる。

それからほっぺもちゅーっと吸われ、甘噛みされ、ペロペロと舐められる。

サーバルちゃんの唇と舌が、ボクの首筋といわずほっぺといわず

吸ったり舐めたりする。


サーバル「うみゃみゃみゃみゃーっ!」

かばん「わーっ!?」


サーバルちゃんの鋭い爪でボクは服を引き裂かれてしまった。

そして、裸になったボクを見て…。


サーバル「はぁ、はぁ、かばんちゃんの胸の、二つのジャパリまん…」

かばん「さ、サーバルちゃん、恥ずかし…」

サーバル「いっただきまーす!」

かばん「わぁーっ!?」








2時間後



かばん「うう…」

サーバル「あー、おいしかったー」スッキリツヤツヤ

かばん(裸にされて、全身ペロペロ舐められて…)

かばん(は、恥ずかしい…)

サーバル「おいしかったよー、かばんちゃん。今度また食べさせてねー」


かばん「…あ、あの、サーバルちゃん」

サーバル「ん?なに?」

かばん「た、食べないでください…」

サーバル「ええーっ!?なんでぇー!?」



以上でした
依頼出してきます


平和でよかった


Gの方じゃなくてよかった

微笑ましくてよかった

ありそうでなかった

途中サーバルとかばんがごっちゃになってたのが惜しい
読んでてハラハラしたけど面白かった乙

閃いた

Gでもよかった、でもGじゃなくてもよかった
つまり良かったということ

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