千鶴「お姉さんの心得」【ミリマスSS 】 (16)


のり子「明日のロケ、プロデューサーが同行してくれるんだよね。つきっきりは久しぶり。」

のり子「ゴールデンのバラエティ番組だもん、失敗出来ないよね。少しは成長したってとこ見せられるよう頑張んなきゃ!」

のり子「…半日一緒にいるんだっけ。どうしよ、お弁当とか作ってあげた方がいいのかな?」

のり子「って何考えてるのよ、柄にもない。あたしがそんな事したって…」

のり子「…」

のり子「お母さーん!ちょっと、買い物行ってくるねー!」



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(翌朝)
のり子「たはは、作っちゃったよ、わざわざ早起きしてまで。馬鹿だよね〜。」

のり子「どうよこれ?味はともかく見た目がかなりアレだよね。よくいえば豪快、はっきりいえばガサツな…」

のり子「え、ええい!作ったものはしょうがない、思い切っていこう!さて、準備準備と。プロデューサーが迎えに来るから急がないとね。」


のり子「おはようプロデューサー、きょうは1日よろしくね!」

プロデューサー(以下P)「おはよう、のり子。ああ、しっかり頼むぞ。じゃ、早速で悪いが乗ってくれ。」

のり子「了解…あれ、これプロデューサーの車じゃん。いつものやつは?」

P「一台は律子、もう一台は麗花が使ってる。今日は遠出の子が多いからな。」

のり子「そっか。ふーん…」

P「シートベルトしたか?じゃ、出発するぞ。今日は長くなるからな、眠いんなら寝ててもいいぞ。」

のり子「大丈夫だよ、ちゃんと寝たから。」


のり子(へへ、ラッキー。プロデューサーの車だなんて。この距離ならドライブみたいなもんだよね、今日はいい一日になりそう!)


のり子「…お疲れ様でーす。ふぃー、休憩か。プロデューサー、どうだった?」

P「お疲れ。良かったぞ、共演者さんいい反応してたしな。スタッフさん達も褒めてたし。」

のり子「そう、良かった。へへ、あたしもけっこう成長してるでしょ。」

P「ああ、この仕事やらせて正解だったな。」

のり子「うん、ありがとう…あ、あのさ。」

P「うん?ああ昼飯か。どうする、とりあえずロケ弁貰ってきたけど。」

のり子「それ、なんだけど。実はさ…」

P「ん、ちょっと待って。向こうから来るのって…」


千鶴「ごきげんようプロデューサー。のり子、お疲れ様ですわ。」


のり子「千鶴さん?」

P「やっぱりか。どうしたんです、今日はオフでしょう?」


千鶴「ええ、ですからのり子の収録を見学に参りましたの。あと、差し入れもね。」

のり子「差し入れ?」

千鶴「そろそろお昼ご飯でしょう?せっかく外でのお仕事ですもの、ロケ弁では味気ないだろうと思いまして。」

のり子(うわ、すっごくキレイに盛り付けてある。まさに皆で食べるお弁当ってカンジ。)

P「おおっ、美味そうですね。いいんですか?」

千鶴「もちろん。この為に早起きして、ではないシェフに命じて作らせた特製のお弁当ですもの。ちゃんとプロデューサーの好みの物を入れさせましたわ。」

のり子(あ、ほんとだ。それにデザートまで入ってる。あたしのなんてソーセージと玉子焼きぐらいだってのに。ご飯はラップにくるんだおにぎりだし…)

P「わざわざありがとうございます。よかったなのり子、ちゃんと千鶴さんにお礼言うんだぞ。」

のり子「え?あ、うん。千鶴さん、どうもありがとう。」

千鶴「どうかなさいまして?あら、その巾着袋…」

のり子「あ、ああこれ。なんでもないよ、それより早く食べよ?あたしお腹空いちゃって。」

P「そうだな。じゃ、移動するか。向こうに休憩スペースがあるそうだからそこで食おう。」




のり子(はあ。差を見せつけられちゃったな、慣れない事はするもんじゃないね。)


のり子(たまに女の子らしい事やろうとしたらこれだよ。馬鹿だなあ、あたし…)


千鶴「………」

千鶴「あら?ちょっと失礼、あずさからメールが来ておりますわ…もう、何やってるんだか。」

P「どうかしましたか?」

千鶴「あずさも今日はオフでしょう?それで出掛けたそうですけど、例によってまた迷子なんですって。」

P「本当ですか、じゃあ俺が探しに。」

千鶴「プロデューサーはまだのり子の付き添いがあるでしょう、わたくしが行ってきますわ。」

のり子「大丈夫?何かあったらいけないし、プロデューサーの方がいいんじゃない?」

千鶴「メールの内容からだいたいどこにいるかは分かりますわ、ご心配なく。ただ、ですね。」

のり子「ん?」


千鶴「そのお弁当の容器。明日も使う予定があるので、どうしても今日中に持ち帰る必要がありますの。もちろん他の容器もありますけど、それは特にゴージャスなセレブのタッパーですので…」

のり子(へえー、そんなのあるんだ。見た目普通のタッパーにしか見えないけど、きっと素材とかが違うんだろうな。)

千鶴「その。自分から持ってきておいて、こういう事を言うのは心苦しいのですが。」

P「そういう事なら仕方ないですよ、気にしないで下さい。それより本当に大丈夫ですか?」

千鶴「ええ、お任せ下さいな。のり子もごめんなさい。」

のり子「気にしないでいいよ。どうもありがとう、気をつけてね。」

千鶴「いずれ埋め合わせ致しますわ。じゃ、失礼しますわね。」




のり子「お疲れ様…残念だったねプロデューサー、すごく美味しそうだったのに。」

P「まあな。それよりあずささん、本当に大丈夫かな?」

のり子「千鶴さんがああいうんなら平気でしょ、何かあったら連絡するだろうし。任せていいんじゃない?」

P「それもそうだな。じゃ、昼飯を考え直すとするか。のり子、腹減ってるんだろ?」

のり子(あ…)

のり子「あ、あのさ。もしよかったら、なんだけど。千鶴さんのあれ見てから出すのは正直気後れするけど…」




のり子「ごめんねプロデューサー、こんなので。美味しくないでしょ?」

P「そんな事ないよ、いい味付けじゃないか。収録だってのにわざわざありがとうな。」

のり子「そう?なら良かった。まだあるからたくさん食べてよね。」

のり子(へへ。今日は本当にいい1日だよね!)

のり子(…千鶴さんにはちょっと、申し訳ないけどね。それからあずささんにも感謝、かな?)


あずさ「…美味しいわぁこのハンバーグ。冷めてるのがちょうどいい感じね。」

あずさ「こっちは海老フライを卵でとじてるの?うん、これも美味しい。千鶴ちゃんは本当にお料理上手よね。」

千鶴「どういたしまして。セレブなら当然のスキルですわ。」

あずさ「けどいったいどうしたの、急にお弁当持ってウチに遊びに来るなんて。」

千鶴「あ、いやその。た、たまにはいいでしょう?こういうのも。」

あずさ「そうね。でもこれ、2人で食べるにはちょっと多いんじゃない?」

千鶴「そ、そこはほら。美奈子の作る量を参考にしましたのよ。」

あずさ「…何かあった?」

千鶴「…まあ、お姉さんは年下に花を持たせなくてはならないという事ですわ。」



あずさ「どうもごちそうさま、お茶入れて来るわね…それと。」

あずさ「譲ってあげるのもいいけど。取り返しがつかなくなってから、後悔したってしらないわよ?」

千鶴「心配ご無用。セレブとは攻め際と引き際を心得ているものですわ、おーっほっほ!…ゲホゴホッ。」

千鶴「…ありがとう。肝に銘じておきますわ。」

あずさ「どういたしまして。」


おしまい。お目汚し失礼致しました。

のり子の一人称が全部「アタシ」ではなく「あたし」になってました、反省します。

これからも「アイドルマスター ミリオンライブ!」と「ミリオンライブ シアターデイズ」そして

「ミリオンライブ ドラマシアター」を

どうぞよろしくお願い致します。

千鶴さん気の利かせ方凄い
乙です

>>1
福田のり子(18)Da/Pr
http://i.imgur.com/1Rd698S.jpg
http://i.imgur.com/DFTdII3.jpg

>>3
二階堂千鶴(21)Vi/Fa
http://i.imgur.com/X7vuKaj.jpg
http://i.imgur.com/QB58gK9.jpg

>>9
三浦あずさ(21)Vo/An
http://i.imgur.com/KoU6TS2.jpg
http://i.imgur.com/pW7dfPQ.jpg

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