【モバマスSS】見舞え!なおかれん! (27)


~病院~


神谷奈緒「加蓮っ!」

北条加蓮「あ、奈緒」

奈緒「"あ"じゃないだろ!? 心配したんだぞ!? 急に病院に担ぎ込まれたって聞いて!」

加蓮「ごめんごめん、ちょっとケガしちゃってさ」

奈緒「何やってんだよ……」

加蓮「室内でロンダート後転とび伸身宙返り3回ひねりなんてやるものじゃないね」

奈緒「本当に何やってんだよ」




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読まなくても平気な前々作と前作
【モバマスSS】駄弁れ!なおかれん!
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奈緒「シライ・キムヒフンじゃねえか。もう室内とかの問題じゃないだろ」

加蓮「着地の時に肺をやっちゃってね」

奈緒「どういうダメージの通り方してるんだよ。直接臓器っておかしいじゃねえか」

加蓮「それが先週の話なんだけど」

奈緒「この入院と関係ないのかよおい。よく耐えたな加蓮」

加蓮「それくらいじゃ入院しないってば」

奈緒「基準がわかんねぇ……じゃあ今回の入院は?」

加蓮「さっき自動ドアに挟まれたから」

奈緒「基準がわかんねぇ……」


加蓮「挟まれた時に肺をやっちゃってね」

奈緒「なんで受けたダメージ全部もれなく肺に集まるシステムなんだよ」

加蓮「でも、わりと軽いみたいだから安心して?」

奈緒「ならいいけど……数日で出れるのか?」

加蓮「うん、3日くらいがヤマだって」

奈緒「それ病院出る時もう息がないやつだな」


奈緒「え、冗談だよな?」

加蓮「決まってるでしょ。そんなすぐ死にそうに見える?」

奈緒「なんなら今ベッドから転落して死ぬところまで可能性を考えてるよこっちは」

加蓮「酷いなぁ」

奈緒「妥当な判断だろ」

加蓮「いいの? こないだ私の保険金の受取人を奈緒にしたばかりだから、今私が死んだら疑われるのは奈緒だよ?」

奈緒「脅し方が斬新すぎる」


奈緒「っていうか死ぬ死ぬ言うのをやめてくれ。縁起でもない」

加蓮「人間いつか死ぬのに……」

奈緒「こっちはそこまで悟ってねぇんだよ」

加蓮「わかった、悟ったら教えてね」

奈緒「なんだその"今度ご飯行こうね"みたいなノリは。悟りはそんな近くに転がってないわ」


加蓮「そんなことより、問題があってさ」

奈緒「どうした?」

加蓮「病院食があんまり……ね」

奈緒「あー、まあ仕方ないだろ。気持ちはわかるけどさ。今日のメニューは?」

加蓮「さつまいも」

奈緒「戦後かよ」


奈緒「この病院は馬鹿しかいないのか」

加蓮「おかしいよね? せめてじゃがいもだよ」

奈緒「おかしいのはお前だよ。そのイモ類への信頼はどこから来るんだ」

加蓮「揚げてくれれば言うことナシ♪ なんだけどさ」

奈緒「まったく……そんなんだから体調崩すんだぞ?」

加蓮「たとえイモを食べてなくても体調を崩す自信があるよ」フフン

奈緒「なんの自慢にもならないからそのドヤ顔やめろ」


加蓮「でもやっぱり、入院って暇だね」

奈緒「あたしは入院したことないからわかんないけど、そうなんだろうな」

加蓮「へえ、入院したことないんだ。そんなことでこの先やっていけると思ってるの?」

奈緒「急に調子に乗り始めたなコイツ」

加蓮「入院のことならなんでも聞いてよ。こちとら16年連続23回目の入院だからね」

奈緒「その紅白出場歌手みたいな肩書きをやめろ。だとしても大御所だわ」


加蓮「紅白、1度でいいから出たいよね」

奈緒「例えツッコミから話題を広げるのやめてほしいんだけど」

加蓮「私たちトライアドプリムスなら大丈夫だよね」

奈緒「びっくりするほど話を聞いてくれないよな」

加蓮「でも凛がニュージェネで出ることを選んだら……!?」

奈緒「不穏な方向に想像が向かってる」

加蓮「ま、その時は一緒に藁人形と五寸釘を買いに行こっか」

奈緒「うっわ巻き込まれた」

加蓮「あ、買いに行くのイヤ? それならAmazonで注文しとくけど」

奈緒「最新の注文履歴が藁人形と五寸釘ってよっぽど入院したほうがいい精神状態だと思うけどな」


加蓮「藁人形といえばさ?」

奈緒「普通、藁人形から話を広げるか?」

加蓮「この前藁人形を買いに行った時の話なんだけど、もう面白くって!」

奈緒「え? 恒常的に買ってんの?」

加蓮「駅前に専門店できたでしょ?」

奈緒「どこの駅の話だ。その駅を一生使わずに過ごしてやる」

加蓮「入ってみたらさ、みんなもいたんだよ(笑)」

奈緒「笑えない笑えない笑えない」


奈緒「何が(笑)だよバカか。誰がいたんだよおい」

加蓮「あれ、あんまり面白くないかな? じゃあ次の話題に移ろうか」

奈緒「答えてくれ頼むから。場合によってはあたしの対人関係の大きな転換点になるから」

加蓮「そういえば五寸釘専門店でも会ったなーって」

奈緒「その専門店シリーズはどうやって採算とってんだよ。チャレンジャーすぎるだろ」


加蓮「チャレンジャーといえばさ」

奈緒「さっきから話題が目まぐるしすぎるんだよ休ませてくれ」

加蓮「じゃあ奈緒が何か面白い話してくれる?」

奈緒「う……そう言われると……」

加蓮「そんなことでこの先バラエティとかでやっていけると思ってるの?」

奈緒「おもむろに藁人形トークを始めるやつよりはお茶の間に受け入れられると信じてるけどな」


加蓮「奈緒、何か暇つぶしになりそうなもの持ってない?」

奈緒「あー、悪い、急だったから何も持ってきてないや。何か持ってきてほしいものあるか?」

加蓮「健康な体」

奈緒「とてもじゃないけど情緒がついていかねえよ」

加蓮「でも、みんなとの絆があるから私はもう大丈夫……!」

奈緒「この会話、どこに向かってる?」

加蓮「泣くとこだよ」

奈緒「加蓮の惨状に泣きそうだよ」


加蓮「逆に奈緒が入院したとしてさ? どうやって暇を潰す?」

奈緒「え? あたし? そうだな……」

加蓮「伸身のトカチェフ?」

奈緒「時間が空くたびに新体操の技を捻じ込むのをやめろ」

加蓮「まあ奈緒のことだから、漫画とかじゃないの?」

奈緒「ま、そうなるよなー。アニメとかも見れればいいんだけど」

加蓮「……アニメ? 信じらんない」

奈緒「どうして急にサブカルチャーへの理解が皆無になった。怖えよ」

加蓮「どうせあれでしょ? “2人○プリキュア"とか見るんでしょ?」

奈緒「伏せ字がド下手かよ。何も隠せてねえよ」

加蓮「あとあれでしょ? まどマギ○とかでしょ?」

奈緒「その部分に伏せるべき文字はねえよ。パワプロの特殊能力みたいになってるじゃねえか」

加蓮「伝わりにくいね」

奈緒「張っ倒すぞ」


加蓮「パワプロといえばさ」

奈緒「話題の引き出しどうなってるんだよ」

加蓮「可愛いよね」

奈緒「思いの外浅かった」

加蓮「思えばさ? 体が弱かった私の方がマンガとかアニメとかゲームにハマる可能性あったんだよね」

奈緒「ま、そういうのは環境にもよるからな」

加蓮「そうだったら、もっと奈緒と仲良くなれてたのかな……」

奈緒「……」

加蓮「……なーんて」

奈緒「加蓮」

加蓮「え?」

奈緒「あたしは、そんなの関係なく、加蓮と仲良くなれてると思ってる」

加蓮「奈緒……」

奈緒「確かに振り回されることばっかりだし基本的に何考えてるのかも何言ってるのかもわかんないしあたしの負担は多大なるものだという自負はもの凄いけど、それでも親友だと思ってる」

加蓮「想像の20倍くらい苦言を呈されてるけど」

奈緒「もっと相手の気持ちを考えて欲しいっていつも思いながらも他の人から加蓮が面倒臭いって話を一切聞かないからあたしだけにこんな感じなんだなって思うと嬉しさと悲しさが波状攻撃を仕掛けてくるけど、それでも親友だと思ってる」

加蓮「悪かったってば」


奈緒「そういえば、この入院の間の仕事とかはどうなってるんだ?」

加蓮「代役を立ててもらってるよ」

奈緒「そうか、それならいいけど」

加蓮「まずファションモデルのお仕事が入ってたから」

奈緒「お、当ててやるよ。うーん……奏とか?」

加蓮「ブッブー」

奈緒「あれ、自信あったんだけどな……。じゃ、凛とか李衣奈とか?」

加蓮「如月千早さん」

奈緒「おまっ……馬鹿野郎!」


奈緒「そもそも違う事務所じゃねえか。代役と呼ばねえよ、仕事取られてるよ」

加蓮「ううん、その代わり、今度仕事を1つ譲ってくれるって」

奈緒「知らない間にエグいパイプ作ってたんだなウチの事務所は」

加蓮「サイコーのパイプだよね」

奈緒「そっちからも仕事もらえるようになったら軽い恐怖だよ」


加蓮「あ……」

奈緒「ん? どうした?」

加蓮「ごめん、話してたら喉乾いちゃった。何か飲み物買ってきてもらってもいい?」

奈緒「ああ、もちろん。あたしも何か飲もうかな。加蓮は何飲みたい?」

加蓮「水のソーダ割り」

奈緒「薄い炭酸水にしかならねえよ。なにも割り切れねえよ」

加蓮「じゃあ水のロックで」

奈緒「腹壊すぞ」


奈緒「じゃ、飲み物も買ったし、そろそろあたしは帰るかな」

加蓮「ありがとね、お見舞い来てくれて」

奈緒「お見舞いというか、ビックリして駆けつけただけだけどな」

加蓮「次はビックリさせないように担ぎ込まれるからさ」

奈緒「そうじゃない」

加蓮「じゃあどうやって担ぎ込まれればいいのさ!」

奈緒「なんでちょっとキレてんだよおかしいだろ。そもそも担ぎ込まれないでくれ」

加蓮「あ、奈緒、最後に1ついい?」

奈緒「なんだよ……」

加蓮「これあげる。貰い物なんだけどさ、私には必要ないから」

奈緒「え? ああ、なら貰っとくけど、何だ?」

加蓮「さつまいも」

奈緒「戦後かよ」



おわり





過去作


ほたる「始球式」智絵里「アンド」朋「野球観戦!」

多田李衣菜「Let'sギャップ萌え!」前川みく「宣言するものじゃないにゃ」

周防桃子「みんな、桃子のことバカにしてるんでしょ!」

橘ありす「総理大臣フレデリカ?」

渋谷凛「宗教を開いて」本田未央「儲けたい?」


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