【自由安価】男「好きです!」女「なぜ?」 (72)

男「>>2

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うそ

男「うそ」

女「……なぜそんな嘘を」

男「あ、いやっ! ほんとです!」

女「ますますなぜ?」

男「嘘って言った方が印象に残るかと!」

女「そういう計算は頭のうちでするべきよ」

男「確かに!」

女「勉強になった?」

男「はい!」

女「ならよかった。じゃ、またね?」

男「うん、また!」

男「……あれ?」

【翌日】

女「また来たのね」

男「伝えたいことがあるので!」

女「へえ、なにかしら」

男「好きです!」

女「なぜ?」

男「>>5

あなたのミステリアスな部分に惚れたから

男「あなたのミステリアスな部分に惚れたから」

女「ミステリアス?」

男「みすてりあす!」

女「あなた、意味をわかって言っているの?」

男「なんか、ちょっと不思議な感じ、ってことです!」

女「きちんと調べてきなさいよ。好きな人に言う言葉は正しくなければ、気持ちも正しく伝わらないわ」

男「おお、なるほど! 電子辞書持ってくる!」

女「だめよ」

男「なぜ!?」

女「そうしたらあなたは電子辞書に入った国語辞典の言葉でしか喋ることができないわ」

男「だとすると?」

女「私は辞書と喋りたくはないの」

男「……なるほど!」

女「ね?」

男「でも、俺の思いを伝えるためには辞書が……いや、それに頼っているばかりでは女さんとの会話は……!」

女「しっかり考えてね、じゃあ」

男「あ、はい! うーん、どうするべきか……とりあえず古今東西の国語辞典、いや漢字を使うなら漢和も」

男「……あれ?」

【翌日】

女「結局どうしたの?」

男「言葉では伝わらない思いは、あなたと一緒に時間を使って、じっくり伝えようと思います!大切な思いなので!」

女「…………」

男「響きましたか!?」

女「いや、よく辞書とにらめっこしてたのね、と思って」

男「はい!」

女「で、今日も?」

男「好きです!」

女「なぜ?」

男「>>8

忘れた

男「……忘れた」

女「あら、どうして?」

男「あ、いやっ!そういうわけじゃ、ないんですけど……わからないんです。あれだけ好きだったはずなのに、おかしいなあ……」

女「そうじゃないわ」

男「え?」

女「忘れた、ということは、何かを考えてきたのでしょう?」

男「……はい、きっとその理由を聞かれると思っていたので」

女「そんな手前味噌で私に告白しようとしていたの?」

男「そんなこと! ……いや、でも現に忘れてしまっていますもんね……言い訳のしようもないです」

女「違う、よく聞いて。私はあなたを責めたいなんて思っていないのよ」

男「え……?」

女「覚えてきた言葉を今すぐ思い出して、言って欲しいなんて私は思っていないわ。そんなものより大事なことがあるんじゃない?」

男「大事なこと……?」

女「よく考えなさい。今あなたは、記憶をさらって脳を活性化したい訳じゃないでしょう?」

男「……」

「――――あなたは、何がしたい?」

男「俺は、あなたに……自分の気持ちを伝えたいです!」

「そう、それでいいのです。昔のあなたの胸にあった『好き』はもういらない、あなたにはきちんと今の『好き』があるのですから」

男「はい……はい!」

「よろしい。早く顔を上げなさいな」

男「はい! 女さん! 俺はあなた――あれ?」

女友「こんにちは。女はもう行ってしまいましたよ」

男「えっ……えっ!? いつから!?」

女友「君が顔を伏せてからムーンウォークで去っていき、代わりに私が摺り足で寄ってきました。声は彼女と私でフェードイン、フェードアウトのタイミングを合わせて融合させました」

男「すげえや女さん!!」

女友「惚れ直しました?」

男「はい!」

女友「よかったです。では、私はこれで」

男「はい!あ、女さんによろしくお伝えください!」

男「……あれ?」

【翌日】

女「……女友への謝礼、高くついたわ。あの子あれだけプリン食べて太らないのかしら」

男「ご迷惑おかけしてすみません……」

女「でも、諦めるつもりは?」

男「ありません!」

女「よろしい」

男「好きです!」

女「なぜ?」

男「>>11

あなたのことが気になるからです

男「あなたのことが気になるからです!」

女「その気持ちは『好き』に置き換えられるのね?」

男「はい!好きです!」

女「……それがなぜかと聞いているのよ」

男「……はっ!?確かに!」

女「腕が落ちたわね」

男「面目ありません!」

女「出直しなさい」

男「はい……」

女「じゃあ、また」

男「はい、また……」

男「……あれ?出直す必要はないよな?言い直させてもらえばよかったよな?」

【翌日】

女「あら、髪を切ったのね」

男「はい!気づいてもらって嬉しいです!」

女「そういうのは言わなくてもいいのよ。あと、単なるアハ体験だから」

男「アハれるほど毎日会えて嬉しいです!」

女「言わなくていいのよ」

男「はい!」

女「で、ご用件は?」

男「好きです!」

女「なぜ?」

男「>>14

大好きだからです!

男「大好きだからです!」

女「大きく出たわね」

男「大きく出てみました!」

女「大きいとどうなるの?」

男「真面目にやってきたことがわかります!」

女「アリさんマークの」

男「引越社です!」

女「……」←微笑んでいる

男「……」←気持ちよくハマって感涙に咽び泣いている

女「じゃあ、これで」

男「はい!またやりましょうね!」

女「遠慮するわ」

男「……あれ?」

一旦お開き

女「なぜ?」

【翌日】

女「答えるまで待ってやろうかと思ったけれど興が削がれたわ」

男「何の話ですか」

女「必ず答えてもらえるという保証があると思う相手にするのも、狡いのだけどもね」

男「わからない……」

女「気にしなくていいわ。それよりも、用があるのでしょう?」

男「あっ、好きです!」

女「ちゃんと準備してから言いなさい。慣れた告白に篭る愛はないわ」

男「好きです!」

女「なぜ?」

男「>>20

人を好きになるのに理屈も理由もいりません

男「人を好きになるのに理屈も理由もいりません」

女「……へえ」

男「ただあなたが好きなんです!それ以上、俺から女さんに伝えることはありません!」

女「そうね、あなたがそう言うならそうなのかも」

男「じゃあ!」

女「でも」

男「え」

女「理由と理屈がなければ、私はあなたを好きになれないわ」

男「どうして!?」

女「私はあなたに『私を好きであること』の理由を求め続け、それにあなたも答え続けた」

男「はい!」

女「答え続けたということは、あなたには最初、『好き』に理由があったのでしょう?」

男「あ……」

女「自分の心の中を探ることで、気持ちの根拠を見つけ出そうとすることは、とても素晴らしいわ。でもあなたはそれをやめてしまった。いや、検索した結果が0件だっただけなのかもしれないわね」

男「ち、違います……」

女「理由の有無を問わず、あなたの気持ちはちぐはぐなのよ。そんな状態のあなたに好きと言われようが、知ったことではないわ」

男「……」

女「さて、じゃあ帰るわ」

男「はい……」

男「…………」

女友「あれ?」

男「言っとくべきか迷ったら先を越されるんですね……」

女友「そういうことです」

【翌日】

男「なぜ俺は女さんが好きなのでしょう」

女友「知りませんよ。いつまで着いてくるんですか。昨日からずっとじゃないですか。そんなに悔しかったのですか」

男「女さんに一番近いあなたなら分かるかと思って……」

女友「ほど遠いですよ。あの時は女にプリンを報酬に依頼されただけで、情にほだされて請けたわけではありませんし。あとその条件でお前の好きの理由が分かる訳ないですから」

男「でも、少なくとも俺よりは、女さんのことを知っていると思うので!」

女友「日本語通じないですこれ。とにかく、協力する義理も義務も人情もないと言っているでしょう」

男「……あっ、プリン買います!」

女友「私は菓子に釣られる幼児ではありませんよ」

男「でもあの時は」

女友「プリンの気分は過ぎ去りました」

男「い、今は?」

女友「何の気も起こしません」

男「満足しちゃってる……」

女友「そもそも、私はなにを協力すればいいんですか」

男「俺があなたに『好きです!』というので、『なぜ?』と返してください!」

女友「一番近いって、そういうことですかよ。似てないですよ私」

男「俺が視認できる限り、一番近いです!」

女友「ああ、イってますもんね。目が」

男「好きです!」

女友「なぜ?……ああ、ツッコミのテンションで返してしまった……」

男「>>23

あなたのおっぱいに一目惚れしたんです!

男「あなたのおっぱいに一目惚れしたんです!」

女友「的確に私と女の差異を出してきやがりましたね」

男「素直なのが取柄なもので!」

女友「その柄折って別の付け替えた方がいいですよ、ティフ○ールみたいなの」

男「なるほど!熱伝導ですね!」

女友「料理が趣味の男ってこだわり強そうで苦手なんですよね」

男「あっ、フられた!」

女友「まず好きな相手の前で『おっぱい』と口にした時点で無理があることに気づきなさい」

男「…………」

女友「聞こえてんですのか」

男「……そういえば、女さんはいつも」


女『じゃ、またね?』

女『しっかり考えてね、じゃあ』

女『出直しなさい』


男「俺にいつも、また会うように言ってくれていた……フろうとすれば、いつでもフれたはずなのに」

女友「…………」

男「女さん……」

女友「女はいつものところで待っていますよ」

男「!!」

女友「彼女が言っていたでしょう、考えてきた理由なんていらない。ありのままを伝えろ、と」

男「……はい」

女友「今、あなたがすべきことはなんですか?」

男「行ってきます!ありがとうございました、女友さん!」


女友「……名前、どこで知ったんだか」

女友「女、申し訳ありませんが、あなたの依頼は遂行できません。……残念ながら、プリンにはもう飽きたのですよ」

女「……」

女「…………」

男「女さーーん!!」

女「!」

男「すみません、お待たせしました!」

女「……待ってなどいないわ。たまたまここに居ただけよ」

男「でも、俺は待ってくれたと思っているんです」

女「都合のいい頭をしているのね」

男「はい。だって、俺は女さんのことが好きですから」

女「…………」

男「理由、聞かないんですか?」

女「別に、聞きたいと思っていないもの。言いたいのなら勝手に言えばいいじゃない」

男「>>26

全てです。女さんのすべてが好きです

男「全てです。女さんのすべてが好きです」

女「すべて?あなたは私の何を知っているの?」

男「俺から見える女さんのすべてが、俺の『好き』の全てです」

女「私は私よ。あなたの見えるものだけに、私を収めないで」

男「…………」

女「そもそもそれは『好き』の対象、理由にもなっていない……帰るわ。じゃあね」

男「……女さんは、どうして俺をフってくれないんですか!?」

女「……」

男「いつも俺を煙に巻くような言葉で、俺の気持ちを綯い交ぜにして!次の日には素知らぬ顔で会ってくる!」

女「……」

男「そんなの、そんなのずっと好きになるに決まってるじゃないですか……!」

女「……」

男「女さん!」

女「……『また』ね」

男「……はい」

女「……」

男「……」

【翌日】

男「女さん!」

女「!」

男「こんにちは!」

女「こんにちは」

男「はい!」

女「……」

男「結局、よくわからないんですが、『また』と言われたので来ました!」

女「そう……」

男「女さんが何を考えているか、『好き』の理由すらわからない僕にはわかりっこありません。でも、女さんが許してくれる限りは、会いにきますから!」

女「……わかったわ。あなたがそう言うのなら、私も付き合うわ」

男「付き合うんですか!?」

女「付き合わないわ」

男「付き合わないんですか!?」

女「会って話を聞くことくらいは続けてあげるわ」

男「なるほど!」

女「で、今日はなあに」

男「好きです!」

女「なぜ?」

男「>>29

女さんだから

男「女さんだから」

女「じゃあ、私が私ではなくなってしまったら?」

男「え?」

女「事故で顔の半分が無くなったり、脳機能が正常でなくなっておかしな言動を起こしたりしても、あなたは私の事が好きなの?」

男「はい!」

女「……まあ、返事がいいのはいつも通りよね」

男「信じてくださいよ!」

女「はいはい。そうね……じゃあ、私の形がもっと原形を留めていなければ」

男「女さん」

女「なに?」

男「なんだかちょっと辛そうですよ」

女「!」

男「やめましょうか、この話!」

女「いや、別になんとも」

男「じゃあ、今日のところはこれで」

女「あ、ちょっと……ええ……?」

女「……あれ……?」

【翌日】

女「あら、どの面下げてやってきたの?」

男「えっ……い、いや、普通ですよ」

女「あらそう、いつも通りの冴えなさなのね」

男「俺、何か怒らせるようなことしましたか……?」

女「あったとしても言わないわよ?」

男「は、はい……とりあえず、その」

男「好きです!」

女「なぜ?」

男「>>32

わからない

男「わからない」

女「……」イラッ

男「なんで好きなんでしょうね……?」

女「軽くぶっていいかしら」

男「わ、ちょっ、すいませんすいません!」

女「ハァ……わかってないのはこっちだって分かってたわよ。ダメなのは、それを当人の前で言っちゃうところよ」

男「すみません……ちょっと口が滑りまして……」

女「まあ、連日やっていたから疲れたのかもしれないけれど。なんなら少し時間を置こうかしら」

男「めっちゃ嫌です!」

女「あなた本当に素直になりすぎてない?」

男「明日には必ず、必ず傑作を捻り出すので、どうか!」

女「あらそう、じゃあまあ、期待しないでおくけれど」

男「ありがとうございます!」


女友(なぜ?って聞くのやめればいいし、それに答えるのもやめればいいんですけどね。まあ、当人たちがいいのならいいのですが)

【翌日】

男「今日こそはやるぞー!」

女「気合が入っているわね」

男「みなぎってます!8時間睡眠と、朝にうなぎを食べたおかげです!」

女「それだけぐっすり寝た後によくそんなもの食べられるわね」

男「流石に気持ち悪かったですが、今はぴんぴんしています!」

女「……まあ、それはそれとして」

男「好きです!」

女「なぜ?」

男「>>35

俺が聞きたいくらいです

男「俺が聞きたいくらいです!」

女「時間と距離を置きましょう」

男「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!」

女「こちらこそごめんなさい。そこまであなたを追い詰めていたなんて自覚がなかったわ」

男「違うんです違うんです!」

女「ハァ……ここで天丼するのはネタとしても、ね……」

男「うう……」

女「……精進なさい」

男「はい……」

【翌日】

女「……」

女「…………」

女(……来ない)

女友「来ませんね」

女「どこにいたの」

女友「ずっと後ろに?」

女「相変わらず神出鬼没ね」

女友「にしても珍しいじゃありませんか。あなたが私に気づかないなんて」

女「……なにが言いたいのかしら」

女友「待っているのでしょう、彼の事?」

女「彼に依頼でもされたの?」

女友「まさか。ただの友としてのお節介ですよ」

女「そんなガラではないでしょうに」

女友「あなたがガラでないことばかりしているので、合わせてみました私ですよ」

女「……何を言いに来たの」

女友「なにも。あなたに口で勝てると思っていませんので、ただここに居るだけです」

女「……」

女友「心底嫌そうですね」

女「わかるならやめてくれないかしら……」

女友「彼の事、気に入っているのでしょう?」

女「……ま、それなりには、ね」

女友「!」

女「面喰うほど意外ではないでしょう?」

女友「いや、根性ひん曲がりのあなたがまさか素直に認めるとは思っていなかったので」

女「あなたに言われる筋合いはないわよ」

女友「彼の率直さに毒されました?」

女「さあ、どうでしょうね」

女友「……あなたらしくなくてむずむずするんですよねえ」

女「回りくどい、って?」

女友「回った道がどこに通じているのかが分からないのです。何がしたいのですか?」

女「……さあ?」

女友「全く……そろそろ来ますよ、彼」

女「なぜ分かるの?」

女友「あなたに伝えろと言われたので。『少し遅れますが、必ず行きます』と」

女「ふうん」

女友「確かに伝えましたよ」

女「いらないものも一緒に、ね」

女友「本当に友達甲斐のないやつです」

女「お節介よりマシよ」

女友「べーだ」

女「うるさい、早くあっち行きなさい」

男「すみません!待ちましたか!?」

女「いいから息を整えて。みっともないわよ」

男「すみません……」

女「一日くらい置いてもいいでしょうに」

男「でも、やっぱり会いたかったので」

女「……ご用件は」

男「好きです!」

女「なぜ?」

男「>>40

……

男「……」

女「……」


男「…………」

女「…………」


男「……………………」

女「……………………」


男「ぶッはァ!?」

女「息まで止める必要がどこにあったの?」

男「ヒィー……ヒィー……!」

女「走ってきた後に急に息止めたらそうなるでしょう?」

男「あの、寡黙な男は、好かれる、って……」

女「寡黙な男はみんな肺活量が多いの?」

男「でも、緊張しちゃって、いつの間にか息を……」

女「はいはいわかったわかった。帰るわよ」

男「一緒にですか!?」

女「仕方ないわよ。もうこんな時間だし、わざわざ時間をずらす必要もないのだし」

男「やっぱ寡黙な方がモテるんですね!!」

女「少なくともあなたは寡黙ではないわ」

男「あれ?」

【翌日】

男「来ました!」

女「やるわよ」

男「え」

女「今日は急いで帰りたいの、手短に済ませて。できれば理由も三文字以内で」

男「三文字ですか!?」

女「ああもう、いいからやりなさい」

男「え、あ、その……」

女「早く!」

男「好きです!」

女「なぜ!?」

男「>>43(三文字以内。漢字可)」

🚮🚾⚠

男「⚠」

女「漢字は可だと言ったけれど環境依存文字は良しとしてないわよ」

男「😆💕」

女「帰るわ」

男「ええ!?ちゃんとjaneからスマホに持ち替えたんですよ!?」

女「知らないわよ、あとこういうメタいのも嫌いなの」

男「初めて嫌いと言われた!?」

女「仕切り直すわよ」

男「好きです!」

女「なぜ?」

男「>>45

止まらないんですよ。あなたへの想いが

男「止まらな」

女友「三文字だっつってんですよ帰りますよ」

男「!?」

女「プリン三つ」

女友「五つ」

女「四つ」

女友「四つとアイス」

女「四つ」

女友「ちっ」

男「交渉早過ぎませんか?」

小休止

【翌日】

女「お金がないわ」

男「女友さんですか?」

女「ええ、きっとね。手痛い出費よ」

男「あの人はどうしてああもがめついのでしょうか」

女「あら、言うようになったわね」

男「あ、いや!」

女「まあ、今度本人に聞けばいいじゃない。そっくりそのままその文言通りね」

男「それは流石に怖いです……」

女「あなたわりと怖いもの知らずなのに」

男「そうですか?」

女「自覚してないところがアレよ。まあいいわ、それじゃあ」

男「好きです!」

女「なぜ?」

男「>>53

僕を相手にしてくれるからです

男「僕を相手してくれるからです」

女「友達、いないの?」

男「いますよ!?」

女「あなたが?」

男「ひどい言われようですね……」

女「正直に言えば、社会と交わることができなさそうなんですもの、あなた」

男「まともにしようと思えばできますよ!」

女「しなさいよ」

男「女さんの前だと緊張して」

女「なぜ緊張したら逆に素が出るのよ」

男「ありません?」

女「知らないわ。それに」

男「?」

女「相手してくれる友達がいるなら、私でなくていいじゃない」

男「……なるほど」

女「そういうことよ」

男「参りました」

女「また明日」

【翌日】

女「寒いわね」

男「はい、ここのところ雪もちらつき始めたし」

女「あなたの格好がよ」

男「え?」

女「なぜ上着も羽織らず袖すら捲っているの」

男「いやあ、ちょっと汗をかきそうかなって」

女「それだけ発汗しながら私に告白していたのね?」

男「緊張しちゃって」

女「恥ずかしそうなところ悪いけれど、必死さは告白に百害あって一利ないわ」

男「そうなんですか!?」

女「一般的にはね。……さて」

男「好きです!」

女「なぜ?」

男「>>56

女さんは僕の母になってくれたかもしれない女性だから

男「女さんは僕の母になってくれたかもしれない女性だから」

女「どういう意味?」

男「俺、最近よく父と話しているんです」

女「はあ」

男「そこで女さんの話になってですね」

女「ほう」

男「なんと、父も女さんのことを気に入ってくれたんです」

女「ひょー」

男「気の無いリアクションですね!」

女「気があったら最初から告白を受けているわ」

男「なるほど! ……その気でしたっけ」

女「さあ。まあ多少興味あるわよ、そのあなたに輪をかけて変な生き物」

男「父です!」

女「でもそれ、『母になってくれたかもしれない』とは繋がらないわよ。過去に私が会っているならともかく」

男「会っていますよ?」

女「……」

男「その怪訝な顔はなんですか」

女「怪訝な顔よ」

男「そうではなく!」

女「まあ、もう、なんでもいいわ」

男「なんでそんなに疲れ切った顔をするんですか!?」

【翌日】

男「こんにちは……」

女「あら、風邪?」

男「はい、俺マスクってめっちゃ嫌いなんですけど、仕方なく……」

女「来なくてもよかったのに」

男「女さんに俺のこと、忘れられちゃいそうな気がして……」

女「……」

男「すみません……」

女(ここで他意もなく『あなたのことを忘れる筈がないわ』なんて言っていたら、きっと彼の熱が上がっていたわね)

男「あー、女さーん?」

女「聞こえているわ。無理せず帰っていいのよ」

男「女さんが俺に優しい!」

女「そこでも上がるのね」


男「好きです!」

女「なぜ?」

男「>>60

告白を受けてくれないからです

男「告白を受けてくれないからです」

女「どういうことかしら」

男「俺の告白を受けてくれないからこそ、自分の思いがより強くなっていった。そんなふうに感じるんです!」

女「じゃあ、初めて告白したときは好きではなかったのね」

男「いえ!」

女「珍しく歯切れがいいわね」

男「今がとっても好きなんです」

女「……」

男「ダメですか!?」

女「でも、それじゃあ私が受けてしまえば、あなたが積み重ねてきた感情は無くなるわよ」

男「……なるほど!」

女「惜しかったわね」

男「がんばります!」

女「また明日」


【翌日】

男「首痛い……」

女「あら、寝違えた?」

男「俺シップ臭が嫌いなんです」

女「あんまり好きって人は居ないと思うけれど」

男「でも!女さんは!」

女「ああ、そういう」

男「好きです!」

女「なぜ?」

男「>>64

理屈ぽい所です

男「理屈ぽい所です」

女「あらそう? そんなに自分では思わないけれど」

男「いやいやいやいや(笑)」

女「見ないうちに随分と態度も砕けやがったわね」

男「えっ、昨日も会いましたよ?」

女「……ええそうね。そういうことにしたいならそうしましょう」

男「……?」

女「私は理屈というより、思ったことをそのまま口にしているだけなのだけれど」

男「うーん……一聴して芯が通っているように聞こえてましたが、なんかいつも腑に落ちないんです」

女「あら、私の言葉に納得いかないのかしら」

男「そういうことになりますね」

女「まあ、別にいいわよ。分からないなら互いの価値観の相違であるというだけのこと」

男「え゙っ」

女「話の分からない相手と無理にお話なんてする必要ないわ。ね? それじゃ、ばいばい」

男「嘘です嘘ですとても共感しております!!!」

女「あらそう? 別にいいのに」



女友(そんなこと言いつつ楽しそうじゃないですか、女)

女(そうでもないわよ)

女友「……ん!?」

女友「……え、なに。誰もいない。えっ、女っ、えっ?」



男「どうして急に寄り目になったんですか」

女「眼精疲労ね。あと柱の陰にいる子にお灸据え」

男「……?」

女「分からないの?」

男「あーいや分かりますとても。よくありますもん俺も」

女「あらそう」クス

【翌日】
男「女さん!」

女「ん? なあに、これ?」

男「ホットアイマスクです!」

女「急にな……ああ、眼精疲労」

男「はい! よく効くらしいと!」

女「……まあ、無駄にはできないか。受け取るわね、ありがとう」

男「ついでに俺の気持ちも、お願いします!」

女「それは、モノを見てから考えようかしら」

男「好きです!」

女「なぜ?」

男「>>67

こうして女さんと喋ることが楽しいからです

男「こうして女さんと喋るのが楽しいからです」

女「前にも言ったけれど、あなたと喋り始めたのなんてつい最近。私に初めて告白した時の理由とは違うでしょう?」

男「今、俺がこう思っていることを否定する理由にはなりませんよね」

女「……良くなったの、頭?」

男「俺だって学習くらいします!」

女「へえ」

男「……楽しそうですね」

女「私好みの男になってくれてるんだもの」

男「っ!」

女「露骨に嬉しそうな顔をするのね」

男「本当に好きですから!」

女「私も楽しいわよ、あなたとのお話」

男「なら、是非俺と」

女「でもあなたが楽しいのは、今しているこのお話なのでしょう?」

男「……はい」

女「私があなたの告白を受けてしまっては、この楽しいお話は続けられないわね」

男「…………」

女「ね?」

男「俺と女さんが付き合えば、もっと楽しいお話ができると思います」

女「食い下がるわね……」

男「納得できないので!!」

女「付き合った方が楽しい話ができるとは思えないわ」

男「それはなぜですか」

女「まず、私はこの状況を何より楽しんでいるの」

男「…………でしょうね」

女「それが崩れるのが惜しい。そして第二に、付き合うということはお互いのパーソナルな部分に踏み込むということ」

男「はい」

女「そうすることで自然と話はお互いの私生活の話になってくる。そんなのは楽しくないのよ」

男「……なるほど。話したくない部分が多くあるんですね」

女「単純に楽しくない話が多いだけよ」

男「そう言って貰えるなら、俺は絶対女さんに踏み込んだ話はしません!」

女「じゃあ、付き合う意味ってあるのかしら?」

男「…………?」

女「お互いの大切なものに触れない関係に、その先なんてないでしょう?」

男「……ど、どういうことですか」

女「あなたが今、聞いた通りのことよ」

男「そんなの、そんなの無茶苦茶じゃないですか!? 女さんの中でさえ、考え方がまとまってないし!」

女「そうね、その通りだわ」

男「…………」

女「……怒ってる?」

男「はい」

女「素直ね……」

男「そんなの、やっぱり納得できない! 今までだって、女さんの変な考え方に沢山触れてきました。けど、こんなのは……!」

女「…………」

男「…………っ、帰ります!」

女「そう…………」

男「……また、来ますからね」

女「…………ええ」

――――――――――――

女友「馬鹿ですね」

女「……でしょうね」

女友「自分で気付いていても、まだ馬鹿をやろうとしているのが、もっと馬鹿です」

女「…………ええ」

女友「又聞きの私ですらムカつくんです、それはそれは男さんはカンカンですよ」

女「…………」

女友「…………はあ」

女「……気付いていても、よく分からないのよ。相反する二つの気持ちが、理で詰めようとどちらも否定できない」

女友「今まで机の上だけで、言葉をこねって遊んできたツケですよ」

女「…………」

女友「きちんと向き合って考えてください、彼にも、あなた自身にも。じゃなきゃ、答えは見つかりません」

女「…………」

女友「怖いんでしょうが、必要な時間です」

女「……わかった」

女友「ふう」

女友(なんで私がこんな役回りを……ホント、余計なスイッチを押すものですね、男さん)

――――――――――

男「………………怒ってしまった」

男「大好きな、女さんに、怒ってしまった………………」

男「…………ぁぁぁああああぁぁああぁああああ」

男友「五月蝿えぞ」

男「…………?」

男友「『え、急になに、お前誰……?』の顔する以前に、誰であろうとも五月蝿いからやめろ」

男「あ、はい……」

男友「相変わらず失礼だなホント……で、態々工業科クラスの生徒のとこまで来た理由は?」

男「普通科ってどっちに行けば……」

男友「階段下がって廊下の向かって右側突き当たりに渡り廊下!!」

男「ありがとうございます……」

男友「マジで帰るぞコラ」

男「ご、ごめんごめん」

男友「お前が呼び出したんだろ……ったく、まあ思ったよりいつも通りで安心したが」

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