杏「私が全力でプロデューサーに甘える日」 (44)

「全力で甘える」シリーズの第4弾。
生産性のない会話とだらだらとした雰囲気で構成された話ですが、お付き合いいただけると嬉しいです。

始めます。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1511511353

(杏宅)

杏「…」ボ-

杏「久しぶりの休みの日で嬉しいはずなのに…やることがない」ボ-

杏「どういうことだろう…いつもは仕事の後でくたくたになってもゲームやら漫画やらアニメ鑑賞やら、やりたいことがたくさんあるのに…」

杏「…いざまとまった時間をポンと渡されると困るんだよね」

杏「…」ボ-

杏「…」ハッ

杏「も、もしや、これが社畜というやつなのか! 一番なりたくないものになってしまったぞ!」ガ-ン!!

杏「これはいけない! 誰かを誘って遊んで『私は社畜ではない』と堂々と言えるようにしなければ!」

杏「ええと…あった、予定表だ。事務所のみんなは…と」

杏「(きらりは仕事…かな子は仕事…智絵里は仕事で、紗南も仕事。りーなは夏樹とライブに行ってて、仕事休みのメンツは全員あんまり顔を合わせたことのない人、か)」

杏「…え? これもしかして詰んでる?」

杏「い、いやいや、そんなわけはない! 私は諦めないぞっ!」

杏「まだ見落としがあるはず…ええと…」

杏「…ん?」

杏「あの人、今日の午後はお仕事入ってないみたい」ジ-

(しばらくして)

P「で、呼び出したわけか」

杏「で、呼び出してみたわけよ」

杏「まさか本当に来てくれるとは思わなかったけどね」

P「どうしてだ?」

杏「他の人と予定入ってるのかなーって。プロデューサーよく誘われてるじゃん」

P「誘われても全部にOKしてるわけじゃないからな」

杏「たくさん誘いがあることは否定しないわけね」

P「誘われてるし」

杏「はいはい、そうですか」プ-

P「拗ねるなよ」

スッ...プニ-

杏「あのさー、ほっぺをムニムニ掴まないでくれるかな?」

P「想像以上のモチモチ感」

杏「お肌には気を使った食生活を心がけてるからね」

P「ほう。意外だな」

杏「朝起きたらすぐにコーラ飲んで水分補給したり、倒れないようにポテチで栄養補給したり…」

P「うん。気を使ってないね。欲望のままに食べて飲んでいるね」

杏「ストレスを溜めないことも大切だよ」

P「一理ある」

杏「ま。何はともあれ…マリオカートやるぞ!」カッ!!

P「ふふふ、いいだろう。国道の走り屋と呼ばれた俺の実力を見るがいい」

杏「安全運転を心がけてそうなドライバーだね」

P「むろん。ゴールドカードだ」

杏「マリオカートの前に誇っちゃいけないところだよ」

(しばらくして)

ブォォォン...

杏「…」カチャカチャ

P「…」カチャカチャ

杏「お、この順位でのトリプルこうらは強いぞ」

ピッ...ヒュンヒュンヒュンヒュン

P「あ、ちょ」

スコ-ン...アワワワワワワ!!

P「うげっ。スリップした」

杏「はっはっは。これで杏の独走だー」

P「ぐぅ」

杏「…」カチャカチャ

P「…」カチャカチャ

P「...まだいける」

杏「諦めなよ。トゲゾーがこない限り杏の優位は変わら…」

シュ-ン...シュンシュンシュン...!!

杏「あ」

P「自分でフラグを立てるから」

杏「ちょ。ジャンプ台手前での被弾は…」

チュド-ン!!

杏「」

P「…」カチャカチャ

杏「…」カチャカチャ

P「よしゴール。1位だー」

杏「…もっかい」

P「いいよ」

(しばらくして)

P「杏ー。喉乾いたー」グデ-

杏「…仕方ないなぁ。ちょっと待っててよ」

スッ...コポコポ
コトリ

杏「はい。ジュース持ってきてあげたよ」

P「ありがとう」

杏「杏を働かせるなんていい根性してるよね」

P「照れる」

杏「褒めてないよ」

P「では、お礼にひとつだけ願いを聞いてあげよう」

杏「いいの? それじゃあ叶えられるお願いごとを3つに増やしてよ」

P「それはズルだろ」

杏「ちっ。じゃあひとつでいいよ」

P「当然だ。その代わり何でもいいぞ」

杏「んー…何でもいいが1番困るんだよねぇ」

P「主婦かよ」

杏「とりあえず保留で。いまは叶えて欲しいこととかないし」

P「OK」

杏「ところでさ」

P「ん?」グデ-

杏「脱力しすぎじゃない?」

P「日々の疲れが溜まってるんだよ」

杏「ふーん。お疲れ様」

P「杏も寝たらどうだ」

杏「…」

杏「ま。いいか」

スッ...ポスン

P「…」

杏「…」

P「…」

杏「…な、なんか言いなよ。プロデューサーの腕を勝手に枕にしたんだよ?」

P「ほのかに甘い香りがする」

杏「へ、変態め…」グデ-

P「髪触っていい?」

杏「いいけど…」

P「…」サワサワ

杏「…」

P「…」

杏「…あのさ」

P「ん?」サワサワ

杏「髪の毛を触るのが楽しいわけ?」

P「楽しいし、心地いい」クルクル

杏「…あそ」

P「サラッサラだな」サワサワ

杏「どーも」

杏「...♪」

P「あ、いま」

杏「ニヤけたりしてないから」キリッ

P「でもいま」

杏「シャラーップ。いいから大人しく髪の毛でもいじってなよ」

P「へーい」

ナデナデ

杏「それ頭撫でてない?」

P「撫でてるよ」ナデナデ

杏「…私。背が小さいからよく人から頭を撫でられるんだよね。子供じゃないのに」

P「あんまり好きじゃないのか」

杏「まあね」

P「悪かったよ」

スツ...ナデナデ

杏「…」

P「…」

杏「プロデューサー」

P「うん?」

杏「かといって、頬を撫でるのはどうかと思うよ」

P「頭とどっちがいい?」

杏「頬」

P「よし」サスサス

杏「…」

杏「♪」ムフ-

P「あ、いま」

杏「うるさいよ。大人しく撫でてなよ」キリッ

P「ごめん」サスサス

杏「まったく」

(しばらくして)

杏「プロデューサー。ご飯食べてく?」

P「作ってくれるのか?」

杏「選択肢は3つ。カップ麺にお湯を注ぐか、ピザを頼むか、嫌々かつ不本意ながら私が手料理を振る舞うか。さあどれだ」

P「3つ目で」

杏「面倒くさいなぁ」

P「杏の手料理が食べたいんだ」

杏「仕方ない。ならスーパーに買い物に行かなきゃだね。歩くのだるいけど」

P「おぶってってやろうか?」

杏「いや、いい。帰りに荷物持ってよ」

P「それはさっきの願い事か」

杏「ノーカンでしょ。料理作ってあげるんだから働いてよ」

P「はい」

杏「よーし、行くぞー」グデ-

P「おー」グデ-

杏「…」

P「…」

杏「このテレビ見終わってからでいいか」グデ-

P「だな」グデ-

(しばらくして)

コトリ

杏「はい。回鍋肉」

P「うまそう」

杏「初めて作ったから味は保証しないよ」

P「初めて、ねぇ」

杏「なにさ。文句あるの?」

P「いや、さっき、机の下から付箋のついた料理本を発見したんだけど」

杏「…」

P「あの本は?」

杏「きらりが置いてった本だよ」

P「へー」

杏「な、なにさ。その目は」

P「別に?」

杏「怒った。プロデューサーは白米抜きね」

P「ごめん。それは辛い」

杏「ふははは。回鍋肉にご飯がないのは辛いだろう!」

P「お願いします。杏様。どうか白米を」

杏「じゃあ、冷蔵庫からお茶持ってきて。それから食後の皿洗いもよろしく」

P「いいよ」

杏「サンキュ。ほら、お茶碗出して」

P「ん」

スッ...スッ...コトリ

杏「どーぞ」

P「ありがとう」

杏「では、いただきます」

P「いただきます」

(しばらくして)

P「アイス買ってきたけど何がいい?」

杏「シャーベット系ある?」

P「ん」スッ

杏「ありがと。プロデューサーは何食べるの?」

P「ハーゲンダッツ」

杏「は?」

P「いただきます」

杏「…」ジ-

P「ごめん。実はもうひとつハーゲン買ってあるよ」

杏「さすが」

P「チョコクッキーとレーズンだったら?」

杏「チョコクッキー」

P「へーい」スッ

杏「この前さ」

P「ん?」

杏「レッスンの後、きらりと一緒にサーティワン行ったんだけどね」

P「うん」

杏「『小さい子にはサービスです』ってアイス1個おまけしてもらったんだ」

P「…それは子供扱いされて悲しいって話?」

杏「杏のパーフェクトボディはいいことづくめだろうっていう自慢話」ドヤ-

P「だよね」

杏「映画館とかはさすがに気が引けて子供料金で入らないけどねー」

P「入ったら犯罪だからな。やめろよ」

杏「わかってるよ。あ、そっちのアイスひと口ちょうだい」

P「どうぞ。すくっていいよ」

杏「面倒くさいからプロデューサーのスプーンですくって食べさせてよ」

P「わがままだなー」

杏「たまにはいいじゃん」

P「たまにじゃないだろ。まったく。ほれ、あーん」

杏「あー」

パクッ...モグモグ...

杏「プロデューサー」

P「ん?」

杏「レーズン入ってないじゃん」

P「嘘。確認してなかった」

杏「もうひと口」

P「ん」

ア-ン...パクッ

杏「んー♪」

P「うまいだろ」

杏「うまい。チョコクッキーには負けるけどね」

P「はー?」

杏「やっぱり時代は王道だよ」

P「いやいや、ひと口ちょうだい。食べ比べてみるから」

杏「ほい」スッ

P「あーんは?」

杏「ヤダ」

P「フェアじゃないなぁ」

杏「一回だけね」

P「さすが」

杏「ほい」

ア-ン...モグモグ

P「あ、うまいわ」

杏「でしょ」

P「レーズンには負けるけど」

杏「は?」

P「決して交わることのない2つの意見が誕生してしまった」

杏「決着をつけようか」

P「やってやろう」

杏「スマブラとポケモンスタジアム。どっちがいい?」

P「ポケモンスタジアム」

杏「よし、白黒付けてやるっ!」

(しばらくして)

P「あー、楽しかった。もう帰るよ」

杏「ん。じゃあ、また明日ね」

P「1人で寝られるか?」

杏「子供扱いすんなっ!」

P「冗談だよ」

杏「ムカつくなー」ム-

P「ごめん」

杏「プロデューサー」

P「なに?」

杏「泊まってく?」

P「ん?」

杏「きらりがよく泊まってくから布団はあるよ。ここからの方が事務所は近いでしょ」

P「んー」

杏「…」

P「ごめん、今日は帰るよ。明日、仕事で必要なものが家にあるし」

杏「あそ。じゃあ気を付けて帰ってね」

P「はいよ。それじゃあ」

杏「あ」

P「なんだよ」

杏「お願い使ってないや」

P「いまさらかよ」

杏「いま使う」

P「…仕方ない。なんでもいいぞ」

杏「今度オフが重なったらさ、またうちに来てよ」

P「…」

P「うん。約束だ」

杏「決まり。じゃあ、楽しみにしてるからね。約束破るとかなしだよ?」

P「おう」

杏「…へへへ♪」ニコニコ

終わり

以上です
お読みいただきありがとうございました

前作のレスでリクエストをいただいたものです
また気が向いた時に本シリーズは書いていこうと思うので、その時はお付き合いいただけると嬉しいです

では

やっぱり杏がナンバーワン!
おつ

杏「」キリッ
が個人的にツボ

乙乙

前でユズマリン707Rをリクエストしたモノです。

まさかこうも早く書くって思いませんでしたよ

かわいい杏をどうもありがとうございました


付き合うどころか結婚2年目みたいな雰囲気を醸し出してる

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