ルパン三世 Gifted Cinderella 魔法のトワレ (102)

新宿 アルタ前

次元「――おい、ルパン」

ルパン「いよ~う次元! ひっさしぶりだなぁ!」

次元「そう思ってるのはお前さんだけだがね」
ルパン「おや? そうだったっけか?」
次元「お前に呼ばれた時は大抵ロクな目に合わないから印象が強いのさ」
ルパン「がく! そりゃないぜジゲ~ン!」

次元「それで? 一体何の用だってんだ」

ルパン「決まってるだろ? 仕事だよ、し~ご~と」

次元「仕事ねぇ……」

ルパン「そ~んなに嫌そうな顔すんなってぇ!」

ルパン「ほら、あの画面の子達みたく、ニ~ッコリ笑っていこうぜ~?」


https://www.youtube.com/watch?v=H0M1yU6uO30

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1512567189

  ・  ・  ・
ルパン隠れ家

次元「――それで、今回の獲物は?」

ルパン「まぁまぁ、そう焦るなって」
次元「悪いが、こっちも暇じゃないんでね」
ルパン「そうかい? 貧乏暇無しって言葉もあるくらいだ、気楽にいこうじゃないの」
次元「俺ぁ働き者なのさ。どっかの誰かさんと違ってね」
ルパン「言ってくれるじゃあないのよ」

ルパン「そんじゃまあ……早速」

…キランッ

次元「そいつぁ……何だ?」
ルパン「何に見える?」
次元「俺にゃあ、ただの石っコロにしか見えんがね」
ルパン「張り合いがねぇなぁ、ったくよう!」
次元「良いからさっさと言えっての」
ルパン「……まぁ良いか」

ルパン「こいつはただの石っコロに見えてな……魔法がかかってるのさ」

次元「魔法? おいおい、そいつぁ一体何の冗談だ」
ルパン「冗談なんかじゃあねえさ」
次元「ルパン……お前さん、正気か?」
ルパン「正気も正気! おおマジさぁ!」
次元「なるほど、正気か」

次元「――ルパン。悪いが、俺は降ろさせてもらうぜ」

ルパン「ちょっとちょっとちょ~っと待てって!」

ガシッ!

次元「離しやがれ!」
ルパン「話は最後まで聞けって~の!」
次元「俺ぁな、石コロ集めて楽しむのはガキの頃に卒業してんだよ!」
ルパン「この石はただの石じゃねえんだってば!」

次元「……良いだろう、話してみやがれ」

ルパン「そんじゃあ、話す前に……タバコ買ってきてくんない?」

次元「…・・・あん?」

ルパン「ちょ~ど切らしちまってさ~あ。これじゃあ落ち着いて話も出来やしねぇぜ、あ~あ困った!」
次元「……」

次元「おいルパン、人を馬鹿にしてんのか?」
ルパン「あら、怒っちゃった?」
次元「当たり前だろうが! 大体な、お前さんはいつも――」

ルパン「さぁて、お立ち会いだ」

次元「――……あん?」

ルパン「さっきの、一見何の変哲も無い石っコロに、特殊な薬品をかけてやる……」

トプトプトプ…

次元「おい、ルパン。一体何の真似だ」
ルパン「するとだ……なあ、次元。なんだか不思議な匂いがしてこねえか?」
次元「む……? 確かに、なんだか甘い匂いが……」
ルパン「次元、そうしたら俺の動きをよ~っく見ててくれよ」
次元「だから、一体何を……」

ルパン「ほいっ! ほいっ! ほほいの、ほいっ!」ポコジャガ

次元「ルパン! 人をからかうのも大概にしやがれ!」
ルパン「わ~りぃわりぃ」
次元「ったく! 何だってんだ!」

ルパン「それじゃまぁ――タバコ、買ってきてくれねえか?」

次元「――わかったよ。ひとっ走り行ってくる」

ガチャッ…バタンッ

  ・  ・  ・

ガチャッ!

次元「――おい、ルパン!」

ルパン「いよ~う次元、早かったなぁ!……あり、何も持ってな~いじゃないの」
次元「テメェ! 俺に何しやがった!」

ガクガク!

ルパン「ニシシシシシ!」
次元「笑ってねえで答えやがれ!」
ルパン「言っただろう、次元? 魔法だよ、魔法」
次元「……ちっ!」
ルパン「どうやら、話を聞く気になったみてぇだな」

次元「……気付いたらお前さんのタバコを買おうとしてやがった、ありゃ一体どういう訳だ」

カチッ、シュボッ…

次元「……フーッ」
ルパン「おいおい、ちゃっかり自分のは買ってきたのかい?」
次元「どうせ、この匂いに何か理由があるんだろう? かき消さないと落ち着かねえ」
ルパン「ご明察」

カチッ、シュボッ…

ルパン「ふ~っ。これで、ようやく落ち着いて話せるってもんさ」
次元「……自分のタバコ、あるじゃねえか」

ルパン「次元、催眠術はわかるよな?」
次元「馬鹿にすんじゃねえ。それくらいは常識だろうが」
ルパン「さっき、俺がやったのも催眠術の一種さ」
次元「あれが催眠術だってのか?」
ルパン「そうとも」

ルパン「――ただし、普通の催眠術とはちょ~っとばかし違う、な」

次元「……確かに、ありゃ普通じゃねえ」
ルパン「だろう?」
次元「ルパン……お前まさか、俺を操って良いように使おうって腹じゃねえだろうな?」
ルパン「馬鹿言うなって! 見て、この澄み切った目!」
次元「きったねえ目だな」
ルパン「……」
次元「……」

ルパン・次元「アッハハハハ!」

次元「……強力な催眠術の秘密は、あの石っコロと薬品で発生した匂い」
ルパン「その通り。そして、お前さんに見せた踊りさ」
次元「あれが踊り? 俺にゃあ、ニワトリがはしゃいでるようにしか見えなかったがね」
ルパン「そりゃねえぜ! 俺だって、ひ~っしこいて踊ったのよ?」
次元「へいへい」

ルパン「――今回の狙いは、あの石っコロに含まれた特殊な結晶」

ルパン「その、人を惑わす魔法の結晶の塊さ」

ルパン「人は、古来から神様って奴に、歌と、踊りと、音楽を奉納する儀式を行ってきた」

次元「まあ、そいつぁよく聞く話だな」

ルパン「だがよ次元、おかしいと思ったことはねえか?」

次元「あん? 何がだ」

ルパン「――どうして、歌、踊り、音楽を捧げてたんだ?」

次元「……」

ルパン「距離も文化も離れた場所なのに、捧げ物の共通点が似通りすぎてやしねえか」

ルパン「勿論、歌も踊りも音楽もそれぞれ違ったもんだ」

ルパン「だが……多くの古い文化には、それを捧げる習慣があった」

次元「……おいルパン、まさか」

ルパン「正確な事はわからねえぜ? ただよ、俺ぁ間違いねえと思ってる」

ルパン「捧げ物の儀式にかこつけて、この結晶を利用し、集団を催眠状態にしてた支配者が居る、ってな」

次元「……」

次元「歌、踊り、音楽……そして匂い、か」
ルパン「俺は歌わなかったのにアレだぜ?」
次元「そう考えるととんでもねえな、その結晶は」
ルパン「いんや、コイツはもうダメさ」

ポイッ…カコンッ

次元「おい、もったいねえじゃねえか!」
ルパン「焦るなって。あの石っコロに含まれた程度の結晶じゃ一回でオシャカなのよ、これが」
次元「なるほどな」
ルパン「だからこそ、でかい結晶を狙う」
次元「するってぇと……目星はついてるのか」
ルパン「ああ」

ルパン「先日遺跡から発掘された結晶を研究してたチームがいてな」

ルパン「俺もそこを狙ってたんだけどよ~お、先を越されちまったんだわ」

次元「ほう? 先を越されるたぁ、ヤキが回ったな」
ルパン「あ~んまりイジめるなってぇ。さっきの事、根に持ってんのかい?」
次元「けっ! さてね!」

ルパン「結晶を奪ったのはネームレスって言われてる革命家さ」

ルパン「俺が調べた限りじゃ、資金の全てを持って組織からトンズラ」

ルパン「そして、顔を変え、名前を偽り、この日本で――」

  ・  ・  ・
LiPPS 楽屋

名無「――本日の合同LIVE、よろしくお願いします」

LiPPS「よろしくお願いします!」

P「こちらこそよろしくお願いします。しかし、挨拶ならこちらから……」
名無「いえ、我が774プロは出来たばかりの事務所ですから」
P「しかし、社長自らおいでにならなくても……」
名無「はっはっは! 人手が足りませんから、私も自ら足を動かしませんと」


美嘉「……へぇ、すっごく感じの良い人じゃん」
フレデリカ「プロデューサー、困ってるね~♪」
奏「こら、楽しそうにしないの」
周子「でも、あのプロデューサーが困るのを見られるのは……って」

志希「……」

周子「志希ちゃん、どしたの?」
志希「う~ん、なんだか気になるというか、気になる匂いというか……」
奏「気になる?」
志希「気にしすぎなのか、う~ん、わかんないにゃ~」


名無「……――それでは、今日のLIVE、楽しみにしていますよ」

  ・  ・  ・

奏「今日のLIVE、盛り上がってるわね」
フレデリカ「んふふふー♪ やっぱり、LIVEは楽し~よね~♪」
美嘉「だね★ この後も、774プロの子達と一緒に『Tulip』を歌うし、もっと盛り上げよっ★」
周子「うんうん、ま、気楽にがんばろー」
美嘉「ってコラ! いきなりテンション下げないの!」
奏「あら、今は774プロの子達が歌ってるんだし、メリハリは大事よ」
フレデリカ「そうだよミカちゃん! メリハリメリハリ、ボン・キュッ・ボンッ、だよ!」
美嘉「は、はい!? 一体何の話!?」

志希「……」

奏「? どうしたの、今日は、嫌に静かじゃない」
志希「……」
フレデリカ「シキちゃ~ん? お~い、もしも~し?」
周子「……って、全然聞こえてないみたいだね」
美嘉「さっきから、774プロの子達のステージを見たと思ったら、パッと目を離したりしてるけど……」

志希「……クンクン」

志希「微かに匂う……あの子達の動き……観客席に向けられたスモーク……」

奏「ほら、もうすぐ出番よ!」
志希「……奏ちゃん、もしかしたら、この後何か起こるかも」
奏「はっ?」

志希「わかんないけど……うーん、多分、きっと何か起こるから、皆気をつけて」

奏・フレデリカ・周子・美嘉「?」

  ・  ・  ・

フレデリカ「……わぉ」

「ひっこめー!」
「お呼びじゃないんだよー!」

美嘉「ちょっ、ちょっと、おかしくない!?」
奏「さっきまで、あんなに応援してくれてたのに……」
志希「……いやー、まさか、ここまでとは志希ちゃんも思ってなかったかなー」

774プロアイドル達「……フフフ」

「おい、アイツらをステージからひきずり下ろしちまえ!」
「そうだそうだ! 邪魔なんだよお前ら!」
「これでもくらえ!」

ブンッ!

周子「!? うわっ!?」
志希「っ!? 周子ちゃん、危なっ――」


???「きえいっ!」


――シュピンッ!……パラパラッ


五エ門「……サイリウムは投げる物ではない、振る物だ」


周子「さ……侍……?」

「なんだアイツ!」
「俺たちの邪魔をする気か!」


五エ門「……お怪我は」

周子「ううん、大丈夫。おかげで助かったよ」

五エ門「……///」コクリ


「あんな変な奴無視して、さっさとアイツらを引きずり下ろすぞ!」
「やっちまえ!」

五エ門「――彼女達には……ちぇいやっ!」

シュピンッ!

「……」

……ドサドサドサリ

五エ門「――周子ちゃんには、指一本振れさせんッ!」


フレデリカ「わーお! シューコちゃんのファンのお侍さん、凄いねー!」
周子「……あたしのファンなんだ」
美嘉「関心してる場合じゃないでしょ!」

P「早くこっちに! 急いで!」

奏「とにかく、ここは逃げるわよ! LIVEどころじゃないもの!」

  ・  ・  ・

美嘉「……はぁ……はぁ……!」
周子「一体なんなのさ、何が起こってるの?」

P「話は後。今は、ここから離れる事が先決です」

奏「プロデューサー! ちょっと待って!」
フレデリカ「シキちゃんが居ないの! どうしよー! やばいよー!」

P「……――ああもう、あの子はすぐこれなんだから!」

奏・美嘉・周子・フレデリカ「ぷ、プロデューサー……?」


黒服A「おい、いたぞ!」


P「動きが早いわね。中々訓練されてるじゃない」


黒服B「アイドル達は無傷で確保しろ! Pの方は殺して構わん!」


奏・美嘉・周子・フレデリカ「!?」


P「……あら……」

…バサッ

不二子「……――出来ると思って?」

寝ます
おやすみなさい

んー、ローゼンの作者ではないな

  ・  ・  ・

黒服C「逃がすな! 追えっ!」


志希「はぁ……! はぁ……!」

志希(やっぱり、狙いはあたしだったかー)

志希(皆の方にも何人か行ってたけど、かなりの数がこっちに来たもんねぇ)

志希(巻き込んだ?……いや、多分違う)

志希(あたしを狙うのは、何かの目的のついで、って感じだよねぇ)


スタッフ「こっちに隠れてください!」


志希「っ!? キミは……?」
スタッフ「早く! 急いで!」
志希「……おっけー」


黒服C「チッ! 逃げ足の早い! 探し出せ!」


ドタドタドタドタ!


スタッフ「……どうやら行ったみたいですね」

志希「……」

スタッフ「さあ、今のうちに逃げましょう」
志希「……クンクン、クンクン」
スタッフ「あの……何を……?」

志希「うーん、キミはちょっと信用出来ないかな。明らかにスタッフさんじゃないしねー」

スタッフ(?)「……そりゃまた、どうしてそう思ったんだい?」
志希「キミからは、と~っても危険な匂いがするんだ」
スタッフ(?)「……」
志希「最近担当になった、峰ってプロデューサーととっても似てる匂い」

スタッフ(?)「へ~! こいつぁ驚いた! 良~い鼻を持ってるじゃないの!」

志希「にゃははは♪ 観察も趣味だしねー」
スタッフ(?)「そりゃあ良い趣味をお持ちですこと」
志希「気配も足音もなく突然現れる人なんて、そうそう居ないよー!」
スタッフ(?)「……」

スタッフ(?)「ナーッハッハッハ! こりゃあ、一本取られっちまったぜ!」


志希「――あたしは一ノ瀬志希、とってもキュートなアイドルだよー♪」

スタッフ(?)「クックック! 自己紹介されちゃあ仕方ない!」

ビリイッ!

ルパン「――俺の名は、ルパ~ン三世。とぉ~っても危険な……泥棒さ」

「おい! こっちから声が聞こえたぞ!」


ルパン「いっけね、あんまりにも楽しくてハシャギすぎちまったぜ」
志希「クヨクヨしててもはじまらなーい。これからどう逃げるかを考えよー」
ルパン「おいおい、泥棒って言ったのに信用するのかい?」
志希「泥棒だったら、危険な匂いがするのも納得だからね!」
ルパン「……なるほど、こいつぁとんだじゃじゃ馬だ」

ルパン「――さすがは、あの一ノ瀬博士の娘なだけはあるぜ」

志希「……えっ?」
ルパン「っとと、話てる時間は無さそうだな」
志希「ねえ、待って。ダッドと……知り合いなの?」


黒服C「居たぞ!」

ドンドンッ!

ルパン「うわっちちち! コラ~! 危ねえじゃねえか!」
志希「撃ってきた……!?」
ルパン「お嬢ちゃん、走れるかい?」

志希「……志希で良いよ。あたしも、キミの事ルパンって呼ばせて貰うから」

ルパン「オーケー、志希」

ルパン「さぁ、逃走劇のレッスンの始まりだ~!」

  ・  ・  ・
https://www.youtube.com/watch?v=kU5ii7DAyxU

黒服A「……!」
黒服B「……!」

ドンドンッ!


不二子「もう、こっちはレディーしか居ないのに失礼しちゃうわ!」


ドンドンッ!


奏「……ねえ、プロデューサー。貴女、一体何者なの?」
美嘉・周子・フレデリカ「……」
不二子「うふっ、いつもは強気なアンタ達も、そうしてしおらしくしてると可愛いものじゃない」
奏「質問に答えて!」
不二子「ねぇ、奏。その三人を連れて、先に逃げてくれない?」
奏「答えになってない!」
不二子「ご褒美のキスがお望み? 生憎だけど、先払いはしない主義なの……よっ!」

ドンドンッ!

不二子「教えておいてあげるわ。秘密の数だけ、女は魅力的になるの」
奏「……後で、絶対に聞かせて貰うから」

不二子「良いわ、約束してあげる。……そうねぇ、ご褒美は後払いでも?」

奏「……遠慮しておくわ。だって、貴女にキスされたら、何もかも奪われてしまいそうだもの」

不二子「うふっ、賢い子は好きよ。さっ、行きなさい!」

  ・  ・  ・

奏「……どうやら、もう追って来てないみたいね」
フレデリカ「フジコちゃん、一体何者なのかなぁ?」
周子「それに、あんなにバンバン撃ち合いして……あれ、多分本物だよね」
美嘉「……」ブルブル
奏「美嘉、大丈夫? 顔が真っ青よ」
美嘉「何なの!? こんなの、普通じゃないよ……!」

フレデリカ「そう言えば、LIVEの時からいつもとは違ったよねぇ」

周子「志希ちゃんも様子がおかしかったし……」

奏「……」
美嘉「っ、そうだ! 志希ちゃんは大丈夫なのかな!?」
奏「美嘉、貴女……志希の起こした厄介事に巻き込まれたとは思わないの?」
美嘉「えっ、どうして?」
奏「どうして、って……」

美嘉「だって、あの子がアタシ達をこんな危ないことに巻き込む訳ないもん」

美嘉「そりゃ、何か関係はあるのかもとは思うけど……絶対にあの子は悪くない」

奏「美嘉……貴女って、ホント素敵よね」

ぎゅっ!

美嘉「か、奏!?」
フレデリカ「はいはーい、アタシもミカちゃんハグハグしちゃうーぎゅー」
周子「それならあたしも、ぎゅー」
美嘉「ちょっ、ちょっと皆!?」

奏「……美嘉、落ち着いた?」
美嘉「……うん、アリガトね★」
フレデリカ「いやー、こうやって皆でハグするのも悪くないねぇ♪」
周子「フレちゃんは、ブレないねぇ」


「オッホホホ! こりゃまた、仲のよろしいこって!」


奏・美嘉・フレデリカ・周子「!?」

志希「あたしも仲間に入れてー! どーん!」

ぎゅっ!

奏「志希! 無事だったのね!」
フレデリカ「いえーいシキちゃん! 元気してたー?」
志希「してたしてた! 元気いっぱいだよー!」
美嘉「馬鹿っ! すっごく心配したんだから!」
志希「美嘉ちゃん……~~~っ、ありがとうの、ぎゅーっ!」
周子「あはは、本当に元気そう」


ルパン「……あんのさ~あ? おじさんも、放っておかれっと寂しくなっちまうんだぜ?」

LiPPS「あっ」

ルパン「ってなわけで、おじさんもどーん!」

ぴょいーん!

LiPPS「それはダメ」

サッ

ルパン「あいたっ!」

ベチャリ!

ルパン「……トホホ、そりゃないぜ~」

志希「ってルパン! 遊んでる場合じゃないよー!」

ルパン「志希にゃ~ん、お前さんが始めたんだろ~?」

志希「あれ、そうだったっけ?」
ルパン「おいおい、もう忘れっちまったのかい?」
志希「あたしは過去を振り返らない!」
ルパン「奇遇だな、そいつぁ俺もだ」

ルパン・志希「……」

ルパン・志希「ヌフフフフ!」

美嘉「な、なんだか随分仲が良さそうだけど……知り合い?」
志希「うん、さっき知り合った泥棒さんだよ!」
奏「ど、泥棒?」
フレデリカ「初めまして! アタシ、性は宮本、名はフレデリカ! フレちゃん、って呼んでね~♪」

ルパン「こいつぁご丁寧にどうも! 俺の名はルパン三世、ルパンって呼んでねぇん♪」

志希・フレデリカ「ルパ~ン♪」
ルパン「ハァ~イ♪」
周子「……全く、これだからネジの外れた天才肌達は」
ルパン・志希・フレデリカ「イエーイ♪」

ルパン「……っと、そろそろお迎えが来るはずだぜ」

プップー!

ルパン「さっすが次元、噂をすれば良~いタイミングだぁ!」
奏「窓の外……あのトラックがお迎え?」
ルパン「その通り! さっ、乗った乗った!」

美嘉「ねえ……ここ、三階なんだけど……飛び乗るの!?」

昼寝

  ・  ・  ・
774プロ 事務所ビル前
https://www.youtube.com/watch?v=JwE3Ok-RMzs

銭形「……ほう、こいつぁまた随分とデカイビルだなぁ」

銭形「一体、ワシの給料何年分だぁ?」

銭形「……」

カツカツ


受付嬢「ようこそ、774プロダクションへ。今日は、どういったご用件で?」

銭形「インターポールの銭形です。ルパンが現れたと聞いたので、すぐにでもお話を伺いたい」

受付嬢「恐れ入りますが、お約束はありますか?」

銭形「や、約束ぅ? そんなモンありゃしませんが……」

受付嬢「申し訳ありません。お約束の無い場合、すぐという訳には……」
銭形「る、ルパンが現れたんですぞ! 社長を呼んでいただきたい!」
受付嬢「わ、私に言われましても……!?」
銭形「ぐぬぬぬぬ! お話を聞けるまで、ワシぁここを一歩も動きませんからな!」
受付嬢「そんな、こっ、困りますー!」


名無「……おやおや、これは一体何の騒ぎで?」

受付嬢「しゃ、社長!?」

銭形「おおっ! アナタが!」

名無「初めまして。この774プロダクションの社長、名無です」
銭形「ワシぁICPOの銭形です。先日のコンサートに、ルパンが現れたと聞きましてな」
名無「コンサート……ああ、合同LIVEの時ですね」
銭形「今はライブと言うんですな……どうにも最近の流行には疎くて」
名無「流行という程の事ではありませんよ。お気になさらず」
銭形「そう言って頂けると助かります」

名無「立ち話も何です。宜しければ、私のオフィスへどうぞ」

銭形「おおっ、そいつぁ有り難い!」

名無「――キミ、私は銭形さんと話をする」
受付嬢「はい」
名無「各所に連絡し、時間の調整をするよう手配しておくように」
受付嬢「はい、かしこまりました」

名無「……さて、それでは行きましょうか」

銭形「いやぁ! 急成長中の事務所ってぇのは、受付嬢も美人で優秀ですなぁ!」

名無「フフフ……」

名無「……従順すぎて、融通がきかないのには困りますがね」

  ・  ・  ・
名無オフィス

銭形「……こいつぁまた……えらく豪勢なオフィスですなぁ」
名無「あの有名な銭形警部にそう言って頂けるとは、光栄ですね」
銭形「おや、ワシの事をご存知で?」
名無「対ルパンのスペシャリスト、銭形警部を知らない人間はいませんよ」
銭形「……それでは、早速そのルパンに関する事をお聞きしたい」
名無「ええ、勿論」

名無「ルパンは、先日の合同LIVEに現れ、混乱に乗じてLiPPSの五人を誘拐」

銭形「LiPPSってぇと、五人組のアイドルグループですな。それは聞いとります」

名無「それを止めようとした者も重傷を負わされ、話はほとんど聞けませんでした」

銭形「しかし……ワシぁ、あのルパンがただ誘拐をするとは思えんのです」
名無「だが、事実彼女達は今も行方不明だ」
銭形「……」
名無「これは私の推測なのですが」

名無「……LIVEで起こった混乱は、ルパンとLiPPSが仕組んだものなのではないか、と」

銭形「いや、そいつは有り得ませんな。断言出来ます」

名無「……何故です?」
銭形「ルパンってぇ男は、女にゃ騙されはしますが、女を利用するような輩じゃありませんからな」
名無「……ふむ、なるほど」

名無「……しかし、事実はわかりません」
銭形「なぁに、全部ルパンをとっ捕まえて白状させればわかる事です!」
名無「ええ、よろしくお願いします」
銭形「このワシ、銭形にまかせてください!」
名無「……それではすみません、この後も約束がありますので」
銭形「おおっ、こいつぁ失礼。何かありましたら、こちらにご連絡ください」
名無「はい、必ず」

銭形「……」
名無「……」

ガシッ!

  ・  ・  ・

銭形「……」

銭形(握手をしてわかったが、アイツぁただの社長じゃあないな)
銭形(手の感じに立ち振舞……一般人を装っちゃいるが、ワシの目は誤魔化せんぞ)

銭形「……全く、アイツと言いルパンと言い、この事件は厄介そうだ」


  ・  ・  ・

名無「……」

名無(恐らく、銭形は気付いたかもしれんが確信は無いようだ)
名無(……だが、わかった時にはもう遅い。全ては終わっている)

名無「……一週間後の魅惑の舞踏会まで、精々頑張ってくださいよ、銭形警部」

  ・  ・  ・
ルパン隠れ家

prrrr!prrrr!

不二子『ハァ~イ、ルパン。お久しぶりね』

ルパン「こ~ら不二子っ! どうしてもっと早く連絡しやがらねえんだ!」

不二子『まあ! そんな事言うなら、切っちゃおうかしら』
ルパン「わ~っ! 待て待て! 悪かったよ~、機嫌直して、ねっ、お願い」
不二子『……ウフフ、その様子だと、随分あの子達に手を焼いてるみたいね』
ルパン「面白そうにしてんじゃねえっての! こっちゃ大変なんだぜ?」
不二子『わかってるわよ、そんなの。私だって苦労したんだから』

ルパン「ところでよぉ不二子……今回、お前さんが狙ってるのは何だい?」

不二子『狙ってるものなんて無いわよ。今回はね、頼まれたの』

ルパン「へぇ、そいつぁまた、どこの誰に頼まれたか教えちゃくれるのかい?」
不二子『とぼけちゃって。わかってるんでしょう?』
ルパン「まぁな。だがよ、お前さんがお守りをする程魅力的な報酬だったのかと思ってね」
不二子『ええ、勿論よ!』

不二子『天才、一ノ瀬博士が作った若さと美貌を保つ魔法のお薬だもの』

ルパン「……っかー! あのオッサン、どこまで読んでやがるんだっつたくよーぉ!」

ルパン「ったく、手の平の上で踊らされてる気分だぜ!」
不二子『あら、ルパン貴方、ダンスは苦手だったかしら?』
ルパン「いんや、得意も得意、大得意さ! 悲しいことによ!」
不二子『ねぇルパン? 志希には研究をさせてるの?』
ルパン「ああ。今も実験室に篭ってるよ」

不二子『……そう』
ルパン「ん? どうした不二子?」
不二子『いいえ、なんでもないわ』
ルパン「まさか情でも移ったってのかい? おいおい、らしくないぜ~ぇ?」
不二子『そんなんじゃないわよ!』

ルパン「……一ノ瀬博士はこう言った」

ルパン「――魅惑の水晶の催眠効果はまだ完全ではない」

ルパン「――匂いに関しては、娘の方がスペシャリストだ」

ルパン「――効果を完全にするには、娘の協力が不可欠だ」

ルパン「……ってな」

不二子『それで、研究の方は順調なの?』
ルパン「順調すぎてこっちが驚く位だぜ。子は親に似る、って事なのかねぇ」
不二子『ルパンもそれを体現するうちの一人でしょう?』
ルパン「ヌフ! そいつぁちげぇねぇ! 俺の場合は、じいさまだけどな!」

ルパン「しっかし、親子揃ってこのルパン様をこき使おうってんだから大したもんだぜ」

  ・  ・  ・

志希『良いよん♪ 魅惑の水晶の研究、協力してあげる』

ルパン『やけに軽く返事してくれるが、本当に良いのかい?』
志希『トーゼン! ダッドがあたしにしか出来ないって言ったんだよね?』
ルパン『まあな』
志希『だったら、やってやろうじゃないか、と思っちゃうのが志希ちゃんなのです♪』
ルパン『それで犯罪の片棒を担ぐ事になってもかい?』
志希『ちっちっち! 研究成果がどう使われようと気にせず、目の前の謎を解き明かす!』
ルパン『……』
志希『それが研究者ってもの! ルパンがどうしようと、あたしには関係なーい!』
ルパン『……やれやれ、親父さんに似て、とんだ変人だな』

志希『――というわけで、交換条件♪』

ルパン『良いぜ、聞こうじゃあねえか』

志希『ほとぼりが冷めるまで、あたし達の安全を保障して欲しいにゃ~♪』

ルパン『……ヌフフ! ちゃっかりしてやがるぜ、ったく!』

  ・  ・  ・

ルパン「……――ってな! おんもしれえ嬢ちゃんだよ!」
不二子『ええ、困ったことにね!』

  ・  ・  ・

ガチャッ

次元「おら、お嬢ちゃん達! メシ買ってきたぞ!」

美嘉「あ……ありがとう、ございます」
フレデリカ「やーん、美味しそうなにおい! ジゲンちゃんありがとー♪」
奏「サラダは買ってきてくれた? 栄養が偏るといけないから」
周子「あたしが頼んだデザートの和菓子は? あと、お茶も」
美嘉「ねえ、あんた達馴染みすぎじゃない!?」

次元「……言っちゃなんだが、俺ぁピンク髪の嬢ちゃんの反応を見ると安心するぜ」

美嘉「……アハハ」
フレデリカ「わーお! 安心するって事は癒やしだね! ミカちゃんは癒し系でもあったんだね!」
奏「次元さん。お漬物は確かに野菜だけど、サラダじゃないと思うわ」
周子「和菓子って……この五個入りのあんぱん? 確かにあんこだけど、うーん微妙かなー」

次元「あーもう! うるせぇうるせぇ!」

次元「おい五エ門! お前が何とかしやがれ!」

五エ門「うむ。拙者が羊羹を買ってこよう」

次元「……ったく! どいつもこいつも!」

次元「あのな、お前さん達ゃ、言うなれば攫われてここに居るんだぜ!?」

フレデリカ「でも、ジゲンちゃんもルパンちゃんも、ゴエちゃんもフジコちゃんも助けてくれたよね?」

次元「そいつぁたまたまと言うかだな……!?」

奏「ストックホルム症候群、ってやつかしら。ふふっ、だとしたら困ったわね」
周子「いやー、でもあの時のゴエちゃんすっごく格好良かったからなぁ」

五エ門「……///」

次元「……なぁ、アイドルって奴は皆こうなのか?」

美嘉「違うから! この子達が特殊なだけで、アタシはまともだから!」
フレデリカ「ミカちゃんひどーい! まるで、アタシ達がまともじゃないみたい! しくしく!」
奏「あら、私はまともよ。ここまで来たら、焦っても仕方ないと思ってるだけ」
周子「それで落ち着いてられるんだから、まともじゃないと思うんだけどなー」
奏「ふふっ、こういう時に不二子さんみたいな良い女なら、焦ったりしないと思って」


次元・五エ門「アイツを参考にするのはやめておけ」


奏・美嘉・フレデリカ・周子「……」

美嘉「……なーんかさ、そういう所が憎めないというか、怖くない原因かも★」

休憩

  ・  ・  ・
渋谷 駅前

銭形「……」

銭形(……ルパンめ、あれからちっとも尻尾を掴ません)

銭形(それに、あの名無という男も……経歴が綺麗すぎる)


??「ご協力、お願いしまーす!」


銭形「――ほう! あんなに若いのに募金活動とは、人は見かけによらんなぁ」

銭形「どれ! ワシもちょいとばかり協力を……」

ヒュウウウ……

銭形「……トホホ、こりゃ、情けないにも程があらぁな、チクショウ」


莉嘉「お姉ちゃん……城ヶ崎美嘉に関して何か知ってたら、教えてくださーい!」


銭形「……ふむ、思ってたのとはちょいとばかし違うが、協力は出来そうだなアリャ」

  ・  ・  ・

莉嘉「はい、缶コーヒー!」

銭形「おおっと、そいつぁ受け取れん。ワシにもプライドってもんがある」
莉嘉「えー、でもブラック買っちゃったから、アタシじゃ飲めないよー!」
銭形「そ、そうかぁ? それじゃあ、お言葉に甘えて……」

莉嘉「じゃあ、早速お姉ちゃんについて教えて!」

ズズイッ

銭形「わ~ああ! 近い近い!」
莉嘉「これくらい別に普通だよー☆ あっ、おじさんもしかして照れちゃった?」
銭形「照れとりゃせん! 日本女子たる者、もっと慎みを持ってだな~あ」
莉嘉「アハハッ、おじさんチョー面白い☆」

銭形「……おじさんじゃない、ワシぁ銭形だ」

莉嘉「銭形さんね、オッケー☆ アタシ、城ヶ崎莉嘉! カリスマJCアイドルだよ☆」

銭形「城ヶ崎美嘉さんの妹さん、ってぇ言ってたな」
莉嘉「……うん」グスッ
銭形「あわわわ! そんな急に落ち込まんでくれぃ!」
莉嘉「……お姉ちゃん」グスッ

銭形「~~~っ! 年頃の娘さんの相手は、ワシにゃあ荷が重すぎる!」

莉嘉「だって……お姉ちゃん、ルパンって悪い奴に攫われちゃって……!」グスッ


「……何あの人、小さい女の子泣かせてる」
「警察に通報した方がいいのかな」

ザワザワ…


銭形「こ、こりゃいかん!」


銭形「アー、ゴホン! お嬢ちゃん!」
莉嘉「……何?」グスッ
銭形「お姉さんの心配をする必要は無い! ルパンは女に乱暴をするような奴じゃあないからな!」
莉嘉「……ホントに?」
銭形「ああ、このワシが保証しよう! アイツは、ただの女好きだからな!」
莉嘉「えーっ!? じゃあ、もっとヤバいじゃん!」
銭形「な、何だ~ああ!?」

莉嘉「お姉ちゃん、ああ見えて男の人への免疫全然ないんだから! 大ピンチだよ!」

  ・  ・  ・

美嘉「……へぷちっ!」
ルパン「お~っとと、カワイコちゃんはいっぱい噂されっから、クシャミもよくするのかい?」
美嘉「そ、そんなんじゃないし!/// きゅ、急に可愛いとか言わないでくれる!?」

  ・  ・  ・

銭形「そりゃあ……うむむ、大ピンチだなぁ」

莉嘉「どうしようどうしよう……!」

銭形「なぁに、このワシに任せとけ!」

莉嘉「……銭形さんに?」
銭形「ふっふっふ、ワシぁこう見えて、対ルパンのスペシャリストなのよ」
莉嘉「ホントに!?」
銭形「待っとれ、今ICPOの身分証を……っと、ほれ、本物だろう?」
莉嘉「本物見たことないからわかんないよー」
銭形「あん?……って、そりゃそうか」

銭形「とにかく! ワシに任せておきなさい!」

莉嘉「……信じてもいいの?」
銭形「この目を見なさい! これが、嘘をついてる人間の目に見えるかね?」
莉嘉「……うぇー、銭形さん、目ヤニついてるよ」
銭形「だぁ~ああ!」
莉嘉「……」

莉嘉「……アハハハッ! 銭形さん、チョー面白いね☆」

銭形「ふむ、ワシぁアイドルの事ぁわからんが、そうやって笑ってるのが良いってぇなぁわかる」

莉嘉「銭形さんのおかげで、なんだか久しぶりに笑った気がする」
銭形「ハッハッハ! そいつぁ結構!」

銭形「安心なさい! ワシがルパンを逮捕し、お姉さんも助けてみせよう!」

莉嘉「それじゃあダメ! お姉ちゃんを助ける方が先!」

銭形「な、何だって~ぇ!?」

莉嘉「カリスマJCのぉ、オ・ネ・ガ・イ☆」

銭形「……お願いされちゃあ、聞かない訳にゃあイカンなぁ」
莉嘉「ヤッタ―! ありがとっ、銭形さん!」

ぎゅっ!

銭形「こ、こら! くっつくな!」
莉嘉「えーっ、これ位良いじゃん☆ サービスだよ、サービスぅ☆」
銭形「さ、サービス? サービスって言うなら、ワシぁもっと色っぽいお姉ちゃんの方が……グフフ」
莉嘉「あー! ひっどい!」
銭形「す、すまんすまん! つい本音がだな!」
莉嘉「もっとひどいんだけど!」

銭形・莉嘉「……」

銭形・莉嘉「アッハハハハ!」

莉嘉「……お姉ちゃんの事、よろしくお願いします」

ペコリ

銭形「了解しました! この銭形、責任を持って貴女の元へお姉さんを送り返しましょう!」

ビシイッ!

  ・  ・  ・
ルパン隠れ家

ガチャッ!

志希「出来た――っ! 出来た出来た出来たよ――っ!!」

フレデリカ「わお、オメデトー! さっすがシキちゃん、シキハカセだねー!」
志希「フレちゃんありがとー! やっぱり、あたしって天才! いえーい♪」
フレデリカ「いえーい♪ 天才天才、だーい天才!」

くるくるっ♪

奏「ふふっ、さすがの志希もとってもテンション上がってるわね」
周子「つられてフレちゃんも一緒に踊ってるし」
美嘉「……そっか。でも、そうしたらアタシ達も帰れるって事?」

ルパン「いや~、そいつぁちっとばかし危ねえんじゃねえかな~あ?」

奏「……どういう事?」

ルパン「三日後に、774プロの近くのホールででっけぇLIVEが開かれる」

ルパン「恐らくだが、そこで名無社長――ネームレスは、観客を集団催眠状態にするだろう」

LiPPS「……」

ルパン「んま! それが終わるまで、ここで隠れてた方が良いと思うぜ~?」

LiPPS「……」

奏「ねえ、ルパン。アナタはどうするの?」

ルパン「決まってるさ。その騒ぎに乗じて、魅惑の結晶を頂戴する」

フレデリカ「えー! でもそれじゃあ、大勢の人が大変になっちゃうよー!」

次元「おいおい、俺達ゃ泥棒だぜ? 人助けなんざ、仕事の範囲外ってもんだ」

周子「でもさ、多分、その観客って元々のあたし達のファンも居るんだよね」

五エ門「……」

美嘉「うん……きっと、あの時のLIVEに居た人達も、大勢居ると思う」

奏・フレデリカ・周子・美嘉「……」


志希「――ってなわけで! ココからは、あたしが仕切る!」


奏・フレデリカ・周子・美嘉「……」


ルパン「……へぇ? 仕切るって、一体何をするつもりだい?」


志希「取られたモノは取り返す。だったら、取られたファンも取り返さないとねー♪」


ルパン・次元・五エ門「……」

ルパン「ほう、そりゃまたどうやって?」

志希「そこで、取り出しましたるはこの液体」

チャポンッ

志希「これを魅惑の結晶から抽出したガスに少しでも垂らすと、化学反応を起こすんだ」
ルパン「そりゃまた、どんな」
志希「なんと! ガスの効果を変化させる事が出来るのでーす!」
ルパン「どういう風に変化するんだい?」
志希「魅惑の結晶のガスの効果を打ち消す、魔法のトワレに早変わり♪」
ルパン「な~るほどなぁ。毒に対して、解毒薬があって完成ってぇ事か」

フレデリカ「おー! それがあれば、皆元に戻るんだね!」
奏「ふふっ、やっぱり志希はすごいわね」
周子「こういう所を見ると、普段とのギャップもあって見直しちゃうねー」
美嘉「アハハ、普段からこうやってやる気を見せてくれたら、アタシも楽なんだけどなぁ」

志希「ダッドがどう思ってたかはわからないけど、あたしが出した結論はコレだったの」

ルパン「ヌフフフ! 多分だけどよ、おんなじ結論だったと思うぜ~!」

ルパン「……でも、それじゃあ俺の質問にゃあ答えてねえなぁ、志希ちゃんよ」

志希「……にゃははは、だよねー。うん、知ってる」

ルパン「魔法のトワレ……良いねぇ、実に良い」

ルパン「だがよ、問題はそいつをどうやって使用するか、だ」

奏・フレデリカ・周子・美嘉「……あっ」

志希「……」

一服

ルパン「それによ、魔法のトワレを散布した所で、それだけじゃあダメだろう?」
志希「……ご明察」
ルパン「今までの効果をも打ち消そうってんだ。歌と踊りと音楽もセット、だよな~あ」
志希「さっすがルパン、話が早くてあたしも助かるよ―!」
ルパン「それで? お前さんは、どうやってファンを取り戻そうってんだい?」
志希「にゃははは♪ 自分一人じゃ無理なら、出来る人にお願いするんだよー!」


志希「ねえ、ルパン。あたし達のファンを盗み返すの、協力して♪」


ルパン「おっほほほ! そりゃまた、大層なお願いだなぁ!」


志希「報酬は、今後あたしが得られる、アイドルとしてのお給料全部!」


ルパン「そりゃまた豪快な! お前さん、本当にそれで良いのかい?」
志希「あたしは楽しくてアイドルやってるからねー♪」
ルパン「楽しくて、か。なるほどなぁ」
志希「きっとさ、これを見過ごしたらあたしはアイドルをやってても楽しめなくなっちゃうの」
ルパン「……危険な仕事になるぜ?」
志希「天下一の大泥棒が味方につくなら、大丈夫大丈夫! でしょ?」
ルパン「へっ、言ってくれるぜ!」

奏・フレデリカ・周子・美嘉「……」

奏「……全く、志希はたまにこうやって突っ走るのが問題よね」
志希「あたしは反省しない! 何故なら、あたしはあたしだから!」
周子「まあ、志希ちゃんらしいっちゃらしいよね」
美嘉「もう、振り回されるこっちの身にもなってよね!」

フレデリカ「シキちゃんとー、アタシの今後のお給料って合わせるといくらになるのかなー?」

志希「ふ、フレちゃん?」

奏「あら、レイジー・レイジーにだけ払わせるなんて思う? LiPPSのリーダーは私よ」

志希「ちょっ、ちょっと奏ちゃん!?」

周子「実家でバイトする分の稼ぎはセーフ? じゃないと服も買えないよー」

志希「周子ちゃんまで、何言ってるの―!?」

美嘉「は~ぁ、莉嘉になんて説明したら怒られずに済むだろう。貧乏なカリスマJKってしまらなさすぎ」

志希「美嘉ちゃんも……ちょっ、ちょっと皆ー!?」

奏「志希、あんまり私達をなめないで貰える?」
フレデリカ「なめるんじゃなくてー、LiPPSだったらちゅーしないとだよねー♪」
周子「今後も気楽にいくためには、ここで気合入れなきゃなー、ってね」
美嘉「ここまで来たら、振り回されずにいようなんて思わないよ★」

志希「皆……!」


ルパン・次元・五エ門「……」

奏「――というわけだから、ルパン三世さん」

ルパン「……」

フレデリカ「アタシ達の、今後のお給料まとめてあげます! あげちゃいます!」
周子「今までの貯金も……って、あんまり無かったや、あはは」
美嘉「三日後のLIVE……ううん、ゲリラLIVEに協力して!」

志希「……お願いします! あたし達に協力して!」

LiPPS「お願いします!」

ルパン「……プッ、ククククッ……!」

LiPPS「……?」

次元「……ヒイッ、ヒ……ヒヒヒヒッ!」
五エ門「フ、フフ……フハハハッ!」


ルパン・次元・五エ門「アーッハッハッハ! ヒーッヒッヒヒヒ!」


志希「どっ、どうして笑うのさ!」

ルパン「ンフフフフ! いや~、わ~りぃわりぃ、あんまりにも言ってた通りで、おかしくってよぉ!」

ルパン「――なぁ、不二子!」

ガチャッ!

不二子「――ねっ? 言ったとおり、面白い子達でしょう?」

LiPPS「プロデューサー!?」

不二子「ハァ~イ♪ 皆、元気してたかしら?」

志希・フレデリカ「ハァ~イ♪」
周子「今の感じが素、ってわけね」
美嘉「アタシ……カッコイイ人だなー、としか思ってなかった」
奏「あら、今の方が素敵に見えるわ。とても危険そうで、セクシーで」

不二子「うふふ、ありがとう」

ルパン「しっかしよ、お前さんの言う通りだったなぁ」

次元「俺ぁ、五エ門だけでなく、不二子までいかれっちまったのかと思ってたぜ」
五エ門「次元、それはどういう意味だ」
次元「お前がな、アイドルの前で煙草を吸うなどもっての外、吸ったら斬るとか言ってたからだよ!」
五エ門「し、しかしそれは……」
次元「おかげで俺ぁホタル族だったんだぞ! ちったぁ反省しやがれ!」
五エ門「う、うむむ……!」

フレデリカ「ゴエちゃんファイト! ジゲンちゃんに負けるなー!」
周子「買ったら和菓子食べよー。頑張れゴエちゃーん」
奏「喫煙は個人の自由だと思うけど……私も五エ門さんの味方ね」
美嘉「煙もそうだけど……」
志希「匂いが気になる!」

五エ門「次元! 禁煙しろ!」

次元「けーっ! すぐこれだから参るってんだ! 俺の味方なんていやしねえ!」

ルパン「おいおい、どこ行くんだよ次元~?」

次元「可愛い可愛いホタルちゃんになりにだよ! 話は進めといてくれ!」

ガチャッ! バタンッ!

一同「……アハハハッ!」

志希「……協力、してくれるって事で良いのかにゃー?」

ルパン「ベロベロベロベロ! ヤ~なこった!」

美嘉「は、はぁ!? 今の、協力してくれる流れだったじゃん!」
奏「報酬が足りない、ってこと? だったら、キスでもすれば良いのかしら?」
フレデリカ「ちゅー? フレちゃんのちゅーでしるぶぷれー♪」

ルパン「わ~りぃんだけどもさ~あ? 報酬をもらって盗むってぇのは、俺の美学に反する」

ルパン「それによ、お前さん達ぁ盗みの素人だろう?」

ルパン「素人に仕切りを任せたとあっちゃあ、天下の大泥棒の名が廃るってぇもんだ!」

周子「……つまり」
不二子「ホント、次元もそうだけど、ルパンも大概素直じゃないんだから」
ルパン「うるせぇやい!」

ルパン「俺たちが、魅惑の結晶を盗むついでに、お前さん達のファンも盗み返してやるよ」

LiPPS「!」
ルパン「あぁ、だけど困っちまったなぁ!」
LiPPS「?」
ルパン「魔法のトワレの効果を発揮させるには、歌と踊りと音楽が必要みたいだ」
LiPPS「……!」

ルパン「どっかに、そいつが得意な……そうさなぁ、アイドルは居ないもんかね?」

LiPPS「ここに!」

ルパン「おっほほほ! 良~い返事じゃあないの!」



SS書くときはsageじゃなくてsagaだよ

>>51
別の自スレでテストしてめっちゃ怒られたから知っているんだぜ!
sage進行で、要所だけsagaにして規制外しゃ良いかなー、とね
人居ねえから良っかと思ってミッションとスタミナ消化してたわ、すまぬ

>>52
フィルターされる言葉以外にも唐突に変な文字が入るからあまりオススメできない。唐翌揚げとか
sage更新しつつ投稿したいなら「sage saga」でいけるよ

  ・  ・  ・
https://www.youtube.com/watch?v=bLY5EsDn4fM

ガチャッ

フレデリカ「ねえねえ、ルパ~ン」

ルパン「ん? どしたい、フレちゃん」

フレデリカ「ルパンは、どうしてアタシ達に協力してくれるの?」
ルパン「なんでぇなんでぇ、藪から棒に! 言ったろ? ついでだよ、つ~い~で!」
フレデリカ「そうなのかなー、本当かなー」
ルパン「馬鹿な事言ってねぇで、不二子のレッスンに戻んな」
フレデリカ「そう! フジコちゃん、すっごく厳しいんだよー! もうへとへとー!」
ルパン「ヌフフフ! 若い子に厳しいだなんて、アイツも――」


――チュウンッ!


ルパン「――っておわああっ!?」


「ルパン! アイツも何ですって!?」


ルパン「何でもありませーん!……アイツめ、聞いてやがったのか」
フレデリカ「今は休憩中だからー、隣の部屋に皆居るよー」
ルパン「……おいおい、そいつを先に言ってくれって~」

>>53-54
さんきゅう!
いつどんな文字を書くかわからないからこれで安心して書けるわ
ってか、怒られた時に同時使用出来るのか、って自分でレスしてたのも忘れてたww

フレデリカ「それでさ、どうしてなのかなー?」
ルパン「……」
フレデリカ「……」

ルパン「……」チョイチョイ

フレデリカ「?」

つつっ

ルパン「ゴニョゴニョゴニョゴニョ」
フレデリカ「ふんふん……なるほどー、そっかそっかー」

ルパン「……俺たちもいい歳こいて恥ずかしいからよ、他の子にゃあ内緒だぜ?」

フレデリカ「おっけー♪ 教えてくれて、ありがとー♪」
ルパン「ったく、あ~んなに真っすぐ見つめられちゃ、隠す気も失せちまわぁ」
フレデリカ「ふっふっふ! これがフレちゃんパワーなのです! 略してフレパワー!」
ルパン「はいはい。ほれ、そろそろ休憩も終わりだろ?」
フレデリカ「うん! それじゃあ、頑張るね―!」
ルパン「はいよ」

ガチャッ…バタンッ


「みんな~! ルパンちゃんもジゲンちゃんも、アタシ達のファンになっちゃったんだってー!」


ルパン「ちょっとちょっと、フレちゃ~ん!?」


「だから、大変だけどがんばろー! いえーい!」


ルパン「ねえ、話聞いてくれてた!?」

ガチャッ!

次元「おいルパン! テメェ、喋るなっつったろうが!」
ルパン「俺だって内緒だって言ったんだよ!」
五エ門「……お主達の気持ち、わかるぞ」ウンウン

ルパン・次元「うるせえ!」

  ・  ・  ・
名無オフィス

名無「……いよいよ明日、か」

名無(合同LIVEの際に奪った観客達は、既に催眠状態にある)

名無(明日のLIVEでガスをたけば、その催眠はより強固なものとなるだろう)

名無(私は従順な兵隊を手に入れ、この国を支配するのだ……!)


名無「より兵隊を集めやすくするため、LiPPSのメンバーは欲しい所ではあったが……」

名無(それに、あれから動きのないルパンに、消えた346のLiPPSのプロデューサー)

名無(一ノ瀬博士の娘――……一ノ瀬志希がルパンと組んだ可能性もあるか?)

名無(しかし、たかが泥棒風情とアイドルの小娘が今更あがいた所で――)


名無「……フフフ」

キランッ!

名無「私と、この結晶によって洗脳された兵達の前ではどうしようもあるまい」


名無「……フフフ……ハハハハハッ!」

コンコンッ

名無「……――入り給え」

ガチャッ

秘書「失礼します」

秘書「社長、お荷物が届いていますがいかがなさいますか?」
名無「ふむ、差出人は?」
秘書「それが、差出人の名前がどこにも無いのです」

名無「……なるほど、来たか」

秘書「はい?」
名無「荷物はどこに?」
秘書「一回の受付で預かっております」
名無「荷物を持ってきた人間が映っていた監視カメラの映像を見せなさい」
秘書「はい、わかりました」


『お~いおい、そんなに怖がらなくても良いじゃないの!』


名無・秘書「!?」

名無「この声……一体どこから!?」


『ヌッフッフ! 壁に耳あり、障子に目あり!』


秘書「……!?」
名無「! おい、お前! 背中をこちらに向けろ!」
秘書「しゃ、社長!?」
名無「早くしろ! グズグズするな!」
秘書「はっ、はい!」


『人の背中にマイクあり~、ってね!』


名無「ルパン……!」


ルパン『いよ~う名無社長! いや……ネームレスっつった方が良いかな?』

名無「その呼び名は捨てた。今の私は、774プロダクションの社長、名無だ」

ルパン『そうかい、それじゃあ名無さんよ。こっちも自己紹介させて貰うぜ』


ルパン『俺の名はルパ~ン三世。狙った獲物は逃さない、天下一の大泥棒さ』


名無「……」

名無「……狙いは何だ?」

ルパン『とぼけんじゃねえって。わかってるんだろう?』

名無「ふん! 今更この結晶を奪った所で、私の野望は止められんよ!」

ルパン『奇遇だなぁ、俺もお前さんの邪魔をする気は無かったんだぜ?』

名無「何っ?」

ルパン『だけどよ、俺が盗みをやる理由と、よく似た理由でアイドルをやってる子達が居てな』

名無「それは……LiPPSのメンバーの事か?」

ルパン『ピンポンピンポーン! 大正解!』

名無「だが、それがどうした! 貴様には関係あるまい!」

ルパン『そ~れがさ~あ、恥ずかしながら……ああもう良いや! ファンになっちまったんだよなぁ!』

名無「貴様……一体、何を言っている……!?」

ルパン『ってなわけで――』


ルパン『魅惑の結晶と、あの子達から奪ったファンを頂戴しに行くぜ』


名無「何だと……!?」

名無「そんな事が出来ると思っているのか!」

ルパン『言ったはずだぜ。俺は、狙った獲物は逃さない、ってな!』

名無「ええい!」

ぶちっ!

秘書「きゃあっ!」

名無「貴様の思い通りにはさせん!」


ルパン『いちち、熱くなるなってぇ。マイクが近くて、耳がキンキンしやがる』

ルパン『んま、明日のLIVEを楽しみにしてるぜ~』

ルパン『……ルパ~ン三世』


名無「……良いだろう、明日の楽しみが増えたと思おうじゃないか!」


ルパン『あ、そうそう! 贈り物はただのチューリップだから、部屋にでも飾っといてくれよな!』

ルパン『そんじゃま、今度こそバイバ~イ! んー、ちゅっ♪』


名無「……クソがっ!」

バキッ! グリグリグリ……!

名無「どこまでも人をコケにしやがって! おい、すぐに銭形に連絡しろ! ルパンが現れるとな!」

秘書「は、はい!」

名無「絶対に私の邪魔はさせんぞ、ルパンめ……!」

寝ます
おやすみなさい

  ・  ・  ・
ルパン隠れ家

志希「ハァ~イ、ルパン♪」

ルパン「ハァ~イ、志希にゃん♪」

志希「ねえ、ちょっとお話しても良いかな」
ルパン「どうしたぃ、緊張して眠れないのかい?」
志希「んー、そうじゃないと思うんだけど、どうなんだろ?」
ルパン「ま、良いぜ。その代わり、明日は頼むぜぇ~」
志希「もっちろん!」

志希「……ねえ、ルパンはどうして盗む前に犯行予告をするの?」

ルパン「ほほ~う、こりゃまた、思ってもねえ質問が飛び出しやがった!」

志希「だってさ、普通は犯行予告なんてしない方が楽に盗めるよね」
ルパン「まぁなぁ、そりゃ、確かにその通りさ」
志希「今回も、犯行予告をする意味があたしにはわからなかった」
ルパン「なるほど、確かにお前さんの言い分はもっともだ」

ルパン「……だがよ、お前さんなら、なんとなくわかってるんじゃあねえか?」

志希「それは――」

ぴっ

志希「むぐっ!?」

ルパン「おおっと! そいつを口に出しちまうのは芸がねぇぜ、お嬢ちゃん!」

志希「……」

ルパン「俺も……じいさまも、どうして犯行予告をするのか」

志希「……」

ルパン「そいつぁ、明日の盗みが成功したら嫌でもわかる」

志希「そっか……うん、確かにそうかも」
ルパン「それとな、お前さん達にファンが居るように、俺にも大ファンが居るんだぜ~?」
志希「へぇ、そうなんだ! どんな人なの?」
ルパン「そ~れがよう、とんでもなくしつっけえとっつぁんでな」
志希「ふむふむ」
ルパン「俺が現れるってちょいとでも耳にしたら、どこまででも捕まえにくるのよ!」
志希「それって……警察、ってこと?」
ルパン「どうよ、熱心なファンだと思わないかい?」
志希「にゃははは♪ 確かに、言う通りかも!」
ルパン「だ~ろう?」

ルパン「だからよ、そんな俺のファンの前じゃあ、無様な姿は見せられねぇよな」

志希「わかる! わかるよルパン! ファンの前じゃ、いい所見せたいもんね!」

ルパン・志希「……ヌフフフフ!」

ルパン「明日のLIVE、楽しみにしてるぜ」

志希「もっちろん! 期待しててよねー♪」

  ・  ・  ・
LIVE当日 名無オフィス

名無「銭形警部、今日はよろしくお願いします」

銭形「任せてください! ルパンの奴は、必ずワシが捕らえてみせます!」

名無「ええ……しかし、まさか私の所有する結晶に目を付けていたとは」

キランッ!

銭形「ほう……そいつがルパンの狙いの」
名無「我が家に代々伝わる家宝なのです。絶対に盗まれるわけにはいきません」
銭形「よろしければ、こちらでお預かりする事も出来ますが」
名無「申し訳ありません。肌身離さず持つという決まりがあるのです」
銭形「しかしですな、そいつぁあまりに危険すぎますぞ」
名無「なぁに、逃げ足には自信がありますから」
銭形「……はっはっは! そいつぁ頼もしい事です!」

銭形・名無「……」

銭形「――それでは、本官はビルの正面にてルパンを待ち構える事にします」

名無「――よろしくお願いします。ルパンを必ず……」

銭形「失礼します!」

ガチャッ……バタンッ

  ・  ・  ・

銭形(アンニャロウ、あくまでも尻尾は掴ません……か)

  ・  ・  ・

名無(目眩まし程度には使えるだろう……洗脳した兵達でルパンを始末する、な)

  ・  ・  ・
大通り

警官A「はーい、そこのトラック、止まってくださーい!」

ブロロロロ……

運転手「……っと、こいつぁ一体どうしたんですかい?」

警官A「この先に、ルパンが現れると言う情報がありまして!」

運転手「なるほど! そりゃあ大変だ!」

警官A「……はい、もう大丈夫です! ご協力、感謝します!」

運転手「それじゃあ、お仕事頑張ってください!」

ブロロロロ……!


運転手(?)「……第一関門、クリアー」

フレデリカ「わーお♪ ジゲンちゃん凄いね、迫真の演技だったよー!」
志希「うんうん! あたしもアレくらい出来れば、ソッチ関係のお仕事くるかにゃー」

次元「わーっ! こら馬鹿! 顔を出すなってぇの!」

奏「そうねぇ……二人には難しいんじゃない?」
周子「だねー。だって、全然台本通りにいかなそうだもん」
美嘉「あ、それチョーわかる。アドリブだらけになりそうだよね★」

次元「お前さんらも、冷静に話してないでコイツらを引っ込めてくれ!」

志希・フレデリカ「いやーん♪ ジゲンちゃん、い・け・ず♪」

次元「くそう! 今回は損な役回りが多すぎるぜったくよう!」

次元「……」

ブロロロロ……!

フレデリカ「……ねえ、なんだか変じゃなーい?」
志希「ハイッ! 車が全然走ってない!」
フレデリカ「ピンポーン! せいかーい!」

次元「……さぁて、お嬢ちゃん達。今度こそ、頭を引っ込めてな」

LiPPS「?」

不二子「言う通りになさい。舌を噛んだら、この後のLIVEに影響が出るもの」
次元「そんな事になったら、俺の苦労が水の泡になっちまう!」

周子「! 後ろから、黒い車が何台も……!?」


次元「奴さん達のお出ましだ!」

不二子「早く隠れて! ほらほら、急いで!」

LiPPS「~~~っ!?」サッ


ドンドンドンッ!


次元「こいつぁ熱烈な歓迎だ! やっぱり、こうでなくっちゃいけねえ!」

不二子「嬉しそうにしないでよ! 面倒なだけじゃない!」

次元「こっちはストレスが溜まってんだ! 盛大に暴れさせて貰うぜ!」

ドンドンドンドンッ!

不二子「ちょっと! ハンドル!」

次元「運転は任せたぜプロデューサー殿ぉ! ワーッハッハッハ!」

ドンドンドンドンッ!

次元「アーッハッハッハ! ヒーッヒッヒッヒ!」

ドンドンドンドンッ!


奏「……なんだか、悪いことしちゃってたかしら」
周子「完っ全にキレちゃってるもんねぇ」
美嘉「うわー……すっごい楽しそう」


次元「さあ来い! どんどん来い! オラ、どうした!」

ドンドンドンドンッ!


フレデリカ「ジゲンちゃん、楽しめてるみたいで良かったねー♪」
志希「うーん、それはちょ~っと違うんじゃないかにゃー?」


次元「良いねぇ! どんどん沸いてきやがる!」
不二子「言い訳無いでしょ、もう! 運転代わって!」
次元「待て不二子! もう少し! もうちょっとだけ!」
不二子「早くハンドルを握らないと、大事故になっちゃうわよ?」
次元「……っておわあ!? 汚えぞ不二子!」

不二子「汚いから、これから大掃除するんで……しょっ!」

シュポンッ……ヒュルルルル……ドオオオォォォーン!!

不二子「――さっ、急ぎましょ。お客さんは待ってくれないもの」

LiPPS「は……はいっ!」

不二子「ふふっ、良いお返事♪」

(誤)>不二子「言い訳無いでしょ、もう! 運転代わって!」

(正)>不二子「良い訳無いでしょ、もう! 運転代わって!」

次元「……ん、ありゃあ……!?」


黒服A「……!」

バララララララッ!


不二子「軍用ヘリ!? まさか、こんな所であんな物を持ち出すなんて!」

次元「こっちゃああんまり派手に動けねえってのによう!」

不二子「――頼んだわよ」

次元「――五エ門!」

  ・  ・  ・
トラック 車上


五エ門「……」


周子『やっほー、ゴエちゃん、聞こえる?』


五エ門「っ!? 周子ちゃ……塩見殿か」
周子『あはは、周子で良いよー』
五エ門「……」
周子『ゴエちゃんってさ、あたしのファン……なんだよね?』
五エ門「う……う、む……///」

周子『それじゃあさ……応援歌、っているかな?』

五エ門「……」

五エ門「――是非とも!」

https://www.youtube.com/watch?v=02rfuOS-wj0

五エ門「……」


五エ門「……」


五エ門「……」


五エ門「!」


ドドドドドドドドドドド!


五エ門「ちぇあああ――ッ!」


キキキキキキキキキキンッ!


黒服A「何だアイツは!? 機関銃の弾を斬ってやがる!?」


ドドドドドドドドドドド!


五エ門「けぇあああ――ッ!」


キキキキキキキキキキンッ!

黒服B「おい、ミサイルだ! ミサイルを使え!」
黒服A「ちいっ! それしかないか!」

パシッ! シュウウ――ッ!


五エ門「!」


トンッ……!


五エ門「きえいっ!」


シュピィンッ!


黒服A「なっ!? ミサイルに乗ってココまで飛ん――」


五エ門「……!」


シュピィンッ!


五エ門「……」


……スタッ


五エ門「……また、つまらぬ物を斬ってしまった」


……ドオオオオォォォ――ンッ!


周子『あのほ~し……って、ほとんど前奏で終わっちゃったんだけど!』

五エ門「……あっ」

一服

  ・  ・  ・
774プロ 事務所ビル前

ドォォォン……!

銭形「な、何だ~ああ、今の爆発は!?」

警官B「銭形警部! ルパンです! ルパンが現れたようです!」
銭形「何ぃ!? あの方角は、ここに向かう道じゃあないぞ!?」
警官B「どうやら、ルパンの狙いはあの会場の観客でもあるとの情報が!」
銭形「何だって~えぇ!?」

銭形「……ん? ちょっと待て」

警官B「どうされましたか、警部!」
銭形「……おい、お前はどうしてそんな事を知っとるんだ?」
警官B「はっ! どうやら、一行の中にはLiPPSのメンバーの姿もあるようです!」
銭形「ワシぁそんな事は聞いとらん! 質問に答えろ!」

ツカツカ……! スカッ!

銭形「あら~あぁ!?」

ドテッ!

警官B(?)「――おおっとと、悪ぃが今は捕まるわけにゃあいかねえんだ」

銭形「ぬぐぐ!」

警官B(?)「ヌフフフフ! 会いたかったぜぇ、とっつぁんよ」

銭形「やはり、貴様か!」

銭形「ワシの前にわざわざ姿を見せるとは、とうとう観念する気になったか!」

警官B(?)「お~っと、そいつぁちょっと待ってくれ」

銭形「往生際が悪いぞ!」
警官B(?)「とっつぁんよ、アンタの事だ……名無が怪しい奴だってのは気付いてるんだろ?」
銭形「……それがどうした」
警官B(?)「名無の狙いは、LIVEに集まった観客に集団催眠をかけて操る事さ」
銭形「なぁ、何だとぉ!?」

警官B(?)「――ルパンの狙いは、それを横から掠め取る事のようです!」

警官B(?)「どうやら、LiPPSのメンバーもそれに協力させられているとの情報も!」

銭形「……ぬぐぐぐ!」
警官B(?)「いかがなさいますか、銭形警部?」ニヤリ
銭形「……その情報は確かか?」
警官B(?)「はい! 急がなければ、手遅れになる可能性が!」
銭形「……」

銭形「――ワシのやる事は決まっとる!」


銭形「――LiPPSのメンバーを助け出し、ルパンを逮捕するだけよ!」


警官B(?)「ヌフフフフ! さぁ~っすがとっつぁんだぜ!」
銭形「勘違いするなよ! お前の相手は、後で必ずするからな!」
警官B(?)「はっ! 出来ればそれは遠慮したいであります!」


銭形「待ってろよルパ~ン!」


「銭形警部!? どこへ!?」


銭形「ルパンが現れたとの情報が入った! LIVE会場へ向かうぞ! グズグズするな~ぁ!」


「はっ、はいっ!」

  ・  ・  ・
名無オフィス

名無「なんだ……? 警官隊が移動を始めただと……?」

prrrr!prrrr!

名無「……はい」
銭形『名無さん、ルパンが現れたとの情報が入りました!』
名無「はっ?」
銭形『ワシぁルパンを追います! ご安心ください、奴は必ず捕まえてみせます!』
名無「いや、待ってください!」
銭形『どうやら、先程の爆発もルパンの仕業のようですな! 全く、とんでもない奴だ!』
名無「いえ、まだルパンの姿は確認出来て――」

銭形『んん? 何故、何も知らないはずの名無さんが、そいつをご存知で?』

名無「んぐっ!? そ、それは……!」
銭形『おかしな話ですなぁ……アナタは、普通の芸能事務所の社長のはずでは?』
名無「……!」

銭形『幸い、奴ぁこちらではなくLIVE会場の方へ向かっとる様子です』

銭形『ハッハッハ! 奴め、社長が会場に居ると勘違いしとるようです!』

名無「……ええ、そのようですね」
銭形『――それでは、ワシはルパン逮捕に向かいます!』
名無「……よろしくお願いしますよ」

プツッ…ツーツー…

名無「――クソっ! いざと言う時のために、会場から離れていたのがアダになったか!」

名無「!? まさか……読まれていた……? いや、そんな筈は……!?」

  ・  ・  ・
LIVE会場 正面入口

ブロロロロ……!

次元「……ようやく会場が見えて来やがったぜ!」

五エ門「急げ次元! もう始まっているようだ!」
次元「わかってらぁ!」

ブロロロロ……!


不二子「……皆、心の準備は良い?」

志希「んー……志希ちゃん、ちょっとキンチョーしてるかも」
フレデリカ「えへへ……実はフレちゃんもキンチョーしてる」
奏「そうね……だって、今までに無い位重要なステージだもの」
周子「うん……ちょっと気楽にはいけそうにないかなー」
美嘉「アハハ……良かった、アタシだけ怖がってるかと思った」

不二子「まあ! 怖がる必要なんて無くってよ?」

LiPPS「えっ?」

不二子「今から貴女達は、最高のパフォーマンスを見せて、観客を魅了するんだもの」

不二子「それも、他のアイドルは体験したことのない、とびっきり刺激的なステージで!」

不二子「――こんなの、笑って楽しまないと損しちゃうわよ♪」

LiPPS「……!」

不二子「……それじゃあ、もう一度聞くわよ」


不二子「――皆、心の準備は良い?」


LiPPS「――はいっ!」


不二子「Perfect!!」

この感じだと明日には終わると思います
寝ます
おやすみなさい

  ・  ・  ・
会場 ステージ前

774プロアイドル達「~♪」

「ヒュウウウウ!」
「いいぞおおお!」

774プロアイドル達「~♪」


「おっ、おい! 何か突っ込んでくるぞ!?」
「キャアアアアアアっ!?」
「にっ、逃げろおおおおおおお!」


774プロアイドル達「!?」


次元「どけどけ~い! アイドル達のお通りだぜぇ~!」

ブロロロロロ……!

キキィィィイっ!

  ・  ・  ・

不二子「――さっ、行くわよ!」

LiPPS「!」コクリ

  ・  ・  ・
774プロ 事務所ビル 屋上

名無「くそう! 今回はしてやられたか!」

名無「フフフ……! だが、この結晶がある限り、何度でも兵隊は作り出せる!」

名無「これは渡すものか!」


ガチャッ!


???「いよ~う、遅かったじゃねえか!」


名無「きっ、貴様! どうしてここに!?」


ルパン「アッハハハ! わっかりやすすぎんのさぁ! 今度も逃げ出すってぇのがよ!」


名無「ぬううう! ルパアアアン!」


ルパン「――魅惑の結晶……頂戴しにきたぜ」

  ・  ・  ・
会場 ステージ上

五エ門「……そこを退いて貰う」

774プロアイドル達「……!?」

五エ門「――御免!」

シュピィンッ!

774プロアイドル達「!?」

……ハラリ

五エ門「……///」


774プロアイドル達「イヤ~ン!」ボロンッ!


五エ門「っ!?」

五エ門「おっ、男!?……つっ、つまらぬ! 全くもって、つまらぬ物を斬った!」


不二子「馬鹿言ってないで、ちゃんと仕事なさいよ五エ門!」

ドコボコッ、バキィッ!

774プロアイドル達「うっ……!」

ドサドサドサリっ……

不二子「ほら、急いでステージの外に放り出して!」

五エ門「う……うむ」

LiPPS「……」


「何だお前達いいいいっ!」
「引っ込めええええええ!」
「帰れーっ!」


LiPPS「……」


「か・え・れ!! か・え・れ!! か・え・れ!! か・え・れ!!」


志希「……すぅー……!」


「か・え・れ!! か・え・れ!! か・え・れ!! か・え・れ!!」


志希「レッツ・パーリィ―――――ッ!!」


「!?」


次元「さぁて、魔法のトワレの――」


プュウウウウウウウ!


「なんだ……!? 会場が……」
「ピンク色のガスで充満して……」


LiPPS「――」


https://www.youtube.com/watch?v=QPpg9JzhZz4

  ・  ・  ・
774プロ 事務所ビル 屋上


my secret eau de toilette…


名無「ルパアアアアンッ!」

ドンドンドンッ!

ルパン「おおっとと、危ねぇ危ねぇ!」


my secret eau de toilette…


名無「私は、この結晶を使って支配者になるのだ!」

ドンドンドンッ!

ルパン「へっ! お前さんが支配者ってぇタマかよ!」

ドンドンッ!


バスタブに獣脂 満たし 裸でつかれば


名無「お前さえいなければ、全ては上手くいっていたのだ!」

ドンドンッ!


あたしをあたしたらしめるもの滴る


ルパン「そ~んな事言っちゃう奴に限って、ツメが甘いんだよな~ぁあ、っとぉ!」

ドンドンッ!


chu chu chu…人体実験chu♥

  ・  ・  ・
会場

志希「飽和したらアルコール♪ 溶かして撹拌♪」

奏・フレデリカ・周子・美嘉「~♪」


「か・え・れ!! か・え・れ!! か・え・れ!! か・え・れ!!」


志希「残留物は恥辱的なほどあたし♪」

奏・フレデリカ・周子・美嘉「~♪」


「か・え・れ!! か・え・れ!! か・え・れ!! か・え・れ!!」


志希「君をたぶらかす香りに投与して♪」

奏・フレデリカ・周子・美嘉「~♪」


「か・え・れ! か・え・れ! か・え・れ! か・え・れ!」


志希「さぁさmagical showの幕があがる♪」

奏・フレデリカ・周子・美嘉「~♪」


「かーえーれ!……かーえーれ……かーえー……」


志希「タラーン♪ タラーン♪」

奏・フレデリカ・周子・美嘉「~♪」

麝香(じゃこう)に隠した秘密の分子


黒服達「……!」


次元「おっと、こっからは通行止めだ」


気が遠くなるほど


五エ門「ステージに近寄りすぎるのは――」


吸って


不二子「ご遠慮ください、ってね♪」

黒服C「……!」

キラッ――!


銭形「――おおっと! 銃刀法違反の現行犯で、逮捕する!」


君はあたしに夢中になる


銭形「他の黒服の奴も取り押さえろおおっ!」

警官隊「おおーっ!」

  ・  ・  ・
774プロ 事務所ビル 屋上


my secret eau de toilette


名無「これで終わりだあああっ!」

ルパン「!」


la la love potion脳下垂体へ届け


名無「!」

ルパン「!」


ドォォ――ン!


瞳孔が開くその瞬間を見せて


名無「……ふっ!」

ルパン「……」


my secret eau de toilette


名無「」

……ドサリッ!


じきに君はfalling loveの兆しみせる


ルパン「……」

恋は化学式


ルパン「いよっと!」


君には きっと


ルパン「魅惑の結晶――」



ルパン「――確かに頂いたぜ」・  ・  ・志希「狂気の沙汰(crazy things)♪」

「…………」


志希「……」

奏・フレデリカ・周子・美嘉「……」


「良いぞおおおおおっ!」
「ステキいいいいいっ!」
「アンコール!! アンコール!!」


LiPPS「!」


次元「お、おいおい! こりゃ、ちょいとばかしおかしかぁねえか!?」
不二子「ふふっ、どうしてそう思うのよ」
次元「魔法のトワレは、催眠ガスの効果を打ち消すだけって話だったじゃあねえか!」


志希「フッフッフ! それには、この志希ちゃんがお答えしましょう♪」


次元「そうかい! おい、コイツァ一体何の騒ぎだ!」


志希「ただ、あたし達の魅力でファンにしちゃった、ってぇ寸法さ♪」


次元「……」


フレデリカ「んふふふー♪ いえーい! 皆、愛してるよー!」
奏「アンコールを期待されてるみたいだけど、どうする?」
周子「この前は歌えなかったからねー」
美嘉「やっぱ、アレを歌うしかないでしょ★」
志希「やろうやろう! パーティーの幕は上がったばっかりだよ!」


次元「……っかー! こいつはやられたね、どうにもよぉ!」

銭形「おおっと! お前達がアンコールを楽しめると思うなよぉ!」


次元「げ! とっつぁん!」
不二子「もう! ちょっとは空気読んでよね!」
五エ門「……」


銭形「ルパンの前に、次元! 不二子! 五エ門! 逮捕だ~ああ!」


ドドドドドドッ!


銭形「あ~ああ危ない危ない! 危ないってばコラやめろ~おぉ!」



ルパン「――目当ての物は頂戴した! とっととズラかろうぜ~ぇ!」

バララララララッ!


次元・不二子・五エ門「ルパン!」


ルパン「ついでにヘリも頂戴してきちゃったよ、ヌヒっ!」

バララララララッ!

志希「おーい! アンコールは聞いて行かないのー!?」

フレデリカ「せっかくだから聞いて行きなよー! アタシ達のファンなんでしょー!」



ルパン「わ~りぃな! おじさん達、ちょ~っと取り込み中なんだわー!」

次元「あばよお嬢ちゃん達! 今度はもう少しお淑やかになってろよ!」



周子「皆ー、ありがとねー! ゴエちゃーん、今度は最後まで聞いてってよねー!」

奏「不二子さーん! 今度は、ご褒美がもらえるよう頑張るから、見ててよねー!」



五エ門「……うむ、必ず」

不二子「まあ!? たった一回のLIVEをしたのに、言うようになったじゃない!」



美嘉「席は空けておくから、必ず来てよねー! カリスマJKのぉ、お願いだよー!★」


LiPPS「んー、ちゅっ♪」



ルパン「オホッ! こいつぁ色っぽい見送りだぁ! そんじゃ、あ~ばよ~!」

バララララララッ!



LiPPS「……」

銭形「皆さん! お怪我はありませんか!?」


奏「刑事さん? ええ、怪我は無いです」
フレデリカ「あっ、でもでも! 美嘉ちゃんが大変!」
美嘉「へっ!? アタシ!?」
周子「あー、さっきのね。でも、これって連帯責任かなー、ってあたしは思うなー」
志希「もー! 美嘉ちゃんったらー!」
フレデリカ「たらーん!」


銭形「た、大変!? そりゃあ、一体何が!?」


奏「だって、いつ来るかわからない人達のために席を空けておかなきゃいけないんだもの」
フレデリカ「うんうん! でも、フレちゃんも美嘉ちゃんと同じ気持ちだったからせーふ! せーふ?」
周子「あたしもだね。うん、そう考えると美嘉ちゃんナイス」
美嘉「そ、そう? でも、事務所にはなんて説明すれば良いんだろ……?」


奏「そんなの決まってるわ。だって、相手は泥棒さんだもの」


美嘉「あー……なるほど★ それじゃあ、しょうがないもんね!」


周子「あたし達の最前列は……ルパン達に盗まれちゃった」


フレデリカ「フンフンフフーンフンフフー、フレデリカー♪」


志希「残念! 今はフレちゃんのテーマソングの時じゃないにゃー♪」


LiPPS「……」


LiPPS「せーのっ!」


https://www.youtube.com/watch?v=GOTAYry-PGE

キャスト

ルパン三世
次元
五ェ門
不二子
銭形

志希

フレデリカ
周子
美嘉

莉嘉

名無



スペシャルサンクス

このスレに書き込んだ全員

企画

>>1


~Fin~

こんなくだらないもん最後まで読んでくれてありがとう


このネタが読みたくて5、6年ぶりにSS書いた
久しぶりだから錆を落とそうと思って、一ヶ月前からひたすら毎日SS書いた

でも、残念だけど俺は錆びついてた、ってだけじゃなかったんだな
タイピングは遅くてクッソ歯がゆいし、集中も全然持続しやしねえ
シンプルに、歳取って劣化してたわ

>>17今は、これが精一杯

だけど、本当に書いて良かった
やっぱりSS書くのって無茶苦茶楽しい

HTML化依頼出してきます

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