アライちゃんのいる日常 (1000)

アライちゃん「あむあむあむあむあむっ!くっちゃくっちゃ!」クッチャクッチャ

…私が作って置いておいたパンケーキに、アライちゃんが湧いている。

アライちゃん「おいちーのりゃあ!あむあむっ!くっちゃくっちゃ!」クッチャクッチャ

…随分美味しそうに食べているな。
まあ、このまま眺めていても何も得はない。

すぐに殺そう。
私は左手でアライちゃんの胴体を掴んだ。

アライちゃん「のりゃ!?なんなのりゃ!はなしゅのりゃあ!はなちぇー!」ジタバタ

そしてアライちゃんの頭を右手で掴み、
雑巾を絞るように力を込めて捻る。

アライちゃん「ぎびいいいいいいいいいいいいいぃぃぃいいいいいい!!!!いぢゃああいいいいいいいいいーーーっ!だぢゅげでえええええええ!」メキメキ

うるさいな。
さっさと死ね。

アライちゃん「やべでえええええええええええええええ!おがああああーしゃああああーーーんっ!ぎびいいいいいぃぃーーーっ!」ベキベキ

肩を使って、力いっぱい首を捻る。

アライちゃん「がびゅっ!」ベギボギゴギィ

アライちゃん「っ………っ……」ビグンッビグンッ

アライちゃんは首が折れ、涎を垂らして痙攣した。
燃えるゴミの日は明日か。冷凍庫に入れといて、明日燃えるゴミに出そう。



さて。
先ほどは気味の悪いものを見てしまった。
せっかく作ったパンケーキが台無しだ…とほほ。

とりあえず、部屋の掃除でもしよう。

私は物置から掃除機を取り出す。
電源をオンにし、カーペットの上を掃除する。

そうだ、最近タンスの裏をあまり掃除してなかったな。
掃除機のノズルを細いものに付け替え、電源を入れた。

そして掃除機の電源を入れ、タンスと壁の隙間に突っ込む。

突如、吸い込み音が変わった。

「ぴいいいいぃぃぃっっ!?なんなのりゃああっ!!?」

…タンスの裏から耳障りな声がした。
…まさか、これは。

私は、掃除機のノズルで、タンスの裏をガンガン叩いてみた。

何か、弾力あるものに先端がぶつかっている。

「うゆうぅぅぅっ!やべでぇ!いじめないでなのりゃあ!」

…アライちゃんか。
タンスの裏の隙間にいるのは厄介だな。

まあいい。
引っ張り出そう。

掃除機の出力を最大にし、タンスの奥の物体へ密着させる。

「うびゅううっ!しっぽひっぱりゃないでええっ!けがぬけちゃうのりゃああっ!」

そして、掃除機をぐいっと引っ張る。
掃除機からは、アライちゃんと思われる物体の毛に吸いついている手応えがある。

私は、ノズルの先端をタンスの裏から引っ張り出した。

アライちゃん「やーーなのりゃああっ!ありゃいしゃんおうちでねてたのりゃああっ!」ズルズル

ピギーピギーと喚くアライちゃんが引っ張り出された。
掃除機のノズルは、やはり尻尾の毛に吸いついている。

アライちゃん「やーなーーーっ!おうちかえゆぅーーっ!かぁーーえーーゆぅーーっ!」ピギイイィィ ガリガリ

アライちゃんはタンスの裏に戻ろうとして、床を爪でガリガリ引っ掻いている。

カーペットに傷がついたら最悪だ。

私はアライちゃんを足で踏んだ。

アライちゃん「ぐぶぎゅうううぅぅぅっ!!ぐ、ぐゆじいぃぃぃっ!!やべでえええっ!ぴぎいいいぃぃぃっ!」ジタバタ

そして、掃除機のノズルを口の中に突っ込んだ。

アライちゃん「もごぉ!?」

そして、電源オン。
最大出力でアライちゃんの口の中を吸い上げる。

アライちゃん「もごぉっ…!」シッポブンブンブンブン

アライちゃんは尻尾をブンブンと振ってもがいている。
だが、私はさらに掃除機のノズルを、アライちゃんの喉の奥まで突っ込んでいく。

アライちゃん「ご…おぐっ…!」ビクンビクン

アライちゃんが白目になった。
まだ死んでないか。
このまま窒息するまで吸い続けよう。

…5分間、掃除機でアライちゃんの口の中を吸い続けてみた。

アライちゃん「」シロメ

完全に動かなくなったな。
こいつもビニール袋に包んで、冷凍庫に入れよう。

まったく…
今日だけで2匹もアライちゃんが家に出た。

…まあ、きっとこれだけでは済まないんだろうな…。

私は廊下へ向かう。
アライホイホイに、アライちゃんがくっついていないか確かめるためだ。

アライホイホイ「ぴぎぃぃぃぃぃっ!!うゆぅぅっ!とれないいぃぃーーーっ!」ガサゴソ

アライホイホイ「おがーしゃーーんっ!おがーしゃーーんっ!」ガサゴソ

…2匹くらいのアライちゃんの声がする。
ああ…げんなりする。

一応、アライホイホイの中を覗いてみる。

アライちゃん1「ピギイィィ!…うゆ!?ひとしゃん!ひとしゃんなのりゃあ!」ベトベト

アライちゃん2「ひとしゃん!ありゃいしゃんをたちゅけてぇっ!とれなくなっちゃったのりゃあっ!」ベトベト

…アライホイホイの中の粘着シートに、二匹もアライちゃんがくっついている。

まあ、このまま捨てればいいか。
私は服屋の紙袋へアライホイホイを投げ入れた。

紙袋「うゆぅ!?ひとしゃん!むししないでええっ!」ガサゴソ

紙袋「ぴいいいぃぃぃっ!だちてえええええっ!」ガサゴソ

…そのまま紙袋をぐるぐると巻き、テープでとめる。
このまま冷凍庫に詰めれば、大人しくなるだろう。

私は冷凍庫を開けた。

ビニール袋「うびゅうぅぅ…ひとしゃ…だちて…しゃぶい…」

うわ。
冷凍庫の中から声がする。

ビニール袋「だちて…だちてえぇ…」

さっき掃除機で吸ったやつがまだ生きてたか。

まあいいや。
私はアライホイホイ入りの紙袋を冷凍庫へ詰めた。

紙袋「ひとしゃん!きーてゆのかひとしゃんっ!だちてっていってゆのりゃあああああっ!」ガサゴソ

ビニール袋「ひ…と…しゃ……!」

私は冷凍庫をぱたんと閉めた。

ああ…げんなりする。
それ以外の言葉が見つからない。

土曜の朝だというのに、もう日曜の夜みたいな気分だ…。

まあいいや。
朝からどたばたしたせいで、もうすぐ10時になる。
気晴らしにショッピングにでも出掛けよう。



買い物から帰って来た。
お昼ご飯の食材を買ってきた。

お昼ご飯は、オムライスでも作ろうかな。
…朝のパンケーキのことは忘れよう。


私は買い物袋を持って、キッチンへ移動した。

そしてキッチンのテーブルへ、食材を並べる。
料理開始だ。

ふんふん。
私は鼻歌を歌いながら、オムライスを作る。

「なのだー」カサカサカサカサ
「なのだー」カサカサカサカサ

…背後から、不気味な声がした。

アライちゃん1「くんくん!ふんふん!…いーにおいなのりゃあ!」クンクン
アライちゃん2「たべものちょーだいなのりゃあ!」シッポフリフリ

…料理の最中にこれか…。
頼むから、どっか行ってくれ…。
せっかくの楽しい気分が台無しだ。

アライちゃん1「ごはん!ごーはーんっ!」スリスリ
アライちゃん2「うゆ!うゆ!」スリスリ

…アライちゃん達が、私の足にまとわりついてきた。
ああもう、触らないで…

…あーもうやだ…。

もう、なんというか…。
嫌になる。

私はやかんの中の沸騰したお湯を、ボウルに注いだ。

アライちゃん1「ごはんー!ごはんよこしぇー!」グイグイ
アライちゃん2「はやくよこさないとかじゆのりゃ!はぐはぐ!がぶがぶ!」ガブゥ

うわ最悪!
噛みついてきた!

もう我慢ならない。
私は、アライちゃん2匹をスリッパ履いた足で蹴り飛ばした。

アライちゃん1「ぴいぃっ!」ビタッ
アライちゃん2「いぢゃいぃ!」ビタッ

そして、ボウルの中の熱湯を、アライちゃん達へぶっかけた。

アライちゃん1「ぎびいいいいいいいいいいいいいぃぃぃいいいいいいーーーっ!!」ビッタンバッタン
アライちゃん2「あぢゅうういいいいいいいーーーーーっ!ぴぎぃいいいいいーーーっ!!」ビッタンバッタン

アライちゃん達は転げ回っている。
私はアライちゃん達を、鍋掴みをつけた手で掴み、
空のボウルの中に入れた。

アライちゃん1「びぃ、ぎぃぃいっっ!あぢゅいぃぃーーっ!」ピギィィイ
アライちゃん2「おがーーしゃああーーーんっ!おがーしゃーーんっ!!」ピギィィイ

私は、やかんの中の熱湯を、ボウルの中のアライちゃん達へ直接注いだ。

アライちゃん1「ぴぎゃああああああああああああああーーっ!!」ゴポゴポ
アライちゃん2「あぢゅいいぃぎいいいいいぃぃいぃ!!」ゴポゴポ

ボウルの中は、熱湯で満たされていく。

アライちゃん1「ぴぎぃぃぃ!だぢでええええ!」バチャバチャ
アライちゃん2「しにだぐないいいぃ、いーーーっ!」バチャバチャ

アライちゃん達は、熱湯の中を必死に泳ぎにボウルから出ようとしている。

させるか。
私は鍋の蓋をボウルへ被せた。

鍋の下の声「ぴぎいいぃぃぃっ!だぢでええええっ!」ガタンガタン

絶対出さない。
私は、ボウルをガスコンロの直火にかけた。

ボウルの中の熱湯は、すぐにボコボコと沸騰し始めた。

鍋の下の声「ぎゅ……ぶ……」

鍋の下から声はしなくなった。

鍋の蓋を開けてみた。

アライちゃん1「」ホカホカ
アライちゃん2「」ホカホカ

…うわぁ。
なんというか、筆舌にしがたい光景だ。

私はアライちゃん達をつまみ、ビニール袋へ突っ込み、袋の口を縛った。

…冷凍庫を開けよう。

紙袋「」シーン…

…さすがに、ショッピングに行く前に閉じ込めた奴は、もう凍ってるみたいだ。

私は、茹でアライちゃん達が入った袋を冷凍庫へ詰め、閉めた。



ふう、オムライスはいい出来だった。

さて、後片付けをしよう。
私はキッチンへ戻った。

…今度はアライちゃんはいないな。
私は食器を片付けた。

…午後は、落ち着いてゆったりと読書でもしよう。

つづく



~林の前~

男児兄「アライちゃん獲り、頑張るぞー!」

男児弟「おー!」

二人の男児が、籠や道具を持っている。

父親「よーし、パパも頑張るよー」スタスタ

そして、その後ろを父親が同伴し、林に入っていった。



男児兄「アライちゃんいるかなー」ガサガサ

男児弟「穴の空いた木はー…あった!」

一行は、穴が空いた木を見つける。

父親「…」チラッ

木の上を見ると…


アライさん「のだぁ…のだぁ…」zzz


…木の枝に乗っかってアライさんが寝ていた。

父親「アライさんは猛獣だからな、起こすなよー…」スッ

父親は『アライボウ』と呼ばれる『道具』を取り出した。

これはホームセンターで誰でも買える道具。
外観はこんな感じだ。

https://i.imgur.com/JxHYU2o.jpg

…誰がどう見ても、一般的なホームセンターで買える道具である。

アライさん「のだぁ…のだぁ…」zzz

父親は、アライボウの弦を引く。

男児兄「パパ、やらせてー!」

父親「お、やってみるかい?危ないから気を付けるんだぞ」スッ

父親は、男児兄へアライボウを渡す。

男児兄「よーし…」スチャッ

男児兄は、スコープの照準のど真ん中へ、木の上で寝ているアライさんの額を合わせる。

男児兄「いけ!」バシュッ

そして引き金を引いた。

アライさん「のだっ!」ズカッ

アライボウの矢は、見事に頭へ刺さった。

アライさん「の…だっ…」グラッ ガサガサッ ビターンッ

アライさんは木から地面に落下した。

アライさん「ぎ……び……び……!」ビックンビックンジタバタジタバタ

男児弟「おおー!兄ちゃんすげーー!」

父親「凄いなー!一発で当てるなんて!」

男児兄「へっへへー!」

アライさん「あ……ぁあ……あ…!」ビクンビクンジタバタジタバタ

父親「木の穴の中はどうなってる?」ガタン

父親は脚立を立て、脚立を押さえた。

男児兄弟「「どれどれ…」」カンコンカンコン

男児兄弟は脚立を登り、木の穴を覗いた。

アライちゃん1「すぴー…すぴー…」zzz
アライちゃん2「のりゃあ…のりゃあ…」
zzz
アライちゃん3「うゆぅ…うゆぅ…」zzz
アライちゃん4「むにゃむにゃ…おかーしゃ…だいしゅきなのりゃ…」zzz
アライちゃん5「くかー…くかー…」zzz

男児兄「おー、5匹もいるぞ!」

男児弟「ぼくに獲らせてー!」

男児兄「いいよー!はいトング。俺籠持ってるからなー」

父親「落ちないように気を付けるんだぞー」

アライさん「……ぁ……ち……び……」ビクッ…ビクッ…

男児弟は、木の穴へトングを突っ込み、眠っているアライちゃん一匹の尻尾を掴む。

アライちゃん1「ぎび!?なんなのりゃあ!」ビクゥ

男児弟「うわしゃべったぁ!」ビクゥ

男児兄「そりゃ喋るよアライちゃんだもん。ほら、早く」

男児弟「う、うん…。よいしょ」グイイイッ

アライちゃん1「ぴぎいいぃぃぃっ!やーなのりゃああ!はなちてはなちて!」ジタバタズルズルピギィィイ

アライちゃん1は、泣きわめきながら尻尾を引っ張られる。

アライちゃん2「うゆ!?なんなのりゃ!?」ビクゥ
アライちゃん3「おねーしゃんになにしてゆのりゃああっ!」フゥーッ

巣穴の中のアライちゃん達が起きたようだ。

アライちゃん4「おねーしゃんをもってくなー!」ガシィ
アライちゃん5「おねーしゃんはたべものじゃないぞぉぉ!」ガシィ

巣穴の中のアライちゃん達は、アライちゃん1を掴んでいる。

男児弟「うわ!中で掴まれた!」グイイイッ

男児兄「そりゃ掴むよアライちゃんだもん」

男児弟も負けじとアライちゃん1の尻尾を引っ張る。

アライちゃん1「びいいいいいいっ!いぢゃいのりゃあああっ!ひとしゃんはなせぇーーっ!」ピギイィィ

男児弟「よいしょ!よいしょ!」グイグイ

アライちゃん2~5「「わっちぇ!わっちぇ!」」グイグイ

アライちゃん1「いぢゃいぃぃーーーっ!いぢゃいのりゃあああっ!しっぽひっぱゆのやべでえええっ!」ジタバタジタバタ

アライちゃん姉妹と男児弟の綱引きが始まった。

父親「健一、これ健二に渡して」スッ

父親は、トウガラシスプレーを男児兄へ渡す。

男児兄「健二!ほら、これ穴の中にプシューっとやって」スッ

男児弟「サンキュー!くらえ!」プシュウウウ

男児弟は巣穴へトウガラシスプレーを噴射した。

アライちゃん2「ぴぎいいいいぃぃぃ!びいいいぃぃっ!」ゴロンゴロン
アライちゃん3「おめめいぢゃいのりゃあああっ!」ビイイィィ
アライちゃん4「おがああーしゃあああーんっ!おがああーしゃあああーんっ!」ピギィィイ
アライちゃん5「おめめいぢゃいいおはないぢゃいいいぃぃ!」ゲホゲホ

スプレーを噴射されたアライちゃん達は、絶叫しながら転げ回った。

男児弟「今だ!」グイイッ

男児弟は、トングで掴んだアライちゃん1の尻尾を引っ張る。

アライちゃん1「ぴぎいいぃっっ!やなのりゃああっ!おうぢがえゆぅーっ!」ブラーン ジタバタ

男児弟「やった、獲れた!」

男児兄「はいはい籠いれてー」スッ

男児弟「えい!」ポイッ

男児弟は、兄が持つ籠へアライちゃん1を投げ入れた。

アライちゃん1「じび!」ガッシャアン

アライちゃん1「のぉおおーーーぁあああーんっ!のああああーーんっ!だじでええっ!おがーしゃーーんっ!」ガシャガシャ

アライちゃん1は、籠の中で暴れている。

男児弟は、巣穴の中でピギーピギー泣き叫ぶアライちゃん達をトングで捕まえ、次々と籠へ入れた。

アライちゃん1~5「「だじでええええっ!だじでええっ!」」ピギィィイ

父親「よーし、車に積んできてくれ。俺はアライさんを埋めてるから」ザックザック

男児兄弟「「はーい」」スタスタ

父親は、アライさんを地面に埋めた。



~動物園~

父親「アライちゃんの引き取りお願いします」スッ

アライちゃん1~5「「おーなーがーしゅいたのりゃああっ!ぴいいぃぃ~っ!」」ウビィウビィ

受付「はい、かしこまりました。アライちゃん5匹で…1500円です」スッ

受付は1500円を出した。

父親「よく頑張ったな。お小遣いだぞー」

男児兄弟「「わーい!」」

父親「アライちゃん獲り楽しかったか?」

男児兄弟「「楽しかったー!またやろーぜー!」」

男児兄弟は、アライちゃんが獲れた上にお小遣いが稼げて満足なようだ。

係員「アライちゃん5匹ですねー」ドサドサ

アライちゃん1~5「「ぴいいぃぃ!?」」ドサドサ

アライちゃん達は、バケツに入れられた。
そして蓋を閉められた。

アライちゃん1「だちてー!だちてぇーーっ!」ガコンガコン
アライちゃん2「おがああーしゃあああーんっ!」ガコンガコン

アライちゃん達は、バケツに入れられたまま運ばれていく。
外の様子は全く見えない。

アライちゃん1「うゆうぅ…おかーしゃんはなんでたちゅけにこないのりゃ…」
アライちゃん2「おうちかえりたいのりゃあ…」グスン
アライちゃん3「すきをみてだしつすゆのりゃっ!」ウユウゥ~
アライちゃん4「のりゃっ!のりゃっ!」シッポブンブン
アライちゃん5「あ…うんちでゆ…うぅ~っ!」ブリブリ

やがて、バケツの蓋が開けられた。

アライちゃん1「やったー!でゆのりゃああ!」ヨジヨジ ヒョコッ

アライちゃん1は、バケツから外へ出ようとする。

その瞬間、アライちゃん1の尻尾がトングで挟まれ持ち上げられた。

アライちゃん1「のりゃ!?」ブラン

飼育員「えーいっ!」ポイッ

アライちゃん1「のりゃりゃああっ!」ヒューッ ポテッ

そして、檻の中へ放り投げ入れられた。

アライちゃん1「うゆぅ~、なんなのりゃ!もう…。でも、すきまあゆのりゃ!」

檻の隙間は、アライちゃんなら通り抜けられそうだ。

観客達「^^」ジロジロ

観客達がアライちゃんを見ている。

アライちゃん1「こんなとこ、さっさとでゆのりゃ!」ヨチヨチヨチヨチ

アライちゃん1は、檻から出ようとする。

ヒヒ1「ウシャア!」ガシィ

アライちゃん1「のりゃああっ!?」ビクゥ

そのとき、檻の中にいたヒヒが、アライちゃんの尻尾を掴んだ。

ヒヒ1「ウキャア」グイイッ

アライちゃん1「ぴぎいいぃ!?なんなのりゃおまえ!なんのけものなのりゃ!」ジタバタ

ヒヒ1「ハグゥ!」ガブゥ

アライちゃん1「ぴぎぃぃぃぃぃいぃっっ!いぢゃいのりゃあああっ!」ビギイィィ

なんと、ヒヒはアライちゃん1のお腹へ噛みついた。

ヒヒ1「ガブゥ!」ガブガブ

観客達「アハハハハハハハハ」ゲラゲラ

アライちゃん1「ぐじゅびいいぃぃぃっ!だじゅげでえええっ!いぢゃいのりゃああっ!」ピギィィイ ジタバタ

ヒヒ1「フングゥ!」ブヂィィッ

アライちゃん1「ぴっぎゃああああーーーーーっ!」ブシャアドロドロ

アライちゃん1の腹が破れ、内臓が飛び出した。

ヒヒ1「ハグハグ…モグモグ…」ブヂィィッモグモグ

アライちゃん1「おが…しゃ…」

アライちゃん1は、ヒヒに軽食のバナナみたいに食われていった。

飼育員「次はこっちでーす」ガシィ

アライちゃん2「よーやくでられゆのりゃっ!≧∀≦」シッポブンブン

飼育員「はーい」ポイッ

アライちゃん2「ぴぃっ!」ヒューンッ スポッ

アライちゃん2は、姉とは別の檻へ投げ入れられた。

アライちゃん2「うゆぅ…なんなのりゃ…」ヨチヨチヨチヨチ

虎「ガアウ!」ガバァ

アライちゃん2「ぴぎゃあっ!?」

虎「ハグゥ!ガブゥ!」ガブウゥ

アライちゃん2「ぴぎいいぃぃーーっ!ぴぎゅるるるるぅっ!きゅるるるるぅぅっ!」ブシャアア ジタバタ

虎「ガブガブ…」ムシャムシャ

アライちゃん2「い…ぎゃ…だ…じゅ…げ…」ブシャアア

虎「ハグハグ…」ムシャムシャ

アライちゃん2「…」ガクッ

虎「モグモグ…」ムシャムシャバリバリ

アライちゃん2「」

アライちゃん2は、虎に食われた。

アライちゃん3「ぴゃあっ!」ヒューンッ スポッ

アライちゃん3が投げ入れられたのは、格子が狭い檻の中。

アライちゃん3「いいおうちなのりゃ!」クルッ

アオダイショウ「シャアアア…」フシュウウゥ

…しかし、背後で大蛇が見ていた。

アライちゃん3「ぴいぃっ!?へ…へびなのりゃああっ!」ビクウウゥ

アライちゃん3「やーなのりゃああっ!でゆ!でゆうぅぅっ!」ヨチヨチヨチヨチ ガシャガシャ

アオダイショウ「フシュウゥ…」シュルシュル

アライちゃん3「こわいいいいっ!あっちいげええっ!ぴいぃーーっ!」ヨチヨチヨチヨチ

アライちゃん3は必死のヨチヨチ歩きで檻の中を逃げ惑う。

アオダイショウ「アグッ」シュルシュル パクッ

アライちゃん3「もごぉ!?」

しかしアオダイショウはアライちゃん3に絡み付き、頭から丸のみにした。

アオダイショウ「ングング…」ゴクンゴクン

アライちゃん3「ピギー!ピギー!」シッポブンブンジタバタジタバタ

アライちゃん3は、必死に暴れたが…

アオダイショウ「ゴックン」

…無事、丸のみにされた。

アライちゃん4「ぴぎゅぅっ!」ヒューンッ スポッ

鷲「キューン!」ガシィ バッサバッサ

アライちゃん4「ぴぎゃあああっ!?は、はなちてええっ!」ブラーン ジタバタ

鷲「ハグゥ!ブヂィ!」ツンツン ブヂィィッ

アライちゃん4「うびゃああああーっ!ぴぎいぃぃっ!」ブシャアア

アライちゃん4は、鷲の硬い嘴で食われていった。

アライちゃん5「ふしゃああああーーっ!ふしゅううーーーっ!」フーッフーッ

熊「カロロロロ…」

アライちゃん5は、投げ入れられた檻の中で、熊を威嚇していた。

アライちゃん5「あ…ありゃい…、ありゃいしゃんのほーがぁ!うぅ~!おまえより、つよいんだぞぉ!いだいなんだぞぉ!」フーッ ブルブル

そう言う割には、涙目で震えている。

熊「…」

アライちゃん5「ふしゃああああーーっ!きゅるるるるぅっ!ありゃいしゃんにだからったらぶっこよしゅのりゃあっ!」フゥーッ

熊「ガウアアッ!」ズドガァアアッ

熊は、アライちゃん5へ剃刀より鋭い爪の引っ掻きを繰り出した。

アライちゃん5「まけないのりゃー!たあー!」バッ

アライちゃん5も負けじと熊へ、枝豆の皮ぐらいよりは鋭い爪の引っ掻きを繰り出した。


…果たして、勝つのはどちらか!?

次回へ つづく!

熊「フバァウゥーーーーッ!」ドグシャアアアッ

アライちゃん5「」ブグチャアアアッ

アライちゃんの骨は柔らかい。
熊の全力の一撃をくらったアライちゃん5は、頭からカラーボールのように血と脳漿をブチ撒けた。

熊「ガブガブ…」バリバリムシャムシャ

激闘の末、僅差で惜しくも敗れたアライちゃん5は、
勝者の餌食となってしまった。

このように、動物達の死闘では一瞬の油断が命取りになるのである。

父親「やっぱり動物が生き餌を食べてる姿はカッコいいね」

男児兄「クマかっけえーー!」

男児弟「虎もかっこいー!」

観客達は、生き生きとした動物の姿が見られて楽しそうだ。

これはなにも、残酷ショーではない。
(そもそもアライちゃんが食われる姿なぞ、大して残酷でもない)

アライちゃんは、非常に栄養価に優れた、健康にいい生き餌なのである。

免疫力の増強。
新陳代謝の活性化。
動物の体内では、様々な良影響がある。

しかしながら、アライちゃんを園内で養殖するのはコストがかかる。
そこで、お客さんが捕まえてきた生きアライちゃんを買い取り、
動物へ餌付けしているのである。

一人当たりの買い取り数には上限があるため、
あまりたくさん持ってこられても預りきれないが…。


…ともあれ、アライちゃん駆除と動物の健康維持を同時に促進する、一石二鳥のビジネスといえよう。

飼育員「えー、続きまして!イリエワニのダイル君への餌付けをしまーす!」

観客達「おおー!」スタスタ

観客達は、ワニのコーナーへ移動する。

~ワニコーナー~

ワニコーナーは、野生のワニ生息環境を再現しており、ちゃんと池もある。

そして、その奥には…巨大生物がいた。

ダイル君「カロロロロ…」

飼育員「ダイル君は、体長9メートル、年齢85歳のイリエワニです!ずっと昔からあちこちの動物園を渡り歩いてきました!」

飼育員「健康の秘訣はもちろん…、頭に未知の物質が含まれているともいわれる、この餌でーす!」

飼育員はバケツを持っている。

飼育員「さあ、皆さん!たくさん持ってきてくれてありがとうございます!今日もダイル君に、美味しいお食事をあげましょう!」

観客達『YEAHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH!!!!』パチパチパチパチ

飼育員は、バケツを開けた。

バケツの中には…

アライちゃん達「のりゃ!のりゃ!」ウジャウジャ
アライちゃん達「せまいのりゃあ!おそとだちてぇ!」ウジャウジャ
アライちゃん達「ぴぎいぃぃーーっ!おしゅなぁーーっ!」ウジャウジャ

…たくさんのアライちゃんがいた。

飼育員は、バケツから一匹アライちゃんを掴んで出した。

アライちゃん「のりゃ?たかいたかいなのりゃー!おもちろーいっ!」キャッキャッ

飼育員「それじゃあダイル君、行きますよー」スッ

ダイル君「アーン」パクッ

遠くのダイル君は、大きな口を開けて待っている。

飼育員「そーれっ!」ブンッ

アライちゃん「ぴいいいぃぃーーーっ!?」グルングルン

アライちゃんは空中で回転しながら、ワニの口の中へ一直線に飛んでいく。

ダイル君「アーン…」アングリ

アライちゃん「ぴぎゃっ!け、けものなのりゃ…」ヒューンッ

ダイル君「ハグッ!」バクンッ

ダイル君は口を閉じ、アライちゃんを一飲みにした。

観客「オォーッ」パチパチパチパチ

アライちゃん達「ぴぎいいぃ!」

飼育員「やってみたい人はいますかー?」

男児弟「やってみたいでーす!」サッ

飼育員「お、それじゃあこのアライバズーカを使ってみようねー」スッ

飼育員は、男児弟へ電動エアポンプがついた空気砲バズーカを渡した。

男児弟「かっけー!ダイル君、いっくぞー!」チャキッ

ダイル君「アーン」アングリ

ダイル君の口の中には、先程の生き餌は残っていない。

飼育員「それじゃあ、アライちゃんを入れますねー」ガシッ グイイッ

アライちゃん「はなちて!はなちてぇえええーーっ!おがああーーしゃああああーーんっ!」ピギイイィィ ジタバタ

飼育員「砲弾、セット!」スポッ

飼育員は、男児弟が持つ空気砲バズーカへアライちゃんを投入した。

アライバズーカ『ふみゅうぅ!?なんなのりゃ、くらいのりゃあ!』

男児弟「よーく狙って…たあー!」カチッ

男児弟はトリガーを引く。

アライちゃん「ぴぎゃああああーーっ!」スポーーンッ

アライちゃんは、弧を描いて勢いよくダイル君のほうへ飛んでいくが…

アライちゃん「じび!」ベチーン

ダイル君の隣へ落下した。

アライちゃん「いぢゃいいいぃぃいいいーーーーっ!ぴぎいいぃいーーっ!あしおれたあああああーーーっ!ぴぎいいぃいーーっ!」ビエエエエエンッ

アライちゃんは、右足が折れてしまったようだ。

ダイル君「アーン」ドスンドスン…

アライちゃん「ぴぃ!く、くゆなあああっ!こないでえええーっ!きたらぶっこよすのりゃあああああっ!」ガチガチブルブル フゥーッ

アライちゃんは、涙を流して震えながら、ダイル君を威嚇する。

ダイル君「ガアアアウ」ドスンドスン

アライちゃん「やだあああああっ!たべられだぐないいいぃーーっ!だれがだじゅげでえええーーっ!」ピギイイィィ ペタペタ

アライちゃんは、左足と両手で、ぺたぺたと這ってダイル君から逃げる。

ダイル君「ハグウゥゥッ」ガバァ ガブゥッ

ダイル君は、アライちゃんへ後ろから飛びかかる。

アライちゃんの頭「」バツンッ ブシャアアッ

なんと、ダイル君の噛みつきで、アライちゃんの頭が千切れ飛んだ。

アライちゃんの頭「」ゴロン…

その表情は、涙を流したまま絶望した顔のままだ。

ダイル君「ガブゥ」バクンッ

直後、頭も残さずに食われた。

観客達「オォーーッ」パチパチパチパチ

飼育員「うーん、惜しかったねー!さあ次の人ー!」

アライちゃん達「やだあああああっ!にげゆぅーーっ!」ヨジヨジ

アライちゃん達は、バケツから這い出そうとするが…

飼育員「よいしょ」ガポッ

…すぐに蓋を閉められた。

バケツ『だぢでええっ!だちてええーーーっ!』ガコンガコン


動物園は、今日も大繁盛であった。



~小学校~

ここは男児兄弟が通う小学校。

ガキ大将「なあ、面白い遊びあるんだけど、一緒にやらねー?」

男児弟「やるやるー!何?」

ガキ大将「あー…これ、先生とか、やってない人には絶対内緒な」ヒソヒソ

男児弟「うん!」

ガキ大将「じゃ、行こうぜ」スタスタ…

男児弟「どこ行くんだろ…」スタスタ…



~学校の裏庭~

ガキ大将「おーい!新メンバー連れてきたぞー!」スタスタ

男児弟「何だろう?」

男児1「お!来た来た!新メンバー?」

男児2「男児弟も一緒にやろうぜー!」

学校の裏庭に集まる男児達。
何で遊ぼうというのか?

並木の裏には、5つの虫籠がある。

男児3「これだよ!」サッ

5つの虫籠の中には…

アライちゃん1「あむあむあむあむあむ!もぐもぐ!ごはんおいちーのりゃあ!」クッチャクッチャ

アライちゃん2「かいぬししゃーん!おみずのみたいのりゃあ!」シッポフリフリ

アライちゃん3「のりゃ…のりゃ…」zzz

アライちゃん4「うゆぅ…あんよいぢゃいのりゃあ…」コスリコスリ

アライちゃん5「ぴいいぃぃーーっ!おうちかえしてええーっ!おがーしゃんのとこかえゆぅーーっ!」ピイイィィ

…1匹ずつ、アライちゃんが入っていた。

男児弟「わ、アライちゃんだ!どうすんの?」

ガキ大将「アライちゃん相撲っていうんだ!」サッ

ガキ大将は、細長い木の板を、鉄の柵の上に固定した。

男児弟「どんな遊びなの?」

ガキ大将「俺達、ここでアライちゃんを隠れて飼ってるんだ!」

アライちゃん1「かいぬししゃーん!しゅきしゅきなのりゃー!くだものちょーだい!ちょーだい!」コスリコスリ

男児弟「…飼っていいんだっけ?」

ガキ大将「見つからなきゃいいんだよ…」

男児弟「…」

見つかったらヤバいものを、『飼っていい』とは普通言わないのだが。

男児弟「…まああいいや、それで、なんだっけ…アライちゃん相撲?」

ガキ大将「アライちゃんヨチヨチ相撲な」

男児弟「ヨチヨチ相撲ってどうやるの?」

ガキ大将「お、観てみるか!今からやるぜ!」ガシィ

ガキ大将は虫籠の蓋を開け、アライちゃんを取り出す。

アライちゃん1「きゃはははは!だっこしゅきなのりゃー!ぎゅーっ!」スリスリ

男児1「じゃあ、今日は俺のモンスターと勝負しようぜー!」グイイッ

男児1は、アライちゃん2を細長い板へ乗せる。

アライちゃん2「うゆぅ~」シッポフリフリ

ガキ大将「俺のモンスターが最強だかんな!」ストッ

ガキ大将は、アライちゃん1を木の板へ乗せた。

アライちゃん1「あ、おともだちなのりゃ~!」シッポフリフリ

アライちゃん2「おともだちー!あしょぶのりゃ~!」ヨチヨチヨチヨチ

アライちゃん2は、アライちゃん1の方へ這い寄る。

アライちゃん2「なかよしのけづくよいしてあげゆのりゃ!はぐ!はぐ!」ハムハム

アライちゃん2は、アライちゃん1の背中の毛皮(服)を口ではぐはぐと噛む。

アライちゃん1「ふあぁ~きもちいーのりゃ~…ごくらくなのりゃ~…」シッポフリフリ

毛繕いしてもらっているアライちゃん1は、とても気持ち良さそうだ。

アライちゃん1「おかえしに、しっぽのけなみととのえてやゆのりゃ!ぴっかぴかにすゆのりゃあ!ぺろぺろ…」ペロペロ

アライちゃん1は、アライちゃん2の尻尾を舐めている。

アライちゃん2「わは~!なかよちけづくよいたのちぃーのりゃあ!」キャッキャッ

アライちゃん1&2「「おともだちー!なのりゃー!」」スリスリ

男児弟「…これがヨチヨチ相撲?なんかイメージと違うんだけど…」

ガキ大将「まあまあ、見てなって」スッ

ガキ大将は、アライちゃん達が乗る細い木の板の上へ、チョコレートを1粒置いた。

アライちゃん1「うゆ!たべものなのりゃ!たべゆのりゃ!」ヨチヨチヨチヨチ

アライちゃん1が、チョコレートへ這い寄る。

アライちゃん2「のあ!ずるいのりゃぁ!ありゃいしゃんがたべゆのりゃあ!」ヨチヨチヨチヨチ

負けじとアライちゃん2もチョコレートへ這い寄る。

アライちゃん1「なにいってゆのりゃ!これはあらいしゃんがさいしょにみつけたのりゃ!ありゃいしゃんのだぞぉ!」フゥーッ

アライちゃん1は、アライちゃん2を威嚇する。

アライちゃん2「うゆぅ~!あらいしゃんはさっきおまえにいっぱいいいーーーーーっぱいけづくよいしてあげたのりゃ!おんしらずめー!」フゥーッ

アライちゃん2も、負けじと威嚇する。

アライちゃん1「どろぼーにおんなんてないのりゃ!がいじなのりゃ!」シッポブンブン

アライちゃん2「がいじっていったほーががいじなのりゃあ!ありゃいしゃんんはなぁ、いだいなんだぞぉ!」フシャアアアアッ

アライちゃん1「ありゃいしゃんのほーがずーっとずーーとずぅーーーっといだいなんだぞぉ!きゅるるぅっ!」キュルルルルゥ

男児1「レディーゴォーッ!」

アライちゃん1「のりゃああああーーっ!」ヨチヨチシッポフリフリヨチヨチシッポフリフリ

アライちゃん2「のりゃああああーーっ!」ヨチヨチシッポフリフリヨチヨチシッポフリフリ

アライちゃん1&2「「たあ~!」」ドカァッ

アライちゃん達が、木の板の上でぶつかり合った。

男児1「行けー!」ワイワイ

アライちゃん2「おんしらずのがいじはぶっこよしてやゆのりゃあーっ!」グイグイ

ガキ大将「負けんなー!」ワイワイ

アライちゃん1「きいぃいーーっ!どろぼーのくちぇにぃーーっ!しねしねしねぇーーっ!」グイグイ

アライちゃん達は、互いに押し合っている。

アライちゃん1&2「「ふんぐぐぐぐ…」」グイイイッ

男児弟「なにこれおもしれー!」

アライちゃん2「たあー!」ブンッ

アライちゃん1「ぴいいぃーっ!」ヒューッ

アライちゃん1は、木の板から投げ落とされ…

アライちゃん1「じび!!」ドシャアッ

地面に落下した。

アライちゃん2「はぁ、はぁっ!やったのりゃー!ありゃいしゃんのほーがつよいのりゃー!ぜぇ、はぁっ!」ヨチヨチ

木の板の上のアライちゃん2は、チョコレートを口に含んだ。

アライちゃん2「もぐもぐもぐもぐ!くっちゃくっちゃ!んーまーーいーーのーーりゃあーーーーっ!(≧'u(≦ )」クッチャクッチャ

男児2「うわ、食う音きったねー!口閉じて食えよなー」

アライちゃん2「もぐもぐ!おいちーーのりゃああー!まくってすっげーんまいのりゃああーーっ!」クッチャクッチャ

アライちゃん2は、チョコレートを食べてご満悦なようだ。

アライちゃん1「のぉぉおーーーぁあーーーんっ!のあああーんっ!がいぬじじしゃーーーんっ!あいつうーーっ!ありゃいしゃんのたべものとったのりゃああーーっ!」ピギイイイィ ジタバタジタバタ

一方、負けて落とされたアライちゃん1は、地面の上で癇癪を起こしている。

アライちゃん1「ありゃいしゃんのなのにぃいーーっ!どよぼぉーーっ!かいぬししゃーん!あいづぶっこよちてありゃいしゃんにたべものかえしゅのりゃああああっ!」ピイイイィーーッ

アライちゃん1は、悔しさと怒りで泣きわめいている。

ガキ大将「な?おもしれーだろ?」

男児弟「すっげーおもしろそー!」

その後も、アライちゃんヨチヨチ相撲は大好評だった。

そのうち、飼いアライちゃん達は、だんだん体が大きく成長してきた。

そのうち、二本足で立てるようになるだろう。

アライちゃん1「かいぬし!ごはんぜーんぜんたりないのだぁ!」ゲップゥ

アライちゃん2「もっとごはんよこすのだぁ!あらいしゃんはなぁ!せーちょーきなんだぞぉ!」

アライちゃん3「のだぁ…のだぁ…」zzz

アライちゃん4「あらいしゃんはもっとごはんいーーーーーっぱいべてでーーーっかくなるのだ!はやくよこせー!」フゥーーッ

アライちゃん5「おそとでたいーー!こっからだせぇーーー!くびわはずせーー!」ガシャンガシャン

アライちゃん達は、首輪と手綱がつけられている。

男児弟「…なんかだんだん言うこと聞かなくなってきたな…」

ガキ大将「…おーい、相撲やるぞー…」ガチャッ

ガキ大将は、虫籠の蓋を開けた。

アライちゃん1「ふははははーー!じゆーなのだぁーーっ!」ヨジヨジ

アライちゃん1は、すぐに虫籠から出て、遠くへ行こうとした。

ガキ大将「こら!逃げるな!」グイイイッ

ガキ大将は、首輪の手綱を引っ張る。

アライちゃん1「ぐぎゅうぅぅ!ひっぱゆなぁ!はなせぇーーっ!くそごみがいじうんこばかごけくそたれうんちぃーっ!」ジタバタ

ガキ大将「なんだと!飼い主に向かって何てこというんだ!」

アライちゃん1「あらいしゃんはもうおまえなんかにおせわされなくってもへーきなのだぁ!」フゥーーッ

ガキ大将「…」

ガキ大将「いーから虫籠に戻れ!」ポイッ

アライちゃん1「ぴぃっ!」ガッシャアン

アライちゃん1は強制的に虫籠に閉じ込められた。

ガキ大将「すげー力になってきたな…」ハァハァ…

アライちゃん1「くそばかうんこーっ!こっからだせー!だーーーせーーーっ!せまいのだあああーーっ!がるるるるるぅーーっ!」キュルルルルゥ ガッシャンガッシャン

男児弟「…」

アライちゃん1「そーだ!ごはんたりないっていったのだぁ!はやくもってくるのだぁ!」フゥーーッ

ガキ大将「…」スッ

ガキ大将は、ポッキーを虫籠に突っ込む。

アライちゃん1「はやくよこすのだ!」ガシィ

アライちゃん1「がりがりがりがりがりがりっ!ぐっちゃぐっちゃぐっちゃ!」クチャクチャグチャグチャ

アライちゃん1「げぷぅ!もっとよこせー!」フゥーーッ

ガキ大将「…」

…午後…

先生「では、明日から夏休みになりまーす!夏休み明けにまた会いましょう!」

生徒達「はーい!」ゾロゾロ…

ガキ大将「帰ってモンハンやろーぜー!」

男児1~3&男児弟「「「わーい!」」」スタスタ

…そして生徒達は帰宅し、学校は夏休みになった。

…翌日…

アライちゃん1「かいぬしはまだなのか!?はやくごはんもってくるのだーーー!」ガシャンガシャン

アライちゃん2「もうおみずなくなってるのだ!のどからっからなのだぁ!」フシャアアアアッ

アライちゃん3「うんちしてるからしずかにするのだ!うーんっ…!」ブリブリ

アライちゃん4「うゆぅー!おーみーーずーーーっ!おぉーーみぃーーずぅーーーっ!」ガシャンガシャン

アライちゃん5「おしっこすゆのだ!はーきもちいーのだぁー…」ジョボボボボ

夏場の炎天下。
こまめに水を貰えないと、虫籠の中のアライちゃん達も困ることだろう。



…その頃、男児達は…

ガキ大将「はー、スイミングスクールだりー…」トボトボ

男児弟「夏休みなんだから、休ませて欲しいよなー…」トボトボ

…スイミングスクールに通っていた。

…翌日…

アライちゃん1「…ひふー…ひふー…みず…みずぅ…」ゼェハァ

アライちゃん2「ごはん…おなが…しゅいだ…のだぁ…」ゼェハァ

アライちゃん3「かい…ぬし…はやく…」

アライちゃん4「おしっこしかのむものないのだぁ…」ペチャペチャ

アライちゃん5「おながすいだのだぁ…」グッタリ



…その頃、男児達は…

コーチ「おらー夏休みだからって気抜いてんなよ!グランド3週!」

男児達「ひぃー」ドタドタ

…スポーツクラブの練習に励んでいた。

…翌日…

アライちゃん1「」グッタリ
アライちゃん2「」グッタリ
アライちゃん3「」グッタリ
アライちゃん4「」グッタリ
アライちゃん5「」グッタリ



…翌日…

アライちゃん1「」ブゥーン…
アライちゃん2「」カサカサ
アライちゃん3「」ブゥーン
アライちゃん4「」ブゥーン
アライちゃん5「」カサカサ

…アライちゃん達に、虫がたかっていた。

…数日後…

清掃のおっちゃん「ん?…なんか臭いな…」スタスタ

清掃のおっちゃんが、学校の裏庭に行くと…

腐乱アライちゃん1「」ウジャウジャウジャ
腐乱アライちゃん2「」グチャグチャ
腐乱アライちゃん3「」ブゥーンブゥーンブゥーン
腐乱アライちゃん4「」ウジウジウジウジ
腐乱アライちゃん5「」プゥーン…

…虫籠の中に入った腐乱死骸と…

チビアライちゃん1「うゆ!たべものあゆのりゃ!」ガシャガシャ
チビアライちゃん2「どーやってあけゆのりゃ?」ガシャガシャ
チビアライちゃん3「おなかへったのりゃ!あれたべたいのりゃ!」ガシャガシャ

…その虫籠にまとわりつくチビアライちゃん達がいた。

清掃のおっちゃん「…保健所呼ぶか」ピピポパ

…休み明け…

先生「先生に黙って、アライちゃんを飼ってた生徒がいます!やった人は手を挙げなさい!」プンスカ

男児1~3&ガキ大将&男児弟(やっべ忘れてた…黙っていよう…)

…アライちゃんヨチヨチ相撲 学校場所は幕を閉じた。



さて、世の学校は夏休み。
私の高校も夏休みだ。

だけど休んでなんていられない。
ここが稼ぎ時だ。

私は夏休みだからこそ、集中してバイトを入れる。

勉強、趣味、バイト。
全て両立してこその夏休みである。

もうすぐ夕方。ここが稼ぎ時だ。
さーて、バイト先に行こう。



~肉料理屋~

店主「よ、来たか」

彼はこの肉料理店の店主。
バイトしてる私に、いろいろ料理を教えてくれている。

店主「精が出るな。助かるぜ」

夏休みだし、お客さんいっぱい来るかな?

店主「はは。けっこう人入りは増えるな。うちのハンバーグ食いにくる子供連れ常連は多いからなぁ」

オーナーのハンバーグ美味しいですからね。
毎日食べたいくらい。

店主「太るぞ」

冗談ですよ。
ま、私も近いうち、オーナーの腕前を盗ませて貰いますけど。

店主「後継者か、いいねぇ!」

さ、頑張りますよ。



バイト中。

なにか厨房の奥から、ちりんちりんと鈴の音が聞こえてくる。

何ですかあれ?

店主「あー、あれか。…アライちゃん獲り罠に、獲物が引っ掛かった音だよ」ジュウウウウ

うわー…。あいつらどっからでも入ってきますね。

店主「天井に穴開ける奴もいるからな」ジュウウウウ

捕まえた後はどうするんですか?

店主「あ?そりゃ、あれよ。ワーミーさんの餌だよ」

ああ、あの子。
店主より私になついてますよね。

店主「あー…何でだろうな。若い女の子の方がいいのかな?」

ワーミーさん、雌ですよね。

店主「そうだが」

私とガールズトークでもしたがってるんでしょうか?

店主「ワーミーがオウムだったらそれもできたかもなぁ」ジュウウウウ

…アライちゃんって、餌として優秀なんですよね。

店主「ああ。動物園でもよく餌にされてるな」ジュウウウウ

アライちゃんって、人間でも食べれるんでしょうか?

店主「」

オーナー?

店主「…飲食店で変な話すんなよ」チョップ

んっ♥

店主「変な声出すな!」チョップ

だ、だって…
オーナーに叩かれるの、好き…

店主「バイト中だぞ。…まあ、そうだな…。サバイバル中に他に食えるモノがないなら、選択肢に入るかも」

案外美味しいかもしれませんね。

店主「…その狂った発想の元は何だよ」

…変な夢見てたんです。
店主が、アライちゃんを料理してる夢。

店主「俺が?…どんな風に?」

生きたまま、大根おろしでジョリジョリと削って…、
醤油とみりんで味付けて煮込む。

それをご飯にかけて…

店主「バイト中だっつってんだろ!」チョップ

んくぅっ♥

店主「大体なんだ…生きたままって。野蛮人にも程があるだろが」ジュウウウウ

まあ…夢で見ただけですから。

店主「…お前、俺のこと何だと思ってんだ…」



ふぅ~、今日も大忙しだった。

店主「お疲れ様。ほれ、今日のバイト代」

ふふ。
懐があたたかい。

店主「しかし、結構うちの店にシフト入れてくれてるよな。いや助かるけどさ…。何に使うんだ?」

うーん、何かペットでも飼おうかなって思ってます。

店主「ペットか…。何飼うんだ?」

まだ決めてないですけど…

店主「猫とかいいぜ。室内飼いすれば、アライちゃんを追っ払ってくれるからな」

はぁー…なるほど。
ネズミ追っ払うようなもんですね。

店主「仕留めたアライちゃんをお前の枕元に持ってくるかもしれねーぜ?『おら、食えや』ってな」

…ば、バイト中ですよ!

店主「もうバイト終わっただろが」



自室。

私は、店主にされたチョップの感覚を思い出す。

軽いツッコミ程度の、優しいチョップだ。



まあ、彼らしくて、いいんだけど。
もうちょっと強いチョップでもいいんだけどな。

~翌日、ペットショップ~

私はペットショップに来た。
とりあえず、まずは下見かな。

店員「いらっしゃいませー」

私はいろいろとペットを見る。
バイト先のオーナーも誘ったけど、『うちにはワーミーがいる』って言って来なかった。

店員「なにかお探しですか?」

いえ。
まずは下見しに来ました。

店員「どうぞ、ごゆっくり~」

私は、いろいろなペットを見て回る。

ウサギ、モルモット、チンチラ、亀、犬…。

ちょっとした動物園みたいだ。

「キュルルルルルル」

おや、この声は。

アライグマの赤ちゃん「キュルルルルルル」

わぁ、可愛い。

店員「それはアライグマですね。最近アニメで、アライグマブームが来てますからね~。売れてますよ」

…なんか、大きくなったら狂暴になるんじゃありませんでしたっけ?

店員「…最後まで、責任取って飼える人がオススメです」

本音は?

店員「法律で規制されるまえに売り切りたい」

…まだまだ大丈夫だと思いますけど…。

「なのりゃー」

ん?…この声は…
こないだ、たくさん聞いた声だ。

そして、たくさん止めた声だ。

店員「ああ、それですか?」

店員「ペットアライちゃんですよ」

ペットアライちゃん「ひとしゃーん♪かってかってー♪」キャッキャッ

…アライちゃんって、ペットにもなってたんですね。
大丈夫なんですか?

店員「はい。別にまだ法律で規制されてませんしね」

…『まだ』。

店員「…まあ、ドブネズミとデグーの違いみたいなもので。ペットアライちゃんは比較的飼いやすいですよ」

ペットアライちゃん「ひとしゃーん、みゆのりゃ!しっぽのだんしゅなのりゃ!」クルッ

おや?
後ろを向きましたよ。

店員「ああ、これですか。ペットアライちゃんに人気の芸ですよ、見ててください」






ペットアライちゃん「しっぽのだんしゅ♪だんしゅ♪しっぽふりふりあっらいっしゃんっ♪」フリフリ

ペットアライちゃん「ふわふわしっぽ、ふーりふり♪」フリフリ

ペットアライちゃん「かっわいーかっわいーあっりゃいしゃんっ♪のりゃー!≧∀≦」フリフリフリフリ




店員「どうですk…」



こ の こ く だ さ い。


店員「ええ!?」


可愛すぎます。
この子ください!!!!

店員「は、はい、いいんですね!?」

ああ、胸が高鳴る。
なんてこと。
ハートを射抜かれた。
アライちゃんって、こんなに可愛い生き物だったんだ。

今まで虫みたいに殺してきたけど、全然気付かなかった。



家についたら、早速可愛がってあげよう。
ちっちゃなお洋服着せてあげようかな?どうしようかな…?

つづく

ところでこのアライちゃん、可愛いブーツ履いてますね。

ペットアライちゃん「なのりゃー」コスリコスリ

店員「ああ。ペットとして販売するアライちゃんは、産まれた時にヨチライフ手術をするんですよ」

ヨチライフ手術?
…なんですかそれ?

店員「簡単に言うとですね…」



店員「膝を真ん中から切断する手術。…つまり、足首を切除するんです」




!?
な…なぜそんな事を!?

店員「ヨチヨチ歩きしかできないアライちゃんのうちはいいんですが、二足歩行するようになると、アライさんは手がつけられなくなるんですよ」

店員「あちこち暴れまわって悪戯したり、脱走しようとしたり、暴力を振るったり…。猫よりずっと力が強いですからね」

逃げられたら、追っかけるの大変そうですもんね。

店員「何より、逃げたアライさんが野生化して悪さをするケースが頻発しています」

…それで、ヨチライフ手術を?

店員「はい。結局、全て立って歩けるから悪いんです。なので、膝から下を切り落として、成体になってもヨチヨチ歩きしかできないようにしています」

その方が助かりますね。
実際、ペットアライちゃんを成体まで育てて飼ってる人は多いんですか?

店員「…」

店員さん!?

店員「…成体になると、面倒見切れなくなる人も…多いですね」

…そのときは、どうするんですか?

店員「アライさん引取サービスをやっています」

…アライさん引取サービス。

店員「はい。ペットアライちゃん販売業者が、飼えなくなったアライさんを、無料で引き取るんです」

無料で引き取る。

店員「はい」

どこへ行くんですか?

店員「アライさんの楽園です」

アライさんの楽園。…何ですかそれ?

店員「アライさんの楽園はアライさんの楽園です」

…そこには何があるんですか?

店員「自由があります」

…質問を変えましょう。
引き取ってもらった後、また飼い直すことはできるんですか?

店員「できません」

何故ですか?

店員「そういう決まりだからです」

…アライさんの楽園は、どこにあるんですか?

店員「企業秘密です」

つまり、まあ、何だ…。
飼えなくなって引き取ってもらう行為は、アライさんを自由にしてあげるという
優しさなのだから、気兼ねなく利用していいと。

店員「おっしゃる通りです」

飼えなくなっても、そこに引き取ってもらえば、
私は無責任な悪い飼い主でなく、自由を与えた善人でいられるんですね。

店員「ご理解頂けて感謝します」

…飼いましょう。

~自宅~

飼いアライちゃん「なのりゃー!」シッポフリフリ

ああ、なんて可愛らしい。
名前をつけてあげようかな。

飼いアライちゃん「かいぬししゃーん!ごはんくだち!」ヨチヨチ


決めた。

君の名前は、『アラキレス』にするよ。

飼いアライちゃん「あらきれすなんなのりゃ?」シッポフリフリ

ギリシャ神話の英雄の名前だよ。

アラキレス「ありゃきれしゅー!かっこいーのりゃあー!≧∀≦」シッポフリフリ

あーがわいい。
すき。

ご飯をあげよう。
このドッグフードでいいのかな。

アラキレス「ふんふん!くんくん!いーにおいすゆのりゃあ!」クンクン

はい、どうぞ。
私はドッグフードを器に盛り、アラキレスのいるケージへ入れる。

アラキレス「いただきまーちゅ!あむあむあむあむあむあむ!もぐもぐもぐもぐもぐもぐ!」ムシャムシャ

アラキレス「もぐもぐ…うんめぇ~のりゃあ~!おいちい!もぐもぐ!」ムシャムシャ

おお、口を閉じて食べるんだね。
野良アライちゃんは気持ち悪い音出すのに。

アラキレス「ぴぃ?それやったらごはんもらえないのりゃ、いたいのやーなのりゃあ」シッポフリフリ

おっ、返事した。
アライちゃんは小さいうちから人間と意志疎通できるのか。

野良アライちゃんは、言葉は喋るけど意志疎通できないと言っていいからな。

アキレウス「だかや、くちとじてもぐもぐすゆのりゃ!」ムシャムシャ

…じゃあ、口を閉じて食べたら?

アラキレス「おぎょーぎよくちたら、ごはんいーっぱいもらえゆのりゃ!」シッポフリフリ

…飴と鞭か。なるほど。

…さて。
餌も入れて、水もボトルに詰めた。

バイトに行ってこよう。
アラキレスの写真、みんなに見せよっと…。

私は、自転車をこいで肉料理屋へ向かった。



アラキレス「…」ポツーン

アラキレス「うゆぅ~?かいぬししゃん、どこいったのりゃ」キョロキョロ

アラキレス「かいぬししゃーん!あしょんであしょんでぇ~!」シッポフリフリ

アラキレス「うぅー!たいくつなのりゃー!」ゴロゴロ

アラキレスは、回し車を見つけた。

アラキレス「のりゃ?なんなのりゃこれ?」ヨチヨチ

回し車が、籠の中でグルグル回る。

アラキレス「わーい!たのちーのりゃあ!」ヨチヨチヨチヨチ グルグル

アラキレスは、回し車で遊んでいる。

??「うゆ?なんのおとなのりゃ?」ヨチヨチ

??「くんくん…なかまのにおいなのりゃ?」ヨチヨチ

…そこへ、何かが近付いてきた。

野良アライちゃん1「のりゃ!のりゃ!」ヨチヨチヨチヨチ

野良アライちゃん2「のあ?おまえ、なにやってゆのりゃ?」ヨチヨチヨチヨチ

アラキレス「くゆまであしょんでゆのりゃー!」ガラガラ

野良アライちゃん1「たのちそーなのりゃ!ありゃいしゃんにもやらせゆのりゃー!」ガチャガチャ

野良アライちゃん2「いれゆのりゃー!」ガチャガチャ

アラキレス「のあ?あけかたわかんないのりゃ」

野良アライちゃん1「うぬぬぅ…」

野良アライちゃん2「くんくん…うゆ?なんかいーにおいすゆのりゃあ!」クンクン

アラキレス「これなのか?」サッ

アラキレスは、野良たちに器の中のドッグフードを見せる。

野良アライちゃん1&2「「よこすのりゃーー!」」シッポフリフリフリフリフリフリ

アラキレス「うゆぅ~、じゃあたべものこーかんなのりゃあ!なんかたべものもってくゆのりゃ!」

野良アライちゃん1&2「「わかったのりゃ~!」」ヨチヨチヨチヨチ

野良アライちゃん達は、どこかへ行った。

野良アライちゃん1「うゆ!たべものあったのりゃ!」

野良アライちゃんは、机の上にお菓子…
マシュマロが置いてあるのを見つけた。

野良アライちゃん1「くっちゃ!ぐっちゃ!うんめーのりゃあ!」クッチャクッチャ

野良アライちゃん2「おいちーのりゃあ!あいつにもってくのりゃー!」ガシィ

野良アライちゃん1&2「「わっちぇ!わっちぇ!」」ズルズル

野良アライちゃん達は、マシュマロの袋を引きずって、アラキレスの前に来た。

アラキレス「おおー!いーにおいなのりゃ!」シッポフリフリ

野良アライちゃん1「くえ!よこちぇ!」ムギュムギュムギュ

野良アライちゃん1は、マシュマロをケージの隙間から突っ込んだ。

アラキレス「ありがとなのりゃ!くろいちゅぶちゅぶあげゆのりゃ!」グイグイポロポロ

アラキレスも、ドッグフードをケージの隙間から突っ込んだ。

アラキレス「あむあむ!このしろいふわふわおいちーのりゃあ!」モグモグ

野良アライちゃん1「はぐはぐ!くっちゃくっちゃ!」ムシャムシャ

野良アライちゃん2「くろいちゅぶちゅぶおいちーのりゃ!」クッチャクッチャ

アラキレスと野良アライちゃん達は、しばらくケージ越しに遊んだ。

野良アライちゃん1&2「「ありゃいしゃんたち、おともだちなのりゃー!」」シッポフリフリフリフリフリフリ

アラキレス「なのりゃー!」シッポフリフリフリフリフリフリ

野良アライちゃん1「うーん、いっぱいたべたからうんちしたいのりゃ…」ヨチヨチ

野良アライちゃん2「ここですゆのりゃ!」ヨチヨチ ピタッ

野良アライちゃん達は、可愛らしい羊のクッションの上に乗った。

野良アライちゃん1「うぅ~っ!」ブリブリ
野良アライちゃん2「うぅ~っ!」ブリブリ

…そして、羊クッションの上に排便した。



羊クッション「」プゥーン

…お気に入りの羊クッションの上に、汚い下痢気味大便がこんもり乗っている。

野良アライちゃん1「もっとくろいちゅぶちゅぶほちーのりゃあ!」ガチャガチャ

野良アライちゃん2「くいだめすゆのりゃー!」ガチャガチャ

野良アライちゃん達が、アラキレスの籠にまとわりつき、はしゃいでいる。

そして、空っぽになったマシュマロの袋が落ちている。



…そ れ が 、バ イ ト か ら 帰 っ て 来 た 私 が 見 た 光 景 だ っ た 。

…なんだろう。
本当に、げんなりする。
それしか言えない。

例え、このアライちゃん達を始末しても、
私のマシュマロは帰って来ないし、
私のクッションは捨てるしかないし、
私の可愛いアラキレスが、虐められて傷付いた心の傷は癒えない。


ともかく。
私は、籠にまとわりつくアライちゃん達へ近づく。

アラキレス「あ、かいぬししゃーん!みゆのりゃ!おともだちなのりゃ!」

野良アライちゃん1「おー!こいつが、ごはんくれゆいーにんげんなのか!?」シッポフリフリ

野良アライちゃん2「おい!ひとしゃん!あらいしゃんにもおいちーおいちーごはんよこしゅのりゃあ!」シッポフリフリ

私は、野良アライちゃん1の頭を右手で掴んで持ち上げる。

野良アライちゃん1「ぴぎぃっ!なにすゆのりゃあ!?」ジタバタ

例え、マシュマロやクッションはもうだめでも。
アラキレスを虐めるお前達だけは、今この場で始末してやる。

私は野良アライちゃん1の胴体を左手で掴み、力を込めて首を捻った。

野良アライちゃん1「ぎびいいいいいいいいいいいいいいいいいーーーーーーーーーっ!!ぴぎゅるるるるるるぅぅっ!いぢゃいいいぃーーーっ!」ギピイィィ

アラキレス「!?」

野良アライちゃん2「ぴぃ!?に、にげゆのりゃあーっ!」ヨチヨチヨチヨチ

逃がすと思うか。
私は野良アライちゃん2の首のあたりを靴下越しに踏んづける。

野良アライちゃん2「ぐびゅ!?」ムギュウゥ

そして、踵に全体重を乗せて、野良アライちゃんの脛椎をグリグリと踏みつけた。

野良アライちゃん2「あらぎれしゅぅ!だじゅげ…ぐびゅ!」ボギン

踵に、脛椎が破壊された感触が伝わってきた。

まだだ。念入りに殺す。
私は、野良アライちゃん2の首を何度も何度も全力で踏み潰す。

野良アライちゃん2「」グシャ!グシャ!グシャ!グシャ!グシャ!

アラキレス「ぴいいいぃぃぃぃ!やべでええええっ!ありゃいしゃんのおともだちこよしゃないでええええっ!」ビエエエエエンッ

大丈夫だよ、アラキレス。
私という君にとって唯一のお友達であるこの私は、
こんなクソ共に殺されるほど弱くない。
…別に強くもないけど。

野良アライちゃん2「」ビグッビグンッジタバタビビクンッ

やがて野良アライちゃん2はゴキガイジムーブした。

野良アライちゃん1「くびいぢゃいいぃーーっ!やべでええーっ!おがああーしゃあああーーんっ!あらぎれしゅだぢゅげでーーーっ!」ピギイイィ

アラキレス「あ…ぁあ…」ガクガクブルブル

アラキレスを虐めていたくせに、今さら命乞いか。
いいご身分だな。
死ね。

野良アライちゃん1「ぐびゅっ」ボギンッ

野良アライちゃん1の首は、捻れて1周半回った。

野良アライちゃん1「」ドチャッ
野良アライちゃん2「」ドチャッ

…ふぅ、こんなもんかな。
大丈夫だったかい?アラキレス。

アラキレス「う…うゆぅ…おとも…だちぃっ…なんでぇっ…」ブルブル

何で、助けてくれたかって?
お友達…と、私を呼んでくれるのか。

何故なら私は、君の飼い主だから。
危険なアライちゃんから守るのは当然だ。

悪かったねアラキレス、怖がらせてしまって。

…私がくるまでの間、あんな虐めっこ近付かせてしまうなんて。

アラキレス「の…のぁっ……のぁあああああーーんっ…!のあああーーんっ…!」ピイイイィィ

おや、安心して泣いちゃったのか。
好きなだけ泣いていいんだよ。
君の…いや。
私を怒らせたアライちゃんは、いつでもこうして殺してやるからね。

アラキレス「ぴ、ぴいぃぃっ…!」ガクガクブルブル

つづく



~バーベキュー会場~

肉料理屋店主「BBQ楽しいぜ!肉焼くぜェー!」ジュウウウウ

男児兄「おおー、いい匂いだあ」

男児弟「わくわく」

父親「楽しみだねー」

オーナーが、バーベキューを開催してくれた。

アラキレス「おっにく♪おっにく♪おっいちーおっにく♪」キャッキャッシッポフリフリ

アラキレスには首輪と手綱をつけてある。
逃げたりはしないだろう。
まあ、逃げても一生ヨチラーライフだから被害は出ないだろうけど。


それ何の肉ですか?

肉料理屋店主「フランクフルトとか豚がメインだな」ジュウウウウ

バーベキューセットで、木炭の上で肉を網焼きしながらオーナーが答えた。

男児父親「やっぱり自然の中でのバーベキューは最高だねー」

男児兄弟「イヤッフゥー!」

この人達は、ご近所さん一家だ。

よく私のバイト先へハンバーグを食べに来てくれる。

アラキレス「おにくじゅーじゅーたべたいのりゃー!」シッポフリフリ

ああ、アラキレスは可愛いなぁ。
美味しいお肉を食べさせてあげるね。

??1「くんくん!ふんふん!いーにおいすゆのりゃあ!」クンクン
??2「のりゃ!ありゃいしゃんにもよこしゅのりゃあ!」フゥーッ

ん?アラキレス、今何か言った?

アラキレス「のあー」シッポフリフリ

…まさか。

野良アライさん「ふはははー!その食べ物はアライさんが貰ってやるのだ!」ドタドタドタドタ

野良アライちゃん1「くわちぇろー!うぅー!」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん2「おにくー!よこちぇー!」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん3「やったのりゃー!ひっさびさのおにくなのりゃー!」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん4「おっにく♪おっにく♪」ヨチヨチシッポフリフリヨチヨチシッポフリフリ
野良アライちゃん5「ありゃいしゃんのおっにく♪」ヨチヨチシッポフリフリヨチヨチシッポフリフリ
野良アライちゃん6「おっにく♪おっにく♪」ヨチヨチシッポフリフリヨチヨチシッポフリフリ
野良アライちゃん7「おいちーおっにく♪」ヨチヨチシッポフリフリヨチヨチシッポフリフリ
野良アライちゃん8「うぅーてんかをとゆのりゃ!」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん9「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん10「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん11「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん12「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん13「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん14「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん15「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん16「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん17「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん18「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ

野良アライちゃん19「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん20「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん21「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん22「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん23「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん24「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん25「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん26「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん27「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん28「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん29「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん30「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん31「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん32「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん33「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん34「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん35「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん36「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん37「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん38「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ

野良アライちゃん39「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん40「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん41「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん42「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん43「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん44「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん45「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん46「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん47「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん48「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん49「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん40「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん41「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん42「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん43「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん44「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん45「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん46「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん47「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん48「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ

野良アライさん「天下を取るのだー!」

野良アライちゃん1~48「「てんかをとゆのりゃあーー!!」」ウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャ


アラキレス「わーい!おともだちいっぱいなのりゃー!」キャッキャッ

男児父親「うわああああああ!ヨチラーの大群だああ!」

こ…こんな山の中でバーベキューなんかするから!

イメージの上で確認だけど、足首の切除、っていってるんだから
真ん中からとってるのは膝じゃなくてスネ(脛)じゃないだろうか 膝なんだろうか

男児父親「でかいのもいるぞ!」アセアセ

野良アライさん「たあ~!」ドタドタ

肉料理屋店主「そんな時こそ…こいつの出番だぜ!持ってて良かったアライボウ!」スチャッ

オーナーのは、おそらくホームセンターで買ったであろう道具を取り出す。

https://i.imgur.com/JxHYU2o.jpg

これは、アライさん対策グッズのアライボウ。
誰でも気軽に買えて、高い駆除能力がある、便利な製品だ。

しかし、世の中にはこんな便利な道具を殺人事件に利用する不届き者もいるというのだからけしからん。

料理の包丁と同じ。
便利な道具も、使う人の心次第で凶器に変わるのである。

肉料理屋店主「ヒャアアーーーッハッハッハ!!!死ねクソ害獣!」バシュウゥ

オーナーが、その筋骨粒々な腕でアライボウをセットし、矢を放った。

野良アライさん「のびゃ!」ズチャッ

野良アライさんの顔面に矢が刺さり、後頭部まで貫通した。

>>218
脛ですね…
真ん中から切ったのは脛です

野良アライさん「」グッサリ

野良アライさんの額には、矢が刺さっている。

アラキレス「おぉー!あたまからつのがはえたのりゃ!かっこいーのりゃあ!」キャッキャッ

野良アライさん「」ドサッ

そして野良アライさんは倒れた。

アラキレス「うゆ!おねんねしちゃったのりゃ、ねむくなったのりゃ?」シッポフリフリ

男児父親「これで、ヨチラー共も逃げていくか…?」

野良アライちゃん1「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ

野良アライさん「」ムギュゥ

しかし、ヨチラー達は何のためらいもなく、野良アライさんを踏みつけ…

野良アライちゃん2「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん3「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん4「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん5「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん6「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん7「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん8「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん9「おかーしゃ?どーちたのりゃおかーしゃん?」ヨチッ
野良アライちゃん10「うゆ?いっしょにごはんたべにいくのりゃ、おかーしゃん」ペチペチ
野良アライちゃん11「おかーしゃ、なんでねてゆのりゃ!おかーしゃ!」ペチペチ
野良アライちゃん12「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん13「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん14「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん15「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん16「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん17「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん18「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ野良アライちゃん19「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん20「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん21「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん22「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん23「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん24「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん25「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん26「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん27「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん28「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん29「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん30「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん31「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん32「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん33「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん34「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん35「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
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野良アライちゃん37「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん38「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ野良アライちゃん39「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん40「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん41「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん42「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん43「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん44「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん45「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん46「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん47「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん48「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん49「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん40「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん41「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
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野良アライちゃん45「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
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野良アライちゃん47「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん48「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ

>>234
訂正


野良アライちゃん1「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ

野良アライさん「」ムギュゥ

しかし、ヨチラー達は何のためらいもなく、野良アライさんを踏みつけ…

野良アライちゃん2「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん3「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん4「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん5「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん6「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん7「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん8「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん9「おかーしゃ?どーちたのりゃおかーしゃん?」ヨチッ
野良アライちゃん10「うゆ?いっしょにごはんたべにいくのりゃ、おかーしゃん」ペチペチ
野良アライちゃん11「おかーしゃ、なんでねてゆのりゃ!おかーしゃ!」ペチペチ
野良アライちゃん12「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん13「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん14「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん15「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん16「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん17「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
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野良アライちゃん47「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん48「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん49「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん40「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん41「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん42「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん43「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん44「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん45「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん46「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん47「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん48「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ

…こちらへ大挙して押し寄せてきた!

アラキレス「わーい!おともだちいーっぱいきたのりゃ!みんなであしょぶのりゃ~!≧∀≦」シッポフリフリフリフリフリフリ

肉料理屋店主「クソァ!あんな数!アライボウじゃ何の効果もねえ!」

男児兄「怪獣ヨチラかな?」

男児弟「ヨチラ第一形態がいっぱい来るよぉ!」アセアセ

と…止まらない!!
ヨチラーの群れが、バーベキューセットめがけて突撃してくる!

男児父親「う、うわあああああ!!」

つづく

肉料理屋店主「よっし…仕方ねえ!お前ら、ジョギングするぜ!」

じょ、ジョギング!?
あいつらから逃げるってことですか!?
オーナーが焼いた美味しいお肉、諦めろってことですか!?

肉料理屋店主「走る方向は…」スッ



アライちゃん1~45「「おっにく!おっにくおっいちーおっにく♪」」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチ

肉料理屋店主「あっちだ」

オーナーは、アライちゃんの群れを指差した。

男児父親「…なるほど」

男児兄「あー…」

男児弟「それしかないなー…」

…致し方ないですね。
私は、アラキレスをぎゅっと抱っこする。

アラキレス「かいぬししゃーん♪だっこしゅきしゅきなのりゃー♪」スリスリシッポフリフリ

アラキレスは、私の胸に頬擦りしてくる。
待ってるんだよ、可愛い可愛いアラキレス。
君のためのお肉は、私が必ず守るからね。

アライちゃん1~45「「なのりゃー」」ウジャウジャウジャウジャヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチ

肉料理屋店主「よし、行くぜ!」ダッシュ

男児父親「はーっ!」タタッ

男児兄「いくぞー!」ダッ

男児弟「ダーッシュ!」ダッ

私達は、アライちゃんの群れへ一斉に突撃した。

アラキレス「わーい!おともだちとあしょぶのりゃー!≧∀≦」キャッキャッシッポフリフリ

そして…

アライちゃんの群れの上を、ひたすら駆け抜けた。

アライちゃん1「ぎびゅうううぅう!?」ボギィ
アライちゃん2「ぐげぇぇっ!」ブシャア
アライちゃん3「ぐゆじびっ!」グチャボギ
アライちゃん4「ぴいぃ!やめ…ぎゃぶっ!」ボギグチャ

…アライちゃんの骨や内臓が潰れる感触が、ヒールの裏から伝わってくる。

アラキレス「≦∀≧」!?

アラキレスは仰天している。

肉料理屋店主「ヒャアアアーーーッハッハッハッハァーーッ!一匹残らず踏み潰してやるぜェーーッ!!」グシャグシャグシャグシャグシャ

アライちゃん5「びぎゅぅ!!」グシャ
アライちゃん6「ぴぃぎ!…ぎびぃいいいいーーーっ!いぢゃいぃーっ!あんよいぢゃいのりゃあああっ!」ピギイイィ
アライちゃん7「ぶぎゅ!」グシャ ビグンビグンジタバタ

オーナーの鍛え上げられた体つきはとってもマッシブ。
筋肉の重みがアライちゃんを踏み潰す。

男児父親「いいかい?一匹残らず踏み潰すんだよ」グシャグシャ

男児弟「はーい!」ドタドタベギゴギ

男児兄「おっもしれー!たのしー!」ドタドタベギゴギ

アライちゃん8「ぶぎあああああっ!」グシャ
アライちゃん9「ぶぢぎいいぃっっ!」グチャボギ

…ご近所さん一家も、アライちゃん達を踏んづけて、アライちゃんの上でジョギングしている。

アライちゃん4「ぶぎゅうぅっ…!し…に…だぐ…ないのりゃああっ…」ブルブル

アライちゃん6「いぢゃいのりゃああああーーーっ!だぢゅげでええーっ!おがーーしゃあああーんっ!」ピギイイィ

アライちゃん9「お…ご…えぇっ…」ピクピク

踏んづけたアライちゃんの半分くらいは、即死には至らず、ピクピク動いている。


アラキレス「ぴいいぃぃいぃーーーっ!!!おどもだぢがしんじゃうのりゃああっ!いぢめないでええええっ!」ピイイイィィ

大丈夫だって。
私はあんなヨチラーに殺されはしない。

引っ掻かれたり、噛まれたら危ないけど…。

…さて。
目の前で大勢の同族が踏み潰されたアライちゃん達。

まともな動物なら、ビビって巣へ逃げていくはずだ。

アライちゃん10「なのりゃー」ヨチヨチシッポフリフリ
アライちゃん11「なのりゃー」ヨチヨチシッポフリフリ
アライちゃん12「なのりゃー」ヨチヨチシッポフリフリ
アライちゃん13「なのりゃー」ヨチヨチシッポフリフリ
アライちゃん14「なのりゃー」ヨチヨチシッポフリフリ
アライちゃん15「なのりゃー」ヨチヨチシッポフリフリ
アライちゃん16「なのりゃー」ヨチヨチシッポフリフリ

しかし、ヨチラー共は怯まない。
バーベキューの方へ猪突猛進してくる。

まともな動物ではないとはいえ…
命より食欲の方が大事なのだろうか?

アライちゃん10「じび!」グチャボギ
アライちゃん11「じび!」グチャボギ
アライちゃん12「じび!」グチャボギ
アライちゃん13「じび!」グチャボギ
アライちゃん14「じび!」グチャボギ
アライちゃん15「じび!」グチャボギ
アライちゃん16「じび!」グチャボギ
アライちゃん17「じび!」グチャボギ

はぁはぁ…だいぶ踏んだぞ。

アライちゃん18「なのりゃー」ヨチヨチ
アライちゃん19「なのりゃー」ヨチヨチ
アライちゃん20「なのりゃー」ヨチヨチ
アライちゃん21「なのりゃー」ヨチヨチ
アライちゃん22「なのりゃー」ヨチヨチ
アライちゃん23「なのりゃー」ヨチヨチ

しかし、私達がアライちゃんの群れを踏み潰している間にも…
生き残りがテーブルの上の生肉目掛けて這っていく。

アライちゃん18「おにくたべゆのりゃ!」ヨジヨジ
アライちゃん19「のぼゆのりゃ!」ヨジヨジ
アライちゃん20「わっちぇ!わっちぇ!」ヨジヨジ
アライちゃん21「あとすこしなのりゃー」ヨジヨジ
アライちゃん22「うおー!おにくたべゆのりゃー!」ヨジヨジ
アライちゃん23「おにくいっぱいたべてぱわーちゅけゆのりゃ!」ヨジヨジ

あああ…
ヨチラー達が、生肉が乗ったテーブルを登っていくぅ…
これじゃヨチラーじゃなくてヨジラーか…。

アラキレス「かいぬししゃん!なかよくすゆのりゃ!みんなでなかよくごはんたべゆのりゃあっ!」ヒグッグスッ

うんうん、そうだね。
みんなで仲良くご飯を食べるために。
あのヨチラー共は全員殺さなきゃ。

しかし、もう間に合わない…

肉料理屋店主「よう、ようこそ俺のバーベキューへ」ヌッ

…と、生肉が乗ったテーブルの上から、オーナーがよじ登りアライちゃん達見下ろす。。

アライちゃん18「うゆ?ひとしゃんなのりゃあ!」ヨジヨジ
アライちゃん19「かまわないのりゃ!おにくたべゆのりゃ!」ヨジヨジ
アライちゃん20「なのりゃー!」ヨジヨジ

ヨジラー達は、構わずに登り続けるが…

肉料理屋店主「バーベキューセットオープン!」カチャッ

オーナーは、バーベキューセットの上から、肉の乗った網を外す。

すると、焼ける木炭が露出した。

肉料理屋店主「てめーらにやる肉なんぞ…」ガシィ

アライちゃん18「うゆ!?」ムギュゥ

肉料理屋店主さんが、トングでアライちゃんを掴み…

肉料理屋店主「あるか害獣共があああああッ!」ポイッ

アライちゃん18「のりゃああ!?」ヒュー

なんとオーナーは、バーベキューセットに入った燃える木炭の上へ、アライちゃんを投げた。

アライちゃんが、木炭の上へ落下した。

じゅうううううう、というアライちゃんが焼ける音が響く。

アライちゃん18「ぴっぎぃいいいいいいいいいいーーーーーーーーー!!!!あぢゅいのりゃあああああああああああああああーーーーーーーーっ!!!」ドジュウウウゥゥ

アライちゃん18「ぎ…び…」ビクビクッ

アライちゃん18「」ジュウウウウ…

木炭の高い火力により、アライちゃんはすぐに黒焦げになった。

アライちゃん19「おっにく!おっにく!」ヨジヨジ

肉料理屋店主「フンッ!」ガシィ ポイッ

アライちゃん19「ぴぎゅうぅ!?あぢゅいのりゃあああっ!」ドジュウウウゥゥ

アライちゃん20「のりゃ!のりゃ!」ヨジヨジ

肉料理屋店主「ディスパァーーッチ!」ガシィ ポイッ

アライちゃん20「のぎゃああああああああああああっ!だぢゅげえええええでええええええーーーっ!」ボジュウウウ

生肉が乗ったテーブルをよじ登るアライちゃん達は、次々と放り投げられ、木炭の上で直火焼きされていく。

アライちゃん21「」ジュウウウウ

肉料理屋店主「ようこそ、どんどん登ってきたまえ」カチンカチン

アライちゃん22「う…うゆ…」ブルブル
アライちゃん23「こいちゅがじゃまして、ごはんたべられないのりゃ…」ブルブル
アライちゃん24「うゆ!いーことかんがえたのりゃ!」

アライちゃん22&23「「いーことなんなのりゃ?」」コスリコスリ

撤退するんだろうか?

アライちゃん24「こいちゅをぶっこよしゅのりゃあ~!」ヨチヨチヨチヨチ

アライちゃん22&23「「のりゃあ~!」」ヨチヨチシッポフリフリヨチヨチシッポフリフリ

なんと、アライちゃん達はオーナーの足元へ群がった。

アライちゃん22「はぐがぶぅ!」ガブガブ

…そして、オーナーの靴を噛み始めた。

アライちゃん22「ふははー!ひとしゃん!しにたくなければごはんよこしゅのりゃあ~!」コスリコスリ

肉料理屋店主「死ぬのはてめーらだァ!最初からなァ!」グシャグシャグシャグシャグシャグシャグシャ

アライちゃん22「ぎびぃいいいいいいいいいーーーっ!」ベギゴギ
アライちゃん23「ぴぎゅるるるるうぅぅうぅ!!」グシャボギ
アライちゃん24「いぢゃいいぃーーっ!やべでえええーーーっ!ぷぎゅるるぅぅっ!」グチャボギ

オーナーは、何ら怯まずにアライちゃん達を踏み潰す。

アライちゃん25「うゆ!あいつをぶっこよせばおいちーおいちーおにくたべれゆのりゃあ!」ヨチヨチヨチヨチ
アライちゃん26「とちゅげきなのりゃー!」ヨチヨチシッポフリフリヨチヨチシッポフリフリ
アライちゃん27「あいちゅをこよちておにくぱーちーすゆのりゃあ!」ヨチヨチヨチヨチ
アライちゃん28「わっちぇ!わっちぇ!」ヨチヨチヨチヨチ
アライちゃん29「きずなぱわーをみせゆのりゃー!」ヨチヨチヨチヨチ
アライちゃん30「けっそくのちかりゃをみゆのりゃっ!のりゃっ!」ヨチヨチヨチヨチ
アライちゃん31「なのりゃー」ヨチヨチヨチヨチ
アライちゃん32「たあ~!」ヨチヨチヨチヨチ


アライちゃん25~48「「「たあ~!」」」ヨチヨチシッポフリフリヨチヨチシッポフリフリ

アライちゃん達は、オーナーに向かって一列に並び、必死のヨチヨチ歩きで突撃してくる…!

させるか!
私はアラキレスを抱っこしながら、アライちゃんの列を末尾の方から駆け抜けて踏み潰す。

アライちゃん48「ぶぢゅ!」グチャボギ
アライちゃん47「べぐびゅぶぢゅ!」グチャボギ
アライちゃん46「のりゃっ!のりゃっ!」ヨチヨチヨチヨチ
アライちゃん45「ぎびゅぴぃ!」ベギゴギ
アライちゃん44「のりゃ?たあ~!」ヨチヨチヨチヨチ
アライちゃん43「ぶぎゅぐぅっ!」ブチャアボギグチャ
アライちゃん42「ぷぐぎゅっ!」ブチャアボギグチャ

アラキレス「≦∀≧」ボーゼン

はぁはぁ、どうですかオーナー!
応援してください!

肉料理屋店主「ど、どうって…おう、頑張れー」

私はどたどたと、ヒールの底でアライちゃんを踏み潰しながら進んだ。

アライちゃん41「ぶぎゅぢゅ!」ブチャア ズルゥッ

その時。
私が踏み潰したアライちゃん41は、血と内臓が飛び出て、バナナの皮のように地面の上を滑った。

きゃっ!

私の足下はずるっと滑り、アライちゃん達の死骸の上へ、仰向けになって大股開きで転倒した。

私のミニスカートの中に風が流れ込む。

背中や後頭部に、アライちゃん達の血の温かさがびちゃっと伝わる。

アライちゃん40「ずっこけたのりゃ!」コスリコスリ
アライちゃん39「がいじなのりゃ!」コスリコスリ
アライちゃん38「まずはこいつからぶっこよしゅのりゃー!」ヨチヨチヨチヨチ
アライちゃん37「けつのあなくいちぎってやゆのりゃ!」ヨチヨチヨチヨチ

うぅ…いたた…!
足首を挫いた…!

アライちゃん33~37「「たあ~!」」ヨチヨチヨチヨチ

アライちゃん達が口を大きく開けて牙を見せつけながら、私に群がってくる。

アライちゃん37「がぶぅっ!」ハグゥ
アライちゃん38「しね!がぶぅっ!」ガブゥ
アライちゃん39「はぐぅ!がぶ!」ガブゥ

あああああ痛い痛い痛い痛い痛い!!!
アライちゃん達は、狂暴だけど動きが遅いから、普段はあまり噛まれる心配がない。

しかし牙はけっこう鋭く、噛みつく力そのものは馬鹿にできない!

私の手足に鋭い痛みが走る。

つづく

アラキレス「う、うゆうぅ!か、かいぬししゃんを、いじめゆなぁぁっ!」フゥーーッ プルプル

アラキレスが私の胸の上で威嚇しながら言った。
なんて勇敢な子なんだ…!

アライちゃん37「のぁ!?おまえ、こんなきょあくにみかたすゆのかぁ!」フシャアアアッ

アライちゃん38「ふぅぅーーっ!おまえもてきなりゃ、まとめてぶっこよちゅのりゃあ!」ヨジヨジ

アライちゃん39「おまえみたいなうらぎりものはてんばちゅくだしゅのりゃ!しけーなのりゃ!」ヨジヨジ

アライちゃん達が、私の体を登ってくる。

アラキレス「ぴいぃぃーーっ!?ご、ごめんなちゃいなのりゃぁ!あ、ありゃいしゃんをたちゅけてぇっ!かわりにかいぬししゃんをたべt…」

大丈夫だよ、心配いらないさアラキレス。
足首捻ったからなんだ…噛まれたから何だ!
その程度で動けなくなってたまるか!

私は上体を起こし、登ってきたアライちゃん達を払いのけた。

アライちゃん37「ぴぎゃっ!?」ボテッ
アライちゃん38「のりゃ!?」ボテッ
アライちゃん39「きゅるるるぅ!?」ポテッ

そして、鉄のバーベキュー串を掴み…
仰向けになってる野良アライちゃん一匹のお腹へ思いっきり突き刺した。

アライちゃん37「ぶぎゅうぅぅぅっ!!いぢゃいいぃぃいーーーっ!!!」ブシュウゥ

アライちゃん38「ぴいぃっ!?お、おともだちがやられたのりゃあっ!」ビクゥ
アライちゃん39「で、でも!かずではまだこっちがうえなのりゃ!こっちのほーがゆーりなのりゃ!」

アライちゃん38&39「「たあ~!」」ヨチヨチヨチヨチ

私はアライちゃんが一匹刺さったバーベキュー串を持ち上げた。

アライちゃん37「びぎいいいいぃぃぃっ!!!!いぢゃいいいぃぃぃっ!いぢゃいのりゃああああああーーーっ!」ブシュウゥ シッポブンブン

そして、こちらへ這い寄ってくる野良アライちゃん一匹を、バーベキュー串で刺した。

アライちゃん38「ぴぎいいいぃぃいぃぃぃぃぃっ!?いぢゃいいいいいぃーーーーっ!」ブシュウゥ

アライちゃん39「ひ…ひ…」ブルブル

まだ一匹残っている。

アライちゃん39「う、うゆぅ…!でもありゃいしゃんはまけないのりゃあ!さいきょーなんだぞぉ!」フゥーーッ

アラキレス「か、かいぬししゃーん!そいつら、ありゃいしゃんをこよそーとちたのりゃ!そいつらぶっこよちてええーー!」

合点承知だ。

アライちゃん39「う、うぬぬー…」

アラキレス「やーいやーい!おまえなんかかいぬししゃんにぶっこよされちゃえ!べりょべりょばー!≧∀≦」アッカンベーオシリフリフリフリフリ

アライちゃん39「きゅるるるるぅ!そんなざこたちとおんなじだとおもうなぁー!ぶっこよちてや…」

私はアライちゃん39の胴体を掴んで持ち上げた。

アライちゃん39「ぴいいぃぃっ!はなちぇーっ!ひきょーだぞぉ!おまえばっかちからだおーきくて…」

ぴーぴーうるさいので、バーベキュー串を口の中へ突き刺した。

アライちゃん39「ごぶぎゅうううっ!」ブチャアアアッ

アライちゃん三匹を貫通したバーベキュー串。
焼く必要はないだろう。

一旦ここまで

アライちゃん25~36「「ぶっこよちゅのりゃ~!たあ~!」」ヨチヨチシッポブンブンヨチヨチシッポブンブン

生き残った11匹のアライちゃんが、猛ヨチヨチでこちらへ突進してくる。

あの数はさすがにまずい…!

男児兄「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね!!!!」グシャグシャグシャグシャグシャグシャ

アライちゃん25~28「「ふぎいいぃぃぃぃぃっ!」」グシャブシャボギ

男児弟「死ね死ね死ね死ね死ね死ね!!」グシャグシャグシャグシャグシャグシャ

アライちゃん29~32「「じびぃぃぃぇええええーーーーっ!!」」ブチャバギボギ

そこへ、ご近所さん兄弟がやってきて、7匹のアライちゃんを踏み潰した。

肉料理屋店主「大丈夫か…?」ダキッ

オーナーが駆け寄ってきて、私をお姫様抱っこした。

男児兄「<◎><◎>」ジー…

肉料理屋店主「ん?ボウズ、何見てんだ?」

あの…オーナー。
今私、ミニスカートなので…
お姫様抱っこはちょっと…

肉料理屋店主「あ、ああ、悪い」ソッ

男児兄「゜゜;」ソッポムキー

見てたよね?

男児兄「み、見てねーし!」アセアセ

…まあいいや、子供だし。
それより、まだ…4匹残ってる。

アライちゃん33~36「「の…のぁ…」」プルプル

さっきの様子を見る限り、まだかかってくるかな…

アライちゃん33~36「「に…にげゆのりゃあああーーーーっ!」」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチ

おおっ?
必死のヨチヨチ歩きで逃げていく。

男児父親「どういうことだ…?さっきまでは、怖いもの無しって感じで向かって来たのに…」

肉料理屋店主「…分かった…。人数差だ」

人数差?

肉料理屋店主「こっちが5人、向こうが4匹。…人数で不利になったから、撤退したんだ」

え…
いや、元々圧倒的に向こうの方が不利では?

肉料理屋店主「あいつら全員…。『自分だけは、タイマン張って人間に勝てる』と思ってたんだな」

…言葉にできない。

アラキレス「がいじなのりゃ!かいぬししゃんにかてゆわけないのりゃ!のひゃひゃひゃ!」ケラケラ

アライちゃん33~36「「うゆうぅぅ~~!おーきくなってからりべんじすゆのりゃ~!」」ヨチヨチヨチヨチ

に…逃がすんですか?

男児父親「そういうわけにはいかない!仕留めなきゃ…」ダッ



男児母親「みんな~、お肉焼いてる~?」トテトテ



…アライちゃんが向かってる方向から、ご近所さんの母親がやってきた。

男児父親「は、母親ちゃん!?危ないよ!」アセアセ

アライちゃん33~36「「どくのりゃ!どかないとぶっこよすぞぉ!」」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチ

男児母親「あら~?」

アライちゃん達が、ご近所さんの母親の方へ向かっていく…!

男児母親「危ないわね~」ジャキィッ

ご近所さんの母親は、リュックからお手製の火炎放射器を取り出した。

男児母親「え~い♪」ボオオオオォオオオオオウッ

アライちゃん33~36「「ぴぎいいいぃぃぃぃぅいぃーーーっ!!あぢゅいのりゃああああああああああーーーっ!」」メラメラメラメラ ビッタンバッタン

火炎放射器から放たれた着火済み燃料を浴びたアライちゃん達は、火だるまになって地面の上を転げ回った。

男児母親「まだ生きてるのはいる~?」ジャキジャキジャキッ

ご近所さんの母親は、リュックからお手製の指向性鉄球散弾を取り出した。

男児父親「…生きてるのはいるけど、動けるのはいないよ…」

アライちゃん4「い……ぢゃ…い……」

アライちゃん6「おうぢ……がえゆぅ…」ピクピク

アライちゃん9「だ…ぢゅ…げで…」ピクピク

踏み潰したとは言っても、グチャっと潰れたわけではない。
あくまでアライちゃん体内で骨折したり内臓破裂させたりしただけ。
数匹はまだ絶命していないようだ。

男児母親「こんなのにはお母さんクレイモアを使うまでもないわねー♪」ガシィ

ご近所さんの母親は、死にかけのアライちゃん達を掴むと…

男児母親「えーい♪」ポイッ

アライちゃん4&6&9「「のぁぁ…!」」ヒューンッ

燃えた木炭丸出しのバーベキューセットの方へ投げた。

アライちゃん4&6&9「「び…ぎぃ…!だ…ぢゅげ…!あぢゅ……ぃ…!」」ボジュウゥウウ

アライちゃん4&6&9「「」」ジュウウウゥウ

死に損ないは、やがて黒焦げになった。

男児母親「他にも死にかけのいたら、ポイポイ焼いちゃいましょ~♪」

\ダジュゲデエエエエエ!!ジニダグナイノリャアアアア!!/


\ピギュウウゥゥゥ!!アヂュイィィイイノリャアアアーー!!/

…こうして、ヒクヒクしてるアライちゃん達も死んだ。



うぅ…いたた…
足首が腫れてきたし、噛まれたとこの穴から血が出てくる…。

服の背中も血肉でべとべと…

男児母親「大丈夫~?消毒薬とバンソーコーつけるね」ペタペタ

ありがとうございます…。

肉料理屋店主「アライさんの口内は、不思議とバイ菌がいないらしいが…。一応医者に行った方がいいな」

男児弟「おねーさん大丈夫ー?」

うん…

男児父親「どうする?僕が車で送ろうか?」

いや…
せっかく防衛したお肉だ。
食べたい!


肉料理屋店主「ヒャッハアア!それじゃあ、勝利のカーニバルといこうぜ!」

一同「「イエーーイ!!」」

アラキレス「おっにく♪おっにく♪おいちーおにく♪」キャッキャッシッポフリフリ

…こうして私達は、バーベキューを楽しんだ。

アラキレス「あむあむあむあむあむあむ!!もぐもぐもぐもぐもぐもぐ!」ムシャムシャ

アラキレス「おいちーのりゃぁ!おにくおいちーのりゃあっ!≧∀≦」バリバリムシャムシャ

よしよし。
クチャクチャ音を出さずに食べてるね、偉い偉い。

アラキレス「えへへー、かいぬししゃんしゅきしゅきなのりゃぁ!≧∀≦」シッポフリフリフリフリ

…それにしても、すごい数の野良アライちゃんでしたね。
あれ全部、最初に死んだアライさんが産んだんでしょうか?

肉料理屋店主「いやいや、まさか。あんな数産めるかよ。本当のガキは、撃たれた時駆け寄った三匹だけだろ」ジュウウウゥウ

じゃあ、他の45匹は?

肉料理屋店主「あれは多分、肉のにおいにつられて合流した赤の他人だろうな。もっとも、その中の何組かは姉妹もいたかもしれんが…」ジュウウウゥウ



肉料理屋店主「どうした?」

いやあ…
普通の動物なら逃げるところを、向かってきたり…。

…こうしてみると、アライちゃんも色々人間みたいに考えてるのかもしれませんね。

肉料理屋店主「ロクでもねーことばっか考えてそうだけどな…」ジュウウウゥウ

肉料理屋店主「…」ジュウウウゥウ

どうしたんですか?

肉料理屋店主「なあ…。前にお前、アライちゃんが人間でも食べれるか、聞いてきたことあったよな…」

ありましたね。

肉料理屋店主「…どう思うんだ?お前…。…食いたいと思うか?」

…なんでそんな質問を?

肉料理屋店主「…言われてちょっと興味沸いただけだ」

今は、ご近所さんもいるので無理ですが…。



…この話は、そのうち二人だけでしましょう。

肉料理屋店主「そ…そうだな」

つづく



~校庭の池~

男児兄「お、亀太郎いるぞ!おーい亀太郎ー!」

亀太郎「…」ジャパ

男児弟「亀大きいね!元気ー!?かっぱえびせん食べる?」スッ

亀太郎「アーン」ムシャムシャ

この大きな亀は、人懐っこさで大人気の亀である。

男児兄弟「「また明日ねー!」」スタスタ

亀太郎「…」ノソリノソリ ジャポンッ

亀太郎は池に戻っていった。


…深夜…

亀太郎「…」ジャパ

深夜、亀太郎は池から這い上がった。

亀太郎「…」ペタペタ

そして、池のまわりを歩き回った。
食べ物でも探しているのであろうか。

アライちゃん1「たあ~!」ガバッ

亀太郎「!?」ベチッ

そこへ、一匹のアライちゃんが体当たりしてきた。

アライちゃん2「けものなのりゃあ!ひっさびさのおにく!たべゆのりゃあ!」ガブゥ

アライちゃん3「すっとろいのりゃー!」ガブゥ

さらに二匹のアライちゃんがやってきて、首や足に噛みつく。

亀太郎「…!」ニュッ

亀太郎は、たまらず甲羅の中へ手足の頭を引っ込める。

アライちゃん1「かくれてもむだなのりゃ!はぐぅ!」ガブゥ

アライちゃん2「おててのさきっちょでてゆのりゃっ!がぶぅ!」ガブゥ

アライちゃん3「れんけーぷれーでかりすゆのりゃ!はぐぅ!」ガブゥ

亀太郎「!!!!」

しかし、完全に甲羅へ引っ込み切らない部分に噛みつかれてしまった。

アライちゃん1「ひっぱりだしゅのりゃ!ふんぐぐぐーーっ!」ガブゥ グイグイ

アライちゃん2「ふぎゅぎゅぎゅーーっ!」ガブゥ グイグイ

アライちゃん3「ふーんく!むぎゅぐうぅ!」ガブゥ グイグイ

そして、亀の頭や手足に噛みつきながら、後退りするアライちゃん達。

手足や頭が引っ張り出されていく。

亀太郎「…!」ズルズル

アライちゃん1~3「「「うっちゅ!うっちゅ!うっちゅ!うっちゅ!」」」グイグイイイイ

アライちゃん達は、噛みついたまま掛け声を言い、手足を引きずり出す。

アライちゃん1~3「「「とぅ~!」」」ザグザグウゥ

亀太郎「ーー!!!!」

引きずり出された亀の手足や首の付け根に、アライちゃん達の鋭い爪が突き刺さった。

アライちゃんは何の武器もない弱い獣というわけではない。
肉食獣特有の鋭い爪と牙、そして顎の力は、肉を切るのに十分な強さがある。

しかし日常において、アライちゃんは人間にとって大した敵ではない。


アライちゃんは頭がデカくて重いため、移動速度が速いとはいえない。

さらに重心が体の前側にあるため、腕で自重を支えながら歩かなくてはならない。

そのため、人間によって背中側から掴まれたり攻撃された場合、噛みつくことも引っ掻くこともできないからだ。


しかし、今この状況では話が別だ。
アライちゃん達の爪や牙は、亀の皮膚を貫き、肉へ突き刺さっている。

アライちゃん1「ふぐぅ~~っ!」グイグイ

やがて、アライちゃん1が引きずり出している首に…

アライちゃん2「たあ~!はぐがぶぅ!」ガブゥ

亀「…!」

アライちゃん3「きゅるるるるぅ!がぶうぅっ!」ガブゥ

亀「!!!」

…アライちゃん2&3が両側面から噛みついた。

アライちゃん1~3「「「うっちゅ!!うっちゅ!!うっちゅ!!」」」ガブウウウゥ

亀「……っ……」ヨロッ

アライちゃん三匹に、首を噛まれた亀。
その牙は、頸動脈と頸静脈へ突き刺さり…

アライちゃん2「とぅっとぅとぅくとぅぶゆぬりゅぅ~~っ!ふぐううぅっ!」ミチミチ

アライちゃん3「うにくにぬゆぬりゅぅ~っ!」ミキミキ

亀「」ガクッ

…やがて、亀は力尽きた。

アライちゃん1~3「「「ぜーはーぜーはーぜーはーはーはーはーはーはー」」」ゼェハァ

アライちゃん達は疲れ果てていた。

何より、顎が疲れていた。

こんなに大きい獲物と格闘していたのだから当然であろう。

アライちゃん1「た…たべゆのりゃ!」ガブゥ

アライちゃん2「はぐぅぅぅっ!がぶぅぅぅっ!」ガブブチィ

アライちゃん3「うおおぉー!おにくしゅきしゅきなのりゃあ~~っ!」ガブブチィ

アライちゃん1~3「「「くっちゃくっちゃ…(≧'u(≦ )」」」グチャグチャ

アライちゃん1~3「「「かめしゃんじびえおいちーのりゃぁぁっ!≧∀≦」」」シッポフリフリフリフリフリフリ

アライちゃん達は、亀の肉を食い千切り、喜びにうち震えた。

亀太郎「」

アライちゃん1「ばりばりむしゃむしゃ!!!」クッチャクッチャ

アライちゃん2「あむあむあむあむあむあむ!!」クッチャクッチャ

アライちゃん3「はぐっ!がぶっ!もぐもぐっ!」クッチャクッチャ

アライちゃん1「げぇっぷぅ!なかみもほじっくてたべゆのりゃあ!」バリバリ

アライちゃん2「あなからなかみほじくゆのりゃあっ!」ホジホジ

アライちゃん3「なかにおにくいっぱいあゆのりゃ!」ホジホジ

アライちゃん達は、亀の手足の穴を爪でほじくり返し、肉を引き裂いて食べ
た。

アライちゃん1~3「「「むっちゃむっちゃもぎゅもぎゅ!んーめぇのりゃああーーーっ!」」」クッチャクッチャムシャムシャ

小学校で飼育され、たくさんの生徒達に愛され、笑顔を振りまいた亀太郎。

その尊い命は、アライちゃん達の食糧にされ、奪われていった。

…翌日、校庭の池…

亀太郎の甲羅「」

池のそばに、甲羅が放置されていた。

男児兄「亀太郎、引っ込んだまま出てこないね~…」

男児弟「寝てるのかな?日向ぼっこしてるのかな…」

…さらに翌日…

亀太郎の甲羅「」ブーン ブーン

男児兄「…蠅たかってるよ…」

男児弟「死んじゃったのかな…?」

…翌日…

先生「皆さん。校庭の池の亀太郎ですが…、野生動物に食べられて死んでいました」

生徒達「「!!!」」

先生「きっとアライちゃんの仕業でしょう…。皆さんも、アライちゃんに噛まれないように気をつけてください」

生徒達「亀太郎っ…!」

池のアイドルのあまりにも無惨な最期に、学校の生徒達は悲しみに包まれた。

~校庭の池~

亀太郎の墓「」

その人懐っこさで生徒達を癒してきた亀太郎の姿は、そこにはもうなかった。

甲羅や、食べ残された肉片はお墓に埋められたのである。

男児兄「…くそ~…アライちゃんめ…」ワナワナ

男児弟「よくも亀太郎を…!」ワナワナ

先生「…」



…夜中、校庭の池…

亀太郎の墓「」

池の側に、亀太郎の墓が立っている。

アライちゃん1「ふははははー!きょーもたべのこちおにくたべにきたのりゃ!」ヨチヨチヨチヨチ

…そこへ、再びアライちゃん達がやってきた。

アライちゃん2「うゆ!?おにくがなくなってゆのりゃ!?」キョロキョロ

アライちゃん2は、亀太郎の死骸が無くなっていることに気付いた。

アライちゃん2「だ…だれかが!あらいいしゃんたちのきずなのけっしょーをぬすんだのりゃああっ!」

アライちゃん1「ありゃいしゃんたちのあせとなみだのけっしょーを!ぬすまれたのりゃあああっ!」

アライちゃん3「う…の…のぁあああーーんっ!のぉおおーーあああーんっ!ありゃいしゃんのじびえおにく、とられたのりゃあああっ!」ピイイイィィ

アライちゃん1「うゆ!?くんくん…ふんふん…」クンクン

アライちゃん1は、亀太郎のお墓のにおいを嗅ぐ。

アライちゃん1「このちたから!かめじびえのにおいがすゆのりゃ!」ペチペチ

アライちゃん1は、墓石をペチペチと叩いた。

アライちゃん2「ほりかえしゅのりゃ!わっちぇ!わっちぇ!」ザックザック

アライちゃん3「ありゃいしゃんたちのどりょくのけっしょーを!とりもどしゅのりゃ!」ザックザック

アライちゃん1~3「「「わっちぇ!わっちぇ!」」」ザックザック

アライちゃん達は、墓を掘り返した。

亀太郎の甲羅「」

…亀太郎の甲羅が出てきた。
頭や手足の穴からは、虫やミミズが出入りしている。

アライちゃん1~3「「「あったのりゃ~!」」」シッポフリフリフリフリフリフリ

アライちゃん達は、死骸を見つけて嬉しそうに目を輝かせている。

アライちゃん1「みみじゅしゃんちゅかまえゆのりゃ!」ガシィ

アライちゃん2「たあ~!」ガシィ

アライちゃん3「あらいしゃんのおにくとろーとしたってそーはいかないのりゃ!」ガシィ

ミミズ達「」ウニウニウニウニ

アライちゃん1~3「「「あむっ!もぐもぐ!」」」クッチャクッチャ

アライちゃん達は、捕まえたミミズを食べた。

アライちゃん1~3「「「くっちゃくっちゃ…」」」クッチャクッチャ

アライちゃん1~3「「「…」」」ゴクン

アライちゃん1~3「「「…」」」

アライちゃん1~3「「「…つぎはかめしゃんたべゆのりゃ!」」」ガシィ

アライちゃん達は、ミミズを食べたときに『おいちーのりゃぁ』と言わなかった。

ミミズは土を食ってるから、食べても土くさくて美味しくないのであろう。

しかし、食って食えないことはなく、ちゃんと栄養にはなるため、
不味いと言うほどでもなかったようだ。

アライちゃん1「あむあむあむあむあむあむあむ!」ブチィクッチャクッチャ

アライちゃん2「やーらかくってたべやしゅいのりゃあ!」クッチャクッチャ

腐敗しかけた亀太郎の肉は、食い千切りやっているようだ。

>>356

×腐敗しかけた亀太郎の肉は、食い千切りやっているようだ。

○腐敗しかけた亀太郎の肉は、食い千切りやすくなっているようだ。

一旦ここまで

…翌日、校庭の池…

亀太郎の甲羅「」

男児兄「は、墓が掘り返されている…」

男児弟「む…むかつく…!」ワナワナ

先生「…このままでは、池の他の生き物たちにも…。生徒達にも被害が及ぶかもしれません…」

先生「…」



…夜中、校庭の池…

アライちゃん1「ふははー!」ヨチヨチヨチヨチ
アライちゃん2「きょーもかりにきたのりゃ!」ヨチヨチヨチヨチ
アライちゃん3「おにくいーっぱいたべゆのりゃ~!」ヨチヨチヨチヨチ

…今夜もまた、例の三匹がやってきた。

アライちゃん1「みずのいきものさがしゅのりゃ!」ジャバジャバ
アライちゃん2「おしゃかなしゃんどこなのりゃー!」ジャバジャバ
アライちゃん3「ざにがにたべたいのりゃ~!ふははー!」バシャバシャ

アライちゃん達は、池に手を突っ込んでバシャバシャと獲物を探している。

アライちゃん1「ん…?くんくん…ふんふん…」クンクン

アライちゃん2「なんかいーにおいがすゆのりゃあ!」クンクン

アライちゃん3「あたらちーたべものなのりゃあっ!≧∀≦」ヨチヨチヨチヨチ

アライちゃん達は、今まで見たことがない食べ物を探すのが大好きな生き物である。

アライちゃん達が向かった先には…
いいにおいがする物体が、10個程あった。

謎の物体1「」ポツン

なにか筒のような物体が置いてある。
筒の中からいい匂いがするようだ。

アライちゃん1「あらいしゃんがいちばんのりすゆのりゃー!」ヨチヨチヨチヨチ

アライちゃん2「ぴいぃ~っ!ひとりだけずゆいのりゃああっ!」ヨチヨチ

アライちゃん1「いっちばんのり~!なかのたべものだしゅのりゃっ!たあー!」ズボォ

アライちゃん1は、筒に手を突っ込んだ。

アライちゃん1「おったからー♪おっいちー♪ごっはん♪ごっはん♪たっべっゆっのりゃー♪≧∀≦」ゴソゴソ

アライちゃん1が右手を突っ込んだ筒状の物体から…

https://i.imgur.com/0ZQGXds.jpg

…バチンと、バネ仕掛けが作動する音がした。

アライちゃん1「ぴぎいいいぃいぃぃーーーーーっ!!!??」

アライちゃん2&3「「!?」」

アライちゃん1「いぢゃいいいいいいぃいいいいいいぃいーーーーーーっ!!!!いぢゃいのりゃああああああああーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」ピギイイイィイィ

アライちゃん1は、筒へ突っ込んだ右手に激痛を感じ、苦痛に顔を歪めている。

アライちゃん1「ぎびいいいぃいぃいいいいーーーーっ!!いぢゃいいいいっ!とれないのりゃあああーーーーーーーーーーっ!!」グイグイイイイイイ

アライちゃん2「いたいならさっさとひっこぬけばいーのりゃあ!」シッポフリフリ

アライちゃん1「どれないのりゃあああああああっ!とってええええーーーっ!いぢゃいのとってえええーーーーーっ!ぴぎゅううるるうるるるるるっ!」ビエエエーーーンッ

アライちゃん1は、大声で泣き出した。

アライちゃん1「とってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとって
とってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとって
とってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとってとってぇーーーーーーーーーーーっ!」ピギイイイィイイ グイグイ

アライちゃん1は、懸命に右手を引っ張っているが、筒から一向に抜ける様子はない。

アライちゃん2「なにやってゆのりゃ!さっさとひっこぬけばいーのりゃ!がいじなのりゃ!」シッポブンブン

アライちゃん2は、もう一個の筒を見つけた。

アライちゃん2「くんくん…じゅるり…」ゴクリ

アライちゃん2も、筒の中から美味しそうな匂いを嗅ぎ取ったようだ。

アライちゃん2「しかたないのりゃ…やれやれなのりゃ。できのわゆいおねーしゃんに、ゆーしゅーなてんさいのあらいしゃんが、おてほんみせてあげゆのりゃ」フゥ…

アライちゃん2は、姉を呆れた顔で蔑みながら見ている。

アライちゃん2「よーくみてゆのりゃ!かんたんなのりゃ!こーやってひっこぬけばいーのりゃっ!」ズボォ

そして、筒へ勢いよく右手を突っ込んだ。

アライちゃん2が右手を突っ込んだ筒状の物体から…

https://i.imgur.com/0ZQGXds.jpg

…バチンと、バネ仕掛けが作動する音がした。

アライちゃん2「ぴぎいいいぃいぃぃーーーーーっ!!!??」

アライちゃん3「…!」アセアセ

アライちゃん2「いぢゃいいいいいいぃいいいいいいぃいーーーーーーっ!!!!いぢゃいのりゃああああああああーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」ピギイイイィイィ

アライちゃん2は、筒へ突っ込んだ右手に激痛を感じ、苦痛に顔を歪めている。

アライちゃん2「ぎびいいいぃいぃいいいいーーーーっ!!いぢゃいいいいっ!とれないのりゃあああーーーーーーーーーーっ!!」グイグイイイイイイ

アライちゃん1「ぎびいいいいいいいxーーーーっ!さっさとおてほんみせゆのりゃあああああああっ!!」グイグイ

アライちゃん2「どれないのりゃあああああああっ!とってええええーーーっ!いぢゃいのとってえええーーーーーっ!のぉおおおーーーぁあーーーんっ!のあああーーーんっ!」ビエエエーーーンッ

アライちゃん2は、大声で泣き出した。

アライちゃん1「おまえがおてほんみせゆっていってたのりゃあああああああああっ!はやぐじろおおおおおぉおーーーっ!」ピギイイイイイイイィ

アライちゃん2「うびゅうううううっ!おねーしゃんがこんなにいだいいだいすゆっでいわながっだがらしらなかったのりゃあああっ!!なんでおちえてくれないのりゃああああっ!」グイグイ

アライちゃん1「ありゃいしゃんいだぐでいだぐでしにそーなのりゃあああっ!!いえゆわげないのりゃあああっ!ありゃいしゃんわゆぐないのりゃああああっ!」ビエエエエン

アライちゃん2「おねーーしゃんのせーせでこーなったのりゃああああっ!!くそばかがいじうんこぼげあほぉぉっ!」ピギイイイイイイイィ

アライちゃん1「おまえがおてほんみせゆっていったかりゃしんじたのにいぃぃっ!うらぎられたのりゃああっ!うそつぎがいじがいじがいじがいじぃぃぃいっ!」ビエエエエン

アライちゃん2「がいじがいじがいじがいじがいじがいじがいじがいじぃぃぃいっ!」ビエエエエン

アライちゃん1「がいじ!がいじいいいぃいーーーっ!がいじぃぃぃいっ!」ビエエエーーーンッ

アライちゃん1と2は、互いに互いを罵り合っている。

筒状の物体「」

アライちゃん3「う…うゆ…これはあぶないのりゃ…」プルプル

アライちゃん1「いもーとぉ!これとってぇーーーっ!」ビエエエーーーンッ

アライちゃん2「はやぐとってぇーーーっ!」ビエエエエン

アライちゃん3「とってっていっても、とりかたわかんないのりゃあ…」コスリコスリ

アライちゃん3は、1の右手を覆っている筒を手で擦っている。

アライちゃん2「とってくれたら、おまえにてんさいのざをゆずるかりゃああああああっ!」

アライちゃん3「…!」ピーン

アライちゃん2「おまえのこと!てんさいっていってやゆぞおおおっ!ほめてやゆぞおおおっ!だがらはやぐううぅうっ!」ジタバタグイイイ

アライちゃん3「う…うゆ…!てんしゃい…!」

アライちゃん3「ありゃいしゃん、てんさいになゆのりゃあーっ!」ガチャガチャグイグイ

アライちゃん2「いもーと!はやくはずちてええ!はやぐ!はやぐはやぐはやぐはやぐはやぐはやぐぅーーっ!」ビエエエン

アライちゃん3は、脳みそをフル回転し、自らの知能を振り絞って思考し、筒の解除を試みた。

…だが、脳みそをフル回転したにも関わらず…

アライちゃん3「はずれないのりゃー!」

アライちゃん1&2「「ぴぎいいぃぃいーーーー!?」」

…外せなかったようだ。

アライちゃん1「なんであぎらめゆのりゃあああっ!このままじゃありゃいしゃんのききなのりゃあああーーーっ!」フゥウーーーッ

アライちゃん2「はずさなかったらおまえのことてんさいっていわないぞぉ!がいじってよぶぞおおおっ!」フゥウーーーッ

姉二匹は、末女を威嚇している。

アライちゃん3「…うゆしゃいのりゃっ!おねーしゃんたちががいじだからそれにひかかったのりゃ!」

アライちゃん1&2「「ぴぃ!?」」

アライちゃん3「あらいしゃんおなかしゅいたのりゃ!ごはんたべゆのりゃっ!くんくん、ふんふん…」ヨチヨチヨチヨチ

アライちゃん3は、食べ物を探して池のまわりを嗅ぎ回る。

アライちゃん1「もどってこいいいいいいいっ!くそがいじぃいいーーーっ!」ビエエエン

アライちゃん2「たべものと!しまいのきずな!どっちがだいじなのりゃあっ!」フゥウーーーッ

しまいのきずな(笑)

アライちゃん3「しまいの…きずななのりゃ!」

アライちゃん1「おおー!よくわかってゆのりゃ!」

アライちゃん2「がいじはつげんはとりけしゅのりゃ!だからはやくはずすのりゃあっ!」ガシャンガシャン

アライちゃん3は、意外にも『姉妹の絆』と答えた。

アライちゃん3「おねーしゃんたちは…、あらいしゃんに、いきゆためのちえをおしえてくれたのりゃ…」

アライちゃん3「このあなぽこにてをつっこんだら、ぬけなくなゆってこと…おちえてくれたのりゃ…!」

アライちゃん1「いーからさっさとはずすのりゃああっ!」グイグイ

アライちゃん3「…だから!おねーしゃんたちのおかげで、あらいしゃんはかしこくなれたのりゃ!いきゆちえがついたのりゃ!」

アライちゃん3「だから!」



アライちゃん3「あらいしゃんがいきてゆかぎりっ!おねーしゃんたちのいきてきたあかしはっ!きえないのりゃっ!」




アライちゃん3「それがっ!しまいの!きずななのりゃーーーっ!」ヨチヨチヨチヨチ


…アライちゃん3は、姉を見限って食べ物を探しに行った。


アライちゃん1&2「「…」」



アライちゃん1&2「「どこいくのりゃあああああーーっ!」」ピギイイイィイィ

アライちゃん3「うぅっ…おねーしゃんたちっ…ありがとなのりゃっ…!」ヨチヨチ ポロポロ

アライちゃん3は、涙をこぼしながら食べ物を探す。

アライちゃん3「おねーしゃんたちとの、しまいのきずなをむねに…!あらいしゃんは、いきていくのりゃ!」クンクン

アライちゃん3「おねーしゃんたちのぶんまで!あらいしゃんがいきゆ!それが!えーえんのしまいのきずななのりゃっ…!」ポロポロ クンクン

アライちゃん3「おねーしゃんをうしなった、かわいそーなあらいしゃん…!ひげきのひろいんなのりゃあ…!」ポロポロ ヨチヨチヨチヨチ

アライちゃん3は、既に涙が止まっていたが、
一応泣き真似をしつつ、食べ物を探した。

アライちゃん3「お!くんくん…たべものあったのりゃー!」キラキラ

アライちゃん3は、食べ物の匂いを見つけ、とても嬉しそうな顔で喜んだ。

前作からそうだったけどコイツらおねーさんが可愛そうじゃなくておねーさんを失った自分が可愛そうなんだよな

箱の中の食べ物「」

食べ物は、箱の中に入っているようだ。

アライちゃん3「ふははははー!あったのりゃー!」ヨチヨチヨチヨチ

アライちゃん3は、箱の中へ入った。

アライちゃん1「ぴぎいいいいぃいっーーーっ!もどってこいいいぃーーーっ!そのたべものよこせぇーーーーっ!」シッポブンブン

アライちゃん2「わゆいがいじのいもーとにうらぎられたありゃいしゃんがかわいそーなのりゃあああーーっ!」ビエエエン

アライちゃん3「ふははー!」ガシィ

アライちゃん3は、目の前の食べ物を手に取った。

すると、アライちゃん3が入った箱は…

https://i.imgur.com/HeKF02A.jpg

…がしゃんと音を立てて、入り口が閉まった。

アライちゃん3「あむあむあむあむあむあむあむあむあむあむ!!」モグモグモグモグ

アライちゃん3は、籠罠の中の揚げパンにかぶりつく。

アライちゃん3「はぐはぐっ!うんめーーーのりゃああっ!かめしゃんじびえよりおいちーのりゃあっ!」クッチャクッチャ

アライちゃん3「あむあむ!はぐはぐ!(≧'ω(≦ )」クッチャクッチャ

アライちゃん3は、姉妹の絆のおかげで手に入れた食べ物を、美味しそうに頬張った。

つづく

>>377
親や子に対する情は(一応)あっても、姉妹に対する情は無いって明言されてるからな
その方が色々都合が良いからつるんでるだけよ

アライちゃん3「げぇっぷぅ!」ゲプー

アライちゃん3「ふぅー、いっぱいごはんたべたらうんちしたくなったのりゃ…」オシリフリフリ

アライちゃん3「ここでうんちすゆのりゃ!う~っ!」ブリブリブリュリュ

アライちゃん3は、籠罠の中で大便を排泄した。

アライちゃん3「おちっこもすゆのりゃ!はぁ~きもちいーのりゃあ…」ジョロロロロ

続いて小便も排泄した。

アライちゃん3「おちりふくのりゃ~」オシリズリズリ

そして、籠罠の隙間から出ている草に肛門を擦り付け、大便の残りカスを拭き取った。

食ったら出す。飲んだら出す。
動物として行って当然の代謝機能である。

アライちゃん3「さーて、おねーしゃんたちとのしまいのきずなをむねに!あらいしゃんはつよくいきゆのりゃ!」ヨチヨチ

アライちゃん3は、籠の外へ新たな食べ物を探しに行こうとしている。

『筒の中へ手を突っ込んだら抜けなくなる』という、
姉達が命と引き替えに授けてくれた教訓を胸に、生きて歩み続ける事こそが姉妹の絆であるとアライちゃん3は主張する。

籠罠「」ガシャン

アライちゃん3「のあっ!?でれないのりゃ!あかないのりゃ!」ガシャンガシャン

…しかし、その歩みは新たな障壁によって阻まれた。

アライちゃん3「ふんぐぐぐ!?でーーれーーなーーいーーのりゃああああっ!おねーしゃん!あらいしゃんをたしゅけてぇ!」ガシャンガシャン

アライちゃん3は、姉に助けを求めた。

アライちゃん1「だったらこれはずせぇーーーーーーっ!」グイグイ

アライちゃん2「ぴぎゅううぅぅーーーっ!もうやなのりゃいぢゃいのやなのりゃあああっ!」ピギイイイィイィ

しかし、その姉達は筒に右手を捕らわれて抜け出せない。

アライちゃん1「おがーーしゃんだぢゅげでええーーーーっ!」ピギイイイィイィ

アライちゃん2「もうやだぁああっ!もりにかえゆううぅっ!おがーしゃんとこにかえゆぅーーーっ!」ビエエエエン

アライちゃん3「おがーーーしゃああーーーんっ!おがああああああーーーしゃああああーーーんっ!」ビエエエエン

罠で捕らえられたアライちゃん達は、夜が明けるまで泣き叫んだ。

…朝、校庭の池…

アライちゃん3「すぴー…すぴー…」zzz

籠罠の中のアライちゃん3は、出ようとしても出れないし、朝が来たので寝ていた。

アライちゃん1「だ…れが…きてぇ…」ヒィヒィ

アライちゃん2「いだいぃ…いだいぃ…っ!」ポロポロ

しかし筒に右手を締め付けられている姉二匹は違う。
激痛のせいで寝るに寝れないようだ。



そこへ…


男児兄「うわー!ホントにいたよ!」スタスタ

男児弟「お前らが亀太郎を殺したんだな!」スタスタ

ガキ大将「許せねえ!」スタスタ

生徒達「「よくも亀太郎を!」」スタスタスタスタ

…たくさんの生徒達がやってきた。

アライちゃん1「うゆ!?ひとしゃんなのりゃあ!」ビクッ

アライちゃん2「ひとしゃん!おててのこれとってなのりゃー!」グイグイ

アライちゃん3「ひとしゃーん!あらいしゃんをここからだちてええっ!だっこさせてやゆかりゃああっ!」ガシャンガシャン

アライちゃん1「はずしてなのりゃああああああ!おててのこれはずしてなのりゃああっ!」グイグイ

男児兄「うるせえよ!」ドガァ

アライちゃん1「ぴぎいぃぃっ!?」ビターン

男児兄は、アライちゃん1の顔面を蹴り飛ばした。

アライちゃん1「ぶ!ふぎゃああああああっ!いぢゃいぃぃっ!」ドクドク

アライちゃん1は鼻血を流している。

男児兄「お前のせいで!亀太郎があああっ!」グシャ

男児兄は、アライちゃん1のまだ自由な左手を踏みつけた。

アライちゃん1「びぎゃああああああああああっ!!おででええええいぢゃいいいぃいっっ!」ピギイイイィィ

男児兄「おら!おらっ!右手だけで済むと思うなっ!」ドグシャ!グシャ!

アライちゃん1「やべでええええっ!ぎびいいぃぃっ!おがあああしゃああーーーんっ!」ジタバタ

踏みつけられたアライちゃん1の左手は、ぐしゃぐしゃに折れ曲がった。

アライちゃん1「あらいしゃんのおててぇぇ!おててがああっ!ひどいいいいっ!いぢゃいのりゃああああーーーっ!」ビエエエエン

アライちゃん1は、激痛に泣き喚いている。

アライちゃん1「のぁああーんっ!のぉおおおーーーぁああーーんっ!ありゃいしゃんなんにもわゆいごどしてないのりゃあああっ!」ピギイイイィィ

アライちゃん2「びええええんっ!やなのりゃああああっ!おうぢがえゆううぅううっ!かーーーえーーゅぅーーーっ!」グイグイイイイイイ

姉がいたぶられているのを見て、逃げ出そうとするアライちゃん2。
しかし右手の締め付けは緩まない。

アライちゃん3「ありゃいしゃんもかえゆううぅーーーっ!だぢでえええっ!こっからだちてえええっ!」ガシャンガシャン

アライちゃん3もまた、籠罠の壁に必死で体当たりしている。

アライちゃん1「おねがいなのりゃ!なんでもすゆがらたしゅけてぇ!いもーとたちをたべていいかりゃああっ!」ヒグッグスッ

男児兄「…」

しかし、男児兄は思った。
このままこの害獣を殺しても、亀太郎は帰ってこない。

憂さ晴らしをしたところで、亀太郎は、もう二度と…
自分たちの所へ、戻ってはこないのである。

男児兄「くそっ…くそぉおっ…!なんでもするんなら…返せよ…!亀太郎返せよ…ちくしょう…!」ワナワナ

アライちゃん1「か、かめたろーなんなのりゃあ!?」

男児兄「お前が殺して食った亀だよ!」

アライちゃん1「かめのおにくならもーぜんぶたべたのりゃ!こーらはなくなってたのりゃっ!」

アライちゃん1「おまえもかめしゃんたべたいのか!?だったらこれはずしゅのりゃ!かめつかまえてやゆかりゃっ!」グイグイ

アライちゃん1は、池を見ながら言った。

アライちゃん2「はずしゅのりゃー!かめしとめてやゆかりゃあっ!」グイグイ

アライちゃん3「しまいのきずなでかめしゃんじびえげっとしてやゆかりゃ!だちて!だちて!」ガシャンガシャン

生徒達「…」

塾メガネ「…でも、亀太郎を弔うことならできるかもしれません」メガネクイッ

ガキ大将「じ、塾メガネ!」

メガネをかけた男児が現れた。
彼はいつも塾に行っていて遊べないので、
友達に『塾メガネ』と呼ばれている。

塾メガネ「中国の古い歴史書…『魏志倭人伝』によると、邪馬台国の卑弥呼が埋葬されたとき、百人もの家来が殉葬…生き埋めにされたそうだよ。あの世でお仕えするためにね」

男児達「へぇ~」

塾メガネ「古代エジプトの第一王朝の王墓では350人、イラクのウル王妃の墓には80人が殉葬したといわれています」

塾メガネは、歴史の教科書で暗記した知識を披露する。

男児兄「つ…つまり?」

塾メガネ「そのアライちゃん達を、亀太郎のお墓のそばへ殉葬することで、あの世で謝らせることができるかも…」

男児達「「「それだ!!!!!」」」

アライちゃん1~3「「?」」ポカーン

アライちゃん達は、話の流れについてこれていないようだ。

ガキ大将「うし!じゃあシャベル持ってくるぜ!」タタッ

https://i.imgur.com/NUcXya4.jpg

ガキ大将「持ってきたぜ!」

アライちゃん1「そ…それでこのいたいのをとってくれゆのか!?」

アライちゃん2「はやくすゆのりゃああっ!」

アライちゃん3「それでこのはこをぶっこわちてなのりゃあっ!」シッポフリフリフリフリ

ガキ大将「亀太郎…。お前を殺した奴らには、あの世でちゃんと謝らせるからな」ザックザック

男児達は、亀太郎のお墓の傍に深く大きな穴を掘った。

一旦ここまで

このままアライちゃん葬ってもあんまスッキリしないな

圧倒的有利な状況で、アライちゃんの生殺与奪を握った上で、

テキパキとなぶり頃しする所がアラ虐の醍醐味かと思ったけど、「アライちゃんのいる日常」だしな。

一般人に前シリーズ的なあら虐は期待出来んか

アライちゃん1「はやぐだじゅげでええええ!これとってぇーーーっ!」ピギイイイィィ

男児兄「ああ、いいぜ」スッ

男児兄はシャベルを持つ。

男児兄「お望み通り、罠を外してやる!うりゃああ!」ズグシャアアゥ

地面へ垂直に振り下ろされたシャベルが、アライちゃん1の右腕に突き立てられた。

アライちゃん1「びっぎゃあああああああああああああああああああああああああああーーーーっ!!!!」ベギボギィ

アライちゃん1の右腕は皮一枚で繋がっている。
しかし、骨が砕けているのは明らかだ。

アライちゃん1「や、やべで、いぢゃいぃいいっ!」ブルブル

男児兄「もう一発ゥゥゥウーーーッ!」ズガアアアッ

シャベルの先端は、アライちゃんの右腕へ食い込んだ。

アライちゃんの骨は柔らかい。
右腕はシャベルによって切断された。

アライちゃん1「ぴっぎゃああああああああああああああああがああああああああああああーーーーっ!!」ブシャアアアアッ

切断された右腕の断面から鮮血が溢れ出す。

て、思ったらこれ(>>418)だよ

アイン「やるじゃない」

アライちゃん1「い……ぢゃい……」ブルブル

アライちゃん1は涙を流し、激痛に苦しんでいる。

アライちゃん1「で…も…!これで…かえれゆ…のりゃあ…!」ヨロッ ヒョコヒョコ

しかし、なんとアライちゃん1は痛みに耐えて、残った三本の手足で移動し始めた。

アライちゃん1「もう…やなぁ…!おがーしゃんのとこ…かえゆのりゃあ…!」ヒョコヒョコ

腐っても野生動物。
なかなかのガッツである。

男児弟「に、にーちゃん!あいつ逃げるよ!いいの!?」

男児兄「見てみろよあれ!」

ガキ大将「お…」

アライちゃん1「ぜんりょく…だっしゅ…なのりゃあ…!」ヒョコヒョコ ポテッ

…アライちゃん1の進むスピードはとても遅い。
普段のヨチヨチ歩きの半分以下だ。

それはそうだろう。
ご存知の通り、アライちゃんは頭がデカくて重いため、体の重心が前方に偏っている。
そのため、ヨチヨチ歩きをするには、両腕で交互に体重を支えながら移動しなくてはならないのだ。

しかし今のアライちゃん1には右腕がない。
左腕だけで、移動しながら体重を支えるのは困難。
体がガクンガクンと左右に揺れる。


故に。

アライちゃん1「に…げゆ…のりゃあ…!」ヒョコヒョコ ガクンガクン

今のアライちゃん1は、もはやヨチラーでさえ有りはしない。

アライチャン1の左手って>>392
で折れてなかったっけ?

せいぜいヒョコラーといった所であろうか。

男児兄「だりゃ!」ベチッ

アライちゃん1「じび!」ポテッ

男児兄は、アライちゃん1を側面からシャベルで叩いて転倒させた。
そして…

男児兄「もう一本!!」ズガアアアッ

残った左腕にもシャベルを突き立てた。

アライちゃん1「びぎゅううううううううううううううううううううううううううううーーーーーーっ!!」メシャボギィ

アライちゃん1の残った左腕は完全に骨折した。
シャベルが肉へ食い込み、深い傷がついている。

多分、神経も筋肉も深刻なダメージを受けているであろう。

アライちゃん1「ぴぎぃいいいいいーーーーっ!!!あ、ありゃい、ありゃいしゃんの、おてて、おててえええっ!」ブラン

右腕は切断され、左腕は使い物にならない。

アライちゃん1「ふぎいいいいいいっ!いぢゃいいいいぃーーーーーっ!おてていぢゃいいいぃいーーーっ!」ビエエエエエエエエエーーンッ

アライちゃん1は泣いた。
右腕を切断された時とは比べ物にならないほど大きな声で泣きわめいた。

アライちゃん1「なんで!!なんでひだりのおててまでえええええっ!!!こっちのおててはひっかかってないのにいいいいいいーーーーっ!」ピギイイイイイイイィ

どうやら、アライちゃん1は…
先程右腕を切断されたのは、好意で罠から外して貰ったものだと勘違いしていたようだ。

>>421

     ,へ、        /^i
     | \〉`ヽ-―ー--< 〈\ |
     7   , -- 、, --- 、  ヽ
    /  /  \、i, ,ノ    ヽ  ヽ
    |  (く._・_)  〈く_・)  )  |
   /  <  / ▼ ヽ    >   、
  く彡彡   ,.へへ、    ミミミ ヽ
   `<   Yュlエl'ィン     ミミ彳ヘ
      >  くェェ/´ __/   \
     /         7      \

     |        /


杜撰にいたぶってたんで忘れてました
今日はもう寝ます

>>392訂正


アライちゃん2「はずしてなのりゃああああああ!おててのこれはずしてなのりゃああっ!」グイグイ

男児兄「うるせえよ!」ドガァ

アライちゃん2「ぴぎいぃぃっ!?」ビターン

男児兄は、アライちゃん2の顔面を蹴り飛ばした。

アライちゃん2「ぶ!ふぎゃああああああっ!いぢゃいぃぃっ!」ドクドク

アライちゃん2は鼻血を流している。

男児兄「お前のせいで!亀太郎があああっ!」グシャ

男児兄は、アライちゃん2のまだ自由な左手を踏みつけた。

アライちゃん2「びぎゃああああああああああっ!!おででええええいぢゃいいいぃいっっ!」ピギイイイィィ

男児兄「おら!おらっ!右手だけで済むと思うなっ!」ドグシャ!グシャ!

アライちゃん2「やべでええええっ!ぎびいいぃぃっ!おがあああしゃああーーーんっ!」ジタバタ

踏みつけられたアライちゃん2の左手は、ぐしゃぐしゃに折れ曲がった。

アライちゃん2「あらいしゃんのおててぇぇ!おててがああっ!ひどいいいいっ!いぢゃいのりゃああああーーーっ!」ビエエエエン

アライちゃん2は、激痛に泣き喚いている。

>>393訂正


アライちゃん2「のぁああーんっ!のぉおおおーーーぁああーーんっ!ありゃいしゃんなんにもわゆいごどしてないのりゃあああっ!」ピギイイイィィ

アライちゃん1「びええええんっ!やなのりゃああああっ!おうぢがえゆううぅううっ!かーーーえーーゅぅーーーっ!」グイグイイイイイイ

妹がいたぶられているのを見て、逃げ出そうとするアライちゃん1。
しかし右手の締め付けは緩まない。

アライちゃん3「ありゃいしゃんもかえゆううぅーーーっ!だぢでえええっ!こっからだちてえええっ!」ガシャンガシャン

アライちゃん3もまた、籠罠の壁に必死で体当たりしている。

https://i.imgur.com/NTDBpx6.png

カカシ「さらにもう一発!」

アライちゃん1「ひどいのりゃあああああああっ!ありゃいしゃんなんにもわゆいことちてないのにいいっ!」ビエエエエン

アライちゃん1「なんでえええっ!なんでありゃいしゃんのだいじなだいじなおててこわちたのりゃああああああああっ!くしょがいじぃいいいいーーーっ!」ビエエエエン

アライちゃん1「おがあああーーしゃああああーーんっ!もうおがーしゃんのよこかえゆぅーーーっ!」ジタバタ

両腕がオシャカになったアライちゃん1は腹這いになり、両足だけで移動しようとしている。

アライちゃん1「ぴぎいぃぃーーーっ!しゅしゅめないのりゃああっ!」ビエエエエン

だが…アゴが地面にめり込んでおり、いくら両足をジタバタさせても進めない。

そう。
両腕を失ったら、アライちゃんはもうその場から自力で移動できないのである。

だが、もしも…
誰かが餌を与え続け、二本足で立てるようになるまで成長できれば話は別だが。

アライちゃん1「うゆぅ~!ひとしゃん!せきにんとゆのりゃぁっ!」フゥウーーッ

アライちゃん1「ありゃいしゃんが、にほんあちでたてゆよーになゆまで!おまえがありゃいしゃんをそだてゆのりゃあ!」フシャアアアッ

男児兄「…」

アライちゃん1「はやくしゅゆのりゃー!そーしないとぶっこよしゅのりゃああっ!きゅるるるぅ!」キュルルルル

男児兄「だりゃあああーーーっ!」ドグシャアアッ

男児兄はシャベルをアライちゃん1の両脚と尻尾へ突き立てた。

アライちゃん1「ぐびぎゃあああああああああああああああああーーーーーーーーーーっ!」ボギグシャアアアッ

アライちゃん1の両脚と尻尾は、皮一枚で繋がっている状態。
逆に言えば、肉も骨も神経も破壊されたということだ。

アライちゃん1「のぉおおおおおーーーーーーーぁあああああーーーーーーーーんっ!のびゃぎいいいいいぃいいいいぃいいーーーーーっ!」ビイイイイィイ

アライちゃん1「ああああああ、ぁああああああああ!おてて、あんよぉ、おててぇぇ、あんよおおぉぉっ!」ブルブル

アライちゃん1「のぉおおおおおおおおおおおおーーーぁああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーんっ!」ピギイイィイ

アライちゃん1「がえぜえええーーーーーーーーーーーーー!がえぜえええええええええーーーーーーー!なおぜええええええーーーーーっ!」ビイイエエエエエーーンッ

両腕と両脚がダメになったアライちゃん1は、
多大な激痛と精神的ショックを受けて、喉が潰れそうなほど大声で泣きわめいた。

男児兄「首もやるか?」スッ

アライちゃん1「やべでええええーーーーーっ!だじゅげでええええーーーーーーっ!のぉーーーぁあーーーんっ!」ピギイイイイイイイィ

アライちゃん1「あ、ありゃ、ありゃいしゃんを、かーいいありゃいしゃんを!ぺっとにちていいかりゃあああっ!」ブルブル

アライちゃん1「み、みせてたゆのりゃ、し、しっぽのだんしゅなのりゃ!」フリフリ

アライちゃん1「きゅるるぅん♥きゅるるぅん♥」フリフリ

アライちゃん1は尻尾を振っている。

男児兄「やっぱ殺すか」スッ

男児兄がシャベルを振り下ろそうとした…
その時。

???「待つんだ!殺しちゃダメだよ」

何者かの声が聞こえた。

オカルテツヤ「殺したら…生き埋めに…殉葬にできないよ…」パッ

懐中電灯で自分の顔を、アゴの下から上に向かって照らしている男児が発言した。

男児達「「お…オカルテツヤ!!」」

彼は通称オカルテツヤ。
彼らのクラスには、『コバヤシテツヤ』という読みの同姓同名の生徒が2名在籍している。

呼び分けに困っていたが、彼はオカルト好きなので、
『オカルテツヤ』と呼んで区別されているようだ。

男児弟「た…たしかに…」

ガキ大将「生きたままじゃなきゃな」

アライちゃん1「よ、よかった…ぺっとにちてくれゆのか!ありゃいしゃんのかわいさにみりょーされたのか!≧∀≦」シッポフリフリフリフリ

アライちゃん1は、シャベルで半分あたりからへし折れた尻尾をしきりに振っている。
折れた部分はヌンチャクのようにグルグル振り回されている。

どうやらアライさんの尻尾や耳は、なにか肉や骨とは異なる物質で形成されているらしく、失ってもダメージが少ないようだ。

ちなみに、尻尾や耳を形式している物質が何であるかは、未だ科学的に結論が出ていない。
ただし、動物に食わせると健康に非常に良いことだけは分かっているらしい。

男児兄「次はこいつか」ザッ

アライちゃん2「やべろおおおおぉおおーーーっ!ありゃいしゃんをぉ!おねーしゃんみたいなかたわだるまにすゆなぁあああーーっ!きゅるるるぅうっ!」フシャアアアアッ

先程左腕を踏み潰されたアライちゃん2は、涙を流しながら激しく威嚇している。

男児兄「ほいっと」ザグウウゥゥッ

しかし男児兄は無慈悲に素早く、罠にひっかかった右腕をシャベルで切断した。

アライちゃん2「びぎゅううううううううううううううううううううううううううううーーーーーーっ!」ブシャアアアアアアッ

アライちゃん2「いぢゃあああいいいいーーーーーーっ!ありゃいしゃんのおててぇーーーーーーーーっ!」ピギイイィイ ジタバタジタバタ

アライちゃん2「なんにもわゆくないのにぃぃっ!ありゃいしゃんがかわいそーーなのりゃあああああああーーーーーーーーっ!」ビエエエエエエエエエーーンッ

アライちゃん2「おにぃいっ!あくまああーーっ!ありゃいしゃんだってぇ!おまえとおんなじなのりゃあーっ!いきてゆのりゃああっ!」ヒグッグシュッ

男児兄「…」

アライちゃん2「おまえはああっ!いじめられておててだめにされたありゃいしゃんのこと、かわいそーだとおもわないのかあああっ!」フシャアアアアッ

男児兄「…」

男児兄は、授業で先生から『生き物の命は大切にしなさい』と教わったことを思い出した。



…過去の授業中…

先生『生き物の命は大切にするんですよ』

生徒達『はーい』

塾メガネ『先生、質問ありまーす』スッ

先生『どうしました?』

塾メガネ『家の中にアライちゃんが住み着いたとき…、僕達は、そのアライちゃん達の命も大事にしなきゃいけないんでしょうか?』

先生『…』

塾メガネ『アライちゃん達の命を守るために、僕達は家が荒らされ、ウンチだらけになることを受け入れなきゃいけないんでしょうか?』

先生『…そういうときは、駆除業者を呼びましょう』

塾メガネ『おかしいですよね、矛盾してませんか?』

先生『まず大前提として…、今私が教えているのは、社会的な常識。一般的な考え方です』

先生『決して破ってはいけないルールではなく、例外となる場合もあります』

塾メガネ『例外ってなんですか?』

先生『…生き物の命の重さには、違いがあります』

塾メガネ『命の重さの違いって何ですか?』

先生『…そうですね。はっきり言いましょう』

先生『命の重さとは、すなわち…、人の役に立つかどうかで決まります』

先生『例えば…、ある少年には、国家テロ殺人に荷担することで報酬を受けとる父親と、ペットのカブトムシがいます』

先生『父親とカブトムシ。…命の重さが上なのはどちらだと思いますか?』

塾メガネ『えっと…、父親じゃないですか?人間だし…』

先生『皆さんはどう思いますか?』

『父親かな?』『…人間だし、やっぱ父親だろ』『両方同じじゃない…?命の重さに違いはないでしょ』

先生『…法律上での扱いを話すならば…、命が重いのは、カブトムシの方になります』

『えー!?』『なんでー!?』

先生『父親は国家テロや殺人に荷担し、多くの人の命を奪い、国を混乱させ、迷惑をかけています』

先生『それゆえ内乱罪や殺人罪で、死刑判決になるでしょう。国家が、少年の父親を殺すべき命だと決めるのです』

先生『その一方で、カブトムシは悪事をしていない。少年の心を癒しているだけです』

先生『もしカブトムシを殺せば、器物損壊罪となり、法律で罰せられます』

先生『従って、殺人に荷担した報酬で少年を育てる父親よりも…、ペットのカブトムシの方が命が重いのです』

塾メガネ『人間なのに…ですか?』

先生『そうです』

ガキ大将『役立たずは死ねってことかよ』

先生『役に立たないだけなら命の重さは「ゼロ」。害はありません。しかし、法律を破って悪事をしてばかりの者は、命の重さが「マイナス」になります』

先生『そうなったら、罰を受けたり…、殺されても文句は言えません』

男児兄『…』

………

男児兄「…」

アライちゃん2「ありゃいしゃんはなああ!いだいなんだぞぉ!こんなちーっちゃいのにっ!おかーしゃんからはなれてじりつしてゆのりゃ!りっぱなのりゃあ!」フゥウーーッ

アライちゃん2「うやまええええ!ありゃいしゃんのこと!えらいっていえー!ありゃいしゃんにごめんなしゃいしろおおおおおおおーーーっ!」

男児兄「…」

男児兄「なんかピーピー言ってるけど、アライちゃんだし、いいや」ドグシャアアッ

男児兄は、何らためらうことなく、アライちゃん2の両脚をシャベルで破壊した。

ろくに移動できないアライちゃん2には、攻撃されるのが分かっていても、何ら抵抗も回避もできなかった。

アライちゃん2「はぎゃびいいいいぃぃぃいいいーーーーっ!!」ブシャアアアアアアッ

アライちゃん2「なんでえええええっ!なんでありゃいしゃんのゆーことわかんないのりゃあああーーっ!がいじがいじがいじがいじがいじがいじがいじがいじがいじがいじぃーーーーーーーっ!」ピギイイィイ

アライちゃん2「のぉおおおおおおおおおおおおーーーぁああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーんっ!のびゃぎいいいいいぃいいいいぃいいーーーーーっ!」ピギャウゥウウウ

アライちゃん2は、同じような姿となっている姉と共に、苦痛と絶望のコーラスを響かせた。

>>アライちゃん2「ありゃいしゃんはなああ!いだいなんだぞぉ!こんなちーっちゃいのにっ!おかーしゃんからはなれてじりつしてゆのりゃ!りっぱなのりゃあ!」フゥウーーッ

って、「おがーしゃんとこにかえゆぅーーーっ!」とか叫んでたじゃないかww

アライちゃん3「う、うゆうぅ…」ブルブル

籠罠に閉じ込められているアライちゃん3は、姉達が受けた仕打ちを見て脅えている。

アライちゃん3「ま、まって…い、いきうめに…いきうめになゆかりゃあ…あばれないかりゃあ…」ブルブル

アライちゃん3「おててと…あんよは…いたくしないで…」ブルブル

アライちゃん3「か、かめたろーしゃbんに、ごめんなさいすゆかりゃあ…」ブルブル

ガキ大将「こう言ってるけど、どうする?」

男児兄「反省したか。それじゃあ、ちゃんと生き埋めになれよ」ガチャッ ガシィ

アライちゃん3「うゆぅ…」

男児兄は、籠の中に手を入れ、アライちゃん3の胴体を掴んだ。

男児兄「よーし、出すぞ」ヒョイ

そして、籠の外へ出した。





アライちゃん3「はぐがぶぅううううぅうっ!」ガブゥウッ バリバリ

アライちゃん3は、獲物の肉を噛み切るための鋭い牙で男児兄の手に思いっきり噛みつき、
肉を裂くための鋭い爪で男児兄の手を思いっきり引っ掻きまくった。

男児兄「痛っってえええええええええええええッ!!!」パッ

男児兄は、思わず手を離してしまった。

アライちゃん3「のりゃっ!」ポテッ

地面の上に落ちたアライちゃん3は…

アライちゃん3「やーいやーい!うんこばかくそぼけがいじぃーーっ!やーいやーいだまされたー♪おまぬけうんこー♪くそがいじー♪≧∀≦」ヨチヨチシッポフリフリヨチヨチシッポフリフリ

自由になったアライちゃん3は、必死のヨチヨチ歩きで逃げ出した。

男児兄「あっ、くそっ!」

男児弟「に、逃げる気だ!捕まえろ!」タタタッ

つづく

アライちゃん3「のりゃっ!のりゃっ!」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチ

アライちゃん1「いもーとぉ!ありゃいしゃんもつれてくのりゃああああ!」ピギィイイイ シッポブンブン

アライちゃん2「ありゃいしゃんだけでいーかりゃおんぶすゆのりゃあ!しまいのきずなをわすれたのかあああっ」シッポブンブン

アライちゃん3「うゆ!しまいのきずなのおかげで!ありゃいしゃんはいきのこったのりゃあっ!」ヨチヨチヨチヨチ

アライちゃん3「おねーしゃんたちは、いのちをぎせーにして、ありゃいしゃんをにがしてくれたのりゃあ!うつくしーしまいのきずななのりゃあ!」ヨチヨチヨチヨチ

アライちゃん1&2「「のああああああ!?みすてゆのかあああっ!」」ピギィイイイ

アライちゃん3「おねーしゃんたちはもう、かえってもわんわんしゃんたちのごはんなのりゃ!しぬだけなのりゃ!」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチ

アライちゃん3「だかりゃ!おねーしゃんたちも、ありゃいしゃんだけでもいきてほちーっておもってゆにきまってゆのりゃあ!」ヨチヨチヨチヨチ

アライちゃん1&2「「おもってないのりゃあ!ありゃいしゃんをつれてくのりゃああああーーーっ!」」ビエエエエエエエエエーーンッ

アライちゃん3「あーなんてかわいそーなありゃいしゃんなのりゃぁ!わゆいひとしゃんにおねーしゃんをこよしゃれた、ひげきのひろいんなのりゃあ!」ヨチヨチシッポフリフリヨチヨチシッポフリフリ

アライちゃん1&2「「こよしゃれてないのりゃあ~~っ!みごよちにすゆなぁ~っ!」」ビエエエエエエエエエーーンッ

アライちゃん3「かわいーかわいーありゃいしゃんがいきのこって!ありゃいしゃんにそっくりなかーいいあかちゃんうむのりゃー!」ヨチヨチヨチヨチ

アライちゃん3は、その場から去ろうとするが…



男児兄「逃がすわけねーだろが!」ブンッ

男児兄は、シャベルを水平にして、水平方向へ思いっきり振りかざし…

アライちゃん3「ぐじゅぶぎゅうぅうーーーーーっ!」グシャブシュウゥ

アライちゃん3の顔面へシャベルの側面を叩き込んだ。

シャベルはアライちゃん3の口と鼻の間に水平にめり込んだ。

アライちゃん3「ぶぎゅびゃあああああああ!」ドクドク

上の前歯が折れ、鼻血を吹き出している。

男児兄「逃がさねえよ!」ガシィ ポイッ

アライちゃん3「ぴぎゃああっ!」ガッシャアン

男児兄は、アライちゃん3の尻尾を掴んで、池のすぐそばの籠罠の中へ戻し、鍵を閉めた。

オカルテツヤ「おー、使い方慣れてるなー。よく籠罠の鍵の閉め方分かるなー」

塾メガネ「どこで勉強したんだろ…?」

アライちゃん3「だぢでええええ!だぢでええええええーーーーっ!」ガシャンガッシャアン

アライちゃん3は、籠罠の中で必死に暴れている。

男児兄「うるせえよ!よくも噛んで引っ掻いたな!」ドガァ

男児兄は、籠罠を思い切り蹴った。

すると、籠罠はぐらりと倒れ…

アライちゃん3「ひ…」グラッ

…ばっしゃああんと音を立てて、池へ落っこちた。

男児兄「あっやべ!」

アライちゃん3「ぴいいぃぃっ!?だ、だちてええーーーーーっ!おぼれゆううぅーーーーっ!」バシャバシャ

籠罠はゆっくりと、池へ沈んでいく。
かつて亀太郎が過ごした池の中へ。

アライちゃん3「ぴぎいいぃぃっ!おぼれゆぅ、ごぼぼぼっ!ごぼがぼごぼぼぉぉっ!」ブクブクバシャバシャ

アライちゃん3は、籠罠と共に池へ沈んでいく。

アライちゃん3「ぶはぁっ!ぐゆじ、だぢゅげでぇ!おがーしゃ!ごぼぼぉ!ぶはぁっ!」バシャバシャ

アライちゃん3「おがああーしゃああーーんっ!ごぼ、がぼぼぼっ!おうぢ、おうぢかえゆぅぅっ!がぼっ!」ゴボゴボ

オカルテツヤ「し、沈んだら生き埋めにできないゾ…ただの埋葬だゾ…」アセアセ

塾メガネ「というか、駆除業者さんが置いた罠が…!」アセアセ

男児弟「ひ、引き上げた方がいいかな?」アセアセ

アライちゃん3「ぶくぶくぶくっ…!」ジタバタ

アライちゃん3が暴れると…

籠罠の蓋「」パカッ

男児達「「げげっ!?」」

なんと、閉めたはずの蓋が開いた。

男児兄「か、鍵の閉め方間違ったかな…」アセアセ

アライちゃん3「ごぼぼっ…」バシャバシャ

アライちゃん3「ぷはーーーっ!」バシャバシャ

アライちゃん3は泳いで籠罠から脱出した。

アライちゃん3「こ、このまま、およいでむこーににげゆのりゃあ!」バチャバチャ

アライちゃんは泳ぎが得意な生き物である。

ガキ大将「に、逃げられるぞ!」アセアセ

男児兄「さすがに水の中までは追っていけいけないな…」

アライちゃん3「はあはあ、ばーかばーか!あっかんべー!」バチャバチャ

アライちゃん3は泳いで池の反対側へ逃げようとしているようだ。







…その時。

???「」スイスイ…

池の底から何かの影が、水面を泳ぐアライちゃん3へ向かって近寄ってきた。

???「ガブゥ!」ガブゥ

アライちゃん3「ぴぎっ!?」ビクゥッ

その巨大な影は、アライちゃん3の尻尾に噛みついたようだ。




水面下でアライちゃん3を襲った者の正体は…


亀花子「ガウウウゥゥ」グイイイイイッ

アライちゃん3「ごぼ!?がぼぼぼっ!ぶはぁ!なんなのりゃあ!はなちぇええっ!」バチャバチャ

…亀太郎よりも数倍デカい、この池の真の主。
雌の亀である、亀花子であった。

亀花子「カロロロロロ……」ギロオォッ

爬虫類に表情はあるのだろうか…それは不明だ。
しかし、亀花子の眼差しは…
深い憎しみと、悲しみが宿った目だ。
取り返しのつかない絶望を味わい、それを他者へも味わわせんとする、復讐鬼の目。

亀花子「ガウウウゥゥ!」スイスイ

アライちゃん3「がぼぼぼぼぼ!ごぼぼぼぼぼおっ!」バシャバシャ

アライちゃん3よりはるかに大きな体の亀花子は、アライちゃん3の尻尾を咥えながら、池から上がってきた。

アライちゃん3「ぶはぁ!」バシャア

ガキ大将「うわっ、亀花子だ!」

男児弟「でけぇ…」

亀花子「ガウゥ…」ガブウウゥウ

アライちゃん3「いだいいいぃーーーっ!しっぽはなしぇーーーっ!」バリバリ

アライちゃん3は、亀花子の顔を必死に引っ掻きまくる。

亀花子「…」ギロオォッ

亀花子は、男児兄を見た。

亀花子「」ヒョコッ

そして、アライちゃん3を離して、頭と手足を引っ込めた。

男児兄「…亀花子?まさか…ホントにいいんだな?」

亀花子「…」コクリ

亀花子は一瞬だけ顔を出し、コクリと頷いた。

アライちゃん3「や、やった、はなちたのりゃあ!」ゼェハァ

アライちゃん3「こんどこそ!にげゆのりゃあああーーっ!」ヨチヨチヨチヨチ

顔面に酷い傷を負っているアライちゃん3は、再び逃げ出そうとした。

男児兄「くらえええええーーーーーっ!!!」ブンッ

亀花子「」ギュルルルルルル

なんと、男児兄は亀花子をフリスビーのように回転させながら、アライちゃん3の真上から投げ落とした。

亀花子「」ドガァァアッ

アライちゃん3「いぢゃぃのりゃあああああああああああああーーーっ!」ボギィッ

亀花子の甲羅は、アライちゃん3の腰にヒットした。

アライちゃん3「ああああぎゃああああああああがあああああああああああーーーーー!いぢゃいいぢゃいいぢゃいいぢゃいいぢゃいーーーーーっ!!」ピギイイイイ

皆様の中に、腰を骨折したり大怪我したことがある方はいるだろうか。
ただ痛いだけでなく、鈍い苦しみがずっと続く。

アライちゃん3もまた、その激痛と苦しみに悶えていた。

アライちゃん3「ぎびいぃぃいいいいいーーーーっ!ぴぎゅうぅうううううーーーーーーっ!こしいぢゃあいぃいいーーっ!」コスリコスリコスリコスリコスリコスリコスリ

アライちゃん3は、大泣きしながら自分の腰を手で擦っている。

アライちゃん3「のぉおおおおおおおおおおおおーーーぁああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーんっ!いだぐであゆげなうのりゃあああああーーーーーーっ!」ビエエエエエエエエエーーンッ

亀花子「…」ギロオォッ

亀花子は、苦痛に悶えるアライちゃん3をじっと見ている。

亀花子「…」クイクイ

そして男児兄の方を見た後、頭をグイグイと上に上げた。

男児兄「え、まさかもう一度!?」

亀花子「…」コクコク

亀花子は頷いた。
きっと人間の言葉は分からないはず…だと思うが…

これだけ大きな亀だ。
どれだけ長く生きていることやら。

男児兄「もっかい行くぞ、亀花子!」ガシィ

亀花子「…」

男児兄「ふんぬぐぐぐぐぐうっ!めっちゃ重いッ!」グイイイイイッ

男児兄は、頭の上まで亀花子を抱え上げた。

アライちゃん3「ひ、ひぎいぃい、やめで、やめでええええ!ありゃいしゃん、こし、いだぐってたまんないのりゃああっ!」ブルブル

アライちゃん3「ひ、ひぃぃ!にげゆのりゃあああっ…!」ガシィ グイイイイイッ

腰の大怪我で下半身を動かせないアライちゃん3は、両腕だけを使って移動することを試みた。

アライちゃん3「はぁっ!」ペタッ

アライちゃん3は、両手のひらを地面へくっ付ける。
そして体を引っ張ろうとするが…

アライちゃん3「うぅーーーっ!す…すすめないのりゃああーーっ!」シャカシャカシャカシャカ

アライちゃん3の手は、地面の上を滑るだけであった。

それはそうだろう。
地面に這いつくばっている場合、その胴体が地面に接触し、強い摩擦を生む。

いくら地面に手を押し付けて体を引っ張ろうとしても、
手のひらの摩擦が胴体の摩擦に負けてしまう。
そのため、手はただ地面の上を滑るだけなのであった。

アライちゃん3「あっ!じめんにでっぱりがあゆのりゃあ!」

地面から小石が突き出ていた。
これに指をひっかかければ、手の摩擦が胴体の摩擦に負けることはないだろう。

アライちゃん3「たあっ!」ガシィ

アライちゃん3「ふんぐぐぐぐぐぅぅーーーっ…!」グイイイイイッ

地面から突き出た小石に指をひっかけ、体を引っ張りあげようとしているアライちゃん3。
その姿は、さながらロッククライミングのようだ。

しかし…

アライちゃん3「ぴいぃーーーっ!あごがいじゃいのりゃあああーーっ!」ガクガク

アライちゃんは頭がデカくて重い。
そのため、地面に這いつくばる場合、顎が常に地面にめり込んだ状態になるのである。

いくらアライちゃん3が、小石に指をひっかけて体を引っ張ろうとしても、
顎が地面にめり込んでいるため、地面による反作用を顎に受ける。

そのため、いくら小石を掴んで体を引っ張ろうとしても、
大きな顎がグイグイと押されるばかりであり、結局進めないのであった。

アライちゃん3「うぅーーっ!あきらめないのりゃああーーーっ!おがーしゃんがありゃいしゃんをまってゆのりゃああーーっ!」グイイイイイッ

アライちゃん3は、それでも必死に両腕を伸ばして遠くの小石を掴み、体を引っ張ろうとしている…。

もはや、アライちゃん3がこの場から逃げ出すには、この両腕をうまく使って移動するしかない。

アライちゃん3「かんがえろーかんがえろぉーーっ!うぅーっ!どーすればおててだけでにげれゆか、かんがえろおおおーーーっ!」ハァハァ

アライちゃん3は、必死に小さな脳みそを回転させ、両腕だけでこの場から逃げ出して生き延びる方法を考えている。



アライちゃん3「うゆ!いーことおもいちゅいたのりゃ!」ピーン



…どうやら、名案が浮かんだらしい。

アライちゃん3「ひとしゃん!ありゃいしゃんが、このかわいーおててで、かわいーだんしゅみしぇてやゆのりゃ!」ゴロン

アライちゃん3は仰向けになった。

男児兄「は?」グイイイイイッ

亀花子「…」ニュッ

持ち上げられている亀花子は、顔を出した。

アライちゃん3「ありゃいしゃんのかわいさがわかったら、おまえはありゃいしゃんにあやまって、およめしゃんにしたくなゆはずなのりゃあっ!」コスリコスリ

アライちゃん3「そしたりゃおまえは、まいにちありゃいしゃんのかーいいだんしゅをみれゆのりゃ!」コスリコスリ

アライちゃん3「ありゃいしゃんは、おまえからまいにちごはんもらえゆのりゃ!めーあんなのりゃあ!」ノヒャヒャヒャヒャ

オカルテツヤ「…どうするんダ?」

男児兄「おもしれーじゃんか。やってみてよ」

アライちゃん3「いくのりゃ!ありゃいしゃんがかんがえた、おててをつかっただんしゅなのりゃ…」

アライちゃん3「けづくよいだんしゅなのりゃあ!」ガシィ

アライちゃん3は、大きな縞々模様の尻尾を両手で掴んだ。

アライちゃん3「こすこすこすこす、かわいーしっぽ、きれーきれー♪こすこすこすこすこーすこす♪」コスコスコスコスコスコスコスコス

アライちゃん3は、自分の尻尾を両手で挟んで擦り、ゴミやフケを落とした。

アライちゃん3「ぺろぺろぺろぺろ、かわいーしっぽ、ぴっかぴか♪ぺろぺろぺろぺろぺーろぺろ♪」ペロペロペロペロペロペロペロペロペロ

アライちゃん3は、自分の尻尾をなめ回し、汚れを取った。

アライちゃん3「はぐはぐはぐはぐ、かわいーしっぽ、ふっさふさ♪はぐはぐはぐはぐ、はーぐはぐ♪」ハグハグハグハグハグハグハグハグ

アライちゃん3は、自分の尻尾の毛を噛み、絡まったりぼさぼさになった毛をほぐした。

アライちゃん3「あむあむあむあむ、かわいーしっぽ、ふーわふわ♪あむあむあむあむ、あーむあむ♪」アムアムアムアムアムアム

アライちゃん3は、自分の尻尾を口で甘噛みし、毛並みを整えた。

アライちゃん3「できたのりゃ、ありゃしゃんのかわいーしっぽのけづくよいなのりゃあ!」ピカピカガイジガオ

アライちゃん3は、自慢げな顔で尻尾を見せつけてくる。

アライちゃん3「どーなのりゃ、ありゃいしゃんのしっぽはせかいいちかわいーんだぞぉ!」

アライちゃん3「ふははー!ありゃいしゃんをやしなってくれゆなら、ここでしっぽなでたりなめたりしほーだいだぞぉ!」フフン

男児兄「…」

果たして、男児兄はアライちゃん3の尻尾の毛繕いダンスに魅了され、共に過ごすことを選ぶであろうか…?

つづく

アライちゃん3「ほーら、ありゃいしゃんのかわいーかわいーふわふわしっぽ、さわりほーだいだぞぉ~?うっふ~ん♪」コスリコスリ

ガキ大将「だりゃああああああああああああッ!!」ズガアアアアアッ

ガキ大将は、シャベルをアライちゃん3の尻尾の根元へ突き立てた。

アライちゃん3「ぎびゅぅうううううううううううーーーーーーーーーーっっ!!!!」ベギゴギィ

ガキ大将「きめえんだよ死ね!」ズガァズガァズガァズガァズガァズガァ

アライちゃん3の尻尾は、何度もシャベルを突き立てられ…

アライちゃん3「びぎゃああっあっあーーーーっ!!」ブシャアアアア

胴体から切り離された。

アライちゃん3「あ、ああああ、あらいしゃんのかわいーしっぽぉぉ!しっぽがぁぁっ!」ガシィ

アライちゃん3は切れた尻尾を掴んでいる。

アライちゃん3「うびゅうううぅぅっ!ありゃいしゃんのかわいーしっぽほしくなったのかあああっ!ぜったいぜったいあげないのりゃあああっ!」ギューッ

ガキ大将「いらねーよそんなゴミ!」

アライちゃん3「ごみじゃないのりゃああああーーっ!うちゅーいちかわいーしっぽなのにぃぃーっ!のぉおおおおおおおおおおおおーーーぁああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーんっ!」ビエエエエエエエエエーーンッ

アライちゃん3「はぐっ!」カプッ

アライちゃん3は、切り取られた自分の尻尾を咥えると…

アライちゃん3「ふぅーっ!ふぅーっ!」ズルズル

再び両腕を地面の出っ張りへ伸ばし、逃走を試みた。

亀花子「…」

男児兄に抱えあげられている亀花子は…

亀花子「」シュッ

頭を引っ込めた。

男児兄「うらあああああーーーーーーーーー!!」ブンッ

男児兄は、アライちゃん3が伸ばしている両腕に向かって亀花子を投げ落とした。

アライちゃん3「ひびっぴぎゃああああああああああーーーーーーーーっ!」グシャボギィィイイッ

アライちゃん3の両腕に、亀花子の甲羅の側面が食い込み、ぼきりと折れ曲がった。

どうやら、男児兄にはアライちゃん3が主張する魅了は伝わらなかったようだ。

きっと相手が悪かったのであろう。

一旦ここまで

アライちゃん3「だれがあああああああああ!このきょあくをぶっこよちてほちーのりゃあああっ!」ビエエエエエエエエエーーンッ

アライちゃん1「だぢゅげでええーーーーっ!おがーしゃーーんっ!」ビエエエエエエエエエーーンッ

アライちゃん2「こよしゃないでええっ!およめさんになってやゆかりゃあああっ!ぺっとにしていいかりゃああっ!」ビエエエエエエエエエーーンッ

男児兄「さて、てめーら!あの世で亀太郎に謝れよ!」ドカァッ

アライちゃん1~3「「「じび!!!」」」ゴロゴロ ポトッ

男児兄は、亀太郎の墓のそばへ掘った穴へアライちゃん達を蹴り飛ばした。

男児兄「よいしょ」ザックザック

男児兄は、シャベルを使ってアライちゃん達へ土をかけていく。

アライちゃん1「ぴぎいいいいいぃ!?やべでえええ!うめないでええーーーっ!」ピイイィイ

アライちゃん2「なんでもすゆがりゃああああっ!こーびすゆかりゃあっ!にくべんきにしていーかりゃあ!」ビエエエン

アライちゃん3「ひ、ひとしゃんみゆのりゃあ!ありゃいしゃんのかーいいしっぽのだんしゅ…ぴぃ!?しっぽがないのりゃあっ!」

男児兄「…」ザックザック

アライちゃん1~3「「「ヒイイイイィイイ!うめゆのやべでええーーーーっ!!」」」ビエエエン

アライちゃん達は泣きわめき、必死で懇願している。
全員手足は既にへし折られているため、自力での脱出は不可能である。

男児兄「…」ザックザック

アライちゃん達の姿が、完全に土で覆われた。

土の下から聞こえる声『ほってえええええっ!くりゃいのやなあああっ!やぁぁぁぁなあああーーーーっ!』モゾモゾ

男児兄「…」ザックザック

土の下から聞こえる声『うめゆなああっ!おがーしゃーーんっ!だじゅげでええええっ!』モゾモゾ

土の下から聞こえる声『いもーとおおおっ!おまえがありゃいしゃんをみすてなければ!しまいのきずなでたしゅかったのりゃあ!がいじぃーーっ!』モゾモゾ

土の下から聞こえる声『うぬぬぅー!おねーしゃんがここでおしゃかなしゃんとゆっていわなけりゃよかったのりゃあ!がいじがいじがいじーっ!』

男児兄「…」ザックザック

土の下から聞こえる声『がいじがいじがいじがいじがいじがいじがいじ!!!!』モゾモゾ

土の下から聞こえる声『がいじがいじがいじがいじがいじがいじがいじ!!!!』モゾモゾ

土の下から聞こえる声『がいじがいじがいじがいじがいじがいじがいじ!!!!』モゾモゾ

男児兄「…」ザックザック

土の下から聞こえる声「ピギー!ピギー !」

男児兄「…」ザックザック

土の下から聞こえる声「ウユウウウゥゥゥ-…」

男児兄「…」ザックザック

亀太郎の墓のそばの穴は、完全に埋まった。

男児兄「…殉葬、完了!亀太郎、仇は取ったぜ!」

ガキ大将「これで一安心だな…」

男児弟「罠はまた戻しておこうよ。もっといっぱい引っかかるかも…」チラッ

筒の罠には、アライちゃん1&2から切断した右手が突っ込まれたままだった。

男児兄「…これ、どーする?」

ガキ大将「夕方に駆除業者さんが来るから、ほっとこうぜ」

男児弟「これで亀太郎たちも、アライちゃん達も、あの世に行って生まれ変わるのかな…」

男児兄「…」

男児弟「どうしたの?にーちゃん」

男児兄「もし俺の前世がアライちゃんだったら最悪だなーって…」

男児弟「そーだねー…」

オカルテツヤ「そういうのが分かる占いあるゾ?やってみるカ?」

男児弟「おもしろそー!後でやろー!」

男児達「戻ろうぜー」スタスタ…

男児達は校舎へ戻っていく。

男児兄「…」スッ

男児兄は、穴を埋めた跡に耳を当ててみた。

穴を埋めた跡『ンー…ンンンーーーッ…コンナドゴデ…ジニダグナイノリャ…』

穴を埋めた跡『ピギー…ダヂュゲデ…ヒトシャアアンッ…ゴメンナシャイナノリャアアッ…』

穴を埋めた跡『アヤマユカリャアッ…カメタローシャンニアヤマユカリャア…ユリュシテエエエッ…』

男児兄「…」

男児兄「…いいや、ほっとこう」スタスタ

男児兄も、校舎へ向かった。

…放課後、校庭の池…

校庭の池の側には、亀太郎の墓と…
殉葬の跡があった。

筒罠のうち2つにはアライちゃん1&2の腕が突っ込まれたままとなっており、
籠罠には男児兄が入れた食パンの耳が入っている。




アライちゃん4「なのりゃー」ガサッ ヨチヨチ
アライちゃん5「なのりゃー」ガサッ ヨチヨチ
アライちゃん6「なのりゃー」ガサッ ヨチヨチ

そこへ、3匹のアライちゃんが近寄ってきた。

アライちゃん4「くんくん!ふんふん!ごはんのにおいがすゆのりゃ!」クンクン

アライちゃん5「おおー!みゆのりゃ!おにくなのりゃ!」

アライちゃん5は、筒罠に突っ込まれた2本の腕を見つけた。

アライちゃん6「たべゆのりゃー!」ヨチヨチヨチヨチ

アライちゃん5「のりゃ!のりゃ!」ヨチヨチヨチヨチ

アライちゃん5&6は、筒につっこまれた腕に這い寄る。

アライちゃん5「がじがじがじがじがじがじ!んー、おにくおいちーのりゃあ!」クッチャクッチャ

アライちゃん6「あむあむあむあむっ!うおー!うんまいのりゃあっ!」クッチャクッチャ

アライちゃん達は、筒に突っ込まれた腕を美味しそうに食べている。

アライちゃん4「ありゃいしゃんにもよこしゅのりゃあっ!たあ~!」ドカァッ

アライちゃん6「ぴぎぃっ!」グラッ

アライちゃん4は、一番体が小さな妹にタックルした。

アライちゃん4「はぐはぐはぐはぐはぐはぐはぐはぐ!くっちゃくっちゃ!おいちーのりゃあ!んまいのりゃあーっ!」クッチャクッチャ

アライちゃん6「ぴぎいぃぃっ!おねーしゃんがありゃいしゃんのごはんとったのりゃああーっ!」グイイッ

アライちゃん6は、姉に抵抗する。

アライちゃん4「だめなのりゃ!これはありゃいしゃんがたべゆのりゃ!さかりゃうなばかがいじ!」ボカッ

アライちゃん6「いぢゃいのりゃあっ!」ビエエエンッ

しかし体格に差があるため、アライちゃん6が負けてしまった。

アライちゃん4「あむあむあむあむ!!あむあむあむあむ!!おいちーのりゃあ!」クッチャクッチャ

アライちゃん6「びええええええーーんっ!ありゃいしゃんのおにくなのにぃーーーっ!」ビエエエエエエエエエーーンッ シッポブンブンブンブン

アライちゃん6「ひぐっぐしゅっ…うゆ?…くんくん…こっちからもいーにおいすゆのりゃあ!」クンクン

アライちゃん6は、地面のにおいを嗅いだ。

アライちゃん6「ふはははー!おたかりゃがねむってゆのりゃああっ!」ザックザック

アライちゃん6は、地面を掘り返した。
そこにあったのは…

アライちゃん1「」
アライちゃん2「」
アライちゃん3「」

…先程、亀太郎の墓へ殉葬させられたアライちゃん達であった。
手足がへし折れ、苦悶の表情で死んでいる。

…明らかに、何者かに暴行されて埋められたのがわかる。

アライちゃん6「ぴいぃっ!?し…しんでゆのりゃああっ!」ビクウゥゥッ

同族の死骸を見たアライちゃん6は驚いた。

アライちゃん6「おねーーしゃーーーんっ!おねーしゃああんっ!し…したいなのりゃあっ!」ブルブル

アライちゃん4「うゆ?たべものなのか?」ヨチヨチヨチヨチ

アライちゃん5「けものなのか?でかしたのりゃ!」ヨチヨチヨチヨチ

アライちゃん4&5「「…」」ピタッ

アライちゃん4&5は、穴から掘り返された3匹の死骸を見た。

アライちゃん4&5「「ヒ…ヒイィィイイイッ!!ひとごよしなのりゃああああっ!」」ガクガクブルブル

アライちゃん4「ぴぃぃー!こあいのりゃああっ!」ヨチヨチヨチヨチ
アライちゃん5「ききなのりゃあっ!」ヨチヨチヨチヨチ
アライちゃん6「もっとあんぜんなとこいくのりゃあああっ!」ヨチヨチヨチヨチ

死骸を見て恐怖したアライちゃん達は、全力全開ヨチヨチムーヴでその場から逃走した。






???「あららー?アライちゃんがいるわねー」ザッザッ

アライちゃん4~6「「「ぴぃ!?」」」ビクウゥゥッ

…何者かが、アライちゃん達のところへ近づいてきた。

男児母親「あららー?別のアライちゃんが穴に埋まってる?うーん…どういうことなのー?」キョトン

…男児兄弟の母親であった。
何故ここにいるのであろうか?

アライちゃん4「な、なんだ、ひとしゃんか…もっとおっかないけもものだとおもったのりゃ…よわいやつでたすかったのりゃ…」ホッ

アライちゃん5「ひとしゃん!ありゃいしゃんにおいちーごはんよこしゅのりゃ!」シッポフリフリ

アライちゃん6「くれないと、ありゃいしゃんのひっしゃちゅわざでぶっこよしゅぞぉ!」フシャアアア

アライちゃん達「「「しにたくなかったら、ごはんよこしゅのりゃ~!」」」シッポフリフリフリフリフリフリ

アライちゃん達は、男児母親を恐喝している。

男児母親「ごはん?うーん…わかった、ちょっと待っててねー」ゴソゴソ

男児母親は、リュックサックから何かを取り出している。

アライちゃん4「やったのりゃあ!ひとしゃんがありゃいしゃんたちにくっしたのりゃあ!≧∀≦」コスリコスリ

アライちゃん5「ありゃいしゃんたちにびびってくっぷくちたのりゃ~!やーいやーい!くしょざこなめくじぃ~!」アッカンベー オシリフリフリ ベロベロバー

アライちゃん6「ごっはん♪ごっはん♪ひっとしゃんのごっはん♪ごっはん♪ごっはん♪おいちーごっはん♪」コスリコスリ

アライちゃん達は、ご飯を貰うことを待ち望みにしているようだ。

アライちゃん4~6「「「ごっはん♪ごっはん♪≧∀≦」」」コスリコスリ

男児母親「ぱんぱかぱーん♪お母さんサンダーランスぅ~♪」ジャキッ

男児母親がリュックサックから取り出したのは、お手製の電気槍であった。

アライちゃん4~6「「「のあ?」」」シッポフリフリ

男児母親「いくわよ♪えーい♪」ドズゥウウッ

アライちゃん4「びぎゅうぅっ!」ビグゥッブシャアアッ

男児母親は、アライちゃん4の心臓を電気槍で貫いた。

アライちゃん5&6「「≦∀≧」」!?

アライちゃん4「」グッタリ

男児母親「あと二匹ね~?」ズポォッ

アライちゃん4「」ブシャアアアア

男児母親はアライちゃん4から電気槍を引っこ抜いた。

アライちゃん5&6「「に…にげゆのりゃあああああっ!」」ヨチヨチヨチヨチ

『素手ならタイマンで勝てても、武器を持っている相手には分が悪い』と判断したアライちゃん達。
必死に逃走を試みた。

男児母親「お母さんサンダーランス♪」グサァッ ヒネリッ ズボォッ

アライちゃん5「びぎゅうぅっ」ブシャアアアア

男児母親は、電気槍を素早くアライちゃん5の心臓へ突き刺して、捻って抜いた。
流れるような、一瞬の早業であった。

アライちゃん6「たちゅけてええええええええーーーっ!」ヨチヨチヨチヨチ

男児母親「ちぇすとー♪」グサァッ ヒネリッ ズボォッ

アライちゃん6「うぎゅぶっ」ビグゥッブシャアアッ

アライちゃん4~6「「」」ドクドク…

男児母親「片付いたわね~♪」

男児母親は、なんとアライさん駆除業者であった。
仕留めたアライちゃん達を、袋へ詰めていった。

男児母親「ん~…この池、まだまだアライちゃんが来そうねー…」

男児母親「いっぱい罠仕掛けとこーっと」ガチャガチャ

男児母親は、リュックサックから何種類もの罠を取り出した。

筒の罠、籠罠、粘着シートの罠、電気ショック罠など…。

物凄い種類と数の罠を設置した。

男児母親「…」チラッ

男児母親は、亀太郎の墓を見た。

亀花子「…」

亀花子が、陸に上がって亀太郎の墓をじっと見ていた。

男児母親「…安らかに眠ってね、亀太郎ちゃん」

男児母親は、お墓に向かって拝んだ。

…翌日、校庭の池…

ガキ大将「うわ…」
男児兄「…」

男児達は、校庭の池のそばを見ている。

アライちゃん7「ぴいぃいーっ!おてていぢゃいーっ!ぬけないのりゃあーっ!」グイイイッ
アライちゃん8「だちて!はこからだちてええっ!」ガッシャンガッシャン
アライちゃん9「うゆううぅぅ!べたべたちてとれないのりゃあああっ!」ベッタアアア
アライちゃん10「たちゅけてええええええええーーーっ!」ビエエエエエエエエエーーンッ
アライちゃん11「おがーしゃーーんっ!」ビエエエエエエエエエーーンッ
アライちゃん12「おてていぢゃいぃーーーっ!」ビエエエエエエエエエーーンッ

ウジャウジャウジャウジャ ピギー!ピギー!

男児弟「うんざりする…っていうか…」

オカルテツヤ「げんなりする…」

ガキ大将「…殺すのは業者にまかせよーぜ」スタスタ

男児兄「そーだな…」スタスタ

アライちゃん達「「たちゅけてええええええええーーーっ!」」ピギイイィィ

…学校には、しばらく駆除業者が張り付くことになりそうである。

つづく

~山道~

えっほ。えっほ。
私は山道をジョギングしていた。

すると、草影ががさがさと揺れ…

アライちゃん1「なのだー」ヨチヨチ
アライちゃん2「なのりゃー」ヨチヨチ
アライちゃん3「なのりゃー」ヨチヨチ

…ヨチラーが一列に並んで現れた。

アライちゃん1「のだー」ヨチヨチ
アライちゃん2「のりゃー」ヨチヨチ
アライちゃん3「りゃー」ヨチヨチ

…どうしよう。
駆除した方がいいのかな。

…今はいいや。無視しよう。
私はジョギングして、その場を去った。



~家~

ふぅ…。ジョギングおわり。
さーて、お風呂入ろっと。

私は風呂場の脱衣場へ向かう。
上下のジャージを脱ぎ、汗を吸ったシャツを脱ぎ、上下の下着を脱いだ。

そしてシャワーを浴び、体を洗い、お風呂にたっぷり浸かった。

ふぅ、気持ち良かった。
私は脱衣場で、バスタオルで体を吹き、ドライヤーで髪を渇かした。

そして、薄くて裾の短いネグリジェを素肌の上に直接着た。
夏の熱帯夜なんて、これ一枚着れば十分だ。

そして、脱いだ服とタオルを洗濯機に入れてスイッチオン。
朝には乾いているだろう。

リビングに戻ると…

…どこからか、風が…すきま風が吹いてきた。
これは、まさか…

アライちゃん1「ごはんさがすのだ」ヨチヨチ
アライちゃん2「くんくん、ふんふん」ヨチヨチ
アライちゃん3「こっちにありそーなのりゃ」ヨチヨチ

~~~~っ…
またこいつらか!

いったいこいつらは…どれだけ私の家に隙間を作れば気が済むんだ。

アライちゃん1「あ!おまえはさっきのひとしゃんなのだ!」ヨチヨチヨチヨチ
アライちゃん2「ふははー!ありゃいしゃんにごはんをよこしゅのりゃあ!」ヨチヨチヨチヨチ
アライちゃん3「よこさないと、あらいしゃんのかーいいだんす、みせてやらないぞぉー?」ヨチヨチヨチヨチ


さっき殺しておけば良かった。

まあいい。
とっとと殺そう。

私は果物ジュースの瓶(どう見てもビール瓶)を握りしめた。

アライちゃん1「うゆ?なんなのだそれ?」シッポフリフリ

私はアライちゃんの頭を、瓶で思いっきりぶっ叩いた。

アライちゃん1「びぎいいいいぃぃぃっ!?」ボギャアッ

アライちゃん1&2「「!?」」

アライちゃん1の柔らかい頭蓋骨が砕けた感触が、しっかりと伝わってきた。
アライちゃん1の顔からは眼球が飛び出し、鼻から血と脳が飛び出している。

アライちゃん1「」ビグンッビグンッビグンッジタバタッビククンッ

アライちゃん2「ひ、ひいいいぃぃーーーっっ」ブルブル

アライちゃん3「き…きちがいなのりゃあっ!」ブルブル

あと2匹。
さっさと殺そう。

アライちゃん2「ま…まつのりゃあ!ありゃいしゃんはこんなにかわいーんだぞぉ!」ブルブル

アライちゃん3「み…みゆのりゃ!ありゃいしゃんの、かわいーかわいーしっぽのけづくよいだんしゅなのりゃあ!」ペタン

アライちゃん3が、お尻をついてぺたんと座った。
…何をする気だろうか?

アライちゃん3「けづくよいだんしゅなのりゃあ!」ガシィ

アライちゃん3は、大きな縞々模様の尻尾を両手で掴んだ。

アライちゃん3「こすこすこすこす、かわいーしっぽ、きれーきれー♪こすこすこすこすこーすこす♪」コスコスコスコスコスコスコスコス

アライちゃん3は、自分の尻尾を両手で挟んで擦った。

アライちゃん3「ぺろぺろぺろぺろ、かわいーしっぽ、ぴっかぴか♪ぺろぺろぺろぺろぺーろぺろ♪」ペロペロペロペロペロペロペロペロペロ

アライちゃん3は、自分の尻尾をなめ回した。

アライちゃん3「はぐはぐはぐはぐ、かわいーしっぽ、ふっさふさ♪はぐはぐはぐはぐ、はーぐはぐ♪」ハグハグハグハグハグハグハグハグ

アライちゃん3は、自分の尻尾の毛を噛んだ。

アライちゃん3「あむあむあむあむ、かわいーしっぽ、ふーわふわ♪あむあむあむあむ、あーむあむ♪」アムアムアムアムアムアム

アライちゃん3は、自分の尻尾を口で甘噛みした。

アライちゃん3「できたのりゃ、ありゃしゃんのかわいーしっぽのけづくよいなのりゃあ!」ピカピカガイジガオ

アライちゃん3は、自慢げな顔で尻尾を見せつけてくる。

アライちゃん3「どーなのりゃ、ありゃいしゃんのしっぽはせかいいちかわいーんだぞぉ!」

アライちゃん3「ふははー!ありゃいしゃんをやしなってくれゆなら、ここでしっぽなでたりなめたりしほーだいだぞぉ!」フフン

か………!

可愛いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!

アライちゃん3「ふははー!ありゃいしゃんのかわいーだんしゅにみりょーされたのりゃ?」コスリコスリ

なんてこと。
ハートを射抜かれた。
こんな、こんな野良害獣に魅了されるなんて。

アライちゃん3「のりゃ!のりゃ!」シッポフリフリ

はっふぅんっ!
かわうぃいいい!

あーやばい!私はヘドバンした。
なんてこと。
今までは何とも思わず殺してきたアライちゃん達が、こんなに可愛かっただなんて。

アライちゃん1「」グッタリ
アライちゃん2「ふははー!」シッポフリフリ
アライちゃん3「やすうけおいはしないのりゃ!もっとみたかったら、ごはんよこしゅのりゃあ!」コスリコスリ

アライちゃん2&3「「おひねりくだち!」」コスリコスリ

アライちゃん3「やったのりゃあ!ありゃいしゃんのかわいさで、かんっぜんにめろめろにしたのりゃあ!」コスリコスリ

アライちゃん2「これでありゃしゃんたちをこよせないのりゃあ!さあ、さっさとごはんもってくゆのりゃあ~!」コスリコスリ


どうしてそうなるの?

アライちゃん2「のあ?」キョトン

私は、アライちゃん2の尻尾を掴み、ぶら下げた。

アライちゃん2「ぴいいいいぃぃっ!?いぢゃいのりゃあ!しっぽいぢゃいかりゃはなせぇーー!」ジタバタジタバタ

アライちゃん3「な、なにしてゆのりゃあ!?おまえはあらいしゃんがかわいくって、めろめろのはずなのりゃあ!」

アライちゃん3「めろめろになったら、こよせないはずなのりゃあっ!」ブルブル

こんなに可愛いアライちゃんだけど。
可愛い可愛いアライちゃんだけど。
それでも…
殺さなきゃ。

私は心を鬼にして…
アライちゃん2を高々と持ち上げてから、床へ垂直に投げ落とした。

アライちゃん2「じびっ!」ビターーーンッ

アライちゃん2「のぉああああーーーーーーーんっ!のぉぉーーーーーぁあああーーーんっ!いぢゃいのりゃああああああーーーーーーっ!」ピギイイイィイ

アライちゃん3「おねーしゃんっ!?」

アライちゃん2は、大声で泣いている。
ああ…私はなんてひどいことをしているのだろう。
こんなに可愛いらしいアライちゃんを、思い切り床へぶつけるなんて。

アライちゃん2「いぢゃいいぃーーーっ!!おながいぢゃいいぃーーーーーっっ!びえええーーーんっ!」サスリサスリ

…私は、泣きわめき激痛に苦悶するアライちゃんの表情を見て…
背徳感と同時に、ぞくぞくとした悦楽を感じていた。

胸が高鳴り、息が荒くなるのを感じる。
もっと。
もっと、このぞくぞくとした興奮を、味わいたい。

アライちゃん3「ひ、ヒィィイ!きちがいなのりゃあ!きもいのりゃ!にげゆのりゃああーーーっ!」ヨチヨチヨチヨチ

私がきちがい?
何をバカな…


…いや、どうなのだろう。
『可愛い』と感じた生き物を痛め付けて興奮している私は…
きちがいなのだろうか。

アライちゃん2「あ、ありゃいしゃんも、に、にげゆのりゃあ…!」ペタペタズルズル

逃がさないよ?
私は右手でアライちゃん3の頭を鷲掴みにして押さえ付けた。

アライちゃん3「ぴぎっ!?はなしぇえええ!がいじぃーーっ!」ジタバタッ

そして、アライちゃん3の頭を掴んだまま持ち上げた。

アライちゃん3「ぴ…ぎぃいいいいいっ!くび!くびが!いぢゃいいいっ!くびいぢゃいかりゃおよしてええええっ!」ピギイイイィィ ジタバタッ

そして私は、アライちゃん3の頭を左手へ持ち替え、右手へジュース瓶を握った。

アライちゃん3「はなぢでえ!はなぢでえ!!」ガシイィィ

アライちゃん3が、私の左手を掴み、爪を食い込ませてくる。

そんな抵抗でどうにかなると思ってるの?
私はアライちゃん3の頭を左手で掴んだまま…
アライちゃん3の胴体を、ジュース瓶で右側から思いっきり叩いた。

アライちゃん3「ぎびゅぐぅっ!」ベギイッ

一回じゃ済まないよ。
今度は左側から叩いた。

アライちゃん3「ぎゃぶっ!」ゴキャアッ

これで一往復だね。
二往復目、いってみようか。

アライちゃん3「あ、げ…」ブラン

右!

アライちゃん3「がびゅぅっ!」グシャボギ

左!

アライちゃん3「ぶげっ…」ブギャアッ

もいっちょ右!

アライちゃん3「」グシャアッ

左!

アライちゃん3「」ドグシャアッ

右!

アライちゃん3「」ブヂャアアッ

左!

アライちゃん3「」ベチャアアッ

右!

アライちゃん3「」ブヂャアアッ

左!

アライちゃん3「」ベチャアアッ

右!

アライちゃん3「」ブヂャアアッ

左!

アライちゃん3「」ベチャアアッ

右!

アライちゃん3「」ブヂャアアッ

左!

アライちゃん3「」ベチャアアッ

右!

アライちゃん3「」ブヂャアアッ

左!

アライちゃん3「」ベチャアアッ

…はぁ、はぁ…。疲れたな。
アライちゃん3の様子は…

アライちゃん3「」ブラーン…

…お尻から血を流している。
首はへし折れ、ぶらんと伸びている。

さて、最後の一匹は…?

…おや、いない。
どこかに隠れているのかな。

私は口に出して言う。

「おやー?このリビングから出ていったのかなー?」

「出ていったなら仕方ない、私も別の部屋に戻ろうーっと!」

「出ていったなら、おやつを床に置いておいても平気だよねー!」

…そう言い、私はリビングの真ん中へキャラメルを置いた。
においの強いお菓子だ。

「さーて、戻ろうっと!」

私はわざとらしく足音を立てて、寝室へ向かう…ふりをした。

そして、リビングの出口から、こっそり部屋の中を覗いた。

しばらくすると、タンスの影から…

アライちゃん2「…」コソッ

アライちゃん2が顔を出した。

アライちゃん2「…」キョロキョロ

あのいつもやかましいアライちゃんが、やけに静かで用心深くなっている。

アライちゃん2「…!」ヨチヨチヨチヨチ

タンスの影から這い出てきた。
無言のアライちゃん…いつもと違って不気味だ。
だがそこが可愛いらしい。
ああ、きっと内心怖くて怖くて仕方がないんだろうなあ。

アライちゃん2「…?」クンクン

お、リビングの真ん中のキャラメルに気付いたようだ。

アライちゃん2「≧∀≦」ヨチヨチヨチヨチ

アライちゃん2は途端に笑顔になり、キャラメルの方へ這い寄って来た。

アライちゃん2「(≧'ω≦ )」ガブッ

そして、キャラメルに噛みついた。

アライちゃん2「(≧'ω≦ )」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチ…

アライちゃん2はキャラメルを咥えたまま、玄関の方へ向かって歩いていく。

この場では食べないのか…。
まあいい。
リビングの真ん中まで引きずり出したなら、あとは捕まえるだけだ。

私は勢いよくリビングへ突入し、アライちゃん2へ一直線に駆け寄る。

アライちゃん2「ぴぃぃっ!?」ビクゥ

アライちゃん2「く…くゆなぁああああーーーーーっ!」ヨチヨチシッポフリフリヨチヨチシッポフリフリ

必死に逃げるアライちゃんも可愛らしい。
でもね…ヨチヨチが遅い。遅すぎる。
その重くて大きな頭のせいだね。

私はアライちゃん2の胴体を踏みつけた。

アライちゃん2「ふぎゅびっ!?」ムギュゥッ

足の裏に、あたたかくて弾力のある感触が伝わる。

アライちゃん2「はなぢでーー!このたべものやゆかりゃああっ!」ペッ

アライちゃん2は、咥えていたキャラメルを捨てた。

アライちゃん2「それたべていいかりゃあああああっ!ありゃいしゃんはたべないでええーーーっ!」ピギイイイィィ ジタバタッ

…そうだ。
前にも言ってたね。『アライちゃんって食べれるのか?』

…試してみようか。
私はアライちゃんの右脚を踏み潰した。

アライちゃん2「ぴぎっぃぃいいーーーいぎゃあぃいーーーーっ!!」ベギゴギィ

左脚も踏み潰す。

アライちゃん2「ぎびゃああああああーーーっ!あんよぉおおおおーーーっ!あんよがああああーーーっ!」ベギイィ

次はおててだよ。

アライちゃん2「やなぁ!おててやなぁああああっ!」ビエエエエエエエエエーーンッ

無駄だよ。
私はアライちゃん2の背中を押さえつけ、右腕を無理矢理背中側へ曲げた。

アライちゃん2「ぎじゅびぃいいーーーーっ!いぢゃいいぃいーーーっ!そっちまがりゃないかりゃやべでえーーーーーっ!」メキメキ…

よいしょ。
アライちゃん2の右腕は、ぽきりと折れた。

アライちゃん2「ぎびゃああああああああああああーーーーっ!おててぇーーーっ!おてていぢゃいのりゃあああーーーーっ!」ピギイイイィィ

左腕も、ぽきりと折り曲げた。

アライちゃん2「やべでやべでやべ…ぶぎゅぅぃいいいーーーーっ!!」グシャボギィ

さて。
手足がへし折れたアライちゃん2。

アライちゃん2「のぉおおおおーーーーーびゃああああーーーーんっ!」ビエエエエエエエエエーーンッ

尻尾を掴み、台所へ向かった。
私はアライちゃん2を水道水でじゃぶじゃぶ洗った。

アライちゃん2「うびゅうぅ!つめたいのりゃああっ!」バシャバシャ

そして、まな板の上に置いた。

アライちゃん2「ぷるぷるぷる…」ブルブル

アライちゃん2は、体を震わせて水を切った。
あ、今の可愛い。


私はもう一度、アライちゃん2を水道水でじゃぶじゃぶ洗った。

アライちゃん2「ごぼごぼっ!やべでぇ!おうちかえゆうぅぅーーーっ!」ジャバジャバ

そして再び、まな板の上に置いた。

アライちゃん2「ぷるぷるぷる…」ブルブル

あー可愛い。もう一度。可愛い。もう一度。可愛い。もう一度。可愛い。もう一度。可愛い。もう一度。可愛い。もう一度。可愛い。もう一度。可愛い。もう一度。可愛い。もう一度。可愛い。もう一度。可愛い。もう一度。可愛い。もう一度。可愛い。もう一度。可愛い。もう一度。


アライちゃん2「ぎ…び…」ビショビショ

…とうとう疲れたのか、水切りをしなくなった。

ああ…もういいや。
私は包丁を取り出し、アライちゃん2の首筋へ押し付けた。

アライちゃん2「ぴぃっ…!?なんなのりゃそれ…ひぃっ!や、やべでええっ!」ブルブル

だーめ。
私は包丁を、アライちゃん2の首へ突き刺した。

アライちゃん2「ぎびゃああああああああああーーーーーーっ!!」ブシャアアアアドクドク

…大量に流れ出た血を見て…
私は、自分がやっていることの異常さに気付いた。

…私は何をやっているの…?
食べようとしている?アライちゃんを?

アライちゃん2「ぎ…び…」ドクドク


…いや…それは…無いでしょ…。

こんなに可愛いアライちゃんを…。
殺すのはともかく…
…食べるのは、ちょっと…やっぱ無理。

私は、アライちゃん1~3をビニール袋へ詰め、冷凍庫へ詰めた。

…次の燃えるゴミの日に捨てよう。

…それにしても。
さっきの感じは、何だったんだろう。

野良アライちゃんを、あんなに可愛く感じるなんて…。

そして、可愛いアライちゃんを殺すのが、あんなに…
…ぞくぞくするなんて。

私のこの感覚はおかしいのかな…
他の人達は、こういう気持ちは持たないのかな…


その時。
玄関からチャイムが鳴った。

誰だろう?
私は玄関へ行く。

玄関の扉を開けると…

肉料理屋店主「よ。夜にすまんな」

あ、オーナー…
どうしたんですか?上がっていきます?お茶飲みます?

肉料理屋店主「ああ、いや、気を遣わなくていいさ」

どうしたんですか?

肉料理屋店主「ああ、それがな…」

その時。
玄関から、風が吹いてきた。

その風が…!
…私のネグリジェの裾を、胸まで捲り上げた…!

肉料理屋店主「!?」

私ははっと驚き、ネグリジェの裾をぎゅーっと押さえた。
頭が真っ白になった。

自分の顔がどんどん真っ赤になっていくのを感じる。
胸がドキドキする。

肉料理屋店主「」アセアセ

オーナーは狼狽えている。
…ど、どうしよう。
今、このネグリジェは素肌の上に着てて、これ一枚だったんだけど…。

肉料理屋店主「…え、えと…。そ、それでだな、要件は…」マエカガミ

え!?
オーナーは何事もなかったかのように話し続けた…!
そういう反応します!?

肉料理屋店主「…み、見てないし…」マエカガミ

それは通りませんよ!?
じゃあ何で前屈みになってるんですか!?

肉料理屋店主「…見るつもりはなかった、す、すまん」アセアセ

…じゃあ、その前屈みやめてください。

肉料理屋店主「わ、分かったよ…」サッ

オーナーはショルダーバッグを下腹部の前にぶら下げてから、真っ直ぐに立った。

…そ、それで。
ご用件はなんですか?

肉料理屋店主「…例の件だ。アライさんの肉がどうのこうのってやつ」

ああ、それですか…。
…うーん…。
今更になって、やめとこうかなって思ってきてるんです。

肉料理屋店主「そ、そうか…。そいつは失礼したな」

…そのショルダーバッグの中、何入ってるんですか?

肉料理屋店主「…これだ」サッ

オーナーは、ショルダーバッグから、パックに入った肉の味噌漬けを出した。

え…!?
そ、それって、まさか…

肉料理屋店主「…成体を捕まえて、ちょっとな。…不愉快なら仕舞ってさっさと帰るぜ」

いや…いいです。
…で、どうだったんですか。

肉料理屋店主「…クッソ美味かった」

…え、えぇ…

肉料理屋店主「やっぱドン引きしてるか」

…まあ、多少は…

肉料理屋店主「…変な話して悪かった。…じゃ、じゃあな」クルッ

オーナーが帰ろうとしている。
ま、待って!
私はオーナーの肩を掴み、ぐいっと引き留める。

肉料理屋店主「うおっ!?」ズッコケ

きゃあっ!?
私は、ずっこけたオーナーの下敷きになって倒れた。

肉料理屋店主「いてて…大丈夫か?」

…大丈夫ですよ。でも…

肉料理屋店主「ん…?」モミモミ


…揉まれた。オーナーに。

下敷きになった私は、ネグリジェの裾がへその上あたりまで大きく捲れていた。
そしてオーナーの手が、私の胸を鷲掴みしていた。

肉料理屋店主「えっ!?う、うわああっ!」バッ

私の胸に手をついていたオーナーが、手をどけた。

私は、すかさずネグリジェの裾を直し、ぎゅーっと押さえた。

肉料理屋店主「っ…」アセアセ

オーナーは、再びショルダーバッグを下腹部の前にぶら下げて、真っ直ぐに立った。

肉料理屋店主「わ、悪い…ああ、俺は大事なアルバイトさんに2度もセクハラを…」アセアセ

…どうでしたか。

肉料理屋店主「どうって…」アセアセ

自慢じゃないですが…Gカップありますよ、私。
いえ、やっぱこれは自慢です。自慢させてください。

肉料理屋店主「…悪気はなかったんだ…。なんか今日のお前、不運だな…」ペコリ

不運?

肉料理屋店主「…いや、ほんとすまん。不愉快だったよな…色々と」

…なんというか。
漫画みたいなラッキースケベですね。

肉料理屋店主「…お前にとっちゃ、アンラッキーアクシデントじゃないか?」

…そんな事ありませんよ。

肉料理屋店主「え?」

いや、何でもないです。
…それより、そのお肉…調理済みですか?

肉料理屋店主「あ、ああ…。冷やしてるけどな」

…うちのレンジでチンして食べましょう。
上がっていってください。
お茶出しますよ。

肉料理屋店主「マジか。…お邪魔するぜ」スタスタ

オーナーがリビングに来た。

私はレンジで、オーナーから貰ったお肉をチンした。

そして、リビングに持ってきた。

肉料理屋店主「…」チラチラ

オーナーは、私から目を逸らしている。
…胸元もけっこう空いてるし、裾もミニだからかな。

…そんなに警戒しなくていいんですが。

肉料理屋店主「お前には、あれだ…羞恥心ってあるのか?」

ありますよ。

肉料理屋店主「そ、そうか」

あるからこそ…
…いや、やめときましょう。

肉料理屋店主「…で、それ…ホントに食うのか?」

頂きますよ。
オーナーが私のために持ってきてくれた料理。
食べないわけにはいかないでしょ。

肉料理屋店主「…忠告しておくが…。お前、クールー病って知ってるか?」

何ですかそれ?

肉料理屋店主「プリオンという蛋白質が引き起こす…、致死性の感染症だ」

聞きましょう。

肉料理屋店主「簡単に言うと、人間版のBSE(狂牛病)みたいなもんだ。人間同士で共食いをすると、起こることがあるらしい…」

BSE…
脳が萎縮していき、やがて死んでしまうというアレですか。

肉料理屋店主「…アライさんはあの通り、見た目も霊長類っぽいし…、色々よく分かってないとこがある」

肉料理屋店主「これを口にするっていうのは、そういう未知のリスクを背負うってことだ」

肉料理屋店主「今なら…こんなわけわかんねー生き物を食ったせいで、未知の変な病気にかかるってリスクを負わずに済むんだぜ」

肉料理屋店主「…どうする?」

…私は味噌漬けのお肉を箸で掴んで食べた。

肉料理屋店主「ああっ!?何の迷いもなく食いやがったーーーーッ!?」

…!美味しい…!
こんな美味しいお肉、食べたことないです!

肉料理屋店主「スゲェだろこれ」

…ご馳走さまでした。凄く美味しかったです。
…しかしオーナー、よく食べる気になりましたね。

肉料理屋店主「…ま、まあな。それに、そりゃこっちのセリフだぞ」

…何というか。
運命を共にしたいというか…その…
…なんでもないです。

肉料理屋店主「…とにかく。これが結果だ。…ネットで探したが、アライさんを食ったなんて話は未だ日本中のどこにもねえ」

じゃあ、私たちがパイオニアってことですね。

肉料理屋店主「…人に言うなよ?俺らだけの秘密だ」

ええ、そうしましょう。

肉料理屋店主「お茶うまかったぜ。じゃ、また明日な」

あ、待ってください。

肉料理屋店主「どうした?」

これ、持っていってください。

私は冷凍庫からさっきのアライちゃんを取り出して、オーナーへ渡した。

肉料理屋店主「あ、ああ…アライちゃんか。サンキュー」

これも食べれるんですか?
歩留まり悪そうだけど。

肉料理屋店主「…多分な。色々勝手が違うかもしれんが…」

…美味しかったら教えてください。

肉料理屋店主「おうよ、またなー」スタスタ



~寝室~

私はベッドの上で、先程の出来事を思い出していた。

アライちゃんを可愛いと思ってしまったこと。

そのアライちゃんをなぶったとき、背徳的な悦楽を感じたこと。

オーナーのアライさん料理が、とっても美味しかったこと。

そして、何より…

オーナーにネグリジェの下を見られて、胸を揉まれたこと。

…それを思い出すだけで、下腹部がどんどん熱くなっていくのが分かる。
奥がきゅんきゅんして疼く。

もっとじろじろ見られたかった。

もっといっぱい揉まれたかった。

前屈みのオーナーがショルダーバッグで隠した下腹部が、どんな状態だったか見たかった。

私はベッドの上で、それらの『もっと』を妄想する。

下半身の奥がむずむずしてくるのを感じた。

オーナー、ごめんなさい…。

私はもう我慢できず、熱い下腹部へ手を伸ばし、激しくまさぐった。
オーナーに、先程よりもっと積極的に、もっと大胆なことされるのを妄想しながら。

そして、私は、最も積極的で大胆な行為をされる妄想をしながら…
オーナーに最もされたいことを妄想しながら…
絶頂に達した。


気持ち良すぎて腰が抜けてしまった…。

そして何より。
知り合いを、バイト先のオーナーをそういう目で見てしまったことに、とてつもない罪悪感を覚えた。



~翌日、肉料理屋~

肉料理屋店主「なんか今日、お前よそよそしくないか?」

…罪悪感がちょっと…。

肉料理屋店主「そっか…。じゃあ、やっぱ例の料理はやめとくか?」

あ、そっちじゃないです。

肉料理屋店主「…いろいろ悩んでるんだな」

…まあ、そうですね。

つづく



アラキレス「のだぁ…のだぁ…」zzz

アライちゃんは夜行性の動物。
朝から昼にかけてはずっと寝ている。

眠ってるアラキレスも実にキュート。
しかし、こないだはもったいないことをしてしまった。

あの可愛い可愛いしっぽの毛繕いダンス…
アラキレスの前で披露させ、教えさせればよかった。

今度家の中で野良アライちゃんを見かけたら、なにか芸をさせてみよう。

それが可愛いかったら、アラキレスに教えさせよう。

夕方。

アラキレス「ふわぁ~…」ムクリ

アラキレスがあくびをしながら起きた。

アラキレス「うゆぅ、かいぬししゃん…おはよーなのりゃ…」

おはよ。
夕ごはんたべな。

アラキレス「きょーのごはんはなんなのりゃ?」シッポフリフリ

今日は…ジャーン。ポップコーンだよ。
私はケージの中のアラキレスへ、ポップコーンの袋を開けて見せた。

アラキレス「!!いーにおいすゆのりゃあ!かいぬししゃーん!たべさせてなのりゃあ!」

はいよー。
私はケージを開けて、中へ手を突っ込んだ。

アラキレス「なのりゃー!≧∀≦」ガシィ

アラキレスが私の手を抱き締めてくる。
あーかわいい。
私はアラキレスをケージから出した。

アラキレス「なのりゃー」ヨチヨチシッポフリフリヨチヨチシッポフリフリ

アラキレスは、ポップコーンの袋へ猪突猛進した。

アラキレス、待て!

アラキレス「うゆ!」ピタッ

アラキレスは、ポップコーンを目前にしてじっと待った。

アラキレス「…っ」ヨダレダラダラ

アラキレスはポップコーン見ながら涎を垂らしている。

アラキレス「……………っ」チラチラ

アラキレスはこちらをチラチラと見ている。


アラキレス、まだだよ、待て。

アラキレス「≧~≦;」プルプル…

アラキレス「…ぴいいいぃぃ~~~っ!はやくたべたいのりゃあああっ!」ブルブル

あとちょっと待ちなさい。

アラキレス「うゆううぅぅ…!ゆーこときかなきゃぶたれる…びりびりされゆぅ…!」ウルウル


…アラキレス、食前のあいさつ。

アラキレス「いただきましゅなのりゃああああっ!」コスリコスリコスリコスリ

…食べてよし!

アラキレス「のりゃああああーーーーーーーーっ!≧∀≦」ピョーンッ

アラキレスは、ポップコーンの山へダイブした。

アラキレス「うゆぅ~しろくてふっわふわなのりゃあっ!」ガシィ

アラキレスは、ポップコーンを1個掴んだ。

アラキレス「がぶっ!」ガブリ

そして、一噛りした。

アラキレス「あむあむあむあむあむっ!もぐもぐっ!」モグモグサクサク

アラキレスは、夢中でポップコーンをかじっている。

アラキレス「おいちーのりゃあぁ!しょっぱいけどおいちーのりゃああっ!あむあむあむあむあむっ!」モグモグ

アラキレスは大喜びでポップコーンを貪っている。

その姿を、私はスマホで動画撮影している。
インスタ映えするかな。

アラキレス「ぷはー!おいちーけど、のどかわくのりゃあ」コスリコスリ

はいよ。
私はお皿に水を注いで置いた。

アラキレス「おみじゅなのりゃー!」ヨチヨチヨチヨチ

アラキレスが、皿の方へ寄って来た。

アラキレス「ぺちゃぺちゃぺちゃぺちゃぺちゃ…」ペチャペチャ

アラキレスが、皿の上の水を舌で舐めている。

アラキレス、待ちなさい。

アラキレス「ぺちゃぺちゃぺちゃ…」ペチャペチャ

アラキレス待て!
私はアラキレスのふわふわの襟をつまんで持ち上げた。

アラキレス「ぴいいいぃぃ~~~っ!?な、なんなのりゃあ!?かいぬししゃん!?」ブルブル

あなたはアライグマと違って、ちゃんと大きな頬袋があるんだから。
そんな下品な飲み方しちゃダメ。

アラキレス「どうすればいーのりゃ?」

ゆっくり吸いながら、ごくごく飲みなさい。

アラキレス「うゆ!やってみゆのりゃ!ちゅっ!」チュッ

アラキレスが、水を注いだお皿に口をつけた。

アラキレス「じゅるるるるるっ!じゅばっ!じゅずるるるぅっ!」ジュルジュル

下品だってば!
もっとゆっくり飲みなさい。

アラキレス「…ごく…ごく…」コクンコクン

そう!それでいいんだよ。
いい子だね~アラキレスは。

アラキレス「ぷはぁ~」

よく出来たね、偉い偉い。
私はアラキレスを撫でた。

アラキレス「うわぁ~い!ほめられたのりゃあ!かいぬししゃんしゅきしゅきなのりゃあ!」スリスリ

アラキレスが私の手に頬擦りしてきた。
あーたまらん。

私はポップコーンを1個つまんだ。
ほら、食べてごらん。

アラキレス「あーん」ガシィ

アラキレスは、ポップコーンを掴む。

アラキレス「ぱくっ!」ガブゥ

そして、私がつまんだままのポップコーンをかじった。

あー。
死ぬほどかわいい。

アラキレス「のりゃ!のりゃ!」ヨチヨチヨチヨチ

アラキレスは、再びポップコーンの袋へ突撃した。

アラキレス「はぐはぐはぐ!あむあむあむあむあむあむっ!」モグモグ

アラキレスは、ポップコーンをたくさん食べた。

アラキレス「ふぅー、おなかいっぱいなのりゃー」ゴロン オナカポッコリ

アラキレスは、仰向けに寝転んだ。
お腹はぽっこりと膨らんでいる。
あの胃袋の中に、咀嚼したポップコーンが詰まってるんだろうな。

アラキレス「げふー、もうたべれないのりゃあ」サスリサスリ

アラキレスは、ぱんぱんのお腹をさすっている。

…アラキレス、食後の挨拶は?

アラキレス「ごちそーさまでちたのりゃあ」ゲフー

あー。かわい。
まんまるお腹のアラキレスかわいい。

アラキレス「いっぱいたべたら、うんちしたくなったのりゃ~」コスリコスリ

じゃあ、ちゃんとケージに入ってトイレでやりなさい。
ここで漏らしたら殺すよ。

アラキレス「うぅー!おなかおもいのりゃあ!」ゴロン

アラキレスは体を起こし、四つん這いになった。

アラキレス「わっちぇ、わっちぇ」ヨチヨチヨチヨチ

そして、つらそうにケージへ戻った。

アラキレス「といれなのりゃー」ピタッ

アラキレスはトイレの位置についた。

アラキレス「ん…しょっ…」

アラキレス「うぅーっ!」ブリブリブリブリ

アラキレスは猫砂の上へ排便した。

アラキレス「はーきもちいいのりゃ…」ブリブリブリブリ

アラキレス「おしっこもすゆのりゃ…はぁ~…」チョロロロロロロ…

そして猫砂の上に排尿した。

アラキレス「ふぅー、きもちよかったのりゃあ」シッポフリフリ

アラキレス「てぃっしゅーでおちりふくのりゃ」ガシィ バリッ

アラキレスは、備え付けの小型トイレットペーパーを手に取った。

アラキレス「ふわぁ~」フキフキ ポイッ

そして、トイレットペーパーを猫砂トイレへ捨てた。

一旦ここまで


※一部の(大多数の?)方に不快な表現が続いていることをお詫びいたします



~ペットアライちゃん工場、出産室~

妊娠ダルマアライさん「ふんぬぐぐぐ!うううぅぅ…!」ブルブル

ここは、ペットアライちゃんを生産している工場。

手足がなく、お腹の大きなアライさんが、台に固定されている。

妊娠ダルマアライさん「のだああああああああああ!!」ニュポォ

アライちゃん1「ぴぎぃーー!ぴぎぃーー!」ニュポォ ズルズルゥ ポテッ
アライちゃん2「のああー!のああー!」ニュポォ ズルズル ポテッ
アライちゃん3「きゅるるぅぅ」ニュポォ ズルズル ポテッ

妊娠ダルマアライさん「はぁ…はぁ…また産まれたのだぁ…」ハァハァ

職員「3匹か。少ないなぁ」ガシィ ヒョイッ

そこへ職員がやってきて、産まれたばかりのアライちゃん達をケージへ入れていく。

妊娠ダルマアライさん「お…お前えええええっ!また!またアライさんの可愛いチビを!どこに持っていくのだぁっ!」フゥウーーッ

職員「…」ガラガラ

アライちゃん達「「のりゃああああああーーーん!のぁああーーーんっ!」」ピィピィ

妊娠ダルマアライさん「ああ…ちび達を持っていかないでなのだぁ…」ウルウル

職員「…」ガラガラ

職員は、アライちゃん達の母親の訴えを一切無視して、アライちゃんを運んだ。

このアライちゃん達は、ペットとして店頭へ並べるのである。
こんなクソみたいな害獣に育てさせては、商品価値がマイナスまで駄々下がり間違いないであろう。

ダルマアライさん2「返せぇえええええ!アライさんのチビを返せぇえええええ!」シッポブンブンブンブン

ダルマアライさん3「…ちびに会わせて欲しいのだ…お願いなのだ…」

ダルマアライさん4「はやく交尾させryのだぁ、気持ちいいことして全部全部忘れたいのだぁ」ヘラヘラ

職員「…」ガラガラ



~ヨチライフ手術室~

職員「…」スッ

アライちゃん1「のぁぁー!のぁぁー!」ポトッ

職員が、アライちゃん1をベッドに寝かせた。

職員「…」スゥッ

そして職員は、ハサミでアライちゃん1の右の脛を挟んだ。

ハサミ「」バチンッ

アライちゃん1の脛から下が切断された。

アライちゃん1「のぁあ!?のびゃああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーんっ!のぁあああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーんっ!」ピギイイィイィ

アライちゃん1の脛からは出血している。

職員「…」グルグル

職員は、脛を紐できつく縛ってから、切断面を縫い合わせた。

職員「次は左」スッ

ハサミ「」バチンッ

左の脛から下も、同様に切断され…

アライちゃん1「ぴぎいいいぃいいいいいいいゃああああーーーーーーーーーーーっ!のおおぉおおおーーーぁあああああーーーんっ!」ビエエエエエエエエエーーンッ

…同様に縫い合わされた。



アライちゃん1~3「「「のぉおおおーーーーぁあああああーーーーんっ!のびゃああああああーーーーんっ!」」」ビエエエエエエエエエーーンッ

3匹すべてのアライちゃん達が、脛から下を切断された。

職員「…」ガラガラ

職員は、アライちゃん達を入れたケージを、次の部屋に運んでいく。



~育児室~

アライちゃん1~3が運ばれてきたのは…

アライちゃん達「のあー」ウジャウジャ
アライちゃん達「なのあー」コスリコスリ
アライちゃん達「のあのあ」ウジャウジャ ヨチヨチ
アライちゃん達「んあー」ウジャウジャ ヨチヨチ
アライちゃん達「のりゃあ…のりゃあ…」zzz

アライちゃん達がウジャウジャと寝っ転がっている水槽の中であった。

職員「…」ガシィ ヒョイッ

アライちゃん1「うびゅうぅううう~~!うみゅうぅぅう~~~っ!」グスグス
アライちゃん2「のぁああああ!のぁあああああっ!」ビエエエエエエエエエーーンッ
アライちゃん3「きゅるるるるぅ!ぴぎゅるるるるるぅ!」コスリコスリ

アライちゃん1~3は、水槽に入れられた。

飼育員「…」ガシィ ダキッ

アライちゃん1「のぁあああ~~~!のぁあああ~~~!」ジタバタ

飼育員「…」グイイ

飼育員はアライちゃん1を抱き抱え、口に哺乳瓶を押し付けた。

アライちゃん1「あむ!…むぐっ、じゅるっ、ずじゅううるるるるっ!はむっ!じゅるるっ、はむっ、れろれろっ」ペチャペチャ

アライちゃん1は、哺乳瓶からミルクを啜った。

職員員「次」ヒョイッ グイイ

アライちゃん2「ぢゅぱっ!ちゅぱちゅぱ…ごくごく…」ゴクゴク

アライちゃん2も、同様にミルクを与えられた。



しばらく経ち、アライちゃん1~3は若干大きく成長した。

飼育員「アライちゃん、おいで」

飼育員は、アライちゃん達から離れた場所から、哺乳瓶を見せている。

アライちゃん1「の…ぁ…のあぁ…」ズルズルペタペタ

アライちゃん2「の…りゃあ…」ズルズルペタペタ

アライちゃん3「のぁぁ…」ズルズルペタペタ

メカアライちゃん「ウィーン」ガシャガシャヨチヨチ

アライちゃん達は、必死に哺乳瓶のほうへ這い寄っている。

その中で一番速いのは、ラジコンで動くぬいぐるみアライちゃんであった。

アライちゃん3「のぁああーーんっ!のぁああーーんっ!」ピタッ ビエエエエエエエエエーーンッ

アライちゃん3が歩みを止めて泣き出した。

飼育員「ここまで来れないなら、ミルクはあげられないな」

アライちゃん3「のぁああーーんっ!のぁああーーんっ!」ビエエエエエエエエエーーンッ

アライちゃん1「う…の…のりゃあああ!」ヨチヨチヨチヨチ

アライちゃん2「う…ゆ…のりゃあ…」ズルズルペタペタ

メカアライちゃん「ウィーン」ガシャガシャヨチヨチ

アライちゃん1&2は、飼育員の方へ這い寄ってきた。

アライちゃん1「のぁあー!のぁあー!」コスリコスリ

アライちゃん2「のりゃ!のりゃ!」コスリコスリ

飼育員「…」

アライちゃん達は飼育員の足元にすり寄るが、飼育員はミルクを与えない。

メカアライちゃん『シッポフリフリ シッポフリフリ』シッポフリフリフリフリ

模型アライちゃんは、飼育員に向かって尻尾を振った。

飼育員「はい、よーくできたねぇ」ダキッ ナデナデナデナデ

メカアライちゃん『ノリャー』シッポフリフリ

飼育員「いい子だねえ。ミルクあげるよ」グイイ

メカアライちゃん『オイチーノリャ オイチーノリャ』シッポフリフリ

飼育員は、模型アライちゃんへミルクを与えるふりをした。

アライちゃん1「の…ぁ…」
アライちゃん2「のぁあぁ…」

飼育員「…」スッ

飼育員は模型アライちゃんを床に置く。

アライちゃん1「うぅ~」
アライちゃん2「うゆぅぅ~」

メカアライちゃん『シッポフリフリ シッポフリフリ』シッポフリフリフリフリフリフリ

模型アライちゃんは、再び飼育員へ向けて尻尾を振った。

飼育員「そうだよ。尻尾を振るのがおねだりの合図だよ」ダキッ グイイ

メカアライちゃん『ノリャー ノリャー』シッポフリフリ

アライちゃん1「のぁああ…」
アライちゃん2「のりゃあ…」

アライちゃん1「の…のりゃっ!のりゃ!」シッポフリフリ

アライちゃん2「のあー?」

アライちゃん1は、模型の真似をして尻尾を振った。

飼育員「よく出来ました!頭いい子だねえ」ダキッ グイイ

飼育員はアライちゃん1を抱っこして、頭を撫で、哺乳瓶を押し付けた。

アライちゃん1「はむっ!じゅるるるるるっ!きゅるるるぅ!ずぢゅぢゅるるぅっ!」ヂュパヂュパ

アライちゃん1は、哺乳瓶からミルクを啜っている。

アライちゃん2「のぁあ!のりゃあ!」シッポフリフリ

アライちゃん2も尻尾を振った。

飼育員「よしよし。君にもあげるね」ダキッ グイイ

アライちゃん2「ぢゅるるるぅ!ちゅぱちゅぱ…ごくごく…」チューチュー


こうしてアライちゃん達は…尻尾を振ることで、
『餌』と『愛情』を貰えることを学習した。

また、餌は欲しいときに無条件で与えられるのではなく、
ミッションや言いつけを守らないと貰えないということも学習し始めたようだ。

アライちゃん3「のぁああーーーんっ!のぁああーーーんっ!」ビエエエエエエエエエーーンッ

…そのことを理解していないアライちゃん3は…

飼育員「餌の時間はおしまいだ。ケージに戻れ」ヒョイッ

アライちゃん1「ぷはー」ポテッ
アライちゃん2「けぷぅ」ポテッ
アライちゃん3「のりゃあああああんっ!のぁあああーーーんっ!」ジタバタ

…ミルクを与えられず、ケージへ戻された。

…一週間後…

ケージの中には、アライちゃん1~3がいる。

アライちゃん1「なのりゃー」ヨチヨチ
アライちゃん2「のりゃー」ヨチヨチ
アライちゃん3「」

…だが、アライちゃん3は動かない。

飼育員「…ん?こいつ…」ヒョイッ

アライちゃん3「」ブラーン

飼育員「…死んでるな。捨てよう」ガサッ ポイッ

ゴミ箱「」ガコンッ

…学習能力が低かったアライちゃん3は餓死し、ビニール袋へ包まれてゴミ箱へ捨てられた。

つづく

~宣伝~

番組を視聴中の皆様へ、プレゼントのお知らせです!

こちらの製品をご覧下さい!

メカアライちゃん1『ノリャー ノリャー』ガシャガシャ ヨチヨチ

メカアライちゃん2『シッポフリフリ シッポフリフリ』シッポフリフリフリフリフリフリ ウイーンウイーン

メカアライちゃん3『オイチーノリャ オイチーノリャ シュキシュキナノリャー』ウイーン ウイーン

本物そっくりでしょう?
アライちゃん調教用の、ラジコンで動く模型アライちゃんです!

番組へアンケートを送ってくれた方へ、なんと抽選で3名様へプレゼント!

メカアライちゃん1~3『カイヌシシャーン シュキシュキナノリャー』シッポフリフリウイーンウイーン

いつでもどこでもアライちゃんに癒されたい方、どしどし振るってご応募ください!



アライちゃん1「のりゃ!のりゃ!」ヨチヨチコスリコスリ

アライちゃん2「うゆぅ~」ヨチヨチコスリコスリ

アライちゃん達「なのりゃー」ウジャウジャヨチヨチ
アライちゃん達「のぁ、のぁ」ウジャウジャヨチヨチ
アライちゃん達「うーゆぅー」ウジャウジャヨチヨチ

ケージの中のアライちゃん達は、簡単な言葉を喋れる程度に育っていた。

アライちゃん達は、母親や人間と話しているうちに、自然と言葉を覚える。

その学習能力たるや凄まじい。
一度聞いた言葉は、ほぼ完璧に使いこなしてしまう。

人間でさえ、言葉を身につけるには長い勉強と訓練が必要だというのに…
それを遥かに上回る、科学的に説明不可能なレベルの高い学習能力をもつ。

アライちゃん1「ありがとなのりゃー」ヨチヨチ
アライちゃん2「おはようなのりゃー」ヨチヨチ
アライちゃん4「こんばんはなのりゃー」ヨチヨチ
アライちゃん5「たーけやーしゃおだけぇー♪」コスリコスリ
アライちゃん6「いーしやーきいもー♪おいもぉ~♪」ヨチヨチ
アライちゃん7「きゅーよーあっぷなのりゃー、しょーきゅーなのりゃー」コスリコスリ
アライちゃん8「こんやはのみにいくのりゃ~」ヨチヨチ
アライちゃん9「ちこくなのりゃー」ヨチヨチ
アライちゃん10「のうはうをちくせきすゆのりゃ~」ヨチヨチ

…原理は未知だが、現象は既知となっている。
全身麻酔みたいなもんである。



さらに時間が経った。
それまでは、ケージの中を這い回って、ただ餌を探してばかりだったアライちゃん達が…

アライちゃん1「のりゃ!のりゃ!おもちよいのりゃ!」ガラガラ

…回転車の上でヨチヨチ行きをしたり。

アライちゃん2「これなんなのりゃー?」ガチャガチャ

アライちゃん4「おもちよいのりゃ~!」ガチャガチャ キャッキャ

積み木やブロックで遊び始めたり。

アライちゃん5「かけっこすゆのりゃ~!のりゃ!のりゃっ!」ヨチヨチヨチヨチ

アライちゃん6「うゆぅ~っ!まけないのりゃあ~っ!」ヨチヨチヨチヨチ

競争をし始めたり…
『遊ぶ』ようになってくる。

これは、知能が発達し始め、生きるための知恵を身に付けようとする段階である。

この頃のアライちゃんは知的好奇心旺盛であり、なんでも知りたがる。

この頃から、アライちゃんにはペットとしての本格的な人格形成教育が始まる。

飼育員「みんな。今日のご飯前トレーニングの時間だよ。ちゃんと課題をクリアできた子から、ご飯をあげるよ」

アライちゃん達「「「のりゃ~っ!」」」シッポフリフリフリフリフリフリ

ここまで育ってきたアライちゃん達は、
ご飯は無償で貰えるものではないことが分かっているようだ。

飼育員「今日は、お勉強をするよ。これから君たちがどうなるか、どうやって生きていけばいいかを教えてあげよう」

アライちゃん達「「はいなのりゃ~!」」コスリコスリコスリコスリ

飼育員「突然だけど、君たちはいつまでここで暮らしていられると思う?」

アライちゃん1「みんなといっしょに、ここでずぅ~っとくらすのりゃ」コスリコスリ

飼育員「ところがそうはいかない。ここに、大きくなりすぎたアライちゃんがいる」グイイッ

四足歩行アライしゃん「うぅーっ!はなしぇーっ!」ズルズル

アライちゃん2「おっきーのりゃあ!」コスリコスリ

アライちゃん4「ありゃいしゃんもはやくおーきくなりたいのりゃあ!」コスリコスリ

飼育員「でもね。ここはちっちゃなアライちゃんしか住めないんだ。もし、ここに住んだまま、このくらい大きくなったら…」スチャッ

飼育員は、ハンマーを取り出した。

飼育員「えい!」ドガァッ

四足歩行アライしゃん「ぎびぃ!?」ボゴォ

アライちゃん達「「!?」」

飼育員「君たちは全員!こうやって!死ななきゃ!いけないんだっ!」ボゴォ ボゴォ ボゴォ

四足歩行アライしゃん「びぎゃぃ!じびぃ!がいぬししゃ、やべ!ぶぎゅっ!」グシャアドシャアボギャアグチャァ

四足歩行アライしゃんは、重く大きなハンマーで滅多打ちにされ、血塗れになっていく。

アライちゃん1「ぴぎいいぃぃーーーっ!こわいのりゃああああーーーーーーっ!」ビエエエエエエエエエーーンッ

アライちゃん2「やなのりゃあああーーーーーっ!」ビエエエエエエエエエーーンッ

アライちゃん4「やだあああーーーー!それしないでぇーーーーっ!」ピイイイィィ

アライちゃん5「のぁああーーーんっ!のぉおおおーーーーぁあああああーーーーんっ!」ビエエエエエエエエエーーンッ

飼育員「さて。君たちは、こうなりたい?」

四足歩行アライしゃん死骸「」グチャア

アライちゃん達「いやなのりゃああああああーーーーっ!」ピイイイィィ

飼育員「こいつが死んだのは、お仕事ができなかったからだ。君たちも、お仕事ができなかったらこうなる」

飼育員「でも君たちは、一生懸命頑張ってお仕事をすれば、幸せに生きていくこともできる。どっちがいい?」

アライちゃん2「しあわせがいーのりゃああ!」ウルウル

飼育員「よしよし、いい子達だね。それじゃあ、お仕事の仕方を教えるよ。死にたくないなら一生懸命お勉強してね。こうなりたいならサボってもいいよ」

アライちゃん4「がんばゆのりゃあ!」ウユユゥ


役に立たなくなったら殺される。
まずはそれを教える。

アライちゃん達に、100%正しい事実を教える必要はない。

ペットになる上で、都合のいい情報だけを信じ込ませればいいのである。

飼育員「アライちゃん達は、可愛い生き物です。君たちのお仕事は、飼い主の人間さんと一緒に暮らして、その可愛さで幸せにしてあげることです」

これは半分本当である。
アライちゃんの容姿に対する評価は千差万別。

『可愛い』と評する者もいれば、
『醜い』『キモい』『絶滅してほしい』と評する者もいる。
中には、『殺したい』と評する者もいる。

…しかし、ペットアライちゃんのビジネスが成り立つのは、『可愛い』と評する者たちのお陰だ。
今はアライちゃんの容姿を『可愛い』と言っておけばいいだろう。

アライちゃん5「うゆ~」コスリコスリ

アライちゃんに教えることは、大きく分けて三つだ。

一つ目。

アライちゃんは、飼い主を喜ばせることでしか餌を貰えないということ。
逆に、飼い主を怒らせたり機嫌を損ねたら、捨てられてしまうということ。


例えば…
食べていいと許可を得ていないものを食べる。

家にあるものを、許可なく勝手に壊す。

飼い主が怒ったり、命令したことに従わず我が儘を言う。

飼い主の世話がなくても生きていけるなどという馬鹿げた妄想を抱き、独り立ちしようとする。

飼い主からお世話してもらっていることを、当然のことと思い、感謝しなくなる。

…そういう『不良』になった大人のアライさんが、飼い主に虐められ、虐待され、野山に捨てられていく様子を、飼育員はビデオでアライちゃん達へ見せた。


尚、これは半分嘘だ。
アライさんを捨てることは法律上許されない。
実際は、引き取りサービスによって『アライさんの楽園』へ連れていかれるが、ここでは教える必要がない。

二つ目。

アライさんはとても弱い生き物であるため、一生人間に世話されなければ生きていけないこと。
決して人間のもとから独り立ちすることができないということ。


先程のビデオの続きでは…
野山に捨てられたアライさんは、野犬に襲われて食べられてしまった。
(※実際は猟犬を使って撮影した。)


アライさんは人間と違い、生まれつき足首がない。
そのため、速く走ることはできない。

どんなに大きく成長しようとも…
人間の保護下から逃げ出したら、野犬や熊などの怖い獣にいとも容易く食べられてしまう、弱い存在だと、何度も何度も繰り返し教えた。


お利口なアライさんは、きちんと言い付けを守り、飼い主に反抗せずに幸せに暮らすが…

ごく稀に、『自分は特別だ。自分は飼い主がいなくても生きていける』『一人で自由に生きたい』と愚かにも自らを過信し、飼い主に反抗するバカがいる。

そういった者は、
『皆の笑い者』
『自分がバカだと理解できない本物のバカ』
『生き恥晒し』
『誰からも見下される、劣等中の劣等』
であるため、皆飼い主に見捨てられ、皆例外なく残酷な死を迎える

一度でも飼い主のもとを去ったら、二度と飼って貰えない。

だから、決してどんなバカに育たないように…と、飼育員は何度も何度も繰り返しアライちゃん達へ言い聞かせた。


これは80%ほど嘘である。
実際のところ、『きちんと言い付けを守り、飼い主に反抗せずに幸せに暮らすお利口なアライさん』など殆どいない。

これだけの教育をしても、自らを過信し、独り立ちしようとして飼い主に反抗するアライさんがほとんどである。

三つ目。

アライちゃん達は、誰にも飼われなければ殺処分される。
飼い主はその運命から救ってくれた命の恩人なのだから、飼い主に感謝し、愛し、好きになる努力をする必要があるということ。


アライちゃん達は、いくら可愛くても、無償で愛されることはなく、施しを受けることもできない。


飼い主に嫌われ、『飽きられた』ら、アライちゃんはいとも容易く野山に捨てられ、野良犬の餌になる。
(※くどいようだが、実際は捨てられず楽園送りとなる。)


そうならないようにするためには、飼い主を『好きになり』、『愛する』必要がある。

飼われた後も、飼い主を喜ばせることに努力を続けて、やっと寵愛を受けることができる。

きちんと飼い主を喜ばせることができれば、餌を貰える上に、飼い主にたくさん可愛がってもらい、愛して貰える。

ナデナデして抱っこしてもらえる。

散歩に連れていってもらえる。

可愛い、賢い、と褒めてもらえる。
危険なときに、護って貰える。


独りぼっちで惨めに飢えて死ななくてよい。

飼い主を愛し、喜ばせようと努力し続ける限り、
アライちゃんは幸せに暮らすことができる。


これは真実でなく、理想論である。
このような理想的な暮らしが実際にできているアライさんはほぼいない。

なぜなら、ペットとして飼われたアライちゃんは殆どが皆、飼い主に反抗して楽園送りになるか…
極少数ではあるが、残念な飼い主のもとへ行くからである。



しばらくのお勉強期間の後…

飼育員「さて、今日で皆はこの工場から卒業して、ペットショップへ行きます」

飼育員「飼い主さんに飼って貰い、殺処分されないように頑張りましょうね」

アライちゃん1「な、なのりゃ…」ブルブル
アライちゃん2「ぜったいかってもらうのりゃ…」ブルブル

飼育員「飼って貰った後も、飼い主さんに嫌われたら捨てられて、飢え死にか犬の餌です」

飼育員「そうならないように、飼い主さんを好きになって、反抗せずにちゃんと言うこと聞いて、可愛がられましょうね」

アライちゃん4「うゆぅ…あらいしゃんなら、ぜったいできゆのりゃ…!」ゴクリ
アライちゃん5「あらいしゃんはそのへんばっちりなのりゃあ!≧∀≦」シッポフリフリ
アライちゃん6「しっぽのだんしゅもおべんきょーちたのりゃ!」エッヘン


…こうして、ペットアライちゃん達は工場から出荷され、ペットショップへ陳列されるのである。

……



アラキレス「…」

どうしたの?アラキレス。

アラキレス「かいぬししゃん…。あらいしゃんのこと、かってくれて…ありがとーなのりゃ」コスリコスリ

ちゃんとお礼が言えるんだね。
偉いなあアラキレスは。

アラキレス「あらいしゃん、かいぬししゃんのこと、だいしゅきなのりゃ!せかいでいーっちばんしゅきなのりゃ!」シッポフリフリ

分かってるよ。
…私は、アラキレスのほっぺたを撫でた。

アラキレス「のりゃ~♪しあわせなのりゃー♪」スリスリ

可愛い可愛いアラキレス。
これからもよろしくね。

いつかまた、アラキレス連れて、みんなでバーベキュー行きたいな。

今度は、ヨチラー軍団に邪魔されず…、
転んで噛まれりしなければいいな。

つづく



~鉄柵で囲われた民家の外~

ある留守中の民家。
そこは、鉄柵で囲われていた。

https://i.imgur.com/JU5TzCS.jpg

そこへ、何者かが近付いてきた。

アライさん「ふははー!懐かしの街中なのだー!」ドタドタ

アライちゃん1「なのだー」ヨチヨチ
アライちゃん2「なのだー」ヨチヨチ
アライちゃん3「なのだー」ヨチヨチ

アライさん「チビ達!独り立ちの前の最後のお勉強なのだ!人間の巣の跡に残った食べ物を取りに行くのだ!」

アライちゃん1~3「「なのだー!」」

アライさんは、民家を囲う鉄柵を見ている。

アライちゃん1「これじゃまなのりゃー!」シッポフリフリ
アライちゃん2「うゆぅ~、せまくてはいれないのりゃあ」グイグイ
アライちゃん3「どーやってはいゆのりゃ?」

アライさん「アライさんくらい大きくなると、こんなの楽に越えられるのだ!」ヨジヨジ

アライさんは、鉄柵によじ登っていく。

アライさんはあっという間に、鉄柵のてっぺんへ登った。

アライさん「ふはははー!頂点なのだー!これくらい朝飯前なのだ!」

アライちゃん1~3「「おかーしゃんしゅごいのりゃあ~!」」



番犬「ワォン!!!!!」


アライさん「のだっ!?」グラッ

鉄柵のてっぺんへ登っていたアライさんは、番犬の声にビビってバランスを崩し…

鉄柵「」ズブシャアアアッ

アライさん「いだいのだあああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーッ!!!!」

…思い切り、股間に鉄柵が深く深く突き刺さった。

アライさん「うぐぎぎぎぃぃーーーーーーっ!いだい!いだあいいいぃーーーのだぁーーーっ!」ジョボボボボ

アライちゃん1~3「「おかーしゃああーーんっ!」」ピイイイィィ

鉄柵は、アライさんの体重によってどんどん体の奥深くまで刺さっていく。

アライさんの股間からは血と小便が同時に流れ出た。
膀胱を貫通したようだ。

アライさん「ふぐぎぎぎぃ…!ぬ、ぬかなきゃあああっ!」グイグイ

アライさんは、鉄柵から降りようとするが…

手をかけて体を押せる部分がない。

つまり、原理的にアライさんは自力で鉄柵の上から脱出不可能となった。

アライさん「だれがああああ!だずげでええええーーーーーっ!ちびたちいいぃーーーっ!見てないで助けるのだぁ!」ビエエエエエエエエエーーンッ

アライちゃん1「う、うゆ!」ヨチヨチ
アライちゃん2「おかーしゃんをすくーのりゃ!」ヨチヨチ
アライちゃん3「かぞくのきずなをみせゆのりゃ!」ヨチヨチ

アライちゃん達は、アライさんが突き刺さっている鉄柵の真下へ這い寄った。

アライちゃん1「ど、どーやってたしゅけゆのりゃ!?」
アライちゃん2「おかーしゃんをおろせばいーのりゃっ!」コスリコスリ
アライちゃん3「じゃーひっぱればいーのりゃあ!じゃんぷすゆのりゃ!」

アライちゃん1~3「「たぁー!」」ピョーン ガシィ

アライちゃん達は、アライさんの片足や尻尾の先端へ飛び付いてぶら下がった。

アライさん「あぎゃあああああああああああがああああああああああああああああーーーーーーっ!」ズブズブブシュウウゥ

足と尻尾にぶら下がる重りのせいで、アライさんの傷口が広がり、体内へさらに深く鉄柵が食い込んでいく。

アライちゃん1~3「「おかーしゃんをたしゅけゆのりゃぁ!わっちぇ!わっちぇ!」」ブラーン

アライちゃん達は、母親の足や尻尾にぶら下がり、下へ引っ張っている。

そこへ…

オカルテツヤ「おお、これは…。アライさんが子供たちに磔刑にされているゾ…」スタスタ

この家の住人である、一人の男児…
オカルテツヤ君が戻ってきた。

アライさん「に、人間!アライさんを助けるのだぁーーーーーー!交尾してやるからぁああーーーーっ!」ブシャアアッ

アライちゃん1~3「「「おかーしゃんをたしゅけてぇ!」」」ブラーン

オカルテツヤ「な…なんか…カッコイイ!」

オカルテツヤ君は、この光景になにか惹かれるものがあるようだ。

オカルテツヤ「これは、ヴラドってるゾ…」スタスタ

オカルテツヤ君は、アライちゃん達のもとへ近寄る。

アライちゃん1「いっしょにひっぱゆのてつだってぇー!」ブランブラン

オカルテツヤ「どうせなら、一家まとめて…」ガシィ グイイッ

アライちゃん1「のりゃあ!?」

オカルテツヤ君は、アライちゃん1を母親の足から引き剥がし、鉄柵の上まで持ち上げ…

オカルテツヤ「串刺しの刑ダ!」ブンッ

アライちゃん1の肛門を、鉄柵へ突き刺した。

アライちゃん1「つぇべしゅぅうううーーーーーーっ!」ズブグシャアアアッ

アライちゃん1は奇声を発し、肛門から大量出血した。

アライちゃん1「い…ぢゃいいぃっ…!」ドクドク

アライちゃん1は激痛に加え、鉄柵が内臓を貫いて破壊したダメージによりろくに声すら出せないようだ。

アライさん「ち…ちびなんかに…かまってないで…アライさん…を…だずげで…」ブルブル

アライちゃん2「ぴぎいいぃぃーーーっ!きちがいなのりゃ!」ピョンッ シュタッ

アライちゃん3「にげゆのりゃああーーーっ!」シュタッ ヨチヨチヨチヨチヨチヨチ

アライちゃん2&3は必死に逃げ出すが…

オカルテツヤ「我が領土へ土足で踏み込んだ侵略者メ!このヴラド・ツェペシュ王が処刑してくれるゥ!」ガシガシィ

アライちゃん2&3「「ぴいぃぃーーっ!はなぢでえええーーっ!」」ジタバタジタバタ

容易に捕まってしまった。

オカルテツヤ「ワラキアの大地を踏んだことを後悔しろ!オスマン帝国の尖兵どもメ!」グイイイ

アライちゃん2「なにいってゆかわがんないのりゃああーーーっ!」ピギイイィィ

アライちゃん3「このおうちのたべもの!いっこあげゆからはなちてええ!」ジタバタジタバタ

どうやらオカルテツヤ君は自分を、オスマン帝国と戦うワラキア公国の君主…
ヴラド三世と重ね合わせているようだ。

オカルテツヤ「処刑ぃーーーーーーーーッ!」ドズグゥッ

アライちゃん2「ふぎゅぶぐぅううううーーーーーーっ!」ドブシャアアア

アライちゃん3「はぎゃあああーーーーーーーっ!」グチャアアア

オスマン帝国兵達のマンコは鉄の槍で貫かれた。

>>707訂正

×オスマン帝国兵達のマンコは鉄の槍で貫かれた。

○オスマン帝国兵達のオマンコは鉄の槍で貫かれた。

アライさん「だ…だずげ…で…なんでも…するから…」ブルブル

アライさんは子供達が串刺しにされたことに何ら言及せず、助けを求めた。

オカルテツヤ「うーん、こういうときは、アレをやらなきゃ締まらないゾ」ガチャ スタスタ

オカルテツヤ君は鉄柵の扉の鍵を開け、家の中に入っていった。

アライさん「ま…って…アライ…さんも…いれて…」ブルブル

やがて…


オカルテツヤ母「ん…?鉄柵の前になんかあるわね…」スタスタ

オカルテツヤの母が家に戻ってくると…

アライさん「ひ…ぎ…び…」ドクドク

アライちゃん1「」ドクドク
アライちゃん2「」ドクドク
アライちゃん3「」ドクドク

オカルテツヤ「くっくっく…。ようこそ、オスマン帝国の諸君」ムシャムシャ

オカルテツヤ君が…
右手に持ったグラスでトマトジュースを飲みながら、
左手に持った魚肉ソーセージを食べていた。

オカルテツヤ母「…」

オカルテツヤ母「駆除するのはいいけど、こーいう悪趣味なことはやめなさいって毎度毎度言ってるでしょ!」ベシンベシン

オカルテツヤ「うえーん!ママ!許して!」

ヴラド三世は、母親にお尻ペンペンされ屈した。



~ゴミ捨て場~

今日は燃えるゴミの日。
生ゴミが捨てられる日である。

かつてのゴミ捨て場は、自治体の予算不足のせいか、鍵付きのゴミステーションが無い地域もあった。

しかし、ゴミ袋にはいつもアライちゃんが群がり、中の生ゴミをばら蒔いてしまう。

度重なるアライちゃん被害の憂いもあり…
ほとんどの地域が、予算を搾り出して鍵付きのゴミステーションを設置していた。

これならば、アライちゃんには開けることができない。

真っ暗な深夜。
ゴミステーションの中には、前日のうちに出されたゴミ袋が積み上げられている。

立て札に、当日朝に出せと書いてあるのにも関わらず、である。

だが、ゴミステーションは鍵付き。
アライちゃんには開けられない。

そんなとき、一部のアライちゃんは…

アライさん「ふははー!お宝なのだー!」ドタドタ

アライちゃん1「なのりゃー!」ヨチヨチ
アライちゃん2「ごちそーぱーちーすゆのりゃあ!」ヨチヨチ
アライちゃん3「のりゃ!のりゃ!あけてあけてー!」ヨチヨチ

…森から母親を呼んでくることがある。

アライさん「のあ?開かないのだ」ガチャガチャ

アライさん「これを、こう!なのだ!」ガチャ

アライちゃん1~3「「あいたのりゃ~!おかーしゃんはてんしゃいなのりゃー!」」キャッキャ シッポフリフリ


アライさんの背は人並みにあり、手先も器用。
ダイヤル式でない安っぽい鍵など、造作もなく開けてしまう。

アライさん「お宝が眠っているのだ」あ!たあ~!」ガサガサ ビリバリィ

アライさんは燃えるゴミ袋を破いた。

アライちゃん1「おたからがねむってるのだぁ!」ヨチヨチ ガサガサ スポッ
アライちゃん2「おたかりゃがねむってゆのりゃあ!」ヨチヨチ ガサガサ スポッ
アライちゃん3「おたかやがねむてゆのあ!」ヨチヨチ ガサガサ スポッ

アライちゃん達は、破れたゴミ袋の中に潜っていく。

破けたゴミ袋『のりゃ!のりゃ!』ガサガサ モゾモゾ

アライちゃん達が潜ったゴミ袋は、がさがさと蠢く。

アライさん「うお?他にも食べ物があるのだ!」クンクン

アライさんは、ゴミステーションの中にいい匂いのペレット餌があるのに気付いた。

アライさん「食べるのだ!」カリカリ

アライちゃん1「たべるのだ!」カリカリ
アライちゃん2「おいちーのりゃあ!」クッチャクッチャ
アライちゃん3「くせになうのや!」カリカリ

アライさん親子は、ペレット餌を美味しそうに食べている。

アライさん「…」
アライちゃん1~3「「「…」」」


アライさん「う…!」ドサッ
アライちゃん1~3「く、くゆじ…!」ドサッ

突如、アライさん親子は昏倒し、ゴミ袋に突っ伏した。


アライさん「…」シーン

アライちゃん1~3「「「…」」」シーン

ホームセンターで誰でも安く買えるアライさん対策グッズ…
『アライ取りペレット』。

一粒には、人間の致死量を超える青酸カリが含まれている。

しばらくして…
ゴミステーションに、何者かが近付いてきた。

アライさん2「チビ達!今日はここに食べ物があるのか?」ドタドタ

アライちゃん4「いーにおいすゆからまちがいないのりゃ!」ヨチヨチ
アライちゃん5「うゆ!なかになんかあゆのりゃ…」ピタッ

アライちゃん5は、ゴミステーションの中を覗いた。


アライさん「」
アライちゃん1~3「「「」」」

アライさん2「なんだお前ら、寝てるのか?邪魔だからどくのだ」ガチャ ユサユサ

アライさん2はゴミステーションの中のアライさんを揺さぶる。

アライさん2「し…死んでるのだ…!死体なのだぁ!」ブルブル
アライちゃん4&5「「ヒイイィィィ」」ブルブル


アライさん2&アライちゃん4&5「「にげるのだああ~~!」」ドタドタ


二組目のアライさん親子は、死骸を見て逃げていった。

…翌朝、ゴミステーション…


アライさん「」
アライちゃん1~3「「「」」」

ゴミ回収業者「うわ…また中でアライさんが死んでるよ…」ガサガサ

ゴミ回収業者は、大きなゴミ袋を出した。

ゴミ回収業者「くわばらくわばら」ズルズル ポイッ

アライさん一家は、ゴミ袋へ詰められた。

ゴミ回収業者「いい加減マナー守れよな…」ポイッ

ゴミ袋はゴミ収集車へ投入され、べきべきと押し潰されていった。


…マナーを守らない者がいるせいで…
嫌な死骸を見る業者が出るのである。

つづく

私はスマホで動画サイトを閲覧していた。

最近のマイブームは、ペットアライちゃんの愛で動画を観ることだ。

よそのアライちゃん達は、お洋服を着替えさせられたり、可愛いブーツ(義足?)を履いてたりする。

…コメント欄に『クソキモい』とか『ディスパッチ不可避』とか書かれてるのが気になるけど。


いろいろな玩具やグッズで遊んでいるアライちゃんを見るのも楽しい。

アラキレスにも同じもの買ってあげようかな…なんて、つい財布の紐が緩んでしまいそうになる。



その一方で、最近私は…
悪趣味な動画にもハマりつつある。


何を隠そう…
いや隠すべきなんだろうけど…

…『アライちゃん駆除動画』である。

ネットは広大なもので。
野良アライちゃんを駆除する光景を、動画に撮影する人たちもいるのである。

それも、ただ駆除するだけじゃない。
拷問し、虐待し、苦しませて残酷に殺すのである。

なんて悪趣味なんだろう。
別に野良アライちゃんが可哀想だって言ってるわけじゃない。
私だって駆除してるし。

だけど、蚊も、ゴキブリもアライちゃんも、命であることに変わりはない。
ただ駆除するならともかく…
命をもてあそんで殺すのは、やる側の人格の問題だ。

…そんな、最低な光景だというのに。
なぜか私は、そんな動画をたくさん観ていた。

…ん?
この動画は何だろう。

『アライちゃん虐待初体験動画』…?
だけど、動画のサムネイルには、ペットアライちゃんがいるケージが映ってる。
…矛盾してないか?

動画投稿者の名前は…『狂人卍』。
私はつい気になって、その動画をクリックした。



はじめに映ったのは、ペットショップでアライちゃんを買う時に、
アライちゃんが入れられる箱であった。

箱『うゆぅー、せまいのりゃ、くらいのりゃ…』ガサガサ

やがて、狂人卍は箱を開けた。

ペットアライちゃん「うゆ!はじめまして、かいぬししゃん!あらいしゃんなのりゃー!」コスリコスリ

箱の中には、ハムスターより一回り大きい程度の、ちっちゃな可愛らしいペットアライちゃんがいた。

ペットアライちゃん「かいぬししゃーん!これからいっしょにくらすのりゃ!よろちくなのりゃー!」シッポフリフリ

懐かしいなあ。
私がアラキレスを買って箱を開けたときも、同じようなことを言ってたな。

なんだ、普通の愛で動画じゃないか。
私はほっとため息をついた。

あれだな。
虐待とか言って、お風呂に入れたり、美味しいご飯をあげる有名なコピペみたいな感じだな。





すると、映像が少しカットされ、『ペットショップではどんなお勉強をしてきたの?』と
テロップが表示された。
狂人卍が発言したということだろう。

アライちゃん「うゆぅ!かいぬししゃんとなかよしになゆ、おべんきょーなのりゃあ!」

『大事なポイントを言ってごらん』とテロップが出た。

アライちゃん「ひとつ!あらいしゃんは、おそとではいきていけないのりゃ。かいぬししゃんとずっといっしょじゃなきゃだめなのりゃ」

アライちゃん「ふたつ!!かいぬししゃんにはんこーしたり、さからったら、すてられちゃうのりゃ!だからゆーこときくのりゃ!」

アライちゃん「みっつ!!!かいぬししゃんを、しゅきしゅきになゆのりゃー!」シッポフリフリ

『よくお勉強したね。それをしっかり守ってね』とテロップが出た。

アライちゃん「はいなのりゃー!≧∀≦」シッポフリフリ

うんうん、良くお勉強しているな。

『美味しいご飯をあげるよ』とテロップが出て、狂人卍はお団子を差し出した。

アライちゃん「うおぉー!おいしそーなのりゃあー!」シッポフリフリ

『もっとおいしくしてあげるね。ソースかけてあげる』

サービス精神旺盛な、いい飼い主さんだ。

アライちゃん「わーいわーい!かいぬししゃんはやさしーのりゃ!しゅきしゅきなのりゃあ!」シッポフリフリ

狂人卍はなにか小瓶を取り出した。
なるほど。それをお団子に…


…ちょっと待って。
それはタバスコだ。

『残さず食べなきゃ嫌いになるからね』

そう言い、狂人卍はドバドバとお団子にタバスコをかけていく。

アライちゃん「はいなのりゃー!」

『お食べ』

アライちゃん「いただきますなのりゃー!あむっ!」カプリ

駄目!
食べさせちゃダメ!

アライちゃん「っ…」ウルウル

アライちゃん「…ぴいいぃぃぃーーーーっ!!!か、かっりゃいのりゃああーーーっ!!!」ビエエエーーンッ

『残さず食べなきゃ嫌いになるって言ったよね?』

アライちゃん「でもこんなかりゃいのたべられないのりゃあーーっ!!」

すると、狂人卍は砂時計を置いた。

『この砂が全部落ちるまでに食べなかったら、犬に食わせるよ』

アライちゃん「ひ…ひぃぃぃっ!?た、たべゆのりゃあ!がぶっ!」ガブリ

アライちゃんは、タバスコ団子にかみついた。

アライちゃん「ひ、ひぎゅううぅぅ!かやいのりゃああああっ!!あむあむあむあむあむっ!!」モグモグ

アライちゃんは、一生懸命タバスコ団子を食べている。

アライちゃん「うゆぅぅ、か、かいぬししゃんっ!もっとおいちーの…」

『捨てられたいの?』

アライちゃん「ぴぎいぃぃ~~~!!!た、たべゆかりゃあ!しゅてないりぇええ!!はぐはぐ、がぶがぶっ!」モグモグ


アライちゃんは、泣きわめき、鼻水を流しながら、頑張ってお団子を食べた。

アライちゃん「ひぎゅううぅぅっ!おくちがひりひりちていぢゃいのりゃあーーーっ!!!」ビエエーンッ

『よく頑張ったね。えらいよ』

アライちゃん「う、うゆうぅ…ひぐっ、ぐしゅっ、こ、これで、しゅきしゅきなのりゃ?」グスングスン

『それじゃあ…』



『もう一個!いってみよう!!!』

狂人卍は、再び団子を出し、タバスコをかけた。

アライちゃん「ひ…ひぃいぃ~~~!!?もうおなかいっぱいなのりゃあっ!!かいぬししゃん!もうたべらんないいぃ!!」

『食えよ』

狂人卍は、なんとアライちゃんにデコピンした。

アライちゃん「ひぎゃああっ!!」ポテン

…なんてひどい事を!!!
飼い主のために、一生懸命頑張ったのに!!
最低だ!!!

…最低なのに…
なんで私は、動画を観続けているんだろう。

『食えっつってんだろ!!!』

狂人卍はアライちゃんを掴み、口にタバスコ団子を押し付けた。

アライちゃん「ふむぐぅぎゅぅぐううぅぅ~~~っ!!!」ジタバタ

『食わなきゃ犬のエサだぞ!!はい、5、4、3…』

アライちゃん「た、たべゆかりゃあ!はぐはぐ、がぶがぶっ!」モグモグ

アライちゃん「はぐはぐっ、くっちゃくっちゃ!がりゃいいぃーーっ!!くちゃくちゃ!!」クチャクチャ

『音がきたねえんだよ!!!』

なんと狂人卍は、アライちゃんの目へタバスコを一滴垂らした。

アライちゃん「ぴぎいいいいいいいいいいいいいいいーーーーっ!!!おめめええええーーっ!おめめいぢゃい!!」コスリコスリ

アライちゃんは、一生懸命目を擦っている。

アライちゃん「あああぎゃああああ!!!おめめあぢゅいいいいぃぃーーーっいぢゃいいぃーーっ!!!」コスリコスリコスリコスリコスリ

『食えっつってんだろ!!!』

狂人卍は、再び団子をアライちゃんの口へ押し付けた。

アライちゃん「むぐぎゅぐぅぅううう!!!びええーーーんっ!しーぐいんしゃーーんっ!!だぢゅげでええーーーっ!!」ビエエエンッ

『一つだけ選べ。それを食うか?あの犬のエサになるか?』

大型犬「グルルルルルゥゥウ」

アライちゃん「ぴぎいいいいいいい!た!たべゆううぅ!!!たべゆがりゃああ!!あぐっ!はむっ!」モグモグ

アライちゃんはもうお腹いっぱいだろうに、頑張ってお団子を食べている。
タバスコを垂らされた右目からは、とめどなく涙が流れている。

アライちゃん「もぐっ、もぐっ!はぐっ、はぐっ!!」モグモグ

アライちゃん「がいぬししゃん!!ほんとにもーはいらないのりゃあ!あとでたべゆがりゃあ!!!」

『今全部食え。次に口ごたえしたり拒否したり、誰かに助けを求めたら、あっちの犬に投げるぞ』

アライちゃん「ぴ…や、やなぁ…やなのりゃあ…」ブルブル

『この砂時計が落ちるまでに食い終わらなかったら犬のエサな』

アライちゃん「んんんぐぅぅ~~~っ!!!うゆうぅ!!あ、あむっ…あむっ…うぷっ…かりゃいいぃっ…」モグモグ

小さな小さなアライちゃんは、お腹をぱんぱんに膨らませながら、一生懸命タバスコ団子を食べている。

『もうすぐ砂が落ちきるぞー』

砂は残りわずかだ。

アライちゃん「あ、あぐっ!もごぉ!」ガポッ

アライちゃんは、大きな口を開けて団子を頬張り、無理矢理口の中に詰め込もうとしている。

アライちゃん「んーー!!!んぐぅーー!!もごごぐぅ!!!」モゴモゴ

アライちゃんは涙を流しながら、必死に口の中に詰め込もうとしている。

が…がんばれ!!!がんばれ!!!
私はアライちゃんを応援した。

アライちゃん「ほごぉ!もごぎゅぅ!!」ウルウルグイグイ

がんばれ!
がんばれ!!!



砂が、落ちた。

『時間切れ~~~』

アライちゃん「もごぐごもごご!!??」モグモグ

それでも、アライちゃんは必死にお団子を口に詰め込もうとしている。

アライちゃん「ぷはぁ!!!か、かいぬししゃん!!!あらいしゃんがんばゆかりゃあ!!がんばゆがりゃあ!!!」ウルウル

『助けてほしい?』

狂人卍は、アライちゃんの尻尾を掴んで逆さづりに持ち上げた。

アライちゃん「お…おごげええええええっ!!!!!」ゲボゲボオゴゴゴゴゴォ

逆さづりになったアライちゃんの胃の内容物が逆流し、アライちゃんは嘔吐した。

アライちゃん「げぼぉっ…ぷはぁ、はぁっ…!!!ぐゆじいぃ!かりゃい!あぢゅいいい!!」ヒグッグスッ

『おっ、いいこと思いついた。…じゃあ、今吐いたゲロ、全部飲み込め』

狂人卍は、アライちゃんをゲロの上に落とした。

アライちゃん「のびゃっ!!」ベチャァ

『この砂時計が落ちるまでに全部ゲロを飲み込めたら、お団子食わせるのは許してやる』

アライちゃん「う、うびゅううぅぅ…!!!も、もうやなあぁあ…!!」ブルブル

『飲み込めなかったら、今度こそ犬のエサだ。はいよーいドン』

狂人卍は、再び砂時計を置いた。

アライちゃん「う、う…じゅ、じゅるるるるうっ!!ぢゅずずずぅっ!!!」ジュルジュル

うええ…これはひどい。
アライちゃんは、自分が吐いたゲロを啜っている。




『』

こういうの…まじで無理。
大便とか小便とかゲロとか、排泄物系はほんとに無理。
生理的に受け付けない。

アライちゃんが虐められる様子をなんだかんだ見続けてしまっていた私だけど…
この光景には、さすがに耐えられない。
私は動画を閉じようとした。

アライちゃん「ふぅーふぅー!!ずぢゅるるるるぅっ!!ごきゅごきゅっ!!」ゴクゴク

…しかし、涙を流しながら、必死になる顔を見て…

私は、動画を閉じようとするのをやめてしまった。

アライちゃん「ぷはぁ!!ぢゅるぢゅる…くちゃくちゃ…」クチャクチャ

…ああ…なんて顔…

…今度こそ頑張れ、アライちゃん。
頑張った結果がどうなるかはアライちゃん次第だとして…

必死に頑張れ。
汗と涙を流して頑張れ。
生きるために頑張れ。
頑張れ。

頑張った結果…

『タイムアップだ。今度こそおしまいだ』

…砂時計は、落ちきった。

アライちゃん「ぢゅるるるるるぅ!ぢゅずずずるるっ!ごくごくっ!!」ペチャペチャ

しかし、アライちゃんはまだゲロを啜っている。

『終わりだっつってんだろ』

狂人卍はゴム手袋をつけて、アライちゃんのしっぽを掴んで持ち上げた。

アライちゃん「きゅるるるぅ!ぶはぁ!まってぇぇ!ちゃんとぜんぶのむかりゃあ!!がいぬししゃんっ!!」ジタバタ

狂人卍は、アライちゃんを水をためたタライへ落とした。

アライちゃん「ごぼっ!!」ドボォン

そして狂人卍は、アライちゃんを水に浸けたままじゃぶじゃぶ水で洗っていく。

アライちゃん「ごぼごぼぼがぼぼ!!!ごがばばばばぼごぼぼぉっ!!」バシャバシャ

狂人卍は、溺れているアライちゃんを背中から鷲掴みにしてタライから出した。

『犬のエサは綺麗にしないとな。お前ら害獣と違って、あいつは可愛いペットだ』

アライちゃん「ぶはぁ!!か、かいぬししゃん…」ブルブル




アライちゃん「しゅ!しゅきしゅき!!!なのりゃああ!!!」シッポフリフリッフリ


なんと。
この状況で、まだ飼い主を好きというのか。

絶対嘘に決まってる。
でも、そう言わないと…
媚びないと…
絶対殺されるって分かってるんだろう。

アライちゃん「み、みゆのりゃあ!あらいしゃんはかわいーんだぞぉ!かいぬししゃんを、しあわせにできゆんだぞぉ!!」ブルブル

ああ…
教育が行き届いた、本当にいい子だ。
あのアライちゃんなら、これからも飼い主さんを幸せにできるだろう。

アライちゃん「ぜったいかわいがってもらえゆって!おしえてもりゃった!おどりなのりゃあ!」

背中を鷲掴みにされているアライちゃん。
何をする気だろうか?

アライちゃん「かいぬししゃん!あらいしゃんを、てくびにだきつかせてなのりゃ!!」

『いいけど、噛んだり引っかいたりしたら苦しめて殺すぞ』

アライちゃん「しゅ…しゅきしゅきなかいぬししゃんに、そんなことしないのりゃあ!」ガシィ

アライちゃんは、狂人卍の手首に抱き着いた。

アライちゃん「みゆのりゃ!ふりこのうでどけーだんすなのりゃあ!」ダキッ ギューッ

アライちゃんは、狂人卍の右手首に抱き着き…

歌いながら、踊り始めた。



https://i.imgur.com/uCqddmW.png



アライちゃん「かーわーいーしっぽのうでどけぇー♪あらいーしゃんのーとけぇー♪」シッポフリフリ

アライちゃん「まいにちいつもーみがいーていたー♪ごじまーんのしっぽなのりゃー♪」シッポフリフリ

アライちゃん「あらいーしゃんがーうまれたときにー♪ついてーきたーしっぽなのりゃー♪」シッポフリフリ

アライちゃん「いまはー♪まだー♪ちっちゃいの♪かーわーいいしっぽなのりゃー♪」シッポフリフリ

アライちゃんは、尻尾を振り子時計の振り子のように揺らしながら、歌い続けている。

アライちゃん「いつもーぴかぴかにー♪のりゃっ♪のりゃっ♪のりゃっ♪のりゃっ♪」シッポフリフリ

アライちゃん「かいぬししゃんといっしょに♪のりゃっ♪のりゃっ♪のりゃっ♪のりゃっ♪」シッポフリフリ

アライちゃん「いまはー♪まだー♪ちっちゃいの♪かーわーいいしっぽなのりゃー♪」シッポフリフリ

かっ…

可愛いぃいいいーーーーーーーーーっ!!!!!!

振り子の腕時計ダンス!?
うちのアラキレスはそんなの教えてもらってなかったはず!!!


はっふぅん!!
かわいい!!
私も手首に抱き着かれたいぃー!!

あーやばい!私はヘドバンした。
こんなに可愛いなら、この鬼畜男もアライちゃんを助ける気になるだろう。

アライちゃん「はぁ、はぁ…ふははー!ふりこのうでどけーだんしゅ、どーなのりゃあ!≧∀≦」フリフリ

アライちゃん「これでかいぬししゃんも、あらいしゃんのことしゅきしゅきなのりゃー!(≧∀゜)ー★」ウィンクパチーン

アライちゃん「あんこーゆしてあげてもいーのりゃあ!のりゃっ!のりゃっ!」スリスリ

アライちゃんは、狂人卍の右手首に頬を擦り付けている。

一旦ここまで

今日はここまでです

さっきの画像は頭身が高過ぎました
こっちの方がアライちゃんのイメージに近いですかね
https://i.imgur.com/E0EVfC6.png
https://i.imgur.com/4rdDCyC.png

見直してみると>>753のは成体のアライさんがまんま小さくなった感じですね。手足も長めですし

この画像から更に脛から下を切り取ったのがペットアライちゃんというわけですか・・・
ところで切除する脛って足首と膝の中間くらいで切り取ったのかな?それとも膝下くらい?

アライちゃん「のりゃっ!のりゃっ!」シッポフリフリ

先程ゲロを飲まされ、お腹がパンパンに膨らんでいるアライちゃん。
狂人卍の手首に抱きついている。

『いいかな…』

狂人卍は突然、ガスコンロへフライパンを乗せ、油をひいてから点火した。

『ぴぃっ!?な、なんなのりゃ、あのあかいぴかぴかこあいのりゃあ!』ブルブル

やがて、フライパンの上の油がジュージューパチパチと跳ねる。

『振り子腕時計っていうのは…こういうもんだよッ!』

狂人卍はアライちゃんの尻尾を掴み、ゴルフクラブのように左右にブンブンと振った。

アライちゃん「ふみゅうううぅぅぅぅっ!ふぎゅみゅうぅぅぅうーーーっ!。>д<。」ブンッブンッ

『大きな尻尾のクソ害獣♪死ね死ーねやクソ害獣ー♪』

アライちゃん「うっ…ぶごげええええっ!おげええええーーーっ!」ゲボゲボオオォ

遠心力で胃の内容物が逆流し、アライちゃんは先程吐いてから口に流し込んだゲロを再び吐いた。

『お別れの時が来たのを♪皆に教えるのさー♪』

狂人卍は歌いながら、アライちゃんの尻尾を掴んで振り子腕時計の振り子のように横へブンブン振る。

やがて、狂人卍は先程のフライパンへ近づいた。

『地獄ーへ堕ちーてくアライちゃん♪飼い主ともお別れー♪』

狂人卍は、なんとアライちゃんを縦に振り、熱々のフライパンへ顔面を叩きつけた。

アライちゃん「ぎびいいいいいいいーーーーーっ!!ぢいいいいいーーーっ!!あぢゅいいいいいいいのりゃああああああーーっ!」ベシャアッジュウウウウウウッ

『今はまだ動いてる♪クソ害獣ー♪』

狂人卍は、アライちゃんの尻尾を掴んで、何度も何度もフライパンへ顔面から叩きつけた。
あんな硬いのに叩きつけられるだけでも相当酷いダメージだろうに、熱さまである。
アザと

『キモい足音で♪ヨチヨチヨチヨチ♪』

アライちゃん「ぎゃぶがわああああ!びぎゃあああああ!あぢゅびゅわああああっ!」ベシィーンッ ベシィーンッ ジュウウウウウ

『集団で一緒に♪ウジャウジャウジャウジャ♪』

やがて狂人卍は、アライちゃんをフライパンへ叩きつけるのをやめ…
カメラでアライちゃんの顔を映した。

アライちゃん「う…ぎゅ…ぶぅ…い…ぢゃ…あぢゅ…い…」ジュウウウウウ

顔の肌や唇は打撲による内出血でパンパンに腫れ、フライパンの熱による火傷で水ぶくれができ、酷いことになっていた。

鼻が潰れて鼻血が流れ、熱で乾き焦げて肌に貼り付いている。

目のまわりは酷く腫れているが、眼球は水ぶくれができ表面が焼けている。

…あまりにも。
あまりにも酷すぎる。

カメラは、先程の大型犬を映した。

大型犬「グルルルル…ハァハァ…」

『今はもう動かない♪クソ害獣ー♪』

狂人卍は、アライちゃんを大型犬のほうへ投げた。

アライちゃん「じび!」ボテッ

大型犬「ガァアアウアウアウアウ!バァアアウウゥッ!」ガブゥッ

アライちゃん「ぎびゃうぅぅ!いぢゃいいのりゃあああ!!」

大型犬は、小さな小さなアライちゃんにの尻尾を噛みついた。
そして、上を向くと…

大型犬「ハグ、ハグゥ」ガブガブ

アライちゃんを何度も噛みながら、足の方から飲み込んでいく。

このサイズのアライちゃんなら、わざわざ肉を噛み千切るまでもなく、丸のみにできるのだろうか。

アライちゃん「ぎびぃぃぃぃゃああああああああああ!だぢゅげでえええええええええ!じにだぐないのりゃあああああ!いぢゃいぃ!あらいしゃんおいぢぐないかりゃあああ!」ビエエエエエエエエエーーンッ ジタバタ

アライちゃんは、大型犬の口に噛まれながら必死にもがいている。
だが、どんどん大型犬に飲み込まれていく。

大型犬の口のまわりは、アライちゃんの血で染まっていく。

アライちゃん「なんで!こんなかいぬししゃんのとこにきたのりゃああ!ありゃいしゃんはぁ!やさちーかいぬししゃんにしあわせにしてもりゃうはずだったのにぃーーーっ!」ビエエエエエエエエエーーンッ

アライちゃんは断末魔の悲鳴をあげる。

アライちゃん「なん…れ…いーこに…ちたのに…」ブシュウウドクドク

大型犬「ハグッハグッ…ゴクン」ゴクンッ

あんなに頑張って飼い主に従い、好かれようとしたアライちゃんは…

あわれ犬の餌となり、飲み込まれてしまった。

『えー、以上。ペット害獣の末路でした(笑)』

何が(笑)だ!笑えるものか!
お前は狂っている…!
こんなに可愛くって良い子なアライちゃんが虐待され、虐殺されるのを見て…
笑える者なんているものか!!

やがて動画は終わり、画面が暗転した。

…スマートフォンの真っ暗な画面に反射して映った私の顔は…

…頬を歪め、嗤っていた。


私はすぐに真顔になった。


…なんだろう、この感覚は…。
酷く胸糞悪く、残酷で、非人道的なのに。

今までに見たどんなペットアライちゃん愛で動画よりも。
今までに見たどんな野良アライちゃん駆除動画よりも。

私の心を高鳴らせ、息を荒げさせ、興奮させていた。

今のは危険だ。忘れてしまわなきゃ…!
…そう思っているのに…

どうしても、頭から離れない。
見ちゃいけないと分かっているのに…

…私は、狂人卍の投稿動画一覧をクリックし…
新たな別のペットアライちゃん虐待動画を再生した…。

一旦ここまで

次は別のお話です




~ある中小企業オフィス~

ここは、ある中小企業のオフィス。
パソコンが乗ったデスクがたくさん並び、従業員が事務作業をしていた。

会社員「さーて、今日も集計始めるか…」カチッ

会社員はパソコンを起動した。
そして、デスクトップからデータ集計ソフトのアイコンをクリックしようとした…
その時。


パソコン『ふはははー!』

会社員「!?」

突如パソコンから音声が流れた。

そして画面の上部から、何かの画像がマウスポインターへ高速で近付いてきた。

パソコン『たあ~!ほい!』

なんと、その画像に触れたマウスポインターが勝手に動いた。
まるで、弾き飛ばされたかのように。

その画像の正体とは…

なんと、動くアライさんであった。

パソコン『ふはははー!お宝は頂いたのだー!』ガシィ

会社員「な、なんだこれ!?」

画面の中のアライさんは、集計ソフトを持ち上げた。

パソコン『お宝はここなのだぁ!』パッ

集計ソフトの実行ファイルが配置されているフォルダーが勝手に開いた。

会社員「何だよこれ…誰かのジョークか?」アセアセ

パソコン『食べるのだー!はぐはぐっ、くっちゃくっちゃ!』クチャクチャ

すると、画面の中のアライさんは集計ソフトの実行ファイルを食べ始めた。

パソコン『ぷはー!美味しかったのだぁ!』

会社員「え…あれ?集計ソフトの実行ファイルが消えたんだけど…。まさかマジで消えてないよな?」

この集計ソフトは業務の必需品である。

パソコン『こっちにもお宝があるのだー!』ゴソゴソ

なんと、顧客の個人情報が保存されているフォルダが勝手に開いた。
このデータこそ会社の資産であり、取引先や客からの信頼の証である。

会社員「なんなんだ…なんなんだこれ!」

パソコン『一人じゃ食べきれないのだ!チビを産むのだ!うーん…のだああああ!』ズルル ヌポォ

画面上のアライさんは、突如大量のアライちゃんを出産し始めた。

会社員「うわ…キモ…」

パソコン『なのりゃー』ウジャウジャ ヨチヨチ
パソコン『なのりゃー』ウジャウジャ ヨチヨチ
パソコン『なのりゃー』ウジャウジャ ヨチヨチ

ヨチラーは20匹ほど生まれ、画面の中をヨチヨチと這い回ったり、フォルダアイコンの中へ潜り込んだりしていった。

会社員「…これ、まずいんじゃないのか!?」

顧客の個人情報は、会社員のパソコンのローカルディスク上でなく、
会社のサーバーに保存されているものである。

アライちゃん達『なのりゃー』ヨチヨチウジャウジャ

アライちゃん達は、サーバーのフォルダ内へ侵入しようとした。

会社員「まさかウイルス…!?やばいっ!」ガッ ブチィ

会社員は、パソコンからLANケーブルを引き抜き、社内ネットワークから切断した。

アライさん『ふはははー!もう遅いのだ!チビ達はさっきの大きなお家に入ったのだ』

会社員「なん…だって…?」

その時。

『おたからなのりゃー!おいちそーなのりゃ!』

…他の社員たちのパソコンから、音声が流れ始めた。

社員1「うわっ!?なんだこれ!?」
女子社員1「きゃあ!キモい!」
社員2「データが食われて…無くなっていくぅ!」

会社員「な…あ…遅かった…!」

課長「な、なんなんだこれは!?せ、セキュリティチーム!大変なことになった!すぐに対応を…!」

課長は内線でセキュリティチームへ連絡している。

会社員「う、ウイルスセキュリティソフトは!?…は、破損してる!」アセアセ

パソコン『ぷはー、いっぱい食べたからウンチしたくなったのだ!あっちに溜め糞するのだ!』ゴソゴソ

画面の中のアライさんは、Cドライブのフォルダアイコンの中に潜り込んだ。

会社員「な、何する気だ!」パッ

パソコン『ふはははー!ここをアライさんのお家にするのだー!』スポッ

Cドライブを開くと、アライさんがWindowsOSの構成フォルダへ潜り込むのが見えた。

会社員「Windowsフォルダ…!?」カチカチッ

パソコン『ここで溜め糞するのだ!うぅーーーっ!のだあああーーーっ!』ブリュブリュブリュブリュブリュブリュ

Windowsフォルダの中は、一本グソのアイコンで表示される『tamefum(1).ari』~『tamefun(100).ari』という
よくわからないファイルで次々と埋め尽くされていく。

tamefun.ariファイルは1個あたり500MBの重さがある。
1秒間に50個ほどのペースで作成されているようだ。

会社員のパソコン画面は、ブルースクリーンになった。

会社員「さ…再起動を…」ポチッ

会社員はパソコンを再起動した。
すると、BIOS画面が表示されたあと、Windows7の起動画面が表示された。

会社員「よ、良かった…。OSは死んでない…」

パソコン『なのだー』パリィーーンッ

なんと、起動画面のWindowsOSロゴマークの窓の部分が突如割れた。

会社員「!?」

窓の割れた部分は真っ黒になっている。
やがて、割れた窓の向こう側から…

パソコン『なのりゃー』ウジャウジャ ヨチヨチ ポテッ
パソコン『なのりゃー』ウジャウジャ ヨチヨチ ポテッ
パソコン『なのりゃー』ウジャウジャ ヨチヨチ ポテッ

割れた窓の向こうから、大量のアライちゃんがウジャウジャと這い出てきて、こっち側へ落ちてきた。

パソコン『のりゃ!のりゃ!のりゃ!のりゃ!のりゃ!』ウジャウジャウジャ ヨチヨチシッポフリフリヨチヨチシッポフリフリ

1秒に5匹のペースで増えるヨチラーが、瞬く間に画面を埋め尽くしていった。

会社員「あ、あああ…駄目だぁ…」ポチッ

会社員はパソコンを強制終了し、再度起動を試みた。



パソコン『のりゃ!のりゃ!のりゃ!のりゃ!のりゃ!』ウジャウジャウジャ ヨチヨチシッポフリフリヨチヨチシッポフリフリ

しかし、強制終了直前と全く同じ画面が表示され、
アライちゃんが増えていくばかりであった。

会社員「あ、あああ…」

いつまで経ってもWindowsは起動せず…
やがて、あまりに大量に増えたアライちゃんの描画処理によってCPUリソースが食い潰された。

会社員のパソコンは、完全に操作不能となった。

続きはあとで



課長「ひ、被害状況はどうだ!」アセアセ

セキュリティ班長「顧客情報については、予備サーバーのバックアップが生き残ってます」

課長「顧客データ消失の被害は免れたか…」

セキュリティ班長「しかし、作業用PCはほとんどパーです。おまけに、メインサーバーはもう初期化しなきゃ駄目です」

課長「ぐぬぬ…何とかならんのか?」

セキュリティ班長「…全てのコンピューターを初期化して、外部ネットワークから完全隔離すれば、まあ…一部の業務はできるようになるかも」

課長「つまり…、インターネットに接続するだけで感染の危険があると」

セキュリティ班長「ウイルスセキュリティすらも突破してきますからね…マイクロ●フトがどうにか対応してくれないと…」

課長「そ、そうだな…マ●クロソフトが何とかするだろ…」

この『アライさんウィルス』は、世界中をパニックに陥れた。

一度感染したら最後…
コンピューターのあらゆる情報を食い尽くされ、滅茶苦茶にされてしまう。
(幸い、中核システムまで破壊されることは無いため、初期化すれば復旧可能だが…)

このウイルスは感染後、コンピューターに潜伏し、自己増殖してインターネットへ複製をバラ撒いた後で、
ユーザーに見えるところへ出てくるのである。

つまり、異常が起こったときにはもう遅いのである。

アライさんウイルスがインターネット上に現れた翌日…

セキュリティ班長「課長!マ●クロソフトから、セキュリティ更新プログラムが配信されたましたよ」

課長「し、しかし…。インターネットに接続するのはマズイんだろう?」

セキュリティ班長「いえ、アクセス後真っ先にセキュリティ更新プログラムだけ落とすようになってるので大丈夫です」

課長「そ、それじゃあ…。ネットに接続し、再起動すればいいんだな?」

セキュリティ班長「はい」

会社員達は、各々OSのセキュリティプログラム更新を行った。

会社員「やっと仕事ができるな…」カタカタ

会社員は、インターネットに接続し、業務を進めた。
すると、パソコン画面に…

アライさん『なのだー!』パッ

…例のウイルスのアライさん画像が現れた。

会社員「う、うわああああ!だ、駄目じゃないか!」アセアセ

アライさん『ふははー!お宝が呼んでいるのだー!』ドタドタゴソゴソ

アライさんは、再びフォルダに入ろうとしているようだ。

アライさん『お、おた、おたか、お、お、さ、さが…』グニャア

会社員「!?」

突如、アライさんの姿が変わり始めた。
体のテクスチャが一部真っ黒に染まり、尻尾や指などの部位が、破損したり消失し始めた。

アライさん『ご、ご飯、た、食べ…』グチャグチャ

アライさんの形状は完全崩壊した。
もはやアライさんの面影は、色くらいしかなかった。

会社員「う、うわー…視覚的にきつい…。もっとこう、パッと消せないの?」

女子社員1「こ、怖いですぅ!」ブルブル
社員1「なんぞこれ…アライさんが壊れていく…」
社員2「え…これはどうなんだ…。更新プログラムは効いてるのか?」アセアセ

アライさん『ち、チビ、う、産、ウ、の、チビビ…む…』グパァ

アライさんの脚だったと思わしき部位がビヨヨーンと伸び始めた。

会社員「うわっきめえ!」アセアセ

やがて、アライさんの姿をしていた塊から…
アライちゃんと思わしきモノがたくさん出てきた。

不気味な塊1『ノ,ノビャ,おが,しゃ,ビビビ』ウゾウゾ
不気味な塊2『ノリャ,タ,タタ,ゴハ,ごはん,タベ』ウゾウゾ
不気味な塊3『ビビビ,の、りゃりゃの』ウゾウゾ

会社員「うわああああああ!き、キメエエエエエエエッ!!」ドンビキ

出てきたモノは、アライちゃんの姿だった方がまだマシといえる程の不気味な塊であった。

精神的ブラクラとはまさにこのことである。

アライさん『ご、ご飯、食べ…』モゾモゾ

不気味な塊1~3『『うユ,オナ,シュ,シュシュ,ペココペコペゴゴゴ』』モゾモゾ

不気味な塊は、デスクトップ上のショートカットアイコンへ近付いていく。

会社員「ヤバいヤバい!ヤバいって!またやられる!」アセアセ

しかし。

不気味な塊1『ギビィ』グチャァ
不気味な塊2『ウビュ』グチャァ
不気味な塊3『ノリャ』グチャァ

不気味な塊の形状はバラバラになり…

不気味な塊1~3『』パッ

画面から消えた。

会社員「え…これは…ウイルス駆除したってこと?でも、まだシステム内部にデータのカスとか残ってそうな消え方したな…」アセアセ

アライさん『ご、ゴハ,たべ,テ,ち,ビウ,ム…』スッ

アライさんの姿だったモノが、集計ソフトのショートカットへ触れようとした瞬間…

アライさん『ウゴゴガモグゴハゴハハタベタベベコービビビチビチチビピカカカピカバッチリバチチチバババ』

アライさん『』パッ

…アライさんだった塊も消えた。

課長「や、やったな!これで解決だ!」

セキュリティ班長「うーん…」

会社員「…ど、どう思う?今の…」アセアセ

社員1「キモすぎるだろ…。子供泣くぞこれ…」アセアセ

社員2「というか、そもそも今のは何だ!?ウイルス駆除が効いてるなら、そもそも姿が現れないんじゃないのか?」

社員3「まだシステム内部にウイルスが巣食っている可能性が微粒子レベルで存在している…?」

女子社員「微レ存どころじゃないのでは…」

セキュリティ班長「…ネットで『アライさんウイルス』『消え方』『キモい』でググってみた。どうやら、どこも同じことが起こってるらしいですよ」

課長「そ…そうなのか!?」

セキュリティ班長「マイクロソ●トの説明によると…。アライさんの姿が滅茶苦茶になっても、画面からパッと消えれば、駆除完了らしい」

社員1「ええ…」

社員2「そもそも、なんであんなクソキモいビジュアルになるんだよ!」

女子社員「ホラー映像よりキモ怖かったんですけど…」

セキュリティ班長「今回はウイルス駆除を最優先にしたため、見映えにこだわってる暇はなかったらしい」

会社員「見映えって問題か…?」

こうして、世界中のサーバーや多くのデータを破壊し…
大きな経済被害を引き起こしたアライさんウイルスは、無事インターネット上から駆逐された。

『サポート終了済みのOSには、まだ残ってるのでは?』という疑念もあったが…。
そちらはCDROM等で対応してくれるらしい。


ウイルス出現からわずか1日で対応し、脅威を駆逐したマイ●ロソフトは、多くのユーザーから称賛された。

しかし…
『ウイルス駆除時のビジュアルが気持ち悪すぎた』
『夢に出そう』
『ウイルスの被害より、駆除したときの光景の方がキツかった』
『トラウマになった』

…などのクレームが多く寄せられたという。

なお、ウイルス作成者はまだ特定されておらず、捕まっていない。

一旦ここまで

ところで皆さんに聞きたいんですが
>>763は1枚目と2枚、どっちの目がよいでしょうかね?



~肉料理店~

肉料理屋店主「今日もバイトごくろーさん」

お疲れ様です。
今日もいっぱいお客さん来ましたね。

肉料理屋店主「人気が上がってるんかな?」

私がレビューサイトで5つ星つけまくったからでしょうか。

肉料理屋店主「ステマか!」チョップ

んうぅっ♥

肉料理屋店主「変な声出すなって」

私のおでこは性感帯ですから。

肉料理屋店主「なわけあるか!年頃の女子高生が変なこと言うな!」チョップ

んうぅっ!

肉料理屋店主「ハァ…。そういや、話は変わるが…、こないだお前にもらった冷凍アライちゃん、料理してみたぞ」

どうでした?

肉料理屋店主「…やっぱり臭みがあったな。生ゴミとか食ってるからだろうか」

『やっぱり』って何ですか?
まさか予想してたんですか?

肉料理屋店主「…」

オーナー?

肉料理屋店主「…ジビエって大概そういうもんらしいからな。食ったものが肉の味に影響するんだと」

あらら…それは残念です。

肉料理屋店主「しかし、臭みを抜いてみたらけっこういけたぜ。美味い肉だ」

でも、歩留まり悪そうですね。
…食べれる部分ってどこですか?
カエルみたいに、脚の肉だけ食べるとか?

肉料理屋店主「加熱したら骨ごといけたぜ。火を通すと骨が柔らかくなるようだ」

…丸ごと!?な、なかなかブッ飛んでますね…。

肉料理屋店主「まあな」

肉料理屋店主「もしかしたら、森の中や畑の前で捕まえれば、臭みがなくなるかもな」

それはいいですね。
成体のアライさんは基本山や森、林なんかにいますから、
一緒に捕るといいかも。

肉料理屋店主「お前、今度の秋の大型連休…暇か?」

あー、もうそんな時期ですか。

…。

…ひまですよ。

肉料理屋店主「じゃあ、お前俺と…」

海外旅行ですか?

肉料理屋店主「いや。…野食会合宿に行かねえか?」

野食会合宿?
なんですかそれ。

肉料理屋店主「俺の大学時代のサークル仲間と集まって…、いろいろ料理するんだ」

そもそも野食って?

肉料理屋店主「自然で採れたものを食べるってことだな。うめーし楽しいぜ」

どのくらいの期間ですか?

肉料理屋店主「二泊三日だ」

…このタイミングで言い出すってことは、まさか。

肉料理屋店主「…そうだ。俺はアライさんを狩って料理するつもりだ」

…行くのはいいとして…オーナーの所のワーミーさんはどうするんですか?

肉料理屋店主「ワーミーはハンバーグキッズの所へ預かってもらうぜ」

ハンバーグキッズ…男児兄弟ですか。
それじゃあ…
アラキレスも、預かってもらいましょうか。

肉料理屋店主「そうだな。頼むぜ」



~男児一家の家~

男児一家は、肉料理屋店主とバイト少女のペットをそれぞれ預かった。

男児兄「うっわー、アライちゃんだー!バイト少女のねーちゃん、こんなの飼ってんのかよ!」

アラキレス「よろちくなのりゃー!」シッポフリフリ

男児弟「ワーミーかっこいー!」

男児母「うーん。賑やかになったねー」

男児父「うん。あの二匹のいる籠は…」




男児母「近くで仲良しこよしした方がいいねー♪」
男児父「遠くに離した方がいいな」




男児父「え?」
男児母「ん?」

男児父「近くにしたら怖がるよ。絶対遠くがいいよ」
男児母「遠くにしたら寂しがるよー。絶対近くがいいわ」


男児父「遠く」
男児母「近く」


男児父「遠く!!」
男児母「近く!!!!」
男児父「遠く!!!!!!」
男児母「近く!!!!!!!!」

どうやら互いの主張は食い違っているようだ。

男児父「こういうときは…」
男児母「ええ…」


男児父&男児母「「レスリングで決着つけよう!」」バサァ

二人は、床にマットを敷いた。

男児兄弟「「頑張れー!」」ワイワイ

男児父「久々だな」ヌギヌギ
男児母「ご無沙汰ねー。ちゃんとストレッチしなきゃねー♪」グイグイ

二人は上着を脱いで動きやすい格好になり、ストレッチを始めた。

男児兄「レディー…!」
男児弟「ファイッ!」

男児父&男児母「「はあーーっ!」」ガシィ

男児父と男児母は取っ組み合った。

男児父「うおぉー!」グイイッ

男児母「くっ…!」グググ

パワーでは、男児父に分があるようだ。

しかし。

男児母「てぇい♪」クルッ

男児父「ぐはぁ!」ボフゥ

技で勝っていた男児母が男児父を組み敷いて、マウントをとった。

男児母「勝ったわぁ♪それじゃあ、ワーミーちゃんとアラキレスちゃんは隣同士ね」ゼェハァ

男児父「くっ…。負けたら仕方ない…」ハァハァ

男児兄「また母さんが勝ったー!」

男児弟「とーさんってかーさんに勝てたことないの…?」

男児母「ふぅ…。二人ともー、先に部屋に行って、ペットちゃん達運んでおいてー♪」ハァハァ

男児弟「いーけど、かーさん達は来ないの?」

男児母「お母さんなんだか火照って滾っちゃったぁー♪お父さんと仲直りの仲良しプロレスしてから行くわねー♪」ハァハァ

男児父「!?」

男児兄弟「「はーい」」スタスタ

兄弟は、ペットが入った籠2つを部屋に運んでいった…。

一旦ここまで

>>764
足首と膝の中間あたりですね
ただ、足が無いと見た目が痛々しいためか、多くのペットアライちゃんはブーツを履いています



~社内~

私はオーナーの車に乗せて貰っていた。

肉料理屋店主「どうだ?野食のこと…興味出たか?…大概の人はヒくんだろうけども…」ブロロー

まあ…さすがに、昆虫食とかは無理ですけど…
茸とか魚は美味しそうだと思いました。

肉料理屋店主「はは。少しでも楽しんで貰えるようで何よりだ」ブロロー

でも…
アライさんの肉、持ってませんよね?

肉料理屋店主「今回は、食材の持ち込みもいいけど、現地調達すんのも醍醐味だ」

…まさか…

肉料理屋店主「森の恵みがまだ残ってりゃいいが…。…その恵みを荒らす害獣を現地で仕留めるのさ。アライボウでな」チャキッ

…アライさんのせいで、森の恵みが減りつつあるんですね。

肉料理屋店主「ペットアライちゃんの足首を切らなかった時代の負の遺産だな」ブロロー

…にしても、そもそもアライさんって、どういう生き物なんでしょうね?
見た目は霊長類っぽいのに、アライグマと交尾するっていいますし。

しかも、言葉を覚えるのも異常に早い。

肉料理屋店主「…アライさんの他にフレンズがいねーからな…」

フレンズ?
何ですかそれ?

肉料理屋店主「…アライグマ以外と交尾する、『他動物版アライさん』はいないのかなって話さ」

確かに…
そんなのは聞いたことありませんね。

肉料理屋店主「アライさんが雌しかいないのは明らかにおかしいって、さんざん言われてるが…。俺は、アライグマ版アライさんしかいねーのが不思議だ」

アライグマ版アライさん…
なんかややこしい言い回しですね。

肉料理屋店主「例えば、ウサギ版アライちゃん?とか、犬版アライちゃんとか。…そういうのが他にいねーよな」ブロロー

わぁ、いいですねそれ!
ペットとして人気出そう…
居てほしいですね。

肉料理屋店主「ああ。しかしだ…。アライさんが、畑を荒らしたり、屋根裏に住み着いて溜め糞したりするのは知ってるだろ」ブロロー

はい。

肉料理屋店主「ウサギは柔らかいウンコを自分で食うし、犬は道端で小便してマーキングする。…ウサギや犬版アライさんがいたら、元の動物と同じことするんだろうな…」

それは…ちょっとキツイですね。

やがて私達は、森のそばへ車を停めた。

既に3人の人達がそこに集まっていた。

人物1「よーう!ジビ!ひっさしぶり!来たか!」

アロハシャツを着た、色黒な男性が言った。

肉料理屋店主「ああ。ギョエ、久々だな」

人物2「ふへへえ…また集まれて、嬉しいねぇ…」ニヤニヤ

猫背でちょっと不気味な人が言った。

肉料理屋店主「ムシエ!お前は今、中華料理やってんだっけ?まだ食いに行ってねーんだよなー」

人物3「あら、ふふ…。また筋肉ついたんじゃない?」

フリルが付いた可愛い服を着た女性が言っ…

…!?
いや、男の声だ!髭がちょっと生えてる!

肉料理屋店主「お前…まだそのキャラやってんのか。大丈夫かよ?」

人物3「プライベートの時だけよン」

…オーナー、この人達は?

肉料理屋店主「ああ。じゃ、自己紹介するか」

肉料理屋店主「前にも言ったが、こいつらは俺の大学時代の野食サークル仲間だ」

人物1「まずは僕かな。僕は海産物料理人の、ギョエモンさ」

ギョエモン「1日目は森に食材探しに行くらしいけど、2日目は海に行くから、よろしく」

よろしくお願いします。
魚釣りですか…なんかフグしか釣れなさそうだな…

ギョエモン「フグ?いいじゃない。捌いてあげるよ」

捌けるんですか!?

肉料理屋店主「こいつはフグ調理師免許持ってるからな」

凄いんですね…。

人物2「次はボクだね…。ふへへぇ、ボクは中華料理人『兼』タイ料理人のムシエモンさ。よろしく」

中華料理とタイ料理ですか。
アジア系が好きなんですね。

ムシエモン「ふへ、でもボクが本当に好きなのは…」

好きなのは?

ムシエモン「『昆虫食』なんだよなぁ」

ひえっ!?

ムシエモン「あー大丈夫大丈夫。ビギナーにも易しい、イナゴの佃煮や蜂の子、セミの幼虫あたりも用意してあるからねぇ…」

そ、それって…ビギナー向けなんですか…?

人物3「私はバラエモン。野食サークルの紅一点よ。和食料理人ですわ」

あっ…はい。
…女性なんですか?

バラエモン「男よ」

…今『紅一点』って言ってませんでした!?

肉料理屋店主「なんかこのキャラ気に入ってるらしくって…」

お、おう…

バラエモン「ちなみに、好きな食材は野草やキノコがメインね」

野草ですか!美味しそうですね~。
どんなのがあるんですか?

バラエモン「サボテンとか…」

あ、ああ…そういえば、そういう趣旨でしたね。
まあ、食べれるなら是非頂きます。

肉料理屋店主「で、俺がサークルの部長…。肉料理屋のジビエモンだ。よろしく」

はい、今後ともよろしくお願いします。
いつもお世話になってます、オーナー。

肉料理屋店主「好きな食材は、獣のジビエだな。ちゃんと狩猟免許も持ってるぜ」

ワナとか使うんでしたっけ。

肉料理屋店主「ああ。ライフルも持ってるぜ」

銃も持ってきてるんですか!
見せて下さい!

肉料理屋店主「後でな」

次は私の番。

…私は、みんなに自分の名を名乗った。


ギョエモン「よろしく。確か、ジビエモンとの関係は…」

主従関係です。

バラエモン「まあ!!随分お熱いですこと!!」

肉料理屋店主「店『主』と『従』業員の関係だからな!?うちのバイトだよバイト!」

バラエモン「あらそうなの…。てっきり、ジビエモンちゃんがそこのお嬢ちゃんに縛られてローソクでも垂らされてるのかと思ったわ」

肉料理屋店主「おいオカマ。その発言セクハラだぞ!」アセアセ

ええ…私がオーナーを縛る側なんですか。
それ、逆の方がいいです。…よね?オーナー。

肉料理屋店主「ノるな!」チョップ

ふぁうんっ♥

つづく

合宿一日目。私達は山に入った。

わぁ…綺麗な山ですね。

肉料理屋店主「だろ。山の恵みも豊富だぜ」

ギョエモン「さて。僕は川で魚や海老を捕ってこようかな」

バラエモン「私は美味しそうな野草を摘むわ」

ムシエモンさんは…昆虫採集ですよね。

ムシエモン「ふへへ…もちろんだよぉ…。秋の虫といったらイナゴだねぇ…」

それで、オーナーは…。

肉料理屋店主「決まってるだろ?アライ狩りだ」

ギョエモン「やっぱりマジであれを食べる気なんだね…。ジビエモンが言うなら大丈夫だろうけど」

ムシエモン「ブログのいいネタになるねぇ…。野食サークルは他にもあるからねぇ」

肉料理屋店主「バイト。お前はどうする?どの食材が採りたい?できれば誰かと一緒に行動しててほしいぜ」

…オーナーにします。

バラエモン「あら。それはジビエモンちゃんを食べ(意味深)たいっていう意味かしらぁ?お熱ねぇ」

肉料理屋店主「セクハラは止せっていってんだろ!」

私がオーナーを食べ(意味深)側なんですか。
逆がいいです。

肉料理屋店主「だからノるなって!」チョップ

はぁぅんっ♥

肉料理屋店主「で…バイトもアライ狩りでいいのか?」

はい。
お肉好きですから。

バラエモン「案外肉食系ねぇ」

オーナーは案外草食系ですよ。

肉料理屋店主「肉料理のシェフなのにな」

私の下半身を見て胸を揉んでも何もしませんでしたし。

ギョエモン「おお、これはやっぱり…」

肉料理屋店主「誤解を招く言い方はよせ!」チョップ

あぁぁんっ♥

肉料理屋店主「うーっし。そんじゃ、各々探しに行こうぜー」



私とオーナーは、山道を歩いて移動していた。
すると…

アライさん「チビ達、頑張って歩くのだ!インターンシップまでまだまだ遠いぞ!」ガサガサ

森の茂みから、アライさんが飛び出してきた。

アライちゃん1「なのりゃー」ガサッ ヨチヨチ
アライちゃん2「なのりゃー」ガサッ ヨチヨチ
アライちゃん3「なのりゃー」ガサッ ヨチヨチ
アライちゃん4「なのりゃー」ガサッ ヨチヨチ

続いて、森の茂みからアライちゃんが4匹出てきた。

オーナー、あれは?

肉料理屋店主「あー。人里にアライちゃんを連れていこうとしてるアライさんだな」

どうするんです?

肉料理屋店主「いい獲物だ。狩るぜ」ガサガサ

オーナーは、アライボウを取り出した。
この距離ならライフルはいらないのかな。

アライさん「のぁ!?に、人間なのだ!なんでこんな所にいるのだ!?」ビクゥ

アライちゃん1「のあ?」ピタッ
アライちゃん2「のりゃ~」クルッ
アライちゃん3「こいつらひとしゃんなのりゃ?しっぽとみみないのりゃ」コスリコスリ

さすがに気付かれましたね。

アライさん「うぬぬー、なんかよく分からないがチビ達の危機なのだ…でも、数じゃ負けてるのだ…」ウヌヌゥ

アライちゃん1「ひとしゃー」ヨチヨチ
アライちゃん2「ごはんくだちのりゃ」ヨチヨチ
アライちゃん3「のりゃ!のりゃ!」ヨチヨチ
アライちゃん4「おまえはごはんくれゆひとなのりゃ?」

アライさん「ああっ、チビ!そいつは多分悪い人間なのだ!逃げるのだ!」ガシィ

アライさんは、ハムスター程度の大きさのアライさん1~4を抱き抱えた。

アライちゃん1~4「「わりゅいひとしゃんなのりゃあ!?」」シッポフリフリ

アライさん「逃げるのだ~!」タタッ

なんと。
立ち向かわずに逃げていきましたね。

肉料理屋店主「へえ…殴りかかってくると思ったが意外だな。まあ、射つけど」ジャキッ

オーナーは、逃げるアライさんの背中にアライボウを向けた。

アライちゃん1「ぴぃっ!」ポテッ

あ。
抱き抱えられてたアライちゃんが一匹落ちた。

アライさん「ちび!…うぬぬぅ…!わっせ!わっせ!」ドタドタ

しかしアライさんは子供を拾わず逃げていく。

アライちゃん1「ぴいぃ~っ!?おかーしゃ!かわいーかわいーありゃいしゃんがおちたのりゃあ!ひろってなのりゃあ~っ!」ヨチヨチヨチヨチ

アライちゃん1は、全速ダッシュで逃げる母親を、必死のヨチヨチ歩きで追いかける。

アライちゃん2「おかーしゃ!にげゆのりゃ!」シッポフリフリ
アライちゃん3「もっとはやくはしゆのりゃ!」シッポフリフリ
アライちゃん4「おねーしゃをおとりにすゆのりゃ!」シッポフリフリ

アライさん「ち、チビ!自力で逃げるのだぁ!独り立ちの訓練なのだあ!」ドタドタ

アライちゃん1「うゆううぅぅ~っ!ぜぇ、はぁっ!びえええーんっ!はしゆのつかれたのりゃあーっ!」ピタッ

アライちゃん1はヨチヨチ歩きを止めた。
もうバテたようだ。

アライちゃん1「おがーしゃんのいじわゆうぅ~~っ!ひろってひりょってひよってぇ~!」ピギュルルルルルゥ

肉料理屋店主「バイト!網だ。拾え!」

あ、はい。
私はバッグから、金属製の網袋…
『アライちゃん袋』を取り出した。

※イメージ図
https://i.imgur.com/qI31KfL.jpg

アライちゃん1「のぁあーーーんっ!!のぉぉーーーぁあああーーんっ!!ありゃいしゃんがかわいそーなのりゃああぁーーっ!」ビエエーーンッ

そして私は、地面にぺたんと座り込んでえんえんと泣き出すアライちゃん1をトングで掴んだ。

アライちゃん1「のりゃ!?」ヒョイ

そして、アライちゃん袋へ入れた。

アライちゃん1「ぴぃっ!?」ポトッ

今晩のおかず、捕まえた。

アライちゃん1「な、なんなのりゃ?でれないのりゃ?ぴぃぃ!ちゅかまったのりゃぁっ!おがああーしゃあーーーんっ!」ビエエーーンッ ゴソゴソモゾモゾ

アライちゃん1は、網の中で暴れている。

アライちゃん1「うゆうぅ、こんなのありゃいしゃんのすゆどいつめときばでぶっこわしゅのりゃ!がじがじ!」ガブガブバリバリ

アライちゃん1は、網をかじったり引っ掻いたりしている。
だけど網は金属製だ。

アライちゃん1「うゆうぅぅ!?か、かたいのりゃああ!びえええーんっ!おがーしゃんおがーしゃんおがーしゃぁあーーーんっ!」ピイイイィィ

アライちゃんはえんえんと泣いている。

アライさん「のだー!」ドタドタ

アライさんは逃げている。

肉料理屋店主「ヒャアアーーーハハッハハハハ!残念!射程距離内だァ!」バシュゥッ

アライさん「のだっ!」グサァ ドタッ

アライボウは、アライさんの背中に突き刺さった。
アライさんは倒れた。

アライちゃん2~4「「のりゃああっ!?」」ボテボテボテッ

アライさんが抱き抱えていたアライちゃん達は、地面へ投げ出された。

アライさん「ぎびいいいいぃぃいぃぃっ!いだいのだあああああああああああああーーーっ!」ジタバタ

アライさんは泣きながら痛みに悶絶している。

アライちゃん2「びええーんっ!」ヨチヨチヨチヨチ
アライちゃん3「やっぱりおそとこあいのりゃあー!」ヨチヨチヨチヨチ
アライちゃん4「のぉーーぁあーんっ!のぉーーぁあーんっ!」ヨチヨチヨチヨチ

アライさん「ちびいいいいいーーーっ!おがーさんをだずげるのだああーーーっ!お前らを産んだんだぞぉーーっ!偉大なんだぞぉーーーっ!」ズルズル

アライさんは怒鳴りながら、地面をずるずると這いつくばって逃げている。

アライちゃん2~4「「おがーしゃんのぶんまでいきゆのりゃー!」」ガサガサ

アライちゃん達は、森の茂みへ隠れてしまった。

肉料理屋店主「くたばれ」ジャキッ

アライさん「うぅー!まつのだ!こっ交尾…交尾してやるから…」ガクブル

肉料理屋店主「ディスパァーーッチ!」バシュゥッ

アライさん「のだっ!」ドグチャッ

アライさんの脳天にアライボウの矢が深々と突き刺さった。

アライさん「」ビグンビグンジタバタビッタンバッタン

肉料理屋店主「俺はこいつをバラす。お前はアライちゃん達を捕まえろ!」

了解です。

肉料理屋店主「さーてと。向こうの川で解体するか」ガシィ ズルズル

アライさん「」ズルズル

オーナーは、アライさんの尻尾を引っ張って、川のほうへ引きずっていった。

…さて。
アライちゃんが逃げていったのは、あの辺りだったな。

私はバッグからチーズを取り出し、針と糸をつけた後、さっきアライちゃんが逃げていったあたりの茂みへ投げた。

糸付きチーズは、草の上へぽとっと落ちた。

アライちゃん1「ぴいいいぃ~~っ!ひとしゃん!だちてえぇぇ~~っ!」モゾモゾ

網の中でアライちゃん1が暴れている。
まあ、出さないけど。

アライちゃん1「おがーしゃあーーんっ!おがあしゃーーーんっ!」ビエエーーンッ

君のお母さんはもう死んだよ。

アライちゃん1「うしょなのりゃあ!おかーしゃんはちゅよいんだぞぉ!いだいなんだぞぉ!さゆだってこよせゆんだぞぉ!おまえにまけゆもんかぁ!」フゥーッ

でも、君を見捨てて逃げたよね?
意地悪したよね?

アライちゃん1「ちがうのりゃ!これはひとりだちのくんれんなのりゃあ!」フゥーッ

まあいいや。

そのまましばらく待つと…

森の茂み『くんくん…ふんふん…なんかいーいおいがすゆのりゃぁ!』ガサガサ

…先程の声が聞こえた。

森の茂み『おたからがねむってゆのりゃ!いーにおいなのりゃ!』ガサガサ

森の茂み『うゆ…でも、さっきはひとしゃんがいたのりゃ…こあいのりゃ…』

森の茂み『がいじなのりゃ!もーいなくなったにきまってゆのりゃ!たべゆのりゃ!』ガサガサ

私は、糸を引っ張ってチーズを手繰り寄せた。

森の茂み『うゆぅ!?に、にげたのりゃ!』
森の茂み『これはなんのいきものなのりゃ?』
森の茂み『にげゆごちそーなのりゃ!つかまえてたべゆのりゃあ!』ガサガサ

私は、チーズをどんどん手繰り寄せていく。
やがて…

アライちゃん2「のりゃー!」ガサガサ ヨチヨチ
アライちゃん3「わっちぇ!わっちぇ!」ガサガサ ヨチヨチ
アライちゃん4「いーにおいのいきものたべゆのりゃあ!」ガサガサ ヨチヨチ

…森の茂みから、先程逃げた3匹のアライちゃんが出てきた。
さっき人に襲われたことはもう忘れたのだろうか。

アライちゃん1「うゆ!?いもーとたちのこえなのりゃあ!いもーと!いもーとぉーっ!」ジタバタ

網の中でアライちゃん1がしゃべった。
こいつ!さっさと黙らすべきか。
私はバッグから千枚通しを取り出し…

https://i.imgur.com/ozGrgPj.jpg

網の中のアライちゃん1の喉を突き刺した。

アライちゃん1「がびゅっ!」ゴボゴボ

アライちゃん1は血泡を吐き、口からゴボゴボという音しか出せなくなった。

さて、うるさいのはいなくなった。
私は引き続きチーズを手繰り寄せた。

アライちゃん2「おねーしゃん!?いきてたのか!?どこにいゆのりゃ?」ヨチヨチ
アライちゃん3「たべものちゅかまえゆのがさきなのりゃあ!」ヨチヨチ
アライちゃん4「のりゃっ!のりゃっ!たべゆのりゃっ!」ヨチヨチ

さて、もういいだろう。
私はチーズを止めた。

アライちゃん2「うゆ!とまったのりゃ!」

アライちゃん2「た!」ガバッ
アライちゃん3「べ!」ガバッ
アライちゃん4「ゆ!」ガバッ

アライちゃん2~4「「のりゃ~~っ!」」ガブッ

アライちゃん達は、いっせいにチーズへかぶりついた。

アライちゃん2「あむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむ!!」クッチャクッチャ
アライちゃん3「おいちーのりゃ!やーらかくっておいちーのりゃあ!」クッチャクッチャ
アライちゃん4「あぐあぐ!がぶがぶ!くっちゃくっちゃ…((≧'u(≦ ))」クッチャクッチャ

アライちゃん達は、チーズを貪っている。

さて、捕まえるか。
私はアライちゃん達の前に飛び出した。

アライちゃん2「うゆ!?ひとしゃんなのりゃ!?」ビクッ
アライちゃん3「ごはんよこどりしにきたのか!?これはありゃいしゃんたちのものなのりゃあ!」フゥーッ
アライちゃん4「ありゃいしゃんたちはつよいんだぞぉ!にげないと、おまえもぶっこよしてじびえにしゅゆのりゃ!」フゥーッ

さっき逃げてた時よりえらく態度が強気だ。

アライちゃん2「ごはんどよぼーめ!やっちゅけてやゆのりゃあ!たあ~!」ヨチヨチシッポフリフリヨチヨチシッポフリフリ
アライちゃん3「たあ~!」ヨチヨチシッポフリフリヨチヨチシッポフリフリ
アライちゃん4「たあ~!」ヨチヨチシッポフリフリヨチヨチシッポフリフリ

尻尾をフリフリしながら突撃してくるアライちゃん。
ああ…なんて可愛いんだろう。

しかし、あまりにも無謀すぎる特攻だ。
アライちゃん達は、私の足元に群がってくる。

アライちゃん2「はぐはぐ!がぶがぶ!」ガブッ
アライちゃん3「ひっかいてやゆのりゃ!たあ~!」バリバリ
アライちゃん4「がぶぅ!ふはは、どーだ、いたいだろー!どげざすればゆるしてやゆぞぉ!」キュルルルルル

アライちゃん達は、私の運動靴を噛んだり引っ掻いたりしている。

…こんなに無謀で自分の力量を知らないおろかな生き物が…
どうしてあんなにたくさん町中や人里で生き延びていられるのだろう。
疑問で仕方がない 。

アライちゃん2「ふははーまいったか!よのなかじゃくにくきょーしょくなのりゃ!たあ~!」バリバリ

アライちゃん3「よわいおまえが、ありゃいしゃんにまけゆのはしぜんのせちゅりなのりゃあ!がぶがぶ!」ガブゥ

アライちゃん4「ふはははー!じゃくにくきょーしょくなのりゃ!」コスリコスリ

アライちゃん2「じゃくにくきょーしょくなのりゃー!≧∀≦」コスリコスリ
アライちゃん3「じゃくにくきょーしょくなのりゃー!≧∀≦」コスリコスリ
アライちゃん4「じゃくにくきょーしょくなのりゃー!≧∀≦」コスリコスリ

アライちゃん2「じゃっくにっく♪きょーしょっく♪」シッポフリフリ
アライちゃん3「じゃっくにっく♪きょーしょっく♪」シッポフリフリ
アライちゃん4「じゃっくにっく♪きょーしょっく♪」シッポフリフリ
アライちゃん2「もいっちょ!じゃっくにっく♪きょーしょっく♪」シッポフリフリ
アライちゃん3「じゃっくにっく♪きょーしょっく♪」シッポフリフリ
アライちゃん4「じゃっくにっく♪きょーしょっく♪」シッポフリフリ
アライちゃん2「もいっちょ!じゃっくにっく♪きょーしょっく♪」シッポフリフリ
アライちゃん3「じゃっくにっく♪きょーしょっく♪」シッポフリフリ
アライちゃん4「じゃっくにっく♪きょーしょっく♪」シッポフリフリ

私は千枚通しでアライちゃんを一匹刺した。

アライちゃん4「じゃっくにっくきょーしょっぎびゃぐぅ!?」ズブシュゥッ

アライちゃん2&3「「ぴぃ!?」」ビクゥ

アライちゃん4「お…おぎゃぶぐぅぅーlーーーっ!!びぎぃーーーっ!げぼっごぼっ!ぐばぁ!」ゴボゴボ

食道を貫かれたアライちゃん4は、胸と口から大量出血した。

アライちゃん2「ヒイイィ!こいつ!ぶきもってゆのりゃ!」ブルブル
アライちゃん3「しゅてごよならかてても、あのぶきにはまけゆのりゃ!ひきょーもなのりゃあ!」ブルブル

アライちゃん4「ごぼ…おね…しゃ…だぢゅ…げ…」ゴボゴボ

アライちゃん2&3「「ぴいいぃぃーーーっ!にげゆのりゃああーーーっ!」」ヨチヨチシッポフリフリヨチヨチシッポフリフリ

アライちゃん2「ぴぃ!ぴぃ!くゆなぁ~~~っ!」ヨチヨチシッポフリフリヨチヨチシッポフリフリ

私はアライちゃん2を追いかけ、千枚通しで右胸を刺した。

アライちゃん2「くゆなっていってゆのりがばあああぶぎゅううぅぅぅっ!!?」ズグシャッ

アライちゃん2「ぎっ…ぴぎいいいいいいいいいいーーーーーーーっ!いぢゃいのりゃぁーっ!」ブシュウウゥドクドク

アライちゃん2「いぢゃいのりゃいぢゃいのりゃいぢゃいのりゃいぢゃいのりゃああああああーーーっ!o(T△T=T△T)o」ビエエーーンッジタバタ

アライちゃん2「ぐばっはぁ!」ゲボォ

アライちゃん2は吐血した。

アライちゃん3「ぴぎぃぃ!おがーしゃーーんっ!おかーしゃあーーんっ!」ピイイィィ ヨチヨチヨチヨチ ガサガサ

アライちゃん3は、森の茂みに逃げ込もうとしている。

私はアライちゃん3の尻尾を掴んで持ち上げた。

アライちゃん3「うぎゅ!ぴいいぃぃーーーっぎゅるるるるぅ!きゅるるるうるぅっ!はなしぇええーーーっ!きゅるるるぅ!」ジタバタ

私はアライちゃん3に千枚通しをつきつけた。

アライちゃん3「ひぃ!?ま、まちゅのりゃ…ありゃいしゃんととりひきすゆのりゃ!」

取引?

アライちゃん3「そ、そーなのりゃ…ありゃいしゃんはかしこいんだぞぉ…!ぎぶあんどていくなのりゃ…うぃんうぃんのとりひきなのりゃ…」

へぇー、取引ね。
どんな?

アライちゃん3「ありゃいしゃんをたちゅけてくれたら、お、おねーしゃんといもーとをぜんぶたべでいーのりゃ!」

…はい?

アライちゃん3「おまえはおなかいっぱいになゆし、ありゃいしゃんはいきられゆ!うぃんうぃんなのりゃあ!」

…。

アライちゃん3「な、なんなら!こーびちてやってもいーぞぉ!うふん♪ありゃいしゃんのきつきつまんこのばーじんあげゆぞぉ♪」エムジカイキャク

…。

…私、女なんだけど。

アライちゃん3「のあ?」

でも、まあいいや。
あなたのヴァージン、貰ってあげる。

アライちゃん3「や、やったのりゃあ!ちえとゆーきでいきのこったのりゃあ…!≧∀≦;ありゃいしゃんはとりひきじょーz…」フゥー

…この千枚通しがね!!

私はアライちゃん3のきつきつまんこに千枚通しを突き刺した。

アライちゃん3「≦∀≧!?」ズグシャアアッ

アライちゃん3「ぴっ…ぎゅぅぃいいいいいいいーーーーーーーっ!!いぢゃいいいぃーーのりゃあーーーーっ!!ぎびゃあああーーーーっ!」ブシュウドクドク

アライちゃん3の安堵した表情は一転し、激痛と苦悶と絶望の顔に変わった。

私は千枚通しをざくざく動かし、アライちゃんのお腹の中を滅茶苦茶にかき回した。

アライちゃん3「やべでええあぎゃああああがあああああ!ああああああああああああああぎゃああああああああああああああーーーーーーー!!」ブッシュウウウ

これだけやれば出血で死ぬだろう。

アライちゃん3「じ…に…だぎゅ…ないぃ…」ドクドク

君はもう助からないよ。

アライちゃん3「や…や…だぁ…」ブルブル

ふふ…いい顔だ。
ぞくぞくするよ。

私は仕留めた獲物を網へ詰めて、川のほうへ向かった。
すると…

肉料理屋店主「…」ザブザブ

アライさん「」ザブザブ

オーナーが、アライさんの死骸を川で洗っていた。

肉料理屋店主「よう、来たか。捕まえられたか?」

はい。この通り。
私は息絶えたアライちゃんが4匹入った網を見せた。

肉料理屋店主「おお。4匹全部やったか。大したもんだ」

えへへ。そうでしょう。

肉料理屋店主「それじゃこっち持ってきてくれ。下処理やってやるから」

私もやってみます。やり方教えて下さい。

肉料理屋店主「分かった。まずは、逆さづりにして血を抜き…」

肉料理屋店主「内臓を取り出してから、川の水でざぶざぶ洗って冷やす」

冷やすんですか。

肉料理屋店主「ああ。仕留めた後すぐに冷やせば、雑菌やバクテリアの活動を抑えて新鮮なまま保てるからな」

ところで、なんで血を抜くんです?

肉料理屋店主「血にはブドウ糖が豊富に含まれてる。動物が死んで免疫力が無くなると、傷口からどんどん雑菌が侵入し、体内で繁殖する」

肉料理屋店主「しかし、肉はすぐ腐るわけじゃねえ。微生物によってタンパク質を分解された後に、それを餌とする雑菌によって食われていくんだ」

肉料理屋店主「つまり腐敗臭や腐肉の毒素は、雑菌が肉を食った後のウンコの臭いってわけだな」

嫌ですね…

肉料理屋店主「しかしだ。血液ってのは、分解のプロセスがいらねえ。ブドウ糖はそのまま雑菌が吸収できるからな」

肉料理屋店主「だから、血液の中には大量に雑菌が繁殖し…くせえ臭いを出すようになるんだ」

なるほど…。
それじゃあ、アライちゃんの解体の仕方、教えて下さい。

肉料理屋店主「分かった」

つづく

アライさん一家の解体が終わった。

その後、いったん私達は車へ獲物を積みに行った。

そして、再び森に入った。

肉料理屋店主「最近寒くなってきたな」

はい、急に冷え込んできましたよ。
ミニスカートでいるのも大変です。

肉料理屋店主「…無理して履かなきゃいいんじゃねーか?」

毛糸のあったかニーソ履いてるから大丈夫ですよ。

肉料理屋店主「そうか…風邪引くなよ」

はい。

肉料理屋店主「お、あれは…」チラッ

オーナーは木の上を見た。

アライさん「のだぁ…のだぁ…」zzz

…アライさんが木の枝に乗って寝てますね。

アライさん「のだぁ…のだぁ…」zzz

随分高いとこにいますね。
アライボウじゃ届かないのでは?

肉料理屋店主「そんなときは、コイツの出番だな」ジャキッ

あ…ライフル銃。かっこいい…

肉料理屋店主「アライさんは群れると強いからな。各個撃破が基本だ」ジャキッ

アライさん「のだぁ…のだぁ…」zzz

肉料理屋店主「死ね!」バァン

アライさん「ぎびゅぅ!?」ビスッ

どうやら、ライフル弾はお腹に当たったようだ。

アライさん「い…だいのだあああっ!」グラッ ヒューーー…

アライさんは木からまっ逆さまに落下し…

アライさん「ごびゃっ!」ゴキィ

頭から地面に墜落した。

アライさん「」ビグンビグンジタバタビッタンバッタン

肉料理屋店主「この木のどっかに穴が空いてないか?探すんだ」ガサガサ

あ、木に穴が空いてますよ。

肉料理屋店主「ほんとか!」

木の穴の中を覗き込んでみましょう。
どれどれ…



アライちゃん1「すぴー…すぴー…」zzz
アライちゃん2「のりゃあ…のりゃあ…」
zzz
アライちゃん3「うゆぅ…うゆぅ…」zzz
アライちゃん4「むにゃむにゃ…はたけのまんまゆおいちーのりゃ…」zzz
アライちゃん5「くかー…くかー…」zzz


…まあ、可愛い。

肉料理屋店主「いたか。よし、網に詰めるぞ」スッ

私はオーナーからトングを受け取り、木の穴の中のアライちゃんを一匹ずつ取り出して網へ入れていった。

アライちゃん1「ぴぎー!ぴぎいいいぃぃーーーっ!」ビイイイ
アライちゃん2「のりゃああああ!のりゃあああああっ!」ビエエン
アライちゃん3「のぉぉおーーーーぉああああーーーんっ!」ピィピィ
アライちゃん4「きゅるるるっ!きゅるるるるららららっ!」ガジガジ
アライちゃん5「のりゃ?くんくん、ふんふん…」

さて、この子達も川で下処理するんですよね。

肉料理屋店主「…」

オーナー?

肉料理屋店主「変なこと聞いていいか?」

どうしました?

肉料理屋店主「アライちゃんを、生きたまま調理するって行為があるとしたら…お前、どう思う?」

な…!?何ですかそれ!どうやって!

肉料理屋店主「生きたまま油で揚げるとか」

ふっはぁ!最高じゃないですk…
あ…やばい。

今まで隠していた私の悪い趣味を、さらけ出してしまった。

オーナーにだけは知られたくなかったのに…!

肉料理屋店主「…なーに、単なる冗談さ。本気でやるわけねえよ」

…で、ですよね。

肉料理屋店主「常識的に考えれば、いくら相手がアライちゃんといっても…、そんなことやったら品性を疑われるよな」

ですね…。

肉料理屋店主「…ほんとはそういうのが見たいとか?」

…それは、その…。

肉料理屋店主「…お前、まさか…狂人卍の動画とか見てたりするか?」

…みてます。ごめんなさい…
ああ…オーナーに嫌われる…

肉料理屋店主「おい、バイト」ドンッ

きゃあ!?オーナーに、木へ壁ドンされた!
か…顔が近い!!



肉料理屋店主「お前もう、そういうの観るのやめとけ」

えっ…?

そ、そもそも、なんで分かったんですか?

肉料理屋店主「さっきのアライちゃんの中に一匹、マ●コをぶっ刺された奴がいた。…ペットアライちゃんの飼い主にしては、随分『歪んだ』仕留め方だと思ってな」

…バレてたんですか。
やっぱり駄目…ですよね。

肉料理屋店主「じゃねーとお前…、これは直感だが…。取り返しのつかねー事になるかもしれねえぞ」

ど、どういう…?

肉料理屋店主「もしかしたら、そのうち…、アライさんじゃ満足できなくなるかもしれねえ」

…!?

肉料理屋店主「…だから、今のうちに、やめとけ」

…オーナー…。
なんでそんな、悲しい目をしてるの…

肉料理屋店主「…」

…分かりました。
オーナーがそう言うなら…そうします。

肉料理屋店主「…アライさんを食うのも、これっきりにした方がいいかもしれねえな…」

…。

オーナーとの繋がりが減るのはやだなぁ…。

肉料理屋店主「下処理は俺に任せとけ」

はい…。

アライちゃん1~5「「のあああー!のぉぉびゃあああーーん!!」」ビエエーーンッ

オーナーは、アライちゃん達を殺し、川で下処理した。

肉料理屋店主「そろそろ戻るぞ。車に乗ろうぜ。…今日はよくやったな」

えへへ…。
それじゃ、行きましょう。
寒くなってきましたからね。

肉料理屋店主「ああ、そうだな…」ガチャッ

オーナーは、車のエンジンキーを回した。

車のエンジンが鳴った。
その瞬間。

『ぎびぃぃゃあああーーーーーっ!!?いぢゃいいいぃいいいーーーーーっ!』

!?こ…この声は…!?

肉料理屋店主「あっやべ…やっちまった…」

『だぢゅげでえええええっ!あぎゃがあああああっ!』

肉料理屋店主「…くそ…最悪だ…」ガチャッ

ど…どうしたんですか?
エンジン止めたりして。

肉料理屋店主「寒くなってきたら気を付けなきゃいけなかったのに…」ガチャッ スタスタ

オーナーは車を降り、ボンネットの前に来た。
…一体、どうしたっていうんだろう…?
さっきの声は…?

つづく

オーナーはエンジンを止め、車から降りてボンネットを開けた。
すると、そこには…

アライちゃん「ぴぎいぃぃーーーっ!!いぢゃいいぃっ!だぢゅげでえーーっ!!」ビエエエン

…エンジンの回転部品に下半身が巻き込まれ、挟まっているアライちゃんがいた。
肉が焼ける焦げ臭いニオイがする。

肉料理屋店主「あー最悪だ…掃除しねえと…」ガシィ

オーナーは軍手をつけて、機械に挟まったアライちゃんのお腹を握った。

アライちゃん「うぎゅうぅ!!ぐゆじぃいい!!」ジタバタ

オーナー「うい…しょっとッ!!」グイイイイイイイイイイイイイッ

アライちゃん「がびゃあぎゃあああああああああああああああっ!!!」ブヂブヂブヂブシュウウゥゥッ

なんと、オーナーはアライちゃんを機械から引っこ抜いた。
しかし、力づくで無理矢理引っこ抜いたせいか…

アライちゃん「あ…ぎゃ…が…い…ぢゃい…」ビクビク

…下半身が千切れ、臓物や背骨が断面から突き出ている。

肉料理屋店主「クソが」ポイッ

アライちゃん「びぎっ」ベチャア

上半身だけとなったアライちゃんは、その辺にポイっと投げ捨てられた。

アライちゃん「い…ぢゃい…じに…だぐない…だぢゅげ…で…」ピクピク

…絶望的で素敵な顔だ。

肉料理屋店主「おいバイト、エンジンの掃除手伝ってくれ」

承知です。
私はオーナーと一緒に、エンジンの機械に挟まった肉片やズタズタの尻尾、
血痕と30分ほど格闘した。

エンジンを掃除している間、後ろの方から『たしゅ…けて…』などと聞こえてきたが、
無視していたらそのうち声はしなくなった。

肉料理屋店主「まーこんなもんだろ…。よし、あいつら迎えに行くぞ」ガチャッ

オーナーは車に乗った。
私は、さっきのアライちゃんをちらっと見た。

アライちゃん「」

…あれから上半身だけでこっちへ這って近づいていたようだ。
移動した後に血痕が残り、腸が伸びている。

私は木の枝でアライちゃんをつっついてみた。

アライちゃん「」

反応はない。

肉料理屋店主「どうした?何見てるんだ?」スタスタ

あ…いや、何でもないです。

肉料理屋店主「それはさすがに食えねえぞ…」

分かってますよ。
私は車に乗り、他三人を迎えに行った。
そして宿泊施設へ向かった。

~キャンプ場~

私達は、各々収穫した食材で料理を始めた。

肉料理屋店主「さて。やるぜ」

作りましょう。アライさんジビエ料理。
どんなのにするんですか?

肉料理屋店主「ガキ共は煮込む。大きい奴は焼く。って感じかな」

ほうほう。一緒にやりましょう。

バラエモン「はじめての共同作業かしら?」

肉料理屋店主「店でいつもやってるよ!」

えーと。どうすればいいんです?

肉料理屋店主「そうだな。まずは皮を剥くか」

私達は、アライちゃんやアライさんの皮を剥いた。

耳と尻尾を取られ、皮を剥かれたアライさんの肉は…

ギョエモン「うっわ…」

バラエモン「きっついわね…」

ムシエモン「虫は食えても、これはキツイぞ…」

…ほぼ人間の女性の皮剥ぎ死体そのものであった。

肉料理屋店主「あんまこっち見んな」テキパキ

ギョエモン「…よくそんなの料理できるね…血の気が引くよ…」

ですよね…。

アライちゃんは、全身をバラバラに切って、原型が分からないようにした。

手や足の末端は捨てた。
頭も、脳ミソだけ取り出して捨てた。

ほとんど捨てちゃうんですね…。

肉料理屋店主「人っぽいとこが残ってると食欲減退だろうしな」グツグツ

鍋見てますよ。
オーナーは親の方の調理進めててください。

肉料理屋店主「サンキュ、助かるぜ」スタスタ

私はアライちゃん達が煮込まれている鍋を覗き込んでみた。

…アライちゃんの原型は全く残っていないな…。

肉料理屋店主「さてと。こっちもやりますか」ザグンザグン

オーナーは、アライさん二匹をざくざくと切って解体している。

あの大きさの動物を解体できるのは、オーナーのマッシブな腕力あってこそのものであろう。

肉料理屋店主「肉を削いで、切って…と」ザクザ

ふぅ、だいぶ鍋のアライちゃん肉もトロトロになって来ましたね…。

バラエモン「へぇ、美味しそうじゃない。私が採ったキノコ入れてみない?」スタスタ

だそうですが、どうですかオーナー?

肉料理屋店主「キノコか!いいぞ!」ザクザク

ムシエモン「ボクが獲った蜂の子入れてみない?」

蜂の子「」ウジャウジャ

だそうですが、どうですかオーナー?

肉料理屋店主「虫は入れんじゃねえ!」ザクザク

そうして、料理は出来上がった。

ムシエモン「イナゴの佃煮!そして蜂の子の甘露煮だぞー」

蜂の子って…蜂獲ったんですか!?
刺されませんでした!?

ムシエモン「刺されない刺されない…クロスズメバチの巣くらい余裕だぞ…地面を掘ってザクザクと」

スズメバチぃ!?
食べて大丈夫なんですか!

肉料理屋店主「クロスズメバチは昆虫食界ではメジャーな方だぜ」

そ、そうなんですか…

ギョエモン「こっちは川エビの唐揚げだよ。魚は…残念ながらいなかった」

わ。美味しそうですね。

ギョエモン「ザリガニもあるよ」

う、それは…

ムシエモン「ザリガニ!?た食べるぞ!」

食い付きいいですね!?

ムシエモン「ザリガニは…どっちだ?昆虫じゃないけど…」

…昆虫食でいいんじゃないですか。
バラエモンさんはどうでしたか?…って、わあ!
果物がありますよ!

バラエモン「それはアケビね。採れたのはオニグルミとか、セリとか…タマゴタケがあったわね。炒め物にしたわ」

肉料理屋店主「タマゴタケ?…ベニテングタケじゃないだろうな?」

バラエモン「失礼ね。間違えないわよ、今度は」

今度は…って何ですか?

ギョエモン「それで、ジビエモンは…」

肉料理屋店主「アライさんのステーキと」

アライちゃんの煮込みデミグラスシチューです。

肉料理屋店主「アライさん二匹はさすがに量が多かったんで、片方はいま燻製にしてるぜ」

ムシエモン「アライさんの原型ないな…」

バラエモン「原型あったら食えたもんじゃないわね…」

肉料理屋店主「さて、それじゃあ皆、食うか!」

\いただきまーす!/

さて、まずはアライさんステーキですね。
はむ…もぐもぐ…

肉料理屋店主「どうだ?」

お…美味しい!
脂が少なくて、肉にコクのある味がついてますね!

ギョエモン「お、美味いな!牛肉とはまた違った味だ…」モグモグ

肉料理屋店主「いつ食っても最高だぜ」モグモグ

…オーナー、実はけっこう食べてました?

肉料理屋店主「…ちょくちょく捕まえてた」モグモグ

ジャンキーですかね。

次はアライちゃん煮込みデミグラスシチュー。

…肉に骨がついたままなんですね。

肉料理屋店主「ああ。骨ごといってみ」

では。もぐもぐ…
…!ふほぉ!柔らかくてとろっとしてて美味しいですねぇ!

バラエモン「骨も軟骨みたいで、ポリポリしてて美味しいじゃないの!んん!」モグモグ

肉料理屋店主「アライさんやアライちゃんは森の中の奴に限るぜ」モグモグ

ムシエモン「アライさんジビエ…恐るべし。こんな美味かったとは…」モグモグ

ギョエモン「これだけ美味しいなら、動物園で集めたり、ペットフードの原料になるのも頷けるね」モグモグ

ギョエモン「ん!美味い!なんだこれ?」モグモグ

肉料理屋店主「それは脳だな。肝臓とかも煮込んであるぜ。…アライさんは、脳が一番美味えんだ」

脳が一番美味しい動物って珍しいですね。

ムシエモン「一説には、アライさんの脳には未知の物質も含まれてるとか」モグモグ

バラエモン「内臓も料理したの?」モグモグ

肉料理屋店主「ああ。傷みやすい内臓も、獲ったその日のうちなら美味しくいただけるってわけだ。野食会の醍醐味だぜ」モグモグ

ギョエモン「おかわり、もう一杯!あと、ブログに載せる写真撮らないとね」

肉料理屋店主「あ!忘れてたな。まあ、料理はまだあるし。一旦撮影するか」


写真撮影の後も、私達はお互いが作った料理を食べ合った。

ギョエモンさんの海老の唐揚げ。
バラエモンさんの野草炒め。
ムシエモンさんのイナゴの佃煮。(蜂の子は無理でした)

本職のシェフ達が、新鮮な食材で作った野食料理は、どれもとても美味しかった。

肉料理屋店主「どうだ、バイト。これが野食会だぜ」

野食、さいこー!

ムシエモン&ギョエモン&バラエモン「「「野食サイコー!」」」

肉料理屋店主「喜んで貰えてよかったぜ!」

そうだ、オーナー。

アライさんのくず肉って余ってます?
切れ端みたいのでいいです。

肉料理屋店主「ああ、たっぷりあるぜ」

それ、いくつか貰って冷蔵庫で冷やしといていいですか?

肉料理屋店主「いいけど、何するんだ?まさか刺身にでもするのか?」

それもいいかもしれませんが…
明日のためにとっておきたいんです。

肉料理屋店主「…なるほどな。いくらでも取ってけ」

はい!

…私は、アライさんのくず肉を削ぎ、器に貯めて冷蔵庫で冷やした。
血や肉汁へ漬け込んで…。

そして私達は食べ終わり、後片付けをした。

アライさんの使わなかった部位は、キャンプファイヤーで火葬した。

一同「「山の恵みに感謝!ご馳走さまでした!」」

一旦ここまで

今回はここまでです

~翌日~

私達は朝食を食べた後、ギョエモンさんのクルーザーで海に行った。

海釣りをするのである。

ギョエモン「さ、釣竿だよ」

…釣糸が太いですね。

ギョエモン「大物狙いだからね」

バラエモン「それで、餌は何を使うの?」

ギョエモン「コレさ」

※虫グロ注意
https://i.imgur.com/ER0aymC.jpg


い…イヤぁあああああああああああッ!!!
気持ち悪いッ!!!!何これぇぇッ!?


※画像出展元:
http://t-port.com/esazukan/yumushi_ippikigake/

な…これ…何ですか!?
ち●ぽ!?

肉料理屋店主「大声でそういう事言うな!」チョップ

んぅぅっふぁあっ♥

バラエモン「●んぽじゃないわよ。これはユムシ」

ムシエモン「食べても美味しいんだぞ…オススメはやっぱ…刺身だねぇ」

気持ち悪いこと言わないでください!!

ムシエモン「き…気持ち悪い…?」ズーン

あ…いや…ごめんなさい…
別に昆虫食の文化を否定したわけではなくて…

ムシエモン「そ、そうか、それなら…」

ギョエモン「いや気持ち悪いでしょ」

ムシエモン「」シロメ

ああっ!ムシエモンさんの顔が蒼白に!

ムシエモン「いいんだ…昆虫食は…気持ち悪いと言われてなんぼさ…うへへ…」

…そうですか。

でもこれ…触るのはきついですね…

肉料理屋店主「貸しな。つけてやるぜ」ヒョイ

優しいですねオーナー。

肉料理屋店主「はは。ま、せっかく来てくれたんだし、楽しんでほしいからな」グイグイ

ユムシ「!」ドズゥ

ああ!オーナーの太くて大きなユムシの先端に針が突き刺さった!

肉料理屋店主「…」グイグイ

おおおう…。オーナーのむにむにしたユムシの中を、針がぐいぐいと突き刺さって貫通していく…

肉料理屋店主「…」グイイッ

ユムシ「」ドズゥ

ああ!皮を被ったオーナーのユムシの横から針が突き出た!うわぁ痛そう!

肉料理屋店主「…」チョップ

にゅふぅぅっ♥
…何ですか!実況しただけですよ!

肉料理屋店主「なんか…腹が立った。ほらよ、海に投げてみな」

ありがとうございます。

私達は、それからしばらく釣りをした。

ムシエモン「…釣れないね…」ザザーン

バラエモン「釣れないわね」ザザーン

釣れないですね…。

…私達は、釣りに難航していた。

ギョエモン「…!おお、来た!」ガリガリガリガリ

ギョエモンさんは、さすがに釣るのが上手い。

肉料理屋店主「くそ、さっきは一匹釣れたんだけどなぁ…」

オーナーも、ちょいちょい釣ってた。

ギョエモン「うーん、なかなか魚がいないね…。釣れるシーズンを狙ってきたつもりなんだけど」

うーん…釣れない…
こうなったら、虎の子を使いますか。

ギョエモン「虎の子?」

肉料理屋店主「ヒャーーーハハハハッハア!おもしれぇ!いいぜバイト、やってみな!」

私は、クルーザーの中のクーラーボックスへ、秘密兵器を取りに行った。

私は器を持って釣竿のところへ戻ってきた。

ギョエモン「それは…何?肉かな…?」

バラエモン「血に浸してあるわね…」

アライさんの生肉です。

ギョエモン「それを釣竿につけるのかな?面白いこと思い付くね」

ムシエモン「でもまだユムシがついてるぞ…」

ユムシ「」グッタリ

ああ…オーナーのユムシが、元気なくへなへなと萎びている…

肉料理屋店主「外してやろうか?」

お願いします。
オーナーは、私の釣竿からユムシを外した。

私は、秘密兵器…
アライさんの肉を釣り針へ付けた。

そして、海へ投げた。

ギョエモン「うーん…。さっきから釣れなくなってきたな…」

肉料理屋店主「今日はダメな日かもしれないな…」

ギョエモン「まあ、僕みたいな熟練者でさえ釣れない日も、たまにはあr…」

おおっ!引いてます!
ぐいぐい引いてます!

ギョエモン「え!?」

バラエモン「なん…だと…」

うおおおっ…竿が重い!
ぐっ…うぅぅ!

アオリイカ「!」ザバァーーッ

い…イカが釣れたぁーーッ!!

肉料理屋店主「でけぇ…!今日一番の大物だァーッ!」

ギョエモン「」ポカーン

ムシエモン「いいぞーこれ」

バラエモン「体長20センチはありそうね」

私は獲物をクーラーボックスへ入れた。
そして新たなアライ肉を釣り針へつけて海へ投げた。

ギョエモン「ふ、ふふ…良かったね。でこういう大物はめったに釣れな…」

うおお!また引きました!

ギョエモン「な゛!?」

くっ…うぅ!手応えがすごい!
負けるかあああ!

スズキ「ッ…!」ザバァーーッ

うわぁ、魚だ!でかい!

ムシエモン「25センチあるぞ…」

肉料理屋店主「ヒャハハハ!とんでもねージャックポットだ!」

ギョエモン「…ふふ。いいね。いいじゃないか。燃えてきたよ。今が釣れどきってことだね…!」

ギョエモン「僕達はどうやら今、魚群の上にいるらしいね!」

バラエモン「そういう割には釣れてないけど」

ギョエモン「これからさ!これから!…今僕は必死に戦っている最中さ!この大海原と…」

またかかりましたぁ!

バラエモン「…」

ギョエモン「フ…フフ…!だんだん熟練者のプライドにもヒビが入ってきたぞ…!」プルプル

そしてお昼。
私達は海を見ながら昼食をとった。

私が釣った魚を、ギョエモンさんがさばいてくれた。

肉料理屋店主「このクルーザー、ガスコンロあるのか。スズキの身は俺がちょっと料理するぜ」スタスタ

ギョエモン「頼んだよジビエモン!…さて。僕は3匹釣れたね」

肉料理屋店主「俺は2匹だ」

私は5匹でした。

ギョエモン「……………ふっ、本番は午後からさ…釣り熟練者の実力を見せてあげるよ」ズーン

…ムシエモンさんとバラエモンさんはどうでした?

ムシエモン「シャコが釣れたよ」

バラエモン「こっちはフグ」

フグですか…。

ギョエモン「フグか。さばいてお刺身にして食べよう」

やったぁ!

私達は、新鮮な海の幸をたっぷり味わった。

そして、クルーザーの中へ入り、みんなで少しお昼寝した。

…ふわぁー、よく寝た。

ギョエモン「うーん…よし。じゃあ、午後もはりきっていこうか!」

バラエモン「バイトちゃん、餌分けて貰っていいかしら?」

いいですよ。
くず肉はけっこう持ってきましたしね。

ムシエモン「ボクにも使わせてよ…。もっと大きなシャコを釣りたいな」

シャコ「ワキワキ」

じゃんじゃん使ってください。

ギョエモン「くっ…!ぼ、僕は…僕のスタイルでいくよ!ユムシこそ至高!負けないぞ!」

ふふ。構いませんよ。
このまなアライ肉で押しきってやりましょう。

肉料理屋店主「さーていくぜ!さっそく餌を…」チラッ

私達は釣り餌を乗せた器を見た。

肉料理屋店主「…餌……を………」ピタッ

ギョエモン「な…」ピタッ

バラエモン「嘘…でしょ…」ピタッ

ムシエモン「どうして…ここに…」ピタッ

…そこで私達は、信じられない光景を見た。

デッキにあったはずの、ユムシやアライくず肉といった釣り餌が…

アライちゃん1「あむあむあむあむあむ!!あむあむあむあむあむ!!んまいのりゃー!」クッチャクッチャ

アライちゃん2「おいちーのりゃあ!こんなのはじめてたべたのりゃー!くっちゃくっちゃ!」クッチャクッチャ

アライちゃん3「ひとしゃんがねてゆあいだにぜぇーんぶたべゆのりゃ!はぐはぐ!もぐもぐ!」クッチャクッチャ

アライちゃん1~3「「はぐはぐ、くっちゃくっちゃ、もぐもぐ、がぶがぶ…」」クッチャクッチャ



…ほとんど、予期せぬ侵入者によって食い尽くされていたのであった。

ギョエモン「馬鹿な…。上陸するときに、クルーザーに忍び込んでたのか…!?」

肉料理屋店主「神出鬼没も、ここまでくるとホラーだぞ…」

アライちゃん1「うゆぅ!?ひとしゃんなのりゃ?」シッポフリフリ

アライちゃん2「まさか、ごはんをよこどりすゆきかー!?だめなのりゃー!」フシャアアア

アライちゃん3「このむししゃんやおにくは、ありゃいしゃんたちががんばってつかまえたじびえなんだぞぉ!」フゥゥーーッ

ムシエモン「…」ポカーン

バラエモン「ああ…餌がもう…。これじゃもう、釣りができないわね…」

ギョエモン「…こんなことって…」

つづく

肉料理屋店主「なあ、みんな…」

ギョエモン「どうしたんだい」

肉料理屋店主「さっきはアライさんの肉片だけで、あんなに釣れたんだよな…」

ギョエモン「そうだったね」

肉料理屋店主「じゃーよ、まるまる一匹餌にしたらどうなるかな?」

一同「「!!」」

アライちゃん1「うゆぅ、えしゃ!?」
アライちゃん2「ありゃいしゃんたちをえしゃにすゆ!?たべゆつもりなのか!?」
アライちゃん3「ありゃいしゃんたちたべものじゃないのりゃっ!みてわかんないのかーっ!」フシャアアア

アライちゃん1~3「「「きゅるるるるぅ…!ふしゃあああっ!」」」フゥゥーーッ

アライちゃん達は、尻尾をぴんと立てて私達を威嚇している。

イキってる姿も可愛いなあ。

アライちゃん1「で、でもまちゅのりゃ!こっちはさんにん、あっちはごひきなのりゃっ!」シッポフリフリ

アライちゃん2「うゆぅ…さしでのたいまんならかてても、たぜーにぶぜーなのりゃ…」

アライちゃん3「あっちばっかしいっぱいいて、ひきょーなのりゃ…ひきょーものあいてにはかてないのりゃ…」コスリコスリ

アライちゃん1「に!」
アライちゃん2「げ!」
アライちゃん3「ゆ!」

アライちゃん1~3「「「のりゃ~っ!」」」ヨチヨチシッポフリフリヨチヨチシッポフリフリ

アライちゃん達は、一列になってヨチヨチ歩きで逃げていく。

ムシエモン「逃げるって…どこに逃げるんだろ?まさか海に飛び込む気かな…」

私達は、アライちゃん達の後を追った。

…きゃあ!?

肉料理屋店主「どうした!?」ピタッ

なんか右足の裏に変な感触が…!

肉料理屋店主「変な感触!?まさか連中、ワナを仕掛けてやがったのか!?」

バラエモン「靴の底見せてみなさい!」

私は右の靴の底を見ると…





…床の上にあったウンチを踏んづけていた。

うわ臭っさっ!!!めっちゃ臭いっ!!

アライちゃん3「やーいやーい!えんがちょー!うんちぶりぶりきたないのりゃー!≧∀≦」オシリフリフリヨチヨチヨチヨチ

くっ…あいつら…!

ギョエモン「僕のクルーザーがああああああ!!害獣のフンにいいいいッ!」ギャアアアアアア

ムシエモン「後で清掃手伝うから…」タタタタタ

アライちゃん達は、クルーザーの梯子の部分に向かっていった。
私達がこのクルーザーに乗り込んだ場所である。

アライちゃん1「ありゃいしゃんはかちこいのりゃ!とーそーけーりょはかくほずみなのりゃあ!≧∀≦」ヤーイヤーイヨチヨチ

アライちゃん2「こっちにいけばりくにもどれゆのりゃあ!」ヨチヨチヨチヨチ

アライちゃん3「もりにかえっておねんねすゆのりゃー!ふははははー!」ヨチヨチヨチヨチ

アライちゃん1~3「「「…」」」ピタッ

アライちゃん達は、梯子の前で止まった。

肉料理屋店主「どーした?陸に戻れるんじゃねえのか?」タタタタタ

アライちゃん1「み…みずなのりゃあ!?なんでなのりゃあ!!」ピイイィィ

アライちゃん2「こ…ここからりくにもどれゆはずなのりゃあっ!」

アライちゃん3「なんでおみずざぶざぶになってゆのりゃあああっ!?」

なんでって…
船なんだから、陸から離れるに決まってるでしょ。

ここは海のど真ん中だよ。

アライちゃん1「ふね!?ふねなんなのりゃあ!?」シッポフリフリ

…まさかこのアライちゃん達、ここが船だと知らずに乗り込んだの?

船っていうのはね。海の…このでっかい水の上を渡る乗り物だよ。

アライちゃん2「なにいってゆかわかんないのりゃ!」シッポフリフリ

だから…
これの上に乗れば、陸を離れて海に行けるの。

アライちゃん3「がいじなのりゃ!じめんがかってにうごくわけないのりゃ!」コスリコスリ

アライちゃん1「がいじなのりゃ!≧∀≦」ウヒャヒャヒャヒャ
アライちゃん2「がいじなのりゃ!おつむだいじょーぶなのりゃ?」ノヒャヒャヒャ
アライちゃん3「がいじなのりゃ~!'`,、('∀`) '`,、」ゲラゲラゲラ

…じゃあ、そこから陸に戻ってみたら?

アライちゃん1~3「「「…」」」


アライちゃん1~3「「…もどりかたわかんないのりゃああ~っ!」」ウユウウゥゥ

肉料理屋店主「こいつらと会話するな。IQ下がるぞ。捕まえた」ガシィ

アライちゃん1「ぴぃ!?」ビクゥ
アライちゃん2「しっぽつかむなぁ!」ビクゥ

バラエモン「後ろがお留守よ」ガシィ

アライちゃん3「ぴいいぃぃ!?はなちてはなちて!」ブラーンジタバタ

ギョエモン「…で、それで釣りするの?」

肉料理屋店主「ああ。こいつらは、お前らにやるよ…ムシエモン、ギョエモン」スッ

ムシエモン「え」

ギョエモン「僕かい…?」

肉料理屋店主「このクルーザー出してくれた礼だよ。こいつでドカンと一発大物引けたら面白いんじゃねえか?」

ギョエモン「…ありがとう」

バラエモン「バイトちゃん、コレ使う?」スッ

アライちゃん3「はなしぇーー!はぁーーなぁーーしぇーーーっ!」ピギュウルルルル

私はけっこう釣りましたから…
バラエモンさんが使ってください。

バラエモン「ありがと」スッ

バラエモンさんは、左手にアライちゃん3を、右手に釣糸を握っている。

アライちゃん3「くぅぅー!おがーしゃああああーーんっ!だじゅげでおがーしゃあああーーーんっ!」ビエエエエーーンッジタバタ

そして、バラエモンさんは、アライちゃん3の口の中へ針を突き刺した。

アライちゃん3「はぎびぎゃがあああああああああーーーーーーーーっ!」ブスウゥッ

針は、アライちゃん3の下顎から突き出た。

そしてバラエモンさんは、左手で釣糸を持った。

https://i.imgur.com/N2PFz3C.jpg

バラエモン「できたわ」

アライちゃん3「がぎゃああああああああああああ!いぎゃああ!いぎゃああああああ!あええ!あえうぉあああーーっ!」ジタバタピギイイィィ

バラエモン「いくわよ!フン!」ブンッ

アライちゃん3「じびいいぃいーーーぇええーーーーっ!」シュウウゥーーッ

アライちゃん3「ぴゃぶ!」ボッチャアアンッ

アライちゃん3は、水の中に沈んだ。

バラエモン「おお、ぐいぐい引いてる…けど小さい引きね」グイグイ

肉料理屋店主「そりゃアライちゃんがもがいてるからだろ。水面に出ようとして、仕掛けの錘で沈んで…を繰り返してんじゃねえかな?」

バラエモン「おおっ!来た!来たわッ!!」グイイイッ

すごい引いてますよ!

バラエモン「うお…らっ…シャアアアーーーーーッ!」ガリガリガリガリ ザバアァァーーッ

巨大タコ「…!」ザバアァァーーッ

タコだ!

ムシエモン「で…でかいッ!!!」

巨大タコ「…ッ」ビッッタァアーーンッ

巨大タコがクルーザーに打ち上げられた。

巨大タコ「…」ニュルニュル…

ギョエモン「す…すごい…」

バラエモン「まあ…これ食べれるの…?」アセアセ

アライちゃん2「ぴぎいぃ!?いもーとぉ!?…や、やめ、あ、あ、ありゃいしゃんには、や、やべで」

ムシエモン「次はボクが!」ドブズゥッ

アライちゃん2「がびゃああああーーーっ!」ブスウゥッ

さっきと同じように糸を通した。
おお痛そう。

ムシエモン「シュッ!」ヒュンッ

アライちゃん2「だぢゅげでえええええええーーーーーーーーっ!」シュウウゥーーッ

アライちゃん2「ぷぎゅ!」ボッチャアアンッ

ムシエモン「…むぅ…餌自体の引きがすごいぞ…」グイグイ

アライちゃん、海の中でどんな風にもがいてるんだろ…
想像するとなんか興奮する。

ムシエモン「…」

ギョエモン「来るかな?」

ムシエモン「むぅ!?き、来たぁ!」グイイイーーーーッ

え!?引きが強すぎじゃないですか!?

ムシエモン「むぅ~~っ!お、重い…!」ガリガリガリガリガリガリ

頑張れ!頑張れ!

糸「」ブヂィンッ

ムシエモン「ああっ!糸が切れたあ!」

肉料理屋店主「どんだけデカい相手なんだ…」アセアセ

ギョエモン「そ、そんな大物がかかったのか…」アセアセ

ここにきて…まさかの事態。
相手が強すぎて…この釣糸じゃ、釣れない…!

ギョエモン「次は僕か」スッ

ギョエモンさんは、グローブをつけた。

ギョエモン「…僕の竿が、今持ってるやつで一番強い糸を使ってる。これでいこう」スッ

そして、釣糸とアライちゃん1を掴んだ。

アライちゃん1「ぴぎゅうるるるるるるるぅぅっ!はなぢぇーーーーっ!はぐがぶうぅぅっ!」ガブゥバリバリ

アライちゃん1は、ギョエモンさんのグローブを噛んだり引っ掻いたりしている。

ギョエモン「いくよ!」スッ

アライちゃん1「ふーっ!ふーっ!」フゥフゥ

しかしアライちゃん1は、口を閉じていて針を通せない。

ギョエモン「参ったな…」

肉料理屋店主「じゃあ、逆から針を通したらどうだ?」

ぎ、逆って?

ギョエモン「!いいね、ナイスアイデア!それいただき!」スッ

ギョエモンさんは、アライちゃん1を逆さに持ち…

ギョエモン「だりゃ!」ズブウゥゥッ

アライちゃん1の肛門に釣り針を刺した。

アライちゃん1「いぢゃいぃのりゃあああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーっ!」ビギイイィィ

うおお…あれは痛い。

ギョエモン「これでいいね」グイイッ

アライちゃん1「ぴぎゃああああああああああああーーーーっ!」ドブシュウゥ

肛門を貫通した釣り針は、アライちゃん1のお腹から出てきた。

ギョエモン「いけッ!」ビュンッ

アライちゃん1「おがああああじゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああびゃぶ!」ボッチャアアンッ

ムシエモン「さあ、今度はどうかな…」

…今、海の中のアライちゃん1はどうなってるんだろ。

~海の中~

アライちゃん1「ごびぎ!ごばばごびぼが!(苦しい!お尻とお腹が痛いのだ!)」シッポユラユラ

??「…」スイイー

アライちゃん1「ごぼ!ごぼがぼごぼぼ!(お魚さん助けてなのだ!)」ゴボゴボ

??「…」ジロジロ

アライちゃん1「ごっぼぼぼがぼごぼ!(アライさんの可愛い尻尾のダンス見せてあげるから!)」

アライちゃん1「ごびゃぁー!≧∀≦」シッポフリフリフリフリフリフリフリフリ

??「キシャアアアアアアアアアアアアアアッ!」ガブゥウウウッッ

アライちゃん1「がぼぎゃ!」バクンッ グチャリ




~クルーザーの上~

ギョエモン「うおッ!くっ…来たな大物!これはでかいぞ!」グイイイーーーーッ

もう引いたんですか!?
食い付きよすぎるでしょ!?

ギョエモン「ぐあっ…すさまじい大物だ…!うぅっ引きずられる…!」ズルズル

ああ!
ギョエモンさんが引っ張られていく!?

ギョエモン「く、そ…!これが僕の限界か…!」ギリギリ

ムシエモン「まだだぞ!ボクもいる!」ガシィ

ムシエモンさんが、ギョエモンさんを後ろから引っ張った。

ギョエモン「ムシエモン…!」

ギョエモン「仲間の力が!君にはあるんだ!うおおおおっ!」グイイイッ

しかし、まだ引き上げるには足りない。

バラエモン「やれやれ…ほっとけないわね!」ガシィ

ムシエモン「ひぃ!?」ビクゥ

バラエモンさんが、ムシエモンさんを後ろから引っ張った…!

ギョエモン&ムシエモン&バラエモン「「オー!エス!オー!エス!」」グイグイ

しかし、まだ獲物の方がパワーが上だ…!

肉料理屋店主「俺もいるぞ!オカマ野郎!」ガシィ

バラエモン「あら♪」

オーナーも、バラエモンさんを後ろから引っ張った。

ギョエモン&ムシエモン&バラエモン&肉料理屋店主「「うおおおおーーーーーーーッ!」」グイグイ

ついに力が拮抗した…!
あ、アツい…!


…うおおおおーーーーっ!
私はオーナーに後ろから抱きついた。

肉料理屋店主「バイト!」

はああーーっ!
私はオーナーに、どさくさに紛れてGカップの自慢の胸を押し付けながら引っ張った。

肉料理屋店主「っ…」

魚をギョエモンさんが!

ギョエモンさんをムシエモンさんが!

ムシエモンさんをバラエモンさんが!

バラエモンさんをオーナーが!

オーナーを私が!引っ張っている!

ギョエモン「く…!ま、まだ…!パワーが足りない…!あとちょっとなのに…!」

バラエモンさん!

バラエモン「はい!何かしら!?」グイグイ

今!オーナーに後ろから抱き締められてるんですよね!?

バラエモン「そうよ!それが何!?」グイグイ

今、お尻に硬いの当たってませんか!?

肉料理屋店主「な…!」

バラエモン「…あ…」

どうなんですか!?

バラエモン「…当たってるわ!」

やったぁ!

肉料理屋店主「…変なこと、聞くんじゃねえええェーーーーーーーッ!!」グイイイイイイーーーッ

私に抱き抱えられてるオーナーが、バラエモンさんをジャーマンスープレックスの要領で持ち上げ、後ろへ投げた!

バラエモン「うおお!?」グイイッ

ムシエモン「わああ!?」グイイッ

ギョエモン「これは!?凄いパワーだ!いっけえええーーーーッ!」グイイイイイイーーーッ






巨大カジキマグロ「キシャアアアーーーーーーーッ!!」ザッパァーーーーーーンッ




一同「でけえええええええええええええええーーーーーーーーーーッ!!!!!」



巨大タコ「」ニュルニュル…

巨大カジキマグロ「」ビッタンバッタン

ギョエモン「ハァー…ハァー…」ゼェハァ

バラエモン「なんという収穫…」ゼェハァ

ムシエモン「野食ってレベルじゃないぞ…」ゼェハァ

肉料理屋店主「こりゃあ、食いきるのに1~2週間はかかりそうだな!」ゲラゲラ

ギョエモン「…」ハァハァ

どうしました?

ギョエモン「…今度、たくさんアライちゃん捕まえて釣りに行こうと思ってね」

きっと楽しいと思いますよ。





そして私達は記念写真を撮影し、ブログへ載せた。
その晩は、獲れた獲物で宴をした。


1日目も、2日目も、最高に楽しい合宿だった…
…アライちゃんのおかげで!

ありがとう、アライちゃん!



~男児兄弟の家~

肉料理屋店主「よーっす、帰ってきたぜ!ハンバーグキッズ共!」

どうもです。

男児兄「肉屋のにーちゃんだー!」ドタドタ

男児弟「おみやげはあるのー?」ドタドタ

はい。
ムシエモンさんの蜂の子甘露煮だよ。

男児兄弟「わーい!」ドタドタ

男児父「や、やあ、おかえり…」ゲッソリ

男児母「楽しかったー?」ツヤツヤ

とっても楽しかったです。
あ、それと、アラキレスのお世話ありがとうございました。

男児母「いいのよー♪今、アラキレスちゃんとワーミーちゃん連れてくるわねー♪」ルンルン

男児父「…」フラフラ

…なんか、男児父さん、へろへろになってません?

肉料理屋店主「男児母さんは元気いっぱいって感じだがな」

アラキレスを入れた籠を受け取った。

ただいま、アラキレス。いい子にしてた?

アラキレス「…」ガクガクブルブル

…アラキレス、どうしたの?

アラキレス「…かいぬししゃん…かいぬししゃんなのりゃあーーっ!のぉーーぁあーーんっ!さびちかったのりゃこわかったのりゃぁっ!」ビエエーーンッッ

こ、怖かった?何が?

アラキレス「あらいしゃん…もうおうちのおそとでたくないのりゃ…でたらあいつにたべられゆのりゃ…」ブルブル

…一体何があったんだろう…。

つづく



~森の中~

男児弟「勝手に森に入っていいのかなぁ?」ガサガサ

ガキ大将「大丈夫だよ!ちょっとクワガタ探すだけだし!」ガサガサ

男児兄「ちょっとくらい大丈夫だよな!うーん、この木にいそうだな」スタスタ

男児兄は大きな木に近づく。
すると…

アライさん「お前らあああああああああああああああ!」ザッ

木の上からアライさんが降りてきた。

男児兄弟&ガキ大将「「うわああああああああああーー!出たぁ!アライさんだああああああッ!!」」

アライさん「アライさんの巣に何の用なのだ!チビ達を拐うつもりなのか!?だったら許さないのだぁ!」フシャアアアアッ

男児弟「あ、あわわわわわ…」ガクガクブルブル


男児達は今釣れてアライボウを持っていない。
そもそも、なぜホームセンターでアライボウなどという凶器を手軽に購入できるのか?

それは、アライさんが接近したらヤバい危険な強さを持った動物であり、
遠距離から殺す手段を持たねば死の危険すらあるためである。

アライさん「近づいたら殺すのだぁ!」フゥーーッ

…そう言う割に、『先手必勝』みたいに襲いかかってはこない。
あくまで威嚇にとどめているようだ。

ガキ大将「別に子供を拐いに来たわけじゃねーよ。これやるから。ほい」ポイッ

ガキ大将は、キャラメルを一個投げた。

森アライさん「のあ?いいにおいなのだ…食べ物なのだ!」ヒョイッ パクッ

森アライさん「もぐもぐ…」モグモグ

森アライさんは、何の警戒もせずに食べた。

森アライさん「んん!美味しいのだぁ!」モグモグ

野生動物にとって、『いいにおい』+『美味しい』=『食べても大丈夫』である。

森アライさん「ぷはー。もうないのか?」

ガキ大将「それだけだよ。じゃーな」スタスタ

森アライさん「怒鳴って悪かったのだ。お前らはいい人間なのだ!また食べ物持ってくるのだー!」

男児達(帰ろ…)スタスタ


こういう言葉がある。
『森に行くなら、アライボウかお菓子を持っていけ』。


アライさんとて、人間が簡単に喧嘩を売ってはいけない相手だと分かっている。

そして、やり方によっては食べ物をくれる有益な存在になり得ることも分かっている。

だから、むやみやたらに人間を襲ったりしないのである。

街中から、森に向かう者がいた。

若アライさん「ようやく森に来れたのだ…」ノソリノソリ

アライしゃんとアライさんの中間くらいの…
成熟寸前の、やや小さなアライさんである。


森で産まれたアライちゃん達は、子供の頃は『インターンシップ』と称して人間のいる街中で過ごし、
様々なことを学ぶ。

大半が人間に殺されるが、一部は知恵と体力を身につけ、一部は味方の人間に餌付けされて生き延びる。

そして、体が大きくなって街中で隠れられなくなると…
故郷とは森へ引っ越しをする。

そうして、成体になってからまた森で暮らすようになる。

この習性は…
森の限りある資源を、成体アライさんが得られるようにするため。

子供の頃に敵だらけの街中で暮らすことで、生き抜くための知恵を身に付けるため。

そして、生息域を拡大するために…
身につけた習性なのであろう。

若アライさん「森に来たら、やりたいことがあるのだ…」ノソリノソリ

若アライさん「交尾なのだ!」ノソリノソリ

若アライさん「可愛いアライグマの雄を見つけて、ヤりまくるのだ!」ノソリノソリ

その時…

中年男性「アライさん達ー!ご飯だよー!ご飯持ってきたよー!」ガサガサ

森の中に人間がやってきた。

若アライさん「!!」

若アライさんが知る限り…
街中の人間達のほとんどは『敵』だった。

きっとあいつも、自分を殺しに来た敵…!
仕留めなければ!

…そう思い、若アライさんは…

若アライさん「今までの恨み!殺してやるのだ人間!」タタタタタタッ

中年男性「うわぁ!?」

殺意をもって、中年男性へ襲いかかった。

森アライさん「やめるのだバカ!」ドゴォ

若アライさん「のだぁ!?」ドサァ

なんと、別のアライさんが若アライさんを後ろから殴り付けた。

若アライさん「痛いのだ!何するのだ!?人間はみんな敵なのだぁ!」

森アライさん「このバカ!この人間はご飯をくれるいい奴なのだ!お前のせいで森に来なくなったらどうするのだガイジ!ガイジ!ガイジ!」ドガァドガァドガァ

若アライさん「痛いのだぁぁ!」

中年男性「アライさん、もうその辺でいいから…」

森アライさん「こいつには後で厳しく言い聞かせておくのだ…」

中年男性「今日もご飯持ってきたよー!」スッ

中年男性は、賞味期限切れのおにぎりやパンを出した。

森アライさん「ご飯なのだー!」ガバッ

森アライさんは、差し出された食べ物に飛び付いた。

森アライさん「もぐもぐもぐもぐ!くっちゃくっちゃ!はぐはぐがぶがぶ!美味しいのだぁ!」クッチャクッチャ

中年男性「食べてる姿も可愛いなあ」

若アライさん「…!?」ポカーン

若アライさんは混乱していた。
自分を殺そうとする人間はいても…
このように、餌付けしに来る人間など見たことなかったからである。

森アライさん「ぷはー。美味しかったのだ」ゲェップゥ

中年男性「さて…アライさん、分かってるよね?」カチャカチャジーボロン

なんと中年男性は、ズボンとパンツを脱ぎ、下半身を露出した。

その股間を見れば、今この中年男性がアライさんと交尾したがっているのは一目瞭然である。

森アライさん「交尾してやるのだー!」エムジカイキャク

中年男性「…うーん。今日はそっちの、小さい子とやりたいなぁ」ビンビン

若アライさん「のぁ!?こ、交尾はアライグマとやるものなのだぁ!」アセアセ

森アライさん「人間と交尾してもチビはできないけど…気持ちいいからやるのだ。お前もこいつと交尾すれば食べ物貰えるんだぞ?」

若アライさん「…」グーギュルルル

今まで死ぬほど憎んでいた人間たち。
しかし、若アライさんも空腹であり、食べ物を必要としていた。

若アライさん「…や、やるのだ…こうでいいのか?」エムジカイキャク

中年男性「!!!!!」




中年男性「シコ」ガバッ

若アライさん「のあぁ!?」ドサァ

下半身丸出しの中年男性は、若アライさんを押し倒し…

中年男性「挿れるよ!ヌッ!」ズンッ

若アライさん「の…ぁああああっ!!」

…若アライさんの股間へ、腰を打ち付けた。

中年男性「はぁはぁっ!アライさんっ!アライさんっ!」パンパン

若アライさん「の…ぁあああっ…!」ハァハァ

アライさんの本来の交尾の相手はアライグマ。
男性器のサイズは人間よりもずっと小さく、交尾にかかる時間も人間よりずっと短い。

アライさん達は本来、それで性的に満足…オーガズムに達することができるのである。

中年男性「あーー気持ちいい!」パンパン

若アライさん「のああっ…!ぁああっ…!」

しかし若アライさんが相手にしているのは、アライグマよりずっと性器のサイズが大きく、交尾の時間も長い。

若アライさん「気持ちいいのだぁ!気持ちいいのだあああああっ!」アヘアヘ

それ故に、アライさんが人間と交尾した場合…
得られる快感は雄アライグマとの交尾との比ではなく、
到達するオーガズムの回数も雄アライグマとの交尾よりずっと多くなるのである。

若アライさん「気持ち良すぎるのだああああああああーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!イキスギィ!イクイクイク…ンアーーーーーッ!!」

若アライさんは、中年男性が満足するまでの間に、3~4回オーガズムに到達した。

若アライさん「あ…あへえぇ…人間…しゅきしゅきなのだぁ…」ビグンッビグンッ

中年男性「ふぅ…気持ちよかった」カチャカチャ

中年男性「今度食べ物持ってくるときは、君も来るんだよ」

若アライさん「はいなのらぁ…」ビグンッビグンッ

中年男性「じゃあねー」スタスタ

森アライさん「また来るのだー!」シッポフリフリ

若アライさん「…」

森アライさん「まったく…お前のせいで食べ物奴隷『兼』性処理奴隷を失うとこだったのだ…」

なんとこの森アライさんは、人間を『性処理奴隷』と言った。
食糧も交尾も、自分の得でしかなく、それを無償で提供する人間を奴隷だと思っているようだ。

実際は自分の方が人間の性処理奴隷となっていることに、気付いていないのであろうか。

森アライさん「アライグマと交尾してチビを産んだら、ちゃんとチビに教育しておくのだ。良い人間を見つけたら、媚を売って可愛がられるようにって」

若アライさん「はいなのだぁ…(恍惚)」

やがて若アライさんは、アライグマと交尾し、子供…4匹のアライちゃん達を産んだ。

アライちゃん達「「なのりゃー」」ヨチヨチヨチヨチ

若アライさん「乳離れおめでとうなのだ、可愛いチビ達。これからは街中でインターンシップするのだ」ノソリノソリ

若アライさんは、離乳期を迎えたアライちゃん達を連れ、深夜の闇の中を進んでいた。

アライちゃん達「「なのりゃー」」ヨチヨチヨチヨチ

やがて、街の前に着いた。

若アライさん「いいのだ?人間には、良い奴と悪い奴がいるのだ」

若アライさん「良い奴は、媚を売って可愛がられれば、食べ物をくれるのだ!味方にするのだ」

アライちゃん達「「はいなのりゃー!」」シッポフリフリ

若アライさん「悪い人間は、戦っても勝てないから逃げるのだ!もし捕まったら、いちかばちか交尾してやるって言うのだ!」

アライちゃん達「「はいなのりゃー!」」シッポフリフリ

この教えの前半は、大抵守られることはない。
独り立ちしたアライちゃんの大半は、そのうち自分が人間より強くなったと思い込み、喧嘩で勝てると思い込むようになるからである。

若アライさん「達者で暮らすのだー!」

アライちゃん達「「なのりゃー!」」ヨチヨチシッポフリフリヨチヨチシッポフリフリ

アライちゃん達は、人間のいる街中へ向かった。



~野菜倉庫~

農家「…」

アライちゃん達「「あむあむあむあむあむ!はぐはぐがりぼり!」」クッチャクッチャ

若アライさんの子供達が、野菜倉庫のニンジンを貪っている。

農家「おい、お前ら…それオラの野菜だぞ」

アライちゃん1「のあ?ひとしゃんなのりゃ」
アライちゃん2「これはありゃいしゃんたちのだぞー!」
アライちゃん3「よこどりすゆきかー!」フシャアアアアッ
アライちゃん4「やさいどよぼーめ!おまえはわゆいひとしゃんなのりゃー!」フウウゥゥ

農家「…そうか、悪かったな。じゃあ一番美味しい野菜、やるよ」スッ

農家はジャガイモを出した。

アライちゃん1「たべものなのりゃー!」ヨチヨチシッポフリフリヨチヨチシッポフリフリ
アライちゃん2「いーひとしゃんなのりゃああ!」ヨチヨチシッポフリフリヨチヨチシッポフリフリ
アライちゃん3「ひとしゃんしゅきしゅきなのりゃー!」ヨチヨチシッポフリフリヨチヨチシッポフリフリ
アライちゃん4「たべゆのりゃー!」ヨチヨチシッポフリフリヨチヨチシッポフリフリ

アライちゃん達は、ジャガイモに向かって猪突猛進する。

農家「嘘だよ!死ね害獣ども!」グシャア

アライちゃん1&2「「ぴぎいいぃーーーーーっ!?」」メシャゴギィ

なんと農家は、アライちゃんを2匹踏み潰した。

アライちゃん3「!わ、わゆいひとしゃんなのりゃあ!」

アライちゃん4「おかーしゃんはにげろっていってたけど…ふいうちされなけりゃ、ありゃいしゃんでもぶっこよせそーなのりゃあ!」シッポフリフリ

アライちゃん3&4「「たあ~!」」ヨチヨチヨチヨチ

アライちゃん達は、農家へ突撃した。

農家「死ねや!」ズガァ

農家はシャベルでアライちゃん3を突き刺した。

アライちゃん3「ぎびゃああああがあああああ!いぢゃいのりゃあああああああっ!」ピギイイィィ

アライちゃん4「ひっ!ぶ、ぶきなのりゃ…にげゆのりゃ~っ!」ヨチヨチシッポフリフリヨチヨチシッポフリフリ

アライちゃん4はようやく力の差が分かったようだ。
必死のヨチヨチ歩きで逃げ出そうとする。

農家「逃がさねえよ!」ガシィグイイ

アライちゃん4「ぴいぃ!?」ブラーン

しかし、農家に捕まって持ち上げられてしまった。

アライちゃん4「ひ…ひとしゃ…」ブルブル

農家「あ?なんだよ…」

アライちゃん4「こーびすゆかりゃ…たしゅけて…」ブルブル

農家「…」



農家「死ねや!」ベチコーンッ

アライちゃん4「ぎゃぶぐぅ!」グシャアアッ

母親の言いつけは何一つ役に立たず…
若アライちゃんの子供達は全滅した。


このように、アライさんに餌付けする人間のせいで、アライさんは子作りに必要な栄養を得てしまうが…

アライさんに餌付けする人間のおかげで、アライちゃん達は殺しやすい『アホ』に教育されるである。

~森の中~

??「…」ザッザッ

森の中へ進む人影がある。

??「…餌だよー、ご飯持ってきたよー」ガサガサ

若アライさん「お、いつもと違う人間なのだ!」ドタドタ

森アライさん「奴隷が増えたのだ!交尾させてやるからご飯よこすのだ!」




狂人卍「はいよー^^」スッ

その人物は、アラ虐動画投稿者の狂人卍であった。

森アライさん「いいにおいなのだ!食べるのだあ!」モグモグ

若アライさん「美味しいのだ!美味しいのだぁ!」モグモグ

その人物が差し出したのは…

森アライさん&若アライさん「「う…!」」ビクッ

『アライ取りペレット』。
青酸カリがたっぷり含まれた美味しい食べ物だ。

森アライさん&若アライさん「「ぐるじいのだあああああああ!」」ビッタンバッタン

狂人卍「うける^^」

狂人卍は、もがき苦しむアライさん達を動画に撮影した…。

次スレ


アライちゃんのいる日常2
アライちゃんのいる日常2 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1516230895/)

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