冒険者「ここが封印されし呪いの姫が眠るという古城か」 (26)

―酒場―

店主「へえ、次はあの城に目をつけたのかい」

冒険家「おう。あそこにはすんげえお宝が眠っているって話だしな。腕がなるぜ」

店主「盗賊らしくていいねえ」

冒険家「トレジャーハンターって言ってくれよ」

店主「この前の稼ぎ、あんまりよくなかったらしいな」

冒険家「うるせえ。あれは相棒がヘマをしなけりゃあ、金銀財宝は確実に手に入ってたんだよ」

店主「怪しいもんだなぁ」

冒険家「本当だっての」

店主「んで、その相棒の姿が見えないが?」

冒険家「怪我で療養中だ」

店主「ははーん。その治療費稼ぎで古城に乗り込むわけだな」

冒険家「使えない奴に一銭もくれてやるかよ」

店主「そうかい。ま、気を付けていってこい。あの城、罠だらけでまともに帰ってきたやつはいないらしいしな」

冒険家「……そうなの?」

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店主「そんなことも知らないで行こうとしてたのか。呆れるな」

冒険家「考えてみたら、あれだけ目立つ城にまだお宝があるってのもおかしな話だな」

店主「過去に何人もの盗賊が挑んだが、無傷で帰ってきた奴はいねえって噂だ」

冒険家「そんなに難易度が高いのか……」

店主「あはは。まぁ、覚悟がないならやめておいたほうがいいかもなぁ」

冒険家「もっと何か情報はねえのかよ」

店主「ツケを払ってくれるなら教えてやってもいいけどな」

冒険家「わーったよ。お宝を見つけたら払うから、教えてくれよ」

店主「なんだそりゃあ。まぁいいか。大した情報じゃないかもしれないしな」

冒険家「で、あの城について何を知ってるんだ?」

店主「……大昔、あの城には一人の魔女がいた」

冒険家「魔女? よくある話だな」

店主「その魔女ってのは城の姫君だったわけだ」

冒険家「へえ……」

店主「その姫君は呪いの姫と呼ばれ、多くの民から嫌われ、王族からも疎まれていた」

冒険家「それはまたどうして」

店主「実験と称して色んな薬物を他人に投与していたらしい」

冒険家「そりゃあ魔女だな」

ウェイトレス「ご注文の品でーす」

冒険家「どうも。いつも可愛いね」

ウェイトレス「やだー。てれちゃいますぅ」

店主「今、良いところなんだから邪魔すんな」

ウェイトレス「はぁーい」

店主「でだ、そんなことを繰り返していた姫に対し怒りを溜め込んでいた奴らがついに立ち上がった」

店主「姫が作った薬で姫を殺してしまおう、となったわけだ」

冒険家「おぉ……。反乱か」

店主「そして姫にある薬が投与された。しかし、その薬が厄介な代物だった」

冒険家「どんな薬なんだよ」

店主「恐らく、その薬こそがあの城に眠る最大のお宝だろうな」

店主「その薬ってのが――」

―古城―

冒険者「ここだな。間違いない」

冒険者「ここが封印されし呪いの姫が眠るという古城か」

冒険者(未だ誰も攻略できていないという城……。多くの財が眠っているだの、多くの罠があるだの、様々な憶測が飛び交っているが……)

冒険者「とにかく、ここまで来たんだ。入ってみるか」

相棒「ちょっと……ちょっとまって……」

冒険者「待っているだろう」

相棒「はぁ……はぁ……どうして……こんな山の上に……おしろが……」

冒険者「敵国の兵が簡単に攻め込んでこられないようにだろ」

相棒「はためいわく……ですねぇ……」

冒険者「大丈夫かよ」

相棒「だ、だいじょうぶでしゅ……きゅうけい……したら……」

冒険家「山分けの話、無しでいいか」

相棒「こまります! 山分けしてもらわないと私、体を売らないといけなくなりますぅ!」

冒険家「売ればいいだろうに」

>>4
訂正

冒険家「山分けの話、無しでいいか」

相棒「こまります! 山分けしてもらわないと私、体を売らないといけなくなりますぅ!」

冒険家「売ればいいだろうに」



冒険者「山分けの話、無しでいいか」

相棒「こまります! 山分けしてもらわないと私、体を売らないといけなくなりますぅ!」

冒険者「売ればいいだろうに」

相棒「酷い!!」

冒険者「まったく……」

冒険者(なんでもやりますっていうから拾ってやったのに、少し不安だな)

相棒「金銀財宝、たっくさんあるといいですねぇ」

冒険者「お前の借金が塵に見えるぐらいでないとな」

相棒「そんなにあるならぁ、お店とかしたいですよねー」

冒険者「店ぇ? お前が?」

相棒「はい! もうこんな危険なお仕事したくないですしぃ」

冒険者「……それもアリだな」

相棒「でっしょー?」

冒険者「だが、多くの遺跡は採掘、盗掘済みで、金貨が数枚残っていればいいほうだからなぁ」

相棒「う……」

冒険者「数週間、食う金に困らない程度でもあれば万々歳だ」

相棒「それじゃあ……足りないんですが……」

冒険者「お前は体を売った方が早いな」

相棒「この恵まれた体が憎い……!」

冒険者(何言ってんだか……)

冒険者「さぁて、お邪魔するか」

相棒「どこから入るんですか? 入口は瓦礫で塞がってるみたいですけど」

冒険者「外壁に穴があればとりあえず中には入れるだろ」

相棒「なるほど! 探してみます!!」

冒険者「だが、見つけたからって無闇にはいると――」

相棒「ありましたよー!! おじゃましまーす!!」

冒険者「おい!!」

相棒『わー!!!』

冒険者「人の注意ぐらい最後まで聞けよ!! 何があった!!」

相棒『お尻が……!! お尻がぁ……!!』

冒険者「尻?」

相棒『ぬけませーん!! ふぅーん!!! なんでー!?』

冒険者「……壁の向こう側はどうなってるんだよ?」

相棒『雑草が伸び放題になってまーす!!』

冒険者「他に何かないのか」

相棒『特にないですね』

冒険者「そうか。おい、押すぞ」

相棒『え?』

冒険者「おらっよ!」グイッ

相棒『きゃぁ!? どこ触ってるんですか!! スケベ!!』

冒険者「てめえのでけえケツが邪魔なんだよ」ググッ

相棒『乙女に対してなんてことを!! 鬼! 悪魔! 変態!!』

冒険者「……それじゃあ、このままでいいか?」

相棒『え……』

冒険者「そこでデカイ尻を振っておけば助けてくれるやつもいるかもな。来るかどうかはわからんが」

相棒『うぅ……』

冒険者「あと、食うもんはどうする? 草でも食うのか」

相棒『……はやくお尻を押してください!! お願いします!! 今ならいくらでも触っていいですからぁ!!』

相棒「あぁ……ひどいめにあった……」

冒険者「よっと。なんとか抜けられたな。さて、まだ罠らしきものはねえみたいだが……」

相棒「もうお嫁にいけない……」

冒険者「一生いけねえよ」

相棒「いかせてぇ!」

冒険者「それより、地図作り頼むぞ」

相棒「もう……。わかってますよぉ」

冒険者「てめえを拾った意味がなくなるからな」

相棒「ちゃんと描きますよぉ」カキカキ

冒険者(さて、馬鹿正直に正面から入ってもいいし、裏に回ってみるのもいいが……)

冒険者「入口に罠がなかったんだ、噂ほど罠だらけってわけでもねえのか……」

冒険者「噂の眠り姫がどういう意味なのかも気になるところだな」

冒険者「ま、考えてもなるようにしかならねえか。おい、どうだ?」

相棒「できました!! 入口部分の地図!! ここ、注意事項に『お尻の大きな子は通れません』って書いておきました! 我ながら仕事が細かい! いやー、いい仕事してますねぇ」

冒険者「……行くぞ」

―城内―

冒険者「流石に朽ち果ててるな」

相棒「おぉ……」

冒険者「足下に注意しねえと転ぶぞ」

相棒「だいじょーぶで――」ガッ

冒険者「おっと」ガシッ

相棒「うぅ……」

冒険者「大丈夫じゃねえな」

相棒「すみません……」

冒険者「お前、本当にトレジャーハンターなのか」

相棒「3回ほど遺跡のハントをしたんでハンターです」

冒険者「……」

相棒「……違うんですか?」

冒険者「手を繋いでおくか?」

相棒「子ども扱いしないでください!! 私は平気です!!」

冒険者「ほらよ」グイッ

相棒「わわ……。もうちょっと優しく引っ張ってください」

冒険者「注文が多いな、おい」

相棒「私は貴方のパートナーですから。それなりに注文もさせていただき――」

冒険者「手、放すぞ」

相棒「やめてください!! ここではやめて!! ほら、足元が不安定なんですからぁ!!」

冒険者(俺は子守じゃねえんだぞ)

相棒「よっと。ふぅー。難所でしたね」

冒険者「瓦礫の上を歩いただけだろ」

相棒「ここは難所ポイントっと」カキカキ

冒険者「その地図、完成しても売れないかもな」

相棒「遺跡の地図に変わりはないんですから、物好きが買ってくれます」

冒険者「そんな物好きがいればいいな」

相棒「あっ。こっちに地下室があるみたいですよ。どうします?」

冒険者「地下室は後回しに決まってるだろ。罠が作動して外に出られなくなったらどうするつもりだよ」

冒険者「――ここもなし、か」

相棒「宝物庫はやはり地下にあるんですよ」

冒険者「王族の部屋だったらところだぞ、ここは」

相棒「どうしてわかるんですか」

冒険者「そこのベッド。人間が何人眠れると思うよ」

相棒「ベッド? ベッドなんてないですよ」

冒険者「よくみろ。この木で作られたモノ。こりゃあ、ベッドの足だ。それが四つある。しかも、木片たちの間に線を引くと長方形になる」

相棒「おぉー。確かに」

冒険者「これがベッドでなくてなんになる」

相棒「夫婦で寝るしても大きいですね、これ」

冒険者「キングサイズ。文字通り、王様が寝るためのベッドだな」

相棒「へー。それじゃあプリンセスベッドとかもあるんですか?」

冒険者「次、行くぞ」

相棒「プリンセスベッドは一回り小さいんですかね?」

冒険者「黙ってついてこい」

相棒「よい……しょ……!!」ギィィィ

冒険者「さて、この部屋は誰の……ん……?」

相棒「ここは……」

冒険者「部屋の広さからして王族の部屋だろうが……」

相棒「ここはベッドの原型が保たれていますよ! このベッドもキングサイズってことは、ここも王様の寝室ですね!」キリッ

冒険者「……」

相棒「何か気になるものでも?」

冒険者「おめえはこれが気にならねえのかよ」

相棒「大きな、鉄の……人形……?」

冒険者「ってよりは、棺桶みてえじゃねえか?」

相棒「言われてみれば……」

冒険者「ヒトの形に似せた立派な棺桶。こりゃあ、王族専用の棺桶かもな」

相棒「ほうほう」

冒険者「開けてみるか」

相棒「いいんですか!?」

冒険者「棺桶の中に財宝があるかもしれねえだろ」

相棒「財宝と一緒にミイラがいたらどうするんですか?」

冒険者「ミイラは襲ってこねえよ。怖いのは罠のほうだな」

相棒「罠、ですか」

冒険者「開けたら爆発する仕掛けがあるかもしれねえ」

相棒「ひぃ……」

冒険者「だが、開けてみないと手に入らねえものもある」

相棒「も、もし、爆発したら……」

冒険者「俺とお前は一緒に死ぬ」

相棒「……」

冒険者「なんだぁ、その顔は」

相棒「知り合って間もない男性と添い遂げることになるなんて……恋、してみたかったなぁ……」

冒険者「あけるぞ」

相棒「ま、まって!! もう少し走馬燈を見させて――」

冒険者「よっと」ガチャッ

相棒「わぁー!!!」ゴロゴロゴロゴロ

冒険者「……」

相棒「ぶふっ!?」ドーンッ

冒険者「こりゃあ……」

相棒「顔、ぶつけたぁ……。あれ、爆発はなしですか」

冒険者「……」

相棒「何が入ってたんですか?」テテテッ

冒険者「……」

相棒「もー、私にも見せてくだ――」

姫「すぅ……すぅ……」

相棒「え……」

冒険者「人間だ……。しかも、生きてやがる……」

相棒「同業者ですかね」

冒険者「同業者にしちゃあ、かなり上品だな。着ているものは痛んでいるが、装飾品は豪奢だ」

相棒「服がウェディングドレスみたいですねー。重そう」

冒険者「これが噂の呪いの姫か……?」

相棒「きれーな人ぉ」

冒険者「とりあえず、この装飾品はいただくとするか」グイッ

相棒「あー。独り占めはよくないですよぉ」

冒険者「てめえはてめえで剥ぎ取ればいいだろ」

相棒「それなら、このティアラ――」

姫「……」ジーッ

相棒「……!?」ビクッ

冒険者「ちっ。この腕輪、どうやったらとれるんだよ」グイッ

相棒「あの……」

冒険者「うるせえ。これは俺のもんだ」

相棒「あの、あの……」

冒険者「なんだよ、うるせ――」

姫「貴様ら、私に何をしている? 夜這いか?」

冒険者「うお!? 起きたのか!?」

姫「夜這いではないか。まだ外が明るいしなぁ」

相棒「もしかして、あの……これがゾンビってやつですか……」

冒険者「ゾンビがこんなに小奇麗なわきゃねえだろ」

相棒「で、でもぉ」

姫「おい」

相棒「はひぃ」

冒険者「なんだ」

姫「どうやら、私はお腹が空いているようだ。何かよこせ」

冒険者「起きて早々メシか。何様だよ」

姫「姫様だ」

相棒「は?」

姫「姫様だ。何度も言わせるな。はやく食事の用意をしろ。私はここで座ってまっていてや――」ギシッ

バキッ!!!

姫「きゃぁ!?」

相棒「だ、大丈夫ですか!?」

姫「おしり……うったぁ……」

相棒「いたそう……」

姫「痛いに決まっているだろう!! さすれ!!」

相棒「は、はい!!」スリスリ

姫「くそ……。何故、椅子が壊れた……。別に太ってはないはずだが……」

冒険者「足が腐りかけていた椅子に座れば、そりゃ壊れるだろ」

姫「何を言っている。その椅子は先日、私が業者に頼んで届けさせた超高級な椅子だぞ。200年は腐らないという神木で作られているのだから、腐敗などありえはしない」

冒険者「ってことは少なくとも200年前の代物ってわけか」

姫「どういうことだ?」

相棒「よいしょ……よいしょ……」スリスリ

姫「おまえ! いつまで私のお尻を撫でるつもりだ!!」

相棒「もういいんですか!?」

姫「よく考えたら私が恥ずかしいだろ!! やめて!!」

相棒「すみません!!」

冒険者(やはり、コイツ……呪いの姫か……)

姫「もういい。椅子がダメならベッドに――」ギシッ

バキバキバキ!!!

姫「きゃぁぁぁ!?」

相棒「わぁぁ……!!」

冒険者「そりゃ、そうなるだろうな」

姫「ぐ……ぐぅ……」

相棒「さすります!!」

姫「たのむ……」

相棒「わっせ、わっせ」スリスリ

姫「くぅぅ……なんで……寝起きでお尻を痛めないといけないの……」

冒険者「姫様、あんたが眠ってから200年以上は経過しているから、尻を怪我するんだ」

姫「……はい?」

冒険者「そうとしか考えられねえよ」

姫「ふふっ。お前は冗談は上手なのだな。今のは面白いぞ。ふふふ。いい絵本にしてくれ。読んでやろう」

冒険者「この部屋が眠る前と感じが変わっているとは思わないのか?」

姫「なに……?」キョロキョロ

姫「……お前ら、私を誘拐したのか。よくみれば家臣の服装ではないしな」

冒険者「今更かよ。あと壊れた椅子もベッドも一緒に運んだってか」

姫「腐っているのなら、私が先日頼んだ椅子ではないことは明白だ」

冒険者「窓の外から見える景色に違いはあるかい?」

姫「窓の外……?」テテテッ

相棒「よいしょ、よいしょ」スリスリ

姫「もういいからっ」

相棒「あ、はい」

姫「……」

冒険者「どうだ。見える景色も変わってるか」

姫「一緒……ではないが……よく似ている……。誘拐するために似ている場所を探したのか」

冒険者「そんな面倒なことするわけないだろ。それに誘拐ならもっと姫様を不自由にさせておくぞ」

姫「むぅ……縛られていないな……」

相棒「私たちはトレジャーハンターなんです。この古城にある財宝を探しにきただけで、貴方を誘拐なんてしていません」

姫「つまり、それは泥棒ということか」

相棒「ええと、でも人が住んでいる家に盗みにはいるわけじゃないですしぃ」

姫「私が住んでいるだろう」

相棒「こんな朽ち果てたお城に人が住んでいるなんてわからなかったんですけど……」

姫「朽ち果てているだと!! 私は隣国と比べても、それはそれは立派なお城に住んでいたんだぞ!! 兵士だって何百人といたし!! 召使いだって……!!」

姫「常に人で溢れかえっている城だぞ!! 何故、人が住んでいるかどうかわからないんだ!! 貴様!! 目玉が壊れているんじゃないか!!」

相棒「そこまでいわなくてもぉ……」

冒険者「確かに頭は壊れてるが、目はまともだ」

相棒「頭も壊れてませんけど!!」

姫「理解できない……何がどうなって……」

冒険者「着ている服にも何か違和感がないか?」

姫「え……!? な、なんだ!! これは!! 私はこんな小汚いドレスを身につけた記憶はないぞ!! 返せ!! こそ泥!!」

相棒「最初からそれを着ていましたけど……」

姫「嘘をつくな!! はぁ……!? お前ら、私の裸まで見たのか!! この、エッチめー!!」

冒険者「みてねえよ。とりあえず、城の中を見てみるかい。それで納得はできなくても理解はできるんじゃねえか」

―中庭―

姫「……」

冒険者「鬱蒼としてるなぁ。まるでジャングルだぜ」

姫「ここには多くの花があったんだ……。庭の中央にはいつも手入れされた綺麗な噴水があって……」

姫「ここがお気に入りで……いつも部屋に戻れと庭師に小言をいわれていたんだ……」

冒険者「その庭師も仕事しなくなってから久しいな」

姫「どこで……どこで……さぼっている……」

相棒「……」

姫「なにが……なにがあったのだ……わからん……だれか……おしえて……」

冒険者「……」

姫「だれか……わたしを……たすけろぉ……」

相棒「ど、どうしますか?」

冒険者「俺たちはここに財宝を探しにきただけだ。時代遅れの姫様を保護しにきたわけじゃない」

相棒「そうですけど……でも……」

姫「なにを……したというのだ……なんのばつなんだ……おとうさま……おかあさまぁ……」

姫「うぅ……ぐっ……なに……が……あった……のだ……わからない……よぉ……」

相棒「あぁ……」オロオロ

冒険者「いくぞ」

相棒「ど、どこへですか」

冒険者「まだ地下を見てねえだろ。そこに財宝がなきゃ、ここの探索はしゅーりょー。骨折り損のくたびれ儲けだな」

相棒「この子は……?」

姫「ぐっ……うぅ……」

冒険者「しらねえよ」

相棒「……」

冒険者「なんだ?」

相棒「トレジャーハンターは手に入れた宝をどうするものなんですか」

冒険者「なんだよ、いきなり」

相棒「回収したのち、それを売るなりして生計を立てるもの、ですよね」

冒険者「そうなるな」

相棒「それが売れないものだった場合、普通は保管するんですよね。貴重な歴史の遺産として、または個人的なコレクションの一つとして」

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