沢近愛理「スレ違いってやつね」 (11)

誰かが告白する時は誰かがフられる時

男に二言はねぇ、俺はフられたぜ
たかが不良がいい思いさせてもらっただけ感謝しねーとな
漫画ももうやめだ、女々しいったらありゃしねぇ
これからどうしよう
なーんも無くなっちまった

プルルルル
播磨「ん?お嬢から?

播磨「なんだ?

お嬢「ヒゲまた頼まれてくんない?

ヒゲ「なんだよ、また見合いか?

お嬢「違うわ、ナカムラが体調崩して入院しちゃったのよ。身の回りのことはナカムラに任せっきりだったから人手が欲しいのよ

ヒゲ「ああ?俺にお前の世話しろってか?甘めーんだよ、自分のことは自分でやりやがれ
(やっぱりこいつは気にくわねぇ、これだから金持ちは)

お嬢「あら?そんなこと言えるのかしら?あなたにはまだ14万6235円の借金があるでしょ、いつ返してくれるの?
どうせ返せないんだから、借金分ぐらいうちで働いて返しなさいよね

ヒゲ「うっ(すっかり忘れてたぜ)
ああ、わかったよ
めんどくせぇ



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沢近家

ヒゲ「よお

お嬢「上がって

ヒゲ「それにしてもやっぱデケェ家だな、こんなに部屋いらねーべ?

お嬢「それよりヒゲ、しばらく客室を使っていいから

ヒゲ「やっぱり住み込みかよ、まっどうせやることもねーし逆に助かるぜ
それで何すりゃいいんだ?

お嬢「なにって私の身の回りのこと全てよ
ナカムラの代わりなんだから
頼んだわよ(どうせ天満にフラれたんだからこのくらい私だっていいわよね)

ヒゲ「おう

数日後

レストランでの会食後

ヒゲ「まったく金持ちってのはガッチガチで遠目でみてるだけで疲れるぜ

お嬢「仕方ないでしょ、沢近家の娘として蔑ろに出来ないの、私もいやよ
疲れたわ、早く帰りましょ

ヒゲ「そーだな

車内

お嬢「ヒゲ、あんたこの前の約束覚えてる?

ヒゲ「ああ?なんのことだ?

お嬢「オイスターバー!結局行けなかったじゃない

ヒゲ「ああ、そういやそんなこともあったな
でもやっぱり虫はくえねぇな

お嬢「じゃあ何が好きなのよ

ヒゲ「カレー。

お嬢「じゃあ食べに行きましょう…

ヒゲ「そうだな

カレー屋

ヒゲ「ここのカレーうめぇんだよ
金持ちはこういう店はあんまり入らねーだろ?庶民の味をなめんなよ

お嬢「こんなに安いものなの?
本当に美味しんでしょうね!?

ヒゲ「うるせーな
食えばわかるって

お嬢「んっ!(おいしい)

ヒゲ「なっうめぇだろ
金で全ての価値が決まるわけじゃねーんだよ
覚えとけ金持ち

お嬢「知ってるわよっ!うるさいわね!
(あんたはお金で手に入りそうにもないし)
そういえばあんたの借金もそろそろ返済し切るくらい働いてくれたしその後はどうするの?漫画は?もう描かないの?

ヒゲ「さぁな、漫画はもう描かねぇし、やりたいことも目標もねぇ(そういや塚本って目標が出来てから変わったよな俺)

お嬢「なんで?あんなに一生懸命描いてたのに
あんたの借金だってほとんど漫画描くための費用だったじゃない?逆になんでそこまで漫画描いてたのよ?

ヒゲ「もう終わったことだ、いいだろうなんだって

お嬢「そうもいかないわよ、不良が漫画描いてるなんて気になるじゃない
しかも急に描くのやめるなんて
もしかして天満と関係あるの?
(天満にフラれるまで漫画描いてたわよね…)

ヒゲ「んなっ、か、関係ねぇよ
もういいだろ、帰るぞ

お嬢「まだ天満に未練があるの?

ヒゲ「それはねぇ、フラれたんだ
いつまでも引きずるなんざ男のすることじゃねーよ
…でも人を好きになるってすげーよな、世界が変わった感じだった、するはずのない努力もするようになったし…悪くなかったな。

お嬢「やっぱり天満のために漫画描いてたんじゃない?そういう言い方よ今のは

ヒゲ「チッ、うっせーな、そうだよ
我ながら女々しいぜ、だからよもう漫画は描かねぇ

お嬢「(いいな天満はこんなに思われて…)

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ヒゲ「おめーはいないのかよ、そういうやつ
お前を変えてくれるような奴はよ

お嬢「いるわ(ヒゲの言う通り、こいつがいなかったら私は家のために好きでもないお見合いに乗っていた、ヒゲが私を変えてくれたんだ)

ヒゲ「ならそいつのために頑張れるじゃねーか
大切にしてやんな(誰だろう、こいつは高慢な女だからな、相手も似たような奴だろう。あっハリー・マッケンジーとかいたけど釣り合いそうだな)
もしかしてそいつってハr

お嬢「(えっ嘘!バレた!?ちょちょっちょっと待って!、!)

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ヒゲ「rイー・マッケンジー?

お嬢「はぁ?(はぁ?)
やめてよ、そんなわけないでしょ
まぁ似たところがあると言えばあるけど…(名前そっくりだしもうバレちゃうわよね)

ヒゲ「(似たところがある?外人?あっっ!こいつが親しい男と言えばマックスってやろうか!!)もしかして…喧嘩つえーやつか

お嬢「コクっ…///(もうこの際言っちゃえ!!)

ヒゲ「お嬢オマエ…(仲悪そうだったのになぁ、まぁ俺もそうだったな、仲良くしたいのに空回りばっかりだった)
俺と一緒じゃねーか!なんで修学旅行の時言わなかった!!

お嬢「どうすればいいかわからなかったのよ(ヒゲも一緒!!??どうしよう、心臓の音聞かれちゃってないかな///)

ヒゲ「まぁあん時は色々あってそれどころじゃなかったからな
フッおめーもそういう顔できんのか、かわいーじゃねーか恋する乙女って感じだぜ

お嬢「カッー///(かっ、可愛いって)

ヒゲ「好きだと思うぜお前のこと(マックスは)

お嬢「うん、嬉しい、私も好きよ、ヒゲのこと

ヒゲ「?

お嬢「?

ヒゲ「(こいつ今俺のこと好きって言ったか?なんでだ?なんでマックス好きの話ししてたのに俺が好きなんだ?わからねぇ)

お嬢「(あれっどうしちゃったんだろ?緊張してるのかな、サングラスかけてて表情がわからない)

ヒゲ「お、お嬢、お前今俺を好きって言ったか?

お嬢「え?そうよ、ヒゲも私のこと好きなんでしょ?

ヒゲ「ちょっと待ってくれ、俺はお前が好きなのはマックスだと思ってたわけで…えーと

お嬢「えっ、なんで今の話の流れでマックスになるのよ!!
もうこの際なんでもいいわ、ヒゲっ!私はあなたのことが好きなの!!
わ、私と付き合ってちょうだいっ///

ヒゲ「う、嘘だろ、ありえねぇ(お嬢が俺みたいな不良をなんで)

お嬢「…(ありえないか、あーあやっちゃった。これでもう終わりかな、もう友達としてもやっていけない)
そう…ごめんなさいね、帰るわ、もう借金とかのことはいいから

ヒゲ「おいっ!そういう意味じゃねーって(塚本にフラれた時辛かった、なんの意味もない播磨拳児に戻っちまった、そんな俺でもこいつにとっては一生懸命になれる存在なのか、なら)
女に恥をかかせる気はねぇ、オメーみてえな女は嫌いだがお前は嫌いじゃねぇ
いいぜ

お嬢「ホッントバカねヒゲ

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