サターニャ「悪魔サンタセット?」 (21)


魔界通販「クリスマスの夜に悪い子にしている悪魔のみなさん、こんばんはー。魔界通販の時間です」

魔界通販「本日紹介する商品はコチラ。誰でもなりきり悪魔サンタセット!」

魔界通販「これを使えば、何と誰でもサンタクロース気分を味わえます」

サターニャ「なりきりセットって単なるコスプレセットじゃない!」

サターニャ「クリスマスにこんなのを売りつけるなんて魔界通販も堕ちたものね」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1514110917


魔界通販「ただのコスプレセットだと思ったそこのあなた!」

魔界通販「確かにサンタ服は激安の殿堂クオリティですが、目玉は何と言ってもこちらの悪魔のプレゼント袋!」

魔界通販「何と相手の目の前でこの中から物を取出せば相手の嫌がるものが出てくるんです!」

サターニャ「!」

魔界通販「聖夜にプレゼントを楽しみにしている天使を悲しみの底に叩き落とすチャンス!!」

サターニャ「欲しい……!」

魔界通販「今なら注文後1時間で配達可能。さらに30分以内に注文すれば、聖夜の間、誰の家にでも勝手に入れるマスターキー付き!」

魔界通販「気になった方は今すぐお電話を。いつもの3倍の数のオペレーターを用意してお待ちしております」


サターニャ「早く電話しないと!」

Prrrr


―1時間後―

サターニャ「凄い、本当に1時間で届いたわ!」

サターニャ「これさえあれば天使共をギャフンと言わせられるわ」

サターニャ「うわ、説明書の字が細かい……。とても読む気がしないわね……」

サターニャ「そんなことより、さっそくガヴリールの家に行くわよ!」

サターニャ「ククク……、ガヴリールの恐怖する顔が目に浮かぶわ」


―ガヴリールの家―


ガチャガチャガチャガチャガチャガチャ


サターニャ「やっと開いたわ……」

サターニャ「さて、ガヴリールの枕元に……」



ガヴリール「泥棒!!」バシュ

サターニャ「うわ!」サッ

ガヴリール「ちっ、外したか」

サターニャ「何すんのよ!危ないじゃない!!」

ガヴリール「なんだ、サターニャか」

サターニャ「サンタに向かっていきなり聖なる矢を飛ばす天使がどこにいるのよ」

ガヴリール「玄関をピッキングして入ってくるサンタがどこにいるんだよ!お前のやっている行為は泥棒と変わらないぞ!」

サターニャ「それより、何でまだ起きてるのよ!」

ガヴリール「私にしたらこれからの時間が本番だ。特に今日は聖夜に6時間限定のクリスマスクエストがあるから寝るつもりはない!」

サターニャ「そういえばそうだったわ!ガヴリールがこんな時間に寝ている訳ないんだわ!」


ガヴリール「ところでお前どうしたんだその恰好……、そういえばさっきサンタとか言ってたよな……」

サターニャ「そうよ!このサタニキア様がクリスマスだから皆にプレゼントを配っているのよ!感謝しなさい!」

ガヴリール「何で悪魔がプレゼントなんて配ってるんだよ」

サターニャ「うるさいわね!つべこべ言わず受け取りなさい」ゴソゴソ



つ 数学のプリント



ガヴリール「おい、何だこれ……」

サターニャ「フフフ、かかったわねガヴリール。相手の目の前でこの袋の中から物を出すと相手の嫌がる物がでてくるのよ。
どうやらガヴリールの嫌な物は数学のプリントのようね。今からゲームの時間を犠牲にして必死にやるといいわ!!」


ガヴリール「いやお前、宿題にもなっていないプリント何てやるわけないじゃん……」


サターニャ「あっ……」


ガヴリール「所詮は魔界通販クオリティってことか……」

サターニャ「ムキー!こうなったらガヴリールの嫌な物が出てくるまでプレゼントを出し続けるわよ!」ゴソゴソ







サターニャ「あれ、おかしいわね……。何も出てこないわね」

ガヴリール「壊れたんじゃない」

サターニャ「そ、そんなこと無いわよ。そうだ説明書を」


・相手の目の前で使用すれば相手の嫌がる物が出てきます(ただし1人につき1回まで)


ガヴリール「なんだ、1回きりじゃん」

サターニャ「そんな……、せっかくガヴリールをギャフンと言わせるチャンスだと思ったのに……」

サターニャ「ガヴリールを陥れられないならもういいわ……、夜も遅いし、帰って寝ましょう……」


ガヴリール「おいサターニャ」

サターニャ「何よ」

ガヴリール「ここを読んでみろ」



・ただし、聖夜の間に最低4人にプレゼントを配らないと職務怠慢により使用者に不幸が訪れます


ガヴリール「お前、後数時間で残り3人にプレゼントを配らないといけないみたいだな」

サターニャ「何よコレ!! それじゃあ私配り切るまで寝られないってこと!」

ガヴリール「と言う事で頑張って下さーい、サンタさん」

サターニャ「ぐぬぬ、やるしかないみたいね。とりあえず残りはタプリスとラフィエルと……」ブツブツ



ガヴリール(勝手に家に入られた分、ちょっと仕返ししてやるか)



ガヴリール「おいサターニャ、早くしないと夜が明けるぞ」

サターニャ「そうだったわね、急がないと!」

ガヴリール「ほら、プレゼント袋忘れてるぞ」



サターニャ「ガヴリール!来年こそは恐怖のサンタとして舞い戻ってくるわ!とりあえず今日の所は引き分けよ!」

ガヴリール「別に勝負じゃないだろ。それともう2度と来るな」

サターニャ「よし、とりあえずタプリスの家にダッシュよ!」



ガヴリール「あの袋に天使の加護をかけたから、多分相手が望むものが出てくるはずだ」

ガヴリール「たまには天使らしい事しないとな」

ガヴリール「さて、クエストの続きをするか」


―タプリスの家―


タプリス「」Zzz

サターニャ「ガヴリールじゃないし起きてないか」

サターニャ「さて、早速袋からプレゼントを」ゴソゴソ



サターニャ「何、この筒が付いた機械?これがコイツの嫌がる物なの?」



タプリス「」Zzz

サターニャ「よく見たら文字が刻まれているわね」

サターニャ「何々、天真製?」

サターニャ「よく分からないけど、とりあえず枕元に置いとくわ」

サターニャ「きっと朝起きたら驚くに違いないわね」

サターニャ「用が済んだからとりあえず次の家に向かうわ。ここから一番近いのは……」



タプリス「ムニャムニャ、天真先輩ありがとうございます。先輩が作ってくれたマフラーを頂けて嬉しいです……」Zzz


―ヴィーネの家―


サターニャ「数合わせでヴィネットの家に来ちゃった……」

サターニャ「怒ると怖いけど、同じ悪魔の好みだから許して貰えるかな……」


ヴィーネ「」Zzz

サターニャ「時間もないし、さっさと袋からプレゼントを出すわよ」ゴソゴソ



つ 悪魔のぬいぐるみ



サターニャ「これがヴィネットの嫌がる物?嫌にリアルでグロテスクな悪魔のぬいぐるみだけど……」

サターニャ「細かい事は気にしなくていいわ。さっさと次の家に行かないと」


ヴィーネ「」Zzz


サターニャ「あっ台所にケーキが置いてある!そういえば、明日はパーティって言ってたわね……」


サターニャ「一口くらいなら大丈夫よね……」


サターニャ「いただきまーs」
バシュ、バシュ、バシュ


サターニャ「ひっ!目の前にフォークとナイフが突き刺さって……」

ヴィーネ「サターニャ。こんな夜中に何してんの。」

サターニャ「あっ、ヴィネット起きてたの……」

ヴィーネ「ええ。私がせっかく作ったケーキが食べられる気配がしたからね。」

ヴィーネ「まさかケーキ泥棒が入るなんてね。しかもそれがサターニャとはね。」

サターニャ(やばい、凄い怒ってる……)

ヴィーネ「もう一度聞くわ。サターニャ。こんな夜中に何してんの。返答によっては……」

サターニャ「ち、違うわ!プレゼントを配りに来たのよ!」

ヴィーネ「プレゼント?」

サターニャ「ほ、ほら、あそこのぬいぐるみが……」



ヴィーネ「キャー、あくまー!!」バタッ


ヴィーネ「……」


サターニャ「気絶してる……」

サターニャ「とりあえずこの隙に次の家に行くわ」



サターニャ「風邪引くといけないからヴィネットをベッドに運ばなくちゃ……」


―ラフィエルの家―


サターニャ「あー、もう夜が明けちゃうじゃない。でもこれで最後ね」

サターニャ「ラフィエル、起きてないと良いけど……」


ラフィエル「」Zzz

サターニャ「よかった寝てるわ」

サターニャ「さて、ラフィエルの嫌がるものは何かしら」ゴソゴソ


サターニャ「ん?何よコレ……」

サターニャ「これがラフィエルの嫌がる物?」

サターニャ「こんなのどこにでも売ってるものだし、ラフィエルの家にも置いてあるじゃない」


ラフィエル「ん……」ゴソゴソ


サターニャ「やばいわ、目を覚ます前に帰らないと」

サターニャ「とりあえず、これで不幸にならなくて済むわね……」

サターニャ「さて私も帰って寝ないと」


―翌日 ヴィーネの家―


ヴィーネ「全く、夜中はサターニャのせいで散々よ」

サターニャ「本当に申し訳ございませんでした」ドゲザ

タプリス「まぁまぁ月乃瀬先輩。胡桃沢先輩も反省しているみたいですし、これくらいにしてあげて下さい」

ラフィエル「そうですね、勝手に人の家に不法侵入するなんて言語道断ですが、せっかくのクリスマスですから大目にみてあげましょう」

ガヴリール「いやそれ、ラフィが言えた台詞じゃないだろ」


サターニャ「それにしても、みんな変な物が嫌いなのね」

ラフィエル「嫌い……?」

サターニャ「そうよ、タプリスは変な機械だし、ヴィネットは悪魔のぬいぐるみ、ラフィエルに至っては……」

ガヴリール「サターニャそのことだが、実は私があの袋に神の加護をかけておいたから皆が望むものが出る様になってたんだ」

サターニャ「何よそれ!どうしてそんな事するのよ!」

ガヴリール「まぁ天使からのプレゼントという訳だ」


タプリス「でも、私の枕元に置いてあった物は別に欲しい物ではなかったですよ」

ヴィーネ「私もあんな怖いぬいぐるみは欲しくないわよ」

ラフィエル「私も特に……」


ガヴリール「あれ、おかしいな……」



ヴィーネ「きっと、駄天使の加護だから効き目も中途半端だったのね」


サターニャ「それより、早く食べましょう!チキンが冷めるわよ!」

ガヴリール「何でお前が仕切るんだよ」

ラフィエル「まぁまぁガヴちゃん。それじゃあサターニャさん、乾杯の音頭を」

サターニャ「分かったわ。皆、グラスは持ったわね。せーの!」

5人「かんぱーい!!」


Merry Christmas



~おまけ~


ガヴリール「そういえば、ラフィエルの所には何が置いてあったんだ?」

ラフィエル「何だったんでしょうかね、あれ。よく分からない物でした」


サターニャ「えっ、普通の鏡だったじゃない。」


ラフィエル「鏡ですか?私が見た時は何も映らなかったのですが……」

サターニャ「おかしいわね、私が見た時はくっきり私の顔が映っていたんだけど」


ラフィエル「!」


ヴィーネ「ちょっとサターニャ、それ呪いの鏡じゃないの!」

タプリス「ひっ、お払いしないと!」




ガヴリール「ラフィ、顔が赤いぞどうしたんだ」

ラフィエル「い、いえ……、何でもありません。」///


おわり

最後のくだりを思いつき久しぶりにSSを書きました。

やっぱ書くのは難しいね。


ちょっと分からないんだけど最後の鏡はどういう意味?
ラフィエルの好きな人が鏡に映し出せれるってこと?

様はラフィが欲しいのはサターニャ自身だったから取り出して最初に鏡に映ったサターニャが一番欲しかったって事じゃ

と思ったけどラフィが見た時映らんかったん何でや

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