渋谷凛「ポッキーの日らしいね」モバP「らしいな」 (20)


凛「だからと言って、どうということはないんだけどさ」

P「あれ、ねだられるのかと思った」

凛「え、買ってくれるんだ?」

P「あー、うん。いいよ」

凛「やった」

P「コンビニ行く?」

凛「今出て大丈夫?」

P「まぁ、こうして凛と駄弁ってるくらいだし」

凛「そっか」

P「そうなんだよ」

凛「じゃあ行こっか」

P「あ、お財布」

凛「?」

P「置いてきな」

凛「目ざといね」

P「そうなんだよ」


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P「外はやっぱ冷えるなぁ」

凛「すぐ冬になっちゃいそうだよね」

P「ジャケット着てくるんだった」

凛「だから出る前に寒いよ、って言ったのに」

P「すぐそこだし、と思って」

凛「普段あれだけ私に体調管理、体調管理って言ってるのに。風邪ひいても知らないからね」

P「ここぞとばかりに説教してくる」

凛「言われたくなかったらちゃんとしてよ」




P「コンビニ到着、っと」

凛「ポッキーの日だけあって、すごいね」

P「ほんとだ。特設コーナーまである」

凛「やっぱり売れるのかな」

P「そりゃあ、こうして寒い中わざわざポッキー目当てに買いに来る客がいるくらいだからなぁ」

凛「あー」

P「納得した?」

凛「うん。すごく」




凛「どれにするの?」

P「細長いやつ」

凛「だいたい細長いよ」

P「なら、いちごのやつ」

凛「じゃあ私は普通のやつにするね」

P「他に何かいる?」

凛「ううん。大丈夫」

P「じゃあレジ行くか」




P「なぁ」

凛「何?」

P「おでん、買ってもいい?」

凛「いいも何も、プロデューサーのお金だし、好きにしなよ」

P「食べ合わせ悪いかなぁ」

凛「なんでポッキーと一緒に食べる前提で話をしてるの」

P「別々で食べればいいのか」

凛「当たり前でしょ?」

P「じゃあ買っちゃおう」




P「だいこんは外せないだろ」

凛「いや、知らないし」

P「それから厚揚げ」

凛「いちいち言わなくていいって」

P「あとは、がんもとー」

凛「待って。一人でそんなに食べるの?」

P「え、凛食べないの?」

凛「……ひとくちもらおうとは思ってたけど」

P「ほら」

凛「ほら、ってもう。でも、ほどほどにしなよ」

P「じゃあ、最後の一個。凛選んでいいよ」

凛「もちきんちゃく」

P「よしきた」




P「いやー、なんか思いがけずいっぱい買っちゃったな」

凛「私悪くないからね」

P「もちきんちゃく」

凛「私ちょっとしか悪くないからね」

P「悪いんじゃん」

凛「極悪人の前では霞むよ」

P「言い方、言い方」




P「食べるかー」

凛「食べながら歩くの?」

P「だって、事務所で食べたらすごいことになるだろ」

凛「あー」

P「…………あっつ」

凛「え、ずるい」

P「はい、お箸」

凛「ありがと……ってだいこん食べちゃったの」

P「半分残してあるよ」

凛「さすがだね」

P「でしょ」




凛「おいひい」

P「おいひいんだ」

凛「おいしい」

P「おいしいのか」

凛「そう」




P「厚揚げは?」

凛「ちょっとだけ」

P「はい、ちょっとだけ」

凛「ん」

P「おいひい?」

凛「…………。おいしい」

P「残念」




凛「もちきんちゃく、食べる?」

P「もちきんちゃくは半分こするの無理でしょ」

凛「なんか、分けられるの選ばなくてごめん」

P「気にしないでいいって。ほら、食べちゃえ食べちゃえ」

凛「じゃあ、食べちゃうね」

P「……感想は?」

凛「おいひい」

P「……」

凛「リクエストに応えてみたんだけど」

P「さすがアイドル」

凛「でしょ」




P「さて、事務所に帰ってきたわけだけど」

凛「正直お腹いっぱいだよね」

P「おでん食べたしなぁ」

凛「ポッキーの日なのに」

P「なんだかんだ言って凛も結構食べてただろ」

凛「それはそうだけど」

P「一箱の内の一袋だけにするとか」

凛「まぁ、それくらいなら」

P「余ったら千川さんとこ置いて来たらいいし」

凛「ちひろさんをなんだと思ってるの」




凛「いちご? 普通の?」

P「普通の。いちごは凛持って帰っていいよ」

凛「いちごはプロデューサーが欲しかったんじゃないの?」

P「んーん。ほんとになんとなくだったんだ」

凛「テキトーだ」

P「テキトーなんだよ」




凛「はい。どうぞ」

P「どうもありがとう」

凛「素朴だけど、おいしいよね」

P「ああ、うん。するするいける」

凛「ポッキーに対して、するするいけるなんて言う人初めて見た」




凛「はい、おかわり」

P「ん」

凛「はい、次」

P「ん」

凛「はい」

P「鉛筆削り機になった気分」

凛「もうなくなっちゃった」

P「凛といると太りそうだなぁ」

凛「それは私のセリフだってば」




凛「もう一袋、開ける?」

P「いや、もういいや。千川さんとこに置いて来よう」

凛「ちひろさんをなんだと思ってるの」

P「だってお腹いっぱいだし」

凛「持って帰れば?」

P「持って帰るなら凛が持って帰ったらいいよ」

凛「プロデューサーが買ったのに?」

P「ポッキーも凛みたいな子に食べられた方が幸せだと思う」

凛「それはそうだけど」

P「それはそうって言われちゃった」




P「そろそろ次の現場の時間じゃないか?」

凛「ほんとだ。もうそんな時間経ったんだね」

P「送ってくよ」

凛「いいよ。別に。まだ仕事あるんでしょ?」

P「ないんだな、これが」

凛「じゃあなんで事務所にいたの?」

P「凛が暇そうにしてたから、絡みに行こうと思って」

凛「それ、どうなんだろう」

P「ダメだと思う」

凛「だよね」




凛「送ってくれてありがとね。それと、ポッキーとおでんも」

P「どういたしまして。帰り、だいたいの時間分かるならタクシー手配しとく?」

凛「大丈夫。お父さん来てくれるって」

P「大事にされてるなぁ」

凛「そうかな。そうかも。考えてみたら、大事にしてもらってばっかりな気がするよ」

P「ご両親から?」

凛「他にもいろいろ。さっさと帰っちゃえばいいのに、わざわざ私なんかに付き合ってくれるどっかの誰かとか」

P「そりゃあ、大事な担当アイドルですし」

凛「そういうことにしとくよ。じゃあ、大事にされてる分お仕事頑張ってくるね」

P「ああ。頑張って」

凛「ばいばい」




おわり

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