千歌「ブイモン!行くよー!」ブイモン「任せてくれ、千歌!」 (68)

某ラ板でちょろっと書いたもの
ガバガバ設定は見逃してちょこちょこ投下していく

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1510983000

今や社会現象となったスクールアイドル。

かつてこの世界に危機が訪れたとき9人のスクールアイドルの前にはパートナーデジモンが現れ世界の危機を救ったという。

彼女達選ばれしスクールアイドルたちは伝説となり、9人の女神として今もなお語り継がれている。

選ばれしスクールアイドルのもとに現れるというパートナーデジモン達。

そんな彼らは浦の星女学院スクールアイドルaqoursの前にも現れた。

「僕、ワームモンです」

「えっ……虫?」

「よろしくねー。僕テリアモン、君は?」

「渡辺曜であります!よろしくね!」

「俺様はインプモン!……ってなんだこのコスプレ女は」

「なによ!そういうアンタだってバイ菌みたいじゃない!」

「おいらアルモジモンっていうんだぎゃ、よろしくだぎゃ」

「ずら~~……あ、おら…じゃなくて私、国木田花丸って言います」

「僕ギルモン、あれ?どうして逃げるの?待って待って~」

「ぴぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「ホークモンと言います。貴女のパートナーとして選ばれました」

「私、黒澤ダイヤと申します。よろしくね、ホークモン」

「俺はアグモン!パートナーは女の子か~、大丈夫かよ~」

「女だから頼りないってことはないと思うよ。なんならちょっとひと泳ぎしようか」

「私はガオモ……あの、マスター…その、胸が」

「oh~~!very cute!!私のことはマリーって呼んでね♪」

「俺はブイモン!君の名前は?」

「わぁぁ…!奇跡だよーっ!!私、高海千歌!よろしくねブイモン!」

何か起こるのかと胸を躍らせた彼女達だったが特に何もないまま半年が過ぎ、廃校というとても現実的な危機が彼女たちに迫っていた…………

前回の(そんなものはない)デジライブ!サンシャイン!!

ブイモン達がやってきて季節はもう秋!何かあるのかな!?私たちもあのスクールアイドルみたいに!?

そんな事を考えてたらもう二学期、迫る廃校へのリミット。

私達は一生懸命頑張っている。今を輝くため、皆で奇跡を起こすため。

aqoursの皆が集まったことも、パートナーデジモン達がやってきたことも無駄になんかならないよね?

ううん、そんなこと絶対にない。私達、輝きたい!!

ブイモン「千歌~。みかんじゃなくてたまにはチョコくれよー」

千歌「えー、みかん美味しいよ?」

ブイモン「美味しいけどさー…」

千歌「……ん、美味しい。ブイモンも食べる?」

ブイモン「…………食べる」

千歌「素直でよろしい!」

場所は内浦十千万、高海家三女の千歌の部屋。
廃校への対策を各々が考えて持ち寄る、ということで本日は家で作戦を練るということだったのだが……

ブイモン「く~~!!やっぱり何回観てもかっこいいよなぁ!!」

千歌「また観てるの?」

ブイモン「俺だって進化できれば………ガイアフォース!!!!とかさ!」

千歌「そんなこと言ったってブイモン進化できないじゃん?」

ブイモン「…………そうだけど」

千歌「μ`sの後は追わない。私たちのやり方で学校を救うって決めたけど…無理なのかなぁ」

ブイモン「そんなことない!千歌や俺たちだって頑張ってるじゃないか」

千歌「そうだよね……動画の再生数は伸びてるけど、地方の予選は落ちちゃったし何がダメなのかな」

ブイモン「分からない、けど千歌がそんなに弱気じゃ……俺…」

力なく項垂れたブイモンは再びモニターに目をやる。

そこに映し出されているのは9人の女神の中心、そしてそのパートナーデジモンの雄姿だ。

かつて彼女たちは世界に訪れた危機を時には歌で、時にはパートナーとの絆で打ち破り世界と廃校を救ってみせ、ついには伝説となった。

同じくパートナーとなったブイモンもやる気こそは一人前だが、今はただ高海家で時間とみかんを消費している。

ブイモン「決めたぜ千歌!」

千歌「何をー?」

ブイモン「俺が頑張って進化して、こう…ドカーン!と千歌達のパフォーマンスを盛り上げるんだ!!」

千歌「おぉぉ…あ、でも場所とかは」

ブイモン「ガオモンと鞠莉に頼む!」

千歌「そっか!じゃあ早速ラインで…」

ブイモン「折角だから俺が行ってくるよ、そっちのが早いだろうし」

千歌「えーとデジヴァイス……あったあった。それじゃよろしくね、ブイモン!」

ブイモン「おう!」

デジヴァイスと呼ばれた携帯端末をパソコンにかざすと、端末の中に吸い込まれていったブイモンは瞬く間に電子の海へと旅立っていった。

千歌「となると……おーい!梨子ちゃーん!!」

開いた窓から大声でお隣さんを呼んでみる

梨子「聞こえてた」

千歌「へへ……やっぱり?」

梨子「鞠莉ちゃんはなんて?」

千歌「ブイモン待ち」

梨子「そっか」

千歌「梨子ちゃんは何か浮かんだ?」

梨子「ううん」

「でも、僕はブイモンの意見に賛成!」

千歌「ワームモン居たんだ、見えなかったよー」

梨子「出てきちゃダメだよワームモン、危ないよ?」

気が付くとワームモンと呼ばれたデジモンがベランダのヘリからひょっこりと顔をのぞかせ、応えた。

梨子「ワームモンも進化したいの?」

ワームモン「うん、進化すればステージ作るのだってもっと早くできると思うし何かあっても梨子ちゃんの事守れるよ!」

いつもより3割増しでキリリとした顔には幼いながらにも確かな闘志が燃えている。

梨子「何かって…縁起でもないこと言わないでよ、平和が一番です」

千歌「戦うのは千歌も嫌だなぁ、そう言えばブイモン何してるんだろう」

ワームモン「ひょっとしてセキュリティに引っかかってるんじゃ」

梨子「そう言えばワームモンも前に御遣い行ってくれたときそうだったっけ」

ワームモン「うん、マリちゃんの家のネットワークすごく厳重だったんだ」

千歌「やっぱりラインした方が早かったんじゃーん」

梨子「言わないであげようよ。ブイモンだって役に立とうとしてくれたんだし、ね?」

千歌「そうだね!そうだ梨子ちゃんワームモン、ブイモン帰ってくるまで家来ない?」

ワームモン「僕は行きたい!マリちゃんが何て言ったか知りたいし」

梨子「じゃあ、お邪魔しよっか?ワームモンお願いできる?」

ワームモン「行くよ……えいっ!」

梨子の腕に捕まったワームモンはしなやかな糸を吐き出し伸縮させる。
さながらスパイ映画のワイヤーアクションのような軌道を描き高海家に一回転で着地。

数か月前にしいたけからの逃走時、単独でやってのけたような無茶もせず華麗に降り立って見せた。
文系も文系の桜内少女だが意外と身のこなしは悪くない。

梨子「ありがと、ワームモン」

ワームモン「えへへ……」


一方その頃、ブイモンはというと……

ブイモン「おーい!マリー!ガオモーン!いないのかー!?」

パスワードを教えてもらうのを忘れてしまっていたため、セキュリティ画面で立ち尽くすばかり。
パワーさえあれば強引に突破する事も不可能ではないが、悲しいかな今のブイモンではただただマイクの入っていないモニターに叫ぶことしかできなかった。
音源を切ってしまっているので当然聞こえる訳もなく……………

ブイモン「ちくしょー……一回帰るかなぁ―――――ワッ!??」

まさしく一瞬、刹那の出来事。
金色の閃光がブイモンの隣を駆け抜けた。

少し前の小原邸。

小原家のネットワークセキュリティーは未知の侵入者を許していた。
鞠莉のプライベート用ということでグループ経営のネットワークと比べれば幾分簡素なものとはなっているが
それでもあの小原が使用するPCへの侵入となると並大抵のクラッカーやウイルスでは侵入できない作りになっている。

現に電子の世界をホームグラウンドとするデジモンであれど、ブイモンレベルでは何もできないのだ。

その鞠莉のPCでは今まさに防衛線が繰り広げられていた。

鞠莉「ガオモン!どうなってるの!?まさかHacking!?」

ガオモン「申し訳ありませんマスター!攻撃する意図は見受けられませんが……姿を補足できません!」

ガオモンと呼ばれた青い犬のぬいぐるみのようなデジモンは、黄色い影を追いながら息を切らして答える。

鞠莉「侵入者!このPCにオハラグループの情報なんてないわ!無駄足だからとっとと帰りなさい!」

影は何も答えず、あるフォルダを目指して目にもとまらぬ速さで疾走を続ける。

ガオモン「何かデータを持っているようだが……?くっ!進化さえできれば!!」

影はフォルダにたどり着くや否や、データをファイルに強引にぶち込んでみせると短く一言残し、消え去った。

「同じ成長期でもここまで差があるとは、先が思いやられる」

ガオモン「待て!!――――――――ッ、取り逃したか」


\You got a mail!/

鞠莉「メール……?」

ガオモン「ウイルスの類は感知できませんが開きますか?」

鞠莉「お願い」

謎の存在から手渡された一通のメール。
そこにはこう記されていた

title 心構え

本文
このメールを読んでいるということは私のパートナーが貴女のPCへと侵入できたということね。
失礼な訪問であったことをまずお詫びするわ。
aqoursの皆や貴女の個人的な連絡先は知らないし、aqoursの掲示板にこんなことを書いてはファンの皆や
今を輝く貴女達に迷惑がかかると思ってとった手段であることを理解してもらえれば幸いよ

貴女にしたのは割り出しやすかったのとメンバーが行動する時にあなたの力が必要だったと思ったから。
個人的な話だけど私も似たようなポジションではあったから……ね

話を戻すけれど今この世界には危機が迫っている。
私の仲間たちも立ち上がり今は世界への進行を防いでいるけど、それだけでは足りないわ。

貴女達もスクールアイドルとして、パートナーデジモンを持つ者ならば覚悟をしておきなさい。
少なくとも成長期の私のパートナーを止められないようではまだまだね。
貴女達が人々に更なる感動と勇気を与えられる存在になることを祈っているわ。

Mackey

鞠莉「Mackey………いったい何者なの」

前回のデジライブ!サンシャイン!!

廃校阻止に向けて出した答えは進化!

そうだよね、私達だってパワーアップしないと!

お遣いを頼んだはいいけど帰ってこない私のパートナー

その時ブイモンのそばを通り抜ける影!鞠莉ちゃんのPCで繰り広げられる攻防

鞠莉ちゃんに届いたメールに記された危機って……?

っていうかそんなの聞いてなーい!

小原家敷地内

月光差し込む深夜の内浦。
集う影は6つ
海は月を映す鏡となり少女達を優しく照らし出す。

趣は違えど整った顔立ちの少女たちは、幼さこそ残るがまさしく未来の女神といった顔ぶれだ。

二人と二体を呼び出したのは他でもない小原鞠莉
彼女の悪い癖なのか困ったような笑い顔を浮かべ、なかなか話を切り出せずにいる。

「マスター」
「鞠莉」
「アネキ~」

「「「………」」」

沈黙は三つの声により同時に切り裂かれた。

ガオモン「マスター、果南さん達も困惑しているようですし長時間夜風にさらされるのは…」

鞠莉「ん~…でも月を見ながらこうしてみんなで集まるのもCOOLじゃない?」

アグモン「アネキ~俺腹減ったよ」

果南「アグモン、あんたはちょっと黙ってて」

アグモン「酷い……」

「わざわざ私達だけ呼び出したということは、何か良くないことが起こったのではなくて? 」

緩みかけた空気をピシャリと断ち切ったのはホークモンのパートナー黒澤ダイヤだ。

艶のある黒髪は潮風になびき、凛とした佇まいで鞠莉を見据える。

ホークモン「ダイヤさん、我々は席を外しますので」

ダイヤ「ありがとうホークモン、すぐ終わらせるわ」

アグモン「だってさ、さっさと終わらせようぜ」

ガオモン「お前もくるんだ」

有無を言わせずガオモンがアグモンを闇夜に引きずり去っていく。

果南「それで、私達に用っていうのは?―――廃校の事?」

鞠莉「………これを見て」

決意を固めたように、スマートフォンを二人へ向ける。
謎の存在からもたらされたメールがそこには映し出されている。

ダイヤ「悪戯………という様子ではなさそうですわね」

鞠莉「YES……私のPCに直接デジモンが送り届けてくれたわ」

果南「私達の他にも選ばれたスクールアイドルが?って言うか危機って何?」

鞠莉「……分からない」

果南「私達は今廃校を何とかしようって頑張っているのに……大体マッキーって誰!?」

鞠莉「分からない」

果南「進化の仕方だって分からないのにどうすれば……!!」

ダイヤ「果南さん!」

鞠莉「ごめんね……でも、分からない」

果南「あっ―――――――ごめん」

ダイヤが制止をかけたときには時すでに遅し。
俯く鞠莉にワンテンポ遅れて果南も悔しそうに口を結ぶ。

ダイヤ「私達のみを呼び出したというのはラブライブ予選を控えた今、下級生に要らぬ混乱を招かぬように………ということですわね?」

鞠莉「……」

目線を下げたまま頷き、無言の肯定を表す。

ダイヤ「事情は分かりました、一旦は保留にしておきましょう――――――しかし」

メールの通りになるようであればそう長く黙っていられることではない。
と付け加えた

アグモン「アネキ、俺もう待ちくたびれたよ。何の話してたんだ?」

ガオモン「こら!待てと言っただろう!」

ホークモン「すみません……待つように言ったんですが暴れまわるもので」

しびれを切らしたアグモンがドタドタと場に割って入る。
決して無神経なわけではないが女性にたいする繊細な気遣いという面ではどうしても他二体には一歩譲ってしまう。

ダイヤ「いいわ、今日はここまでにしましょう。明日は廃校阻止のアイデアを持ち寄る日ですし。行きましょうホークモン」

ホークモン「それでは皆さん」

二人揃ってペコリと頭を下げダイヤとホークモンは家路についた。

果南「―――悩んでも仕方ない!こういう時は体を動かす!走って帰るよアグモン!!」

アグモン「その前に何か食って帰ろうぜー、俺腹減ってさー」

果南「この辺のこんな時間にそんなもんあるわけないでしょ、家に着かないと餓死するよ!ほら急ぐ」

アグモン「嘘だろ~まってくれよアネキ~!」

猪突猛進、頭より身体が先に動く二人組は颯爽と駆けていく

ガオモン「我々も戻りましょう」

鞠莉「ねぇ、ガオモンは進化したい?」

頭をひねり一呼吸置いた後ガオモンは答えた

ガオモン「必要に迫られれば、するべきだと考えます」

鞠莉「お堅いわね、ガオモンは」

クスリと笑みがこぼれる。
小さなものだがそれは一番素直な彼女本来の笑顔だった。

鞠莉「じゃあどうしてできないんだと思う?」

ガオモン「戦闘経験ということであれば問題ないと思われますので……やはり外的要因ではないかと」

ガオモン達パートナーデジモンもaqoursの練習中はトレーニングという名目で互いに組手のようなじゃれあいのような何かをしている。
大人しく見えるデジモンも、聡明なガオモンも戦闘本能というものからは逃れられないのだ。

鞠莉「uuum……それを取り除くかあるいは――――」

ガオモン「イレギュラーな進化もしくは、直接エネルギーを我々に送るような方法であれば…」

鞠莉「エネルギー…OK、ちょっと考えてみよっか♪」

ガオモン「明日のこともありますので程々に、私は自室へ戻ります」

鞠莉「そんなこと言わないでマリーと一緒に考えて~~~?」

ガオモン「マスター私は人形ではありませんのでそ、そのような抱擁は……」

鞠莉「そう言えばブイモンが来たって履歴あったっけ………ま、いっか♪」

危機はそこに迫っている

翌日

本日は廃校阻止の対策を持ち寄る日
休日とは言えバスはゆっくりしてくれない

旅館十千万の朝は今日も慌ただしかった

千歌「ブイモーン!チカの目覚まし勝手に止めたでしょ!」

ブイモン「俺じゃない!千歌が止めたんだろーー!?」

先日失意の中帰宅したブイモンにとって、今日は一世一大のプレゼンの日
欠席することは断じて許されない!!

ブイモン「早く早く!バス来ちゃうぞ!」

千歌「ブイモンは用意しなくていいけどチカにはいろいろあるのー」

ブイモン「梨子だって待ってくれてるんだぞー?」

千歌「怒られると怖いな……よーし!!準備おわりっ、行くよブイモン!」

手早く準備を終えこっそり正面玄関から抜け出す。
半ば矛盾した行為だがこの際なりふりは構っていられない。

ブイモン「おはよ!梨子、ワームモン!」

ワームモン「おはよう。ブイモン、千歌ちゃん」

千歌「はぁ…はぁ。おはよ」

梨子「二人ともおはよう、ブイモンは今日も元気いっぱいだね」

バス停にたどり着き、挨拶をかわす。
走って辿り着いてきた二人と行儀よくバスを待っていた二人は実に対照的だ。

ブイモン「おう!今日こそは皆に進化について真面目にだな…」

梨子「あ、バス来た」

ブイモン「聞いてない…」

バスに乗り込んだ四人は他愛もない会話を交わしていた。

今日はどんな話し合いになるのだろう、廃校を救うことを出来るのか

昨日デジモンのような影をブイモンが見た、そろそろみかんが旬の季節
内浦の秋の景色、東京の秋はどうだったか、面白いバラエティ番組etc………

全ては日常の出来事。
悲しい出来事や困難こそあるが、それはあくまで他者から悪意を向けられない前提のお話。
危ういバランスで成り立っていた日常は脆くも崩れ去った。

バスの数百メール前方に、爆音を轟かせ意識を持った悪意が降り注いだ

昆虫型成熟期クワガーモン

「キシャァァァァァァァァァァァ!!!!!」

梨子「デジ………モン?」

千歌「―――ッ、すいません降ります!!行こ、ブイモン!」

ブイモン「おう!」

適当に定期券を見せつけ千歌とブイモンは一目散に飛び出す。
勝てるかどうかは分からない、それでもまずやってみる。
理由は必要なかった

梨子「千歌ちゃん!」

千歌「すぐ戻る!梨子ちゃんはちょっと待ってて!」

梨子「………………」

ワームモン「梨子ちゃん?」

梨子「あーーーもう!あんな大きいデジモン相手に一人で勝てる訳ないじゃない!すみません、私達も降ります!」

ワームモン「梨子ちゃん、アレ」

梨子「?」

千歌「わーーーーん!!やっぱり勝てっこないよぉーーーーーっ!!」

ブイモン「クソーーーーッ!!ブイモンヘッドが効かない!」

千歌「梨子ちゃんも逃げてぇーーーーっ!!」

梨子「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーー!?」

走る、走る。
とにかく走る。

日ごろの成果が活きているのか、紙一重で千歌達はクワガーモンの攻撃を潜り抜ける。

梨子「これからどうするの……?」

全力で走り続け何とか攻撃を躱しているがそれができるのも時間の問題。
デジモンであるブイモンとワームモンはともかく、人間はたったの数百メートルしか速度を維持することはできない。

千歌「とりあえず隠れよ!!」

目指すは目の前に広がるみかん畑、傾斜はきついが四の五の入っていられない!

「シャァァァァァァァ!!」

ブイモン「飛び込むぞ!!!」

ゴロゴロゴロとろくに受け身も取れずみかん畑に飛び込む。
あと一歩のところで千歌達を取り逃したクワガーモンは目標を見失い、上空で獲物が現れるのを待ち構えている。

梨子「はぁ……はぁ。危なかった」

大の字に寝ころび、胸を大きく膨らませ呼吸を整える。
本日も内浦は晴天なり、クワガーモンさえいなければ……とは誰も言わなかった

千歌「死ぬかと思ったよー…でもちょっと変じゃない?」

ブイモン「何が変なんだ?」

千歌「あのデジモン、チカたちだけ狙ってる感じって言うか」

ワームモン「何で出てきたのか分からないけど、僕達を倒したいからじゃないの?」

千歌「うーん……それならさバスひっくり返したり、今もそうだけどみかん畑ごとグシャー!ってしちゃえばよくない?」

梨子「結構酷いこと言うんだね」

千歌「例えばの話ですーー」

梨子「ひはひゃんひはいよ」

梨子のほっぺを引っ張り話を遮る。
気休めや無駄な推測を巡らせたところで圧倒的な戦力差は変わらない

梨子「私達だけを狙っているのなら……確かこのまま突っ切るとちょっと開けたところに入るよね?」

千歌「そうだよ、でもどうして?」

梨子「そこでなら戦ってもあまり周りに迷惑はかからないんじゃって思ったから」

ワームモン「さすが梨子ちゃん!」

梨子「そこで二対一に持ち込めればひょっとしたら勝てるかもしれない」

千歌「梨子ちゃん頭いい………」

梨子「そうかな……?」

ブイモン「やってみようぜ千歌!俺このままジッとなんかしてられないよ!」

千歌「よーし!みかん畑作戦開始なのだ!!」

「「「しーーーーーっ!」」」

千歌「あはは…ごめん」

みかん畑作戦開始!

開けた場所には距離を置いて二組がクワガーモンを待ちかまえる。
大きく迂回し、北側には梨子達が畑の中に潜み南側に必殺の期を伺う千歌たち。

ワームモン「やーい!こっちだよ!」

梨子「こっちですよー♪」

「!!!!!」

すぐに気づいたクワガーモンが飛来、猛然としたスピードでワームモン達に迫りくる

梨子「今よ、ワームモン!」

ワームモン「ねばねばネット!!」

「!!!???」

ワームモンの吐き出す頑強な糸は瞬く間に二重、三重、四重……十数倍はあろうかというクワガーモンの体を巻きつくす。

千歌「いっけぇー!!ブイモン!!」

ブイモン「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!ブイモンヘッド!!!」

渾身の一撃!!!

ブイモン「―――やったか!?」

「キシャァァァァァァァァァァァ!!!!」

千歌「嘘………全然効いてないじゃん」

やれることはすべてやった、今できることを精一杯全力であがき続ける。
それでも奇跡は起きない

梨子「――――私たちが何をしたっていうのよ……帰ってよ!!」

潰れてしまったみかんを手に取り投げつける
特に意味のある行動ではなかった、それでも現実を受け入れることができない。

「………………」

意に介する様子もなくそのまま攻撃態勢に入る。

梨子「い、いや!こないで!」

もう一度変わった形のみかんを投げつけんと掴む

「シャァァァァァァァァ!!!!!!!!」

梨子「あ、あれ?このみかん重………キャッ!!!??」

ワームモン「梨子ちゃん!!」

ワームモンの制止も空しく、梨子は宙高くに掴みあげられてしまう

ブイモン「俺に……俺に力があれば」

千歌「梨子ちゃーーーーーん!!!!!」

クワガーモンに飛びつこうとするも既にクワガーモンは遥か上空、地面に力なく倒れこむ。

千歌「うぅぅ……」

目に入るのはやっぱりみかん。視線だけ上空の梨子に戻し一つつかみ取る
自分にできることはほんの少ししかない、奇跡なんか起きない。
だから限界まであがき続ける、かけがえのない友達を助けるために。
絶体絶命の危機に瀕して尚、千歌の心は明るく燃ゆる。

千歌「はぁ…こんな時でも美味しそうだよね、みかんは……ってこれみかんじゃない!?」

手に取っていたのは卵に角が生えたような不思議なオブジェ。
多分投げれば…………痛い!!!

千歌「こんのぉぉぉおーーーー!!!」

ブイモン「ストップ!!!」

千歌「へ?」

ワームモン「これ…デジメンタルだよ!!梨子ちゃんじゃなくて、千歌ちゃんが選ばれたんだ!!」

千歌「デジ………何?」

ブイモン「千歌、それを持った時何か感じなかったか?」

千歌「うん……プラシーボ的なやつだよね!」

ブイモン「ちょっと違うと思うけど……俺に力を貸してくれ、パートナーとして!!」

千歌「分かった!!絶対、絶対!!!梨子ちゃんは助ける!!!」


デジメンタルの輝きに包まれ
ただ、心に浮かんだ言葉を形にした

千歌「デジメンタルアーーーーーーーーップ!!!!」

ブイモン「ブイモン、アーマー進化ァァァ!!!!!」

友のピンチに最後まで諦めなかった少女の勇気。

灼熱の炎の中でフラッシュバックしていく勇気の系譜。

殻を突き破りそれは形を成す!!

ワクチン種アーマー体竜人型デジモン

「燃え上がる勇気!!――――――フレイドラモンッッッ!!!!!」

梨子「ブイモンが……」

ワームモン「進化した…」

千歌「いっけぇーっ!!フレイドラモン!!!」

フレイドラモン「梨子は……返してもらうッッ!!!!」

「!!!!」

フレイドラモン「ナックルファイア!!!!!」

炎をまとった拳で的確に上腕部を抉り、豪快に焼き切る。

フレイドラモン「すまないワームモン、梨子は頼む!」

ワームモン「任せて!」

千歌「梨子ちゃん!!」

梨子「うぅ…千歌ちゃん?」

千歌「もう大丈夫、私達は絶対に負けないよ」

「ァァァァァァァァ………!!!!」

フレイドラモン「俺はコイツを!!!」

フラフラと地面に降り立ったクワガーモンは掛け値なしの敵意をフレイドラモンへと向ける。
さっきまでの遊びや余裕を交えたような様子は見受けられない。

フレイドラモン「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!!!」

「シャァァァァァァァァァァッッッ!!」

フレイドラモンの小さな体が真正面からクワガーモンを受け止める。
一歩二歩、体重差で押し切られそうになるが勇気と根性で踏みとどまる。

フレイドラモン「そんなものかぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

「!!!!!????」

爪をクワガーモンへと食い込ませ、遠心力に任せ放り投げる

「!!!!!!!!!」

しかしクワガーモンもここでは終わらない、最後の力を振り絞り特攻を仕掛ける
鋭い大顎を相手にぶつける必殺技、シザーアームズ!!

千歌「負けないでフレイドラモン!!私達……輝いてるんだから!!」

フレイドラモン「任せとけ――――――うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」

光り輝く炎を全身に纏い高く跳躍
くるりと身を翻しターゲットめがけて全力発進!!!
負けるわけにはいかない!!!!

フレイドラモン「ファイアァァァァァ………ロケットォォッッッ!!!!」

必殺の一撃が交差し轟音と共に突風が吹き抜ける
耳をつんざく怪音に聴覚は麻痺し、響き渡る振動は立っているだけでやっとだ

千歌「うぅ………!!!」

千歌はそれでも立っていた。パートナーの勝利を目撃するため。

ブイモン「へへ……やったぜ、千歌」

千歌「ありがとう!!ブイモン、とってもかっこよかったよ♪」

小さな体で立ち向かった新たな友達にありがとうを言うために。

梨子「もしもし……うん。こっちもってことは…分かった。ちょっとかかるけど浦女に向かうね」

ワームモン「どうしたの梨子ちゃん」

梨子「ダイヤさんと花丸ちゃん――えーと、ホークモンとアルマジモンも進化したんだって」

ブイモン「ホントかよ!俺も見たかったなぁ……」

千歌「何が起こってるんだろう……もしかして5年前みたいなことが…」

梨子「5年前って確か…μ`sの」

千歌「うん……ま、ここで考えても仕方ないしダイヤさん達に聞いてみよ」

とにかく今は情報の整理が必要だ。
そう判断した一行はおぼつかない足取りで浦の星女学院へと歩を進める。

ブイモン「なぁワームモン、なんか俺たちの上の方黒くないか?」

ワームモン「ブイモンが暴れたから砂埃舞ったんじゃないの?」

梨子「デジヴァイスが反応してる……これ何かのデータだよ!」

黒々と渦巻く砂塵のようなデータは一点に集まり形を成そうとしている

千歌「嘘!ひょっとしてさっきのデジモンがまた!?」

ブイモン「来るなら来い……!何度だって倒してやる!!」

臨戦態勢に入るブイモン達、しかし予想を裏切り意外なものへとそれは姿を変えた

千歌「人……女の子の形?」

ズゥゥゥゥゥンと重い音を響かせ、クワガーモンだったそれはみかん畑へ落下する。

梨子「まるでスクールアイドルの女の子みたい………」

スクールアイドルを象った不気味な黒い何か、千歌たちはまだその正体を知る由もない

投下してた分はここまで

途中で送信してしまった
一旦それでは
お暇な人はたまに見てて

前回のデジライブ!サンシャイン!!

今日は廃校阻止に向けての対策を持ち寄る日!

バスに乗り込んだら千歌たちの目の前に現れたデジモン

梨子ちゃんを救いたい、そんな気持ちに応えてくれたブイモンが進化!超カッコいい!

すると倒したデジモンがまるでスクールアイドルの女の子みたいな像になっちゃって……?

これどうするのーーーー?

浦の星女学院スクールアイドル部室

本来は廃校対策を持ち寄るだった今日のスクールアイドル部。

しかし急襲を受けた面々はそれぞれ進化の喜びを感じつつも、自分たちに降りかかった災いに戸惑いを隠せずにいる。

果南「えっと……まずは皆お疲れ様、大変だったね」

曜「千歌ちゃん達大丈夫だったの?」

千歌「うん!ブイモンが進化して相手のデジモンをドカーンとね!」

ブイモン「あの時の俺かっこよかったよな!」

千歌「調子に乗らないのーー。進化するまで歯が立たなかったでしょ」

テリアモン「いいないいなー。僕だって進化したいよ」

ダイヤ「進化したのは私のホークモン、千歌さんのブイモン、花丸さんのアルマジモン……ですわよね」

花丸「ずら、進化出来たのはデジメンタルってアイテムに対応できてる子達みたいずら」

ペラペラと本をめくり花丸が答える。

アルマジモン「花丸、ずっと読んでるけどそれ何だぎゃ?」

花丸「デジモン図鑑ずら。アルマジモンも読む?」

梨子「そんなの図書室にあったっけ」

ガオモン「マスターが手配してくれたものです。図書室では本のリクエストができますので」

鞠莉「OFF COURSE♪スクールアイドル活動には無理だけど学校に関係する事ならパパも出資は惜しまないから任せて下サーイ♪」

花丸「でも何でデジメンタルに対応してる子しか進化できないずら?」

鞠莉「uuum……それは」

果南「鞠莉、勿体つけずに分かってることは教えてあげようよ。もうことは起こっちゃったんだし」

はぐらかそうと否、この平和な空気を壊すまいとした鞠莉の気遣いを果南は良しとしなかった。

善子「何?デジモンが私たち以外のデジモンが現れたこと以外に何か分かってるの?」

決意したように鞠莉はノートパソコンの画面を皆に差し出し言葉を紡ぎ出す。

鞠莉「まずはひとつ、これは進化と関係ないけど私のPCにデジモンがやってきてこのメールが」

Mackeyなる人物からの謎のメール、メンバーは目を丸くして小さなモニターを覗き込む

千歌「マッキー…?」

ルビィ「おねぇちゃぁ達のお友達?」

アグモン「それがアネキたちも知らないみたいなんだよなぁ」

テリアモン「ねー曜、僕も見たいよ頭に乗せて!」

曜「はいはい……よっと」

ブイモン「この日付ってことは昨日俺が鞠莉のPCに行ってた時だよな」

鞠莉「YES……セキュリティも簡単に抜けられてガオモンでも捕まえられなかったの」

なんで俺を呼ばなかったんだよーとぶーたれるブイモンと、悔しさに両手のグローブをポスポスと打ち付けるガオモンをよそに話は進んでいく

梨子「わざわざ危機を知らせてくれてるってことは、この人は敵じゃないのかな?」

ダイヤ「現時点での断定は危険ですが、そう願いたいですわね……」

インプモン「んなもん信用できるワケねーだろ、こいつが来た次の日に襲われてんだ。仲間じゃねぇのか?」

「……………………」

一同に沈黙が走る。
プラスの方向に考えたくなるのも仕方ない状況だが、インプモンのいうことも尤もなのだ。
彼の考えの通りなら住所が割れてしまっている鞠莉から順に狙いをつけていくのもそう難しい話ではない。

千歌「あーーーーもう分かんないよ!そんな事より廃校どうするのーーーー!?」

果南「……そう言えば元はその集まりだったね」

曜「はいはい!そのことなら我々から提案があります!」

意気揚々と手を挙げたのは曜と曜の頭上からあらん限りの力とバランス感覚を駆使し、耳を持ち上げながら回って見せるテリアモン達だった。

テリアモン「さっきも言ったんだけどね、僕たちも進化できればステージもあっという間に作れるし一日の間にいろんなところでライブ出来るんじゃないかなーって思うんだー」

ブイモン「俺達も同じ!もっと派手にパフォーマンスできるぜ」

梨子「それなんだけど、ステージ作りはありがたいよ。でも進化した皆がパフォーマンスに加わると危ないんじゃないかなー……って」

千歌「確かにフレイドラモン強かったもんね…手加減とかブイモンできそう?」

ブイモン「……無理かも」

花丸「アルマジモンは?」

アルマジモン「自信ないだぎゃ」

ダイヤ「ホークモン?」

ホークモン「現状は物資の運搬や皆さんのサポートに徹した方がよいのではないかと」

曜「ま、言い出しっぺなんだけど進化の仕方分かってないしねー」

善子「それなんだけどさ、皆デジヴァイス出してみてよ」


インプモン「善子のより千歌のがかっこよくねぇか?」

善子「うっさい!それとヨハネ!」

梨子「私と千歌ちゃん、花丸ちゃん、ダイヤさんは同じ形だね」

ギルモン「ルビィは誰と一緒?」

ルビィ「ルビィはね…曜ちゃんと善子ちゃんとお揃いだよ!」

テリアモン「よろしくねー」

インプモン「けっ、ハズレだハズレ」

果南「私と一緒なのは……」

鞠莉「お揃いね、果南♪」

アグモン「でもよ善子ぉ、デジヴァイスの形と進化なんか関係あんのか?」

善子「いや、進化できてたのは千歌さん達のデジヴァイスだけなんだなって」

千歌「そう言えば…」

ダイヤ「そうですわね」

花丸「ずら」

千歌、梨子、ダイヤ、花丸が持つD-3
曜、善子、ルビィが持つディーアーク
そして、鞠莉、果南が持つデジヴァイスic

現状進化できているのはD-3組のアーマー進化のみだ

善子「敵も出てきちゃったんだし、この組み合わせで分かれて進化できる方法を探した方がいいんじゃない?」

曜「えっ…」

ギルモン「わーいわーい、曜とテリアモンも一緒!」

ダイヤ「戦力的に不安は残りますが……」

ホークモン「そう離れていなければ今の我々ならすぐ駆けつけられるでしょう」

果南「なら、これで決まりだね」

梨子「私達も頑張ろうね、ワームモン」

ワームモン「うん、僕も頑張るよ」

テリアモン「どしたの曜?」

曜「んーん!私達も頑張ろうね!全速前進、ヨーソロー!」

テリアモン「よーそろー!」

ダイヤの何としてでも手がかりをつかみますわよ!の合図とともに、
D-3組、ディーアーク組、デジヴァイスic組に分かれての進化作戦が決行されることとなった。
少しの不安要素を抱えながら。

翌日

side D-3

場所は黒澤家、D-3組はその時、正座をしてした。

ブイモン「なぁ千歌」

千歌「な、なに?」

ブイモン「俺達なんで正座させられてるんだ?」

花丸「オラは別に気にならないずら」

アルマジモン「おいらはそもそもできんだぎゃ」

ワームモン「僕も」

梨子「んー何て言うかダイヤさんち独特のノリというか…」

ダイヤ「――あら、皆さん足を崩してください。そんなにかしこまらなくても構いませんわよ」

ホークモン「お茶が入りました」

ブイモン「誰だよ最初に正座したやつ……」

ダイヤ「さ、これを飲んだら黒澤家の蔵を開けますわ」

side ディーアーク

沼津は津島家、善子の部屋。
カタカタと小気味よく鳴るキーボードに集うデジモンに人

テリアモン「ねぇヨハネ、なんか分かったぁ?」

善子「善子よ!……ゴホン、いやあってるわ」

テリアモン「へへ―引っかかった」

曜「こら、テリアモン邪魔しちゃだめだよ」

テリアモン「だってつまんないんだもん」

ルビィ「どう?善子ちゃん……」

善子「いや分かったっちゃ分かったんだけど、現実的に難しいというか……まぁ見てみなさい」

ノートPCを差し出す善子、画面に映し出されるデジモン、デジモン、デジモン………………

ルビィ「うわぁ!デジモンさんがいっぱいだぁ!」

ギルモン「僕も居る?」

インプモン「デジモンのカードだな、これが何だってんだよ」

善子「選ばれしスクールアイドルいたでしょ、私達の前にも」

曜「μ`sのみんなだね」

善子「そそ、その中の西木野真姫さんが私達と同じディーアークだったんだけど」

曜「説明してくれるのはいいんだけどちょっとデジモン達も見た方が……」

ギクリと顔をしかめるテリアモン、何が起きてるかわからずキョトンとするギルモン
そして関係ないとばかりにパソコンをいじくりまわすインプモン

「カードスラッシュ!!」

モニターに映し出された少女、西木野真姫は華麗な動きでディーアークにカードをスキャン。
的確な指示、そして進化をさせ戦いをサポートしてみせている。

インプモン「おぉ、これだな。これで俺様にも力が……」

ルビィ「真姫ちゃんカッコいい…」

善子「勝手にいじんな!でもまぁそういうコトよ」

インプモン「カードがいるなら早速買いに行こうぜ!」

善子「いや、それが無理って言うか難しいのよ」

テリアモン「どうして?」

善子「アンタは知らないでしょうけどね、きょうびデジモンカードなんか売ってないのよ…」

曜「私もあんまり詳しくないけど見ないよね………流行ってたの私達が生まれてすぐの時みたいだし」

ギルモン「それじゃあどうしてこの子はカードいっぱい持ってるの?」

ルビィ「ルビィ知ってるよ!真姫ちゃんってとってもお金持ちらしいんだ!」

フフンと鼻を鳴らし答えて見せるルビィ、ルビィは物知りですごいと純粋に感動するギルモン
善子と曜に突き付けられる悲しい現実。

曜「……オークションでも見てみる?」

善子「と、とりあえず……ね」

「「こんなの全部買えるわけない(わ)よーーー!!!」」

時は2017年、悲しいかな00年代前半に最盛期を迎えたデジモンカード。
十数年の時を経た今、一枚、二枚だけならともかく十代の少女が集め始めるには少しばかり重い金額であった……

\津島さーん、宅配便でーす/

中途半端だけどこの辺で

また途中で送信してしまった
なるべくさっさとみんな進化させてあげたい
それではまたお暇な人はお付き合いください

??「あの、すみません…」

曜「ん?どうしました?」

曜 (わぁ…綺麗な人だなぁ…こういうような人のこと大和撫子って言うんだっけ)

??「少し道に迷ってしまいまして…宜しければ道案内をお願いしたいのですが…」

曜「大丈夫ですよ?
どこに行きたいんですか?」

??「○○旅館というところで予約をしたのでそちらに向かいたいのですが…ご存じですか?」

曜「○○旅館ですか?分かりますよ!
こっちです!」

??「ありがとうございます、助かります」ペコリ


一年教室

花丸「はーい!最後に皆さんにお知らせがありまーす!」

花丸「このクラスになんと転校生が来ます!」

オー! ドンナコ-?

花丸「それは来てからのお楽しみ…ずら!」ニコッ

花丸「じゃ、今日はおしまい!」

オツカレサマデシタ-!

善子「梨子さんが言ってたのこれか…」

果南「転校生…か、なんかトラウマ」ニガワライ

善子「ふふ、トラウマってマリーさん?」

果南「うっ」

穂乃果「ベイスターズファイトだよっ!」 Part69 [無断転載禁止]©2ch.net

ダイヤ「ルビィ……手を握りましょう、少しは安心できるかもしれませんわ」ギュ

ルビィ「ありがとう、お姉ちゃん」プルプル

ダイヤ(やはり……怖くないなんてことありませんわよね……)


果南「ルビィ、難しいとは思うけど……身体を強張らせてると余計に辛くなるから」

果南「できる限りリラックスした状態でいてね?」

ルビィ「は、はい……」
果南「……話は済んだかな?」ゴムソウチャク

ルビィ「…………」ビク...


鞠莉「ルビィ……膝枕、ここに頭を乗せて?」ポンポン

ルビィ「はい……」スッ...


果南「ダイヤ……そんな遠くにいないでルビィの傍で励ましてあげてよ」

ダイヤ「……わかりました」スタスタ

穂乃果「ベイスターズファイトだよ っ!」 Part69 [無断転載禁止]©2ch.net

(数分後)

曜「粘りが出てきたね。それくらいでいいかな?」

曜「それを4等分にして、空気を抜き小判型に丸め、真ん中を少しへこませておいて」

真姫「…うん」コネコネ

曜「ハンバーグ(タネ!)完成」
http://imgur.com/C3GvPwb.jpg

曜「その間にフライパンに油を少しひいて暖めるね」

曜「このときフライパンは深めなのを使うとあとあとの処理が捗るよ」

曜「充分に暖まったら、並べ強火で焦げ目が付くまで焼く」ジュー
http://imgur.com/QusePK0.jpg

真姫「ふむふむ」

1 名前:名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@無断転載は禁止 [sage] :2017/03/11(土) 00:24:27.16 ID:DV9Bek1G
アニメ本編とは別時空です
>>2
梨子「はぁ…転校して来た途端変な人に絡まれるし付いてないな…私…」

曜「ん?あっ、転校生の子だ♪」

梨子「あ、どうも」ペコリ

曜「千歌ちゃんに追いかけられてばっかりで大変そうだね」アハハ

梨子「千歌ちゃん…あぁ、うん…そうですね…」

曜「んーと…同い年だからタメ口でいいよ?」

梨子「そっか、じゃあそうするね
えーっと…」

曜「あっ、私?私は渡辺曜!曜でも曜ちゃんでも好きに呼んでね♪」

梨子「ふふっ、じゃあ曜ちゃんて呼ぼうかしら」

曜「了解♪じゃあ私は梨子ちゃんって呼ぶね!」

真姫「さっきのハンバーグの肉汁を無駄なく利用するためね」

曜「フライパンにトマト缶、水、コンソメを加え、煮立てる」

真姫「このために深めのフライパンを使うのね」

曜「煮立ったらハンバーグ、エリンギを加え、再び煮立たせる」

曜「煮立ったら弱火だよ」

曜「このとき砂糖、ソースを加え、塩、ブラックペッパーで味を調えておこう」

曜「アクを取りながら弱火で約20分煮込む」
http://imgur.com/6IvFaq1

真姫「20分…。暇ね」

曜「煮込み時間は長くすると濃厚になるけど、煮込みすぎるとハンバーグがカチカチになるから様子を見ながら気を付けてね」

??「あの、すみません…」

曜「ん?どうしました?」

曜 (わぁ…綺麗な人だなぁ…こういうような人のこと大和撫子って言うんだっけ)

??「少し道に迷ってしまいまして…宜しければ道案内をお願いしたいのですが…」

曜「大丈夫ですよ?
どこに行きたいんですか?」

??「○○旅館というところで予約をしたのでそちらに向かいたいのですが…ご存じですか?」

曜「○○旅館ですか?分かりますよ!
こっちです!」

??「ありがとうございます、助かります」ペコリ


一年教室

花丸「はーい!最後に皆さんにお知らせがありまーす!」

花丸「このクラスになんと転校生が来ます!」

オー! ドンナコ-?

花丸「それは来てからのお楽しみ…ずら!」ニコッ

花丸「じゃ、今日はおしまい!」

オツカレサマデシタ-!

善子「梨子さんが言ってたのこれか…」

果南「転校生…か、なんかトラウマ」ニガワライ

善子「ふふ、トラウマってマリーさん?」

果南「うっ」

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