神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」 4社目(93) 【現行スレ】


神使「神様、 早くして下さい」

神様「待ってよ、重要な問題なんだからぁ」

神使「も~ どれも同じじゃないんですか?」

神様「何言ってんだよ全然ちげーよ。 おばちゃん、あと幾ら分?」

おばちゃん「あど80円分だがね」

神様「80円か~ どうすっかな~」

神使「限界です。 バス来ましたから行きますよ」

神様「うそ! じゃぁ残り全部ヨーグルで良いや」

おばちゃん「きーつけんよ~」


神使「あっ! バスが! すいません~ バス乗ります~!」タッタッタッ


プッ プッー


~あらすじ~

神様「私は神様! 神宮に籍を置くとっても立派でかわゆい理想の女神!」

神使(訳)「神宮が誇る最悪の問題児、減給左遷を総なめにするダメ神です」


神様「悪の手先の陰謀にも負けず、今日も私を待つ者を救うべく旅を続ける」

神使(訳)「数々の問題行動の発覚により無期出向となった神様は全国の廃神社の管理を命じられたのでした」


神様「そう! 私は神の中でも最も優れた力を持つ最強の神様だ!」

神使(訳)「“ダメ神”です」


【#18】


─── バス内

ブーン


神使「そんなに駄菓子ばかり買い込んで・・・」

神様「あ? 私のお小遣いじゃこんな贅沢しかできないんです~」ベー

神使「何ですか? その小さいヨーグルトみたいなもの」

神様「ヨーグル」

神使「相変わらず説明になっていないですね・・・ そんなに沢山買って好きなんですか?」

神様「お前が急かすからだよ」

神使「一遍に食べちゃダメですよ?」

神様「だから、子供扱いすんなって!」

神使「お子様しか食べないものをそんなに持っていたらお子様です」

神様「お~け~ 神罰!」ゲシッ

神使「痛い! ですから、それは神罰ではなくただの足蹴りですから・・・」スリスリ



─── 1時間後


プシュー


運転手「あんだ達こげな所で降りてどこさ行くん?」

神様「どこ行くの?」

神使「よりより村です」

神様「です」

運転手「よりより? んぁ~ そう言えばこの先にそげな名前の村さあっだな」

神使「私達しか乗客がいないようですが、あまり村に行く人はいないんですか?」

運転手「居にゃーよ。 客っこ居にゃーから、この路線も来月で廃止になるんよ」

神様「にゃにゃにゃ~?」

運転手「きーつけんよ~」



─── よりより村・入り口


神様「さっきの運転手、訛りきつかったな」

神使「そうですね。 しかし、空気が美味しい所ですね」

神様「本当に人住んでんのか?」

神使「よりより村はここから徒歩で30分ほど行ったところだそうです」

神様「さらに歩くのかよ・・・」

神使「日が暮れるまでには村に入りたいので急ぎましょう」

神様「ちょい待ち!」

神使「?」


神様「取りあえずさぁ、何しに行くか教えて?」

神使「これから行くよりより村は20年に一度、神の立ち寄りを行う風習があるようです」

神様「ふ~ん、で?」

神使「私達がその役を拝命しました」

神様「なんで? ここら辺の神に行かせれば良いと思うの」

神使「神社の統廃合で神が別の場所に移動されたので、近くに神がいないそうなんです」

神様「うん、だからなんで私達なの?」

神使「丁度、近くにいたもので・・・」

神様「近くなかったよね? 電車で2時間、バスで1時間かかってるし。 しかもこれから徒歩で30分歩くんでしょ?」

神使「・・・・・・」


神様「本当の理由は?」

神使「特別出張費が3万円支給されます」

神様「そんな事だろうと思ったよ」ハァ

神使「資金難は今の私達にとって死活問題ですので」

神様「そこまでお金ないの?」

神使「このままですと、1日一食減らす必要があります」

神様「・・・マジ?」

神使「神様のコーラ代なんか出すことも出来なくなるでしょう」

神様「よし! よりより村にレッツゴー!」トテトテ



─── よりより村


テクテク


神使「ようやく村に着いたみたいですね」

神様「ここは現代日本か? 江戸時代の村みたいなんだけど・・・」

神使「良い感じじゃないですか。 かやぶき屋根のお家とか」

神様「いや、ほとんど廃墟化してんじゃん。 あっちの家なんか崩れてるよ?」

神使「限界集落なのでしょうね。 神様はこういう雰囲気はお嫌いですか?」

神様「私の夢は超高層ビルの最上階で毎日ダラダラお賽銭だけで暮らすこと」

神使「そうですか・・・」

神様「ビル住みたい!」

神使「あっ、正面に鳥居が! あの神社ですね」

神様「崩れ~ かけの~ 神社♪」



─── よりより神社・社務所


神使「すいません」

村人「はい?」

神使「こちらの神社を管理されている方はおりますでしょうか?」

村人「私で大丈夫ですが」

神使「立ち寄りで参りました」

村人「立ち寄り?」

神使「はい。 その・・・ 20年に一度の・・・」

村人「・・・・・・。 もしかして、神さまですか?」

神様「神は私! かわゆいでしょ」ウフン

村人「・・・・・・。 ご案内いたします」ヨイショ

神様「本殿? 私あんまり本殿とか好きじゃないから別のところが良いなぁ~」

村人「ご安心を。 本殿ではありません」



───汚い小屋


神様「うわっ、本殿が嫌だって言ってもこの小屋はさすがに・・・」

神使「贅沢は言いませんが、せめてもう少し綺麗な部屋を頂けると」


ガチャン


神様「ちょ、何で鍵閉めるの!?」

神使「鉄格子? いくら何でもこの扱いは失礼かと思うのですが?」

村人「いや~ 実は神さまは昨日到着されていましてね」


神様・神使「はい?」


村人「つまり、どちらかが偽物ということに」

神様「いやいや、私本物だよ?」

神使「あの、何かの間違えでは?」

村人「それを確かめるまで、申し訳ありませんがここにいて下さい」

神様「マジっすか・・・」

村人「村長に確認取るまでは、我慢して下さい。 それでは」テクテク

神様・神使「・・・・・・」


神様「・・・ねぇ神使君?」

神使「はい」

神様「来ない方が正解だったんじゃないの?」

神使「そんな気がしますね・・・」


神様「んがー! せめて夕飯だけでも食べさせてー! お腹空いた~!」ドンドン

神使「神様、恥ずかしいのであまりそう言う事は大声で言わないで下さい・・・」

神様「お願いだよ・・・ 生米でも良いから・・・」ガクッ


ゆっくりと

待ってました!

神ちゃん降臨!



─── 1時間後


神様「ほらほら、神使君もたんとお食べ」モサモサ

神使「どうも・・・」

神様「ヨーグルいっぱい買っておいて良かっただろ?」

神使「あまりお腹には溜りませんね、コレ・・・」モサモサ

神様「しっかし、私達より先に神が来てるってどういう事だよ」


神使「一体誰なんですかね? この近くに神がいるなんて聞いていな───」

神様「シッ! 静かに」シー

神使「?」

神様「誰か外で話をしている気がする」

神使「外?」


神様「聞こえるかな?」ペタッ

神使「壁に耳を当てたくらいで聞き取れるんですか?」

神様「この壁薄い。 お前も耳当ててみろ」

神使「はぁ」ペタッ


村人A「もう一組神様が来たんだって?」

村人B「あぁ。 どちらかが偽物だって噂だ」

村人A「偽物?」

村人B「たぶん、貢ぎ物目当てじゃないかって」

村人A「最初に来た人達が本物だろ? あんな事できるのは神以外じゃ考えられない」

村人B「そうだな」

村人A「って事はこの小屋に閉じ込めてある奴らが偽物・・・」

村人B「他の皆も同じ意見だ」

村人A「バカな奴らだ」


神様「声でけーな。 耳当て無くても丸聞こえじゃん」

神使「私達、偽神扱いされているようですね」

神様「う~ん・・・」


神使「どうしましょうか? 私達より先に来た方も神のようですし、理由を話して帰りますか?」

神様「何を言っているんだい、神使君や」

神使「?」

神様「聞いていなかったのかい? 貢ぎ物があるのだよ?」ニヤッ

神使「まさか神様・・・」

神様「20年間村が蓄えた貢ぎ物。 これは期待できそうじゃないか」ニヤッ

神使「しかし、先に来た神は・・・」

神様「そんなもん追い返すに決ってんだろ。 財宝は私のものだ!」

神使「財宝とは限らないと思いますが・・・」


神様「でも先に来た神って誰だ? 神力を全く感じないんだけど」

神使「神様と違って高位の神ではないですか? 神力を隠しているとか」

神様「神罰」ゲシッ ゲシッ

神使「痛い!」ガクッ


神様「取りあえずここから出て、その神に会いに行こう」

神使「入り口に錠がかかっているので出られませんが」

神様「裏の扉は?」

神使「先ほど試しましたが開きませんでした」


神様「んじゃ、入り口の鍵を壊して外に出ますか」トテトテ

神使「南京錠ですよ?」

神様「こんなホムセンで売っているような南京錠、開けるの簡単だよ」

神使「またそんな出来もしないことを・・・」

神様「まぁ見てろって」



ゴソゴソ

神使「ん?」チラッ


神様「さてと、この針金で良いかな」ガチャガチャ

神使「あの・・・ 神様?」

神様「なんだよ、今開けるって」ガチャガチャ

神使「いえ・・・ その、隣の窓の外に・・・」

神様「窓? お化けでもいるか?」クルッ


村人「何やってるんです?」

神様「・・・・・・お化けさんですか?」

村人「死んだ覚えは無い」

神様「そのようですね。 先ほどお会いしましたね」


村人「で? 何やってるんです?」

神様「とても素敵な南京錠だったもので、つい見とれてしまって・・・」

村人「・・・・・・」

神様「食べかけですけど、ヨーグルいります?」スッ

かわゆい神ちゃん降臨なさってるやん
今手元に牡蠣はないから
つコーラ



テクテク


神様「逃げねーから腰縄外せー!」ジタバタ

村人「さっきから逃げる気満々じゃないですか。 ほら、速く歩いて下さい」

神使「あの、私達どこに連れて行かれるのでしょうか?」

村人「行けば分かるから」

神様「私を黙って連れていきたいなら牡蠣フライ食わせろ!」

村人「どうぞ」スッ

神様「え!? マジで? 何で持ってんの?」パクッ

村人「さつまいもフライですが」

神様「うっ! ボソボソ! こんなの喰ったらおなら出ちゃうって」モグモグ

神使「何にでも食いつく癖直して下さいよ、神様・・・」

神様「ふもっ」モグモグ



─── 本殿前


村長「お宅らが先ほど来られた神さまですか?」

神様「村長さん、スーツ姿がキマってますね」

村長「神さま、で間違いないですか?」

神様「見て分かる通り、私はとっても立派でかわゆい理想の女神!! ドドン!」

村長「・・・隣の方は?」

神様「神様のお付で神使と申します」ペコリ

村長「神を名乗ってこの村を訪れたのはあなた達だけじゃないんだ」

神様「そうらしいね。 ちょっとその神と合わせてくれない? 話があるから」

村長「この村に同時に神が2組も訪れるなんて変だと思わないか?」

神様「村長さんのパーパリーのスーツの方が気になる。 それ高いんじゃない?」

村長「偽物が紛れ込んでいる!」


ザワザワ


神様「そのスーツ、村で買ったの? ここら辺にお店あるの?」

村長「神の名をかたる偽物はこの村から返すわけには行きません!」

神様「なるほど。 私の話を聞かないパティーンですね?」


神使「あの、なにかの手違いという事も考えられますので決めつけるのはどうかと思いますが」

村長「20年に一度の立ち寄りで同時に来るなんてあり得ない!」

神様「取りあえず先に来た神に合わせてよ。 白黒付けるから」

村長「そのつもりです」

神様「あっ、聞いた」


村長「これから、どちらが本物の神か勝負をしてもらいます」

神様「勝負?」

村長「正直、私達は最初に来た方達が本物の神だと思っています」

神様「私達は偽物確定ということですね?」

村長「あなた達が本物だというのであれば勝って証明して見せれば良いかと」

神使「待って下さい。 神同士を勝負させるだなんてそんな不敬なこと───」

神様「いや、良いだろう! その勝負のった!!」

神使「え!?」


神様「大丈夫だって。 相手も神ならお互い分かるし、私がちょっと言えばいなくなってくれるから」ボソッ

神使「私達が引くという選択肢はないんですね・・・」

神様「さぁ! 勝負だ! 勝負!」


村長「本殿の扉をお開けしろ」

村人「はい」


ギーッ

更新お疲れ様なのよ

やっぱり楽しいな
っ トラック一杯の日生の牡蠣



ピカー


神様「うお! まぶしっ!」

神使「もの凄い後光ですね」

神様「後光って言うかここまでくるとスポットライトだよね」


偽神「我は神!」ピカー

村人達「はは~っ」ドゲザ


神様「ほぇ~ 凄い衣装着てるな。 どこに売ってんだよ・・・ まさか、あれもパーパリー!?」

神使「それはないと思いますが・・・ 隣にいるのは神使さんでしょうか?」


偽神「頭を上げる事を許す!」

女神使「みなさん、楽にして下さい」


神様「あっ、かわゆい女の子」

神使(あれ? あの方・・・)


神様「ねぇ神使君、あの凄い衣装のヤツ私知らない。 アレ神じゃなくて人間だよ」

神使「・・・・・・」

神様「神使君?」

神使「えっ? あっ、すいません。 何ですか?」

神様「・・・・・・。 いや、別に」


村長「神さま、お手を煩わし恐縮ではございますが神のお力をお見せ頂ければと」

神様「しょうがないな~」トテトテ

村長「アンタじゃない。 こちらの神さまだ」

神様「あ~」


偽神「ふっ、良かろう。 おい、そこの巫女!」

神様「ミー?」

偽神「そうだ。 おっと失礼、神だったか?」ニヤッ

神様「本当、失礼なヤツだな。 私に何か用?」トテトテ

偽神「これは知っているか?」スッ

神様「トランプ」

偽神「違う! 神☆トランプだ!」

神様「おっ、忍天堂のヤツじゃん。 結構高かったんじゃない?」

偽神「シーーット! 一般人が触れることは許されない神☆専用の神具だ」

神様「そうですか・・・」


偽神「この神☆トランプから好きなものを1枚、神☆私に見えないように引くことを許す」

神様「は?」

偽神「二度言わすな」

神様「触れちゃダメなんじゃないのかよ・・・」

偽神「今日は特別に許してやる。 有り難く思うんだな」

神様「そりゃどうも。 んじゃコレで」スッ

偽神「柄を覚えたら好きなところに戻せ」

神様「どこでも良いの?」

偽神「無論! 神☆私が許す!」

神様「うぜ~」スッ


偽神「イッツ☆ショータイム!」

神様「ショーなの?」



ピカー


神様「だから一々眩しいんだよ!」

村人達「お~ この神々しさ、まさに神!」

神様「神力はこんなに光らねーよ・・・」


偽神「神☆私の力で、この神☆トランプは全てお前が先ほど引いた柄に置き換わった!」

神様「はい?」

偽神「見るが良い!」



バラバラ


神様「うわっ! 全部同じ柄! さっき私が引いたババだ」

偽神「神☆ババだ!」


村人達「お~」パチパチ


偽神「コレで驚くのはまだ早い! 夜空を見よ!」

神様「空?」

偽神「神☆私から視線を外すことを許す! さぁ夜空を見上げよ!」

神様「本当、一々ウザいなぁ~」クルッ


村人A「見ろ! 夜空に神☆トランプの柄が!」

村人B「ババだ! 神☆ババが浮かんでる!」

神様「お~ すげーじゃん」


村長「さすが神さま」ドゲザ

村人達「はは~」ドゲザ


偽神「どうだ巫女よ! 神☆私の力を見て言葉も出まい!」ワハハ

女神使「・・・・・・」


神様「ん~」チラッ

神使「・・・・・・」


村長「それじゃ、今度はお宅の力を見せてもらおうか」

偽神「偽神と認めるなら今のうちだぞ」

神様「・・・・・・。オッケー、私の負け」


シーン


神使「え? えっ!?」

神様「この勝負、私の負け。 そこのハデハデ衣装野郎には敵わないわ」

偽神「何と失礼な! 神☆私に向かってなんたる侮辱!」

女神使「・・・・・・」


神使「ちょ、神様! どうしたんですか?」

神様「帰ろう。 3つ前の駅に温泉があったから入りに行こうぜ~」テクテク


村長「待ちなさい!」

神様「ん?」

村長「負けを認めて、この村から帰れるとは思っていないよな?」

神様「え・・・」

村長「この者どもを小屋に連れて行き閉じ込めておけ!」

村人達「承知!」ダダダッ

神様「まじかよ!」

神ちゃん頑張れ

インチキを見破るのはtrick思い出すな

神ちゃん乙乙

確かにtrick思い出す 300年に一度巨大な亀が~のやつ



─── 小屋


神様「ここから出せー! 焼肉食わせろ! 浜焼きさせろ!」ドンドン

神使「あの、神様?」

神様「お前も犬ころなら穴掘って抜け道を作る努力をしろよ」

神使「そんな芸は持ち合わせておりません。 それより・・・」

神様「あ?」

神使「どうして、あっさり負けを認めてしまったのですか?」

神様「・・・・・・」

神使「神様の性格上、自分から負けを認めるとは思えません。 それに貢ぎ物を簡単に諦めるはずありませんし」

神様「神使くんさぁ、私をそう言う目で見てたの?」

神使「はい。 間違っていないと断言できます」

神様「相変わらずサラッと猛毒吐くねぇ~」


神使「で、どのような理由が?」

神様「・・・・・・。 負けた方が良い気がした」

神使「えっ?」

神様「偽神は人間だけど、お付きの子は神使だよな。 本物の神使」

神使「・・・・・・」

神様「あの子の目、とても強い意志を感じた。 遊び半分で私が首突っ込まない方が良いかなぁって思ってさ」

神使「神様、あの方はご存じで?」

神様「うんにゃ知らん。 初めて会った」

神使「そうですか・・・」

神様「それより、逃げる方法考えろよ。 すいませ~ん! 誰か南京錠の鍵持ってきてくれませんか~」ドンドン


神使「彼女は・・・ 神使学校時代の先輩です」

神様「知り合い?」

神使「何度か学校で見かけた程度です。 多分彼女は私のことを知らないと思いますが」

神様「話しにくかったら無理に話さなくて良いよ?」

神使「いえ、私も少し気になることがありまして・・・」

神様「・・・話してみ?」


神使「彼女は、神使学校始まって以来の天才でした」

神様「え~ 犬ころまた謙遜してるんじゃないの?」

神使「いいえ、たぶん天才というのは彼女のようなことを言うんだろうと思います」

神様「そこまで? でも神使学校を卒業した生徒の成績は私も目を通してたけど、そんな子記憶にないよ?」

神使「彼女は卒業しておりませんので」

神様「は? 途中で辞めたって事? あそこ退学とかないだろ」

神使「どのような扱いになっているのかは分かりませんが、卒業していないことは間違いありません」


神様「さっき、先輩って言ってたよね?」

神使「私の3つ上です」

神様「確か神使学校は6年制だから、神使君が入学した時は4回生だったのか」

神使「いえ、6回生でした」

神様「計算合わなくね? まさか、私の知っている計算方法が間違ってる!?」

神使「飛び級です」

神様「ほぇ~ あそこで飛び級なんて凄いな。 はじめて聞いた」

神使「入学した時にはすでに医学と生物学、それと物理学の博士号を持っていたそうです」

神様「マジかよ・・・ なんでそんな頭が良いのに神使学校に入ったんだよ」

神使「彼女が神使学校に入学した理由は、神と神使の存在を科学的に証明すること」

神様「・・・・・・」


神使「神使学校で1年に一度開かれる論文発表会で一度だけ彼女の発表を聞いたことがあるんです」

神様「あ~ 昔の事をあーだこーだ言うつまんない論文の発表だろ?」

神使「つまらないって・・・」

神様「で、彼女は何を発表したんだ?」

神使「神力の科学的証明」

神様「ほぉ。 それは興味深いな」

神使「神の力を科学と一緒に扱うなんてタブーですよ」

神様「お堅いね~ で、内容の方は?」

神使「正直、専門的すぎて全く分かりませんでした」

神様「一度その論文見てみたいな」

神使「発表会の後に配られた論文集に、彼女のものは掲載されていませんでした」

神様「ふ~ん」

神使「その数日後、彼女は学校から・・・」

神様「なるほどね」


神使「偽神さんの方は、私は存じ上げないですが・・・」

神様「アレはやり手の手品師って感じだよな」

神使「手品師!? 先ほど見たものは手品だったんですか?」

神様「どう見ても手品だろ・・・」

神使「つまりタネがあると?」

神様「あのトラン・・・ 神☆トランプは全部の柄が最初から神☆ババだったんじゃね?」

神使「え!?」

神様「最初にトラン・・・ 神☆トランプの全柄を見せてなかったし」

神使「そういえば・・・」

神様「空に柄を浮かばせたのも事前に柄が分かっていたから。 たぶん投影機かなにか使ってんじゃないの?」


神使「あの天才の彼女が手品師とグルという事ですか!?」


 ?「グルという言い方は適切ではないと思います」


神様・神使「!?」クルッ

女神使「夜分遅くに失礼いたします」フカブカ

神使「えっ、ちょ・・・ どこから入ったのですか? この小屋には鍵が・・・」

女神使「タネを明かすことは出来ませんので」

神使「それって・・・」

神様「おや? 仕掛けありだって認めちゃうの?」

女神使「はい。 絶対にバレない自信はありますから」

神様「抜かりなしか。 どこら辺から私達の話を?」

女神使「全てを。 右側にある箱の上に盗聴器を置いてあります」

神使「盗聴器!?」


神様「・・・・・・。 本物の神がここに来ると知ってた訳か。 いや、そう仕込まれたと言った方が良いかな?」

女神使「さすが本物の神さまは違いますね。 どこまでお見通しなのでしょうか?」

神様「タネは明かせませ~ん」ベー

女神使「・・・・・・」

神様「目的は?」

女神使「正直がっかりしました。 なぜ本物のお力を見せて頂けなかったのでしょうか」

神様「・・・・・・」

女神使「こう見えて、結構時間をかけて仕掛けをしたんですよ?」

神様「・・・・・・」

女神使「今日はこれで失礼させて頂きます」フカブカ

神使「失礼って・・・ どうやって出るんですか?」

女神使「ご心配なく」

神使「?」



 村人「あれ!? 女神使さん!?」


女神使「丁度見回りの時間なんです」

神様「・・・・・・」


村人「どうして小屋の中に女神使さんが?」

女神使「神の命令でこの者達と話をするようにと言われ、ここに飛ばされました」

村人「お~ なんというお力」

女神使「話は終わりましたので鍵を開けて私を出して頂けますでしょうか?」

村人「はい」



ガチャン


女神使「ありがとうございます」スタスタ

神様「私も出る~」トテトテ

村人「ダ~メ」

神様「んだよ、ケチ!」

女神使「また明日、お目にかかりたく思います」

神様「・・・・・・」

女神使「明日こそはよろしくお願いいたします。 それでは」フカブカ


ガチャン


神使「あの、神様?」

神様「あ?」

神使「全く意味が分からなかったのですが・・・」

神様「お前の言ったとおり、あの子頭良いな」

神使「?」

神様「本物の神が来る前に、偽神達はこの村に来て私達を待っていたんだろう」

神使「どうしてそんな事を?」

神様「村の奴らへ先に自分たちが本物の神と思わせるため」

神使「・・・どういう事です?」


神様「村人達に自分たちが神であると刷り込ませる。 その後に来た神は偽物扱いされてここに閉じ込められる」

神使「しかし、後から来た神が神力を使えばバレるのでは?」

神様「普通の神は自分の管理地以外で神力は使えない」

神使「あっ・・・」


神様「アイツら前々からこの村に入り込んで、そこら辺にタネを仕込んでいるんだろうな」

神使「まさか、鍵のかかったこの部屋に彼女が入ったのも・・・」

神様「裏の扉、多分外からだけ開くような仕掛けでもしてあるんじゃないか?」


神使「つまり、この件は計画的に仕込まれていたと?」

神様「たぶん。 絶対にボロが出ないように念入りに」

神使「何故そこまで手の込んだことを・・・」

神様「本物の神の力を見るため」

神使「神の力?」

神様「・・・・・・」

神使「しかし、そんな大がかりな仕掛けをしていたら村の人達にもバレるのでは?」

神様「そうなんだよね~・・・ 何か引っかかるんだよな~」


神使「あっ、神様が着てる巫女服に穴開いてません?」

神様「え!?」キョロキョロ

神使「汚れも酷いですし・・・」ハァ

神様「マジかよ~ 新しいの買って?」

神使「今度は安物ですよ?」

神様「え~ キラキラしたドレスが着たい!」

神使「何でですか・・・ 神社でそんな物を着ていたら不釣り合いです」

神様「不釣り合いって ・・・ん?」

神使「? どうされました?」

神様「服・・・」

神使「ふく?」

神様「なるほど・・・ 違和感はコレか・・・」

神使「?」

神様「前言撤回。 ちょっと遊んでみますか」ニヤッ


良いお年を


良いお年を
つ牡蠣フライ


良いお年を

とりあえず宵尾俊雄

うっかり揚げてたようだ スマン

今年も期待!

ひとまず機体 あと明尾眼

前回で終わってしまったと思ってた
よかよか



─── 翌日・本殿前


神様「昨日は体調が悪く力を発揮できず申し訳ありませんでした」ペコリ

村長「今日は大丈夫だと言うんですか?」

神様「おうよ!」


村長「神さま、お手間を取らせ申し訳ありません」

神様「そんなに畏まらなくても大丈夫だって~」

村長「アンタじゃない」

神様「あ~」


偽神「気にするな。 神☆私は心が広い!」

村長「では、見せて頂きましょう。 神の力を」

神様「よっしゃ! お望み通り見せてやるよ!」

女神使「・・・・・・」ゴクリッ


神様「と言いたいところだけど~ 本殿にある神体貸してもらっても良い?」

偽神「神体?」

神様「私、ちょっと訳ありで神体に入っている神力経由じゃないと力出せないんだよね」

偽神「・・・・・・」


女神使「彼女の言うとおりに」

偽神「おい、村人!」

村人「はい」

偽神「神☆私の名において命ずる! 本殿の神体を彼女へ渡すのだ!」

村人「わかりました」タッタッタッ


偽神「さて、どんな力を見せてくれるのかな?」

神様「神体に入っている神力量にもよるけど」

偽神「神☆私を驚かせる位のことはしてくれよ?」


村人「この神社のご神体です」スッ

神様「ども~」


神使「大丈夫ですか? 神様」

神様「・・・・・・ぁ」

神使「神様?」

神様「これ、神力が入ってない・・・」ボソッ

神使「え?」

神様「この神体、神力がスッカラカン」

神使「ちょ、どういう事ですか?」

神様「・・・・・・」


神使「と言うことは・・・」

神様「やべ~ どうしよ」タラタラ


偽神「おい、どうした! 早く神の力を神☆私に見せてみろ!」

神様「え!? あっ、ちょ、ちょっと待ってて」

神使「ど、どうするんですか神様」オロオロ


神様「あ・・・」

偽神「あ?」


神様「あ、明日の天気は“晴れ!”ドドン!」


偽神「・・・・・・」

村長「・・・・・・」

村人「・・・・・・」



シーン


神使「神様・・・」

神様「テヘッ」


女神使「っ!」キッ

誰も神社にお参りしてないの…かな?

おつ
相変わらずの神ちゃんだ



─── 小屋


村人「ほら、早く入りなさい!」


ドンッ


神様「うぎゃ!」ドサッ

神使「うわっ!」ドサッ


村人「・・・・・・」

神様「うわ~ その汚物を見るような目。 ゾクゾクしちゃう」


ガチャン


村人「偽神め」スタスタ


神様「吐き捨てられましたよ」

神使「明日の天気の予言だなんて・・・ もう少しまともなことは出来なかったのですか?」

神様「昔はあれだけで食っていけたんだよ!」

神使「神様の言う昔というのがいつのことなのか・・・」


神様「これさぁ、私達どうなっちゃうの?」

神使「生きてこの村からは出られないでしょうね」

神様「ま~じ~か~よ~」


神使「しかし、ご神体に神力が入っていないなんて」

神様「見事にスッカラカンよ」


神使「どうしてでしょう? 村の人達、信仰深そうな感じなんですけどね」

神様「そう?」

神使「え?」

神様「神使君は、この村違和感ない?」

神使「違和感ですか?」

神様「だからお前は犬ころなんだよ。 この村間違いなく───」

神使「あっ」

神様「?」


女神使「・・・・・・」


神様「女神使ちゃん! お願いここから出して~」ガチャガチャ

女神使「貴方には失望しました」

神様「うっ」

女神使「貴方たち神はいつもそう・・・」

神様「いや、あれはちょっと手違いが───」

女神使「ふざけないで!!」

神様「!?」

神使「女神使さん・・・」


女神使「そんなに神の力を奇跡にしておくことが大事なの!?」

神様「・・・・・・」

女神使「いつもそうやって貴方たちは逃げてばかりで! ・・・卑怯者」

神様「・・・・・・」

女神使「どうせ神の力でここから消えるんでしょ? もう会うこともないでしょう、さようなら」スタスタ


神様「待って!」

女神使「・・・食事のおねだりですか?」

神様「違う。 力を見せてあげる、本物の神の力を」

女神使「・・・・・・」


神様「見たんだろ? いや、調べたいんだろ? 神の力を」

女神使「!」

神使「え? 調べる?」


神様「最初からそう言ってくれれば良いのに」

女神使「・・・・・・」

神様「私が神力を使う時に、思う存分測定でも何でもすれば良い」

神使「ちょ、神様」

神様「私は他の神と違って神力を使う場合に少し特別な条件が必要なんだ。 その代わりその力は桁外れだ」


女神使「・・・・・・もう、騙されません」


神様「神勅! 私、神様は女神使に神の力を見せ様々な測定や実験を行うことに同意する!」

神使「!?」フカブカ

女神使「神勅・・・」


神様「神使、私の鞄からお守りを3つ取ってくれ」

神使「承知いたしました」ゴソゴソ

神様「見せてあげる。 本物の神の力を思う存分」

女神使「・・・・・・」


神様「以上、神様から神勅を申し伝えた!」

女神使後悔しそうだ
神ちゃんを怒らせたら駄目



─── 本殿前


神様「さてと、隠しっこなしでいこう」

村長「と言いますと?」

神様「あんた、この村の村長じゃないな?」

神使「え!?」

村長「ほぉ」

神様「この村の者ですらない」


村長「そう思われた根拠をお聞かせ頂けますか?」

神様「その格好」

村長「格好?」


神様「こんな山奥の崩壊が進んでいる村でスーツ姿なんておかしい!」

村長「・・・・・・」

神様「この村に合うのはパーパリーのスーツじゃなく、ワークメンの作業着だ!」フンスッ

神使「そんな失礼な・・・」

村長「それだけでは証明にかけますね」


神様「この村、廃村になっているんじゃないの?」

神使「村の方達がいるのにですか? ・・・まさか、村の方も全員!?」

神様「お仲間。 おそらく~ 研究者とか?」

神使「研究者!?」


神様「あんた達、全員訛りがない。 ここ来るときに乗ったバスの運転手、すげー訛りがあったのに」

村長「・・・・・・」

神様「それに、この村の家ちょっと崩壊しすぎ」

村長「・・・・・・」


神様「あとは~ 神体」

村長「神体?」

神様「女神使ちゃんは神体のこと位は知っているでしょ?」

女神使「あの神体はこの村に代々伝わる本物です」

神様「本物偽物は関係ない。 あの神体にはお願い事が入っていないんだよ」

女神使「お願い事?」


神様「そう。 見た感じ20年前にここに立ち寄った神が成就のために神力を吸い上げてから、誰もお願い事をしていない」

女神使「・・・・・・」

神様「人がいて、神社があって20年間お願い事がないなんておかしい訳。 願いがないから神力もない」

神使「それでご神体の神力がカラだったんですね」


村長「抜かりましたな。 そこまで頭が回りませんでした」

神様「納得?」

村長「はい、見事な証明です」


神様「いつからこの村に?」

村長「20年に一度、この村に神が立ち寄るという情報を私達は2年前に聞きました」

神使「まさかそんなに前からこのい村に!?」

村長「確実に神が神力を使う場所で、様々な測定器を配置するには好都合でした」

女神使「2年前、無人だったこの村の土地を全て買い取って入念に準備をしてきたんです」

神使「そこまでして・・・ 貴方たちは一体何者なんですか?」


神様「さて、それじゃぁお互い自己紹介といきましょうか」

村長「・・・・・・」

女神使「所長、全て話しましょう」

村長「そうだな」


女神使「私達は、有職故実研究財団の研究グループです」

神使「有職・・・ それって確か神宮管轄の外郭団体ですよね?」

神様「あ? 何それ」

神使「過去にGHQの意向で設立された帝都有職研究公団が母体で、現在は神宮が引き継いでいる機関です」

女神使「お詳しいんですね」

神使「私も神宮の者ですからその位は」

神様「・・・お、おうよ。 公団ね、知ってる。 日本道路公団」


神使「しかし、私の知る限り今は運営が停止されていると思うのですが」

神様「そうそう、今はJHだよね。 はっ! JHのJは神宮のJ・・・」

神使「・・・・・・」


村長「表向きはね」

神使「表向き?」

村長「財団の管轄は神宮だけじゃないんだよ」

神使「?」

村長「さっき自分で言ったじゃないか、外郭団体って」

神使「・・・ まさか!」

神様「JH!」

神使「神様、ちょっと黙っていて下さい。 それと今はJHでなくNEXCOです」

神様「はい」


村長「資金は、国からも回っているんだよ」

神使「国が・・・」

村長「まぁ、神宮も停止中と言いながら後ろ盾しているがね」

神使「それって・・・」

村長「神宮の闇。 いや、日本の闇と言った方が良いのかな?」


神使「貴方たちの目的は?」

村長「私達のグループは、神力を解明することが研究テーマだ」

神使「それを解明して何をするんですか?」

村長「私達は研究者だ。 テーマを研究し結果を出して上に提出するのが職務だ」

神使「どのように扱われるかも分からないのに研究するんですか?」

村長「電子を研究した学者はどのように扱われるか分かってやっていたと思うのかね?」

神使「・・・・・・」


村長「ただ、これだけは分かって欲しい。 もし、研究成果が悪に使われるのであれば私達はそれを阻止する義務もある」

神使「・・・・・・」

村長「その為にも研究は必要だ。 今は神という存在がその力を抑止しているから良いが、この先どうなるか誰も分からない」

神使「そんな極端な・・・」

村長「神力だっていつかは科学で証明される。 神の奇跡と思われていた雷や地震だって今や科学的に説明が付く」

神様「うんうん」

神使「ちょっと、神様・・・」


神様「詳しいことはよく分からんけど、信念は理解した」

神使「本当に理解したんですか?」

神様「あれだろ? 日本道路公団がNEXCOになっても高速道路を作り続けなくちゃいけないって事だろ?」

神使「誰もそんな事は言っていないのですが・・・」

神様「大丈夫だよ」

神使「しかし、神力を科学的に測定させるだなんて危険では・・・」

神様「いいや。 村長の言っていることに私は賛同できる」

神使「・・・・・・」

神様「時代は進む。 止まっちゃダメなんだよ」

神使「・・・わかりました。 神様がそう言うのであれば」

投下乙なの

カキフライどぞー

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