花丸 「最近お腹大きくなった? そんなことないずら」 (123)

パサッと音を立て、制服のスカートは私の体から離れていった。

家に着くなり制服を脱ぐのはみんな同じだろうが、私の場合は“目的”が違う。…そもそもこのあとしばらく、服を着ることはないのだから。

向かって座る男は、私の身を包む衣が一つ一つ剥がれていくのを、不敵な笑みを浮かべながら見つめている。


…身を包むものが一つもなくなると、男は立ち上がり、私の肩を優しく抱く。


花丸 「…………今日もよろしくお願いします。“お父さん”」

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※近親相姦描写を含みます※

苦手な方はご注意ください

曜 「千歌ちゃん、いい場所あった?」

千歌 「うーん…なかなか無いんだよねぇ」


二学期が始まってまもなく、私達は早速壁にぶつかっていた。練習場所が無いのだ。

この時期は日が落ちるのが早く、加えてここは田舎ときたものだ。終バスも早くなる。

となると学校以外の場所で練習場所を探さなければいけないのだが、これがなかなか見つからない。

善子 「…ずら丸んちお寺でしょ? 大広間とかないの?」

花丸 「……ッ!」

ルビィ 「花丸ちゃん…? どう?」


花丸 「……ふっ…ふふっ……。ウチのお寺で本当にいいずらかぁ?」

善ルビ 「「ひぃっ!!?」」

花丸 「あと、ウチは遠いから無理ずら」

ルビィ 「そっかぁ…」


花丸 (……はぁ、なんとか誤魔化せたずら)


この話題になれば、自分の家を練習場所にしようと提案されるのは分かりきっていた。

いざという時のために断る理由を考えておいてよかった。

…“あの家”に、友達なんか呼べるわけがない

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花丸 「…んっ………ちゅる………ふぁ…///」ツー…?

父 「……ふぅ。キスも随分上手くなったな」

花丸 「…は、はい。ありがとう…ございます」

父 「もうこんなに濡れてるぞ? 最初は嫌々だったが、今は自分から…。お前も好きだなぁ」

花丸 (…よく言うずら。そうしないとすぐに殴るくせに)


父 「準備もいいみたいだし、挿れるぞ? 祥子」


……祥子。母の名前だ。

母を亡くしたのは2年前。不慮の事故だった。

その時、父が乱暴な人間だと知らなかった私は、母を轢き殺した男を突然殴りつけたことに衝撃を受けたことを、今でもよく覚えている。


――父が壊れたのは、それから半年が経ってからのことだった。


父 『……祥子? 祥子じゃないかっ!!?』

花丸 『な、何言ってるずら? オラは花丸ずら! しっかりしてよお父さん!』

父 『よかった…! やっぱり死んだなんて嘘だったんだっ!』

花丸 『お父さん……』


…私は何を思ったのだろう。
多分、もう一度元気なお父さんの姿を見たい、そんなありふれた想いだったんだと思う。


花丸 『……お久しぶりです、あなた』

父 『…っ!! 祥子…! やっぱり祥子なんだなっ!!?』

花丸 『はい。…突然姿を消して申し訳ありませんでした』

父 『祥子…祥子ォっ!!』ガバッ!!

花丸 『あ、あな……むぅっ!? …ん…っ///』


濃厚なキス。…“夫婦”だから当然だ。

己の浅はかさを悔いた。母のふりをするというのは、つまりこういうことなのだ。


花丸 『ちゅる…っ……んっ…/// はぁ……』ツー…?

父 『祥子…もうこんなに…』クチュ…

花丸 『ふぁぁ…っ!?』

モゾ…クチュチュ……?


花丸 (ふぁぁ…っ…指、入ってるぅ…///)

花丸 (やだ…お父さんなのに…絶対嫌なはずなに…///)グチュグチュ?


クチュクチュ…?? グチュ…グチュ??


花丸 (ふぁぁ…っ…/// こんな音…が…ぁっ…。オラから…?///)

グチュグチュ!!??? グチュグチュ!!???


花丸 「んあぁぁ…っ…!?///」

花丸 (き、急に…っ…/// はげしく…っ!! 嫌なはずなのに…ぃっ…!)


父 『祥子…そろそろ、いい…よな?』ボロンッ

花丸 (あっ……男の人の…お父さんの……///)

花丸 (…ううん、お父さんも喜んでるんだもん。ここで断るわけには…)


花丸 『…きて、ください。あなた…///』

ズププッ!??

花丸 『ずら……ぁ…っ!? い、痛い…っ!!』

父 『…! す、すまん祥子。久しぶりだからつい…』

花丸 『だ、…大丈夫です。大丈夫で…すか…らぁ…っ…!///』

ズチュ…ヌプッ…?


花丸 (あっ…ゆっくり、してくれてる…///)

花丸 『…あなた、私のこと…は気にしないで。す、好きに動いてください……っ///』

父 『祥子…っ! 愛してる…愛してるぞ…っ!』


ズン…ッ! ズン…ッ!


花丸 『あっ…!/// ふぁ…ぁん…っ!!///』

花丸 (んぁ…/// ダメ、お腹のおく…? へんな感じして…///)

花丸 『んぁっ…/// ふぁ…はっ…ひぅ…っ!?』


パチュン!! パチュン!!


花丸 『ふぁっ…!?/// んぁっ…! き、急に激しく…っ? ダメ、だめずらぁっ…///』

花丸 『おく…っ? とどいてるずら…っ/// きゅんきゅんして…っ/// だめぇっ…!!///』

父 『祥子…ッ! イくぞっ!!』パチュン?パチュン?

花丸 『んぁっ…!!? いぃ…よ…っ/// そのまま奥で…っ/// ふぁっ…あっ…!? あんっ!??』

花丸 『おらも…っ!? おらもイクっ/// イっちゃうずらぁぁぁぁっ!!???????』


ドプッ!! ドビュルルルル!! ビュルッ…!!


花丸 『んぁぁっ…???? ふぁ…いっぱぁい出た…ずら………///』

父 『はぁっ…はぁっ……。祥子、だいじょ……』

花丸 『…? あなた?』


父 『…………お前、祥子じゃ……ない…?』

花丸 『…落ち着いた? お父さん』


お父さんは頭を抱え、膝から崩れ落ちた。
…もしかして、私はとんでもないことをしてしまったのではないか? いや、きっと大丈夫。

花丸 (だってお父さんのためなんだもん。きっとお父さんも喜んで……)


バシーンッ!!!


花丸 『っ……!!』ヒリヒリ…

父 『なんてことをしてくれたんだっ…!! 取り返しのつかないことをしてくれたなッ!!』

花丸 『だ、大丈夫ずら。オラは気にしてなんか…』

父 『そういう事じゃないんだっ!! 俺は…俺は…』

父 『…もう戻れない。手遅れだ』

花丸 『手遅れ…?』

父 『…俺はな、もうお前が祥子にしか見えない』

父 『最初はただの幻だったのかもしれない。…だが、さっきので確信に変わった』

花丸 『確信? ……いったい何の?』


父 『……お前は、“国木田祥子”だ』

花丸 『な、何言ってるずら? オラは国木田花…』

父 『うるさいッ!!』バシーンッ!!!

花丸 『い……っ…!!』


父 『お前のせいだぞ? お前が俺のことを惑わすからだ。変な幻覚を見せて、せっかく必死に忘れようとしていた祥子のことを…!』

花丸 『そんな…オラはお父さんの為になると思って…!!』

父 『…なぁ、頭のいいお前ならわかるだろ?』

お父さんは私の方を力強く抱き、顔を近づけた。…子供の頃怒られたときも、こんなふうにされたっけ。


父 『お前が今…いや、これからどうするべきか』

花丸 『オラ……オラは…』


父 『……責任、とれよ?』

花丸 『……ッ!!』


改めて、自分の浅はかさを悔いた。
母のふりをするということは、つまり“こういうこと”だったのだ。

花丸 『……はい。これからもよろしくお願いします』


花丸 『…………あなた』

父 『…あぁ、それでいい。祥子』

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「……ら…る…? …ずー……まー…?」


善子 「ずーらーまーるーってばーっ!!」
花丸 「ふぁぉぁぁっ!!?」

善子 「ぷっ。何よその声」

花丸 「よ、善子ちゃんが急に呼ぶからだよ!」

善子 「さっきから何度も呼んでるってば。てかヨハネ」

花丸 「そうだったの? ごめんね気付かなくて」

善子 「別にいいわよ。それより練習、行くわよ」

花丸 「練習…? まだ放課後までは時間あるよ?」

善子 「まだ寝ぼけてんの? もう放課後よ。あんた5時間目からずっと寝てたんだから」

花丸 「えぇっ!? ど、どうしよう、今日数学なのにぃっ!!」


ルビィ 「…はい、花丸ちゃん。今日のノート」

花丸 「る、ルビィちゃん! ありがとうずらぁ…神の恵みずらぁ…!」

ルビィ 「授業中に居眠りなんて、花丸ちゃんらしくないよね。…クマもすごいし、何かあったの?」

花丸 「…っ! だ、大丈夫ずら。ちょっと寝不足なだけずら」ゴシゴシ

善子 「ふんっ。どうせずら丸のことだし、本でも読みふけってたんでしょ」

花丸 「そ、そうなんだよ。この前買った本が面白くて…」

ルビィ 「…どうする? 練習、今日お休みする?」

花丸 「大丈夫! 2時間も寝たし、もう元気全開ずら」

善子 「ほら、練習行くわよ」タタターッ

花丸 「あっ、待ってよー善子ちゃん!」


ルビィ 「花丸ちゃん!!」

花丸 「……ルビィちゃん? どうしたの?」

ルビィ 「いや、そのっ…。何か悩んでたら、ルビィ、いつでも相談乗るから…」

ルビィ 「頼りないかもしれないけど、ルビィ、いつでも力になるからっ!」

花丸 「ルビィちゃん…」


花丸 「……うんっ。ありがとう」

ルビィ 「えへへ…。じゃあ、行こっか」

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花丸 (……ルビィちゃん、オラ…。ごめんなさい)

花丸 (自業自得なのに、ルビィちゃんに心配かけて…ごめんなさい…っ! オラは悪い子ずら…!)ギュウッ!


写真を握った手に、思わず力が入る。…前回の大会、惜しくも敗れた地方予選の後に撮った、Aqoursの集合写真だ。


花丸 (Aqours…。こんなオラに、居場所をくれた千歌ちゃん、ルビィちゃん…)

花丸 (こんなこと続けてたら、いつかオラも…Aqoursも、滅茶苦茶に…)

花丸 「嫌ずらぁ…。そんなのぜったい嫌だ…!」

花丸 「守らなきゃ…。オラを守ってくれたAqoursを」

花丸 「今度は…オラが…っ!」


ガララッ!!!


父 「花丸?」

花丸 「…っ! お父、さん…」

父 「……今日も、いい…よな?」

花丸 「お父さん…。オラは、もう…」

父 「…どうかしたのか?」

花丸 「もう…オラは……オラは…」


ギュウッ


花丸 「…!? お父さん、離して…っ」

父 「…花丸は、俺を見捨てないよな?」

花丸 「…っ!!」

父 「アイツと違って…お前は、俺を置いていかないよな?」

花丸 「だ、大丈夫ずら。ちゃんと、ここにいるでしょ?」

父 「あぁっ……あぁ……っ!!」ギュウゥ!!

花丸 (……そっか。Aqours“だけ”じゃ、だめなんだ)



―私には、守らなきゃいけないものが多すぎる



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ーー

花丸 「……ふぁ……/// …んぅ…っ…!」

父 「…今日は反応が悪いな。手だけだと満足出来なくなってきたか?」クチュクチュ…

花丸 「つかれ…てぇっ/// る……んぅ…っ…だよ…」

父 「そうか…。昨晩は盛り上がったからなぁ」


花丸 「…ねぇ…っ…。お父さん」

父 「…………ッ!!!」ギッ!!

グチュグチュ!!?? グチュグチュ!!??


花丸 「いっ…痛……ぁっ…!」

父 「今はその呼び方をするなと言っただろうッ!! いいか、お前は祥子なんだっ!」

花丸 「ご、ごめんなさ…ぁっ……いっ…!///」


…行為の最中、もうお父さんには私は“国木田祥子”にしか見えていない。『お父さん』と呼ぶと激怒するのも、そのせいだ。


花丸 (……でも、やっぱり言わなきゃ! 今日こそっ!)

花丸 「でも…っ…お父さん! もうこんなことやめて欲しいずら!」

父 「…ッ! 祥子、その呼び方と喋り方をするなと何度言えばっ!」

花丸 「最初オラがお母さんのフリをしたのも悪かったずら。…でも、やっぱりこんなこと間違ってる!」

父 「お前、今更何を…」

花丸 「ごめんなさい…っ…ごめんなさい!」

父 「ぐ…ッ! ふざけるな…ふざけるなぁッ!!」


ズププッ!!!?? ブチチッ…!!??


花丸 「んぁ…が…っ…!! い…たっ…ッ!?」

父 「ふざけるな…っ! 今更何をッ! お前は祥子だ…国木田祥子なんだッ!!」


パンパン!!?パンパン!!??


花丸 「ごめ…っぁ…! なさ…ぁい…っ!///」

花丸 「でも…っ! やっぱり良くないず…らぁっ…! こんなことっ…!!」

花丸 「お願い…っ! 分かって…!」

父 「はぁっ……はぁっ…ッ!!」


――――ピタッ


花丸 (……と、とまった…?)


父 「…………そうか」スッ…

父 「お前も、俺を見捨てるのか」

花丸 「そんなことないっ! …でもオラには、他にも守らなきゃいけないものが出来たずら」

父 「…守らなきゃいけないもの?」

花丸 「大丈夫、お父さんのことはこれからもちゃんと支えていくずら。こんなやり方じゃなくて、もっと他に…」


父 「…もういい」

花丸 「お父さん…?」

父 「…もういい。お前の気持ちはよく分かった」

花丸 「…! ありがとう…お父さん!」

父 「今日はもう寝る。お前も昨日の分しっかり休め」

花丸 「うん…っ! じゃあ、おやすみなさい」

父 「あぁ。おやすみ、“花丸”」

ーーーー
ーー

花丸 「…………。」スゥスゥ


父 「……これは、写真?」ピラッ


父 「スクールアイドル、Aqours…」

父 「なぁ、教えてくれよ花丸。俺を他の方法で支えていくって、一体どうやって?」


父 「…………俺は、もう」

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ーーーー
ーー

キーンコーンカーンコーン


花丸 「お昼ずらぁー!」

善子 「な、何よ…。今日はえらく元気じゃない」

ルビィ 「花丸ちゃん、昨日はしっかり眠れたの?」

花丸 「うんっ! さ、早く食べよ? のっぽパンがオラを待ってるずらー」ガサゴソ


善子 「はぁ…心配して損したわね、ルビィ」

花丸 「えへへー、いただきまー……」


――――ピタッ


ルビィ 「……? 食べないの? 花丸ちゃん」


花丸 (…のっぽパン、か………)


『お前は本当にそれが好きだなぁ』

はなまる 『うんっ! オラ、これがだいだいだーい好きなの!!』

母 『ふふっ、たくさん食べなさい』

父 『あぁ、よく食べて大きくなれよ花丸』

はなまる 『えへへっ…』


花丸 「…………お父さん…」ツー

善子 「ちょっ…ずら丸!? いくらのっぽパンが好きだからって、何も泣かなくても…」

花丸 「…っ! 違うよ…! これはただ…」ゴシゴシ

ルビィ 「本当に大丈夫? 花丸ちゃん」

花丸 「大丈夫っ!! 本当に大丈……うぷっ…!?」ダッ!!


善子 「ちょっ!? ずら丸、どこ行くのよー!?」

花丸 「はぁ……っ…はぁっ……! うぷ…っ…」

花丸 「うっ…おえ"ぇぇぇぇ……ぁが…っ……!」


花丸 (……よかった。トイレ、間に合って)


ガラガラガラ……ペッ…!!


花丸 「……ひぐっ……うぅ……ぐすっ……」

『お前も、俺を見捨てるのか』


花丸 「うぅ…ごめんなさい…っ…ごめんなさぁぃ…!!」

花丸 「うわぁぁぁぁぁぁんっ!!」


花丸 「……そろそろ行かなきゃ」ゴシゴシ


ガララッ


ルビィ 「…………花丸ちゃん」

花丸 「ルビィちゃん! それに善子ちゃんも…」

善子 「…アンタ、やっぱり最近変よ? 何かあったの?」

花丸 「変!? オラが!? な、なにも変なことなんてないよ!」

善子 「よく言うわよ、そんなに目赤くして」


ルビィ 「…何かあるなら話して? それとも、ルビィ達じゃ力になれないような事?」

花丸 「…………そうだよ」

善子 「…っ! ずら丸…」

花丸 「これはね、オラにしか出来ないの。“あの人”は、もうオラにしか守れないの」

ルビィ 「“あの人”って…誰のこと?」

花丸 「…ごめん。言えない」


ルビィ 「……そっか」

善子 「ちょっ! ルビィ、いいの!?」

ルビィ 「誰にでも、話したくないことはあるよ。無理に聞き出したりはしたくないもん」

善子 「アンタ…」

花丸 「ごめんね…ありがとう、ルビィちゃん」

ルビィ 「…さっ、ご飯食べよ! 昼休み終わっちゃうよ?」


花丸 「うーん…ごめん。オラ、やっぱり食欲が湧かなくて」

ルビィ 「そっか…じゃあ、仕方ないね」

花丸 「…お、オラ、先に戻ってるね…!」タターッ!


善子 「…ルビィ、本当にあのままにしておく気? どう考えても普通じゃないって」

ルビィ 「放っておくわけないじゃん。…絶対何かあるよ。助けなくちゃ」

善子 「でもアンタ、人には誰でも言いたくないことがあるとかどうとか…」

ルビィ 「花丸ちゃんに直接聞いたりしないってだけだよ」


ルビィ 「…私が、絶対守るからね」

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ーー

花丸 「…お父さん」

父 「花丸…? どうしたんだ?」

花丸 「私ね、気付いたんだ。昨日お父さんを拒んで、これで楽になれる…って」


花丸 「…勘違いだった」

シュルル……パサッ

父 「花丸、お前…」

花丸 「やっぱり、お父さんを見捨てるなんてできない…っ! もうこの方法でしか…っ!」

花丸 「お父さんを守る方法を…思いつかない」

花丸 「すごく後悔したんだよ? あの時のお父さんの言葉がずっと引っかかって、ご飯もろくに喉を通らなくて」

父 「花丸、お前そこまで…」

花丸 「…ごめんね、お父さん。これからもちゃんと、私が守るから…」プチ…プチ…

ハラリ…

花丸 「…きて? “あなた”」


父 「花丸……花丸…ッ!!!」ガバッ!!

花丸 「ひゃあ…っ///」

父 「ありがとう…花丸…! ありがとう…っ!」

花丸 「ううん…いいんだよ、お父さんはなにも…んむぅっ…!」


花丸 「ん……ちゅ……ちゅる…/// ふ…ぅっ…///」

花丸 「ねぇ…本当は、もう私のこと、お母さんに見えてないんでしょ…?」

花丸 「ちゃんと私だって…繋がってる時も、きっと分かってるんだよね?」

花丸 「なんで気付いたのって顔…。ふふっ、分かるよ。だって親子だもん」

花丸 「不安…だったんだよね? こうやって……んぅ…繋がってる人が、欲しかったんだよね」


クチュクチュ?クチュクチュ??


花丸 「いぃ…よ…? ひぅ…っ…/// オラ…も…ぉっ…嬉しぃ…から…あぁっ…!」

花丸 「えへ…口に出すと恥ずかしい…ね…。んむ…ぅっ…じゅる…/// ちぅ…ちゅる…っ…///」


花丸 「ねぇ…っ…もう、準備いぃ…みたいだから…ぁっ…///」

ズプッ…ズププッ!??


花丸 「はぁぁ…っ…/// きて、る…ぅっ…!!」

花丸 「ふぅ…んっ…/// いぃ……よ…? “お父さん”の…っ…! 好きに…んっ…動い…てぇ…っ…///」


パチュン!??パチュン!??


花丸 「はっ…んぅっ?…ふっ……ひぅん…っ!///」

花丸 「なん…だろ…っ/// 名前で…ぇっ…呼ばれながらって…/// 不思議な…っ…感じずら…ぁ」

パンパンパン!!??


花丸 「んぁっ…!?/// あっ…おくっ?? それぇ…っ? だめずらぁっ…!!///」

花丸 「…? イきそう…なの…っ…?/// んぅっ…いいよ…っ?? はぁ…ん……きてっ?きてっ…?」


パンパン!!??パンパン!!??


花丸 「ひぁぁ…っ!!/// きたっ…おくまで…ぇっ…?? あつぃ…あつくな…ってぇ…///」

花丸 「オラも……オラも…っ/// ダメっだめぇっ?? イクっ……イクイク…っ!!??」

ドビュッ!!?? ドビュルルルルル!!!???


花丸 「んぁぁぁぁぁぁ!!??」プシャァァ…

花丸 「はぁ…っ……はぁ……っ……///」


花丸 「…? えへへ…っ。満足した? お父さん」

花丸 「……これからも、よろしく…ね」

花丸 (あぁ…こんなに沢山…)コポォ…

花丸 (ごめんね、ルビィちゃん…。やっぱり、この方法しかないんだ…)


花丸 (お父さんも…これでいいん…だよね?)

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ーー

~深夜~


花丸 (……トイレ)ムクッ

花丸 (…………今日は出る、はずだよ…ね)


…チョロロロ


花丸 (……。)ドキドキ……チラッ

花丸 「……っ!」

花丸 「だめだ…出てない。もう5週間なのに…」

花丸 「……うっ…うぷっ…!?」


花丸 「おぇぇ"ぇ"ぇぇぇぇ…げぇっ…」


花丸 「はぁっ…はぁっ……! 嘘…だよね」

花丸 「違うよ。きっとストレスとか、そういうので…」


花丸 (一応明日…薬局寄ろ)

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千歌 「あぁぁ…疲れたぁ…」

果南 「お疲れ、千歌。はい水」

曜 「ねぇ千歌ちゃん、今日駅に買い物に行きたいんだけど、ついてきてもらえる?」

千歌 「うん、いいよ! ちょうど私も買いたいものあったし」


善子 「…そういえば、私も欲しい本があったんだった。ずら丸、アンタもついてき……」

善子 「……あれ?」

善子 「ルビィ、ずら丸知らない?」

ルビィ 「あれっ…いない?」

ダイヤ 「花丸さんでしたら、先ほどすごく急いだ様子で帰られましたよ?」

善子 「珍しい…なんか用事でもあったのかしら」


ルビィ 「……花丸ちゃん」

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花丸 「…………。」ジーッ


机の上に置いた検査薬を見つめ続けて、何分ほど経っただろう?
1時間…いや、それ以上にも感じる。握りしめた手の中で、汗が水たまりを作っている。


花丸 「…………っ!!!」

花丸 (よ……ようせい……陽性…)


その言葉を、何回も頭の中で繰り返した。

花丸 「妊娠…してるんだ、私。本当に…」

花丸 「…うぅ…っ……うぷっ…」ダッ!!


花丸 「げぇ…ぇっ…はぁ…っ……ひぐっ……」


父 「……花丸?」

花丸 「…ッ!? お父さん…」

父 「大丈夫か…? 薬持ってくるから……ん?」

父 「なんだ、その手に持ってるもの」

花丸 「…! な、何でもないっ! なんでもないからぁ…!」

父 「っ! まさかそれ…見せろっ!!」パシッ!

花丸 「あっ…だめぇっ!!」


父 「……そうか。危険日は避けたつもりだったが…」

父 「…花丸、ちょっと来なさい」

花丸 「…はい」


父 「こうならないよう、タイミングだけは気遣っていたつもりだったが、もしもの時のために用意しておいたんだ」ゴソゴソ

花丸 「用意…? 何を?」

父 「…ほら、使いなさい」スッ

花丸 「なにこれ…封筒?」ガサッ…

花丸 「……ッ!! これって…!」

父 「お前の体に負担をかけてしまうことは謝る。これからはしっかり気をつけるから…」

花丸 「でもこれ……じ、10万円も…!」

父 「あぁ。…経験がないからわからないが、それだけあれば足りるだろう?」

花丸 「…本気で言ってる…?」


父 「……まさか、お前」




父 「その子を産む…とか、言わないよな?」



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善子 「…ずら丸は今日休み?」

ルビィ 「みたい。…なんか、体調が良くないんだって」

善子 「昨日急いで帰ったのも、それが原因かしらね。きっとただの食べすぎよ」

ルビィ 「……そうだと、いいんだけど」

善子 「この前着替えの時だって言ったじゃない。なんかお腹大きくなってないか…って」

ルビィ 「善子ちゃん、本人の前ですごいよね…」

善子 「でもルビィだって言ってたじゃない」

ルビィ 「わ、私はただ、スクールアイドルとしてもう少し気を使った方が…って…!」

善子 「それも同じでしょうが…」

ルビィ 「でもやっぱり心配だよね…。最近様子変だったし」

善子 「……まぁ、ね」

ルビィ 「ルビィ、今日練習お休みするね。プリントとかノート届けるついでに、様子見てくるよ」

善子 「本当、世話焼きというか…。ま、よろしくね」

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ーー

父 「…花丸? 病院に行ったんじゃなかったのか?」

花丸 「…………。」

父 「もしかして、10万じゃ足りなかったか? 言ってくれれば出すのに…」

花丸 「違います。あのお金は…」

父 「まさか使ったのか…? 中絶以外に!?」

花丸 「ううん。まだ使ってないけど…。あのお金は、ほかのことに使いたいの」

父 「ほかの…こと?」


花丸 「……この子の、遊び道具とかに」


父 「…………お前ッ!!」ガシッ!!

父 「正気か…? そんな子産んで、どうするつもりだよッ!!?」

花丸 「…この手で守れるものなら、守りたい。それだけだよ」

父 「はぁ…? 守りたい?」

花丸 「お父さんだって、Aqoursだって…。オラは必死に守ってきた。だからこの子も…」

父 「……お人好しにも程があるだろ。ふざけるんじゃない…ッ!!」


父 「いいさ…お前がその気でも、こっちには手があるんだッ!」ガバッ!!

花丸 「きゃぁ…っ…!?」

父 「聞いたことあるか…? 妊娠中に中で出されたら、流産するって話」

花丸 「…!? まさか…やめてっ…やめてぇっ…!」

父 「うるさいっ! これもお前のためなんだ!!」

花丸 「やめてぇっ……あぁ…っ…!!?」


ブチッ…ズププッ!


花丸 「やめてやめてぇっ…!! 痛い痛い痛い痛い痛い!!!!」

パンパン!! パンパン!!


花丸 「お願い…やめてよぉ…っ…お父さん…!」

父 「はぁっ…はぁっ…はぁ…ッ!」

花丸 「んぁっ…ふっ…んんぅ…!! 痛い…やめて…なんで……こんなこと……」

ーーーーーー
ーーーー
ーー

ルビィ 「はぁ…。花丸ちゃんの家、遠いなぁ。やっと着いた」

ルビィ 「……ごめんくださーい…。花丸ちゃーん?」


『んぁっ……やめっ…あぁん…っ…!』


ルビィ 「…? この声、花丸ちゃん?」

ルビィ 「こっちから聞こえる…。勝手に入っちゃって大丈夫かな?」スタスタ…


コツン…


ルビィ 「…? なにか足にあたった…」

ルビィ 「…ッ!? これ…妊娠検査薬ってやつだよね?」

ルビィ 「しかも反応出てる…。あれっ、でも花丸ちゃんのお母さんって確か…」

ルビィ 「…嘘、だよね。まさかね…」

ルビィ 「花丸ちゃん!? どこーっ!?」ダッ!!


『んぁっ…あっ……ふぅ…んむ…!』


ルビィ 「こっからだ…声……」

ルビィ 「は、花丸ちゃーん…?」ソロー…

花丸 「んぁっ…! やめっ…やめてぇっ…!」

父 「出すぞ…花丸っ! 受け止めろよっ!!」


ドビュルルルルル!!!??


花丸 「んぁぁ…っ……ひぐっ……ぐすっ…」


ルビィ 「……花丸、ちゃん…。それにあの人…お父さん…?」

ルビィ (…っ! ダメだ、帰らなきゃ! ここにいたらだめだ…!)ダッ!!


父 「はぁっ…はぁっ…これから毎日ヤるからな、いいな…?」

花丸 「……うう…ひどいよ……ひぐっ…」

花丸 「……? あれって…」


花丸 「なんで、廊下に学校のプリントが?」ピラッ

花丸 「…っ! 日付…今日の?」

花丸 「…ルビィ、ちゃん?」

ーーーーーー
ーーーー
ーー

~翌日~


ルビィ 「花丸ちゃん…」

花丸 「あっ、おはよう、ルビィちゃん」

善子 「あっ、来た。やっぱり心配することなかったわね」

花丸 「心配してくれてたんずら?」

善子 「はぁっ!? そりゃ友達が急に休んだりしたら誰でも…ってあぁ…私何言ってんのよ!!」

花丸 「善子ちゃん…」ジーン…

善子 「んあぁもうっ! トイレ行ってくるっ!!」


花丸 「やっぱり善子ちゃんの“善”は、善い子の“善”だね、ルビィちゃん」

ルビィ 「うっ、うん…そうだね…」

花丸 「あっ、そうだルビィちゃん」


花丸 「プリント、ありがとね」

ルビィ 「……ッ!!」

花丸 「…見てたんでしょ? いいよ、隠さなくて」

ルビィ 「……ごめん。あのっ、花丸ちゃん」

花丸 「なに? どうしたの?」

ルビィ 「……妊娠、してるの?」

花丸 「…………そこまで知ってたんだ」

花丸 「…なら、話が早いね」

ルビィ 「なにが…?」


花丸 「オラ、Aqours辞めるずら」


ルビィ 「…………えっ?」

花丸 「この体で運動し続けてたら、赤ちゃんにも毒でしょ? だから…」

ルビィ 「ちょっ…ちょっと待ってよ!!」

ルビィ 「もしかして、産む気なの…? その、お父さんとの子供」

花丸 「…せっかくオラに宿ってくれた命だもん。守らなきゃ」

ルビィ 「そんな…」

花丸 「大丈夫、Aqoursを辞めれば、迷惑もかけずに済む。ちゃんとそっちも守れるから」

ルビィ 「なんで…! 花丸ちゃんがその子を守る必要なんて、どこにも…っ!!」

花丸 「…ううん。やっぱり、守れるものは全部守りたいんだ」

ルビィ 「…ばか」

花丸 「…?」

ルビィ 「花丸ちゃん、いつも自分が守る守るって…! たまには、守られることも覚えてよっ!!」

花丸 「ルビィちゃん…?」

ルビィ 「ルビィだって、花丸ちゃんを守りたいっ!! 無理しなくていいんだよ…頼ってよ…」

花丸 「…ありがとう、ルビィちゃん」

花丸 「でも大丈夫。みんなに迷惑はかけられないもん」

ルビィ 「花丸ちゃん…」

花丸 「…でも、ルビィちゃんの言う通りかも」

ルビィ 「えっ…?」


花丸 「ちょっと、守ろうとしたものが、“多すぎた”かな…」

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ーー

花丸 「……はい、はい。お願いします」

花丸 「なるべく早く…。…はい」


父 「誰に電話してるんだ、花丸」

花丸 「うっ、ううん! なんでもないよ…」

父 「そうか…。じゃあ今日も…」ガシッ

花丸 「…!」ビクッ

花丸 「……んむ…っ…! ちう…ふぅ…じゅる…」

父 「ふぅっ…はぁっ…。ほら、早く脱げ」

花丸 「……はい」

父 「相変わらず綺麗な肌してるな…。アイドルやれるのも納得だ」

花丸 「…アイドルは、辞めたずら」

父 「…どうして?」

花丸 「この子を産むためには、運動も避けなきゃいけないから…」

父 「お前…ッ! まだそんなこと…!」ギリッ

花丸 「ごめんなさい…でも、オラは…」

花丸 「オラはあぁぁぁぁっ!!!」


ガララッ!!


父 「…っ!? 誰だ!?」

ルビィ 「はぁっ……はぁっ……」ギリッ


花丸 「る、ルビィちゃん!? それ、灰皿…?」

ルビィ 「はぁっ…はぁっ…うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!」ブンッ!!


ゴンッ!!

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ーー

花丸 「ルビィ…ちゃん…」

ルビィ 「ひぐっ……えぇぇぇん……」

花丸 「…怖かったよね。ごめんね」

ルビィ 「やっちゃった…人を……こ、ころ……」

花丸 「ううん。…ありがとう」


花丸 「手袋までして…。計画的だね…」

ルビィ 「凶器に指紋がつかないように…。前、花丸ちゃんが貸してくれた本の主人公が、こうしてたから…」

花丸 「そっか…」

ルビィ 「…逃げよ、花丸ちゃん」

花丸 「逃げる? …どこに?」

ルビィ 「そ、それは…その…」

花丸 「…ま、いいんだよ。どうせ逃げ場なんてないし」

ルビィ 「へ…?」


ーーバッチリなタイミング。
パトカーのサイレンの音が近付いてくる。


ルビィ 「ぱ、パトカー!? どうして…!」

花丸 「…オラが呼んだの」

ルビィ 「そんな…いつ…!?」

花丸 「本当はね、今日、オラがお父さんを手にかける予定だった」

花丸 「だから、あらかじめ通報しておいたの。引き返せないように」スッ

ルビィ 「…っ! ダメっ、花丸ちゃん!! 素手で灰皿に触ったら…!!」


花丸 「えへへ…指紋、付いちゃったね。これでもう、どこからどう見ても」

花丸 「私が…犯人だね」

ルビィ 「そんな…っ!!」


ダダダッ!!


ルビィ 「ピギィッ!?」

警察 「…通報を受けてまいりましたがこれは…」

花丸 「…はい。通報した花丸です」

ルビィ 「は、花丸ちゃん!?」

警察 「…あなたが、自分で通報した…間違いないですね?」

花丸 「……はい」

ルビィ 「花丸ちゃんッ!! ちがうっちがうっ!! これはルビィがっ…ルビィが!!」


警察 「……18時53分。殺人容疑」


ルビィ 「ちがうぅぅっッッ!!!!!!!!!」

花丸 「……手錠、かけられる日が来るなんて、思ってもみなかった」


ルビィ 「お願い聞いてっ!! きいてくださいっ!! 花丸ちゃんじゃないんですっ!!」

花丸 「……ねぇ、ルビィちゃん」


花丸 「オラ、ちゃんと守れたずら?」

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ーー

ルビィは必死に抗議を続けたが、結果が覆ることは叶わなかった。
状況証拠、物的証拠共に、花丸が犯人としか考えられなかった。


少年法の適応により、逮捕こそ免れたものの、花丸が自由の身となるのに、10日ほど要した。

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~2週間後 学校~


ルビィ 「…………あっ」

花丸 「…おはよ」

ルビィ 「…おはよう。久しぶり」

花丸 「うん、久しぶり」


ルビィ 「……痩せた、ね」

花丸 「…うん。余計なものが無くなったから」

ルビィ 「……それって」

花丸 「うん…。守れなかった」


花丸 「守れなかったんだよ…。あんなに、悩んで悩んで…決断したのに……ぐすっ……」

ルビィ 「花丸ちゃん…」

花丸 「お父さんを手にかけてまで、あの子を産むって決めたのに…! 結局、どっちも守れなくて…!」

花丸 「なんで……なんでぇ…っ…!!」

ルビィ 「ごめんなさい……ごめんなさい…!」

花丸 「…うぅん…。悪いのは、オラだもん」


花丸 「…じゃ、先いくね」

ルビィ 「花丸ちゃん…どこ行くの?」

花丸 「どこって…屋上だよ?」

ルビィ 「花丸ちゃん…」


ルビィ 「練習なら、もう必要ないよ」

花丸 「…………。」



ルビィ 「Aqoursなら、解散したから」

花丸 「……やっぱり、そうだったんだね」

ルビィ 「でもっ! 花丸ちゃんは悪くないの! お願いわかって!!」

花丸 「ううん。……やっぱり、オラは無力だったずら。何かを守るなんて、背伸びのし過ぎだったずら」

花丸 「……責任、とらなきゃ」スタスタ

ルビィ 「…っ! 花丸ちゃん、だから屋上にはもう誰も…!」

花丸 「誰もいない…? だから行くんだよ。誰かいたら、やりづらいじゃん」

ルビィ 「やりづらい…何を……。…ッ!!」

花丸 「…じゃあね、ルビィちゃん」

ルビィ 「だめっ…! だめっ!!」ガシッ!!


花丸 「…離して。もうオラは誰も守れない。守られることも許されない」

花丸 「…ルビィちゃん、おねがい…!」

ルビィ 「…っ! 花丸、ちゃん…」


――――スッ…


花丸 「……ありがとう」

ルビィ 「あれっ……なんで、なんでルビィ、手を離したりなんか……」

花丸 「じゃあ…本当にさよなら」

ルビィ 「うぅっ……ひぐっ……うぁぁ…」


ルビィ 「うわぁぁぁぁぁぁんっ!!!」

ルビィ 「花丸ちゃぁぁぁぁんっ!!!」

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ーーーー
ーー

花丸 (……屋上の扉。もう、これが最後か…)


ガチャッ…


花丸 「……っ!」

千歌 「…………。」

花丸 「千歌ちゃん……そっか」

花丸 「オラのこと、ずっと待っててくれてたんだね」

花丸 「ありがとう……ありがとう……!」

千歌 「…………。」ニコッ

花丸 「うん、分かってる。…分かってるよ、千歌ちゃん」





花丸 「オラも今、“そっち”にいくずら」



読んでいただきありがとうございました

皆様、良いお年を

トリップキーは

#かんかんみかん

です。感想などの書き込みに、ぜひご利用ください

なんかハートマークが環境次第で文字化けしてるみたいですね…

なんか変なマークあったらハートだと思ってください(無茶振り)

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