【艦これ】鳳翔と呼んで欲しい (23)

鳳翔と呼んで欲しい

そんな欲求が湧いたのはいつからでしょうか

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もしかしたら気づいていないだけで

最初から思っていたのかもしれません

提督は鎮守府のみんなから慕われています


もちろん私も慕っています


提督の人気の一つとして全員に平等に


接しているからだと思います

それが分かっているからこそ、鎮守府のみんなは


提督を慕っているのだと思います


しかし、私だけ他のみんなとは違う接し方をしています


それは私だけ「さん付け」で「敬語」なのです

駆逐艦の子達ならともかく


赤城さんや加賀さん、大和さん、武蔵さんにも


呼び捨てで砕けた口調なのに


私だけ「さん」付けで「敬語」なのです

他の子に聞いてみても、最初からあの様子だったと言うばかりで


私の前でだけ堅い様子なのです


それに気づくことができたのは


ついこの間のことです

普段は22時に店を閉めるのですが


その日は隼鷹さんが寝てしまい


提督がいらっしゃる時間まで店にいたのです


その時の提督と隼鷹さんの会話で


この事実に気づくことができました

それからというもの


そのことが気になって仕方がありません


そして私は思い切って提督に聞いてみることにしました

提督はとてもびっくりしていました


最初は誤魔化していたのですが


私がしつこく聞くとゆっくりと話し始めてくれました

「実は私には母親がいません」


「物心ついた時から父しかいなかったので」


「母親というものが何か、全然分かりませんでした」


「友達やドラマ、街にいる親子を見てこんなものなのだろうかと」


「妄想するぐらいでした」

「そんな中、鳳翔さんに会ったんです」


「まるで話に聞く、理想の母親だったんです」


「しかし、そんなことは考えてはいけないと思いまして…」


「鳳翔さんに対してだけは、他の子のように砕けたようには…」


「でも鳳翔さんとは一緒にいたかったので居酒屋の方にお邪魔していました」

今度は私がびっくりしていました


まさか提督がこんなふうに思っていたとは…


居酒屋…というか店を作って欲しいと依頼されたのは提督でしたが


最初は私の料理の腕を聞いて頼まれたのかとばかり思っていましたが


もしかしたら、私に会いたいがための口実を作っただけではないか


そんなことを考えていると私の中に一つの考えが浮かびました

私は聞きました


「提督は私に母親を求めていたんですね?」


「そ…そうです…」


「そんなに悲しい顔しないでください」


「え…」


「いいんですよ?提督」


「私の前では、私の前だけは」


「鎮守府指揮官の提督としてではなく、一人の人間として」


「私の前にいてください」

「鳳翔さん…っ」


「そうじゃないでしょ?」


「…お母さん…っ!」

そうして提督は私の前で


まるで子供のように泣き崩れました


こんな姿を見せるのは私の前だけ…


みんなの前ではあんなに立派な提督が


私の前ではただの子供…


そんな姿を見て私は…

罪悪感と共に快感を得ていたのです…

以上で終了です、急ぎ足になってしまい物足りない感もありますがお疲れ様でした。

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