アライさんの脳天をスコープの照準に捉え、静かに引き金を引く14 (692)

~前スレ~


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~ストーリーの概要~

日本中に巣食う、害獣アライグマのフレンズ。
生き残りはあとわずか。

このまま殲滅することができるであろうか?

~登場人物~


・俺(♂)
猟師であり、アライさんを仕留めによく山へ行く。
『特定有害駆除対象フレンズ一斉掃討作戦』の重要な戦力の一人。

・食通の友人(♂)
ジビエ料理店『食獲者』の店主。
アラジビ料理を扱っている。
やがてアラジビ料理は終わり、元の平和なジビエ料理店の店主へと戻るだろう。

・理科の先生(♂)
サンドスター科学研究所の主任。
彼にとってアライさんは実験用モルモット以下の扱いのようだが、人類へ公益をもたらす福音としての可能性を見出だしている。

・MCチヘドロー(♂)
「アライデスゲームTV」の運営者。
アライさんが繁殖し害獣となるよりずっと前から、アライさんを嫌っていた。

・大臣(フレンズ)
フレンズ省の大臣。
フレンズに関わる多くの物事を管轄している。
一斉掃討作戦では最前線で戦うようだ。

・会長(フレンズ)
『特定有害駆除対象フレンズ根絶委員会』の会長。
ジャパリミン不足により、野生の本能が戻りつつある。本人にその自覚はない。

・ブラウンP(フレンズ)
アラジビ料理人の一人。
恐怖や苦痛の表情の写真を取るのが趣味。
ジャパリミン不足により、狩猟の悦びを求めずにいられなくなっている。

・清掃員(フレンズ)
アライグマのフレンズ。
特殊清掃員として働かせてもらっている。

・キツネ(フレンズ)
清掃員の親友。
保健所の職員だが、アライさんハンターでもある。
累計アライさん掃討数は全国ランキング一位。

・山小屋アライさん(フレンズ)
戸籍持ちのアライさん。
森のロッジの仲間達を生き残らせるために、ヒトと手を組んで害獣の間引きをしている。

・白衣のフレンズ(フレンズ)
サンドスター科学研究所に所属しており、一斉掃討作戦の戦闘員の一人である。
着ている白衣はフレンズとしての本来の衣装ではない。

・教授(?)
サンドスター科学研究所にいる人物。
作中ではこれまでに3度、泣き出して嘔吐している。
理科の先生のせいで。

~目録~

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・歩行訓練と狙撃
・アラジビフェスとショクエモンP
・農夫への報復
・特定有害フレンズ駆除促進のための法律
・大臣とアライちゃんバーグ
・ブラウンPとアラフライ定食
・若い猟犬のデビュー
・戸籍取得の案内人、キツネ



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・アライデスゲームTV
・ブラウンPvsショクエモンP
・報告書3~フレンズの胚~
・残ったデブアライさんの行方
・報告書6~フレンズのレベル~
・プロジェクト・フォアグライ
・実験10 ~レベル継承実験~
・高額取引されるアライちゃん
・実験5 ~サンドスターレーダー~
・実験10 成果報告メモ
・アライハザード① ~襲撃される村~
・アライハザード② ~侵入される都市~
・実験1 ~救命成功~
・アライハザード③ ~防衛のホルスタイン~
・アライハザード④ ~反撃の狼煙~


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・実験3 ~高分子プログラミング言語~
・アライハザード⑤ ~村への救援~
・アライハザード⑥ ~避難所防衛~
・アライハザード⑦ ~会長と大臣~
・報告書5 ~アライグマの精神構造の特異性~
・アライハザード⑧ ~ゴキブリホイホイ作戦~
・アライハザード⑨ ~とうほくちほーのフレンズ達~
・アライハザード⑩ ~フォアグライ加工場~
・報告書10 ~レベルアップと身体能力~
・アライハザード⑪ ~国会議事堂防衛戦~
・アライハザード⑫ ~死体の山の刺客~
・実験9 ~サンドスターと捕食~
・アライハザード⑬ ~アライキング・ボス~
・アライハザード⑭ ~決戦と決着~

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・後始末と救助
・シャークP
・ベスト・オブ・アラ虐と好きな人物は?
・種族を超えた絆
・報告書11 ~フレンズの成長スピード~
・実験2 ~ジャパリパークシステム~
・ジャグラーと観客
・お寺の床下
・ありゃいちゃんぷゆー、つくゆのだ!
・清掃員とキツネとブラウンP
・伊達メガネと腕輪



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・たのしい理科 ~振り子~
・アライさんの農業
・物置小屋と男児の夢
・たのしい理科 ~落下~
・好きな悲鳴は?
・ひったくりのアライさん
・山小屋のアライキングダム
・アラしゃぶと掃討作戦



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・窮地を脱するジャパリスタジオ
・悪魔の帰還
・刑期終了と腕輪
・サンドスター科学研究所と理科の先生
・山の中へ温泉施設が建設されるまで
・報告書12 ~フレンズの選択的習性~
・山小屋のトレーニング
・もしもアライさんがハンドルを握ったら
・デスゲラジオ
・デスゲーム企画会議
・檻に囚われた親子
・デスゲームTV① ~イントロダクション~

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・デスゲームTV②~たのしいアスレチック~
・デスゲームTV③~害獣の本性~
・デスゲームTV④~エクスキューション~
・MCチヘドローのデスゲラジオ
・犬小屋と電動工具
・アライさんが人命を救うのに役立つたったひとつの方法①



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・アライさんが人命を救うのに役立つたったひとつの方法②
・サイクリング&フィッシング
・アライさん喫煙疑惑
・ビープレ建設の再構築(リストラ)
・アライしゃん人生最初の試練
・ハエガイジャーキー
・アライさんを滅ぼすということ①


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・アライさんを滅ぼすということ②
・日本はフレンズを炙りガイジと称して虐殺する野蛮な国だ
・あるアラ信の面会
・アライさんネバーランド計画の提案
・医学実験モルモットのアライさん
・皮膚移植手術
・コタツの中の戦争
・ジャパリパークのホルスタイン一家
・アライさんネバーランド計画の準備
・ラストアラジビフェス① ~ブラウンPと善意の刃~

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・ラストアラジビフェス② ~ブラウンPの悪意の刃~
・ラストアラジビフェス③ ~発酵アライスカ~
・鷹とアライと葡萄の甘露
・一斉掃討作戦決起集会
・アラジビアンコール① ~アライおろし~
・アラジビアンコール② ~しゅきしゅきぐつぐつ~
・白カビより這い寄るイレギュラー①



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・白カビより這い寄るイレギュラー②
・人工衛星パークキーパー
・激走!アライカート
・自然地域・夜班 ~ハクビシンとの邂逅~
・自然地域・昼班 ~毛繕いと火炎放射~
・都市部・夜班 ~仏壇とアライディスパッチャー~
・ジャパリパークとけもシコ禁止令
・ジ・エンド・オブ・アライキング・ボス
・大久野島植林作業
・猫の命、アライさんの命


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・白カビと、ネズミ取りと、猫と
・自然地域・昼班 ~捕らわれたでかいネズミ~
・チヘドローとショクエモンP、ふたりの未来
・焼肉屋アライさんの誘惑
・アライさんを滅ぼすということ③
・火山とフレンズとジャパリミン
・アライさんを滅ぼすということ④
・アライアンスと栄光の一番星

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(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1510937179/)
・白カビのレッドクリスマス
・八ツ橋と粘着テープ
・アライアンスと破滅の流れ星
・車と石とアライしゃんの絵
・我ら自称害獣ハンターズ
・回収される白カビ
・フォアグライかこうじょうけんがく
・かっとばせ!アライバッティング
・アラアンチと罠とフレンズの涙
・ウォッシュ君と大久野島の苦労
・アライヴ・ライク・ア・クロケット①
・食べ尽くせ!アライフードファイト

テンプレここまで

乙です。昨日はワンちゃんが活躍してましたので
https://www.youtube.com/watch?v=UkhLscdoRjw
https://www.youtube.com/watch?v=k6aKm6u_VPU

>>11
どうもです
1番目で最初に聞こえたクソキモい声は、マジでラクーンなんでしょうかね…?
木から引きずり落とすシーンが好きです

2つめは、狙撃がキマッて木から落としたとこが爽快ですね
その後犬に襲われてピギイイィイイって声出してるとこもいいですね
腹を引きちぎって内臓ブチマケるところは最高です



~フレンズ省 本部前~

アラ信1「アライさんを殺すなー!」

民衆「「アライさんを殺すなー!!!」」

アラ信2「暴力に頼るなーー!」

民衆「「暴力に頼るなーー!!」」

アラ信1「命を弄ぶなー!」

民衆「「命を弄ぶなー!!」」



~フレンズ省 本部内~

職員「アラ信の抗議運動はどんどん活発化していますね…」

副大臣「うむ。大臣なんて毎日どれだけ殺害予告されてることか…」

職員「こんな動画が、国内のアラ信から海外へ発信されてますよ」

副大臣「どれどれ…」



『あなたは覚えているだろうか?』

『30余年前、我々はセルリアンの脅威に脅え、命を奪われてきたことを』

『あなたは覚えているだろうか?』

『20余年前、フレンズ達がジャパリパークからやってきて、セルリアンと戦ってくれたことを』

『たくさんのフレンズが、たくさんの人々が犠牲になり、共に勝利を掴んだことを』

『我々人類は、フレンズ無しでは滅亡していた』

『フレンズには、感謝してもしきれない恩があるということを』

『あなたは知っているだろうか?』

『そのフレンズが今、日本国内では虐げられて、虐殺されていることを』

『笑い者にされ、命を弄ばれ、尊厳を奪われていることを』

『その被害者は、アライグマのフレンズ、アライさんだ』

『彼女達は、15年程前、日本列島の火山の噴火により誕生した』

『そして、アライグマと子を作り、爆発的に増加した』

『やがて自然の中が食糧不足となってから、アライさんは生きるために畑や家畜に手を出すようになる』

『何のために?…生きるためだ』

『政府はアライさん達との共存の道を捨て、彼女達を駆除するようになった』

『それだけではない。差別し、弾圧し、命を弄び、虐殺を楽しみ、苦しめることを奨励するようになった』

『そして今、一斉掃討作戦により、森の奥でひっそりと暮らしている罪の無いアライさんまでもがとばっちりを受け殺されている』

『何の罪も犯していないのに!』

『…これが、国家が為す行いとして、健全なものだろうか?』

『食糧不足で困窮しているフレンズへ、手を差し伸べず、差別し、弾圧し、虐殺することを奨励するのが』

『本当に、かつてフレンズに救われた人類の行いとして、正しいことであろうか?』

『畑から作物を盗み、家畜を襲ったアライさんが裁かれるのは、当然の報いだ』

『農家や酪農家の生活と安全を守るためにも、仕方の無いことだと言えるだろう』

『だが、本当に殺さなくてはいけない程なのか?』

『我々人間は、畑の野菜を盗んだとしても、賠償や懲役こそあれど、死刑になったり、残虐な私刑に処されることはない』

『なのになぜ、アライさんは残酷に惨たらしく殺されなくてはならないのか?』

『日本政府は、アライさんを惨たらしく虐殺し、金稼ぎに利用することを奨励している』

『こちらの映像をご覧頂きたい。日本国民は、アライさんという意思ある生き物を、こんな風に残虐に殺している』



ブラウンP「アライちゃん、今日は私に何を作ってくれるのかな?」

アライちゃん「ありゃいふぉんでゅー、つくゆのだぁ!」シッポフリフリ

ブラウンP「ふふ、ありがとう。それじゃ早速、作ってごらん。チーズフォンデュの材料は、そこに用意してあるよ」

アライちゃん「うゆぅ!おいしそーなのだぁ!」コスリコスリシャカシャカコスリコスリシャカシャカ

ブラウンP「はい、鉄串だよ。これに刺してね」スッ

アライちゃん「のあ、てつくしなのだぁ!おねーしゃんのために、がんばゆのだぁ!」

アライちゃん「まずは、そーせーじしゃんをさすのだぁ!ぐさぁ!」ドスゥ

アライちゃん「つぎは、ぶろっこりーなのだぁ!たあ~!」ドスゥ

アライちゃん「これは…ぱんなのだ!ぱんもさすのだ!」ドスゥ

ブラウンP「ふふ、いっぱい刺さってて美味しそうだね」

アライちゃん「これを、ち、ちーずに…うぅ、くしがおもいのだぁ!」フラフラ

ブラウンP「頑張って、ほら」

アライちゃん「ふぉんでゅーすゆのだぁ!たあ~!」チャプン

アライちゃん「できたのだぁ!ちーずとろとろなのだぁ!さ、ぶらうんおねーしゃん!いつもありがとなのだ!」

アライちゃん「あらいしゃんの、とくせーあらいふぉんでゅー、たべゆのだぁ!≧∀≦」シッポフリフリ

ブラウンP「ふふ。ありがとう…でもその前に、ちょっとやってほしい事があるんだ。私のお願い、聞いてくれるかな?」

アライちゃん「まかせるのだぁ!ありゃいしゃんに、おまかせなのだぁー!」フフン

アライちゃん「ぶらうんおねーしゃんは、いつもやさしくしてくれゆのだぁ!きょーはあらいしゃんがおんがえしすゆひなのだぁ!≧∀≦」

ブラウンP「いい子だね。まずは、お洋服を脱いですっぽんぽんになってもらえるかな?」

アライちゃん「まかせるのだ!ぬぎぬぎすっぽんぽーんっ!」ヌギヌギ ポイッ

ブラウンP「さあ次は、カメラに向かってセクシーポーズだ」

アライちゃん「せくしーぽーずなんなのりゃ?」キョトン

ブラウンP「こないだ私がお手本見せて教えたやつだよっ」アセアセ

アライちゃん「ああ、あれなのだ!…うっふーん、えむじかいきゃくなのだぁ~♪」パッカーン

アライちゃん「そして、くぱぁすゆのだ~♪うふーん、おててでわれめしゃんおっぴろげなのだぁ♪」クパァ

ブラウンP「そのまま目をつぶってね」(チーズフォンデュ串を掴む)ガシィ

アライちゃん「おめめつぶゆのだ~♪」フンフン

ブラウンP「ところでアライちゃん…チーズは好きかな?」

アライちゃん「だいしゅきなのだ!ちーずさん、あびるほどいーっぱいたべたいのだぁ!」

ブラウンP「それはいいね…。実は、アライフォンデュはね。まだ完成じゃないんだ」

アライちゃん「のあ?どーすゆのだ?-∀-」

ブラウンP「こうするんだよっ!!」ブスウゥッ

アライちゃん「ひぎぃ!?ぎびいぃぃぃぃぃいいーーーーーっ!!!いぢゃいのりゃあああああーーーーっ!!」ブシュウゥ

アライちゃん「お、おねーしゃんっ!いぢゃいいいーーーっ!ありゃいしゃんのおまたとおながいぢゃいのりゃあああああああっ!ぎびいいいいぃーーーっ!」ドクドク

ブラウンP「君自身が材料になるんだよ!さあ、熱いチーズに浸かりなよ!」グイイ チャプン

アライちゃん「ごぼっ…ごぼぼ!ぶはぁあぁっ!いぢゃい!あぢゅいぃいーーっ!ちーずあぢゅいいいいのりゃああーーっ!」ベトベト

ブラウンP「あははは!チーズでべとべとだねぇ!浴びる程食べたいんだろう?遠慮せず、溺れるほど!もっともーっと!熱く溶けたチーズを飲み込んじゃいなよ!」グイイイイイ

アライちゃん「ごぼ…がぼっ!うぎゅ…!」ジタバタベチャベチャ

チーズまみれアライちゃん「ぶはぁっ…おね、しゃ…だぢゅ…げ…いいこに…すゆか…ら…」グツグツ

ブラウンP「うん?十分いい子じゃないか。家畜としては上出来だよ!」ドボンッ

チーズまみれアライちゃん「ふ…ぶく…ぶくぶく……」グツグツ

チーズまみれアライちゃん「ぶはぁっ…」グツグツ

チーズまみれアライちゃん「」グツグツ

ブラウンP「…このまま、中までよーく煮えるまで、10分待つよ」グイイイイイ

ブラウンP「私は生でも平気だけど、世間一般では火が通ってた方が受けがいいからね」

『10分経過』

ブラウンP「さーて、出来上がりだ。アライフォンデュ、完成だ」ザパァ

アライフォンデュちゃん「」トローリ

ブラウンP「では、頂きます…はぐっ、ぼりぼり…」モグモグ

ブラウンP「…うん!柔らかくてジューシーで、とっても美味しい。アライちゃん、パン、ブロッコリー、ソーセージのアライフォンデュ。あなたもおひとついかがかな?」スッ



『…信じられるだろうか。この人物は、幼い命を、笑いながら、遊びながら虐殺した』

『この人物は非難されるどころか、日本国民に支持され、賞賛されている』

『この行いのどこに正しさが、モラルが、道徳があるというのだろうか?』

『この現状を変えたいと思うあなたに、どうか手を貸していただきたい』

『方法は簡単だ。アライさん特区を作り、そこへアライさんを移住させればよい』

『繁殖に制限をかけ、余りある食糧を提供すればいい』

『アライさんは手先が器用なフレンズだ。様々な仕事で、我々の手助けをしてくれるだろう』

『元より日本の国土は、セルリアンに支配されていた土地を、人間とフレンズが共に奪い返したものだ』

『であれば、人間が全ての土地を独占するのは、おかしいのではないか?』

『我々は、フレンズと、アライさんと助け合うことを選ぶべきではないだろうか?』

『アライさんを助け、アライさんに助けられる。互いに支え合う道を模索すべきではないだろうか?』

『非道な日本政府と、残酷な日本国民によって、全てのアライさんが滅ぼされる前に』

『優しい世界を作るために、正義のために。正しいことを為す一員として、勇気を出して手を貸してほしい』




職員「…という映像です」

副大臣「…我々を悪役扱いし、アライさんを悲劇のヒロイン扱いし、視聴者を正義のヒーロー扱いか。…意趣返しというわけか?」

副大臣「大体、アライハザードの件に全く触れていないじゃないか。テロリスト集団に支援するアホがどこに居る?」

職員「全くです」



~国際会議~

イギリス首相「…ところで日本首相。今、世界中からアライさん虐殺を止めるように、署名活動が行われているとのことだが…」

イギリス首相「…物凄い数の署名が集まっている。日本政府はこの意見を、どう受け止める?」

日本首相「しょせん対岸の火事と思っている偽善者の綺麗事です。当事者でもないのに口を出される謂れはありません」

日本首相「フレンズだから手を差し伸べる?本質を見るべきです。皆様はテロリストの祖国へ経済支援を行いますか?…アライさんは、そういうものです」

日本首相「あれは虐げられている弱者ではありません。我々日本政府を経済破綻の危機へ追いやり、国民の生活と未来を奪う、極めて危険な『外敵』です」

日本首相「端的に言うと、日本はアライさん達に戦争を仕掛けられていると言ってよいでしょう」

アメリカ首相「しかし我々は、戦争の相手を惨たらしく見せしめに虐殺したり、笑い者として遊びながら殺したりはしない」

日本首相「…」

アメリカ首相「…一度、冷静になって考えてみてはどうか?…アライさんに対する自衛と掃討は問題ないとしても、残虐に殺し貶めることが本当に必要か?それが善行か?」

日本首相「必要ですとも」

アメリカ首相「…根拠を聞かせてもらおう」

日本首相「ご存じの通り、我々はセルリアンの被害から襲撃し、やっと2020年代程度の文明を取り戻したところです。経済的に、非常に厳しい状態といえるでしょう」

日本首相「そんな中、あれほどの異常な繁殖力と寿命をもち、レベルの高い者が群れれば武装警官隊すら突破する…。そんな危険な敵と、延々と戦い続けなくてはならない」

日本首相「当然、軍事費用も、国税も上がりっぱなしです。アライさん被害が拡大し始めた当初は、軍事費用に反比例するように、景気は下落の一方でsた」

日本首相「国民は苦しい増税に生活を圧迫されていました」

日本首相「…しかし、ある男…。研究者上がりのジャーナリストが、アラ虐と呼ばれる行為…。アライさんをただ駆除するだけでなく、虐殺する行為を提唱し始めました」

日本首相「彼の提唱した行為は、日本中で熱狂的な渦を巻き起こしました。とりわけ注目すべきは、あるジビエ料理人とその仲間が提唱した『アラジビ料理』です」

日本首相「彼らは、アライさんの肉が牛・豚・鶏以上に美味であることを発見し、アラジビブームを巻き起こしました」

日本首相「流石にカニバリズムに抵抗のある者は多く、実際にアラジビを口にする者はごくごく少数派ですが…」

日本首相「彼らの活動は、経済活動となり。いつしか、日本の景気回復にまで貢献し始めました」

※ちょいと訂正します

※今までの『首相』の部分は、『元首』へ読み替えて下さい

フランス元首「アラジビか。…優れた食文化ですね。とりわけフォアグライは本当に優れた食材ですね」

中国元首「…もうすぐ無くなるのは残念だけどネ」

フランス元首「…」

日本元首「お分かり頂けましたか?我々日本政府がアラ虐を奨励するのは、国民の生活を維持するために他なりません」

日本元首「どこの誰ぞとも知らぬ部外者の感傷に流され、再び国民を経済危機に追いやるわけにはいかないのです」

アメリカ元首「…それが日本政府の立場か。…立場をはっきりさせたのなら、それを明言すべきだな」

イギリス元首「我々とて、内政干渉する気は無い」

ドイツ元首「…」

アメリカ元首「まあ、アライさんの話はもういいだろう。これ以上、我々の貴重な時間をあの害獣に奪われるわけにはいかない」

中国元首「野菜や人命だけでなく、会議の時間すら奪うとは…つくづく許せない害獣ネ!」

フランス元首「wwwwwww」

ドイツ元首「もっともです。…とはいえ日本政府は、あの害獣による被害をくれぐれも国外に影響・拡散させないように、細心の注意を払うようにお願いします」

日本元首「元より存じ上げております。…では、次の話を…」

つづく

~オマケ~

副大臣「しかし、『人類のために戦ったフレンズに救いを』とは。全く、野良アライさん達は何の貢献もしていないというのに…」

職員「セルリアンとの戦い…。私が子供の頃のことですね」

副大臣「うむ。セルリアン達は、突如世界中に出現し、人類を襲撃した。そして、様々な電子機器や文献に侵攻し、そのデータを吸収していった」

職員「…そのせいで、かつての科学文明が失われて、今のレベルまで技術が落ちたんですよね。…科学技術のデータを、世界中のバックアップごと吸収するとは…」

副大臣「…しかし、その影響か。元々は旧ジャパリパークでしか活動と形態維持ができなかったはずのフレンズ達が、パーク外で活動できるようになった」

副大臣「そして、日本にいたセルリアン母体を破壊し、世界を救ったというわけだ」

職員「…そのときの出来事のせいで、旧パークが汚染されたのは可哀想ですけどね…」

副大臣「…故郷を失ったフレンズ達のために、我々フレンズ省の人間達が、彼女達をサポートしてやらねばな」

職員「サポートしたいのはやまやまなんですが…。『新』ジャパリパークの方は、アレ何とかならないんでしょうかね?」

副大臣「…」

職員「あんな刑務所みたいなとこ居たくないって、あちこちの野生フレンズが言ってますよ」

副大臣「…一応、対応策は動いているよ」

職員「あ…そうでしたね…」

つづく

※あ、あれ…?なんでロシアがいないんだ?なんでドイツがいるんだ…?

※訂正します
>>66>>67の「ドイツ元首」は、「ロシア元首」に読み替えて下さい

そうしてアライちゃん達は成長していき…
飼育するにあたり需要がない大きさに育っていった。

アライちゃん1「うぅーっ!だーれもかってくれないのだ!」シッポフリフリ
アライちゃん2「しっぽのだんすも、しっぽのおうたもおべんきょーしたのにぃぃっ!」シッポフリフリ

客1「…」スタスタ

アライちゃん3「あ、おきゃくさんなのだ!きくのだ!しっぽのだんすらいぶなのだ!」シッポフリフリ

アライちゃん4「しっぽのだんす♪だんす♪だんすなのだ♪しっぽふりふりあらいしゃん♪かわいーかわいーあらいしゃん♪」シッポフリフリ

客1「くそきめぇ…」

飼育員「こりゃもう駄目だな…」

アライちゃん1~4「「「「こんなにかわいーあらいしゃんが、なんでかってもらえないのりゃああ~~!!」」」」ビエエエエン シッポフリフリフリフリフリフリ

あっやべ
別のとこに投下してる文章書いちゃった

上のは読み飛ばしてください

~夜、森の中~

アライちゃん1「のだっ、のだっ!ここはあらいしゃんのなわばりなのだぁ!」フゥーッ

アライちゃん2「しんにゅーしゃはぶっこよしゅのだぁ!」フゥーッ

アライグマは縄張りを作らない動物だと聞いたが。

アライちゃん1「はいってくるなら、よーしゃしないのだぁ!たあ~!」ヨチヨチヨチヨチ

アライちゃん2「たあ~!」ヨチヨチヨチヨチ

アライちゃん達が俺を睨み付けながら、俺の足下へ這い寄ってきた。

アライちゃん1「はぐ!はぐ!がぶがぶ!」アギアギ

アライちゃん2「あぐあぐ…はぐはぐ!」ハグハグ

アライちゃん達は、俺の革靴を噛んでいる。

アライちゃん1「ふふーん!どーだ!いたいだろおおぉぉ!」フシャアアアアア

アライちゃん2「ありゃいしゃんたちのなわばりからでていかないなら、このままぶっころしゅのだぁ!はぐはぐ!」アギアギ

…俺は、足下にまとわりつくアライちゃん2匹の胴体を、2本の足で踏みつけた。

アライちゃん1「ふぎゅぎぃいぃぃぃぃぃいいいいーーーーーーーっ!ぎびいいいぃぃぃいいーーーーーっ!!!びぎーーーーーっ!!」グシャメギボギ ゲボォ

アライちゃん2「ぶぎゅうううぅぅぅぅぅぅっ!!」ブチャグチャブホォ

足の裏から、骨と内臓が潰れる感触が伝わった。

ヒグマ「…何だったんだ?こいつら…」

…先に進もう。

む…レーダーに反応ありだ。
目の前に来るぞ!

森の茂みが、ごそごそと音を立てる。
やがて、レーダーの反応の主が姿を現す。

ヒグマ「な…何…っ!?」

俺達の前に現れたのは…




https://i.imgur.com/DHh8KBY.jpg
https://i.imgur.com/7sVdmHr.jpg





…口のまわりや手が血に染まった…、アライさんではないフレンズであった。

目の前のフレンズは、ヒグマ隊長と同じ姿をしていた。
違いといえば、ヒグマ隊長の方が筋肉質でがっしりしており…
…目の前のフレンズは、げっそりと痩せこけているくらいだ。

野良ヒグマ「…やあ…。お前も…ヒグマのフレンズか?」

ヒグマ「…あ、ああ、そうだ。驚いたな…。私以外にも、ヒグマのフレンズがいたのか…」

野良ヒグマ「…はは。私など、もうフレンズじゃない…。ただの獣だ」

ヒグマ「…何があったんだ?そんなに痩せて…」

野良ヒグマ「…私はフレンズになる前から…フレンズになっても…。肉食動物として生きてきた」

野良ヒグマ「鹿やウサギを狩ったり、川魚を獲ったりしてな…」

しかしあのアライさん達が森で大量繁殖したせいで、食べ物が無くなった…といったところか。

野良ヒグマ「…」

野良ヒグマ「…ああ。冬眠から醒めたら…すっかり無くなってしまっていたよ」

…『冬眠から醒めたら…?』
その前は十分にあったのか?

野良ヒグマ「…はは。実を言うとな。私は遠くの森からここへ来たんだ。食べ物を求めてな」

野良ヒグマ「だが…どこを探しても、食べ物は無くなっていた」

野良ヒグマ「…お前達が殺したからだ」

ヒグマ「…ま、まさか…」

野良ヒグマ「そうだ。私は…フレンズでありながら…」

野良ヒグマ「飢えを凌ぐために…。…」






野良ヒグマ「アライさんを、殺して…食べていたんだ」





ヒグマ「なっ…」

野良ヒグマ「そう、同じフレンズのアライさんをだ。…軽蔑するか?最低だと思うか?私のことを…」

ヒグマ「…なんだ、その程度のことか」

…いや、別に…ぜんぜん思わんが。

野良ヒグマ「な…何…!?同じフレンズを、捕食したんだぞ、私は!」アセアセ

周りにハイレベルな奴が多過ぎて…正直、大して驚くような話じゃないんだよなぁ…

野良ヒグマ「そ、そんな…。これを聞いてどうも思わないなんて…。お前達はどうかしている!」アセアセ

ああ、全くその通りだと思うよ。
仮にも人の姿をしたアライさんを、殺すのはともかく…
食っちまう人間やフレンズが、人間社会にはワンサカいるんだからな。

正気の沙汰じゃねえ。狂気の沙汰だ。
だが、その狂気がこの社会を包み込んでいる以上、もはやアライさんを食うのもおかしなことじゃ無くなってるんだ。

野良ヒグマ「…わ、私の、罪悪感と苦悩に苛まれる日々は、いったい…」ペタン

ヒグマ「…私も、アライさんを殺す度に心を痛めている。あれでもフレンズだ。できれば殺したくはない」

ヒグマ「…辛かっただろうな、お前も」

野良ヒグマ「う…うぅっ…!話を分かってくれる人がいたっ…!」ダキッ ギューッ

ヒグマ「よしよし」ポンポン



ヒグマ隊長と野良ヒグマが抱き締め合っている。
これが本当のベアハッグといったところだろうか。

ヒグマ「もう、アライさんを殺さなくていい。…ジャパリパークに来るといい」

野良ヒグマ「ああ…なんか、監獄みたいな所だと聞くな。…はは…。たくさんのアライさんを殺して食べた、罪深い私には丁度いいさ…」

監獄みたいな所って…
さんざんな言われようだな。

ヒグマ「待機している隊員を呼ぼう。…お前が望めば、保護するぞ」

野良ヒグマ「ああ、頼む…。もう、こんな所はたくさんだ…」

…なんか、久々にマトモな感性の人を見た気がする。
食通の友人もブラウンPも会長も大臣も、どいつもこいつもアラジビ好きだから、
てっきりアラジビを受け付けない俺の方がおかしいのかと思っていた。


…そうして、野良ヒグマは保護されていった…。

…休日、ジャパリパーク…

ヒグマ「やあ。うまくやってるか?」

野良ヒグマ「ああ。前評判が嘘みたいだ。どこが監獄だ、皆優しくて良いところじゃないか。…狭いけどな」

ヒグマ「それは良かった」

野良ヒグマ「ただ…他にいるフレンズ達が皆草食動物のフレンズのせいか、皆私を滅茶苦茶怖がるのが辛い」

ヒグマ「む…?」

野良ヒグマ「特にヤブノウサギさんは、私から泣いて逃げ回り、あげく失禁しながら命乞いをし始めた」

ヒグマ「…旧ジャパリパークの方では、草食フレンズに怖がられることは無かったけどな…」

ヒグマ「そもそも皆ジャパリまんしか食べないから、草食も肉食も区別無かったとも言えるな」

野良ヒグマ「…それと、その…。ここに来てから、毎日自己嫌悪に苛まれている」

ヒグマ「何故だ?」

野良ヒグマ「その…草食フレンズ達を見る度に、あの…。…美味しそうだと思ってしまう」

ヒグマ「…それは気の毒に…」

一旦ここまで

~サンドスター科学研究所~

理科の先生「人工衛星パークキーパー。アライさん駆除のために、最高の働きをしていますね」

研究員1「はい。アレは我々がフレンズ省へ納品したモノ。今やフレンズ省の管理下にあります」

研究員1「一部の研究員と、フレンズ省所属者の極僅かな人物…そして一斉掃討作戦の戦闘員にのみ、サンドスターレーダーの存在が教えられています」

研究員1「つまり、一般人はおろか、死骸回収班や清掃班ですら、その存在を知らないトップシークレットなわけですね」

理科の先生「活用しているようで何よりです」

研究員1「しかし、あの機能のことも、フレンズ省へ教えているのですか?」

理科の先生「どの機能です?たくさん有りすぎてどうにも…」

研究員1「サンドスタージェットのことです」

理科の先生「…サンドスタージェット…。あれは、我々の切り札です」

理科の先生「通常、宇宙空間で宙に浮く物体が移動するには、燃料を噴射するか、太陽風を使うしかない」

理科の先生「しかし、人工衛星のように噴射燃料を供給できないモノは、通常はそこに留まったままになる」

理科の先生「しかし教授は、あの人工衛星に…『けものプラズム』と似た物質を生成する機能を搭載した」

理科の先生「これにより、パークキーパーは擬似けものプラズムを噴射し、宇宙空間を飛行することが可能となっています」

理科の先生「サンドスタージェット…。教授の発想力には、驚かされるばかりです」

研究員1「で、教えているのですか?」

理科の先生「…今はまだ。本当に必要になるときまでは、教えるわけにはいかないでしょう。我々研究所のみが、極秘裏にコントロールできます」

理科の先生「もしもその存在が漏洩したら…、フレンズ省は、多くの者を敵に回すことになります」

研究員1「もしハッキングされてサンドスタージェットを悪用されたら堪ったもんじゃありませんからね」

理科の先生「全くです」





研究員2「大変です!!!パークキーパーから送られてきた情報へ、何者かが不正にアクセスした痕跡が確認されました!!!」



理科の先生&研究員1「「な、何ィィーーーッ!!?」」

研究員1「し、シロウ主任!どういうことですかこれは!!!」

理科の先生「いやはや、コンピューターサイエンスは私の専門外でして…。セキュリティはその道のプロフェッショナルに任せていたのですが」

研究員2「そのセキュリティが突破されたんですよ!…幸い、アクセスされたのはサンドスターレーダーの情報だけですが」

研究員1「暗号化されている情報を復号したのか…!?なんて奴だ…!」

理科の先生「い、一体どこから!!」

研究員2「日本国外のどこかから、としか…。現在、大至急でセキュリティホールを塞いでいるところです!!」

理科の先生「…何者か分かりませんが…。『敵』からの攻撃とみた方が良さそうですね…」



…結論を先に書こう。

ハッキングしていたのは、アラ信達とアライさんが集う組織、『アライブ・ライク・ア・クロケット』に所属する、
海外の凄腕ハッカーであった。

その犯行を突き止め、逮捕するまでには、長い時間がかかった。



彼らの組織は、一筋縄では行かない強敵であった。
何せ、世界中にアライさんに同情し、憐れむ支援者がいるのである。

義憤に駆られた彼らは、アライさんを護るために、自らの財産を削ることすら厭わない…
強い愛護の意志を持った者達であった。

もっとも、組織の中も一枚岩ではないようである。

テロを起こそうとする過激な派閥。

資金集めのために、『仕方ないこと』と割り切ってアライさんを売春に利用する派閥。
(尚、利用されているアライさんはあまり嫌がっておらず、むしろ幸せそうであったそうだ)

純粋に自らの使命感と正義感に基づいて活動する派閥。

アライさんを護るという意志は共通するが…
内部での衝突も大きかったようだ。

しかし、何故レーダーの存在がバレたのか?

…犯人曰く、『アライさんを囲っている地域があまりにもピンポイントで狙われたため、何かあると思った』とのことである。

何かしらのレーダーがあるのではないか?と推測し、
フレンズ省のサーバーを探し回った末に発見した、とのことであった。

つまり…
フレンズ省関係者や、研究協力者からの漏洩では無かったようだ。

少なくとも『獅子身中の虫』はいなかったようである。


…そして、アライブ・ライク・ア・クロケットの中の過激派組織は…
ついに暴走してしまった。

過激派は、レーダーを最悪の形で利用してしまった…。


ある夏の日。
爆薬を積んだ一台のトラックが、フレンズ省へ突っ込み、自爆テロを試みたのである。


幸いにして、フレンズ省を警護していたフレンズが、トラックを素手で止めるも、トラックはその場で大爆発。


警護フレンズは、自慢のもさもさ髪がぼさぼさ髪になる等の被害を受けたが、怪我は無かったという。


しかし、この事件で重大視されたのは、
トラックを運転していた…いや、
『捕らえられ、運転させられていた者』の存在である。


トラックに乗っていたのは、戸籍のないフレンズ。
耳や尻尾はおろか全身が焼け焦げており、何の動物であるかさえ判別できなかったという。

だが、わずかに燃えずに残った、足の部分、そのタイツの色から…
そのフレンズが、『アライさん以外の何者か』であることだけが分かった。

https://i.imgur.com/pLVhqgy.jpg

そのフレンズはどこで捕らえられたのか?
何故自爆テロの実行犯となったのか?

…真相は不明であったが、最も最有力とみられる予想は…


『アライさんの駆除が終わった後の森に残っていたサンドスター反応から、フレンズの親子が捕らえられた』

『そして、子供の命を人質に取られ、自爆テロを命じられた』
…というものである。


これに対し、警察は即座に対応。
これまではあくまで思想団体として扱い、一部の犯罪者のみを取り締まっていたアライブ・ライク・ア・クロケットを、
危険なテロリスト集団と認定。

一斉逮捕に乗り出したのであった…。

ちなみに警察はなにも疑惑だけでアライブ・ライク・ア・クロケットをテロリスト認定したわけではない。

粘り強く捜査を続け、テロとアライブ・ライク・ア・クロケットの繋がりを確たる証拠として見出だしたのである。



~アライブ・ライク・ア・クロケット 過激派本部~

警官1「警察だ!」ガチャッ

警官2「テロリスト集団のお前達を逮捕する!」ジャキィッ

過激派野郎1「くっ…。ここまでか…」

ハチマキアライさん1「侵入者なのだ!やっつけるのだ!たあ~!」バッ

警官1「…」パァン

ハチマキアライさん1「のばっ!」ブシュウウゥ ドサッ

ハチマキアライさん1「」ビグンビグンジタバタビッタンバッタン…

過激派野郎2「て、てめえっ…」

警官1「ここにいる者達、全員連行する!抵抗したら射殺するからな!」

その場にいた過激派の組織員達へ、次々と手錠がかけられていく…。

警官2「…お前達、テロなんぞやって…。何か状況が変わると思ったのか?自分で自分の首を絞めるだけだと、誰か気付かなかったのか?」

警官2「こんな風に捕らえられるだけだと、思わなかったのか?」

過激派野郎3「くっ…」

警官2「お前達の組織名と同じだ。Alive like a croquette(クロケットのように生きよ)…?」

警官2「クロケットになったらもう死んでるだろうがッ!組織名からして既に捕らえられるじゃねえかッ!!」

過激派野郎1「…『Alive like a croquette』…その名に偽り無しだ」

警官2「強がるな!」グイイ

過激派野郎1「そう、アライグマはたとえ捕まって殺されても…。クロケット帽となれば、死して尚その生きた証を残せるッ!」

過激派野郎1「死して尚死なず…それが、アライブ・ライク・ア・クロケットッ!」

過激派野郎1「我々とて同じッ!ここで捕らわれることで、我々の生きた証が残るのだッ!」

警官2「歌劇みたいな言い回ししやがって…状況分かってんのか?自分に酔ってんじゃねえぞ薄汚ねえ犯罪者どもがッ!!」

過激派野郎1「俺達は囮だッ!!警官が俺達の捜査に、陸自が森に出払っている間に、てめーらの中枢を!今頃本隊が叩いてるぜッ!!」

警官1「本隊!?」

過激派野郎1「そうだ…パークキーパーの監視なんて、とっくにカムフラージュ手段は用意してあるんだよッ!これが俺達の戦略だッ!!」

警官「何だと…!?」



~都心部~

大勢のアライさんの群れが、都心部へ迫っていた。
突然の襲撃は、まさに青天の霹靂であった。

カムフラアライさん達「のだのだのだーー!!!」ドタドタウジャウジャ

カムフラアライさん達「官庁をぶちこわすのだーー!」ドタドタウジャウジャ

カムフラアライさん達「守りを手薄にしたお前達の負けなのだー!」ドタドタウジャウジャ

カムフラアライさん達「わっせ!わっせ!」ドタドタウジャウジャ

民間人達「キャー!イヤー!」ドタバタ



リーダーアライさん「ふはははー!レーダーを過信したお前達の負けなのだ!」ドタドタ

アライさん軍のリーダーらしき者が、高笑いしている。

リーダーアライさん「かつてアライキング・ボスは人間に負けた…なぜか?」ドタドタ

リーダーアライさん「それはただ一つ!力押し一辺倒で、知略に乏しかったからなのだ!」ドタドタ

リーダーアライさん「だがアライさん達は違う!戦力を削いでから、不意討ちで一気に攻め落とす!」ドタドタ

リーダーアライさん「そう、我こそが!王を超えし王!アライキング・ボスを超えた王者…!」ドタドタ

アライサンドロス大王「我こそが!アライサンドロス大王なのだああーーーっ!!」ドタドタ

~防衛省~

職員1「大臣!アライさんの群れが襲撃してきました!」

防衛大臣「いつか来ると思っていた。警官隊に、機関銃の使用を許可!戦闘ヘリ、装甲車の出動を許可!自衛隊、今すぐ出動せよ!」

自衛隊員達「ハッ!!」

…アライキング・ボスに煮え湯を飲まされた上、自爆テロまで起こされた防衛省。

緊急対応の準備はバッチリであった。



~都心部~

カムフラアライさん達「うおおおお!突撃なのだああああああああああああああ!!!」ドタドタドタドタドタドタ

警官隊「射撃用意!」ジャキィッ

カムフラアライさん達「警官隊なのだ!確かアライキング・ボスの軍は、警官隊を相手にしてもいい勝負してたのだ!」ドタドタ

カムフラアライさん達「ならばアライさん軍が負ける道理はないのだ!こっちにも飛び道具はあるのだ!」ドタドタ

カムフラアライさん達「警官隊はピストルしか使えないのだ!アライアローで皆殺しにするのだ!」チャキッキリキリ

カムフラアライさん達は、弓矢で警官隊を射抜こうとするが…

警官隊「機関銃発射ああああああ!!!!」ズダダダダダダダダダダ

カムフラアライさん達「ぐぼぎゃぶがぶぎぼごぶばあああああああーーーーーー!!」ブヂャドヂャグシャベヂャブシャアアアアア


この戦いにおいて、カムフラアライさん達は二つの思い違いをしていた。

一つは、自分たちの戦闘力。

アライキング・ボスの軍は統率こそされていないものの、戦闘員皆が激しい訓練とレベル上げを積んでいた。
それ故に、力押しで警官隊と戦えたのである。

しかしカムフラアライさん達は、レベルが平均レベルのまま。
これでは警官隊どころか、アライキング・ボスの軍にすら一方的に蹂躙されてしまう。

アライキング・ボス軍と自分達の実力を同等と思い込んでいたため、警官隊と戦えると思っていた。

そして二つ目。
警官隊の銃が、拳銃よりはるかに強力な機関銃であった。

多数の犠牲者を出した警察庁は、もう誰も警官の犠牲を出すまいとし、
野良アライさん根絶までの間、機関銃による武装を認められたのである。

カムフラアライさん達「ぐぬぬー、こうなったら!あれを見せるのだ!」グッ

カムフラアライさん達は、『の』の字を象った腕輪を見せた。

カムフラアライさん達「ふはははははははーー!!戸籍の腕輪なのだ!お前達がアライキング・ボスのこれを見て攻撃を止めたのは知ってるのだ!」

カムフラアライさん達「どうだ!これで攻撃できまいなのだー!」

警官隊「テロリストに容赦は不要!腕輪が本物だろうが知ったことか!」ズダダダダダダダダダダ

カムフラアライさん達「ぐぎゃぶぎゃごびゅあぎびぐじいぃぃ!!なんでなのぎゃあああああ!」ボバグシャブシャフドブシャアアアア

カムフラアライさん達「うぬむ!あいつら容赦が無さすぎるのだ!」ドタドタ

カムフラアライさん達「アライさんを殺すことに抵抗が無さすぎるのだ!あいつら鬼畜生なのだ!」ドタドタ

アライサンドロス大王「ふはははー!ならば戦意を削げばいいのだ!この天才軍師、アライサンドロス大王が考案した、魅了作戦を行うのだ!」ドタドタ

カムフラアライさん達「…えぇ…大王様、アレを本当にやるのか?」ドタドタ

カムフラアライさん達「…意味ないと思うのだ…」ドタドタ

アライサンドロス大王「お前達、アライさんに逆らうのか!?つべこべ言わず決行なのだあああああああ!」ドタドタ

カムフラアライさん達「ひっ!わ、わかったのだ…魅了作戦、決行なのだああ!ノダ!ノダ!ノダ!」バッ

カムフラアライさん達は、鞄から何かを出した。
それは…

リボンアライちゃん達「ありゃいしゃんたちのでばんなのりゃ~~!」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチ
リボンアライちゃん達「のりゃ!のりゃ!のりゃ!」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチ
リボンアライちゃん達「れんしゅーのせーか、みせゆのりゃあ~!」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチ

それは、尻尾にリボンを巻いたアライちゃん達の大群であった。

大勢のアライちゃん達は、戦場となっている街道の街路樹へ次々と、列を作って登り始める。

リボンアライちゃん達「わっちぇ!わっちぇ!わっちぇ!」ヨジヨジヨジヨジ

警官隊「!?アライちゃんが木に登り始めたぞ!すごい自信だ!」

警官隊「戦場に子供をつれてくるとか、どんな神経してんだ…?正気か?」

警官隊「何か技を使うかもしれん!気を付けろ!」

警官隊は身構える。

リボンアライちゃん達「いくのりゃああ~!かわいーかわいー☆しっぽのますげーむ、はじめゆのりゃあ!( °∀≦ ) ー☆」ウインクパチーン

尻尾にリボンを巻いたアライちゃん達は、木にズラっと登ったまま、一斉に。

同じ周期で、しかし微妙にずらして、尻尾を左右へ振り始めた。

リボンアライちゃん01「のりゃっ♪のりゃっ♪」フリフリ
リボンアライちゃん02「のりゃっ♪のりゃっ♪」 フリフリ
リボンアライちゃん03「のりゃっ♪のりゃっ♪」 フリフリ
リボンアライちゃん04「のりゃっ♪のりゃっ♪」 フリフリ
リボンアライちゃん05「のりゃっ♪のりゃっ♪」 フリフリ
リボンアライちゃん06「のりゃっ♪のりゃっ♪」 フリフリ
リボンアライちゃん07「のりゃっ♪のりゃっ♪」フリフリ
リボンアライちゃん08「のりゃっ♪のりゃっ♪」 フリフリ
リボンアライちゃん09「のりゃっ♪のりゃっ♪」 フリフリ
リボンアライちゃん10「のりゃっ♪のりゃっ♪」 フリフリ

リボンが巻かれたアライちゃん達の尻尾の動きは、まるで蛇行する蛇の腹のようなうねりを見せた。

警官隊「」アゼン

警官隊は2つの意味で唖然としていた。

『なんて不気味な光景だ』という感想。
そして。
『なんでこんな事やってんだ?』という疑問である。

アライサンドロス大王「うっひょぉーーー!チビ達の尻尾のマスゲームは可愛いのだあ!警官隊も魅了されてるのだあー!」ドタドタ

カムフラアライさん達「くっはー!実際に見ると可愛すぎるのだ!大王様、疑ってごめんなさいなのだ!」ドタドタ

カムフラアライさん達「これは効果覿面なのだ!きっと鬼の目にも涙、いや鬼の頬も弛むのだぁ!」ドタドタ

アライサンドロス大王「いいぞー!もっともっといっぱいやるのだ!チビ達の可愛さでメロメロにするのだああ!」


大勢のリボンアライちゃん達は、何本もの街路樹へしがみつき、それぞれの木で魅了作戦とやらを続けている。


リボンアライちゃん01「のりゃっ♪のりゃっ♪」フリフリ
リボンアライちゃん02「のりゃっ♪のりゃっ♪」 フリフリ
リボンアライちゃん03「のりゃっ♪のりゃっ♪」 フリフリ
リボンアライちゃん04「のりゃっ♪のりゃっ♪」 フリフリ
リボンアライちゃん05「のりゃっ…ぜぇはぁっ…」 フリフリ
リボンアライちゃん06「のりゃっ!のりゃっ!」 フリフリ
リボンアライちゃん07「ちゅかれたのりゃあ!」フリフリ
リボンアライちゃん08「みりょーすゆのりゃ!」 フリフリ
リボンアライちゃん09「わっちぇ!わっちぇ!」 フリフリ
リボンアライちゃん10「ぜーはー!ぜーはー!」 フリフリ
リボンアライちゃん11「しっぽつりそうなのりゃ」 フリフリ
リボンアライちゃん12「のりゃっ♪のりゃっ♪」 フリフリ
リボンアライちゃん13「ふぎーっ、ふぎぃー!」 フリフリ
リボンアライちゃん14「がんばゆのりゃぁぁ!」フリフリ
リボンアライちゃん15「のりゃりゃりゃりゃ!」 フリフリ
リボンアライちゃん16「のりゃっ!のりゃっ!」 フリフリ
リボンアライちゃん17「めろめろにすゆのだ!」 フリフリ

…だんだんと疲れが出てきたのか、ウェーブは徐々に崩れはじめて来ている。

警官隊「…撃て撃て撃てェーーーーーッ!」ズダダダダダダダダダダ

リボンアライちゃん1「ぴぎいぃー!」ブシャア
リボンアライちゃん2「ぶぎぇえ!?」 ブシュウ
リボンアライちゃん3「うぎゃびぃ!」 ドブシャ
リボンアライちゃん4「ぎびいぃぃ!」 ブチャアア
リボンアライちゃん5「おぶえぇっ!」ブシュウウゥ
リボンアライちゃん6「びぎゃああ!」 ベヂュブシュ
リボンアライちゃん7「ぶぎゃぇえ!」 ブシャアアア
リボンアライちゃん8「ぎびいいい!」 グチャアア
リボンアライちゃん9「ふぎゃぁあ!」ブシュウウゥ

…たくさんの街路樹にひっついているアライちゃん達は、機関銃で凪ぎ払われていく。
その血飛沫や飛び出る臓物も、綺麗なウェーブを作った。

カムフラアライさん達「ち…チビぃいいいいーーーーーーーーーーっ!!」

アライサンドロス大王「酷いのだあああああああーーーーーーっ!!」

アライサンドロス大王「警官隊達!動くな!人質をとったのだぁ!」ガシィ

人質「ひ、ひゃああああっ…」プルプル

リーダーであるアライサンドロス大王が、いかにもひ弱そうな少女を人質に取った。

アライサンドロス大王「アライさんは撃てても、この女は撃てないはずなのだ!」

人質「ご、ごめんなさいっ、ご、ごめんなさいっ!」ブルブル

少女は、アライサンドロス大王に後ろからしがみつかれている。

警官隊「何ッ!?し、しまった!」

警官隊「あ、あれは…!」

アライサンドロス大王「おい女!あいつらに、あそこから退くように言うのだ!」

少女「あ、あの…」

アライサンドロス大王「いいからさっさと言うのだ…」

少女「その、すみませんっ…」プルプル

少女は震えていた。

アライサンドロス大王「何がなのだ!」

少女「痛いことして…ごめんなさい」シュウウ…

アライサンドロス大王「は?」

ヤマアラシの少女「えいっ!」シュバアアアアアンッ

アライサンドロス大王「がぶぎゅううっ!?」ドグシャブヂャドブヂャアアッ

カムフラアライさん達「!!?」

人質の少女は、なんとヤマアラシのフレンズであった。
フレンズの姿となった少女の針は、後ろからしがみつくアライサンドロス大王の胴体を何十ヵ所も貫通した。

ヤマアラシの少女「きゃああー!」ピョーンッ

ヤマアラシの少女は、そのままぴょんと飛び、警官隊の方へ走った。

アライサンドロス大王「ぎ…びゃ…」ブシュウウウウ ドサッ

心臓の近くの大動脈を貫かれたアライサンドロス大王は、そのまま大量出血して昏倒した。

カムフラアライさん達「あ、アライアローで仕留めるのだ!たああー!」バシュバシュ

何本もの矢が、ヤマアラシの少女へ放たれる。

しかし…

オオアルマジロのフレンズ「たあ!」バッ カキンカキン

警官隊の中から飛び出してきたアルマジロの少女の甲羅が、全ての矢を弾いた。

ヤマアラシ&オオアルマジロ「「任務完了!お先に帰還しまーーす!」」 ヒューーー トタトタ…

わざと人質として捕まった潜入隊員は、きっちりと敵将を倒して去っていった。

カムフラアライさん達「の…あ…」ブルブル

カムフラアライさん達「こ、降伏するのだあああああ!」ペタン

カムフラアライさん達「投降するのだ!捕虜にでも何でもなるから助けてなのだああー!」ペタン

将を失ったカムフラアライさん達は、武器を捨て、その場にしゃがみこむ。

空軍ヘリ「テロリストの投降なんぞ!」ズダダダダダダダダダダ

警官隊「受け入れるわけあるかああああ!」ズダダダダダダダダダダ

装甲車「ギルティイイイイイイ!」ズダダダダダダダダダダ

カムフラアライさん達「ぐひゃぐびゅがばぁあああああああーーーっ!」ブシャアアアグシャブシュウウゥブチャアアベヂュブシュグシャブシュウウゥ

カムフラアライさん達の死体「」グチャアア…

警官隊「任務完了」ジャキッ

こうしてアライブ・ライク・ア・クロケットの本隊は、拍子抜けするほど呆気なく鎮圧されたのであった。




~過激派本部~

警官2「…本隊とやらは、無事殲滅完了したそうだ」

過激派野郎1「そ、そんな…ああ…なんて酷いことを!てめーらなんでそんなに簡単にフレンズを殺せるんだああああ!」ブンッ

警官2「てめーが言うな外道野郎がああああ!!」ドゴオォオ

過激派野郎1「ウゲエエーーッ!」ドサア

こうして、アライブ・ライク・ア・クロケットの構成員達は逮捕された。

捕まっていたフレンズの人質…
トラックによる自爆テロ実行者の子供達も、無事に解放された。

また、サンドスター科学研究所は、命乞尾シロウ主任を中心としたチームを編成し、カムフラージュを突破する技術を即座に開発。

潜伏していた構成員アライさん達も、全て駆除された。



…そうして…

長い長い戦いの末に…。


ついに…

…一斉掃討作戦対象地域全てから、野良アライさんの駆除が完了した。


大久野島グループ、戸籍持ち、研究所飼育組…
そして保健所に捕まり、殺処分を待つ個体を除き…


…地球上の自然の中から、アライさんは消え去った。

~保健所~

十数匹のアライさん達が、檻に閉じ込められている。

このグループ以外、全ての保健所アライさんの殺処分が終わった。
このアライさん達が殺処分されれば、もう人に管理されていないアライさんは地上から居なくなる。

キツネ「…」

アライさん1「嫌なのだああああ!ここから出すのだああああ!」ガシャンガシャン

アライさん2「アライさんはただ生きたいだけなのだああああ!」ガシャンガシャン

アライさん3「助けて!何でも言うこと聞くから助けてなのだああ!」ガシャンガシャン

アライしゃん1「あらいしゃんはなんにもわるいことしてないのだああ!!」

アライしゃん2「だすのだ!だすのだぁ!」ガシャンガシャン

アライちゃん1「たちゅけてなのりゃ~!」ピイイィィ ウロチョロ

アライちゃん2「やーなのりゃあああああああ!」ヨチヨチヨチヨチ

アライちゃん3「たちゅけてええ!おかーしゃああーんっ!」ビエエエン

キツネ「…ごめんね。助けられないんだ。もう…さよなら…」



?????「ほんなら、生き残るチャンスをやろうか?ハエガイジ共」ツカツカ

アライさん達「「のだ!?」」

キツネ「そ、その…声は…」

???「その、命…」

???「ワイの番組が、買い取らせて貰ったで!フェネックちゃーん」

キツネ「っ…」

つづく

~国技館~

MCチヘドロー「やーやーお集まり頂いた皆さん!ようこそ!最後の最期のアライデスゲームTVへ!」

観客達「YEAAAAHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH!!!!!」

MCチヘドロー「前に言った通り!今日この会場に連れてきた数匹のアライ共は、野良アライの最後の生き残り!」

MCチヘドロー「つまりラスト・サム・アライというわけや!ここでアライ共が死ねば野良アライの駆除は無事完了!生き延びれば駆除は未達成!」

MCチヘドロー「デッド!オア!アライーヴ!生きるか死ぬかァ!ここが瀬戸際やで害獣共ォォオ!!」

観客達『YEAAAAHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH!!』パチパチパチパチ


今回の会場は、やけに警備員の数が多い。
アラ信の暴動を警戒しているためである。

MCチヘドロー「害獣共の入場や!!」

アライさん達「絶対生き残るのだーーー!」ドタドタ
アライさん達「勝って兜の緒を締めるのだ!」ドタドタ
アライちゃん達「かってかぶとのおをしめゆのだ!」ヨチヨチヨチヨチ
アライちゃん達「のだ、のだっ!」ヨチヨチヨチヨチ
アライちゃん達「きゅるるん♥きゅるるぅ~んっ♥」ヨチヨチヨチヨチ
アライしゃん達「なんなのだここはー!」ドタドタドタドタ

観客達『死ーね!!死ーね!!死ーね!!死ーね!!死ーね!!死ーね!!死ーね!!死ーね!!死ーね!!死ーね!!
死ーね!!死ーね!!死ーね!!死ーね!!死ーね!!死ーね!!死ーね!!死ーね!!死ーね!!死ーね!!
死ーね!!死ーね!!死ーね!!死ーね!!死ーね!!死ーね!!死ーね!!死ーね!!死ーね!!死ーね!!
死ーね!!死ーね!!死ーね!!死ーね!!死ーね!!死ーね!!死ーね!!死ーね!!死ーね!!死ーね!!
死ーね!!死ーね!!死ーね!!死ーね!!死ーね!!死ーね!!死ーね!!死ーね!!死ーね!!死ーね!!
死ーね!!死ーね!!死ーね!!死ーね!!死ーね!!死ーね!!死ーね!!死ーね!!死ーね!!死ーね!!』


MCチヘドロー「さーこいつらラストサムアライが挑むラストデスゲームは…これやあァァーッ!!!」

大型スクリーンに、題目のロゴ文字が映る。

大型スクリーン『生か死か!?ハエガイジ2択クイズ!!!!』ジャーーンッ


観客達『Yeahhhhhhhhhh!!!』パチパチパチパチ

MCチヘドロー「ルールは簡単!」

ステージ中央には、『○』と『×』のスペースがある。
それぞれのスペースには、椅子が並んでいる。

MCチヘドロー「クイズの文章を聞いた後に、○か×のうち正しいと思う方を選んで、そっちのスペースの椅子に座るだけや!」

MCチヘドロー「間違ったら処刑!全問正解した奴は、孤島で生き延びる権利が与えられる!」

MCチヘドロー「回答時間30秒経っても座ってない奴もその場で処刑や!ええか!?」

アライさん達「わ、分かったのだ…」

MCチヘドロー「と…その前に!お前達には、これから自分の答えに責任を持つことを誓ってもらうで!」

MCチヘドロー「これからお前達は、自分の答えにキッチリ従ってもらうで。ええか?アカンかったらこの場でディスパッチ…処刑や!」

アライしゃん達「ひっ…ち、ちかうのだぁ!」

アライさん達「誓いますなのだぁ!」

MCチヘドロー「全十問!まずは、第一問や!」

大型スクリーン『アライグマの野生での平均寿命は10年』

MCチヘドロー「さーどうや?」

アライさん1「そんなに長く生きないのだ!×なのだ!」ドタドタ

アライしゃん1「そうなのか?おかーしゃんがゆーなら、きっとそーなのだ!」ヨタヨタ

アライちゃん1「おかーしゃ、ねんってなんなのりゃ?」ヨチヨチヨチヨチ

アライちゃん2「じゅみょーってなんなのりゃ?」ヨチヨチヨチヨチ

アライさん達は、×の椅子に座る。

MCチヘドロー「正解は…×!野生ではせいぜい2~3年ってとこやな」

アライさん達「やったのだぁ!」

MCチヘドロー「ほんじゃ第二問!いくで!」

『畑の野菜を勝手に持っていくと、畑にいる人間が悲しむ』

MCチヘドロー「これはどうや?」

アライさん2「そんなの知らないのだ!」

アライちゃん2「わかんないのりゃ!」

アライしゃん2「わかったのだぁ!やさいははやいものがちなのだ!とれなかったにんげんは、くやしくてかなしむのだ!」

アライさん2「おおー!チビ、名推理なのだ!つまり○なのだ!」ドタドタ

アライちゃん2「おねーしゃんあたまいーのりゃあ!」ヨチヨチヨチヨチ

アライさん達は、○の椅子に座った。

MCチヘドロー「正解は…○や!みんな正解やな」

アライさん達「楽勝なのだあ!」

順調に正解していくアライさん達。
そのまま3問目も、難なく全員正解した。

そして、4問目。

MCチヘドロー「4問目はこれや!」

『人間社会では、歩いてて他の人にぶつかったら謝らなくてはならないと、法律で義務づけられている』

アライさん3「人間の法律なんて知らないのだ!」

アライさん1「でも、なんか○っぽいのだ!」ドタドタ

アライしゃん1「こーいうのは、○をえらんでおけばあたるのだ!」ドタドタ

アライちゃん1「のりゃ!のりゃ!」ヨチヨチヨチヨチ

アライさん2「でも人間は、アライさんのお母さんを鉄砲で撃っても謝らなかったのだ!×なのだ!」ドタドタ

アライさん3「そうなのだ!アライさんのお母さんは、ゴミ捨て場で人間に殴り殺されたのだ!×なのだ!」ドタドタ

半々に分かれたアライさん達。

MCチヘドロー「正解は…」

MCチヘドロー「×や!」

アライさん1&アライしゃん1&アライちゃん1「「「のあ!?」」」ガチャッ

アライさん1一家の椅子に電子ロックがかかり、アライさん1一家は拘束された。

MCチヘドロー「謝るんは法律やない、常識やマナー、人道の問題やでガイジ共!エクスキューションや!」

突如、アライさん1一家が座る椅子が光り、音を出して上空へ飛び上がった。

アライさん1「のあああああああ!?」ヒュルルルルル

アライしゃん1「なんでなのりゃああああ!」ヒュルルルルル

アライちゃん1「おねーしゃんのうしょちゅきいいいぃ!」ヒュルルルルル

そして椅子は…

アライさん1一家「」ボッカァアアアアアアーーンッ…

…天井にギリギリ届かないあたりの高さで、綺麗な火花を上げて爆発した。
椅子には、打ち上げ花火が仕掛けられていたのである。

観客達『たーーーまやーーーー!』パチパチパチパチ



そして9問目。


4匹を残してほとんどのアライさんが、打ち上げ花火となっていた。

MCチヘドロー「現在、アライさんの数は残り4匹!あと2問正解すれば生き残れるで!」

アライさん3「あとちょっとなのだ…」

アライしゃん3「がんばるのだぁ!」

アライちゃん3「うゆうぅ~!」

アライさん2「死んだチビ達の分まで、生き残るのだ!」

MCチヘドロー「第9問はこれや!」

『畑の野菜は人間のもの。アライさん達が勝手に採ってはいけない』

MCチヘドロー「どうや?」

アライしゃん3「しったこっちゃないのだ!」

アライちゃん3「みんなのものなのりゃ!ひとりじめしてゆひとしゃんがわゆいのりゃ!×なのりゃ!」ヨチヨチヨチヨチ

アライさん3「待つのだチビ!今までのパターンで分かるのだ!これは人間が勝手な都合をアライさんに押し付けているのだ…」

アライさん3「つまり人間に媚を売るような答えを選べば、正解になるのだ!○なのだ!」ドタドタ

アライさん2「ふはははー!もうパターンが見え見えなのだ!○を選べばいいのだ!」ドタドタ

アライさん達は、全員○の椅子に座る。

MCチヘドロー「ええんか?自分の答えには責任持つんやろ?○って答えたら野菜食えなくなるで?」

アライちゃん3「そんなのやーなのりゃああ!」ピョンッ ヨチヨチヨチヨチ

なんとアライちゃん3は、○の椅子から降りた。

アライちゃん3「わっちぇ!わっちぇ!」ヨジヨジヨジヨジ ピョンッ

そして、×の椅子に乗った。

アライさん3「!?ちび!何してるのだ、こっちが正解なのだ!」

アライちゃん3「うゆぅ~!でも!そっちすわったらおやしゃいたべれなくなゆのりゃ!」シッポフリフリ

アライさん3「野菜より命が大事なのだ!いいから来るのだ!」アセアセ

アライちゃん3「うしょなのりゃあ!おいちーおやしゃいいっぱいたべておーきくなゆのりゃあー!」シッポフリフリ

MCチヘドロー「そこまで!タイムアップや!正解は…」

MCチヘドロー「お前らの読み通り!○やで!」

アライちゃん3「うしょなのりゃあ!ばちゅがせーかいなのりゃ!てーせーすゆのりゃ!」フゥーッ

MCチヘドロー「はぁ?」

アライちゃん3「ただちーのはありゃいしゃんのほーなのりゃあ!おまえががいじだからまゆっていってゆだけなのりゃあ!」シッポフリフリ

MCチヘドロー「まー確かに!主観的な答はいかんな。てなわけで、ボタンを配らせてもらった会場の100人の皆さん!正解の方を、お手元のボタンで教えてやってや!」

MCチヘドロー「○ボタンと×ボタン!押された数が多い方が正解や!ええか?」

アライちゃん3「わかったのりゃ!」フフン

MCチヘドロー「…ふむ、全員押し終わったみたいやた。ほな、正解見てみるか」


大型スクリーン『×:??票 ○:??票』デレレレレレレ…

ドラムロールの音が鳴る。




大型スクリーン『×:0票 ○:100票』ピコーン



アライちゃん3「の、のあああ!?おかちーのりゃああ!!」シッポブンブン

MCチヘドロー「はい、エクスキューション!」ポチッ

アライちゃん3「い、いやあああああああああああ!やーなのりゃああああああああっ!」バシュウウッ ヒュルルルルル…

アライちゃん3「びゅぎぃぃっ!」ボッカァアアアアアアーーンッ

観客達『Yeahhhhhhhhhh!!!』

アライちゃん3の破片「」ボチャボチャグチャグチャ…

アライさん3「ち…チビぃぃぃーーーっ!!」

綺麗な花火が鳴り、アライちゃん3の焦げた肉片が、ステージに落ちた。


MCチヘドロー「さー、これでラストや!これに正解すればお前らの勝ちや!いくで!」

アライさん2「来るのだ!もうパターンは読めたのだ!」コチュリコチュリコチュリ

アライさん3「何が来ても平気なのだ!」コチュリコチュリコチュリ

アライしゃん3「さあこいなのだー!」コチュリコチュリコチュリ

残り3匹のアライさん達は、手汗をかいた手でハエガイジムーブしている。






大型スクリーン『アライさんに生きる資格は無い。例外無く皆殺しにされ絶滅すべき害獣である』パッ






アライさん2「…え?」

アライさん3「な…」

アライしゃん3「なんなのりゃ…これ…」

観客達『WAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHA!!!』ゲラゲラゲラゲラ

MCチヘドロー「さー!30秒で答るんやで!無い脳ミソ振り絞って考えろやガイジ共ォ!!」

アライさん2「い、生きる資格…」

アライしゃん3「おかーしゃん!?どっちにすればいいのだ!?おかーしゃん!」シッポブンブン

アライさん3「うぐぐー…!この問題の答は、観客達が決めるのだ…」

アライさん2「い、今までのパターンからすると…。○が選ばれそうなのだあ!」

アライさん3「はっ、分かったのだ…!」ピコーン

アライしゃん3「おかーしゃん!?」

アライさん3「このクイズに正解すれば、生きる資格が手に入るのだ!だから×が正解なのだ!」ドタドタ

アライしゃん3「さ、さすがおかーしゃんなのりゃあ!ふははー!」ヨタヨタ

アライさん3「アライさんのロンリテキドーサツなのだぁ!」スチャ

アライしゃん3「なんてちてきなろんりてきどーさちゅなのだあ!てんさいなのだあ!」スチャ

アライさん3一家は、×へ座った。

アライさん3「おい!お前はそっちでいいのか!?」

アライさん2「…読めたのだ。この問題…正解は○なのだ」ニヤニヤ

アライさん2は、○の椅子に座っている。

アライさん3「のあ!?アライさんがせっかくアドバイスしてやってるんだぞぉ!無視するのかぁ!?」

アライしゃん3「おかーしゃんのやさしさと、ろんりてきどーさちゅを、むだにするなー!」フゥーッ

アライさん2「無視するのだ。×が正解だと思うなら、お好きに選ぶといいのだぁ…」ニヤニヤ

アライさん2は、不気味な笑みを浮かべている。

アライさん3「うぬぬー、もう知らないのだ!死ねばいいのだ!」フンッ

MCチヘドロー「さあ時間やな。お手元のボタンで正解をどぞ、お客さん達!」


大型スクリーン『×:??票 ○:??票』デレレレレレレ…






大型スクリーン『×:12票 ○:88票』ピコーン



スクリーンには、×と○の数がマークで記されている。
数字の読めないアライさんでもすぐに結果が分かった。

ちなみに今までのスクリーンの文字は、表示後にMCチヘドローが読み上げていた。

MCチヘドロー「○の方がずっと多いな。正解は○!『アライさんに生きる資格は無い。例外無く皆殺しにされ絶滅すべき害獣である』や!」

アライさん3「なああああああ!?こんなのおかしいのだ!!論理的に間違ってるのだあああああ!!」ガチャンッ

アライしゃん3「みんなみんながいじなのだああああっ!」ガチャンッ

アライさん2「…ふっふっふ…。アライさんの名推理を教えるのだ。この問題の答は、観客達が自由に選べるのだ…」

アライさん2「ならば、アライさんが嫌いな観客さん達は!『たくさんアライさんを殺せる方』を選ぶはずなのだぁ!」

アライさん2「つまり!数が少ない方であるこっちにいることが、安全なのだ!」

アライさん2「クイズの問題は関係ないのだ!お前達親子と反対の方を選べばいいだけなのだ!」

アライさん3「ず、ずるいのだああああーーーっ!!」

アライしゃん3「ぴいいいぃぃーーーーーっ!!」シッポブンブン

アライさん2「ふははははーー!聡明なアライさんが生き残ってやるのだ!お前達は綺麗な花火になるのだー!」フリフリ

MCチヘドロー「ほな、不正解者はサヨナラや!」

アライさん3「待つのだああああああああ!!せっかくここまで来たのだああああああ!!」

アライしゃん3「いっかいだけ!いっかいだけでいいからやりなおさせるのだあああああーーーー!!!」

MCチヘドロー「ルールはルールや!」

アライさん3「死にたくないのだあああああ!」ジョボボボボ

アライさん3は失禁した。

アライしゃん3「ふみゅっ!ふみゅううっ!」モゾモゾ

アライしゃん3は、なんとか椅子の拘束から脱出しようとしている。

MCチヘドロー「エクスキューション!」

アライさん3「いやなのだああああああああーーーーー!!」ヒューーー

アライしゃん3「じにだぐないのりゃあああああああーー!ふぎゅううううぅぅうーーーっ!」ヒュルルルルル


アライさん3&アライしゃん3「「べぶぎゅぅ!!」」ボッカァアアアアアアーーンッ


MCチヘドロー「そんなわけで!10問全問正解や!おめでとさん!」

アライさん2「ふははははー!聡明なアライさんの新しい門出を祝う綺麗な花火なのだー!」パチパチパチパチパチパチ

アライさん2「さーて、こんな所とはおさらば…」ガチャンッ

アライさん2の椅子の電子ロックがかかり、アライさん2を拘束する。

アライさん2「…のあ?なんでアライさんが椅子にロックされてるのだ?」

アライさん2「おい!機械が故障してるのだ!くっ…」ガチャガチャ

MCチヘドロー「ワイは言うたよなぁ?このクイズを始める前に…」

MCチヘドロー「『お前達には、これから自分の答えに責任を持つことを誓ってもらう』…ってなぁ!」

アライさん2「な…!?」

MCチヘドロー「『お前達は、自分の答えにキッチリ従ってもらう』って、はっきり言うたよなぁ!ほんでお前はそれに誓った!!」

MCチヘドロー「誓いはきーーーっちり果たしてもらうでえ!ラストハエガイジちゃーーーーんっ!アアアアアーーーヒャヒャッヒャッヒャッヒャアアアアアーーーー!!」ゲラゲラゲラゲラ

アライさん2「な…!こ、こんなの!嘘なのだあああっ!アライさんは全問正解したのだああーーっ!!」ガチャガチャ

MCチヘドロー「その通り!お前が掴んだ真実や、しっかり受け止めるんやで!アーヒャヒャヒャハハハア!!」

アライさん2「頼むのだあああぁぁ!アライさんは、アライさんは…その…さ、最後の一匹なんだぞぉ!偉大なんだぞぉ!プレミアついてるんだぞぉ!」ウルウル

アライさん2「ひぐっ…ぐすっ…!うぅー!なんでもするがらああああーー!交尾だってしてやるがらああああああああ!だずげでええええーーー!!」ビエエエエン

アライさん2「だ、だいたいお前だって!アライさんを島に送ってやるって言ってたのだ!約束破ってるのだ!のだっ、のだぁーっ!お互い様なのだああああっ!」ジタバタジタバタ

MCチヘドロー「ほー…一理あるな。確かにお互い様や」

MCチヘドロー「ほんならええで、この一回は帳消しにしたるわ。スペシャル問題、1問出したるわ」

アライさん2「…!やったのだああああああーー!今度こそ、完璧に答えてやるのだああ!」

MCチヘドロー「いくで、スペシャル問題…」







大型スクリーン『アライさんを救ってあげるべきだ』パッ





観客達『アハハハハハハハハハ』ゲラゲラゲラゲラ

アライさん2「の、のあぁっ!」ガチャガチャ

MCチヘドロー「さー回答時間は30秒!×やと思うなら、椅子ごと地面を這って移動するとええで!」

アライさん2「ああああああああああああああ!」

MCチヘドロー「ほら!どっちにするんや!残り20秒やで!聡明な頭で考えろや!!」

アライさん2「うぅーーー!お前らのことなんてお見通しなのだああああ!×を選べばいいのだあぁぁあ!!」モゾモゾ

アライさん2は、這って×のスペースへ行った。

アライさん2「ほ、ほら!お前らはアライさんを笑い者にする気なのだぁ!!○を選んで救いを求めるとこが見たいはずなのだああ!!」

アライさん2「ふ、ふははははははーーーー!アライさんを出し抜けるなんて思うなあああああ!!」

MCチヘドロー「ほう?×を選んだか。ほな、観客さんが選んだ答えを見てみるか」





大型スクリーン『×:0票 ○:100票』ピコーン



アライさん2「の…のあ…」

MCチヘドロー「良かったなぁ。正解は○…。『アライさんを救ってあげるべきだ』やで」

アライさん2「す、救って…くれるのか…?助けてくれるのか…?」

MCチヘドロー「観客達はそうすべきだと答えたで」

アライさん2「あ、あ…!た、助かったのだ…!やっと、やっとアライさんの偉大さが伝わったのだ…!」ウルウル

アライさん2「アライさんに救いはあったのだあああああああ!」ビエエエエン

MCチヘドロー「せやな。でも…」



MCチヘドロー「不正解やん」

アライさん2「のあ…!?」

観客1「いやぁ~、救ってあげるべきだと思うけどなああーー!」

観客2「でも不正解じゃ救いようがないよなーー!」

観客3「ルールだから仕方ないよなー!」

観客4「それに、自分から救われるべきじゃないって答えた相手に、無理矢理救いを強要するのは心苦しいぜぇー!」アハハハ

MCチヘドロー「いやぁーご立派や!不正解な上に、自分に救いは要らないと!ご立派ご立派!!」パチパチパチパチ

観客達『ヒューヒュー!』パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ

観客達の拍手喝采が沸き上がった。

アライさん2「のあっ!こ…これは…!」アセアセ

MCチヘドロー「さーそんなご立派で偉大なアライさんの御意志を尊重して!華々しく天へ上る姿を見送ってやりましょー!」

観客達『Yeahhhhhhhhhh!!!!』パチパチパチパチパチパチ

MCチヘドロー「エクスキューション!」ポチッ

アライさん2「のああああああああああーーーーっ!!に!人間なんて滅び…」ヒュルルルルル

アライさん2「がぼげぇえええーーーっ!!」ボッカァアアアアアアーーンッ

破片「」バラバラ…

MCチヘドロー「ラスト野良アライ!これで…全滅やあああああッ!ファイヤアアアーーーッ!!!」

観客達『YEAAAAHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH!!!!』パチパチパチパチパチパチ

MCチヘドロー「アヒャヒャヒャ!もしかしてワイが、最後の最後でアラ信やハエガイジ側に寝返る悪者やとでも思うたか?」

MCチヘドロー「な訳ないで!ワイはアライさんを憎む者全ての味方!!人々に新鮮な刺激と笑顔を与えるんが、マルチエンターテイナーことワイの生業や!!!」

MCチヘドロー「アーヒャヒャヒャハハハーー!!」ポチポチッ

残った椅子×7「」ヒュルルルルル…

花火×7「」ボッカァアアアアアアーーンッ

観客達『イエエエエエエエエーーー!!』パチパチパチパチパチパチ

MCチヘドロー「ほなわけで、最後の最後までアライデスゲームTVを見てくれてありがとな!」

MCチヘドロー「ほなわけで、いつかまた会いましょ!さいならー!」



…こうして、管理下にない全ての野良アライさんの駆除が、今ここに完了したのであった…。



…その後…

~一斉掃討作戦本部~

ヒグマ「…諸君らの活躍によって、地上から野良アライさんは消え去った!本当に良くやった!」

ヒグマさんもお疲れ様でした。
もうフレンズを殺す必要は無くなったわけですね。

白衣のフレンズ「…しかし、もしかしたら、まだこの世のどこかで…、地下室とかで野良アライさんが保護されているかもしれません」

ああ。その可能性を危惧していた。

白衣のフレンズ「そういうわけで、ハンディタイプレーダーは回収しますが…。パークキーパーからの情報を受けとるためのアクセス権は、ここにいる皆さんには残しておきます」

それは…どうなんだ?
アライさん以外のフレンズの動向も分かるんだろ。
プライバシーとかは…いいのか?

白衣のフレンズ「パークキーパーのバージョンアップで、『アライさん』と『それ以外』をのサンドスター線の波長パターンを、ある程度判別できるようになりました」

白衣のフレンズ「皆さんには、アライさんの疑いがあるサンドスター反応だけを受信できるように、フィルタリングした結果だけをお渡しします」

正答率はどれくらいだ?

白衣のフレンズ「…85%です」

二値の線形判別で8割強か…。

白衣のフレンズ「少なくとも、アライさんを誤ってフィルタで除外することはないはずです」

それは良かった。
ヒグマさん、白衣さん。それに皆。
もし、また敵が出たら、是非呼んでくれ。
力になろう。

ヒグマ「大助かりだ。手を借りずに済む未来が来ることを祈るよ…」

~ジビエ料理店『食獲者』~

食通の友人「というわけで。これでアラジビ商売は終わりだぜ」

ああ。そうだな。

食通の友人「もしかしたら、どっかのバカがアライさんを違法養殖してるかもしれんが…そんときはバッチリ駆除してやってくれ」

任せてくれ。
しかし、あのテロリスト集団…
アライブ・ライク・ア・クロケットだったか。
捕まってよかったな。

食通の友人「ああ…。あいつら、アライブ・ライ…面倒だ、クロケット団でいーや。…あいつらには一度、うちの地下のフォアグライを盗まれかけたことがあったな」

あー、懐かしいな。
5年くらい前か。
思えばあの頃から、クロケット団は活動してたんだな。

食通の友人「あの時、お前が助けにきてくれなかったら、俺はフォアグライの富を掴んではいなかっただろう」



食通の友人「感謝してるぜ、相棒。これからもよろしく頼むぜ」

任せてくれ。
アライさんがいなくなったら、また鹿や猪が殖え、農作物被害を出すだろう。
そしたら、そいつらのジビエ肉を提供してやるよ。

食通の友人「…それまでは、普通の料理店だな」

せっかくだし、普通のフォアグラ料理 出してみたらどうだ?
例の工場使って。

食通の友人「いいなそれ!」

~ブラウンPのアトリエ~

ブラウンP「…さて。これでようやく、漫画を連載再開できるかな…」

ブラウンP「…」

ブラウンP「私はまだ大丈夫、大丈夫だ…。連載を完結させるまで、まだ…」

ブラウンP「失楽薬はまだ…いらない…はずだ…」

ブラウンP「…もうアシスタントはつけない方がいいかな…。一人で原稿を進めよう…」カキカキ

ブラウンP「…」カキカキ

ドアが外側から、こんこんとノックされる。

ブラウンP「…誰だい?」ガチャッ

アシスタント1「先生、復帰おめでとうございます!」

アシスタント2「一人じゃ原稿進まないでしょう、お手伝いしますよ!」

ブラウンP「君たちは…!」

…そこにいたのは。
ブラウンPが麦わら帽子アライさんを殺した後も、残り続けた2名のアシスタント達であった。

ブラウンP「…今の私は、だいぶ危険だぞ…」

アシスタント1&2「「構いませんよ」」



~出版社~

編集者「ブラウンPさん、マスクドブッチャー・ショクエモン仮面の原稿、受け取りました」

ブラウンP「さすがにブランクがあったかな」

編集者「いえいえ、殺しの描写のリアリティーがさらに増しています。アラ虐が無くなった今、先生の作品はさらに続きを熱望されていますよ」

ブラウンP「…アライさんは、フィクションの世界でも殺され続けるんだね…」

編集者「ところで…一つ気になったんですが…」

ブラウンP「何かな?」



編集者「…全体的に、エロいシーン多くなってません?」

ブラウンP「新しい作風への挑戦だよ」

編集者「ショクエモン仮面とライバル関係だったフレンズのヒロインが、急に恋人同士になってラブシーンに直行してるんですが…」

ブラウンP「いいじゃないか。これからは毎話1回ラブシーン入れようかな」

編集者「…さすがにバトルより多くなったら止めますよ」

ブラウンP「もういっそ、ショクエモンPとフレンズのヒロインのラブシーンだけの漫画書こうかな?」

編集者「んなモン同人でやれや!!!!!」



~スキー場温泉旅館~

温泉旅館オーナー「いらっしゃいませー…。あ、あなた達は…!!」

設計士「ふぅー、懐かしいであります…」スタスタ

プロジェクトリーダー「我々が建てた建物っす!」スタスタ

大きな角のフレンズ「温泉はやはりいいな!」スタスタ

力持ちなフレンズ「冬になったらスキーしに来ましょうかねー」スタスタ

乗り物が得意なフレンズ「スキーか、楽しそうだねー!」

温泉旅館「…び、ビーバーさん、プレーリーさん!元気になったんですねっ!良かった…!」

設計士「力仕事はまだできないでありますが…。KK建設で、設計士やらせてもらってるであります」

プロジェクトリーダー「人と一緒に働けるのもなかなかオツってやつっす!」

温泉旅館オーナー「ではどうぞ、ごゆっくり~♪」

~サンドスター科学研究所~

白衣のフレンズ「教授、ご報告です。一斉掃討作戦では、私の脳に埋め込んだインターフェースによって、ドローンを完全に思い通りに操作できました」コトン

ドローン「< ●>」ギョロ…

白衣のフレンズ「…やはり、彼女の遺志のおかげでしょうか」

白衣のフレンズ「…彼女はもういませんが、その意思の残滓が、輝きが…、我々を助けてくれている」

白衣のフレンズ「きっと彼女はこれからも、真の意味で…パークキーパーであり続けてくれることでしょう」

白衣のフレンズ「…もっとも…」

白衣のフレンズ「…作戦中に減っていくサンドスター反応を見て、心変わりしていなければ…の話ですが…」

パーク管理人「お話し中のとこすまん。…教授に話がある」

白衣のフレンズ「あ、はい…。報告は終わりましたので…。どうぞ」

パーク管理人「教授、私だ。私がここに、このタイミングで来た意味…分かるな?」

パーク管理人「…タイムオーバーだ」

パーク管理人「…無理だ。もう延長はできない。…予定はもう変更できない」

パーク管理人「…すまないな。だが、決して味方を裏切らない。それが大臣と、会長の意思だ」

パーク管理人「…この2年、ずっとろくに寝てないんだろ。そんな体で…無茶しやがって…。お前は昔からそうだ」

パーク管理人「…どうせタイムオーバーなんだ。もう急ぐ必要はない。少し寝ろ。心をゆっくり休めろ」

パーク管理人「…ジャパリミンは、その後でいいから。…しばらく、お前の子供達こと…あのスパコンのAIに演算を任せりゃいい」

パーク管理人「…お休み、教授…」

~シャークP宅~

カメラマン(シェイクP)「…ショクエモンP、アラジビ動画全部消しちゃったんだな…」

協力者(ジョークP)「勿体無いな。また見ようと思ったけど」

シャークP「師匠は言ってたよ…。今はまだ世間からアラ虐熱が冷めきってないからいいけど、いずれ人々はアラ虐の異常さに気付くときが来るだろうってな」

協力者「俺は薄々やべーって勘づいてたけどな」

カメラマン「うーん…」

シャークP「その時になったら、アラジビ動画は負の遺産…。フレンズ差別、アライ・ホロコーストの証拠として見られてしまうかもしれない…ってよ」

シャークP「だから俺達も、アラ虐動画は消しちまおう。明日からは、アラ虐のないシャークPになるんだ」

カメラマン「…ショクエモンPのパクリから、アラジビを取ったら…」

協力者「何が残るんだ?」

シャークP「う、うっさいわ!師匠譲りの動画作りのスキルがあるんだよ!シャー!」

…翌日…

シャークP「…俺達が、自分の動画を消したはいいが…」

協力者「他のアップロード者が思いっきり転載しまくってるな。『不死鳥動画』ってタグついてるぜww」

カメラマン「負の遺産はなかなか消えなさそうだな…」

つづく

~大久野島~

職員1「…」チャポン

休憩中に、海岸で釣りをしている大久野島の職員。
2本の竿を使っている。
1本をスタンドに立て、もう一本を手で持っている。

島アライさん1「今日は家主が、戦闘員達のアライさん達を迎えにいく日なのだ!」ドタドタ

島アライさん2「大きくなったアライさんの姿、お母さんに見せたいのだぁ!」ドタドタ

職員1「…」チャプチャプ

島アライさん1「おお~、何やってるのだ?」ドタドタ

島アライさん2「棒切れに糸垂らして…何かの遊びか?」ドタドタ

職員1「ああ。これは魚釣りだよ。やってみるか?」

島アライさん1「面白そうなのだあ!よこすのだあ!」ドタドタ

職員1「待て待て、手本見せてやる。こうやって…こうだ!」ザパァ

アイナメ「」ピチピチ

島アライさん1&2「「おおー!面白そうなのだぁ!」」

職員1「やってみるなら、俺がしばらく…」

職員2「おーい、清掃の準備があるから来てくれ」

職員1「分かった。俺が来るまで、まだ釣りせず待ってろよー」スタスタ…

島アライさん1「…」

島アライさん2「…」




島アライさん1&2「「面白そうなのだぁ!やるのだぁ!」」ガシィ

釣竿を握る島アライさん1&2。

島アライさん1「たあ~!」ポイッ チャポン

島アライさん2「たあ~!」ポイッ チャポン

擬似餌がついた釣竿を投げるアライさん達。
しばらく待つと…

島アライさん1「おおっ!?」グイグイ

島アライさん2「引いてるのだ!」グイグイ

どうやら2つの釣竿に魚がかかったようだ。

島アライさん1「引いてるのだ!引いてるのだ!ど、ど、どうすればいいのだ?」クイクイ

島アライさん2「引いてるのだ!そうだ、あいつはこのレバーをグルグル巻いてたのだ!真似するのだ!」グルグル

島アライさん1「たあ~!」グルグルグルグル

島アライさん2「たあ~!」グルグルグルグル




フグ1&2「「プクゥ」」ザッパァアアン

島アライさん1&2「「美味しそうなのだあああ!」」

釣れたフグを見て、目をキラキラと輝かせる島アライさん1&2。



~その頃、大久野島へ向かう船上~

船の上に、山小屋アライさん、ロッジアライさん1~10、会長、大臣がいる。

これから大久野島へロッジアライさん達を連れていくのである。

山小屋アライさん「お前達、よくやったのだぁ…これで『罪滅ぼし』は終わったのだっ…」

ロッジアライさん1~10「「「なのだー!」」」

山小屋アライさん「『アライさんネバーランド計画』作戦開始から2年経ったのだ。お前達のチビも、みんな大きくなった…のだ」

ロッジアライさん1「うぅ~、チビの顔を見るのが楽しみなのだ!きっともう大人なのだぁ!」ワクワク

ロッジアライさん2「アライさんのチビは、湖で捕まえた魚を食べるのが好きだったのだ!」ワクワク

ロッジアライさん3「ふふーん。アライさんにはチビはいないけど…。戦闘員は皆カースト最上位!チビを作る権利は最優先で貰えるのだ!」

大臣「お前達のおかげで、一斉掃討作戦はだいぶ捗ったのです」

会長「いい仕事したのです」

ロッジアライさん1~10「「ふっふっふ~!アライさんをもっと誉めるのだ!」」ピカピカガイジガオ

ロッジアライさん4「この腕輪もオシャレなのだ!みんなに自慢できるのだ!」フフン

ロッジアライさん5「アライさんの罪を晴らすために戦った勇者の武勲なのだぁ!勲章なのだぁ!」フフン

ロッジアライさん1~10「「なのだー」」コスリコスリコスリ

ロッジアライさん達は、『の』の字の腕輪を眺め、手で擦っている。
作戦開始前、役所で戸籍登録をしたときに作ったものだ。

山小屋アライさん「…しかし浮かれてる場合じゃないのだ。アライさんネバーランド計画を進めるにあたって、今のカースト制度は、まだ不完全なのだ」

山小屋アライさん「…新しいルールに合わせて、管理の仕方を…調整…する、仕事が残ってるのだ」

会長「そうなのです、ID1番。伝えることがあったのです」

山小屋アライさん「何なのだ?」

会長「英語で言うのです。いいですか?」

山小屋アライさん「英語…。カタカナ語なら分かるのだ。言ってみるのだ」

会長「アライさんネバーランド」

山小屋アライさん「ん?」

会長「…今言った『land』とは、土地を意味する名詞ではなく…『上陸する』を意味する動詞なのです」

山小屋アライさん「そんな意味があったのか…不勉強だったのだ…」

会長「もう一度言うのです」ゴウッ

会長から、野生解放の光がほとばしった。

会長「Araisan never land.」ドシュバアアアッ

会長は光の線となって、船上を駆け抜けた。

ロッジアライさん1「ごぶぎ!」ベギィ
ロッジアライさん2「ぐぶっ」ゴキィ
ロッジアライさん3「かふっ」ボギィ
ロッジアライさん4「びっ!」ベギャァア
ロッジアライさん5「ぶぎゅ!」ボギィ
ロッジアライさん6「がぐぶ!」メシャ
ロッジアライさん7「ぴぎっ」ボギイィィ
ロッジアライさん8「ごぶぇ」ボゴン
ロッジアライさん9「ぎびゅっ」ベギィァ
ロッジアライさん10「ふぎゅ!」ゴシャアア


ロッジアライさん1~10は、会長の目にも止まらぬスピードの手刀を首筋にくらい…

ロッジアライさん1~10「「」」ドサアァ

…首が折れ曲がった状態で船上に倒れた。

会長「ふぅ…」スゥ…

ロッジアライさん1~10「「」」グッタリ

脛椎が完全に破壊され即死しているのは、火を見るより明らかだ。

山小屋アライさん「…え…っ…?」キョトン

今までの平静さが嘘であったかのように、激しく動揺する山小屋アライさん。

山小屋アライさん「な…あっ…お前…たちっ…」ヨロッ ガクッ

会長「…お前があの時提案した、アライさんを生かすことの『3つのメリット』」

会長「その1…種を保存すれば国際的非難を軽減できる」

会長「その2…間引きした連中を、アラ虐できなくなった者の暴力の捌け口にできる」

会長「その3…一斉掃討作戦の戦力として、戦闘員を貸し出す」


会長「3つ目以外、価値ゼロなのです」

山小屋アライさん「ぐ…ぅっ…」

会長「国際的非難?言わせておけばいいのです」

会長「それにアラ虐の捌け口にする?…アラ虐は、アライさんが一般的に『憎き害獣』のイメージがあるから正統性が成り立つのです」

会長「お前達が罪滅ぼしをし、害獣でなくなってしまったら、虐待・虐殺に正義は無いのです…ただの悪行なのです」

会長「だいたい、アラ虐をやめられない者にアライさんを与えるなど、アル中患者に強いアルコールを与えるようなもの。悪化を招く間違った対症療法なのです」

会長「暴力の捌け口にさえなれないお前達の部下共は、何の役にも立たないくせに監視や管理のために人員と費用を無駄に浪費する…」

会長「最もタチの悪い、『保護された寄生害獣』。国民の血税をすする蛭なのです」

会長「ならば、全滅させる以外ないのです」

山小屋アライさん「う…裏切った…のか…!決して裏切らないと…言ったのは…嘘、だったのか…!」ブルブル

会長「その言葉に、偽りはないのです」

山小屋アライさん「どこがなのだ!!」

会長「『裏切る』というのは、味方に対して使う言葉なのです。我々は、敵同士…野良アライさん同士を、同士討ちさせただけなのです」

会長「敵同士を相討ちするよう仕向けることを、『裏切り』とは言わないのです」

山小屋アライさん「てき…?ちがうのだ…アライさんは、みかたなのだぁ…っ」

会長「我々は誰一人として、最初からお前の部下達を味方などと思っていないのです。『敵をうまく懐柔しただけ』なのです」

山小屋アライさん「それなら…あ、あの島は!大久野島は何なのだ!?アライさんの部下達を味方につけるためだけに、費用をはたいて植林してたのか?」

会長「ああ、それなら…」スッ

会長は、無線機を取り出し、何かを話し出す。

会長「こちら会長。職員全員、清掃の準備はできてますね?」

山小屋アライさん「清掃の…準備…?」ガクガクブルブル

会長「職員達。清掃開始なのです」

山小屋アライさん「やっ…や゛め゛ろ゛ぉ゛ぉおおおーーーーッ!!!」



~大久野島~

職員1「…」スタスタ

清掃の準備をしに行っていた職員1が、釣竿のところへ戻ってきた。

島アライさん1「あ、来たのだ!職員さん、見るのだ!魚が釣れたのだぁ!」ドタドタ

フグ1「」ピチピチ

島アライさん2「丸くて美味しそうなのだ!ふははー、アライさんの釣りは上手だろぉ!」グイッ

フグ2「」ピチピチ

島アライさん1&2は、釣ったフグを職員1へ見せている。

島アライさん1「…おい、何か答えるのだ!」

職員1「今日この日のために…。俺達は、お前達との共同生活に耐えてきたんだ…」ワナワナ

島アライさん2「のあ?な、何言って…」

職員1「くたばれハエガイジ共ォォオォオーーーーッ!」ジャキッ ズダダダッダダダダダッ

島アライさん1&2「「ぴぎゃあああああああーーーっ!!!」」ブシュブシュグシャアア

島アライさん1&2は、職員1が取り出した自動小銃によって蜂の巣となった。

放送用スピーカー『大久野島全職員へ告ぐ!直ちに清掃開始せよ!清掃開始せよ!』ウーウー

ダダダダダダダ…

ノギャー!ピギイィィ!ショクインサンタスケ…グブエ!


島のあちらこちらで、職員達による『清掃』が始まる。

島アライさん15「嫌なのだあああああ!」ドタドタ

島アライさん16「アライさんは真面目に働いてきたのだ!盗みも犯罪もしてないのだぁ!」ドタドタ

島アライさん17「アライさんはどうすれば良かったのだああ!」ドタドタ

職員2「どうもこうもねえよ!生きてるだけで重犯罪だ!野良アライ共ォォーーッ!!」ズダダダッダダダダダッ

島アライさん15~17「「「びぎゃがあああああーーーっ!!」」」ブシャアア ドサアァ

そう、島アライさん達の一斉駆除である。

副リーダーアライさん「これはどういう事なのだ!?職員さん、部下達が何か非礼をしたのか!?」ガラッ

職員3「ああ、やったよ…」

副リーダーアライさん「な、何をしたのだ!?謝らせるのだ!関わった連中処刑してやるから、教えるのだ!」

職員3「ここで過ごしてきた1分1秒…全てが非礼だァーーーッ!!」ズダダダッダダダダダッ

副リーダーアライさん「のぎゃあああああああああっ!!」ブシュブシュグシャアア

副リーダーアライさん「」ドチャァ

山小屋アライさんに将来を有望視されていた副リーダーは、そこら辺の害獣と何ら変わり無い扱いを受け、
ただの物言わぬ骸と化した。

~大久野島 海岸~

島アライさん28「し、職員達が裏切ったのだああ!ガイジになったのだああ!」ドタドタ

島アライさん29「海に飛び込んで逃げるのだああ!たあ~!」バッシャアアン

島アライさん30「山小屋に帰るのだああ!逃げるのだあ!」バシャバシャ

数匹のアライさん達が、海に飛び込んで泳いでいる。

アライグマは泳ぎが得意な動物。そのフレンズであるアライさん達も、泳ぎは得意であった。

木登り、水泳、隠密行動。
その全てが得意なアライさん達は、
まさにサバイバル能力に特化した、強大なフレンズといえる。

戦闘ヘリ『泳いで逃げているアライさんがいるな。射撃する!』バババババ

…だが、人間の軍事力には敵わない。

島アライさん28「ひっ!?こ、降伏するのだああ!」ブルブル

島アライさん29「実験動物にでも何でも利用していいのだぁ!だから命命だけは助けるのだああ!」ブルブル

島アライさん30「アライさん達はもう害獣じゃないのだ!盗みや悪さをした奴らは『罪滅ぼし』したのだ!アライさん達は…」

戦闘ヘリ『うるせぇ!お前らは今島から逃げて森で繁殖しようとしてんだろーが!未来の害獣をほっとけるか!ディスパッチ開始!』ジャキッ ズダダダッダダダダダッ

島アライさん28~30「「「ごぶぎゃあああーーーっ!」」」グシャドシャビシャ

肉片「」プカァ…

戦闘ヘリ『爆弾処理、完了』ジャキッ

~大久野島 遊具場~

島アライさん31「ひっ、ひいぃっ!」ドタドタ

島アライさん31「はぁ、はぁ…!」ガサゴソ

まだ生きている最後の島アライさんは、遊具場の土管の中に隠れた。

島アライさん31「はぁ、はぁ…!こ、ここに、アライさんが生きてきた証を遺すのだ!」キュポン

島アライさん31は、勉強小屋から持ってきたマーカーペンを取り出し、土管の中へ何かを書いた。

島アライさん31「どこかの誰か…。アライさんの最後の言葉を、聞いてくれなのだ…!」カキカキ

島アライさん31は、まだアライちゃんだった頃から、山小屋アライさんや副リーダー…
そして島の優しかった頃の職員達に、文字を教わっていた。
そしてまともに文字の読み書きができるように、しっかり勉強してきたのであった。
いつか自分も、『支配される側』でなく、山小屋アライさんや副リーダーのように、『支配する側』になるために。

だが、もはや逃れる術はない。
支配すべき群れは、自分を残して皆全滅した。
もう間もなく、島アライさん31もディスパッチされるであろう。

だから、その前に。
自分が生きてきたことの意味を記すために…
島アライさん31は、土管の中へ、何かの文章を書いた。

島アライさん31「…へ、へへへへ…。これで、いいのだ…」

島アライさん31は、マーカーペンをしまった。

職員4「サンドスターレーダーに反応あり!ここに隠れてるな!」ジャキッ

島アライさん31「…」

職員4「ディスパッチ!」ズダダダッダダダダダッ

島アライさん31「ぶぎゅっ!」ブシュブシュグシャアア ドサッ

島アライさん31「」ビグンビグンビッタンバッタンジタバタ

…そうして、山小屋アライさんが今まで数年間、ずっと育て、管理してきたロッジアライさん一味は、
30分と経たずに全員死んだ。



~大久野島へ向かう船上~

会長「…大久野島より連絡があったのです。31匹、全てのアライさんの死亡を確認したのです」

山小屋アライさん「あ…ぁああ…そ、そんな…そんなぁっ…」ガクッ

山小屋アライさん「アライさんの…仲間が…友達が…皆…死んだ…」

山小屋アライさん「ぅあ…あああ…」ブルブル

山小屋アライさん「…島アライさん達がやってきた事は、全部…無駄なことだったのか…。頑張って続けてきた植林のお仕事も、何一つ!何一つ無意味なのかぁっ!」

???「…無意味なんかじゃ、ない」スッ

船の中から、何者かが出てきた。

パーク管理人「お前達が環境を整えてきた、大久野島は…。フレンズ省が、フレンズ達の新たな居住区として使わせてもらう」ヌッ

山小屋アライさん「新たな居住区…だと…」ブルブル

パーク管理人「島一つ使った巨大なサファリパーク。…『フレンズパビリオン』としてな…」

パーク管理人は、山小屋アライさんから目を逸らしている。
非情に振る舞ってはいるが、内心は罪悪感に苛まれているようだ。

パーク管理人「この広い島でなら、ジャパリパークで退屈しているフレンズ達も窮屈せずに生活できるだろう」

パーク管理人「もっとも…、ここを作ったのが、殺処分されたアライさん達だなんて教えられないけどな」

山小屋アライさん「教えられない…だと?…ふざけるな…ふざけるな…!アライさん達が、一生懸命植林してきた土地を、横からやってきて略奪するだと…?」ブルブル

山小屋アライさん「…アライさんが、たとえ害獣だとしても…!そこまで、そこまで…やるのかぁっ…!感謝も、労いすらないのかぁっ…!」ブルブル

会長「お前達は、パン作りに使うドライイーストと同じなのです」

山小屋アライさん「ドライイースト…!?」

会長「我々はパンを作るとき、パン生地へイースト菌を植え付けるのです」

会長「イースト菌は、パン生地を勝手に自分たちの食糧兼巣だと思い込み、一生懸命働いて、パン生地を発酵させるのです」

会長「そして我々は、発酵したパン生地をイースト菌ごと焼くのです。当然、イースト菌共は皆死ぬのです」

会長「我々はイースト菌を一匹一匹救出したり、感謝したり、労ったりしないのです」

会長「お前達も、イースト菌と同じ。ただそれだけなのです」

山小屋アライさん「つまりアライさん達は…アライイーストだったって事…なのかあっ…!」

大臣「…?」ポカーン

パーク管理人「?何て?」

会長「…そ、そういうことなのです」

山小屋アライさん「…もういいのだ…。アライさんも、殺すのだ」チラッ

山小屋アライさんは、首を折られて死んでいるロッジアライさん1~10の死体を見ている。

山小屋アライさん「…きっと、全てを知ったアライさんは、邪魔な存在なのだろう?口封じした方がいいのだろう?」

山小屋アライさん「そうしてお前達は、この船上で行われた殺人事件を、国家ぐるみで隠蔽するんだろう?」

山小屋アライさん「だったらアライさんもディスパッチすればいいのだ。…部下達がいる天国…いや、地獄へ送ればいいのだ」

山小屋アライさん「だが、覚えておくのだ」

山小屋アライさん「この行いは…、お前達の政府が、『目的を達するためなら、戸籍のあるフレンズを平気で殺し、隠蔽する組織だ』ということを意味するのだ」

山小屋アライさん「お前達は、これからも同じ事を繰り返すのだ。不正、隠蔽。不正、隠蔽。…ずっとずっと繰り返すのだ」

山小屋アライさん「そしていつしかボロが出て、隠してきた犯行が公の場に晒されるのだ。その時が、この国の信用の失墜…破滅の時なのだ」

山小屋アライさん「ふっ…ふははっ…!アライさんは、お前達がアライさんのいる地獄へ堕ちてくるのを楽しみに待っててやるのだ!」



会長「殺すわけないのです」

山小屋アライさん「はっ…何故なのだ」




会長「何故なら、お前は…『戸籍持ち』だから。人間と同じ扱いをする必要があるのです」



山小屋アライさん「そこの、戸籍持ちの死体を側に置いて…何を言ってるのだ」

会長「ああ、これなのですか」チラッ

会長は、ロッジアライさん達の腕輪を見る。
戸籍登録のときに作られた、けものプラズム製の腕輪だ。

会長「この腕輪は…シロウが、3日で調整してくれたのです。これができるように」ポチッ

会長は、リモコンを取り出して押す。

ロッジアライさん達の腕輪「」シュパアアァ…

すると、腕輪は光となって消えた。

山小屋アライさん「な…あっ…!?」

会長「この腕輪は偽物なのです。こいつらには、元々本物の戸籍は与えていないのです。第一、法律上無理なのです」

山小屋アライさん「でも…住民票は…アライさんが、一枚一枚…。偽造防止用フィルムを確認したはずなのだ…!」

会長「それは役所で作った偽物だからなのです。ついでに言うと、あのとき銀行で渡した口座の通帳は、前もってこちらで作っておいたものなのです」

山小屋アライさん「っ…ふはははっ…結局、犯罪の隠蔽なのだ!公的文書の偽造は犯罪なのだ!お前達もみんなみんな犯罪者なのだ!」

会長「いいえ?何の犯罪も犯していないのです。我々のやったことは、完全にクリーン、潔白なのです」

会長「なぜなら、これらの偽造はすべて…。前もって、最高裁の許可を得たからなのです」バッ

会長は、最高裁からの書類を取り出して見せた。
害獣駆除促進のための超法規的措置として、今回のケースだけ例外的に、戸籍と住民票諸々すべての偽造を許可したことが記されている。

山小屋アライさん「」

山小屋アライさんは、ただただ唖然としている。
いくら害獣駆除のためだからといって、絶対中立であるはずの最高裁が、国家ぐるみでの公的文書の偽造を認めたという信じがたい事実に、
ただただ驚いている。

会長「全く…。これを取りに行くせいで、私は最後のアラジビフェスに参加できなかったのです。アライビャック食べたかったのです」

山小屋アライさん「は、はは…。この国は、いつから独裁国家になったのだ…?」ブルブル

もはや山小屋アライさんは笑うしかないようだ。

会長「何を馬鹿なことを。我々の国家は、きちんと三権分立された民主主義国家なのです」

会長「フレンズ省でも、この作戦にほぼ全ての者が賛成したのです。もっとも、極僅か、『いくら害獣とはいえ、可哀想だし悪質すぎる』と異議を唱えた少数派もいましたが…」

山小屋アライさん「…」

山小屋アライさん「なるほどなるほど…はは!全て潔白!お前達が全部正しい!アライさん達が全部間違っている!ああそうなのか!」

山小屋アライさん「それがお前達のやり方なのか!」

山小屋アライさん「お前達のやり方は!考え方はっ!!アライさん以上に腐りきってやがるのだぁぁっ!!!」

会長「それはお前が腐った目で見ているから、なんでも腐って見えるだけなのです」

山小屋アライさん「だったら…ID2番はどうなのだ!?あいつだけ何故特別扱いで依怙贔屓されてるのだ!」

会長「御手洗ですか?」

山小屋アライさん「そうなのだ!このアライさんとの扱いの差はなんなのだ!お前があいつのお友達だから、依怙贔屓してるんじゃないのか!?」

会長「ただ、真っ当に区別しているだけなのだ」

山小屋アライさん「嘘なのだ!明らかに優遇されているのだ!お前の私情なのだ!」

会長「…人間だって同じなのです。御手洗は職に就いてて、犯罪を犯していない社会人なのです」

会長「それに比べてお前は、社会からドロップアウトして納税も年金も払っていない犯罪者なのです」

会長「害獣の一斉掃討作戦に貢献したことは、戦闘員を提供したお前も、清掃に参加したあいつも同じなのです」

会長「たとえアライさんじゃなく人間だとしても、扱いを区別されて当然なのです。10人いれば10人があいつを優遇するのです」

山小屋アライさん「…『犯罪者』…か」

会長「そうなのです」

会長「そして、後は…ごく真っ当に、正当に法が適用されるだけなのです」

オーロックス「警察だ!」ガチャッ

アラビアオリックス「アライグマID1番。お前を特定有害駆除対象フレンズ繁殖助長の罪で逮捕する」スタスタ

警官のフレンズが、船の中から出てくる。
パーク管理人と同じように、今まで隠れ潜んでいたようだ。

山小屋アライさん「…」ガチャッ

山小屋アライさんは、手錠をつけられるのを黙って受け入れた。
かつて、アライキング・ボスの拘束に使用されたものと同じ…
サンドスターを利用した対高レベルフレンズ用手錠、『フレネミーズ・ジェイル』である。


会長「…繁殖助長は、それほど重い罪ではないのです。それにお前には、今回の作戦に多大な貢献を成し遂げた功績があるのです」

会長「きっと裁判では、お前への刑罰はごくごく軽いものになるはずなのです」

会長「すぐに牢屋から出られるのです。その後は、森に帰るなり、フレンズパビリオンに来るなりして、自由に生きればいいのです」

山小屋アライさん「…」

会長「お前はできる奴なのです。受け入れてくれる所はいっぱいあるのです」

山小屋アライさん「…ふっ…ははっ…」

山小屋アライさん「…死んでもお断りなのだ」シュウウゥゥ…

大臣「!?」

山小屋アライさんの体から、サンドスターの光が漏れ出す。
まるで、水の入った水筒に穴が空いたかのように。

山小屋アライさん「アライさんは…今日の今日まで、老化して病巣となったこの体を、仲間達のために延命させてきたのだ」シュウウゥゥ…

山小屋アライさん「死刑になった同胞の脳ミソを食べてサンドスターを補給し、無理矢理生き長らえてきた…」シュウウゥゥ…

山小屋アライさん「だけど、もう用済みなのだ。この体も、この命も、この世界も…」シュウウゥゥ…

大臣「な、何を…」

パーク管理人「っ…」

山小屋アライさん「アライさんはもう、チェックアウトなのだ」バッ

山小屋アライさんは、船の上から飛び降りた。

会長「…!」

山小屋アライさん「」ドッボオオオン

そして、海に落下した。

大臣「早まったことを!」バッ ドボオン

大臣は飛行し、海の中へ潜る。

大臣「っ…」!ゴボゴボ ガシッ

山小屋アライさん「」ゴボゴボ…

大臣「ぷはぁ!」バシャッ

山小屋アライさん「」グッタリ

大臣は、海に身を投げた山小屋アライさんを救出し、船上へ戻った。

大臣「ヤマゴヤ!」

山小屋アライさん「」グッタリ

山小屋アライさんの顔は老婆のように皺だらけになっており、髪も白髪と化していた。

大臣「っ…」ピタッ

大臣は、山小屋アライさんの首筋に手を当てた。
脈は無くなっている。

大臣「ヤマゴヤっ!しっかりするのです、ヤマゴヤっ!」グッグッ

心臓マッサージをするが、蘇生はしないようだ。

大臣「…」

会長「…」

…山小屋アライさんの死因は、誰が見ても明らかだ。
…老衰であった。

大臣「…ヤマゴヤ…」

会長「…大臣。ヤマゴヤは、我々が死に追いやったのです」

大臣「…なのです…」

大臣「…」チラッ

大臣は、ロッジアライさん1~10の死体を見た。

大臣「…こいつらの死体は、どうするのですか?」

会長「もうアラジビを食べれる機会はないのです。食っておくのです」スタスタ

大臣「!?や、やめるのです!」ガシィ

パーク管理人「よせって、会長…!」ガシィ

2人のフレンズは、会長を止めようとする。

会長「何故なのです?お前達もコッチ側…。加害者側なのです。こいつらの死体がどうなろうと関係ないのです」

大臣「…ミミちゃん、止めるのです、お願い…!」ブルブル

パーク管理人「くっ…そっ…」ブルブル

会長「邪魔なのです」バッ

会長は、二人を振りほどく。

オーロックス「おい。警察が見ている前で暴力沙汰はやめろ」

会長「…大臣、管理人。本当に、何故止めるのです?私は何か間違ったことを言ってるのですか?」アセアセ

大臣「ミミちゃん…お前は…」

パーク管理人「開き直ってるんじゃなくて、本当に何がヘンか…分かってないのか?」

会長「…」コクリ

会長は、黙ってうなづき…
ある決意をした。



~サンドスター科学研究所~

実験室アライちゃん1「なのだー」ヨチヨチ

実験室アライしゃん1「たいくつなのだー!みずあそびあきたのだー!」バシャバシャ

大臣「…」スタスタ

会長「…」スタスタ

パーク管理人「…」スタスタ

大臣と会長が、サンドスター科学研究所を訪れた。
檻の中に閉じ込められている、実験用アライさんの側を通りすぎていく。

大臣「シロウ、いますか。シロウ」コンコン

理科の先生「…はい」スタスタ

大臣「…大久野島のアライさんを始末したこと、もう聞いていますか?」

理科の先生「…存じてます。教授にも伝えました」

理科の先生「教授とは、大久野島の駆除決行までにジャパリミン精製が間に合えば、大久野島のアライさん駆除を止めるという契約をしていましたが…」

理科の先生「…タイムオーバーのようですね」

大臣「…あいつの様子はどうですか?」

理科の先生「…」

理科の先生「教授の心は…ぽっきりと折れてしまいました」

パーク管理人「…やっぱりな…こうなったか…」

理科の先生「教授がジャパリミンを精製しようとしていた動機は、『フレンズ達みんなが、人と仲良く暮らせるようにするため』と言っていましたが…」

パーク管理人「それは、戸籍持ちと研究機関以外にアライさんの生存を許さない意思を持つお前さんが相手だから、そう言ったんだよ…」

パーク管理人「本当の動機は、どう考えても…『野良アライさん達に投与し、生殖欲求を抑えさせるため』だろう」

パーク管理人「…研究所でアライさんを育て続けてきた目的も、『ジャパリミン精製でその繁殖欲求を抑えられるか実験するため』だったんだろうよ」

理科の先生「…」

会長「…」

理科の先生「教授は今も、自分の為すべきことを為さねばならないと思い、自分を奮い立たせようとしていますが…」

パーク管理人「…あいつには休養が必要だ。今はもう、休ませろ」

会長「…ジャパリミンは、もういいのです。別の方法で、私は自分を抑えることにしたのです」

会長「そのために、ここに来たのです。シロウ」

大臣「…」

会長「お前は言ったのです。『人や他のフレンズを襲わないようにするには、心を失うか、力を失うしかない』と」

会長「私の捕食欲求は、本能からくるもの。失楽薬では抑えられないのです」

会長「だから、シロウ。私は、力を失いに、ここへ来たのです」

理科の先生「…分かりました…」

理科の先生「約束通り。『脚が動かなくなる薬』を処方します。朝昼番、毎日1粒飲んでください」

会長「…分かったのです」

理科の先生「前もって言っておきますが、今回投与する薬剤は、定期投薬をやめ、反作用のある別の薬剤を投与することで、無効化できます」

理科の先生「もしも、いつの日か…、教授がジャパリミンを完成させたら、その時…。あなたは、脚の自由を取り戻せるようになります」

会長「…待っているのです」



~ブラウンPのアトリエ~

ブラウンP「…そうか。教授は…。分かった。連絡ありがとう、シロウ主任」ピッ

ブラウンPは、理科の先生からの電話を切った。

ブラウンP「…」

ブラウンP「まだ、大丈夫…かな…。もう少し…。あと少しで、漫画が完結するんだ…っ」

ブラウンP「だが、もしも、万が一…。私が、誰かを傷つけたくてたまらなくなったら…」

ブラウンP「…私も、シロウ主任…。あなたの所へ、向かいます…」

~数ヶ月後、大久野島~

パーク管理人「ここが第3のジャパリパーク。『フレンズパビリオン』だ」

ヤブノウサギ「うーん、ここが…。…男のお客さんと会える機会が減るなら、私はいいかな…」キョロキョロ

ハムスターのフレンズ「広いねー!いいねここー!」ピョコピョコ

セキセイインコのフレンズ「うわー、すっごーい!」バタバタ

ジャパリパークの窮屈さにうんざりしていたフレンズ達が、大久野島へやってきた。

ロッジアライさん達が植えてきた果樹園や様々な自然が、彼女達を出迎えた。

パーク管理人「ああ。これからは、ここで自由に暮らしていいんだ。そして、ここを観光地としてお客さんを招く」

パーク管理人「きっと毎日、退屈しないはずだ」

ハムスターのフレンズ「こんなにいい所を作ってくれた人達には、お礼言わないとね!」

パーク管理人「っ…」

セキセイインコ「会わせて会わせて!ちゃんとお礼言いたいよー!」バサバサ

パーク管理人「…」

パーク管理人「…すまないな。それは…できない。諦めてくれっ…」

ハムスターのフレンズ「なんでー!?」

セキセイインコのフレンズ「お願いお願いー!」

パーク管理人「っ…くそ…っ」

パーク管理人「…ここの管制塔にいる、職員達が…作ったっ…」ブルブル

猫のフレンズ「分かった!」

セキセイインコのフレンズ「行ってみようー!」バサバサ

ハムスターのフレンズ「あ、遊び道具がある!お礼言い終わったら、あの土管の中行ってみよーと!」ピョコピョコ

パーク管理人「…くっ…」

パーク管理人「くそったれっ…」

パーク管理人「っ…はは…。あいつらを殺す側に荷担した私には、あいつらを悼む権利もないな…っ」ワナワナ




会長は、2年前の時点ですべての計画を立て…
そして実際に、ロッジ組の抹殺を決行した。

かつてロッジ組が過ごした大久野島は、フレンズパビリオンとして利用された。
これによりたくさんのフレンズが救われ、観光による収益も得られるだろう。
経済的には、『プラス』の結果となった。

もしもロッジアライさん達が大久野島に住めば、その維持にかかるコストだけが費やされていくことになる。
既にゴミパンダヴィランで無くなった以上、アラ虐をビジネス化することも困難だ。
きっとロッジアライさん達は、経済的には『負債』として永遠に居座ることになったであろう。


経済の数字だけを基準として判断するならば、きっと会長の判断は懸命だったのであろう。


しかし。
経済の数字だけを基準として判断することが、本当に良い判断だったのであろうか…?

つづく

アラ虐wiki管理人様、いつもお疲れ様です
パート13まで全てまとめて頂き、ありがとうございます

フレンズパビリオンの青々とした自然には、多くの鳥や虫、小動物が住み着いた。

フレンズ達によって丁寧に整備されているからであろう。

そして何より。フレンズ達が来る前に…。

かつてこの島で、木々や草花を植林し、自然を育てた島アライさん達。
その死骸がフリーズドライ加工の後粉砕され、アライ粉肥料として与えられたからであろう。

乾燥されたアライ粉は、嫌気性分解(腐敗)ではなく、好気性分解(発酵)により、
アミノ酸や糖類などの養分となって、植物へ吸収されていった。
いわば、島の植物へアラジビを与えたような感じだ。

島アライさん達は、ゴミとして焼却処分され捨てられたわけではない。
その死体すらも有効に活用されたのであった。

もっとも、そんな扱いは島アライさん達の本来の望みからは遥か遠い。
島の植物へ、島アライさん達の死体活用方法を語って聞かせたとしても、
彼岸の向こうの島アライさん達への供養にはなりはしないであろう。



~サンドスター科学研究所~

パルコアライサン「ふはははー」ガチャガチャ

携帯ゲーム機「ズダダダダダダ!ギャオー!ヘヴィマスィンガン!バキュキュキュ!!」

パルコアライサン「たのしーのだぁー」ガチャガチャ

携帯ゲーム機「シーユーインヘール!ミッションクリアー!」

パルコアライサン「やったのだー ついにボスを倒したのだぁ ばんざいなのだぁ」

パルコアライさんが、小さな部屋で携帯ゲームで遊んでいる。
だいぶレトロなゲーム機のようだ。

これはかつて教授が、実験用アライさん達が退屈しないようにと思って、研究員に頼んで
中古ゲーム屋で集めてもらったものである。

もっとも、理科の先生が主任として戻って来てからは、
コスト削減のために実験用アライさん達から没収されてしまったようだが。

パルコアライサン「ふははははー」ガチャガチャ

ブザー『ビーッビーッビーッ!警報!警報!モンスターが現れました!勇者は直ちにモンスターを排除してください!』

パルコアライサン「のあぁ またモンスターが来たのだぁ」

パルコアライサンは、ゲーム機を置く。

ブザー『モンスターを倒した勇敢な方には、報酬としてシュークリーム5個が与えられます!』

パルコアライサン「シュークリーム!美味しそうなのだぁ 仕方ないのだ 勇者アライさんがやっつけてやるのだ」

やがて、パルコアライサンの部屋の自動ドアが開く。

ボロ服アライさん1「はぁ、はぁ…!」ゴオオオオ

ボロ服アライさん2「お前を殺せば、アライさんはお外で自由になれるのだぁ…!」ギュイイイイイイン

怪獣の体表ようなデザインの安っぽいワンピースと帽子を着けたアライさんが2匹、部屋へ入ってきた。

ボロ服アライさん1はガスバーナーを、
ボロ服アライさん2はチェーンソー持っている。

パルコアライサン「うぬぬー みんなを困らす怪獣どもめー 正義のアライさんがやっつけてやるのだ」ドタドタ

パルコアライサンは、丸腰で立ち向かった。

パルコアライサン「アライさんは最強無敵なのだぁ たあ~」ダッ

パルコアライサンは、2匹の侵入者へタックルを試みた。

パルコアライサン「たあ~」ドカッ

ボロ服アライさん2「のあっ!」ドタッ

ボロ服アライさんは、パルコアライサンからタックルを受ける。

ボロ服アライさん2「…」

パルコアライサン「ふははー恐れ入ったか アライさんのパワーは凄いんだぞぉ」

ボロ服アライさん2「こんな弱い奴を殺すだけで外に出られるなんて、楽チンなのだ!」

パルコアライサン「のあ?」

全力タックルしたはずだが、あまり相手にダメージはない。
単純に、筋力や運動神経がパルコアライサンの方が劣っているためである。

ボロ服アライさん2「くたばるのだあああああ!」ギュウイイイイイン

パルコアライサン「ぎびいいいいいいいぃ!ぐぎゃあああああああ!いだいのだああああ!」ブシャアアアバリバリ

ボロ服アライさん2は、パルコアライサンの腹をチェーンソーで切り裂く。

パルコアライサン「げぼぉ いだいのだああああ!アライさんの内臓があぁぁ ひぎいぃぃ」ドボドボ

パルコアライサンは腹部から大量出血し、内臓が飛び出ている。

ボロ服アライさん2「ふっはは、倒せそうなのだぁ!」

パルコアライサン「ふぬぬ…」ガシィ モゾモゾ コスリコスリ

パルコアライサンは、飛び出た内臓を腹の中へ押し込め、傷口を擦っている。

ボロ服アライさん1「そんなんで治るわけないのだ!お前を殺して自由になるのだああ!」ダッ

パルコアライサン「治ったのだー」ピカピカガイジガオ

ボロ服アライさん1&2「「のあああ!?」」

パルコアライサン「よくもやったのだ! 知ってるのだ アライさんはものを投げ飛ばすと強いのだぁ」ガシィ

パルコアライサンは、部屋にあった携帯ゲーム機を投げようとして掴む。

パルコアライサン「うぅ でも、これを投げたら壊れるのだ もうゲームで遊べなくなるのだ 困ったのだぁ」

ボロ服アライさん1「隙だらけなのだ!たあ~!」ボウウウウウ

パルコアライサン「びっ…ぎゃあああああああああああああああああああああああああ!!!あづいのだあああああああああああーーーーっ!!」メラメラ

ボロ服アライさん1は、ガスバーナーの青い炎をパルコアライサンの背中へ浴びせかける。

パルコアライサンの背中は、みるみるうちに燃えていく。

パルコアライサン「ぎびいぃ!あづいのだああああ!ぐぎゃぁああああああ!!」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチ

パルコアライサンは、必死で逃げ惑う。
たとえ回復能力の高いパルコアライサンといえど、
高熱で背中の細胞を焼かれ、内皮より下の層のタンパク質を凝固させられたら、ひとたまりもない。

パルコアライサン1「やべるのだあああああ!びぎいいいぃ!ママ!ママぁー!」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチ

パルコアライサン1は、必死で逃げ惑うも…

ボロ服アライさん1「今度は腹を丸焼きにしてやるのだ!」ボウウウウウ

パルコアライサン「ぶごぇええええええええええっ!!あぢゅいのだあああああーーーっ!!」メラメラ

今度はガスバーナーで腹の方を焼かれた。

パルコアライサン「うぅー!止めるのだ たあ~!」ポイッ

ボロ服アライさん1「のだっ!」コツン

パルコアライサンが投げた携帯ゲーム機がボロ服アライさん1に当たるが…

ボロ服アライさん1「ぜんぜんきかないのだ!」

パルコアライサン「のあぁ?なんでなのだ」

ボロ服アライさん1「だから何なのだ!このまま焼いてやるのだ!」ボウウウウウ

パルコアライサン「ぎびゃああああがああああああ!だずげで!もうやめるのだぁ!死んじゃうのだあああ!アライさんが可哀想なのだぁ!」ボウウウウウ

どんどん火傷は広がっていくパルコアライサン。
なお、ちょっと前についた火傷は、逐次回復し始めている。

ボロ服アライさん1「こいつっ…何なのだぁ!なんで死なないのだ!?」ボウウウウウ

ボロ服アライさん2「ならば首をはねてやるのだ!」ギュイイイイイイン

パルコアライサン「ぐぎぃぃ!そのグルグル痛いから止めるのだあ!ぐすっ…これ以上アライさんを虐めるのはガイジなのだぁ」ジョボボボボ…

パルコアライサンは、身を焼かれる熱さと激痛と恐怖のあまり泣き出し、失禁した。

ボロ服アライさん2「切ってやるのだ!たあー!」ブンッ

パルコアライサン「嫌なのだああああ!」シュウウゥゥ…

パルコアライサンの体が、サンドスターの光に包まれる。

パルコアライサン「のああああああーーーー!」ピカアアア

ボロ服アライさん1&2「「のあっ!?」」ビクゥ

野生解放したパルコアライサンの発光の眩しさに、2匹のアライさんは驚き、体勢を崩した。

すると、何故か運よく…

ボロ服アライさん1「いだいのだあああああああ!」ギュイイン バリバリ

ボロ服アライさん2「あづいのだあああああああ!」ボオオウ

体勢を崩したボロ服アライさん1が持っていたバーナーが、2の顔面を焼き。
2が持っていたチェーンソーが、1の腹を切り裂いた。

ボロ服アライさん1「のぎゃあああああああああっ!いだい!いだいのだあああああっ!があああーーっ!」ブシュウウゥ ボタボタ

ボロ服アライさん2「びぎぢぃぃぃいいーーーっ!顔が!アライさんの可愛い可愛いお顔がああーーーっ!」ジタバタ

…あまりにも、不自然なくらいに、パルコアライサンに都合のいい出来事であった。

パルコアライサン「今なら倒せるのだぁ」ムクリ ハァハァ

パルコアライサンは立ち上がる。
既に火傷は完治していた。

パルコアライサン「とどめなのだぁモンスターどもめ アライキック アライパンチ たあ~!」ドガボガァ

野生解放しているパルコアライサンは、倒れて暴れているボロ服アライさん1&2に、キックとパンチを浴びせた。

パルコアライサン「完全勝利なのだぁ」

ボロ服アライさん1&2「「治ったのだー!」」ムクリ

パルコアライサン「うええぇー!?」ビクゥ

パルコアライサンに殴られた途端、ボロ服アライさん達の火傷と傷が治った。

パルコアライサン「なんなのだ いつもいつも アライさんがとどめを刺そうとすると お前達はなんで体が治るのだ 理不尽なのだあぁ」

どうやら、この『モンスターの襲撃』は、過去に何度も行われているらしい。
その度にこの現象が起こっているようだ。

ボロ服アライさん1「よく分からないけど!これであいつを倒せるのだぁ!」ボウウウウウ

パルコアライサン「ぎびいぃぃ!あづいいい!やめるのだあああ!たあー」ガシィ ポイーッ

パルコアライサンは、携帯ゲーム機を掴み、ボロ服アライさん1へ投げた。

ボロ服アライさん1「きかないって言ってるのだぁ!」コツン ボウウウウウ

パルコアライサンが投げた携帯ゲーム機がぶつかっても、ボロ服アライさん1はびくともしなかった。

パルコアライサン「ひ、ひいいぃぃ!なんでなのだあああ!」

パルコアライサン「ひぃ、ひいいぃぃ!もうたくさんなのだぁ 逃げるのだぁ!」ドタドタ

ガスバーナーで炙り続けられるパルコアライサンは、『モンスター』2匹が入ってきた自動ドアへ走った。

ボロ服アライさん1「こいつ!」

ボロ服アライさん2「アライさんの自由のために死ぬのだああ!」

パルコアライサン「のあっ、開かないのだぁ!?」グイグイ

しかし自動ドアは開かない。

ボロ服アライさん1「開くわけないのだ!とっとと焼け死ねなのだ!」ボウウウウウ

パルコアライサン「開けなのだぁ!だあああ!」バゴン

自動ドアは、パルコアライサンに破壊された。

ボロ服アライさん1&2「「!?」」

パルコアライサン「壊れたのだ!これで逃げられるのだ!」ポイッ

パルコアライサンは、壊した邪魔なドアをどかすために、部屋の中へ投げ入れた。

ボロ服アライさん2「逃がさないのだ!切り殺してやるのだ!たあ~」ドタドタ ギュイイイイイイン

投げられがドアは、猛スピードへ飛んでいき…

ボロ服アライさん1「ぐぼげええぇ!」グシャボギィ

ボロ服アライさん2「ぶぢぃ!」ブシャアアバラバラ

…ボロ服アライさん達を押し潰し、体をバラバラに引き裂いた。

パルコアライサン「逃げるのだああああ」ドタドタドタドタ…

背後で既にモンスター2体が死んでいるとも知らず、パルコアライサンは廊下を疾走した。

ブザー『おめでとうございます勇者アライ様。モンスターは無事あなたが倒しました。報酬として、お部屋へシュークリームを5個置いておきます』

パルコアライサン「のあ!?」

パルコアライサンは、部屋に戻った。

ボロ服アライさん1の死骸「」グチャ

ボロ服アライさんの死骸2「」ボロォ

パルコアライサン「死んでるのだ…」チラッ

部屋には既にシュークリームが5個あった。

パルコアライサン「おやつなのだ!食べるのだ」ムシャムシャ

パルコアライサン「くっちゃくっちゃ ぐっちゃぐっちゃ…」クッチャクッチャ

パルコアライサンは、シュークリームを口を開けて音を出しながら食べた。

パルコアライサン「美味しいのだぁ」クッチャクッチャ

…部屋への侵入者を倒しても、パルコアライサンの体からEXP取得の光は発せられなかった。

パルコアライサン「ゲェップゥ 食べ終わったのだ もっとおやつ欲しいのだぁ」

ブザー『では、モンスター襲撃現場の後片付けをしたら、追加でシュークリームを1個あげましょう』

パルコアライサン「うぬぬ~ めんどくさいのだ でもおやつのためなのだ…」ゴソゴソ

パルコアライサンは、部屋の片付けを始めた。

~実験監視室~

理科の先生「これまで実験で、あの白いアライさんについて様々なことが分かりましたね」

白衣のフレンズ「はい」

理科の先生「1つ。知能が…平均レベルよりも低い。さらに通常の状態では、レベル65513にも関わらず、運動能力も平均的なアライさんより劣っている」

白衣のフレンズ「…過去幾度も実験でアライさんを殺しているのに、レベルが上がりませんね」

理科の先生「レベルを1上げるのに必要なEXPは、レベルが上がる程どんどん増していきます。そのためでしょう」

理科の先生「2つ。切り裂かれても、焼かれても、すぐに肉体が治癒する。野生解放するとさらに治癒力と防御力が増す」

理科の先生「3つ。野生解放状態では、素手だろうと物を投げようと、自分から攻撃の意図をもって他の生き物や物体を破壊したり、ダメージを与えることができない」

理科の先生「むしろ、相手が生物の場合、なぜか相手に治癒効果が現れます」

白衣のフレンズ「ドアを壊したときは?」

理科の先生「あれは破壊や攻撃の意思がなく、開けようとしていただけのようですね」

白衣のフレンズ「…そして、4つ目」

理科の先生「はい。4つ目は…。野生解放状態のときに、『無生物に対し、攻撃の意思を持たずに叩いたり力を加えると、異常な破壊力が出る』ということです」

白衣のフレンズ「我々が使う、『カプセルドローン』は…。これらの条件では、『生物』として認識されているようですね」チラッ

カプセルドローン「<● >」ギョロギョロ…

理科の先生「しかし、この実験。うまくデータを取得できた上に、『白アライさんを敵に回さないこと』という制約まで守れていますね」

白衣のフレンズ「はい。白アライさんをゲーム漬けにして、命にかかわる実験を『モンスター退治』という名目で行い、実験後は『勇者様』と誉め称え、お菓子で報酬を与える…」

白衣のフレンズ「それによって、白アライさんは自らを勇者様だと信じ込み、生死に関わる実験に没頭するようになる。殺すのも殺されるのも、ゲーム感覚で行うようになる」

白衣のフレンズ「…この実験を思い付いた、彼…チヘドロー氏は、本当に恐ろしい男…。まるで化け物ですね」

理科の先生「…彼は研究者としての粘り強さは欠けますが、こういう突拍子のない発想力には驚かされます」

白衣のフレンズ「きっとこういうのは、彼がデスゲーム運営でやっていた…ある意味得意分野なのでしょうね」

理科の先生「彼には毎回、実験のビデオを送っています。現象の解明のために、知見をお借りしています」

白衣のフレンズ「…多分ですけど。チヘドロー氏は、そのビデオを娯楽として観賞してますよ」

理科の先生「そんな馬鹿な…。…いえ、あり得ますね」

白衣のフレンズ「それが目当て、くらいあり得ると思いますよ」

理科の先生「あと、彼からはハンディタイプのサンドスターレーダーを返却してもらいました」

白衣のフレンズ「…変なことに使ってなかったでしょうね…?」ジトー

理科の先生「まあ、彼はもうジャーナリストでなくセールスマンになるとのことですし。必要ないでしょう」

理科の先生「衛星からの情報へのアクセス権も、彼には付与していません。猟師でも軍人でもありませんしね」

白衣のフレンズ「変なことっていうのは。その…レーダーを複製したりとか…」

理科の先生「やろうとしても無理でしょう。そもそも原材料が、我々の研究所にしか有りませんからね」

白衣のフレンズ「…ですよね」

一旦ここまで

白衣のフレンズ「しかしあの白アライさん、やたら運がいいのが気になりますね」

理科の先生「はい…。先程も、眩しさに驚いた2匹の敵が、都合よく武器を落として互いを攻撃し合う結果となりました」

理科の先生「これまでの実験でも同様に、まわりが偶然白アライさんを救うことがありました」

白衣のフレンズ「レベルで65513になっているせいで、ひょっとしたら運勢が良くなっているのかも!」

理科の先生「…あなたは、運の存在を信じているのですか?」

白衣のフレンズ「え…」

理科の先生「私は『運』というものを信じません。この世の出来事は全て決定論的な必然。厳密な意味での『偶然』はあり得ない。神はサイコロを振らない、と考えています」

白衣のフレンズ「カオス理論ですか。…今ここでベルの不等式とかの話を持ち出すのは野暮ですね。続けて下さい」

理科の先生「はい。…しかし、確実に運勢…つまり、『白アライさんにとって、有利な未来が選択される確率』は上がっています」

理科の先生「運確率というのはあくまで『メカニズムが不明確な事象を、統計データに基づき、起こりうる結果を推定する』というものに過ぎません」

理科の先生「故に、もしもフレンズのレベルが、運勢に何らかの作用を及ぼすのであれば…」

理科の先生「それはフレンズが、大変な存在ということに他なりません」

白衣のフレンズ「大変な存在…!?」

理科の先生「はい。それはつまりレベルの高いフレンズは…」

理科の先生「自分にとって有利な事象が発生するように、無意識のうちに『確率』の裏にある『決定論的ダイナミクス』を瞬時に解析し、そこに手を加え改変している…ということになります」

理科の先生「先程の例でいえば、白アライさんは、2匹の敵の脳へ…『思考』へ僅かな改変を加え、『同士討ち』が起こるような行動を取るように仕向けた、ということになります。…無論、無意識のうちに」

白衣のフレンズ「…まるでラプラスの悪魔ですね。それも、改変までしてくるとは…」

理科の先生「あの、ちょっと言わせて貰いますが…。カオス理論とか、ベルの不等式とか、ラプラスの悪魔とか、そういうネットで調べれば出てきそうなワードを軽々しく口に出すのはやめた方がいいですよ」

白衣のフレンズ「そうですか?」

理科の先生「はい。我々科学は、そういう言い回しにどうにも神経が逆撫でされる傾向がありまして」

白衣のフレンズ「…端的に言うと、『ムカつく』と?」

理科の先生「…ご理解頂けて助かります」

白衣のフレンズ「…まあ、イタいですからね。自重しておきます」

理科の先生「ともかく。フレンズは、そういう領域で、周囲の人物の思考やこの世界そのものに、改変ができる存在、ということです」

白衣のフレンズ「…」

理科の先生「思えば、サンドスターによって生まれたフレンズ達。彼女達のけものプラズム製の衣類もまた、あまりにも我々の人類史や経済活動の中で生まれた人間の衣服に酷似している」

理科の先生「ともすれば、衣服の生成ダイナミクスには、確実に人類史で生まれた衣服がリファレンスデータとして取り込まれていることになります」

白衣のフレンズ「…フレンズって…何なんでしょうね…」

理科の先生「…それを調べるのが、我々の役目です」

白衣のフレンズ「気が遠くなるような話ですね」

理科の先生「はい。だが私達には責任があります。私が『理科の先生』に戻れる日は…まだまだ先になりそうですね…」

白衣のフレンズ「…」



~ジャパリスタジオ事務所~

芸能事務所ジャパリスタジオ。
そこで社長とモノマネ師、ペパプの5人、ジャグラーが話している。

スタジオ社長「延期してたフレンズ感謝祭、やっと開催できるみたいだね~」

モノマネ師「良かったです~」

ジャイアント「日本国内がシッチャカメッチャカになってて、感謝祭に参加できるフレンズがろくにいなかったからねー」

コウテイ「例の騒動が終わってやっと一段落着いて、フレンズパビリオンもできて…。一段落着いて、やっとまともに安心してイベントが開催できるようになったわけか」

プリンセス「ほんと、延期延期で、スケジュールの調整大変だったわねー!」

フルル「いっぱいフレンズの仲間、集まるかな?」

ジェーン「きっと来てくれますよ!」

社長「既に色々なフレンズが参加してくれることが決まってるそうだ。大臣に、ジャパリパークの皆、パビリオンに行った子達も来てくれるよ」

社長「あとは、社会人のフレンズ達も、けっこう来てくれるみたい」

コウテイ「…イワビーは来てくれるかな?」

プリンセス「来ないわけないわ!音楽ステージがあるなら尚更よ!」

フルル「また、ペパプとしてステージに立ってくれないかな…」

ジャイアント「強要はできないねー。あっちのロックバンドも凄く勢いあるから」

ジェーン「…イワビー次第かな」

ジャグラー「そういえば、タイリク先生はどうなんですか?漫画家の!」

ジェーン「ああー、海外にも漫画のファンいっぱいいるそうですね!」

社長「ちょっと電話してみようか」ガチャ

のののののののののののののののの

社長「…」ガチャ

ジャグラー「どうだった?」

社長「…『今の自分が、草食フレンズの多い場所に行くと、何するか分からないから行かない』とのことだった」

ジャイアント「…難儀だねー…」

社長「一応、海外ファンに向けてビデオメッセージとか、グッズ販売くらいはやるそうだよ。飴細工のドレスとか」

フルル「海外の人達、喜びそうー」

社長「あとは、フェネ…キツネさんと御手洗さんも来てくれるって!」

モノマネ師「一緒に楽しんでほしいですね~!観客としての参加かな?」

社長「…どうなのかな…」

ジェーン「社長?」

社長「あの子達は、どうしたいんだろう。…もう、モノマネ師はやらないのかな?」

ジャイアント「…日本では悪名高いから。少なくとも、漫才師としての参加はやめさせた方がいいな」

社長「っ…」ギリィ…

社長は手をぎゅっと握り、歯をくいしばっている。

コウテイ「…社長…」

社長「いつまで…。ここの国の人達は、いつまで…!ありもしない罪の疑いで、あの子達を迫害し続けるんだっ…」ブルブル

ジャイアント「…基本的に、実際に罪が証明されない限りは『推定無罪』のはずだけど」

ジャイアント「あの子達は、『推定有罪』…。証拠はないけどやったに違いない、と思われ続けている」

ジャイアント「…きっと、これからも国内では、ずっとキツネと御手洗さんのまま。フェネックとアライさんには」

コウテイ「っ…くっ…!一体、どうしてっ…」ワナワナ

モノマネ師「言ってみれば、ネットの玩具。『悪いもの叩き』という、ネットユーザーの最高の娯楽の標的にされてしまったからね…」

社長「っ…」

社長「一度、公式サイトでアンケート取ってみようかな…」カタカタ

ジャパリスタジオ社長は、キツネと御手洗の承諾を取った後、公式サイトでアンケートを取った。

『漫才師だったフェネックとアライさんを、ステージで見たいか?』というものだ。
アンケート結果次第では、漫才師は無理でも…。
何らかの形で、ステージ立ってもらうかもしれない、とのことである。


…数週間後…

社長「結果が出た。日本国内と海外で、アンケート結果は真逆だったよ」

モノマネ師「どうだったんです?」

社長「まずは日本国内。94%が『見たくない』だってさ。…これがコメントだよ」

モノマネ師「…」

『アライさんとアラ信の姿なんぞもう見たくない』

『犯罪者をステージに上げるな。証拠不十分で不起訴になったままとか、胸糞すぎる。今すぐ逮捕しろ』

『まだあいつ生きてたの?ディスパッチしなきゃ…(使命感)』

『純粋に嫌い。アライさんだからとかじゃなく、人間性が嫌い』

『フェネック単体なら許す』

『ステージが汚れる』

『デスゲームするなら出ていい』

『ショクエモンPのライブキッチンに使うなら出ていい』

モノマネ師「…散々ですね」

社長「…仕方ないけど、これが国内の評価だよ」

モノマネ師「それで、国外は…?」

社長「…コメントを和訳すると、こうなる」

『なんでステージに出ちゃ駄目なんだ?戸籍があるんだろ。明確な理由無しで制限したら差別になる』

『推定無罪というもの。証拠不十分で不起訴になったのなら、潔白として扱うべき』

『大丈夫?暴れたりしない?人を襲ったりしない?仲間の恨みと言ってテロでも起こされたら最悪だよ』

『彼女達をまたステージで見れるなんて最高だ!』

『まずは再審を受けろ』

『危険だからやめた方がいい。人間、フレンズ、アライさん。皆の身の安全のために』

『テロリストの野良アライさんと、社会に貢献してるアライさんは同一視すべきじゃない。例えばうちの国民の一人が日本で殺人事件を起こしたからといって、うちの国民全員が殺人犯となるわけじゃないはず』

『俺は知っているぞ。日本人が野良アライさんを虐殺し、絶滅させたことを。絶対許さない』


モノマネ師「最後のコメントは、イベントと何の関係も無いですね…(汗)」

社長「…82%が『見たい』と答えたよ。『見たくない』は18%だった」

モノマネ師「おお、凄い!」

ジャイアント「…きっと野良アライさん被害の当事者かどうかが、大きな違いなんだろうな」

社長「…そういうことなら…!」



~イベント前日~

飛行機「」ヒューーーーーンッ

成田空港から、フレンズ達を乗せたパリ行きの飛行機が飛んだ。

フレンズ達のスケジュールは…。
1日目は様々な案内と、ホテル近隣での観光。
2日目~4日目は、イベントに参加。
5日目…最後の1日は、自由観光となる。
そして6日目に、日本へ戻るという日程である。

パリに着いたフレンズ達は、説明を受けた後、各々ホテル近隣で旅行を楽しんだ。

そして2日目から…
イベントが始まった。

~パリ、フレンズ感謝祭会場~

会場は満員御礼。
大勢の観客達が座席についていた。

出店もいろいろ並んでいる。
フランス関連のグッズやら何やらである。
PPPのCDや写真集、フィギュア、バッジ。
今は亡き、ある作曲家フレンズのCDアルバム。
ヒーロー漫画『仮面精肉師(マスクド・ブッチャー)ショクエモン』のグッズ。
サンドスター科学研究所が究明した、様々な叡智が記された本。
フレンズパビリオンで撮影された、フレンズ写真集。

…やたらと写真集が多い。
しかし、これが売れるのだから仕方がない。
何せ、おたく文化で人気のあるジャンルである『けもみみ美少女』
そのものが、現実に存在しているのだから。

海外にはフレンズ写真集マニアが数多く存在するのである。
転売用に買い占めようとする客もいた。

…とにかく、フレンズの写真集は、売れて売れて仕方がなかった。

特に写真集が売れたのは、PPPのリーダーであるコウテイペンギンと、ジャパリパークのホルスタイン、ロックミュージシャンのイワビーである。

ヤブノウサギの写真集も一応撮影はされたが、本の内容が審査に引っ掛かったせいで空輸できなかったという。
(もっとも、インターネット販売への注文数は、物凄い数となっており、現在増版中である。)

また、会場に集まったファンには、
著名なフレンズのコスプレをしている女性客(まれに男性客)も見受けられた。
特に、PPPのコスプレイヤーは多かった。

…もっとも、一番人気であるはずのコウテイペンギンは、
その衣装のせいかコスプレが敬遠されがちであったが。

モノマネ師「えー、本日は皆さまお日柄もよく!お集まりいただき誠に光栄でございまぁす!」

モノマネ師「司会は私、モノマネ師のマーゲィが努めさせて頂きます!」

観客達『YEAAAAHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH!!』パチパチパチパチ

モノマネ師は、フランス語に続いて、英語・日本語で喋った。

語学堪能なモノマネ師の為せる技である。

モノマネ師「それではオープニングセレモニー、行ってみましょう!どーぞ!」

大臣「…」スタスタ

はじめに登場したのは大臣である。
大臣は、集まってくれた観客達への感謝。
フレンズを受け入れてくれた人間達への感謝。
そして、これからの共同社会への激励の挨拶をした。

モノマネ師「えー続いては!フランスの人気歌手、オ・ペラウ・マイーンデスさんの登場です!」

続いて、フランスの人気歌手である人間がステージに上がった。
そして、フレンズへの感謝の気持ちを込めた歌を高らかに歌い上げた。

その後は、ジャパリパークやフレンズパビリオンの住人による、
ジャパリパークへの歓迎の気持ちを込めた歌の合唱が行われた。

その後は…
ジャパリスタジオや、他の事務所に所属するフレンズ達によるステージ公演が行われた。

ジャグラー「みんなー!ジャパリスタジオ所属のコツメカワウソでーす!」

観客達『YEAAAAHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH!!!』

ジャグラー「私が特訓してきた、ジャグリング!見ていってねー!」

ジャグラーのコツメカワウソは、ジャグリングを披露した。
いつぞや街中で披露したときよりも、腕前はさらに上がっていた。



踊り子のフレンズ「踊り子のインドゾウよ~♪私のダンスをご覧になって!」

アジアンテイストな音楽が流れる。

踊り子のフレンズ「ふんふん♪」タンタン

その力強くも美しいダンスに、観客達は老若男女問わず魅了された。

踊り子のフレンズ「はっ!マフラーと尻尾のダンスっ!」シッポフリフリ

器用に動くマフラーと尻尾を使ったダンス。
まさにフレンズにしかできない芸当である。

観客達『Yeahhhhhhhhhh!!!』パチパチパチパチ

イワビー「よっ!ロックミュージシャンのイワビーとその仲間のバンド!『ジャンピング・ストーンズ』だぜ!」

バンド仲間「イエーイ!」ドンタカドンタカギュギュイーンッ

男性観客達『YEAAAAHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH!!!!』

女性観客達『キャヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤッヤヤヤアアアーーーーーーーーーーーー!!!!』

イワビーはフレンズの中でも特に人気のタレント。
かつてはPPPに所属していたが、アイドルよりもロックがやりたいという願いがあり、ソロ活動を開始。
そのうちジャパリスタジオより大きな会社に引き抜かれ、メジャーデビューを果たしたのである。

イワビー「今日は俺達ジャンピング・ストーンズが、ロックに場を盛り上げていくぜ!後のPPPのみんなもよろしくな!」

イワビー「さて、今日は…。昔、あたしが仲が良かった作曲家のフレンズの遺した名曲を、ロックアレンジして歌わせてもらうぜ!」

イワビー「トキッッ!!!天国で聴いてるかッ!?お前が遺し、皆に愛された曲ッ!!私達が全世界へロックに届けるぜッッ!」

イワビーの熱唱により、ステージは熱狂の渦に包まれた。
ライブ中継の視聴者数も、恐ろしい勢いで増えていった。



フェネック「やあやあ、どうも皆さん!元・漫才師のフェネックでーす!」ドタドタ

アライさん「今日はご歓迎ありがとうなのだー!同じく元・漫才師のアライさんなのだー!」ドタドタ

観客達『…』パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ

二人は今回、普段名乗っている『キツネ』と『御手洗』ではなく…
『フェネック』と『アライさん』として名乗った。

フェネック「いつぞやはお騒がせして申し訳ありませんでした。でも、皆さんからの応援のメッセージ、嬉しかったです!」シッポフリフリ

アライさん「…アライグマのフレンズであるアライさんを、受け入れてくれて…ありがとうなのだぁ!」シッポフリフリ

モノマネ師「えーと…」

モノマネ師が、二人の挨拶をフランス語と英語に翻訳した。

観客達『Yeahhhhhhhhh!!』パチパチパチパチ

観客達『フェネック!!アライサン!!フェネック!!アライサン!!フェネック!!アライサン!!』

観客達からエールが送られる。

アライさん「み、みんな…っ!」ウルウル

フェネック「さあ生きますよ!今日はお歌の練習してきました。聴いてください、マイペースチェイサー!」

アライさんとフェネックの歌が始まった。
練習はしたようだが、歌声はまあ…素人が多少頑張った程度だ。
フェネックはいいのだが、アライさんは音程がイマイチ。

観客達『Yeahhhhhhhhhh!!』パチパチパチパチパチパチ

しかし、歌に込められた気持ち…
日本では鼻摘まみ者である自分達を、快く受け入れてくれたことへの感謝の気持ちは…
言葉に出さずとも、その躍動感溢れる情熱的な歌声とダンスで伝わったようだ。



ホルスタイン「え、えーと…ど、どうも…ホルスタインでーす!」

娘ホルスタイン1「今日は親子で参加しました!」

娘ホルスタイン2「歌はあんまり得意じゃないけど…頑張りまーす!」

娘ホルスタイン3「ステージの後は、ホットミルク販売のブースにもどうぞ!」

男性観客達『YEAAAAHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH!!!!!!』

男性客達の野太い歓声が上がる。
ホルスタインは写真集で男性に大人気のフレンズである。

いつぞやは全身麻痺で危機的状態だったホルスタインしゃん3は、クリスマスの日に突如完治したのであった。

パーク管理人は、どうにもホルスタインの活動全般がけもシコ禁止法に触れそうでいつも心配しているのだが、
ホルスタイン自身は楽しんでやっているようなので、良しとしている。

ホルスタイン「うぅーん…私三児の母なのに、こんなアイドルみたいな事やっていいんでしょうか?」

ホルスタイン娘1「いーんです!」


ホルスタイン娘2「それではいっきまーす!」

ホルスタイン娘3「私達のために作ってもらった曲!『モウモウ羽毛がいい』!」

ホルスタイン「マイホームにいるはなおさん!そして村の皆さん!聴いてください!」

ホルスタイン一家は、素人にしては歌が上手かった。
写真集が売れ、半分タレント化していたこともあり、カラオケとかにもよく行っていたからだろうか。


雄牛「ウモォ~」

ホルスタイン一家のマイホームでは、つけっぱなしのテレビ画面を一頭の雄牛がじっと眺めていた。



大型スクリーンに、ビデオメッセージが流れる。

ブラウンP『やあ、みんな。漫画家のタイリクオオカミだよ』

観客達『YEAAAAHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH!!!!』

ビデオメッセージだというのに、大歓声が上がった。
ブラウンPの漫画には世界中にファンがいる。
作者の容態が悪化していると聞いたファンは心配していたため、肉声が聞けたことが嬉しいようだ。



…もっとも。
彼女の熱狂的なファンは、『漫画以外の作品』にもついている。
当然だが、そちらの作品については一切触れないようだ。
というか、アライさんを受け入れる空気のあるこの会場ではタブーである。



ブラウンP『私は今日、訳あって来れない。ちょっと…危うく警察沙汰になりかけて。誰も怪我はなかったんだけど。まあ…病気の治療の日と重なってしまったんだ』

観客『…!?』ザワッ
観客達は、ブラウンPから感じる雰囲気に違和感を感じていた。
いつものような、『楽しそうな余裕』が全く感じられなかった。

ブラウンPは、まるで…ロボットか何かのように、淡々と話し続けた。

ブラウンP『…私は、皆のように、歌や躍りは披露できない。だけど、物品販売ブースではいろいろ用意してるから、そっちも見ていってね』

ブラウンP『…私を今まで支持してくれてありがとう。残念だけど、またしばらく、漫画は休載になる』

ブラウンP『…再開時期は未定だ。…まあ、私の元アシスタントが書く漫画に、私がアシスタントとして参加しているから…』

ブラウンP『そっちをよろしく頼むよ。それじゃあね』

ビデオメッセージは終わった。

観客達『…』パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ…

なんだか脱け殻のようになってしまったブラウンPの姿に、
観客達は戸惑いと不安が隠せなかった。

それでも、自分たちへメッセージを届けてくれたこと。
その気持ちに感謝し、観客は拍手を贈った。



ジャイアント「ジャイアント先輩だぞ~」

コウテイ「リーダーのコウテイペンギンだ!」

ジェーン「ジェーン!」

プリンセス「プリンセス!」

フルル「ふるるー」

PPP「5人合わせて…ペパプ!」

観客達『YEAAAAHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH!!!!』

PPP達のステージは、いい意味で何も特筆すべき点がなかった。
あまりにも安定感のある、圧倒的な実力のアイドルステージに、ただただ会場は盛り上がり、圧倒された。

まあ無理はない。
彼女達PPPは、見た目こそ美少女といった感じだが、
実の所、実年齢はけっこう行っている。
…少なくとも、30歳+旧ジャパリパークにいた年数くらいの年齢はあるだろう。

それ故に。
技術の蓄積が半端なかった。

PPP「みんなありがとー!」

観客達『イエーーーイ』パチパチパチパチ

イワビー「おーっと!私を忘れて貰っちゃ困るな!俺様、登場だぜ!」ビシィ

バンド仲間「イエーーーイ」ドンタカドンタカギュギュイーンッ

なんと、先程登場したイワビーが、再び登場した。
なんというサプライズであろうか。

観客達『YEAAAAHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH!!!』パチパチパチパチ

イワビー&PPP「「いくぜ!大空ドリーマー!」」

そして、PPPとジャンピング・ストーンズの、奇跡のコラボが行われた。

…実のところを言うと、この2グループのコラボは初めてではない。
というか国内ではもう、恒例行事とまで言われるほどコラボしまくっている。

当初は『めったにコラボしない』路線であったが、
あまりにもコラボの評判がよかったため、コラボする頻度が多くなってしまった。

ファンからは『奇跡のバーゲンセール』とすらいわれ、いい意味で親しまれている。

その後も、多くのフレンズや人間のパフォーマーが登場し、ステージを盛り上げた。

そうして、2~4日目のイベントは、無事に終幕したのであった。

5日目は、フレンズ達が思い思いにフランス観光を楽む日だ。

だが、皆が皆、自分でプランを立てる必要はない。
一応ツアーのコースも用意してある。

観光コースは、『遊園地コース』『ショッピングコース』『大自然コース』の3つがある。
その名の通り、遊園地で遊びたい者、ショッピングがしたい者、大自然でのどかに過ごしたい者のためのコースである。


ジャイアント「私はショッピングコースかな~」

コウテイ「いろいろ買っていきたいな」

プリンセス「ゆっ…!…そうね、ショッピングがいいわね…」

フルル「プリンセス、遊園地行きたいの?」

プリンセス「//////」

ジェーン「それじゃあ遊園地コース行きましょ、プリンセス!」

イワビー「うおー、いっくぜー!まずはジェットコースターだぁ!」ガシィ

プリンセス「あ、ああっ…ちょっと、もうっ…/////」タタッ

PPPは、コウテイとジャイアントがショッピングコースへ。
残りは遊園地へ向かったようだ。


ホルスタイン「遊園地と大自然、どっちがいいですか?」

ホルスタイン娘1「うぅーっ…迷います…」

ホルスタイン娘2「遊園地もいいけど…山の空気が吸いたい…!」

ホルスタイン娘3「ああーっ…迷います…!」

ホルスタイン「…みんなで大自然コースに行って、夜は遊園地に行く?」

ホルスタイン娘1~3「「「そうしますーーーっ!」」」シッポフリフリフリフリフリフリシアン

フェネック「私もショッピングがいいなー」

アライさん「アライさんは大自然コースがいいのだ!」

フェネック「…」

アライさん「どうしたのだ?」

フェネック「…そっか。じゃあ私も、アライさんと一緒にしよっかな…」

アライさん「ダメなのだ!フェネックはこういう時、本当にしたいことをするといいのだ!」

フェネック「…」

アライさん「本当は、どっちがいいのだ?」

フェネック「…ショッピング、したいなぁ…」

アライさん「決まりなのだ!後でアライさんの冒険記をたーっぷり聞かせてやるのだ!フェネックも買ったものいっぱい見せるのだ!」

フェネック「…うん!」

アライさんは、『御手洗』を名乗らないようになったせいか、テンションがいつもより高めになっている。



モノマネ師「…」

大臣「マーゲイ。お前はどうするのです?」

モノマネ師「くっ…うぅ…ペパプがまっぷたつに分かれた…。どうする!?リーダーなのに、後から入った『先輩』とデートするショッピング組か!?」

モノマネ師「はたまた、プリンセスを囲ってイワビーと共に集まった遊園地組か!?」

大臣「…」

モノマネ師「うっはーーー!////▽////やっぱり遊園地の方がオイシィ!オイシィですぅーーっ!≧∀≦」ピュータタタタ…

大臣「…全く、あいつはいつも通りで、安心したのです」

大臣「司会お疲れ様、なのです」



~その晩、ホテル~

大臣「…ふぅー。遊び疲れたのです」ゴロン

大臣「フレンズの皆、ゆっくり羽を伸ばせたようで何よりなのです」

大臣「…こんな風に」バサァ

大臣は、頭についた羽のような髪を伸ばした。

大臣「…このネタ、使えるのです」

ドア「」コンコン

その時、大臣の部屋のドアがノックされる。

大臣「はい、誰なのです?」ガチャ




そこに居たのは…



プリンセス「…」

大臣「…ど、どうしたのです?プリンセス?」アセアセ

プリンセス「マーゲイが…捕まっちゃった…!」

大臣「え゛!?」

…交番…

モノマネ師「うぅ…ごめんなさいごめんなさいごめんなさい…」シクシク

警官「…」ガミガミ

モノマネ師のマーゲイが、警官に何かの説教を受けている。

大臣「こっ…これは!?」

プリンセス「マーゲイったら、なんか私達のことストーキング?盗撮?してたみたいで…」

大臣「職務質問ですか…」

コウテイ「何をやってるんだ!全く」

大臣「…」

コウテイ「どうしたんですか?」

大臣「お前…お前、その格好でショッピングしたのですか?」

コウテイペンギンの衣装は、いつものステージ衣装である。

コウテイ「そうですけど?」

大臣「…お前が職務質問を受けなかったのが、不思議で仕方ないのです」

コウテイ「?」

その後、マーゲイは無事にホテルへ戻ることができた。

~ホテル~

大臣「ったく…人騒がせな奴だったのです…」

大臣「これで、やっと寝れるのです…んしょ…」モゾモゾ

ドア「」コンコン

大臣「今度は何なのです」ガチャ

大臣は、ドアを開けた。



そこにいたのは。

ホルスタイン「大臣、ホットミルクはいかがですか?」ホカホカ

ドアの外に立っていたのは、おぼんの上にホットミルクを入れたティーカップを乗せたホルスタインであった。

大臣「お前はルームサービスか何かですか!?こんな旅行中にまで働かなくていいのです!」

ホルスタイン「ああっ、ごめんなさい!」

大臣「…折角だし、頂くのです」ゴクリ

大臣「!?」

大臣「うっ…」

ホルスタイン「大臣?」

大臣「美味すぎるのです!パワーがみなぎるのです!疲れがふっとんだのです!」

ホルスタイン「良かったですー♪」

大臣「ふー、ようやく寝れるのです…」

ドア「」コンコン

大臣「またですか…今度は何なのです」ガチャ

フェネック「あっ…うぅっ…!大臣っ…!」ブルブル

ドアの前に立っていたのは…
震えているフェネックであった。

大臣「まったく、今度は何なのです?」

フェネック「あ…ぁ…アライさんが…アライさんがぁぁっ…!い、いないっ…電話、もっ…!」ブルブル

大臣「まったく、今度は迷子ですか。本当に人騒がせな奴らなのです」フゥー…

…大臣が落ち着いて就寝できるのは、まだまだ先になりそうである。

アライさんの脳天をスコープの照準に捉え、静かに引き金を引く14
アライさんの脳天をスコープの照準に捉え、静かに引き金を引く14 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1511956616/)
・日本はフレンズをアライフォンデュと称して虐殺する野蛮な国だ
・肉食獣ヒグマ
・アライブ・ライク・ア・クロケット② ~一斉掃討作戦完了~
・ラストデスゲーム ~アライさん2択クイズ~
・野良アライ殲滅後の人々
・山小屋のチェックアウト
・ゲームの勇者 白のカービ
・フレンズ感謝祭

【アライさんの脳天をスコープの照準に捉え、静かに引き金を引く】


おしまい

以上で、勧善懲悪アラ虐ストーリーとしての本作は完結です


後日談の構想はありますが、
そちらはアラ虐でなくストーリーがメインになると思います
なのでそちらの方は、また別スレの新作として書こうと思います
(ストーリー要らないからアラ虐やれよ、とか言われても対応できないので…)


後日談の方は、ストーリーよりもアラ虐が見たい人にとっては、退屈な話になると思いますので、ご了承下さい

ストーリー作品としての本作を引き続き読んでいただける方は、新作でお会いしましょう

もしよければ、本作での皆さんにとっての好きなエピソードなんかを、参考として教えてもらいたいです

次回のストーリー作品や、アンチスレの方で短編書くときの参考にしたいです

>>617
乙です
後日談スレ立てたら、リンクをここに貼っておいてくれると助かります

>>603
乙!

後日談のSSのタイトルってもう決めてます?

良かったら好きなキャラとかも聞かせてほしいです

>>647
まだ候補を絞れてませんが、この作品の続編と見れば一発で分かるタイトルにする予定です

>>645
アライさんの脳天をスコープの照準に捉え、静かに引き金を引いた
アライさんの脳天をスコープの照準に捉え、静かに引き金を引いた - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1512736627/)

後日談始めました

続編、待ってました
ちなみにこのスレは適当に埋めちゃっても大丈夫なのでせうか?
雑談するにはちょうどいいかなぁって思ったりもしてます

>>685
大丈夫ですよ

前にアライさんアンチスレへの投稿を誤ってここへ書き込んでしまいましたが
前々からちょくちょく向こうに投稿してました

気が向いたら読んでみてください

アライさんといきものたち
https://www65.atwiki.jp/trashpanda-araisan/sp/pages/140.html

淡々と害獣を駆除するお話
https://www65.atwiki.jp/trashpanda-araisan/sp/pages/173.html

カップアーライ
https://www65.atwiki.jp/trashpanda-araisan/sp/pages/218.html
https://www65.atwiki.jp/trashpanda-araisan/sp/pages/230.html


おむすびころころ inアライ
https://www65.atwiki.jp/trashpanda-araisan/sp/pages/237.html
https://www65.atwiki.jp/trashpanda-araisan/sp/pages/238.html

アライちゃん100m走
https://www65.atwiki.jp/trashpanda-araisan/sp/pages/148.html

ペットアライさんの末路
https://www65.atwiki.jp/trashpanda-araisan/sp/pages/262.html

ペットアライさんにかぞくができなかった結果
https://www65.atwiki.jp/trashpanda-araisan/sp/pages/541.html

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