黒川千秋「確かに……観やすいスポットは遠いでしょうね」

アーニャ「ニエ ベスパコーイシャ……大丈夫です。行く場所は決めてます」

梅木音葉「そうなのですか……？」

アーニャ「ダー……事務所の屋上です」

千秋「確かに、屋上なら観えそうね」

音葉「しかし……周りのビルの明るさで観えないのでは……？」

アーニャ「事前に確認して、大丈夫でした」

アーニャ「あと、ちひろさんとプロデューサーにも許可ももらいました」

千夏「じゃあ、今夜事務所の屋上に集合ってことでいいのかしら？」

アーニャ「ダー……、時刻は21時ぐらいです」

千夏「わかったわ、みんなもそれで大丈夫かしら？」

4人「大丈夫(よ)」

千夏「じゃあ、今夜21時に屋上集合ってことで、各々寒さ対策の準備しておいてね」

-時刻21時　事務所の屋上-

美由紀「わぁ……星がきれいだね！」

アーニャ「ダー♪　満点の星空です♪」

美由紀「ねぇねぇアーニャちゃん！　あれがデネブ・アルタイル・ベガ？」

アーニャ「ニェット……違います」

美由紀「えっそうなの？　でも三角形だよ？」

アーニャ「ダー……三角形ですが、ミユキが言っているのは夏の大三角のことですね」

アーニャ「あれは冬の大三角と言って、シリウス・プロキオン・ベテルギウスのズヴィズダーです」

美由紀「へぇーそうなんだー！」

アーニャ「あと……冬のダイヤモンドというものもあります」

美由紀「ダイヤモンド！？」

アーニャ「ダー♪　シリウス・プロキオン・ポルックス・カペラ・アルデバラン・リゲル、この６つのズヴィズダーを線で結ぶとダイヤモンドにみえるのですよ」

美由紀「ホントに！？　どれがどの星なの？」

アーニャ「シリウスは…………あれです」

杏「若い子は元気でいいよねー」

千夏「あなたも若いでしょ」

杏「あの2人に比べたら若くないよ」

千夏「……私からすればここにいる子たちみんな若いわよ」

杏「でさ、なんで杏はここに連れてこられたわけ？」

千夏「アーニャちゃんがみんなで観たいって言ったのよ」

杏「それはそれで嬉しいんだけど、部屋でぬくぬくしたかったよ……」

千秋「そう言ってる割には嫌そうには見えないわよ」

杏「あっ、千秋さんだ」

千秋「はい、ココアよ」

杏「ありがと」

千夏「あら、私の分は？」

音葉「こちらにありますよ……、どうぞ」

千夏「ありがとう」

千秋「話は戻るけど、楽しんでるように見えるわよ」

杏「美由紀に連れてこられた訳だし帰るのも申し訳ないと思ったんだよね」ｽﾞｽﾞｯ

音葉「そうなのですか……」

杏「まぁ帰ったら帰ったで、後でいろいろ言われるからってのもあるけど」

千夏「……」ｼﾞｰ

杏「……何さ」

千夏「いえ、本当は寂しかったからなんじゃないかと思っただけよ」

杏「なっ……！」

音葉「杏さんは意外と寂しがりや……ですよね」

千秋「この前も美由紀さんが地方に仕事に行ってた時も時々ボーッとしてたものね」

杏「べ、別にボーッとしてないし！　美由紀のことが心配だっただけだし……あっ」

千夏「心配はしてたのね」ﾆｺﾆｺ

千秋「心配性ね」ﾆｺﾆｺ

音葉「いいお姉さんですね……」ﾆｺｯ

杏「あーっもう！　そうだよ、心配性だよ！　悪い！？」

千夏「悪くはないわよ」

杏「杏帰るからね！」

千夏「帰っちゃうの？　美由紀ちゃんが寂しがるわよ」

杏「くっ……」

美由紀「みんなー何話してるのー？」

千秋「他愛ない話よ」

美由紀「？？？」

美由紀「それよりも、こっちに来てみんなで星観ようよ！」

アーニャ「ダー♪　すごくきれいですよ」

千秋「そうね、みんなで観ましょうか」

千秋「アナスタシアさん、解説お願いできるかしら？」

アーニャ「問題ないですよ♪」

美由紀「アーニャちゃんの説明すっごくわかりやすいんだよ！」

千秋「そうなの？　楽しみだわ」

千夏「ほら、杏ちゃんも行くわよ」

杏「もー仕方ないなー」

音葉「ふふ……」

杏「あっ、笑ったな」

音葉「すみません……」

杏「杏をおんぶしてくれたら許してあげるよ」

音葉「では……私の背中をどうぞ、お嬢様」

杏「くるしゅうない……、音葉さんって意外とノリがいいよね」

音葉「そうですか……？」

美由紀「2人とも早く早く！」

杏「今行くー」