【ガルパン】杏「五十鈴ちゃん、新年会の幹事お願い」 (30)


1月 新学期 

生徒会長室


杏「五十鈴ちゃん、新年会の幹事お願い」

華「新年会があるんですか?」

杏「うん。せっかくだから戦車道履修者でぱーっとやろうと思ってね。ついでに五十鈴ちゃんも来年の生徒会の為にこういうの仕切る経験しといてよ」

華「わかりました。わたくし、頑張ります!」

杏「じゃあよろしくー。細かいことは全部任せるけど1月中にはお願いねー」



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優花里「おお!新年会ですか!」

沙織「会長も好きだよねー、そういうの」

みほ「すごい!友達と新年会なんて初めて!」

華「はい。わたくしも実家の新年会にしか出たことがないから楽しみです」

みほ「実家の新年会は大変だよね」

華「ええ、お着物を着て朝早くからお花やお料理を準備して……」

みほ「ひっきりなしに来るお客さんにずっと挨拶して……」

沙織「言っておくけど普通はそんなんじゃないからね」

優花里「私達の知らない世界です……」

みほ「華さん、何か手伝えることあるかな?」

華「よろしいんですか?」

みほ「うん。大変だと思うから」

華「嬉しいです!ありがとうございます」


沙織「ごめんね、私達も手伝いたいんだけど」

優花里「我々も小山殿と河嶋殿に仕事の引き継ぎを頼まれてまして」

麻子「私もそれを手伝うことになってる」

華「いえ。お気持ちだけで十分です。良い新年会にしますね」

優花里「楽しみにしております!」

沙織「無茶はしないでよー」

麻子「なんでもいいが集合時間は昼以降で頼む」


みほの部屋


みほ「パソコン、良かったら使って」

華「ありがとうございます」

みほ「まずは何から決めようか」

華「日時を決めましょう。いつやるか決めないことには皆さんの予定も合わせられませんから」

みほ「そうだね。さすが華さん」

華「戦車道履修者は32名ですから、そこそこの大きさのお店にしなくてはいけませんね」

みほ「あらためて数えるとたくさんいるよね。学園艦には無いかな?」

華「そうですし、せっかくの新年会ですからやはり陸のお店にしましょう」

みほ「えっと、次の寄港は来週の土日だね」

華「では来週の土曜日で仮決定して、皆さんに聞いてみましょう」

みほ「うん。華さん決断力すごいよ!どんどん決まっていくね」

華「いえ、みほさんと相談しながらだからスムーズに事を進めれられるんですよ」

みほ「そ、そうかな?」

華「この調子でお店も決めましょう!」

みほ「うん!」


華「みほさんは何か食べたい物はありますか?」

みほ「うーん、私はみんなが食べたいものでいいよ。華さんは?」

華「わたくしも好き嫌いは無いので……どうしましょう」

みほ「みんなに聞いてみる?」

華「全員の希望を聞くと収集がつかなくなりそうですね。みほさん、遠慮なさらず何か希望があるなら言ってみてください。参考にしますから」

みほ「じゃあ……みんなでお鍋とか……そういうのやりたいな」

華「お鍋ですか!良いですね!」

みほ「大人数でそういうのしたことなくて……ちょっと憧れてたの。黒森峰にいた頃はみんなと食べるのはドイツ料理だったし」


華「わたくしもやりたいです。お鍋で決まりですね」

みほ「ええっ、私の希望で決めちゃっていいの?」

華「お鍋が嫌いな人なんていませんよ」

みほ「華さんは本当に食べたい物ないの?」

華「わたくしは本当に何でも。強いて言うならばそうですね……お腹いっぱい美味しいものを食べられたら嬉しいですが」

みほ「だったら食べ放題のお店を探そうか」

華「食べ放題!それは素晴らしいですね!是非そうしましょう」

みほ「あはは……」


翌日 訓練後


みほ「皆さん、お疲れ様でした」

オツカレサマデシター

みほ「解散の前にお知らせがあります」

ザワザワ ナニナニ? ナンダロ?

華「この度、戦車道履修者で新年会を行うことになりました」

オオー!


華「来週の土曜日、陸にあるお店で和牛しゃぶしゃぶ食べ放題です!」

オオー!

あや「しゃぶしゃぶだって!」

桂利奈「食べ放題だって!」

優季「和牛だって~」

梓「楽しみ!」

あゆみ「楽しみだね!」

キャッキャ


華「料金はひとり、7500円です!」

エッ……

シーン……

ザワザワ……

あや「7500円……?」

あゆみ「7500円!?」

桂利奈「アニメのぶるーれい買える値段……」

優季「お小遣い無くなっちゃう~」

梓「ちょ、ちょっと!みんな聞こえるから!」

あや「梓は高いと思わない?」

梓「ちょ、ちょっと高いかなとは思うけど」

あゆみ「だよね。社会人じゃないんだから。1回で7500円って」

優季「社会人でも高いんじゃない?私のパパのお小遣いなんてぇ」

梓「と、とにかく文句言っちゃダメだって」


優季「でもぉ~カバさんチームの人達も微妙な表情してるし~」


エルヴィン「……」

カエサル「……」

左衛門佐「……」

おりょう「……ぜよ」


あや「アリクイさんチームもなんかぶつぶつ言ってるしー」


ねこにゃー「7500円あればガチャを……」

ももがー「課金アイテムを……」

ぴよたん「あれ、安いのか高いのかわからなくなってきたっちゃ」



あゆみ「アヒルさんチームだって」


典子「よーし!肉!!食べ放題!根性で食べまくるぞ!!」

妙子・あけび・忍「「「おーーーー!!!」」」


あゆみ「駄目だ、値段のこと気にしてないわ」

桂利奈「バレー部なら元取れそう」


梓「……たぶん河嶋先輩が『高い!』って怒るんじゃないかな」

あや「確かに!すごい怒りそう!」


杏「じゃーみんなよろしくー。五十鈴ちゃんが初幹事だからねー」

桃「新年会があるからって気を抜くなよ!明日の朝練も遅刻しないように!解散!」

オツカレサマデシター

梓「あれっ」


みほ「私達も帰ろうか」

華「はい。告知も出来ましたし、帰りに何か食べますか?」

みほ「沙織さんたちはどう?もう帰れる?」

沙織「ちょ、ちょ、ちょっと待って!華!みぽりん!新年会7500円ってマジなの?」

華「ええ、和牛しゃぶしゃぶ食べ放題でこの値段はとってもお得ですよね。みほさんが見つけたんですよ」

みほ「華さんの意欲のおかげだよ」エヘヘ

優花里「ではお2人の意見の一致の上でそのプランを選んだということですか」

華「勿論です」

沙織(どうしようゆかりん。2人とも高いってことに気付いてないよ)ヒソヒソ

優花里(良家のお嬢様ですからね……むしろ安いとすら思ってそうです……)ヒソヒソ

沙織(みんな言いたくても言えない感じだったし、私達が言ったほうが良いのかな?)ヒソヒソ

優花里(そうですね……)ヒソヒソ


みほ「」ニコニコ

華「」ニコニコ

沙織(ううーー!やっぱり言いにくいーー!!悪意無しでやってるんだもん!)

優花里(笑顔が眩しいです……)

麻子「五十鈴さん、西住さん」

みほ「え?」

華「なんでしょう」

麻子「7500円は高すぎるぞ」

沙織(言ったーーー!麻子ナイス!!)

優花里(さすが冷泉殿です!)


みほ「え、そ、そうなの、かな?」

麻子「高校生の食事で1回7500円はおかしいだろ」

華「ですが和牛の食べ放題ですよ?」

麻子「和牛の相場は知らんが、お得かどうかじゃなくてそもそもの値段が高すぎる」

みほ「ご、ごめんなさい私、こういうの決めたことなくて……」オロオロ

麻子「謝ることじゃない。むしろ任せておいて文句言うのは良くないと思ってる。でもみんな言いにくそうだったからな」

華「あの場ではメインの和牛しゃぶしゃぶだけ言いましたが、和牛以外にも色々食べられるんですよ?お野菜も食べ放題です」

麻子「種類の豊富さの問題じゃない」

華「飲み放題も付いてますよ?」

麻子「私達はソフトドリンクしか飲まないんだからファミレスのドリンクバーと変わらないだろ」


華「スイーツも食べ放題みたいですよ?」

麻子「スイーツ!?」

華「はい。スイーツコーナーがあって自由に頂けるみたいです」

麻子「……なら悪くないか」

沙織「麻子!?」

優花里「種類の豊富さの問題じゃないって言ったじゃないですか!」

麻子「まぁ、年に一回のイベントだし少しくらい贅沢してもいいんじゃないか」

沙織「あ、駄目だわこれ」

華「ありがとうございます。麻子さんが認めてくださるなら大丈夫ですね」

みほ「うん。高すぎるところ予約しちゃったのかと思ってびっくりしたぁ」アハハ

沙織「……」

優花里「……」


優花里「武部殿。頼みの砦が陥落してしまいましたが」

沙織「麻子、特待生だし奨学金貰ってるし、普段はお金を全然使わないから結構貯めてるんだよね」

優花里「どうしましょう」

沙織「もう明日でいいや!明日みんなで言おう!他の子たちも同じこと思ってるはずだから」

優花里「そうですね!」

麻子「ん?あそこにいる人は……」


亜美「みんなー!」

優花里「蝶野教官!」

みほ「こんにちは」

華「お久しぶりです」ペコリ

亜美「元気そうね!グッドだわ!」

沙織「教官、今日はどうして大洗にいるんですか?」

亜美「連盟の仕事でちょっと角谷さんとね。それよりも聞いたわよ!新年会の話!」

華「教官も来られますか?」

亜美「ええ!みんなと交流したいわ!大丈夫?」


華「はい。1人なら増えても大丈夫だと思います。是非いらしてください」

亜美「ありがとー!会費はいくら?」

亜美(ここは5000円くらいバーンと出してあげましょ)

華「7500円です」

亜美「オッケー!……えっ」

華「7500円です」

亜美「わ、わかったわ!これ、8000円ね!次来れるのは当日だから先に払っておくわ!」ササッ

亜美「お釣りはいらないから!ドーンと取っておいて!」

華「よろしいんですか?ありがとうございます」

麻子(そのセリフ言うならせめて1万円出せよ)


新年会当日


沙織「結局言えないまま当日になっちゃったね……」

優花里「はい……」


華「今日は皆さんお集まりいただきありがとうございます」

亜美「楽しみね!(8千円も出したんだから思いっきり飲み食いしてやるわ!)」

典子「肉をたくさん食べるぞー!根性ー!!」

忍・あけび・妙子「「「はい!キャプテン!」」」

みほ「あの、人数が明らかに少ないんだけど……」

そど子「ちょっと!これ半分くらいしか来てないんじゃないの!?」


そど子「ちょっと!これ半分くらいしか来てないんじゃないの!?」

桃「集まったのはあんこうとアヒルとカモ、それに私達と蝶野教官だけか」

杏「残り4チームは誰も来てないねー」

そど子「集合時間に遅刻するのは校則違反よ!」

華「いえ、遅刻ではなく皆さん体調不良で来られないそうです。今朝、連絡がたくさん来ましたので」

みほ「そうなの?風邪が流行ってるのかな……心配だね」


沙織(それって……)

優花里(ほぼ確実に仮病ですね……)

華「残念ですが今回はわたくし達だけで楽しみましょう」


麻子「ちょっと待て。欠席がこんなに多いとキャンセル料がかかるんじゃないのか」

華「えっ?そういうものなんですか?」

柚子「普通はそうね。何日か前ならともかく当日だし……」

華「そうでしたか……体調を崩した上にキャンセル料までかかっては気の毒です。ここは幹事として私が負担するしかないですね」

沙織「いやいやいや!それはおかしいって!」

みほ「うん。華さんだけに負担させるわけにはいきません。私も出すよ」

沙織「そういう問題でもないから!」

そど子「ルールはルールなんだからキャンセルした人間が払うべきよ」

華「ですが……」


麻子「そもそも体調不良が本当か怪しいと思うが」

みほ「そうなの!?」

華「麻子さん、わたくしは仲間を疑うようなことはしたくありません」

麻子「タイミングからそう考えざるを得ない」

沙織「私もそう思う……発表した時のみんなの反応的にも」

優花里「冷泉殿と武部殿に同意します……今日まで言えませんでしたが値段の問題が大きいかと」

みほ「でも……本当に風邪かもしれないよ?」

沙織「そう思いたいけどさぁ」

華「では、仮病で休むほど値段設定がよろしくなかったということですね?」


優花里「高校生の平均的なお小遣いではそうなるのでは」

華「でしたら、あの時に言って頂きたかったです」

みほ「うん。私も華さんもわからなかったし……」

沙織「う、ごめん……」

優花里「面目次第もありません……」

麻子「私も自分の欲で値段はどうでも良くなったフシがあるからそれは悪いと思ってるが」

亜美「まあまあまあ!くだらないことで喧嘩しない!」

沙織「喧嘩はしてませんけど……」

華「いえ、申し訳ありません。私の不手際を沙織さんたちに押し付けようとしてしまいました」ペコリ


みほ「ご、ごめんなさい!私ももっとちゃんとみんなに相談すれば良かった」

杏「じゃ、そろそろ行こうか」

沙織「でもまだキャンセル料のことが解決してませんけど」

杏「大丈夫。生徒会の予算で落とすからみんなは負担しなくていいよ」

桃「そもそもの参加費も生徒会の交際費で全額落とせる」

華「えっ!」

沙織「なんで早く言ってくれないんですかー!?」

杏「いやー、一応最後まで任せるつもりだったんだけどね。五十鈴ちゃんは良い子だから予算を『上手く使う』って発想には至らなかったか」

華「申し訳ありません……」

杏「良いんだよーそれが新生徒会長の持ち味だからね。でもこういうことも出来るよってことで」

柚子「私たちも冷蔵庫買ったりコタツ買ったりしたもんね」


桃「お前たちはみんなで生徒会だからな。私達は今後もなるべく口出しはしないようにする。五十鈴に負担をかけすぎずに支え合ってやるんだぞ」

優花里「は、はい!」

沙織「恋愛と一緒でちょっとはワルいことも必要ってことね!頑張ります!」

華「恋愛したことないでしょう?」

杏「じゃ、ここにいないみんなに連絡してあげなよ。タダならきっと体調回復するんじゃない?」

沙織「責めないようにしないとね」

亜美「ふふ、一件落着のようね!アレなら私がみんなの分をドーンと出してあげようかって思ってたけど必要は無いわね!」


杏「ん?今なんて言いました?」


亜美「えっ?」

杏「みんなー!蝶野教官が全部出してくれるって!」

亜美「ちょ、ちょっと待って!それは予算が出なかったらの話で」

杏「まだ予算が落ちると決まったわけじゃないですよー?まさか教官が言ったことを覆したりしませんよねー?それじゃあの文科省と一緒ですもんねー?」

亜美「いやああああああ!!ちょっと、新生徒会長さんなんとかして!」

華「ありがとうございます教官。これで予算も使わず皆で楽しむことが出来ます」ペコリ

桃「よし、その調子だ五十鈴」

亜美「びえええええええええ」



おわり

去年の新年会シーズンに途中まで書いて落としてしまったものに加筆して投稿しました

華さん新生徒会長が決まってからとっくに1年以上たつんですね……
それでは、読んでくれてありがとうございました

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