1997年12月24日
──私は、このツリーの精。
ある街の駅前広場に植えられたモミノキに、いつしか宿った木の精霊。
時季には街路樹と共にイルミネーションの飾り付けをされて、地域で一番大きなクリスマスツリーになる事が私の自慢。
単純な背の高さなんかは、駅の建物越しに見える運動公園のセコイア並木には敵わない。
だけど地元の人を見送り、訪れる人を迎えられるこの場所を私は気に入っている。
時々、駅から出てきた人が『立派なツリーだね』なんて褒めてくれると、背筋……幹がぴんと伸びた気持ちになれる。
そして一年の内で特に幸せなのが、まさに今夜。
待ち合わせる恋人やパーティーを終えたグループで私の足元が賑わう時間は、もうすぐそこに迫っている。
あと30分程すれば日が暮れて、そうしたら一年も楽しみに待ったイブの夜。
そんな夕方頃に、二人の子供達が私の元へ訪れた。
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申し訳ない、たてる板間違えた
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