( ^ω^)夢の対決!零式艦上戦闘機vsP-51ムスタング!のようです (101)





燦々と降り注ぐ太陽のもと。

佇む“軍馬”の液冷V型12気筒エンジンは躍動し、乾いたビートがこだまする。


4翅プロペラの高回転と各排気管から噴き出した圧は、砂埃を高々と舞い上げ――

それはまるで狼煙のように、熾烈な“ドッグファイト”の始まりを見る者すべてに予感させた。






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( ^ω^)夢の対決!零式艦上戦闘機vsP-51ムスタング!のようです









( ゚∀゚) ……

( ゚∀゚) スゥー……

( ゚∀゚) ハァー……



(#゚∀゚)o彡゜「ヒィィハァァッ!」

(#゚∀゚)「俺様のご機嫌マーリン(エンジン)ちゃんは、今日もバッチェイカスぜぇぇぇっ!」

(#’e’) 川# ゚ 々゚) (#-@∀@)「Fooooooo!!!」



沸き立つギャラリーたちの視線の先。

革製のフライトジャケットに身を包んだ一人の男は、暖機のさなかにある銀翼の単発レシプロ戦闘機“P-51D”のコクピット上で、威勢の良い雄叫びを上げていた。






( ゚∀゚)「お集まりの紳士諸君!皆もよく知るように……」

( ゚∀゚)「レシプロ戦闘機ってのは、去る大戦の絶対なる空の王者として君臨し――」

( ゚∀゚)「戦後数十年が経った今でも、男の心をガッチリ掴んで離さねぇスペシャルな存在だ!」

(#’e’) 川# ゚ 々゚) (#-@∀@)「Yes!!!」



( ゚∀゚)「そして、男なら誰しも……一度は考えたことがあるはず!」

( ゚∀゚) 「数ある戦闘機の中でも、“最強の機体とは一体どれだったのか”ってな!!」

(#’e’) 川# ゚ 々゚) (#-@∀@)「Yeeeeees!!!」






( ゚∀゚)「だが……この手の純粋な疑問ってのは、長年ナンセンスな問題として扱われ続けていた」

( ゚∀゚)「なぜなら世の頭でっかちな連中は、揃ってこんなことをぬかしやがるからだ!」


( ゚∀゚)『戦闘機同士、はじめから一対一で起きる戦闘なんて現実的ではない(キリッ』

( ゚∀゚)『仮想敵の違う機体同士での優劣なんて付けても仕方がない(キリッ』

( ゚∀゚)『歴史に“もし”なんてものは存在しない(キリッ』

( ゚∀゚)『おっぱいはニワカ、通は尻(キリッ』


( ゚∀゚)「だっておwwwwwww(死語」

(’e’) 川 ゚ 々゚) (-@∀@)「HAHAHAHAHAHAHA!」






( ゚∀゚)「クソくらえだぜ!男ならもっとFoolになれよ!おっぱい最高!」

(#’e’) 川# ゚ 々゚)「Yeeeeees!!」(-@∀@)←尻派



( ゚∀゚)「……そう、理屈なんてのもっと単純なのさ」

( ゚∀゚)「当時の仕様を完全再現した機体同士が、同じ燃料、同じ戦場」

(#゚∀゚)「同じ条件下でタイマンはって――勝ち残った方が強い!!」

(#゚∀゚)「それでいいんじゃねぇのかよ?あぁ、それでいいのさ!!」



( ゚∀゚)「精巧な模造機が民間で容易に入手できるようになった今の時代なら、それが“可能”!」

(#゚∀゚)「だったらヤルしかねぇじゃねぇか!!そうだろ皆!?」

(#’e’) 川# ゚ 々゚) (#-@∀@)「Yes!!!」






( ゚∀゚)「……とまぁそういった経緯から、これまで一部のマニアの間で細々と行われていた模造機同士による一対一の“格闘戦”を」

( ゚∀゚)「各企業の協力の下、陽の目に当たるオフィシャルスポーツとして大々的に行うことと相成った!」



( ゚∀゚)「そして今回、記念すべき公式第一戦……このP-51とタメをはるため、一人のクレイジー野郎が海の彼方から遥々やってきた!」

( ^ω^)「……」

( ゚∀゚)「奴の名はMr.ナイトウ!東アジア界隈での通称は“ブーン”!」

(#゚∀゚)「その相棒はかつて、緒戦時の伝説的な活躍を以て太平洋全域を震撼させた……あの“ゼロファイター”だぁぁぁぁ!」

(#’e’)q 川# ゚ 々゚)q (#-@∀@)q「Boooooooooo!!」






ハハ ロ -ロ)ハ「ジョルジュ、時間だ……」ボソッ

( ゚∀゚)「ん……ふむ、分かった」ボソッ


( ゚∀゚)「そいじゃ、いよいよだ!皆さんお待ちかね!」

( ゚∀゚)「いい感じにエンジンもあったまってきたところで……!」

( ゚∀゚)o彡゜「本日のメインバトル、スタートの時間だぜぇぇぇぇ!」

(#’e’) 川# ゚ 々゚) (#-@∀@)「Yeaaaaaaah!!!」



( ゚∀゚)「見てろよ、皆!」

( ゚∀゚)「相手がゼロファイターだろうと、どっかの半島の将軍だろうと!俺は絶対に勝つぜ!」

(#゚∀゚)「最強の戦闘機は間違いなくこのP-51だ!それを今から証明してやる!」

(#’e’) 川# ゚ 々゚) (#-@∀@)「Woooooooo!!!」






「USA!USA!USA!USA!USA!USA!」


P-51のパイロットであるジョルジュは周囲のギャラリーに手を振りつつ、盛大な歓声の中、陽に照らされ熱を帯びた合皮製シートに腰を下ろした。


( ゚∀゚)b


P-51と並行して暖機を行っている“零式艦上戦闘機二一型”のパイロット、内藤ホライゾンにハンドシグナルを送り、開始を促す。


( ^ω^)b


内藤の返答を確認したのち、曲面滑らかな涙滴型風防を後ろから前へと両の手でスライドさせる。

狭いコクピットが完全な密室と化し、外の喧騒は防弾ガラス一枚を隔てて遮断された。

パッカード・マーリンエンジンのピストン運動による振動音と、自身の身動きによる摩擦音がただ響き渡るだけの機内――

そこで、ジョルジュは1人静かに呟いた。


( ゚∀゚)「……くだらねぇぜ、クソが」






先刻までの明朗さが何処かに消え、ジョルジュの表情にドッと影がかかる。


( ゚∀゚)(どいつもこいつも……)

( ゚∀゚)(こんな大昔のプロペラ飛行機なんぞ眺めて何が楽しいのか、俺には理解しかねる)

( ゚∀゚)(あの原稿を書いた奴も大概だ……俺は昔から尻派だっての)


心中で悪態を付きつつ、ゴーグルを整え、コクピット右側のスロットルレバーに手を置いた。


( ゚∀゚)(まぁ、模造機の若者人気は今や、かつてのスポーツカーブームに匹敵する勢いだからな……)

( ゚∀゚)(今回の“宣伝活動”がうまく行けば、低迷していた民間小型機部門の業績は目に見えて改善するだろう)

( ゚∀゚)(そうなりゃ社の役員共も満足し、俺の再度栄転の道も拓ける)

( ゚∀゚)(こんなオタク臭いイベントの付き合いとも、金輪際オサラバだ)






( ゚∀゚)(そう……この公式試合なんてのは、ハナからプロモーション活動の一環でしかない)

( ゚∀゚)(ゼロファイターの兄ちゃんに個人的な恨みはねぇが)

( ゚∀゚)(ただ、踏み台にはなってもらうぜ)


レバーを握る手に、力が入った。


( ゚∀゚)(俺はどんな手を使ってでも、必ず返り咲いてみせる)

( ゚∀゚)(ボーイング軍用航空機部門メインテストパイロット……輝かしきあの時代に)



今日はここまでです!

読んで下さっている方、ありがとうございます




かくして日米の誇る二つの翼は、同時にスタートを切った。


(’e’) 川 ゚ 々゚) (-@∀@)「Woooooooo!!!」

( ^Д^)「二機が滑走を始めた!!」

<ヽ`∀´>「いけーっ!ジャッ〇野郎なんかやっちまうニダ!!」


双方のエンジンは異なる音を発しながらより大きな唸りを上げ、片や2トン、片や4トンあまりの自重を力づくで押し出し――

そして、乾いた大地をそれぞれのタイミングで強く蹴り上げてゆく。


(’e’) 川 ゚ 々゚) (-@∀@)「Wow!!!」


排気管から薄い煙のベールを後ろへと流し、21世紀の青々とした空に猛然と舞い上がった二機の大戦機の姿を、地表のギャラリーたちが一斉に見上げた。






(’e’)「はぇ~、すっげぇ壮観!」

(-@∀@)「さすがはP-51……ジュラルミン剥き出しの表面光沢に、完成された液冷機ならではの流麗かつ無駄のない、機体のラインがたまらなく美しい」

( ^Д^)「“第二次大戦最優秀戦闘機”の名は伊達じゃねーぜ!弾丸のように前へ飛んでいった!あのゼロがまるで置物のようだ!」

<ヽ`∀´>「本試合は開始一分間の発砲禁止ルール、その間に行われるポジション確保は上昇率の高いP-51が圧倒的に有利ニダ!」

川 ゚ 々゚)「さて、あのゼロいつまで持つのかなwwwドフュwww」


ギャラリーたちの興奮をよそに、大気をかき乱す軽快なレシプロエンジンの音は、徐々に奥行のある小さな音へと変わってゆく。


(´<_` )「……」

( ´_ゝ`)「ほー……」


地表に映し出された二機の影がほとんど見えなくなった頃、ギャラリーに混じってその様子を眺めていた二人の男は、口々にこう言った。






( ´_ゝ`)「おい、先に離陸を始めたのはゼロの方だったぞ」

(´<_` )「呆けてんのか兄者……当たり前だろ」

(´<_` )「ゼロは所謂“艦載機”、それも空母のカタパルト(射出装置)を使わない前提で作られた時代に設計されたものだからな」

(´<_` )「いくらあれが旧式とはいえ、P-51のような“陸上機”よりはいくらか早く離陸できるんだよ」

( ´_ゝ`)「……フーン」


(´<_` )「兄者はホント、航空機に関して興味がないのな」

( ´_ゝ`)「ない事はねーよ……ただ疎いだけだって」






( ´_ゝ`)「……ゴホン。それにしても、みんなこぞってあのP-51の方を応援しているなァ」

(´<_` )「アメリカはP-51のホーム、ゼロにとっちゃ完全アウェイな土地だからな」

(´<_` )「それに、“リメンバーパールハーバー”とは良く言ったもんで……奴ら、あのゼロに良い印象を持ってないんだろ」

( ´_ゝ`)「なるほど」


( ´_ゝ`)「……弟者は、どっちを応援する?」

(´<_` )「……どっちでもいい」

(´<_` )「俺たちゃ“どちら側”でもないからな。面白ければなんでも」

( ´_ゝ`)「それもそうか」


(´<_` )(まぁ何にしたって、この勝負……あのゼロにとっちゃ厳しいものがあるな)

(´<_` )(まず液冷式1490馬力と、空冷式940馬力のエンジンの違いはでかい……これだけで、100km/h前後の速度差が生まれちまう)

(´<_` )(そして何より……)


……
…………
………………


仕事にもどりますので、今日はここまで!
短くてすみません



( ´_ゝ`)「おい、先に離陸を始めたのはゼロの方だったぞ」

(´<_` )「呆けてんのか兄者……当たり前だろ」

(´<_` )「ゼロは所謂“艦載機”、それも空母のカタパルト(射出装置)を使わない時代に設計されたものだからな」

(´<_` )「いくらあれが旧式とはいえ、P-51のような“陸上機”よりはいくらか早く離陸できるんだよ」

( ´_ゝ`)「……フーン」


(´<_` )「兄者はホント、航空機に関して興味がないのな」

( ´_ゝ`)「ない事はねーよ……ただ疎いだけだって」





( ゚∀゚)(こんな勝負の結果なんぞ、とっくの“昔”から分かりきってるんだよ)


試合開始から5分、高度およそ7000フィート――

低空と呼んで差支えのないこの領域で、ジョルジュのP-51はダクト配置と過給機に由来する独特の甲高いキンキン音を奏でながら、前方を飛ぶ零戦の尻にしっかりと食らいついていた。


( ゚∀゚)(ジェット機のテストパイロットを務めていた俺に言わせてみれば、レシプロ戦闘機ってのはどれも遅すぎて欠伸が出そうなほどなんだが……)

( ゚∀゚)(こうやって実際に対峙してみたからこそ、より実感できる)



( ゚∀゚)(あのゼロは、それらの中でも特にドンガメだ)


ジョルジュは零戦を更に追い詰めるべく、スロットルレバーを前に押して速度の上昇を図り、プレッシャーを与えていく。






( ^ω^)「……」


対してケツを取られる形となった零戦二一型のコクピット内で、内藤は冷静を保ったまま眼前の計器と後方の確認を交互に行っている。

猛追するP-51の姿がしきりにゲージキャノピーの向こうで見え隠れする中、内藤はこの試合がはじまって以来初めて口を開いた。


( ^ω^)「あいつ、けっこう優秀なパイロットだお」

( ^ω^)「こっちが全開で飛べない絶妙な速度と高度を、しっかりと保ってく
る」


後方のプレッシャーを捌くべく、内藤は操縦桿を持つ腕とフッとバーにかける両脚を巧みに操作し、幾度となくブレイ(急旋回)を繰り返す。

その都度、二機の距離は旋回半径の違いによって差が開くものの、P-51は馬力の余裕を生かして悠々と後ろにつくことができた。






( ゚∀゚)(……む、いっけね)


ジョルジュの目に不意に映ったのは、零戦ではないいくつかの空中の影。

この時、P-51と零戦の周囲には地表のギャラリーが迫力の空中戦を観戦できるよう、複数の映像中継用観測機O-47が大きな円を描いて飛行していた。


( ゚∀゚)(はいはい……分かってますよーだ)


ジョルジュはこれら“周囲の目”を意識し、操縦桿に据え付けられたトリガーに手をかける。

そして、眼前のサイト周辺を縦横無尽に動きまわる内藤の零戦のやや左側にあえて向け、両翼計6挺の12.7mm機銃を一斉に放った。


( ^ω^)「!」


放たれた模擬弾の雨嵐は、右下方へのスライスバック機動を行った内藤の零戦よりも大きく左方向へと流れてゆく。






( ^ω^)(わざと外しにきた……?)

( ゚∀゚)(外した……ま、狙ってねぇんだけど)


( ゚∀゚)(ギャラリーが望んでいるのは、いわゆる手に汗握る空戦って奴だからな)

( ゚∀゚)(こんなとこで早速“撃墜判定”を出したら、皆の興を冷ましちまうぜ)


P-51は降下した零戦の上空を、400キロを優に超えるスピードで抜けていった。

それに追いすがるべく、零戦は徐々にピッチを上げてロー・ヨーヨー(降下の加速を利用した戦闘機動)を敢行する。


( ^ω^)(とっくに遥か彼方かお……)


しかし懸命な立ち上がりも虚しく、二機の間隔は瞬く間に開いて行った。






( ゚∀゚)(……にしてもあのパイロット、なかなか良い腕をしてるんじゃねぇの?)

( ゚∀゚)(さっき俺が照準をわざと外す直前、後ろ取られてるにも関わらず的確な回避機動をとってきやがった)

( ゚∀゚)(あのマニューバは、明らかに素人仕込みの物じゃねぇ)


( ゚∀゚)(現代のHUDみてぇな照準は望めないにしろ、P-51のジャイロ照準器の命中精度は同時代のどのOPLよりも優れてるハズだ)

(;゚∀゚)(それを以てしても、こうちょこまかと動かれては……このまま当てに行くのはちと骨が折れるか?)


そう言いながらも、ジョルジュは不敵な笑みを崩すことなく操縦桿を手前に引き、ホールドを続けていた。

P-51は再び零戦の尻につくため、大きく綺麗な横旋回ラインを空中に描いてゆく。


……
…………
………………


一旦ここまで!


(誤字)
>>28 ×ブレイ
   〇ブレイク




( ^Д^)「P-51、やっぱ速ぇ~!」

(’e’)「完全にゼロを手玉に取ってやがるぜ……」

(-@∀@)「そもそもの性能が違い過ぎて、勝負になってないのさ」

/ ,' 3「わし、今のフォッカーdr.1が潰れたらP-51に乗り換えちゃおう!」

川 ゚ 々゚)「デュフフwwwデュフフwww」


このとき、地表にいるギャラリーたちは皆、特設会場に設置された大型スクリーンに釘付けになっていた。

数十年越しに発揮されるP-51の戦闘力に、誰もが舌を巻いていたのだ。


(;´_ゝ`)「なぁ弟者……あのゼロってのはたしか、低空ではめちゃくちゃ強いって聞いてたんだが」

(;´_ゝ`)「これは一体どういうことだ?」

(´<_` )「確かに。一度でも150ノット以下の巴戦にもつれ込むことができるなら、ゼロに勝てる機体は殆どいなくなるはずだ」

(´<_` )「だが、あのP-51に乗っているジョルジュというパイロット……両機体の性能をしっかり知り尽くしている」






(´<_` )「ゼロに搭載されているエンジン“栄一二型”の過給機は、高度14000フィート前後の気圧に適応した一段一速」

(´<_` )「対して、P-51の“マーリンV-1650-7”の過給機は高度10000フィート以下の低空域……」

(´<_` )「そして、高度25000フィート以上の高空域にレンジを切り替えることのできる、二段二速のものなんだ」

( ´_ゝ`)「……かきゅーき???」

(´<_` )「過給機の仕組みとか、詳しく話せば長くなっちまうが……」

(´<_` )「つまるところ、今の二機がやり合っている高度ではP-51の方がエンジンにより多くの空気を送り込むことができて、直線を速く飛べるのさ」

( ´_ゝ`)「なるほど……」






(´<_` )「ゼロは空中を機敏に旋回することに長けている機体なんだが、言ってしまえば相手はそれに付き合ってやる義理なんかない」

(´<_` )「今の高度なら、ゼロはエンジンを全開にできない。だからゼロの尻について一度切り離されても、速度差を生かして旋回戦から容易に離脱……」

(´<_` )「安全域から後ろに回って、追いすがって、そしてまた尻につくなんて芸当ができる」

(;´_ゝ`)「そう聞くと、えげつねぇな……」


(´<_` )「モチロン、このやり方は戦いながら上手く高度を維持するパイロットの技量があってこそなんだが」

(´<_` )「腕が良いよアイツ。並のパイロットならいざ知らず、間違ってもゼロにとって得意な戦いはさせてくれないだろうな」




(´ ω `)「あんたら、忘れちゃいねぇかい」







(´<_`;)「!?」

(´・ω・`)「ここ、失礼するよ……どっこいしょういち」

(;´_ゝ`)(誰だこのおっさん!?)



(´・ω・`)「ありゃカツオb……違った、P-51の本来のやり方じゃねぇぜ」

(´<_` )(あれ、日本人……?)








( ´_ゝ`)「おじさん……それはどういうことだい?」

( ´_ゝ`)「その、本来のやり方じゃないってのは」

(´・ω・`)「あのP-51が演じている見栄えのいい格闘戦は、おそらく客を沸かすためのパフォーマンスだ」

( ´_ゝ`)「えぇ!?」

(´<_` )「……」

(´・ω・`)「早々に勝ちに行くなら、他にもっと“いい方法”があるからな」



(´<_` )(いい方法か、違いねぇや)







(´<_` )(そんなことは俺にだって分かってるさ)

(´<_` )(P-51に限らず、あらゆる高速戦闘機に共通して与えられた奥の手……)

(´<_` )(回避に秀でたあのゼロですら“それ”をやられちゃ一溜まりもないはずだ)

(´<_` )(今まで奴がそれをしてこなかったのも、きっとパフォーマンスに徹するためだろう)



(´・ω・`)「ま、試合はまだ始まったばかりでどう転ぶかはわかんねぇ」

(´・ω・`)「けども、あのP-51が相手なら……」

(´゚ω゚`)「ブーンもさぞかし苦しかろうよ……ヒヒッ」



(´<_`;)(それにしてもこの日本人……同胞が苦戦してるってのに)

(´<_`;)(気味の悪い笑顔を浮かべてやがる……)

(´<_`;)(一体、どっちの応援に来てるんだ?)


……
…………
………………


今日はここまで!




試合開始からおよそ8分、P-51は試合がはじまって幾度目かの仕掛けに入った。

ダダダと音を立て、吐き出された秒間50発の特殊塗料入り模擬弾が、またしても薄雲の中へと吸い込まれていく。


( ゚∀゚)(……なんなんだ、これ)


前方およそ200m先を飛んでいたゼロが、一時的に視界から消えた。

ジョルジュは操縦桿をすかさず手前に引く。

全身の血が頭へと昇る中、今度は天地の逆転した世界の中心にゼロの姿を捉えた。


華麗な宙返りを経て水平に戻った後、機体を軸に15度バンク。

ピッチを上げて右へと逃げるゼロを、P-51が大回りなアウトラインを描き、追う。


( ゚∀゚)「……!」


が、ゼロの姿はまたしても何処かへと消えてしまっていた。






( ゚∀゚)「チッ……」


この瞬間、ジョルジュはゼロが右旋回の先の先へ到達していることを悟った。

それが分かると今度は巴戦を避けるべく機体を反転し、エンジン出力を上げながら左上方へと機体を逃がす。

ほどなくして安全圏に到達したP-51の機内から、彼は再度周囲を見渡した。


(゚∀゚ )(黒点が見えない……奴は下か)

( ゚∀゚)(てっきりこの隙に、高度を稼ぎにかかると思ったが)



( ゚∀゚)「……」







( ゚∀゚)(先と変わらず、セオリーは守れている……はずだ)


矢のように大空を翔る軍馬の中、ジョルジュはある思案に耽りはじめていた。


( ゚∀゚)(試合が始まって、俺はまだケツに一度も付かれてはいない)

( ゚∀゚)(常に奴に食いつき……ペースを握っている)



(;゚∀゚)(それなのに……さっきから何なんだ!)

(;゚∀゚)(奴を追い回すごとに頭ン中で膨らんできやがる、この違和感は!?)



……
…………
………………





(,,゚Д゚)「ハローさーん、コーヒー入ったっすけどー」

ハハ ロ -ロ)ハ「ジョルジュの奴……いつまで遊んでイルつもりダ」

(;,゚Д゚)「へ?」

ハハ ロ -ロ)ハ「あの二機が飛び上ガッテ、既に10分が経過しているんダゾ……」

(;,゚Д゚)「は、はぁ……」


会場の一角に設けられた本部テントの中。

ボーイング社民間小型機部門チーフメカニックのハローは、大型スクリーンに映るP-51の戦闘を見て、苛立ちを隠せずにいた。


(,,゚Д゚)「そうは言っても“まだ”10分じゃないっすか」

(,,゚Д゚)「模造機同士の戦闘時間って、大体こんなもんすよ?」

ハハ ロ -ロ)ハ「イヤ、“もう”10分ダ」






ハハ ロ -ロ)ハ「今回、栄えアル初戦の相手トシテあのゼロを指名したノハ……」

ハハ ロ -ロ)ハ「言うマデもなく、アレがP-51にトッテ丁度良い“かませ犬”ダト判断したカラダ」



( ^Д^)「いけーっ!」

(’e’)「そこだっ、今だ!」



ハハ ロ -ロ)ハ「外のギャラリーを見てイレバ分かるダロウ」

ハハ ロ -ロ)ハ「かつてWWⅡの緒戦にアメリカが辛酸を舐メタ相手を、我々の手にヨッテ復元、模造した機体が“完膚ナキまでに”叩キノメス……」

ハハ ロ -ロ)ハ「カノ戦争を経験シタ者でなくトモ、見ている者にトッテはそれが最高の“カタルシス”でアリ」

ハハ ロ -ロ)ハ「ソシテ、我々が“正義”とナル、絶好の筋書きナノダ」

(,,゚Д゚)「……」






ハハ ロ -ロ)ハ「ダガ……コレ以上の引き伸バシハ、カエッテ客に退屈感を与えカネナイ」

ハハ ロ -ロ)ハ「ソレヲいちばん理解シテイルのは、アイツのハズダロウ」


ハローはそう呟きながら、部下のギコから受け取った熱いコーヒーを口にした。


ハハ ロ -ロ)ハ(一体、どうしたと言うンダ……ジョルジュ)


そして、彼女はスクリーンから目を逸らし、ふわふわと立ち上がる湯気をしばし見つめていた。


ハハ ロ -ロ)ハ(このままデハ、お前は……)


……
…………
………………








試合がはじまって15分が経過した。

先ほどと比べ、空には厚めの雲が風に流され集まってきている。


(;゚∀゚)「くっ……」

( ^ω^)「……」


それらを縫うようにして、二つの翼は相も変わらずこの大空を飛び回っていた。








(;゚∀゚)(いい加減にしろ……もうとっくに、遊びは終わってんだ!)


ジョルジュはサイトの弾道予測を示すマーカーに従い、トリガーを引いた。


(;゚∀゚)「!」


だが、6挺の機銃が一斉に弾幕を放つ直前。

眼前のゼロは瞬間的に昇降舵を上げ、その全身を凧のように更なる高みへと運んで行った。



(;゚∀゚)(当たらねェ、クソが!)


空中にはただ、黒煙だけが漂っている。

P-51が旋回戦を切って、直線状にフル加速を行うさなか――

ここにきてジョルジュの心中には、一抹の不安が広がりはじめていた。



相変わらず短くて申し訳ないのですが、今回はここまでです

読んでくださっている方、本当にありがとうございます

今日は体調が芳しくないので、明日以降に続きを書きたいと思います
すみません




( ゚∀゚)(あいつ、序盤と比べ……動きが変わったのか!?)

(;゚∀゚)(ただでさえネズミみてぇなマニューバに、より鋭さが増してきていやがる!)

(;゚∀゚)(こちとら、今はしっかりと狙いにかかってるってのに……)




( ^Д^)「……なんつーかこう、同じ絵面を何度も見ていると……」

<ヽ`∀´>「さすがに飽きてくるニダ」

(;’e’)「……」


(;’e’)「そういえば、あのP-51……なんだか動きにキレがなくなってきたような……?」

( ^Д^) <ヽ`∀´>(-@∀@)「!」







(-@∀@)「そ、そう言われてみれば……」

( ^Д^)「ゼロのケツにつけている時間が、さっきより少しずつ短くなってきているような……」

川 ゚ 々゚)「ホギャwwwオギャwww?」




(´<_` )「あぁ……そうさ」

(´<_` )「動きが変わったのは、P-51の方だ」







(´<_` )「旋回にムラが生まれて、だんだん大回りになってきている……」

(´<_` )「射撃時にトリガーを押し込む時間も長くなっているから、そろそろ弾切れの恐怖に怯えはじめる頃合いかもな」


( ´_ゝ`)「……パイロットの集中力が無くなってきているってことか?」

(´<_` )「そうだ。あの重いP-51でゼロの“曲芸”を追い続けていたんだから、それも当然っちゃ当然」

(´<_` )「ゼロの機動性をハナから甘く見ていたのかそうでないかは定かじゃないが……」

(´<_` )「これだけ射撃をかわされ続けるってのは、やはり想定外の事態だったようだぜ」






(´<_`;)「だが、ふつう……それ以上にヤバい状態なのは、ゼロのパイロットの方だと思うのだがな」

(´<_`;)「あれだけ無茶なマニューバを何度も続けていながら、依然として動きに乱れはない……」

(;´_ゝ`)「いったい、どうなってるんだ?」

(´・ω・`)「……」



(´・ω・`)(あの馬鹿が……)






( ^ω^)「……」

( ^ω^)「右、だお」


( ゚∀゚)「!!」

(;゚∀゚)「またかよ……クソッ!」


思い通りに事が進まず、心中乱れつつあるジョルジュ。

そんな彼のことなどお構いなしに、前方のゼロはまたしても機体をバンクさせ、そして右へと逃げて行く。


( ゚∀゚)(やはり奴は、確信を持ってやがるんだ……)

(;゚∀゚)(ゼロで横旋回に徹すれば、P-51は旋回戦から絶対に離脱して行くってことを!)


発した言葉の通り、ジョルジュのP-51は“セオリー”に従った軌道を空中に描き、ゼロの独壇場から脱出を図る。








( ^ω^)「おっおっ」




(  ω )「――やっぱ、左にするお」





今回はここまで!

すみませんが、今夜も更新はできそうにありません……
明日は少しでもできるよう、頑張ります






その時、内藤が発した一言は――


この趨勢を塗り替えるという、確固たる意思表示に他ならなかった。









(;゚∀゚)「!!!」


これまで散々、繰り返し行ってきた“右旋回”“左へ離脱”のパターンを、ゼロの方から崩しに掛かかる……実は、ジョルジュの方にもそれは予想がついていた。

ゼロがたとえ逃げに徹していたとしても、どちらかが撃墜判定を受けなければ終わらない試合のルール上、どこかでフェイントを仕掛けてくることは明白だったからだ。


だが、ジョルジュのP-51は現高度においても、ゼロと比較して数段速い。

たとえフェイントによって後ろに付かれたとしても、エンジンのパワーで強引に切り離せる自信があった。








ではジョルジュは、一体何に対して驚愕しているのか?

それは、ゼロが旋回中のP-51の“後ろ”ではなく――


コクピットの“直上”から猛然と突っ込んできたためだ。








(;゚∀゚)「うおっ……!」


驚きのあまり、ジョルジュのつま先に力が入った。

それと同時にP-51のバブルキャノピー並びに胴体上面でいくつかの模擬弾がコンコンと音を立て弾け、蛍光塗料の鮮やかなピンクが花開く。

ゼロの射撃が、P-51を捕らえた瞬間だった。


( ^ω^)「……」


その直後、大気を切る三翅のプロペラと空冷エンジンの音は、P-51のわずか数メートル横を抜け流れて行く。

ジョルジュはコンマ数秒の思考停止の後……再び操縦桿を強く握った。


……
…………
………………





(;^Д^)「おわ~っ!ひ、被弾した!撃墜されたのか!?」

(;-@∀@)「ま、まだブザーがなっていない!撃墜判定は免れたらしいが……」


(;’e’)「何者だよあのゼロ!?すっげぇ勢いで左に反転したかと思えば」

(;’e’)「P-51の旋回先が初めから分かっていたように、そこに向かって躊躇いなく、真っすぐ突っ込んで行きやがったぜ!」

川 ;゚ 々゚)「……」



(´<_` )「当たったのはゼロの7.7㎜機銃が数発……」

(´<_` )「強固な米軍機を撃墜するには、威力が足りなかったらしいな」



一旦ここまでです




( ´_ゝ`)「お……弟者!」

(´<_` )「ん?」

(*´_ゝ`)「すっごーい!何あれ!?」

(*´_ゝ`)「さっきの、なぁにあれ!?ゼロがいきなり左にビューンって……あれ何?」

(´<_`;)(……きっしょくわりぃ)


(´<_` )「さっきのデタラメな左旋回だが……あれは、左方向へのエンジントルクを利用した“垂直旋回”だ」

( ´_ゝ`)「???」






(´<_` )「戦時中のレシプロエンジンってのは基本、コクピットから見て時計回りの方向へとプロペラを回すようになっていたんだ」

(´<_` )「あのゼロも例外ではなく、そのプロペラの反動で機体は左方向へのロール時により強い力がかかるようになってる」

( ´_ゝ`)「あーなるほど……それに被せてゼロを転がして、同時に頭を上げたから、あれだけ早く立ち上がれたってことか」

(´<_` )「そういうこと……なんだが」

(´<_`;)「その先の、奴が行った“未来予測”については上手く説明ができん」


(´<_` )「おそらくあのパイロット、機体を幾度となく紙一重のマニューバに持ち込む操縦のセンスに加え……」

(´<_` )「“目”と“勘”が異様に優れているに違いない」






(´<_` )(開けられた距離を詰めるため、P-51の予測旋回ラインの内径……その中の最も短い直線を、奴は責めた)

(´<_` )(コイツを成功させるにはタイミングを見図る一瞬の判断力と、P-51の油断を誘うプロセスが重要なんだ)

(´<_` )(何故なら、ゼロが左への突っ込みが早いって事実を、あのP-51のパイロットが本来知らないはずがないんだからな)

(´<_` )(じゃあ今まで、ゼロが得意なハズだった左旋回をここぞという時まで封印していたのは……)


……
…………
………………


(;゚∀゚)(ここにきて、違和感の正体がようやく分かったぜクソが!)

(;゚∀゚)(奴はこれまで得意な左をわざと使わず、右旋回か急上昇しか使ってこなかったんだ!)


(;゚∀゚)(いつか左が来る、来ると無意識に考えていたオレの判断力を、疲弊によって鈍らせ……)

(; ∀ )(“後ろに付かれさえしなければ、どちらに来ても大丈夫”という思い込み――それによる旋回直後の確実な隙を作るために!!)



解説パートを咥えて、今日はここまで!
明日は更新ができないので最低、明後日まで空きます
すみませんが、よろしくお願いします

次の更新ですが、諸々の用時のため大晦日あたりまで難しくなりました……申し訳ありません。
完結は年を越してしまいそうですが、何卒よろしくおねがいします。






(; ∀ )「ふ……」


(#゚∀゚)「ふざっけんな!こんのオカマ野郎ォォォ!!」


男の叫びがこだまするコクピット。

ジョルジュが直感的に後方を振り向くと、ゼロの機影はすぐそこにまで迫っていた。








完全にケツを取られた。


(#゚∀゚)「させっかよぉ!!」


だが、主翼のフラップを全開、更にピッチを上げたP-51は――

瞬時に速度を落すことで猛追するゼロの真上を滑るように飛び越え、後方へと流れてゆく。


( ^ω^)「!」


ゼロがオーバーシュートしたすぐ後、水平に戻ったP-51はマーリンエンジンを全開に吹かす。

そして、6基の排気管からけたたましいバックファイアをパンパンと鳴らしながら、再度ゼロに追従した。






(#゚∀゚)「抜かれてから追いすがる!これは、ドンガメの日本軍機には絶対真似できねぇやり方だ!」


血を嗅ぎつけた海洋の鮫ように、ゼロに猛然と食らいつくP-51の荒々しい挙動は、まさにジョルジュの憤りを表していた。


(#゚∀゚)「このP-51より性能の劣る機体……!」

(#゚∀゚)「それも、どこぞの名も知れない素人パイロット如きに……!」


(#゚∀゚)「いつまでもナメられっぱなしじゃ、本職の名が廃っちまうんだよぉぉ!!」


怒りと共に放たれた12.7mm弾幕の軌道は重力によって、左下方へのスライスバックを行うゼロの進行方向へと屈折してゆく。

そして、そのうち数発の模擬弾はゼロの胴体表層でカンカンと音を立て、蛍光ピンクの飛沫を塗りたくっていった。








撃墜判定のブザーは――沈黙したままだった。


(#゚∀゚)「弾が滑ったか……チッ!」

( ^ω^)「……肝が冷えたお」


そう呟いて、内藤はゼロのピッチを引き起こしに入る。





短くてホントごめんなさい……今日はここまでです

新年あけましておめでとうございます
今年も、どうかよろしくお願い致します

>>86

排気管は12だったんだよなぁ……
というわけで修正です




完全にケツを取られた。


(#゚∀゚)「させっかよぉ!!」


だが、主翼のフラップを全開、更にピッチを上げたP-51は――

瞬時に速度を落すことで猛追するゼロの真上を滑るように飛び越え、後方へと流れてゆく。


( ^ω^)「!」


ゼロがオーバーシュートしたすぐ後、水平に戻ったP-51はマーリンエンジンを全開に吹かす。

そして、計12基の排気管からけたたましいバックファイアをパンパンと鳴らしながら、再度ゼロに追従した。





次レスから再開です。






( ^ω^)「アレ、直撃だったら終わってたおね」

( ^ω^)「装甲の薄い零戦の宿命ってやつだお……くわばらくわばら」


P-51が後ろに付き、勝負は振り出しに戻ったかに思えた。

しかし、内藤の表情にはまだ幾分かの余裕が感じられるようだった。


……
…………
………………







それから数分、二機のもつれ合いは更なるステージへと上り詰めてゆく。


ゼロがP-51の銃撃を横滑りによってかわし、後ろに付きかけたゼロをP-51が速度によってちぎる。

ゼロがP-51のループラインを攻め、同じ手は食わぬと降下し逃げる。

そうしたドッグファイトの神髄とも言える試合運びに、地表から見物していたギャラリー達の興奮は、より高まっていった。



(#^Д^)「おいカメラ何やってんだ!もっとよく映せよ!」

(’e’)「まさか、ゼロでP-51とこんなにいい勝負ができるなんてな!」

(-@∀@)「あのゼロはカタログスペック以上によく動く……」

/ ,' 3「わし、発注したP-51が潰れたらゼロ戦に乗り換えちゃおう!」

川 ゚ 々゚)「おぶらびwwwおぶらだwww」






(;,゚Д゚)「……」

(;,゚Д゚)「ハローさん……マズいんじゃないっすかコレ?」

ハハ ロ -ロ)ハ「……」



( ´_ゝ`)「いや、すげーな……」

( ´_ゝ`)「25分なんて、あっという間だ」

(´<_` )「あぁ……ここにきて俺も、久々に面白いと思える試合に出会えた気がするよ」


(´<_` )(あのゼロとP-51……いつか俺も、手合せを願いたいものだ)


腕を組みたたずむ弟者の口角が、自然と吊り上る。

その背中を預けていたのは、鎮座するネイビーブルーの機体だった……。






舞台は、再び空へ。

ゼロがP-51の追撃を撒くため、ブレイクを繰り返していた時のことだ。


二機が大きさの違うループを空に描いた後――

ゼロは突如、機体を軸に無意味なバンクを行った。


(#゚∀゚)(コイツ……煽ってやがる!)


操縦桿を握るジョルジュの手は、今にもそれを握りつぶしてしまいそうな程の力がこもっていた。

だがそうしている間にも、眼前の照準器に移るゼロの機影は、徐々に大きくなってゆく。

これまで散々プライドを傷つけられてきたジョルジュにとって、この上ないチャンスが到来したのだ。







( ゚∀゚)「……ケッ、勝負あったな」

( ゚∀゚)「手こずらせやがって……ざまぁねぇぜ」

(;゚∀゚)「さぁ、神にでも祈……ッ!?」



だが、ジョルジュはトリガーを押し込むことをためらってしまった。

残弾が、残りほんのわずかとなっていた。


彼の脳裏には、先刻まで目にしてきたゼロの回避機動の数々がフラッシュバックする。

そして、ジョルジュは――今のチャンスよりもより“確実な勝ち”をもぎ取るべく、機体を突如急降下させた。




今日はここまでです

次か、次の次あたりで終わらせられたらなと思います

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