的場梨沙「アンタはアタシのことだけ好きでいなさい!」 (17)

※本日追加された的場梨沙の一コマ劇場の②を見てから読んで下さい

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梨沙(パパとプロデューサーがアタシの知らないうちに仲良くなっている、ということは知っていた)

梨沙(でも、それでプロデューサーがパパのことを……とは思わなかった。アイツはロリコンだから、それはないと思っていた)

梨沙(でも、それがフェイクだとすれば……うん、ありえない話ではないかもしれない)

梨沙(パパはとっても素敵な人だもの。誰が好きになっても――そう、たとえば、アイツが好きになってもおかしくはない)

梨沙(それを隠していることも理解できる。パパは妻子ある身だし、アタシとママのことをとっても愛してくれている。それを考えてのことだろう)

梨沙(だから、本当にそうなのかもしれない、とは思う。アイツがロリコンじゃなくて、パパのことが好きで……ロリコンだってことは、フェイクだって)

梨沙(……アイツ、ロリコンじゃないのかな)

梨沙(――って! ロリコンじゃないのならないでいいじゃない! 何考えてるの、アタシ! どうしてちょっと落ち込んでるのよ、アタシ!)

梨沙(そ、そう。そうよ。落ち込んでるのはアイツがロリコンじゃないってことじゃなくて、アイツがパパを狙っている、ってこと。それだけ。それだけなんだから)

梨沙(……でも、どうしようかしら)

梨沙(応援はできないけれど――その気持ちを否定するのは、違う)

梨沙(アタシは知ってる。他の誰に何を言われたって、その気持ちは変わらないって)

梨沙(アタシは知ってる。その気持ちを否定されることは――本当に、心の底からムカつくってことを)

梨沙(……本当に、どうしようかしら)

梨沙「――なんて、うじうじ悩むのはアタシらしくないわね」

梨沙(そもそも、本当にアイツがパパのことを狙っているのかどうかはわからないのだ)

梨沙(なら、アタシがするべきことは一つ)

梨沙「アイツに、直接聞けばいい」


――

梨沙「プロデューサー! ちょ、ちょっと、聞きたいことがあるんだけど!」

P「ん、なんだ」

梨沙「アンタ……その、パパのこと、好き?」

P「……は?」

梨沙(この表情……『いきなり何を言っているのか』とでも思っていそうな顔ね)

梨沙(パパのことが本当に好きで、隠していたならこんな反応にはならないはず。……これはおそらく、白――)

梨沙「っ! ……そ、そう」

梨沙(……ということは、あの表情は『どうして今更そんな当然のことを』という反応だったってこと? つまり、そもそも、隠してない……?)

梨沙「あ、アンタ、ロリコンじゃなかったの?」

P「自分からロリコンって言ったことはなかったと思うんだが……」

梨沙「!?」

梨沙(い、言われてみれば、そうね。確かにプロデューサーが自分からロリコンだと言ったことはなかった。最初から、隠していなかったってこと……?)

梨沙「……パパは、アタシとママのことを愛してくれているわ」

P「それは知ってるよ。俺だって、あの人と何度も顔を合わせてるんだし、見てればわかる」

梨沙「っ……すべては、承知の上で、ってこと」

P「承知の上で……? まあ、うん、知っている上ではあるが」

梨沙(……知った上で、それでも、ってこと? プロデューサー、どんだけパパのことが好きなのよ……!)

梨沙「で、でも、ダメよ? パパは、アタシと結婚するんだから!」

P「それは何度も聞いたが……梨沙、今日はどうした? 大丈夫か?」

梨沙「大丈夫よ! それより、その……アンタ、本当にロリコンじゃないの?」

P「……違う、と思うが」

梨沙(! この反応……もしかして)

梨沙「……」チラッ

P「……」プイッ

梨沙(……意識してるわね! つまり、プロデューサーは、ロリコンじゃないんじゃなくて――ロリコンで、なおかつ、パパのことも好きなんだ!)

梨沙(……それなら)

梨沙「プロデューサー。パパは、アンタには渡さないわ」ヌギッ

P「んっ!? ちょ、梨沙、何、いきなり脱いで……というか、いったい、何を言って」

梨沙「アンタはロリコンでいなさい。これから先、ずっとずっと、ロリコンでだけいればいいの」

P「はぁ!? お前、本当、何言って……」

梨沙「っ……わからないの? それとも、そんなにパパのことが好きなの!? どうしても、パパのことをあきらめられないの!?」

P「あきらめ――って、とにかく脱ぐな! そんなことするもんじゃないって、梨沙ならわかってるだろ!?」

梨沙「わかってるわよ! でも、アンタが、パパのことをあきらめるなら――見るくらいなら、許してあげる」

P「だから! 梨沙、お前はさっきからいったい、何のことを言って――」

梨沙「アンタこそ! ロリコンなら、パパじゃなくてアタシを見なさい!」

P「見れるか!」

梨沙「なら――アンタはアタシのことだけ好きでいなさい!」

P「わかったよ! 俺は梨沙のことだけが好きだ! それで――」


ガチャ

ちひろ「さっきからうるさいんですが、いったい何をし……て……」

梨沙「……」(半裸)

P「……」(半裸のアイドル相手に『好きだ』と言った)

ちひろ「……プロデューサーさん。お話を聞いてもいいでしょうか?」ニコッ

P「……はい」


――

梨沙「――というわけで、アイツとパパの仲ならもう心配いらないわ! アイツはアタシのことだけ好きって言ったんだもの!」

由里子「……ぷ、プロデューサーとちひろさんは?」

梨沙「話したらわかってくれたわ! どうしてかすっごく苦い顔をしていたけど……パパの問題に比べれば些細なことね!」

由里子「お、おう……」

由里子(な、なんだか、思ったよりも大変なことになってしまっていたじぇ……)

由里子(あと……)

梨沙「本当に良かったわ! アイツはやっぱりロリコンで、アタシのことが大好きなんだって! アタシのことだけ好きなんだから! もう、何の心配もいらないわね!」

由里子(この喜び方、絶対『パパが狙われていなかった』というだけじゃないじぇ……)

由里子(でも、それは言えないし……元はと言えばあたしが適当なことを言ったせいだけど、まさかこんなことになるとは……)

由里子(最近はいけるようになってきていたけど、やっぱりナマモノは危険だじぇ……。良い子のみんなも、身近な人をネタにする時は注意しよう! ユリユリお姉さんとの約束だじぇ!)



終わりです。ありがとうございました。

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