【モバマス】楓「瑞樹さんって可愛いですよね」 瑞樹「え?」 (37)

※百合要素注意

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――居酒屋――


瑞樹「ちょっとー、いきなり何を言い出すのー?」アハハ

楓「美人で素敵なお姉さんという見方もありますけど」

楓「時折覗かせるお茶目な一面が可愛さも醸し出しています」

瑞樹「はは……は……」

楓「美人でありながら可愛いとか敵なしですよね。部屋に2人きりだったら襲いかかっちゃいそうです」

瑞樹「!?」

瑞樹「も、もう! 楓ちゃんかなり酔ってるでしょ! お酒はそのへんにしときなさい」

楓「確かに酔ってますけど意識はまだハッキリしてます」

瑞樹「……そうなの」

楓「ふふ」

瑞樹「まあ、楓ちゃんみたいな女の子からそう言ってもらえるのは嬉しいわ」

瑞樹「自信にもなるしね。ありがとう」

楓「それはつまりオーケーってことですか?」


瑞樹「え、何が?」

楓「オーケーってことですよね」

瑞樹「だから、何が?」

楓「細かいことは置いといてオーケーかノーかで答えてください」

瑞樹「……ノー」

楓「そうですか」パクッ モグモグ

楓「ここの焼き鳥美味しいですね」

瑞樹「……そうね……」

瑞樹「……」

瑞樹(何? 何なの? なんか怖い)

瑞樹(もしかして楓ちゃんって……いやいやそんなこと……)

瑞樹(だって今までそんな素振り見せなかったし)

楓「瑞樹さん」

瑞樹「!」


楓「ビールを浴びーるほど飲みましょう」ニコッ

瑞樹「は、はは……」

瑞樹(うん、やっぱりいつもの楓ちゃんだわ。考えすぎよ私)

――――

瑞樹「でねー? その時のお客さんがステージに上がろうとしてきて」

楓「大変でしたね」

瑞樹「気持ちは嬉しいんだけどねー」グビッ

瑞樹「あれ、もう空っぽ。すみませーん」

店員「はい只今」スタスタ

瑞樹「生中ジョッキ1つお願いします。楓ちゃんは?」

楓「私は日本酒を。あと……」


楓「瑞樹さんが欲しいです」

瑞樹「え?」


楓「なーんて」クスッ

瑞樹「……」

店員「生中お1つと日本酒お1つでよろしいですか?」


楓「はい」

店員「かしこまりました」スタスタ

瑞樹「あの、楓ちゃん」

楓「ホッケも美味しいですよ瑞樹さん。ホッケー見ながら食べたいですね。ふふっ」

瑞樹「……」

瑞樹(冗談なの? それにしては……)

楓「瑞樹さん、あーん」スッ

瑞樹「へ?」

楓「ホッケ食べさせてあげます」

瑞樹「い、いいわよ。自分で食べるから」

楓「そんなこと言わずに」

瑞樹「本当にいいから」

楓「……」シュン

瑞樹(落ち込んじゃった……いつものノリならいけるんだけど)

瑞樹(そうよ、考えすぎなのよ私。これはコミュニケーションの一環よ)


瑞樹(さっきの発言は気になるけど)

瑞樹「楓ちゃん」

楓「……?」

瑞樹「みじゅきに美味しいホッケを食べさせて欲しいなぁー♪」エヘッ

楓「……」

瑞樹「あの……楓ちゃん?」

楓「可愛すぎる」ボソッ

瑞樹「へ?」

楓「何でもないです。はい、あーん」スッ

瑞樹「……あーん」

パクッ

楓「美味しいですよね」

瑞樹「本当ね! お酒に合うわこれ」


楓「次は瑞樹さんが食べさせてください」

瑞樹「え」

楓「あーん」

瑞樹(な、何てことないわ。これはただのコミュニケーションなんだから)

瑞樹「仕方ないなぁ♪ はい、あーん」スッ

パクッ

瑞樹「美味しい?」

楓「はい。美味しいですけど、それはそれとして瑞樹さん」

楓「料理を食べさせ合う仲にもなりましたし、この際だからそういう誘いにもオーケーを出してくれませんか」

瑞樹「は?」

楓「オーケーしてくれませんか」

瑞樹「そういう誘いって、何の誘い?」

楓「とりあえずオーケーかダメかで答えてください」

瑞樹「ダメ」

楓「そうですか」パクッ モグモグ

楓「お豆腐も美味しいですね」

瑞樹「……」


瑞樹(怖い!!)

瑞樹(何なの? 私に何をオーケーさせようとしてるの!?)

瑞樹(やっぱり楓ちゃん私をそういう目で見てるの!?)

店員「お待たせしました、生中と日本酒です」

楓「ありがとうございます」

瑞樹(き、聞いてみる……? 直接、本人に)

瑞樹「ねえ楓ちゃん」

楓「何ですか」

瑞樹「えっとね、すごく変なこと聞いてもいい?」

瑞樹「もし勘違いなら笑ってくれていいから。楓ちゃんって」

瑞樹「ひょっとして私のこと…」


友紀「あれ? 川島さんと楓さんだ!」

早苗「偶然ねー!」


瑞樹「!!」


楓「本当ですね。お二人も今からここで?」

友紀「そうなんですよ、早苗さんの行きつけらしくて」

早苗「瑞樹ちゃんと楓ちゃんも常連よね。仕事終わりに3人でパーっと飲むのよ」

友紀「へぇー」

瑞樹(聞くタイミングを逃した)

楓「あの、よかったらここ座りませんか? 4人で飲みましょう」

瑞樹「!」

早苗「いいの?」

楓「はい。どうですか瑞樹さん」

瑞樹「えっ……う、うん! もちろんよ!」

友紀「じゃあお言葉に甘えます!」

瑞樹(……もし)

瑞樹(もし私に特別な感情を抱いてるなら、2人きりを維持するために、この2人を誘わないはず……よね?)

瑞樹(楓ちゃんの考えてることが分からないわ……)


――――

早苗「それでプロデューサー君がねー」

友紀「本当ですか? あははは!」

楓「おかしいですね、ふふふ」

瑞樹「ははは……」

瑞樹(ダメ。隣に来た楓ちゃんを意識して内容が入ってこない)

早苗「ごめん。ちょっとトイレ」

友紀「あっ、あたしも行きます」

スタスタ

楓「……」

瑞樹「……」

楓「瑞樹さん」

瑞樹「な、何?」ドキッ

楓「さっきから元気がないですけど、具合が悪いんですか?」ピトッ

瑞樹(ボディタッチ……! ううん、これはただ肩に手を置かれただけ)

瑞樹「平気平気。心配してくれてありがとう」ニコッ


楓「そうですか」

楓「……えい」ツン

瑞樹「きゃっ!?」ビクッ

瑞樹「な、何するの!」

楓「指でつつく攻撃です。隙だらけだったので」

楓「可愛い悲鳴でしたね」フフ

瑞樹「……」

瑞樹(スキンシップよね? うん、スキンシップよ)

瑞樹「や、やったわねー! 私もつついちゃうわよ!」

楓「いいですよ」

瑞樹「えっ」

楓「瑞樹さんになら、どこをつつかれてもいいです」

楓「さあ、思う存分に」

瑞樹(両手を横に広げて完全受け入れ体勢!?)


瑞樹「それじゃあ……えい」プニッ

楓「まずはほっぺですか。次は?」

瑞樹「も、もう満足したわ。お酒飲みましょう!」

楓「……はい」

楓「瑞樹さん。日本酒どうです」スッ

瑞樹「ん? いいわね。もらおうかしら」

楓「ぐいっといってください」

瑞樹「ゴクッ……はぁー、美味しい」

楓「もう一杯どうぞ」スッ

瑞樹「え? あ、ありがとう」

――――

友紀「だからキャッツが来年優勝を狙うには、若手の台頭が必要不可欠なんです!」

楓「熱いですね」

早苗「ファンの鑑だねぇー」

瑞樹「……」

早苗「あれ、瑞樹ちゃん大丈夫?」

瑞樹「うん……ちょっと酔いが回ってきちゃったみたい……」アハハ

一旦休憩します


楓「ごめんなさい。私が無理にお酒を勧めたせいですね」

瑞樹「楓ちゃんのせいじゃないわ。私の自己管理不足よ」

瑞樹「それに、そんなに大したことないから」

友紀「お水飲みます?」スッ

瑞樹「ありがとう」

楓「大丈夫ですか」スリスリ

瑞樹「うん……」

ムニッ

瑞樹「!!」

瑞樹(今……私の胸に指が当たった)

スリスリ

瑞樹(っていうか摩る手がお尻にまで到達してるんだけど)

瑞樹(これは故意? それともお酒のせいで変になってるだけ?)

楓「……」

――――

――――――

――――――――



――居酒屋前――


早苗「じゃ、私たちはカラオケ行くから!」スタスタ

友紀「楽しかったです! また飲みに行きましょう!」スタスタ

楓「そうですねぇ、近いうちに。うふふ」フラフラ

瑞樹(すごく酔ってる)

楓「えへへ……瑞樹さんっ。私たちも行きましょうか?」

瑞樹「え?」

楓「途中まで、一緒に帰りましょう」ギュッ

瑞樹「あ、ああ、うん。そうね」

瑞樹(腕を組まなくても……酔ってるし仕方ないか)

――――

楓「お酒、ちょっと飲みすぎたかもしれません」フフフ

楓「しばらく『避け』ないと……うーん、イマイチ」

瑞樹「……」

楓「肝臓にいかんぞう……既出ですね」


瑞樹「あの、楓ちゃん」

楓「何ですか?」

瑞樹「この辺を通る意味ってあるの? いつもと違う道だけど」

楓「意味、ですか」

楓「そうですねぇ……いつもと違う道を歩くと、いろーんな発見があるから、でしょうか」

楓「例えば、ここにはまるでお城みたいな建物が沢山ありますよねー! 素敵です」ウフフ

瑞樹(ホテルだって知ってるのかしら)

楓「でもあれ、ホテルなんですよね。最初見たときは驚きました」

瑞樹(まあ知ってるわよね)

瑞樹「そうね。早く行きましょう」

楓「あ、待ってください」

楓「瑞樹さん、アルコールは大丈夫ですか?」

瑞樹「?」

楓「酔いが回ったって言ってました」

瑞樹「ええ、もう大丈夫よ。だいぶ抜けてきたから」


楓「そうですか」

楓「あの……ちょっと休みませんか」

瑞樹「えっ」

楓「あそこのお城で」

瑞樹「なっ……」

瑞樹(まさか、これを狙ってたの!? だから私にお酒を勧めて……)

瑞樹「大丈夫よ。このまま帰る」

楓「でも真っ直ぐ家に帰れるか分からないじゃないですか」

瑞樹「大丈夫!」

楓「でも……」

瑞樹「……」

瑞樹(いい加減はっきりさせなきゃ)

瑞樹(楓ちゃんの意図を)


瑞樹「一つ質問してもいいかしら」

楓「?」

瑞樹「ずっと気のせいだと言い聞かせてたんけど、打ち明けてもらうわね」

瑞樹「あなた、私に好意を持ってるの?」

楓「好きですよ」

瑞樹「あー……ごめん、そういう好意じゃなくてね」

楓「分かってます」

楓「好きです、恋愛対象として」

瑞樹「!!」

瑞樹「……嘘……」

楓「本当です」ニコニコ

瑞樹「……いつから?」

楓「今日です」

瑞樹「今日!?」


楓「瑞樹さんと向かい合わせに座って、お酒を飲みながらお話してたら」

楓「瑞樹さんがとても素敵な人だって気づいて…」

フラッ

瑞樹「!?」ガシッ

瑞樹「ちょっと、大丈夫?」

楓「ごめんなさい。あと少しで地面に激突でした」フフ

瑞樹「笑い事じゃないでしょ。立てる?」

楓「大丈夫です……んしょ……あれ、地面ってどっちでしたっけ」

瑞樹「そんなに深酔いしてるの。はぁ、全く」チラッ

瑞樹(仕方ない、ホテルで休憩していこうかしら。この様子なら変なこともされないだろうし)

瑞樹(一人で家まで運んでいく自信ないし。酔ってるから尚更)

瑞樹「ほら、肩を貸すから立って」

楓「ありがとうございます……」

瑞樹「あの高垣楓が、こんなに酔い潰れてるなんて知れたらビックリされるわよ」

瑞樹「お城へ行きましょう。私じゃなくてあなたの休憩のためにね」

楓「わー、お城だー」



――ホテルの一室――

ガチャ

瑞樹「頑張って、もう少しだから」

楓「うー……」

バフッ

瑞樹「ふぅ……やっとベッドに着いた」

楓「ごめんなさい、瑞樹さん」

瑞樹「いいのよ。ただ、これに懲りたらお酒の量はほどほどにね」

瑞樹「私ちょっと飲み物買ってくるから」スタスタ

ガチャ

楓「……」

――――

瑞樹(スポーツドリンクと……水も買っておきましょう)ガシャン

瑞樹(明日は楓ちゃんとペアの仕事で午後からだし、ちょっとくらい帰りが遅くなってもいいわよね)

ブー ブー

瑞樹「電話? 誰かしら」

瑞樹「……早苗ちゃん?」


ピッ

瑞樹「もしもし」

早苗『あ、よかったー! 出てくれた!』

瑞樹「どうしたの? 何か言い忘れた?」

早苗『言い忘れたっていうか、言いたいことがあるのよ』

早苗『さっき志希ちゃんとバッタリ会ってね? 楓ちゃんを探してたみたいで』

瑞樹「楓ちゃんを」

早苗『そう! でね、何で探してたのか、その理由が……』

――――

瑞樹「惚れ薬を飲んだ!?」

早苗『そうなのよ! エナドリのビンに入れてたものが、どういうわけか入れ替わっちゃったらしくて』

早苗『飲んでから30分後、1番最初に見た人をどうしようもなく好きになっちゃうんだって!』

瑞樹「……」

早苗『それで効果時間は分からないんだけど……瑞樹ちゃん? 聞いてる?』

瑞樹「ええ、聞いてるわ。ただすごく安心したのよ」

瑞樹「じゃあ楓ちゃんの今までの行動は全部偽物だったのね。本気だったらどうしようかと」

早苗『その反応……まさか……』


瑞樹「そのまさか。で、効果時間は分からないって?」

早苗『残念ながらね。でも時間を短くする方法があるのよ』

瑞樹「聞かせて」

――――

ガチャ

瑞樹「楓ちゃーん。ドリンク買ってきたわよー」

瑞樹(あれ、いない)

瑞樹(どこにいったのかしら。早くこのチョコを食べさせなきゃいけないのに)


早苗『惚れ薬の効果時間を短くするには、チョコレートを食べさせればいいらしいわ』

瑞樹『チョコね、分かった』


瑞樹「本当に短くなるのかしら……」

楓「瑞樹さん、遅かったですね」

瑞樹「!?」

瑞樹「か、楓ちゃん……何でバスタオル一枚なの」


楓「これですか? シャワーを浴びようと思ったんですけど」

楓「そういえば飲酒後のお風呂は危険だって話を思い出したのでやめました」

瑞樹「そ、そう……風邪引くわよ? 服を着なさい」

楓「あ! チョコレート! 食べていいですか?」

瑞樹「もちろんよ。でもその前に服を…」

楓「あーん」

瑞樹「……!」

楓「食べさせてください」

瑞樹「その前にまず服を着て」

楓「食べさせてくれたら着ます」

瑞樹(しょうがないわね)ガサゴソ

瑞樹「はい、あーん」

パクッ

楓「甘くて美味しい」モグモグ

瑞樹「さあ、本当に風邪引いちゃうわよ? 明日も仕事あるんだから、早く…」

楓「まだ着なくてもいいですよ」


瑞樹「え?」

楓「どうせ脱ぐので」

瑞樹「か……楓ちゃん、何を言ってるの」

楓「ふふ」

ジリジリ

瑞樹「か、楓ちゃん……? ねえ、どうして私を追い詰めて…」

楓「それっ」トン

瑞樹「っ!?」バフッ

瑞樹「ちょ、ちょっと! 何するつもり!?」

楓「ここに入る前の言葉、もう忘れたんですか?」

楓「私は瑞樹さんのこと好きなんです。大好き」ポッ

瑞樹「待って、あなたに話があるの。その気持ちはね?」

楓「瑞樹さん」ガバッ

瑞樹「!!」

瑞樹「は、放しなさい!」

楓「ごめんなさい。止まらないんです」

また一旦休憩します
もう少しで終わります


楓「この溢れ出るくらいの幸せな感情、止めることができません」

楓「瑞樹さんと繋がりたい……」

瑞樹(マズい! このままだと美味しくいただかれる!)

瑞樹(チョコは食べたし、あとは効果時間が短くなるのを待つだけなのに!)

瑞樹(……でも、もし効果が切れるのが明日の朝とかだったら……?)

楓「瑞樹さんも甘くて美味しそうですね」グイッ

瑞樹(なんて考えてる暇はないわ! 何としても時間を稼ぐのよ!)

瑞樹「待って待って! 私の気持ちはどうなるの!?」

瑞樹「私は女の子相手にそういった感情は持たないし、体の関係を持つ気も全くないのよ!」

楓「安心してください。今からそういう気にさせます」

瑞樹「待って待って待って! そ、そういう心得はあるの!?」

楓「心得?」

瑞樹「その、女同士の体の重ね方を……」

楓「本能でなんとかなりますよ。お互い女なのでどこが気持いいとかあるじゃないですか?」

楓「例えば私は…」

瑞樹「振っておいてなんだけどそれ以上言っちゃダメ!」


楓「あとここには色んな道具が…」

瑞樹「ダメだってば!」

楓「そうですよね。話すよりも実践していくべきです」

チュッ

瑞樹「んっ!?」

楓「チュッ……んっ……」

瑞樹「やめてっ、ちょっと……んっ……!」ジタバタ

瑞樹(キスされてる! ど、どうしよう、このまま最後までされるの!?)

瑞樹(っていうか何でこんなに力が……!)

瑞樹「楓ちゃんっ……ぷはっ! よ、酔いはどうなったの……!?」

瑞樹「もしかして演技を……!」

楓「はぁ、はぁ……この部屋に入ったとき言ったじゃないですか、ごめんなさいって」

ムニュ

瑞樹「!?」

瑞樹(胸に手が……!)


楓「まずは瑞樹さんを気持ち良くしてあげます」ムニムニ

瑞樹「やっ……やめてっ……!」

瑞樹「聞いて瑞樹ちゃん! あなたのその気持ちは偽りなのよ!」

瑞樹「私と飲む前にエナドリ飲んだでしょ? それ惚れ薬だったのよ!」

楓「惚れ薬?」ピクッ

瑞樹「そ、そう! 志希ちゃんが作ったのと、あなたが持ってたのが入れ替わったの」

瑞樹「それで私のことを好きだって認識しちゃってるの!」

楓「……そんなのどうだっていいです」スッ

瑞樹「っ!?」

瑞樹(手がどんどん下に……!)

楓「大事なのは今ですよ瑞樹さん」

楓「今の私は瑞樹さんが好き。これが全てですから」ニコッ

瑞樹「ダ、ダメ」

楓「ふふふ」

瑞樹「あ、ああ……!」


瑞樹(もう終わり……これ以上は食い止められない)

瑞樹(楓ちゃんと一線を越えるのね私。こんなこと考えてもみなかったわ)

瑞樹(早苗ちゃん、せっかく教えてくれたのにごめん。自分の身を守れなかった)

瑞樹(そして志希ちゃん、次に会うときはお説教するから覚悟しておいてね)

瑞樹(…………)

瑞樹(……?)

瑞樹(あれ、楓ちゃんの動きが止まった)


楓「」パタンッ

瑞樹「!?」


瑞樹(倒れ込んできた! どうなったの?)

楓「……zzz」

瑞樹「ね、寝てる……?」

瑞樹「これって、もしかすると……効果が切れたの?」

瑞樹「……よかった」

瑞樹「よかったぁ……! 怖かったぁ……!」グスン

楓「んー……ムニャムニャ……」

――――

>>29
上から三段目の誤字

瑞樹「聞いて楓ちゃん! あなたのその気持ちは偽りなのよ!」です



――3日後――


早苗「志希ちゃんかなり反省してたわよ。研究もしばらく控えるって」

瑞樹「そうなの? もう怒ってないんだけどな。志希ちゃんの中では見過ごせない問題だったのかしら」

早苗「怒ってないんだ」

瑞樹「そりゃ事が起こった時はお説教してやる、と思ってたけど」

瑞樹「よく考えたらまだまだ若いでしょ? 間違いや失敗は沢山するわ」

瑞樹「それで人は成長するのよ。本人が反省してるならそれで良いの」

早苗「おお、さすが大人の女」

早苗「ところで、楓ちゃんとはその後どう?」

瑞樹「それが全部記憶にあるらしくて、この前のペアの仕事以来ずっと顔を合わせてないのよ」

早苗「あー……そりゃそうよね」

瑞樹「私も電話やラインで『気にしないで』って送ってるんだけど、なかなかね」

早苗「……ところでさ」

瑞樹「?」

早苗「興味本位で聞いたらダメなことだとは思うんだけど」

早苗「どうしても気になるから、質問だけさせて」


早苗「楓ちゃんとホテルで……どこまでしたの?」

瑞樹「!!」

瑞樹「い、言えるわけないでしょ!?」カァァ

早苗「だよねごめん! もう聞かない!」

早苗(赤くなったってことは、キスはしたのかな)

ガチャ

楓「おはようございます」

瑞樹・早苗「!!」

早苗「か、楓ちゃん」

瑞樹「……」

楓「……」

早苗(どうしようこれ。私いない方がいい?)

瑞樹「楓ちゃん……あのね」

楓「瑞樹さん、お話があります」

瑞樹「!」


楓「早苗さん、少し席を外していただけませんか。2人だけでお話したいんです」

早苗「うん、他の子が来ても入れないようにしとく」

楓「ありがとうございます」ペコリ

パタン

瑞樹「……」

楓「瑞樹さん」

楓「この間は、本当にすみませんでした」ペコリ

瑞樹「頭を上げて。言ったでしょ? 気にしないでって」

楓「はい、でも……私がエナジードリンクを間違えなければあんなことにはならなかったんです」

楓「志希ちゃんだけは責めないであげてください」

瑞樹「あの子も許してる。大丈夫よ」

楓「そ、そうですか」

楓「それで……その、もう一つ……」カァァ

楓「あの時にあったことは、お互いに忘れるということで……手を打ちませんか?」モジモジ


瑞樹「ええ……そうした方がいいわね。っていうかそうしましょう」

瑞樹「あれは夢だったってことで」

楓「はい」

瑞樹「うん! じゃあ握手しましょう」スッ

楓「?」

瑞樹「これからも仲良く、よろしくねの握手」ニコッ

楓「……はい」ニコッ


ギュッ


瑞樹「さてと。じゃあ今日は飲みに行く?」

楓「いいですね。私、良いお店を見つけたんです」

楓「ワインがとても美味しいんですよ」

瑞樹「へー、期待しちゃうわね。2人のわだかまりが消えた記念で乾杯しましょう!」


おわり

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