アライさんの脳天をスコープの照準に捉え、静かに引き金を引く13 (1000)

~前スレ~


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~ストーリーの概要~

日本中に巣食う、害獣アライグマのフレンズ。
それを排除するための一斉掃討作戦は、着々と進行している。

果たして、全てがうまく行くのであろうか?

~登場人物~


・俺(♂)
猟師であり、アライさんを仕留めによく山へ行く。
『特定有害駆除対象フレンズ一斉掃討作戦』の重要な戦力の一人。

・食通の友人(♂)
ジビエ料理店『食獲者』の店主。
アラジビ料理を扱っている。
やがてアラジビ料理は終わり、元の平和なジビエ料理店の店主へと戻るだろう。

・理科の先生(♂)
サンドスター科学研究所の主任。
彼にとってアライさんは実験用モルモット以下の扱いのようだが、人類へ公益をもたらす福音としての可能性を見出だしている。

・MCチヘドロー(♂)
「アライデスゲームTV」の運営者。
アライさんが繁殖し害獣となるよりずっと前から、アライさんを嫌っていた。

・大臣(フレンズ)
フレンズ省の大臣。
フレンズに関わる多くの物事を管轄している。
一斉掃討作戦では最前線で戦うようだ。

・会長(フレンズ)
『特定有害駆除対象フレンズ根絶委員会』の会長。
ジャパリミン不足により、野生の本能が戻りつつある。本人にその自覚はない。

・ブラウンP(フレンズ)
アラジビ料理人の一人。
恐怖や苦痛の表情の写真を取るのが趣味。
ジャパリミン不足により、狩猟の悦びを求めずにいられなくなっている。

・清掃員(フレンズ)
アライグマのフレンズ。
特殊清掃員として働かせてもらっている。

・キツネ(フレンズ)
清掃員の親友。
保健所の職員だが、アライさんハンターでもある。
累計アライさん掃討数は全国ランキング一位。

・山小屋アライさん(フレンズ)
戸籍持ちのアライさん。
森のロッジの仲間達を生き残らせるために、ヒトと手を組んで害獣の間引きをしている。

・白衣のフレンズ(フレンズ)
サンドスター科学研究所に所属しており、一斉掃討作戦の戦闘員の一人である。
着ている白衣はフレンズとしての本来の衣装ではない。

・教授(?)
サンドスター科学研究所にいる人物。
作中ではこれまでに3度、泣き出して嘔吐している。
理科の先生のせいで。

・アライスター・グローリー(フレンズ)
アライグマのフレンズ。
アライさんを共食いし、その尻尾で作ったクロケット帽をトレードマークとする『アライアンス』の総統。

~目録~

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・歩行訓練と狙撃
・アラジビフェスとショクエモンP
・農夫への報復
・特定有害フレンズ駆除促進のための法律
・大臣とアライちゃんバーグ
・ブラウンPとアラフライ定食
・若い猟犬のデビュー
・戸籍取得の案内人、キツネ



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・アライデスゲームTV
・ブラウンPvsショクエモンP
・報告書3~フレンズの胚~
・残ったデブアライさんの行方
・報告書6~フレンズのレベル~
・プロジェクト・フォアグライ
・実験10 ~レベル継承実験~
・高額取引されるアライちゃん
・実験5 ~サンドスターレーダー~
・実験10 成果報告メモ
・アライハザード① ~襲撃される村~
・アライハザード② ~侵入される都市~
・実験1 ~救命成功~
・アライハザード③ ~防衛のホルスタイン~
・アライハザード④ ~反撃の狼煙~


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・実験3 ~高分子プログラミング言語~
・アライハザード⑤ ~村への救援~
・アライハザード⑥ ~避難所防衛~
・アライハザード⑦ ~会長と大臣~
・報告書5 ~アライグマの精神構造の特異性~
・アライハザード⑧ ~ゴキブリホイホイ作戦~
・アライハザード⑨ ~とうほくちほーのフレンズ達~
・アライハザード⑩ ~フォアグライ加工場~
・報告書10 ~レベルアップと身体能力~
・アライハザード⑪ ~国会議事堂防衛戦~
・アライハザード⑫ ~死体の山の刺客~
・実験9 ~サンドスターと捕食~
・アライハザード⑬ ~アライキング・ボス~
・アライハザード⑭ ~決戦と決着~

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・後始末と救助
・シャークP
・ベスト・オブ・アラ虐と好きな人物は?
・種族を超えた絆
・報告書11 ~フレンズの成長スピード~
・実験2 ~ジャパリパークシステム~
・ジャグラーと観客
・お寺の床下
・ありゃいちゃんぷゆー、つくゆのだ!
・清掃員とキツネとブラウンP
・伊達メガネと腕輪



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・たのしい理科 ~振り子~
・アライさんの農業
・物置小屋と男児の夢
・たのしい理科 ~落下~
・好きな悲鳴は?
・ひったくりのアライさん
・山小屋のアライキングダム
・アラしゃぶと掃討作戦



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・窮地を脱するジャパリスタジオ
・悪魔の帰還
・刑期終了と腕輪
・サンドスター科学研究所と理科の先生
・山の中へ温泉施設が建設されるまで
・報告書12 ~フレンズの選択的習性~
・山小屋のトレーニング
・もしもアライさんがハンドルを握ったら
・デスゲラジオ
・デスゲーム企画会議
・檻に囚われた親子
・デスゲームTV① ~イントロダクション~

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・デスゲームTV②~たのしいアスレチック~
・デスゲームTV③~害獣の本性~
・デスゲームTV④~エクスキューション~
・MCチヘドローのデスゲラジオ
・犬小屋と電動工具
・アライさんが人命を救うのに役立つたったひとつの方法①



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・アライさんが人命を救うのに役立つたったひとつの方法②
・サイクリング&フィッシング
・アライさん喫煙疑惑
・ビープレ建設の再構築(リストラ)
・アライしゃん人生最初の試練
・ハエガイジャーキー
・アライさんを滅ぼすということ①


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・アライさんを滅ぼすということ②
・日本はフレンズを炙りガイジと称して虐殺する野蛮な国だ
・あるアラ信の面会
・アライさんネバーランド計画の提案
・医学実験モルモットのアライさん
・皮膚移植手術
・コタツの中の戦争
・ジャパリパークのホルスタイン一家
・アライさんネバーランド計画の準備
・ラストアラジビフェス① ~ブラウンPと善意の刃~

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・ラストアラジビフェス② ~ブラウンPの悪意の刃~
・ラストアラジビフェス③ ~発酵アライスカ~
・鷹とアライと葡萄の甘露
・一斉掃討作戦決起集会
・アラジビアンコール① ~アライおろし~
・アラジビアンコール② ~しゅきしゅきぐつぐつ~
・白カビより這い寄るイレギュラー①



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・白カビより這い寄るイレギュラー②
・人工衛星パークキーパー
・激走!アライカート
・自然地域・夜班 ~ハクビシンとの邂逅~
・自然地域・昼班 ~毛繕いと火炎放射~
・都市部・夜班 ~仏壇とアライディスパッチャー~
・ジャパリパークとけもシコ禁止令
・ジ・エンド・オブ・アライキング・ボス
・大久野島植林作業
・猫の命、アライさんの命


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・白カビと、ネズミ取りと、猫と
・自然地域・昼班 ~捕らわれたでかいネズミ~
・チヘドローとショクエモンP、ふたりの未来
・焼肉屋アライさんの誘惑
・アライさんを滅ぼすということ③
・火山とフレンズとジャパリミン
・アライさんを滅ぼすということ④
・アライアンスと栄光の一番星

テンプレおしまい

乙です
謎の勢力アライアンス…肉食獣の恐らく軍属フレンズ+助手の処分部隊に当たった以上滅ぶしかないでしょうけど…

ゴミパンダ以外もイケるそうなので遠慮してたこの動画を是非この投稿者さんの動画は猟犬達が生き生きとして可愛いですねぇ
https://www.youtube.com/watch?v=ersUOVtTZ1c

合田一人「クロック帽子アライさんか。また妙な因子が芽吹いたな

かくゆう私もアラ虐童貞でね。英雄的資質とは殉教精神に基づく行動であり童貞は重要なファクターとなり得るのだ」

久々に見る攻殻はやっぱ面白いな

原作漫画の方もよろしくな!(ステマ)

>>10
ああー最高ですね…
絶叫しながら暴れてて抵抗してるけど犬四頭になすすべなくやられてるのが素晴らしい

上にいる奴は何してんでしょうね?
見捨ててさっさと逃げる訳でもなく助けるわけでもない…
案外何の危機も感じてないのかも



~クリスマスイヴ、病院~

ホルスタイン「明日はクリスマスですね~」シャリシャリ

ホルスタインしゃん3「はい…」

病室のベッドでホルスタインしゃん3が寝ている。
その傍らでは、ホルスタインがりんごを剥いている。

机の上には、牛乳があったと思われるコップが乗っている。
恐らく、ホルスタインの能力『ミルキーオブモーモー』によって作り出されたホットミルクであろう。
…一体その能力で、どのようにしてホットミルクが作り出されるのか?
その過程を見た者は、少なくともジャパリパークを訪れる客の中にはいない。

ホルスタイン「…お外は雪ですよ」シャリシャリ

ホルスタインしゃん3「…きょねん、おねーさんたちとゆきだるまつくってあそびましたねー…」

ホルスタイン「あの頃はみんな四足歩行だったから、雪遊びも大変でしたね」シャリシャリ

ホルスタインしゃん3「…」

ホルスタインしゃん3はかつて、アライキング・ボスの部下達に虐待され、
脛椎を損傷し、全身麻痺となっているのだ。

ホルスタイン「何か…プレゼントをあげたいな…。何がいいかな?」

ホルスタインしゃん3「…おそとに、でてみたいです…」

ホルスタイン「っ…」ピタッ

その一言でホルスタインは、体が不自由なホルスタインしゃん3の精神的苦痛を痛いほど察した。

お外を駆け回り、あちこち探索するのが何よりも大好きだったホルスタインしゃん3。
だが、何よりも大好きだった探索をするための体の自由は奪われてしまった。

母親に運んでもらい、あちこちを探索する経験。
それがきっと、ホルスタインしゃん3にとって何よりものクリスマスプレゼントなのだろう。

ホルスタイン「…ごめんね、ぐすっ…ごめんねっ…!」グスングスン

ホルスタインしゃん3「…こうやって、ちゃんといきてて、おかーしゃんとおはなしできる…しあわせです」

ホルスタイン「明日は…一日中、ずっと、ずっと一緒にいてあげるね。お姉さん達も一緒だからねっ…」グスングスン

ホルスタインしゃん3「…おかーさん、ありがとう…」

ホルスタイン「………一応、はなおさんも一緒に連れてっていいか、聞いてみるね」

ホルスタインしゃん3「はい、みんなでいきましょう」

クリスマスの過ごし方は人それぞれ。
贈り物も人それぞれである。



~イブの夜、ボロアパート~

ある貧しい母子家庭。
格安のボロいアパートの子供部屋で、少女が寝ていた。

少女「すぴー…すぴー…」zzz

子供部屋のドアが開く。

サンタ?「…いい子にしてるわね…」コッソリコッソリ

部屋に、クリスマスプレゼントを贈ろうとする…『サンタ』が現れた。

この人物は、別にサンタ衣装を着ているわけではない。
どこにでもある一般的な…ちょっと質素な普段着だ。

だが、子供にプレゼントを贈ろうとする者は、みな心にサンタがいるのだ。
この人物の正体が何者であるか?
そんな無粋なことは述べる必要もあるまい。

少女「すぴー…すぴー…」zzz

少女のベッドには、大きな靴下が吊り下げられている。

サンタ「何が欲しいのかしら、どれどれ…」ゴソゴソ

サンタは、大きな靴下から紙を取り出す。

サンタ「いつもお金無くて我慢させちゃってるから…。いろいろ我慢して、奮発してあげなきゃ…」ピラッ

紙を見ると…

『ベルギーチョコを、すこしください』

サンタ「っ…」

少女「すぴー…すぴー…」zzz

サンタ「っ…うぅ、うっ…!」ウルウル

なんということであろうか。
この少女は、クリスマスプレゼントだというのに千円もしない品を求めている。

サンタ「ごめんね…ごめんねっ…!いっぱい、買ってあげるからね…っ」グスングスン

この母子家庭には、かつて農業をしている夫がいたが…
度重なるアライさん被害により、収入はほぼ破綻。

ある日、夫はなんとかして生活費を稼ぐため、仕事の都合で夜中まで街に残っていた。

しかし、そこでアライハザードに巻き込まれ、凶悪なアライさんのシャベルやバールによる攻撃で命を落としたのであった。

アライさんによって、大事な人や、生活に必要な収入を奪われた不幸な家庭である。

だが、このような家庭が…
アライさんの被害で貧しさに困窮している家庭が、日本中にはたくさんある。

そして、野良アライさんが人里で悪さをする限り、このような家庭は増え続けることであろう。

サンタはアパートの7階にある我が家から出て、ドアに鍵をかける。

7階建てアパートといえば、なかなかの高さである。
それでもボロアパートなのには、色々事情があるのだろう。

そしてサンタは、大型デパートの、ちょっとリッチなお菓子売り場へ向かった。



しばらくして、サンタは袋にベルギーチョコを詰めて、アパートへ戻ってきた。

そして子供部屋に行き、大きな靴下へ、お菓子を詰めた。

大きな靴下「」ブラーン

少女「すやすや…」zzz

サンタ「…いつも笑顔をくれてありがちうね。おやすみ…」ナデナデ

そしてサンタは子供部屋から出て、ドアを優しく閉めた。

少女「すやすや…」zzz






「なのだー」バリィィ





子供部屋の天井に、突然穴が空いた。

???「さぶいのあー」ズルズル

何者かが、天井の穴から降りてきた。

パルコアライちゃん「さぶいのあー」ヨジヨジヨジヨジ ガチガチブルブル

元々真っ白な体を、さらに雪まみれにしたパルコアライちゃんであった。
鼻水を垂らし、震えている。

パルコアライちゃんの体は、相変わらずガリガリに痩せ細っていた。
餓死していないだけでも幸運といえるだろう。

だが、アライさんは成長が早いとはいえ、生後5~6ヶ月ではまだヨチラーを完全に卒業するのは難しい。
加えてパルコアライちゃんは、常に飢えており、筋肉量の平均より少ない。

この冬を、パルコアライちゃんがたった一人で生き抜けるか…
極めて困難といえるだろう。

パルコアライちゃん「あったかいのあー」ストン

パルコアライちゃんは、子供部屋の床に降りた。

パルコアライちゃん「それになんかいーにおいすゆのあー」クンクン

パルコアライちゃんは、甘い匂いに気づく。

パルコアライちゃん「のあー」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチ

匂いの元へと這いヨチるパルコアライちゃん。

パルコアライちゃん「ふんふん あれなのあー」ヨチヨチヨチヨチ

甘い匂いが、ベッドにかけられた、パルコアライちゃんの体より大きいニーソックスから発せられていることに気付いた。

可愛らしいデザインのニーソックス。
きっと少女が母親から贈られた、お気に入りの品であろう。

パルコアライちゃん「やぶいてなかみだすのあー」

尤も、パルコアライにその価値はわからないようだ。

パルコアライちゃん「のあー」ピョンピョン ドタドタ

その場で何度もジャンプし、ニーソックスを破こうとするが、その爪は届かない。

パルコアライちゃん「うえからいくのあー」ヨジヨジヨジヨジ

パルコアライちゃんは、ベッドに登る。
やがて、少女の枕元へ登った。

少女「すぴー…すぴー…」zzz

パルコアライちゃん「くんくん このなかなのあ」クンクン

パルコアライちゃんは、ベッドに吊り下げられている靴下を嗅ぐ。

パルコアライちゃん「なのだー」ピョーン

パルコアライちゃんは、ベッドの上から靴下目掛けてダイブし…

靴下の穴の、ちょっと横へ落ち…

パルコアライちゃん「じびぃ!」ガァン

そのまま顔面から床に垂直落下した。

パルコアライちゃん「ぎびいぃぃ いぢゃいのらあああ」ジタバタ ドクドク

鼻血を流しながら喚き、ドタバタ暴れるパルコアライちゃん。
床に鼻血がこぼれる。

少女「すぴー…すぴー…」zzz

こんだけの騒音が立ったにもかかわらず、少女は目を覚まさない。
よほど深く眠っているのだろう。

パルコアライちゃん「うゆー もっかいやるのあ」ヨジヨジヨジヨジ

パルコアライちゃんは、再びベッドを登った。

そして、再び靴下目掛けて…

パルコアライちゃん「なのだー」ピョーン

靴下「」スポッ

パルコアライちゃんは、見事頭からニーソックスの履き口の中へ突っ込んだ。

靴下『やったのあー いーにおいのもと これなのあー』モゾモゾ ビリビリ

蠢く靴下の中から、パルコアライちゃんの声が聞こえる。
何か、ビニールや紙が破れる音がした。

パルコアライちゃん「のだー」スポッ

そしてニーソックスの口から顔を出した。

パルコアライちゃん「ごはんたべうのあー」サッ

そして、ニーソックスの履き口から右手を出した。
その手には、サンタから少女へ贈られたベルギーチョコが一粒握られている。

ああ、このままでは、大事なクリスマスプレゼントが食べられてしまう!
少女は今すぐ目を覚まさなくてはならない!

少女「すぴー…」zzz

…だが少女は、安らかな顔で眠り続けている。

パルコアライちゃん「ひさびさのごはんなのあ うれしいのら」グーーギュルルーーーーーー

パルコアライちゃんは、冗談でなくガリッガリに痩せこけている。
明らかに栄養状態が悪く、飢餓で動けなくなる寸前のようだ。

ほとんどろくに食べ物を口にしていなかったのであろう。

パルコアライちゃん「はむっ もぐもぐ くっちゃくっちゃ…」クチャクチャクチャクチャ

パルコアライちゃんは、ベルギーチョコを口に放り込み、口を空けながらクチャクチャと音を立てて食べた。

パルコアライちゃん「うまいのら もっとたべうのあ ぜんぶたべゆのあー」パクッ クチャクチャクチャクチャ

ベルギーチョコを次々と口へ放り込んでいくパルコアライちゃん。
その美味しさに感動しているようだ。

それはそうだろう。
サンタが貧しい少女に喜んでもらうため、無理に奮発してこしらえたリッチな品なのだから。

…朝…

少女「…ふわぁ~、よく寝た~」ムクリ

少女は寝癖でぼさぼさになった髪をかきながら、目を覚ます。

少女「…ベルギーチョコ、あるかな…。少しでも、貰えたらいいな」チラッ

少女は、ベッドにかけた靴下を見る。
すると、靴下は内容物によってパンパンに大きく膨らんでいる。
ちょっと予想してなかったデカさだ。

少女「ええっ!?こ、こんなにいっぱい!?…お母さん大丈夫かな…。でも、ありがとう…!」

少女は、サンタの心情を察し、自分へ注いでくれた愛情に感謝する。

少女「どれどれ…?」ズボォ ガシィ

少女は、靴下の中へ手を突っ込む。


すると、動物の毛のようなさらさらした触感と暖かさが伝わってきた。

少女「きゃあ!?」ビクゥ

少女は思わず手を引っ込める。

少女は、恐る恐る靴下の履き口を広げ、中を見る。

靴下の中から聞こえる声「のだぁ…のだぁ…」zzz

少女「わっ、かわいい…」

…靴下の中には、何か少女が可愛いと感じるものが入っていたようだ。

少女「…っていうか、それより…ベルギーチョコは…?」

そのとき、子供部屋のドアがノックされる。

少女「はーい」

母親「おはよう。ちゃんと欲しいプレゼントあった?」ニコニコ

少女「あの、お母さん、これ…」ゴソゴソ

少女は、靴下の中へ手を突っ込み、中身を取り出す。

ベルギーチョコの包装紙がぼろぼろと落ち、中身が姿を現した。



少女「…これがプレゼント?」スポッ グイイ

パルコアライちゃん「のだぁ…のだぁ…」zzz

母親「」


少女が掴んでいたのは、サンタが心を込めて贈った品ではなく。
口まわりをチョコレートで汚し、腹をパンパンに膨らませながらすやすやと眠る、痩せこけた白いフレンズの子供であった。

母親「」

少女「お母さん?」

母親「…よこして」ワナワナ

少女「はい」スッ

母親は、パルコアライちゃんを抱き抱える。

母親「おい。…お前は何だ?」ガクガクユサユサ

パルコアライちゃん「のあ…なんなのあ、あらいしゃんさっきねたばっかりなのあ…」

母親「」

パルコアライちゃん「じゃますゆななのあ…むにゅ…」ウトウト

母親「…アライさんか、お前?」

母親は尋ねる。
夫の農地から作物を奪い、命まで奪った、死ぬほど憎たらしい生き物。
それと同族なのかを尋ねる。

パルコアライちゃん「あらいしゃんはあらいしゃんなのあ…うゆぅ…あらいしゃんのおふとんかえすのあ~」グイクイ

パルコアライちゃんは、ニーソックスへ手を伸ばす。

母親「…チョコを食べたのは、お前か」

パルコアライちゃん「うゆぅ…ちょこ?しらないのあ…」

母親「この中に入ってた、甘いお菓子だ!」

パルコアライちゃん「のあー、あったのあ あらいしゃんがみつけたのあ んまかったのあ~」

母親「っ…」ワナワナ

パルコアライちゃん「なんなのあ たべものははやいものがちなのあ さきにみつけたあらいしゃんがたべゆのあたりまえなのあ」

パルコアライちゃん「うらやんでおこゆのは がいじなのあ のら~」モゾモゾ

母親「…」

母親「ガイジは…」ガシッ

母親はパルコアライちゃんの首を握りしめ、壁へ向かって…

母親「…お前だぁあああああああああアアーーーーーッ!!!」ドガァドガァドガァドガァガァンガァンガァンガァンガァンガァンガァンガァンガァンガァンガァンガァンガァンガァン

…何度も叩き付けた。

パルコアライちゃん「ぎびぃ うびぃ びいいいいぃ いぢゃい いぢゃいのやああああ やべで あらいしゃんなんにもわゆぐないのああ ぴぎいいい」グシャグシャドガァボガァベギィブギャオ

少女「お母さん!?」

パルコアライちゃん「ぎ…び…や、やべ…いひゃい…ひんぎゃう…」

そして母親は、部屋の窓を開け…

母親「くたばれェアアアーーーーーーーーッ!!!」ブンッ

パルコアライちゃん「のああああああああああああああ」ビュウウーーーーンッ

…7階の窓…25メートルの高さから、外へ投げ捨てた。


パルコアライちゃん「ひいいいいぃぃぃぃ びいいいいぃぃぃぃ」ヒュウウウウウウ

パルコアライちゃん「しにだぐないのりゃあああああああああああああ」ヒュウウウウウウ

これだけの高さだ。落下したら死ぬと思うのは当然のことだ。

パルコアライちゃん「ううぅぅ!」バチバチッ ビリビリッ

パルコアライちゃんの体から、黒い稲妻がほとばしり…

パルコアライちゃん「のだあああああああああああああ」キュイイイイイインッ ゴウウウッ

野生解放の輝きがほとばしった。



ホルスタイン「分かる?この辺はアパート。人がいっぱい住んでるとこですよ」グイイ

ホルスタインしゃん3「おそと、たのしいです…!いろんなもの、いっぱい…!」ガラガラ

雄牛「ウモォ~」

ホルスタインしゃん1「おとーさん、のせてくださーい!」ヨジヨジ

ホルスタインしゃん2「わたしもおとーさんにのりたいです!」ヨジヨジ


ホルスタイン一家が、楽しそうに街中を歩いている。

ホルスタインしゃん3は、車椅子に乗り、母親に運ばれている。

「のああああああーーー」

ホルスタインしゃん3「ん?なんかうえからこえが…」




パルコアライちゃん「のっだああああ」ドグッシャアアアアアンッ

ホルスタインしゃん3「ぎゃああああっ!!!」ベッチィーーーンッ

ホルスタイン一家「「「!?」」」

20メートルの高さから落下してきた、野生解放したパルコアライちゃんの頭が…

ホルスタインしゃん3の頭へ落下し、衝突した。

車椅子ががしゃんと倒れた。

ホルスタイン「い…嫌ぁあああーーーーーーーーーーっ!!!」ペタン

ホルスタインしゃん1「え、え…?」

ホルスタインしゃん2「し、しっかりしてくださいいいいっ!!」ユサユサ

ホルスタインしゃん3「」ガクガク

パルコアライちゃん「ぎびいいいいいいいいいいいいいい いだいいいいいいいい しんじゃうのりゃあああああ」ドッタンバッタン

パルコアライちゃんは、頭を押さえながら地面を転げ回っている。

雄牛「ウモォオオオオオオオオオオアアアアアアアアアーーーーーーーーーーッ!!!」ドッガァアアアアアッ

パルコアライちゃん「ぐぎびぇええーーーーっ!!」ドガァッヒュゥーーーーンッ…

雄牛の蹴りにより、パルコアライちゃんは車道へ吹っ飛んでいった。

ホルスタイン「あ、ああ、お、お願い…目を…開けて…」ユサユサ

心優しいホルスタインであったが、上から落下してきたパルコアライちゃんの方を気にする余裕はなさそうだ。

路上に倒れたホルスタインしゃん3を必死で揺さぶる母親と、その姉妹。

ホルスタインしゃん3「う…ん…」

ホルスタインしゃん3は目を開けた。
どうやら怪我はなさそうだ。

ホルスタイン「!?だ、大丈夫ですか!今、救急車を…」ガクガクブルブル

ホルスタインしゃん3「け、けがはないですよ…。びっくりしただけですよ」スッ

ホルスタインしゃん3は、ゆっくり上体を起こして、ホルスタインに手を伸ばす。



ホルスタイン「…え?」

ホルスタインしゃん3「…あ…」ワキワキ

ホルスタインしゃん3は、母親に伸ばした手をグーパーする。

ホルスタイン「て、手…動かせる…んです…か…?」

ホルスタインしゃん3「……あ、う、うほき……ますっ……!」グーパー

ホルスタインしゃん1「な、なんで?な、なんでっ!?」アセアセ

ホルスタインしゃん2「おかーさん!きゅうきゅうしゃ!きゅうきゅうしゃはやく!」

ホルスタインしゃん3「あ…ぁ…」ヨチヨチ

ホルスタインしゃん3は、手足を動かし、路上を這ってみる。
筋力が衰えているせいか、だいぶ苦労はするが…
なんとか移動できるようである。

雄牛「ウモオオォ」ペロペロ

雄牛はホルスタインしゃん3をぺろぺろと舐めている。

ホルスタイン「あ、は、はい…もしもし…。散歩中のホルスタインです…」

ホルスタイン「う…うち……うちの子が…あわわ…」ブルブル

ホルスタイン「」バッターン

ホルスタインはあまりの出来事に気を失い、その場に倒れてしまった。

ホルスタインしゃん1「お…おかーさん!?」

結局、ホルスタインとホルスタインしゃん3は救急車で運ばれていった。
特に怪我はないそうだ。

~病院~

ホルスタインしゃん1「ほんとにだいじょうぶなんですか?」

ホルスタインしゃん3「へ、へーきです…」

ホルスタイン「…あの子…!上から落ちてきた子は、どうなったんでしょうか…!?」

ホルスタインしゃん2「さがしにいきますか!?」ヨタヨタ

ホルスタイン「行きましょう!命の恩人です!」

ホルスタインしゃん3「わたしもいきます…!」ヨチヨチ

ホルスタインしゃん1「さっきのこ、なんだったんでしょう…?」ヨタヨタ

ホルスタイン「…赤いお耳と、白い体…」

ホルスタイン「もしかして、サンタさんのフレンズなのかも…」

一旦ここまで

パルコアライさん良いキャラしてるわ

どう物語に関わっていくか胸が熱くなるな

…路上…

パルコアライちゃん「びえええーん のああああーーん のだあああーん」ヨチヨチヨチヨチ

雄牛に蹴られたパルコアライちゃんは、野生解放状態のまま、路上を這いヨチっていた。

そこへ…

大型車「」ブゥーーン…

遠くから、大型車が走ってきた。
運転手は…

変な男1「くそっ…一斉掃討作戦のせいで、洗いアライ店は台無しだ!テント組を逃がすのが遅れた…!」ブロロー

…アラ信の、変な男1である。
かつてアライハザードで大勢のアライさんを人間へけしかけたが、
政府には『捕まって無理矢理協力させられた哀れな一般人』として扱われたようである。

それで懲りたかと思いきや…
何かまだ企んでいそうな口ぶりだ。

変な男1「アライさんの子供達が政府に保護されて、俺の商売のことをゲロったらおしまいだ…。今のうちに、残りの子たちを森に行って助けに行かなきゃ…!」ブロロー

変な男1の車は、車のアクセルを踏んだ。

…だが、考え事しながらの運転は危険だ。
路上には…

パルコアライちゃん「うゆうぅ おがーしゃあああーーん ぴいいぃぃ おかーーしゃぁーーーんっ」ヨチヨチヨチヨチ

…白い体のフレンズがいた。

しかし、雪で白く染まった道路の上を這う、真っ白い体のパルコアライちゃん。

風景に溶け込んで、変な男1からは気付かれていないようである。

大型車「」ブウゥゥーーン

パルコアライちゃん「のああ… ぴいいいぃぃ!?」ヨチヨチ…ビグゥ

大型車のタイヤが、パルコアライちゃんの目前に迫る。

パルコアライちゃん「ひ、ひ…」バリバリバチバチッ

サンドスターの輝きに包まれたパルコアライちゃんの体に、黒い稲妻が走る。

パルコアライちゃん「やなのあ とまゆのああああああ」ベチィ

パルコアライちゃんは、車のタイヤを手で弾いた。





タイヤ「」パアアアアアアーーーーーンッ

大型車「」メシャゴギィバガァ




…大型車は一瞬で大破し、新幹線のようなスピードで宙を舞った。

~アパート 7階階段の踊り場~

ボロアパート妻「ふぅーっ、ふぅーっ、あのクソチビ!どこに逃げた!」スタスタ

少女「…」トボトボ

子供のクリスマスプレゼントのチョコをパルコアライちゃんに食われた母親は、アパートの下でパルコアライちゃんの死体を探した。

しかし既にパルコアライちゃんの姿がないことに驚き、また自分たちの部屋のある7階へ階段で戻ってきた。

ボロアパート妻「くそ…血痕さえなかった…!どこ行きやがった、探し出してブッ殺してやるわ…」スタスタ

少女「アライさんなんかに…アライさんなんかに…!」ウルウル

親子は、アパートの自分たちの部屋へ戻ろうとする。

ボロアパート妻「…もしかして、保健所に回収された?まさか、こんな早くに…」スタスタ

少女「…ん?」チラッ

少女は、何かが物凄いスピードで、こちらへ飛んでくることに気付いた。

少女「お、お母さん、何か飛んで…」




大型車「」ドグッシャァアアアーーーンッ




ボロアパート妻「うわあぁ!?」ビクゥ

少女「きゃあっ!?」ビクゥ


突如大型車が宙を舞って飛んできた。
そして、親子が戻ろうとしていたアパートの部屋へ突っ込んだのであった。

アパートの壁「」ガラガラ…

大型車「」グシャメシャ ヒューン…

アパートの壁にめり込んだ大型車は、そのまま部屋を貫通し、子供部屋の窓から飛んでいった。

大型車「」ドグッシャアアーーンッ ボオウ メラメラ…

…そして、民家の庭に垂直落下し、そのまま爆発炎上した。

ボロアパート妻&「「………」」ポカーン…

ボロアパートの親子は、大型車の突撃で破壊された住居を、呆然としながら眺めた。



ボロアパート妻が呼んだ警察が、事件現場に駆け付けた。

救急隊員が大型車の運転席から運転首を救助しようとしたが、もう手遅れだったようだ。

警官1「どういうことですかこれは…」

警官2「車が飛んできて、アパートを貫通し…庭に落ちた?」

ボロアパート妻「は、はい…。信じられないと思いますが、私にも何が何だか…」

警官1「…しかし事実として、起こったことですから…」

警官2「一体なぜ車が飛んだんでしょう?まさか、フレンズの力なわけがないし…」

警官1「そうともいえん。フレンズ性善説は崩れつつあるからな。アライさんはともかく、犯罪者予備軍のブラウンPみたいなのもいるし…」

警官2「この辺で、フレンズの姿を見かけませんでしたか?」

ボロアパート妻「フレンズ?ああ、白いアライさんのガキがいましたね…。窓から投げて殺したはずですが、死骸が無くなってて…」

警官1「白いアライちゃん?」

警官2「まさか…行方不明になっていたフレンズの赤ちゃんか!」



パルコアライちゃん「うゆぅ つ つかれたのああ ねむいのあー」ヨチヨチヨチヨチ ゲェップゥ

車「」

腹がいっぱいになり、眠気も強まってきたパルコアライちゃん。

パルコアライちゃん「ここでやすむのあー」ヨチヨチ スポッ

パルコアライちゃんは、車の…
後輪の前に、仰向けで寝そべった。

パルコアライちゃん「ねゆのあー」フッ

パルコアライちゃんは、野生解放の輝きを消し…

パルコアライちゃん「のだぁ…のだぁ…」zzz

そのまま寝てしまった。
どうやら、車の下を安全な寝床だと判断したようだ。

パルコアライちゃん「ふごごごがががががが…ぐぎごーーっがががが…」zzz

車「」キキキキィ ドルンドルンドルンドルン

やがて、車のエンジンがかかる。

車「」ブウゥウーン

車が発進したようだ。

車のタイヤ「」ギュルルルル メギメギ

パルコアライちゃん「ぎびいいいいいいいいいいいいいいいいいい ごぶえええええええ」ベチャァメシャゴギィブヂィ

タイヤの下敷きとなり、メリメリとお腹を轢き潰されていくパルコアライちゃん。
未消化のチョコレートが、口からドボドボと出てくる。

タイヤ「」グルングルングルン…

パルコアライちゃん「ぐぎびぃぃ いぎゃい やべ ぎびいいい おがーしゃああああああん ぴいいい」ブシャアア グルングルン

内臓を潰されたパルコアライちゃんは、タイヤに貼り付き、タイヤに合わせてグルングルンと回転した。

車「」ブウゥウーーン…

パルコアライちゃん「ぎびゃああああああああああああああああああああああああああ」グルングルングルングルングルングルングルン

そして、タイヤに引っ付いたまま、回転しながら車と共に遠くへ去っていった…。

つづく



~食通の友人の家~

食通の友人「うぉう~やっぱコタツは最高だぜ」ヌクヌク

電話「」プルルルルルル

食通の友人「はい、こちらジビエ料理店食獲者」ガチャ

ブラウンP『やあ、ショクエモンP。元気かい?』

食通の友人「ああ、元気だぜ。お前の方はどうだ」

ブラウンP『絶好調だ。まさに人生の絶頂にいる気分だ!毎日毎日アライ狩り!私の理想の生活がここにあったよ!』

食通の友人「…そ、そうか。なんか元気ではあっても平気じゃなさそうだな」

ブラウンP『君の友達のハンター君も大活躍だ。佐助くんとのコンビで、誰よりも多く…おっと、私の次に多く狩ってるよ』

食通の友人「はは、森で狩ったアライハザードか。そのジビエ肉をこっちに寄越してくれりゃいいのに」

ブラウンP『そういうわけにはいかないんだよな。冷蔵輸送のコストがバカにならないから、現地で焼いて軽くしてから運ぶに限るのさ』

食通の友人「…しかし、アライさんとはいえフレンズだろ…それをメラメラ焼くって、だいぶ悲惨な光景だな…」

ブラウンP『一般人目線ででは、だろう?』

食通の友人「ああ、そうだ。俺らにとっては…」



ブラウンP&食通の友人「悲惨なら、悲惨なほどイイ」



食通の友人「ははは!ハモったな」

ブラウンP『…』

食通の友人「ところで何の要件だ?話がしたいだけなら、それも悪くないから付き合うが」

ブラウンP『それもオツだけどね。一晩中アライ狩りのことを語り明かしたいけど、睡眠時間を削ると支障が出る。…ほら私、一斉掃討作戦のために全国をあちこち巡ってるだろう?』

食通の友人「ああ。作戦開始から5ヶ月ちょい。全国の予定地のうち、1/5くらいはもう終わったんだっけ?」

ブラウンP「そうだ。それで今、私たちは京都にいるんだ」

食通の友人「京都…ああ…。確かニュースで、アライさん達が歴史的な建造物を破壊して巣材にしてるって言ってたな」

ブラウンP『そう。まあ、それはともかく、生八ツ橋が最高に美味しいんだ!』

食通の友人「ほー」

ブラウンP『是非君にも食べて欲しいと思ってね。宅配便で贈ろうと思う』

食通の友人「そりゃあいい。ありがとな。今度何かお返しするぜ」

ブラウンP『ふふっ、楽しみにしててくれ』



…数日後…

業者「宅配便でーす」スッ

食通の友人「おう。どうも」ズシリ

食通の友人「…」スタスタ

食通の友人は、受け取った荷物を居間に持ち帰った。

フォアグライで巨万の富を得た富豪とは思えないほど質素な居間である。

きっと食通の友人には、ハデな暮らしは合わないのだろう。
しかし、巨万の富が彼の口座で眠っていることはあまり経済的に好ましいことではないのだが…

食通の友人「…」ストン

食通の友人「生八ツ橋…賞味期限は…10日」

食通の友人「…30個入りセット…」

食通の友人「…多いわッッッッ!!!」

食通の友人「これ一人用の贈りもんじゃねーだろッ!?」

食通の友人「えーと。1日3つ食えば、消費はしきれるけどさ…」

食通の友人「それでもこんな甘いもん、毎日3つて。…毎日はちょっとキツくね?」

電話「」プルルルルルル

食通の友人「はい、こちら…」

ブラウンP『ショクエモンP。お菓子は届いたかな?』

食通の友人「ああ。届いたけど…多すぎないか?これ」

ブラウンP『毎日食べても飽きないよ!私が認めた味だ。きっと君も気に入るさ!』

ブラウンPの声は上機嫌だ。

食通の友人「それは個人差あるだろ!?…まあ、ありがとうな。…」

ブラウンP『どうしたんだい?』

食通の友人「ああ。まあ、量が量だからさ。知り合いに配ったりとか…」

ブラウンP『は???????』

食通の友人「!?」

ブラウンPの口調が変わった。
明らかに上機嫌ではない。

ブラウンP『君は私が君宛に貰った贈り物を、私が知らないどこの馬の骨とも知らない輩に配るのかい?』

食通の友人「」汗タラー

食通の友人は料理人である故、好き嫌いはない。
あのアライビャックさえ食える鉄の胃袋と肝っ玉を持っている。

だが、甘党というわけではない。
むしろ、甘いものは嫌いではないがやや苦手な方だ。

毎日毎日けっこうな分量のある生八ツ橋を3つ食うのは、食通の友人には正直しんどいのである。

ブラウンP『マナーとか礼儀とか固いことは言わないけれど。…それをやられたこっちの気持ち、少しは考えてほしいところだな』

食通の友人(そっちの気持ちが分からねえから対応に困ってんだけど…)

ブラウンP『…ちゃんと全部食べて?』

食通の友人「ハイ」

ブラウンP『うん、いい返事だ』

食通の友人(…まあ、美味い菓子ではあるんだから。お茶といっしょにいただくとするか)

食通の友人は、お菓子の箱を開けた。

中には30個の生八ツ橋が、一つ一つ真空パックで区切られて入っている。

食通の友人「量が多いんだよなぁ」コポポ

お茶を飲みながら、生八ツ橋を1個食べる食通の友人。

食通の友人「…むん。前に京都に行ったとき、食ったことあったけど…やっぱ美味いな」モグモグ

食通の友人「ふぅ。ごっそさん」

食通の友人「…」

大分甘ったるさが口の中に溜まった。

食通の友人「今日中に、あと2個?」キョロ

時計を見ると、時間は20時を差していた。
食通の友人にとっては、もう甘いものをたくさん食べる時間ではない。

食通の友人「…明日5つ食べればいいや」スッ

食通の友人は、生八ツ橋の箱を閉め、こたつの上に置いた。

冷蔵庫に入れると、米粉が固くなってしまうため、常温保存が鉄則である。

食通の友人「さーて、筋トレして風呂入って寝るか…」スタスタ



深夜。
既に食通の友人は寝室で寝ている。

居間のこたつの上には、開封済みの生八ツ橋の菓子箱があった。

ところでこの、コタツのある居間。
天井には、穴を塞いだような痕が残っている。
この真冬に穴が残っていたら、部屋の寒さはきついことになっていただろう。




「なのだー」バリッ


…天井の修繕痕が、謎の声とともにバリッと破れた。

真っ暗な居間に、不似合いな賑やかな声が響き渡る。

???1「ふははー、あったかいのだぁ!」ヨジヨジ

???2「おそとはしぬほどさぶいのだ…。あたらしいおうちがみつかったのだ!」ヨジヨジ

…黒い影が、天井の穴から壁を伝ってゾロゾロと一例になって降りてくる。

???3「おかーしゃんもつれてきたかったのりゃ…」ヨジヨジ

???4「ふんふん、くんくん…。いーにおいすゆのりゃ!」ヨジヨジ

???5「ごはん!?ごはんなのりゃ!?ひさびさのごはんなのりゃ!」ヨジヨジ

???6「どこなのりゃ!?みんなでなかよくたべゆのりゃ!」ヨジヨジ

ゾロゾロゾロゾロゾロゾロ ヨジヨジヨジヨジヨジヨジ…

アライちゃん1「あっちなのだ!」
アライちゃん2~6「のりゃー!」シッポフリフリフリフリ

もはや隠すまでもない。
声の正体はアライちゃんであった。

皆、かなり痩せ細っている。
親はいないのであろうか…
大分食糧確保に苦戦しており、皆飢えているようだ。

アライちゃん1「あのうえにのってゆだ!」ヨチヨチヨチヨチ
アライちゃん2「たべゆのだぁ~!」ヨチヨチヨチヨチ
アライちゃん3「ごっはん!ごっはん!」ヨチヨチヨチヨチ
アライちゃん4「このふかふかをのぼゆのりゃ!わっちぇ!わっちぇ!」ヨジヨジヨジヨジ

アライちゃん1~6「「「わっちぇ!わっちぇ!」」」ヨジヨジ バリバリ

アライちゃん達は、こたつ布団に爪を食い込ませながら、こたつを登っていく。

爪を突き立てられたこたつ布団が、ズタズタに裂かれていく。

アライちゃん1「のぼったのだ~!≧∀≦」ニュッ

アライちゃん1は、こたつを登った。

アライちゃん2「あのなかからいーにおいすゆのりゃ!」ヨチヨチヨチヨチ

生八ツ橋は真空パックされたお菓子である。
しかし、先程食通の友人が1つ食べたため、真空パックが1つ空き、そこから匂いが漂ってきたのであった。

アライちゃん1~6「「「いくのりゃーー!!」」」シッポパタパタパタパタパタパタ

目をキラキラさせ(暗闇の中なので実際には輝いてないが)、
生八ツ橋の箱目指して突撃しようとするアライちゃん達。

アライちゃん1「うおー!たべゆのだ!」ヨチヨチヨ…ベッタアァアッ

アライちゃん1「ぴいぃぃっ!!?」ベチャアア

…突如、アライちゃん1の前足が、こたつの上にベッタリと貼りついた。

アライちゃん2「なにやってゆのだ!?さっさとすすむのだ!」ヨチヨチヨベチャアア
アライちゃん3「あらいしゃんがさきにたべゆのりゃー!うぅー!」ヨチヨチヨベチャアア
アライちゃん4「なんでとまゆのりゃ!?あとがつかえてゆのりゃ!あらいしゃんがさきに…」ヨチヨチヨチヨチヨベチャアア

アライちゃん達は、次々とこたつの上の粘着シートに貼り付いていく。

アライちゃん1~4「「「うゆううぅぅ~~~っ!!べたべたしてとれないのりゃああーーーっ!!」」」ウユウウゥゥ

アライちゃん5「なにしてゆのりゃ?」キョトン

アライちゃん1「うゆうぅ~っ!とれない!ひっついてとれないのだぁ~っ!≧皿≦;」グイグイ…

アライちゃん2「んみゅぅぅーっ!いもーと!あらいしゃんをひっぱゆのりゃあーっ!」モゾモゾ

食通の友人は、さすがに警戒していたのだろう。
粘着シートをこたつの上に仕掛けていたようだ。

普通にちゃんと蓋を閉めていけばいいのだが、親が開けてしまう可能性もあるだろう。

しかし、自分が買ったお菓子を、アライちゃん取りに利用されていると知ったら、ブラウンPはどんな顔をすることであろうか。

アライちゃん5「なんなのりゃ?」ヨチヨチヨチヨチヨベチャアア

なんとアライちゃん5は状況が分かっていないようであり、とりあえずこたつの上に登った。
そして、姉達同様にこたつの上の粘着シートに引っ付いた。

アライちゃん5「のりゃあああ!?なんなのりゃこのべたべた!んぅーっとれないい!」グイグイジタバタ

アライちゃん1「ぴいいぃぃっ!?おまえばかなのだ!?」ピイイィィイ

アライちゃん5「おねーしゃん!なんでさきにおしえてくれなかったのりゃ!がいじなのりゃ!」ベタベタジタバタ

アライちゃん1「だからさっきあらいゃんをしたからひっぱれっていったのだあー!がいじはおまえなのだぁ!」ピイイィィイ

アライちゃん6「し、したからひっぱゆのりゃ!」グイグイ

アライちゃん6は、アライちゃん1の尻尾をこたつの下から引っ張る。

アライちゃん1「びぃいー!いぢゃいのりゃあ!やめるのだああー!」ビエエエン

アライちゃん6「のあ…だったらどこをひっぱるのりゃ?」パッ

アライちゃん1「せなかとかおなかとかなのだぁ!」シッポブンブン

アライちゃん1~5「「「はやくとってぇ~~!」」」シッポブンブン

アライちゃん6「ふんーっ!ふんーっ!」グイグイ

アライちゃん1「うゆうぅぅ!とれない…のりゃー!≧д≦;」モゾモゾ

アライちゃん6は何度も何度もアライちゃん1を引っ張ったが、一向に取れない。

アライちゃん6「はぁ、はぁ…」パッ

アライちゃん1「うぅー、いもーと!とれるまでやるのだぁ!」シッポブンブン

アライちゃん6「…」

アライちゃん1「はやくとゆのだあ~!」ビエエエン
アライちゃん2「びぃぃぃーーっ!ぴいぃぃーーっ!とってぇー!ごはんたべたいぃー!たーーべーーたーーいぃーーっ!」シッポブンブンブンブン
アライちゃん3「ごはんー!うぅー!ごはんー!」シッポブンブン
アライちゃん4「いもーと!あらいしゃんをたしゅけゆのりゃああ!しまいのきずななのりゃあ!」
アライちゃん5「おかーしゃーんっ!ぴいぃぃっっ!おがーーしゃあああーんっ!」ピイイィィイ

アライちゃん6「…」

アライちゃん6はすっかり疲れていた。

この姉妹はここの所、ろくなものを食べておらず、飢えに飢えていたのである。
ここで食事にありつけなかったら、飢え死にする可能性は高い。

そして目の前には、美味しそうな食べ物。
アライちゃん6がとった行動は…


アライちゃん6「のりゃああ!」ヨジヨジヨジヨジ

アライちゃん6は、アライちゃん1の尻尾を掴んで、よじよじと登った。

アライちゃん1「のだあぁ!いだいのだ!なにしてゆのだあ!?」

アライちゃん6「のりゃ!のりゃ!」ヒョイ

アライちゃん1「うぅー、あらいしゃんのうえにのぼったのか!それでどうすゆのだ?」

アライちゃん6は、アライちゃん1の上に登った。
そして…

アライちゃん6「のりゃ!のりゃ!」ヨチヨチヨチヨチ

アライちゃん1~3「ぴぃ!?」

アライちゃん1~3を足場として上に乗って歩き、八ツ橋の箱へ向かった。

アライちゃん6「のりゃー!」ピョーン

そして、お菓子の箱に向かってジャンプし…

アライちゃん6「やったのりゃー!」ポトッ

…八ツ橋へ辿り着いた。

アライちゃん6「たべゆ!たべゆのりゃ!」カパッ

そして、お菓子箱の蓋を開けて…

アライちゃん6「たあー!」バリバリ

生八ツ橋を1個、真空パックから取り出す。

アライちゃん6「とったのりゃー!」ガシィ

アライちゃん1「よこすのだー!」ヨダレダラダラ
アライちゃん2「あらいしゃんもたべたいのだー!」ジタバタ
アライちゃん3「ごはんー!」ヨダレダラダラ
アライちゃん4「こっちにもほしーのりゃあ!」ヨダレダラダラ
アライちゃん5「んぅぬぬぬぬぬ…!」ベリベリ


アライちゃん6「はぐっ!」パクッ

そして…姉達が見ている前で、美味しそうにかぶりついた。

アライちゃん6「はぐっ!はぐっ!もぐもぐっ!おいちーのりゃあ!(((≧'ω(≦ )))」クッチャクッチャクッチャ

アライちゃん6は、両手で生八ツ橋を掴んで食べる。

アライちゃん1「たべたいのりゃー!こっちにもー!」シッポブンブン

アライちゃん6「げぇーっぷ!もいっこたべゆのりゃ!」バリバリ

久々の食事だ。
ここで食い溜めする気であろう。

アライちゃん6「もいっこ!もぐもぐ!くっちゃくっちゃ!」クッチャクッチャ

アライちゃん2「うぅーはやくあらいしゃんによこすのだーー!はやくー!はあーーやーーくーーー!」ジタバタシッポブンブン

アライちゃん6「おいちーのりゃあ!ふわっふわのあまあまおいちーのりゃあ!はむっ!」クッチャクッチャ

アライちゃん6は姉妹に目もくれず、次々と生八ツ橋を平らげていく。

アライちゃん5「うゆうぅぅー!」グイイイッ

アライちゃん4「のりゃ?」

アライちゃん5は、アライちゃん4をぐいぐいと押し…

アライちゃん5「とれたのりゃあ!」ベリベリ

粘着シートからの脱出に成功した。
元々接着面が小さかったためだろうか。

アライちゃん4「い、いもーと!あらいしゃんをひっぱってたすけ…」

アライちゃん5「のりゃのりゃのりゃー!」ヨチヨチヨチヨチ

アライちゃん1~3「「「ふみゅぅ!?」」」

アライちゃん5は、アライちゃん1~3を足場にして…

アライちゃん5「あらいしゃんもたべゆのりゃー!」ピョーン

お菓子箱へ飛び乗った。

アライちゃん5「おいちーのりゃあ!たべものおいちーのりゃああ!」モグモグモグモグモグモグ

アライちゃん6「ううぅーぜーんぶたべゆのりゃーー!」クチャクチャクチャクチャクチャ

アライちゃん5&6は、次々と生八ツ橋を平らげていく。
もう半分以上食べてしまった。

アライちゃん5「げぇーっぷ…おなかいっぱいなのりゃ…」サスリサスリ…

アライちゃん6「まんぷくなのりゃ…」サスリサスリ…

2匹のお腹はパンパンに膨らんでいる。

アライちゃん3「だったら、あらいしゃんによこすのりゃあ!」ヨダレダラダラ
アライちゃん4「こっちになげゆのりゃあ!」ヨダレダラダラ

助けを求めるアライちゃん1~4。

アライちゃん5「でも…ずっとたべれないかもしれないのりゃ…!はぐっ!」モグゥ

アライちゃん6「がんばって…くいだめすゆのりゃ!がぶっ!」クッチャクッチャ

しかし、それでもまだまだ食べ続ける。
今までの餓えを満たすかのように。
数日分くらいの栄養を蓄えを、その小さな体に詰め込んでいく。

アライちゃん1「ぴいぃーーっ!なんでたしゅけてくりぇないのだああっ!うらぎりものおおおっ!」シッポブンブン
アライちゃん2「あらいしゃんだけでもいーからたしゅけてえええっ!」ビエエエエン
アライちゃん3「ふぅーっ!ふぅーっ!いじわゆなのりゃ!おかーしゃんにいうぞおぉ!」
アライちゃん4「たべたいたべたいたべたいーーっ!あらいしゃんもたーーべーーたーーいぃーーっ!」ジタバタシッポブンブンジタバタシッポブンブン

アライちゃん5「ふぅ~っ、おなかいっぱいなのりゃ…」ゴロン

アライちゃん6「もうたべれないのりゃ…」ゴロン

アライちゃん5、6のお腹はもうパンパンに膨らんでいる。

残る八ツ橋はもう4個しかない。
つまり、アライちゃん2匹の小さな体に、25個もの生八ツ橋が収まったということだ。

驚異的な食い意地と言わざるを得ない。

アライちゃん1「うぅー!いもーと!それをあらいしゃんにぜんぶよこすのだー!」ジタバタ
アライちゃん2「うそなのだ!あらいしゃんによこすのだー!」ジタバタ
アライちゃん3「たべたいたべたいたーーべーーたーーいぃーーっ!」ジタバタ
アライちゃん4「はやく!うえじにしそーなのりゃああっ!」ジタバタ

アライちゃん5「うゆちゃいのりゃ!あらいしゃん、おなかぺこぺこだったのりゃ!しんじゃいそーだったのりゃ!」

アライちゃん6「あらいしゃんにはせんけんせーがあゆのりゃ!しょーらいうえじにしないために、いまくいだめすゆのりゃ!」

アライちゃん1~4「「「よくばり!がいじぃーーーっ!」」」ピイイィィイ

アライちゃん5「あさになったらまたたべゆのりゃ~」ゴロン

アライちゃん6「おなかすいてからたべゆのりゃ~」ゴロン

2匹は、お菓子箱の上でねっころがった。

アライちゃん5「ふぅ~…」ユッタリ

アライちゃん6「あったかいのりゃ~」ユッタリ

アライちゃん達は、菓子箱の上で寝転がり、大量の生八ツ橋を胃の中で消化している。

アライちゃん1~4「「「ぴいいぃぃーっ…!」」」シッポブンブンブンブンブンブン



~翌朝~

食通の友人「ふー、いい汗かいたぜ。朝飯でも食うか」スタスタ

朝の筋トレとシャワーを終えた食通の友人が、朝食をおぼんに乗せて居間へ向かった。

山菜のお浸し、ひじき、たくあん、納豆、味噌汁など、健康的なメニューである。

ノリャ… ノリャ…

食通の友人「…なんか騒がしいな…」スタスタ

~居間~

食通の友人「」

食通の友人は、朝食の乗ったおぼんを持ったまま絶句した。
居間で食通の友人が見たのは…

アライちゃん5「すぴー…すぴー…」zzz
アライちゃん6「ぐがー…ごが…」zzz

空になった菓子箱の上で寝ている2匹のアライちゃんと…

アライちゃん1「…ん?いいにおいがすゆのだぁ!」ピクッ
アライちゃん2「くんくん!…ぴいぃ!?ひとしゃんがたべものもってきたのりゃ!」
アライちゃん3「ひとしゃん、あらしんのおにーさんなのりゃ?たべものくれゆのか?」シッポフリフリ
アライちゃん4「それあらいしゃんにたべさせゆのりゃ!はやく!はーやく!」シッポフリフリ

…こたつの上に貼っておいた粘着テープにひっついた、4匹の痩せたアライちゃん。

そして、天井に空いた穴であった。

食通の友人「…」

生八ツ橋をこたつの上に置いといたのは、いつでもお茶菓子として食えるようにするためだ。

…まさか…
まさかもう、アライちゃんが侵入してはこないだろう、と思っていた。

だが、そのまさかが怖いから、アライちゃん対策の粘着テープを貼っていた。

しかし、まさかこんなにたくさんのアライちゃんは来ないだろうと思っていた。

そのまさかが起こってしまったのである。

食通の友人「………ぁああああああーーーーーーめんどっくっせぇえええーーーーーー…」

食通の友人「アラ虐すんのもめんどくせえ!」

食通の友人「俺今日朝から重役会議なんだぞ!?フォアグライ特許売却の!!どうしてくれんだクソが!!」

アライちゃん1~6「「のあっ!?」」

アライちゃん5「の、のあ…?」オナカパンパン

アライちゃん6「ど、どなったのりゃ!こあいのりゃ!に、にげ…」ヨチヨチ…

食通の友人「逃がすかよクソボゲェ!!」バァン

菓子箱の中の声『ぴぎっ!?』

食通の友人は、アライちゃん5&6が逃げ出す前に、菓子箱の蓋を閉めた。

菓子箱の中の声『ピギー!ピギー!』ガサゴソ

菓子箱の中の声『あけゆのりゃあ!だすのりゃあ!』ガサゴソ

菓子箱の中のアライちゃん達が、脱出しようとして中からグイグイと押し返してくる。
しかし食通の友人は、鍛えに鍛えた格闘技の選手のような太い腕で、蓋を上から押さえつける。

食通の友人「るっせーなぁ…。今日忙しいんだよ…」グイイイッ

アライちゃん1「ぴいぃ!?」
アライちゃん2「あ、あらあんちがいじなのりゃ!?」
アライちゃん3「にげゆのりゃー!ふんぬぐぐぐぐ!ふぐぎいいいい!」モゾモゾジタバタ
アライちゃん4「ひとしゃん、そのたべもの、はやくよこしゅのりゃあ!」シッポフリフリ

食通の友人「うるせーよクソッタレ共が!」ペリペリ

食通の友人はこたつから、アライちゃん1~4が張り付いたままの粘着テープを剥がした。

アライちゃん1「のあっ!?」
アライちゃん2「たしゅけてくれゆのか!?いーやつなのりゃ!」

食通の友人「しゃらくせーボゲが!」ペタペタペタペタ

アライちゃん1~4「「「ぴいいぃぃ!?」」」

そして、なんと。
食通の友人は、お菓子箱を粘着テープで包み込み、クシャクシャに丸めてくるんでしまった。

アライちゃん姉妹6匹がくるまれた、粘着テープボールの完成である。

粘着テープボールの中の声『ぴぎいぃぃぃぃーー!?だちて!だちてえええ!!』ガサゴソ

粘着テープボールの中の声『ひとしゃん!こんなわゆいことだめなのりゃ!やめゆのりゃ!かいしんすゆのりゃあ!』ガサゴソ

粘着テープボールの中の声『おかーしゃあああーーんっ!おがーしゃああんっ!』ガサゴソ

粘着テープボールの中の声『うゆぅー!だせーー!だぁーーせえー!
だすのだぁ!』ガサゴソ

粘着テープボール『ピギー!ピギー!』ガサゴソガサゴソ

食通の友人「フゥーッ、フゥーッ、このクソ共が…。てめーらに構ってる暇はねえ。このままゴミ箱に…」

その時、天井の穴から冷たい風が吹いてくる。

食通の友人「ひっくし!」

電話「」プルルルルルル

食通の友人「はい。こちらフォアグライ加工場の取締役の…」ピッ

秘書『ショクエモンさん、今日のお客さん達だけど、電車の都合で2~3時間遅れるそうです』

食通の友人「…近くのホテルに泊まったりとかしてないの?」

秘書『当日移動の予定だそうです。まあ、いつも通りの時間の出社で大丈夫ですよ。では』ピッ

食通の友人「…」

粘着テープボール『おいっ!ひとしゃん!わるふざけはよすのだ!』モゾモゾ

粘着テープボール『はやくだしてなのりゃあ!あらいしゃんがかわいそーなのりゃ!』モゾモゾ

食通の友人「…」スチャ

食通の友人は、居間にビデオカメラを設置し、録画を開始した。

粘着テープボール『なんとかいうのりゃああ!』モゾモゾ

食通の友人「やかましいよ!ウラァ!」ドッガァアアッ

粘着テープボール『ぎびぃぃぃいいーーーっ!?』ボーンッ ドカッ

食通の友人は、ボールを壁に向かって蹴り飛ばした

ボールは壁にぶつかって、ちょっと跳ねて落ちた。

食通の友人「フゥーッフゥーッ、運動し足りなかったんだよなぁ!」ガシィ

食通の友人は、粘着テープボールを抱え上げる。

一匹が2キロと考えると、このボールの重さは12キロ以上である。
なかなかの重さだ。

粘着テープボール『いぢゃいのりゃあああ!ひとしゃん!やめゆのりゃあ!』ガサゴソ

粘着テープボール『あらいしゃん、なんにもわゆいことしてないのりゃあ!』ガサゴソ

食通の友人「てめーら、そんなに出して欲しいか?」ハァハァ

粘着テープボール『だしてほしいのりゃあ!』ガサゴソ

食通の友人「…いいぜ、俺の…本気の運動に、耐えられたらなあ!だぁりゃあ!」ドガァ

食通の友人は、粘着テープボールをパントキックした。

粘着テープボール『ぎびいぃぃーーっ!』ゴロンゴロン

食通の友人「…中身が見えねえと、あんまおもしろくねえな…。だがまあ、構うもんか!」ドガァ

粘着テープボール『いぢゃいのりゃあああああっ!』ポーン ゴロゴロ…

そのまま食通の友人は、粘着テープボールを自宅のトレーニングルームまで蹴って運んだ。

~トレーニングルーム~

食通の友人「ヒァリャァアー!」ドッガァアアッ

食通の友人は、粘着テープボールを蹴り転がした。
部屋の様子や音は、しっかりとビデオカメラ録画・録音されている。

粘着テープボール『ぎびぃぃぃいいいーーーっ!いぢゃいいいぃいぃーーーっ!あんよいぢゃいいいぃーーっ!』

粘着テープボール『おえええっ…げぇええええーーーっ!!!』

粘着テープボール『げぼっ…おごええええええっ…!げぼっ、げぼおぉっ!!』

粘着テープボール『ひぐっ、ひ、ひとしゃん、やべでぇ、し、しんじゃうのりゃああ!いぢゃいのりゃあ!』

食通の友人「知るかッ…」ヒョイ

食通の友人は、ボールを抱えあげて…

食通の友人「クソボゲェーーーッ!!」ブンッ

バスケットのゴールへ投げた。

粘着テープボール『ぶぎいぃぃ!』ドガァ

そして、ゴールのリングに当たり…

粘着テープボール『じび!!!』ヒュー… ドチャアッ

床に落下した。

粘着テープボール『ふぎーっ…ふぎーっ…』

粘着テープボール『』ビグッガグッビググッビグンビグンビグンブルルッビグググッ

粘着テープボール『おごえええっ…うえええっ…はー、ひっ…げほっ…』

粘着テープボール『ああ…えーよーぜんぶでちゃったのりゃあ…くいだめしたのにぃ…』

粘着テープボール『ひ、ひとしゃん、なんでもすゆがらやべで…こ、こーびすゆかりゃぁ…!』

食通の友人「まだ喋れんのか。お次は…」ガシィ

食通の友人は、ボールをネットの中に入れた。

食通の友人「ハンマー投げだオルルァア!!」グルングルングルングルングルン

そして、ネットをぐるぐると回し始める。

粘着テープボール『ぴぃぃいいぃ!?』グルングルングルングルン

食通の友人「吹っ飛べェーーーッ!」パッ

そして、ネットから手を放す。

粘着テープボール『のあああああああっ!!?』ヒューーーーーーン

粘着テープボールは、どんどん飛距離を伸ばし…

粘着テープボール『ぴぎぃ!』バァン

天井にぶつかった。

粘着テープボール『ぎ…び…』ヒュウウウウ

粘着テープボールの落下地点めがけて、食通の友人は走った。
そして…

食通の友人「ドロップキィーック!!」ドッガァアアッ

粘着テープボール『ぷぎ!!』ボグギィ

食通の友人が助走をつけて走り、ドロップキックをかました。

粘着テープボール『』ドチャアッ

食通の友人「はぁはぁ…そろそろかな。シャワーもう一回浴びて出社する時間だな」

粘着テープボール『』ビグッガグッビググッビグンビグンビグンブルルッビグググッ

粘着テープボール『』ビグンビグンビグンブルルッビグッガグッビググッビグググッ

粘着テープボール『だ…じ…で…』

食通の友人「お?まだ生きてる奴がいるか」

粘着テープボール『あ…あらい…しゃ…げぼっ、ごぼっ、たえたの…りゃ…』

粘着テープボール『からだじゅう、べとべとなのりゃ…だじで…』

食通の友人「ああ。約束通り、出してやるよ」ヒョイ

食通の友人は、粘着テープボールを持って、キッチンへ向かった。

食通の友人「出してやるさ…燃えるゴミになぁ!」ポイッ

粘着テープボールは、燃えるゴミの箱へダンクシュートされた。

粘着テープボール『ぎび…は、はやぐ…!おえええっ…いぢゃいいぃ…!』

食通の友人「…」グルグル

そして、燃えるゴミからゴミ袋を取り出し…

食通の友人「あばよ」ポイッ

粘着テープボール『ぎびっ…ひ、ひとしゃん…!?』ドサッ

ゴミステーションに捨てた。

やがて、ゴミ収集車が来た。

業者「よーし詰め込むぞー」ヒョイヒョイ

ゴミ袋「」ポイポイ

ゴミ収集車「」グイーン ベキベキ

ゴミ収集車に投げこなれたゴミ袋が、プレスされて収納されていく。

業者「よーし次」ガシィ

ゴミ袋『うぐっ…ぐゆじいのりゃ…ひとしゃ…あげで…』

業者「…」

業者「…俺は何も聞かなかった」ヒョイ

ゴミ袋『い、いきが、くゆしい…だぢ…で…』ポーイ

ゴミ収集車「」グイーン ベキベキ

ゴミ収集車に投げこなれたゴミ袋が、プレスされて収納されていった。

~ゴミ焼却場~

ゴミ収集車「」ブゥーーーン

焼却場にゴミ収集車が、バックしてやってきた。

ゴミ収集車「」ガコン ドサドサドサッ

そして、焼却炉へ収集したゴミ袋を捨てた。

ゴミ袋『うゆ…ひ、ひっ…あけて…だれが…あげゆのりゃ…』ゴウンゴウン

ゴミ袋は、コンベアーで運ばれていく。

そして、焼却炉の中へ落ちた。

ゴミ袋『のだっ!』ドサッ

焼却炉には、たくさんゴミが溜まっている。

ゴミ袋『…おねーしゃ…おねーしゃ…!だれが、いきてゆのりゃ…?』

ゴミ袋『…いもー…と…』

ゴミ袋『おねーしゃ…!』

ゴミ袋『なんで、あのとき、ごはん…ひとりじめ…しだのだぁ…!』

ゴミ袋『だって…また、おなかぺこぺこになるのが…こわかったのりゃあ…!』

ゴミ袋『あらいしゃん…だって…たべたかった…のりゃああ…!ばかぁ…がいじぃ…!』

ゴミ袋『うゆぅ…!べとべとにひっっついたおねーしゃんがわゆいのりゃあ!がいじ!』

ゴミ袋『なんだとぉ!がいじはおまえなのだ!いもーとのがいじ!がいじぃぃぃっ!』

ゴミ袋『おねーしゃんこそ!がいじなのりゃああっ!』

ゴミ袋『がいじがいじがいじがいじがいじがいじ!』

やがて、焼却炉の焼却が始まった。
炉内に炎が広がる。

ゴミ袋『がいじがいじがいじがいじがいじがいじがいじがいじがいじがいじがいじがいじ!!!』

ゴミ袋『がい…びぃぃぃぃっ!あぢゅい!あぢゅいのりゃあああああっ!』メラメラ

ゴミ袋『うっ…げほごほ!あぢゅい!やなのりゃああ!だじゅげでええっ!おがーしゃあああんっ!!』メラメラ

ゴミ袋『あぢゅいいいいいいのりゃあああああーーーーーーーーっ!!ぎびぃいいいいいいいいーーーーーーっ!!』ボオオオオオ



燃えカス「」プスプス…

焼却炉の燃えカスに、6セットのアライちゃんの白骨が埋まった。

ゴミとは、人間社会においてその役目を果たし終わった存在である。

かつては有益であったものでも、役目を果たせば邪魔になる。

社会から取り除かれ、存在を消されるとともに、ゴミはその役目を終えるのである。

全ての生き物は、自然界から『生きる』という役目を授かったはずであるが…
アライちゃん達は、その役目を見事に終えたのであった。



~夜、食通の友人の家~

食通の友人「ふぅー無事商談がまとまったぜ」スタスタ

居間に戻ってきた食通の友人。
天井の穴は、業者が応急対応として塞いでくれたようだ。

電話「」プルルルルルル

食通の友人「はい、こちらフォアグライ加工場の取締役…」

ブラウンP『今日も一日お疲れ様。私だ』

食通の友人「…お、おお…」

ブラウンP『どうだった?八ツ橋はもう食べたかい?』

食通の友人「…あー。一個は食ったけど、残りは、それが…」

ブラウンP『それが?』




食通の友人「…夜中のうちに、侵入してきたアライちゃん達に…残り全部食われちまった」

ブラウンP『……………は??????』


所でショクエモンP家2回もアライさんに侵入されてるけど、どこに住んでるの?

話が進む途中で引っ越しとかした?

食通の友人「夜中のうちにさ、天井に穴空けて入ってきたみたいで…。残りの八ツ橋、29個全部…食われてた」

ブラウンP『…』

食通の友人「…悪い。俺の警戒が足りなかった」

ブラウンP『殺す』

食通の友人「ヒッ!わ、悪かった!俺が悪かった!すまねえ!ディスパッチ動画送るからよ!」アセアセ

ブラウンP『君のことじゃない』

食通の友人「え」



ブラウンP『害獣
殺す。全て殺す』プツッ

電話「」ツーツーツー

食通の友人「…切られた…」

食通の友人「とりあえず、ボール蹴り転がした時の動画でも送っとくか」ピッ

食通の友人は、居間とトレーニングルームで撮影した動画を送信した。

食通の友人「…」ピローン

食通の友人「…メールが返ってきた」ピッ

『いい筋肉だね。首筋を伝う汗もいい。ついでに害獣の悲鳴もいい。全部ありがたく使わせてもらうよ』

食通の友人「…使うって…何に使うんだ?…MAD素材とかか?」

…一斉掃討作戦本部…

指揮官「特別遊撃隊?」

ブラウンP「はい。私一人を、他の隊員とは別行動として、自由に動き回らせてほしいんだ(怒)」

大臣「ど…どういうことなのですか?」

ブラウンP「はっきり言って、他の隊員達に合わせてノロノロ進むんじゃ、効率が悪い。野生解放した私を、単独部隊としてほしいんだ(怒)」

大臣「そ、それは…!もしアライさんを殺し損ねて、アライさんに情報が伝わったら…!」

ブラウンP「殺し損ねない。全て殺す。レーダーと嗅覚でどこまでも追い詰めて殺す(怒)」

指揮官「しかし、単独では…。もしも怪我したとき、誰もすぐ救援に行けませんよ?」

ブラウンP「必要ない。野生解放した私が、野良アライさんに負傷させられるわけがない」

指揮官「いやしかし…」

会長「構わないのです」

大臣「会長!?」

会長「良いのです、ブラウンP。ただし、殺したアライさんの位置はちゃんと全部回収マーカーのアプリで地図に情報を送るのです」

ブラウンP「…ありがとう。害獣を、全て駆除してやる…一匹残らず…!」ゴウッ

大臣「ここで野生解放するのですか!?」

そうして、ブラウンPは単独遊撃部隊として、全国を駆け回った。

アライさん1000「ぎびいいいいーーーっ!」ブシャアアア

アライさん2000「ぐぎびぃ!いだいのだあああああ!!」ブシャアアア

アライさん3000「あぁああああ!アライさんの脚がああああ!!」ブシャアアア

アライちゃん4000「だぢゅげでええええーーーーっ!」ブシャアアア

アライちゃん5000「あ、あらいしゃん、わゆいごとしてないの…じびぃぃぃぃーーぇええーーーっ!」ブシャアアア

アライさん6000「しにだくない!しにだ…ぐぎゃあああーーーっ!」ブシャアアア


…アライさん駆除のペースは、それまでの5倍以上に跳ね上がった。



~どこかの森~

アライちゃん7000「や、やべで…たべないで…」ピクピク

クロケット帽アライちゃん1「(((≧'q(≦ )))」クチャクチャモグモグ

クロケット帽アライちゃん2「(((≧'u(≦ )))」クチャクチャモグモグ

クロケット帽アライさん1「もぐもぐ…。くちゃくちゃ…!げぇっぷ、やっぱりアラジビは最高なのだ!」

クロケット帽アライさん2「ふはははあー!みんなどんどん強くなってるのだぁ!」

アライスター・グローリー「ふふーん!これだけの力があれば、あいつに…ID1番に、復讐できるのだ…!はああっ!」キュイイインッ

アライスター・グローリーの体が、野生解放の輝きに包まれる。

アライスター・グローリー「エリート気取りになって、勝手にアライさん達をカースト最底辺として決めつけたあの高ピーを!足蹴にしてやるのだ!」シュウウウウ

クロケット帽アライさん1~10「「「「なのだー!」」」」ゴウウウッ

アライアンスのメンバー達も、野生解放の光に包まれる。

アライスター・グローリー「アライさんは忘れないのだ…。慢心しないのだ…」

アライスター・グローリー「ヤマゴヤ…ID1番は、10人以上で武装して暗殺を仕掛けたにも関わらず、単独で全員殺り返した化け物なのだ」シュウウウウ

アライスター・グローリー「奴を殺すために!アライさん達は、食糧収集任務の最中に逃げ出し、密かに結託したのだ…!」シュウウウウ

クロケット帽アライさん達「「「山小屋に死を!なのだー!!」」」

アライスター・グローリー「時は満ちた!山小屋に行くのだ!やつらの天下を終わらせるのだ!」ザッザッ

クロケット帽アライさん達「「「なのだー!」」」ザッザッ

そこへ…
一筋の光が、稲妻のようにやってきた。

ブラウンP「ははははははははは!ああーーーっはっはっはっはッ!!!」タタタタタ シュウウウウ

…ブラウンPであった。

クロケット帽アライさん1「何者なのだ!?」

クロケット帽アライさん2「フレンズなのだ!野生解放してるのだ!」

クロケット帽アライさん3「こっちも全員野生解放なのだ!アライアンスの力を見せるのだ!」シュウウウウ ゴウッ

クロケット帽アライさん4「弓矢、構えー!」キリキリ

クロケット帽アライさん達「「「うおおおおーーーー!」」」バシュバシュバシュ

クロケット帽アライさん達は、ブラウンPに向かって矢の雨を放った。

冬月「勝ったな」

ゲンドウ「ああ」

しかし…

ブラウンP「遅い遅い遅い遅い!!!」ガシシュバガシシュバガシシュバガシシュバガシシュバガシシュバ

ブラウンPは自分に向かって放たれた全ての矢を、それぞれ一瞬で掴んで投げ返した。

クロケット帽アライさん1「ぐぼげええ!」ドズウウゥゥ ドサッ

クロケット帽アライさん2「ぎびぃぃいーー!!?」ドグシュウウゥッ ドサッ

クロケット帽アライさん3「ぎひいぃーーーっ!」ブシャアアア ドサッ

クロケット帽アライさん4「あぱぁーーうぅぅーーっ!」ブシャアアア ドサッ

矢を放ったアライさん達全員の額に、矢が突き刺さった。

クロケット帽アライさん1~4「」ビグンビグンビグンブルルッビグググッジタバタビッタンバッタンビタンバタタッ

ブラウンP「無駄無駄無駄ぁああ!」タタタタタ

クロケット帽アライさん5「な…!?」

クロケット帽アライさん6「何なのだあいつ!?化け物なのか!?」

アライスター・グローリー「みんなでぶっ殺すのだ!あいつの肉は美味いのだーっ!」タタタタタ

クロケット帽アライさん5~10「「「なのだーーー!」」」ダッ

ブラウンP「ぐぁるるるぅーーっ!がるるるぅううーーーっ!がぁうっ!」スバァドバァドグシャアズバビシャア

クロケット帽アライさん5「ぐぎびぃぃぃーーーーーっ!」ブッシュウウウゥウ ドサァ
クロケット帽アライさん6「のだぁあーーーーーーーー!?」ブシャアアア ドサッ
クロケット帽アライさん7「ぐぼごげぇーーーーーっ!!」ブシャアアア ドサッ
クロケット帽アライさん8「がぶひぃ!」ブシュウウ ドチャアッ
クロケット帽アライさん9「や、やめ、ゆるし…ごぶふぅ!」ブシャアアア ドサッ
クロケット帽アライさん10「ぶぎぃいいいっひいぃぃ!」ブッシュウウウゥウ ドサッ

野生解放していたクロケット帽アライさん達は、ブラウンPの手刀で一瞬にして致命傷を負い、血の海に沈んだ。


クロケット帽アライちゃん1「ぴいいぃぃぃ!」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチ
クロケット帽アライちゃん2「んぐ、んぐ!あらじびおいちーのりゃあ!(((≧'u(≦ )))」クッチャクッチャ
クロケット帽アライちゃん3「たべてゆばーいじゃないのりゃああ!」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチ
クロケット帽アライちゃん4「ぴいぃーーーっ!にげゆのりゃあーっ!」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチ
クロケット帽アライちゃん5「のりゃ!のりゃ!」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチ

クロケット帽アライちゃん達は、必死のヨチヨチ歩きで逃げ出す。
ヨチヨチ大相撲で鍛えたその足腰があるためか、普通のアライちゃんより数倍速い。

アライスター・グローリー「に…逃げるのだあああ!みんな退却なのだ!生き延びれば、いつか勝機を得るチャンスはあるのだ!」タタタタタ

クロケット帽アライさん11~20「なのだー!」タタタタタ

クロケット帽アライさん達は、アライちゃん達を抱き抱えて逃げる。

ブラウンP「逃がさないよ!」ズバアアァ

アライスター・グローリー「」ズバァブシャアアア

アライスター・グローリーの頭「」ゴロン ブシャアアア

アライスター・グローリーの体「」ビッタンバッタンビタンバタタッ

クロケット帽アライさん11「あ、アライスター様ぁああ!?」

ブラウンP「自分の心配をすること…だねっ!」ズバァ

クロケット帽アライさん11「ぐぼおおおおぉぉーーっ!」ブシャアアア

クロケット帽アライさん12「がぶぎゅううううっ!」ブシャアアア

クロケット帽アライさん13~20「のだぎゃぁああーーーーっ!」ブッシュウウウゥウ ドサドサドサッ

アライアンス構成員の成体アライさん達は、なす術なく血溜まりに沈んだ。

ブラウンP「あとは…おちびちゃんだけか」

クロケット帽アライちゃん1「ぴ…ぴっ…」ウルウル
クロケット帽アライちゃん2「あらいしゃんはさいきょーなのりゃ!おまえなんかやっつけゆのりゃ!たあ~!」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチ
クロケット帽アライちゃん3「たちゅけてええええーーっ!」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチ
クロケット帽アライちゃん4「やめゆのりゃーーっ!くゆなああーーっ!」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチ

ブラウンP「アライちゃん殺す!全部殺す!」ザグザグズバズバァ

クロケット帽アライちゃん1「ふぎゃあああああーーーっ!!」ブッシャアア
クロケット帽アライちゃん2「See you in hell.」ブッシャアア
クロケット帽アライちゃん3「ぷぎぃぃいぃーーーーーっ!!」ブッシャアア
クロケット帽アライちゃん4「ぎびぃぃーーーーーっ!!」ブッシャアア
クロケット帽アライちゃん5「ぴぎいぃぃぃーーーーっ!!」ブッシャアア
クロケット帽アライちゃん6「ふぎゅぶぅぅーーーーっ!!!」ブッシャアア

クロケット帽アライちゃん達「」ビグンビグンビグンブルルッビグググッジタバタビッタンバッタンビタンバタタッ…

ブラウンP「ふぅ…」

アライアンスの構成員は、全員生命活動を停止…死んだのだ。
果たして彼女達が、何を企んでいたのか…
何を為そうとしていたのか…
それは地獄でインタビューしなければ分からない。

ブラウンP「どれ、アラジビで腹ごしらえでもしようかな。もぐもぐ…」モグモグ

アライスター・グローリー「」グチャグチャ

ブラウンP「ふほー美味い!なんだこいつら、美味すぎる!!脳味噌までしっかり頂こう」モグモグ シュウウウウ…

ブラウンPの体が一瞬、EXPを得た輝きを放った。



~大久野島~

ザザーン…

山小屋アライさん「げほごほ…へっくし!」

白衣のフレンズ「どうしました?」

山小屋アライさん「いや…。今頃、山小屋はどうなってるかなって…もう解体されたのかなって、思ったのだ」

白衣のフレンズ「山小屋ですか」

山小屋アライさん「あそこでみんなと一緒に食べるゴハンは美味しかったのだ…げほ!ごほ!」

白衣のフレンズ「風邪?いや…免疫力が下がってるようですね…」

山小屋アライさん「…気にしなくていいのだ。ぜぇ、はぁ…」ハァハァ

白衣のフレンズ「…ちょっとこれを、飲んでみては貰えませんか?」スッ

白衣のフレンズは、何かの食品パックを取り出す。
どうやらゼリーのようだ。

山小屋アライさん「これは…何なのだ?」

白衣のフレンズ「大臣とシロウ主任からの贈り物です」

山小屋アライさん「いただくだ。んぐんぐ…」チューチュー

山小屋アライさんは、ゼリーを吸って食べる。

山小屋アライさん「…!?こ、これは…」

白衣のフレンズ「いかがですか?」

山小屋アライさん「…はぁ、はぁ…。凄いのだ…」

白衣のフレンズ「体の調子が良くなりましたか?いえ…調子が『良く見せる』状態を保てるようになりましたか?」

山小屋アライさん「…何なのだ、これは?」

白衣のフレンズ「サンドスターチャージャー。我々と大塚製薬が共同開発した栄養食品です」

山小屋アライさん「…」

白衣のフレンズ「あなたが今、一番欲しかったものはこれではありませんか?」

山小屋アライさん「…分かっていたのか…」

白衣のフレンズ「予想でしたがね。当たったようですね」

山小屋アライさん「アライさんのこと…軽蔑するか?」

白衣のフレンズ「大臣やシロウ主任は、しないでしょう…」

山小屋アライさん「…そうか…」






白衣のフレンズ「もっとも、『私は』軽蔑しますがね」

山小屋アライさん「っ…!?」

白衣のフレンズ「まあ、作戦行動中は…、それを表に出しはしませんよ」スタスタ

山小屋アライさん「…」

つづく



~冬、一斉掃討作戦本部~

ヒグマ「……」ウツラウツラ

ヒグマさん、大丈夫ですか?

ヒグマ「…ぁ~…私はいつも…冬になると…すごく眠くなる…」ウツラウツラ

ああ、熊は冬眠しますもんね。

ヒグマ「…いかん…眠眠打破…眠眠打破が切れた、買いに行かないと…」ヨロヨロ

いやいや!
そんな状態で戦えるわけがないでしょう!
あなただってその気になればブラウンPみたいな無双ができるでしょうけど、
隊員の安全確保のために我々と一緒にいるのがあなたの役目でしたね。

ヒグマ「そう…だ…私が、いないと…」ウツラウツラ

会長。リカオンさん。どう思います?

会長「ダメですね」

リカオン「寝かせましょう」

ヒグマ「す…すまない…」フラフラ

白衣のフレンズ「そういえばヒグマさん、お聞きしたいことがあるのですが」

ヒグマ「何だ?」

白衣のフレンズ「熊は冬になると、松ヤニ等を食べて糞を硬化させ、肛門に蓋をするそうですが…ヒグマさんは…」

ヒグマ「しないぞ!?同じ質問、ずっと前にもお前のとこの研究者にもされたぞ!」

白衣のフレンズ「おや、そうでしたか…」

ヒグマ「全く…。お前といい、チヘドローといい、私のことを何だと思ってるんだ…」

白衣のフレンズ「ヒグマかと」

会長「ヒグマなのです」

大臣「ヒグマなのでは?」

ヒグマですね。

リカオン「ヒグマでしょう?」

ヒグマ「…そうだよヒグマだよ…。お前ら全員食ってやろうかあああ!!!」ガオオオオ

大臣「」シュッ

ああ!大臣がシュッと細くなって木の枝に擬態したああ!!

会長「久々に見たのです」

ヒグマ「…ともかく…。冬の間、私は足手まといにしかならない…。大人しく寝てるよ…」フラフラ

お疲れ様です。



~サンドスター科学研究所~

理科の先生「教授は私がアライさん実験の報告をすると、なぜ泣き出すのでしょうか?」

研究員1「えぇ…ホントに分かって無かったんですか…」

理科の先生「教授がアライさん関連の実験で出した成果について、私が誉め称えたとき…という共通点がありますが、それでなぜ泣くか分からないのです」

研究員1「はあ…てっきりわざと泣かせてるのかと…」

理科の先生「とんでもございません。アライさん以外の知的生命体が涙する光景を見るのは心苦しいものです」

理科の先生「ましてや我が敬愛する教授を泣かせるなど…。できれば避けたいものです」

研究員2「…本当ですか?意図的にしか思えませんが…」

理科の先生「…皆さんは、私のことを何だと思ってらっしゃるのですか?」

研究員1&2「「身体がボロボロの女の子を、心までズタズタにして楽しもうとする変態鬼畜サディストロリコン野郎」」

理科の先生「…そこまで嫌われてたんですか私?」

研究員1「嫌ってはいませんが…」

研究員2「教授を苦しめてきたことに関しては、鬱憤が溜まってます」

理科の先生「…」

理科の先生「…ううむ。そもそも何故、教授はゲロを吐くほど泣くのですか?」

研究員1「…教授は、アライさんを殺したくないんですよ…」

研究員2「アラ信ではありませんが、フレンズの仲間の一種だと思っています」

理科の先生「…論理的ではありませんね。アライさんを大量に殺すことで、実験データが得られ、サンドスター関連の研究や、フレンズ医学は大幅に進歩しました」

理科の先生「それに過去に野良アライさんへ、害獣行為をしないように説得や指導を繰り返しましたが、全く効果ナシでした」

理科の先生「よって野良アライさんはもう殺さなければ…、多くの人々が経済的にも肉体的にも困窮することになります」

理科の先生「それなのに、殺したくない…?何か、野良アライさんを野放しにして生かしておくメリットがお有りだとでも?」

研究員1「…なんというか…」

研究員2「こんな人だからこそ、科学や医学を進歩させられたんだろうな…主任は…」



~公園の駐車場~

雪が積もる、公園の駐車場。

黒いミニバン「」

一台の黒い自動車が停まっている。

…そこへ、2つの影が忍び寄った。

アライしゃん1「わーいわーい!ゆきがっせんはたのしいのだぁ!」ポーイ

アライしゃん2「あれにぶつけるのだー!」ポーイ

アライしゃん達が、雪玉を投げ…

黒いミニバン「」ペシャ ペシャ

…自動車へ当てた。

アライしゃん1「ぶっこわしてやるのだー!たあー!」ポーイ

アライしゃん2「たあ~!」ポーイ

黒いミニバン「」ペシャ ペシャ

自動車へ何発も雪玉がぶつけられていく。

だが、雪玉くらいで傷つくようなボディーではない。

アライしゃん1「うぬぬ~、びくともしないのだ!」

アライしゃん2「こうなったら…」ガシィ

アライしゃん2は、雪の少ない地面から小石を拾い上げると…

アライしゃん2「たあ~!」ポーイ

黒いミニバン「」カコンッ

アライしゃん2「うぬぬ~、だめなのだ!ぜんぜんきかないのだ!」

全然効かないなんてことはない。
さすがに石を投げられたら、黒いボディーに傷が付いてしまう。
現に、ちょっと傷が付いてしまっている。

アライしゃん2「せっきんせんでしとめるのだ!」ヨタヨタ

アライしゃん1「くるまめー!いもーとをころしたうらみ、はたしてやるのだ!」ヨタヨタ

アライしゃん達は、車に接近する。

アライしゃん達は、石を拾い上げると…

アライしゃん1「たあ~!」ガンガンガンガンガンガン

アライしゃん2「たあ~!」ガンガンガンガンガンガン

黒いミニバン「」ガンガンガンガンガンガン

車をぶっ叩いた。
細かい引っ掻き傷がどんどん付いていく。

アライしゃん1「はぁ…はぁ…」ハァハァ

アライしゃん2「かたすぎるのだ…こわせないのだ…」ハァハァ

さすがにもう諦めたのであろうか。
車を壊せないことに不満なようだが、
実際のとこ、これだけ傷が付けば修理に手間取るだろう。

アライしゃん1「たあ~!」ガリガリ

アライしゃん1は、石の角を使い、車のボディーを引っ掻く。

アライしゃん1「おお…?」ガリガリ

すると、車のボディーに引っ掻き傷の線ができた。

アライしゃん1「おもしろいのだぁ!」ガリガリ

アライしゃん2「あらいしゃんもやるのだぁ!」ガリガリ

2匹のアライしゃんは、小石で車に傷を付けていく。

アライしゃん1「みるのだ!うんちなのだ!」ガリガリ

アライしゃん2「うわーきたないのだ!げひんなのだ!」キャッキャ

アライしゃん1は、車のボディーを石で引っ掻き、傷で大便の絵を描いた。
真っ先に描くのがなぜ大便なのだろうか。

アライしゃん2「だったらあらいしゃんは、おはなのえなのだ!」ガリガリ

アライしゃん2は、傷で花の絵を描いた。
手先が器用なアライグマのフレンズだけあって、初めてにしてはそれなりの絵だ。
思えばブラウンPのアシスタントの麦わらも絵の習得が早かった。
きっとアライさんは、こういうのが得意なのであろう。

アライしゃん1「おおー!すごいのだ!あらいしゃんもまけないのだ!」ガリガリ

アライしゃん達は、車のボディーをキャンバスにして、どんどん消すのに手間がかかる絵を描いていった。

そこへ、何者かが近付いてくる。

MCチヘドロー「フフーン、ええ商談まとまったわ。あとは釣れるよう誘うだけや…」スタスタ

MCチヘドロー「って…おわっ!?」ピタッ

MCチヘドローは、黒いミニバンがズタズタにされている現場を目撃した。

MCチヘドロー「クラァ!クソガイジ共ォ!ワイの車に何しとんじゃボゲェ!」ツカツカ

アライしゃん1「のあっ!?ひとしゃんがきたのだ!」

アライしゃん2「うぅ~!このくるまのかいぬしなのか!?くるまもってるやつはわるいにんげんなのだ!」

MCチヘドロー「ハァ~こんなによう傷付けるわ…。どないすんねんこんなの…」

アライしゃん1「てんちゅーなのだ!」コスリコスリ

アライしゃん2「いいきみなのだ!!」コスリコスリ

MCチヘドロー「…クラァ!そこのお前!お前や!今お前…『何やチヘドローの車ならエエわ、もっとやったれ』思うたんとちゃうか!?」

MCチヘドロー「良かないわ!これ以上やられてたまるかボゲェ!」

アライしゃん1「なにいってるかいみわかんないのだ!」

アライしゃん2「くるくるぱーなのだ!がいじなのだ!」

アライしゃん1「なんだー!?やるきなのかー!?かかってくるのかー!?」シュッシュッ

アライしゃんは、爪を見せて空中を引っ掻く。

アライしゃん2「いっておくけどなー!あらいしゃんはつよいんだぞー!なんたって…」

MCチヘドロー「次にお前は『二本足で立てるんだぞ』と自慢する」

アライしゃん2「にほんあしでたてるんだぞぉ!…はっ!?なんでわかったのだぁ!」

MCチヘドロー「お前らのボキャブラリーなんぞもう高が知れとるわボゲ。なんぼ聞いとると思っとるんや。たまには新ネタ使えやガイジ」

アライしゃん1「うー!あらいしゃんくそがいじじゃないのだぁ!」ウヌヌ

アライしゃん2「うぅ~!もうおこったのだぁ!おまえなんか…!」

MCチヘドロー「それよりお前ら、何しとったんや?ほー、綺麗なお花さんやなー。大したもんや」

アライしゃん2「!…ふふーん!そうだろー!あらいしゃんはえのてんさいなのだぁ!」フフーン

絵を褒められ、急に機嫌が良くなったアライしゃん2。

アライしゃん1「みるのだぁ!おまえのくるまに、うんちのえーかいてやったのだぁ!」フフーン

MCチヘドロー「グエー!何ちゅーことすんのや!すんげー上手いウンコやな!こんな車で車道走ったら、周りの人に笑いモンにされちまうわ!」

アライしゃん1「ふははー!おもいしったかー!」フフーン

アライしゃん1は自慢気である。

アライしゃん1&2「「ふっはっはー!」」フフーン

MCチヘドロー「まーエエわ。ほんなら、ちょいとオモロいもん見したるわ。ちょいとどいてな」クイクイ

アライしゃん1「何なのだ?」ワクワク

アライしゃん2「早く見せるのだぁ!」ワクワク

MCチヘドローは、車に乗り込み、エンジンをかける。

運転席の右側の窓の向こうに、アライしゃん達2匹がいる。

MCチヘドロー「いくでー!ちょっと芸見せたるわ!」ブウウウン

そのまま、車をバックさせる。
アライしゃん達の姿は、運転席前方に映った。

アライしゃん1「なにするのだ?」ワクワク

アライしゃん2「たのしみのだぁ!」ワクワク

MCチヘドロー「…」グンッ

そしてアクセルを急に踏む。

黒いミニバン「」ブウウウウウウウウウン

車は物凄い勢いでアライしゃんに突っ込む。
驚くアライしゃん達の顔が近付いてくる。

黒いミニバン「」ドッガァアアアンッ

アライしゃん1「ぎびっ!」ドガァン

アライしゃん2「のぎゃああっ!?」ドガァン

強い衝撃がハンドルやシートに伝わる。
アライしゃんの姿は、バンパーの下に吸い込まれた。

黒いミニバン「」ガコンガコン

車体が大きく揺れる。
タイヤが何かに乗っかったようだ。

『ぎびいいいいいいいーーーーーーーーーーーっ!』ボグウン
『あああああいぢゃいのだああああああああああーーーーっ!』グシャアア

MCチヘドロー「オラーイ、オラーイ」ブウウウン

MCチヘドローは、車をバックさせる。
すると車が再びガコンガコンと揺れる。

『ぐじゅぶぐぅぇええええええーーっ!!』グシャボギィ
『やべでやべ…ぐぶぅーーーーーーーーーーーーっ!!!』ブチャアアア

しばらく車をバックさせると、バンパーの下に隠れていたアライしゃん達の姿が見えた。

雪の積もった駐車場に、2匹とも血みどろで倒れている。
大量の出血が、雪に染み込んでいる。

アライしゃん1「」ビッタンバッタンビタンバタタッビググンッ

アライしゃん2「ぐ…ぶ…ふぅぅっ…」ブホォ

アライしゃん1は頭が潰れており、ゴキガイジムーブしている。

アライしゃん2は腹が潰れ、腸がはみ出している。

MCチヘドロー「ざまーねーやろクソガイジ共。芸なら地獄の番犬にでも見せてもらえや」ブウウウウウウウウウン

MCチヘドローは、アライしゃんを放置して車を走らせ、駐車場から出ていった。

~ガソリンスタンド~

バンパーが血で真っ赤に染まった黒い車が、ガソリンスタンドに入ってくる。

店員「ヒィ!あ、あの、お客様、これ…!」ガクガクブルブル

MCチヘドロー「ああ?あーこれな。アライさんや。アライさんを撥ね飛ばしたんや」

店員「ああ、アライさんですか…それなら大丈夫です」

MCチヘドロー「傷は後にするけど、このクソガイジの体液はピカピカに落としたってや!」

店員「かしこまり」

車についた血痕は、綺麗に洗い流された。

一旦ここまで



~夜の森の中~

ふぅ、夜は冷えるな。

佐助「クゥーン」ノソリノソリ

こんな日は、アライさんも活動が鈍っているだろう。
仕留めるには調度いい。

??「」ガサガサ…

木陰が揺れた…何だ?

隊員1「アライさんか…?」スチャッ

俺は暗視ゴーグルで木陰を見た。
やがて、音の正体が姿を現す。

猿「…」ガサリ

隊員2「猿か…珍しいな」

ああ。あれは…
姿からして、アカゲザルだ。

そう。特定外来生物だ。
俺はライフルを猿に向け、発射した。

アカゲザル「グギッ…」ドサッ

ヒット。
アカゲザルの左胸から血が吹き出した。

隊員1「…なんか可哀想だな…」

外来種だぞ。アライさんみたいなもんだ。
こいつに自然で生きる資格はない。

隊員2「最近じゃあ、アライさん以外の害獣による農作物被害の件数は減ってるらしいな…」ザッザッ

隊員1「ああ。何でだろ?」


『それはアライさん達がいるからなのだー!』

ガサガサと音を立てて何かがやってきた。

…アライさんの声だ!皆、飛び道具への警戒を怠るなよ!

猟アライさん1「ミンク、ヌートリア、アカゲザル!」ガサッ

猟アライさん2「お前達が特定外来生物と呼ぶ動物達を、アライさん達がハントしてるのだ!」ガサッ

猟アライちゃん1「なのりゃー!」ヨチヨチ
猟アライちゃん2「あらいしゃんたち、わゆものをやっちゅけてゆのりゃ!」ヨチヨチ

ミンク、キョン、アカゲザルらしき毛皮を纏ったアライさん達が現れた。

隊員3「…何者だてめーらは?」

猟アライさん3「さっき言った通りなのだ!アライさん達は、外来害獣ハンターズなのだ!」ガサッ

猟アライさん4「アライさん達は、畑の作物を取らないのだ!代わりに、お前達が害獣と呼ぶ動物達を狩って食べてるのだ!」

猟アライちゃん3「あらいしゃんたちは、えきじゅーなんだぞぉ!いだいなんだぞぉ!おまえたちのみかただぞぉ!」ヨチヨチヨチヨチ

隊員4「何っ…」

猟アライさん1「だから、講和するのだ!アライさん達を、外来生物ハントの仕事をするフレンズとして、見逃してほしいのだ!」

猟アライちゃん4「きっとおまえたちもとくすゆはずだぞぉ!うぃんうぃんだぞぉ!」ヨチヨチヨチヨチ

隊員5「む、むむ…どうする?」

…なるほど。

じ ゃ あ な ん で ガ キ が い る ん だ よ 。

俺は機銃をフルオート連射し、目の前の害獣共を凪ぎ払った。

猟アライさん1「ぐげぇ!?」ブシャアアア
猟アライさん2「ぎびぃ!」ブシャアアア
猟アライさん3「はなしをぎげ…ごぶえええ!」ブシャアアア
猟アライさん4「ぎゃぼおおお!」ブシャアアア
猟アライちゃん1「ぴいいいい!?おかーしゃんがいったとおりにいっぶぎいい!」ブシャアアア
猟アライちゃん2「おかーしゃんのうしょちゅきぶぢびぃぃ!?」ブシャアアア
猟アライちゃん3「ぺぶぅ!」ブシャアアア

猟アライさん達「」ビグンビグンビグンブルルッビグググッジタバタビッタンバッタンビタンバタタッ

何でてめーら、アライグマを狩らねーんだよ!
てめーらが一番の害獣だ、クソ共が!!

猟アライさん5「き、聞く耳持たないのだ!矢で殺すのだ!」バシュ

猟アライさん6「ハントしてやるのだ!」バシュ

やはり飛び道具だ! …しかも弓矢とは!
おそらく鏃は磨いた石だ。

こいつら相当やる連中だ!

矢「」ビュウッ

俺は飛んでくる矢をかわし、奴らに射撃をかます。

猟アライさん5「ぶげぇ!」ブシャアアア

矢「」ビュウッ

うおっ危ねえ!木の上から飛んできた!
俺は身をかわす。

隊員1「ぎゃっ!」ガゴォ

隊員1のヘルメットに、石矢が当たった。
どうやら貫通する威力は無さそうだ。

隊員1「畜生どこだ!死ね死ね死ねええ!」ドカカカカカカ

奴ら、木の上にたくさんいるな。
こういうときは、狙いを定めるより闇雲に撃った方がいいときもある。

猟アライさん6「じび!」ブシャアアア ヒュー ドサッ

隊員1「やったぜ!次はどこだ!」キョロキョロ

危ねえ!!避けろ!!!

隊員1「ぐぁあ!」ドスゥ

隊員1の右腕に、矢が刺さった。
石矢でも磨けばあれだけの威力は出るか…くそ!

隊員1「ぐあっ…畜生!!」

猟アライさん6「くらうのだ!」バシュウゥ

矢「」ビュウッ

避けろ!隊員1!!

隊員1「し、しまった…ッ!!」



矢「」カキィーーーンッ



隊員1「!?」

矢「」カランカラン…

何だ!!?
隊員1に刺さりそうだった矢が、何かに弾かれて地面に落ちた。


???「部下が…危ないかも…しれ…ない……のに…」フラフラ


ヒグマ「寝てられるかあああああッ!!」ゴウッ シュウウウウ

あれは!野生解放したヒグマさんだ!
顔面や首に眠気覚ましグッズを大量に貼り付けている!

「何なのだあいつ!?」キリキリ

「強そうなのだ!集中攻撃するのだ!」バシュウゥ

「たあー!」バシュウゥ

木の上に隠れる見えない狙撃手から、矢がヒグマさん目掛けて一斉に放たれる。

ヒグマ「効くかッ!!」ガキンガキン

ヒグマさんは、矢を熊手で弾く。

ヒグマ「うおおーーっ!だあああーーっ!!」ガゴォン

そして、木を素手で殴った。
木はめきめきと折れる。

ヒグマさんは、大木を両手で抱えた。

ヒグマ「お前ら、頭を抱えてしゃがみこめ!」

何だ!?
俺達は言われた通りに、頭を抱えてしゃがみこんだ。

ヒグマ「うおおおおおお!!」ブオオオオオオオオオオンッ

ヒグマさんは、大木を頭の上でブンブンと振り回した。

すると、何故か風が吹き始め、上に向かって強い風が吹いた。

竜巻「」ビュオオオオオオオオ

ヒグマ「はああああああ!!」ブンブンブンブンブンブン

木々がざわめき、枝がばきばきと折れ、上に吹き飛ばされる。

猟アライさん7「な…の、のだあああーーーーー!」ビューーーンッ

猟アライさん8「飛ばされるのだあああっ!?」ビューーーンッ

猟アライさん9「うわああああああああーーーっ!」ビューーーンッ

猟アライちゃん6「ぴゃぁあああーーーーーーっ!」ビューーーンッ

ヒグマ「うおおおおおおお!!」ブンブンブンブンブンブン

木の上にいたアライさん達は、ヒグマさんが起こした竜巻によって空へ投げ出される。

…いやいやあり得ねえだろ!?
何だコレ!?どういう物理現象だよ!?
なんで大木を振り回しただけで竜巻が起こる!?なんで俺達は無事なんだ!?

ヒグマ「思い知れ!これがフレンズの…野生の力だ!!」ブンブンブンブンブンブン

…この人達のいる世界に、俺はついていけそうにない。

佐助「クゥーン」

「のだああああああ!!!」
「ぴいいいいいいぃぃーーっ!!」
「キュルルルルルルルル!!!」

害獣共が夜空を舞っているようだ。

ヒグマ「これで…」ブンブン

ヒグマ「トドメだぁーーーっ!!」ビュウウウンッ

丸太「」グルグルグルグルグルグルグルグル

ヒグマさんは、持っていた丸太を回転させながら、空中のアライさん達に向かって投げた。

猟アライさん達「「「「ごぶぎゅぐぅぅっ!!」」」」グシャベギボギイィィィ

回転する丸太に衝突したアライさん達は、空中で破裂し花火となった。

ヒグマ「ふぅ…」スッ

ヒグマさんが野生解放を解いた。
…何ですか?今のメチャクチャな技…
あんなのブラウンPでもできませんよ。

ヒグマ「セルリアン退治で身につけた技だ」

そ、そうなんすか…

ヒグマ「はっはっはー!凄いだろう!」

ヒグマさんは、胸を張って笑う。



…その時。

猟アライさんの血と臓物と骨「」ドバアアアアアアベチャベチャベチャビシャア

ヒグマ「ぎゃあああああっ!!!」ドバアアアア

ヒグマさんの真上に、大量の血と臓物が降り注いだ。

ヒグマ「…」ベチャベチャ

あわれヒグマさんは、グロテスクな姿になった。
…これも技の一貫ですか?

ヒグマ「…セルリアンは空中でパッカーンして、サンドスターを放出するからな。…それを受け止めるための調整だ」ビチャビチャ

な…なるほど。

ヒグマ「…こんな風に、生き物を…アライさんとはいえ、フレンズを殺すために編み出した技じゃないんだ」

…やっぱりあなたやリカオンさんも、ほんとはアライさんを殺したくないんですね。

ヒグマ「…私達がやるしかないさ」ベチャベチャ

アライさん達の矢には、糞が塗ってあった。
破傷風感染の危険性が高いため、負傷した隊員達は、ヘラジカさんを呼んで病院に連れてってもらった。



佐助「ガウウウウゥ!」ガブブヂィ

猟アライしゃん6「や、やめ、ゆるし…ぎびいいいぃ!」ブシャアアア

これで、周囲のサンドスターレーダーの反応は無くなった。
害獣ハンターズは壊滅というわけだ。

隊員3「…しかし、あいつら…。人と共存しようとしていた。それを殺すのは…なんか、やだな…」

それはどうかな。
見ろ、ここが奴らの巣穴のようだ。

隊員4「うお…。亀の甲羅とか、いっぱいあるな」

それはニホンイシガメ…。
絶滅危惧種の土着動物の死骸だ。

隊員3「なにっ…!?」

奴らは、外来動物『だけ』を食ってたわけじゃねえ。
こういう絶滅危惧種とかも食ってたのさ。

隊員4「し、しかし、それならそうと教えてやれば…」

さっきも言ったろ?
こいつらのやってる事は、アレの餌を確保し、繁殖を助長してるだけだと。

???「キュルルルルルルルル…」

隊員3「あの声は…」

お出ましだ。
本家本元の外来害獣のな!


…俺は次々に現れる害獣を、ライフルで駆除していった。

つづく

乙です
こんな質問するのもアレだけど、作者さんはアライグマを殺したい願望とかあるのかな?
まぁ、この国がアメリカみたいに気軽にアライグマを殺せたらと思ったりする

>>360
ノーコメント

まあ、皆さんに貰ったリアルアラ虐動画が大好物とだけ言っておきます
特に主観視点のやつは大好物ですね



~倉庫~

ここは民家の倉庫。
様々な野菜が貯蔵されている。

玉葱。
ジャガイモ。
人参…

パルコアライちゃん「(((≧'u(≦ )))」カリコリカリコリカリコリ

ああっ!
人参が害獣にかじられている!

パルコアライちゃん「(((≧'u(≦ )))」サクサクサクサクサクサク

なんということだ。
痩せこけたパルコアライちゃんが、人参をかじっている。
どうやらチョコレート以来、久々に口にした食品のようだ。

冬を生き抜くのが困難とは何だったのか。
この悪運の強さがあれば、冬を越せるかもしれない。

パルコアライちゃん「もっとたべゆのあー」スッ

パルコアライちゃんが、更に人参を食べようとすると…

飼い猫「フギャアアアアアアアアア!!!」ガジガジガジガジ

パルコアライちゃん「ぎぴいいいいいいいいいい」

…この家の飼い猫がやってきて、パルコアライちゃんに噛みついた。

飼い猫「フーッ!フーッ!」グイグイ

パルコアライちゃん「ぎぴいいいい やめうのあ ひっさびさのごはんなのあ」ズルズル

人参から引き離されていくパルコアライちゃん。

飼い猫「ハグウウゥ!!」ガブウゥ

パルコアライちゃん「ぎびいいいいいいい」

パルコアライちゃんは、首に噛みつかれた。
飼い猫は、このままパルコアライちゃんを窒息させる気だ。

パルコアライちゃん「や…やべゆのあ…ごはん…じゃま…やーなのあ…」ビクッビクッ

飼い猫「フーッ!フーッ!」グイイイイ

パルコアライちゃんの首を絞めていく飼い猫。

パルコアライちゃん「く…ゆ…し…!」シュウウウウ ゴウッ

出た。
パルコアライちゃんの野生解放だ。

パルコアライちゃん「やべ…で…!」ペチッ

飼い猫「」

パルコアライちゃんは、首に噛みつく飼い猫の頭をちょんと叩いた。

飼い猫「フギャウゥゥ!」ガブウウウ

パルコアライちゃん「げ…ぉ………ぇ……」

しかし、飼い猫には全くのノーダメージだ。

パルコアライちゃん「ぎ……ひ……」ペチペチペチペチペチペチ

野生解放したパルコちゃんは、飼い猫の頭を何度も叩く。
しかし相変わらず、ダメージはない。

パルコアライちゃん「…おが…しゃ…たひゅ…げ……!」ペチッ

パルコアライちゃんは、倉庫の床を叩いた。




倉庫の床「」ベッギィイイイインッバギバギィィイ

叩かれた倉庫の床は、まるでバンカーバスターでも撃ち込まれたかのようにえぐれ、床材が弾けとんだ。

パルコアライちゃん「のああああああああああああ」ビューーーーンッ

パルコアライちゃんは倉庫の外へ吹き飛んでいった。

飼い猫「フギャアアアアアウウウウ!?」ビクゥ トタタタタタタタタタタッ

突然の轟音に、飼い猫は逃げ出した。

~倉庫の外~

パルコアライちゃん「ぴぎっ」ベチャッ

雪が積もる屋外へ吹き飛んだパルコアライちゃん。

パルコアライちゃん「さ、さぶいのああああ」ブルブルブルブル

パルコアライちゃん「でもさっきのとこにもどゆと、あのけものにころされゆのあ」ブルブル

パルコアライちゃん「にげゆのあー」ヨチヨチヨチヨチ

パルコアライちゃんは、民家の敷地から出て、道路の歩道をヨチヨチと歩いた。

~昼、市街地~

パルコアライちゃん「なのあー」ヨチヨチヨチヨチ

人参を食い、腹がパンパンに膨れたパルコアライちゃん。
まだ消化しきってはいないようだ。

パルコアライちゃん「あったかいとこいくのあー」ヨチヨチヨチヨチ

歩道を歩いてると…

パルコアライちゃん「つかれたのあ」ヨチッ

ふと、歩みを止めて…

パルコアライちゃん「ここでねゆのあー」ムニャムニャ…

パルコアライちゃん「ふごーーががががががが…ぐがーーがごごごごごっ…」zzz

大きなイビキをかきながら、その場で寝てしまった。




除雪車「」ブウウウウウウウウウン ズババババババババババ

…そこへ、除雪車が通りかかった。

除雪車「」ブウウウウウウウウウン ズババババババババババ

パルコアライちゃん「のだぁ…のだぁ…」zzz

パルコアライちゃんの白い体は、真っ白い雪に溶け込み、除雪車の運転手の目に入っていないようだ。

除雪車「」ブウウウウウウウウウン ズババババババババババ

そのまま、除雪車はパルコアライちゃんに近寄り…

除雪車「」ブウウウウウウウウウン グシャベシャボギブシャアア

パルコアライちゃん「のぎゃああああああああがあああああああああああああああ」ブシャグシャベシャグチャアアア

除雪車のローラーに巻き込まれた。
周囲の雪が赤く染まる。

パルコアライちゃん「ぎびいいいいいいいぢゃいのりゃああああああああああがああああばああああ」バリバリバリバリバリバリガリガリガリガリガリガリ

ローラーに引き裂かれていくパルコアライちゃんの体。

腹が破れ、内臓が飛び出た。

パルコアライちゃん「ぎゃがあああああばああああああいぢゃあああああいいいいいいのぎゃああああ」バリバリガリガリガリガリガリガリ

胃袋が破れ、せっかく詰め込んだ消化中の人参がバラ撒かれた。

パルコアライちゃん「」スポーンッ

ズタズタに引き裂かれたパルコアライちゃんが、除雪車から飛び出てきた。

パルコアライちゃん「」ドチャッ

内臓が飛び出たパルコアライちゃんは、雪の塊の上に落下した。

パルコアライちゃん「う うゆううう」ビグンビグンビグン

…1時間後…

パルコアライちゃん「ひ ひぃ ひいぃ」ヨタ…ヨタ…

なんとか歩けるくらいまで回復したパルコアライちゃん。

しかし、フレンズの特殊能力には、サンドスターの消耗が伴う。

パルコアライちゃん「」ドチャッ

パルコアライちゃんは、歩道に力無く倒れた。




~夜、市街地~

雪の降る市街地。
街並みは白く染まる。

歩道に何かが落ちていた。

パルコアライちゃん「」

痩せこけたパルコアライちゃんだ。
先ほどせっかく食べた人参は、大半を消化前に吐き出してしまっていた。
そのせいか、ろくに栄養をとれていないようだ。

パルコアライちゃん「」

雪に埋もれ、ピクリとも動かない。
まるでボロ雑巾のように、街道に横たわるパルコアライちゃん。

パルコアライちゃん「」

通常のアライちゃんであれば、このまま放っておけば死ぬであろう。

パルコアライちゃんならどうだろうか。
試してみれば、結果が分かるだろう。

しかし悪運の強いパルコアライちゃん。
こういう時に限って、毎度ながら何かがやってくる。

「ん?何かあるのです」ザッザッ

そう。今回も…

会長「…」ザッザッ

パルコアライちゃん「」

会長がやってきた。

会長「これは?」ヒョイ

パルコアライちゃんを拾い上げる会長。

パルコアライちゃん「」ブラーン…

会長「…」



会長「はぐっ」ガブリ

パルコアライちゃん「び…っ!?」ビクゥ

会長は、パルコアライちゃんに噛みついた。

会長「美味そうなのです。がぶがぶっ、もぐもぐ…」モグモグ

パルコアライちゃん「ぐ…ぶ…ぎ…!」

パルコアライちゃんは、会長に噛み砕かれていく。

パルコアライちゃん「の…ぁ…あ…」シュウウウウ…

パルコアライちゃんは、いつもの野生解放をしようとしているが…

パルコアライちゃん「う…ゆ…ぅ…!」ブルブル

いつもより、出力が出ないようだ。

会長「…妙に噛みごたえが、もぐ、あるのです、もぐもふ」モグモグ

パルコアライちゃん「ふ…ぎぃ…」ブルブル

噛まれる度に自己再生していくパルコアライちゃん。
次第に、再生スピードは遅くなっていく。

会長「ぺっ…何なのです?噛みきれないのです」オエッ

会長は、パルコアライちゃんを口から出す。

パルコアライちゃん「」ブラーン

会長「…キズが治っていくのです。これは一体…?」

温泉旅館オーナー「会長、何やってるんですかー?」バッサバッサ

鳥のフレンズ、温泉旅館オーナーがやってきた。

隊員1「何か見つけたんですか?」スタスタ

会長「このフレンズ…奇妙な再生力があるのです」

温泉旅館オーナー「あ!赤い耳に白い体…!それ、サンドスター科学研究所が探してたフレンズの赤ちゃんでは!?」

会長「そうなのですか!?」

隊員1「ああ、そういえば…言ってましたね」

温泉旅館オーナー「わぁ、見つかって良かったです!私が保護しますね」バッサバッサ

会長「頼むのです」

隊員1「お願いしまーす」

温泉旅館オーナーは、パルコアライちゃんを抱いて飛んでいった。

隊員1「…会長、作戦中の捜索対象だって…知ってましたよね?」

会長「…?」

隊員1「だから、会長が俺達に教えてくれたんでしょう?任務中に、行方不明のフレンズを探すって…」

会長「フレンズ…?」

隊員1「そうですよ!今抱いてたのが、会長が言ってたフレンズで…!」

会長「私は今…フレンズを食べていたのですか?」

隊員1「え」

会長「…」

隊員1「…会長?」

会長「…あ、ああ」

隊員1「会長、どうしたんですか?食べていたって、何が?」

会長「…そ、そんな、わ、私は、私は…」

隊員1「食べてたって、何のことですか!?会長!?」

会長「…私はさっき、あのフレンズの子供を、食べていたのです」

隊員1「た、食べッ…!?」

会長「…アライさん以外のフレンズは、警察の公務以外では傷害を与えてはならないのです」

隊員1「会長!?」

会長「じ、自首するのです。ここは大臣に任せたのです」フワッ

隊員1「会長!会長ッ!?待ってくださいッ!」

会長「…」シュパアアアーーーッ

会長は、音もなく夜の空に消えていった。



~空中~

パルコアライちゃん「はぁ、はぁ…」チュパチュパ

温泉旅館オーナー「待っててください、私が連れてってあげますから…くぅっ、遠い…」バッサバッサ

パルコアライちゃんは、タオルに包まれ、ホッカイロで温められている。

そして、温泉旅館オーナーが口に栄養食品のゼリーの飲み口を与え、食べさせている。

一般のアライちゃんには有り得ない厚待遇である。

温泉旅館オーナー「くっ…風が…冷たいです…!」バッサバッサ

サンドスター科学研究所は、はるか先だ。

しかし夜中のため新幹線も飛行機も使えない。

温泉旅館オーナーは、自前の飛行能力で、サンドスター科学研究所目指して飛んでいく。

パルコアライちゃん「ま…」

温泉旅館オーナー「あ…喋れるんですか?あまり無理しないで…」

パルコアライちゃん「まま…」

温泉旅館オーナー「え」

パルコアライちゃん「ままぁ あいたかったのら ままー」スリスリ

温泉旅館オーナー「え…あ、あはは…」バッサバッサ

パルコアライちゃん「まま ままー」スリスリ

温泉旅館オーナー「わ、私はママじゃないですよ。はい、ゼリーおかわりあげますね」ナデナデ バッサバッサ

温泉旅館オーナーは、替えのゼリーの吸い口を咥えさせようとする。

パルコアライちゃん「うそなのら あらいしゃんをあっためて だっこして おっぱいくれたのら ままー」

温泉旅館オーナー「…寂しかったのかな…」ギュー

パルコアライちゃん「ごくごく…ちゅぱちゅぱ…」チューチュー

温泉旅館オーナーは、パルコアライちゃんにゼリーを吸わせて暖めながら、研究所目指して飛んだ。



~翌日、サンドスター科学研究所~

温泉旅館オーナー「」グッタリ

パルコアライちゃん「ままー おっきすゆのあ あらいしゃんとあそぶのら ままー」クイクイ

温泉旅館オーナーは、精魂尽き果てていた。
パルコアライちゃんを一刻も速く届けるため、サンドスターが枯渇するまで飛んでいたのである。

研究員1「お疲れ様です。それじゃあ連れていきますね」ダッコ

パルコアライちゃん「のあー まま まーま やなのあ ままといっしぃにいたいのら」ジタバタ

研究員2「後で会わせてあげますから…」スタスタ

パルコアライちゃん「まま まーまぁあああーー」ジタバタ

パルコアライちゃんは、研究員1に抱かれて連れて行かれた。

研究員3「…」

温泉旅館オーナー「」グッタリ

研究員3「サンドスターチャージャーありますけど、飲みます?」スッ

研究員3は、ゼリー食品のパックを出した。

温泉旅館オーナー「なんれすか?それ…」

研究員3「え…と…うちで作った、サンドスターを補給できる栄養食品です」

温泉旅館オーナー「いただきます!」チューチュー

温泉旅館オーナー「美味しかったです!ちなみに、どうやって作ったんですか?」

研究員3「…知らない方がいいかと…」

温泉旅館オーナー「知りたいですー!」

研究員3「…シロウ先生に聞いてみてください…」

温泉旅館オーナー「あ、はい…」

一旦ここまで



衰弱しきったパルコアライちゃんが研究所で真っ先に受けた検査は、
「レベルの測定」と、「DNAの検査」であった。

理科の先生「…バカな…」

研究員1「いかがでした?」

理科の先生「…大型のレベル測定器を使っても、レベルは65513と表示されました」

研究員1「…つまり、どういうことでしょうか」

理科の先生「…考えられる要因は、3つあります」

理科の先生「マル1。実際に、レベルが65513」

理科の先生「マル2。我々の検査装置に不具合…もしくは測定できない条件がある」

理科の先生「マル3。あのフレンズのレベルに、何らかの異常がある」

研究員1「…どれでしょうね?」

理科の先生「…今のままでは、情報が足りません」

理科の先生「そして、DNA鑑定の結果が出ました」

研究員2「どうでした?」

理科の先生「あのフレンズの遺伝子は…」


理科の先生「…100%、アライグマのフレンズと一致しました」

研究員2「…100%ですか!?あんなに姿が違うのに!!」

理科の先生「はい。少なくとも、突然変異によって遺伝子が変わってああなったわけではないようです」

研究員2「何が起こったのでしょうか…」

理科の先生「…」

パルコアライちゃん「ふがあーーごごごごご…ごがぁあーーーごごご…」zzz

理科の先生「現時点で、あのフレンズについてわかっていることは」

理科の先生「1つ。レベルが65513という異常値を示していること」

理科の先生「2つ。遺伝子が、100%アライグマのフレンズと一致すること」

理科の先生「3つ。見た目がアライグマのフレンズとはかけ離れていること」

理科の先生「4つ。会長曰く…噛み砕いても再生した…らしいということ」

研究員1「それぐらいですかね…今言えるのは」

理科の先生「いえ。もう一つ」

研究員2「まだ何かありました?」

理科の先生「5つ。あのフレンズが5ヶ月ほど前に確認されたとき、生後3ヶ月程度の体格だった」

理科の先生「それなのに、生後3ヶ月だというのに…。この気温の低いヶ月間。今まで生き延びていた、ということです」

研究員2「…誰かに保護されていた、ということですか?」

>>442
訂正

×生後3ヶ月

◯生後3週間

理科の先生「本人に聞いてみたところ、『ママがいないけどゴハン探してた』とか言ってました」

研究員1「…誰にも保護されていなかった…?」

研究員2「そんなバカな…!?」

理科の先生「…アライちゃんには外敵がつきまといます。今くらいの成長度合いのアライちゃんであれば、運が良ければ生き延びるかもしれません」

理科の先生「しかし、生後3週間の状態だというのに、誰にも保護されず、一人で餌を確保し続け、いかなる外敵にも事故にも命を奪われずに生きてきた…」

理科の先生「確率的には、極めてレアケース…『有り得ない』レベルと言えます」

研究員1「…やっぱり記憶が混濁してて、本当は誰かに保護されていたのでは?」

理科の先生「…その可能性が大きいですね…。今の時点では、何とも言えません」

研究員2「ところで、会長が言っていた、再生能力があるという話…本当でしょうか?」

理科の先生「会長が嘘をつくとは思えませんが…。少なくとも、我々はそれを見ていません」

研究員1「…何か実験するんですか?」

理科の先生「…あのフレンズはアライさん。特定有害駆除対象フレンズです。それ故に、法律上いかなる虐待をしても、いかなる苦痛を与えても、問題ありません」

理科の先生「例えば、体を切り刻む、火で炙るなどのダメージを与えて実験をすれば、再生能力があるかは確かめられるでしょう」

理科の先生「しかし…そんな実験をすれば、あの個体は今まで実験台にしてきたアライさん同様、我々へ敵意を持つようになります」

理科の先生「敵意のあるアレを、生かしたままにすること…。それが得策であるか?…私は、慎重になるべきと考えます」

研究員1「…いつになく慎重ですね」

理科の先生「不確定要素がある以上、最悪のケースを想定する必要があります」

理科の先生「もしも…」

理科の先生「アレのレベルが、実際に65513であり」

理科の先生「今まで本当に一人で生き延びてくるほど、サバイバル能力に長けており…」

理科の先生「そして、人間に敵意を持ち、アライさんまで成長したら」

理科の先生「…この研究所から脱走し、どこかのアライグマと繁殖したり、人間を攻撃するかもしれない」

理科の先生「そうなったら、アライハザードどころの話ではありません。セルリアン襲来以上の大惨事を招きます」

研究員1「…マジですか」

理科の先生「…とにかく。正確な情報が分かるまでは、アレを敵に回すべきではない」

理科の先生「もしくは…、敵に回る前に、殺処分しなくてはなりません」

研究員2「…まるで爆弾を抱えた気分ですね…」

理科の先生「…全くです」



~留置所~

警官「あなたは無罪です。釈放です」ガチャ

会長「…むざい…?」

警官「はい。あなたが食べかけたというフレンズは、遺伝子的には100%アライグマのフレンズと断定されました」

警官「戸籍のないアライグマのフレンズです。よって会長、あなたは自首してきたようですが…、何の罪にも問われません」

会長「…私は、そうと知らずに食べたのですよ?それでも、ですか?」

警官「…それでも、です」

会長「…分かったのです。手間をかけたのです」

警官「会長。あなたは自分の罪を、いくらでも隠すことができました。例のフレンズを食べたことを誰にも告げないことができました」

警官「にも関わらず、あなたは誰にも目撃されていない自分の犯行を、こうやって自首しました」

会長「…」

警官「…人格的に優れたあなたを、逮捕したくはありません」

会長「…すまなかったのです」スタスタ…

会長「…」スッ

会長は電話をかけた。

会長「シロウ、シロウ。話があるのです。…私が、例のアライちゃんを、正体不明のまま食べた話は聞いていますか?」

理科の先生『…はい。聞いています』

会長「…そうですか。私は…どうなっているのですか?なぜこんなことをしているのですか?」

理科の先生『…仮説ですが。ジャパリミンという、フレンズの獣の本能を抑える薬品を摂取していないためです』

理科の先生『それに加え、あなたはアラジビを主食にしている。…それがあなたの本能を呼び覚ましたのかもしれません』

会長「…例の、ブラウンPに処方するという薬。何と言いました?」

理科の先生『失楽薬ですか』

会長「はい。失楽薬を飲めば、私も…本能による捕食をやめられますか?」

理科の先生『…』

理科の先生『…失楽薬は、喜びや快楽を味わおうという欲求を無くする薬です』

理科の先生『会長は、例のアライちゃんを捕食したとき、喜びや快楽を味わっていましたか?』

会長「…いえ。ただ普通に、食事のつもりで食べたのです。嬉しいとか、気持ちいいとか、そういうのは無いのです」

理科の先生『………………………………………………………』


理科の先生『…例えば、あなたが常人と同じ程度の力になったとしても。捕食の意思があれば、なにか動物や自分より弱い生き物を狩ることは可能です』

会長「なのです」

理科の先生『とすれば、あなたが誰も傷付けたくない、狩りたくないならば…』

理科の先生『力を奪うしかありません。それも、自由を失うレベルで』

会長「…それでいいのです」

理科の先生『…まずは、一斉掃討作戦が終わったら相談しましょう。我々はまだ、あなたという戦力を欠く訳にはいかないはずです』

会長「…分かったのです…」ピッ

会長「…」

会長「…大臣…私は…。いつからおかしくなっていたのですか?」

会長「もしかして、今までにも…。誰かの大事ななにかを、奪っていたのですか?」

つづく

いつもお疲れさまです
https://www.youtube.com/watch?v=moIKnrDkcNY
https://www.youtube.com/watch?v=Pplf7ijGjWc

怪鳥は糞害獣共を処理するのは食事の為日本の為と大義名分と欲望をかしくこく両立させてるイメージだったけど相手が何かすら分からなくなるのはマズイ…
ゴキガイジの外観は人間・フレンズに似てるしデーヴ・グロスマン先生の脱感作・条件付け・否認防衛機制を完全に満たした最高の殺人マシーン作成素材ですね!!

乙です、新鮮味無いけど、籠罠に入ったリアルアライさんのディスパッチ&ゴキガイジムーブ動画を
https://www.youtube.com/watch?v=x5HmiXgoOdc

そう言えば作者さん、前スレにあったリアルアライさんをヤリで串刺しにした動画見たのかな?

動画提供どうもです

>>465
強い犬が数の暴力で押してるのはいいですね
害獣の弱々しい抵抗が実にいい味を出しています

2つめはアライディスパッチャー(の元ネタ)で捕まえてからの猟銃&ゴキガイジムーブ
これで首絞めるの大変そうですよね、手動人力でしょうし
射殺して即ゴキガイジムーブより、こうやってちょっと間があるのが好きです


>>466
絶対外さない至高の王道パターンですね
カゴの中で吠えたり威嚇したりするのがまさにゴミパンダヴィランという感じ好きです
あと、カゴから出してゴキガイジムーブさせるのもいいですね


槍の動画見ました
最初のウサギは刺さるとこが映ってないのが残念ですが、
槍引っこ抜いたときのクエークエーという悲鳴がいいですね
しかしやっぱりアライグマハントが一番好きです
槍で貫かれてから、じたばたともがく姿がいい
欲を言えば、息の根が止まるまでの過程が見たいですね



~カフェ~

理科の先生「例の白いアライちゃんは、全く謎だらけです」

MCチヘドロー「…」パラリ

MCチヘドローは、研究データを見ている。

理科の先生「まずレベルがおかしい。通常、親から子に継承されるレベルは、100%を超えることはありません」

理科の先生「つまり我々の知るサンドスター科学では、あの白アライちゃんには、さらにレベルの高い親がいる…としかいえません」

理科の先生「ともすれば、あの白いアライちゃんと同程度のレベルの姉妹が最低5~6匹いる…と考えるのが自然です」

理科の先生「しかし最初に発見したハンター曰く、大したことないアライさんに育てられており、姉妹は普通のアライちゃんだった…と言っています」

理科の先生「どういうことなのか…。我々の科学では、説明がつきません」

MCチヘドロー「…せやな…」

理科の先生「チヘドロー。あなたはどう思いますか?」

MCチヘドロー「…」

MCチヘドロー「どうもこうも…。本職の科学者のお前が分からんモンを、ただのテレビ業界人のワイに聞いてどないするんや?」

MCチヘドロー「科学的知見なら、ワイよりシロウちゃんの方がずっと上や。ワイに聞くことなんてあらへんやろ」

理科の先生「…かつて我々サンドスター科学研究所は、フレンズに『EXP』と『レベル』という内部的な数値があることを突き止めました」

理科の先生「この発見には、世界中が沸きました。…フレンズの力が、10進数の整数値で制御されているということが分かったのですから」

理科の先生「それを対照実験により、再現性のある結果を出し、科学的に証明したのは私ですが…」

理科の先生「そもそも、何の手掛かりもない状態で、『フレンズにはレベルとEXPがある』と最初に仮定し、提唱したのは…」

理科の先生「あなたです、チヘドロー」

MCチヘドロー「…世間はワイを、ホラ吹きとか、オカルトキチとか、似非科学者とか、散々笑いモンにしとったけどな」

理科の先生「それが今では手のひら返しですけどもね」

MCチヘドロー「ああ…。シロウちゃんのおかげやなーそれは」

理科の先生「そのレベルで良いのです。世迷いごとでも、ホラ吹きでも構いません」

理科の先生「あなたの発想が聞きたいのです、チヘドロー」

MCチヘドロー「…せやな…」

理科の先生「…」

MCチヘドロー「ひとつ聞くが…そいつの知能とか身体能力はどうや?…って、言わんでも、実験データを見れば分かるな」パラリ

理科の先生「はい。高いところに餌を置いたり、餌取りパズルを解かせたりしてみましたが…」

MCチヘドロー「一言で言うと、貧弱なクソガイジってとこやな」

理科の先生「はい。レベルの計測値は異常な高さを示していますが、知能と身体能力は平均よりずっと低いですね」

理科の先生「平均レベルのアライちゃんですら、生後3週間でたった一人で5ヶ月以上、市街地で生存するのは無理でしょう」

理科の先生「だというのに、例の白いアライちゃんは、平均レベルよりずっと劣るにもかかわらず、生き延びた」

理科の先生「…やはり、何者かに保護されていたと考えるべきでしょう」

MCチヘドロー「つまり、何やようわからんフレンズの子供を拾ってみたはいいものの、あまりのクソガイジっぷりと害獣ぶりに嫌気が差して捨てた…ってとこか」

理科の先生「その可能性が最も高いですね」

MCチヘドロー「…まだ、何とも言われへん。ホラ吹きの材料すらないわ」

MCチヘドロー「また何か分かったら教えてくれや」

理科の先生「…分かりました」

MCチヘドロー「他になんかオモロいもんはあったか?」

理科の先生「そうですね…。一斉掃討作戦中に、奇妙な光景の目撃例がありました」

MCチヘドロー「何や?」

理科の先生「人間の子供を育てているアライさんが、十数匹いました」

MCチヘドロー「…最高で何歳ぐらいや?」

理科の先生「最高で、7歳程度かと」

MCチヘドロー「…ハァ!?」

理科の先生「おかしな話でしょう」

MCチヘドロー「…あの自己チューなハエガイジが、病気にも怪我にも弱く、成長の遅い人間のガキを、7年も根気強く育てたってか?」

理科の先生「はい」

MCチヘドロー「…まあ、アラ信のサポートがあったんやろな。あいつら単独じゃ、人間のガキを育てるんわ性格的に無理や」

理科の先生「…さらに驚くべき報告がありました」

MCチヘドロー「何や」

理科の先生「そのアライさん達のほとんどが、殺される前に…、自分の子供をかばう行動をしました」

MCチヘドロー「…かばったやて?」

理科の先生「はい。ほぼ全てがです」

MCチヘドロー「…具体的にどんな感じで?」

理科の先生「自分の命をなげうってでも、子供を助けようと…したそうです」

MCチヘドロー「…あのハエガイジ共が?」

理科の先生「はい。事実です」

MCチヘドロー「…考えられるのは、ただ一つ」

MCチヘドロー「そいつらに種付けしたアラ信共が、吹き込んだんや。自己犠牲的な、利他的な姿を見せれば、人間は殺すのを躊躇すると」

理科の先生「…全員がそうだと?」

MCチヘドロー「全員がそうや。あのハエガイジに自己犠牲なんてあらへん」

理科の先生「…まあ、その考えが一番可能性が大きいでしょうね」

MCチヘドロー「…」

MCチヘドロー「とまあ…それが、『マトモな考え』や」

理科の先生「…」

MCチヘドロー「お前が聞きたかったんは、そんな話ちゃうやろ?ワイのマトモな考えより、マトモじゃないホラ吹きが聞きたいはずや」

理科の先生「…他の考えがあるのですか?では是非、参考に」

MCチヘドロー「…あくまで、仮説ですらない、妄想やけどな」

MCチヘドロー「フレンズってのは、そないな風にできとるんや」

MCチヘドロー「人間の子供を、自分の命より大事にするようにな」

理科の先生「…」

MCチヘドロー「もっと言うと、そうできてるというより…」

MCチヘドロー「そう『作られとる』んや」

理科の先生「作られている?誰にですか?」

MCチヘドロー「サンドスターや」

理科の先生「サンドスターによるフレンズ化は、世間一般では『自然現象』といわれていますが…。何者か…人間が、その自然現象に手を加え、操作していると?」

MCチヘドロー「はは、もしそうやったら、必死になっとる研究しとるお前らは道化やな」

理科の先生「…」

MCチヘドロー「フレンズ化は自然現象。動物達がサンドスターを浴びると、可愛いお洋服着た美少女になる」

MCチヘドロー「フレンズの種類ごとに、性格も服も大体おんなじもんになる」

MCチヘドロー「…それが自然現象?世間ではそれが一般的な見方やと?」

理科の先生「はい」

MCチヘドロー「アホちゃうか。質量保存の法則はどこ行ったんや?あの可愛らしいお洋服は誰がデザインしとるんや」

理科の先生「…」

MCチヘドロー「…はは。シロウちゃんに愚痴ってもしゃーないわな」

理科の先生「いえ。ごもっともな疑問かと。皆、思っても口に出さないだけで…」

MCチヘドロー「…結局のところ、憶測でモノ言うしかないわけやけどな」

理科の先生「憶測で仮説を立て、その正しさを証明し、再現方法を明らかにする。それが科学です」

MCチヘドロー「はは。もしも人々が集団でホンマもんのオバケを見たら、それを科学では事実と認められるか?」

理科の先生「いえ…。再現性と客観姓がなければ、オカルトとして棄却されるかと」

MCチヘドロー「まーそれが科学の限界やな。…フレンズやらサンドスターっちゅう、半分オカルトみたいなもん、大真面目に研究するあんた方は大したもんやホンマ」

理科の先生「そのあたりはやはり教授の粘り強さというか…。教授は、サンドスターを研究し、レーダーや衛星を作り出しました」

MCチヘドロー「レーダーと衛星か。ようやるわなホンマ。自分があんな体になった原因やっちゅうのに」

理科の先生「知識のまま眠らせておくのでなく、技術として役立てるのもまた、科学者の務めです」

MCチヘドロー「…ワイが前に、レーダーのモニターというかテストをしてやった事もあったな」

理科の先生「はい」

MCチヘドロー「あれのおかげで、隠れとるハエガイジがぎょーさん見付かったわ。ええもん作ったな」

理科の先生「…まだテスト機は、お使いになられますか?」

MCチヘドロー「せやな。もーちょっと貸してや」

理科の先生「分かりました。ところで、ずっと前から気になっていたのですが」

MCチヘドロー「何や」

理科の先生「『これで4匹目や』って言ったのは…何の事なんです?」

MCチヘドロー「…」

理科の先生「駆除したアライさんの数か?と考えましたが。4匹どころではないでしょうし…」

MCチヘドロー「あれはワイの独り言や」

理科の先生「…」

MCチヘドロー「シロウちゃんは、頭プッツンではあるが、不正はせん奴や。シロウちゃんは、そのまんまでええ」

理科の先生「…何か、不正なことに使ったのですか?」

MCチヘドロー「せやから独り言やって」

理科の先生「…」

MCチヘドロー「…」

理科の先生「…チヘドローさん。私は、あなたを信用しているからこそ、レーダーを貸与しています」

理科の先生「…もしも犯罪に悪用したときは、あなたが私の友人であっても…庇いはしません」

MCチヘドロー「誓って言う。俺は、あのレーダーを…正しいことにしか使っていない」

理科の先生「…」

理科の先生は、MCチヘドローの目を見た。
その目はマジなようだ。

理科の先生「…」

MCチヘドロー「ことレーダーを使うにあたり…俺の行動に、一片の悪事もない」

理科の先生「…信じますよ」

MCチヘドロー「…サンキュ」

理科の先生「…ところでチヘドロー」

MCチヘドロー「何や?」

理科の先生「あなた関西弁以外も使えたんですね」

MCチヘドロー「ああー。ワイのこれは関西弁やない」

理科の先生「え…ち、違うんですか?」

MCチヘドロー「猛虎弁ちゅーんや。一種のネットスラングやな」

理科の先生「は、はぁ…」

MCチヘドロー「ついでに言うと、ワイは関西人ですらない」

理科の先生「ですよね!?何で出身地と違うとこの方言使ってるのか、ずっと疑問でしたよ!」

MCチヘドロー「ハハハ」

一旦ここまで



アラアンチ1「聞いたか?もうすぐフォアグライ加工場が閉鎖するんだってさ」

アラアンチ2「えー!?あの世界中の富豪が病み付きと噂のフォアグライが!?あーくそ、生きてる間に一度食ってみたかったな~」

アラアンチ3「せっかくだしさ、一度工場見学行ってみないか?」

アラアンチ1&2「「行こうぜー!」」

…そういうわけで、アラアンチ3人組は、フォアグライ加工場の見学に行くことにした。



~フォアグライ加工場~

受付「はい、見学のお客様ですね。入場料は18歳以上1000円。18歳未満は入場不可です」

アラアンチ1「へー。俺らはいいけど…18歳未満はダメなのか」

アラアンチ2「別にいいんじゃねーのか?単なる食品加工場だろ?」

受付「これは経営者のショクエモンP様の意向です。子供がヘンな影響を受けて、将来の人格形成がおかしくなると良くないとのことなので…」

アラアンチ3「ヘンな影響って何だよ。じゃあシャークPとかの動画見てる小学生はいいのかよ!?」

受付「それを受付の私に言われましても…なんとも…」

アラアンチ1「はあ…。まあいーや、大人3人オナシャス」

受付「ではその前に、荷物点検をさせて頂きます。こちらの装置前へ手荷物をお預けください」

アラアンチ1「何で?」

受付「過去に、ナイフや爆発物、毒液などを持ち込もうとしたお客様がいらっしゃったので…」

アラアンチ2「…大変ですねー」

アラアンチ3人は金を払った後、手荷物を預ける。

受付「あの、お客様…。皆様、ナイフとスタンガンを持ってらっしゃるようですが…」アセアセ

アラアンチ1「ああ、これな。アライさんが出たとき、簡単にブッ殺せるようにってな」

アライさん2「自衛だよ自衛」

アライさん3「いつでもどこでもアラ虐できるようにな!」

受付「分かりました。では危険物はロッカーでお預かりします」

3人は、武器をロッカーに預けた。

受付「検査完了しました。それでは、チケットをお受け取り下さい。撮影スペース以外は全て撮影禁止なのでご了承ください」

アラアンチ1~3「「「はーい」」」

アラアンチ3人は、チケットを受け取り、奥へ進んだ。

通路には、過去にこの見学場で起こった事件と、起こした犯人が受けた刑罰が書かれたポスターがズラリと並んでいた。

アラアンチ達は、通路を進む。

通路の壁には、アラジビ料理の歴史や、フォアグライ加工場の歴史がイラスト付きで書かれている。

アラアンチ1「お!作業場が見えてきたぞ!」スタスタ

やがて、通路は実際の作業場を横切る。
窓ガラスの向こうでフォアグライ加工の実際作業中の様子が見えている。

各工程の説明場所には、説明書きが書かれている。

アラアンチ1「見ていこうぜ!」

アラアンチ2「おうよ!」

アラアンチ3「アラ虐だァ!」

『①まずはアライちゃんを捕まえます。市街地のアライちゃんはゴミを食べていて味が良くありません。畑や森で捕まえた害獣は肉質がいいので、それらを厳選して使用します』

窓の向こうでは、まさに今捕まったアライちゃんが、ケージに入れられて運ばれていた。

作業員「…」ガラガラ

アライちゃん1「ううぅ~!これからだすのりゃあ!おかーしゃーんっ!だじゅげでぇ!おがーしゃああーーんっ!」ジタバタ ガシャンガシャン

アライちゃん2「ひとしゃん!このなかやーなのりゃあ!もりにかえしゅのりゃああー!」ガシャンガシャン

アライちゃん3「のあー、おもちろいのりゃあ!ひとしゃん!もっとはやくすすむのりゃー!」ワクワク

アライちゃん4「こ、ここなんなのりゃ?あらいしゃん、はたけでごはんたべてたのりゃ!」キョロキョロ

作業員「…」ガラガラ

作業員は、搬入されたアライちゃん達の問いかけをすべて無視し、ケージを運んでいく。

『②捕まえたアライちゃんの手足に、鬱血リングを装着します。これによりアライちゃんの手足への血流を止めます』

アラアンチ1「鬱血リング?」

アラアンチ2「何だそりゃ?」

アラアンチ3「まあまあ、見てみようぜ」

窓の向こうの部屋には、先程搬入されてきたアラちゃん達が運ばれてきた。

作業員1「アライちゃん4匹搬入しました。固定までお願いします」ガラガラ

作業員2「了解」

作業員3&4「「鬱血リング、装着します」」

アライちゃん1「のぉーーぁあーあーんっ!のぁあーーーんっ!のびゃああーーんっ!おがーしゃああーんっ!」ピイイイイイ

作業員2は、ゴム手袋を着けた手で、ケージの中へ手を突っ込んだ。

アライちゃん1「うゆ!あらいしゃんになにすゆきなのりゃあ!?」ヒグッヒグッ

作業員2は、アライちゃん1の尻尾を掴み、ケージから出した。

アライちゃん1「ぴいいいいいぃいっっ!やべで!しっぽいぢゃいい!おがーしゃああーーんっ!」ジタバタ ブラーン

そして作業員2は、アライちゃん1の尻尾と頭を掴み、体を固定する。

作業員2「…」ガシッ

アライちゃん1「なんなのりゃあ!こわいのりゃあ!」ジタバタ

作業員3「右腕にリング装着します」スタスタ

作業員4「左腕にリング装着します」スタスタ

そして作業員3と4が、なにやらバネ仕掛けのリングを持って近寄る。

そして、リングをアライちゃん1の両腕の付け根…肩まで通した。

アライちゃん1「うゆ…?なんなのりゃこれ?きれーなのりゃ、ぷれぜんと?」グスッグスッ

アライちゃん2「ううー!あらいしゃんもそれほしーのりゃぁ!」ガシャンガシャン

ケージの中から、別のアライちゃんが様子を見ている。

アライちゃん3「あらいしゃんにもあれつけゆのりゃー!」ピョンピョン

アライちゃん4「のだっ、のだっ!」ガシャンガシャン

ケージの中のアライちゃんは、キラキラしたリングに興味津々なようだ。

アライちゃんは退屈を嫌い、何事にも強い好奇心を示す活発な生き物である。
たった2年で成体になるのだから、たくさんの情報に触れ、色んなことを学びたがっているのである。
それ故に、ずっと同じ場所へ閉じ込められたり、身体を拘束されることを物凄く嫌う。

アライちゃん1「きれーなのりゃ!ぴっかかぴかのわっかなのりゃあ!≧∀≦」シッポフリフリ

作業員2に尻尾と頭を掴まれているアライちゃん1は、とても嬉しそうだ。

作業員3&4「「鬱血リング、ロック解除します」」ガチッ

作業員3&4がばね仕掛けのリングに何か操作をすると、ばちんと大きな音が鳴った。

アライちゃん1「ぎびいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいーーーーーーーーーーーーっ!!!?」ビグゥ

突如、アライちゃん1が大きな声を出した。

アラアンチ2「おぉ!?」ビクッ

アラアンチ3「何だ!?」ビクッ

アライちゃん1「いぢゃいいいいぃぃいぃいいいーーーっ!おてていぢゃいいいぃぃーーーっ!うぎゅうううう!とってぇー!」ジタバタ

アライちゃん1「これとってぇええーーー!おがーしゃん!おがーしゃあああーーんっ!」ジタバタ

どうやら、バネ仕掛けのリングが、アライちゃんの両腕の付け根を強く締め付けているようだ。

作業員3「右脚にリング装着します」グイイ

作業員4「左脚にリング装着します」グイイ

アライちゃん1「いぢゃいのりゃあああああああああああああああああ!ぎびいいいいいいいい!とってぇええー!とってぇええーっ!びぃーーーっ!」ジタバタジタバタジタバタ

アライちゃん1は大声で泣き、ぼろぼろと涙をこぼしながらじたばたと暴れている。

作業員3と4は、暴れているアライちゃん1の両脚へ、先程と同じリングをするすると通していく。

作業員3&4「「鬱血リング、ロック解除します」」ガチッ

両脚のリングから、ばちんと大きな音が鳴った。

アライちゃん1「ふぎゃあああああああああああああがあああああああああああああああああああ!!!ぁああああああーーーーー!!」ビエエエエン

アライちゃん1は喉が張り裂けそうな程大きな声で泣き叫ぶ。

作業員2「装着完了」ポイッ

アライちゃん1は、部屋の搬入口とは反対側の通路前に置いてあるケージへ投げ込まれた。

アライちゃん1「ぐびいいいいいいいいいい!いぢゃいいいいいい!とれないいいいいいいっ!ひとしゃんとってぇえええーーーっ!」ビエエエエン グイグイ

ケージの中のアライちゃん1は、両腕と両脚の付け根のリングを一生懸命外そうとしている。
しかし、リングは外れないようだ。

作業員2「…」グイイ

作業員2はケージから、2匹目のアライちゃんを取り出そうとしている。

アライちゃん2「ぴいいぃ!やなのりゃぁ、いだいのやなのりゃああ!」ブルブル

アライちゃん2は、狭いケージの隅っこへ逃げ、ぶるぶると震えている。

作業員2「…」スッ

作業員2がアライちゃん2の尻尾を掴もうとすると…

アライちゃん2「やなのりゃあああ!」ブンッ

尻尾を振り、作業員2の手をかわす。

アライちゃん2「ひ、ひとしゃん、やべで、おかーしゃんのとこにかえちてぇ!」ブルブル

作業員2は、再び尻尾を掴もうとするが…

アライちゃん2「やべでえええええ!やなあああああ!!」シッポブンブンブンブン

アライちゃん2は尻尾をブンブンと振り、掴まらないように抵抗している。

作業員2「…」ガシィ

アライちゃん2「ぴぎ!?」

作業員2は、アライちゃん2の首を握ると…

作業員2「…」ブンブンブンブンブンブンブンブンブンブン

そのままケージの中で、左右前後に大きくブンブンと振り回した。

アライちゃん2「ふぎゅうぅぅぐぶぅう!?のりゃ!のりゃ!のりゃ!!やべで!やべで!」ガックンガックン

アライちゃん2の大きな頭が、がくんがくんと揺れる。

作業員2「…」グイイイ

アライちゃん2「うゆぅぅ…めがまわゆぅぅ…」フラフラ

アライちゃん2は今の振り回しで、平衡感覚がおかしくなっているようだ。

作業員2「…」ガシィ

そして、作業員2に尻尾と頭を握られ…

アライちゃん2「うゆうぅぅ…ぎぼじわゆいぃ…」フラフラ

作業員3&4「「鬱血リング、ロック解除します」」バチンッ

アライちゃん2「のあ……のりゃぁああああああああああああああああああーーーーーーーっ!!!?ぎびいいぃぃぃーーーーっ!いぢゃいぃぃぃーーーーっ!!!」ジタバタ

バネ仕掛けのリングを、両脚と両腕の付け根に装着された。
目が覚めるような激痛に、アライちゃん2の意識が戻ったようである。

作業員2「装着完了」ポイッ

アライちゃん2「ぴいいいいいいいいい!ひぎいぃぃぃいいいいっ!」ゴロン ジタバタジタバタジタバタ

アライちゃん1「うぐぐーーっ!ひとしゃああああああーーーんっ!これいらないいいいいーーっ!いーーーらーーーなーーーいぃーーーーーーっ!!」モゾモゾ

そして、泣き叫ぶアライちゃん1と同じケージへ投げ込まれた。

作業員2は、アライちゃん3を捕まえようとケージの中に手を伸ばす。

アライちゃん3「あ、あらいしゃんはいらないのりゃ!いいのりゃ!いらないからぁ!」ジタバタ

作業員2「…」ガシィ

拒絶に構わず、作業員2は尻尾を掴む。

アライちゃん3「なんなのりゃ!なにすればやめてくれゆのりゃ!?なんかゆーのりゃ!しゃべれないのはがいじなのりゃああ!」ジタバタジタバタジタバタ

アラアンチ2「ガイジはてめーだハエガイジ!」ギャハハハハハハ

アライちゃん3はじたばたほと暴れるが、ケージの外へ引きずり出され…

アライちゃん3「ぎびいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃっぃいゃあああああああああああああああああーーーー!」バチンッ バチンッ バチンッ バチンッ

両腕両脚を、バネ仕掛けのリングで締め付けられた。

続いてアライちゃん4に手を伸ばす作業員2。

アライちゃん4「ふぅぅーーーっ!ふぐぐぅーーーっ!きゅるるるぅっ!」フゥーッ

アライちゃん4は、涙目になって震えながら激しく威嚇している。

アライちゃん4「くゆなあああ!ふっしゃあぁぁっ!!」バリバリ

作業員2の手袋を引っ掻くアライちゃん4。

アライちゃん4「ふぐぎゅうるるるるるるぅぅ!あらいしゃんはこわいんだぞ!つよいんだぞ!ぶっこよすぞぉぉぉ!!きゅるるるぅ!」フシャアアアア ブルブル

激しく威嚇するアライちゃん4。

作業員2「…」スッ

アライちゃん4「はぐぅうっ!がぶうぅぅぅっ!ふんぐぐぐぐぅ!はぐがぶぅ!」ガブゥゥバリバリ

アライちゃん4は、作業員2の手袋を引っ掻いたり噛みついたりして抵抗するものの…

作業員2「…」ガシィ

作業員2に、首を捕まれた。

アライちゃん4「うぎゅぅ!はなせ!はなしぇえええっ!!ふぎゅうぅ!」バリバリバリバリバリバリ

アライちゃん4は、作業員2の手袋や、厚い上着の袖を死に物狂いで引っ掻く。

作業員2「…」ギュウウウウウ ブンブンブンブンブンブンブンブン

アライちゃん4「うぅぅぅーーーー!まげゆもんがあああああああ!ぶっこよしてやゆのりゃあああああ!!」ガクガクガクガクバリバリバリバリ

アライちゃん4は、首を絞められてガクガクと揺さぶられながらも、作業員2の手袋を引っ掻く。

しかし、掴んでしまえばこっちのもの。

作業員2は、アライちゃん4をケージから引っ張り出す。

作業員3&4「「鬱血リング装着します」」スッ

アライちゃん4「やべろぉ!ぁあああああああ!やべゆのりゃああああ!くそごみがいじ!!うんこ!ぼけ!あほ!がいじがいじがいじがいじがいじぃぃぃぃぃーーーっ!ふぎいいぃぃーーーっ!!」ジタバタジタバタジタバタ

アライちゃん4は死に物狂いで暴れるが…
所詮は赤ちゃんの力。

作業員3&4「「鬱血リング、ロック解除します」」バチィン

アライちゃん4「ぎびゃあああああああああああああああああああああああ!!!ぁああああああーーーーーーーーー!だずげでおがあああしゃあああああああーーーんっ!!」ジョボボボボボ

リングで締め付けられたことによるあまりの激痛で、アライちゃん4は失禁した。

作業員2「…」ガラガラ

作業員2は、両脚両腕にリングをつけられたアライちゃん達の入ったケージを次の部屋に運んでいく。

アライちゃん1「うぐぎいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」グスグスポロポロ

アライちゃん2「おがあああああしゃああああああんっ!おがーしゃあああああああーーんっ!」ビエエエン

アライちゃん3「いぢゃいのりゃあああああああ!ひとしゃんこれとってえええええええ!こーーびすゆがらああああああああ!」ピイイイイイ

アライちゃん4「うゆーーー!うぎゅうううう!!とれろ!はずれろ!とれろおおおおお!!!」グイイイ

アラアンチ1「次は何の部屋だ?」スタスタ

アラアンチ2「あのリングは何だ?何に使うんだ?」スタスタ

アラアンチ3「わくわくするぜ」スタスタ

一行は、次の部屋の見学に向かった。

つづく

ところでこのエピソードが終わってからの話になるんですが、
このスレ内のパルコアライちゃんのエピソード(①>>33-119、②>>377-391)を
丸ごと書き換えたいと思ってます

理由はただ一つで、貧しい母子や倉庫主が損するだけでただただ不快であり、ぶっちゃけクソつまんない話だからです

話を置き換える前後で重要な状況変化は変えないため、あくまでその2エピソード内だけ読み替えればいいようにしようと思います

ややこしくなるのが嫌であれば、このまま進行しても問題ありませんが…
読者の皆様の意見を聞かせてもらえないでしょうか

次の部屋に、アライちゃん達の入ったケージが運び込まれた。

アライちゃん達は相変わらずケージの中で暴れまわっている。

アライちゃん1「おがああーーしゃああーーんっ!おがーーーしゃあああああああああああんっ!」ビエエエン

アライちゃん2「はずしてえええええーーーー!!とってえええーーーーーーーー!!いぢゃいぃ!いぃーーぢゃーーぃーーっ!」ジタバタ

アライちゃん3「とってええええーーーー!とれっていってゆのりゃああ!こーびすゆがらあああーーーーーー!!」ピイイイイイ

アライちゃん4「うぅぅーーーー!とれえええええええ!はずせえええええええええええ!はずさなきゃぶっこよすぞおおおおおおおお!!」ガッシャンガッシャン

作業員2「では、1時間後に回収します」スタスタ…

作業員3&4「「了解」」スタスタ…

作業員達は、なんとアライちゃん達を放置して部屋から去っていった。

アライちゃん2「いがないでええええええええ!これとってえええー!いりゃないのりゃああああ!!」ジタバタ

アライちゃん4「うゆうぅぅ!でてくなああああ!こりょすぞおおおお!うがあああああ!」ガッシャンガッシャン

そんなアライちゃん達の様子を見ているアラアンチ達。

アラアンチ1「なんだ…?ここで何するんだ?」

アラアンチ2「窓の隣に説明が書いてあるな」チラッ

アラアンチ3「ふむふむ…。じゃあせっかくだし、1時間待ってみるか。丁度スタミナ回復したころだし」

アラアンチ1~3「「「イエーーイ」」」

アラアンチ達はスマホをいじりながら、窓の中のアライちゃんを時々眺めて待った。

…10分経過…

アライちゃん1「う゛ーーーーっ!!おててびりびりすゆのりゃあ!うゆうぅぅ!!」ビエエエン

アライちゃん2「あんよいぢゃいのやああああああ!うぎゅうううぎううう!」シッポブンブンブンブンブンブン

アライちゃん3「ひとしゃん!ひとしゃああああん!きてええ!とってえええ!おててとあんよびりびりしてやなのりゃあ!」ヒグッヒグッ

アライちゃん4「ぴぎいいいいいい!いぢゃいのりゃああ!!」シッポブンブンブンブンブンブン

先程まで暴れていたアライちゃん達の手足の動きが止まった。

アラアンチ1「この部屋の説明は…」

アラアンチ2「『③鬱血リングを装着したまま1時間放置します。するとアライちゃん達は手足が麻痺して動かなくなり、扱いやすくなります』…」

アラアンチ3「『なお、窓はマジックミラーとなっています』か。なーるほど」

…1時間経過…

アライちゃん1「うごかないいい!あらいしゃんのおててとあんようごかないのりゃああああ!」ピイイイイイ

アライちゃん2「ぎびいいいいいいいいいいいいいい!やなのりゃあああ!これとってえええええ!!」ビエエエン シッポブンブン

アライちゃん達の腕と脚は、リングから先の方がぶくっと腫れ上がっていた。

腕と脚の外側の静脈は完全に塞がっているが、内側の動脈は完全には塞がっていないためだ。

作業員2「では運搬しましょう」スタスタ ガラガラ

部屋に戻ってきて、アライちゃん達の入ったケージを、次の部屋へ運ぶ作業員達。

ケージの中のアライちゃん達は、相変わらずケージの中で喚いていた。

アラアンチ1「次の部屋行こうぜー」スタスタ

アラアンチ2&3「「イエーイ」」スタスタ



アラアンチ達は、次の部屋へ進んだ。
やがてマジックミラーの向こうの部屋に、作業員達とアライちゃんケージが運び込まれてきた。

次の部屋には、流し台と…
…カッティンググラインダーがあった。

アラアンチ1「この部屋は…?ふむふむ…おっと!?これは強烈!」

アラアンチ1は、窓の隣の説明書きを読み、驚愕した。

アラアンチ2「すっげー!こんなことやるんだ!さっすがショクエモンPの工場だぜ!」

アラアンチ3「くぅー、撮影も録音も禁止なのがつらいな!じっくり目と耳に焼きつけていこうぜ!」

窓の向こうの部屋で、作業が始まるようだ。

作業員2「運搬完了。トゥースカットお願いします」

作業員3「はい」スタスタ

レインコートを着て手袋をつけた作業員3が現れた。

作業員3は、ケージからアライちゃん1を掴んで、仰向けにして流し台に置いた。

掴まれたアライちゃん1は手足を動かさず、身をよじったり尻尾を振ったりして抵抗した。

アライちゃん1「うぅー!おがーしゃん!なんできてくれないのりゃあ!おがーしゃんはあらいしゃんがきらいになったのかー!?」モゾモゾ

流し台の上のアライちゃん1は相変わらず泣きわめいている。

作業員3「…」ギュイイイイイイイイイイイイイイイン…!

作業員3はカッティンググラインダーのスイッチを入れる。

カッティンググラインダーの円盤状の研磨刃が高速回転する。

作業員3は、アライちゃん1の鼻をつかんだ。

アライちゃん1「ふが!?はーはー、なにすゆのりゃ!?」ハァハァ

アライちゃん1が口を開けると…

作業員3「トゥースカット開始!」ギュイイイイイイイイイイイイイイインガリガリガリガリバリバリバリバリ

アライちゃん1「あぎゃがあああああああああああああああああああああ!!!」ガリガリガリガリブシャアアアアアアア

何と、アライちゃん1の上の歯茎を、カッティンググラインダーで削り始めた。

流し台は、アライちゃんの歯茎から飛んだ血で濡れる。

アライちゃん1の上の歯茎は、完全に削られた。
血がどばどばと流し台に流れる。

アライちゃん1「ぁあああああああーーーー!えふっ!えふっ!ぁいあいおあああああああああーーーー!」モゾモゾモゾモゾ

アラアンチ達「「「YEAAAAHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH!!!」」」

作業員3「下の歯茎もカットします」ギュイイイイイイイイイイイイイイイン

作業員3は、アライちゃん1の口に再びカッティンググラインダーを近づけた。

アライちゃん1「んんん!んんーーーーっ!!」

アライちゃん1は、口を閉じている。
これではトゥースカット作業ができないのでは…?

いいや、そんなことはない。

作業員3「…」ギュイイイイイイイイイイイイイイインガリガリガリガリ

なんと作業員3は、口を閉じているアライちゃん1の、上唇と下唇の隙間へ、回転するカッティンググラインダーを捩じ込んだ。

アライちゃん1「んんんぅゃあああああああああああーーーーーーーーー!!」バリバリバリバリチュイイイイイイイイン

唇の肉が削り飛ばされていく。
アライちゃん1はたまらず口を開けた。

作業員3「…」チュイイイイイイイイン ガリガリガリガリガリガリ

アライちゃん1「ぇぁああああああああああーーーーーー!!」ガリガリブシャアアアアアアア

…そして、アライちゃん1の上下の歯が、歯茎ごと無くなった。

アラアンチ1「…『④アライちゃんの歯を、カッティンググラインダーで削り取ります。アライさんの歯は鋭く、強制給餌器のノズルを破損させることがあります』」

アラアンチ1「『また、歯があると言葉が喋れるので、強制給餌場で作業員へ口汚い罵声を浴びせ、不快な気分にさせることがあります』」

アラアンチ1「『強制給餌では咀嚼の必要がないため、アライさんの歯は完全に邪魔にしかなりません』」

アラアンチ1「『そのため、歯を歯茎ごと削り取って再生不可能にします。これがトゥースカット工程です』」

アラアンチ2&3「「フゥーーー!!イカれてるー♪」」パチパチパチパチ

アライちゃん1「あ゛ーーーーーーーーーーーーーー!!ぁあ゛あああああああああ!」ドクドク

作業員3「…」ズボォ

アライちゃん1「もごぉっ…!」

アライちゃん1は、上下の歯茎にガーゼを当てられ、ギャグボールを咥えさせられて、流し台のはしっこに置かれた。

アライちゃん1「ああああああああ!おあああああああ!」ジョボボボボボ… シッポブンブンブンブンブンブン

上下の歯茎の傷へ、ギャグボールでガーゼを強く押し付けられるアライちゃん1は、母音だけの声と尻尾と失禁で苦痛を訴えている。

作業員2「2匹目、いきます」ガシィ グイイイ

アライちゃん2「やだあああああああああ!やべでええええええええ!!そんなことすゆなんてがいじなのりゃああああ!いじめないでなのりゃああ!」ブンブンブンブン

アライちゃん2は、首をブンブン振って抵抗している。

作業員3「トゥースカット開始」ギュイイイイイイイイイイイイイイイン

アライちゃん2「ぶぎゅううぶううううううううううあああああああああ!!」ガリガリガリガリバリバリブシャアアアアアアア

だが、抵抗するとかしないとか関係ない。
これは医療行為ではないのだから、歯茎のある場所へカッティンググラインダーを押し当てさえすればいいのである。
抵抗したアライちゃん2は、歯茎とともに唇の大部分を失った。

作業員3は、まさに作業といった冷徹さで、アライちゃん2の口へガーゼとギャグボールを突っ込む。

そして次のアライちゃんをケージから引っ張り出した。

アライちゃん3「お、おねがいなのりゃ…なんでもゆーこときくのりゃ…だ、だから…やべで…!」ブルブル

作業員3「トゥースカット開始」チュイイイイイイイイン

アライちゃん3「あぎゃがあああああああああああああああ!!」ガリガリブシャアアアアアアア

流し台の上はもう血塗れだ。

作業員3「次」ポイッ

アライちゃん3「ああああああああ…!ぁあああああーーー…!」ドサッ

そして、モゾモゾと暴れるアライちゃん4をケージから出し、流し台へ寝かせた。

アライちゃん4「がるるるるるぅ!あらいしゃんになんかしたら、おまえのゆびぜーーーんぶかみちぎってやゆのりゃああ!」フゥーッフゥーッ シッポブンブン

既に涙目のアライちゃん4は、作業員3を睨み付けながら、尻尾を振って威嚇する。
手足は鬱血して動かない。

作業員3「…」ガシィ

アライちゃん4の首が絞められる。

アライちゃん4「はぐ!はぐ!はぁぐっ!」ガチンガチン

アライちゃん4は、歯をガチガチ鳴らしている。

作業員3「…」チュイイイイイイイイン

アライちゃん4「むだなのりゃ!あらいしゃんのきばはせかいでいちばんつよいんだぞぉ!そんなのぶっこわしてやゆのりゃあ!」アーン

なんと、アライちゃん4はカッティンググラインダーを噛み砕くと宣言した。

アラアンチ1「Foo!こりゃおもしれえ!アライちゃんVSカッティンググラインダー!」ヒューヒュー

アラアンチ2「どっちが勝つか賭けようぜ!」

アラアンチ3「賭けた方、せーので言おうぜ。せーの…」






アラアンチ1~3「「「カッティンググラインダー!」」」

アライちゃん4「ぎびいいいいいいいいいいいいいいいいいゃあああああああーーーーーーーー!!」ガリガリバリバリブシャアアアアアアア

…どうやらアラアンチ3人は、全員賭けに勝ったようだ。

作業員3は、上の歯茎を削り取ると、一旦カッティンググラインダーを離す。

アライちゃん4「あぁ、ああああ!いおあん!うっおおうああんえいっえおえんああいあおああああ!」シッポブンブンブンブンブンブン

アライちゃん4「おおあああいああ、うういえうああいあおああああ!あええおいいおああああーー!」ヒグッヒグッ

アライちゃん4は、泣きながら何か分けの分からないことをわめいている。
また挑発でもしているのであろうか。

作業員3「…」チュイイイイイイイイン

アライちゃん4「あああああああああああああーーーー!!ぃぁあああああああああーーー!!」ガリガリブシャアアアアアアア

…そのまま下の歯茎も削り取られた。



アライちゃん達は、流し台で血を洗われた後、再び放置された。

アライちゃん1「あ…ぁああ…」ダラダラ

アライちゃん達の口には、ガーゼとギャグボールが咥えさせられている。

歯茎から流れた血が、ギャグボールの隙間から流し台に流れている。

アライちゃん4「ぁああーー…!ぁああああーー…!」ポロポロ

アライちゃん達は皆、激痛に悶え苦しみ、泣いていた。

アラアンチ1「『この後1時間放置すれば、止血完了です』か…」

アラアンチ2「…どうする?待つか?」

アラアンチ3「待とう!」

アラアンチ達は、辛抱強く待った。

…1時間後…

作業員2「強制給餌場へ運びまーす」ガラガラ

作業員2は、未だ泣きじゃくるアライちゃん達をケージへ放り込み、強制給餌場へ運び込んだ。



~強制給餌場~

アラアンチ1「ここが強制給餌場か…」

アラアンチ達は、窓の向こうを覗く。
たくさんのアライさん達が、便器のような台に固定されている。

そして、そのほとんどが…
…手足がない。

ミイラ腕アライちゃん「ぁああ…ああいあんおおええああ…!あんよああ…!」ブルブル

手足がミイラ化しているアライちゃんがいる。
自分の手足を見て狼狽えているようだ。

ダルマデブアライさん「…」ボケー
デブダルマアライさん「…」ボケー
デブアライダルマさん「…」ボケー
アライデブダルマさん「…」ボケー
アライダルマデブさん「…」ボケー
ダルマアライデブさん「…」ボケー

腕も脚もない肥満体のアライさん達が、虚空を見つめている。

アラアンチ1「…『⑤アライちゃん達を、強制給餌台へ固定します。この固定台は水洗便所になっております』」

アラアンチ1「『リングで血流を止められた腕と脚はやがて壊死し、自然に腐り落ちるかミイラ化します』」

アラアンチ1「『そのメリットは2つあります。1つは、アライさんが暴れないようにすることで、拘束台を簡素な作りにできること』」

アラアンチ1「『もう一つは、果物の余分な枝を裁断するように、手足に無駄に栄養を奪われないようにできることです』」

アラアンチ1『こうして1年間、このようにしてアライさんへ強制給餌を続け、脂肪肝を形成させていきます』

アラアンチ2「すげーなー…」

アラアンチ3「最初にアラジビ料理始めた人は偉大だよなー…」

アラアンチ1「ホントだよ」

やがて、先程のアライちゃん達が連れてこられ、固定台へ拘束された。

アライちゃん1「あうええ…おああん…おあーああーんっ…えうっ…えうっ…」ポロポロ

アライちゃん2「いおあん…あえいえ…おいい…あえいええ…」ウルウル

アライちゃん3「いああおああ…おんあおああ…」グスングスン

アライちゃん4「うういええ!おおああいああ!おうあああああいあああ!うういえええーー!」イイイイイイ

アライちゃん達は、口々にわけの分からない呻き声をあげている。
しかし、やがてこのアライちゃん達も、まわりにいるアライさん達と同じ運命をたどるだろう。

係員1「強制給餌体験、やってみます?室内はゲロ臭いですけど」

アラアンチ1~3「「「やります!」」」

\\ウユウウウゥ~~~!!//\\オエー…//

アラアンチ達は、アライちゃん1~4の喉へ強制給餌器を突っ込み、食道へ餌を流し込むのを楽しんだ。

アラアンチ1「なんかこの餌、輝いてますね」

係員1「はい。アライさんの耳や尻尾、服を薬剤で反応済みサンドスターへ還元して、混ぜてるんです。これがあると美味しく育つんですよ」

アラアンチ2「そんな活用方法が…!」

係員1「おかげで今のフォアグライは、最初よりさらに美味しくなっていますよ!」

突如、デブダルマアライさんの頭の上のランプが点灯した。

デブダルマアライさん「おあ…」

作業員3「…」スタスタ カチャカチャ

作業員3は、デブダルマアライさんの体にベルトを巻き付け、天井からぶら下がるフックを取り付けた。

作業員3「運搬開始します」カチッ

デブダルマアライさん「おあああ…」ブラーン ゴウンゴウン…

デブダルマアライさんは、フックで逆さ吊りにされ、自動で運ばれていく。

アラアンチ1「『⑥拘束されて丁度1年間経過したアライさんに、ベルトとフックを取り付けます。アライさんは逆さ吊りにされ、機械によって屠殺室へ自動運搬されます』」

アラアンチ1「逆さ吊りにされたアライさんは、頭に血圧が集中するため、血抜きがしやすくなります」

アラアンチ2「屠殺室だってよ!行ってみようぜ!」スタスタ



~屠殺室~

デブダルマアライさん「…」ブラーン

作業員4「…」スタスタ

作業員4は包丁を持って、逆さ吊りのデブダルマアライさんへ近寄る。

デブダルマアライさんは、ただ作業員4をじっと見つめるだけで、暴れも喚きもしない。

作業員4「…」ドズッ

作業員4は、全く何の抵抗もしないデブダルマアライさんの首へ、包丁を突き刺した。

デブダルマアライさん「おああ…あ…ん…」ブッシャアアアアアアアドボドボドボドボ

首の傷から大量の血が吹き出し、排水口へ流れていく。

アラアンチ2「『こうして屠殺されたアライさんは、解体場で肝臓を抜き取られ、冷凍されます』」

アラアンチ2「『冷凍アライさんは、精肉場へ搬送され、アラ脂やペットフードの材料になります』…か」

アラアンチ3「これでめでたく、フォアグライ出荷までの全工程が見れたな!」

アラアンチ達「「「Foo~~!」」」パチパチパチパチ

アラアンチ1「さて、見学コースの出口だ。あー、一度くらい食べてみたかったなー」スタスタ

店員「こちら物販コーナーです!半年コースの廉価フォアグライの缶詰め、売ってますよー!」

アラアンチ達「「「買った!!」」」

~出口~

受付「ありがとうございました」ペコリ

アラアンチ1「あー楽しかったな」

アラアンチ2「しかし、アライさんが絶滅したら、もうアラ虐もアラジビもなくなっちまうんだな…」

アラアンチ3「…」

アラアンチ1「どうした?」

アラアンチ3「いやさ、なんか…。もしかしてさ、アラ虐とかアラジビってさ。結構ヤバい事なんじゃ…?」

アラアンチ1&2「「アライさん相手だからいいんだよ!!」」

アラアンチ3「だよなー!」

アラアンチ1「ところで、アライさんがいなくなった後、ここはどうなるんだ?」

受付「フォアグライ専用装置はすべて売却処分し、通常のガチョウのフォアグラ工場になります」

アラアンチ2「そっちは見学コースないんですか?」

受付「ありません」

アラアンチ3「なんで?」

受付「だって、ガチョウが無理矢理給餌されて殺されるなんて、可哀想で見世物にできませんもの!」

アラアンチ1~3「「「あははははははは!違いないや!」」」ゲラゲラゲラ




それからしばらくして、フォアグライ加工場では、新規アライちゃんの搬入をストップした。

アライさんの駆除が全国レベルで進んでおり、もうアライちゃんを確保することが困難になったためである。

現時点で加工場にいるアライさんの出荷が全て完了次第、フォアグライ加工ラインは閉鎖することになるだろう…。

つづく

あっそうだ(遅い補足)
今回の話は、この曲をBGMにするとより楽しめたと思います

http://nico.ms/sm28763398
【星のカービィ】こうじょうけんがく(Pyramid Area)【ロボボプラネット】

乙です
短いですが、スナック菓子感覚のアラ駆除動画を
https://www.youtube.com/watch?v=DaeoA0VIOro
吠える→撲殺される→ファッキンの流れが面白いです

ようやく追いついたけど、ここの住人はまともな感性の人もいるが明白な異常者もたくさんいて怖いな
前スレのブラウンPが人間の子をもつアライさんを殺した辺りでぞっとしたわ
真に他者に共感する能力がない点ではアライさん以下。人間性が備わってないことを自覚してなくて自らが正義の側に立ってると思いこんでる辺りアライさん以上の害悪。
たまに話の流れとか>>1の設定とか全部無視してなんでもいいからアラ虐が見たいとか存在が悪だから御手洗も殺せとか言ってる奴もいるが、彼らは自分の言動がアライさんそっくりだと気付かないのかねえ。
何より恐ろしいのはそんな奴らがSSの中なんかじゃなく現実世界に巣食ってることだな。同族である分、内臓の病みたいなもんだし駆除が許されるアライグマよりタチ悪いわ。

いやそういうのは作品のノリに合わせてるだけなような…いや実際のアライグマの駆除動画はマジでちょっと引くというか反応に困るけど

>>598
いや、俺もアラ虐を見にきてるわけだし、>>1が望んでるみたいだから合いの手入れたり感想をレスしたりするのは分かる。
「アライさんの子だから殺処分するのも当然」ってのがノリなのかどうなのかはちょっとわからんかったが………
俺が言いたいのは、「アライさんの子でかわいそうな産まれだから[ピーーー]のが慈悲だ」とか言ってる奴らヤバない?ってこと
子供も抹殺対象に「すべき」と言ってる奴もいたな。
現実と混同するなと反論されるかもしれないが、そういう価値観を持ってる奴らがSSについてそういう感想を抱くわけで………。
つまりは自らを正常だと思いこんでる頭アライさんが現実にいるってことじゃないかー。恐るるに値するだろ。

長文すまんかった。ただ、アライさんは道徳を解さない害獣だとか家族や同族よりも自分が大事なクズだとかって割とブーメランだなって思って。

住民にボコされた奴がレッテル貼って逃げるのってよく見る

>>614
確かに図星突かれたら即アラ信認定は見飽きたよな。

住民1「ガイジ!クズ!頭アライさん!アラ信!異常者!」

住民2「住民しゃんはガイジでもアラ信じゃないのりゃ!お前がアラ信なのりゃ!ガイジ!論破なのりゃ!」

こんなんばっか。完全にアライさんじゃん。うぜーから勝手にレスバトル始めないでくんねーかな。オレもレスバトルだるいんでこれ以上は何も言わんけど。

最新型フォアグライさんだよ かわいそー^^
https://i.imgur.com/L45bAub.jpg

~球場~

MCチヘドロー「アライバッティング、開幕や!」

観客達「YEAAAAHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH!!」

MCチヘドロー「ルールは簡単!これからアライさんには、ピッチャーが投げるアライちゃんをバットでぶっ飛ばしてもらうで!」

MCチヘドロー「一番遠くに飛ばした奴1匹だけ生き残れるで!三振したらその場で即処刑や!」



ピッチャー「じゃ、投げるぜー」グイイイ

子アライちゃん1「お、おかーしゃ…!やべで、たたかないでぇ!はなちてぇ!」ジタバタ

親アライさん1「ち、ちび…!ちびを放すのだぁ!」

ピッチャー「投球!」ブンッ

親アライさん1「くっ…」

キャッチャー「ほいっ」パシッ

球審「ストゥラアアアアアアアアアイッ!!」

MCチヘドロー「あと二球外したらおだぶつやでええ!」

キャッチャーは、ピッチャーへ子アライちゃん1を投げ返す。

子アライちゃん1「うゆうぅ、もうなげないでぇ!」プルプル

ピッチャー「2球目!」ブンッ

子アライちゃん1「ぴいいぃ!」ヒューン

親アライさん1「たあ~!」ブンッ スカァッ

親アライさん1は、バットを振った。
しかし子アライちゃん1には当たらなかった。

キャッチャー「キャッチ」ガシィ

子アライちゃん1「ぴぃぃ!おかーしゃ、いまあらいしゃんをたたこうとちたのりゃあ!」プルプル

親アライさん1「だ、だって、叩かないと…アライさんが殺されるのだぁ!悪いのはアライさんじゃないのだぁ!」ブルブル

MCチヘドロー「2ストライク!次も外したら即ディスパッチやでー!」

ピッチャー「3球目!へぁ!」ブンッ

親アライさん1「たあ~!」ブンッ バギィ

子アライちゃん1「びぎぃいいいいいいいいいいいいいっ!!」ベギグシャア ヒューン

子アライちゃん1は、ちょっと飛んで転がった。

観客達「YEAAAAHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH!!!」

子アライちゃん1「ぴ…ぎ…」ブルブル

MCチヘドロー「計測完了。ちなみにバッティング後の親子は同じ降りに入れとくから、いつでも様子見れるで!」

回収された子アライちゃん1は、親と共に強制的に檻に入れられた。

子アライちゃん1「い、いぢゃいぃ…!げほっ…」ゴパァ

親アライさん1「うぅ…!誰か!チビが血を吐いてるのだぁ!助けてなのだぁ!」

観客1「てめーが叩いたからだろうが!」

観客2「親の癖に子に暴力振るって最低な母親だなぁ!」

観客達『ガ・イ・ジ!ガ・イ・ジ!ガ・イ・ジ!ガ・イ・ジ!ガ・イ・ジ!ガ・イ・ジ!ガ・イ・ジ!』

親アライさん1「がいじじゃないのだあああー!」



他所アライちゃん1「あ、あらいしゃんを、たたかないで…」ブルブル

他所アライさん1「うおー!絶対一番遠くまでぶっ飛ばして、生き残るのだぁ!」ブンッブンッ

ピッチャー「投球!」ブンッ

他所アライちゃん1「ぴぃー!」ヒューン

他所アライさん1「のだぁ!」スカァッ

球審「ストゥラアアアアアアアアアイッ!」

ピッチャー「2球目!」ブンッ

他所アライさん1「のだぁ!」スカァッ

球審「ストゥラアアアアアアアアアイッ!」

ピッチャー「3球目!」ブンッ

他所アライさん1「のだぁ!」ストゥラ

ピッチャー「ストゥラアアアアアアアアアイッ!」

他所アライさん1「のああああああああ!?なんであたらないのだあああ!!」

MCチヘドロー「三振や!ディスパッチやでドヘタクソォ!」

バット処刑人「死ねェ!」ブンッ ボガァ

他所アライさん1「ぎびぃ!」グシャ

他所アライさん1「」ビグンビグンビグンジタバタビッタンバッタン

観客達「YEAAAAHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH!!」



子アライちゃん2「おかーしゃ!あらいしゃんをたたいちゃやなのりゃ!」ジタバタ

親アライさん2「うるさいのだ!もうチビの育児には疲れてたのだ!アライさんは勝って生き残るのだぁ!」ブンッブンッ

素振りをする親アライさん2。

ピッチャー「投球!」ブンッ

子アライちゃん2「いいこにすゆかりゃあああああ!」ヒューン

親アライさん2「くたばれなのだあああああっ!」ブンッ カッキィーーーンッ

子アライちゃん2「ぶぎびゅうううーーーーーっ!」ヒューン

バットが子アライちゃん2の頭蓋骨に当たり、心地いバッティング音が球場に響いた。

観客達「YEAAAAHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH!!!」パチパチパチパチパチパチ

子アライちゃん2「」ビッタンバッタンビグンビグン…

MCチヘドロー「計測完了!おおー新記録や!よくそんなに遠慮なくガキをブッ飛ばせるなぁ、子殺し!」

観客達『子殺し!子殺し!子殺し!子殺し!子殺し!子殺し!』

親アライさん2「うぅ…アライさんは悪くないのだあああ!!」

そして、しばらくバッティングが続き…

MCチヘドロー「結果発表!今までで一番飛距離が大きかったのは…親アライさん2や!」

親アライさん2「やったのだああああ!」シッポブンブンコスリコスリ

2位以下アライさん達「「「嫌なのだああああ!もう一回やり直しさせるのだああ!!」」」

MCチヘドロー「さーて、2位以下は全員ディスパッチや!」

親アライさん1「し、死にたくないのだぁ!檻から出すのだぁ!なんであんな、子供を平気で殺せる奴が生き残るのだぁ!」ガシャンガシャン

バット処刑人「うるせー死ね!」ブンッ ベギィグシャア

親アライさん1「のだっ、のだっ!」ブシャアアアアアアア

親アライさん1「」ビグンビグン

2位以下は全員バット処刑人に殴り殺された。



MCチヘドロー「ほなインタビューしよか。どうや?ガキをぶっ殺して、今に至った気分は」

親アライさん2「アライさんのパワーの勝利なのだ!森に帰って、そのうちまた子供産むのだぁ!」 シッポフリフリ

MCチヘドロー「何言うとるんや?自分、もしかしてもう生き残った気でいるんか?」

親アライさん2「のだ!?だ、だって、1位になったのだ!生き残れるはずなのだ!お前、嘘ついたのか!?」

MCチヘドロー「ワイは『これで全員や』なんて一言も言うとらん!最後は…バット処刑人!お前や!」

バット処刑人「…」スタスタ ブンッブンッ

バット処刑人は素振りをしている。

ピッチャー「投げるぜー」グイイイ

他所アライちゃん1「ぴいいいぃぃーっ!?あ、あらいしゃんはいきのこったのりゃあー!はなちてー!」ジタバタ

三振球となった無傷のアライちゃんが、ピッチャーに掴まれている。

ピッチャー「投球!」ブンッ

他所アライちゃん1「ぴいいぃぃ!?」

バット処刑人「ダラァ!」ブンッ カッッッッキィーーーーーーーーーーーーーーンッ

他所アライちゃん1「」ボグチャアアアブシャアアアアアアアビグンビグンヒューーーーーッ

観客達『YEAAAAHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH!!』

バットで叩かれた他所アライちゃん1は、空中ゴキガイジムーブしながら、観客席へスポッと入った。

MCチヘドロー「ホーーームラァアアーーーーーーン!!優勝は!バット処刑人やあーー!」

観客達『YEAAAAHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH!』パチパチパチパチ

親アライさん2「なんでこうなるのだあああ!」ギュー

親アライさん2は、バットを握りしめる。

MCチヘドロー「さ、2位転落したクソガイジはディスパッチやで!」

バット処刑人「…」スタスタ

親アライさん2「く、くるな!たあ~!」ブンッ

親アライさん2は、バットでバット処刑人に殴りかかった。

バット処刑人「ダラァ!」ブンッ

親アライさん2「ぶぎゃあああああーーーーっ!アライさんの腕がぁあああ!」ベギボギィ

しかし、バットを握る親アライさん2の腕は、簡単にへし折られ…

バット処刑人「てめーが産んで殴り殺したガキのとこに生きなァ!」ボガァ

親アライさん2「ぐぎゃあああがああああああああああああ!」グッシャアアア

親アライさん2「」ビッタンバッタンビグンビグン

MCチヘドロー「ゲームセェーット!これにて試合終了!エクスキューーーションッ!!」

観客達『YEAAAAHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH!!』パチパチパチパチ

今日もアライデスゲームTVは大好評であった。

つづく

>>595を観て思い付いた一発ネタでした

~オマケ~

三振球となったり、バッティングされて生き残ったアライちゃん達が、檻に入れられたままとなっていた。

生き残りアライちゃん1「あ、あらいしゃん、いきのこったのりゃ!」プルプル

生き残りアライちゃん2「おうちにかえちてなのりゃ!」プルプル

子アライちゃん1「げほっ…おながいぢゃいいぃ…」ブルブル

MCチヘドロー「あ、球が余ったな。…えー、会場の皆さん!」

MCチヘドロー「もしアライバッティングやってみたいゆう方おったら、エキストラゲーム開くで!勿論デスゲームやなくてただの楽しく安全な競技や」

生き残りアライちゃん3「ぴいいぃぃ!?や、やなのりゃあ!」ヨチヨチヨチヨチ

観客達「「「やりますやります!」」」ゾロゾロ…

観客席から、客が降りてくる。
腕の太さを見る限り、アライさん達よりいい記録が出せそうだ。

生き残りアライちゃん4「だちてー!こっからだちてー!うぅー!」ヨチヨチヨチヨチ ガシャンガシャン

ピッチャー「まずはこいつだ」ガシィ

生き残りアライちゃん4「はなちてえええええ!」ジタバタ ピイイイィ

ピッチャー「投球!」ブンッ

観客1「ヒィーアリャア!」カキーン

生き残りアライちゃん1「の゛びぎゃあ!」ビューンッ ゴロゴロ

生き残りアライちゃん1「」ビグンビグンジタバタビッタンバッタン

観客達は、生き残りアライちゃん達の処分ついでに、安全にゲームを楽しんだ。

つづく

>>620
MMDありがとうございます!
歯茎といっしょに唇が削られ、手足が腐り、デブになり…おまけにアライさん。
絵面の醜さが大三元役満揃ってて素晴らしいです

>>529の件ですが、やっぱり書き換えはせず、このまま行こうと思います

理由としては、さっさとストーリーを進めたいことと、
全体のバランスを考えるとこのままの方が良いと考えたからです

結局パルコアライ回はクソ回のままになりますが、ご了承下さい



~森の前~

若い男性2人が、森の前にいる。

アラアンチ1「この森は、確かまだ軍が来てないんだっけ?」

アラアンチ2「らしいな。公式発表はないけど」

アラアンチ1「それじゃあ俺達も、アライ狩りして社会貢献しようぜ!」

アラアンチ2「おうよ!」



…数日後…

アラアンチ1「オークションで買ったぜ、アライさんトラップ!」ジャラッ

アラアンチ2「俺も中古ショップで買ったぜ」ジャラッ

若い男性達は、筒型のトラップを持っていた。
これは通称『アライさんトラップ』。
免許がなければ正規メーカーからは購入できない代物だ。

これは強力なバネ仕掛けになっている。
筒の中の餌を取り出そうとして手を突っ込むと、骨に食い込む程強く手を締め付けるのである。

さらに、仕掛けは鍵を開けなくては解除できないようになっている。

ようは通常のアライグマトラップを、アライさんが手を突っ込めるくらい大きくし、締め付けを強くし、鍵付きにしたものだ。

アラアンチ1「よーし、森に仕掛けに行こうぜー!」スタスタ

アラアンチ2「説明書はばっちり読んだぜ」スタスタ

男性達は、森の奥へ入っていった。
そしてそれぞれ別々に、森の中へ5~6kmの距離をとって罠を仕掛けた。

…翌日…

アラアンチ1「さーて、まずは俺が仕掛けた罠を見に行くか」スタスタ

アラアンチ2「レッツゴー」スタスタ

アラアンチ1が仕掛けた罠の地点に近づくと、やがて声が聞こえてきた。

アラアンチ1「この声は…!」ガサガサ



アライしゃん1「うぐぐぅぅぅーー!いぢゃいいいいーーーーっ!いぢゃいのだあああーーっ!」ビエエエエン ジタバタ

アライしゃんが、罠へ手を突っ込んで、泣き喚いて暴れている。

アラアンチ1「やったぜ!クソガイジだ!」スタスタ

アラアンチ2「小さいやつか」

アラアンチ1は、アライしゃん1へ近寄る。

アライしゃん1「ひ、ひとなのだ!おねがいなのだ、このいたいのとってなのだあああっ!!」ヒグッグスン

アライしゃん1の顔は激痛に歪んでおり、涙と鼻水を流している。

アラアンチ1「助けてほしいか?」ニヤニヤ

アライしゃん「おねがいなのだはやくしてなのだあああああああ!ぅぁああああー!はたけのおやさいわけてやるからああああっ!はやぐうぅっ!」ビエエエエン

アライしゃんは、自分ができる限りのギブ&テイクを提案し、助けを求めている。

一方的な施しのみを要求するアライさんが多い中、取引を提案するアライさんはなかなか稀有である。

アラアンチ2「…」ジー

アラアンチ2は、アラアンチ1とアライしゃん1をビデオカメラで撮影している。

アラアンチ1「じゃあ、地面に這いつくばりな」

アライしゃん1「う…ぅぅ…!はやぐするのだぁ…!」ペタン

アライしゃん1はうつ伏せになる。
右手は罠へ突っ込んだままだ。

アラアンチ1「誰が助けるかよクソバエがぁ!」ドッガァッ

アライしゃん1「ふぎいぃぃぃっ!?」ガスゥ

アラアンチ1は、アライしゃん1の顔面を思い切り蹴り上げた。

アライしゃん1「ぎび、ひいぃぃっ!?なにすゆのだああっ!?いぢゃいのだあああーーっ!」ドクドク

アライしゃん1は、鼻血が出ている鼻を、左手で押さえている。

アラアンチ1「助けてやるよ!産まれながらに背負った害獣のカルマからなああああっ!」グシャア!グシャア!グシャア!

アライしゃん1「ぎびぃいいぃぃっ!やべるのだああああっ!ふぎぃっ!きゅるるるるっ!!」ガスゥガスゥブンブン

アラアンチ1は、アライしゃん1の顔面、後頭部、側頭部、首の付け根などを、全力で蹴り上げ、体重をかけて踏みつける。

アライしゃん1は、左手で必死に引っ掻こうとするが、鋭い爪は弱々しく空を切るばかりだ。

アラアンチ1「アライフットサルだぜェーーッ!!」ドガァドガァ

アライしゃん1「びぎぃ!ぴぎぃっ!やべ、のだっ、のだぁっ!」グシャアドシャァ

アラアンチ2「屋外だけどな」

アライしゃん1「ううぅーーっ!やべろっでいっでるのだあああーっ!ふぎゅるるっ!」バリッ

アライしゃん1の左手のひっかきが、アラアンチ1の右足に当たる。

アラアンチ1「いてっ…!」

引っ掻かれたアラアンチ1のジーンズは、表面に傷が付いた。

アラアンチ1「何しやがる…この…!ド畜生がァーーーッ!!」ドッガァッ

アライしゃん1「の゛だぁああっ!」ゴロン

アラアンチ1の蹴りが、アライしゃん1のこめかみにヒットした。

アライしゃん1「ぎひぃ、た、だずげ、おがーさん!おがーさあああんっ!おえええええっ!げえええっ!」ゲボゲボ ゴロンゴロン

アライしゃん1はゲロを吐き、ゴロゴロ転がった。
脳の一部が傷つき、平衡感覚を失ったのだろうか。

アラアンチ1「ハァハァ…ゲロ吐きやがって、きったねー害獣だな!小便かけてやらぁ!」ジョボボボボボボ

アライしゃん1「ぎびぃぃぃ!や、やべでえええええっ、おかーさん…おええっ…」ビシャビシャ

アライしゃん1は、アラアンチ1の立ちションを顔面に浴びせられた。

アラアンチ2「OK、この角度なら、発射口は映らないな」ジー

アラアンチ2は、アラアンチ1の背中側にまわって撮影している。

アラアンチ1「もういいや、ぶっ殺すか」ダンッ

アライしゃん1「ぎ、ぎひぃ!」グシャア

アラアンチ1は、左足でアライしゃん1の左手を踏んづけた。

これでアライしゃん1は、両手が拘束された。

アライしゃん1「た、たすけて、ください、なのだ、ごめんなさいなのだぁ」ウルウル

アラアンチ1「お?何にごめんなさいしてるんだお前?」

アライしゃん1「おかーさんは…おこってるとき、ごめんなさいすればやめてくれるのだぁ…!おまえもやめるのだぁ…っ!」グスングスン

アラアンチ1「^^;」

アライしゃん1「なにすればいいのだ…?そうなのだ、はたけのおやさい、ぜんぶやるのだぁ!だから…たすけ…」シッポブンブン

アラアンチ1「第一打ァ!」ドグシャア

アライしゃん1「がふっ!」ベギィ

アラアンチ1は、うつ伏せのアライしゃん1の細い首筋を、全力で踏みつけた。

アラアンチ1「二連打ァ!三連打ァ!四連打ァ!」ドグシャアッ ドグシャア ドグシャアッ

アライしゃん1「」ベギィボギィ

アラアンチ1「グォレンダァアアーーッ!」ドグシャア

アライしゃん1「」ボギィ グッタリ

アラアンチ1「ハァハァ…」スッ

アラアンチ1は、アライしゃんの上から足をどかす。

アライしゃん1「」グッタリ

アライしゃん1の首は、変な方向へ折れ曲がっている。

アライしゃん1「」ビグンビグンジタバタビッタンバッタンビグンジタバタ

アラアンチ1「やったぜ、ゴキガイジムーブ!」

アラアンチ2「いい顔頂いたぜ」ジー

アライしゃん1「」グッタリ

アラアンチ1「動きが止まったな。鍵外すか」カチャカチャ

アラアンチ1は、アライしゃん1の右手を罠から外した。

アライしゃん1の右手「」ポッキリ

アライしゃん1の右手は骨折しており、締め付けられて鬱血していた。

アラアンチ1「じゃー面倒だけど、死体は回収するか。マナーだしな」ズルズル

アライしゃん1「」ズルズル…

アラアンチ2「おう。次は俺が仕掛けた罠んとこに行こうぜー」スタスタ

アラアンチ達は、アライしゃん1を引きずりながら、次の罠へ向かった。

やがて、昨日罠を仕掛けた方から声が聞こえてくる。

「助けてぇ…だずけてえぇっ…!」

どうやら泣いているようだ。

アラアンチ1「行ってみるか」

アラアンチ2「死骸は後で回収すればいいから、そいつはここに置いといていいぜ。撮影頼むわ」スッ

アラアンチ1「オーケー」スタスタ

アラアンチ達は、声のする方向へ進む。
やがて、罠のガチャガチャという音と、獲物が泣き叫ぶ声がはっきりと聞こえてきた。

https://i.imgur.com/CFbiIbU.jpg

獲物「ひぐっ…ぐしゅっ…だずげで…ぐださいっ…」ウルウル

アラアンチ1「…ん?アライさんに似てるけど~…微妙に違うくね?」

アラアンチ2「あー…でも最近、真っ白い突然変異のアライさんが捕まったってニュースで言ってたぜ。こいつもそうかも」

獲物「たっ…たぬきっ…たぬき…だよぉ…!うぅ…!」ポロポロ

獲物のフレンズは、右手を筒へ突っ込んだままそう言った。

アラアンチ2「自称タヌキらしいが…どう思う?服が違うぞ」

アラアンチ1「アラ信から入れ知恵されてるのかも。服も貸し与えられてるんじゃないか?…そうだ、アライさん裁判しようぜ!」

アラアンチ達は、明らかにアライさんとは異なる姿のフレンズが罠にかかって泣いているというのに、
涼しい顔をして、何か話し合っている。

アラアンチ2「そうだな…でも、どうやって?魔女裁判的な感じか?」

アラアンチ1「うーん…どーすっかな。安全に、」

アラアンチ2「…もしアライさん以外の野良フレンズを、暴行したり殺したことが警察にばれら、どうなるんだっけ?」

アラアンチ1「…多分、捕まる」

獲物「っっっ…!」ポロポロ

罠にかかった獲物は、涙を流しながら激痛に必死に耐えているようだ。

アラアンチ2「マジか…。くそ、アライさんのせいで、とんだ災難だ…」

アラアンチ2「…どうしよ…」

獲物「言わないから…誰にも言わないから…!助けてぇっ…これ、外してぇっ…!…ぁあああああああっ…!」ブルブル

アラアンチ1「…とか言ってるけど…どうする?目がつり上がってなくて可愛いし、声もアライさんのカン高いガイジ声と違うぞ…」

アラアンチ1「ここまであからさまに違ったら、例え遺伝子がアライさんだったとしても…!死体を見せた保健所職員に信じて貰えないぞ!?」

アラアンチ2「ごもっともだ…。もし、こいつがアライさんだったら、万事問題ないんだけど…うーん…」

獲物「言わないからああ!誰にも言わないからあああああああっ!!」ヒグッグスッ

アラアンチ1「…って言ってるぞ。信じるか…?」

アラアンチ2「だが、もし別のフレンズだと演技してるアライさんだったら!害獣を野放しにすることになるぞ!」アセアセ

アラアンチ1「…なんかもう、そういうの…軍に任せた方が良くね?今ここで逃がしても、ほんとにアライさんなら軍が駆除するだろ」

アラアンチ2「…分かった。罠を外すか…」カチャカチャ

自称タヌキ「うぅっ…わかって…くれたっ…ありがとうっ…!うぅうっ…!」プルプル

獲物の右手を締め付けていた罠は解錠された。
アラアンチ2は、自称タヌキのフレンズの右手を、筒から引っこ抜いた。

自称タヌキ「あ゛ぁ゛あ゛ぁああああ!ぁあああーーーーーっ!いだい、痛いよぉぉっ…!」ゴロンゴロン

自称タヌキは大声で泣き、右手首を押さえて地面を転げ回った。
その右手首を見れば、骨折して鬱血していることは一目瞭然である。

アラアンチ1「…どうする…?医者に連れてくか…?」

アラアンチ2「いやでも、野良フレンズの治療費は俺が負担することになるからやだなぁ…。それに医者に連れてったら、俺達がやったってバレるぞ」

アラアンチ1「いやいや俺を巻き込むなよ!やったのはお前だろ!なんで連帯責任にしようとしてんだ!?」

アラアンチ2「ああ、すまん。今のはマジで悪かった。俺が悪かっ…」ピタッ

アラアンチ1「…どうした?」

アラアンチ2「いや…悪いのは、罠を仕掛けるそもそもの原因となったアライさんじゃねえか?」

アラアンチ1「…言えてるな…確かに…」

自称タヌキ「うぅっ…!うぅぅっ…!」フラフラ ズキズキ

自称タヌキのフレンズは、右手を押さえながら、森の奥へ去っていく。
アラアンチ達に迷惑をかけまいと心配し、泣き寝入りしようとしているようだ。

タヌキのフレンズ「ぐ…うぅぅっ…」フラフラ

アラアンチ1「…」

アラアンチ2「…」

アラアンチ達は、森の奥へ去っていくタヌキのフレンズを、無言で見送った。
あの姿を見れば、自称とか付けてアライさんじゃないかと怪しむ必要がないことは明らかである。

アラアンチ1「…帰るか…」ガシィ グイグイ…

アライしゃん1「」ズルズル…

アラアンチ2「だな…。そいつを保健所に運んで、報酬貰いに行こうぜ」スタスタ

アラアンチ1「…今回のは、事故だよ」スタスタ

アラアンチ2「ああ。アライさんのせいで、罪のないフレンズが傷付いた…。アライさんは許せん…!」スタスタ

アラアンチ達は、罠とアライしゃん1を回収し、車で保健所へ向かった。



~保健所~

職員「…免許はありますか?」

アラアンチ1「無いっす。でも、無免許でもアライさん殺してる人多いし、問題ないですよね?」

職員「…どこで捕まえました?」

アラアンチ1「森ですね!」

職員「…右手に、罠の痕があるようですが…」

アラアンチ1「あ…じ、自作の罠ですよ!自作の!」アセアセ

職員「罠や火器を使ったアライさん狩りは、無免許では違法ですよ」

アラアンチ1&2「「え!?」」

職員「さらに言うと、免許があっても、市街地や農地以外では罠を使ったアライさん狩りは違法です」

アラアンチ1&2「「ええええええええ!!!!??」」

大きな耳の職員フレンズ「…やっちゃったねー…」スタスタ

奥の方から、大きな耳のフレンズ…キツネがやってきた。

アラアンチ1「やばいっ…」タタッ

アラアンチ2「に、逃げ…!」タタッ

キツネ「駄目だよー!はい、お縄っ!」ガバッ

アラアンチ1&2「「ぎゃふん!」」ドサッ

キツネは、逃げる2人の背中へフライング・ボディプレスを放ち、同時に押し倒した。

アラアンチ1はキツネの胸の下敷きに、アラアンチ2はキツネの下腹部の下敷きになった。

アラアンチ1「わ、罠を使ったのは俺だけだ!アラアンチ2は悪くねえ!車運転しただけだ!」ジタバタ

アラアンチ2「そ、そうだ!俺は悪くねえ!」ジタバタ

タヌキのフレンズを罠にかけたアラアンチ2は、アラアンチ1に擁護されている。

キツネ「犯罪に荷担したなら連帯責任だよー。それにもし嘘だったら、偽証罪でさらに刑期は長くなるねー」ムギュムギュ

アラアンチ1「…」
アラアンチ2「…」


アラアンチ1&2「「さーーせんっしたああああー!」」

こうして、アラアンチ1&2はお縄となった。

もっとも…
アラアンチ2は取り調べの際、『罠は仕掛けたが、何もひっからなかった』と偽証した。
結果、タヌキのフレンズの右手首に重症を負わせたことは、その場ではバレなかったようだ。



~3日後、森の中~

タヌキ「はぁ、はぁ…お腹、空いた…」ヨタ…ヨタ…

げっそりとしたタヌキが、森をさまよっていた。

破壊された右手首では、ろくに食べ物を取ることができず、
栄養失調になってしまったのである。

タヌキ「あ…食べ物…だ…」フラフラ

タヌキは、木の実を見つけ、それを取りによたよたと向かう。

タヌキ「もう、少しで…」プルプル

タヌキは、木の実に左手を伸ばした。
その時…

アライしゃん2「どくのだー!たあ~!ほい!」ドカァ

タヌキ「きゃあっ…!」ドサッ

アライしゃん2がやってきて、タヌキの背中にタックルした。
タヌキは倒れた際に、反射的に地面に右手を伸ばした。

タヌキの右手首「」グギィ

タヌキ「ぁああああああっ!ああああーー!」ゴロンゴロン

アライしゃん2「やっとみつけたのだ、きのみどろぼーめ!あらいさんがさがしたきのみ、おまえがとってたのだ!」ブチィ

アライしゃん2は、木から木の実をもぎ取りながら言った。

アライしゃん2「おいしいのだ!まんまるきのみ、おいしいのだぁぁ!」シャクシャク

タヌキ「お…願い…。食べ物…くだ…さい…なんでも…するから…」プルプル

アライしゃん2「いやなのだ!これはあらいさんがみつけたのだ!はやいものがちなのだ!じゃくにくきょーしょくなのだ!くっちゃくっちゃ…」クッチャクッチャ

アライしゃん2「げぇーぷ!おいしかったのだぁ!」サスリサスリ

タヌキ「あ、はあ…」

アライしゃん2「おまえはうえじにすればいいのだ!せーぞんきょーそーにまけたじゃくしゃはしぬさだめなのだー!ふはははー!」ヨタヨタ

アライしゃん2は、向こうへ歩いていった。

タヌキ「はぁ、はぁ…」グッタリ

タヌキは森の中で倒れていた。
もう起き上がる体力も無いようだ。

実際のところ、アライさん達が森の食べ物を食い荒らしていたせいで、
タヌキは罠にかかる数日前からろくな食事をとれていなかった。

揚げパンと筒の罠にあっさりかかってしまったのは、飢えで判断力が鈍ったせいもあるだろう。

タヌキ「…死にたく…ない…よぉ…」ハァハァ

タヌキは、一筋の涙をこぼした。

その時。

「うゆ!?なんなのだおまえ!?じゃまなのだ!あっちいくのだぁ!」

「だあああーーっ!!」ドグシャアア

「ぎびいいぃーっ!?いだいのりゃあああーーーーっ!!?おがーしゃーんっ!」ドサァ

「はあっ!」ズバァ

「やべで!しにだぐな…ぴぎぃっひぃいいいいーーーっ!」ブッシャアアアア

…アライしゃん2の悲鳴が聞こえた。

タヌキ「…?」グッタリ

ヒグマ「そこのフレンズ…大丈夫か!?」スタスタ

返り血を浴びたヒグマのフレンズがやってきた。
大分眠そうだが、そんなことを気にしている場合じゃないといったような表情である。

ヒグマ「しっかりしろ!うっ…酷い怪我だ…!」スッ

ヒグマは、タヌキを抱き抱えた。

タヌキ「…だ、れ…?」

隊員1「ヒグマさん、その子は…!?救急隊員とヘラジカさん呼びますか!?」

ヒグマ「急いでくれ早く!」

ヘラジカ「来たぞ!怪我人はそこか!?」ガラガラガラガラガラガラ

無線で通信を入れてから3分とかからずに、ヘラジカが到着した。

ヘラジカは、奇妙な乗り物に乗っていた。
救急車のような外装だが、車輪のかわりにクローラー(キャタピラー)がついている。

そして何より奇妙な点は、車両のどこにもエンジンがついていないことだ。
運転席には、原動機の代わりに自転車のペダルのようなものがついている。

これぞヘラジカ専用に作られた車両、『足こぎキャタピラー救急車』である。

現在国内に存在する中で、最も速いスピードで走行でき、どんな悪路でも問題なく進むことができ、どんな重いものでも運べる、最強の救急車であった。

タヌキ「あ、あ…」

ヘラジカ「今病院に連れていってやるからな!」ガラガラガラガラ…

タヌキは腕に副え木をつけられ、ヘラジカの足こぎ救急車で搬送された。

車両からはちゃんと救急サイレンが鳴っている。
どうやら運転席のペダルは、発電機でもあるらしい。

タヌキ「…さっきの、アライさんは…?」

ヘラジカ「安心しろ!ひ、ヒグマが…倒してくれたぞ!」ガラガラガラガラ…

タヌキ「…殺したんですか…?」

ヘラジカ「…」ガラガラガラガラ…



~取調室~

捜査官「お前が罠を仕掛けた森で、右手首を負傷し衰弱したタヌキのフレンズが見つかったようだが」

アラアンチ2「…し、知らないです」

捜査官「手首の怪我は、どう見てもアライさん用の筒罠だったそうだ。お前がやったんだろう!」

アラアンチ2「ぐ、偶然じゃないですか?その…たまたま骨折した傷が似てたのかも!」

捜査官「シラを切るつもりか」

アラアンチ2「そ、その、怪我してたフレンズは、なんか言ってたんですか!?」

捜査官「…。最初は、怪我について喋ろうとしなかった。転んで怪我したと言ってたよ」

アラアンチ2「じ、じゃあ…!」

捜査官「だが、ここで本当のことを喋らなくては、他のフレンズも同じ目に遭うことになるかもしれない。偽証はしないでほしい。と、…そう言ったら…」

捜査官「お前さんの罠にかかったと証言したよ。お前に何度も謝りながらな…」

アラアンチ2「…」

捜査官「…自分が重症を負わせた女の子にかばわれて、情けなくないのか?恥ずかしくないのか?」

アラアンチ2「…俺が、やりました…」

捜査官「…ちゃんと認められたな。なんだ、タマ付いてんじゃないか。もう偽証はすんじゃないぞ」

アラアンチ2「…すいまでんでした…」

結局、アラアンチ2は、タヌキのフレンズを傷付けた報いを受けることになったのであった。



森の雪が溶けた頃。
タヌキの手首は無事完治し、森へ帰ることができた。

当然のことだが、マトモな治療が行われた。
怪しい移植手術などは断じて行っていない。

タヌキ「…」スタスタ

タヌキは、久しぶりの森を散策する。

タヌキ「…アライさん達が、いない…」スタスタ

森にあれだけたくさん溢れかえっていたアライさんが、一匹残らず居なくなっていることに気付いたようだ。

タヌキ「…」ツー…

タヌキは、もうどこも痛くないはずなのに…
涙の滴を、ぽろりと溢した。

つづく

今日はこれで終わりですか?

>>704
TRPG(SW2.0)をやるので今日は終わりかも

~大久野島~

業者1「島への植林作業は、まあ…うまくいったみたいだな…」

業者2「苗は植え終わったんだよな、苗は。…果物の木以外にも、防風林やら、牧草やら…たくさんの植物を植えた。一種のテラフォーミングだな」

業者1「後は、苗に水やったり、陸から運んできた肥料をやったりして育てなくてはいけないが…。アライさんにちゃんとできるだろうか?」

業者2「できなきゃ自滅するだけだろ。俺らが面倒見てやる必要は…」

業者1「そういうわけにはいかないだろ。アライ共のせいで、せっかく植えた苗を枯れさせられてたまるか」

業者2「…そうだな」

~大久野島 アライさん小屋~

大久野島には、アライさんが寝床にするための小屋がいくつか建設された。

建設は、主にプロの業者がやった。
アライさん達は、材料の運搬などを担当した。

業者1「しかし、住居として人工物の小屋を建造するってのは…どうなんだ?コンセプトが合わないのでは?」

業者2「元々、ある程度は人が管理すること前提のコンセプトだからな。食糧とか、繁殖とか…。島をポンと渡してご自由にどうぞ、という訳にはいかないだろ」

業者1「それはまあ…そうだなぁ…」

業者2「おっと、小屋からアライさんが出てきたぞ。朝の集会が始まったみたいだ」



島アライさん達「「「なのだー」」」ザワザワ

島アライさんが集まっているところへ、副リーダーアライさんが来る。
動物を入れた籠を持っているようだ。

副リーダーアライさん「おはようなのだー!」スタスタ

アライグマ♂「キュルルルルルルル」ガシャガシャ

副リーダーアライさんが籠に入れている動物は、雄のアライグマであった。

島アライさん達「「おはようなのだー」」 コスリコスリ

挨拶を返した島アライさん達の視線は、籠の中のアライグマに釘付けとなっている。

副リーダーアライさん「みんなのアイドル、ウォッシュ君もこの通り元気なのだ!」

アライグマ♂「キュルルルルルルル」コスリコスリ

島アライさん達「「「きゅるるるるるるるるーーー!」」」コスリコスリコスリコスリ

島アライさん1「あーウォッシュ君は今日も可愛いのだあぁ」ハァハァ

島アライさん2「交尾したいのだぁ」ハァハァ

副リーダーアライさん「知っての通り!年間成績優秀者の上位だけが!ウォッシュ君と交尾させてもらえるのだ!」

アライグマ♂「キュルルルルルルル!ハァハァ!」ガシャガシャ

籠の中のアライグマは、自分の股間を島アライさん達へ見せつけている。
その股間を見れば、島アライさん達と交尾したがっている意思は一目瞭然である。

副リーダーアライさん「ああっ!ウォッシュ君!そういうことをしちゃダメなのだ!」アセアセ

島アライさん1「うおおおお!どすけべなのだ!シコいのだぁ!」ハァハァ シッポブンブン

島アライさん2「もう我慢できないのだ!はぁはぁ、ウォッシュ君!ウォッシュ!あー気持ちいいのだぁ!」コスリコスリコスリコスリコスリコスリ ハァハァ

島アライさん2は、アライグマの股間を見ながら、自分の股間を激しく手で擦っている。

島アライさん3「!?お、おい、リーダー!?アライさんもお股シュッシュしていいのか!?」ムズムズ

副リーダーアライさん「いいわけないのだ!集会や仕事の最中にそういうことやった奴は成績減点なのだ!」アセアセ

アライグマ♂「キュルルルルルルル」ガシャガシャ

島アライさん2「あーーイグ!イグのだあああああ!ふぉお!ふぉお!ふぉお!」ネチャネチャネチャネチャネチャネチャネチャ

島アライさん2は、粘っこい水音を立てて、自分の股間を激しくまさぐっている。
周囲の島アライさん達ですら、集会中に堂々と始めたその行為にドン引きしているようだ。

副リーダーアライさん「お、おい!今すぐそれをやめるのだ!やめないともっと減点するのだ!」アセアセ

島アライさん2「どうせもう上位は無理なのだ!あーーーー気持ちいいのだイグのだおっふぉぉおおおーーーー!!」ビグンビグン

島アライさん2は、その行為を始めてから30秒と経たずに、びくびくと体を振るわせた。

島アライさん達「」ドンビキ

島アライさん2「はぁはぁ、あー…。脳内交尾はさいこーなのだぁ」ウットリ フキフキ

どうやら満足そうである。
島アライさん2は、そのへんの草で手を拭いている。

副リーダーアライさん「…お前は出荷候補決定なのだ」



野生動物の交尾にかかる時間は、人間よりずっと短い。
交尾中に襲われる危険性があるためだ。

フレンズ達は、元の獣との交尾時間で性的に十分な満足が得られるようになっているという。
もしもフレンズが人間の男性と交尾したならば、3回でも4回でも満足させられてしまうであろう。

仮説では、これはアライグマだけでなく、人間より交尾時間の短いフレンズ全てに共通した性質といわれている。

尚、これは人間と実際に交尾したフレンズからの数少ない報告に基づいた論説である。

副リーダーアライさん「と、ともかく!今日もアライさん達の楽園作りのために、頑張るのだー!」

カースト上位島アライさん「「「「頑張るのだー!」」」」

カースト下位島アライさん「「「「のだー…」」」」




~果樹園~

カースト下位島アライさん1「はぁー…今日も植物の水やり。面倒なのだ…」トボトボ

カースト下位島アライさん1「なんでこんなつまんない仕事ばっかりやらなきゃいけないのだ…」トボトボ

カースト下位島アライさん1「山小屋にいたときは楽しかったのだ。食べ物を探し回るのは楽しかったのに…」トボトボ

カースト下位島アライさん1「…」ペラリ

カースト下位島アライさん1は、首に下げたスタンプカードを見る。

水やり当番は、水をやったら農園のスタンプをカードに押し、仕事したことを記録する。
成績を稼ぐために大事なことだ。

カースト下位島アライさん1「面倒だから、スタンプだけ押すのだ」ペタリ

…だが、サボろうとすればサボれてしまう。

カースト下位島アライさん1「あっちのスタンプも押しに行くのだ!これなら楽して成績が稼げるのだ!アライさんは賢いのだ!」ドタドタ



~翌日、果樹園~

果樹園の木「」

カースト下位島アライさん1「今日も、スタンプだけ押すのだ!アライさんは賢いのだ!」ペタリ

…昨日と同じく、水をやらずスタンプだけ押した。



~さらに翌日、果樹園~

果樹園の木「」ヘナリ

カースト下位島アライさん1「今日もスタンプだけ押すのだ!アライさんは賢いのだ!」ペタリ

…昨日と同じく、水をやらずスタンプだけ押した。



~3日後~

果樹園の木「」ヘナヘナ…

カースト下位島アライさん1「今日もスタンプだけ押すのだ」ペタリ



~1週間後~

副リーダーアライさん「果樹園はどうなってるのだ?ちょっと視察に行くのだ」

カースト下位島アライさん1「!?」

カースト下位島アライさん1「い、今は行かない方がいいのだ!明日にするのだ!」アセアセ

副リーダーアライさん「どうしてなのだ?」

カースト下位島アライさん1「えっ…そ、それは…そうだ、蜂がいるのだ!蜂の巣があって危ないのだ!明日までにアライさんが退治しておくのだ!」

副リーダーアライさん「蜂を一人で退治しに行ったら危ないのだ。アライさんがついてってやるのだ!アライさんはその辺バッチリなのだ!」

カースト下位島アライさん1「あ、アライさんの水やりのお仕事も、その辺バッチリなのだ!だから視察はいらないのだ!」

副リーダーアライさん「それはアライさんが決めることなのだ!」ドタドタ

カースト下位島アライさん1「ま、待つのだあああ!」ドタドタ



~果樹園~

果樹園の木「」パサパサ…ヘナヘナ…

雨以外で長い間水を貰えなかった果樹園の木は、枯れそうになっていた。

葉は上部を除いて落ちており、実りかけの木の実も成長途中のままほとんど地面に落ちていた。

副リーダーアライさん「」

カースト下位島アライさん1「あ、あー、なんなのだこれはー、きのうまではなんともなかったのだー(棒)」アセアセ

副リーダーアライさん「…蜂の巣はどこなのだ」キョロキョロ

カースト下位島アライさん1「あ、あれー、おかしいのだ、なくなってるのだー」

副リーダーアライさん「ギルティなのだ!」

カースト下位島アライさん1「!?」



~処刑場~

カースト下位島アライさん1「離せー!離すのだ!アライさんは悪くないのだぁ!」モゾモゾ

カースト下位島アライさん1は、ロープで縛られている。

副リーダーアライさん「皆!このガイジは果樹園の水やりをサボり、危うく木を枯れさせるところだったのだ!」

副リーダーアライさん「スタンプだけ押して、アライさん達みんなを騙してたのだ!こいつのせいで、皆は木の実が食べれなくなるとこだったのだ!」

島アライさん1「許せないのだ!」

島アライさん3「ガイジなのだ!」

島アライさん4「処刑するのだ!」

島アライしゃん1「ぶっころすのだー!」コスリコスリ

カースト下位島アライさん1「う、嘘なのだああ!副リーダーは嘘をついてるのだ!アライさんは真面目に水やりをしたのだああ!」モゾモゾ

副リーダーアライさん「処刑開始!」

島アライさん1「投石刑なのだ!たあー!」ブンッ

島アライさん3「石打の刑なのだ!たあー!ふい!」ブンッ

島アライしゃん1「たあー!」ブンッ

島アライさん達は、サボり常習犯に石を投げまくった。

カースト下位島アライさん1「のだっ、のだっ!やめるのだ!反省するのだあああああ!やべ、ぎびぃ!差別なのだあ!ごびっ!」グシャゴシャベキィ



カースト下位島アライさん1「」チーン

副リーダーアライさん1「こいつは…埋めるのだ。勿体無いけど」

業者1「この島には、食べ物を乾燥させる設備が簡易ながらあるから。それを使うといいですよ」

副リーダーアライさん「じゃあ、それで乾燥させるのだ!」グイグイ

カースト下位島アライさん1「」ズルズル…

その後、カースト下位島アライさん1は乾燥加工され、砕かれて果樹園の木々に肥料としてバラ撒かれた。



果樹園の木「」ピカピカ

副リーダーアライさん「木が元気になったみたいなのだ。良かったのだ」

業者1「乾燥アラジビは肥料としても優れているみたいだな…」



カースト上位島アライさん1「うぅー、早くウォッシュ君と交尾したいのだ!いつになったらできるのだ!?」

山小屋アライさん「…作戦が終わって…野良アライさんが…みんな、滅んで…から、なのだ…」

カースト上位島アライさん1「なんでそまで待たなくちゃいけないのだ!」

山小屋アライさん「…野良アライさん達のせいで、アライグマの、フレンズは…今はまだ、ただの害獣…なのだ…」

山小屋アライさん「…野良達を皆殺しにして、罪滅ぼしをして…始めて、アライさん達は…生きることを、人間に許されるのだ…」

島アライしゃん2「うぅー、なんでひとしゃんなんかにきめられなきゃいけないのだあ!えらそーだしむかつくのだ!」ドタドタ

島アライしゃん2「やぬし!にんげんなんて、むしすればいいのだぁ!じゆーにくらしたいのだぁ!」

山小屋アライさん「…アライさん達は、人間に屈したのだ。許される範囲で生きるのだ」

島アライしゃん2「やーなのだぁ!しまのおそとでたいのだぁ!やまにもどりたいのだぁー!」

山小屋アライさん「…」

山小屋アライさん「お前…ちゃんと勉強小屋行ってるのか?…人間に逆らうとどうなるか、ちゃんと聞いてないのか…?」

アライしゃん2「いってるのだ!でも、みんながいじなのだ!ひとしゃんのかちくなんて、つまんないのだぁ!」

アライしゃん2「けものですものおおめにみるのだ!みんなじゆーにいきてるのだーーーー!」

山小屋アライさん「…」

山小屋アライさん「やっぱり、アライさんやID2番みたいに…。他のフレンズの友達がいないと、こうなるのか…」

山小屋アライさん「副リーダー…。お前には、辛い役目を押し付けることに…なりそうなのだ…」

一旦ここまで



~昼、森の中~

隊員1「白衣さん、野生動物がいました!カモシカ2頭です」

白衣のフレンズ「報告ありがとうございます…」カタカタ

白衣のフレンズは、隊員1からの報告を、何かのデバイスに記録している。

何やってるんです?

白衣のフレンズ「生態系の調査です。私は戦力としてもそうですが、主な任務は、森の中に生きる生き物の生態系を調査することです」

生態系か…。
アライさんのせいで、森の中の生態系も随分変わったな。
絶滅した種もあるらしいじゃないですか。

白衣のフレンズ「…我々が軍事行動を行い、調査できる森はあくまで、『サンドスター反応がある地域』に限定されます」

白衣のフレンズ「だから作戦区域外、アライさんがいない森には、生き残っている可能性はありますが…」

…だといいんですけどね…。

猟師1「そういや、折角の害獣ハントなんだし…。日本中の森という森を探し回って、ヌートリアやらアライグマやらを絶滅させた方がいいんじゃないか?」

どうやら、そういうわけにもいかないらしい。
主に予算の都合だ。

猟師1「予算かよ…。ケチるなよなーまったく」

元々、作戦前にこの国がアライさん対策にかけてた予算は少なかった。

それは決して、政府がアライさんの脅威をナメていたからじゃない。
他に予算を使うべきことが多すぎたからだ。

当たり前のことだが、害獣駆除なんかよりも、人間社会そのものの問題を解決する方がずっと大事だ。

同じ予算なら、アライさん1匹殺すより、人間の暮らしを1人分良くした方が絶対に良い選択といえるだろう。

猟師1「…でも、今は予算が増えて、アライさん一斉掃討作戦やってるわけだよな」

予算が増えたというより…
『他の諸々の大事なことに使うべき予算から、絞り出した』という感じか。

アライさんによる被害や、社会問題が大きくなりすぎた。

アライさん1匹を殺すことで、人間の暮らしを5人分は良くできるようになったというわけだ。

猟師1「…それで、動物の方のアライグマを探し尽くして絶滅させられない理由ってのは…」

この作戦のために予算削減した諸々の事業の方で、限界が来ているんだ。

今の時点でさえ、財政はかなり苦しい。
一斉掃討作戦へ予算を注ぎ込んだことによる『歪み』が出始めている。

それに、アライさんに比べ、アライグマやヌートリアの被害は人命に関わるレベルじゃない。

だから、アライさんを絶滅させ終わったら…
もうそれ以上、レーダーに映らないアライグマ達を延々と探し尽くす程…
この国には、予算を絞り出す力がもうないんだ。

猟師1「そこからは…俺達のような猟師や駆除業者が、やるしかないってわけか」

そうなるな。
俺達は一斉掃討作戦が終わってからも、
アライグマを倒し続けていかなきゃならんということらしい。

ロッジアライさん6「むむ…!アライグマの気配なのだ!」

ロッジアライさん7「あっちから、アライグマがいる気配がするのだ!」

気配?匂いとかじゃないのか?

白衣のフレンズ「…フレンズは、レベルが上がると、自分と同種の動物が近くにいるかどうか、気配が分かるようになってくる…らしいです」

白衣のフレンズ「かのアライキング・ボス程のレベルがあれば、ひょっとしたら山一つ分の気配を感じ取れるかもしれません」

まるでレーダーだな…。
行ってみるか。

佐助「ワンワン!」



地面に穴が空いてるな。

ロッジアライさん6「この穴の中なのだぁ!」

ロッジアライさん7「くんくん…。アライグマの匂いもするのだぁ!」

佐助「ガァルルルル!ワン!ワォーン!」

さて…この穴、どうやって攻略するか。
佐助じゃ体がでかくて手が出せねえ。
シャベルで掘るか…?

猟師1「そういうことなら、うちの犬に任せな。…出番だぜ、クルトン!」

ダックスフント「わう!」ヨチヨチヨチヨチ

猟師1が連れている犬が前に出た。
手足が短い犬だ。

佐助「クンクン…」ハッハッ

佐助は、ダックスフントを見ている。

猟師1「行け、クルトン!中の害獣を引きずり出せ!」

ダックスフント「わう!」ヨチヨチヨチヨチ ゴソゴソ

ダックスフントは、穴の中に潜っていった。

…大丈夫なのか?アライグマより体が小さそうだぞ。

猟師1「まあまあ見てな。うちのクルトンは優秀だぜ」

俺達は、ダックスフントが獲物を捕らえるまで、しばらく待っている。

ロッジアライさん6「ふはははー!おい、けもの!アライさんを乗せるのだー!」ダキッ

ロッジアライさん6が、佐助に抱き付き、上に乗ろうとしている。

佐助「グァアアウ!」ガブ

佐助は滅茶苦茶不機嫌そうな顔で、ロッジアライさん6の手を噛んだ。

ざまーみやがれ。…とは、さすがに口に出せないな。
心の中で呟いておくとしよう。

ロッジアライさん6「痛いのだああ!何するのだ!ちょっとくらい乗っけるのだ!」

ロッジアライさん7「まあまあ…落ち着くのだ」

「キュルルルルルルル!クゥァアアアア!」

おおっ、穴の中から害獣の声が聞こえてきたぞ。

ダックスフント「フーッフーッ」グイグイズルズル

アライグマ「キュァルルルル!クァーッ!クァーッ!」ジタバタ

おお…本当にアライグマだな。
それにしてもあのダックスフント、よくあんな小さな体で、アライグマなんて猛獣を引っ張ってこれるもんだ。

ロッジアライさん6「雌なのだ!」

ロッジアライさん7「雌ならいいのだ。人間達!あれをやっつけるのだ!」

雄ならどうするんだ?

ロッジアライさん6「そのときは…でも…任務だから、仕方ないのだ」

ロッジアライさん7「可哀想だけど…死んでもらうしかないのだ」

…物分かりがいいな。

アライグマ「キュルルラララ!」ジタバタバリバリ

ダックスフント「わううぅ!」ビクゥ

ダックスフントがアライグマに引っ掻かれている。
やはり体の大きさが同程度なためか、苦戦してるな。

佐助「フーッフーッフーッフーッフーッフーッフーッフーッフーッ」

加勢する気か?
だが、あのくらいデカい奴が相手じゃ、銃でやった方が早い。

猟師1「ブチ殺してやる害獣!」スチャ

猟師1はアライグマの顔面にライフルを突き付けた。

アライグマ「クァアアルルル」クンクン

ダックスフントと格闘中のアライグマは、銃口の匂いを嗅いでいる。
残念だが、お前さんには一生そいつが何なのか分かるまいよ。

猟師1「そのまま押さえてろよクルトン!…くたばれ!」ガチッ

猟師1は銃の引き金を引き、アライグマの顔面に弾をぶちこんだ。

アライグマ「」バンッ

ダックスフント「わうぅ!」ビクゥ

ダックスフントは、銃声に少しビビった。
だが猟犬故に銃声は聞き慣れているようだ。

アライグマ「」グッタリ

猟師1「やったか…?」

アライグマ「」ビクンビクンッ ブシャアア

アライグマ「」ビグンビグンビグンビグンジタバタッバタバタタッビククッ

アライグマは、眉間の穴から大量に血を流しながらゴキガイジムーブした。

猟師1「やったぜ」ピッ

猟師1は、スマホアプリ…『アライポインター』を起動し、害獣を仕留めた位置を地図に同期させた。
キルマークを記録し、後の死骸回収班へ死骸の位置を教えるためだ。

しかし…凄いな。
このアライさん達は、本当に穴の中のアライグマの気配を、匂いさえ届かない遠くから感知したのか。

ロッジアライさん6「その通りなのだ!アライさんは優秀なのだ!もっと褒めてもいいんだぞぉ!」フフン

手放しで凄いと思うぞ。

ロッジアライさん7「…人間に誉められるのは、複雑な気分なのだ」

…俺もアライさんを誉めるなんて複雑な気分だよ…。

ところで、穴の中の野良アライさんの居場所は気配で分からないのか?

ロッジアライさん6「気配は分からないのだ。匂いで探すしかないのだ」クンクン

そうか…。
まあ、地面の下だろうと、近くに寄ればレーダーが反応するから別にいいんだが。

佐助「ワウ!ワウ!」タタッ

おや、佐助がどこかへ向かった。
行ってみるか。

ロッジアライさん6「んん…!くんくん、アライさんの匂いなのだ!」ドタドタ

ロッジアライさん7「罪滅ぼしなのだ!罪のあるアライさんは、一匹残らず滅ぼすのだ!」ドタドタ

そして、佐助は地面の穴に向かって吠えた。

佐助「ワンワン!ワウ!」

佐助が穴の中へ吠えている。

白衣のフレンズ「サンドスター波の反応あり。中にフレンズがいます」

ロッジアライさん6「くんくん!ふんふん!アライさんの匂いなのだ!」クンクン

猟師1「よし、行け!クルトン!」

ダックスフント「わぅ!」ヨチヨチヨチヨチ スポッ

大丈夫なのか…?
あんな小ささじゃ、アライさんと格闘したら怪我を負いそうだぞ。

猟師1「まあまあ見てなって」

やがて、穴の中から声が聞こえてきた。

『のあ?』『けものなのだ!』
『わうぅ!』
『ぴいいぃぃっ!?』
『やべ…いぢゃいのりゃあ!はなせえええ!』

ダックスフント「フン!」グイグイズルズル

アライちゃん1「ぴぎー!ぴぎー!」ジタバタズルズル

おお。
ダックスフントがアライちゃんを穴から引きずり出したぞ。

ダックスフント「ガウゥ!」ガブゥ

ダックスフントが、尻尾に噛み付いた。

アライちゃん1「ぴいいぃぃ!ありゃいしゃんのかわいーしっぽかんじゃだめなのだああ!たずげでぇ!おがーしゃぁーーん!」ジタバタ

アライちゃん1「ふんぐぎぎぎぎ!はなちてえええ!おがーしゃぁーーん!」ピイイイイ ジタバタ

佐助「ガウウウゥ!」ガブゥ

アライちゃん1「ぴぎいいぃぃ!いぢゃいのりゃあああっ!」

佐助が、アライちゃん1の首筋に噛み付いた。

佐助「ガウウウゥ!」ブンブンブンブン

アライちゃん1「ぴいいぃぃ!あたまくらくらしゅゆのりゃ!ぎもぢわゆいぃ!やべでぇ!」ガクンガクン

佐助がアライちゃん1の首筋に噛みつきながら、ぶんぶんと揺さぶっている。
平衡感覚を失わせる技だ。

ダックスフント「はぐがぶ!」ガブゥ

アライちゃん1「ぴっ…ぎいいいいいぃぃーーーっ!もうあらしゃんのごどいじめゆのやめでぇぇーーーっ!」ビエエエエン

ダックスフントが、アライちゃん1のお腹に噛み付いた。

2匹も犬に噛まれたアライちゃん1は、泣きじゃくって暴れている。

猟師1、こいつは佐助が仕留めておく。
銃の弾がもったいないからな。
ダックスフントに、巣穴の中の害獣を引っ張り出させてくれ。

猟師1「分かった!クルトン!あっちだ!」グイ

ダックスフント「わううぅ!」ヨチヨチヨチヨチ スポッ

ダックスフントは、再び巣穴へ顔を突っ込んだ。


アライちゃん1「はぁはぁ…にげゆのだぁ!うゆぅ、ぜったいおっきくなってふくしゅーちてやゆのだあぁ!」グスングスン ヨチヨチヨチヨチ

害獣の幼虫は、生き延びれるつもりでいるようだ。
そんなわけないだろが。佐助、仕留めろ。

佐助「ハァグ!」ガブゥ

アライちゃん1「びっ!?」

佐助は、アライちゃん1の頭に噛み付いた。

佐助「ガウウウゥ!」メキメキメキメキ

アライちゃん1「ぴっ!?ぎびいぃぃぃーーっ!あだまいぢゃいいいぃい!びぃー!かむなあああああ!」ジタバタジタバタ

アライちゃん1は泣きながら激痛に悶え苦しんでいる。
佐助が頭に噛み付き、メキメキと締め付けているようだ。

佐助「ガウウゥ!」メキメキ

アライちゃん1「うぎゅうぅーーっ!やべでえええええええええ!ぴぎー!ぴぎー!おがあしゃあああん!」ジタバタ

アライちゃん1の頭に牙が食い込み、出血させている。

猟師1「…なんだ、その狩り方…。あんたの猟犬はワニか何かか?」

俺にもわからん。
佐助はアライさんと戦う時、犬の身体能力の限界を超える。
次の日は筋肉痛になるけどな。

佐助「ガブゥ!」ガブベグィ

アライちゃん1「ぴぐっ!」グッシャアアアッ

アライちゃん1の頭は、佐助に噛み潰された。
血と脳が飛び散った。

アライちゃん1「」ビグンビグンジタバタジタバタ

ダックスフント「わうぅ!」グイグイズルズル

アライちゃん2「ぴぎいいぃぃ!やべでえええええ!」スポッ ズルズル

ダックスフントが、穴から2匹目を引きずり出した。

アライちゃん2「うゆうぅーっ!いもーと!なかからひっぱゆのりゃああ!」ガシィグイグイ

おや?
アライちゃん2は、穴の中にある何かを引っ張っている。

…それは、アライちゃんの尻尾だった。

アライちゃん3「ぴいいぃーー!おねーしゃん!あらいしゃんのしっぽはなちてぇーっ!」スポッ ズルズル

なんと。
アライちゃん2が掴んでいた尻尾の持ち主、アライちゃん3が、ずるずると穴から引きずり出された。

アライちゃん3「いもーとーっ!おねーしゃんをたしゅけてぇーっ!」ガシィグイグイ

おいおい、こいつもアライちゃんの尻尾を握ってるぞ。
まさか…

アライちゃん4「ぴぎー!ぴぎー!」スポッ ズルズル

…もう一匹、アライちゃんが穴から出てきた。

アライちゃん4「のあぁーっ!のあぁーっ!」ガリガリ

アライちゃん4は、地面を引っ掻きながら必死に巣穴へ這い戻ろうとしている。

アライちゃん3「がんばゆのりゃ!いもーと!もっとちらだすのりゃ!」グイグイ

アライちゃん4「 ぴぎー!ぴぎいいぃぃ!」ズルズル

だが、尻尾を引っ張られているアライちゃん4は、巣穴のは反対方向へ引きずられている。

ダックスフント「ワウウゥ!」ガブゥ グイグイ

アライちゃん2「しっぽはなしぇえぇーー!」ピイイィイ
アライちゃん3「おねーしゃん!しっぽつかんじゃやーなのりゃああ!」ズルズル
アライちゃん4「のああああ!のあああああーっ!」ズルズル

どうやらこれで全部らしいな。
俺はナイフを取り出した。

アライちゃん2「ひ、ひとしゃん!そのぼーきれでこのけものをぶっこよしゅのりゃあ!」ブルブル

まずは、一番先っぽにいるチビの首あたりを突き刺した。

アライちゃん4「ぎゅびぃ!」ブシャアア

アライちゃん3「のああ!?ひ、ひとしゃん!あいてがちがうのりゃ!」

いいや違わない。
続いて、アライちゃん3の首にナイフを突き刺す。

アライちゃん3「いぢゃぎぃぃっ!」ブシャアア

アライちゃん2「おがーしゃーんっ!ぴいぃー!たちゅけてええっ!」ビエエエエン

最後に、ダックスフントに噛みつかれているチビを刺した。

アライちゃん2「ふぎゅぎぃぃーーーー!ぎびいいーーーーっ!!いぢゃいいぃーーー!しぎだぐないいぃーー!いきたいのりゃあああ!」ブシャアア

致命傷だな。

アライちゃん2「ごぶぅっ!がへぇっ!だぢゅげでぇ、なおちてええ…!」ブシャアア

俺はスマホで地図へキルマークを3つ記録した。



俺達は、さらに先へ進んだ。

猟師1「このまま皆殺しにしてやるぜ!」ザッザッ

その時…
何かが、風を切ってこちらへ飛んでくるのを感じた。

俺はとっさにライフルで喉と頭を保護した。
その時。

白衣のフレンズ「はっ!」ビシュシュゥゥッ

白衣のフレンズが持っていた青いカプセルから、触角のようなものがいくつも伸び、
空中で何かをキャッチした。

白衣のフレンズ「これは…」ウニウニ

白衣のフレンズがキャッチしたのは、矢であった。

矢が俺達に向かって飛ばされてきた…!?

「そこまでなのだぁ!」

む…?何者だ?

ハチマキアライさん1「ふははははー!森に住む罪無きアライさん達を殺す、不届き者め!」ザッザッ

ハチマキアライさん2「天が許しても、このアライさん達が…そして、アライさん達を支えてくれる人間達が許さないのだ!」ザッザッ

ハチマキアライさん3「人間にも悪い人間といい人間がいる…お前達はその、悪い方なのだ!悔い改めるのだ!」ザッザッ

ハチマキアライさん4「人間とアライさんの絆の力!思い知るがいいのだ!」ザッザッ

ハチマキをつけ、弓矢を持ったアライさん達が、6匹現れた。

白衣のフレンズ「何者ですか?あなた達は…!人間との絆とは?」

ハチマキアライさん5「何者かと聞かれたら、名乗らせていただくのだ!」ザッザッ

ハチマキアライさん6「アライさん達は、無慈悲な殺戮を繰り返すお前達を止めるために!心優しき人間達と結託した正義のレジスタンス!その名も…」


ハチマキアライさん1~6は、声を揃えて言った。


アライヴ・ライク・ア・クロケット
『 Alive like a croquette』
~クロケットでつきぬけろ!~


ハチマキアライさん達「「…なのだぁーーーッ!!!」」

…そ、そうか。

ハチマキアライさん1「さあ!今こそ鉄槌を下してや…」


敵前で何を悠長にくっちゃべってんだこいつら?
俺はアライさんの群れへ機関銃を向けた。

ハチマキアライさん1「おっと待つのだ!」サッ
ハチマキアライさん2「これが見えないのか?腕輪なのだ!」サッ
ハチマキアライさん3「これがあれば、お前達はアライさん達を撃てないのだ!」サッ
ハチマキアライさん1~6「「「腕輪なのだーー!」」」サッ

ハチマキアライさん達は、『の』の字を象った腕輪を見せつけてきた。

ロッジアライさん6「のぁ!?あ、あれは!」

ロッジアライさん7「アライさん達のとおんなじ腕輪なのだ!どうして!?」

確かあれは…戸籍証明の腕輪じゃないのか?

白衣のフレンズ「あなた達、その腕輪のIDは何番ですか?ホログラムで見せてください」

ハチマキアライさん1「ほ、ホログラム?」

ハチマキアライさん2「そんなの聞いてないのだ!どう答えればいいのだ?」

ハチマキアライさん3「IDなら分かるのだ!16なのだ!」

ハチマキアライさん4「17なのだ!」

ハチマキアライさん5「18なのだ!」

ハチマキアライさん6「19なのだ!ふはははー、ホログラムが何か知らないが、IDなら言えるのだ!」


ロッジアライさん6「ID16は、アライさんの番号なのだ」パアアアア

ロッジアライさん7「ID17は、アライさんなのだ」パアアアア

ロッジアライさん達は、腕輪からサンドスターを出し、空中に16と17の字を出した。

ハチマキアライさん4「な!?」
ハチマキアライさん5「う、嘘なのだ!アライさんが本当の17なのだ…」

白衣のフレンズ「全て偽造の腕輪ですね。アラ信に提供された物ですね。ディスパッチしましょう」

OKだ。
俺は6匹のうち5匹に機銃を撃ち込んだ。

ハチマキアライさん1「ほぶぅ!」ブシャアア
ハチマキアライさん2「ぎびぃ!」ブシャアア
ハチマキアライさん3「がはぁ!」ブシャアア
ハチマキアライさん4「ほぐびぃ!」ブシャアア
ハチマキアライさん5「ぎびぃーっ!」ブシャアア

ハチマキアライさん1~5「」ビグンビグンブシャアア



ハチマキアライさん6「の…あ、ああ…!ひ、人殺しなのだぁー!」アセアセ

やかましいよ。
とっくに偽造はバレてんだ。観念しろ。

おい、クソ野郎。
てめーと繋がってる人間のとこに案内しろ。
じゃなきゃ今すぐ殺す。

ハチマキアライさん6「あ、案内すれば…助けてくれるのか?」

いいぜ。

ハチマキアライさん6「じゃあ、案内するのだぁ!」ノソリノソリ

白衣のフレンズ「待ってください。彼女は、我々を罠へ誘い込もうとしている可能性があります」

確かにそうだな。
どうする?

白衣のフレンズ「空中にドローンを飛ばして、上空から周囲の様子を確かめながら進みましょう」スッ

白衣のフレンズは、青いカプセルを取り出した。
するとカプセルは、白衣のフレンズの手の上で、小鳥の姿に形を変えた。

青いカプセル「< ●>」ギョロリ…

カプセルには、サンドスターレーダーによく似た、無機質な目玉のようなパーツがついている。
あれがカメラなのだろう。

青いカプセル「< ●>」バタタタタタ…

白衣のフレンズ「映像転送開始」パッ

白衣のフレンズが装着している眼鏡が光る。
あの眼鏡の内側に、映像を投影しているようだ。

…凄いっすね、そのカプセル。

白衣のフレンズ「教授の研究成果の賜物です。さあ、行きましょう」

俺達は、ハチマキアライさん6についていった。

ところで、もしかしたら人間と交戦するかもしれん。
俺達だけじゃ、戦力が足りなくないか?
勝てたとしても危険があるだろう。

白衣のフレンズ「そうですね…。では、ヒグマさんとタイリクさんもこちらへ呼びましょう」

それは助かる。
ヒグマさんはもう冬が過ぎたから全快だし、
ブラウンPも単独遊撃部隊活動を終えて相当レベルアップしてるだろう。





そうして、俺達は迫り来る敵を皆殺しにしながら、アラ信のところへ辿り着いた。

ハチマキアライさん6「こ、こっちなのだ!」ドタドタ

ヒグマ「…ところで、上を飛んでるアレは…何だ?」

ブラウンP「私達には、敵に見えるんだけど…」

青いカプセル「<● >」ギョロリ バサバサ…

白衣のフレンズ「あれは教授が作ったモノ…道具です。敵ではありませんよ」

ヒグマ「…教授だと?」

ブラウンP「…彼女か。凄いな、あんなものまで作れるようになったのか」

白衣のフレンズ「その通り。教授は凄い方です」

ブラウンP「凄いというのは…技術の話じゃない。あの道具を作ろうと決心した、意思の話だよ」

白衣のフレンズ「…」

ブラウンP「かつて、月面へロケットを飛ばしたことが称賛されたのは…ロケットを作った技術や、パイロットの腕だけが誉められたんじゃない」

ブラウンP「月面へロケットを飛ばす、なんていう…周囲の反感を買うようなことを決意して、粘り強く続けたことが一番凄い…と私は思う」

ブラウンP「教授も同じだ。あの道具の技術よりも…決意と粘り強さ。そこが凄い」

ブラウンP「凄く、『いかれてる』」

白衣のフレンズ「…シロウ主任曰く、過去に主任の助手が、同じ事を言ってたそうです…」

おい、着いたぞ。
お喋りはそこまでだ。

ハチマキアライさん6「さ、さあ。お前達、この小屋に入るのだ!」ガチャ

まずはお前が先に入れ。

ハチマキアライさん6「…あ、アライさんは最後に入るのだ!」アセアセ

白衣のフレンズ「では、最初はドローンに偵察させましょう」

小鳥型ドローン「< ●>」バタタタタタ…

小鳥型ドローンは、小屋の中に入った。

白衣のフレンズ「…これは…」

何が映ってました?

白衣のフレンズ「…恐らく爆薬ですね。我々が入った後で、爆破しようとしていたのでしょう」

爆薬!?
アラ信はそんなもんまで入手するのか!
奴ら、一筋縄じゃいかねえな。

ブラウンP「敵も君たちと同じく、脳ミソを持った人間達だ。なめてかかったら殺されるかもしれないね」

…おい。どういうことだこれは。

ハチマキアライさん6「だ、だって!ここに案内しろって言われたのだ!アライさんは悪くないのだぁ!」

もうテメーに用はねえ。
くたばりやが…

ブラウンP「待とうじゃないか。もっと情報を引き出そうよ」

情報?そいつを拷問でもするのか?
アライさんに証言能力はないと思うが。

ブラウンP「聞く価値はあると思うけどね」スッ…

ハチマキアライさん6「ひ…」

ブラウンP「^^」





ハチマキアライさん6「ぎびいいいいいっひいいいいいいぃいぃーーーーーーー!!もう殺してくださいなのだああああああーーーーーーーっ!!!」





ブラウンP「有益な情報がたくさん聞けたよ^^」

…愉しかったか?

ブラウンP「とっても。まるでヤクザ映画の拷問みたいだった。一度やってみたかったんだ」

…お前の天職かもしれないな。

しかし…

何か、矢で狙撃されたり、罠に誘い込まれたり、かなり危うい綱渡りをしている状況なのに。

なんかこう…全体的に、緊張感が薄くないか?

人間相手なら、いつどこで攻撃されるか分からないくらい、緊張すべき状況だぞ。
俺がおかしいのか?

猟師1「白衣さんのドローン技術があり、味方に強いフレンズが2人いて、しかも敵が頭アライさんだからじゃねーか?」

…だとしても。
俺は、周囲への警戒を怠らないぞ。

なんというか…敵の緊張感の無さに、呑まれてたまるものか。

ヒグマ「いい心構えだ」

一旦ここまで

~オマケ~

MCチヘドロー「アライフードファイト、開幕や!」

観客達『YEAAAAHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH!!』

アライさん1~6「うぅ…」

6匹のアライさんが、椅子に手と腹を縛り付けられている。
アライさん達の前にはテーブルがあり、ナイフ、フォーク、スプーンが1匹1セット用意されている。

MCチヘドロー「ルールは簡単!そこのアライさん達に、料理を早食いしてもらう!一番早く完食した奴が勝ち!生き残る権利が与えられる!…それ以外は処刑や!」

MCチヘドロー「ただし、手掴みで料理に触ったら椅子から電流が流れる!そして、テーブルから床に料理を落としたら即ディスパッチやで。ええか?」

アライさん1「分かったのだ…」

アライさん2「美味しいゴハン楽しみなのだ!絶対一番早く食べ終わって生き残るのだぁ!」

MCチヘドロー「そいじゃー一品目いくで」パチン

スタッフが、銀の蓋が被さった皿をテーブルに置く。

MCチヘドロー「1品目!レディー!ファイッ!」

スタッフ「…」カパッ

スタッフが、銀の蓋を取る。

アライさん1「うっ!こ、これは…?」

アライさん2「そ、そんな…」

アライさん3「どうしろって言うのだ…!」

アライさん4「アライさんは…ゴハンが食べれるって聞いてたのだ!」

アライさん5「悪ふざけはよすのだ!どこにゴハンがあるのだ!?」

アライさん6「おお…」




皿に乗っていたのは。

アライちゃん1「うゆ?お、おかーしゃん!おかーしゃんなのりゃあ!」シッポフリフリ

アライちゃん2「うぅーおかーしゃん!あいたかったのりゃあ!さびしかったのりゃー!」シッポフリフリ

アライちゃん3「おがーしゃん!おてていちゃいのりゃあ!あんよもいぢゃいのりゃあ!」ビエエエエン

アライちゃん4「うゆぅーおかーしゃん!だっこちてなのりゃ!」

アライちゃん5「おかーしゃんなのりゃ!おうちかえゆのりゃ~!」シッポフリフリ

アライちゃん6「おかーしゃ、おぱいー」

…手足をへし折られた、アライさん1~6の実の子供達であった。

アライさん1「お、おい!お前!これはどういうことなのだぁ!?」

MCチヘドロー「どーもこーもないわ。それが料理やで。ほい残り9分!あ、骨は残してエエで。他はぜーんぶ食えや!」

アライさん2「できるわけないのだああ!可愛いチビに…そんなこと!」ブルブル

MCチヘドロー「ほんならそのまま死んだらえーんちゃう?」

アライさん3「ち、ちび…」ブルブル

アライちゃん3「おかーしゃん!なんでないてゆのりゃ?うれしなみだなのりゃ?」シッポフリフリ

アライさん4「あ、アライさんは…。捕まったあと、ずっとずっとお前のことが心配で…ずっとお前に会いたかったのだぁ…!」グスングスン

アライちゃん4「ありしゃんもおかーしゃんにあいたかったのりゃー!」ビエエエン

アライさん5「おい!ちゃんとした料理出すのだぁ!こんなの認めないのだぁ!」ドンドン

MCチヘドロー「お前が認めんでも会長が認めとるで。生きとる生アラジビは最高の料理やってな」

アライさん6「ど、どうすればいいのだ…!人間!どうすれば、アライさんとチビを助けてくれるのだ!?」

MCチヘドロー「んな都合ええ話ないわ!お前がチビを食わんかったらお前が死んでチビが生き残る!チビを食えばお前が生き残る!そんだけや」

MCチヘドロー「さーあと8分や!しゃべってる間に、もう間に合わんくなるで?アアアーーーッヒャッヒャヒャアアアーー!!!」

つづく?かも

今日は寝ます

乙です!
ところで、「椅子に手と腹を縛り付けられている。」なら、犬食いしか食べる方法がないと思うのですが、開始時に手だけは自由になってるのでしょうか?

これで喜ぶ視聴者怖いわ…見た目的にも気持ち悪いし
笑ってる方も完全に人の道外れてアライさんのこと言えなくなってる気がする

気がするだけだ

君みたいに現実と混同するの危険だから考え改めたほうがいいよ

>>844
まあそうなんだけどそういう狂った世界観だからしゃーない。
人間そっくりの生物を虐待する小学生とか料理して食べる大会とか開かれてる時点でげんじつちほーの常識とはかけ離れてる。猿脳大好き中国人からも野蛮だと罵られそう
でも、俺さんの常識は割と我々に近いわけだし、>>1は狂っていく社会を描写したいのかもしれんな

>>845
危険はさすがに草

草も何も実際危険だしな……

架空のキャラを用いてるから楽しんでるのであって現実で虐待してるわけじゃないし

なんか勝手に>>1の意向を妄想してるの草

いや的を射てるならいいんだけど外れすぎてて

>>848
架空のキャラを虐待しようなんてトンデモ妄想で鬱憤晴らしてるようなお方が危険性を注意喚起してるのは草をこらえきれませんわ

>>849
少なくとも君が決めることちゃうで
俺さん、フェネック、御手洗さん、etc...がおって彼らの生き様や価値観がそれなりに深く掘り下げられてる時点で単純にアラ虐万歳!ってだけのSSちゃうし
集団狂気が主題でなくとも描写したいものの一つかもしれんわけや

なんか最近、必至に噛み付くアライさんが居るよね。
危険性が-とか気持ち悪いとか主張してるけど、現実に影響受けるような住人はほとんど居ないで。
本文は読みたいけど合いの手が不快と言うならまとめサイトで読めばいいし、本文が嫌なら、読むことを強要されてるんじゃないんだから別板に移れば?

>>850
いやいや、架空のキャラだからこそやってるんですよ^^;
他人の娯楽を危険だなんだ騒いで、本当に危険な考えをお持ちですね……

いやぁ、おかしすぎて草ばっか生えてくる

>>850
お前が一番決めつけてるんだよなぁ……

>>852
少なくともワイは君らの娯楽が危険とは一言も言っとらんで^^
ただし君らの抱く虐待欲求は明らかに反社会的で異常なものやし、危険と思われてもしゃーないんちゃうか?
架空のキャラだからーっちゅう言い分は児童ポルノが犯罪を抑制するとかほざくロリコンの妄言そっくりやなあ
普通はそんな欲求抱かんねん。普通は。
自分がアブノーマルなんをホンマは分かってるから、自分と違う考えの人間がおるだけでも「自分を否定してくる危険思想の持ち主や!」って思いこんで過敏になっとるんやね
別にワイはアラ虐スレでアラ虐すること自体を否定するわけちゃうし安心せーや。滑稽やとは思うけどな

>>854
どんだけ日本語苦手やねんwwワイは考察してるだけで断定なんかしてへんで
ワイは>>1の書くストーリーがおもろいから好き勝手考察してるわけやし、何が何でもアラ虐せな気が済まん奴の考え押し付けられても困るわ

アライちゃん「うゆぅーありゃいしゃんをむししゅりゅのは、よくないのりゃ!ありゃしなしゃんのしっぽのだんすをみて、なごむといいのりゃ!≧∀≦」シッポフリフリ

>>851
そういやこの前は変な新参もおったな
雑談スレにも意地悪質問兄貴湧いとったし、アラ虐好きからすると最近色んなスレの居心地が悪くなってるんかな
過剰に噛みついてくるのも納得やわ。ま、もう少し気楽にSS楽しみや~^^

おっと、sage忘れたわすまんなアライさん

最近アラ信の頭アライさんがよく湧きますね

>>860
馬鹿の一つ覚えナノーネ(呆れ)
耳が痛くなるようなこと言われたらすぐそれやからな
まともに言い返せないからって苦し紛れのレッテル貼りするからバカ丸出しやねん
アラ虐自体を否定するようなスレチ以外にはそうやって噛みつかん方がええで。自分の頭がアライさんって言って回るようなもんやから

>>832
訂正

× 6匹のアライさんが、椅子に手と腹を縛り付けられている。
◯ 6匹のアライさんが、椅子に足と腹を縛り付けられている。

発想どうこうについては、リアルの歴史を勉強すると凄いぞ
かつての人類がマジでやらかしたことを知ってくと、チヘドローのやってることがまだ善良な部類にさえ思えてくる

俺はそれで中学時代に大嫌いで赤点常習だった歴史が今では得意科目になった

>>856
いや、あなたの言う児童ポルノが何を指してるのかわかりませんが……

「架空のキャラだからーっちゅう」という文言があるあたり、二次のことを言ってるのかもしれませんが、それだとしたら何が危険なのか……^^;妄言ではないですね。児童ポルノが危険()だとか言うほうがよっぽど妄言だ

普通じゃない欲求持ってたら反社会的で異常だ、危険と思われても仕方ないなんて……。はっきり自分がそう思いたいと仰ったらどうですか

そもそも、>>850からして危険と言ってるに等しいのに

>>869
普段から誰にも相手にされず、必要とされてない人なんでしょ
だからこういう誰かが反応してくれる場所で正論(とは言えない)を盾にして、承認欲求を満たしているんだよ
そのうちだれからも総スカン食らったり、相手にされなくなったら
「反応する奴おもしれえwwww 荒らしがいあるわwwwwww」と負けセリフほざいていなくなるよ

本当にかわいそうな人なんだよ 相手にしてくれるのがうれしくてたまらないんだろう
たらればくんのことを思うのなら相手にせずNGにしよう

>>868
分からんのなら教えたるわ。
世の中には「児童ポルノや二次ロリに性欲をぶつけることで現実の少女に対しての暴行が抑制される」とかほざくロリコンがおんねん
けど結局現実の少女に手を出すようなクズも一定数おるわけや
せやから「架空のキャラだからこそ虐待欲求をぶつけて楽しんでる。現実で虐待するわけじゃないから混同するな!」なんて言い分は疑いの目を向けられてもしゃーないってことや。わかるかなあ?
それにな、ワイが「君らは危険だ」と思いたいだけやと思いこんでるみたいやけど、残念ながら一般的にはそう見なされんねん。
「児童ポルノが危険()だとか言うほうがよっぽど妄言だ」とか言っちゃう君には分からんのかもしれへんけどな。
現実で君に話し相手がおるんやったら、「虐待欲求持ってても反社会的でも異常でも危険でもないよな?児童ポルノは危険じゃないよな?」って聞いてみたらええわ。答えは明白やねんけどな。

>>871
突然他人の素性を妄想してレッテル貼っちゃう上に承認欲求の意味も解さないようなアホが、冷ややかにあしらおうとする理性的な人物を演じても滑稽なだけやで。


というか君らええ加減我が身を顧みたらどうや?ワイはこのSS内でアラ虐が描写されることを全く否定せんし、好きなようにSSを解釈して感想述べるだけや。
まともな奴からしたらワイも長文でダラダラとレスバしてる迷惑野郎に過ぎないわけやし、そこは申し訳ないわ。
けど君らは少しでも自分と違う意見・感想や考え方を持ってる奴がおったら、自分が攻撃されてると勘違いしてすぐ噛みつき、アラ信認定して、最後には勝利宣言まがいの頭アライさん認定し、対する自分は冷静でまともですとアピールして終わる
ほんま滑稽でしゃーないねん。アラ虐一辺倒のSSでもないし、他人がどんな感想抱こうと普通は気にせんのにな
せやけど>>844>>845が噛みついたりしてるし、ワイに対して>>849みたいに煽ってくるような真性がおったりするから、キリがないねんな

>>867
リアルの歴史といえば、今まで歴史上の拷問器具が使われたことってあったか?(苦悶の梨とか)
ファラリスの雄牛はどっかのスレで見たことある気がするんやけどな

MCチヘドロー「ちなみにこのハエガイジ共は、3日間絶食させとるでー!腹ペッコペコのはずや!」

観客達『くーえ!くーえ!くーえ!』

MCチヘドロー「食事にちーとも手つけへんで2分経ったな!マナー悪いで、お仕置きや!」パチン

アライさん1~6「「のだああああああああああああ!!」」ビビグゥ

MCチヘドロー「電気椅子や!そいつで地獄の苦しみを味わえクソガイジ共!」

アライさん1~6「「ぎびいいいいいぃぃぃぃぃ!!」」

MCチヘドロー「もうエエやろ。さーて、もう1分飯に手つけへんかったら、もーーーーっと強烈なビリビリしてやるで!!はよ食えや!」

アライさん1「はぁ、ひぃ…!くるじぃ…いだいいぃ…!」ブルブル

アライちゃん1「おかーしゃん!?おっきーこえだちてどちたのりゃ!?」シッポブンブン

アライさん1「ち、ちびを…た、食べ…」グーギュルルー

アライちゃん1「おかーしゃん…?どーちたのりゃ?いっしょにおうち、かえゆのりゃ?」シッポフリフリ

アライさん1「無理…なのだぁ!うううぅぅーっ!」ブンブン

アライちゃん1「おかーしゃん?あらおしゃん、おててとあんよいぢゃいのりゃあ…おうちでなおすのりゃあ…!」ピィピィ

アライさん1「ちび…チビいぃぃ…!」ウルウル

MCチヘドロー「呆れるわ、ゴミパンダヴィラン共が何ご立派に母親ごっこしとるんやアホ。おめーらは良心の欠片もない、脳ミソ100%悪党全振りのクズ共なんや!」

MCチヘドロー「葛藤するフリしても無駄やで!とうに知れとんのや!お前らアライさんに人を思いやる気持ちは無い!」

MCチヘドロー「残り7分!さっきより強めにいくか!」

「「「ぎびいいいいいいいいいぃぃ!!!」」」ビグググッ



MCチヘドロー「残り6分!もっと強めたろ!そろそろもう間に合わなくなるで!」

「「あぎぎぎゃがががががあああああああーー!!」」ビグググッ



MCチヘドロー「残り5分!えーかげんにせーや!おめーらアライ共にはガキのために自己犠牲する立派な母親を演じるのは無理やで!」

「「ぎびぎゃあああああああああああああああああ!!!」」ビグググッ

アライさん6「う゛…お…もう…このビリビリは…嫌…なのだぁ…!」ブルブル

アライちゃん6「おぱいー!のあー!」シッポブンブン

アライさん6「ち…ちび…!」

アライさん6「お…お前は…!」スチャ

アライさん6は、フォークを手に取った。

アライさん6「もう一度産んでやるのだ!だから、一旦アライさんのお腹の中に戻るのだ!」ブンッ

アライちゃん6「のあっ…!?」

アライさん6「っ…」ピタッ

アライちゃん6「おかーしゃ…?なんなのあ?」

アライさん6「うっ…うぅうぅぅ~!できない!できないのだあああーーっ!」

MCチヘドロー「何言うとるんや?いつもみてーに『お前の分まで生きるのだー!』っつってガキを見捨てろや害獣!」

MCチヘドロー「それともワイが、健気な被害者のお前に同情するんを待っとるんか?せーへんわ!!こちとらお前ら害獣の被害者や!憐れみもクソもないわガイジ共!」

観客1「そーだそーだ!」ブーブー

観客2「おらさっさとガキを食えよ!てめーが産んで育てたガキをよー!」ブーブー

観客3「どうせアライさんに善意なんてねえんだ!自分だけが大事なんだ!素直になれよ害獣!」ブーブー

観客達『くーえ!!くーえ!!くーえ!!くーえ!!くーえ!!くーえ!!くーえ!!』

恐らく、"自分で[ピーーー]"のに嫌悪感を覚えるというのも有ると思われ。
『お前の分まで生きるのだー!』をやる時も、自分からアライちゃんに手を下すのではなくニンゲンに殺される状態で"見捨てる"だけだから、自分が殺したわけじゃないと自分に言い訳できるから出来る行動なんじゃないかな?

アライさん1「ううぅーーっ!うぅーっ…!」ブルブル

アライちゃん1「おかーしゃ…だいじょーぶなのりゃ?おかおがこわいのりゃあ…」アセアセ

アライさん1は、フォークを握ったまま震えている。


アライさん2「チビを…食べないと死ぬ…嫌なのだぁ…!で、でも、でも…!」ブルブル

アライちゃん2「なにいってゆのりゃ!あらいしゃんたべものじゃないのりゃあ!やーなのりゃあ!」シッポブンブン

アライさん2は、我が子をただただ悲しげな目で見ている。


アライさん3「うぐうぅぅぅーーっ!はぁはぁ…はぁはぁ…!これで、ち、チビを…刺せば…!」ブルブル

アライちゃん3「こあいこといわないでなのりゃあ!あらいしゃん、わゆいことちてないのりゃあ!」プルプル

アライさん3は、フォークを逆手に持ち、我が子の上に突きつけている。


アライさん4「ふ、ふーっ!ふーっ!あ、アライさんは、生き残る!生き延びるのだ!こ、心を鬼にするのだぁ!し、しなきゃ…!」ウルウル

アライちゃん4「や、やめゆのりゃああ!おがーしゃん!しょーきになりゅのりゃあ!ぴいいぃぃ!」プルプル

アライさん4は、アライちゃん4を刺そうと何度も試みる。
しかし刺すことはできていない。


アライさん5「ちび…ちびぃ…!うぅ、うぅぅ…!アライさんが、アライさんが生き延びさえすれば、また産めるのだ…!」ブルブル

アライちゃん5「おかーしゃ、いっしょにおうちかえゆのりゃ!おうちでだっこちてなのりゃあ!」シッポフリフリ

アライさん5は、賢明な判断をしようとしている。
だが決意は固まらないようだ。


MCチヘドロー「あーーー腹立つわ!グッダグダやないか!何を三文芝居しとるんやガイジ共!おめーらの親子の情ゴッコなんてだーれも見とうないんや!!」

観客1「そーだそーだ!」

MCチヘドロー「ワイらはお前らクソ害獣が、醜く共食いする姿が見たいんや!さっさとせーや!」

観客2「さっさと食えー!」

観客3「共食いしろー!」

観客達『くーえ!!くーえ!!くーえ!!くーえ!!くーえ!!くーえ!!くーえ!!』


観客達が見たがっている光景は、なかなか訪れないようだ。

MCチヘドロー「残り5分…あーつまらんわ。お客さん達、このままこいつらがウダウダ葛藤してる様見ててオモロいか?」

観客1「つまんねー!」

観客2「さっさと食えー!」

観客3「…もしこのままほっといたらどうなるか、気になるな…」

MCチヘドロー「せやろなぁ!このまんまじゃ金返せって言いたくなるやろ?でも貰ったゼニの分は、ちゃーんとお仕事すんのがチヘドロー流や」スッ

MCチヘドローは、ナイフを取り出した。

MCチヘドロー「ちょいと横槍入れても…エエか?まあ槍やなくて、ナイフやけどな…」スッ

MCチヘドロー「それとも、このままマってみたいか?」

MCチヘドローは、このナイフで横槍を入れるべきか、観客達に問いかけているようだ。

※とりあえず今日はここまでです

※チヘドローの選択がどうなるかは…また明日

MCチヘドロー「うーいカウントストップ!ストップや!」

タイマーが止まる。

MCチヘドロー「分かったで。なんでお前らハエガイジ共が、なかなかガキに手をつけんのかがな」

MCチヘドロー「お前らは、口で殺すだのなんだのと言われても、それを実感しとらんのや」

MCチヘドロー「心のどこかでは、なんやかんやで自分とガキだけは助かると思うてんねん。ちゃうか?」

アライさん1「あ…アライさんは、希望を捨てないのだ!」

アライさん2「きっとまだ何か…チビと一緒におうちに帰れるチャンスがあるのだ!」

アライさん3「のだっ、のだっ!」

MCチヘドロー「ほほーう?やはりな。ほいじゃ、その希望を絶望に変えたろか」パチン

MCチヘドローは、指パッチンをする。

MCチヘドロー「ワイはお前ら参加者を傷付けん。皿の上の料理にも傷付けん。ただ、真実を分かっとらんようやから、きちんと伝えるだけや」

やがて、アライさん1~6の正面に、スタッフがテーブルを設置する。

MCチヘドロー「今から5分後、お前らがどうなるのか。改めて見せたるわ」

やがて2名のスタッフによって、椅子に縛り付けられたアライさんと、アライちゃんが連れてこられる。

処刑人1「…」グイグイ

アライさん7「な、何なのだ!アライさんを離すのだ!料理はどこなのだ!」ズルズル

アライさん7は、椅子に縛り付けられたまま、処刑人に椅子ごと持ち運ばれている。
そして、テーブルの前に座らせられた。

処刑人2「…」スタスタ

アライちゃん7「びいいぃぃぃっ!あらいしゃんのしっぽつかむなあああああ!」ビックンビックン

アライちゃん7は、手足を折られたまま、尻尾を掴まれて運ばれてきた。
そして、テーブルの上の皿に置かれた。

アライさん7「な、何なのだ…?アライさんはこれから、お腹いっぱいゴハンが食べれるんじゃないのか?」キョロキョロ

MCチヘドロー「おいハエガイジ共!よーく見とけや!自分らが5分後、どうなるんかをな!処刑人のお二方、アレの準備できとるか?」

処刑人1&2「「…」」コクリ

MCチヘドロー「さーやっちゃいましょ!どないなことになるか、楽しみやなあああ!」

MCチヘドロー「さーさーこちらにおわすのは、巨大なバーベキュー用鉄板や!」

処刑人1「…」ガラガラ

処刑人は、巨大なバーベキュー用鉄板を用意した。

MCチヘドロー「バーベキュー用やから、底が深くなってて中にモノ入れられるようになっとるな?ここにガソリンを注ぎ込むで」

処刑人2「…」ドボドボ

処刑人2は、バーベキュー用鉄板へガソリンを注ぎ込んだ。

MCチヘドロー「あとは、このガソリンに火をつけるで」メラメラ

鉄板の上のガソリン「」ボオウウウウウッ

観客達『おぉ…』

バーベキュー用鉄板の上に注がれたガソリンは、めらめらと燃えている。

アライさん3「な、なんなのだあの赤いの…こ、怖いのだぁ!」ブルブル

アライさん4「の、のあ…!」ブルブル

アライさん達は、火を怖がっているようだ。

MCチヘドロー「さー、景気良くいっちゃいましょ!処刑人さん、どうぞ!」

処刑人1「…」ガシッ ヒョイ

処刑人1は、アライさん7が縛り付けられた椅子を持ち上げ、メラメラと燃える鉄板の方へ持ち運ぶ。

アライさん7「ひ!?な…あ、アライさんに何するのだ!?どこに…そ、そのメラメラに近付けるなああ!」ジタバタ

アライさん7は、必死に手をじたばたと動かし、処刑人1を止めようとしている。

アライさん7「に、人間!アライさんは!ゴハン食べれるのは!まだなのかあああ!」ジタバタ

MCチヘドロー「飯の心配より、自分の心配せーや!ほな、いっけー!」

処刑人1「フンッ!」ポイッ

処刑人1は、椅子に縛り付けられたアライさん7を、鉄板の上へ投げた。

アライさん7「のあああっ!」バッシャアアン

アライさん7「ぎっ…びゃああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーー!!!あづい!あづい!あづいいいいぃぃぃぃぃぃいぃ!!!あぎゃあああ!!」ジタバタメラメラ

鉄板に投げ込まれたアライさん7は、椅子に縛り付けられたまま、ガソリンの炎で全身火だるまになる。

手をばたつかせて脱出しようとするも、椅子のせいでうまく動けないようだ。

観客達『YEAAAAHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH!!!!』

アライさん7「ああああああああああああああ!!だずげでえええええええっえ!!あづいいいいのだああああああああ!!」メラメラパチッパチッ

アライちゃん7「!?おかーしゃん!?おかーしゃんがへんなのりゃあ!いっぱいなんかさけんでゆのりゃあ!」シッポブンブン

アライちゃん7は、母親が炎に包まれる姿を皿の上から見ている。

アライさん4「ひ…ひぃ…!」ブルブル

アライさん5「い…嫌なのだ…あんなの嫌なのだ…!」ブルブル

アライさん6「アライさんは…アライさんはぁぁ…」ブルブル

アライちゃん1「びええええーーんっ!こあいのりゃあああっ!」ピイイィィ

アライちゃん2「いっぱいさけんでゆのりゃ!?なんなのりゃあ!こあいのりゃあ!」ビエエエン

アライさん7「出るのだああああああああああああああ!!!」モゾモゾ

アライさん7は、手で這って椅子を引き摺りながら、鉄板の外へ出ようとするが…

処刑人2「ガスバーナー放射!」ボオオオウ

アライさん7「ぎびっびぎゃああああああああああああああ!!」ボオオオウ

出ようとした方向から、処刑人2がガスバーナーの青い炎を浴びせる。

アライさん7「が…ぼが……」ボオオオウ…

炭アライさん7「」メラメラ…

MCチヘドロー「よし、こんなもんやろ。そろそろ出すか」

処刑人1「…」ガシィ ポイッ

処刑人1は、アライさん7が座った椅子にフックを引っ掛けた。
そしてアライさん7を鉄板の上からどけ、アライさん1~6の前に転がした。

炭アライさん7「」ブシュウウゥウ…

アライちゃん7「おがぁーーしゃあああーーーん!おがあああーーぢゃああああああーーんっ!ぴいいいぃーっ!」シッポブンブン

アライさん1~6「「ひ、ひいぃぃ…!」」ガタガタブルブル

観客達『チッヘドロー!チッヘドロー!チッヘドロー!チッヘドロー!』パチパチパチパチパチパチ

MCチヘドロー「どや?それがこのまま料理を完食できへんかった場合の、お前らの末路や。やっと実感したか?」

アライさん1「の…のあ…や、やめ…あ、アライさんには、やらないで…ほしいのだ…」ブルブル

MCチヘドロー「残念、お前もやりますわ。もしリタイアすんなら、今すぐお前だけあんな風に焼いてやってもええで?」

アライさん1「ひぃっ!?嫌なのだあああああ!」ビクゥ

MCチヘドロー「もしこれを見てもまだ、自分だけは助かるたろなんて期待しとるんなら…試してみたらええんちゃう?まあ、殺さんわけないけどな」

MCチヘドロー「あるいはガキのために体張って立派なかーちゃんになってみるか?あんな風に燃やされたいならそれもええで」

MCチヘドロー「もし燃やされたくない、森に帰りたいっちゅうなら…急がなあかんのとちゃう?残り5分でそれ食いきれるか?ムズいやろ」

アライさん6「っ…はぁ、はぁ…」ゴクリ

MCチヘドロー「ワイはお前らをなーんも傷付けとらん。ただ、お前ら皆殺されるっちゅー実感が薄いようやから、それを思い出させてやっただけや」

MCチヘドロー「さ、カウント再開するでー。一同、覚悟は決まったか?」

アライさん1「う、うぅ…!」ブルブル

アライちゃん1「お、おかーしゃん!こわいのりゃ!はやくあらいしゃんといっしょにかえゆのりゃ!」ブルブル

MCチヘドロー「再開!レディーゴー!」

カウントが再開した。

アライさん1「うぅぅう!チビ!ごめんなのだあああ!」ガシィ

アライさん1は、フォークを手に取って、目をつぶった。

アライちゃん1「のあ?やっとおうちかえゆのりゃ?」シッポフリフリ

アライさん1「のっ…だあああーーっ!>д<;」ブンッ

アライさん1は、目をつぶったまま、フォークを振り下ろした。





アライちゃん1「ぴ?」ドズゥッッッ

フォークは、アライちゃん1の脇腹に深々と刺さった。

アライちゃん1「…」ダラー…

アライちゃん1「ぎぢびぃいいいいいいいいいーーーーーーーーーっ!!」ブシュウゥ

観客達『YEAAAAHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH!!!!!!!』ヒューヒューワイワイ

アライさん1「あ…ぁああ…ちび、ごめんなのだ!でもあいつが悪いのだアライさんは悪くないのだああああ!うあああああああ!」

アライちゃん1「いぢゃいいいいいいいのりゃああああああーー!ぎびいいいいっ!おがーじゃんやべでええええ!!」モゾモゾ

アライさん1「うううぅぅ!アライさんは悪くないのだ!あいつのせいなのだあああ!は…」

アライさん1は大きく口を開けるが、子供にかぶりつくのは躊躇している。

アライさん1は、ふと他のアライさんの様子を見た。


アライさん2「し…死にたくない!チビ!アライさんを助けるのだああ!」ザグゥッ

アライちゃん2「じびいいいいいいいいいぃぃいーーっぇえええええーーーっ!!」ブシュウゥ

アライさん2は、涙を流しながらアライちゃん2をフォークで刺した。


アライさん3「あ、あ…出遅れる…みんなやってるのだ!アライさんは悪くないのだ!チビ!ごめんなのだあああ!」ザグゥッ

アライちゃん3「いぢゃいいいぃーーーーーっ!!おがーじゃんやべでええええええーーーっ!ぎびぃぃーっ!」ブシュウゥ

アライちゃん3は、母親からフォークを突き刺された激痛により絶叫した。


アライちゃん4「お…おかーしゃ…やべで、ささないで…やさしーおかーしゃんしゅきしゅきなのりゃああ…」プルプル

アライさん4「う、うぅ…ちび…また…産んでやるのだ!森で会うのだぁ!」ザグゥッ

アライちゃん4「やべでやべでやべでええええええ!あぎゃあああああああああああああああーーーっ!!」ブシュウゥ

アライちゃん4は、母親に刺さないように懇願したが、その願いは届かなかったようだ。

アライちゃん5「や…やなのりゃ…にげゆのりゃあ!」クネクネモゾモゾ

アライちゃん5は体をくねらせて動き、テーブルの下へ逃げようとしている。

アライさん5「ち、ちび…逃げたら…アライさんが…メラメラになるのだ…駄目なのだあ!」ザグゥッ

アライちゃん5「いぢゃいいいぃいーーーーっ!おがーしゃんのくそばかがいじいいいぃーっ!おがーしゃんがしねばあらいしゃんがたすかゆのりゃあああっ!」ジタバタジタバタ

アライさん5「だ…駄目なのだ…逃げたら…はぁぐ!」カプッ

アライちゃん5「うぴゅううぅぅっ!かむなあああ!はなちぇええがいじがいじがいじがいじがいじがいじがいじぃぃぃーーっ!」ジタバタジタバタ

アライさん5は、我が子が逃げられないように甘噛みする。
だが、その肉を噛み切るのには未だに心理的ハードルがあるようだ。


アライちゃん6「おかーしゃ、おぱいー!」ピィピィ シッポフリフリ

アライさん6「ちび…ここから逃げるのだ…」

アライちゃん6「のりゃー」シッポフリフリ

アライさん6「一旦アライさんのお腹に入って、ここから逃げるのだ!はぐっ!」パクッ

アライちゃん6「もごっ!?」ビクゥ

なんとアライさん6は、スプーンやナイフでアライちゃん6を掴み、頭から口に突っ込んだ。

アライさん6「おごご…もごごご…!」グイグイ

アライちゃん6「ーーー!っーーー!」シッポブンブンブンブン

アライさん6は、アライちゃん6を丸飲みにしようとしている。
だがアライちゃん6の体の大きさ的に、それは無理そうである。

観客達『くーえ!くーえ!くーえ!くーえ!くーえ!くーえ!くーえ!』

アライさん1「…」アセアセ

アライさん1は、他5匹の様子を見た。

アライちゃん1「おがーしゃ!それぬいてえええっ!おながいぢゃいいぢゃいのりゃあああああっ!」ドクドク

アライさん1「…ちび、も、もう、戻れない、のだっ…!」ブルブル

アライさん1「アライさんは絶対生き残るのだあああ!はぁぐっ!」ガブゥ

アライさん1は、アライちゃん1の脇腹にフォークを突き刺したまま、その柔らかいお腹に噛みついた。

アライちゃん1「びぎぃ!?やべでぇ!あらいしゃんはとーもろこちじゃないのりゃあああぁっ!」ピギイイィィ

アライさん1「ふんぐーーーーーっ!!」ミキミキミキ…

アライちゃん1「じびーーーーーーーーーっ!!!いぢゃいいいいぃーーーーのりゃああああああーーーっ!だぢゅげでえーーーっ!おがあーしゃーーーんっ!!」シッポブンブンブンブンブンブン

母親に噛みつかれたアライちゃん1は、母親に助けを呼んだ。

アライちゃん1「おがーしゃーーんっ!おがーしゃんがいじめゆのりゃああっ!だぢゅげにぎでええっ!おがーしゃんをやっちゅげでええーーっ!!」ピギイイィィ

アライちゃん1は、母親が助けに来て、母親を倒してくれることを待ち望んでいるようだ。

アライさん1「ふんぐーーーーーっ!がぶぅぅっ!!」ガブブヂィィッ

アライちゃん1「ぎびいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいーーーーーーーーっ!!」ブッシャアアアアアアアーーッ

アライちゃん1の柔らかい腹の肉が、母親の鋭い牙で噛み千切られた。

観客達『YEAAAAHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHーーーーーーーー!!!』パチパチパチパチパチパチパチパチ

観客達は大盛り上がりだ。

MCチヘドロー「アーーーーッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャァーーーッ!!!これやで!これぞハエガイジ共や!!!」

MCチヘドロー「今まで食わへんかったんは、母親の情やない!単に状況認識ができとらんアホウ共やったっちゅーだけの話や!!」

MCチヘドロー「ホンマモンの覚悟やない!自分がドラマの中の悲劇のヒロインやと思っとっただけや!ツライツライ言うとれば、いずれ助かると思っとっただけや!」

MCチヘドロー「アーヒャヒャヒャ!誰かさんみたいなや!ツライツライ言えば周りが勝手に助けてくれる、甘ったれのアライさん!ワイはそれ一匹知っとるで!誰とは言わんがな!」

MCチヘドロー「ともかく!やっとゴミパンダヴィラン共の本性が見れたな!これがアライさんや!善意の欠片もない糞畜生の権化や!」

MCチヘドロー「お分かり頂けたかーーお客の皆さん!!さあ!残り4分30秒!どこまでやれるか見守ってやりましょー!アーヒャヒャヒャ!」

観客達『イエエエエエエイ!!』ヒューヒュー

つづく

アライちゃん1「おがーしゃん!やべでええええーーーっ!やべでええええーーーっ!!」ピイイィィ

アライさん1「は、はぐっ…もぐっ…がぶっ、ふぐっ…」バリバリムシャムシャ!!

アライさん1は、泣きじゃくりながら我が子を貪っている。
アライさん1の頭の中には、自分が生き残ることへの必死さもあったが、
それ以上に愛する我が子と歩んできた日々が想起されていた。

暗い巣穴の中で産声を上げた3匹の子供達。
そのうちの2匹は、アライさん1が子供達の餌を探しに行っている最中に、消えてしまった。
きっと蛇に食べられてしまったのだろう。

残ったたった一匹の娘…アライちゃん1を、アライさん1は大事に大事に育てた。

雨の降る日は、巣穴の中で震えながら暖め合った。
寒さは厳しかったが、しっかりと感じる温もりに、我が子の命の鼓動を実感した。

風の強い日は、一緒に果樹園に果物を取りに行った。
アライさん1が大好きなマスカットをアライちゃん1に与え、それを大好きだと言ってくれたときは、
単なる好みの類似だけでなく、しっかりと自分との血の繋がりを感じた。

そしてある日の夜。
畑を我が物顔で闊歩する危険な人間達がいないことを確認し、
アライちゃん1と共に畑へ野菜採りに来たアライさん1。

そんな仲良し親子は、畑の側で美味しそうな匂いのする籠を見つけた。

今まで嗅いだこともない、新鮮な香りを感じた親子は、期待に胸を高鳴らせ、籠へ入った。

籠の中の食べ物…揚げパンを取った瞬間、突如籠が閉じ、親子は出れなくなってしまった。

必死にこじ開けようとするも、籠は開かない。
助けを呼んでも誰も来ない。

アライさん1は、体の小さなアライちゃん1へ、揚げパンを全部あげた。
「おかーしゃんだいしゅきなのりゃあ!」と言いながらすり寄ってくる愛くるしい我が子の温もりがあれば、この危機に打ち勝つ勇気が湧いてきた。

夜が明け、人間達が来たことで、アライさん1はようやくこの籠が罠だったことに気づく。

なんと卑劣で傲慢なのであろうか。
人間達は、畑の野菜を独占するために、邪魔者であるアライさん1親子を
罠に閉じ込め、排除しようとしたのである。

畑の野菜は誰のものでもない。
強いていうならば、早い者勝ちである。
そうやって皆で資源を分け合い、互いの生命を尊重し合うのが道理であり、地上に生きる生き物の道徳というものであろう。

だというのに。
人間達は、ただ食糧が欲しいという理由で。
たったそれだけのくだらない理由で、アライさん1親子の命を奪おうとしたのである。

そんなことは、あまりにも道理に合わない。
フレンズの命2つと、たかが野菜1つ。天秤にかけたら、あまりにも重さが釣り合わないのではないだろうか。

そうしてアライさん親子は、保健所に強制連行されたのである。
ただ食べ物を採りに来ただけだというのに、自由を奪われ強制連行されたのである。

アライさん1親子が何の罪を犯したというのであろうか?
愛しくか弱い娘、アライちゃん1を育てることが、そんなに罪深き行いであろうか?
森の食糧が他のアライさん達に採り尽くされたため、仕方なく畑へ…


MCチヘドロー「タァアアアアーーーーーーイムアアアアアーーーーーーーーーーーーップゥッ!!!時間切れやァーーーッ!!」

アライさん1「はっ!?」

アライちゃん1「」ドクドク

タイマーの残り時間は0秒を指していた。
アライちゃん1は、まだ内臓が半分以上残っているというのに。

アライさん1「な…ぁ…」キョロキョロ

アライさん1は、辺りを見回す。

アライさん2「もうちょっと待つのだぁ!もうちょっとで食べ終わるのだぁ!」ガツガツ

アライさん3「速すぎるのだぁ!お前なんかしたんじゃないのかぁー!ルール違反なのだ!」キュルルルルゥ

アライさん4「こんな短い時間で食べきれるわけないのだぁ!無茶苦茶なのだぁ!」

アライさん5「はぐはぐ、もぐもぐ、美味しいのだぁ!美味しいのだぁ!」ガツガツクッチャクッチャ

アライさん6「ほご…もご…」ギュウギュウ

アライちゃん6の尻尾「」ピク…ピク…



アライさん1「ま、まだ誰も食べ終わっていないのだぁ!延長!延長なのだぁ!!」

MCチヘドロー「ハァーーーーーー!!?嗤わせるわ!お前らが5分まで手つけなかったんは、愛情やなくて状況認識能力の欠如が原因やろがガイジ!自業自得や!!」

なんという無茶苦茶なことを言う人間であろうか。

アライさん1「あ、アライさんは悪くないのだ!お、お前が悪いのだ!お前がアライさんにこんなことさせたのが…!」

MCチヘドロー「では取り決め通り、全員エクスキューーションやぁ!」

処刑人1「…」ガシィ

アライさん1「ひっ!」ビクゥ

アライさん1が座っている椅子が、後ろから持ち上げられて浮いた。

アライさん1「ひ、ひっ!待つのだぁ!アライさんの話を聞けば、アライさんが何も悪いことしてないって分かるのだああ!うぬぬぅ~、のだっ、のだっ!」グイグイ

アライさん1は、椅子の拘束を必死で外そうともがく。
しかし拘束は外れない。

どんどん炎ゆらめく鉄板が、アライさん1の目の前に近付いてくる。

アライさん1「アライさんの話を聞くのだああああああああーーーーーーーーーーーーー!!」ジタバタジタバタ

MCチヘドロー「話?聞いたるわ、言うてみい」

炎が目前に迫る位置まで運ばれたところで、処刑人1が歩みを止めた。

ここで言うべきことは何か?
決まっている。
人間達の間違いを指摘し、過ちを認めさせることだ。
自分が正しいことを証明すればよい。
人間達を論破してしまえば、アライさん1を殺すわけにはいかなくなるだろう。

アライさん1「まず最初に!お前達は間違ってるのだ!生き物を、アライさん達をこんなに簡単に殺そうとするなんて、ガイジがやる事なのだぁ!」

MCチヘドロー「ガイジで結構!死ねやボゲェーーーッ!!!」

アライさん1の体が宙に浮いた。

アライさん1「のあ…」

次の瞬間、アライさん1は顔面から炎の中に突っ込んだ。

アライさん1の全身がガソリンで濡れ、炎が燃え広がる。

炎はアライさん1の全身皮膚を焼き、筋肉を焼き、神経へ激痛を与える。

アライさん1「あづいのだああああああああああああああああああああああ!だずげるのだああああああ!!チビぃいいいいーーーっ!!」ボオオオオウウ

観客達『YEAAAAHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH!!!!』



そのまま、アライさん1~6は鉄板の炎で消し炭となった。

アライさん6の死骸「」プスプス…

MCチヘドロー「ん?なんか喉に詰まっとるな」ザクザク

MCチヘドローは、アライさん6の喉を、先程取り出したナイフで切り裂いた。

アライちゃん6「」グッタリ

MCチヘドロー「おや?コバエがおるやん。生きとるか?」チョンチョン

MCチヘドローは、アライちゃん6をナイフでつついたり、末端を切ったり刺したりして反応を見た。

MCチヘドロー「…」

MCチヘドロー「窒息死しとるな!きっちりエクスキューション完了や!」

観客達『YEAAAAHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH!!』パチパチパチパチ

今回もアライデスゲームTVは大好評であった。



~ジビエ料理店『食獲者』~

食通の友人「今回のデスゲは以前にも増して凶悪だったな。よっ、ド外道」

MCチヘドロー「ショクエモンPにそう言って貰えるんは光栄やな!ハハハ!」

食通の友人「…しかし、最後のアラジビフェス以後、アラ虐市場への風当たりが強くなるんじゃないかって思ってたが…杞憂だったな」

MCチヘドロー「あー、あの馬鹿女がやらかしたアレか…。それには2つ理由があるな」

食通の友人「何だ?」

MCチヘドロー「1つ目は、ブラウンP叩きのブームが去ったことや」

食通の友人「…ぶ、ブーム?」

MCチヘドロー「そや。SNSの連中は悪者叩きが大好きやけど、その流行りには廃れがある」

MCチヘドロー「ブラウンPが、玩具として飽きられたんやろうな。あいつの信者が擁護したおかげもあるやろ」

食通の友人「で、2つ目は?」

MCチヘドロー「2つめは至極単純。あの日、ステージの上で麦わら帽子のアシスタントが殺された出来事…」

MCチヘドロー「あの直後は皆頭に血がのぼっとったけど、冷静になって考えると、さほど大したことやないって気付いたんや」

食通の友人「大したことない?」

MCチヘドロー「そうや。結局、多少マシだろうと何だろうと、あそこで死んだんはアライさんであることに違いは無い。そんなん大したことちゃうやろ」

食通の友人「…」

MCチヘドロー「考えてみい?例えば、芸を覚えさせた蚊や蝿を、飼い主が殺したとする。それってそんな怒ることか?」

食通の友人「…殺した直後は怒るかもしれんが、後で考えると、大したこと無いだろうな。たかが蚊や蝿に違いは無いし、いくら死んでも構わねーな」

MCチヘドロー「そういうことや。絵が描けようが、言うこと聞こうが、アライさんなんやからいくら死んでも構わんちゅーことや」

食通の友人「…そういうもんなのか…」

MCチヘドロー「そーいうもんやで」

一旦ここまで

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アライさんの脳天をスコープの照準に捉え、静かに引き金を引く14
アライさんの脳天をスコープの照準に捉え、静かに引き金を引く14 - SSまとめ速報
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