オケアノスのキャスター「英霊の座に還ると思ったらカルデアにいるんだが」 (57)


注意書き

fate/go

ネタバレ注意

誤字脱字

キャラ崩壊

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カルデア

キルケー(どういうことだ?)

キルケー(シバはまだ私が還る事を良しとしていないのか?)

キルケー(もしくは女神ヘカテーの導き――)

メディア「それで……どうして私の工房にいるのかしら」

キルケー「しょうがないだろ。外は寒いんだから」

キルケー「私だってなぁ。大変不本意なんだぞ」

メディア「私を縛り上げた癖によくもまぁ、顔を出せたものね」

キルケー「戻ってこいと言ってはなかったか?」ニヤニヤ

メディア「……まぁ、いいわ。とりあえずようこそ我がマスターのカルデアへ」

メディア「早速マスターのところへ――」

ギュ

メディア「……」

メディア「この手はなにかしら」

キルケー「いやー。そのー」

キルケー「君が私に会いに来るんだとか言ってしまった手前」

キルケー「自分からを顔を出すのは魔女のプライド的にちょっと嫌だ」

メディア「はぁ……じゃあなに。貴方はマスターに会いたくないの?」

キルケー「そうとは言ってないだろう!」

キルケー「白状するなら今すぐにでも……会いたいさ」

メディア(……叔母の乙女顔など見たくないのだけれど)

メディア「わかったわ。自然に出会えるように私が協力してあげる」

キルケー「おお! 流石は我が姪だ」

メディア「ただ、また捨てられてもしらないわよ」

キルケー「君の方が辛い捨てられ方をしているのによく言うよ」

メディア「篭絡するつもりが篭絡された女がよく言うわ」

キルケー「されてないし! まだされてないし!」

メディア(まだって……)

キルケー「大体ああいう気の多い男は――」

メディア「はいはい。とりあえずどう邂逅するか考えないと」

キルケー「それはもう考えているぞ」

キルケー「英霊召喚システムを利用するのさ」

………

ぐだ男「……」

ぐだ男「また今日もキルケーを思って眠れなかったよ」

ぐだ男「キルケー。僕を置いて英霊の座に帰るなんて……」

ぐだ男「うう寂しい」

ぐだ男「僕はもう君だけを見つめる。他の女のことは忘れるよ」

ぐだ男「だからどうか戻ってきてくれ……」

マシュ「先輩英霊召喚システムから――」

ぐだ男「なに!?」

キルケー「まったく君はしょうがないやつだな」

キルケー「君の思いの強さでついつい召喚されてしまったよ」

キルケー「ふふ。もう寂しくないよ!」

ぐだ男「キルケー記憶が……!」

キルケー「私が君を忘れるわけがないだろ」

ぐだ男「キルケー結婚してくれー!」ダキ

キルケー「よしよし。もうどこにもいかないからなー」

……

キルケー「というかんじさ」

メディア「……」

キルケー「どうかしたのかい?」

メディア「いや、キモイと思って」

キルケー「きも……!」

キルケー「そんな言葉どこで覚えたのさ!」

メディア「こんな妄想聞かされたら感想はそれだけよ」

メディア「若干自分の体験談っぽいのが入っててより一層キモさを加速させているわね」

メディア「それに英霊召喚されたとしてもマスターはフラットにコンゴトモヨロシク」

メディア「と、言われて終わりよ」

キルケー「そんなこと言った日には豚に変えてやるよ」

メディア「魔女らしく横暴ね」

キルケー「君も対して変わらないだろ」

メディア「まぁいいわ。とりあえずダヴィンチに相談してみる」スタスタ

キルケー「ふふ。その間にあいつがどんなに寂しかっているか覗いてみようか」

――

ダヴィンチ「んー」

メディア「立て込み中かしら?」

ダヴィンチ「いや、そうでもないさ」

ダヴィンチ「メディアから声を掛けてくるとは珍しいね」

ダヴィンチ「どんな要件だい?」

メディア「実は――」

……

ダヴィンチ「なるほど。オケアノスのキャスター」

ダヴィンチ「大魔女キルケーがねぇ」

メディア「そうなの。少しだけ手伝ってくれない?」

ダヴィンチ「その案に乗ってあげたいのは山々なんだが……」

ダヴィンチ「実は今英霊召喚システムは稼働していなんだよ」

メディア「……カルデアも変換期だものね」

ダヴィンチ「うむ。新しい所長が来るまではお休みなのさ」

メディア「マスターは?」

ダヴィンチ「知らないわけがないだろ?」


メディア「わかった。また協力してほしいことがあれば頼むわ」

ダヴィンチ「それにしてもあのメディアが叔母のために人にものを頼むとはね」

メディア「黙りなさい。熱々の鍋にぶち込まれたいの?」

ダヴィンチ「おお、怖い怖い」

メディア「まったく……」

――

工房

メディア「悪い知らせよ」

キルケー「……」

メディア「どうかしたの?」

キルケー「あの男……そんなに私を怒らせたいのか!」

……

キルケー「準備完了。今頃あいつは私がいなくてむせび泣いているに違いない」

キルケー「ぼんやりと水晶にあいつの影が写ってきたな」

ぐだ男『……』

キルケー「……なにやら難しい顔をしているな」

キルケー「もしかして私のことを考えて」

キルケー「ふふ。カワイイやつめ」

ぐだ男『マシュへのクリスマスプレゼントはなににしようか……』

キルケー「……」

キルケー「必死に別の女のことを考えて気を紛らわしているだけだな」

キルケー「うん。そうだ。そうに違いない」

……

カルデア 食堂

ぐだ男『ん。この味はマシュが好きそうだ』

キルケー「……」

……

エミヤルーム

ぐだ男『それでさ。一昨日マシュと少しだけ喧嘩しちゃってさ』

エミヤ『そうなのか? 昨日二人が話しているところを目撃したが』

エミヤ『いつも通り親しかったじゃないか』

ぐだ男『まぁ、そこは俺とマシュなんで』

キルケー「……」ピク

……

マイルーム

マシュ『先輩寝ぐせついてますよ』

ぐだ男『あー本当だ』

マシュ『私が直してさしげますのでここに座ってください』

ぐだ男『うん。よろしく頼むよ』

マシュ『はい!』

キルケー「………アァァァァァア!」

――

キルケー「なんなんだあいつは!」

キルケー「馬鹿の一つ覚えにマシュ、マシュ、マシュって!」

メディア「要約すると自分のことを忘れて」

メディア「他の女にかまけているのが気に入らないと」

キルケー「気に入らないとは言っていない」

キルケー「ただあのだらしない顔にムカついただけだ」

メディア「意味合いは同じだと思うのだけれど……」

メディア「あの二人の関係は気にしちゃダメよ」

メディア「特異点であなたも二人の仲の良さを見てきたでしょ?」

キルケー「それはそうなんだけどさ……」

キルケー「ちょっとくらいマシュじゃなくて」

キルケー「私のことも思い出してくれたっていいじゃないか」シュン

メディア「……しょうがないわね。私が思い出してくれるよう――」

キルケー「いや、そうか。そうじゃないんだ」

メディア「ん?」

キルケー「マシュがいるから私を思い出せないんだな」

キルケー「……マシュを豚に変えよう」

メディア「え」


メディア「そ、そんなことしたらマスターが……!」

メディア「って、もういないわね」

メディア「……ああなったら止められないわ」

メディア「全く。あなたの目的は思い出してくれることじゃないでしょうに……」

メディア「とりあえずマシュを元に戻す薬を予め作っておきましょう」

飯と風呂に行ってきます

再開は今日の八時か九時で


――

食堂

マシュ(さて、今日はどれを食べましょうか……)

おばさん「マシュちゃん食べるものに困っているんだったらこれどう?」

マシュ「これは……麦粥ですね!」

マシュ「キルケーさんの作る麦粥はとても美味しかったんですよ」

おばさん「その話を聞いてちょっと作ってみたんだけど味見役になってもらっても構わないかい?」

マシュ「はい。では早速一口……」

おばさん「……」ニヤ

……

マイルーム

マシュ(ん……ここは先輩のマイルーム)

マシュ(お話したいことがあって来たのはいいのですが)

マシュ(結局先輩はいなくて……ああ、寝てしまったんですね)

マシュ(……それにしてもやけに天井が高いですね)

マシュ「ブヒ?」

マシュ(か、鏡に映ってる私がなぜか豚になっているんですが!?)


――

キルケー「ふふ。マシュ。おばさんに扮装して一服盛ったことを悪く思わないでくれよ」

キルケー「どちらかと言えば君の事は好きな方だったけど……」

キルケー「こうなってしまったからには仕方がないんだ」

キルケー「これでしばらくすればあいつは私のことを思い出してくれるはずだ!」

キルケー「間違いない!」


――

マイルーム

ぐだ男「んー、マシュからほしいものがないか聞こうと思ったのにどこにもいないなー」

マシュ「ブヒー(先輩!)」

ぐだ男「あれこんな所に豚がいるな」

マシュ「ブヒブヒ!(先輩気づいてください! 私です)」

ぐだ男「……」

ぐだ男「厨房から逃げてきたのかな。戻しにいかないと」

マシュ「ブヒー! (ま、丸焼きになっちゃいます!)」


ぐだ男「でもこの豚……やけに可愛く見えるというか誰かに似ているというか」

マシュ(せ、先輩もしくは私に気付いて……)

ぐだ男「とりあえず抱っこしてよく見てみるか」

マシュ(あ……)

ぐだ男「おーおー、大人しい奴だな」

ぐだ男「あ、わかったぞ。マシュに似てるんだ」

マシュ(先輩……!)

ぐだ男「あはは、明日マシュに見せてやろっと」

マシュ「ブヒーーー!(本人だとはやっぱり気づかないですか!)」


ぐだ男「頭を撫でてみるか」

マシュ(あ……)

ぐだ男「って、豚が頭撫でても喜ばないか……」

マシュ「……♪」

ぐだ男「あ、でも目を細めて気持ちよさそうにしてる」

ぐだ男「……大人しいし今日はこいつを抱き枕にして寝るかな」

マシュ(ええ!?)


ぐだ男「よいしょ」

マシュ(わ、わわ、私は今先輩と同じベットに……!)

マシュ(もしかしたら朝までずっと私は……)

ぐだ男「あー、生暖かくてちょうどいいや」

ぐだ男「はは、お礼にお腹を撫でてやろう」

マシュ「ぶ、ブヒ!?(ちょ、ちょっと先輩どこ触ってるんですか!?)」ジタバタ

ぐだ男「お? 嬉しいのかー?」


――

メディア 工房

キルケー「……」

メディア「……」

キルケー「なんだこの羨ま……しくはないけどね!」

メディア「ねぇ、貴方の目的はマスターと自然に会うことでしょ?」

メディア「こんなことしなくてもいいのでは?」

キルケー「いいや。ただ自然で出会うのはダメだ」

キルケー「私が求められていなければ意味がないんだよ」


メディア「ならこの方法はやめたほうがいいわ」

キルケー「なんでよ」

メディア「きっとマスターのことだからマシュがカルデアから消えたってわかったら」

メディア「貴方の妄想がマシュの立場になってしまうわ」

キルケー「……」

メディア「時には受け入れることも大切よ」

メディア「あなたはまだマシュほどの立場じゃないのだから」

キルケー「まさか君に諭されるとはね……」

キルケー「……でも尚更今は会えないよ」

キルケー「誰だっけ……とか言われたら悲しいし」


メディア「どんな鳥頭よ」

キルケー「可能性はゼロじゃないだろ!」

メディア「全く面倒な叔母ね」ボソ

キルケー「今なにか言ったかい?」ギロ

メディア「なんでもないわ」

メディア「とりあえず思い出してもらえればいいんでしょ。なら私がなんとかしてあげる」

キルケー「本当か!?」


メディア「ええ。だからマシュはもう元に戻してあげるわ」

キルケー「むぅ……仕方がないな」

メディア「後ちなみに英霊召喚システムはいま使えないらしいから別の方法を考えておいてね」

キルケー「はぁ!? そうなのか?」

メディア「色々あるのよ」

キルケー「く……計画を一から練り直さないと」

メディア(どうせ杜撰なものでしょうけどね)

――

翌日

ぐだ男「んー、起きたらあの豚はいなくなってたんだけど」スタスタ

ぐだ男「一体あれはどこから来たんだ?」

ウィーン

ダヴィンチ「ああ、御足労頂いてわるいね」

ぐだ男「いいよ。それで今後のカルデアがどうなるかについての話だね」

ウィーン

マシュ「……あ、先輩ここにいたんですね」

ダヴィンチ「どうかしたのかい? 随分と疲れた様子だけど」


マシュ「先輩……き、昨日の夜のこと私忘れませんから!」

ぐだ男「は!?」

ダヴィンチ「ほうほう」ニヤニヤ

マシュ「それだけです!」タッタッタ

ぐだ男「ちょ、ちょっと待って!」

ぐだ男「き、昨日の夜はマシュに会ってないはずなんだけど!」

ダヴィンチ「これはカルデアに幼きマスターが現れる日はそう遠くはないかな」

ぐだ男「いや、まだなにもしてないからね!?」

清姫「ますたぁ。まだってどういうことですかぁ?」

ぐだ男「ヒッ!? いたの!?」

清姫「浮気は駄目ですよー?」

寝ます

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