ヒロインの最期 (39)


「皆は、もう行ったのかしら……」

「ああ……」


ここはもう僕と彼女の二人だけだ。
もうすぐ、彼女の長き旅路は終わる。
僕と歩んだ冒険の終わり。

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「別に、二人きりじゃなくても良かったのだけれど?」

「ああ……」


これが最後の会話になるのに、いつもと変わらない返事を僕は返す。
思えば、彼女との会話はほとんどこれだけだった気がする。
もう何十年と付き添って来たのに、あれだけ多くのことを成して来たのに。


「二人きりなったところで、今更話すことなんてないのにね」

「ああ……」


本当は、もっと多くの言葉を交わしたいと……思っていたはずなんだが。
どうにも上手く喋ることが出来ない。

いつも通りと言えば、いつも通りなのだが、
……まだ元気な僕が喋らないで、彼女にばかり喋らせるなどと言うのは気が引ける。


「貴方はいっつもそればかり。肯定か否定かしかしないんだから……」

「ああ……」

「何が勇者よ。貴方は戦うことはしたけれど、連れて行ったのは私達じゃない」

「ああ……」

「まぁ、選んできたのは紛れも無く貴方だけれど。
……どうしてこんなのと一緒になっちゃったのかしら……」


……はて、どうしてだっただろうか。
正直、最後まで彼女と一緒に居たのは、成り行き上仕方のないことだった気がする。
僕達は勇者などと祭り上げられ、しかし最後には腫れ物のような扱いだった。

13か


それもそのはずだ。
かつて魔王などと呼ばれていた者を倒し、数々の強敵を打ち倒した。
世界の為に、平和の為に、僕達はそれぞれの想いを胸に戦い抜いた。

でも、残っていたのはそれを成した「力」という名の恐怖だけだったのだから。
……僕だけの力ではなかったけれど。

仲間がいた。
いなくなった者と、仲間ではなくなった……決別した友もいた。
多くの悲しみと苦しみ、怒りや憎しみに振り回されて来た気もする。
全ては遠い過去の話だが、それは今でも僕と彼女の中で生き続けている。


「これで、良かったのかしらね……」

「ああ……」


「私達、確かに平和を守り抜いたのよね……」

「ああ……」


全て、遠い過去の話なのだ。
僕達の平和を脅かす存在を打ち倒し、争いの無い平和な世界を守る。

そう、争いの無い世界……そんな平和は訪れなかったけれど。
あの時よりも少しだけ平和に導き、後に託すことも出来た。

もう、この世界に僕達は必要ない。
生き残った仲間達も、今ではほとんどがここから旅立ってしまった。

そして彼女も、もうすぐここからいなくなる。


「一番平和に馴染めなかった貴方が、最後まで残るなんてね……」

「ああ……」

「まぁ、どうせすぐ貴方も終わるわ。それまで、私がいなくてもしっかり生きなさいな」

「ああ……」

「大丈夫なのかしら?これからは貴方、一人よ。
子供達や孫に迷惑を掛けるのは、私が許さないからね?」

「ああ……」


わかっている。
そう、一番平和な世界に貢献したはずの僕は、誰よりも平和と無縁だったのだ。
大体、世界だの平和だのと、若い頃に戦ってきたのはそうするしかなかっただけなのに。
戦い続けて、いつの間にやら僕は誰かの希望になり果てた。

ああ、それは確かに僕が選んできたことだけれど。
皆の想いが僕の力となったのだけれど。
世界を救う意思を学び、平和を選ぶ尊さを知り、戦うことでその一手を担うことが出来た。

勇者になった世界で、僕は確かに生きることを決めたのだ。
なのに、平和になった世界が僕にとって生き辛いとは皮肉なものだった。

そんなことを、かつてアイツに指摘されたこともあったか。
『お前は戦いの中でしか生きられない!』
僕はあの言葉に否定で返せたのか、どうだったか、もう思い出せなくなってしまった。


「その顔、懐かしいわ。困っている癖に、仲間に相談もしなかった貴方の顔。
見飽きるくらい見てきた顔……馬鹿な人。
私が居なければ、今頃どうなっていたのかしらね?」

「ああ……」


きっと、今頃僕は酷い奴になっていただろう。
僕の代わりに君が言い返していたことは覚えている。
僕はそれを見て知ったのだ。

今までの想い、僕が戦う意味と理由……それを選ぶことの勇気。

『戦うことだけがアンタの全てじゃない!』

思い出す……あの言葉で彼女が教えてくれたのだ。

それを選んだ僕は正しかったのか、今でもわからないけれど。
確かに、僕には戦う以外の道があったのだ。
こうして彼女の傍にいるのが答えだ。


「ふぅ……今日まで、大変だったわ。わかるかしら?私がどれだけ――」

「ああ……」


知っているよ。
戦う以外というのは、存外難しいことこの上ないことも。

君には迷惑を――いや、君を模範にして生きてきたつもりだったが?
君だって、僕の苦労を知らずにああだこうだと口を挟んで、その後を決めてしまった癖に。

どうしてこんなのと、だなんて心外極まりない。
それは僕の台詞でもある。

今にして思えば、本当は君がいなくたって――


「――何?言っておきますけど……貴方は私が居なければ、
ボンクラ勇者として歴史から名前が消えたっておかしくなかったわ。

ただでさえ勇者なんて呼ばれるほど大層な人でもないのに、
周りに煽てられるだけ煽てられて、それはもうダメな奴になっていたでしょうね」

「ああ……」


――そんなこと、あるわけない……とは言い切れない。
最初こそ僕は勇者になったと、やりきった時の気持ちは計り知れないものがあった。
今では伝説として語られるぐらいの偉業を成したのだから。

どんな道だってあった。あるいは、自分だけの国を創ったって良かったのだ。
平和な世界に、世界を救った王として……統治する側になろうとも。

そうさ、勇者の治める世界……やろうと思えば出来た。それだけの「力」はあった。


『アンタにそんなことは出来ないし、やった所で平和を知らない貴方が何を統治するの?』

僕なら出来る。いや、やらないとダメだったんじゃないか?
本当は、それが僕の戦ってきた責務を果たすことだったのでは――

『約束したでしょ?この戦いが終わったら、皆と一緒に生きるんだって。
アンタはまず、自分で守った平和な世界を生きなさいよ!
それが出来たら、王にでもなんでもなれば良いじゃない……』

……だったかな?プンプン怒鳴って叱られた気がする。
生きてみたら、それはもう何も出来なかった。
君の言葉は正しかった気がする。

僕に残っていたのは「力」だけだった。
戦う「力」、何者をも打ち倒せる「力」。
誰よりも強く、誰しもの想いが力になって、僕に敵はいなくなったのだ。

一つ間違えてしまえば、僕はあの魔王よりも世界を支配出来たのだろう。
平和とはほど遠い存在、僕がいない方が世界にとって安心出来る道理。
平和の為に戦って、世界を救った僕が、「力」という恐怖の象徴になる存在の矛盾。

誰もが僕から離れて行った。
そうして僕も、世界から遠ざかるほど……僕は生きることが難しくなっていく。
そんな勇者の苦悩を君が……ああ、君が――


「――わかったでしょう?
ああ、嫌だ。どれだけ言っても言う事を聞かないことだってあったし、
何度もムスッと反発しては無言になるばかり……苦労したわ、本当に!」

「ああ……」


――君には苦労を掛けた。
君しかいなかったのかもしれない。
成り行きだけで君といたつもりだった。

君との喧嘩、子供が出来てからもよくしていたからね。
反発することもあったけれど、僕は君を頼って生きていた。
口には出せなかっただけで、いつだって感謝していた。

子供が出来て、一層、僕の馴染めなさが浮き彫りになる分、
ぶつかり合うこともあって、随分と忘れてしまっていた。

どうしてだ、とかこれで正しかったのか、など全部放り捨てるしかなかった。
放り捨てて尚、僕は子供にしてあげられることがなかったのだから。
これ以上君の負担になるまいと、必死に変わろうとした。


「貴方が親だなんて、子供が可哀想と思ったこともあったわ。
……頑張っていたのは認めますけど、私がどれだけ心配だったか……」

「ああ……」

「良く育ってくれたのは、奇跡でしょうね。
ええ……私達を見て、どんな成長をするのかと思ったけれど……そこだけは安心」

「ああ……」

「なのに、いつまでたっても貴方は安心出来ないの……どうなっているのかしら」


子供より手が掛かる、とはもう聞き飽きた台詞だ。
実際そんなに僕はダメだったのだろうか……なんて聞くことは出来ない。
むしろ、子供には大きな重圧を与えるだけだった気がする。

世界を救った勇者の子供……肩書きだけで存在が成り立つなんて。
下手をすれば穿った育ち方をしていただろうに。

そんな奴を、僕は知っている。
親の肩書に縛られ生きるしかなかった……アイツは世界を恨んで消えた。
戦いだけしかないと言ったアイツは、こんな僕の未来まで見たのだろうか?


だとしたら、それは間違いだろう。
未来を決めるのは僕達だけじゃない。未来に生きる人々の意思だった。

もしも、世界の未来をあの時閉ざしてしまったら。
今、未来に生きる人達の時代を奪っていたのだから。
だから、この未来をアイツにも見て欲しかった。

僕達が生きる世界は、僕だけが生きる未来じゃない。
それは僕が救った世界でもあり、僕の子供や世界に生きる人々が救った未来でもある。

僕の物語ではない、子供達にも子供達だけの物語があったのだから。


戦うしかなかった僕と、戦うことで生きる平和を選ばなかった僕の子供。
誰かと誰かの手を取り、繋ぎ、想いを乗せて光を灯す。
……僕にとっては輝くほど眩しい夢を、追いかけていた。

少なくとも、僕の目にはそう見えていた。
どんな話を聞いても、揺るぐことのない生き方だった。

もはや、僕が教えることなど何もない。
僕達がやってきたことの全てを、彼ら彼女らは繋いでくれた。

これで、良かったのだ。
僕には戦いしかなかったけれど、未来は決して戦いだけの世界では無かった。

そうだ。僕がこの眼で見たことを、アイツにも見て欲しかった。
戦うことを選んだ僕は、そのことを死ぬまで後悔し続けるだろう。


「……こうやって、最後に文句を言える分、私は幸せかしらね」

「ああ……」

「本当はもっともっと貴方を責めたい所ですけれど。
どうにも子供が出来てからは、良い母親になるよう努めていましたからね。
おかげで、子供に嫌な所を見られずに済んだわ」


それは、どうだろうね。
君は恐らく、僕以上に周りに怖がられていたと思う。
何せ、伝説の勇者である僕が君のことを一番怖がっていたのだから。

彼女を怒らせないように。
そうやって、子供らに言い聞かせられたのは僕の功績だ。

本当に苦労した。
特に料理にだけは触れるなと、守り通せたのは僕だけの力だ。
怒らせれば魔王より怖いと噂されているのを、彼女に決して知らせないように。
全て事実なのに、隠して生きることが出来たのは僕のおかげだ。

皆が察してくれたのには安心した。
彼女は最後まで良い母親で居られただろう。
子供には苦労掛けた。それも知らずにいい気なものだ。

とはいえ、孫には良い祖母として思い出に残るだろう。
孫にだけは、僕も頼りない祖父だなどとは記憶に残したくないものだ。


「もう思い残すことはないわ。これで、静かにこの世を去れる……」

「ああ……」

「……はぁ……大丈夫なのかしら、本当に」


改めて、心配性だな……と思う。
面倒見の良い彼女の悪い癖だ。
いつもそうやって、首を突っ込んでは引っ掻き回して僕の頭を悩ませる。

もう大丈夫さ。
君がいなくたって、君がしてきた全てを僕は覚えているのだから。
後は僕も最後まで生きるだけだ。


「……ねぇ、覚えてる?私に、自分より先に死なないでって泣いて頼んでいたの」


覚えていない。いいや、正しくは違う。
君は僕よりも長く生きるだろうね、と言ったのだ。

『アンタは私よりも先に死ぬな!』

そんなことを言っていたのは君の方だ。
泣いてもいないし――涙目ではあったのかもしれないが――君の美談めいた妄想だ。
大体、意味がまるで違う。


「そんなだから安心できないのよ。
勇者だった癖に……私ともこれで最後なのだから、悔いを残さないように」

「ああ……」


そんなことを言われても、僕は君との生活に後悔なんてない。
君がいたことに悔いなんてない。
どう思い返してみても、これ以上は何も残らない。

ああ、そうだ……これで終わりだ。
一瞬だった気がする。どこまでも遠い果てまで生きたのに。

一人の人として生きた、一瞬の旅路。
未来の終わりまで、君と共に駆け抜けてきた。


「……本当に、何もないのかしら?」

「ああ……」

「これで最後なのよ。貴方は、それでも何もないの?」


これが最後ではあるけれど、最後まで僕達は共に生きた。
他に一体何がある?
ここからは、君が少しだけ先に行くだけだ。

遠からず僕も追いつく。
その時こそ本当の最後なのだ。

君がくれた、僕の生きる道。
その果てまで、生きた。生き抜いた。
僕も君も、見届けるべきものは全て見たはずだ。

まだ何かあるのか?僕には何も思い着かない。


「だから言ったのに、二人きりじゃなくても良かったわ。

――今更話すことなんて……ないのにね」

「ああ……」


そうだった。もう、話すようなことなどないのだ。
言葉が出ないんじゃない、言葉が無いだけだ。
交わすべき言葉など、とうに出しつくしてしまっている。

そう、僕よりも言葉を交わしたい人だっていっぱい居たはずだ。
彼女はそれだけの存在なのだ。
僕だけじゃない。最期の瞬間まで、一緒に居たかった人は沢山いる。

孫の悲しむ顔を思うと、胸が痛む。
我が子達の悲しみは、僕よりも大きいだろう。
恨まれやしないだろうかと肝を冷やす。


「いい気味よ。これから貴方はあの子に嫌われながら最期まで過ごしなさいな」

「ああ……」


何とも頭を抱えたくなる話だ。
こんなのは酷い。君の最後の置き土産が、僕の後悔とは。
今からでも、呼んで来ようか

――僕の腰は上がらない。


「馬鹿ね、馬鹿な人。本当に、不器用な人。
後悔するぐらいなら、言えばいいのに」

「ああ……」

「私は、もう助けることなんて出来ないからね。精々、これから悔やめばいいわ」


悔いを残すなと言った癖に、どの口でそれを言うのか。
やはり君は爆弾だ。放っておけば、大惨事になる危険物だ。
実の所、放っておけなかったのは君の方なんだ。

僕が君を――放ってなんていられなかった。

どうしてもない、成り行きでもない、君しかいなかった。


君しか、いなかった。


「そんな目で、見ないで欲しいわ。

……冗談よ。全部、冗談。
あの子も、皆も、わかっているでしょうから。
会話することがないのは、本当ですけど」

「ああ……」

「そうね……ええ、これで――良かったのでしょう。
なにもかも、終わる時まで一瞬の出来事。

振り返る余裕も無かったけれど……良かったのでしょうね。
ここが私の、最期の場所で」


そうだ、良かったのだ。
僕らの長い旅路の果て、辿り着く場所がここであったこと。
君といること。ずっと、二人で生きてきたのだから。


「ここまで歩いて来た道のり、正しいことばかりではなかったけれど。
辛いこともいっぱいあったけれど……幸せじゃない時はなかった。

――良かったわ。アンタに会えて」


お互い昔の面影とは無縁になってしまったが、若き日の、君の笑顔を影に映す。

幾度とない笑う姿は、昔と一つも変わらない。
忘れることのない影と、消えて行くような一瞬の今。

君はいた。確かに君は、そこにいた。
良かったのだ。ああ、これで良かった。

――ここが、良かった。
辛いことなんてなかった。ここにいることが、正しかった。
僕は今、とても幸せだ。君といられて、幸せだった。


「アンタのいない人生なんて、考えることも出来ないわ。
最初から、最後まで。最期のその先も、私は……」


なのに――


「……駄目ね。もう、交わす言葉なんてないはずなのに。
二人きりでいると、どうしても……」


なのに――


「アンタが私といてくれたから、私達が出来ない代わりに戦ってくれたから。
戦うことを選んでくれた、アンタがいたから……私も一緒に戦うことが出来た。

アンタじゃなきゃ、アンタがいたから、いままでも……これからも……」


なのに――



「ずっと……私は――

――貴方と一緒にいられて、幸せでした」


「ああ……僕もだ。君を、愛している」


なのに――どうして君は、ここからいなくなるのか。

これから先、君がいなくなった後で、僕はどうすれば良いんだ?
それを教えてくれ。最後だなんて言わないで、教えてくれ。

僕の最期まで、傍にいて欲しい。
泣いて懇願すれば良いならいくらでもやって見せる。
何度だって言う。

――いかないで欲しい。まだ、僕は君と生きたい。


「……まったく、誤魔化す時はいつもそれね。
成長してないんだから……」

「ああ……愛している……君を、君だけを」


言いたいことが沢山あるんだ。
言葉にしたいことだって、まだあるはずなんだ。

長く、遠く、君と過ごした時間の分だけ……もう一度。


「聞き飽きたって、言ってるでしょう?
そんなこと、言わなくてもいいことばかり、口にするんだから」

「ああ……愛している」


なのに――どうして僕は、言えないんだ。

言えば良い。彼女もわかっているのだから。
僕がまだ、まだ……沢山、言い残している言葉があることを。


「ふぅ……少しは変わるかと思ったけれど、最後までそれじゃあね。
言っておきますけど、本当に私は思い残すことはないから」

「愛している」

「全て、残す物なく全てあげたわ。あげられるもの、全部。
何も残らないくらい、貴方に……貴方と、あの子達に……」

「愛している」

「それと、しっかり生き抜きなさいね。
戦うことだけが全てじゃなかった、アンタの人生を……今から、これからも。

私の、ヒーローだった……アンタの……最期まで……」


愛している。


「……少しだけ、空の上から見ているわ。

いい?
見ているから、貴方のことを……これからも……私は……」


愛しているよ、僕は、君のことを……これからも。
何度だって、これからも……愛していく。


君が僕に与えてくれた人生の分だけ、僕は、僕の最期まで。


君の事を――



「愛している」


スッと目を閉じて、力を込めていたその手が緩む。

「力」の抜けていく手の温もりを惜しみながら……ゆっくりと窓の外に目を向ける。
太陽の射し込む窓から、暖かい光が僕らを照らしている。

眩しさに目を閉じて、少しだけ目元を手で覆い隠す。
静かで、音の無い部屋が続いていく。

二人が生きてきたこの場所も、これで終わりだ。

これからは、一人になるのだ。
彼女のいないこの場所で、僕は生きていく。


『見ているから』


明日か、明後日か、もしかしたら今、僕の命が尽きるまで。


『これから私、見てるから。
アンタがこれからちゃんと生きることが出来るのかどうか』


――わかっている。
やれるところまで、行けるところまで、しっかりと生きるよ。


『見ているから、貴方のこと……これからも……私は……』


「ああ……」


『――生きている限り、想い出の中で一緒にいるから』


生きるよ――僕のヒロインだった君の、想い出と共に。


          ┼ヽ  -|r‐、. レ |   
           d⌒) ./| _ノ  __ノ   

終わりです。読んでいただきありがとうございます。

昔見た色々なRPGや、マンガの冒険劇、聞き飽きるくらいの王道的台詞。
王道の王道的なハッピーエンド……その先を思い描きました。

主人公やヒロイン達の終わりがあったら、想像すると少し寂しいですけど見てみたいです。

ではまたどこかでお会いしましょう。

すっげえイラつくわ。ナニこのアスペ勇者

はい か いいえ しか喋らないのを性格とした設定だろう

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