ネコ「お腹すいた」男「んーネコたんモフモフーん」 (18)

ネコ「モフモフとかいいからご飯」

男「んーネコたんモフモフー」

ネコ「……ダメだ、ネコ語が通じない」

……ガリッ

男「……いてっ!何すんだよ!」

ネコ「そんな強く引っ掻いてないでしょ?」

トコトコ

ネコ「はい、ご飯。ここまでやったら男さんも解るよね?」

男「なんだ、エサ用のトレイ……空なのか」

ネコ「なんだじゃないでしょ?朝から空なの!あ・さ・か・ら!」

男「あー、ちょっと待っててな……よいしょっと」

ネコ「早くしてよね。ホントなら缶切りで開けるヤツにして欲しいところだけど、
今回はいつものカリカリで許したげる」

男「……げっ」

ネコ「……何よ『げっ』て」

男「……無い」

ネコ「……はああああ?」

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ネコ「ふー!うにゃー!」

男「うわっ!何だよ、そんなに怒んなよ!」

ネコ「ちょっと!冗談よね?カリカリ無いなんて……!」

男「こらっ!袋の中入んなよ!」

ネコ「……無い」

男「こら!出なさい!」

ズルズル

ネコ「……ふーっ!しゃーっ!」

男「おわっ!何だよっ!」

ネコ「買って来なさいっ!あたしのエサ!早く!顔なんか洗わなくても誰も見てないから!」

かわいい

いいな。期待

期待。ねこさんの種類を聞こうか

種類は考えて無いです
毛色は↓で

おネコさま好きにはたまらん
是非とも完走しとくれよ

………………

ネコ「んー、自転車の前カゴに乗って浴びる風は格別ねー」

男「………………」

ネコ「……何よ。ちゃんと前見て運転しないと危ないわよ?」

男「……ネコの癖になーんて爽やかな顔してんだよ」

ネコ「……ムッ。何よその言い方?あんたがちっとも散歩とか連れてってくんないから
でしょお?玄関のドアだってネコスキマすら開けてくんないし」

男「……はー……」

ネコ「もー、ただでさえ辛気臭い顔が溜め息なんかついたら余計に……」

男「お前は気楽でいいよなぁ……」

ネコ「はあ?」

男「……お前に言ったって解んねーだろうけどさぁ」

ネコ「……ちょっとあんた、端から見たらネコに一生懸命話しかけてる怪しいおっさんよ?
あたしはあんたの言葉解るけど、人間の言葉しゃべらんないんだから……」

男「……まあいいや。お前に言ったってどうしようもないしな」

ネコ「……?」

……キキッ

男「よし、着いた。じゃあ買ってくるから、お前はここで大人しく待ってろよ」

ネコ「早くねー」

ガー……

ネコ「……そう言えば男さん、なーんか老けたわねー」

ネコ「男さんって確か……30歳?だっけか」

ネコ「あたしは人間で言うと20歳ぐらいだから……」

ネコ「まあ、人間の20歳とか30歳がどんなもんかあんまり解んないけど」

ネコ「男さん、もーちょっと若々しくてもいいよね」

ネコ「……確か……彼女いたよね?」

ネコ「人間って一年中発情期なんだから、もっと色んな意味で漲ってていいのに」

ネコ「ちゃんと交尾してんのかな?」

女子高生A「わー!ネコちゃんだー」

女子高生B「可愛いー」

ネコ「わわわっ、何よこの娘たちは!」

女子高生B「ねーねー、撫でてみようよ」

女子高生A「でもー、噛みついたりしないかなあ?」

ネコ「………………」

ネコ「ふう、あたしの可愛さの虜になった人間がまた2人……可愛さって罪よね……」

ネコ「さあ、どうぞ?ひっかきも噛みつきもしないから、好きなだけ撫でていいわよ?
……あ、でも乱暴なのはやめてね?」

女子高生A「わー、ネコちゃーん!」

ネコ「わっ、いきなり抱っこ?」

女子高生B「あー、いいなぁ」

ネコ「ったく……そんないきなりだと彼氏に嫌がられるよ?」

女子高生A「んー、すりすり」

ネコ「はい、すりすり……何よこの娘、あたしより年下な癖におっぱいがおっきいわね……
2つしか無い癖に」

ガー……

女子高生A「あっ」

女子高生B「あっ」

男「……あっ」

女子高生A「す、すみません!ネコちゃん可愛かったから、つい……」

男「ああ、いいんですよ……引っかかれなかった?」

ネコ「何よ!失礼ね!」

女子高生A「あ、大丈夫です」

女子高生B「あのぅ……名前何て言うんですか?」

ネコ「名前?」

男「名前?……ネコ」

ネコ「えっ」

女子高生B「えっ」

男「いやさ、こいつ子猫の時に拾ったんだけど、特に名前とか付けなかったし、何となく
ネコって呼んでたんだ。ネコって呼んだら来るし」

ネコ「そりゃあ呼ばれたら来るっつうの……エサくれるし」

ネコ「……ちょっとあんた、ひょっとしてあたしをダシにこの娘狙ってたりしてない?」

ネコ「ダメよ!あんたは30歳のおっさんで、この娘たちはピッチピチの女子高生!手なんか
出したらいんこーじょーれーでけーさつに捕まっちゃうのよ?あんたが捕まったらあたし
エサ食べれなくなんのよ?」

女子高生A「……なんかネコちゃんにゃーにゃー怒ってる……」

ネコ「あ、違うの違うの。今ね、コイツが何するか解んないからよーく言い聞かせてたの」

男「こら。あんまり怒るんじゃない」

ネコ「ふにゃ!彼女持ちでありながらあんたと言う人は……情けない!」

ネコ「ふにゃー!ふにゃー!」

うーむ惹きつけられるにゃ

猫じゃない何かにしかみえない…

佐久間レイで脳内再生余裕

………………

ネコ「………………」

ネコ「……ふにゃ」

ネコ「ふああああ……よく寝た……」

ネコ「今何時ぐらいかな……んんんっ」

ネコ「あー、もうこんなにお日様が高いじゃん……」

男「……ぐー……ぐー……」

ネコ「……男さんもネコ並みによく寝るわよねー」

ネコ「……ほーんと、幸せそうな顔しちゃって……」

ネコ「………………」

ネコ「ふにゃっ!」

ドダダダダダッ!

ネコ「ちょっと!男さん、そんなアホ面で寝てる場合じゃないでしょ!?」

ピョン!

ネコ「会社!仕事!お仕事行かないと!めっちゃ遅刻じゃん!」

男「んん……何だようるさいな」

ネコ「何だよじゃないっ!起きなさい!」

フミフミフミフミフミフミフミフミ

男「ううん…………」

ネコ「ちょっと!携帯のアラーム設定してなかったの!?バカ!」

男「うるせーよ……もうちょっと寝かせろってば……」

ネコ「寝てる場合かっ!」

男「んん……解ったよ」

ネコ「はーやーく!はーやーく!」

男「ふあああ、解ったからそんなににゃーにゃー鳴くな。近所に迷惑だろ……よいしょっと」

ボリボリ

ネコ「もう!背中かいてる時間があったら!……って、何やってんの?」

ガサガサ

ザザー……

男「昨日は奮発したからなー。マグロのカリカリだぞー」

ネコ「あー!もー!エサじゃないし!マグロカリカリは嬉しいけど違うの!お仕事!」

ピロピロピロン♪

ネコ「ほら、電話!こわーい課長からだぞ!」

男「んー……電話か」

『着信:彼女』

ネコ「……あれ?課長からじゃない……」

男「はい、もしもし?」

彼女『あ、男君?』

男「どうしたんだよ……メール見てくれた?」

彼女『その事で話があるんだけどさ』

ネコ「ん?メール?何の事?」

男「こら、ネコ!頭が邪魔」

彼女『え?何て?』

男「あ、いや、こっちの話」

彼女『……あのさ。会社辞めたってどう言う事か説明してくれないかな?』

男「んー……」

ネコ「……はあ?会社?辞めた?」

彼女『どうするの?会社なんか辞めちゃって、私言えないじゃん。お母さんにも、友達にもさ』

ネコ「………………」

男「いや、俺もさ、色々……」

彼女『取り敢えずさ、お互い距離置こうよ。こんなんじゃ私みっともなくて』

ネコ「は、はあ?」

男「お、おい」

プツッ ツーツーツー

男「……ったく……何なんだよ……」

ネコ「……なーんか、さっきの最後って引っかかるわね」

男「………………」

ゴロン

男「……あーあ、か」

ピョン

ネコ「あのさあ……ん?」

ナデナデ

男「……何かなあ……もう……何なんだろうな」

ネコ「………………」

ガバッ

男「……小便行ってこよ」

ネコ「………………」

ネコ「男さん……泣いてた……」

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