エレン「特筆すべきことのないただの日常」(129)



キャラ崩壊注意!!



エレン「今日もいい天気だな。いい夢みたぜ。女の子にもてもてな夢を見た」

ミカサ「エレン、女の子ってだれ……?」

アルミン「羨ましいなエレン。現実でもモテモテなのに、夢でもモテモテなんてね」

エレン「だろ!!」


ライナー「エレンがモテモテだって?ハッ、笑わせるぜ。お前は俺のトリコだろ?ん?」

ベルトルト「ホモしね」


アニ「……」(エレンが女の子にモテモテって……その中に私は入ってるのカナ?///)ドキドキ

クリスタ「エレーン、馬術の訓練しよ☆」

こにー「えれん は おれと きょうは くんれん するんだぞ!」

サシャ「ドラクエみたいになってますよコニー」



サシャ「坊主はほっといて、エレン!パンください!パン!」

エレン「や、やめろよサシャ!!」

サシャ「おいし~~」(●^o^●)

ミカサ「エレンのパンを勝手に食べた……ユルサナイ……」

クリスタ「も~~ひどいよサシャ!ぷんぷん!」

ライナー「アルミン、今日もいいケツしてやがんな////////」

アルミン「やめろ」

マルコ「はぁ……今日も僕/俺のカゲうすいなぁ」

こにー「きにするな、おれもだぜ」

ベルトルト「僕もだよ……」


エレン「……」

夢から覚めた。
目に映るのは見慣れた宿舎の天井だ。

今日は数少ない貴重な休み。
訓練がないとは言え、ついいつも通りにまだ日の昇りかけているような時間帯に目が覚めてしまうのは残念がるべきなのか、それとも早起きの習慣が身についていると喜ぶべきなのか。


まだ同室のほとんどの奴が夢の中のようだ。
健やかな……一部そうとは言い難い者もいるが……寝息がそこかしこから聞こえてくる。

夢といえば、先ほど見た夢はどんなものだっただろうか?
内容を反芻してみようとしたが、既に忘却の彼方に旅立ってしまったようだ。
ただみんなと笑いあって朝食を食べる、いつも通りの日常だったと思う。



エレン「二度寝しようにも、目が覚めちまったな。どうするか」

俺は珍しく朝の散歩でもしようかと思い、ベッドをでた。
部屋の連中を起こさないように抜き足差し足でドアを開ける。

季節な夏に差し掛かり、訓練も辛さを増しているが、
朝の空気はすっきりしていて涼しささえ感じる。

新鮮な空気を胸一杯に吸い込みながら、中庭を歩き続ける。
早朝とだけあって、すれ違う人間はいない。当たり前だ、休日にこんな朝早く起きる者なんてめったにいないだろう。


エレン「……ん…あれは」


と思っていたのだが、そうではなかったらしい。
樹の下にとある人物を見つけて、少々驚いた。まさかこんなところで会うとは。

俺は声をかけようと、静かに歩み寄った。


エレン「おーい >>7!」

さしゃ



エレン「サシャ!なにしてるんだ?」

サシャ「エレン?」


樹の下にいたのはサシャだった。
こちらに背を向けてうずくまっていた彼女は、俺の声に驚いて振り返る。

いつもコニーと阿呆なことをして、教官に怒られているサシャとは別人のような気がして、
一瞬驚いたが俺はそれを態度にださないようにした。


サシャ「こんな朝早くなにしてるんです?今日は訓練ないですよ」

エレン「知ってるよ。なんか目が覚めちまってさ。お前はなにしてるんだ?」

サシャ「いや……えっと、別に」

エレン「? なんだ?」


サシャは背後にある何かを俺から隠すように、両手をブンブン振った。
隠されると余計に見たくなるのが人の性というものだ。
サシャの腕を捕まえて背後を覗きこむ。


そこにあったのは>>9だった。

(エレンと食べる予定の)食べ物



エレン「……なんだ、それ?」

サシャ「わーーーー!!見ないでくださいよーー!!」

エレン「食い物……か?それにしちゃ随分不格好なような」

サシャ「ひどい!!ひどい!!!」

エレン「お前、いくら腹が減ってるからって、こんなもん食ったら腹壊すぞ?」

サシャ「!!」


あったのは食べ物…とかろうじてわかるような、謎の物体だった。
焦げ臭い匂いがツンと鼻をつく。
いくら胃の頑丈そうなサシャでも危なそうな代物だ。

それを指摘すると、サシャはピタリと動きを止め、ふるふると震えはじめた。

エレン「ま、まさかもう食っちまったのか!?おいすぐ吐き出せ!毒性があるかもしれないぞ!」

サシャ「エーレーン……!!さすがの私も怒りますよ……」



サシャ「エレンが、この間私の故郷の郷土料理食べたいって言ったんじゃないですか……!!」

エレン「え?」


そう言えば、そんなことを言った覚えもなくはないかもしれない。
いや、あった。確かにあった。


エレン「……それが? お前の故郷って……その、いや、なんでもない」

サシャ「ち、違いますよ。これは失敗しちゃったんです。だから、その」

サシャ「ここに置いておけば、鳥たちの餌になるかなと」

エレン「お前、それは鳥に対するテロだぞ」

サシャ「そこまでひどいですか!?」


サシャはしょんぼりしてしまった。
ポニーテールもいつもよりうなだれてしまっている。

サシャ「うう……もういいです。私もともと料理って苦手ですし」

サシャ「これ回収して寮に戻ります。じゃあまた」


そう言ってこの場を去ろうとするサシャを、俺は

1 引きとめた。
2 見送った。


>>15

1


エレン「待てよ、サシャ」

そそくさと立ち去ろうとするサシャの背中に向けて、俺は声をかけた。
サシャは眉尻を下げて不機嫌そうな声をだす。
どうやら俺の先ほどの不用意な発言は、結構彼女にダメージを与えてしまったようだ。


サシャ「なんですか。どうせ私は毒性の食べ物で鳥にテロする女ですよ」

エレン「そこまで言ってないだろっ ああ、いやそのさ。悪かったよ」

エレン「えーっと、そうだ。今日は休日だし、一緒に街に行って材料買おうぜ。そんでまた作ってくれよ、その料理」


いつもいつも同じ質素な食事を、いつもいつも極上の御馳走のように食べていたサシャの姿を見て、
彼女の故郷の料理に興味をもったんだった。

さっきの物体も焦げてさえいなければそれなりにうまそうに見えた。



街に誘ってしまってから、はたとハンナとフランツの姿を思い出す。
二人はよく休日に二人きりで街に繰り出していた。
男女が二人で休日に街に行く……それはまぎれもなく、彼らが嬉しそうに口にする「デート」というものだ。

コニーとジャンあたりに見つかったらうるさいことになりそうだ。
しかし、当のサシャは目を輝かせていた。

サシャ「本当ですか?私、今度は絶対に失敗しないので!ぜひお願いします!」

サシャ「私の故郷の料理、すごくおいしいんですよ。誰かに食べてもらいたかったんです。
    ではっ!半刻後にまたここで待ち合わせましょう」


ニコッと笑うとサシャは風のように去ってしまった。
まあ、こんな朝早くならあいつらに見つかることもないだろう……そう願いたい。

俺も準備をするために部屋に戻った。


サシャ「あとはコレだけです。おじさん、これひとつ下さい!」

おじさん「はいよ!○○円ね!」

エレン「へえ、結構材料自体は少ないんだな」

サシャ「ええ。調味料もあんまり使いません。素材の味です」


得意げに胸をそらすサシャ。
料理を成功させてから威張ってくれ。

朝ということもあって、あまり街に行きかう人は少なかった。
市場だけは活気がある。サシャは魚屋から商品を受け取った。
魚屋の豪胆そうな主人がニヤリと唇を釣りあげる。


おじさん「なんだ、にーちゃんねーちゃん、朝っぱらからデートかい?」

エレン「ちげぇよ!」


からかうような口調に思わず語調激しく反応してしまった。
これではそうだと言っているようなものだ。


なぜか顔の熱くなっている気配がする。本当になぜだ。
チラリと横目で隣のサシャを盗み見てみると、


サシャ「あっはは。なに言ってるんですか、おじさん」


照れた様子もなくケロリと笑っていた。
……特に理由もないが、むかついて肩を小突いた。


サシャ「わっ なにするんですか!」

エレン「なんでもねーよ……」

サシャ「変なエレンですね」

エレン「それよりどうする?このまますぐに兵団に戻るか?」

サシャ「うーん…せっかく街にきたし、もう少し見てみたい気もします。でも早く料理を作ってみたい気もします」

エレン「どっちだよ」


サシャ「悩みますね……!う~~~ん、決めました!


1 もうちょっと街を見て回りたいです
2 さっそく兵団に戻って料理を作りましょう



サシャ「街を見て回りませんか?今日はいい天気ですし……エレンさえよければ、ですけど」


少し自信なさ気にチラリとサシャが俺を見上げた。
俺も久しぶりに街に来たから、見て回りたいと言うと大げさにはしゃいだ。
朝から元気な奴だ。

人通りの少ない街を歩いてまわる。
途中で気づいてサシャのもっている荷物をもってあげた。

サシャ「いや別にいいですよ。重くないですし」

エレン「遠慮すんなよ。俺が持つって」

サシャ「だから大丈夫ですって」

エレン「だーもう、いいからよこせ!」

サシャ「あー!返してくださいよ!」

エレン「親切で言ってやってんだろ!」


強引に荷物を奪い取った。サシャは戸惑いを隠すようにオーバーに怒っているような感じだ。
戸惑われると急に自分の行いが恥ずかしく感じてしまい、
俺は足早に通りを進んだ。

後ろからサシャが喚きながらついてくる。

サシャ「そういえば、エレンとこうして二人で歩いたことってあんまりないですね」

確かにそうかもしれない。
顔を合わせば普通に会話したり軽口を叩く仲だが、
どちらかと言えばサシャはコニーやクリスタ、ユミル、
俺はアルミンやミカサと固まることが多い。


サシャ「なんか新鮮ですね」

エレン「そうだな」


いつも食べ物のことを考えているようなイメージを勝手に抱いていたのだが、
こうして二人で色々話してみるとそうでもないようだった。

道端に咲く花を目ざとく見つける。さすが狩猟民族、目がいい。
露店の主人とすぐに仲良くなる。笑い声が通りに響いた。
よくチラチラと俺を見る。意外と人のことを気にする。


サシャ「あっ」

エレン「なんだ?」

サシャ「あのお店……前から入ってみたかったんです。入りませんか?」

指さされた方を見た。それは>>25の店のようだ。

安価>>27

アダルトな店


エレン「え゛……ここか!?」

その店は外から見てもいかにも、というような店だった。
少なくとも俺らのような年齢の若者が入るような店ではない。

街をブラブラ歩いているうちに、いつのまにか怪しげな通りに迷い込んでしまったようだ。
夜はさぞ賑わうのだろうが……朝に来たことだけが救いだと思った。

隣のサシャはキョトンとしている。


エレン「お前、本当にあそこに興味あんのか?」

サシャ「ありますよ!なんかおもしろそうじゃないですか!」

この無邪気な笑み……絶対分かってない。

サシャ「どんなお店なのか、あそこだけ見当つかなくって。クリスタとユミルは見なかった振りして一緒に入ってくれなかったんです」

サシャ「お願いしますエレン!!私気になって朝も眠れません!」

エレン「夜は眠れてんじゃねーか!朝は起きろよ!やめろ、ああいうところはまだ早いって!やめろ引っ張るな!」


止めようとしたのだがサシャは強引に俺を引っ張り、とうとう店のドアを開けてしまった。
つーか朝からやってんのかよ、営業時間どうなってんだよという心の叫びもむなしく、
アダルティな世界が俺たちを迎え入れる。

助けてアルミン!!
恥で死んでしまいそうだ。


店内を見ても一瞬意味がわからないようだったサシャだが、数秒後顔を真っ赤にすると叫びながら走り去った。
……俺を置いて。


店員が「坊主にはまだ早いよ」と面倒くさそうに投げかけた。

俺はドアを乱暴に閉めた。

そしてサシャを追いかけて全速力で街を駆けた。

寝ます 続きは週末までに
のっとってもいいよ


サシャ「ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!」

エレン「俺まで恥かいたんだけど」

サシャ「だってまさかあんなお店だったなんて、私知らなくって!!」


サシャを追うと顔を真っ赤にして平身低頭謝ってきた。
全く散々な目にあったものだ。こんな休日にまで全速疾走する羽目になろうとは。


サシャ「……忘れてください」

エレン「言われなくてもそのつもりだ」

落ち着いて辺りを見渡すと、街にも人気がでてきたようだ。
そう言えばそろそろ昼飯の準備にしてもいい時間帯になってきた。
俺たちは買い物を終え、兵団に戻ることにした。

エレン「材料はこれで全部なんだな?」

サシャ「ええ。>>33>>35で大丈夫です」

ミカサも一緒に食べるからくれた肉

野菜

なんで>>35って書いたんだろうすまん
>>33>>34でいきます


サシャ「ええ。お野菜と、あと―――」

サシャが続けようとしたとき、視界に揺れる黒髪が映った。


エレン「あれ?ミカサ?」

ミカサ「エレン…?と、サシャ?」

サシャ「ミカサ!偶然ですね。ミカサも街へ?」

ミカサ「そう。二人も……?」


頷くとミカサは僅かに戸惑ったようにも見えた。
確かに俺とサシャという組合せは珍しい。
なんとなく気まずくなり目を逸らした。

サシャ「そうだ。これからエレンと私の故郷の料理作るんです。ミカサも一緒に食べませんか?」

ミカサ「私も?……二人がよければ」

エレン「ああ、来いよ。そろそろ昼飯の時間だしな」


ミカサ「なら、これいる?サシャ」

サシャ「これって……お肉ぅぅぅぅぅぅ!?」


小包を受け取ったサシャは飛び跳ねた。慌ててよだれを啜る音が聞こえた。
驚いて俺も見てみると、確かに肉だ。

貴重な肉をなんでミカサが持ってるんだ。まさか食料庫に盗みに行ったわけじゃないだろうな。

ミカサ「成績がいいからと、こっそり教官の一人がくれた」

サシャ「ほんとですかぁぁぁ!!!いいんですか、私たちも頂いちゃってぇ!!」

ミカサ「私一人では食べきれない」


一気に豪勢な昼食になってしまった。
俺たちは足取り軽やかに兵団へと戻ったのだった。



そして厨房。
エプロンを身に付けた俺たちは、食材を前に固唾を飲んでいた。


サシャ「失敗は許されませんよ……なんとしても」

エレン「朝の無残な物体にするわけにはいかないな…」

サシャ「ちょっと、無残な物体ってなんですか!人がせっかく!」

ミカサ「私も料理なら少しはできるけれど、完璧というわけじゃない」

エレン「どうするか。なにせ肉だぞ。いつもの芋やスープなんかとは違う」

サシャ「誰かもう一人料理得意な人呼びますか?」


>>39

1 呼ぶ
2 呼ばない

もう安価ミスばっかりでごめんなさい
>>41でおねしゃす

呼ぶ


エレン「そうだな。万が一失敗したら昼飯なしだし」

サシャ「ですよね。何といってもお肉ですしエヘヘヘヘ……
    今日食べのがしたらもう一生食べられないかもしれませんし……」
    
言いながら肉の味を空想したのか、宙を見つめて恍惚をした表情をしている。
俺は呆れてサシャの頭にチョップをいれた。

エレン「あのな、大事なところはお前にかかってるんだぞ。お前の故郷の料理を食わせてくれんだろ?
    ちゃんと指導してくれよ?」
    
サシャ「わ、分かってますって。でもそんなこと言われるとちょっと緊張してきました」

ミカサ「しっかりして、サシャ」

エレン「ほんとだぜ。……あ!」


そこに厨房の開け放たれた扉の前を、知ってる人物が横切るのが見えた。
俺は慌ててその人物を呼びとめる。料理がうまいと評判の奴だったからだ。


エレン「おい!>>45!ちょっと待ってくれ!」

クリスタ


クリスタ「え?なに?」


クリスタが振り返った。呼び止められるとは思っていなかったんだろう。
サシャの故郷の料理を作りたいのだが、腕に自信がある者がいないので
作るのを手伝ってほしいと言うと、勿論と快諾してくれた。

サシャ「ありがとうございます!ふふふ、お腹がすいてきましたね!さっそく調理にとりかかりましょうっ!」

エレン「悪いな、クリスタ。助かったぜ」

クリスタ「ううん。それよりサシャの故郷の料理、楽しみだな。まず何をするの?」

サシャ「まず野菜の皮をむいてこのくらいの大きさに切るんです」

ミカサ「……皮剥きはもうすぐ終わる」


横を見るとミカサが驚異的なスピードで人参の皮を剥いている途中だった。


サシャ「す、すごいですね」



クリスタもニコニコと笑いながら、手際よく野菜と肉を言われた通りに切り分けていく。
俺も習ってみたが、なんとも不格好になってしまった。
うめきながらサシャを見れば、サシャも同じような顔をしていたので思わず噴き出した。


エレン「お前、なに俺と同じ顔してんだよ」

サシャ「いやぁ~……なんかミカサとクリスタの腕と比べるとなんか自分の料理の腕がお粗末すぎてですね、はい」

エレン「心配するな、俺もだ」


仲間がいて少し安堵する。ただでさえ女子3人に囲まれている状況は、自分で招いといてなんだが少し気まずいものだった。
俺たちは難しい仕事はクリスタとミカサにまかせ、そのおかげかなんとかサシャの故郷料理は完成したのだった。

サシャ「おいしいっ!!!故郷で食べたものの100倍はおいしいです!!!お肉のジューシーさがたまらないです……!!!」


できあがった料理を口にいれたサシャが誰よりも早く感想を述べた。大変幸せそうな顔である。
変わった調理法だと思っていたが、味わってみると確かにおいしかった。素朴ながらも素材の味が引き出ている。
まあ、肉が入っているからかもしれないが。


クリスタ「わ、本当だ。おいしいね。でも私まで頂いちゃってよかったの…?」

ミカサ「肉のことなら全然構わない。むしろ助かった、ありがとうクリスタ」

クリスタ「そう言ってもらえると嬉しいよ」

二人もおいしそうに料理をほおばっている。

エレン「うん、うまいな」

サシャ「よかったです。皆さんにそう言って頂けて嬉しいです!私も大好きな料理なので。クリスタ、ミカサ、ありがとうございました」

サシャ「実は私、今日の朝一回失敗しちゃってて……二人のおかげで完成させることができました」


……なんだか俺だけあんまり役に立ってないみたいだ。
借りを作りっぱなしでは落ち着かない。
なにかできることはないだろうか。


サシャ「え?いや別に、そんなこと気にしなくていいですよ」

エレン「そう言うなよ。なんかしてほしいこととかないのか?あ、金とかは無理だけど」

サシャ「うーん。そんなこと急に言われてもですね……」

いろいろ考えているようだが、なかなか思いつかないらしかった。
これから晩御飯全部ください、とか言いだされる前に、俺も考えてみる。
流石にそれはちょっときつい。

サシャ「あんまり思い浮かばないんで、じゃあ晩御飯これから……」

エレン「そ、そうだ!じゃあこういうのはどうだサシャ!?」


1 格闘術教えてやるよ!
2 罰則で倉庫の掃除命じられてただろ?俺も手伝うよ!


>>51

2


エレン「この間罰則で倉庫の掃除を命じられてただろ?それ、俺も手伝うよ」

サシャ「いやそれよりも、ばんごは、」

エレン「食べ終わったらさっそく行こうぜ!な!今日中に終わらせないとまずいだろうし!!」

サシャ「…じゃあ、お願いすることにします」


強引に押し切ると渋々ながらも頷くサシャ。倉庫はそんなに広いものでもなかったから、自分一人で十分だと思っていたのだろう。
だがあの倉庫は訓練用の大きな器具をしまっておいてあるところなので、一人では時間がかかってしまうことは明白だった。

クリスタ「罰則って、サシャ……また何かやったんだ」

サシャ「あはははは……」

ミカサ「エレンが手伝うなら、私も手伝う」

エレン「いいって。倉庫も3人入ったらちょっと窮屈だし。俺が勝手にやることだからさ」

ミカサ「…そう。分かった」


料理を完食した俺らは、その足で倉庫へ向かった。


倉庫の閂扉を開ける。
器具を使い終わった後は必ず施錠するようにと、常日頃から教官に耳にタコができるほど言われていた。

サシャ「掃除って言うより、これは……」

エレン「整理整頓って感じか?」

サシャ「うわぁぁ…。誰ですかこんなに器具をグチャグチャに置いてった奴は!」

エレン「これは骨が折れそうだな」

目の前に広がる惨状に項垂れる。
教官も罰則にグラウンド死ぬまで周より、こっちを選ぶ訳だ。


エレン「とりあえず手に着く所からやっちゃおうぜ。俺こっちやるから」

サシャ「はい。じゃあ私はそっちやりますか。よし!……うわっ!!」

ドンガラガッシャーンと何か積み重なったものを盛大に崩した音。


エレン「おい、お前仕事を自分で増やすなよ」

サシャ「今のはわざとじゃないですって!それにもともと不安定な置き方されてたんです!」

エレン「なんでもいいけどさ。怪我するなよ」


この調子でやることを増やされたら、終わる仕事も終わらない。
こちら側を早く済ませて、サシャの方を手伝おうと手を速めた。

ただ無言で作業をこなすのも退屈なので何かサシャと雑談でもするか。
手は動かしつつそんなことを考える。

普段聞けないことでも聞いてみようか?
……そうだな、>>57のことについてでも聞いてみよう。



普段聞けないような芋の話題でも聞いてみよう。
こいつの芋に対する情熱は並々ならぬものを感じるし、何か深い理由があるのではないだろうか。

何故ニンジンでもグリンピースでもなく、芋なのか?
芋のどこらへんがサシャを惹きつけるんだ?


エレン「なあ、サシャ。ずっと前から聞いてみたかったんだけど、いいか?」

サシャ「え?なんです?」

エレン「お前芋好きだよな。芋の何がそんなにお前を惹きつけてやまないんだ?」

サシャ「芋?そうですね……そのことについて語るには小1時間かかりますがいいですか?」

エレン「できれば六分の一ほどに短縮してほしい」

サシャ「仕方ありませんね」


サシャ「……というわけです。まとめると、あの吹かしたてのホクホク感が最高なんです」

エレン「なるほど」


しばらく経った後、俺もサシャと同レベルの芋博士に昇格していた。
芋の申し子と言っても差支えない程、芋についての知識を身につけられたと思う。

これで誰に聴かれても芋の魅力を即答できる。
今日は俺とサシャの芋記念日だ。


サシャ「なんだか芋について話してたらお腹すいてきましたね…」

エレン「さっき昼飯食っただろうが」

サシャ「倉庫の整理なんて重労働してたら、お腹もすぐすきますよ。空腹を紛らわすために、私もエレンに何か質問していいですか?」

エレン「俺にか?いいけど」

サシャが訪ねてきた内容は>>61だった。

壁の外


サシャ「エレンは調査兵団に入りたいんですよね」

エレン「ああ」

サシャ「壁の外にでるって……怖くないんですか?巨人がいっぱいいるんですよ」


サシャは手元を見ながら作業をしているので、どんな表情をしているのか分からない。
けれどいつものサシャらしくなく歯切れも悪い。

サシャ「時々なんかエレンって何考えてるか分かりません。みんなもそう言ってます」

エレン「……本人目の前にして言うかよ」

サシャ「あっ すいません……。えっと悪い意味じゃなくて。…えーと」


弁解の言葉が見つからないらしく、「あははは!」と最後は笑ってお茶を濁された。
ごまかしきれていない。


エレン「別に巨人が全然怖くないわけじゃない」

そう答えるとサシャは意外そうにサシャはこちらを見た。

サシャ言いすぎ間違えた


エレン「壁の外にある世界を俺は見たいんだ。その果てにある海ってやつを俺はいつか見てみたい」

サシャ「うみ?」

エレン「海には水がいっぱいあるんだ。そこには商人がとれきれないくらいの塩があるらしい」

サシャ「塩が……そんなにたくさん!?」

エレン「ああ。湖よりも大きな海が全部塩水なんだぜ。すっげーよな」

サシャ「すごいですね。そんなものが、この世界にはあるんですか!」

海のことを話すとサシャは目をきらきらさせた。
嬉しい反応だが、手が止まっている。しかしそれを指摘する前にサシャがしゃべりだした。


サシャ「じゃあ、じゃあ、そんな見たことのないものがあるところなら、おいしい食べ物もたくさんありそうですよね!」

エレン「そればっかか…」


サシャ「そんな桃源郷があるなら私も壁の外に行ってみたい……」

エレン「え?」

サシャ「絶対ありますよ、その『うみ』ってやつも!おいしい食べ物も!」

エレン「……そう思うか?」


そう言えば、アルミンとミカサ以外に壁の外の話をして、こんなに賛同してくれた奴は初めてかもしれない。
大体夢見がちだとか子どもだとか、そんなものあるわけない、というような反応だった。

サシャ「思います!むしろ見つけてやりますよ!……あ、巨人がいなくなったらですけどね…」

最後は尻すぼみになっていたが、サシャの無邪気な笑顔とその言葉は確かに俺の胸のどこかを打った。
サシャの笑った顔を見ていると、なぜかそわそわと落ち着かない気分になるような気がしてパッと目をそらす。自分が自分でないみたいだった。

エレン「……手、止まってるぞ!ちんたら罰則こなしてたら教官にまた怒られる」

サシャ「えっ?あ、ああ!うっかり!」


どうやら本気で忘れていたらしい。
サシャはハッと我に返ると、あわあわと目の前の大きな器具を持ち上げ所定の位置に戻そうとした。
しかし思ったより重かったらしく、よろめきながら後ずさった。

エレン「おい、大丈夫か?」

サシャ「うぐぐ…!は、はい、なんとか」

なんとか、という割にはよろめき続けている。
手助けをしようとそちらに近づいたとき、サシャが背後の棚にぶつかった。
棚は僅かに震えただけ、と思いきや上の方に適当に積まれていた箱がグラグラ危なげに揺れ始めた。

落ちる。

エレン「サシャ!」

俺は、
1 サシャの腕を引っ張った。
2 棚に走り、なんとか間一髪箱を抑えつけた。
>>66

2


エレン「おっと!」

サシャ「ひゃっ!?な、なんですエレン」


俺は棚に飛び付き、なんとかその箱の落下を防ぐことに成功した。
ホッと安堵の息が吐く。箱の中身は立体機動のワイヤーで、これが頭上に落ちてきていたらかなりの怪我を負うことになっただろう。

サシャ「あ……ありがとうございます」

エレン「お前、身体能力高いくせになんか危なっかしいよな」

サシャ「よく言われますよ。お父さんにも、もっと落ち着けって子どものときから言われてました」

エレン「まあ俺も人のこと言えねえんだけどさ」

どちらかと言えば考えるより先に行動してしまう俺は、よく昔から危なっかしいとか落ち着きがないとか言われてたっけな。
そう考えると俺とサシャは似ているかもしれない。
俺は食料庫に食べ物を盗みになんて入らないが。


その頃


「休日に教官に呼ばれるとかついてないなあ」

ため息をつきながらモブこと僕は、とぼとぼとグラウンドを歩いていた。
地面に向けていた視線を上に上げると、倉庫の扉が僅かに開いているのが目に入り面食らう。

倉庫は使わない時には扉を施錠するのがルールで、うっかり閉め忘れたりするとあの鬼教官はこれでもかというくらい怒るのだ。
ただでさえ教官の説教つきの休日という最悪な1日なのに、
扉閉め忘れの罪まで増やされてこっぴどく怒鳴られたくはない。


僕は

1 倉庫に駆け寄ると扉を素早く閉め、閂をかけた。
2 一応人がいないか確認するため、扉の隙間を覗いた。
>>69

1


「これでよしっと」

僕は倉庫に駆け寄って素早く扉を閉めた。そして閂をかける。
それから僕が扉を閉め忘れた張本人だと思われないように、すぐにその現場をあとにした。

これで少しはましな休日が送れるはずだ。
ふー。危なかった。


突然扉からもれていた明かりが消え、倉庫の中は真っ暗になった。

エレン「ん?」

サシャ「へ?」

何が起こったのか理解する前に、ギィィ、と金属が擦れる音がする。
この音は……閂がかけられた音だ。

エレン「おいっ!なにしてんだ、中に俺たちいるぞ!!開けろ!」

面食らってすぐに声を張り上げたが、返答はない。もう扉の外には誰もいないようだった。
拳で扉を叩いてみても無駄だった。


サシャ「ええええっ!?私たち、閉じ込められちゃったんですか!?」

エレン「倉庫の奥にいたから誰もいないと思ったのか?くそ」

サシャ「まあ…休日に誰かが倉庫にいるなんて思いませんよね……私みたいに罰則じゃなきゃ」


ハハハ、とかわいた笑いが暗闇に響く。
笑っている場合ではない。


それにしてもまずいのはこの暗闇だ。
自分の顔の前に手のひらを持ってきてもそれが見えないほどで、足元なんかは全く確認できない。
いつ何かにつまずいて盛大にすっ転んでもおかしくない状況だということだ。

エレン「参ったな。開けねえよ。誰かが倉庫の前を通るまで待つか…」

サシャ「うううぅ……晩御飯の時間までに誰も通らなかったらどうしましょう」

サシャ「いや、今日は休日だし、もしかしたら明日も明後日も誰も来ないかもしれません……わーーっ!餓死しちゃいますよぉぉエレンンン!」

エレン「落ち着け!!」

下手に動いてさっきみたいな事故を招かれたらたまらない。
この暗闇では俺も何もできないんだから。

とりあえず餓死の恐怖に恐れ戦いているサシャを落ち着かせようと、足元を探り探り声の方へ近づいた。
伸ばした手の平が、何かに触れる。

……。
この感触は…もしかして>>74…?

クリスタ


サシャ「ぶぎゃっ」

エレン「わ、悪い!」

闇雲に伸ばした手はサシャの顔面へと続いていた。
サシャも驚いているがこっちも負けず劣らず驚いた。慌てて手を引っ込める。

エレン「お前……なんで泣いてんだよ」

サシャ「だっでぇ、誰もこのまま来てくれなかったら、どうするんですか……ひぐっ」

サシャの顔を触ったとき、両頬が湿っていたことに俺は気づいた。
確かに人通りが多いとは言えないところにあるこの倉庫だが、ずっと誰かが来ないということはないだろう。

そう宥めるように言ってもサシャは鼻を啜るばかりで何も答えなかった。
暗闇と閉塞感で心細くなっているのかもしれない。俺は困り果てた。
いつもわーわーと騒いでいるサシャしか見たことがなかったので、どうすればいいのか分からない。

……どうしよう。
苦し紛れに考えだした案は、>>77だった。

そっと抱きしめ子供をあやす様に背中をなでなで



こういう時は実体験を元に考えた方がいいだろう。
昔……小さい頃、泣いていた俺を母さんはどうしてくれたっけ?


エレン「サシャ、大丈夫だからそんな泣くなって。俺たちが晩飯まで戻らなかったら絶対誰か探しにきてくれんだろ」

安心させるように言いながら、サシャの肩を掴んで抱き寄せた。
一瞬俺は一体なにをやってるんだと思い、顔から火がでそうになったが、
サシャを落ち着かせるためだと言い聞かせる。

サシャ「わっ!?」

腕の中のサシャがびっくりしているのが分かる。
が、構わずに背中にまわした腕をぎこちなく動かして、幼子をあやすようになでた。

昔母さんが俺にしてくれたように、ゆっくり優しく背中をなで続ける。
やがてサシャが恥ずかしそうに「あの…」と声を絞り出した。

サシャ「もも、もういいです!もう泣いてませんからっ!」

サシャを腕の中から解放すると、素早い身のこなしで二歩ほど後ずされた。
……なんだかショックだ。
思い返すと、俺と母さんは親子だが俺とサシャは同期で異性であって、いきなり抱き寄せたりするのは……まずかったかもしれない。


エレン「な、ならいいんだ。いきなり、悪かったな」

サシャ「いや、あの、お、落ち着きました。エレンのおかげで。その、すいません」


お互いがお互いに謝り合って、なんだか沈黙が落ちてきてしまう。
少し暗闇に目が慣れたとは言え、まだお互いの顔色や表情は見えない。
さっきから頬の火照りがおさまらないので俺としては助かった。


エレン「とりあえず、体力温存するために適当に座るか」

サシャ「そうです、ね」

なんとなくだが、俺の予想では……

1) 3時間後、晩飯の前に誰かが扉を開けてくれそうな気がする
2) 5時間後、晩飯の後に誰かが扉を開けてくれそうな気がする
3) 1年後、誰かが扉を開けてくれそうな気がする

>>81

>>2

誰かが俺たちのことを探しに来てくれるのは、サシャには悪いが晩飯の後だろう……。

俺たちはミカサとクリスタの前で倉庫掃除をすると言っている。
晩飯に俺らが現れないのを見て、異変を感じ取って探しに来てくれるに違いない。

だとすると俺たちは5時間ほど、この真っ暗な倉庫で二人きりでじっとしていなければならないことになる。
5時間。途方もなく長く感じられる。サシャに言うとまた泣きだしそうなので、黙っておくことにした。


サシャ「……なんか、すいません。エレンは私の罰則に付き合ってくれただけなのに、こんな目にあわせちゃって」

一人思考に沈んでいると、隣に膝を抱えて座っていたサシャがポツリと呟いた。

エレン「気にすんな。お前が悪いわけじゃないし」

サシャ「……エレンは」

エレン「?」

1 「ああいうこと、誰にでもするんですか?」
2 「私のこと、どう思ってるんですか?」
3 「小林ゆうって人、知ってますか?」

>>84



サシャ「ああいうこと、誰にもでもするんですか?」

とぎれとぎれに小声で尋ねられたのは、そんなことだった。
ああいうこととは何のことか……とは聞くまでもないだろう。

エレン「あー…、えっと…」


サシャの質問の意図は分からないが、口ごもってしまう。
あの時はサシャを泣きやませることだけ考えていたので、咄嗟にやってしまったのだった。

エレン「……」


1 する
2 しない

>>86

2



エレン「誰にでもするわけじゃない」

俺はキッパリと言った。
咄嗟にやったことだったが、それだけははっきり言える。

サシャ「でも、ああいうのは…好きな人同士でやるんじゃないんですかっ?」

エレン「え!?」

サシャ「わっ私、辺鄙な村出身で常識とかあんまり、知りませんけどっ、そういうのくらいわかります!」

サシャは何を思ったのか、じりじりとこっちに詰め寄ってきた。
予想外の行動に、俺は投げかけられる言葉を頭の中でかみ砕くことしかできない。
つまり身動きできなかったということである。


サシャ「私間違ったこと言ってますか!?」

エレン「い、言ってねえな!」

サシャ「ですよね!」

エレン「ああ!」

お互い混乱して、やたら威勢のいい会話になる。なんだこれは。
身じろぎするとサシャの手にあたった。燃えるように熱かった。
俺も似たようなもんだろう。


エレン「さっきのは、なんつーかお前をどうにかして泣きやませようと思って、
咄嗟に」

サシャ「……そうですか」

サシャ「そうですよね。いきなり目の前で泣かれたら困りますよね」

……本当にそれだけだっただろうか?俺は自分の心に問いかける。


エレン「お前っていっつも笑ってるから、多分余計に焦ったんだよ」

俺はサシャのことを思い出すときには、必ず何かしら食べ物をほおばった嬉しそうな満面の笑みが頭に浮かぶ。
泣き顔とはもっとも遠いところにいたサシャだからこそ、あんなに動揺してしまったのだ。

サシャ「……そんなに笑ってますかね」

エレン「……教官に怒られて凹るんでるところも多いな」

むしろそっちの困り顔の方が多い気がしてきた。
しかしそのくるくる変わる表情の中でも、やっぱり自分はサシャの笑顔が一番だと思っているのだと気づいた。

エレン「お前は笑ってるのが一番似合うと思ってるけどな」

うん、それだ。これが俺の一番正直な気持ちだろう。

サシャ「……………………」

エレン「サシャ?なんだよ突然黙って」

サシャ「………………ひひひ」

エレン「!?」


サシャ「ちょっ…………ふふふっ…ちょっと待ってください……くっ」

笑いをこらえている。
人が恥をしのんで正直な気持ちを言ったのに、こいつは笑いをこらえている。


エレン「おいこら!なに笑ってんだよ!!」

サシャ「やっ…私も、わかんないんですけど……っ、なんか、もう……!ふふふふ…っ」

エレン「ふざけんな!!」

サシャ「色々、もう、そういうの言われるの慣れてないですし…っ、わ、笑うしかないじゃないですか!あっはははは!」

エレン「てめぇ…」

サシャは腹を抱えて床をダンダンと叩いて今や大爆笑していた。なんてふざけた奴だ。
このままでは俺の気がすまない。何か仕返ししてやろうと企んだ。

そうだ、>>94をしてやろう。笑ったことを後悔させてやる…

くすぐり

そろそろ寝る
安価きてたらたぶん明日続き書く

もっと鬼安価くると思ってたらお前らやさしいな

自分でふんじまった
>>93で明日から書く

お疲れ様
じゃあ今度からは鬼安価も出しますよ(笑)

お疲れ様です
頑張ってください!

>>97
やめてくらさい
>>98
あざっす

再開

そうだ、くすぐりで報復してやろう。

エレン「おらァ!覚悟しろサシャ!!」

サシャ「わあああああああっ!?」

サシャ「わっ ちょっ やめてくださ……あっはははははは!ひゃっはははは!!」


俺はサシャの脇腹と脇をくすぐり倒した。
くすぐりに耐性があって全く効かない連中もいるが、どうやらサシャには効果覿面だったようだ。
呼吸困難になりそうになったところでようやく手を休めた。


サシャ「はあはあ…なにすんですかっ!!」

エレン「俺のこと笑った罰だよ」

サシャ「し、仕方ないじゃないですか。だって、なんか恥ずかしくて……!」

エレン「え?」

サシャ「……いえなんでもありません!この話はやめにしましょう」


サシャ「はあ。なんだか疲れました…」

エレン「俺も……」


全力でくすぐり攻防を繰り広げてしまったので体力の消費が著しい。
しばらく二人でぐったりしていた。


サシャ「いま、何時くらいですかね。窓がないから外の様子が分かりません」

エレン「そうだな。だれか来るまであとどれくらいだろう」

サシャ「結局罰則も今日中に終わらなさそうですし……あー!」

髪をぐしゃぐしゃと掻き毟ってる音がする。


エレン「まあ、気長に待つしかないだろ」

サシャ「でもエレンが一緒に閉じ込められてくれて助かりました。一人じゃ心細いですし」

エレン「営倉もどきだよな、それ」

サシャ「あっはは」


それから軽い調子で雑談をした後。
サシャの腹の虫がぐうと音をたてた。

サシャ「……あ。……あはは、聞こえちゃいました?」

エレン「もうそろそろ晩飯かもな。あいつらも晩飯に俺らがいないことに気づけば探しにきてくれんだろ」

サシャ「じゃあ私たち晩御飯食べそびれじゃないですか……!!うわあぁぁ、神様あぁぁあ」

サシャの空腹度が臨界点を突破してしまったようだ。
彼女はいま絶望の海の中にいる。狂気が、悲哀が、サシャの魂を黒く浸食した。

サシャ「パン……パンパンパンパンパァン……!!」

エレン「お、おい、サシャ?」

サシャ「ご飯ご飯ご飯ご飯……」


なんだか少し様子がおかしい。
異変に気付いた俺は、とりあえず>>104を試みてみることにした。

ほっぺむにむに



とりあえずサシャのほっぺをムニムニして様子を見よう。
ぶつぶつと食べ物の名を呟いているサシャに両手を伸ばす。

エレン「……」

そーっと両手でサシャの頬をつまんで、むにむにしてみた。
さわり心地?ああ、むにむにしてるな。むっにむにだ。

サシャの晩飯食べそびれへの怨嗟が、ピタリと止まった。
俺はサシャのほっぺの感触を堪能していたので、それに気付かなかった。


ガブッ!

サシャ「肉!?お肉!?」

エレン「わーーッッ!!そりゃ俺の指だッ馬鹿!!」


手の甲にサシャがかじりついて離れない。
こいつは腹が減りすぎて幻影を見ているのだろうか。
このままではカニバリズムがはじまってしまう。俺がサシャの晩飯になってしまう。

俺はサシャに手を噛みちぎられる前に、咄嗟に>>107をした。

名前を呼んで我にかえらせてからの触れたか触れないかぐらいのキス



エレン「サシャ!!サシャ・ブラウス!!!」

まずは名前を呼んでサシャの意識を取り戻そう。
大声を張り上げると、一瞬歯の力が弱まった。
好機を得たりとすぐに手を引っこ抜く。明るいところで見たら歯型がくっきり残っていることだろう。

エレン「サシャ、俺は肉じゃねえ!エレンだ!分かるか!?」

サシャ「エ…エレ……」

エレン「そうだ、エレンだ!」

サシャ「エレン……?」

やっと自我が取り戻せたみたいだ。
でも油断するとすぐさっきの状態に戻りそうな気がする。どうしよう?
なにか強いショックがあれば…………

そこまで考えると、勝手に体が動いた。
サシャの双肩をがっしりと掴む。そして顔を傾けてサシャの唇に……


一方その頃。
食堂では>>112がキョロキョロと辺りを見回していた。

夕飯の時間なのに、エレンとサシャの姿が見当たらない。
もうその時間も終わってしまう……
もしかして、二人になにかあったのだろうか?


>>112は夕飯を食べ終えたら、二人を探しに行こうと決心した。

ミカサ


食事終了の鐘が鳴り響く。
ミカサは食器を片づけると外に出た。

アルミン「ミカサ?どうしたんだい?」

ミカサ「エレンとサシャを探しに行く」

アルミン「ああ、二人とも食事の時間にいなかったよね。僕も探しに行こうか?」

ミカサ「見当はついてるから大丈夫、ありがとう」


二人は確か罰則で倉庫の掃除をしていたはずだ。
そう大きな倉庫でもないので夕飯時までには終わるはずだが、一体どうしたのだろう。
ミカサは足を速めた。


倉庫は扉がきっちり閉まっており、閂までかけてあった。
二人は掃除をもう終えたのだろうか?
だとしたら今、どこにいるのだろう。

ミカサは、不思議に思いながら、


1 中に二人がいるのか声をかけてみた。
2 扉を開けてみた。

>>115

1



ミカサは一応二人が中にいるかどうか、声をかけてみることにした。

ミカサ「エレン、サシャ……中にいる?」

その瞬間、倉庫の中で物音がした。
続いてエレンの声が返ってくる。

エレン「ミっ、ミカサか!?」

ミカサ「エレン!?どうして閉じ込められているの…?」


サシャも中にいるの?と尋ねると、いる、と返ってくる。
しかしサシャ自身の声は依然として聞こえないままだった。

とにかく閂を抜いて扉を開ける。
外も黄昏に包まれていたが、倉庫の中はもっと暗かった。

エレン「助かった……あ、ありがとなミカサ」

ミカサ「エレン、サシャはどうしたの?」

サシャ「え、わ、私はなんともないです、は、はい!!」

どう見ても二人の様子はおかしいような気がするのだが。


沈みかかった夕日に照らされたサシャの顔は、心なしか赤いような。


サシャ「いえっ、夕日のせいですよ!ほら、ミカサの髪も赤くなってますもん!」

ミカサ「そう…?」

エレン「ずっと同じ姿勢でいたから疲れたぜ。さっさと戻ろう。ミカサ、ありがとな。じゃあ」

エレンはそう早口で告げると、本当にさっさと寮に戻って行ってしまった。


サシャ「私たちも戻りましょうか!」

二人で寮に戻ると、サシャの分のパンをとっておいてくれたクリスタに出会った。
その時になって初めて空腹を思い出したかのように、サシャは目の色を変えてパンをほおばる。

サシャ「はうぅぅ、おいしいです、おいしいですぅぅ!」

いつも通りのサシャだった。
さっきまでのサシャの様子はなんだったのだろう。
ミカサは疑問に思ったが、なんとなく詳しく聞くのは憚られてただサシャの超スピードの食事を眺めるだけだった。



俺は今、窓から覗く月を見ながら、眠れない夜を過ごしている。

明日はまた訓練が始める。すぐに寝ないと辛くなるのは分かっているはずなのに、どうしても寝付けない。
誰かに相談したいような、自分の胸に秘めておきたいような…自分でも女々しい感情が沸き起こって、そわそわと落ち着かなかった。

はあ、と音の無いため息を吐いて月に背を向けた。
もう何度寝返りをしたことだろう。


俺の頭から離れないのは……昼間の>>119のことだった。

サシャの味



俺の頭から離れないのは、昼間のサシャの味のことだった。
より微に入り細を穿った説明をすれば……あの触れるか触れないかという、キスと呼んでいいかも分からない口付けのことだ。

サシャに(比喩ではなく)食われそうになるのを防ぐためとはいえ、
俺はなんてことをしてしまったんだろう。今さら悶絶しそうになる。

サシャの味はどんなものだったか…。
そんなこと確かめる余裕なんてなかったので、俺には分からない。
ヘタレか俺は。ああそうだヘタレだ。


今日の俺はなんだかおかしい。自分の感情をコントロールできない。
いつも通り特別なことなんてない、ただの一日のはずだったのに。

サシャのことを考えるともやもやする、訳の分からないこの気持ちに蓋をして、
無理やり瞼を閉じた。もう眠ってしまおう。難しいことは明日考えよう。


こうして俺の一日は幕を閉じた。



朝。また俺の特筆すべきことのない、ただの日常が今日も始まる。


エレン「今日もいい天気だな。いい夢みたぜ。女の子にもてもてな夢を見た」

ミカサ「エレン、女の子ってだれ……?」

アルミン「羨ましいなエレン。現実でもモテモテなのに、夢でもモテモテなんてね」

エレン「だろ!!」


ライナー「エレンがモテモテだって?ハッ、笑わせるぜ。お前は俺のトリコだろ?ん?」

ベルトルト「ホモしね」


アニ「……」(エレンが女の子にモテモテって……その中に私は入ってるのカナ?///)ドキドキ

クリスタ「エレーン、馬術の訓練しよ☆」

こにー「えれん は おれと きょうは くんれん するんだぞ!」

サシャ「ドラクエみたいになってますよコニー」


ライナー「アルミン、今日の訓練一緒に組まないか?この間のお前の考えた作戦、すげえよかったよ。また一緒に一位を目指そうぜ」

アルミン「うん、勿論だよ。この間の作戦、改案を考えたんだけど、ちょっと試してみてもいい?」

マルコ「へえ、興味深いな。俺たちも頑張ろう、ジャン。今日のアルミンたちは手ごわそうだ」

ジャン「へっ上等だ」

コニー「まじかよ。気合入ってんな、みんな……少しは手加減してくれよ」

ベルトルト「怖いなあ…」


いつも通りの、朝食の風景。いつも通りの朝食の会話。
ただひとつ、昨日までと変わったことがあるとすれば…


エレン「サシャ、パンうまいか?」

はぐはぐと今日も飯をうまそうに食べるサシャに声をかける。
サシャもいつも通り元気に答えようとして、こちらをチラリと見た。
が、俺と目が合った瞬間、パッと視線を逸らされる。
心なしかほんのり頬が赤かった。


サシャ「……ええ、おいしいですね。パンは今日も明日もずっとおいしいです」

エレン「そっか。……あのさ、」

昨日から俺を悩ます訳の分からないこのもやもやを取り除くには、どうしたらいいのかまだ分かっていない。
恋だとか愛だとか、そういう名前のつくものなのかすらも分からない。


エレン「また今度一緒に、街に行かないか」


けれど自分の気持ちにまっすぐでありたいと思っている。
ごまかしたり嘘をついたりしたくない。

俺は、目の前の食い意地が張ってていつも元気で、空腹になると人の手まで食い出すこの女の子ともっと仲良くなりたいと思っているのだ。


サシャ「えっ」

サシャ「あ、う」

口ごもって右を見たり左を見たりと目を泳がせているサシャを、黙ってじっと見つめた。
そのまま少しすると、やっと俺と視線を合わせてサシャは言った。


サシャ「……はい。私も、また行きたいです。……えへへ」


この日の後に俺たちがどんな会話をして、どんな関係になったのか―――

それはまた、別の話だ。

ただ不幸な結末なんかではなかったということだけ

それだけ、告げておこう。





おわり

読んでくれた人ありがとうでした

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