武内P「結婚するなら、ですか」 (33)

今西部長「君もそろそろいい歳だ。考えても良い時期じゃないかね?」

武内P「そう……ですね」

部長「どうした? 歯切れが悪いじゃないか」

武内P「今は、仕事が恋人ですから」

部長「そう考えると、君はとても恋人思いな男だねぇ」

武内P「……」

部長「まま、飲み給え。今日は私の奢りだ」

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部長「しかし、いつまでも仕事だけが恋人という訳にもいくまい」

武内P「それは……はい、そうですね」

部長「誰かお相手はいないのかい?」

武内P「出会いも有りませんし、その、私は‘こう’ですから」

部長「アイドルに囲まれていながら女性に縁が無いとは……」

武内P「……」

部長「世の男達からしたら、君はよっぽど女性に縁があると思うんだがねぇ」

武内P「そうは言いましても……」

部長「何なら、ウチのアイドル達はお相手としてどうかな?」

武内P「いえ、それは有り得ません」

部長「? 何故だね?」

武内P「プロデューサーが、アイドルに手を出す等あってはなりませんから」

部長「ハハハ! そう難しく考えるものではないさ!」

武内P「しかし……」

部長「仮にだよ。仮に」

武内P「……」

部長「もしも仮に、君がただの男で」

武内P「……」

部長「アイドルの彼女達が、ただの女だったら」

武内P「……」

部長「そう考えた時、君は誰を選ぶのか」

武内P「それは……考えた事も有りませんでした」

部長「そうかい? 私は興味があるよ」

武内P「興味、ですか?」

部長「そう。一人の男として、君が誰を選ぶのかが」

武内P「……」

部長「なあに、酒の席の話だ。気楽にいこうじゃないか」

武内P「……」

部長「まずは、そうだね。君の受け持っている子達はどうだい?」

武内P「と、言うと……CPの彼女達ですか?」


カタンッ


部長「? 今音がしたが」

武内P「隣から聞こえましたね」

部長「隣は盛り上がっているようだねぇ」

部長「まあ良い。話を戻そうか」

武内P「……はぁ」

部長「彼女達はどうなんだい?」

武内P「担当のアイドルを女性として見たことは一度もありません」

部長「君ならそう言うと思ったよ」

武内P「……」

部長「しかし、ここで今一度考えてみてみようか」

武内P「彼女達を結婚相手として考えた場合……ですか」

部長「その通り」

武内P「……」

武内P「……」

部長「ふむ、困っているようなので聞き方を変えようか」

武内P「?」

部長「CPの中で、結婚するとしたら誰かな?」


カタンッ


部長「……隣は随分盛り上がっているみたいだねぇ」

武内P「そう、ですね」

部長「いやいや、私も君のそんな顔を肴に飲めて楽しいよ」

武内P「……」

部長「そろそろ考えはまとまったかな?」

武内P「……はい、一応、ですが」

部長「では、CPの中で、君が一番結婚したいと思う子は?」


武内P「新田さんです」


カタタンッ


部長「……いや、隣は本当に盛り上がっているね」

武内P「……そのようですね」

部長「ちなみに、何故、新田くんなのかな?」

武内P「……」

部長「ハハハッ! 恥ずかしがる事もあるまい!」

武内P「……はぁ」

部長「それとも、酒が足りないかな? ん?」

武内P「あ、いえ、そんな事は」

部長「まだ時間は早い、まだたっぷりと時間はある」

武内P「……」

武内P「新田さんを選んだ理由は……年齢ですね」

部長「ふむ。続け給え」

武内P「CPは、年齢的に若いアイドルの方達が多いです」

部長「確かにそうだね」

武内P「なので、候補として考えられるのが、その……」

部長「新田美波くんだけだった、という訳か」

武内P「……はい」

部長「まあ、年齢が離れすぎているとね、厳しいものがある」


カタンッ


武内P・部長「……」

部長「優等生な回答だ、とても、君らしい」

武内P「……」

部長「だが、それで私が満足すると思ったかい?」

武内P「……と、言いますと」

部長「プロジェクト外のアイドルでは、どうかな?」


カタンッ


部長「……今度は、反対の部屋か」

武内P「そのようですね」

部長「まだこんな時間なのに、盛り上がっているねぇ」

武内P「しかし……プロジェクト外のアイドルで、ですか」

部長「うんうん。それなら、君も年齢を理由にする事もないだろう?」

武内P「……」

部長「ハッハッハ! 君は、中々可愛げがある!」

武内P「……はぁ」

部長「難しく考える事は無いさ。ただの世間話のようなものさ」

武内P「しかし……私には難しい問題です」

部長「簡単な問題など、解いていていてもつまらんだろう?」

武内P「……」

部長「それに君、考えてもみたまえ」

武内P「?」

部長「CPの彼女達が、異性関係の問題でスッパ抜かれたとしてだ」

武内P「待ってください! 彼女達に限ってそれは!」

部長「まあまあ、仮にだよ、仮に」

武内P「……」

部長「彼女達の年齢なら、それこそスキャンダルだ」

武内P「そう……ですね」

部長「しかし、熱愛報道で片付けられそうな年齢のアイドルもウチにはいるだろう?」


カタンッ


武内P・部長「……」

武内P「しかし……そうは言っても、人数が多いので」

部長「ふむ、それもそうか」

武内P「……」

部長「では、高垣楓くん、川島瑞樹くん、片桐早苗くんの三人の中なら?」


カタタンッ


武内P・部長「……」

武内P「……その、何故その三人なのでしょうか?」

部長「以前談話スペースで三人で居るのを見かけてね、なんとなくだよ、なんとなく」

武内P「……そう、ですね」

部長「彼女達は、それぞれ違った良さがあるねぇ」

武内P「はい。アイドルとしても、とても素晴らしいですが……」

部長「ふむ?」

武内P「女性としても魅力的で、その……とても可愛らしい方達だと思います」


ガタンッ


武内P・部長「……」

部長「しかしそうか……ハハハ、可愛らしいか!」

武内P「……はい、私はそう思います」

部長「しかし、だ」

武内P「部長?」

部長「確かに君の言う通り、彼女達は可愛い女性かもしれない」

武内P「……」

部長「だが、結婚相手として考えた時も、君は同じことが言えるのかね?」

武内P「……」

部長「付き合うだけなら良いだろう。可愛い、大いに結構だ」

武内P「……」

部長「しかし、結婚と考えると話はまた変わってくるのではないかね?」

武内P「……」

武内P「……いえ、私の答えは変わりません」

部長「ほう?」

部長「駄洒落まみれの毎日が、冗談ではないと思わないのかい?」

武内P「駄洒落が冗談ではない……ブフッ!」

部長「10年後、隣に居る女性がピッチピチのボディコンを着ていても構わないと?」

武内P「……せめて、5年後まででお願いします」

部長「それでも、君の答えは変わらないのかね?」

武内P「……はい」


武内P「彼女達三人は、とても可愛らしい女性です」


部長「わかるわ」


武内P・部長「……」

武内P・部長「ハッハッハ!」


ガタタンっ!


武内P・部長「!?」

部長「……両隣はとても盛り上がっているねぇ」

武内P「その……ようですね」

部長「よし! 二軒目に行こう、二軒目に!」

武内P「そうですね。落ち着いた所に行きましょうか」

部長「何を言ってるんだね君は!」

武内P「? 部長?」

部長「まだこんな時間だよ? 次は、お姉ちゃん達がいっぱい居る店に決まっている」

武内P「あの、それは……!」

部長「プロの女性達に囲まれるのも悪くないだろう? 私の奢りだよ」

武内P「……」

部長「それでは、会計をしてしまおうか」

武内P「そうですね。確か、この店は伝票が部屋に入口に……」

部長「いやー、楽しみだねぇ!」

武内P「……」

部長「? どうしたね、伝票を見て固まって」

武内P「……」

部長「たかが二人分だろう? どれ、見せてみなさい」

武内P「……」

部長「……」

武内P「……」

部長「……これは……何人分だろうねぇ」

部長「いやはや、こんなに高価な伝票は初めて見たよ」

武内P「……そうですね。私もです」

部長「見給え、ほうら、裏にこんなにギッシリとサインが」

武内P「……すっかり酔いが覚めてしまいましたね」

部長「安心しなさい、私もだよ」

武内P「……部長、携帯が鳴っていますよ」

部長「君のも、だろう」

武内P・部長「……」

武内P「……外に、居ますかね」

部長「……居るだろうねぇ、まず、間違いなく」

武内P「二軒目は……はい、確かにプロの女性達に囲まれますね」

部長「私ももう歳だ。後は、君に任せても大丈夫だろう」

武内P「!? 待ってください!」

部長「冗談だよ。結婚の話も、二軒目の話も私が言い出したことだ」

武内P「……それを聞いて安心しました」

部長「しかし、結婚は人生の墓場とは良く言ったものだね」

武内P「墓穴を……掘ってしまいましたね」

部長「……よし、そろそろ穴を増やしに行こうか」

武内P「お供します」


武内P・部長「穴が空くほど謝らないと」




おわり

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