武内P「結婚するなら、ですか」 (1000)

今西部長「君もそろそろいい歳だ。考えても良い時期じゃないかね?」

武内P「そう……ですね」

部長「どうした? 歯切れが悪いじゃないか」

武内P「今は、仕事が恋人ですから」

部長「そう考えると、君はとても恋人思いな男だねぇ」

武内P「……」

部長「まま、飲み給え。今日は私の奢りだ」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1510232193

部長「しかし、いつまでも仕事だけが恋人という訳にもいくまい」

武内P「それは……はい、そうですね」

部長「誰かお相手はいないのかい?」

武内P「出会いも有りませんし、その、私は‘こう’ですから」

部長「アイドルに囲まれていながら女性に縁が無いとは……」

武内P「……」

部長「世の男達からしたら、君はよっぽど女性に縁があると思うんだがねぇ」

武内P「そうは言いましても……」

部長「何なら、ウチのアイドル達はお相手としてどうかな?」

武内P「いえ、それは有り得ません」

部長「? 何故だね?」

武内P「プロデューサーが、アイドルに手を出す等あってはなりませんから」

部長「ハハハ! そう難しく考えるものではないさ!」

武内P「しかし……」

部長「仮にだよ。仮に」

武内P「……」

部長「もしも仮に、君がただの男で」

武内P「……」

部長「アイドルの彼女達が、ただの女だったら」

武内P「……」

部長「そう考えた時、君は誰を選ぶのか」

武内P「それは……考えた事も有りませんでした」

部長「そうかい? 私は興味があるよ」

武内P「興味、ですか?」

部長「そう。一人の男として、君が誰を選ぶのかが」

武内P「……」

部長「なあに、酒の席の話だ。気楽にいこうじゃないか」

武内P「……」

部長「まずは、そうだね。君の受け持っている子達はどうだい?」

武内P「と、言うと……CPの彼女達ですか?」


カタンッ


部長「? 今音がしたが」

武内P「隣から聞こえましたね」

部長「隣は盛り上がっているようだねぇ」

部長「まあ良い。話を戻そうか」

武内P「……はぁ」

部長「彼女達はどうなんだい?」

武内P「担当のアイドルを女性として見たことは一度もありません」

部長「君ならそう言うと思ったよ」

武内P「……」

部長「しかし、ここで今一度考えてみてみようか」

武内P「彼女達を結婚相手として考えた場合……ですか」

部長「その通り」

武内P「……」

武内P「……」

部長「ふむ、困っているようなので聞き方を変えようか」

武内P「?」

部長「CPの中で、結婚するとしたら誰かな?」


カタンッ


部長「……隣は随分盛り上がっているみたいだねぇ」

武内P「そう、ですね」

部長「いやいや、私も君のそんな顔を肴に飲めて楽しいよ」

武内P「……」

部長「そろそろ考えはまとまったかな?」

武内P「……はい、一応、ですが」

部長「では、CPの中で、君が一番結婚したいと思う子は?」


武内P「新田さんです」


カタタンッ


部長「……いや、隣は本当に盛り上がっているね」

武内P「……そのようですね」

部長「ちなみに、何故、新田くんなのかな?」

武内P「……」

部長「ハハハッ! 恥ずかしがる事もあるまい!」

武内P「……はぁ」

部長「それとも、酒が足りないかな? ん?」

武内P「あ、いえ、そんな事は」

部長「まだ時間は早い、まだたっぷりと時間はある」

武内P「……」

武内P「新田さんを選んだ理由は……年齢ですね」

部長「ふむ。続け給え」

武内P「CPは、年齢的に若いアイドルの方達が多いです」

部長「確かにそうだね」

武内P「なので、候補として考えられるのが、その……」

部長「新田美波くんだけだった、という訳か」

武内P「……はい」

部長「まあ、年齢が離れすぎているとね、厳しいものがある」


カタンッ


武内P・部長「……」

部長「優等生な回答だ、とても、君らしい」

武内P「……」

部長「だが、それで私が満足すると思ったかい?」

武内P「……と、言いますと」

部長「プロジェクト外のアイドルでは、どうかな?」


カタンッ


部長「……今度は、反対の部屋か」

武内P「そのようですね」

部長「まだこんな時間なのに、盛り上がっているねぇ」

武内P「しかし……プロジェクト外のアイドルで、ですか」

部長「うんうん。それなら、君も年齢を理由にする事もないだろう?」

武内P「……」

部長「ハッハッハ! 君は、中々可愛げがある!」

武内P「……はぁ」

部長「難しく考える事は無いさ。ただの世間話のようなものさ」

武内P「しかし……私には難しい問題です」

部長「簡単な問題など、解いていていてもつまらんだろう?」

武内P「……」

部長「それに君、考えてもみたまえ」

武内P「?」

部長「CPの彼女達が、異性関係の問題でスッパ抜かれたとしてだ」

武内P「待ってください! 彼女達に限ってそれは!」

部長「まあまあ、仮にだよ、仮に」

武内P「……」

部長「彼女達の年齢なら、それこそスキャンダルだ」

武内P「そう……ですね」

部長「しかし、熱愛報道で片付けられそうな年齢のアイドルもウチにはいるだろう?」


カタンッ


武内P・部長「……」

武内P「しかし……そうは言っても、人数が多いので」

部長「ふむ、それもそうか」

武内P「……」

部長「では、高垣楓くん、川島瑞樹くん、片桐早苗くんの三人の中なら?」


カタタンッ


武内P・部長「……」

武内P「……その、何故その三人なのでしょうか?」

部長「以前談話スペースで三人で居るのを見かけてね、なんとなくだよ、なんとなく」

武内P「……そう、ですね」

部長「彼女達は、それぞれ違った良さがあるねぇ」

武内P「はい。アイドルとしても、とても素晴らしいですが……」

部長「ふむ?」

武内P「女性としても魅力的で、その……とても可愛らしい方達だと思います」


ガタンッ


武内P・部長「……」

部長「しかしそうか……ハハハ、可愛らしいか!」

武内P「……はい、私はそう思います」

部長「しかし、だ」

武内P「部長?」

部長「確かに君の言う通り、彼女達は可愛い女性かもしれない」

武内P「……」

部長「だが、結婚相手として考えた時も、君は同じことが言えるのかね?」

武内P「……」

部長「付き合うだけなら良いだろう。可愛い、大いに結構だ」

武内P「……」

部長「しかし、結婚と考えると話はまた変わってくるのではないかね?」

武内P「……」

武内P「……いえ、私の答えは変わりません」

部長「ほう?」

部長「駄洒落まみれの毎日が、冗談ではないと思わないのかい?」

武内P「駄洒落が冗談ではない……ブフッ!」

部長「10年後、隣に居る女性がピッチピチのボディコンを着ていても構わないと?」

武内P「……せめて、5年後まででお願いします」

部長「それでも、君の答えは変わらないのかね?」

武内P「……はい」


武内P「彼女達三人は、とても可愛らしい女性です」


部長「わかるわ」


武内P・部長「……」

武内P・部長「ハッハッハ!」


ガタタンっ!


武内P・部長「!?」

部長「……両隣はとても盛り上がっているねぇ」

武内P「その……ようですね」

部長「よし! 二軒目に行こう、二軒目に!」

武内P「そうですね。落ち着いた所に行きましょうか」

部長「何を言ってるんだね君は!」

武内P「? 部長?」

部長「まだこんな時間だよ? 次は、お姉ちゃん達がいっぱい居る店に決まっている」

武内P「あの、それは……!」

部長「プロの女性達に囲まれるのも悪くないだろう? 私の奢りだよ」

武内P「……」

部長「それでは、会計をしてしまおうか」

武内P「そうですね。確か、この店は伝票が部屋に入口に……」

部長「いやー、楽しみだねぇ!」

武内P「……」

部長「? どうしたね、伝票を見て固まって」

武内P「……」

部長「たかが二人分だろう? どれ、見せてみなさい」

武内P「……」

部長「……」

武内P「……」

部長「……これは……何人分だろうねぇ」

部長「いやはや、こんなに高価な伝票は初めて見たよ」

武内P「……そうですね。私もです」

部長「見給え、ほうら、裏にこんなにギッシリとサインが」

武内P「……すっかり酔いが覚めてしまいましたね」

部長「安心しなさい、私もだよ」

武内P「……部長、携帯が鳴っていますよ」

部長「君のも、だろう」

武内P・部長「……」

武内P「……外に、居ますかね」

部長「……居るだろうねぇ、まず、間違いなく」

武内P「二軒目は……はい、確かにプロの女性達に囲まれますね」

部長「私ももう歳だ。後は、君に任せても大丈夫だろう」

武内P「!? 待ってください!」

部長「冗談だよ。結婚の話も、二軒目の話も私が言い出したことだ」

武内P「……それを聞いて安心しました」

部長「しかし、結婚は人生の墓場とは良く言ったものだね」

武内P「墓穴を……掘ってしまいましたね」

部長「……よし、そろそろ穴を増やしに行こうか」

武内P「お供します」


武内P・部長「穴が空くほど謝らないと」




おわり

HTML化依頼出してきます

頑張れ、高垣さん

リクエストですが、自分とこの女性Pに武Pへの恋の相談をする他部署アイドルとかどうでしょう。
体は男心は女のプロデューサーもすごく相談にのってくれそうです


「待ってください……待ってください……!」


 ここで、彼女の手を振りほどく事は簡単だ。
 いかに力を込めているとは言え、相手は十代の少女。
 成人男性の私が本気で抵抗すれば、難なくそれを行える。


「ほぅ……ふぅ……!」


 だが、それを行った瞬間、目の前の爆弾は弾けてしまう。
 何故、どうして私を巻き込むのですか!


「そばに……」


 うどんに。
 ――落ち着け! まだ、何か方法はあるはずだ!
 まだ! まだ――



「……いたいよ」



 熱い吐息が、私の鼻孔をくすぐった。
 濃厚なチョコレートの香りの向こうで、見た目だけはチョコレートに似た、
幸せの残滓がビチャリビチャリと生成されていく。
 せめて、その姿だけは見るまいと、きつく目を閉じた。
 欲を言えば、鼻も塞ぎたい。


「泣いちゃってもいい?」


 彼女の声は、先程までの抑圧されたものではなかった。
 焦りも不安も無く……そこには、ただ、羞恥と悲しみだけが広がっていた。


「……どうぞ」


 そのような声を出されては、こう答える他、無い。
 ネクタイをグイと引き寄せ、私の胸に縋り着き、顔を見せずに泣く彼女。
 普段の私ならば、アイドルとプロデューサーの関係が、とすぐさま離れていただろう。
 ……だが、それは出来なかった。


「……」


 巻き込まれた憤り、そして、異臭に苦しむ表情を見せられないからだ。
 染みは、どんどんと広がっていく。
 あと、どれくらいかな?



おわり

下品ゲージの溜まりを察知されるのは、気恥ずかしいものがありますね
奥井雅美さんの曲は昔から好きだったので、「Trinity Field」がドンピシャでした
ので、あと一人ですね

>>42は明日書きます
おやすみなさい

>>42書きます


武内P「私が求められている……!?」

専務「そうだ」

武内P「待ってください! その、何かの間違いでは?」

専務「私が、冗談でそんなことを言うと思うか?」

武内P「いえ……それは……」

専務「君は、求められているのだ」

武内P「……」

武内P「私が……」

専務「アイドル――クローネのメンバーに求められている」

武内P「それは……彼女達も担当しろ、と?」

専務「ああ、初めはそれに近い要求だった」

武内P「初めは、ですか?」

専務「その通り。だが、今では……」

武内P「……」

武内P「クローネと言うと……速水さん、でしょうか」

専務「無論、彼女も君を求める人間の一人だ」

武内P「……」

専務「ご褒美のキス、それが彼女の言い訳なのは知っているか?」

武内P「……はい」

専務「彼女は、最初は冗談交じりに私にそれを求めてきてな」

武内P「……」

武内P「ん?」

誤)言い訳

正)口癖

武内P「あの……専務に、ですか?」

専務「ああ」

武内P「しかし、それが何故……私に?」

専務「なに、簡単な話だ」

武内P「……」

専務「そんなもの、キミにねだりなさいと私が言ったからだ」

武内P「成る程……そうでしたか」

武内P「……」

武内P「待ってください?」

武内P「あの、何故、私に!?」

専務「私も彼女も、同じ性別なのはわかりますね」

武内P「それは……はい」

専務「女同士でのキスは、私が嫌だったからだ」

武内P「待ってください! 私に振る理由になっていません!」

専務「それに、ご褒美とは言え、キスは照れくさい」

武内P「専務! 話を聞いて下さい、専務!」

武内P「専務は、私を逃げるダシに使ったのですか!?」

専務「不満か?」

武内P「はい……とても、不満です」

専務「だが、話はそれだけではない」

武内P「まだ何かあるのですか!?」

専務「当たり前でしょう。これだけならば、苦労はしない」

武内P「……!?」

専務「彼女は、私が選んだクローネのメンバーだ」

武内P「そう……ですね」

専務「その選ばれた人間が、キスだけで満足して良いのか?」

武内P「待ってください」

専務「キスだけでなく、身も心も虜にするべき……違うか?」

武内P「待ってください!」

専務「そう言ったら、速水奏は更に輝きを増した」

武内P「輝けば良いものではありません、専務!」

専務「フッ……君もいずれ見る事になるだろう」

専務「彼女の――速水奏の、あのギラギラとした輝きをな」

武内P「せめて! せめて、キラキラまでにしてください!」

専務「不満か? 彼女に迫られるのは」

武内P「不安です! 何をされるのかが!」

専務「身だしなみには気をつけなさい」

武内P「身だしなみに気をつけたから、何になると!?」

専務「それに、君を求めているのは彼女だけではない」

武内P「待ってください! 他にも居るのですか!?」

専務「君は、鷺沢文香を知っているな?」

武内P「それは……はい」

専務「おとなしい性格だと思っていたが、中々どうして……フフッ」

武内P「専務、笑い事ではありません!」

専務「何を言う。他人事だから、私はとても笑えるが?」ニヤリ

武内P「……嫌な、笑顔です」

専務「彼女は、以前君にフォローされた事をとても感謝している」

武内P「あれは……当然の事をしたまでです」

専務「だが、彼女はそれだけだとは思っていない」

武内P「……」

専務「キミに、何かお礼がしたいと私に相談してきてな」

武内P「そう……だったのですか」

専務「彼女が言うには、自分には差し出せる物が無い、と」

武内P「……」

専務「だが、彼女も、私が選んだクローネのメンバーだ」

武内P「そう……ですね」

専務「その選ばれた人間が、何も差し出せるものがない?」

武内P「……」

専務「冗談ではない。容姿、スタイル共に完璧だ」

武内P「……待ってください」

専務「その身一つだとしても、とても価値のあるものでしょう?」

武内P「待ってください! 明らかにけしかけています!」

専務「あの様子ならば、すぐにでもわかる事でしょう」

専務「彼女の――鷺沢文香の、ありのままの魅力が」

武内P「せめて! せめて、話をする機会を!」

専務「不満か? 彼女に襲われるのは」

武内P「不快です! 貴女の言動が!」

専務「……私は、あまり打たれ強い方ではない」グスッ

武内P「! も、申し訳……いや、謝罪はしませんよ!?」

専務「そして、他にも君を求める人間は居る」

武内P「まだ、居るのですか!?」

専務「渋谷凛くんに、アナスタシアくん……当然知っていますね?」

武内P「はい、勿論です」

専務「彼女達は、キミがクローネの仕事に同行しないのを寂しがっている」

武内P「!?」

専務「どうやら、心当たりがあるようだな」

武内P「……はい」

武内P「クローネは、専務が立ち上げたプロジェクトです」

武内P「それに私が同行するのは……と」

専務「確かに、キミの言うことはもっともだ」

武内P「ですが、それによって……」

専務「彼女達と接する時間が減ってしまっている」

武内P「……その、通りです」

専務「……」

武内P「……」

専務「キミは、それで良いと思っているのか?」

武内P「そうではありません! ありませんが……」

専務「キミは、融通がきかないな」

武内P「……」

専務「仕事で一緒に居る時間が減ったのならば……」

武内P「……」

専務「プライベートで一緒に居る時間を作れば良いでしょう」

武内P「待ってください! それは、いけません!」

専務「? 何故だ?」キョトン

武内P「……!?」

専務「異論は認めない。これは、決定事項だ」

武内P「あまりにも強引すぎます!」

専務「何故だ? 君は、アイドルにチヤホヤされたくないのか?」

武内P「限度というものがあります!」

専務「しかし、彼女達は既にその気だ」

武内P「っ……!」

専務「他にも、君を求める人間はまだまだ居る」

武内P「……」

専務「何故かはわからないが、彼女達は私に話を持ってくる」

専務「お姫様の望みを叶えるのが、私達の役目だ」

専務「キミは、彼女達が灰被りのままで良いのか?」

武内P「それは……」

専務「何も、彼女達の要求を全て受け入れろとは言わない」

武内P「……よろしいのですか?」

専務「18歳未満のアイドルも居る。橘ありすなど、まだ12歳だ」

専務「キミは、そんな少女になすがままにされるロリコンなのか?」

武内P「待ってください! 彼女に、何を吹き込んだのですか!?」

専務「……吹き込んだとは心外だな」ムッ

専務「私は、大人に憧れる彼女に魔法をかけただけだ」

武内P「専務は、悪の魔法使いですか!?」

専務「頼られるというのは、思いの外気分が良いものだな」ムフー

武内P「私は、その代償として……今、最悪の気分です」

専務「君は、彼女達にどう応える?」

武内P「それは……普通に、いけない事だと断ります」

専務「却下します。傷つけないよう、いい感じに断りなさい」

武内P「……!?」

専務「彼女達を傷つけないよう、断りつつ」

専務「私に頼って正解だったと、そう、思うようにしなさい」

専務「君は優秀だ。期待しています」

武内P「……少し、時間を頂けますか」

専務「早くしたまえ。私は、あまり気が長い方ではない」

専務「彼女達もまた同様だろう」

武内P「……」

  ・  ・  ・

専務「――やはり、キミは非常に優秀だったな」

専務「積極的に来られると恥ずかしくて困ってしまう……か」

武内P「……」

専務「そう言う事で、彼女達も満足感を得、さらにやんわりと断れる」

専務「今後の関係に支障が出ることなく、また、歯止めにも繋がる」

武内P「……」

専務「私も、照れたキミを見られたと、彼女達に感謝された」

武内P「……」

専務「この件は、これで片付いたと言っていいでしょう」

武内P「……綱渡りをしている気分でした」

専務「だが、そんなキミに悪い知らせがある」

武内P「……えっ?」

専務「恥ずかしがるキミを積極的にさせるには、どうすれ良いか、と」

専務「彼女達に、相談されてしまってな。だが、私にはわからなかった」

武内P「待ってください」

専務「そこで、キミに質問だ」

武内P「待ってください!」

専務「キミが彼女達に積極的になる方法……その答えは?」



武内P「私に求めないで下さい……!」



おわり

メモ、ビバップ、家庭訪問
寝ます
おやすみなさい

凛「……誰?」
武内スパイク「怪しい者です」

次回予告

https://www.youtube.com/watch?v=5rkdKANSpGM


歌が、誰のためにあるかって?

そんなもん、聞いてみなけりゃわからない


音楽ってのは、音を楽しむって言うだろう

だったら、音以外を楽しむのは?


俺は、そいつを知っている

数ある答えの中で、とびっきりにイカしたやつを!


イカしてるっていうか、もうサイコー!

アンタも、聞き逃すなよ?


Next Session

A Dream Is A Wish Your Heart Makes

スパイク「……おい、本当にテレビ直るのか?」

エド「焦らなーい、焦らなーい」

ジェット「頼むぜエド、今日は見逃せない番組があるんだ」

フェイ「珍しいわね、そんなに必死になるなんて」

スパイク「言うなれば……生き甲斐、みたいなもんだな」

ジェット「ほう、お前さんにしちゃ中々良い事を言うじゃねえか」

スパイク「何言ってんだ。俺が言うのは、いつも良い事だけだぜ」

フェイ「良いのは耳障りだけでしょ」

スパイク「……」

ジェット「はっはっは! そいつは違いない!」

エド「しゅ~~~り、かんりょ~~~っ!」

パチンッ!


https://www.youtube.com/watch?v=mje2Mz1mGHo

フェイ「――それで、見逃せない番組って何なの?」

スパイク「音楽番組さ」

フェイ「音楽番組? アンタ達、そんなものが生き甲斐なの?」

ジェット「フェイ。人間、誰が何を生き甲斐にしてるかわかりゃしねえもんだ」

ジェット「だから、見もせずに‘そんなもん’ってのは感心しないぜ」

フェイ「……」

スパイク「さすがジェット、こりゃあ今日の晩飯は――」

ジェット「勿論、特製、肉抜き青椒肉絲だ」ニイッ

スパイク「……こりゃあ、尚更腹の寂しさを埋めてもらうしかないな」


『――さあ、今夜も始まりました、アイド~ル、ラブ!』


フェイ「……待って。生き甲斐って……まさか、このアイドル番組!?」


スパイク・ジェット「ああ」

フェイ「……!?」

エド「キラキラ、ピカピカ、しんぐあそ~んぐっ!」

フェイ「呆れた……!」

スパイク「悪いが、誰が何と言おうとこの時間はこいつを見させて貰う」

フェイ「別に、違う番組が見たいわけじゃないわよ!」

ジェット「そいつは有り難い。何せ今日のゲストは――」


『どうもー! 凸レーションで~す!』


フェイ「へえ、可愛い子達じゃn」


スパイク・ジェット「イエエエエエエエエエア!!」

フェイ「!?」

フェイ「何!? 何なの、その盛り上がりは!?」

スパイク・ジェット「うるせえ! 黙ってろ!」

フェイ「!?」

『CMのあとも、絶対、ぜ~ったい見てね!』

『カリスマJCアイドルとの、ヤ・ク・ソ・ク! だよ☆』

『CMの後も、い~っぱいハピハピしようにぃ☆』


スパイク「……ふぅ、相変わらず最高だな」

ジェット「だな。テレビが直らなかったら頭がおかしくなってたかもしれん」

フェイ「もう、十分におかしくなってるわよ!」

スパイク「落ち着けよフェイ、今はCM中だぞ?」

ジェット「CM中に体を休めておかないと、この先しんどいからな」

フェイ「説明しなさい! なんで、そんなおかしなテンションになってるのか!」

スパイク「説明って……」

ジェット「良いじゃねえか、教えてやろうぜ」

スパイク「……そうだな」

ジェット「あれは、俺達がまだ二人だけで組んでた時の事だ」

スパイク「そして、兎に角金がなかった時だな……って、そりゃいつもか」

フェイ「ちょっと、続き」

スパイク「まあ、兎に角だ……俺たちは賞金首を追ってある街に居た」

ジェット「ハラジュク……俺は、もう行きたくはないがね」

フェイ「……そんなに危険な街なの?」

スパイク「違う違う! ジェットの見た目だと、もの凄く浮く場所なのさ」

ジェット「……あそこにゃあ、女子供ばっかり居やがるからな」

フェイ「ああ、成る程」

スパイク「――まあ、俺たちはそこで出会ったのさ」


『イエーイ!☆』


スパイク「彼女達に」

  ・  ・  ・

スパイク「……チクショウ、腹が減って目が回ってきやがった」

ジェット『――おい、スパイク。口に出すんじゃねえ』

ジェット『ようやく忘れかけてきたってのに、思い出しちまったじゃねえか』

スパイク「ああ、人は、パンのみにて生きるに非ず」

スパイク「……されど、パンなくしては生きられず」

ジェット『そのパンを買う金を稼ごうってんだ、ガタガタ言うんじゃねえ!』


「このクレープ、チョー美味しいよ!☆」

「ほんと? こっちの味も美味しいよー!」

「あっ、それじゃあ一口ずつ交換しようよ☆」

「うんっ! はいっ、あーん!」


スパイク「……あーん」

スパイク「……なんてな。俺はパンじゃなくて、クレープでも満足出来るんだがね」

「「……」」


スパイク「……やべ、ジロジロ見すぎたか」ボソッ

スパイク「これじゃあ、俺が賞金首にされちまう」ボソッ

スパイク「……」キリッ


「「……」」


スパイク「……」キリッ

…ぐぎゅるるるるぅ~っ!


「「……」」


スパイク「……ああ、駄目だ。気合を入れたら、腹が……」


みりあ「……ねえねえ、お腹、空いてるの?」

莉嘉「良かったら、一口だけあげよっか?☆」


スパイク「……おい、大変だぞジェット」

ジェット『何っ!? 賞金首を見つけたのか!?』

スパイク「そんなチンケなもんじゃない……天使が現れやがった」

  ・  ・  ・

スパイク「この度は――」

ジェット「まことに――」

スパイク・ジェット「ありがとうございました!」


莉嘉「ちょっ、ちょっと! クレープ一個で大げさだって~!」

みりあ「美味しそうに食べてたから、クレープもきっと嬉しかったよ!」


スパイク「なあ、ジェット。こういう時はどうすれば良いんだっけか?」

ジェット「日本の伝統的な文化、ドゲザスタイルしか無いだろうな」


莉嘉「アタシ達、そういうつもりでクレープ上げたんじゃないってば!」

みりあ「うんっ! 困った時はお互い様、でしょ?」


スパイク「ドゲザで足りるか?」

ジェット「いや……ドゲザを超えるドゲザ、ドゲネをするべきかもしれん」

  ・  ・  ・

ジェット「……いや、しかし、本当に助かった」

スパイク「ここ三日、水だけで過ごしてたもんな」

莉嘉・みりあ「えーっ!?」

スパイク「名乗るのが遅れたが、俺はスパイク。そして、こっちが相棒の――」

ジェット「ジェットだ。お嬢ちゃん達には、感謝してもしきれん」


莉嘉「アタシ、城ヶ崎莉嘉☆ 12歳の、カリスマJCだよ☆」

みりあ「はいはーい! 赤城みりあ、11歳でーす♪」


スパイク・ジェット「……」

莉嘉「? どうしたの、急に空なんか見て?」

スパイク「いや……ちょっと、零れ落ちそうなもんがあってね」

みりあ「ねえねえ、何が零れそうなの?」

ジェット「……お嬢ちゃん達の前では、情けなくて見せられないもんさ」

スパイク「……ああ。そいつを零しちまったら、立ち直れなくなっちまう」

莉嘉・みりあ「?」

スパイク「兎に角、このお礼は必ずするよ」

ジェット「コイツの言う通りだ。出来るだけの事はしよう」

莉嘉・みりあ「う~ん」

スパイク「何が良い? 金のかかるもの以外なら、なんでもするぜ」

ジェット「……俺も言えた立場じゃないが、何とも情けない台詞だな」

莉嘉「あっ、じゃあさ! 買い物に付き合ってくれない?☆」

スパイク「なんだ、そんな事で良いのか?」

みりあ「あっ、おじさん、ちょっとしゃがんで」

ジェット「? どうした、お嬢ちゃん」

みりあ「お髭にクリームがついてるよ!」

…フキフキ

ジェット「お、おい……!?」

莉嘉「これで、貸しは二つ! 買い物、付き合ってくれるよね?☆」

スパイク「……やれやれ、こいつぁとんだ小悪魔ちゃん達だ」

莉嘉・みりあ「えへへ♪」

  ・  ・  ・

フェイ「――あっきれた! そんな子供にたかったの!?」

ジェット「たかったんじゃない。甘えたのさ」

フェイ「同じ事でしょ!」

ジェット「いいや、違うね。全くの別物さ」

ジェット「……っと、そろそろ時間だ。悪いが話はスパイクに聞いてくれ」

フェイ「ちょっと!?」


『はいはーい! それじゃあ、みりあがソロで歌うね!』


ジェット「うん、ママ――ッ!!」


フェイ「はぁ!?」

スパイク「……フッ、相変わらずイカれてやがるぜ、ジェットの奴」


『R・O・M・A・N・T・I・C』


ジェット「アァール! オォー! エムッ! エェー!」


COWBOY
BEBOP
(『Romantic Now』 最初のコールからAパート入る直前の音)

CM入ったので休憩

ピンと来る音が見つからないので寝ます
おやすみなさい

COWBOY
BEBOP
(『DOKIDOKIリズム』 最初の「いえ~い」からA始まる直前の音)


莉嘉「スパイクくんっ! どう、これ似合う?☆」

スパイク「あぁ、似合う似合う」

莉嘉「ぶーぶー! 心が篭ってなーい!」

スパイク「そうは言うが、もう何着目だと思ってるんだ!?」

莉嘉「こーんな可愛いJCのファッションショーが見られるんだよ?」

莉嘉「もっと喜んでくれても良いと思うなー☆」

スパイク「可愛いJCねえ……俺は、もうちょっと大人のほうが」

莉嘉「もー! だったら、次のでスパイクくんをアタシの虜にしちゃうんだから!☆」

スパイク「……勘弁してくれ!」


みりあ「ねえねえ、これ似合う? 似合う?」

ジェット「いや、もっと似合うのがあるはずだ! 諦めちゃあいけねえ!」

  ・  ・  ・

スパイク「……あー、疲れた」

ジェット「どうした、だらしねえ」

スパイク「どうしてお前はそんなに元気なんだよ、ジェット」

ジェット「そりゃあ、元気を貰ってるからに決まってるだろう」

スパイク「そうかい。俺も、そいつをわけてもらいたいもんだ」


莉嘉「ホラホラ! 二人共、はやくー!☆」

みりあ「あのねあのね、この先にもい~っぱいお店があるんだよ!」


ジェット「……スパイク。元気、わけて貰ったらどうだ?」

スパイク「子供相手に元気になれるほど、俺は節操無しじゃないんでね」

ジェット「そういう意味じゃねえよ」

スパイク「わかってるさ、そんな事」

スパイク「……しかし、若いってのは良いねえ」

莉嘉「ちょっとー! どうしたの立ち止まって!」

みりあ「もしかして、疲れちゃった?」


スパイク「ああ、かなりつか」

ジェット「そんな事ぁねえさ! 元気いっぱい、今なら月まで歩いて行けらぁ!」ニカッ

スパイク「……その時は、俺は応援に回らせてもらうよ」


莉嘉「ご飯を食べないから、体力が保たないんだよ?」

スパイク「俺もメシ抜きはしたくないんだがなぁ」

みりあ「ご飯も食べずに、どうして原宿に来たの?」

ジェット「俺たちは、ある人物を追っててな」

スパイク「ソイツに、ちょいとメシを奢って貰おうと思ってね」

莉嘉「えー、ちゃんとお仕事してお金稼がないと駄目だよ!」

みりあ「うんうんっ! お仕事したあとのご飯って、すっごく美味しいよ!」

莉嘉・みりあ「ねー♪」

スパイク・ジェット「……返す言葉もねえ」

スパイク「……ま、とにかく俺たちは人探しをしてる訳だ」

ジェット「この辺りで見たって情報があるんだがなぁ」

みりあ「ねえねえ、それってどんな人なの?」

莉嘉「写真とかあるなら、アタシ達も一緒に探してあげるよ☆」

スパイク「……ま、目は多い方が見つかりやすいか」

ジェット「おい、スパイク!」

スパイク「大丈夫だって。普通、見つかりっこねえよ」

ジェット「まあ……それもそうだが」

スパイク「――こんな奴なんだがな、見たことあるかい?」


莉嘉・みりあ「あっ、見たことある!」


スパイク「ほらな? そう簡単に――」

スパイク・ジェット「何ぃっ!?」

莉嘉「この人、よくアタシ達の事見に来てるよね」

みりあ「うんっ……でも、この前は警備員さんに注意されてた」

莉嘉「ちょっと怖いんだよね……って、こんな事言っちゃいけないんだケド」

みりあ「プロデューサーは、安心してって言ってるから……」


スパイク「見に来てるって……?」

ジェット「! スパイク!」ボソッ

スパイク「……どうした」ボソッ

ジェット「ちょいと遠いが、通りの向こうに居やがる」ボソッ

スパイク「……まさか、本当にこのちびっ子達を?」ボソッ

スパイク・ジェット「……」


莉嘉「って、どうしたの二人共? 急に真剣な顔して」

みりあ「ねえねえ、またお腹すいたの?」


ジェット「……ああ、腹なんか最近空きっぱなしさ」

スパイク「お陰で、ちょっとした事ですーぐカッとなっちまう」


莉嘉・みりあ「?」

  ・  ・  ・

フェイ「――賞金首を見つけて、それから?」

スパイク「おっと、もう時間が来ちまった」

フェイ「時間? 何の?」


ジェット「お楽しみの時間さ。なあ、スパイク」

スパイク「ああ。選手交代だ」

スパイク・ジェット「……へっ!」

ぱぁん!


フェイ「……ねえ、もしかして」


『イエーイ☆ 今度は、アタシがソロで歌っちゃうよ☆』


スパイク「イエエエエエイ!☆ フッフゥウウウウウ☆」


フェイ「……」

ジェット「……フッ、相変わらずイカれてやがるぜ、スパイクの奴」

ジェット「さて……どこまで聞いた?」

フェイ「なんか……もう、あんまり聞きたくなくなってきたわ」

  ・  ・  ・

スパイク「――だが、この距離だと気づかれたらヤバいな」

ジェット「それに、この人の流れ……下手すりゃ逃げられちまう」

スパイク「……逃がす訳にはいかない理由が、出来ちまったからな」

ジェット「その通り。メシの種以外の理由が、だ」

スパイク・ジェット「……」


みりあ「ねえねえ、二人共、何の話をしてるの?」

莉嘉「あっ! もしかして、探してる人が見つかったとか?」


スパイク「……まっ、そんな所なんだがな?」

ジェット「この人の流れだろう? どうしたもんかな、とね」


莉嘉「――なーんだ、そんな簡単じゃん!☆」

みりあ「人の流れが困るなら、ちょっとだけ止まって貰えば良いんだよ!」


ジェット「止まって貰うたって、そんな事出来る訳――」


莉嘉「出来るよ!☆ アタシ達だったら、そんなの簡単だって☆」

みりあ「でも……あとで、一緒に謝ってね?」


スパイク・ジェット「……?」

https://www.youtube.com/watch?v=_napNH0D0Ws

みりあ「ねえねえ、みりあ達二人を肩車って出来る?」

ジェット「俺がか? そりゃあ、出来るが……」

莉嘉「オッケー!☆ じゃあ、しゃがんでしゃがんで!」

ジェット「ううむ……なんだか知らんが、わかった」

スパイク「なあ、何をおっぱじめようってんだ?」


莉嘉「とにかく目立って、皆に見てもらうんだよ!」

みりあ「そうそう! 楽しそうだったら、皆見てくれるから!」

莉嘉「きらりちゃんが居ないのは残念だけど……」

みりあ「きらりちゃん、プロデューサーと二人でお仕事だもんね……」

莉嘉「――だけど、カリスマJCのアタシと!」

みりあ「みりあが居るから、なんとかなるよ!」


ジェット「……よし、立ち上がるぞ!」


莉嘉・みりあ「……せーのっ」

莉嘉・みりあ「ヤッホ~~~ッ!!」

莉嘉「原宿の皆っ、城ヶ崎莉嘉だよーっ!☆」

みりあ「はーい♪ 赤城みりあですっ♪」


「……莉嘉ちゃんに、みりあちゃん?」

「ねえ、あれ本物じゃない!?」

「うわーっ! 可愛いーっ!」

ざわざわっ!


ジェット「……人の流れが……止まりやがった」

スパイク「なあ……お前さん達、一体何者なんだ?」


莉嘉・みりあ「へへへっ!」ニヒッ

莉嘉・みりあ「――アイドルッ! イィッエェーイッ!☆」


「イエエエエエイ!」


スパイク「……こいつぁ、たまげた」

ジェット「だな……スパイクッ!」

スパイク「わかってるさ」


スパイク「俺も、ちょいと一働きしてくるぜ!」

スパイク「おっとぉ、ちょっと通してくれ!」


「きゃあっ!?」


スパイク「悪いね!」

スパイク「っと、仕事の前に腹ごしらえ、っと!」

スパイク「んがっ」


「あっ、おい! 俺のクレープ!」


スパイク「……ふむ、この味も中々」モグモグ

スパイク「サンキュー! 金が入ったら、何か奢るよ!」


  ・  ・  ・


賞金首「り、莉嘉ちゃんに、みりあちゃん……!?」

賞金首「こんな所で偶然会えるなんて……やっぱり、運命で結ばれてるんだ!」


スパイク「そうなのかい? だったら、そんな運命はほどかないといけないな」


賞金首「!?」

スパイク「動くな。そして、騒がない方が良いぜ」

スパイク「騒いだら、すぐにお前さんを連れて行かなきゃいけなくなる」


「それじゃあ、サプライズのゲリラLIVE、はっじまっるよー!」


スパイク「一曲、聞いていくだろう?」

スパイク「なぁに、例え神様だって、それくらいは見逃してくれるさ」

  ・  ・  ・

フェイ「――ふぅん、そんな事があったのね」

ジェット「それ以来、俺たちは彼女達のファンってわけさ」

フェイ「まあ……なんとなくはわかったけど」

スパイク「――フェイ、お前にもいつかわかるさ」

フェイ「……」


『それじゃあ~、今度はきらりがソロで、皆をハピハピさせるにぃ☆』


スパイク・ジェット「うんっ! ハピハピすゆ!」


フェイ「ねえ、この子は話に出てきてないんだけど!?」

フェイ「というか、ハピハピって、何なの!?」


スパイク・ジェット「あぁ!?」

スパイク「可愛くてスタイル抜群! それに、性格もサイコーなんだよきらりんは!」

ジェット「邪魔するんじゃねえぞ、フェイ! 邪魔したら、船を追い出すぞ!」

スパイク・ジェット「わかったらすっこんでろ、ババア!」


フェイ「ば、ばばっ……!?」

フェイ「……!」プルプル

  ・  ・  ・

スパイク「はぁぁ……! もう、最っ高!」

ジェット「ああ……思わず、青椒肉絲に肉を入れたくなってきたぜ」

スパイク「料理の時間には早いぜ、ジェット」

ジェット「そうだな、まだ、『LET'S GO HAPPY!!』を聞いちゃいない」


フェイ「――それは残念ね」

カチャリッ


スパイク「残念? 楽しみなだけ――って、フェイ!?」

ジェット「おい、馬鹿! その銃をおろせ! 何をする気だ!?」


フェイ「安心しなさい、アンタ達を撃つ気は無いわ」

フェイ「――ちょっと、そこのテレビに用があるの」


スパイク・ジェット「!?」


エド「アイーン、ちょっと離れてようねー」

アイン「ワンッ!」


スパイク「待て! 待ってくれ! あと一曲、その間だけで良いんだ!」

ジェット「頼むフェイ! 俺達から、生き甲斐を奪わないでくれ!」


フェイ「神様だったら、待ってくれるんでしょうけどね」


スパイク・ジェット「やめてくれえええええっ!!」


フェイ「そんなもん、クソくらえよ!」


バキュゥゥゥ――ンッ! カランッ……カラン、カランッ……


https://www.youtube.com/watch?v=2lzKWxeAOjU


おわり

書きます


武内P「家庭訪問、ですか?」

卯月「ああっ、そ、そこまで正式な感じじゃなくて!」

凛「親がさ、プロデューサーに挨拶したいんだって」

武内P「私に挨拶……ですか?」

卯月「はい。普段お世話になってるから、って」

凛「二人のこれからについても、じっくり話し合いたいって言ってる」

武内P「成る程」

武内P「……」

武内P「ん?」

卯月「ママも、手料理を振る舞うんだ―って気合入ってて」

凛「私の所も、お父さんが何かお見舞いするって気合入ってた」

武内P「あの……島村さんの方の話は、了解しました」

卯月「良かったー♪」

武内P「ですが……その、渋谷さんの方は、その……」

凛「何? 何か、問題でもあるの?」

武内P「あっ、いえ……その……」

凛「?」

武内P「……」

武内P「少し、詳しくお話を聞いても宜しいでしょうか?」

凛「良いよ」

武内P「まず、先程おっしゃっていた、二人のこれから、というのは?」

凛「勿論、私とプロデューサーのこれからについてだけど?」

武内P「その……具体的には?」

凛「具体的?」

武内P「はい。可能な限り、具体的に」

凛「プロデューサー、何か様子が変だよ?」

武内P「……いえ、お気になさらず」

卯月「でも……プロデューサーさん、顔色が悪いですよ?」

武内P「そう、ですか? 自分では、よく……」

卯月「私、飲み物買ってきますね!」

武内P「島村さん、私は大丈夫ですので……」


卯月「いつもお世話になってるお礼です♪ すぐ戻ってきますね!」

ガチャッ…バタンッ


凛「そうだね……具体的……」

武内P「はい、お願いします」

凛「子供は二人が良い、とか?」

武内P「戻ってきて下さい島村さ――ん!!」

凛「どうしたの? 急に大声出して」

武内P「あの、何故……具体的な話で、子供が二人と!?」

凛「えっ、三人が良かった? 一人っ子だと、寂しいだろうし」

武内P「待ってください! 人数の問題ではありません!」

凛「お母さんは、やっぱり一姫二太郎よね、って言ってる」

武内P「渋谷さんは、ご家庭でそんな話を!?」

凛「凄く不機嫌になるから、お父さんの前では最近しないけどね」

武内P「……!?」

凛「なんでお父さんが不機嫌になるのか、わからないんだよね」

武内P「それは……親ならば、当然かと」

凛「どうして? お母さんは、すっごく楽しそうにしてるよ?」

武内P「渋谷さんは、私の事をご家庭でどう言っているのですか!?」

凛「それは……言わない」

武内P「何故!?」

凛「だってそれは……さすがに、照れくさいかな///」

武内P「……!?」

凛「兎に角、私の所もお母さんが手料理をご馳走する、って」

武内P「そう……ですか」

凛「日時が決まったら、お父さんも教えて欲しいってさ」

武内P「お父様も……同席なさるのですね」

凛「なんか、大量に花を発注するから知っておきたいらしくて」

武内P「大量に、花を?」

凛「うん。菊を」

武内P「そうですか……菊を……」

ガチャッ

卯月「お待たせしました!」


凛「おかえり、卯月」

武内P「島村さん……」

卯月「へあっ!? どうしたんですか、プロデューサーさん!?」

卯月「まるで、お通夜みたいな顔をしてますよ!?」

武内P「……」

武内P「気分的には同じようなものだと、そう、思います」

凛「だったら、何故かお父さんも菊を発注するみたいだから、丁度良いね」クスクス

卯月「菊を……ですか?」

凛「おかしいよね。お葬式があるわけでもないのに」

卯月「うーん、もしかしたら何か考えがあるのかも!」

凛「そうかな? プロデューサーもそう思う?」

武内P「はい! 思います!」

凛「ふーん。男同士、わかり合う部分があるって事なのかな」

卯月「なんだか、そういうのってちょっと素敵ですよね♪」

武内P「……」

卯月「でも、ママもパパも楽しみにしてるんですよ♪」

凛「卯月の所も、ウチと一緒だね」

武内P「その……楽しみの仕方が、少し違うと思います」

卯月「でも、ちょっと不思議な事があるんです」

武内P「不思議、ですか?」

卯月「この話をした時から、パパが毎日ゴルフの素振りをしてるんです」

武内P「……ゴルフの?」

卯月「はいっ」

武内P「……」

凛「一緒に、ゴルフでも行くつもりなのかな?」

卯月「でも、普通の振り方とは違うんです」

武内P「スイングのフォームがおかしい、と?」

卯月「こんな感じで……クラブを逆手に持って」

武内P「成る程」

卯月「島村ストラッシュ! って」

武内P「成る程、よく、わかりました」

凛「えっ、今のでわかったの?」

武内P「はい、残念ながら」

武内P「島村さんは、ご家庭で私の事を何と?」

卯月「えっ? ええと、とっても頼りになって、格好良くて……」

卯月「私が駄目になっちゃいそうな時も、側で……」

卯月「って、内緒っ!/// 内緒ですっ!///」

凛「卯月、ほとんど言っちゃってるから」

卯月「うぅ、凛ちゃんいじめないでください~!」

凛「あはは、ごめんごめん」

武内P「成る程……成る程……」

卯月「あっ、ママも褒めてたんですよ!」

凛「ふふっ、誤魔化そうとしちゃって」

卯月「……ゴホンっ!」

凛「はーい」

卯月「私が若かったら、放っておかなかったわー、って!」

凛「だってさ。良かったねプロデューサー」

武内P「あの……そのお話、お父様は?」

卯月「はいっ、無表情で聞いてました♪」

武内P「……そう、ですか」

セーイッパーイ、カガヤクー♪ カーガヤークーホシニーナーレー♪

凛「あっ電話……噂をすれば、お父さんからだ」

武内P「どうぞ……出て、上げてください」

凛「後で、プロデューサーと居たって言えば平気だから」

武内P「お願いします! どうか、出て上げてください!」

凛「? わかったけど……ふふ、何その勢い」

武内P「……」

凛「――はい、もしもし」

武内P「……」

凛「うん……うん、わかった……ふふっ」

武内P「……」

凛「あ、今のは違うから。さっき、プロデューサーが面白くて」

武内P「……」

凛「うん、家に来てくれるって。まだ、日時は決めてないけど」

武内P「えっ?」

凛「えっ? プロデューサーに一言だけ?」

武内P「……わかりました」

凛「うん……うん、今代わるね」

武内P「……もしm」


『■■■■■■■■■■■■■■■■!!』


武内P「バーサーカー!」

武内P「……切れた」

ゴーインゴーインコノートマーラナーイ♪ ゴーインゴーイントマーレナーイーカラー♪

卯月「あっ、今度は私が……」

武内P「……どうぞ、出てあげてくだ……あ、いや……」

卯月「私は、ママからです」

武内P「そう、でしたか。どうぞ、出て上げてください」ホッ

卯月「それじゃあ、失礼します」

武内P「……」

卯月「――もしもし、ママ?」

武内P「……」

卯月「えっ? パパからのLINE?」

武内P「……!?」

卯月「えへへ、プロデューサーさんとお話してて気づかなかった」

武内P「あ、いえ、その情報は……!」

卯月「パパもそこに居るの? って、送った動画を見て欲しい?」

武内P「……動画?」

卯月「プロデューサーさんに見て欲しい……うん、わかった」

卯月「この後も、プロデューサーさんと一緒に頑張りますっ♪」

武内P「……動画、ですか」

卯月「ちょっと待ってください……っと、これですね」


『知らなかったのか? パパからは逃げられない』


武内P「天地魔闘の構えじゃないですか!」

武内P「……完全に、待ち構えられている……!」

  ・  ・  ・

ちひろ「……それで、結局どうするんですか?」

武内P「行くしか、無いでしょうね」

ちひろ「でも……その様子じゃ」

武内P「はい。現在、引き継ぎを始めています」

ちひろ「……プロデューサーさん?」

武内P「引き継ぎが終わり次第、ご挨拶に伺う予定です」

ちひろ「あの……プロデューサーさん?」

武内P「千川さん、お世話になりました」

ちひろ「生きることを諦めないで下さい、プロデューサーさん!」

ちひろ「卯月ちゃんと、凛ちゃんの所だけでしょう!?」

ちひろ「持ちこたえられるかも知れないじゃないですか!」

武内P「いえ、メンバー全員のご家庭に伺う事になりました」

ちひろ「!? どうして!?」

武内P「話を聞きつけた皆さんが……私の所も、と」

ちひろ「……!」

武内P「お父様と、はい、電話でも会話をしました」

武内P「もっとも、基本的に会話にはなりませんでしたが……」

武内P「アナスタシアさんのお父様にロシア語でまくしたてられたのが、はい」

ちひろ「わかりました……わかりましたから……!」

武内P「……」

武内P「しかし……今回の事で、皆さんが愛されているのがわかりました」

武内P「彼女達の輝きの秘訣は、それもあるのかも知れませんね」

ちひろ「……でも」

武内P「努力は、してみます」

武内P「お話をすれば、わかっていただけると、そう、信じています」

武内P「男同士……分かり合えるはずです」

ちひろ「プロデューサーさん……!」


武内P「同じ笑顔を愛し、本当に大切に思っているだけだという事が」


ちひろ「それ駄目なやつです、プロデューサーさん!」



おわり

次は北斗の拳、把握
寝ます
おやすみなさい

いちご味把握



武内P「他のプロデューサー、ですか?」

未央「うん、そういえば見たことないなと思ってさ」

武内P「そう、なのですか?」

卯月「はい。居るっていうのはわかるんですけど……」

武内P「そうですね。多くのプロデューサーが所属しています」

凛「なのに見たこと無いって、おかしくない?」

武内P「……」

未央・卯月・凛「……」

未央「あっ、プロデューサーに不満があるとかじゃなく、なんとなくね!?」

卯月「そ、そうです! ただ、なんとなく気になるな~と……」

凛「うん。なんとなく……」

武内P「……わかりました」

武内P「では、皆さんに他のプロデューサーをご紹介します」

未央・卯月・凛「おー!」

武内P「……頑張ってください」

未央・卯月・凛「……?」

  ・  ・  ・

武内P「この先が、年少組を担当するプロデューサーのオフィスです」

未央「年少組担当ってことは、優しい人?」

卯月「もしかして、クマさんみたいな感じだったりして」

凛「卯月の優しいイメージって、そんななの?」

武内P「実際に、見ていただいた方が早いと思います」

未央・卯月・凛「?」


ガラガラガラガラガラッ!


未央・卯月・凛「……何、この音?」

ガラガラガラガラガラッ!


未央「台車の音……だよね、これ」


「フフフ……ファーハハハハ―――!!」


卯月「なんだか……高笑いも聞こえてきます」


「む? 止まれい!」

「はーい!」


凛「ねえ待って、もしかして……」


サウザーP「ほう……きさまらは確か、シンデレラプロジェクトと言ったか」

年少組「言ったか!」


武内P「はい。この方が、年少組を担当するプロデューサーの方です」

未央・卯月・凛「……!?」

武内P「おはようございます。突然、申し訳ありません」

サウザーP「このおれに、何の用だ?」

武内P「彼女達が、他のプロデューサーの方にお会いしたい、と」

サウザーP「ほう」

未央・卯月・凛「お……おはようございます」


サウザーP「――はぁっ!!」

ヒュッ!


未央・卯月・凛「台車から、羽の様に飛び降りた!」


サウザーP「おもしろい」

ぽすんっ


未央・卯月・凛「……また、座り直した」

サウザーP「このおれが、直々に相手をしてやろう」

武内P「ありがとう、ございます」

未央・卯月・凛「……!?」

サウザーP「だが、その前に……お前達!」サッ!

年少組「お手手は消毒だ~!」

サウザーP「フフ……そうだ、逆らえば皆殺しだ!」

年少組「はーい!」

サウザーP「やはり女子供は逆らわぬから楽よ! フハハ~!」


未央「絶対ヤバい人じゃんあれ!」ボソボソッ

卯月「皆殺しとか言ってますよ!?」ボソボソッ

凛「ねえ、あの人、本当にプロデューサー!?」ボソボソッ

武内P「はい」

未央・卯月・凛「……!?」

薫「せんせぇ! 洗い終わったよ!」

サウザーP「小娘! おれはせんせぇではない!」


未央「ほら、めっちゃ感じ悪い!」ボソボソッ

武内P「いえ、違います」


薫「あっ、そうだった!……せいてぇ!」

サウザーP「そう! この俺は聖帝サウザー! 生まれついての帝王!」

年少組「おー!」



卯月「割と……と、いうか、かなり……」ボソボソッ

凛「……仲良し?」ボソッ

武内P「はい」

未央・卯月・凛「……!?」

サウザーP「極星はひとつ! 天に輝く天帝は南十字星!」

サウザーP「数多のアイドルの中で天をつかむは、きさまら!」

サウザーP「この聖帝サウザーの担当する小学生なのだ―――っ!!」

年少組「だーっ!」

サウザーP「フフハハハ!!」

年少組「ふふははは!」


武内P「良い、笑顔です」

未央「貴様とか言ってるけど!?」ボソボソッ

卯月「笑顔も、ちょっと方向性が違いませんか!?」ボソボソッ

凛「おかしい! 明らかにおかしいから!」ボソボソッ

ありす「あの……今日、作ってみたお料理があるんです」

ありす「それで、その……食べてほしくて」

サウザーP「ほう……でかくなったな小娘……」ウルッ

ありす「橘です」

サウザーP「よかろう! このおれが見届けてくれるわ!」ウルウルッ


未央・卯月・凛「涙もろい!!」

武内P「はい。とても、愛が深い方なのです」

未央・卯月・凛「……」


ありす「と、特製……いちごパスタです……///」

サウザーP「……ほう」

サウザーP「……」チラッチラッ


武内P「こちらを見ていますが、助けないで大丈夫です」

未央・卯月・凛「……」

サウザーP「フフフ……いちごパスタか、おもしろい!」チラッチラッ

ありす「ど、どうぞ……///」

サウザーP「な!? なにィ!!」チラッチラッ


未央「めっちゃ目で助けを求めてるんだけど」

武内P「いえ、あの方は生まれついての帝王。助けは不要です」


サウザーP「……と、思いきや、助力を許さんでもない!」チラッチラッ


卯月「でも……食べて、あげるでしょうか?」

武内P「はい。あの方にあるのはただ、制圧前進のみです」


サウザーP「フ……フフフ……そんな事を言ったかな!」チラッチラッ


凛「食べそうにないんだけど」

武内P「大丈夫です。きっと、三口で平らげます」


サウザーP「三口…………」

年少組「……」ジッ

武内P「……」ジッ

未央・卯月・凛「……」ジッ

ありす「……」ジッ


サウザーP「おれは帝王! きさまらとはすべてがちがう!!」

サウザーP「神はこのおれに不死身の肉体までも与えたのだ!!」

サウザーP「三口、おもしろい! ならば、その三口数えてみろ!」

サウザーP「おりゃあ!! む! 臭いが甘い!! ぐあ!! ぬう!!」


武内P「ひと――――つ!」


サウザーP「!?」

サウザー「小僧、貴様――っ!!」


武内P「ひと――――つ!」

年少組「ひと――――つ!」


サウザーP「ぬう! あっ……」

サウザーP「……」パクッ


武内P「ふた――――つ!」

年少組「ふた――――つ!」


サウザーP「待っ、これ、きつ……」

サウザーP「……」パクッ


武内P「みい――――つ!!」

年少組「みい――――つ!!」



サウザーP「お……お師さん……!!」

サウザーP「……」パクッ


未央・卯月・凛「本当にいった!?」

サウザーP「……」モグモグ

サウザーP「……」ゴクンッ

サウザーP「……フフ……フハハハハ! 見たか!!」

サウザーP「いちごパスタでは、この帝王の血を絶やすことはできぬ!!」


武内P「……あのように、とても担当しているアイドルを愛しています」

未央「……ちょっと違わない?」


ありす「あの……おかわりも、まだあります///」

サウザーP「フフ……きかぬなあ。帝王、ちょっと用事を思い出した!!」


卯月「……逃げようとしてますよ?」

武内P「いえ、それは有り得ません」


サウザー「はぁ~~!! うっ、なっ!? と……翔べぬ!! あ……脚が!!」


武内P「引かぬ、媚びぬ、省みぬ。帝王に逃走はないのです」

凛「逃げられないだけじゃない、あれ」

ありす「さめない内に、どうぞ……///」

サウザーP「ぬくもり……」

サウザーP「フッフフフ……負けだ……完全におれの負けだ……」


武内P「おわかり頂けましたか、あの方のアイドルへの愛が」

未央・卯月・凛「……」


サウザーP「こんなに苦しいのなら、悲しいのなら……愛などいらぬ!!」


武内P「これ以上お邪魔するのも失礼です、行きましょう」

未央・卯月・凛「……はい」


サウザーP「いちごパスタ……おれのかなう相手ではなかった……」


ガチャッ…バタンッ

  ・  ・  ・

未央「……なんか、すごかったね」

卯月「……はい、すごかったです」

凛「……うん、すごかった」

未央・卯月・凛「……」

未央「ねえ、もしかして……他のプロデューサーも――」

卯月「未央ちゃん! これ以上この話はやめましょう!?」

凛「そうだね……考えると、頭が痛くなってきた」

未央「……私も」

卯月「……実は、私もです」

未央・卯月・凛「……」

  ・  ・  ・

未央「医務室なんて、初めて来たよ」

卯月「かなり、綺麗な所ですね」

凛「うん……本当、なんだか不思議な感じがする」

ガチャッ

未央・卯月・凛「失礼します」

未央「あのー……ちょっと頭が痛いんですけど」

卯月「お薬とか貰えないかな、って思って」

凛「お願いできますか?」


トキ「……ふむ。三人共、ですか?」

トキ「お薬の前に、少しお話を聞きましょうか」ニコリ

  ・  ・  ・

武内P「他のプロデューサー、ですか?」

未央「うん、そういえば見たことないなと思ってさ」

武内P「……見た事が無い、と」

卯月「はい。居るっていうのはわかるんですけど……」

武内P「……そうですね」

凛「なのに見たこと無いって、おかしくない?」

武内P「……やはり、秘孔を突かれましたか」

未央・卯月・凛「……秘孔?」

武内P「あ……いえ」


武内P「なんとも、不思議な話ですね」



おわり

バランス的に次は地の文で下品じゃないの書きます
寝ます
おやすみなさい

気が変わったので肉書きます



キン肉マン「私、王子やめる!」

ミート「バカな事言ってないで、勉強してください王子」

キン肉マン「やだいやだい! 勉強なんてしたくないやい!」ジタバタ!

ミート「もーっ! あんまりワガママ言わないでください!」

キン肉マン「……」


キン肉マン「……ミートよ、聞くのだ」キリッ


ミート「!」

ミート(この王子の表情……! この眼差し……!)

ミート(これは、何か重大な決意をした時の目だ……!)

ミート「……はい! 王子!」


キン肉マン「ちょっと、おトイレ」


ミート「だああーっ!?」

ミート「も~っ! 早く行ってきて下さい! 戻ったら勉強ですよ!」

  ・  ・  ・

ミート「全く、王子のワガママには困っちゃうよ」

ミート「あの、王位継承戦を戦ってた時のカッコよさはどこへやら」

ミート「……はーっ」

ミート「だからこそ、僕がしっかりしなきゃ!」

ミート「今までも……そして、これからも王子を――」

ミート「――ううん、大王をしっかり支えていくんだ!」

ミート「……」

ミート「それにしても、王子遅いなぁ」

ミート「お腹壊しちゃってるのかな? 全く、食べ過ぎなんだよ!」

ミート「しょうがない、お薬を持って行ってあげるか!」

  ・  ・  ・

コンコン!

ミート「お~い、王子~っ!」

コンコン!

ミート「お腹を壊しちゃったんですか~っ! 王子ったら~っ!」

コンコン!

ミート「……おかしいなぁ、全然返事が無いや」

ミート「王子~」

…ガチャッ

ミート「あれ? 鍵がかかってない……」

ミート「! まさか――!」


『地球に息抜きに行ってきます、勉強は任せたぞミート。スグル』


ミート「……お……お……!」

ミート「王子のバカ~~~っ!!」


https://www.youtube.com/watch?v=xPfqyGtKcVo

キン肉マン「はひぃ……はふぅ……」

キン肉マン「なんとか地球には来たものの……」

キン肉マン「思いつきで飛び出してきたから、お金が無い!」

キン肉マン「おまけに雨も降ってきたし……」

キン肉マン「ヘーックショーン!」

キン肉マン「うう……こんな事なら、家出なんてするんじゃなかったわい」

キン肉マン「……いつまでここで雨宿りすればいいのかのう」


武内P「――あの、アナタは……」


キン肉マン「おわあああっ!?」

武内P「す、すみません……驚かせてしまいましたか」


キン肉マン「ミートの奴、私を捕まえるためにこんな凶悪そうな超人を雇うとは!」

キン肉マン「腹が空いているが良いだろう……かかってきなさい!」


武内P「……」

武内P「いえ……私は、超人ではありません」


キン肉マン「いいや、その体! そして、その顔つき!」

キン肉マン「私の勘が、ビンビンとうずきやがるぜ!」

ぐうう~っ!

キン肉マン「……だ、ダメだ……もうお腹がペコペコで……」ヘニャヘニャ


武内P「……良ければ、これをどうぞ」

武内P「牛丼でなくて、申し訳ありませんが……手持ちがこれしか……」


キン肉マン「それは……まあ、美味しそうなパン!」

キン肉マン「……いいや、いかんいかん!」

キン肉マン「私を騙そうとしているようだが、そうはいかんぞ!」


武内P「……こちらが、私の名刺になります」


キン肉マン「……へ? 名刺?」

  ・  ・  ・

キン肉マン「――おかげで助かりました、プロデューサーさん!」

キン肉マン「いや~はっは! 先程は申し訳ない!」

武内P「いえ……慣れて、いますから」

キン肉マン「しかし……何故、私にここまでしてくれたのですか……?」


武内P「笑顔です」


キン肉マン「笑顔?」

キン肉マン「確かに、私の笑顔はとっても可愛いと評判ですな!」

キン肉マン「はっはっは! にこ~っ!」ニンマリ

武内P「あ……いえ、そうではなく」

キン肉マン「?」


武内P「強敵に打ち勝った後の、アナタの勝利の笑顔」

武内P「私は、その笑顔を見た時から、キン肉マンさんのファンなのです」


キン肉マン「……」

武内P「……それでは、私はこれで」

キン肉マン「ま、待ってください! 何か、お礼を!」

武内P「いえ、先程のは……ファンからの差し入れと思って下さい」

キン肉マン「しかし……!」

武内P「……私には、話さなくてはならない相手が居るのです」

キン肉マン「話さなくてはならない相手……?」

武内P「……はい」

武内P「今は、彼女の所へ、一刻も早く向かわなくては……!」


キン肉マン「――でしたら、この私の背中にお乗りください!」


武内P「!? いえ、しかし!」

キン肉マン「これもファンサービスの内です」ニッ

武内P「ですが……」

キン肉マン「確かに、アナタにとっては何でも無い事かもしれない」

キン肉マン「しかし、私はアナタに助けられたのです」

武内P「……」

武内P「ですが……キン肉星の大王になる方の背に乗る訳には……」

キン肉マン「あ、ああ……それは、今は気にせんで下さい!」

武内P「……」


キン肉マン「アナタを待つ者が居る……ならば、迷う必要は無いはずだ!」

キン肉マン「違いますか、プロデューサー!」


武内P「!」

武内P「……ありがとうございます。お言葉に、甘えさせていただきます」

キン肉マン「しかし、その前に……」

武内P「?」

キン肉マン「ヘーックショーン! さ、寒いから、そのコート貸してくれます?」

武内P「……はい、喜んで」

武内P「詳しい話は……道中お話します」


キン肉マン「しっかり捕まっていてくださいよ!」

キン肉マン「何せ、飛ぶのは本当に久しぶりですからね!」

ぶうっ! ぶっ! ぶっ! ぶっ! ぶっ!

  ・  ・  ・

未央「……」


「……どん……えん……」


未央「? 何か、外から聞こえる……」


https://www.youtube.com/watch?v=zMNFDaJMecY


未央「……えっ、な、何……あれ……?」


「コラ――ッ! そこで何をしとるか変質者――ッ!」

「かかった! あとはアンタの番だぜ、プロデューサー!」


未央「プロデューサー?」

未央「……えっ? プロデューサーが、来てるの……?」


「待て――っ! 止まれ~~っ!」

「ここまでおいで~! おし~りぺんぺん!」

  ・  ・  ・

武内P「ありがとうございます、キン肉マンさん」

キン肉マン「なあに、これくらいお安い御用ですよ、はっはっは!」

武内P「いえ……おかげで、彼女――本田さんと、キチンと話が出来ました」

キン肉マン「大事な話なのに、横槍が入ってはいけませんからな!」

キン肉マン「私も、警察に追い回された甲斐があります!」

武内P「……一つ、お聞きしてもよろしいですか?」

キン肉マン「ええ、なんでも聞いて下さい!」


武内P「何故、地球に?」


キン肉マン「それは……」

武内P「……」

キン肉マン「……」


武内P「……申し訳ありません。少し、お腹が空いてしまいました」

キン肉マン「はい?」

武内P「お礼にご馳走しますので、牛丼でも、一緒にいかがですか?」

キン肉マン「……ええ、喜んで!」

  ・  ・  ・

未央「……」

凛「未央……!」

卯月「未央ちゃん……!」

未央「えへへ……ただいま、皆……!」

CPアイドル達「おかえり!」


武内P「これで……メンバー14人、全員が揃いましたね」

武内P「シンデレラプロジェクト……改めて、始動です」

CPアイドル達「――はいっ!」

武内P「そして……皆さんに、新しい仲間を紹介します」

武内P「仲間と言っても、メンバーではなく、私のサポートに回ってくださる方です」

CPアイドル達「……」

武内P「――どうぞ」


キン肉P「彼とタッグを組む事になった、キン肉Pだ!」

キン肉P「これから、よろしくねん♪」



つづく

明日には終わると思います
細かい部分はゆでだから
寝ます
おやすみなさい

書きます


武内P「キン肉Pが何者か、ですか?」

未央「そりゃ、悪い人じゃないとは思うんだけどさ……」

卯月「その……Pのマスクを被ってて顔が見えませんし……」

凛「スーツの上からでもわかるあの筋肉、普通じゃない」

武内P「キン肉Pは、一時的に私のサポートをしてくださる方です」

武内P「安心してください。あの人は、実はとても凄い人なのです」

未央・卯月・凛「そうは言うけど……」


ちひろ「さあ、しっかり働いて下さい、キン肉Pさん!」

キン肉P「そうは言うけど、運ぶ荷物の量が多すぎますちひろしゃ~ん!」

ちひろ「事務仕事が出来ないんですから、力仕事は頑張ってください」

ちひろ「それが終わったら、牛丼を差し入れしますから♪」

キン肉P「はっはっは! この程度軽い軽い! 任せて下さい!」


未央・卯月・凛「……そうは見えない」

武内P「私は、キン肉Pさんが必要だと、そう考えています」

未央「……どうして?」

武内P「あの人は、今まで幾多の困難を乗り越えてきました」

卯月「幾多の……困難」

武内P「はい。そんなキン肉Pさんから、学ぶ所は数多くあります」

凛「でも……どうしてそんな人が、ここに居るの?」

武内P「それは……私にもわかりません」

未央・卯月・凛「……」

武内P「ですが……彼が私と出会い、ここに来たことには何か意味がある」

武内P「そう、思うのです」


キン肉P「ひ~っ! プロデューサーも楽じゃないわい!」


https://www.youtube.com/watch?v=xPfqyGtKcVo

武内P「……」

キン肉P「どうしたプロデューサー、浮かない顔をして!」

キン肉P「そんな顔をしてたら、悪行超人と間違えてしまうぞ!」

武内P「あ、いえ……特に、大したことでは……」

キン肉P「水臭いぞ、プロデューサー!」


キン肉P「私とアナタは、一時的とは言えタッグを組む身!」

キン肉P「いわば、一心同体のようなものだ!」

キン肉P「そのパートナーが、表情を曇らせているのを見過ごせるか!」


武内P「……!」


キン肉P「仕事の話はサッパリわからんが……」

キン肉P「共に悩み、考える事ならば私にも出来るぜ、プロデューサー!」


武内P「キン肉Pさん……」

キン肉P「それと、そろそろ‘さん’付けはよしてくれ」

キン肉P「タッグを組む相手に‘さん’を付けてたら、隙が出来てしまうからな!」

武内P「そうですね……――キン肉P」

  ・  ・  ・

キン肉P「……なるほど、蘭子ちゃんが何を考えているかわからない、と」

武内P「はい……彼女の言葉は、その……少々特殊ですので」

キン肉P「ううむ、私も少し話してみたが、ち~っともわからんかった」

武内P「ですが……彼女は、何かを伝えようとしているのです」

武内P「それが何かわかれば、良いのですが……」


キン肉P「――だったら、話は早い!」


武内P「……は?」

キン肉P「何かを伝えようとしてくれている……それは、わかるのでしょう?」

武内P「それは……はい」


キン肉P「ならば! あとは彼女の言葉を理解するよう、努力すればいいだけの事!」


武内P「!」

武内P「それは……確かに、その通りです」


キン肉P「その道のりは、確かに困難かもしれない」

キン肉P「だが……その道を進むだけの価値はある」


キン肉P「私はそう思うが、プロデューサーはどう思う?」

武内P「ええ……私も、キン肉Pと同じ気持ちです」

キン肉P「ふっ、さすがは私のタッグパートーナーだ!」

スッ…

武内P「やりましょう、キン肉P。彼女の……神崎さんの――」

がしっ!

武内P・キン肉P「――笑顔のために!」

https://www.youtube.com/watch?v=RRU2qk71S_g

  ・  ・  ・

武内P「……漆黒……魂……」

カタカタッ…

ちひろ「プロデューサーさん、調べ物ですか?」

武内P「はい。神崎さんの、言葉を理解するために」

ちひろ「プロデューサーさん……」

武内P「! そろそろ……皆さんのダンスレッスンを見に行く時間ですね」


キン肉P「おっと、そいつは私に任せてもらおうか!」


武内P「キン肉P……」

キン肉P「プロデューサー、アンタは今はそいつに集中するんだ」

武内P「……はい、わかりました。彼女達をお願いします」

ちひろ「って、キン肉Pさんはダンスとかわかるんですか!?」

武内P「安心してください、千川さん」

ちひろ「えっ?」


キン肉P「実はこの私、ダンスもかなりの腕前なのですよ! はっはっは!」

  ・  ・  ・

武内P「……」

蘭子「……」



キン肉P「……どきどき! 頑張れ、二人共……!」

未央「ちょっ、キン肉Pもうちょっとしゃがんで……見えないから……!」

卯月「プロデューサーさんに蘭子ちゃん……大丈夫でしょうか……」

キン肉P「――絶対に、大丈夫さ」

未央・卯月「えっ?」


キン肉P「私は、彼の努力を今まで見てきた……そりゃもう、凄いもんだったぜ」

キン肉P「そんな彼が選んだ蘭子ちゃんが……負けるはずは無い!」

キン肉P「どんな困難だろうと、彼が隣に居れば乗り越えていけるさ!」

キン肉P「例えそれが、自分自身であったとしてもだ!」


CPアイドル達「キン肉P……!」


蘭子「――魂の共鳴!」ニコッ

武内P「……良い、笑顔です」


キン肉P「ほうらね! ほうらね!」

CPアイドル達「二人の会話、全然聞こえなかった!」

キン肉P「しょ、しょんな~!?」

CPアイドル達「……あはははっ!」

  ・  ・  ・

智絵里・かな子「……」

キン肉P「おんやぁ? どしたの二人共?」

智絵里「キン肉P……」

かな子「その……お仕事が上手く行かなくて」

智絵里「プロデューサーに……迷惑をかけちゃって……」

キン肉P「……なるほど、だからそんな浮かない顔をしてたのか」

智絵里・かな子「……」


キン肉P「――気にする事はないさ! どんどん失敗すれば良い!」


智絵里・かな子「えっ!?」

智絵里「だけど……それじゃあ見捨てられちゃう……!」

かな子「それに、これ以上プロデューサーさんに迷惑をかける訳には……!」

キン肉P「智絵里ちゃん、かな子ちゃん」


キン肉P「彼は――プロデューサーは、一言でもそんな事を言ったかい?」


智絵里・かな子「えっ?」

キン肉P「正直な所……私は、アイドルというものがまだよくわからん」

キン肉P「だから、キミ達にうまい言葉をかける事は出来ない」

智絵里・かな子「……」

キン肉P「――しかし! これだけは言える!」

智絵里・かな子「!」


キン肉P「彼は……プロデューサーは、迷惑だなんて微塵も思っちゃいないさ」

キン肉P「新人のキミ達が失敗するのは、当たり前のことなんだから」

キン肉P「至らない所なんて、当然出てくるに決まっている」

キン肉P「だが、そんな所も含めて、彼はキミ達を選んだのだから!」


智絵里・かな子「キン肉P……!」


キン肉P「それでも不安なら、ぶつかっていけば良い、話をすれば良い」

キン肉P「そのための協力だったら、私はなんだって惜しまずやるぜ!」グッ!


智絵里・かな子「……!」

智絵里・かな子「……――ありがとうございますっ!」


キン肉P「へっ? 私はま~だ何もしとらんぞ?」

  ・  ・  ・

キン肉P「おっ掃除、おっ掃除らんらんら~ん♪」


杏「……もー、うるさくてこれじゃあ寝てられないよー」


キン肉P「杏ちゃん」

杏「ふわ~ああ」

キン肉P「悪いね、お昼寝の邪魔をしてしまったようだ」

杏「……ま、智絵里ちゃんとかな子ちゃんを助けてくれたからおっけーおっけー」

キン肉P「私は別に、助けたつもりはないさ」

杏「そうは言うけど、おかげでやる気を出した二人に付き合わされて、杏は大変だよー」

キン肉P「……その割には、良い顔をしてるぜ、杏ちゃん!」

杏「……そんな事無いってば。杏は、働きたくないんだから」

キン肉P「またまた~!」

杏「……」


杏「月・火・水・木・キン肉P~♪」

キン肉P「金・土・日~は~遊び~たい~ヤッホ~♪」

杏・キン肉P「ヤッホー♪」


キン肉P「――って、ぎくうっ!? 杏ちゃんは、私の正体を――!?」

杏「……さあね~」

  ・  ・  ・

莉嘉「どうしよう、このままじゃLIVEの時間に間に合わないよ~!」

みりあ「ねえねえ、間に合わなかったら、どうなっちゃうの?」


キン肉P「ご、ごみんよ三人共……」

キン肉P「私がクレープをもっと食べたいとダダをこねたばっかりに……」


きらり「……ううん、悪いのはキンちゃんだけじゃないゆ」

莉嘉「うん……アタシ達も、ちょっとはしゃぎすぎたし」

みりあ「だから、そんなに落ち込まないで、キン肉P」


キン肉P「きらりちゃん……莉嘉ちゃん、それに、みりあちゃん……!」

キン肉P「――くそう! 私は、自分が情けない!」

キン肉P「この状況で……悔しいが、何一つ解決策が思い浮かばん!」

キン肉P「仮にも、皆を引っ張っていかなければいけない立場だと言うのに……!」


莉嘉・みりあ・きらり「……」


キン肉P「すまない、皆……!」

きらり「も~! そんな事で落ち込んでたらメッ! だゆ!」

莉嘉「そうそう! キンくんには、そういうの似合わないって☆」

みりあ「うんっ! 一人で考えてダメなら、皆で考えよう!」


キン肉P「だが、しかし……!?」


きらり「あのね、一人でダメなら、他の人を頼っても良いんだゆ?」

莉嘉「そのためのユニット! そのためのシンデレラプロジェクトだもん!」

みりあ「だから、顔をあげてキン肉P! 落ち込んでるなんて――」

きらり・莉嘉・みりあ「らしくない!」


キン肉P「!」

キン肉P「……ふっ、私としたことが、確かにらしくなかったぜ」

キン肉P「そうだ……本当に、大切なことを忘れる所だった」

キン肉P「例え立場が違えども、手を取り合い、前に進んでいく……」

キン肉P「――それが、友情パワーだ!」


キン肉P「原宿の皆に、見せてやろうぜ! 凸レーション!」

キン肉P「私たちの――友情パワーを!」


きらり・莉嘉・みりあ「おーっ!」

キン肉P「莉嘉ちゃん! 莉嘉ちゃんは、私の右腕に乗るんだ!」

莉嘉「オッケー!☆」

キン肉P「みりあちゃん! みりあちゃんは、反対の左腕に!」

みりあ「うんっ!」

キン肉P「きらりちゃん! きらりちゃんは、肩に乗っかれい!」

きらり「肩って……でもでも、きらりはおっきいから……」

キン肉P「心配することはない!」


キン肉P「私の腕は、そして背中は……何かを支えるために、背負うためにある!」

キン肉P「それがキミ達の笑顔のためだったら、何てことはないぜ!」


きらり「キンちゃん……!」

莉嘉・みりあ「ほら、きらりちゃん!」

きらり「……うんっ!」


キン肉P「そうらっ! 立ち上がるぞ~っ!」

  ・  ・  ・

武内P「! あれは……!」

美嘉「うわ……凄い人だかり……!」


莉嘉・みりあ・きらり「私たち、凸レーションで~す!」

キン肉P「この後、彼女達のLIVEがあります!」

キン肉P「是非、見に来てください!」


莉嘉・みりあ・きらり・キン肉P「応援、よろしくぅ!」


美嘉「……ねえ、あのPのマスクの人って」

武内P「はい。彼が、私のタッグパートナーです」

美嘉「へー、結構やるじゃん」

武内P「そうですね……私には、過ぎたパートナーだと、そう、思います」

美嘉「でも、ちょっと安心したかも」

武内P「安心、ですか?」

美嘉「あの人と一緒なら……アンタも変われるんじゃない?」


莉嘉・みりあ・きらり「イエーイ☆」

キン肉P「はっはっは!」


武内P「そうですね……はい、そう思います」

  ・  ・  ・

みく「全く、どうしてみく達がユニットを組まなきゃいけないにゃ!」

李衣菜「それはこっちの台詞。ネコミミなんて、全然ロックじゃない」

みく「それを言うなら、ロックなんて全然可愛くないにゃ!」


キン肉P「ん? あれは……?」


みく・李衣菜「う~っ、解散!」


キン肉P「か、解散!?」

キン肉P「待て待て待て待て~い! 落ち着け、二人共!」


李衣菜「き……キン肉P……?」

みく「そ、そんなに慌てて、どうしたの……?」


キン肉P「解散と聞いて、慌てずにいられるか!」


みく・李衣菜「……」

キン肉P「二人共、お違い不満があるのか!?」


みく・李衣菜「それは……」

みく・李衣菜「……」ジッ

みく・李衣菜「ある!」


キン肉P「のわ~っ! わ、私にすごまんでくれい!」

キン肉P「……だが、その不満は存分にぶつけ合ったのか?」


みく「不満を……」

李衣菜「ぶつけ合う……?」


キン肉P「ああ、そうだ」

キン肉P「みくちゃんも、李衣菜ちゃんも、タッグを組んだばかり」

キン肉P「お違いに不満があるなぞ当然」

キン肉P「それも、全く違ったタイプならなおさらの事」


みく・李衣菜「……」

キン肉P「不満があるのなら、正面からぶつかり合えば良い」

キン肉P「案外、みくちゃんと李衣菜ちゃんのタッグが――」

キン肉P「プロジェクトで、一番のユニットになるかも知れないぜ?」グッ


みく「みく達が……?」

李衣菜「……そうは思えないです」


キン肉P「はっはっは! 私も昔、パートナーと仲違いをしたものさ!」

キン肉P「時には仲間割れをし、本当に危険な場面に陥る事もあった!」

キン肉P「だが、そのぶつかり合いがあったからこそ、真のパートナーになれた」

キン肉P「全員がそうしろとは言わないが、私は、キミ達がそのタイプに見える」


みく・李衣菜「……」


キン肉P「だから、解散を決める前に、やれる事はやってみて欲しい」

キン肉P「プロデューサーは、キミ達二人なら困難を乗り越えられると思ったんだろう」

キン肉P「その困難を乗り越えた二人の姿を……私も見たい」


みく・李衣菜「……」

  ・  ・  ・

みく・李衣菜「ニャ~~~~~~ッ!!」


キン肉P「うおおっ!? なんて気合の入った叫び声だ!」

キン肉P「あれはジェロニモの倍……いや、10倍の威力だ!」

キン肉P「会場の空気が、一気に変わりやがったぜ!」


武内P「ありがとうございます、キン肉P」

キン肉P「? どうした、プロデューサー」

武内P「アナタが、彼女達にアドバイスをしたのでしょう?」

キン肉P「アドバイスなんて、そんな大したものじゃあないさ」

キン肉P「人生の先輩として、体験談を語っただけにすぎない」

武内P「いえ、それでも……ありがとうございます」

キン肉P「おっと、その話はまた後にしようぜ、プロデューサー」

武内P「……そうですね、キン肉P」


武内P・キン肉P「今は――彼女達を見守らなければ」

  ・  ・  ・

ミート「待ってください! まだ、もう少しだけ時間をください!」


真弓「いいや、これ以上は待てん」


ミート「皆さんは、それで良いのですか!?」


テリーマン「……」

ロビンマスク「……」

ウォーズマン「……」

ラーメンマン「……」


ミート「何かおっしゃってください、皆さん!」


バッファローマン「往生際が悪いぜ、ミート」

ブロッケンJr「そうだぜ、キン肉マンは戻ってこない」

アシュラマン「初めから、こうしていればよかったのだ」

ザ・ニンジャ「いや、元々こうなる運命だったのだ」


真弓「姿を消したスグルに代わり――」

真弓「アタルを時期大王にするための準備を進める!」


アタル「……」



つづく

>真弓「アタルを時期大王にするための準備を進める!」

>真弓「アタルを次期大王にするための準備を進める!」

書きます



キン肉P「サマーフェスまで、あと少しか!」

武内P「はい。ようやく、ここまで来ることが出来ました」

キン肉P「何を言っとるんだプロデューサー!」

武内P「何か、おかしな事を言ってしまいましたか?」

キン肉P「ああ、言ったさ!」


キン肉P「彼女達の、シンデレラプロジェクトの道はまだまだ続く! 続いていく!」

キン肉P「だから、ようやくだの、ここまでだの、簡単に言うもんじゃあない!」

キン肉P「サマーフェスは、あくまでも今までの彼女達の努力の結晶!」

キン肉P「そして、それを胸に、これからも歩んでいく!」

キン肉P「……そうだろう?」ニヤリ


武内P「……そうですね、その通りです」

キン肉P「プロデューサーはたまにそうやってウッカリするんだから~ん! このこの~!」

武内P「……」

キン肉P「ん? どうしたプロデューサー? 浮かない顔をして」

武内P「……」

武内P「キン肉P……いえ、キン肉マンさん」

キン肉P「……どうした、急に改まって」

武内P「私は……今のアナタの姿が、本来のものでないと知っています」

キン肉P「それは……」


武内P「キン肉星の大王になるということが、どういう事を意味するのか」

武内P「……もう、答えは出たのではないでしょうか」


キン肉P「プロデューサー……わ、私は……!」

武内P「私ごときが口をはさむ問題ではないと、そう、思うのですが」

キン肉P「いいや……プロデューサー、アンタの言葉だからこそ、身に沁みる」

武内P「……近いうちに、答えを聞かせてください」

キン肉P「……ああ。だが、私ごとき、なんて言わんでくれ」


武内P「ええ……私は、今のアナタのタッグパートナーですしね」


キン肉P「……サマーフェスが終わったら、必ず答えを聞かせよう」


https://www.youtube.com/watch?v=UTSEe0NiWSs

  ・  ・  ・

キン肉P「――と、言うわけで~!」

キン肉P「シンデレラプロジェクト! 夏の合宿じゃーい!」

武内P「皆さんには、サマーフェスに向けてこの合宿で色々な確認をして貰います」

武内P「各自のスキルアップや、集団での動きなど、実りあるものになるはずです」


CPアイドル達「はいっ!」


キン肉P「サマーフェスに向けて、プロジェクトのまとめ役を――」

武内P「――新田さん。貴女に、お願いしようと思います」


美波「私が……ですか?」


武内P「はい。これは、私とキン肉Pで話し合って決めました」

キン肉P「ああ。美波ちゃんならば、きっと良いリーダーになると私達は考えた!」


美波「……わかりました! その役、務めさせていただきます!」


キン肉P「良い返事だぜ、美波ちゃん!」グッ

武内P「私は、フェスの準備でここを離れなければなりません」

キン肉P「だが、安心してくれ! 私が付いてるからな!」


CPアイドル達「えーっ」


キン肉P「どしぇ~っ!? その反応は無いんでないの!?」

キン肉P「ボクちゃん、寂しくなっちゃう!」イジイジ


未央「あはは! 冗談だって、キン肉P!」

卯月「はいっ♪ えへへ、ちょっとからかってみたくなっちゃって」

凛「キン肉Pって、なんだかからかいたくなるんだよね」

CPアイドル達「うんうん」


キン肉P「んもーっ! 本気で焦っちゃったじゃないの!」

キン肉P「お返しに、ビシ! バシ鍛えていくからな!」ムキッ!


CPアイドル達「あははははっ!」

CPアイドル達「――はいっ!」

  ・  ・  ・

このひ~かりっ、めざして~♪

CPアイドル達「……っ」

CPアイドル達「……はぁ……はぁ」


キン肉P「……!」

キン肉P(はわわわわ! まるでタイミングが合っとらん!)

キン肉P(だが、14人分の合体技など、私はわからんぞ!)

キン肉P(プロデューサーは、彼女達なら大丈夫だと言っていたが……!)

キン肉P(ほ、本当に大丈夫なのか……!?)


美波「……」

美波「――皆、今日の練習はもう終わりにしましょう」


CPアイドル達「えっ?」


キン肉P「ええ~っ!?」

  ・  ・  ・

キン肉P「……お見事だったぜ、美波ちゃん」

美波「ふふっ、ありがとうございます」

キン肉P「私は、目標のためなら一直線に頑張るしか無いと思っていた」

キン肉P「だが……今のあの子達を見ていると、それだけではないとわかった」


CPアイドル達「あはははっ!」ニコニコ


キン肉P「ふっ、なんとも良い笑顔で笑ってやがる!」

美波「……確かに、苦しいことも、辛いこともあります」

キン肉P「……」

美波「だけど、そんな中でも、笑顔を忘れずにいたいんです」

キン肉P「美波ちゃん……」

美波「なーんて、偉そうなこと言っちゃいましたね」

キン肉P「……いいや、実際に立派さ」


キン肉P「……その点、私は――」

びしゃっ!

キン肉P「うわぶっ!? つ、冷たぁい!」


CPアイドル達「……」ニヤニヤ


キン肉P「……ははっ! やったな、こいつぅ!」

  ・  ・  ・

武内P「……――皆さん、今日はいよいよ、サマーフェスの本番です」


CPアイドル達「はいっ!」


キン肉P「おいおい! 今からそんなに緊張してたら、身がもたないぜ!」ガチガチッ

キン肉P「リラックス! リラックスだ!」ガチガチッ


CPアイドル達「……」ジイッ


キン肉P「な、何? そんなに見つめちゃダメ~ん」ガチガチッ

武内P「……キン肉P、今からそんなに緊張していたら、身が持ちませんよ」

キン肉P「えっ!? あっ、あらヤダ!」ガチガチッ

武内P「……緊張は、キン肉Pが引き受けてくれています」

武内P「皆さんは、落ち着いていきましょう」


CPアイドル達「……ふふふっ」

CPアイドル達「――はいっ!」


キン肉P「ようし! その意気だぜ、皆!」ガチガチッ

武内P「……キン肉Pも、少し落ち着いてくださいね」

  ・  ・  ・

キン肉P「リハーサルも終わって、もうすぐ本番か」

キン肉P「彼女達との関わりも、長いようで短かったのう」

キン肉P「……」

キン肉P「いかんいかん! 今は、目の前の事に集中せねば!」

キン肉P「会場の~♪ お掃除、お掃除らんらんら~ん♪」


未央「キン肉Pっ!」


キン肉P「おわあっ!? って、なんだ、未央ちゃんではないか」

卯月「大変なんです、キン肉Pさん!」

キン肉P「卯月ちゃんまで……一体、何があったというんだ?」

凛「美波が……美波が、倒れちゃったの!」

キン肉P「!? なんだって!?」

  ・  ・  ・

キン肉P「――プロデューサー!」

武内P「……キン肉P」

キン肉P「美波ちゃんは、大丈夫なのか!?」

武内P「……極度の緊張から、体調を崩してしまったようです」

キン肉P「何てことだ……!」

武内P「……なので、新田さんの代役として、神崎さんを」

キン肉P「アーニャちゃんと、組ませると?」

武内P「はい。本番まで、もう時間がありませんから」

キン肉P「待ってくれ! それでは、美波ちゃんはどうなる!」

武内P「……体調が戻れば、全体曲には」

キン肉P「……!」


武内P「これが――私の、プロデューサーとしての限界です」

武内P「ですが……」


キン肉P「!」

キン肉P「プロデューサー! 美波ちゃんは、今どこに!?」


武内P「医務室で、休んでいます」

キン肉P「おう! それだけ聞けば、十分だ!」


キン肉P「――送り届けてみせるさ! 必ず!」

  ・  ・  ・

ガチャッ!

キン肉P「――美波ちゃん!」


美波「……キン肉P」グスッ

キン肉P「頑張ったな……美波ちゃん」

美波「はい……だけど……だけどっ……!」グスッ

キン肉P「泣くのは、もうやめるんだ」

美波「でもっ……! う、ううっ!」グスッ


キン肉P「泣いてたら、ファンの皆が心配しちまうぜ」

キン肉P「それに、アーニャちゃんも、蘭子ちゃんもだ!」


美波「――えっ?」


キン肉P「……私は、キミに教えられた」

キン肉P「辛い時、苦しい時……そんな時にも、笑顔を忘れてはいけないと!」

キン肉P「――ならばっ!」

キン肉P「その笑顔の手助けをするのが、この私の――」


ばっ!


キン肉マン「――プロデュースじゃーい!」


キン肉マン「フェイスフラッシュ!」

  ・  ・  ・

アーニャ(美波……見て、くれていますか?)

アーニャ(私は、美波と一緒にこのステージに立ちたかった、です)

アーニャ(きっと……美波も、同じ気持ちだったと思います)


アーニャ「……!」


アーニャ(だから――今は、美波の分まで、頑張ります!)

アーニャ(残る二番も……精一杯――)


???「――とうっ!」


アーニャ・蘭子「!?」


キン肉P「――選手交代のお知らせだぜ!」

美波「――アーニャちゃん!」


アーニャ「美波!」

アーニャ「でも……どうして……?」


キン肉P「話は後だ! もうすぐ二番が始まっちまう!」


蘭子「――美波さん!」

スッ…

美波「――蘭子ちゃん!」

パンッ!


キン肉P「タッチ確認! 私に掴まれ、蘭子ちゃん!」

蘭子「心得た、力強き友よ!」

蘭子「美波さん、アーニャさん……頑張って!」

キン肉P「確かに届けたぜ! さらばだっ! とうっ!」

ヒュバッ!


美波「……おまたせ、アーニャちゃん」

アーニャ「……もう、一番は、終わってしまいました」

美波「ええ。だから、二番は思いっきりいくわよ!」

アーニャ「ダー♪」

  ・  ・  ・

武内P「……ありがとう、ございます」

キン肉P「よ、よしてくれ! そんなに頭を下げられると、こっちが困ってしまう!」

武内P「いえ……アナタのおかげです」

キン肉P「私は、当たり前のことをしただけさ」

キン肉P「それに、あの時はコートを借りてしまった」

キン肉P「だから……あれが、出会った時のパンのお返しと言う事にしてくれい」

武内P「……わかりました。そういう事にしておきます」ニコリ

キン肉P「おおう!? アンタ、笑うとそんな顔になるのか!」

武内P「……私は、笑っていましたか?」

キン肉P「おうとも! 良い笑顔だったぜ、プロデューサー!」


「大変だ~! 凄い雨が降り出した!」


武内P・キン肉P「……」

武内P「話している暇は――」

キン肉P「――なさそうだな!」

  ・  ・  ・

武内P「今は、機材が濡れないようにしてください!」

武内P「そして、アイドル達が滑らないよう、ステージ上の水を!」


「ですが……あの雲だと、雨は続きそうです!」

「最悪……このまま、振り続ける可能性も……」


キン肉P「止まない雨はないさ! そして、晴れない雲も!」

キン肉P「今日は、彼女達の晴れ舞台! だから――」


キン肉マン「――フェイスフラッシュ!」

ピカアアア――ッ!


「なんだ!? マスクの下から、光が……!?」

「あの顔……まさか、キン肉マンか!?」

「! 見ろ! 雨雲が晴れて……!」


キン肉マン「――そんな舞台には、虹こそがお似合いだ」


CPアイドル達「プロデューサー!」

武内P「皆さん……準備は、よろしいですか?」

CPアイドル達「はいっ!」

キン肉マン「見せてやろうぜ! 皆の、笑顔の輝きを!」

CPアイドル達「はいっ!」

  ・  ・  ・

武内P「――皆さん、サマーフェス、お疲れ様でした」

キン肉P「最高のLIVEだったぞい! 思い出すだけで、私はもう……!」グスッ

CPアイドル達「あははっ」

キン肉P「……」


キン肉P「……皆に言わなければならない事がある」

武内P「……」


未央「それって、キン肉Pの正体が、キン肉マンだー、って事?」

キン肉P「へっ!?」

卯月「あの……私たち、随分前から気づいてました、よ?」

キン肉P「どゆこと!?」

凛「言動とその体格、それに、牛丼好きってわかりやすすぎ」

キン肉P「しょ、しょんな~!」


キン肉P「昨日の夜、どう話そうか考えてたら寝ちゃってた私の苦労は一体!?」


武内P「それは……しっかり寝ていますね」

CPアイドル達「あははははっ!」

武内P「フェイスフラッシュも使っていましたし……」

キン肉P「……そうだった。あの時は夢中で、すっかり忘れていたぞい」

すぽっ

キン肉マン「皆、今まで黙っていてすまかった」

キン肉マン「私は、本当はプロデューサーではないのだ」

キン肉マン「次期キン肉星の大王、キン肉スグル」

キン肉マン「……キン肉マンだったのだ!」

CPアイドル達「……」

キン肉マン「……」


ガチャッ!


ミート「王子~~~っ!」


キン肉マン「み、ミート!? どうしてここに!?」

ミート「そんな事を言ってる場合じゃありません!」

ぐいっ!

キン肉マン「お、おい! 引っ張るな!」

ミート「良いから、早く外へ! 大変なんですよ!」

キン肉マン「大変……?」

  ・  ・  ・

真弓「……」

ソルジャー「……」


キン肉マン「ええっ!? どうして二人が此処に!?」


真弓「スグルよ、最早お前は次期大王ではない!」

キン肉マン「な、何だって!?」

真弓「嫌な事から逃げ出すようなお前では、大王にふさわしくない!」

キン肉マン「ま、待ってくれ!」

ソルジャー「くどいぞ、スグル」

キン肉マン「アタル兄さんまで……!?」

キン肉マン「な、何かの間違いだと言ってくれい!」

ソルジャー「間違いではない」


ソルジャー「不甲斐ないお前に代わり、私がキン肉星の大王となるのだーっ!」


キン肉マン「……!?」

キン肉マン「だ、だが……私は王位継承戦を勝ち残った!」

ソルジャー「そうだ。だからこそ、わざわざ出向いてきてやったのだ!」

キン肉マン「み、ミート! お前からも何か言ってくれ!」

ミート「ずっと言ってきましたけど……王子が戻ってこないから!」

キン肉マン「……!?」


ソルジャー「スグル! 兄である私が、直接引導を渡してくれるわーっ!」


ゴゴゴゴゴゴゴッ…!


キン肉マン「な、何だっ!? この大きな音は!?」

ソルジャー「……あれを見ろ!」

キン肉マン「げええーっ!」

キン肉マン「事務所の時計が二つに割れて……そこからリングが!」

ソルジャー「……お前が、ここに来たのは何かの運命だったのかも知れんな」


ソルジャー「346プロダクションは、芸能プロダクションとして存在していたのではない!」


ソルジャー「遥か古来より、己の在り方――あるべき法を探す場!」


ソルジャー「その本来の名は――Missing law(ミッシング・ロウ)プロダクション!」


キン肉マン「な、何だってーっ!?」

ソルジャー「まさに、今のお前に相応しい場所と言えるだろう」

キン肉マン「あ、アタル兄さん……!」

ソルジャー「今の私は、お前の兄ではない!」

ソルジャー「王位を継承するため、お前に引導を渡す超人!」

ソルジャー「キン肉マンソルジャーだ!」

キン肉マン「そ、そんな……!」


真弓「この戦いは、モニターで中継される」

ピッ!

テリーマン『……』

ロビンマスク『……』

ウォーズマン『……』

ラーメンマン『……』


キン肉マン「ど、どうして何も言ってくれないんじゃ、みんな~っ!?」

キン肉マン「まさか、本当に私が大王にならなくても良いと思っておるのか~っ!?」


ソルジャー「私と戦え、キン肉マン!」

キン肉マン「……!」


キン肉マン(そんな……兄さんと戦う……!?)

キン肉マン(強く、偉大な……アタル兄さんと……!?)



つづく

休憩
こっから肉9、デレ1な感じです

https://www.youtube.com/watch?v=UTSEe0NiWSs

  ・  ・  ・

吉貝「さあて! 遂に始まってしまいました、運命の兄弟対決!」

中野「この試合を見れるなんて、女房を質に入れた甲斐がありますね~!」

吉貝「実況は私、吉貝と」

中野「解説は、おまたせシマウマ~! 世界に羽ばたくアデランスの中野さんです~!」

吉貝「――で、お送りします!」


キン肉マン「……!」

ソルジャー「……」


吉貝「向かい合う両者……少し、キン肉マンは緊張していますね?」

中野「そうですね。久々の解説で、私も緊張しています」


カ――ンッ!


吉貝「今、運命のゴングが鳴った――っ!」

キン肉マン「アタル兄さん……よしてくれ、こんな真似は!」

ソルジャー「ほう、まだ言うか」

キン肉マン「何度だって言うさ! 何故、私たちが戦わなければならんのだ!」


ソルジャー「そんな事もわからんのか、お前はーっ!」

ボオオッ…!


吉貝「ああ――っと! キン肉マンソルジャーの右手が燃え上がっている!」


キン肉マン「!? ま、まさかそれは!?」

ソルジャー「くらえい、キン肉マン!」

  ・  ・  ・


ブロッケンJr.「ソルジャーめ、初手から遠慮がないぜ」


  ・  ・  ・


ソルジャー「ベルリンの赤い雨――ッ!!」

ザシュゥゥゥッ!

キン肉マン「うわああああっ!?」

ソルジャー「まだまだ――っ!」

ザシュッ! ザシュゥゥッ!


吉貝「乱れ打ち! 恐ろしい程の、ベルリンの赤い雨の乱れ打ちだ――っ!」

中野「あれは痛いですよ~!」

キン肉マン「ぐううっ! このままではまずい!」

キン肉マン「――肉のカーテン!」


吉貝「キン肉マン、肉のカーテンで防御を固める!」

中野「あの上からでは、打撃技は通りませんからね~」


ソルジャー「守りを固めるか」

ソルジャー「だが……これはどうかな」

ぐるんっ……ぐるんっ……!


吉貝「キン肉マンソルジャー、左腕をぐるぐると回しています!」


  ・  ・  ・


バッファローマン「へっ! お次は俺の技か!」


  ・  ・  ・


ソルジャー「バッファロー・ハンマ――ッ!」

ドゴォォォンン!

キン肉マン「っ!? う、うおおおおっ!?」


吉貝「強~~~烈なラリアット! キン肉マンの体が、宙に浮き上がった~~~っ!」

中野「あれでは、肉のカーテンを維持出来ませんねぇ」

キン肉マン「うわああああっ!?」


ソルジャー「とあっ!」

ヒュンッ!


吉貝「キン肉マンソルジャー、キン肉マンを追って自らも飛び上がる――っ!」


ソルジャー「リングアウトが許されると思うな!」

ピタァッ…!

キン肉マン「わ、私の足の裏に両膝を!? ま、まさか!?」


  ・  ・  ・


アシュラマン「ふふ……やはり、ソルジャーは器が違う!」


  ・  ・  ・


ソルジャー「超人――稲綱落としィィ――ッ!」

ドガァァァンン!

キン肉マン「……!」

キン肉マン「……グハッ!」


吉貝「ああ――っと! キン肉マン、はやくもダウーン!」

中野「ありゃ~、これは女房を質に入れるまでもなかったか」

キン肉マン「……つ、強い……! なんて強さなんだ……!」ヨロッ


ソルジャー「どうした、キン肉マンよ」

ソルジャー「アイドルなんぞにうつつを抜かしているから、こうなるのだ!」

ソルジャー「あんなもの、何の役にも立たぬわーっ!」


キン肉マン「! いくらアタル兄さんでも、今の言葉は捨て置けないぜ!」


ソルジャー「ほう……ならば、そうでないと証明してみせろ!」

キン肉マン「うおおおおおっ!」

ガシッ! ヒュッ――


吉貝「キン肉マン、ソルジャーを抱え飛び上がり、キン肉バスターの体勢に!」


  ・  ・  ・


ザ・ニンジャ「だが……ソルジャーは微塵も冷静さを失っていない」


  ・  ・  ・


キン肉マン「キン肉――」

ソルジャー「順逆自在の術――ッ!」

ひゅんっ


吉貝「ああ――っと! キン肉マンとソルジャーの体が入れ替わったーっ!」


ソルジャー「――バスターッ!!」

ドガァァァンン!

キン肉マン「……!」

キン肉マン「……ごふあっ!」

キン肉マン「……ぐ……ううっ!」ヨロヨロッ


ソルジャー「……無理をするな、かなりのダメージを負ったはずだ」


キン肉マン「ああ、だが……さっきの言葉を取り消して貰うまで……」

キン肉マン「私は、倒れる訳にはいかないッ!」

キン肉マン「私の可愛いアイドル達は、役立たずなどではないぞーっ!」


ソルジャー「……」

ソルジャー「良いだろう! ならば、この技で楽にしてやる!」

がしいっ!

キン肉マン「!? うおおおおおっ!?」


キン肉マン「こ、この技は……!」


ソルジャー「そうだ! 一撃で周囲を焼き払う、ナパーム弾波の威力を誇る!」

ギリギリギリギリッ…!


キン肉マン「ぐあああああっ!」ビキビキッ…!


ソルジャー「その胸にXの文字を抱いて眠れい、キン肉マン!」

ソルジャー「ナパーム・ストレッチ!!」

ゴガァァァァンンンッ!


キン肉マン「……!」

…ばたっ

キン肉マン「……」

キン肉マン(だ……ダメだ……体に力が入らない……)

キン肉マン(アタル兄さん……やはり、アナタはとても強い……)

キン肉マン(思慮深く、そして、経験もある……)

キン肉マン(大王に相応しいのは兄さん、アナタなのかもしれない……)

キン肉マン(こんな……私なんぞよりも)


キン肉マン「……だが……!」

ぐ…ぐぐっ…


ソルジャー「!? もうよせ、スグル! そのまま寝ていろ!」


キン肉マン「……うぐあっ!?」

どしゃっ!


ソルジャー「私が大王になる! だから、お前は休んでいれば良いのだ!」


キン肉マン「へ……へへ……!」

キン肉マン「そんな話……すっかり忘れちまってたぜ……!」

ぐ……ぐぐっ…


ソルジャー「何っ!?」

キン肉マン「私が立ち上がるのは……ぐあっ!」

どしゃっ!

キン肉マン「大王の椅子なんかのためじゃあない……!」

ぐ……ぐぐぐっ……!


ミート「王子~~~っ! 皆を連れてきました~~~っ!」


ソルジャー「ならば……何のために立ち上がる!?」

キン肉マン「それは――」

ぐぐっ……!


CPアイドル達「がんばれ~~~っ! キン肉マ~~~ンっ!」

武内P「キン肉マンさんっ! 頑張ってください!」



キン肉マン「彼女達が――アイドルが、素晴らしいものだと証明するためだ!」



吉貝「ああ――っと! 立った! 立ち上がった! キン肉マン、立ち上がりました!」

中野「この場面で立ち上がったキン肉マンは、強いですよ~っ!」


キン肉マン「そのためならば、アタル兄さん!」

キン肉マン「いや――キン肉マンソルジャーっ! アンタを越えてみせるっ!!」


ソルジャー「……良いだろう!」

ソルジャー「来い、キン肉マンっ!!」

キン肉マン「ソルジャー……アンタの言っていた、真・友情パワー」

キン肉マン「今の私ならば、そいつがわかるぜ!」


ソルジャー「何っ?」


キン肉マン「私が先日までタッグを組んでいた相手は無口な奴でね!」

キン肉マン「だが今では、目を見れば言いたいことがわかっちまうのさ!」

キン肉マン「――そう!」

キン肉マン「例えモニター越しであったとしてもだ!」

ヒュッ!


吉貝「キン肉マン、高く、高く飛び上がった!」


  ・  ・  ・


テリーマン「……そうだ、行け」


  ・  ・  ・


キン肉マン「テキサス・コンドルキィィ――ック!」

ドガアッ!

ソルジャー「ぬおおおっ!?」


吉貝「キン肉マン、テリーマンの得意技のテキサスコンドルキックで反撃開始だーっ!」

キン肉マン「お次はこいつだ!」

ソルジャー「うおおおっ、ガードが間に合わんっ!」


  ・  ・  ・


ラーメンマン「そこだ……行け……!」


  ・  ・  ・


キン肉マン「フライング・レッグラリアート!」

ドガアアッ!

ソルジャー「ぐわああああっ!?」

ふらふらっ…


吉貝「強烈な飛び蹴りが決まった――っ! ソルジャー、たまらずよろめくーっ!」


キン肉マン「まだまだ――ッ!」

ヒュッ――


吉貝「キン肉マン、右手を手刀の様にし、体ごとソルジャーに……」

吉貝「な、なんと! あの超人のように回転しながら突っ込んでいく――ッ!」


  ・  ・  ・


ウォーズマン「行け……キン肉マン!」


  ・  ・  ・


キン肉マン「スグル版! スクリュー・ドライバァァ――ッ!」

ガリガリガリガリガリガリッ!

ソルジャー「おおお……おおおおっ!?」

キン肉マン「うおおおおっ!」

がしぃっ!


吉貝「キン肉マン、物凄い猛攻! そのままソルジャーを抱え上げる――ッ!」

中野「いやー、私も可愛い女の子たちに応援されたいものですな」


ソルジャー「ぬうっ!? こ、この体勢は!?」


吉貝「これは! キン肉マンのライバル、ロビンマスクの――」


  ・  ・  ・


ロビンマスク「行け――ッ! キン肉マン!」


  ・  ・  ・


キン肉マン「タワー・ブリッジ!!」

ガシイィィッ!

ソルジャー「ぐお……お、おああああっ!?」

ギシギシギシギシギシッ!


吉貝「ソルジャーの背骨がきしむ音が聞こえる、聞こえてきます!」

中野「しかし、このまま勝負がつくとは思えませんね~」

ソルジャー「さ……さすがだ……!」

ソルジャー「だが! その程度では私を超えることは出来んぞッ!」ボォォ!

キン肉マン「た、タワー・ブリッジのロックが外れていく……!?」


ソルジャー「業火のクソ力――ッ!!」


キン肉マン「うわあああっ!?」


吉貝「おお――っと! ソルジャー、強引にタワー・ブリッジから抜け出したーっ!」

中野「アニメ版では元祖・火事場のクソ力ですが、私はこっちの方が格好良いと思います」


キン肉マン「……はぁ……はぁ……!」

ソルジャー「……はぁ……はぁ……!」


吉貝「両者、さきほどの激しさとは一転、動きません……!」

中野「恐らく、力をためているのでしょう」


CPアイドル達「頑張れ、キン肉マ~~ン!」


キン肉マン「ふふっ……悪いな、ソルジャーよ」

ソルジャー「……何を謝る」

キン肉マン「共に王子でありながら、私の背中には彼女達がいるからさ!」

ソルジャー「……」


キン肉マン「シンデレラ達の声援がある限り、負ける気がしないぜ――ッ!」

キン肉マン「行くぜ、ソルジャ――ッ!!」

ソルジャー「来い、キン肉マ――ンッ!!」


キン肉マン「うおおおっ!」

ソルジャー「――甘いっ!」

トンッ!


吉貝「ソルジャー、キン肉マンの突進をブリッジして躱し、そのまま跳ね上げる!」

中野「あれは、キン肉族三大奥義の一つの前動作ですね」


ソルジャー「ふんっ!」

トンッ!

キン肉マン「くうううっ! なんのっ!」


キン肉マン「火事場のクソ力――ッ!!」


ソルジャー「何っ!?」

キン肉マン「とうっ!」

トンッ!


吉貝「ああ――っと! キン肉マン、空中で体勢を入れ替えた!」

吉貝「今度は逆に、キン肉マンがソルジャーを跳ね上げていく――ッ!」

ソルジャー「そうはさせんぞ!」


ソルジャー「業火のクソ力――ッ!!」


キン肉マン「な、何だって!?」

ソルジャー「そりゃあ!」

トンッ!

キン肉マン「うぐっ!?――なんのこれしきっ!」

トンッ!

ソルジャー「させるかっ! そうりゃっ!」

トンッ!

キン肉マン・ソルジャー「うおおおおおっ!」

トンッ! トンッ! トンッ! トンッ! トンッ!


吉貝「な、なんと!? お互いが、お互いをどんどん跳ね上げていきます!」


キン肉マン「火事場のクソ力――ッ!!」

ソルジャー「業火のクソ力――ッ!!」

ガシィィィィッ!!


吉貝「右脚と右脚の激突――ッ! 押し勝つのは、どっちだ――っ!!」

中野「これに勝った方が、技の体勢に入るでしょうねぇ」

中野「……やっぱり、女房を質に入れて来て、良かった」


キン肉マン・ソルジャー「うおおおおおおおおっ!!」

ソルジャー「火事場と、業火……! そして、友情パワー……!」

キン肉マン「そのぶつけ合いだけならば……勝負は違っていただろう……!」

ソルジャー「ああ……かもしれんな……!」

キン肉マン「だが……私は、彼女達と――アイドルと接してきた」

ソルジャー「……!」


キン肉マン「ある者は、私に思い出させてくれた!」

キン肉マン「また、ある者は、私に新しく教えてくれた!」

キン肉マン「そしてまた、ある者は、私に気づかせてくれた!」


ソルジャー「見せてみろ! お前の出した答えとやらを!」


キン肉マン「ああ、行くぜッ!」


CPアイドル達「キン肉マン! 頑張れ~~~ッ!」


キン肉マン「これが! 7000万パワー!」


キン肉マン「――プラスッ! 笑顔の力ッ!」



キン肉マン「パワーオブスマイル! マッスル・スパークッ!!」

天!


ソルジャー「……!」

ソルジャー「ぐぶふぉっ!?」

ソルジャー「す……スグルよ……!」

ソルジャー「やはり……お前は大王に相応しい……!」

キン肉マン「あ、アタル兄さん……!? ま、まさかわざと……!?」

ソルジャー「勘違いをするな……!」

ソルジャー「お前が腑抜けたままだったら、話は違っていた……!」

キン肉マン「アタル兄さん……!」


ソルジャー「やれい、スグル! 私を今こそ超えるのだ――ッ!!」


キン肉マン「……ああ、わかった! 私は、偉大なアナタを越える!」

キン肉マン「そしてこれが……偉大な兄であるアナタに教わった、その一つ!」


キン肉マン「マッスル・スパークの、総仕上げじゃーい!!」

地!


ソルジャー「……」

キン肉マン「……」

ソルジャー「」


――カンカンカンカンカンカンカン!

吉貝「ここで……決着のゴングです……!」


キン肉マン「アタル兄さん……!」

ソルジャー「スグルよ……強くなったな……」

キン肉マン「それも、アナタや、数々の友、そして――」


CPアイドル達「キン肉マ~ン!」


キン肉マン「――彼女達が、居てくれたからです」

ソルジャー「ふ……私も、アイドルと接してみるか……」

キン肉マン「そいつぁ良い! アタル兄さんなら、きっと素晴らしいプロデュースが出来る!」

ソルジャー「……ははは! そう褒めてくれるな」


キン肉マン「――プロデューサーも、そう思うだろう?」


武内P「はい。今のキン肉マンさんを見れば」


キン肉マン「今の私?」


武内P「私は、強敵に打ち勝った時の笑顔が素晴らしいと、そう、思っていました」

武内P「ですが……その考えは、少し、間違っていたようです」

武内P「キン肉マンさんの笑顔は、勝利によるものではなく――」

武内P「仲間と共に、困難を乗り越えた時のものだったのですね」


キン肉マン「はっはっは!」


キン肉マン「今頃気づいたのかい、プロデューサー?」


https://www.youtube.com/watch?v=UTSEe0NiWSs



おわり

寝ます
おやすみなさい

眠いのと熱血さましで今日は寝ます、申し訳ない
クロスは続けるともたれるのでしばしやめておきます
おやすみなさい


「……パーパ」


 シンデレラプロジェクト冬の合宿の、夜。
 時刻は、おそらく深夜のニ時を過ぎたあたりだろうか。
 私は、不意に聞こえたつぶやきで目を覚ました。


「……」


 ゆっくりと、声のした方へと顔を向ける。
 すると、そこにあったのは、銀色の髪の、美しい少女の寝顔。
 シンデレラプロジェクトのメンバー、アナスタシアさんが幸せそうな顔で眠っていた。


「……すぅ……すぅ」


 先程の、「パーパ」というのは寝言だったのだろう。
 彼女は、私の左腕を枕にし、その白い頬を胸元にすり寄せている。
 普段のアナスタシアさんからは想像できない、なんともあどけない姿。


「……」


 このまま、アナスタシアさんの、可愛らしい姿を見続けていたい。
 そんな衝動に駆られたものの、すぐにその思いを切り捨てる。
 彼女は、アイドルで、私はプロデューサー。
 そして、それ以前に、成人男性と、未成年の少女なのだ。
 この様な状況は、あってはならない。



「――待って」



 アナスタシアさんに声をかけようと口を開いた私に、彼女とは反対側から声がかかる。
 機先を制される形となった私は、声をだすことなく、その出処へ目を向けた。


「このまま、寝かせてあげて」


 声の主は、同じくシンデレラプロジェクトのメンバー、渋谷凛さん。
 私の右腕を枕にし、右の人差し指を口元にやり、シィ、とこちらに指示してくる。


「渋谷さん……」


 何故、あなたがそこで寝ているのですか?


「アーニャ、ちょっとホームシックみたいなの」


 ホームシック。
 その言葉を聞き、少し驚いた。
 普段の彼女からは、そんな様子は微塵も伺えなかったからだ。
 いつも明るく、穏やかで、白い妖精のような存在。
 それが、私がアナスタシアさんに抱いていたイメージだ。


「ロシアから北海道へ行って、そして、今度は両親からも離れて、さ」


 確かに、彼女はあまり日本語が得意だとは言えない。
 意思の疎通が出来ないという事は無いのだが、少し難儀している場面も多々ある。
 恐らく、それが積み重なってホームシックという形になったのだろう。


「それに、最近は二つのプロジェクトを掛け持ちして、忙しいから……」


 渋谷さんと、アナスタシアさんは、二つのプロジェクトを兼任している。
 シンデレラプロジェクトと、プロジェクトクローネ。
 二つのプロジェクトを掛け持ちしつつ、学校へ通い、レッスンも受ける。
 私には想像もできない程の、彼女達しか知り得ない苦労もあるのだろう。
 そういった面でのケアが出来ていたか、あまり、自信が無い。


「だから、さ。寝ぼけて布団に入るくらい、許してあげてよ」


 渋谷さんは、夜中、フラフラと起き上がったアナスタシアさんが私の部屋に入るのを見たそうだ。
 そして、夢遊病のような足取りで、私の布団に潜り込み、今の体勢になった、と。
 そう、教えてくれた。


「……なるほど、そういう事でしたか」


 眠る、アナスタシアさんの顔を見つめる。
 この穏やかな寝顔は、私の胸に顔を預け、安心しきっているからなのだろうか。
 先程の寝言から察するに、私を父親と勘違いしているのかもしれない。
 そう考えると、こんな大きな娘はまだ……と、思う気持ちと、
頑張る我が子を見守る父親のような気持ちの二つが溢れてくる。


「……ん」


 アナスタシアさんを起こさないよう左腕を曲げ、頬にかかる髪を優しくどかす。
 すると、少し眉間に寄っていた皺がなくなり、より一層、穏やかな寝顔になった。


「……さて」


 渋谷さん? それで、貴女がそこで寝ている理由は?


「……私も、ちょっとホームシック」


 合宿初日です。


「それに、私もかけもちで忙しいしさ」


 そうかも知れませんが理由になりません。


「だから、私ももう寝るね」


 いけません、起きて下さい。


「大声を出したら、アーニャがビックリしちゃうから静かにして」


 優しく起こせば良いだけなのでは?


「……すぅ……すぅ」


 寝ないで下さい、頬をすり寄せてこないで下さい渋谷さん。


「う~んむにゃむにゃ」


 う~んむにゃむにゃ!?


「……」


 渋谷さんは、どうやらこのまま全てを有耶無耶にし、ここで寝るつもりらしい。
 私の胸に頬をすり寄せ、脚を絡めてくる彼女は、普段の姿とはまるで違う。
 その幸せそうな、良い、笑顔。


「渋谷さん」


 私は、今からそれを破壊しようと、そう、思います。


「起きて下さい」


 アナスタシアさんは、無意識の内に行ってしまった事……まだ、許せる。
 しかし、渋谷さんは明らかな確信犯なのだ。
 アイドルとプロデューサー。
 男と女以前に、大人と子供……子供を叱るのは、大人の役目だ。


「~~~っ!?」


 私は、右腕を曲げて渋谷さんの頭を鷲掴みにし、その掌に力を込めた。


「あっ……こ……かっ……!?」


 渋谷さんは、スタイルも良く、小顔だ。
 その小さな頭は、私の人よりも大きい掌に収まる。
 故に、かなり力の入れにくい今の状態であっても、相当な圧力を加える事が出来る。


「起きて、自分の布団に戻りましょう」


 小声で、優しく語りかける。


「こっ……ここで……寝る、おひぃっ……から……!」


 なんという意思の強さだろう。
 彼女の名の如く、凛としたその眼差しには、絶対に此処に居続けるという想いが見て取れる。
 痛みに耐え、涙の浮かぶその目で、私を真っすぐに見つめてくる。


「お願いします」


 なので、もっと力を込めようと、そう、思います。


「あっ……~~~っ、こぽ、ぽ、ぽっ……!」


 しかし、渋谷さんは自分を曲げない。
 目を限界まで見開き、歯をギリギリと食いしばり、耐えている。
 ヒフヒフと流れそうになる鼻水をすすり、ああ、涎は垂れてしまいましたね。


「~~~っ!~~~っ!」


 だが、それでも渋谷さんは声を荒らげない。
 アナスタシアさんが起きてしまったら、すぐにでも一緒に部屋を追い出されるとわかっているからだ。
 衝撃も伝わらないよう、膝をくの字に曲げては伸ばし、もがいている。
 およそアイドルとはかけ離れた、今の渋谷さんの姿。


「……渋谷さん」


 その渋谷さんの頑張りに、私は、不覚にも感動してしまった。
 掌から力を抜き、彼女の頭を圧力から開放する。
 すると、渋谷さんは緊張しきっていた全身から、一気に力を抜き、


「よく、頑張りましたね」


 安堵の顔とともに、気絶した。


 ――ので、あとはアナスタシアさんを優しく起こすだけ、ですね。


「……」


 渋谷さんは、完全に気を失っている。
 そうでなければ、白目をむき、涎と鼻水を垂らした顔を私に見せはしないだろう。
 アナスタシアさんを起こしたら、彼女の顔も綺麗にしなくては。
 そう、思いながら、渋谷さんから目を離し、
アナスタシアさんの方へ顔を向けようとしたが――


「……」
「……」


 ――天井で蠢く、何かと目が合った。


「……」
「……」


 その何かは、一糸まとわぬ姿で、美しい裸身を惜しげもなく晒している。
 冬の冷たい澄んだ空気は、月光を遮る事はない。
 月の光に照らされた姿は、まるで女神のようだ。
 天井に、忍者のように張り付いていなければ、だが。


「……」


 天井に張り付く物体は観念したのか、目を閉じ、言った。



「う~んむにゃむにゃ」



 う~んむにゃむにゃ!?
 待ってください!
 寝相で片付けようとするのは、あまりに強引すぎます!


「あの――」


 天井に張り付いている物体に声をかけようとした瞬間、月の光が消えた。
 ほんの一瞬、雲で月が隠れてしまったのだろう。
 だが、その瞬きするしか出来ない程の時間で、


「いない……!?」


 彼女は、闇に紛れた。


「っ……!?」


 どこだ……どこへ消えた!?
 姿の見えない相手から襲われる。
 これほどの恐怖が、あるだろうか。


「……!」


 首を起こし、周囲を見渡してみても特に変わった様子は無い。
 ……いや、ある、見つけた。
 布団の足元に、伏せている状態の、一人分の人影が。
 恐らく、彼女は気づかれないように布団の足元から入り込もうとしている。
 そして、本能の赴くままにしっちゃかめっちゃかする気なのだろう。


「……」


 だが、そうはさせない。
 両腕が塞がっているが、両脚は自由がきく。
 布団に入り込んできた瞬間、両の脚だけで三角絞めをし、一瞬で落とす。
 申し訳ありません、少し、手荒な形になってしまい――



「チャラランチャララン♪ チャララン♪ チャララン♪」



 ――えっ?
 何故……耳元から……『Memories』の前奏を口ずさむ声が!?
 ならば、あの足元の人影は――……身代わり!
 いつの間に、渋谷さんと入れ替わったのですか!?


「チャラリンララン♪」


 反対側からも!?


「「チャラリンララン♪」」


 ……成る程、はじめから渋谷さんは囮だったと、そういう事ですか。
 私を挟んで、寝転がりながら情熱的に『Memories』を踊る二人。
 そんな彼女達の今の表情は、きっと、とても艶のあるものなのだろう。


「自分の布団に戻りましょう」


 私は、今からそれを破壊しようと、そう、思います。


 両腕を曲げて、二人の頭を鷲掴みにし、その掌に力を込めた。
 合宿中は眠れない夜が続きそうだと、怒りと悲しみを込めて。


おわり

明日はミュージカルに合宿二日目の夜を書きます
寝ます
おやすみなさい


「……」


 シンデレラプロジェクト冬の合宿二日目の、夜。
 もうすぐ日付が変わろうとしている真夜中。
 私は、眠気と戦っていた。


「……」


 今夜の襲撃者は誰だろうか。
 話せばわかってくれる相手ならば、それで良い。
 もしそうでない場合は、強引な手段を取らざるをえない。
 それは、心が荒む行為であるため、可能な限り避けたい所ではある。


「……」


 嗚呼、なのに……私の部屋の前に、人の気配を感じる。
 声もかけず、ノックもしない。
 これは、明らかな夜襲だろう。
 今夜、私を困らせてくる相手は、一体誰なのだろうか。



「――one,two,kiss,kiss♪」



 ……そう、でしたね。
 三日目からは、プロジェクトクローネも合流する予定でした。
 そして、貴女は「せっかくだから」と、
前日の今日から前入りをしていたのを思い出しました。


「ねえ、見て」


 二日目だからシンデレラプロジェクトのメンバーは疲労も蓄積している。
 なので、今日の戦いは初日よりは楽だろうと考えていたが、甘かったようだ。


「ほら、綺麗な月だね」


 布団に寝そべったまま、首を傾けて窓の外を見る。
 窓の外では、丸い月が美しく輝いていた。


「そう、今、から、関係なくなる」


 とても情熱的に歌っているが、部屋の電気を点けてしまおうか。
 衣擦れの音と、トタトタという足踏みの音から察するに、
彼女はテンションが上がりきってステップも踏んでいるようだが。


「鳴り出した予感のベル」


 だが、そんな事をしたら彼女は立ち直れない傷を負ってしまうかもしれない。
 私は暗い部屋に居続けたので、
暗い部屋の中でも月明かりを頼りに彼女の今の行動がほとんど丸見えなのだ。


「降りたい、この環状線」


 ノリノリ。
 そう、彼女はノリノリで『Hotel Moonside』を歌い、踊っている。


「アリバイを三度ペンで~な・ぞ・れ・ば♪」


 アリバイも何もない、完全な現行犯。
 何故、彼女がここまで盛り上がってしまっているのか、私にはわからない。
 恐らく、シンデレラプロジェクトのメンバー達に何か言われたのだろうが……。


「静まってく大都会」


 田舎特有の大きな虫の鳴き声は、冬の今は聞こえない。
 なので、彼女の歌声が、ハッキリと聞こえる。


「と、特別な……よ、夜のサイン」


 彼女は……今日を特別な夜にしようと言うのか。
 申し訳ありませんが、貴女のその想いには、応えられません。


「明日にな~らない――」


 立ち上がり、部屋の電気を点ける。


「――場所ま……で……いこ、うよ」


「……」
「……」


 左手を胸の前に構え、右手を突き出してこちらを指差している。
 『Hotel Moonside』の振り付けの通りなのだが、その指はまっすぐに私を指していた。
 貴女は、これからどうするのでしょうか。
 歌と踊りを続けるのか、はたまた、何事も無かったかのように部屋を出て行くのか。


「……」


 どちらを選んだとしても、見守ろうと、そう、思います。


「……いつから?」


 彼女は、微動だにせず、ポツリと問いかけてきた。
 これは、恐らくどの時点から彼女の奇行を見ていたのか、という質問だろう。
 中途半端な慰めは不要。
 彼女の目が、そう告げていた。


「申し訳ありません。最初から、見えていました」


 こちらとしても、気にせずそのまま迫られても非常に困る。
 なので、立ち直れはするが、膝にくる程度の傷は負っていただきます。


「そう……なら、見ていたお代は、キスで貰えるかしら?」


 年齢にそぐわない艶のある笑み。
 彼女は、こんな状況にも関わらず、なんと余裕のある態度が取れるのだろう。
 しかし、寝不足なので、少々その態度は腹が立ちます。


「……」


 私は、両手で手拍子をうった。
 パンパンと、軽快な音が響き渡る。


「君が、もしその手を~離したら~すぐにいなくなるから~♪」


 手拍子に合わせ、歌う。
 彼女とは似ても似つかない、低い声ではあるが。


「手錠の鍵を探して」


 手拍子をしつつ、歌う。


「っ……!」


 彼女は、みるみる顔を赤くし、膝をガクガクと震わせている。
 全て見られていた、という羞恥が彼女の中で暴風の様に荒れ狂っているのだろう。


「捕まえて~」


 彼女は、耐えきれるのだろうか。


「っ……!……!」


 ……いや――


「one,two――「もう……許して……!」


 ――耐えきれる、はずがない。
 両手で顔を覆い、その場にしゃがみこんでしまった。
 カウントスリーは必要のない、テクニカルノックアウト。
 手で隠しきれない耳は、赤く染まっている。


「部屋に、戻って頂けますか?」


 これ以上、彼女を辱める必要は無いだろう。
 おとなしく部屋に戻ってくれさえすれば、私は満足するのだから。
 お願いします、私を寝かせて下さい。



「……ふふっ、キスしてくれたら、お願いを聞いてあげようかしら」



 ふてぶてしい!
 この期に及んで、貴女は、まだそんな事を言っているのですか!?
 先程の恥ずかしさから立ち直れず、まだ顔を手で隠しているというのに!


「……」


 彼女は、チラチラと手の平の隙間からこちらの様子を伺っている。
 私がどのような反応をしているのか気になるのだろう。
 しかし、わかりました。
 あくまでも貴女がそのような態度を取るのならば、こちらも考えがあります。


「……?」


 私の空気が変わった事を察したのか、彼女は顔を隠すのをやめた。
 重なり合う、視線。
 そして、


「Wow Wow~♪  Yeah~♪」


 私は、高らかに歌いだした。
 驚きで見開かれている目。
 たまには、こういう目で見られるのも悪くないと、そう、思います。


「ピュアなそのハート」


 貴女は、その言動の割には、かなり純真な心の持ち主だと思っています。
 今も、貴女の前にしゃがみこんだ私と顔が近づき、ピクリと肩が震えていましたから。


「もしかしてドキドキしてる?」


 普段の貴女ならば、この程度で動揺することは無い、と思います。
 ですが、この様な特殊な状況では無理も無いでしょう。


「ときめきのスパイス、効かせすぎかな」


 貴女達のような、キラキラした笑顔は私には出来ません。
 ですが、口の端を釣り上げる程度の不器用な笑顔なら、出来ます。
 潤んだ瞳で見上げてくる彼女の鼻をチョンと指でつつく。


「ストップ、本気はマズい」


 私は、プロデューサー。
 そして、貴女はアイドルなのだから。


「だから、良い子でいようね」

  ・  ・  ・

「ねえ、良い子にしてたらご褒美は貰えるのかしら?」


 翌朝から、彼女はそんな事を聞いてくるようになった。
 期待を込めた眼差しを向けられても、私はそれに応えられない。
 右手を首筋にやり、申し訳ありません、と、それだけ返す。


「それなら……合宿が終わったら、映画でも一緒にどう?」


 と、彼女は諦めずに私を誘ってくる。
 その立ち振舞は、17歳の少女のものとは思えない。
 だが、やはり、彼女はまだ子供なのだ。
 再度、申し訳ありません、と、そう返す。


「……もう、つれない人ね」


 そう言って口を尖らせるその表情は、年齢相応のものに見えた。
 普段の大人びた彼女の色気ある姿も魅力的だが、今の拗ねている顔も可愛らしい。
 これから、彼女はどんどん大人になっていくのだろう。
 だからこそ、今の彼女の持つ魅力も、忘れてはならない。


「大人のマネは、まだ少し――」


 小声で、他のメンバーには聞こえない様、


「――早すぎるでしょ」


 彼女だけに聞かせるため、歌った。
 それを聞いた彼女は……良い、笑顔だった。



 この時の私は、知る由もなかった。
 合宿最終日の今日、サプライズで事務所の大人組がこちらに向かっている事を。
 夕食後、絶対参加の大宴会が予定されているという、悲しい現実を。



おわり

武内くんの歌声エロいですよね
寝ます
おやすみなさい

市原仁奈「マンモスの気持ちになるでごぜーます!」
市原仁奈「マンモスの気持ちになるでごぜーます!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1519617184/)


我慢出来ずにまた肉書きました
寝ます
おやすみなさい

書きます


武内P「昔の私、ですか?」

未央「うん、なんだかちょっと気になって」

武内P「そう、言われましても……」

卯月「噂によると、今よりもちょっぴり強引だった、とか……」

武内P「そう、ですね……そうかもしれません」

凛「プロデューサーが強引だなんて、想像出来ないよね」

未央・卯月「うんうん」

武内P「はぁ……」

未央「ねえ、ちょ~っとだけ昔の感じ出してみてくれない?」

武内P「えっ?」

卯月「あっ、私も同じこと考えてました!」

武内P「ですが……」

凛「その位良いんじゃない。減るものじゃないんだし」

武内P「……」

武内P「……わかりました、努力してみます」

武内P「……」

未央・卯月・凛「……」

武内P「……」

未央「……あの、プロデューサー?」

武内P「? はい、何でしょうか?」

卯月「強引な感じは……まだですか?」

武内P「そう言われましても……何も強引にする状況では無いので……」

凛「確かにそうだよね」

武内P「……申し訳、ありません」

ガチャッ

ちひろ「おはようございます」


未央・卯月・凛「おはようございます」

武内P「おはようございます、千川さん」

ちひろ「プロデューサーさん、ちょっとお話が」

武内P「? はい、何でしょうか?」

ちひろ「昨日、またサービス残業してましたね?」


武内P「はい。何か、問題でもありますか?」


ちひろ「……えっ?」


未央「強引……」

卯月「と、いうか……」

凛「……開き直り?」

武内P「私がサービス残業をするのに、何の問題が?」

ちひろ「もっ、問題あるに決まってるじゃないですか!」

武内P「いいえ。むしろ、サービス残業をしない方が問題です」

ちひろ「どうしてですか!」

武内P「千川さんと退勤時間が重なってしまったら――」

ドンッ!

ちひろ「っ!?」


未央・卯月・凛「壁ドン!?」


武内P「――もっと、貴女を困らせてしまうかもしれませんから」

ちひろ「……!?///」


未央・卯月・凛「強引!///強引!///」

武内P「だから、サービス残業を許して頂けますか?」

ちひろ「あ、あの……顔が近……///」

武内P「千川さん、私は貴女を困らせたくないのです」

ちひろ「あ……う……///」

武内P「サービス残業しても、構いませんね?」

ちひろ「わ……わかりました!///わかりましたからっ!///」

武内P「……ありがとう、ございます」

ちひろ「わっ、私……ちょっと用を思い出しました!///」

ちひろ「しっししっ、失礼します!///」


ガチャッ! バタンッ!


武内P「――と、このような感じです」


未央・卯月・凛「なんだそれ!」

未央「何今の!? あれが強引!?」

武内P「はい。サービス残業する権利を勝ち取りました」

卯月「あんなのずるいです!」

武内P「強引さとは、時にずるく感じてしまうものだと、そう、思います」

凛「昔はずっとあんな感じだったの!?」

武内P「はい……そうですね」

未央・卯月・凛「……!?」

未央「もしかして……欠員が出た、ってさ」

卯月「アレのせい……ですよね、絶対」

武内P「……嫌がれて、しまっていたのでしょうね」


武内P「プロジェクトを離れると言う時、三人共、泣いていましたから……」

武内P「……本当は、離れたくない」

武内P「けれど……一緒に居たら、きっと駄目になってしまう、と」

武内P「潤んだ瞳で……そう、仰っていました」


未央・卯月「……」


凛「――ふーん。まあ、私は少し強引でも良いと思うけど?」ソワソワ


未央・卯月「!?」

未央「落ち着いてしぶりん! あれはまずいって!」

凛「どこが? 全然普通じゃない?」ワクワク

卯月「アレがツボだったんですか!? そうなんですね!?」

凛「ツボって……卯月、何言ってるの?」チラチラ

武内P「渋谷さん……」

凛「私は、プロデューサーは悪くないと思う」モジモジ

武内P「……ありがとう、ございます」

凛「だから、これからはさっきみたいで良いと思うな」ドキドキ


武内P「いえ、やはり……強引なのは、よくありません」


凛「……」

凛「ふーん」

武内P「もう……同じ様な失敗は、したくありませんので」

凛「プロデューサー、私達の事信用してないんだ」

武内P「いっ、いえ! そういうわけでは……!」

凛「そういう事でしょ。違うなら、試しに強引さを出してみてよ」

武内P「ですが……!?」

凛「出来ないんだ? そうだよね、信用出来ないから」

武内P「……」


武内P「……わかりました、では、少しだけ試しに」


凛「……」ニヤァッ


未央「うんわ~……悪い笑顔だあれ」

卯月「凛ちゃん……とってもギラギラしてます」

武内P「それでは……」

クイッ!


未央「いきなり顎クイ!?」


武内P「確かに、強引さも時には必要です」


未央「顔近い!///見てるこっちが恥ずかしい!///」


武内P「ですが……私は、貴女達に対しては不要と思うのです」

武内P「どう、思いますか?」

卯月「あっ、あわっ、わ、私は……///」

武内P「島村さん」


凛「待って」

武内P「渋谷さん? あの、何か?」

卯月「私は……ご、強引なのも、その……///」モジモジ


凛「そうじゃなくて。ねえ、違うでしょ?」


武内P「違う?」

クイッ!

卯月「あっ///も、もう駄目……///」スッ…


凛「流れ的に、そうじゃない。違うから」

未央「しまむー、目を閉じて完全にやられてるよ」


武内P「申し訳ありません。違うとは、具体的に何がでしょうか?」

パッ

卯月「あっ……!」

卯月「……」ションボリ

凛「今、卯月に強引に行く流れじゃなかったよね?」

武内P「ですが……この場での最年長ですし……」

凛「二つ。二つしか違わないから、誤差だから」

武内P「……しかし、現に島村さんは――」


卯月「……」ションボリ


武内P「私が強引に質問したせいで、あんなに落ち込んでいます」

凛「あれは……」


未央「オーケーしまむー! 頑張った! 頑張ったよー!」

卯月「……島村卯月、頑張りました」ションボリ


凛「まぐれ! まぐれだから!」

武内P「まぐれ!?」

凛「だから、もう一回」

武内P「ですが……」

凛「そんなに、私たちが信用できない?」

凛「それとも、たった一回のまぐれで駄目なの?」

武内P「あの、渋谷さん……その、まぐれというのは……」

凛「逃げないでよ! アンタ、プロデューサーでしょ!?」

武内P「っ!?」


武内P「……わかりました、では、もう一度だけ」


凛「……」ニヤァッ


未央「……しぶりんや、人はそれを強引と言うのだよ」

卯月「凛ちゃん……凄いです」ションボリ

武内P「それでは……」

凛「待って」

凛「未央……ちょっと、部屋の隅まで行ってて」

未央「それはちょっと扱いが悪すぎない!?」

凛「お願い……私たち、友達でしょ」

未央「……まあ、良いけどさ。だけど、その代わり――」


未央「――しぶりん! 負けないでよね!」グッ!


凛「――うん、わかってる」グッ!


武内P「……」

武内P「それでは……」

クイッ!


未央「……おー、再度顎クイ」


武内P「貴女が、今どんな思いで居るのか、私にはわかりません」


未央「チカイヨー、カオチカクテコマルヨー」


武内P「ですが……私は、貴女の笑顔のためならば、何でもします」

武内P「私に……何か、出来る事はありますか?」

卯月「な、何でもって……そんな……///」

武内P「島村さん」


凛「待って」

武内P「渋谷さん? あの、何か?」

卯月「そ、それじゃあ……魔法をかけてください……///」スッ…


凛「プロデューサー? バカにしてるの? プロデューサー?」

未央「しぶりん、怒りで五・七・五のリズムになってるよ」


武内P「待ってください!」

クイッ!

卯月「お姫様になれる、魔法を……///」ンーッ

武内P「そんな事は、決して!」

パッ!

卯月「あっ……!」

卯月「……」ションボリ

  ・  ・  ・

ちひろ「……すーっ……はーっ」

ちひろ「――よし!」


ガチャッ


ちひろ「……ただいま、戻りました」


凛「どうして強引じゃ駄目なの!? ねえ、答えてよ!」

武内P「あのっ、襟を! 襟を掴まないでください!」

ガクガクッ!


ちひろ「あの……一体、どんな状況ですか……!?」


武内P「助けてください! 千川さん!」

凛「プロデューサーが、私には強引に来ないの! おかしいでしょ!」

ガクガクッ!

凛「ねえ、ちひろさんも、ちょっと強引でも良いと思うよね?」

ちひろ「えっ!? え、ええと……私は……」

凛「さっきのプロデューサーと、普段のプロデューサー」

凛「どっちが良いか、正直に教えてくれない?」

ちひろ「……」


ちひろ「私は――」

武内P「千川さん」

ドンッ!

ちひろ「や……やだ……顔が///」

武内P「強引なのは良くないと、そう、渋谷さんに仰って下さい」

ちひろ「わ、わかりました……言います……言いますから……っ///」


凛「……」

武内P「では、お願いします」

ちひろ「……すーっ……はーっ」

ちひろ「……はい」

ちひろ「凛ちゃん、強引なのはよくありませんよ!」


凛「ふざけないでよ!」


武内P「っ!? 渋谷さん……!?」

凛「なんでそこで驚くの!?」

グイッ!

武内P「う、あっ!? ネクタイを離しっ……渋谷さんっ…・…!」

凛「どうして私だけ!?」

武内P「顔が……顔が近いです、渋谷さん……!」

凛「私にも強引に接してよ!」

武内P「し、渋谷さん……?」

凛「アンタ、私のプロデューサーでしょ!?」

武内P「っ!」

武内P「……わかりました。貴女が、そこまで仰るのでしたら」

凛「……本当に?」

武内P「はい。渋谷さんの思いに関係なく、強引に」

凛「そ……そう……ふ、ふーん?」

凛「そ、それで? どう、強引に接するつもりなの?」


武内P「昔の私でなく、今の私を強引にでも貫き通します」



おわり

寝ます
おやすみなさい

書きます


武内P「プリキュアを辞めたい……!?」

武内P「何故ですか、皆さん……!?」

武内P「皆さんがプリキュアを辞めてしまっては、世界から……笑顔が!」

武内P「お願いします! どうか考え直してください!」


早苗「……」

瑞樹「……」

楓「……」


武内P「お願いします、どうか!」

早苗「あのね、これは前から思ってたんだけど」

武内P「! 以前から、辞めたいと思っていたのですか!?」

瑞樹「むしろ、始めたいと思わなかったわ」

武内P「!? 何故!? どうしてですか、皆さん!?」

楓「お酒、追加で頼んでも良いですか?」

武内P「待ってください! 完全に飲み過ぎです!」


武内P「皆さん、どうしてなのですか!?」


早苗・瑞樹・楓「……」

早苗「ねえ、この面子を見てわからない?」

武内P「わかりません……私には、何がなんだか……!」

瑞樹「本当にわからないの?」

武内P「はい……まるで、見当がつきません……!」

楓「オツマミは、チーズ餅にしようと思います」

武内P「待ってください! つくね串も一緒にお願いします!」


武内P「教えてください! 何故、プリキュアを辞めたいと思うのかを!」


早苗・瑞樹・楓「……」

早苗「正直ね、キツいのよ」

武内P「それは……確かにそうかも知れません……!」

瑞樹「肉体的というか、精神的に、ね」

武内P「確かに、過酷な戦いかも知れません……!」

楓「ビールの追加はしますか?」

武内P「お願いします!」


武内P「お願いします! 貴女達しか、居ないのです!」


早苗・瑞樹・楓「……」

早苗「別に、笑顔のために戦うのが嫌じゃないの」

武内P「ならば……何故ですか!?」

瑞樹「変身するのがきついわ」

武内P「しかし……変身しなければ、戦えません!」

楓「それじゃあ、カンパーイ♪」

武内P「カンパーイ!」

早苗・瑞樹「……乾杯」


武内P「お願いします! プリキュアを続けて下さい!」


早苗・瑞樹・楓「……」

早苗「ねえ、なんでプリキュアなの?」

武内P「プリティーで、キュアキュアだからです!」

瑞樹「わからないわ」

武内P「ですが、皆さんは愛の戦士、プリキュアの資格があります!」

楓「はぁ……おいし♪」

武内P「良い、笑顔です」


武内P「皆さんにしか、出来ない事なのです!」


早苗・瑞樹・楓「……」

早苗「ねえ、ぶっちゃけ変身後のあたし達を見てどう思う?」

武内P「とても頼もしいと、そう、思います?」

瑞樹「……プリティー?」

武内P「はい。そして、キュアキュアです」

楓「貴方も、お猪口でちょこっと、いかがですか?」

武内P「では、ビールが飲み終わった後、いただこうと思います」


武内P「皆さんしか、プリキュアはいません!」


早苗・瑞樹・楓「……」

早苗「――笑顔じゃないと、タイホしちゃうわよ!」

早苗「キュア・セクシー!」ビシッ!

武内P「とても可愛らしく、そして、セクシーだと思います」


楓「――笑顔で一緒に、辛口一献」

楓「キュア・ヨイドレ!」ビシッ!

武内P「飲み過ぎには注意して欲しいと、そう、思います」


瑞樹「――ここからは、私が笑顔でお届けしまーす!」


瑞樹「キュア・ワカルワ!」ビシッ!


武内P「っぶふっ! わかります!」


瑞樹「わかるかー!」

瑞樹「キュア・ワカルワって何!?」

武内P「それは、っぷふ、プリキュアならば、名前が!」

瑞樹「君、それ笑うの我慢出来てないからね!?」

早苗「瑞樹ちゃん、気持ちはわかるわ! ぷっ……落ち着いて!」

瑞樹「早苗ちゃん!? 今、笑った!?」

楓「瑞樹さん。私、キュア・ワカルワ、素敵だと思います」

瑞樹「うん、楓ちゃんはちょっと黙ってて」


瑞樹「私、この名前に耐えれないわ!」


瑞樹「変えてくれなきゃ、プリキュアを辞めるから!」


武内P「っ!?」

早苗「……ん?」

武内P「で、では……どんな名前にしたいと?」

瑞樹「! 変えても良いの!?」

早苗「待って。瑞樹ちゃん、待って」

武内P「……はい、それで、プリキュアを続けてくださるなら」

瑞樹「それじゃあ……えっと、笑顔を届けるから~、ふふっ!」

早苗「もしかして、名前に不満があっただけなの!?」


瑞樹「キュア・デリバリーにするわ!」


早苗「冷静になって瑞樹ちゃん! もの凄くいかがわしいから!」

武内P「キュア・セクシーの相棒感が、とても良く出ていると思います」

早苗「出ちゃ駄目な相棒感でしょ!」

楓「……」スッ

武内P「高垣さん? どうか、されましたか?」

楓「私も、お名前を変えても良いでしょうか?」

武内P「高垣さんも、キュア・ヨイドレという名前に不満が……!?」

楓「いえ、そうではないんです。ただ……」チラッ

早苗・瑞樹「?」

楓「私も、一緒に歩んでいきたいんです」

武内P「統一感……ですか」

楓「はい。なんだか、私だけ仲間はずれみたいで、寂しくなっちゃって」

早苗「楓ちゃん……」

瑞樹「……わかるわ」


早苗「……って、いやいやいや! 流されないわよ!?」

  ・  ・  ・

ガチャッ!


菜々「お、遅れてすみません~! お疲れ様ですー!」


武内P「安部さん、お疲れ様です」

瑞樹「あら、菜々ちゃん♪」

楓「予約してた人数が、よーやく揃いましたね♪」

菜々「お、おおっ!? なんだか、皆さんご機嫌ですね?」

瑞樹「実はね! 私、プリキュアの名前が変わったの!」

菜々「おおっ! 前から、変えたいって言ってましたからね~!」

楓「ふふっ♪ 実は、私もそれに合わせて変えたんです♪」

菜々「そうなんですか!?」


早苗「……」

菜々「じゃ、じゃあ! ナナも変えて良いですかね!?」

武内P「安部さんも、名前に不満があったのですか……?」

菜々「……」


菜々「――キャハッ! キュートな笑顔の17歳☆」

菜々「キュア・キツイ!」ビシッ!


菜々「コレに不満が無かったとでも!?」

瑞樹「相変わらず、聞いてるこっちもきついわ」

楓「キュア・キツイも、ついでに変えましょう」

菜々「良いんですか!?」

武内P「はい、それで笑顔でプリキュアを続けてくださるなら」

菜々「続けます! ナナは、プリキュアを続けますよ!」


早苗「……」

  ・  ・  ・

武内P「――それでは、四人の掛け声を合わせてみましょう」


早苗「……笑顔じゃないと、タイホしちゃうわよ」

菜々「キャハッ! キュートな笑顔の17歳☆」

瑞樹「ここからは、私達が笑顔でお届けしまーす!」

楓「階段を登っていきたいんです。一緒に、笑顔で!」


早苗「……セクシー」

菜々「JK!」

瑞樹「デリバリー!」

楓「ヘブン♪」


菜々・瑞樹・楓「アイドル・プリキュア♪」ビシッ!

早苗「……キュア」


早苗「――どう考えても駄目でしょこれ!?」

早苗「何て言うか……やばい!」

早苗「犯罪臭がプンプンする集団になってるもの!」

菜々・瑞樹・楓「……?」

早苗「えっ!? わからない!?」

武内P「……」

早苗「ちょっと!? 何、困ったなぁ、って顔してるわけ!?」

武内P「申し訳ありません。私には、何が問題なのか……」

早苗「もう一回変え直して! でないとアウトすぎる!」

武内P「一度変更したら……もう、変更出来ないのです」

早苗「……!?」

  ・  ・  ・

武内P「……結局、全員が名前を変更する形になりましたね」

早苗「しょうがないでしょ!?」

早苗「あたしがキュア・セクシーのままだったら、タイホされそうだし!」


武内P「……それでは、口上はカットし、ショートバージョンを」

武内P「――どうぞ」


早苗「コスプレ!」

菜々「JK!」

瑞樹「デリバリー!」

楓「ヘブン♪」


早苗・菜々・瑞樹・楓「アイドル・プリキュア♪」ビシッ!


早苗「っしゃあああい! これで、なんとかセーフよね!」

早苗「ふーっ! 一時はどうなることかと思ったわ!」

菜々「でも、これで笑顔でプリキュアを続けられますね!」

瑞樹「そうだわ、新たな門出に乾杯しない?」

楓「あっ、良いですね♪ 私たち四人――」

早苗・菜々・瑞樹・楓「アイドルと、プリキュアに!」

早苗・菜々・瑞樹・楓「カンパーイ!」


武内P「……このチョロさ、やはり、貴女達しかプリキュアはいません」


早苗・菜々・瑞樹・楓「ん?」


武内P「……いえ」


武内P「良い、笑顔です」



おわり

しゅがはクッソ可愛いのでいつか書こうと思っています
寝ます
おやすみなさい

書きます



武内P「佐藤さん、貴女が5人目のプリキュアです」

心「遂にはぁとがシンデレラに☆ 来たぞコレ☆」

武内P「佐藤さん、シンデレラでなく、プリキュアです」

心「こーらっ! 佐藤じゃなく、はぁとって呼んで☆ 呼べよ☆」

武内P「佐藤さん、貴女はプリキュアに選ばれたのです」

心「あー! シンデレラに選ばれるなんて、はぁと感激☆」

武内P「佐藤さん、プリキュアです」

心「……おう」

心「ねえ、プリキュアって本当? 正気か☆」

武内P「正気です」

心「そっかー☆ 正気かー☆」

武内P「頑張ってください」

心「……まあ、皆の笑顔のためだし?」

武内P「変身後の名前の候補がありますが……」

心「キュア・はぁと? キュア・スウィーティーとかか☆」


武内P「キュア・ギリギリ、キュア・崖っぷち、どちらになさいますか?」


心「はっは、ぶっとばすぞ☆」

武内P「……申し訳ありません」

心「なんでそれが候補になるのか説明して☆ しろ☆」

武内P「まず、本家で既にあるものはNGになります」

心「おーい☆ 本家とか言うなよ☆」

武内P「そして、今後登場しそうな名前も、はい」

心「まあ……それはしょうがない感じもするけど」


武内P「なので、キュア・崖っぷちで、よろしいでしょうか?」


心「なんできっつい方を推すの?☆ 落ち着け!」

武内P「ですが……」

心「どうせならぁ、もっとスウィートなのにしろ☆ お願い!」

武内P「スウィートとは、具体的には?」

心「はぁとっぽい、しゅがしゅがな感じ☆ 頼むぜ☆」

武内P「……わかりました」

心「おおっ! 言ってみるもんだ☆」


武内P「では、キュア・血糖値でいきましょう」


心「おい、やめろ!☆ やめて!?」

武内P「では……どういった名前が?」

心「えっ? そんな急に言われても、困っちゃうぞ☆ マジで困る」


武内P「――!」


心「? お~い、急に真面目な顔してどうした?☆ ガチで怖い顔だぞ☆」

武内P「佐藤さん、早速ですが出番の様です」

心「はっ?」


武内P「笑顔を脅かす敵が、現れました!」


心「早速!? でもでもぉ、まだ名前が決まってないぞ☆」

武内P「道中、車内で考えましょう!」

心「そんな雑に!?☆ もっと大事に扱って!?☆」

  ・  ・  ・

早苗・瑞樹・菜々・楓「カンパーイ!」

心「……カンパイ」

武内P「皆さん、お疲れ様でした」

早苗「っぷはー! やっぱり、一仕事した後のビールは美味しいわ!」

瑞樹「わかるわ。とは言っても、お仕事じゃないけどね」

菜々「キャハッ! でも、どっちでも美味しいですね!」

楓「ふふっ、お酒の美味しさは、避けられませんね♪」

武内P「初めての戦いは、どうでしたか?」


武内P「キュア・ハート様」


心「その名前で呼ばないで☆ 呼ぶな☆」

武内P「佐藤さんらしさも残しつつ、一捻り加えてあるのでセーフ」

武内P「良い、ネーミングです」

心「……」


心「――そろそろスウィートな笑顔の時間かな?☆」

心「キュア・ハート様!」ビシッ!


早苗・瑞樹・菜々・楓「強そう」

武内P「北斗神拳は通じ無さそうだと、そう、思います」

心「柔破斬はくらうぞ☆ って、そういう問題じゃねえっての!☆」

武内P「っ!?」

心「驚くタイミング!? それに驚くわ☆」

早苗「えー!? でも、当たりネームじゃない?」

心「本当にそう思う?☆ 正直に言って☆」

瑞樹「思わないわ」

心「正直すぎるのも考えものだゾ☆……きくわぁ」

菜々「じゃあ、ナナとお揃いで、キュア・JCとかにしますか?」

心「ウサミン先輩! それはさすがにきっつい!」

武内P「……良い、名前だと思ったのですが」ションボリ

心「おーい? マジで言ってるの?☆」

心「……とりあえず、名前の話は後にする☆ 絶対するからな☆」

武内P「何か、戦闘で問題がありましたか?」

心「問題というか、あの途中で出てきた――」


心「プロデュース仮面って何者?☆ なんだアレ☆」


早苗「あれは、プロデュース仮面様よ! ‘様’付けしないとタイホ!」

瑞樹「ピンチになると、颯爽と現れて助けてくれるの。素敵だわ~」

菜々「ナナ、この間お姫様だっこされちゃいましたよ! 役得です!」

楓「正体がわからないけど、あの人のショータイムが楽しみですね♪」

武内P「ワタシニハ、ヨク、ワカリマセン」


心「……」

心「良いタイミングの登場だったな☆ 見てたみたいに☆」

早苗「きっと、パトロール中だったのよ!」

心「スーツ姿にPヘッド☆ だけど、見覚えがある気がするぞ☆」

瑞樹「わかるわ。もしかしたら、前世の記憶とかかも」

心「プリキュア?☆ というか、美少女戦士になってないか?☆」

菜々「仕方ないですよ! ナナ達、年代的にそっち寄りですから」

心「いや……はぁと的にも、アリっちゃアリだけど☆」

楓「何か……問題でも?」

心「はい、ここで一言」


武内P「私は、マスコットポジションなので、何とも……」


心「これが、二つ目の問題点な!☆ マスコットおかしくない!?」

早苗「いやでも、マスコットって人間に変身するし」

心「普通は、もっと若いイケメンだぞ☆ ショタでも可!☆」

瑞樹「だけど、それはちょっとまずいわ」

心「戦いの中で芽生える恋☆ あ~ん、スウィーティー♪」

菜々「だ、駄目ですよー! ナナ達、アイドルなんですから!」

心「厳つい顔すぎて、全然スウィーティーじゃないから大丈夫」

楓「でも……こう見えて、可愛い所もあるんですよ?」

心「そういうフォローは要らないぞ☆ チェンジ出来ないの?」


武内P「では……今西部長に連絡を取ってみます」


心「おっけ☆ これからもよろしくな☆」

心「それじゃ、話を最初に戻す☆ はぁとの名前の話な☆」

早苗「プロデュース仮面様、今日も決まってたわよね!」

心「戻して☆ 戻させろ?☆」

瑞樹「わかるわ。でも、少しネクタイが曲がってたような?」

心「よく見てるな☆ 見すぎだぞ☆」

菜々「はいはい! ナナ、ネクタイを直すのやりたいです!」

心「先輩☆ ご自由にどうぞ、って感じだ☆」

楓「私も、そういうのは少し、憧れます」

心「いや、はぁともしたいけどな? ☆ 聞いて?☆」


武内P「身だしなみには今後、気をつけようと思います」


心「いい加減聞け!☆ 聞いて!?☆」

武内P「しかし……良い、名前だと思うのですが」

心「変更希望だぞ☆ 絶対変える!」

早苗「キュア・あざとい!」

瑞樹「キュア・後がない!」

菜々「キュア・JC!」

楓「キュア……あっ、お酒の追加を頼んでも良いですか?」

心「ひっどい団結力だな☆ というかおい☆ 一人お酒に釣られてるぞ☆」

武内P「では……キュア・とても可愛い、ではどうでしょう?」

心「……」


心「あの……それは、さすがにきっつい」

  ・  ・  ・

武内P「……結局、全員が名前を一度は変更する形になりましたね」

武内P「……それでは、口上はカットし、ショートバージョンを」

武内P「――どうぞ」


早苗「コスプレ!」

菜々「JK!」

瑞樹「デリバリー!」

楓「ヘブン♪」

心「 ♡ 」


早苗・菜々・瑞樹・楓・心「アイドル・プリキュア♪ ♡ 」ビシッ!


武内P「これは……なんとも」

武内P「佐藤さん、本当にキュア・ ♡ でよろしかったのですか?」

心「発音は出来ないけどな ♡  でも、スウィートだろ ♡ 」

武内P「変身したら、☆が ♡ になるのですね」

心「はぁとも驚いたぞ ♡  それと、はぁとって呼べ ♡ 」

武内P「あの……あまり、話しかけないでいただけますか?」

心「なんで? ♡  おいおい、もしかして照れてる? ♡ 」

武内P「いえ……そうではなく、ですね」

心「いや~ん ♡  はぁとの魅力に、メロメロか ♡ 」


武内P「申し訳ありません、ちょっとカメラ止めてください」


心「あぁん ♡  そんなつれない事言わないで ♡ 」

  ・  ・  ・

早苗・瑞樹・菜々・心・楓「アイドルと、プリキュアに!」

早苗・瑞樹・菜々・心・楓「カンパーイ!」

武内P「良い、笑顔です」

早苗「改めて、これからよろしくね!」

心「オッス☆ はぁと、頑張っちゃうぞ☆」

菜々「キャハッ! 心強い仲間が増えましたね!」

瑞樹「この五人なら、どんな相手が来ようとも平気だわ!」

楓「ふふっ♪ 敵なし、的な感じですね」

武内P「……」

  ・  ・  ・

専務「――ご苦労だった」

武内P「専務! もう、プリキュアを増やすのはやめてください!」

専務「何故だ?」

武内P「あまりにも! 見ていて、あまりにも!」

専務「これは笑顔のためだと、君も理解しているはずだが?」

武内P「ですが……!」

専務「それとも、君が代わりにプリキュアになるかね」

武内P「次のプリキュア候補は、誰でしょうか」

専務「次は、基本に立ち返り二人でのユニットになる」

武内P「二人ユニット、ですか?」

専務「そうだ。彼女達ならば、きっと笑顔を守ってくれるだろう」

武内P「その二人とは……一体……?」


専務「高橋礼子くん、柊志乃くんの二名だ」


武内P「待ってください! 専務、んんんっ、専務!?」

専務「確かに、二人では不安のある所もあるだろう」

武内P「いえ、そういう部分に不安がるのではなく!」


専務「安心しなさい。3人目の戦士は私だ」


武内P「専務! 不安が加速しました!」

専務「本家とも、アイドル・プリキュアともまた違った方向性――」

専務「――アデージョ・プリキュア!」カッ!

専務「君はとても優秀だ」

専務「兼任になるが、マスコットキャラ……やってくれますね?」

武内P「同期の、佐久間まゆさんの担当Pが適任かと」

専務「佐久間まゆくんは私も怖い、却下します」

武内P「な、ならば! 今西部長に!」

専務「私の若い頃を知られていて気まずい、却下します」

武内P「……!?」

専務「マスコットキャラを出来るのは君しかいない」

武内P「ですが……!」

専務「君は、彼女達の個性では不満があると?」

専務「自分がマスコットをする価値が無いと、そう思っているのか?」

武内P「! そんな事はありません!」

武内P「高橋さんも、柊さんも、とても素晴らしいアイドルです!」

専務「ならば、マスコットをやるのに異論はありませんね」

武内P「……わかりました、マスコットの話、お受けいたします」


専務「……このチョロさ、やはり、君しかマスコットはいない」


武内P「えっ?」


専務「何でもない」


専務「君は、本当にマスコットキャラに向いている人間だ」



おわり


「おはようございます」


 プロダクションのエントランスホール。
 いつもの様に、出会った時は必ずする、挨拶。
 彼の目まっすぐ見て、丁寧に。


「おはよう、ございます」


 それに、彼も同じように返してくる。
 けれど、その挨拶は今までのものとは違っていた。
 誠実だけど、不器用で、無表情。
 そんな彼が、本当に薄くだけど、穏やかで……優しい笑顔をしている。


「……」


 この人のこんな顔、見たことが無いわ。
 朝からそんな、急に……ビックリさせないでください。
 思わず目を丸くしてしまった私を彼は怪訝そうに見てくる。
 私が驚いたのは、貴方のせいですよ。



「おっはよー! プロデューサー!」



 入口側、彼の背中から、とても元気な声がかけられる。
 その子には背を向けているから、見えていない。


「……」


 私に向けていたのよりも、もっと深い。
 優しく、慈しむような、笑顔が。


「……サー……きて……」


 声が聞こえる。
 その名の通り、凛と通った涼やかな声が。


「起き……プロデュ……!」


 段々と意識がハッキリとしていく。
 確か、今まで感じたことのない急激な眠気に襲われ、
事務所のソファーで横になっていたのだった。


「ん……んんっ」


 何か、問題でも起こったのだろうか。
 彼女の声の調子から察するに、恐らくはそうなのだろう。
 呑気に横になっている場合では、無い。


「起きて! プロデューサー!」


 一段と大きくなった彼女の声と同時に、瞼を開いた。


「っ!? 渋谷さん!?」


 最初に目に飛び込んできたのは、私の下半身――丁度股間の部分――の上で、
真っ直ぐに私を見てくるアイドル、渋谷凛さんの姿だった。
 プロデューサーと、アイドル。
 信頼関係が築かれてきたとは思っていたが、この距離感はいけない。
 すぐにでも、彼女から離れなくてはならない。


「いけません! 渋谷さん!」


 そう言って、ソファーに背中を預けたまま後ろに下がるが、
彼女は私の上から離れようとはしない。
 いや……離れられなかった。


「っ……!?」


 何故なら、


「理解した?」


 人形サイズの渋谷さんの上半身が、私のズボンのチャックから出ている状況だったのだから。


「あ、いえ……あの……!?」


 混乱する頭を必死に働かせて思考を巡らせるが、到底理解が及ばない。


 ――小さい渋谷さんが、私の股間から生えている。


 簡単に言ってしまえばそういう状況なのだが、意味がわからない。


「夢じゃないよ」


 とんでもない悪夢を見ている、という可能性を彼女の口から否定された。
 いや、彼女――‘コレ’――は、本当に渋谷さんなのか?
 私の、してはいけない想像の産物なのではないか?
 わからない……何も、わからない。


「――しっかりして! アンタ、私のプロデューサーでしょ!?」
「っ!?」


 私を叱咤する時の、渋谷さんの声そのままだ。
 距離が近いので、人形サイズの顔もハッキリと見える。
 彼女は、困惑する私を叱咤し、気をしっかりもたせようとしているのだ。


「本当に……渋谷さん、なのですか?」
「それ以外の、何に見える? アンタは、私の何?」


 彼女のサイズに合わせて、着ているものも縮んでいるようだ。
 私の目には、学校指定の制服を着た、本当にサイズだけが縮んだ渋谷さんが映っている。
 スカートはズボンの外に出ており、どのように股間とつながっているのかは隠されているが。
 ならば、私は、こう答える他に無い。


「私は……渋谷さん、貴女のプロデューサーです」
「……うん」


 私の返答を聞き、股間の渋谷さんは笑った。
 とても、良い笑顔で。


「一体……どうしてこんな事に……!?」


 彼女の、渋谷さんの笑顔が本当にいつも通りで、私は一層困惑した。
 股間から生えている渋谷さんが本物だとしたら、これからどうなってしまうのか。
 こうなってしまった原因は置いておくとして、元に戻るのか。


「っ……!」


 そして、私の長年連れ添ってきた相棒は、どこへ消えたのか。


「何故……!」


 私は、右手を首筋にやり、消えた相棒を想った。
 渋谷さんの上半身が股間から生えているのではなく、
私の相棒と渋谷さんの上半身が入れ替わったのだとしたら?


「っ……!?」


 女子高生の下半身を持ち、上半身がそのサイズに合わせた相棒……?
 新田さんが歩くセックスと呼ばれている所の話ではない。
 完全に、歩くチンコ。
 時に走り、つまずき、立ち上がり、踊り、踊られ、ダンサブルチンコ。


「プロデューサー……もう、私たち駄目なのかな……」


 考えを巡らせている間に、渋谷さんも元気をなくしてしまったようだ。
 ヘナヘナと、仰向けにゆっくりと倒れていく。
 心なしか、その大きさも小さく……?


「……まさか!?」


 この股間から生えている渋谷さんは、私の相棒でもあるのか!?


「なんだか、元気がなくなってきて……」


 そう、なのですね……渋谷さん……!?


「渋谷さん! きっと! きっと元に戻ります!」
「もう良いよ……このままでも……」


 呼びかけても、まるで気のない言葉しか返ってこない。
 完全に後ろに――脚の間に――倒れ込んでしまわないように、
両の太ももをピタリと合わせる。
 その窪みに、ゆっくりと股間の渋谷さんは仰向けに寝転んだ。


「うん、悪くないかな」
「良くありません! 諦めないで下さい!」
「どうして? 腰の所に、フワフワもクッションもあるし」


 ――それは、玉です!
 とは、口が裂けても言えない。
 彼女は、今は私の相棒でもあるが、アイドル、渋谷凛さんなのだ。
 年若い少女に、貴女は玉袋クッションの上で寛いでいるのです、とは言えない。
 言っては、いけない。


「……うん、さっきまで怖かったけど、今はなんだか落ち着く」


 渋谷さんはそう言っているが、彼女の協力なくして現状の打破は不可能だ。


「……」


 だから……無理にでも、元気を出して貰わなくてはならない。
 恐らくは、先程まで渋谷さんが元気だったのは、その、寝ていてアレだったからだろう。
 ならば、私の考えが正しければ……。


「……」


 目を閉じ、思考の海に沈む。
 スタミナドリンクは、必要無い。
 そう、私は――



「ふ――んっ! 寝てる場合じゃない!」



 ――まだまだ、若いのだから。


「早く、元に戻る方法を考えて!」


 先程よりも、前のめりの姿勢を取る股間の渋谷さん。
 良い、角度です。


「この状況は何なの!?」


 怒りを撒き散らしているが、私は答えを持たない。
 張り詰めた空気を出す渋谷さんは、そんな私に言い放った。


「顔を隠さないでよ!」
「……申し訳、ありません」


 完全に元気になった時の、私の顔。
 それを見せてはいけないという思いが、両手で顔を覆うという選択を採らせていた。
 例え元に戻ったとしても、その記憶が残った彼女とどう接していいか分からないからだ。


「見せて!」
「……すみません、それは……!」
「良いから! なんで見せられないの!?」
「お願いします……! どうか、それだけは……!」


 まさか、自分の股間に怒られる時が来るとは思わなかった。
 砕けてしまいそうになる心とは裏腹に、
股間の渋谷さんのヒートアップは止まらない。


「見せてってば!――うぷっ!」
「!? 渋谷さん!?」


 股間の渋谷さんの、様子がおかしい。
 まるで、何かを吐き出すような……いや、漏れ出してしまったような声。
 そんな、まさか――


「……なんか、ネバっとしたのが」


 ――すみません! 渋谷さん!


「ねえ、これって――」
「……!」


 今西部長! 今西部長! 今西部長! 今西部長!


「――まあ、なんでも良いか。やっぱり横になるね」


 ……セーフ!


「……」


 しかし、これからどうすれば良いのだろう。
 こうなってしまった原因に心当たりなどあるはずもなく、
今の渋谷さんから話を聞くには、彼女に本当に申し訳ない事になる。
 八方塞がり、完全丸出し。
 本当に、これからどうなってしまうのだろう。



「プロデューサー!」



 バン、と勢い良く開かれたドア、そして、飛び込んでくる声。
 この声は、間違いない。


「ほ、本田さん!」


 プロジェクトのメンバー、そして、渋谷さんとユニットを組んで居る内の一人、本田さんだ。
 彼女に――本田さんに、今の渋谷さんを見せるわけにはいかない!
 片膝を立てて、可能な限り、不自然な動作にならないよう股間の渋谷さんを隠す。


「しぶりんが! しぶりんが!」
「っ……!」


 見られてしまった!



「――しぶちんに!」



 そう言って、本田さんはドアの影に隠れていた、モノを部屋に入れた。


「う、ううう――」


 それは、


「うわああああああっ!?」


 人間サイズになった、長年連れ添った私の相棒だった。


「お、落ち着いてよプロデューサー!」


 そんな事を言われても!
 考えていた中でも、最悪の事態が起こっている。
 女子高生の脚が生えたチンコ。
 そうとしか表現出来ないモノを伴っていて、よく平気ですね!?


「ほら! しぶちんもいい加減それ脱ぎなってば!」


 パシリ、と本田さんが相棒を叩く音が部屋に響く。
 結構な強さで叩かれたのか、相棒はビクリと大きく震えた。
 思わず、私は両手を股間にやった。


「……プロデューサー?」


 やって、しまった。


「あ、いえ……! なんでも、ありません!」


 私が股間を押さえた事で、本田さんの視線がそこに集中してしまったのだ。
 本来ならば、すぐに目をそらす所だろう。
 いくら快活な彼女でも、男の股間を凝視するような真似はしない。


「あ、あの……プロデューサー……」


 本田さんは、顔を赤くし、


「……こ、股間の毛……さ、サラサラだね!」


 フォローなのか何なのか、わからない事を口走った。


「待ってください! 誤解です!」


 貴女が見たのは、渋谷さんの髪の毛です!

  ・  ・  ・

「……そっか、気付いたらこうなってたんだ」
「うん。チャックから出るの、凄く苦労したんだから」


 結局、本田さんには全てを話す事にした。
 そもそも、二人だけで問題は解決出来なかっただろう。
 今は、現状の確認をしている最中。
 渋谷さんも話に参加して貰いたいため、その、半分元気な状態だ。


「……」


 渋谷さんの生え方的に、寝転がっていないと三人で話せないため、
私だけソファーに寝転がっている。
 そのため、なんとも不思議な光景を全て目の中に収める事が出来る。


「いやー、でも貴重な経験だよ!」


 ソファーの横で膝をつき、私の股間に話しかける、本田さん。


「他人事だと思って、テキトーな事言わないで」


 私の股間から生え、そこそこ元気な、渋谷さん。


「――」


 反対側のソファーに礼儀正しく腰掛けている、私の相棒。
 ……相棒に関しては、どうしたら良いかわからないので座らせている。
 部屋の隅で待機させておく事も考えたのだが、あまり、彼と離れたく無い。


「でも、ちっちゃいしぶりんも可愛いかも!」


 本田さんは、そう言うと私の股間の渋谷さんに手を伸ばした。


「ちょ、ちょっと――」


 あの、何を――


「――撫でないでよ、未央」
「……!」


 柔らかな、手の感触。
 漏れ出そうになる声を、歯を食いしばり、耐えた。


「ほ~ら、うりうりー!」
「あははっ! ちょっ、ちょっと未央ったら!」


 とても可愛らしいじゃれあい。


「……」


 そして、悶絶。
 私は、これほど自分の表情が乏しいのが幸運だと思ったことはない。
 噛み締めた奥歯がギリギリと鳴る。


「――おえっ!」
「!? しぶりん! 大丈夫!?」
「おぶっ、うええっ!」


 股間の渋谷さんが、粘性のある透明の液体を吐き出した。
 我慢によって生まれた、我慢。


「大変だよプロデューサー! しぶりんの様子が変!」
「っぷ! うえっ!」


 嘔吐する股間の渋谷さんの背中を本田さんが手でさする。


「んんんんっ!」


 当然、そんな事をされては、私は言葉を発せない。
 口を開いたら、渋谷さんが今何で、本田さんが今何をしているのか悟られてしまうから。
 だから、すぐに体を引いて離れなけれ――


「うっぷ、おえっ!」
「しぶりん! しぶりんっ!」
「ばああああっ!」
「プロデューサー!? しっかりして、プロデューサー!」


 股間の渋谷さんが、体を固くしているのがわかる。
 それをほぐそうと、優しく動く本田さんの手。


「なんか……おえっ……昇ってきた」


 申し訳、ありません。

  ・  ・  ・

「イキます! 蒼い風が、駆け抜けるように!」


 部屋に、響き渡る声。
 その声で……


「……っ」


 ……目が、覚めた。


「……なんて夢だ」


 衝撃で、仮眠していた眠気が一気に吹き飛んだ。
 私は、なんという夢を見てしまったのだ。
 自分の股間が担当アイドルになり、あまつさえ、それをさすられる夢を見るなど。
 疲れが、溜まっているのだろうか。
 いや……この場合は、性欲か。



「――」



 だから、反対側のソファーに腰掛ける‘アレ’は、私の相棒なのではない。
 きっと誰かが……そう、私を驚かせようと着ぐるみでも着ているのだろう。


「あ……あれっ? 真っ暗?」


 この、股間から聞こえてくる声も幻聴だろう。
 私もまだまだ若いものだ。
 パンツの中で、意識もせずに暴れまわるとは。
 そんなに暴れないでください、とてもモジャモジャすると、そう、思います。


「あっ、もうちょっとで外に出られそう!」


 彼女は、私がチャックを開けたら、一体どんな表情を見せるのだろうか。


「島村卯月、頑張ります!」


 アイドルが暗い道に迷っているのなら、それを助けるのがプロデューサーの仕事だ。
 ならば、私が今できるのは、チャックを開ける事のみ。
 彼女が怪我をしないよう、ゆっくりと、チャックを開けていく。
 そして、そこから現れた彼女は、


「あっ、プロデューサーさん!」


 元気な、良い笑顔だった。



おわり

ゲームしてきます

こういうことか



アムロ「シャア! 課金はもうやめろ!」

シャア「ええい、邪魔をするなアムロ!」

アムロ「生活費を削って何になる!」

シャア「地球の重力に魂を引かれた者たちにわからせるまでよ!」

アムロ「よせ、シャア!」

シャア「ハハハハ! 見ろ、アムロ!」

アムロ「レアだよそれは!」

シャア「……アムロ、一緒にハマーンの所へ行ってくれるか」

アムロ「ハマーンの所へ行くのはよせ、シャア!」

シャア「お前にもわかるだろう! ガチャが我慢出来んのだ!」

アムロ「俺にだって回したい気持ちはあるさ!」

シャア「ああ、そうだろうとも!」

アムロ・シャア「みりあちゃん!」

シャア「そう! 今のピックアップはみりあちゃんだからな!」

アムロ「みりあちゃんにララァを重ねるのはやめろ!」

シャア「それはない」

アムロ「ああ、今のはノリで言っただけだ」

シャア「アムロ、お前もわかっているだろう」

アムロ「……」

シャア「みりあちゃんは、私の母親になってくれるかも知れん女性だ!」

アムロ「シャア! だったら薫ちゃんはどうなる!」

シャア「無論、私の母親になってくれるかもしれん!」

アムロ「ありすちゃんは!」

シャア「ありすちゃんにはバブみを感じはしない。だが、アリだと私は思う」

アムロ「フッ……気が合うな、シャア」

シャア「これが、ニュータイプの本質なのかもしれんな」

アムロ「……しかし、どうして俺も一緒なんだ」

シャア「知れたこと。一人では怖い……わかるな?」

アムロ「ああ、それはわかる」

シャア「あのプレッシャーには、私一人では太刀打ち出来んからな」

アムロ「一つ良いか、シャア」

シャア「どうしたアムロ」

アムロ「サザビーはどうした?」

シャア「何を言う。サザビーなど、とっくにガチャの宇宙へ消えていったさ」

アムロ「……」

アムロ「シャア、お前はこの前エマ中尉にも金を借りていただろう」

シャア「その話はよせ、アムロ」

アムロ「俺の所に、早く返せと言うようにやって来たぞ」

シャア「ほう? それは災難だったな」

アムロ「額に青筋を立てて、いきり立ったチンコのようだったさ」

シャア「はっはっは! ならば、奏も怒ったらそうなるだろうな!」

アムロ「シャア、ハマーンの所へは一人で行け」

シャア「ええい! 口が滑った程度で怒るものではないぞ、アムロ!」

アムロ「奏はチャーミングだ。間違うなよ、シャア」

シャア「心に留めておくことにしよう」

アムロ「!」ピキーン

シャア「……どうした、アムロ」

アムロ「日付が変わったのを感じないか?」

シャア「! アムロ、貴様!」

アムロ「……シャア、お前、まさか!」

シャア「とっくに石など尽きている! 私を舐めてもらっては困るな!」

  ・  ・  ・

シャア「……」

アムロ「すまないな、シャア」

シャア「……」

アムロ「SSRは伊達じゃない!」

シャア「……」

アムロ「シャア、何か言ったらどうだ」

シャア「アムロ、お前とは二度と遊ばん!」

アムロ「待て、シャア!」

シャア「また来る!」

ガチャッ…バタンッ!

  ・  ・  ・

シャア「ハマーン、お前に頼みがある」

ハマーン「どうした、金なら貸さんぞ」

シャア「そんな事を言っているのではない!」

ハマーン「ほう? ならば、何を言うつもりだ」

シャア「ハマーンよ、みりあちゃんを引いて喜ぶ私を見たくないか?」

ハマーン「……何っ?」

シャア「お前の力さえあれば、それが見られるかもしれん」

ハマーン「……」

ハマーン「フン、戯言を!」

シャア「戯言などではないさ。私は、大喜びするだろう」

ハマーン「……詳しく聞かせてもらおうか」

シャア「良いだろう」

ハマーン「……」

シャア「みりあちゃんは、私の母になってくれるかもしれん」

ハマーン「聞かなかったことにしてやる」

シャア「いいや、聞いてもらう!」

ハマーン「……」

シャア「みりあちゃんは、素晴らしい女性だ」

ハマーン「もういい、やめろ!」

シャア「今回のガチャ、私としては回す以外の選択肢は無い」

ハマーン「シャア! やめろと言っている!」

シャア「だが、回せん! 回せんのだ!」ツーッ…

ハマーン「涙だと……?」

シャア「そこで! お前が私に力を貸してくれたらどうなる!」

ハマーン「成る程……確かに、とても喜ぶだろうな」

シャア「その通りだ、ハマーン!」

ハマーン「しかし、お前はどう喜ぶ?」

シャア「どう、とは?」

ハマーン「まさか、感謝の言葉を述べるだけではあるまい?」

シャア「この私、シャア・アズナブルを侮ってもらっては困るな」

ハマーン「面白い。お前は、私に何と言うつもりだ?」

シャア「そうだな。ちゅきちゅき大ちゅきハマーンとでも言うだろう」

ハマーン「……聞こえなかったな」

シャア「ちゅきちゅき大ちゅきハマーン、だ」

ハマーン「……声が小さいな、シャア」

シャア「ええい! 何度言わせれば気が済む!」

ハマーン「シャア、それが人に物を頼む態度か?」

シャア「ちゅきちゅき大ちゅきハマーン!」

ハマーン「……」スッ

シャア「! この金額は!」

ハマーン「くれてやる」

シャア「ハマーン……お前という奴は……!」

ハマーン「引けると良いな、シャア」

シャア「ああ、感謝する!」

  ・  ・  ・

シャア「ハマーン、お前に頼みがある」

ハマーン「もう戻ったか、シャア。カードは買ってきたのか?」

シャア「ハマーンよ、みりあちゃんを引いて喜ぶ私を見たくないか?」

ハマーン「シャア、貴様……!?」

シャア「当たらなければ、どうということはない」

ハマーン「ここで一緒に回す約束だったろう!」

シャア「そうそう我慢出来るものではない」

ハマーン「……!」

  ・  ・  ・

シャア「ハマーンめ、結局貸してくれるならすぐに貸せば良いものを」

カミーユ「クワトロ大尉じゃないですか」

シャア「! カミーユか」

カミーユ「また課金ですか?」

シャア「カミーユ、お前にも私の気持ちがわかるはずだ」

カミーユ「すみません、大尉」スッ

シャア「……! 千枝ちゃんだと!?」

カミーユ「ええ、無料で何気なく回したら、来てくれましたよ」

シャア「……!」

シャア「フッ……カミーユ、私の狙いはみりあちゃんだ」

カミーユ「そうだったんですね」

シャア「ああ、そうだ。だから、羨ましくなどないさ」ツーッ…

カミーユ「へえ」

シャア「おめでとう、カミーユ」ポロポロッ

カミーユ「ありがとうございます」

シャア「それでは、私はカードを調達せねばならんので、ここで失礼する」

カミーユ「大尉、引き際も肝心ですよ」

シャア「最早引けんさ。引き返せない所まで来ている」

  ・  ・  ・

シャア「ハマーン、カードを買ってきたぞ」

ハマーン「よく回さずに戻ってこれたものだな、シャア」

シャア「私とて、二度目は無いとわかっている」

ハマーン「カードを読み込め。回す所を見ていてやる」

シャア「ハマーン。夕食の後ではどうだ?」

ハマーン「駄目だな。気になって、口からポロポロこぼすだろう」

シャア「では、お風呂の後はどうだ!」

ハマーン「タイミングを変えても、結果は変わらんぞ、シャア」

シャア「……」

  ・  ・  ・

アムロ「それで? 結局みりあちゃんは出たのか?」

シャア「アムロ、今それを聞くのはやめてもらおうか」

アムロ「残念だったな」

シャア「所詮はハマーンから貰った金、痛くはない」

アムロ「もっとおだてて、上限まで回すのはどうだ」

シャア「!」ピキーン

シャア「アムロ! 何故、それをもっと早く言わん!」

アムロ「シャア、お前、まさか!」

シャア「ええい! ボロクソにけなして出てきてしまった!」

アムロ「何てことをするんだ、お前ってやつは!」

シャア「アムロ、一緒にハマーンの所へ来てくれ!」

アムロ「お前と心中する気はない!」

シャア「ならば、かなd……エマ中尉の所に!」

アムロ「シャア」

シャア「……フッ、どうやらここまでのようだな」

アムロ「シャア、課金はもうやめろ」

アムロ「!」ピキーン

アムロ「シャア、お前……!?」

シャア「この私、シャア・アズナブルがガチャを回そうと言うのだ、邪魔をするな!」


シャア「ナナイに借りに、出る!」



おわり

寝ます
おやすみなさい

胸糞悪い話を書きます


「あっ! ママだ!」


 椅子を浮かしながら、娘がテレビを見て声を上げた。
 その拍子に食卓の上に並んでいた料理がこぼれそうになる。
 慌ててそれを手で抑えたが、少し、スープがこぼれてしまった。


「おい、揺らすなよな」


 それに不平を零したのは、正に、スープを飲もうとしていた息子だ。
 見れば、左手はじっとりと濡れており、こぼれたスープを被ってしまったらしい。
 熱かったのだろうが、それに対する文句は言わない。
 恐らく、私達と、幼い妹を心配させないためだろう。


「……」


 私は、そんな不器用な息子に無言で濡れた布巾を差し出す。
 そして彼は、何も言わずに食卓にこぼれたスープを拭き出した。
 まずは手を拭いて、それから手を冷やしてくるべきだと思ったのだが。
 私がそれを言っても、息子は素直にそれを受け入れないだろう。


「まあ、こぼしちゃったの?」


 パタパタと、台所の方から妻が食卓に駆け寄って来た。
 乱れた食卓の様子を見て、ほんの少しだけ、慌てている。
 息子は……心配をさせないよう、手を隠すのを選んだようだ。
 誰に似たのか、本当に、不器用で、自慢の息子。


「……ごめんなさい」


 妻の声を聞いて、シュンと、消え入りそうになっている。
 先程のはしゃぎっぷりはどこへやら、だ。
 妻に似て優しいこの子は、自分が怒られるのを恐れているのではない。


「……スープ、こぼしちゃった」


 妻が作った料理を一部とは言え駄目にしてしまったのを申し訳なく思っているのだ。
 長い睫毛を伏せ、肩を落とし、全身で感情を表現している。
 そんな娘に対し妻は、


「ふふっ、スープは、スプーンでこぼさず、ね♪」


 いつも通り、優しく微笑みかけた。


「どうして、急に立ち上がろうとしたの?」


 娘の横にしゃがみ込み、視線を合わせる妻。
 台所からでも娘のはしゃぐ声は聞こえていただろう。
 だが、彼女は、娘の口から直接理由を聞くことを選択した。
 こういった方針は、彼女に任せることにしてある。
 ……私が口を挟んでも、あまり、いい結果に結びついた事が無いからだ。


「あのね! ママが、テレビに映ってるの!」


 再度、その顔を輝かせながら、テレビを指差す娘。
 今度は立ち上がる事なく、ほら見て、と。
 妻の視線はテレビに一瞬だけ移り、すぐにまた、娘に戻った。


「なるほど、それでビックリしちゃったのね」
「うん!」


 彼女が娘を見ている間、息子を見るのは私の役目だ。
 お違い口数も少ないが、言わんとしている事は、わかる。
 手を差し出すと、息子は無言でその手に布巾を渡してきた。


「……」


 そして、立ち上がり、無言で洗面所へと向かっていく。
 二人の会話を邪魔するべきではないとでも思ったのかもしれない。
 その判断が、結果的に彼の手を冷やす事に繋がったのだから、良しとしよう。


「ねえ、テレビに映ってるママと、貴女の前に居るママ――」


 どっちが綺麗? と、妻は微笑みながら娘に問いかけた。


「……」


 見比べてみる。


 アイドルだった頃の彼女と。


 引退し、私の妻になり、この子達の母になった彼女を。


「……」


 テレビの画面に映っている彼女は、今見ても、本当に美しい。
 神秘的でいて、儚く、しかしそれでいて、何者にも負けない強さも感じさせる。
 響く歌声は、聞いているだけで心が穏やかに、優しい気持ちになれる。
 正に、理想のアイドルと呼ぶに相応しい姿だ。


「……」


 今の彼女は、その時に比べて歳を取った。
 笑うと目尻に皺が寄るようになったし、肌のハリも衰えている。
 家事と育児に奔走するようになり、少しだけ健康的な体つきになったか。
 美しいが、今の彼女はアイドルではなく、母親であり、私の妻。


「パパ?」


 不機嫌そうな、妻の声。
 そう、彼女に言われるまで、不躾な視線を送り続けていた事に気づかなかった。
 その一方で、私が何を考えていたかなど、彼女はとっくに気付いているのだろう。
 本当に、敵わない。


「……」


 右手を首筋にやって、苦笑して誤魔化す事にした。
 昔に比べて、私も多少は表情が出せるようにはなってきた。
 きっとそれは、関わってきたアイドル達、そして、妻と、子供達のおかげだろう。


「本当、失礼しちゃうわよね」
「ねー!」


 妻と娘が、声を揃えて私を責め立てる。
 いつの間にやら、娘は、妻の質問に答えていたらしい。
 彼女の胸に抱かれながら、ジトッとした目をこちらに向けている。
 冗談だとはわかっているが、そんな目で見られるのは、寂しい。
 なので、


「いつも、一番綺麗だよ」


 と、思っている事を正直に口にすることにした。
 迂闊な事を言って、これ以上立場を悪くするのは、よろしくない。
 そんな私の言葉を聞いて、妻と娘はクスクスと笑いだした。
 ああ、息子よ、早く戻ってきてくれ。

  ・  ・  ・

「……」


 ひどく、荒れた部屋。
 カーテンは引きちぎられ、割れた食器や、衣類等、
様々なものがグチャグチャと放り出され、散らかされていた。
 割れたガラスを踏まないように足元に気をつけながら、
部屋の中心の食卓に座っている、彼女に歩み寄った。


「ただいま」


 声をかけるが、返事は無い。
 机に突っ伏しているので、寝ているのだろうか。
 しかし、彼女の手には、強い酒の入ったグラスが握られたままだ。
 お猪口でちょこっと、などと生易しい量ではなく、浴びるように飲んだのだろう。


「うっ……ぐすっ……!」


 耳を澄ますと、彼女の、すすり泣く声が聞こえる。
 起きていた、らしい。


「飲み過ぎだよ」


 そう言って、突っ伏したままの彼女の背中に手を添える。
 ずっとこの状態でいたのか、体が冷えているようだ。
 すぐに、彼女を移動させ休ませて、それから部屋の片付けを――



「ああああああああああっ!!」



 顔を伏せたまま、絞り出すような、叫び声。
 そこに込められた感情は、深い、悲しみ。
 美しかった声は、酒に喉をやられ、泣き続けたせいで、枯れている。
 それでもその声は、悲しみの塊だった。


「~~っ!」


 顔を上げた彼女が最初にしたのは、手に持っていたグラスを投げつける事だった。
 昔四人揃って見た、テレビに向かって。


 ガシャンッ!


 砕け散るグラス。
 彼女の狙いは外れ、テレビは、無事だった。


「うっ……ふ、うっ……!」


 テレビの横で砕け散り、形を保つことが出来なくなったグラスの残骸。
 今だ、そこに存在し続けるテレビ。
 そのどちらが彼女のスイッチになったのかは、私にはわからない。


「ガラス製品を壊すのは、やめよう」


 怪我をしてしまうといけない、と、そう彼女に言う。
 以前、同じことを強い口調で言いはした。
 だが、それを聞いた彼女はその場にあった食器を全て床に叩きつけ、破壊した。
 それがあってから全て食器はプラスチック製にしていたのだが、
確か、あのグラスは結婚式の引き出物で仕舞っておいたものだろう。
 思い出の品だったが、彼女に怪我が無かっただけ、良しとする。


「……貴方は」


 ゆらりと、まるでホラー映画のゾンビの様な緩慢な動き。
 おっとりとした性格の割にテキパキと動いていた頃とは、比べるまでもない。
 涙と鼻水でグシャグシャになった顔。
 酒で口の周りは汚れ、形の良い唇は、ワナワナと震えている。


「っ!」


 眉間に皺を寄せ、怒りを露わにする彼女。
 充血した目で真っすぐに私を睨みつけ、手を振り払われた。
 私に触れられているのが、不愉快だと言わんばかりのその行動。
 置き場を失くした手が、宙を彷徨う。


「貴方は、なんでそんなに平気そうなんですか!?」


 見たことの無い、怒りの表情。
 美しさとは程遠い、この世の全てを憎むかのような声。



「あの子達が、もう居ないのに!」



 そう言うと、彼女はまた顔をクシャリと歪め、机に突っ伏し、泣いた。


 私たちは、息子と娘を事故で亡くしていた。


「うっ、えっ、ええっ……!」


 子供の様に泣きじゃくる彼女の横にしゃがみ、その肩を抱く。
 ビクリとその体が震えるが、私は、その手を離さない。
 そしてそのまま、彼女を胸に抱き寄せた。


「ううっ! ううううっ!」


 ドンドンと、胸を叩かれる。
 彼女のやり場のない感情が、その手に込められているのだろう。
 ならば、思う存分私にぶつけてくれれば良い。
 この手が自分に向けられ、貴女自身が傷つくのなら、全て私に。


「うっ……う、うえっ……!」


 トントンと、胸を叩く力が弱くなっていく。
 今の彼女は、相当に体力が落ちている。
 思い切り力を出して殴り続けるのは、難しい。
 だから、私がその分、彼女を抱きしめる両腕に力を込める。


「ごめんなさい……ごめんなさい……!」


 彼女は、泣きながら、繰り返し謝る。


「……」


 私は、そんな彼女を無言で抱きしめ続けた。


 ――平気では、無い。


 愛する息子と娘を同時に失ったのだ。
 平気なわけが、無い。
 だが、二人には申し訳ないが、悲しみに暮れ続けるわけには、いかない。
 私達はこれからも生きて行くのだし、


「……ごめんなさい……!」


 私には、まだ守るべきものが残っている。
 それを放って私まで泣いていたら、子供達に叱られてしまう。

  ・  ・  ・

「……ねえ」


 二人で床に腰掛け、彼女が落ち着くのを待った。
 私の胸の中で、彼女はポツリと言った。
 続く言葉を待つ。


「私、ひどい顔よね」


 彼女の頬に流れる涙を親指で拭う。
 昔の彼女を知る者は、きっと今の彼女を見て驚くだろう。
 それ位、今の彼女の顔はやつれ、唇も肌も荒れ、ボロボロになっていた。
 むしろ、彼女の名前を言ってもすぐにはわからないかもしれない。


「いつも、一番綺麗だよ」


 だが、そんな事は関係ない。
 私にとっての一番は、いつも、貴女なのだから。


「……ふふっ、お世辞が上手になったわよね」


 久々に聞いた、彼女の笑い声。
 嗚呼……本当に、久しぶりだ。



「――アイドルに、興味はありませんか?」



 そんな言葉が、口をついて出た。
 腕の中で、彼女がビクリと体を震わせる。
 そこから、お互い無言が続いた。


「……どうして、そんな事を?」


 どれだけ時間が経ったかわからない。
 だが、彼女は、確かに一歩を踏み出した、踏み出してきてくれた。


「笑顔です」


 もう一度、


「貴女の笑顔を見たいと……そう……思いましっ……た……!」


 なんとか、言い終える事が出来た。
 私たちは、二人で一緒に大声で泣いた。



おわり

寝ます
おやすみなさい

こんなクソッタレな気分じゃ寝られないので書きます



武内P「パンツ泥棒、ですか」

武内P「皆さんは、どう思いますか?」

CPアイドル達「……」

武内P「私のパンツが盗まれているという事実を」

CPアイドル達「……」サッ

武内P「何故、目を逸らすのですか皆さん」

武内P「本田さん」

未央「……」

武内P「本田さんは、下着泥棒の被害を受けたことは?」

未央「……無いです」

武内P「恐怖、それを感じます」

未央「……上下盗まれてないなら、まだ」

武内P「私はブラジャーを着用する趣味はありません」

武内P「島村さん」

卯月「……」

武内P「パンツを盗まれた私をどう思いますか?」

卯月「……可哀想だな、って」

武内P「犯人には、罰を与えるべきでしょうか?」

卯月「……頑張ります」

武内P「相応の覚悟をしての犯行、ですか」

武内P「皆さん、何故、私のパンツを盗むのですか?」

CPアイドル達「……」フルフル

武内P「盗んだのは、自分達ではない、と?」

CPアイドル達「……」コクリ

武内P「そう、ですか」

CPアイドル達「……」

武内P「今、私の目には、私のパンツが映っているのですが、それは?」

CPアイドル達「……」

武内P「だんまり、ですか」

武内P「アナスタシアさん」

アーニャ「……」

武内P「素敵な、帽子ですね」

アーニャ「ダー。とても、あったかい、です」

武内P「少しオシャレに見えるのが、不思議です」

アーニャ「スパシーバ♪」

武内P「その帽子が、私のパンツでなければ良かったと、そう、思います」

武内P「前川さん」

みく「……」

武内P「ネコミミの上から更にパンツを被るのは、どうかと」

みく「……ネコミミが、寒かったにゃ」

武内P「脚が通る部分から、思い切りネコミミが出ています」

みく「……チッ、うっせーにゃ。反省してまーす」

武内P「ハーフパイプ、というか鉄パイプで殴りたくなりました」

武内P「多田さん」

李衣菜「……」

武内P「ギターにパンツを被せるのは、どうかと」

李衣菜「……」スッ

武内P「はい、発言を許可します」

李衣菜「なつきちは、ロックだって褒めてくれました」

武内P「わかりました。後ほど、木村さんも叱ります」

武内P「双葉さん」

杏「……」

武内P「ぬいぐるみにパンツを被せるのは、どうかと」

杏「ちょっとオシャレじゃなくなくなくもない?」

武内P「何故、履かせるのでなく、頭に被せたのですか?」

杏「……」スッ

武内P「情報料として飴を要求とは……いい度胸だと、そう、思います」

武内P「諸星さん」

きらり「……」

武内P「その手につけているのは、パンツですね?」

きらり「……違うゆ」

武内P「シュシュと言い張っても、外せばすぐわかりますよ」

きらり「……にょわー」スッ

武内P「そうやって素直に返してくれる姿勢は、とても素晴らしいです」

武内P「はい、皆さん」

パンパン!

CPアイドル達「……?」

武内P「今の様に、すぐ返して頂けると助かります」

CPアイドル達「!」

武内P「返して頂けない場合、嫌いになるかもしれません」

CPアイドル達「!?」

武内P「渋谷さん」

凛「ふーん、嫌いになるんだ」

カチャカチャカチャカチャカチャカチャ!

武内P「あの、オシャレベルトを外すのに、手間取りすぎでは?」

凛「ふーん、ふーん……ふーん!」

カチャカチャカチャカチャカチャカチャ!

武内P「落ち着いて下さい、手が滑りまくっています」

凛「ふんんんん! ふんんんん!」

ゴロゴロゴロゴロっ!

武内P「床を転がるほど焦らないでください、渋谷さん!」

武内P「はい、一旦ストップです」

パンパン!

CPアイドル達「……?」

武内P「渋谷さんの様に、現在着用している方」

武内P「その方は、返してくれなくても結構です」

武内P「そのまま、捨ててください」

CPアイドル達「……」ニヤリ

武内P「悪い、笑顔です」

武内P「良いですか、ラッキー、と思わず捨ててくださいね」

武内P「さて、これまで個別に名前を呼ばなかった方達ですが」

CPアイドル達「……」

武内P「その方達は、気遣い、と言うものを勘違いしています」

CPアイドル達「……」

武内P「思い当たりませんか?」

CPアイドル達「……」コクリ

武内P「わかりました。順番に、説明させていただきます」

武内P「神崎さん」

蘭子「……」

武内P「黒いレースの下着を入れたのは、貴女ですね」

蘭子「ふっふっふ! アレは、我が身を包んでいた漆黒の鎧!」ビシッ!

武内P「やはり使用済み、ですか」

蘭子「私の魔力が残っているのを我が友も感じたか!」

武内P「魔力というか、その……毛が」

蘭子「!?」

武内P「緒方さん」

智絵里「……」

武内P「カラーボックス一面に、四葉のクローバーをしきつめましたね?」

智絵里「……幸せの、お呪い」

武内P「あれには心底驚かされました」

智絵里「……捨てないで、くださいね?」

武内P「申し訳ありません、捨てました」

智絵里「!?」

武内P「赤城さん」

みりあ「……」

武内P「紙オムツを私にどうしろと?」

みりあ「あのね、みりあ、オムツの交換すっごく上手なんだよ!」

武内P「私にはけと?」

みりあ「ねえねえ、ウンチしてても、大丈夫だよ?」

武内P「していませんし、着用していません」

みりあ「!?」

武内P「城ヶ崎さん」

莉嘉「……」

武内P「クマのプリントのパンツに、城ヶ崎とありました」

莉嘉「カリスマ感じた?☆」

武内P「いいえ、微塵も」

莉嘉「やっぱり、お姉ちゃんのじゃダメかー」

武内P「無断でそういう事をするのは、本当にやめてあげましょう」

莉嘉「ううん? ちゃんとオッケー貰ったよ?」

武内P「彼女は、何故あのパンツでゴーサインを……!?」

武内P「三村さん」

かな子「……」

武内P「あの……何故、まるごとバナナを入れたのですか?」

かな子「美味しいから、大丈夫です」

武内P「バナナだけ抜き取られていましたが?」

かな子「美味しいから、大丈夫です」

武内P「バナナの代わりにスポンジ部分を装着しろ、と?」

かな子「!?」

武内P「そんな事もわからないのか、という顔をしないでください」

武内P「新田さん」

美波「……」

武内P「サランラップは、あまりにも」

美波「待ってください! プロデューサーさん!」

武内P「何か、言う事がありますか?」

美波「クレラップです!」

武内P「本当にどうでも良いと、そう、思います」

武内P「皆さん、もう、パンツを盗むのはやめてください」

CPアイドル達「……」

武内P「お願いします、返事をしてください」

CPアイドル達「嫌です」

武内P「……拒否されるとは、思いませんでした」

ちひろ「待ってください、プロデューサーさん!」

武内P「千川さん?」

ちひろ「今回ばかりは、プロデューサーさんがいけないんですよ」

武内P「私が……!?」

CPアイドル達「……」コクリ

武内P「あの、何故、私が悪い感じになっているのですか?」

ちひろ「プロデューサーさん、最近忙しそうですよね」

CPアイドル達「……」コクリ

武内P「それは……はい、二期生の準備もありますので」

ちひろ「それです」

CPアイドル達「……」コクリ

武内P「……?」

ちひろ「忙しくて、皆との時間、減ってますよね」

武内P「! だから、パンツを盗んだ、と?」

CPアイドル達「はいっ!」

武内P「あの……意味が、よく……」

ちひろ「皆、プロデューサーさんを身近に感じたかっただけなんです」

ちひろ「離れていても、何かで繋がっていたい」

ちひろ「だから、パンツが欲しくなっちゃっただけなんです」

武内P「皆さん……そうなのですか?」

CPアイドル達「……」コクリ

武内P「成る程……そう、でしたか」

武内P「皆さんの考えは、わかりたくありませんが、わかりました」

CPアイドル達「はいっ!」

武内P「皆さんとの時間も取るよう、スケジュールを調整します」

CPアイドル達「! はいっ!」ニコニコッ

武内P「良い、笑顔です」

武内P「もう、私のパンツを盗まないでくださいね」

CPアイドル達「いいえっ!」

武内P「意味がわかりません」

ちひろ「きっかけなんて、そんなものですよ」

武内P「千川さん……?」

ちひろ「下着泥棒は、癖になるって言いますよね」

武内P「そう、ですか……もう、癖になってしまいましたか」

CPアイドル達「……はいっ///」

武内P「皆さん……皆さんと私は、離れていても繋がっていますよ」

CPアイドル達「はいっ!」ニコッ!

武内P「良い、笑顔です」

武内P「皆さんに必要なのは、パンツ――下着ではありません」

CPアイドル達「?」


武内P「服役です」



おわり

やはり月曜日はバッドな気分で始まってはいけませんよね
寝ます
おやすみなさい

書きます



武内P「インフルエンザ、ですか」

凛『うん……だから、一週間は行けそうにない』

武内P「わかりました。ゆっくり、休んで下さい」

凛『ごめんね、迷惑かけちゃって……ゴホッ!』

武内P「お気になさらず」

武内P「早く良くなって、渋谷さんの笑顔を見せて下さい」

凛『うん、ありがと……それじゃ』

武内P「はい、お大事に」

武内P「……」

未央「しぶりん、何だって?」

武内P「インフルエンザ、だそうです」

卯月「ええっ!? 大丈夫なんですか!?」

武内P「一週間程は、お休みしていただく必要がありますね」

未央「一週間かぁ、結構長いね」

武内P「そう、ですね。スケジュールの調整が必要になります」

卯月「早く、よくなると良いですね……」

武内P「……」

未央「よっし! それじゃあ、しぶりんに差し入れを!」

武内P「待ってください。お見舞いは……」

未央「お見舞いじゃなくて、写真を送るんだよ!」

武内P「写真、ですか?」

卯月「あっ、それ良いかもしれませんね!」

武内P「写真を差し入れ、とは……?」

卯月「凛ちゃんが、元気になるような写真を撮って送ってあげるんです!」

武内P「……?」

武内P「元気になる写真……メンバーの皆さんの写真、でしょうか?」

未央「そうそう! そういうの!」

卯月「一人で元気がないと、気分も落ち込んじゃいますから」

武内P「成る程。私では、思いつきませんでした」

未央「ってなわけで、まずはプロデューサーからね!」

武内P「私、ですか?」

卯月「ふふっ、そうですよ! 凛ちゃん、きっと喜びます♪」

武内P「……」

未央「さあ、撮影の準備準備!」

武内P「準備、とは?」

卯月「普段通りの格好は見慣れてますもんね」

武内P「し、島村さん?」

未央「いつもと違う感じで、しぶりんを喜ばせよう!」

武内P「はぁ……」

卯月「はーい、まずは上着を脱ぎましょうねー♪」

武内P「……わかり、ました」

  ・  ・  ・

未央「ネクタイも外して、袖もまくって……」

卯月「髪も整髪料で整えて、ちょっとだけお化粧……」

未央「眼鏡はいるかな?」

春菜「ここに」

卯月「んー、今回は無しで良いんじゃないでしょうか」

未央「だね! 今回のコンセプトは、野生!」

卯月「それじゃあ撮りますよー♪ はい、チーズ!」

カシャッ!


武内P「お二人とも……楽しんで、いませんか?」


未央・卯月「全然♪」

武内P「……」

  ・  ・  ・

未央「あっ、LINEに反応があったよ!」

卯月「凛ちゃん、写真見てくれたんですね♪」

武内P「あの、渋谷さんの反応は……?」


『熱が40度に上がった』


未央・卯月「大喜び!」

武内P「待ってください! 駄目な反応が出ていませんか!?」


『もっとちょうだい』


武内P「……!?」

  ・  ・  ・

未央「今度はネクタイをして、服装はキッチリ……」

卯月「白衣を着て、清潔感を出して……」

未央「今こそ! 今こそ眼鏡を!」

春菜「ここに!」

卯月「わー! 凄いです、完璧ですよ!」

未央「だね! 今回のコンセプトは、知性!」

卯月「それじゃあ撮りますよ―♪ はい、チーズ!」

カシャッ!


武内P「あの……これは、本当に必要なのでしょうか?」


未央・卯月「勿論♪」

武内P「……」

  ・  ・  ・

未央「あっ、LINEに反応があったよ!」

卯月「ふふっ、すぐ反応するなんて、凛ちゃん可愛いです♪」

武内P「あの、渋谷さんの反応は……?」


『鼻血が止まらないんだけど』


未央・卯月「大喜び!」

武内P「渋谷さ――ん!?」


『もっとちょうだい』


武内P「……!?」

  ・  ・  ・

未央「今度は少しおとなしめなコーデで、暖色を中心に……」

卯月「ベストはグレーで、髪型もさっきより落ち着かせて……」

未央「眼鏡を! これに合う眼鏡を!」

春菜「ここに!」

卯月「凄いです! まるで、書斎に居るみたいですよ!」

未央「だね! 今回のコンセプトは、父性!」

卯月「それじゃあ撮りますよ―♪ はい、チーズ!」

カシャッ!


武内P「大丈夫でしょうか!? 本当に送るのが正しいのですか!?」


未央・卯月「当然♪」

武内P「……!?」

  ・  ・  ・

未央「あっ、LINEに反応があったよ!」

卯月「凛ちゃん、ずっと待機してたみたいですね♪」

武内P「ゆっくり寝ていて欲しいのですが……!?」


『涙が出てきた』


未央・卯月「大喜び!」

武内P「何泣き!? 何泣きなのですか、それは!?」


『もっとちょうだい』


武内P「……!?」

武内P「あの、私の写真だけでなく、皆さんのものも……!」

未央・卯月「えっ?」

武内P「その方が、渋谷さんも喜ぶと、そう、思うのですが……」

未央・卯月「うーん……」

武内P「撮影は私がしますので、お二人の写真を……」

未央「あっ、それなら一緒に撮ろうよ!」

卯月「あっ、良いですね! せっかくですし!」

武内P「は、はぁ……」

未央「それじゃあ、プロデューサーが真ん中ね♪」

武内P「わ、私がですか?」

卯月「身長のバランスもありますし……ふふっ、センターですよ♪」

武内P「はぁ……」

未央「タイマーをセットして……」

未央「そーれ、っと♪」

卯月「えーいっ♪」

ぎゅっ!

武内P「!? ほ、本田さん、島村さん!? あの、腕を離し――」

カシャッ!

未央「どれどれ……おー、良く撮れてる!」

卯月「はいっ♪ 仲良し三人組、って感じですね♪」

武内P「……」

  ・  ・  ・

未央「あっ、LINEに既読がついたよ!」

卯月「でも、既読がついただけですね……」

武内P「あの、写真以外に、どんな文章を送ったのですか?」


「超新生・ニュージェネレーションズでーす!」


未央・卯月「……って」

武内P「本当に元気づけようとしての事だったのですか!?」

武内P「! 反応が――」


『今から行くから』


武内P「……!?」

武内P「今から行く……!?」

未央「おおっ! しぶりん、元気になったみたいだね!」

卯月「はいっ♪ 頑張った甲斐がありましたね!」

武内P「どう見てもそういう感じでは無いと思うのですが!?」


ガチャッ!

凛「はぁ……ゴホッ、おはようっぷしゅんっ!」ヨロヨロッ


未央「おはよっ、しぶりん!」

卯月「おはようございます、凛ちゃんっ!」

武内P「満身創痍にも程があります、渋谷さん!」

武内P「……」

武内P「いや、来るのが早すぎませんか!? 一体どうやって!?」

未央「こらこら、しぶりん。アイドルが上下スウェットじゃいかんよ!」

凛「ね、熱があるのに……ゴホッ! 寒気が凄くて……」ヨロヨロッ

卯月「髪もボサボサだし、汗も凄いですよ?」

凛「っくしゅんっ! お、起きてそのまま、ダッシュしてゴホッ!」ヨロヨロッ

武内P「今すぐ帰って休んで下さい渋谷さん!」

凛「……ふーん、アンっくしゅんっ! ゴホッ、ゴホッ!」ヨロヨロッ

武内P「言葉もままなっていないではないですか!」

武内P「とっ、とにかくソファーに横になりましょう!」

凛「そ、その前に……ゴホッ!」ヨロヨロッ


凛「わ、私もいっくしょんっ! 一緒に、一枚……ゴホッゴエホッ!」ヨロヨロッ


武内P「……!?」

  ・  ・  ・

凛「……ん、こ、ここは……? ベッドの上……? ゴホッ!」

武内P「気が、つかれましたか?」

凛「ゴホッ!……プロデューサー?」

武内P「ここは、事務所内の医務室です」

凛「いつの間に……ゴホッ」

武内P「その……携帯を持ち、立ったまま気絶されたので」

凛「……くっしょんっ!」

武内P「無理は、なさらないでください。渋谷さん」

凛「……」

武内P「写真ならば、元気になったら、いくらでも撮れます」

武内P「今は、良くなる事だけを考えて下さい」

凛「……うん、ごめん」

武内P「少し休んだら、私が車でご自宅までお送りします」

凛「……ありがと、プロデューサー……ゴホッ!」

武内P「いえ、渋谷さんのためですから」

凛「……少しだけ寝るから、ちゃんと看ててよね」

凛「出来ないなんて、言わせはっくしょ――んっ!」

武内P「……あの、せめて手で口を押さえて頂けると、助かります」

  ・  ・  ・

ガチャッ!

凛「プロデューサー! 良くなったから、写真!」

凛「ふーん♪ このエプロン、似合うと思ってたんだ」

凛「ウチの店で使ってるエプロンなんだけど……」

凛「あ、別に、変な意味はないから」

凛「ただ……似合うだろうなぁ、って思っただけ」

ちひろ「あの……凛ちゃん?」

凛「……あれ? ちひろさんだけ? プロデューサーは?」

ちひろ「プロデューサーさんなら、昨日からお休みしてますよ」

凛「はあっ!? どういう事!? 説明して!」


ちひろ「インフルエンザ、です」



おわり

書きます



武内P「誰の笑顔が一番か、ですか?」

美波「はい、リーダーとして知っておきたいと思って」

武内P「その……何故、そんな事を?」

美波「シンデレラプロジェクトのためです」

武内P「プロジェクトのため……?」

美波「プロデューサーさんが、一番と思う笑顔」

美波「それを参考にすれば、もっと私達は良くなるんじゃないかな、って」

武内P「……成る程、そういう事でしたか」

美波「だから……教えてください、プロデューサーさん」

武内P「しかし……そう言われても……」

美波「一体、誰の笑顔が一番なのかを!」

武内P「……」

美波「一体、誰の笑顔で一番勃起するのかを!」

武内P「……」

武内P「待ってください」

武内P「新田さん? 今、おかしな事を言いませんでしたか?」

美波「?」

武内P「……すみません、気のせいだったようです」

美波「もう! 勿体ぶらないで教えてください!」

武内P「ああ、いえ……勿体ぶっている訳ではなく、ですね」

美波「一体、誰の笑顔が一番チンポにガツンとくるんですか?」

武内P「……」

武内P「新田さん、そこに正座してください」

美波「正座しながらの笑顔がグッとくる、と?」

武内P「違います」

美波「もー、だったら、どうして正座させたいんですか?」

武内P「新田さん、貴女は自分の言った事が理解出来ていますか?」

美波「当たり前じゃないですか」

武内P「そう、ですか……理解出来ているのですね」

美波「プロデューサーさんは、誰の笑顔でフルパワーになれるんです?」

武内P「……」

武内P「新田さん、笑顔と、股間を何故結びつけているのでしょうか」

美波「えっ?」キョトン

武内P「キョトンとしないでください」

美波「だって、プロデューサーさんは笑顔が好きですよね?」

武内P「それは、まあ……はい、そうですね」

美波「つまり、笑顔フェチって事ですよね?」

武内P「待ってください。そういうのとは、違います」

美波「どこがですか?」

武内P「どこが……?」

美波「フェチ――フェティシズムは、異性の部分や要素に対する強い想いです」

武内P「それは……そうかもしれませんが」

美波「つまり……そうでないという事は」

武内P「……」

美波「笑顔萌え、ですか?」

美波「笑顔に対する想いは、萌えで済むものだったんですか!?」

武内P「っ!?」

武内P「……あの、何故私は怒られているんですか?」

美波「……ふふっ、なーんて、わかってるんですよ」

美波「プロデューサーさんの笑顔に対する、強い想いは」

美波「だから、プロデューサーさんは笑顔フェチです!」

美波「笑顔を見たら、勃起するに決まってますもんね!」

美波「……パワーオブスマイル、笑顔の力」

美波「笑顔の――精力!」

武内P「ぶっとばしますよ」

美波「!? じゃあ、笑顔よりも興奮する顔があるんですか!?」

美波「『キラッ! 勃起スマイル』じゃないんですか!?」

武内P「貴女は、私を何だと思っているのでしょうか」

美波「アヘ顔や、泣き顔の方が……?」

美波「! そんなっ!?」

美波「プロデューサーさんが、卯月ちゃんの泣き顔で勃起してたなんて!」

武内P「していません」

美波「……良かった」

美波「プロデューサーさんは、やっぱり笑顔が一番なんですね♪」ニコッ

武内P「……良い、笑顔です」

美波「あっ、や、ヤダもう/// 今ので勃起しちゃいました……?///」

武内P「しません! していません!」

美波「あっ……そう、ですか」ションボリ

武内P「……」

武内P「何と言うか……不必要な罪悪感を感じます」

美波「……じゃあ、誰の笑顔が一番なんですか」ションボリ

武内P「あ、あの……新田さん?」

美波「私の笑顔じゃ……無いんですもんね」ションボリ

武内P「ま、待ってください、新田さん」

美波「私の笑顔じゃ……チンピクすらしないんですよね」ションボリ

武内P「……!?」

美波「はぁ……ショックです……」ションボリ

武内P「……そ」

武内P「そうでも、ないですよ……!?」

美波「……えっ?」

武内P「新田さんの笑顔は……素晴らしいと、そう、思います」

美波「こ、股間に……来るって事、ですか?」

武内P「……私はプロデューサーですので」

武内P「その……必死に、抑えているのです」

美波「っ!?///」

美波「や、ヤダ/// それならそうと……/// もうっ!///」テレテレ

武内P「……」

美波「ぷ、プロデューサーさんも男の人ですもんね///」ニコニコ

武内P「はぁ……まあ、はい」

美波「笑顔で、勃起の一つや二つしちゃいますよね///」ニコニコ

武内P「あの、二つは本数的に無理です」

美波「あっ、そうでした! 美波、失敗しちゃいました///」ニコニコ

武内P「……」

武内P「……喜んで頂けて、何よりです」

美波「……っと、これじゃいけないわ、美波!」キリッ!

美波「プロデューサーさんが、笑顔で勃起するってわかったんだもの!」

美波「誰の笑顔が一番か、ハッキリさせなくちゃ、ね!」

美波「その子の笑顔を参考にして、プロデューサーさんをドッキリさせるの!」

美波「ドッキリボッキリ大作戦よ!」

武内P「……ボッキリと折れそうな作戦名ですね」

美波「プロデューサーさん! 誰の笑顔が、一番股間にきますか!?」

武内P「……」

武内P「……結局、そこに戻るのですね」

武内P「その……誰が一番、とは決められません」

美波「誰の笑顔でも勃起する、って事ですか?」

武内P「そんな人間にプロデュースされたいですか?」

美波「それじゃあ……決められない、って言うのは?」


武内P「……皆さんの笑顔は、それぞれ違います」

武内P「それぞれの個性、一人一人良さというものがあります」

武内P「なので、私の嗜好でそれらが損なわれてしまう」

武内P「……そんな決定、私には出来ません」


美波「成る程、同じのが続くと、興奮が薄れちゃいますもんね」

武内P「良い事を言った感じだったのに!」

美波「それじゃあ……参考までに、なんですけど」

武内P「? はい、何でしょうか?」

美波「私は、どんな笑顔が一番だと思いますか?」

武内P「このタイミングで、それを聞きますか」

美波「どんな笑顔が、種の『生存本能ヴァルキュリア』なんですか?」

武内P「新田さん、グループのメンバーを巻き込むのは辞めましょう」

美波「教えてください! 『Memories』に刻みますから!」

武内P「アナスタシアさんなら良いだろうという事でなく!」

美波「……!」

武内P「……そう、ですね」


武内P「普段の、優しい慈母の様な笑顔」

武内P「LIVE時の、女神の様な凛とした笑顔」

武内P「それらは素晴らしいと思っていましたが……」


美波「! それが、私のフルボッキ笑顔で――」


武内P「先程の、照れ笑いも……とても、可愛らしいと思いました」


美波「……えっ?」

美波「か、可愛らしい……?///」

美波「か、可愛らしいって……ち、違いますよ!///」テレテレ

美波「どんな笑顔が、一番海綿体に血が集まるかを……///」テレテレ

武内P「……申し訳、ありません」


美波「だ……駄目よ、美波、しっかりしなきゃ!///」テレテレ

美波「こんな扱い初めてだからって……!///」テレテレ

美波「あぁ、いけないわ!///」テレテレ

美波「顔がこんなに火照るのに、アソコが火照らないなんてっ!///」テレテレ


武内P「可愛らしいと、そう、思いましたので」


美波「……」

美波「……///」ニコニコ

美波「……ゴホン!」

美波「つまり、それぞれ一番の笑顔は違う」

武内P「はい、その通りです」

美波「それぞれが、一番の笑顔をする事が、勃起に繋がる」

武内P「……そういう事に、しておきます」

美波「ふふっ、でも、素敵な答えですね♪」

武内P「そう、でしょうか」

美波「どんな笑顔が、チンポを刺激するかわからないなんて、ワクワクします♪」ニコッ

武内P「良い、笑顔です」

武内P「が、狙いがわかっている以上素直に見られません」

  ・  ・  ・

専務「最近、君の様子がおかしいと噂になっている」

武内P「……そう、なのですね」

専務「なんでも、笑顔を向けてもまともに目を合わせない、と」

武内P「……」

専務「何があったのか、話してみなさい」

武内P「その……彼女達の笑顔の裏に、潜むものが……」

専務「笑顔の裏に潜むもの、だと?」

武内P「誰が一番か確かめようと、意気込んでいるのです……!」

専務「なんだ、そんな事か。くだらんな」

武内P「専務……笑顔の力に否定的だった貴女が、こんなにも頼もし――」


専務「ところで、私の笑顔はどうだ?」ニコリ


武内P「貴女もですか、専務!?」



おわり

>>474の続き書きます


「緊張、していますか?」


 ステージの脇の暗がり、彼が丁寧な口調で話しかけてきた。
 砕けた口調でないのは、今が仕事中だから。
 私は、アイドル。
 彼は、プロデューサー。


「はい、少し」


 何せ、本当に久しぶりのLIVEだもの。
 ここまで来るのに……そうね、血の滲むような努力をしたわ。
 大好きなお酒も辞めた。
 だって、そうでもしないと、歌声が取り戻せなかった。


「実は、私もです」


 彼が、クスリと笑いかけてきた。
 この笑顔に……何度も救われてきた。
 いつも辛い時、苦しい時は、黙って、ずっと傍に居てくれた。
 筋力も体力も落ちていたから、一緒にジョギングもしてくれたわよね。


「一緒、ですね」


 そんな彼に、私も微笑み返す。
 彼は、こんなおばちゃんになった私の笑顔を見たいと、そう言ってくれた。
 あの言葉が無ければ、私は今、こうしてこの場に立っていなかった。
 ううん、もしかしたら……なんてね。


「はい、一緒です」


 彼が、私の手を取り、言った。
 私の最愛のこの人は、きっと、私と同じ想いを胸に抱いているのだろう。
 だからこそ、こうして私をこのステージまで導いてくれたのだ。
 ふふっ、田舎で良い仲で静かに暮すのは、もっと後で良いものね。


「一緒に――」


 最高の、ステージにしよう。


「――笑顔で!」


 どこまでも、空の向こうまでも届く位の、歌を歌おう。

  ・  ・  ・

「……」


 もうすぐ、出番が来る。
 娘に頼まれて、披露宴で一曲歌うことになっていたのだ。
 引退したアイドルの歌声にどれだけの価値があるかわからない。
 けれど……それでも私に歌って欲しいと、言ってくれた。
 それに笑顔で応えられない私じゃ、無い。


「……ふぅ」


 緊張、は少しだけしている。
 懐かしい、LIVEの前のこの緊張感。
 練習は、彼と二人で、お家で出来るだけやったつもり。
 それでも、トレーナーさんについて貰っていた昔に比べると、全然。
 高い音も出なくなったし、声の張りも無くなった。


「緊張、しているね」


 なんて、彼が声をかけてきた。
 その表情が、少しからかうような色味を帯びている。
 昔の貴方だったら、精一杯緊張をほぐそうとしてくれてたと思うわよ。
 それとも、昨日の夜の事を根に持ってるのかしら?


「いいえ、そんな事無いわ」


 貴方にからかわれるような、私じゃありません。
 そんな想いを込めて、思いっきり笑い返してあげた。
 そうしたら、彼の表情がフッ、と穏やかになり、



「――良い、笑顔です」



 ……なんて言うものだから、思わず昔を思い出した。
 ファンの方達の笑顔に支えられて、一緒に階段を登っていたあの頃を。
 その、一番のファンは、私の目の前に居ると言う事を。


「頑張ってください」


 とても不器用な、見る人によっては、わからない程の笑顔。
 その笑顔に支えられているから、大丈夫。
 この人が居れば、私はいつだってアイドルになれるのだ。


「ええ……私なりに、余裕をもって」


 祝福する、歌を歌うわ。

  ・  ・  ・

「……」


 ステージに、立つ。
 ファンの方が見ているんだもの、みっともない所は見せられないわ。
 それに、今まで私達に沢山の幸せをくれた、大切な私達の娘も。
 そして、愛娘を……多分、私達よりも愛している彼も。


「っ……!?」


 ちょ、ちょっと、ねえ!?
 まだ歌ってもないのに、どうして泣いちゃってるの!?
 ほら、せっかく綺麗なドレスを着てて、ああ、お化粧も……!


「……!」


 前奏が始まっているのに、泣き出した娘に気を取られちゃってる。
 それはきっと、私がもう引退したアイドルで、母親だからだろう。


 ねえ……どうしましょう!?


 なんだか、私も釣られて泣きそうになっちゃってるの!


「――あ」


 そう、思って彼に目を向けると、彼は既に立ち上がり、こちらへ歩いてきていた。
 その颯爽とした姿に思わず見入ってしまい……


 ……歌い出すのが、遅れた。



 ――けれど、低く、よく通る声が会場に響いた。



 それは、長年連れ添ってきた、私の愛する人の声。
 その歌声は、私に向けられていた。


 ……もう、駄目じゃないの。


 こっちを――私達の、子供達の方を向いて歌わないと!

  ・  ・  ・

「ふふっ、うふふっ!」


 ホテルに帰り着いて、何をするでもなく、ベッドに飛び込んだ。
 とても……とても、幸せな気分で。


「ドレスが……!」


 焦る声が聞こえたけれど、聞こえない。
 だって、もう大切な役目は終えたドレスだもの。
 私達と一緒で、もう大きな仕事は終わったの。
 お仕事に大きいも小さいもないなんて、誰かが言ってた気がするけれど。


「ふふっ、ドレスって、どれっす? うふふっ!」


 とっても飲みやすい焼酎で、あれならしょっちゅう飲みたくなっちゃう。
 お料理も美味しくて、栄養のバランスも、りょうり・つ、出来ていそう。
 デザートは、愛する人たちと、アイスを食べて。
 あとはもう、考えを練るまでもなく、寝るだけだと思うの。


「……今、着ているやつ」


 彼が、呆れ顔でこちらを見ている。
 もう、そうじゃないでしょう?


「よろしくお願いしまーす♪」


 これは、貴方が選んだドレスでしょう!
 責任をもって、脱がせるまで、しっかりやりなさい!


「……」


 彼が、右手を首筋にやって、仕方ない人だ、と呟いた。
 私は、それはお互い様じゃない? と返す。


「……ふふっ!」
「……くっくっ!」


 二つの笑顔が、重なる。
 靴は脱ぎ捨て、裸足になった。
 これから、二人っきりの時間―ー


 ――あ、待って! 先にシャワーを浴びたい!


 待ってったら! うふふっ、もうっ!



おわり

寝ます
おやすみなさい

書きます



武内P「夢に出る人物、ですか」

武内P「あまり、夢は見ないのですが……」

ちひろ「あら、そうなんですか?」

武内P「はい」

ちひろ「誰かの夢を見た事が無い、と」

武内P「そうですね、そうなります」

ちひろ「ふふっ、それじゃあ――」


ちひろ「夢に出てきた人は、かなり意識してる、って事になりますね♪」


武内P「そう……ですね」

  ・  ・  ・

武内P「……ふぅ」

武内P「作業も一段落した事だし、時間も余裕がある」

武内P「……少し、仮眠をしよう」

武内P「そう……一時間だけ……」

武内P「……」

武内P「……zzz」


……カチャッ


凛「……」ニヤリ

凛「プロデューサーは、私の夢を見る」ボソボソ

武内P「……zzz」

凛「私……凛の夢を見る」ボソボソ

武内P「ん……んん……」

凛「プロデューサーにとって、私は……凛は大事な人……」ボソボソ

武内P「ん……凛は……大事な人……」

凛「!」

武内P「凛は……大事な人……」

ほわほわ~ん

  ・  ・  ・

凛「なんて化物……!?」

凛「逃げるわよ! プロデューサー!」


武内P「――いいえ、それは出来ません」


凛「プロデューサー!?」

凛「……わかったわ。時間を稼いでちょうだい」


武内P「はい。時間を稼ぐのは構いませんが――」


武内P「別に、アレを倒してしまっても構わないでしょうか?」

  ・  ・  ・

武内P「――血潮はスタドリ、心はエナドリ!」

ガバッ!

武内P「……っ……夢……?」


凛「お、起きたんだ」

武内P「……渋谷さん?」

武内P「も、申し訳ありません、少し、仮眠を取っていて……」

凛「……今の様子、何か夢でも見たの?」

武内P「そう、ですね」

凛「ふーん……ふーん♪」

武内P「……?」

  ・  ・  ・

武内P「渋谷さんの機嫌が良かったが、一体……?」

武内P「……」

武内P「あまり……時間が経っていない、か」

武内P「……もう少しだけ、仮眠を取ろう」

武内P「……」

武内P「……zzz」


……カチャッ


ありす「……」

飛鳥「……」


ありす・飛鳥「!?」

ありす「あの……どうしてここに?」ボソボソ

飛鳥「さてね。僕の足が、何故僕をここへ運んできたかはわからないさ」ボソボソ

飛鳥「だけど、逆に問おうじゃないか。そういうキミこそ、何故ここへ?」ボソボソ

ありす「わ、私は……あの人に用があって」ボソボソ


武内P「……zzz」


飛鳥「寝ている人間に用だなんて、まるで白雪姫の王子様だね」ボソボソ

飛鳥「キスでもして起こすつもりかい? それは、オススメ出来ないな」ボソボソ

ありす「そ、そんな事しません!」ボソボソ


武内P「う……ううん……」


ありす・飛鳥「!」


武内P「……zzz」


ありす・飛鳥「……」ホッ

飛鳥「言い争いをしていても、何の得も無さそうだ」ボソボソ

ありす「……そう、ですね」ボソボソ

飛鳥「正直に言おう。僕も、蘭子の話を聞いて彼に興味が出てね」ボソボソ

ありす「わ、私は別に、そんな……」ボソボソ

飛鳥「しかし、彼は僕の事なんかこれっぽっちも考えちゃあいない」ボソボソ

ありす「……」

飛鳥「だから、少しばかり夢の中にお邪魔させて貰おうと思ったんだ」ボソボソ

飛鳥「――キミも、そうなんだろう?」ボソボソ

ありす「……」


武内P「……zzz」

飛鳥「違うと言うなら、それでも良いさ」ボソボソ

飛鳥「僕が取る行動、それに一切影響は出ないからね」ボソボソ

ありす「わ、私は……」ボソボソ


武内P「……zzz」

飛鳥「キミは、僕の夢……二宮飛鳥の夢を見る」ボソボソ

武内P「……ん……んん……」

飛鳥「夢の中の僕……二宮飛鳥と、理解し合う関係の夢を」ボソボソ

武内P「う、んん……二宮飛鳥……理解し合う……zzz」

飛鳥「!」グッ!


ありす「……」

ありす「!」

ありす「違います。貴方は、私の……橘ありすの夢をみます」ボソボソ

飛鳥「!?」

武内P「う~ん……橘ありす……zzz」

ありす「!」グッ!

飛鳥「いいや、違う。僕の……二宮飛鳥の夢だ」ボソボソ

武内P「う、んん……二宮飛鳥……zzz」

ありす「!? 違います、橘です」ボソボソ

武内P「たちば……な……zzz」

飛鳥「違う、僕だ。僕の夢を見る」ボソボソ


武内P「ぼく……めるしーぼくぅ……zzz」


飛鳥「違う、そうじゃない! 飛鳥の夢!」ボソボソ

ありす「橘、橘、橘、橘、橘!」ボソボソ

飛鳥「飛鳥、飛鳥、飛鳥、飛鳥、飛鳥」ボソボソ

武内P「うう……んん……」

ほわほわ~ん

  ・  ・  ・

あすか「貴方の戦う理由はなんですか?」


武内P「――笑顔です」


あすか「笑顔!? まさか、そんなもののために!?」


武内P「おかしい、でしょうか?」


あすか「いいえ、納得しました! 貴方はバカだ!」


武内P「……」


あすか「――そして! この僕も!」

あすか「貴方は、僕がここで止めてみませす!」

あすか「変幻自在の八つの宝玉!」


あすか「『エタニティ・エイト』の、橘あすかが!」

  ・  ・  ・

武内P「――もっと、輝けるはずです!」

ガバッ!

武内P「……っ……夢……?」


ありす・飛鳥「お……おはよう、ございます」

武内P「橘さんに……二宮さん?」

武内P「も、申し訳ありません、少し、仮眠を取っていて……」

ありす「……あの、今の様子だと」

飛鳥「もしかして……?」

武内P「夢を……夢を見ていました」

ありす・飛鳥「……」

ありす・飛鳥「♪」ニコリ

武内P「……?」

  ・  ・  ・

武内P「お二人とも、何の用事だったのでしょうか……?」

武内P「……」

武内P「あと……少しだけ時間がありますね」

武内P「……もう少しだけ、仮眠を取ろう」

武内P「……」


……カチャッ


アーニャ「……」

アーニャ「プロデューサーは、私の、アー、夢を見ます」ボソボソ

武内P「……」

アーニャ「アーニャと、プロデューサーはとっても仲良しですね?」ボソボソ

武内P「……」

アーニャ「アーニャは、プロデューサーの言う事は絶対、です」ボソボソ

武内P「……」

アーニャ「プロデューサーは、そんなアーニャを可愛いと思っています」ボソボソ

武内P「……」

アーニャ「アーニャは、ズヴェズダ、アー、星を見るのが好き、です」ボソボソ

武内P「……」

アーニャ「プロデューサーも、そう、ですね?」ボソボソ

武内P「……」

アーニャ「一緒に、見る星はとっても綺麗、です」ボソボソ

武内P「……」

アーニャ「夢の中でも、とっても、綺麗♪」ボソボソ

武内P「……」

  ・  ・  ・

ちひろ「そういえば、あれから夢は見ましたか?」

武内P「そう……ですね、はい」

ちひろ「えっ、本当に?」

武内P「? 何か、あったのでしょうか?」

ちひろ「凛ちゃんと、橘ありすちゃんと、二宮飛鳥ちゃんが気になってるみたいで……」

武内P「?」

ちひろ「その三人の夢は、見たんですか?」

武内P「いいえ、全く」

ちひろ「えっ? 見てないんですか?」

武内P「? はい」

ちひろ「三人共、私達の夢を見てたー、って言ってましたよ?」

武内P「えっ? そんな夢は、見ていませんが」

ちひろ「大事な人扱いされる夢とか……」

武内P「いえ、マスターを守るのは、サーヴァントとして当然ですから」

ちひろ「理解し合う夢とか……」

武内P「ぶつかり合い、分かり合えたと思います」

ちひろ「アイドルと?」

武内P「いえ、アルターです」

ちひろ・武内P「……?」

ちひろ「ええと……そういえば、アーニャちゃんと――」

武内P「――はい。星を見に行く約束をしました」

ちひろ「ふふっ、アーニャチャン、最近ずっとニコニコしてますもんね♪」

武内P「そう、ですね。喜んで頂けたようで、何よりです」

ちひろ「夢にまで見た、って言ってましたよ!」

武内P「いえ、夢は見ていません」

ちひろ「はい?」

武内P「……ですが、出来る限り、楽しんで貰おうと思っています」

ちひろ「……そうですね」


ちひろ「夢の様な体験をプレゼントしてあげてくださいね♪」



おわり

誤)>ちひろ「ふふっ、アーニャチャン、最近ずっとニコニコしてますもんね♪」

正)>ちひろ「ふふっ、アーニャちゃん、最近ずっとニコニコしてますもんね♪」

っと、ボク、キミ、セカイ、フフッ、が二宮さんでした
蒼星石気分でした、申し訳ない



武内P「……どちら様でしょうか?」

美嘉「……は?」

武内P「渋谷さんと、本田さんのお友達、でしょうか?」

美嘉「……あ?」

武内P「! 申し訳ありません、私、こういう者です」

美嘉「……名刺?」


未央「やばいよ、スッピンなだけなのに!」

凛「うん、全然気付いてない」

美嘉「……」

武内P「アイドルに、興味はありませんか?」

美嘉「……お?」

武内P「見たことのない世界を見たくはありませんか?」

美嘉「……ん?」


未央「スカウトはじめた!」

凛「鈍いにも程があるでしょ」

美嘉「……あー」

武内P「少しだけ、お時間を頂けないでしょうか?」

美嘉「……はー」

武内P「貴女ならば、きっと素晴らしいアイドルになれます」

美嘉「……おー」


未央「既に! 既にアイドルだから!」

凛「駄目、こっちの声が聞こえてない」

美嘉「……なんで?」

武内P「笑顔です」

美嘉「……」

武内P「貴女の笑顔が、見たいと思いました」

美嘉「……」


未央「そういう事じゃないんだってえええ!」

凛「待って! あれを見て!」


美嘉「……少しだけなら」


未央「まんざらでも無さそう!?」

凛「カリスマのカの字も感じないね」

美嘉「……それで?」

武内P「申し訳ありません、お名前をお聞きしても?」

美嘉「……ミカ・みかん」

武内P「ミカさん、ですね。ありがとうございます」

美嘉「……うん///」


未央「ものすっごいアピールしたのに!」

凛「偽名を名乗って名前で呼ばせる……その手が!」

美嘉「……ミカさん///」ボソッ

武内P「ミカさんは、アイドルに興味はありませんか?」

美嘉「あー……ある、かな」

武内P「! 本当ですか! それは……良かったです」

美嘉「う、うん……」


未央「あっ、これスカウト成功の流れだ」

凛「いや、とっくにアイドルだけどね」

美嘉「……あん……貴方は、プロデューサー?」

武内P「はい。シンデレラプロジェクトの、プロデュースをしています」

美嘉「……へー、凄いじゃん★」

武内P「? 今、何かカリスマが……」

美嘉「なんっ、でも無いです! 気にしないで!」

武内P「は、はぁ……」


未央「見てらんない! しぶりん、何とかしてよ!」

凛「私が!? 無理だよ!」

美嘉「……アイドルになったら、さ」

武内P「? はい」

美嘉「アタ……私の担当は、アン……貴方が?」

武内P「そう、ですね。そうなります」

美嘉「そ、そっか……そうなんだ」


未央「美嘉ねぇ! あんたもうアイドルだよ!」

凛「名字も捨てて……なんか、ちょっと本気っぽいのが怖い」

美嘉「……一緒に、お仕事行ったり」

武内P「はい。始めの内は、付きっきりになると思います」

美嘉「付きっきり!? マジで!?」

武内P「す、すみません……嫌、でしたでしょうか?」

美嘉「う、ううん! 全然そんなコトないよ!」

武内P「それは……はい、安心しました」

美嘉「うん……そっか、付きっきり、かぁ」ニヘラ


未央「うっわ、見てよしぶりんあの笑顔」

凛「有り得ないのに、ちょっとイラッとするかも」

美嘉「……休日は?」

武内P「勿論、しっかり有ります」

美嘉「じゃなくて!」

武内P「はい?」

美嘉「その……一緒に、出かけたり?」

武内P「それは……難しいかもしれませんね」

美嘉「……そっか」ションボリ


未央「……ねえ、可哀想になってきた」

凛「……うん。その、色んな意味で」

美嘉「……! お昼ごはん!」

武内P「その程度でしたら……はい、問題ないと思います」

美嘉「ホント!? ヤバ、チョーアガるんですケド★」

武内P「待ってください、今、覚えのあるカリスマが……」

美嘉「カリスマ? そんなの、全く感じないですよ?」

武内P「いえ、確かに今……」

美嘉「気のせい気のせい! そんなの無い無い!」ケラケラ


未央「イタタタタ! 胸が! 胸が痛い!」

凛「もう……美嘉自身がカリスマに限界感じてたもんね」

美嘉「そんなコトより!」

武内P「いえ、ですが……」

美嘉「アタ、私って……かっ、カワイイと、思います……?」

武内P「はい、とても」

美嘉「とても!?……とても!?」

武内P「とても可愛らしく、魅力的だと思います」

美嘉「ねえ、聞いた!? 二人共、聞いた!?」フンスー!


未央「待って! こっちに振ってきた!?」

凛「私達の存在を覚えてるのに、今までのやり取りを!?」

美嘉「すっ、スタイルは!?」

武内P「えっ!?」

美嘉「アイドルって、スタイルとか重要じゃん!?」

武内P「そ、それは……はい、素晴らしく……」

美嘉「ムラッと!?」

武内P「あの、お、落ち着いてください!」

美嘉「逃げないでよ! アンタ、アタシのプロデューサーでしょ!?」

武内P「っ!?」


未央「違う!」

凛「それ、私の台詞だから!」

美嘉「マジでこの答え大事だから! マジで!」

武内P「そ、そこまで……ですか?」

美嘉「アタシの体を見て、エロい気持ちになるの!?」

武内P「あ、その……!」

美嘉「エロい気持ちになるの!? やらしい気持ちになるの!?」

武内P「ま、待ってください……どちらと言われましても……」

美嘉「どっちなの!?」チラリ

武内P「っ……!」


未央「冷静さを欠いてるように見えて、どっちも同じだあれ!」

凛「さりげなくスカートを上げるなんて! ズルいでしょそんなの!」

美嘉「……!」

武内P「……な、なります」

美嘉「なるんだ」

武内P「……申し訳、ありません」

美嘉「ううん、全然」

武内P「ですが……」

美嘉「あっ、未央、凛! どっちでも良いから、写真撮ってくれない?」


未央「カメラマン扱いはひどいよ美嘉ねぇ!」

凛「……良いよ、私が撮ってあげる」


美嘉「サンキュ★」

武内P「! 今、カリスマが!」

美嘉「そんなの無いです、ありません」

美嘉「記念の一枚だから、綺麗にヨロー!」

武内P「記念、ですか?」

美嘉「そっ! アン……貴方と、アタ……私の!」

武内P「……」


凛「撮るよ」


美嘉「ホラ! 二人で並んで撮ろっ!」

武内P「は、はぁ……」


凛「はい、チーズ」


美嘉「イエーイ★」ビシッ!

武内P「!? 城ヶ崎さん……!?」


未央「うん」

未央「気付くのおっそい!!」

美嘉「……えっ?」

美嘉「ジョウガサキ・サン?」


未央「まだ誤魔化せると思ってるの!?」


美嘉「……やだなあ、誤魔化すって?」

美嘉「これから、一緒にシンデレラプロジェクトを盛り上げていこ!」


凛「もう無理だよ、メンバー入り出来ないから」


武内P「……城ヶ崎さん」

美嘉「ち、違うよ? アタ、私は……ミカ・みかんだから」

武内P「いいえ、貴女は、城ヶ崎美嘉さんです」

美嘉「……」

武内P「……」


未央「……待って、なんかシリアスな空気になってない?」

凛「なってる。本当、無駄になってると思う」

武内P「あの、ポージングから感じるカリスマ」

美嘉「……」

武内P「貴女は、間違いなく城ヶ崎美嘉さんです」

美嘉「……」

武内P「ギャルメイクをしていなくても、わかります」

美嘉「……」

武内P「あの、カリスマ溢れるポージングを見れば」

美嘉「……」


未央「そろそろ逃げようか?」

凛「うん、その方が良いね」

武内P「城ヶ崎さん」

美嘉「……」

武内P「何故、あんな事を聞いたのでしょうか?」

美嘉「……あんな?」

武内P「容姿や、スタイルに関する事をです」

美嘉「……ちょっと、自分に自信が無くなってさ」

武内P「何故、ですか?」

美嘉「……」

美嘉「あ?」

武内P「城ヶ崎さんは、とても魅力的なアイドルです」

美嘉「……うん?」

武内P「カリスマJKアイドル、城ヶ崎美嘉……」

美嘉「……おう?」

武内P「私は……貴女の、ファンです」

美嘉「……そっか」

美嘉「それじゃあ、アタシが言いたいコト、わかるよね★」ニコリ

武内P「良い、笑顔です」


武内P「……はい、正座ですね……」



おわり

つまり、こういう事ですね



武内P「科目選択、ですか?」

未央「二年生になったら選ばなきゃいけないじゃん?」

凛「正直、どっちにしたら良いかわからなくて」

みく「アイドルのお仕事もあるし、迷ってるにゃ」

武内P「成る程。とても、大事な選択ですからね」

武内P「そう……ですね」


武内P「実際に見て、判断してみるのも良いかも知れませんね」


未央・凛・みく「……ん?」

未央「実際に見てって、歳上の子達に聞くって事?」

武内P「いえ、違います」

凛「それじゃあ、どうやって見るって言うの」

武内P「私が、皆さんにお見せしようと思います」

みく「見せるって、どういうk」


武内P「文系スイッチ、オン!」

キュイーン!


みく「台詞の途中で変なスイッチ入れないでPチャン!」

未央「スイッチ入ったけど……何が変わったの?」

武内P「……」

凛「見た目は、特に変わってないみたいだけど」

武内P「前川さん」

みく「Pチャン! みくの台詞を遮った理由、説明して貰うからね!」


武内P「――嗚呼、申し訳ありません、可愛い私の姫君よ」


みく「ほわっ!?」

未央・凛「それが文系!?」

みく「ひっ、姫君!?」

武内P「その通りです、マイ・シンデレラ」

武内P「貴女の美しい声を最後まで聞かずにいた私を許して下さい」

みく「は、はい」

武内P「しかし! 私は、貴女に見せたかった!」

みく「な、何を……?」

武内P「愛の詩を紡ぐに相応しい、今の私をです」

みく「そ、そうだったなら……し、仕方ないにゃ///」


未央「文系はヤバい! ポエム加速してる!」

凛「いや、でも……悪くないかな」

未央「しぶりん、マジで!?」

  ・  ・  ・

武内P「――文系スイッチ、オフ!」

キュウーン…

武内P「……はい、今のが文系ですね」


みく「アリにゃ! みく、文系にしようかな!」

凛「うん、アリだね。文系、悪くないかな」

未央「落ち着いて二人共! 今のは多分、ううん、絶対何か違う!」

武内P「それでは、次は理系ですね」

未央「待って! スイッチいれn」


武内P「理系スイッチ、オン!」

キュイーン!


未央「スイッチ入るの早いから!」

みく「理系かぁ……正直、文系に気持ちが傾いてるにゃ」

武内P「……」

凛「今回も、見た目は変わってないみたいだね」

武内P「本田さん」

未央「ひいっ!? こっちに話を振ってきた!?」


武内P「84-58-87……この数値は、正確でしょうか?」


みく・凛「……何の数字?」

未央「私のスリーサイズじゃんかそれ!」

未央「なんで唐突にそんな事を!?」

武内P「46という数字も……間違っていますね?」

武内P「本田さん、データは正確で無ければなりません」クイッ!

未央「め……眼鏡を上げる動作……!?」

武内P「今まで、貴女を自由にさせすぎたようです」

未央「じ、自由って……」

武内P「貴女のデータは、私が正確に管理します。異論は認めません」

未央「……」

未央「……は、はい///」


みく「理系……なんて強引な!」

凛「まあ、でも……悪くないかな」

みく「凛チャン、何でも良いんじゃないの!?」

  ・  ・  ・

武内P「――理系スイッチ、オフ!」

キュウーン…

武内P「……はい、今のが理系ですね」


未央「アリ! 理系は何ていうか……グッときた!」

みく「うーん、みくは文系の方が良かったにゃ」

凛「そう? 私は、どっちも良さがあると思うけど」

武内P「基本的には、この二つが――」


ガチャッ


茜「おはようございます!」


武内P「体育会系スイッチ、オン!」

キュイーン!


未央・みく・凛「まだスイッチあるの!?」

茜「今日は、ちょっと用があっt」

武内P「おはようございます!!!!」

茜「!?」

茜「お、おはようございます!!!!」

武内P「ちゅーっす!!!!」

茜「!!?」

茜「ちゅーっす!!!!」

武内P「!」ビシッ!

茜「うっす!!! 失礼しましたー!!!!」


…バタンッ


未央・みく「耳が……!」

凛「まあ、でも……悪くないかな」

未央・みく「!?」

  ・  ・  ・

武内P「――体育会系スイッチ、オフ!!!!」

キュウーン…

武内P「……はい、今のが体育会系ですね」


未央・みく「無し!」

凛「待って。私は、そんなに悪くないと思う」

未央「しぶりんは、いつかそうやって身を滅ぼすよ」

みく「凛チャン。凛チャンは、何でもいいの?」

凛「いや、そんな事は無いけど」

未央・みく「……」

未央「今のだと、私は理系かなー」

みく「みくは、文系に興味が出たにゃ」

武内P「少し、意外ですね」

武内P「本田さんは、お芝居の仕事もされていますし、文系」

武内P「前川さんは、動物の医学に興味を保たれていたので、理系」

武内P「……そう、思っていたのですが」

未央「えーと……新しい事に挑戦! 的な!」

みく「そ、そうにゃ! みくは、いつでもチャレンジするにゃ!」

武内P「それは、とても素晴らしい事だと思います」

未央・みく「えへへ」ニコッ

武内P「良い、笑顔です」



凛「待って、まだ私が決まってないんだけど」

凛「ねえ、今話が終わりそうになってなかった?」

武内P「い、いえ! そんな事は、決して!」

凛「誤魔化さないでよ!」

武内P「っ!?」

凛「ねえ、アンタは私は文系だと思う? それとも理系?」

武内P「そ、それは……」

凛「体育会系? セクシーなの? キュートなの?」

凛「――どっちが好きなの!」

武内P「……!」


未央「……しぶりん、どっちでもないよね」

みく「……今は鬼か蛇か、って感じにゃ」

武内P「私には……決められません」

凛「……どうして?」

武内P「文理の選択は、とても重要なものです」

凛「アンタ、私のプロデューサーでしょ!?」

武内P「だからこそ!」

凛「っ!?」

武内P「だからこそ……渋谷さん自身で、選んで欲しいのです」

凛「プロデューサー……」


未央「……凄い、しぶりんが落ち着いた」

みく「未央チャン? 凛チャンの扱いってそんな感じなの?」

凛「それじゃあ……ちょっとだけ、アドバイスお願い」

武内P「ええ、その程度でしたら」

凛「これ、この間のテストの結果なんだけど……」

武内P「……見ても、よろしいのですか?」

凛「プロデューサーだから見せるんだよ」

武内P「渋谷さん……では、拝見させていただきます」


武内P「……」

キュイーン!


未央・みく「……スイッチ入った?」


武内P「アイドル活動と、スポーツを頑張りましょう!!!!」



おわり

ゲームメンテ中なのでゴリゴリ書きます

書きます


武内P「スカウトした時の思い出、ですか」

卯月「はいっ♪ 皆に聞いてたんです!」

凛「私達はわかってるけど、皆のは知らないな、って」

武内P「成る程、そういう事でしたか」

未央「いやー! 私の時は、運命を感じたよね!」

凛「未央は連絡が来て、だからスカウトじゃないでしょ」

未央「ちょっとしぶりん!?」

卯月「あはは……」

武内P「……」


武内P「皆さんとの出会い……懐かしいですね」

武内P「新田さんの時は――」

美波「――はい。あれは、下着をつけず散歩してた時……」

武内P「待ってください! そんな状態だったのですか!?」

美波「プロデューサーさんが、本能のままに私を求めてきたんです」

武内P「理性です! そして、その言い方はあまりにも!」

美波「あんな情熱的なお誘い……美波、断れません///」

武内P「何故、顔を赤く!?」

美波「知らなかった世界……開かれる扉……あぁん!」

CPアイドル達「……サイテー」

武内P「いえ、間違った事は言っていませんが……いませんが!」

武内P「あ、アナスタシアさんの時は――」

アーニャ「――ダー。あの時のプロデューサーはヴォールク、アー、狼、でした」

武内P「待ってください! また、誤解を招きそうな単語が!」

アーニャ「私の、笑顔が見たい……そう、言ってくれましたね?」

武内P「! そうです! その通りです!」

アーニャ「あの時から、プロデューサーの命令は、絶対、です///」

武内P「だから、何故、顔を赤く!?」

アーニャ「スパシーバ! 新しい、喜びを知りました!」

CPアイドル達「……サイテー」

武内P「普通に! 普通にスカウトしただけです!」

武内P「かっ、神崎さんの時は――」

蘭子「――我が友よ! 我らの出会いは、語るべきではない!」ビシッ!

武内P「熊本のラーメン屋で、偶然出会ったのでしたね」

蘭子「我が友よ! 言の葉を重ねるは、私の魔力弱める事に繋がる!」ビシッ!

武内P「良い、スープでした」

蘭子「……はい、とってもこってりで」

武内P「そして……それを飲み干した時の、良い笑顔」

蘭子「プロデューサー……」

CPアイドル達「……」スッ

武内P「機会があれば、行きましょう」

凛「……へえ、結構スカウトしてるんだね」

武内P「はい。半数は、スカウトで、ですね」

卯月「凛ちゃんもスカウトですもんね!」

武内P「そう……ですね」

未央「なんだか、結構苦労したみたいじゃん?」

武内P「……」

凛「待って、そんなに大変だと思ってたの?」

武内P「あ、言え、そういうわけでは……」

凛「ふーん、どうだか」

武内P「……」

武内P「渋谷さんの時は――」

凛「――いきなりプロポーズされたんだよね」

武内P「いきなり嘘から入らないでください、渋谷さん!」

凛「だけど、急にそんな事言われても、訳がわからなくて……」

武内P「渋谷さん? 渋谷さん?」

凛「そうしたら、生贄を捧げるから、って」

卯月「生贄って、もしかして私ですか!?」

凛「結婚はまだ無理だけど、アイドルからならって」

未央「友達とか恋人じゃなくアイドルからって、どんな奇っ怪なステップ!?」

  ・  ・  ・

武内P「……何故、皆さんはあんな事を」

ちひろ「んー、多分、ですけど」

武内P「! 理由が、わかるのですか?」

ちひろ「ほら、スカウトされて、って運命的な感じがするじゃないですか」

武内P「そう、ですか? よく、わかりませんが……」

ちひろ「だから、私が一番運命的だったんだー、ってアピールしたかったのかも」

武内P「……」

ちひろ「……でも、そう考えると」

ちひろ「スカウトされてない子は、不満に思うかもしれませんね」

武内P「それは……」

  ・  ・  ・

武内P「……そう言われ、聞いてみた所――」


アイドル達「……」


武内P「驚きました。皆さん、不満タラタラだったのか、と」

武内P「そして、あの……何故、此処に集まったのですか?」


アイドル達「はいっ!」


武内P「はい、ではなく」

武内P「そして……何故、スカウトされた方も居るのですか?」


アイドル達「はいっ!」


武内P「はい、ではなく」

武内P「この資料は……シチュエーション、でしょうか」

アイドル達「……」

武内P「その……こんな感じで、スカウトの真似をしろ、と?」

アイドル達「……」コクリ

武内P「かなり……現実的でない、ファンタジーな案もあるのですが……」

文香「……うっ……ぐすっ……!」ポロポロ

武内P「っ!? 泣いて、いるのですか!?」

アイドル達「……かわいそう」

武内P「わっ、わかりました! 可能な限り、努力してみますので!」

アイドル達「……」ニヤァ

武内P「……」

って事で、1レスで武内Pのスカウトを10人分書きます
アイドル、シチュをテキトーによろです

うし、テキトーにジャンル散らして書きます

借金に追われた家族
稼ぎにならない娘を残し夜逃げした一家
夜中、暗い部屋から聞こえる鳴き声

そんなとき、颯爽と現れたスーツ姿のサラリーマン


「ちょっと……離して!」


 本当に、これだから侍は嫌なのよ。
 こっちが抵抗の出来ない町娘だからって、強引に。
 私が誘うような目をしていた、なんて。
 貴方達みたいな人に、そんな目を向ける訳が無いじゃないの。
 けれど、私にはどうする事も出来やしない。
 ほら、皆も関わり合いになりたくないって――



「――待たれよ」



 ――そんな時、一人の、大柄な侍が現れた。
 その身に纏う空気、眼光……何一つ取っても、只者では無い。
 大きな侍は、男達と、それに手を掴まれている私の進路を塞ぐように立ちはだかった。


「なんだ、お前は?」


 最初は気圧され、怯んでいた男達も、相手は所詮一人と見るや否や気勢を上げた。
 多勢に無勢、明らかに勝目は無い。
 嗚呼、それなのに、大きな侍の顔には恐れの感情は欠片も見当たらない。
 鍛え抜かれた刀身の様に、唯一つの役目を果たさんと静かに佇んでいる。



「娘さん」



 大きな侍は、男達には目もくれず、私を真っすぐに見つめてくる。
 助けてください、逃げて下さい……その、どちらかを口にするべきなのだろう。
 けれど、大きな侍の視線は、まるで私の心の臓を一突きしたかのよう。



「あいどる、に……興味は?」



 あいどる……それがなんなのか、私にはわからなかった。
 わかったのは、彼がとても魅力的だと言うことのみ。
 刀を抜かずに私の命を奪ったこの侍には、私の仇として、唇をねだってみよう。
 彼の問いに対する答えを言う前に、私はそんな事を考えていた。

前世で主従だった、主を守って従者は逝き、来世で邂逅
飼い犬・猫が化けた
ベットでナニしてるところを警察呼んだけど、3人になって襲われた

>>693

「……」


 どうして、私だけがこんな目にあうんでしょうか。
 神様が居るとしたら、それは、とても不公平だと思います。


「……」


 ベッドの上に座りながら、暗い部屋を見渡してみます。
 ほとんどの家具には、「差し押さえ」の赤い札が貼られているんです。
 それは、ここは私の部屋なのに、ほとんどの家具が私のものでは無い、という意味です。


「……うっ……ぐすっ……!」


 泣いてはいけないと思っていても、ポロポロと、涙が溢れてきます。
 誰に聞かれるわけでも無いのに、私は、声を殺して泣きました。
 皆、私だけを置いて逃げてしまった。
 私は、必要とされて居ないんだと思うと、余計に涙が溢れてきます。
 泣いたらお腹が空くのに……もう、苺もパスタも残り少ないのに……!



「――笑顔です」



 そんな、泣き続ける私に、低い、低い声がかけられました。
 その声はとても優しくて、温かな気持ちになりそうでした。
 けれど、それは駄目です。
 だって、その声の主は、私の部屋の窓を勝手に開けて佇んでる、不審人物ですから!


「だ、誰ですか貴方は!?」


 大きな声を出すと、怖い人達に気づかれてしまうかもしれません。
 それなのに、大丈夫だと思ったんです。



「通りすがりの、プロデューサーです」



 こんなおかしな状況で、大きな体を曲げて丁寧に挨拶し、名刺を差し出すこの人。



「アイドルに、興味はありませんか?」



 この人が居れば、きっと大丈夫だろう、って。

奏とベットインして、耳元でひたすらそれっぽい台詞をバリトンボイスで浴びせながらスカウト

>>695一行目


「……申し訳、ありません」


 彼の顔から、生気が失われていく。
 横たわった背中から、赤い、赤い血が溢れてくるのが見える。
 命がこぼれ落ちていくのを私は、ただ、見ている事しか出来ない。


「約束を……守れそうに、ありません」


 彼は、助からない。
 私の命を守るために、己の体を盾にして負った傷。
 それは深く……彼自身も、自分の命の灯火が消えようとしているのを理解している。
 足掻きたい。
 けれど、そんな事をしていては、彼の最期の言葉を聞き逃してしまう。
 それだけは、出来ない。


「……笑顔です」


 彼の手が、私の頬に触れそうになったが、その動きがピタと止まった。
 この不器用で、誠実な私の騎士は、自らの血で私の顔が汚れるのを嫌ったのだろう。
 ……わかってない! 本当、何もわかってない!


「っ……!」


 両手で彼の手を掴み、私の顔に押し付けた。
 私の騎士の血で私が濡れる事なんて、躊躇うわけないでしょ!


「頑張って……ください」


 きっと私の進む先には、幾多の困難が待ち受けている事だろう。
 それなのに、私の騎士はここから先へは行けないと言うのだ。
 だけど、聞き入れない訳にはいかない。


「行くよ……蒼い風が、駆け抜けるように」


 残った兵達に、声をかける。
 約束を果たさなかった私の騎士の、最期の言葉に応えるために。
 振り返らず、前を向いて。
 いつまでも、見守っててね。


 ――いつまでも。


 そして、いつか――




「アイドルに、興味はありませんか?」


「24時間以内に……抑制剤をと、投与しないと……」


 ゾンビになる、と、目の前の少女は告げた。
 薄々、気付いてはいた。
 常人では有り得ない程の力を発揮し、窮地を乗り越えてきた。
 それは恐らく、ゾンビ化寄生虫が私の脳を麻痺させ、
本来ならば出すことの出来ない、己の肉体を破壊するだけの力を出させていたのだ。


「では……24時間以内に、抑制剤を作成しないといけませんね」


 少しふらつくが、立ち止まっている訳にはいかない。
 救助に来たヘリも墜落し、現状では脱出手段すらない、この地獄。
 ここから、生きて、人間として出なければいけないのだから。


「そ……そんなの……無理、だよ。ゾンビになった方が……可愛い、よ?」


 無理、か。
 確かに、そう思う場面なのかも、知れません。
 しかし、



「笑顔です」



 私は、プロデューサーだ。
 ここで仕事を放り出すには、私はあまりにも不器用すぎる。


「笑顔……?」
「はい」


 そう言う私自身が笑顔が得意でないのだから、格好がつかない。
 右手の人差指で、頬をツイと上げ、無理矢理笑顔を作る。


「パワーオブスマイル――笑顔には、不可能を可能にする力があります」


 まずは、この扉の向こう側に居るゾンビを蹴散らし、より安全な場所を探す。
 それから、抑制剤作成、脱出手段の模索……やることは、山積みだ。


「アイドルに、興味はありませんか?」
「あ、アイドル……?」


 しかし、それも彼女の笑顔を見るためなら、必要なことだと、そう、思います。


「オオオオオオ……!」


 ゾンビ達が、扉を破り、部屋になだれ込んできた。
 申し訳ありませんが――


「現在、企画中です!」

>>698

「アイドルに、興味はありませんか?」


 耳元で、低く、セクシーな声で問いかけられる。
 本当に、しつこい人ね。


「貴女は今、楽しいですか?」


 楽しい?
 とっても不愉快だわ。


「夢中になれる何かを――」


 厳つい顔に似合わない、可愛らしいナイトキャップ。
 その先端についた白いボンボンで、顔をくすぐられる。


「心動かされる何かを――」


 彼の大きい体を包んでも、尚袖が余っているパジャマが揺れている。
 グレーを基調とした生地に、色々なポーズをとった黒いぴにゃこら太がプリントされている。
 ナイトキャップも合わせて、なんだか逆に似合ってるように見えて、嫌。


「――持っていますか?」


 白いポンポンで、顔をパフンパフンと叩かれる。
 ふふ、もの凄く腹が立つわね、これ。


「キスしてくれたら「申し訳ありません、それは出来ません」


 言葉を遮り、完全拒否。
 体の前で、両腕を交差させてバッテンを作る彼。


「アイドルに、興味はありませんか?」


 また、白いポンポンで顔をくすぐられだした。
 この人、私がアイドルになるって言うまで、やめないつもりね。


「貴女は今、楽しいですか?」


 彼は、ナイトキャップを脱ぐと、そっと私に被せた。
 そして、うん、と頷きながら、私の横顔をジッと見つめている。


「…………っぶふぅっ!」


 いい笑顔です、と耳元で聞こえたが、悔しい気持ちでいっぱいだった。
 毎晩こんなおかしな思いをさせられる位なら、アイドルでも何でもやろうと思わされたから。

  ・  ・  ・

ちひろ「……お、お疲れ様でした」

武内P「……ありがとう、ございます」

ちひろ「この間のスカウト動画、色々使われるみたいですよ!」

武内P「それは……はい、無駄にならなくて、良かったと思います」

ちひろ「それで、ですね……あの、こちらを」

武内P「これは?」

ちひろ「ウチの、役者部門からです……」

武内P「……なるほど」


武内P「スカウトされた時の思い出が、出来ました」



おわり

次はクロス書きます
寝ます
おやすみなさい

冴羽?

リョウ、の表示方法がわからないのが難点なのです

うおおおおおおマジか!!!!!!!!!
今日はシティーハンターにします!

倉庫内

黒服ボス「――約束の金は持ってきたか?」

白服ボス「――ああ。そちらこそ、例のブツは?」

黒服ボス「このトランクの中にある」

白服ボス「見せてみろ」

黒服ボス「おいおい、疑ってるのか?」

白服ボス「何度も取引してるとは言え、こういうのは大事だろう?」

黒服ボス「確かにな……ほらよ」

白服ボス「確認した。金は……この通り」

黒服ボス「こっちも確認した」

白服ボス「それじゃあ――」

黒服ボス「ああ、取引成立――」


…カシャッ


黒服ボス・白服ボス「……シャッター音だと……?」

https://www.youtube.com/watch?v=NCivzJMbEJI

藍子「港でのロケなんて、いい機会だもんね」

カシャッ!

藍子「……う~ん、潮風が気持ちいい」

藍子「お仕事の無い時に、また来ようかな」

藍子「……あ、ウミネコ」

カシャッ!

藍子「ふふっ、鳥なら、あの人も平気よね」


「藍子ちゃ~~~ん! 撮影始まるよ~~~っ!」


藍子「あっ、はーい! 今行きまーす!」




黒服ボス「……撮られたか?」

白服ボス「可能性は低いが……万が一、という事もある」

黒服ボス・白服ボス「……」



  危険な写真撮影! アイドルの笑顔を守れ!

冴羽「全く、冴子の奴……急に居酒屋に呼び出して、一体何だって言うんだ」

冴羽「それも、こんな遅い時間に……」

冴羽「……」

冴羽「な~んて! 獠ちゃんわかっちゃってるもんね~!」

冴羽「いつも澄ました顔をしてる癖にぃ!」

冴羽「今日は香も置いてきたし……ぐふふふふ!」

冴羽「朝までもっこりターイ」


100t!!


冴羽「……ム」

香「誰が、誰を置いてきたって?」

冴羽「か、香!? なんでここに!?」

香「そんなの、私も呼ばれたからに決まってるでしょ」

冴羽「……」

冴羽「しょ、しょんな~」ヘナヘナ

冴羽「……全く、期待して損したぜ」

香「勝手に期待したアンタが悪いんでしょうが」

冴羽「へいへい、おれが悪かったよ!」


店員「いらっしゃいませ~!」


香「野上、の待ち合わせの者です」

店員「ハイ! 野上様でしたら、奥の席でお待ちです!」

香「ありがとうございます」

冴羽「――お嬢さん、この後の予定は空いてますか?」

店員「は、はい?」

冴羽「ちょっと、予定が空いてしまいましてね。良ければ僕と――」


1000t!!


香「アンタも来るの! ホラ、もたもたしてないで行くわよ!」

冴羽「……ハイ」ボロッ


店員「あ、アハハ……ごゆっくり~」

香「本当、油断も隙もありゃしない!」

ズルズル…

冴羽「離せ、香! どうせロクな話じゃないんだ!」

香「……何よ、さっきはあんなに楽しみにしてたくせに」

冴羽「おいおい! まさか、妬いてるのか?」

香「……違わい!」

冴羽「ま、そういう事にしといてやるか」

冴羽「――しょうがない! 今日は冴子の奢りで飲んで忘れよう!」

冴羽「でなきゃ、盛り上がったもっこり気分が収まらないぜ!」

香「ちょっと獠、そういう事を大声で言わないでくれる!?」

冴羽「しょうがないだろうが! 男っていうのは、そういう生き物なんだから!」


ガラッ!


冴子「――あら、遅かったじゃない、二人共」


冴羽「ふん! 期待させておいて、香も呼び出すお前に言われなくないぜ!」


早苗「――こんばんはー」


冴羽「……うわ~お! 獠ちゃんもっこり~!」

もっこり!

冴羽「――素敵なお嬢さん」

ガシッ!

早苗「は、はいっ!?」

冴羽「貴女のそのダイナマイトおっぱ……美しさに、ここは不釣り合いすぎる」

早苗「……ねえ、それ、全然止められてないわよ?」

冴羽「それは失礼! おれは、美女を前にしたら止まれない性質なんですよ」

もっこり!

早苗「……」

冴羽「是非、朝までコースで――」


香「ちょっと獠! 会ったばっかりの人に、何言ってるの!」

冴子「大丈夫よ、心配しなくても」

香「えっ?」

冴子「まあ、見てなさい」


早苗「しばく!」

キーンッ!

冴羽「おごっ!? ジョ、ジョッキで殴るか普通!?」

早苗「タイホ! タイホ! タイホ! タイホ!」

キンッ! キンッ!キンッ! キンッ!

冴羽「キャインキャインッ!」


冴子「……ほらね?」

  ・  ・  ・

早苗「――と、言うわけで、ウチの子が被害に会ってるのよ」

香「はー……ストーカーって、本当に居るんですね」

早苗「出来るだけ一人にならない様に言ってるんだけど、ね」

香「それは……確かに心配ですね」

冴子「ちょっと獠? いつまで寝てるつもり?」


冴羽「……好きで寝てるんじゃない!」

冴羽「見ろ、コイツを!」

ぼっこり!

冴羽「自慢のもっこりが、腫れ上がっちまったじゃないか!」


冴子「あら、立派になって良かったじゃない」

早苗「それで済んだだけでもありがたいと思って欲しいわ!」

香「あ、あはははは……」


冴羽「――ソイツは違う」キリッ


冴子・早苗・香「えっ?」


冴羽「そんなおっぱいを向けられたら、男だったらもっこりするもんさ!」


冴子・早苗・香「真面目な顔して何を言うか!」

1000t×3


冴羽「……じゅ、順応早いのね……」ボロッ

早苗「――とにかく! それで、冴子に相談してみたのよ」

香「でも……どうして冴子さんに?」

早苗「こういう時はね、警察は直接的な被害がないと動かないのよ」

香「そんなっ! 危険があるかもしれないのに!」

冴子「そう。そこで――」


冴羽「さ、冴子? おい、何をする気だ?」

冴子「ねえ、獠?」

つつーっ


『X』


冴羽「あはぁん! その指使い、だめぇっ!」

冴子「お願いがあるんだけど」

つつーっ


『Y』


冴羽「獠ちゃん、駄目んなっちゃう~!」

冴子「聞いてくれない?」

つつーっ


『Z』


早苗「……噂の、シティーハンターにボディーガードをお願いしようと思ったの」

香「成る程……お話はわかりました」

早苗「だけど……」


冴羽「……!」ピクピク


早苗「本当に大丈夫なの!?」

冴子「ええ、腕は確かよ」

ゲームしてきます

  ・  ・  ・

冴羽「……おい、香」

香「何よ」

冴羽「仕事の依頼はボディガードのはずだよな」

香「そうね」

冴羽「アイドルのカワイコちゃん達に囲まれる、って言ってたよな」

香「そ……そんな事も言ったかしらね? オホホホ……」


冴羽「――それが! どうしてこんなに離れてなきゃならないんだ!」


香「しょうがないでしょうが!」

冴羽「こんなに離れてちゃ、守れるものも守れやしない!」

香「……」

冴羽「そうだろう?」

香「ふーん、だったら獠、アイドルに近づいても、何もしない?」


冴羽「当たり前だろう!」

もっこり!

冴羽「おれを信じられないのか!? それでもお前は、俺のパートナーなのか!」

もっこり!


香「……アンタのそれは、一回本当にヘシ折らなきゃ――」

冴羽「――しっ! 大声を出すな」キリッ!

香「またそうやって――」

冴羽「違うぜ、香。あれを見てみろ」


???「……」コソコソッ


冴羽「……当たりだ」

冴羽「すぐに捕まえてやるぜ、あの変態野郎」

もっこり!

香「……とりあえず、ソレ、なんとかしなさいよ」

  ・  ・  ・

藍子「……ふぅ」

藍子「今も……どこかで見てるのかな」

藍子「お仕事だから仕方ないけど……」

藍子「……」


???「……」コソコソッ


冴羽「――動くな」

チャキッ!


???「……」

チャキッ!


冴羽「……変態だとは思ってたが、ここまでとは思わなかったぞ」

???「……抜かせ。それはこっちの台詞だ」

冴羽「何故、あの子に付きまとっている。答えろ――」


冴羽「――海坊主」


海坊主「――ふん、それはこっちの台詞だと言っただろう」


海坊主「女にだらしないとは思ってたが、まさかストーカーとはな」

海坊主「まさか、お前をもっと見損なうことになるとは思ってなかったぜ」


冴羽「……へっ?」

冴羽「まっ、待て待て! 何の話だ!?」


海坊主「とぼけるんじゃねえ!」

チャキッ!


冴羽「こりゃ一体、どういう事だ……!?」

  ・  ・  ・

喫茶キャッツアイ


冴羽「……――こういう事ね」


藍子「今日は、マドレーヌを作ってきたんです」

海坊主「なあ、頼むからよしてくれ」

藍子「えっ? ご迷惑、だったでしょうか?」

海坊主「ち、違う! そうじゃない!」

海坊主「喫茶店が、菓子の差し入れを貰ったら立つ瀬がない!」

藍子「それじゃあ、個人的なお礼、では駄目ですか?」

海坊主「そ、それは……」

藍子「……」

海坊主「……あ、ありがたく、いただこう」

藍子「うふふ、どういたしまして♪」


香「――なんでも、藍子ちゃんは最近ここの常連みたいよ」

冴羽「らしいな」

冴羽「……それにしても海坊主の野郎、デレデレしやがって」


藍子「どうですか? 今回は、よく出来たんですよ」

海坊主「う、うむ……これは美味いな」

藍子「あっ、口の横、ついてますよ」

海坊主「……///」


冴羽「っか~~~! 見ろ、海坊主が、真っ赤な蛸坊主になってやがる!」

冴羽「いくら可愛いアイドルが相手だからって、情けないにも程がある!」

香「……あんたがそれを言う?」

海坊主「おい! さっきから黙って聞いてりゃ、好き勝手言いやがって!」

冴羽「何度でも言ってやるさ。海坊主、蛸坊主、エロ坊主~」

海坊主「……ようしわかった、表へ出ろ」

冴羽「ふん! 腹が立ったから追い出そうってか?」

海坊主「おれがそれだけで済ませると思うか?」

冴羽・海坊主「……!」


香「ちょっ、ちょっと二人共!」


藍子「外に出る前に、眼の前の……飲んじゃいません?」


冴羽・海坊主「……む」

藍子「せっかくだから、熱い内に頂いた方が良いと思うんです」

冴羽「……飲み終わったら、決着を着けるぞ」

海坊主「……ああ、望む所だ」

藍子「マスターのお友達も、マドレーヌ、いかがですか?」

冴羽「いいのかい? こいつぁ悪いね」

藍子「いえいえ~」

海坊主「おいおい、こんな奴には勿体ないぞ」

藍子「こういうのは、皆で食べた方が美味しいじゃないですか」

海坊主「……まあ、それもそうか」

冴羽「おおっ! こいつは美味い!」

藍子「うふふ、良かったら、もう一つどうぞ」

海坊主「こりゃあ、コーヒーのおかわりが必要になるな」


香「凄い……なんだかわからない内に、ケンカが終わっちゃった」

  ・  ・  ・

冴羽『海坊主、お前があの子を付け回してるんじゃないのか?』

海坊主『バカ野郎! そんなわけがあるか!』

冴羽『だったら、どうしてあの子の回りをウロチョロしてるんだ』

海坊主『……お前に言う必要はない』

冴羽『何なら、藍子ちゃんを付け回してるのはお前だ、って差し出してもいいんだぜ?』

海坊主『……何だと?』

冴羽『おれは、依頼を受けてボディーガードをしてる身だからな』

海坊主『そうか……お前がボディーガードを』


冴羽『もっとも、正体を明かさないように、だけどな』

冴羽『大事になるとマスコミがうるさいし、色々とアイドル活動に支障が出るんだと』

冴羽『おかげで、変態とハチ合わせる事になっちまった』


海坊主『ふん! お前は、腕だけは信用出来る』

海坊主『俺も居れば、あの子に危険は無いだろう』


冴羽『……どうしてそこまであの子に肩入れする?』


海坊主『……お前に言う必要は無い』


冴羽『かーっ! 強情なやつだな!』


海坊主『……店を開ける準備をしなきゃならん』

海坊主『あの子に何かあったら、まず真っ先にお前の股間をぶっとばしてやる』


冴羽『おい、待て! 海坊主!』


海坊主『言っておくが、おれの事をあの子には言うなよ』

海坊主『喋っても、お前の股間をぶっとばす』


冴羽『お前は俺のもっこりちゃんに恨みでもあるのか!』

  ・  ・  ・

海坊主「……」

藍子「~♪」ニコニコ

海坊主「? どうした、機嫌が良さそうじゃないか」

藍子「はい♪ とっても、紅茶が美味しいから」ニコニコ

海坊主「ふっ……そいつは良かった」ニヤリ



冴羽「……確かに、あの笑顔を守るためなら納得だ」

冴羽「落ち着いて、ゆっくり出来る場所……」

冴羽「ボディーガードと一緒じゃ、休まるものも休まらない」

香「だから、内緒で藍子ちゃんを守ってるのね」

冴羽「あの野郎、格好つけやがって」

冴羽「……しっかし、だらしないツラしちゃってまあ」


香「でも、これで仕事が楽になるんじゃない?」


冴羽「……そいつはどうかな」


香「えっ?」

冴羽「相手はただの変態野郎と思ってたが、どうやら違うみたいだ」

香「どういう事?」

冴羽「海坊主は、おれよりは劣るが――」



海坊主「……」ギロリ

藍子「?」



冴羽「……――かなりの腕。それも、トラップの名手だ」

冴羽「その海坊主が今まで手がかりを掴めてないなんて、明らかにおかしい」

冴羽「相手は素人じゃない。恐らく、裏社会の人間だろう」

香「そんな……!?」

冴羽「全く……あの子は、一体どんな事に巻き込まれてるって言うんだ?」

CMタイミングなので寝ます
おやすみなさい

範囲は本当に迷っています
こんな書き方したの初めてなので



この一文字を見て速攻でつべ開いて曲漁って今に至ります
書きます

  ・  ・  ・

黒服ボス「ええい! まだ高森藍子は捕まらんのか!」


黒服A「も、申し訳ありません!」

黒服ボス「あの取引が表に出れば、私達は終わりだ……!」

黒服A「高森藍子の周辺で、‘あの’海坊主の姿が目撃されていて……」

黒服ボス「言い訳はいい!」

黒服ボス「なんとしてでも、高森藍子をここへ連れて来い!」

黒服ボス「だが、絶対に殺しはするなよ!」

黒服ボス「カメラの中身を確認するまで、生かしておく必要があるからな!」

黒服ボス「……その後は、責任をとって貰うとしよう」

黒服ボス「なあに、現役のアイドルだ……金を出す人間はいくらでもいる」

黒服ボス「……ふふふ」

黒服ボス「ふはははははっ!」


  ・  ・  ・

白服A「しかし……確定では無いのですが……」

白服ボス「シティーハンター……冴羽獠」

白服ボス「冴羽獠、そして、海坊主が護衛についているとなると……」

白服A「はい……迂闊に手出しは――」


白服ボス「――3日後、高森藍子はラジオの公開収録がある」


白服A「……は」

白服ボス「その時を狙って、彼女をここへ必ず連れてくるのだ」

白服A「ボス……詳しいですね」

白服ボス「なあに、もともと彼女の事は知っていただけよ」

白服ボス「良い機会だ……秘密を守るだけでなく……ぐふふ!」

もっこり!

白服A「ボス……」

白服ボス「良いな! なんとしても、誰よりも早く彼女をここへ!」

  ・  ・  ・
喫茶キャッツアイ

藍子「~♪」

冴羽「う~ん、今日のお菓子もおいちい!」

香「あっ、ちょっと! それ私の分!」

冴羽「ケチケチするなよ、香。それに、食べ過ぎると太るぜ?」

香「……ぬわんですってぇ~?」

藍子「大丈夫ですよ~。香さん、スタイル良いですし♪」

香「そ、そう? 現役アイドルの藍子ちゃんが言うなら……」

冴羽「藍子ちゃん、あんまり甘やかすと、香はす~ぐ調子に乗っちまうんだ」

藍子「でも、そこがお茶目で可愛らしいですよね」

香「か、可愛らしいだなんて……///」

冴羽「……真っ赤になっちゃってまあ」


pipipipipi!


海坊主「――藍子、時間だぞ」

藍子「あっ、もうそんな時間ですか?」

海坊主「今日は、ラジオの公開収録だったか」

藍子「はい。海坊主さんも、良かったら聞いてくださいね」

海坊主「そうだな、考えておく」

藍子「……それじゃあ、行ってきます」

海坊主「ああ、気をつけて」

藍子「……はい」


…チリンチリーン♪


冴羽「……海坊主さぁん、なんて呼ばれるようになったのか!」

香「それに、藍子って呼び捨てにしてたし……」


海坊主「ええい、黙れ黙れ! そんな目で見るんじゃねえ!」

  ・  ・  ・

海坊主『良いか、おれが藍子の近くで護衛をする』

海坊主『お前は、離れた場所で不審な奴が居ないか監視しろ』

冴羽『そ~んなもっともらしい事言っちゃって!』

冴羽『素直にあの子を近くで守りたいって言えば、考えてやらんでもないのに』

海坊主『ふん! お前の事だ、どうせ考えるだけだろう』

冴羽『ぎく!……そ、そんな訳ないじゃないのよ、もう!』

香『ほら、獠! 観念して、周辺を警戒するわよ!』

冴羽『やだいやだい! ゲストにもっこり美人が来るかもしれないじゃないか!』

冴羽『おれは近くで護衛するんだい!』


100t!!


香『グズグズ言ってないで、さっさとしなさい! 時間が無いんだから!』

冴羽『……』プシュ~

海坊主『……お見事、って所か』


冴羽『……海坊主、わかってるとは思うが油断するなよ』

海坊主『当たり前だ。おれは、お前のように女に気を取られたりせん』

冴羽『何言ってやがる! 藍子ちゃんに気を取られっぱなしじゃないか!』

海坊主『ば、バカ野郎! それとこれとは話が別だ!』


香『ちょっと二人共! 今は、止めてくれる藍子ちゃんが居ないんだから!』

香『最近、あの子が居るからってたるみすぎ!』


冴羽・海坊主『……はい』


  ・  ・  ・


冴羽「……本当、不思議な子だぜ、藍子ちゃんは」

冴羽「……こちら異常無し」


海坊主『こっちもだ。近くに不審な人物は見当たらない』


冴羽「居るぜ。お前が」


香『獠~?』


冴羽「かっ、香! そっちは異常無いか!」


香『……ええ、異常無――』

香『待って! 物凄いスピードで、スタジオに向かうトラックが!』


海坊主『何っ!?』


冴羽「どうやら、香の方が当たりだった――」

冴羽「――……って、訳でも無さそうだな」


海坊主『おい! そりゃ、一体どういう意味だ!?』


トラック「――」

ブロロロロロロロロッ!


冴羽「こっちも、怪しさ満点のトラックがおいでなすった!」

冴羽「海坊主! こっちはおれが何とかする!」

冴羽「そっち行く一台は任せたぞ!」


海坊主『――ふん! ヘマしやがったら、承知しねえぞ!』


冴羽「――抜かせ!」

  ・  ・  ・

黒服A「――くそっ! ボスも無茶を言うぜ!」

黒服B「‘あの’シティーハンター冴羽獠と海坊主が守る女を捕まえろなんて!」

黒服A「……だが、可愛い子だったなぁ」

もっこり!

黒服B「ああ。捕まえた後、お楽しみの時間が――」

もっこり!

黒服A・B「ぐふふふふ!」

ブロロロロロロロッ!



冴羽「……」



黒服A「っ!? さ、冴羽獠!?」

黒服B「構うな! このまま轢き殺しちまえ!」

ブロロロロロロロッ!



冴羽「――おたくらには悪いが……」

チャキッ


黒服A「そんな銃一丁で、どうにかなると思うな!」

黒服B「死ねえっ! 冴羽獠っ!」



冴羽「ここから先は、通行止めだ」

ドォンッ!



黒服A「う、うわああっ!? は、ハンドルが!?」

黒服B「おい! 前! 前――」

キキィィィィィッ――



冴羽「……」



――ドオオオォォォンッ!

  ・  ・  ・

藍子「高森藍子の、ゆるふわタイムのお時間です」

藍子「今日はなんと、いつものスタジオでなく、公開収録です」

藍子「そしてゲストは、ポジティブパッションの同じメンバーのこの方っ」

茜「元気ですかー! 元気があれば何でも出来る!! いくぞー!!!!」

藍子「はーい茜ちゃん、もう少し声のボリューム落とそうねー」

藍子「こんな事もあろうかと、茜ちゃんのマイク音量は小さくしてあります」

茜「1! 2!! 3!!!」



――ドオオオォォォンッ!



藍子「っ!?」

茜「おおっ!!? 私の気合が、遠くで爆発を!!?」



「キャアアアアアッ!?」

「おい、逃げろ! トラックが突っ込んでくる!」



藍子「えっ!? えっ!?」


…パリイイイインッ!

???「っ!」

…ゴロゴロゴロゴロッ


茜「うおー!? 何か!! 何か飛び込んできましたよ!!?」


海坊主「伏せろッ!」

ガシイッ!

藍子「うっ……海坊主さん!? どうしてここへ!?」

茜「凄い!! 物凄いパワーを感じますよ!!」

海坊主「話は後だ! 黙ってろ!」

藍子・茜「っ!?」



ドカアアアァァァンッ!


……パラパラッ…


海坊主「……チクショウ……無茶苦茶しやがるぜ……!」

藍子「う、海坊主さん……その……」

海坊主「怪我はないか? 悪いな、荒っぽくなっちまった」

ポタッ…ポタッ…

茜「あ、貴方の方が怪我してるじゃないですか!!」

海坊主「なんてこたねえ。かすり傷よ」

ポタッ…ポタッ…

藍子「でもっ、いっぱい血が出て……!」

海坊主「そんなことよりも、だ」


白服A~F「……」


海坊主「よくもまあ、このおれを舐めてくれたもんだ」


白服A~F「……」


海坊主「その程度の人数で、どうにかなるとでも――」


白服G「……」

――キラッ!


海坊主「!? もう一人隠れてやがったのか! チイッ――」

ガバッ!

茜「!? あ、あのっ!? 何を――」


ドォンッ!


海坊主「うぐおっ!?」

茜「……えっ?」

海坊主「……」


藍子「!? 海坊主さん!――海坊主さんっ!」

白服A「今の内に連れて行くぞ! モタモタしていたら、冴羽がここへ来る!」


藍子「海坊主さんっ!」

藍子「海坊主さ――~~んっ!」

休憩

  ・  ・  ・

ブロロロロロロッ!


海坊主「――っ!?」

ガバッ!


冴羽「ようやく目を覚ましたか、このドジ」


海坊主「おい! あれからどれ位経った!?」

茜「まっ、まだ動かないでください!! 撃たれたんですよ!!?」

海坊主「あの時の……どうしてここに!?」


冴羽「その子が離れようとしなかったんだよ、仕方ないだろうが」


冴羽「……しかし、海坊主ともあろう奴が情けないぜ!」


茜「それはっ!! 私を庇ったから!!!!」

海坊主「……いいや、お嬢ちゃん。今回ばかりは、奴の言う通りだ」

茜「でもっ!!」


冴羽「――それで? お前はどっちにする?」


海坊主「――決まってるだろう。藍子の方だ」


冴羽「今度ドジを踏んだら、お前の店を猫まみれにしてやるからな」

海坊主「ふん! そんな機会は無い……二度とな」


茜「あの……二人共、何を言ってるんですか?」


海坊主「お嬢ちゃん、車を降りて、お家に帰って待ってな」

冴羽「このタコの言う通り。こっからは、子供には刺激が強すぎる」

海坊主「車は使わせて貰うぞ」

冴羽「壊すなよ?」

海坊主「……」

冴羽「おい! 返事をしろ! 聞いてんのか!?」

キキイッ!


…ガチャッ

茜「……」

冴羽「……」

…バタンッ


――ブロロロロロロロロオオオンッ!


冴羽「ああっ!? あの野郎! 人の話を聞いてたのか!?」

茜「あっ、あの!!」

冴羽「はあいっ!?……おお~、ビックリした!」

茜「あの人は……藍子ちゃんを助けに行ったんですか!?」

冴羽「ああ、その通り」

茜「だけどっ!! 撃たれてたし!! 血も、いっぱい出て!!」

冴羽「な~に! ちょっと位血が抜けてた方が、丁度良いのさ!」

茜「どっ、どうして!?」

冴羽「でないと、あのハゲ頭に血が上って――」

冴羽「パンッ!」

冴羽「――とはじけちまってただろうからね!」


冴羽「……大丈夫。藍子ちゃんは無事に戻ってくるさ」


冴羽「今のアイツは……おれでも相手したくない程キレちまってるからな」


茜「あの……貴方は、どこへ行くんですか!?」


冴羽「大したことじゃないさ」


冴羽「――お掃除だよ、お掃除」


  ・  ・  ・


香「――フンッ!」

黒服A「……あへ……あへ」ボロッ!

黒服B「もう……全部喋ったから……許してぇ」ボロッ!

香「それじゃあ――これでオシマイにしといてあげる!」


1000t!!!

  ・  ・  ・

白服ボス「ようこそ、高森藍子ちゃん!」

藍子「私に……何の用ですか……!」

白服ボス「ああっとぉ! そんな怖い顔をしないで貰いたい!」

藍子「……!」

白服ボス「ふうむ……案外と気の強い所もある、か」

白服ボス「でなければ、我々の取引の写真など撮らない、か」

藍子「写真!? 貴方は、一体何を言ってるんですか!?」


白服ボス「――このカメラは、君の物だね?」


藍子「まさか……それだけが目的で!?」

白服ボス「少し、中身を確認させてもらう……ふむ……ふむ」


白服ボス「申し訳ない! どうやら、君は何も見ていなかったらしい!」


藍子「だから……何を――!」


白服ボス「それは勿論、違法薬物の取引現場だよ」


藍子「!?」

白服ボス「取引現場の写真を撮られたと勘違いしてしまっていた」

藍子「だ、だったらもう――」


白服ボス「ああ! だがしかし、君は我々の重大な秘密を知ってしまった!」


藍子「それは、貴方が勝手に――」

白服ボス「君を帰す訳にはいかなくなった」


白服ボス「残念だが、アイドル、高森藍子は今日で引退……」

もっこり!


藍子「っ~~~!?」


白服ボス「今日からは、私が可愛がって……ぐふ、ぐふふふふ!」


藍子「こ、来ないでっ……!」

藍子(――助けて、誰か!)

藍子(誰か――!)


――ドオオオォォォンッ!!


藍子「っ!?」

白服ボス「なっ、なんだ!? 今の爆発音は!?」

pi!

白服ボス「――おい! 何が起こっている!?」

白服ボス「……ええい! 何故誰も応答しない!」


―ガチャッ!


白服ボス「おい! 何が――」



海坊主「――いよう、ラジオの公開収録を聞きに来たぜ」



藍子「海坊主さんっ!」

白服ボス「海坊主だと!? どうしてここがわかった!?」



海坊主「お前さんらのトラックに、ちょいと発信機をしかけたまでよ」



白服ボス「くっ……!」



海坊主「助けを呼ぼうとしても無駄だ。残るは――テメエだけだ」



白服ボス「ひいっ!? ば、化物め!」

ガシッ!

藍子「あうっ!?」

白服ボス「くっ、来るな! 近寄るんじゃない!」

チャキッ



海坊主「……おい、その汚い手を離しやがれ」

白服ボス「は、ははははっ! お前は、この女を助けに来たんだろう!?」

グイッ!

藍子「痛っ!?」

白服ボス「大人しく武器を捨てろ! さもなくば、コイツの命はないぞ!」

チャキッ



海坊主「……」

ポイッ――ガチャンッ

海坊主「……もう一度言う、その汚い手を離せ」



白服ボス「く……くははははっ!」

白服ボス「‘あの’海坊主が、こんな女一人のために命を捨てるとは!」

藍子「駄目……! 海坊主さん、逃げて下さい……!」

白服ボス「お前は黙ってろ!」

白服ボス「なんだ? そんなナリをして、アイドルの尻を追いかけてたのか?」



海坊主「……」



白服ボス「……答える気はない、か」

白服ボス「まあいい!」

白服ボス「――死ねえっ! 海坊主!」

チャキッ!



海坊主「――!」



藍子「海坊主さん――!」



――ドオンッ!


白服ボス「……うぐあっ!?」

…ドサッ!



海坊主「……ふん! 銃が一丁だけなんて、誰が言った」

  ・  ・  ・

喫茶キャッツアイ


冴羽「――おい、冴子! 報酬が半分ってのはどういう事だ!」

冴子「当たり前でしょう。藍子ちゃんは一回さらわれたんだから」

冴羽「それは、このタコがヘマをしたからだろう!」

海坊主「ふん、おれは正式に依頼を受けていたわけじゃない」チラッ

冴羽「なんだと~!?」

香「まあまあ! 半分でもかなりの額だから!」

冴羽「い~や、納得出来ん!」

冴子「何よ、だったらどうするつもり?」

冴羽「決まってるだろう! 残り半分は、お前の体で――」

もっこり!


100t!!×2


香・冴子「……」

冴羽「……アハ」

ガクッ!


冴子「――だけど、まさか違法薬物事件に巻き込まれてたなんて」

香「あたしも驚いた……てっきり、ただの変態野郎相手だと思ったのに」

冴子「ずっと追っていた組織二つが一気に潰せて万々歳よ」

香「あ~あ、結局、一番得をしたのは冴子さんだったか~」


冴羽「……良いや、そうでもないさ」


香・冴子「えっ?」

冴羽「見ろよ、あの海坊主のソワソワした様子を」


海坊主「……」チラッ


香「そういえば、さっきからずっと時計を気にして……」


チリンチリ~ン♪

  ・  ・  ・
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2037550

海坊主「……」

藍子「……」



香「二人共……」

冴子「さっきから、ずっと喋らないわね……」

茜「藍子ちゃん、何から話したらいいかわからないんだと思います!!」

冴羽「そ、そうなの?」

茜「はい!! それが取り柄ですから!!!!」

冴羽・香・冴子「あ、あはは……」



藍子「あのっ……」

海坊主「……何だ」

藍子「どうして……助けに来てくれたんですか?」

海坊主「言っただろう。ラジオの公開収録を聞きに、だ」

藍子「……」

海坊主「……あー、マドレーヌが、気に入ってな」

藍子「えっ?」

海坊主「また、作ってきてくれると、その……有り難い」

藍子「……」


藍子「――はいっ♪」ニコッ


海坊主「……///」



冴羽「――自分の店の常連で、ファンなんだ」

冴羽「そりゃ、どこへだって駆け付けるさ」

冴羽「なあ?」




おわり

>茜「はい!! それが取り柄ですから!!!!」

>茜「はい!!!!」


尺調整の削り忘れ
これでラスト台詞が終わったらイントロ終わって歌が始まるタイミングなはず
寝ます
おやすみなさい

ウサミン星人はどう判定されるのか

>>779
こうなるかと

http://www.nicovideo.jp/watch/sm2037550


菜々「やりましたね! 冴羽さんっ!」

ぎゅっ!

冴羽「おいおい、浮かれすぎだぜ菜々ちゃ――」

もっこり!

菜々「ぐえっ!?」

どてーん!

香「ちょっと! 何してるのよ獠!?」


冴羽「すっ、すまん! わざとじゃないんだ!」

冴羽(おいおい、どうしたんだ俺のもっこりちゃん!)

冴羽(17歳に反応するなんてロリコンじゃないか!)


菜々「もー、元気なのは良いですけど、気をつけて下さい!」

菜々「アイタタタ、腰が……」


香「腰がって……菜々ちゃん、まだそんな歳じゃないでしょ」


菜々「……アハハ、実はナナ――」


冴羽・香「ええ~~~っ!!?」


おわり

ゲームしてきます

書きます


武内P「ドラム、ですか」

夏樹「そうなんだよ、メンバーが足りなくて困っててさ」

李衣菜「ギターは居るんですけど……」

夏樹「だりー? お前、自分はカウントに入れてるか?」

李衣菜「ヤ、ヤダナア、アタリマエジャン!?」

夏樹「練習もままならないんだ。誰か心当たりはないかい?」

武内P「そう……ですね」

武内P「練習だけでしたら――私で良ければ」


夏樹・李衣菜「えっ?」

李衣菜「私で良ければ、って……プロデューサーが?」

武内P「はい」

夏樹「アンタが叩くって?」

武内P「はい」

夏樹・李衣菜「……」

武内P「あくまでも練習の時だけ、になりますが」

夏樹・李衣菜「……まあ、それなら……?」

  ・  ・  ・

李衣菜「あの、無理しないでくださいね?」

夏樹「そうだぜ。いざとなったら、どうにかするからさ」

武内P「はい。では、軽く……」


武内P「……」

カッカッ…チーチャッ


李衣菜「あっ、なんかそれっぽい」


武内P「……」

チチチチカカカカチチカカチチカカッチャッチャッチャッチャッ


夏樹「おおっ! こりゃ、思ったよりやるみたいじゃん!」


武内P「……では――」



李衣菜・夏樹「――え」

  ・  ・  ・

ダンッ!

武内P「……と、この様な感じで、どうでしょうか?」


夏樹「……」

武内P「あの、木村さん?」

夏樹「えっ!? あっ、ああ、いや……正直、驚いた」

夏樹「なあ、だりーも驚いただろ?」


李衣菜「……♡」ポー


夏樹「戻ってこいだりー! ロックの魂を思い出せ!」

武内P「……多田さん?」

李衣菜「……♡」ポー

夏樹「おい、だりー」

李衣菜「……」ポー

夏樹「……」

ごんっ!

李衣菜「――あいったぁ!? な、なんで急に殴るのさ!?」

夏樹「ロックの魂を注いだだけだ。むしろ、感謝して欲しい位だぞ?」

武内P「どう、でしたでしょうか?」

夏樹「さっきも言っただろ? 驚いた、って」

武内P「練習のお供は務まりそうでしょうか?」

夏樹「それ以上さ。本番も頼みたいくらいだ」

李衣菜「ほっ、本番っ!? 本番って……///」

夏樹「……」

ごんっ!

李衣菜「ったぁ!? もう! ポンポン殴んないでってば!」

夏樹「いや、今のは殴る場面だろ」

武内P「多田さんは、どう思われましたか?」

李衣菜「わっ、私ですか!?///」

武内P「はい」

李衣菜「え、えっと……力強く、安定感があって……///」

武内P「……」

李衣菜「ドラム……そう! ドラムになりたいと思いました!///」

夏樹「何言ってんだ」

武内P「多田さんが? それは……エアドラム、という事でしょうか?」

夏樹「アンタも何言ってんだ」

ガチャッ!

みく「李衣菜ちゃんに夏樹チャン、ここに居たにゃ!」

菜々「おー、皆さんお揃いですね!」


李衣菜「二人共! 良い所に!」


みく・菜々「?」

李衣菜「ドラム、見つかったよ!」

みく「見つかったって……もしかして、Pチャン?」


武内P「はい。練習の間だけ、ですが」


菜々「ええっ、ドラムも叩けたんですか?」

李衣菜「二人共、まずはプロデューサーの演奏を聞いてみて!」

みく・菜々「はぁ……」


夏樹「いやいや、待て待て! この流れは――」

  ・  ・  ・

ダンッ!

武内P「……どう、でしょうか?」


李衣菜・みく・菜々「……♡」ポー


夏樹「ほらな! こうなると思ったんだよ!」

李衣菜・みく・菜々「ドラムになりたい♡」ポー

夏樹「何言ってんだ!」

武内P「あの……皆さん?」

李衣菜・みく・菜々「はい♡」ポー

武内P「あの……?」

夏樹「……」

  ・  ・  ・

夏樹「だりーとみくはともかく……菜々さん?」

菜々「どっ、どうして‘さん’付けを!?」

夏樹「理由は、言わなくてもわかるよな?」

菜々「それは……はい」

夏樹「しっかし……」


みく「Pチャン!/// ネコミミとロックを繋ぐ、ドラムが必要にゃ///」

李衣菜「その通りです!/// 私達には、プロデューサーが必要です///」

武内P「いえ、それは……」


夏樹「落ち着けって、頼むから」

夏樹「お前ら、そんなんじゃ練習にもならないぞ?」

李衣菜・みく「そ、それは……」

菜々「だけど、ドラムになりたくなっちゃうんですもん!」

李衣菜・みく「そう!」

李衣菜・みく・菜々「……!」フンスー!

武内P「あの……ドラムになるとは……?」

夏樹「お前らなぁ……」


夏樹「ドラムになるのはアタシに決まってるだろ?」


武内P「……」

武内P「えっ?」

武内P「あのっ!? 木村さんまで、何を!?」


李衣菜「なつきちズルい! 私がドラムになる!」

夏樹「いいや、アタシががなる。だりーはギターだろ」

李衣菜「どうせエアだから、ドラムになったって問題ないよ!」

みく「待つにゃ! そもそも、みくは演奏してないよ!」

菜々「ナナもです! ドラムになる資格は十分にあります!」

李衣菜「二人はネコミミとウサミミ担当してて!」

みく「ネコミミとドラムになる事は同時に可能にゃ!」

夏樹「菜々さん、そんなに無理すると腰を悪くするぜ?」

菜々「何を言ってるんですか! 刺激が欲しい年頃ですよ!」


武内P「っ……!?」

夏樹「なあ、アンタは、アタシがドラムになるのが良いよな?」

武内P「いえ、思いませんが……」

李衣菜「自分がドラムと信じるものが、ドラムですよね!」

武内P「いえ、信じないで下さい……」

みく「やっぱり、Pチャンのドラムはみくしかいないにゃ!」

武内P「いえ、そんな事は……」

菜々「キャハッ! ここは、ナナがドラムになるしか無いですね!」

武内P「いえ、ドラムは既にあります……」


夏樹・李衣菜・みく・菜々「……」ギロッ


武内P「待ってください! 何故、睨むのですか!?」

  ・  ・  ・

夏樹「――良いか、恨みっこ無しだぜ」

李衣菜「――望む所だよ!」

みく「――誰がドラムに相応しいか……」

菜々「――四人同時に叩かれる……」


夏樹・李衣菜・みく・菜々「――勝負ッ!!」

ぷりんっ


武内P「良い、お尻です」

武内P「……」

武内P「いや、今のは違います! 待ってください!」

武内P「おかしな勝負を始めないで下さい、皆さん!」

夏樹「アタシ達全員、平等に叩いてくれよな!」

菜々「はい! でなきゃ、誰が一番かわかりませんから!」

みく「みくは自分を曲げないよ! ドラムになるのは、みくにゃ!」

李衣菜「そうはいかないよ! 私が、絶対ドラムになる!」

ぷりんっ


武内P「あのっ!? ドラムにならないという選択肢は!?」


夏樹・菜々・李衣菜・みく「ないッ!!」


武内P「無いのですか!?」

武内P「そもそも、これは何の練習になるのですか!?」


夏樹・菜々・李衣菜・みく「……///」モジモジ


武内P「意味が、わかりません……!」

武内P「あの、もし……叩かずにここを去ったら?」


夏樹・菜々・李衣菜・みく「さあ!」


武内P「……わからない、と?」


夏樹・菜々・李衣菜・みく「さあ、さあ、さあ、さあっ!」


武内P「……さあ来い、の『さあ』だったのですね」

武内P「……」

武内P「……わかりました」

武内P「では……本当に、少しだけなら」


夏樹・菜々・李衣菜・みく「……!」ワクワク


武内P「……」

武内P「……」

カッカッ


武内P「……」

夏樹「んぁっ!♡」

菜々「ああっ、ズルいひぅっ!♡」

みく「菜々ちゃん、変な声出さにゃうんっ!♡」

李衣菜「みくちゃんこそぉんっ!♡」


武内P「……はい! もう、これで――」


夏樹・菜々・みく・李衣菜「……プロデューサー」


武内P「?」


夏樹・菜々・みく・李衣菜「――ソロ」


武内P「――!」

ヒュッ――

  ・  ・  ・

ちひろ「……だから、四人ともお尻を抑えてたんですね」

武内P「はい……キューを出されたとは言え、申し訳ない事を……」

ちひろ「でも、プロデューサーさんってドラム出来たんですね」

武内P「はい。プロデューサーですから」

ちひろ「あの、他の人も?」

武内P「そうですね。プロデューサーならば、全員」

ちひろ「……凄いですね」

武内P「アイドルの皆さんの、笑顔のためですから」

ガチャッ!

美波「あっ、ここに居たんですね、プロデューサーさん!」


武内P「新田さん? あの、何か?」

美波「とぼけないでください! 四人に聞いたんですよ!」

美波「私も、練習に付き合ってもらいます!」

武内P「あの……ドラムは、もう」

美波「ドラムは駄目……なら、他のなら?」

武内P「他、ですか?」

美波「はいっ♪ アルトで、ゆっくりした大人な感じの――」

武内P「アルト……サックス、ですか」


美波「セックス、です」



おわり


美波「アルトは喘ぎ声のトーンです」

ブルージャイアントだったらユーフォのあすか先輩と、かなぁ
寝ます
おやすみなさい

書きます



武内P「反撃……ですか!?」

部長「ああ、そうだ」

武内P「待ってください! それは、あまりにも!」

部長「何だと言うんだね?」

武内P「……!?」

部長「考えてもみたまえ」


部長「彼女達の奇行の責任は、君にもあるのだからね」


武内P「!?」

武内P「私に、責任が……!?」

部長「その様子だと、気付いていなかったか」

武内P「それは……あの、どういった部分、でしょうか?」

部長「君は、叱りはするが反撃はしないだろう」

武内P「はい。彼女達は、アイドルですので」

部長「そこが問題だ」


部長「叱られはするが、反撃は無いと侮られているのさ」


武内P「!?」

部長「それも、滅多に叱りはしないのだろう?」

武内P「そう……ですね」

部長「君が彼女達を叱るのは、どんな時だい?」

武内P「人として、越えてはいけないラインを越えた時です」

部長「かーっ! 甘い! ハチミツよりも甘いよそれは!」

武内P「……」


部長「君も男なら、たまには反撃の一つもしてみたまえよ!」


武内P「……」

部長「君も男なのだと意識させれば、彼女達も変わるはずさ」

武内P「……本当に、そうでしょうか」

部長「ああ、変わるとも」

武内P「……」

部長「彼女達はまだ子供だ」

武内P「そう……ですね。そう、思います」


部長「ここいらで、大人の男の怖さを見せておいた方が良いと思うがね」


武内P「……」

武内P「……わかり、ました」

部長「うんうん、それが彼女達のためにもなるだろう」

武内P「そうですね、このままでは、逮捕者が出てしまいますから」

部長「……若さゆえの、無鉄砲さは怖いからねぇ」

武内P「部長の仰る通り、私は少し甘かったかも知れません」

武内P「彼女達に、私の気持ちを知ってもらう必要もあります」

武内P「……そうすれば、きっと」


部長「うむ! 頑張りたまえよ!」


武内P「はい。相談に乗っていただき、ありがとうございます」

  ・  ・  ・

凛「……ふぅ、ダンスレッスンで、結構汗をかいちゃった」

凛「早くシャワーを浴びて、サッパリしよう」


武内P「――渋谷さん」


凛「……プロデューサー?」

武内P「少しだけ、お時間をいただけますか?」

凛「待って。シャワーを浴びてからで良い?」

武内P「いえ、すぐに済みますので」

ズイッ!

凛「え……なんだか、近くない?」

武内P「いえ、そのようなことは、決して」

凛「……」

武内P「今後のスケジュールに関してなのですが――」

ズイッ!

凛「ちょ、ちょっと待って! 私、ホラ、汗かいてるでしょ?」

武内P「そう、ですね。なので、手早く済ませましょう」

ズイッ!

凛「あ、汗の臭いとかするから!」

武内P「私は、気にしませんので」

凛「そうじゃなくて、私が匂いを嗅がれるのが嫌なの!」

武内P「!」


武内P(やはり……部長の言うことは、正しかった)


武内P「嫌……ですか?」

凛「当たり前でしょ。デリカシーなさすぎ」


武内P(このままいけば……!)

凛「普通、匂いを気にされるのって嫌だと思う」

武内P「そう、ですね。その通りだと、思います」

凛「プロデューサーも、汗臭いと嫌でしょ?」

武内P「……」

凛「だから、無理しなくて良いから」

武内P「……」


武内P「――そんな事は、ありません」

武内P「渋谷さんのその汗は、貴女の努力の結果によるものです」

武内P「私は、決してそれを臭いとは思いません」

武内P「むしろ、とても好ましいと、そう、思います」


凛「なっ、何言ってるの!?///」

武内P「思っている事を……はい、そのまま」

凛「ふーん/// そ、そう……///」

  ・  ・  ・

武内P「……渋谷さん」

武内P「顔を赤くして、走り去ってしまいましたね」


武内P(恐らく、今までの自分の異常性に気付いてくれたのだろう)

武内P(人にされて嫌なことは、しない)

武内P(……とても当たり前で、大事な事です)


武内P「……」


武内P「今のは――パーフェクトコミュニケーションですね」

  ・  ・  ・

文香「……また、お邪魔しても……良いでしょうか」

文香「紡がれた物語を音に乗せ、届ける……届けたい」


武内P「――鷺沢さん」


文香「あっ……おはよう、ございます」

武内P「少しだけ、お時間をいただけますか?」

文香「ここで……ですか?」

武内P「はい。すぐに済みますので」

ズイッ!

文香「あ、あの……距離が、近いように思えるのですが」

武内P「いえ、そのようなことは、決して」

文香「は……はい……」

武内P「鷺沢さんが持ってこられる本の内容についてですが――」

ズイッ!

文香「ぁ……はぃ……」

武内P「私も、声に出して読んでみようかと、そう、思いまして」

ズイッ!

文香「……えっ?」

武内P「目だけで感じるものと、口にも出すのとは、やはり違うかと」

文香「わ、私に読み聞かせると……そういう意味でしょう、か?」

武内P「!」


武内P(この戸惑い方……やはり、部長は正しかった)


武内P「聞いて……頂けますか?」

文香「あ……ゎ……うぅ……」


武内P(このままいけば……!)

文香「で、では……本当に、少しだけ……」

武内P「はい。内容が、内容ですし、ね」

文香「……」

武内P「それでは、聞いて下さい」

文香「は、い……」

武内P「……」


武内P「――男は、それまでと態度を一変させ、女に詰め寄った」

武内P「本当は、自分がこうされたかったんだろう?」

武内P「屈服させられ、支配され、蹂躙されたかったんだろう?」

武内P「素直になれ。そうすれば、望みを叶えてやる」


文香「はぁ……ほ、あ……///」

武内P「どう、でしたでしょうか?」

文香「ぇぁ……ぃぅ……///」

  ・  ・  ・

武内P「……鷺沢さん」

武内P「顔を赤くして、逃げ出してしまいましたね」


武内P(恐らく、昨日までの自分の狂いぶりを理解したのだろう)

武内P(人に迷惑をかけるのは、いけない)

武内P(……とても当たり前で、大事な事です)


武内P「……」


武内P「今のも――パーフェクトコミュニケーションですね」

  ・  ・  ・

美波「はぁ、もう暖かくなってきたし、すっかり春ね」

美波「陽気に誘われて、なんだかエッチな気分になってきちゃった」


武内P「――新田さん」


美波「あっ、プロデューサーさん、良いところに!」

武内P「少しだけ、お時間をいただけますか?」

美波「わかりました、休憩ですね」

武内P「はい。すぐに済みますので」

ズイッ!

美波「もっ、もう! 気が早いですよ!」

武内P「いえ、そのようなことは、決して」

美波「そうですか? ふふっ、しょうがないですね」

武内P「新田さんの、プライベートに関する話なのですが――」

ズイッ!

美波「プライベート、ですか?」

武内P「はい。休日の行動について、です」

ズイッ!

美波「あの、それが何か?」

武内P「少し、気になったものですから」

美波「気になる、って……その、どういう意味で……?」

武内P「!」


武内P(やはり……部長の言うことは、正しかった)


武内P「アイドルとして、相応しい行動をとっていますか?」

美波「アイドルとして……」


武内P(このままいけば……!)

美波「えっと、どうしてそんな事を?」

武内P「とても、心配になるからです」

美波「心配? えっと……」

武内P「……」

美波「私の、何が心配なんですか?」

武内P「……」


武内P「――全てが、心配です」

武内P「私の見ていない所で、(他の方が)危険な事をしていないか」

武内P「知っておかないと、はい、不安になります」

武内P「新田さん、貴女が、(刑務所に)消えてしまわないか、と」


美波「えっ/// ヤダ、ええっ!?///」

武内P「私は、貴女が一番心配です」

美波「急にそんな事言われても……///」

  ・  ・  ・

武内P「……新田さん」

武内P「目を泳がせて……やはり、何かしていたのですね」


武内P(しかし、これで休日の行動はある程度制限できたはず)

武内P(人は、服を着ることで発展してきた)

武内P(……とても当たり前で、大事な事です)


武内P「……」


武内P「圧倒的――パーフェクトコミュニケーションですね」

  ・  ・  ・

部長「――やあやあ! 結果はどうだったかね!」

武内P「……部長」

部長「うん? どうした、浮かない顔をして」


武内P「彼女達――アイドルは、時に私達の予想を越えてきますね」


部長「まあ……そうだが」

武内P「私は、彼女達を見誤っていたようです」

部長「きみ、一体何があった?」

武内P「……」

武内P「やられたら、やり返す」

武内P「それでは、悲しみの連鎖は終わりません」


ガチャッ!


凛「ぜひゅーっ! ぜひゅーっ!」ボタボタッ!

凛「家から走っ……かっ、はっ! ぜひゅーっ!」ボタボタッ!


文香「声に出すのでしたら……是非、これらの書を」

ドサドサドサドサッ!


美波「美波、急いで駆けつけました!」

美波「早く二人っきりで触れ合って、安心してください……♡」


武内P「――彼女達は困難を乗り越え、新しい姿を見せました」

部長「この状況……ああ、この言葉が相応しいね」

武内P「……はい、彼女達には――」


武内P・部長「余計な手出しは無用」



おわり

寝てました
寝ます
おやすみなさい

新田さんはGガンのゲストヒロイン、フェイスフラッシュのアニデレ改変したので



武内P「えっちなのはいけないと思います」

CPアイドル達「?」

武内P「皆さんは、アイドルです」

CPアイドル達「はいっ!」

武内P「良い、返事です」

CPアイドル達「えへへ」ニコニコ

武内P「……返事だけだと、そう、思います」

武内P「皆さん、もう一度言います」

CPアイドル達「……」

武内P「えっちなのは、いけないと、そう、思います」

CPアイドル達「……」

武内P「お願いします……返事をしてください」


美波「――うっ!?」

…ドサッ!


武内P「!? 新田さん!?」

武内P「しっかりしてください、新田さん!」

武内P「新田さ――ん!!」

  ・  ・  ・

医者「……まだ、彼女の意識は戻りません」

武内P「教えて下さい! 新田さんに、何が起こったのですか!?」

医者「……落ち着いて聞いて下さい」

武内P「……!」

医者「新田美波さんは――」


医者「セックス欠乏症に陥っています」


武内P「セックス……欠乏症……!?」

医者「はい、非常に残念ですが……」

武内P「そんな、まさか……!」

武内P「……」

武内P「待ってください! それは何ですか!?」

医者「新田さんが倒れる前、何か特別な事はありましたか?」

武内P「すみません、セックス欠乏症とは!?」

医者「思い出してください、何か、彼女に言いませんでしたか?」

武内P「それは……えっちなのは、いけないと……」


医者「……あぁ……何てことだ……!」


武内P「あの、それが……何か?」

医者「何か? 彼女は、貴方のその一言でセックス欠乏症になったのですよ!」

武内P「っ!?」

武内P「そんな……私のせいで、新田さんが……!?」

武内P「……」

武内P「待ってください! そもそも、セックス欠乏症とは!?」

医者「……セックス欠乏症は、非常に稀な症状です」

武内P「はい。私も初めて聞きました」

医者「ふとした事がきっかけで、血液を巡るセックスが不足し――」

武内P「待ってください」

医者「神経が圧迫され、手足の痺れや目眩等の症状が出て――」

武内P「待ってください」

医者「そして……最悪、死に至ります」

武内P「待ってください」

武内P「……」

武内P「待ってください! そんなに大事なのですか!?」

医者「彼女は恐らく、普段からセックス欠乏症に悩まされていたはずです」

武内P「フルパワーで全開だったと、そう、思います」

医者「……症状の本格化を抑えるための行動だったのでしょう」

武内P「そんな……!」

医者「……しかし、貴方の一言が、彼女のセックスを閉ざしてしまった」

武内P「っ……!?」

医者「……申し訳ありません、私達には、もう……」

武内P「……」

  ・  ・  ・

美波「……」

武内P「……新田さん」

美波「……プロデューサーさん?」

武内P「! 新田さん、意識が戻られたのですね!?」

美波「すみません……迷惑をかけちゃって」

武内P「申し訳ありません……私が、迂闊なことを口にしたばかりに……!」

美波「……良いんです、謝らないで下さい」


美波「えっちなのは、いけないと思います」


武内P「新田さん……!」

美波「……本当はわかってたんです」

美波「えっちなのは、いけない、って」

美波「――ゴホッ! ゴホッ!」

武内P「っ!? 無理に喋らないでください!」

美波「良いんです……今、話しておかないと……」

武内P「……!」

美波「うふふっ、後悔しちゃいそうですから」ニコリ

武内P「新田さん……!」

美波「だから、プロデューサーさんに言われて――」

美波「――ゴホッ! ゴホッ!」

美波「……えっちなのをやめようと思ったら……」

美波「脚に……! 脚にっ、力が入らなくてっ……!」ポロポロッ

武内P「新田さん……!」

美波「お願いします……手を……!」ポロポロッ

ブルブルッ

武内P「はい……!」

美波「おかしいですよね……! 感じないんです、手の感触を……!」ポロポロッ

武内P「握っています! しっかりと、貴女の手を!」

美波「ごめんなさい……アイドル、続けられなくて……!」ポロポロッ

武内P「諦めないで下さい、新田さん!」

美波「でも、動かない脚と、震える手じゃ……踊れない……!」ポロポロッ!

武内P「私が貴女を支えます!」

美波「……プロデュ――」

美波「――ゴホッ! ゴホッ!」

武内P「私が、貴女を支え続けます……!」

美波「……ふふ、ラブライカが三人ユニットに……なりますね」ニコリ

武内P「ええ……そうですね……!」

美波「最期に……聞いても良いですか?」

武内P「待ってください! 最期などと……!」

美波「良いんです……わかるんです、自分の体ですから」

武内P「……!」

美波「……プロデューサーさん」


美波「えっちなのは、いけないと思いますか?」


武内P「……」

武内P「……いけない事だと、そう、思っていました」

武内P「アイドルなのだから、自重して頂かなければならない、と」

武内P「ですが……貴女達も、年頃の少女なのだ、と」

武内P「罪に問われないラインで、必要な事ならば――」


武内P「えっちなのも、仕方ないと思います」


美波「プロデューサーさん……本当、ですか?」

武内P「はい。それが、笑顔に繋がるならば」

美波「……」

美波「えっちなのも……仕方ない、ですか」

…もぞもぞっ

武内P「! 新田さん! 脚が動くように!?」

美波「――プロデューサーさん」

武内P「手の震えも、止まって……!」


美波「今、ベッドの中の私が――」

…ファサリ


武内P「? 何か落ちて……下着?」


美波「――スッポンポンだとしたら?」

武内P「スッポンポン、ですか」

武内P「……」

武内P「!?」

武内P「新田さん!?」

美波「貴方の思い、美波に届きました」

武内P「あの、新田さん!?」

美波「仕方ないと受け入れる表情が……その……///」

もぞもぞっ!

武内P「ベッドの中で何をしているんですか!?」

美波「んっ、もっと強く手を握って下さい……っ!///」

もぞもぞっ!

武内P「離してください! 離してください、新田さん!」

  ・  ・  ・

医者「信じられん……奇跡だ……!」

武内P「そうですか」

医者「回復した彼女は、今は!?」

武内P「下顎をコツリとやって脳を揺らし、意識を失って貰いました」

医者「一体、何をしたんだね!?」

武内P「思い出したくありません」

医者「彼女の容態も安定しているようだ……」

武内P「はぁ……」

医者「! まさか、君は――!?」

武内P「違います」

医者「セックスを……!?」

武内P「違うと言ったではないですか!」

医者「いや、しかし……信じられん……!」

武内P「……」

  ・  ・  ・

ちひろ「それで……最近、その、凄いんですね」

武内P「はい。落ち着いて、眠れなくなりました」

ちひろ「えっ?」

武内P「今までは、彼女達は罪に問われないラインを守っていました」

ちひろ「そう……ですね。いや、そうでしょうか!?」

武内P「……少なくとも、どこかでセーブしていたようですね」

武内P「ですが……」

武内P「私が訴えなければ罪に問われない、というラインで来るように……!」

ちひろ「……」

ちひろ「プロデューサーさんは、間違ってませんよ」

武内P「千川さん……?」

ちひろ「えっちなのはいけないと思います」

武内P「ですが……」

ちひろ「もう! しっかりしてください!」

武内P「っ!」

ちひろ「そんな顔してちゃ、皆が心配しますよ!」

武内P「……それもまた、アリだと言われます」

ちひろ「今の無しで!」

ちひろ「プロデューサーと、アイドルなんですから!」

ちひろ「そこの線は、しっかり守ってもらわないと!」

武内P「!」

武内P「そう……ですね、その通りです」

ちひろ「アイドルのあの子達を守るためにも!」

ちひろ「罪に問える様な事は、しっかり正していかないと!」

武内P「……はい、ありがとうございます……!」

武内P「お陰で、目が覚めました……!」

ちひろ「うふふ、元気が出たみたいで良かったです♪」

武内P「早速、一部の行動をやめていただこうと思います」

ちひろ「はいっ! 頑張って下さい!」

武内P「皆さん! 盗聴、盗撮はやめてください!」

ちひろ「あらあら、予想以上の事をされてたんですね」

武内P「私の私物を勝手に新品と取り替えないで下さい!」

ちひろ「うふふ、そんな事までされてたんですね」

武内P「実家を訪れて、母と親しくなっていくのはやめてください!」

ちひろ「まあまあ、それはそれは」

武内P「……これは、アイドルだからという問題ではありません」

ちひろ「……」


武内P「千川さん、貴女もです」



おわり

やはりクロスじゃないとセックスでない新田さんは書けません、申し訳ない
寝ます
おやすみなさい

書いた気がしねえのでもう一本



武内P「贅沢をするのが好きです」

凛「それで? プロデューサーが好きな事って?」

武内P「いえ、だから、贅沢が……」

美嘉「はいはい、そういうのマジでいいから」

武内P「あの、本当なのですが……」

凛「何? そんなに言いたくないの?」

武内P「……」

美嘉「別に良いと思うケド、好きな事を言う位」

凛「うん。隠すような事じゃないでしょ」

武内P「正直に、答えたのですが……」

凛・美嘉「……」

武内P「贅沢が、はい……好きです」

凛・美嘉「……」

武内P「……」

凛「……ふーん」

武内P「……信じては、貰えないのでしょうか」

美嘉「贅沢って……例えば?」

武内P「そう、ですね……」

凛・美嘉「……」

武内P「……オヤツに、アイスを食べます」

凛・美嘉「次」

武内P「っ!? 待ってください! まだ、続きが!」

凛・美嘉「……続き?」

  ・  ・  ・

武内P「これらを一緒にいただきます」

トンッ

凛「安いバニラアイスと……」

美嘉「安いビスケット……?」

武内P「はい」

凛・美嘉「次」

武内P「あの……食べてからでも、良いでしょうか?」

凛「まあ……」

美嘉「その位なら……」

武内P「……」

パカッ……ガサガサ

武内P「~♪」

凛・美嘉「鼻歌!?」

武内P「いただきます」

サクッ…パクッ

武内P「……♪」ホッコリ

凛・美嘉「……」

凛「見たことない位幸せそうな顔してるけど……」

美嘉「ソレ、そんなに美味しいの?」

武内P「……申し訳ありません、集中、したいので」

凛・美嘉「……」

武内P「……」

サクッ…パクッ

武内P「……♪」ホッコリ

凛・美嘉「……」

武内P「……あぁ、このために生きていると、そう、思います」ホッコリ

凛・美嘉「……」

武内P「バニラアイスと、ビスケット……」

武内P「それだけでオヤツとして成り立つ、彼ら」

武内P「その二つの輝きが合わさった時の、より強い光」

武内P「とても……」

サクッ…パクッ

武内P「……♪」ホッコリ

武内P「贅沢をしていると、言わざるを得ませんね」ホッコリ

凛・美嘉「……」ゴクリ

凛・美嘉「あの、一口――」

武内P「申し訳、ありません」

凛・美嘉「……」

凛「ふーん、でも、後で買って食べれば良いだけだし?」

武内P「そうですね」

美嘉「うん、焦る必要なんか無いってカンジ★」

武内P「そうですね」

凛「ねえ、プロデューサー」

武内P「申し訳、ありません」

美嘉「ちょっと位は良いかなー、とか思わない?」

武内P「善処します」

凛・美嘉「……」

  ・  ・  ・

武内P「……ごちそうさまでした」ホッコリ

凛・美嘉「……」

武内P「……お待たせしました」

凛・美嘉「……うん」

武内P「次の贅沢……でしたか?」

凛・美嘉「……うん」

武内P「そうですね……耳かき、ですね」

凛・美嘉「……耳かき?」

武内P「はい。こちらが、私が愛用している耳かきです」

スッ…

凛「なんか……普通のより大きいね」

美嘉「うん、なんか文字が彫ってあるし」

武内P「職人さんが、一本一本作る物ですから」

凛・美嘉「……職人?」

武内P「一本、4000円します」

凛・美嘉「……」

凛・美嘉「耳かきが!?」

凛「有り得ない! 耳かき一本に、4000円!?」

美嘉「マジでヤバいでしょ! どうなのソレ!?」

武内P「それだけの価値は……はい、あると思います」

凛・美嘉「……!?」

武内P「手作りのぬくもりが、感じられる逸品です」

武内P「使用感は……そうですね、素晴らしいの一言に尽きます」

武内P「昨日耳掃除をしたばかりなので、次の機会が楽しみです」

凛・美嘉「……」

武内P「次は――」

凛・美嘉「待って!」

武内P「? どうか、されましたか?」

凛「あっ、かゆい! 耳がかゆい!」チラッ

美嘉「アタシもかゆい! チョーヤバい!」チラッ

武内P「頑張って下さい!」

凛「今すぐ掃除しないと、大変な気がする!」チラッチラッ

美嘉「アイドルだし、耳は大切にしないと!★」チラッチラッ

武内P「どうぞ、この綿棒を使って下さい」

凛・美嘉「待って!」

武内P「お二人とも、遠慮なさらず」

凛・美嘉「……!」

凛「……美嘉は、綿棒を! 私は耳かきを借りるから!」

美嘉「……悪いって! 凛が綿棒を使いな!?」

武内P「安心してください、綿棒は沢山あります!」

凛・美嘉「耳かきを貸しては!?」

武内P「申し訳、ありません」

凛・美嘉「……」

武内P「お二人とも、綿棒をどうぞ」

凛・美嘉「……」

  ・  ・  ・

武内P「……耳は、大切にしなくてはいけませんね」

凛・美嘉「……」

武内P「あの、お二人とも? 元気が無いように感じるのですが……」

凛・美嘉「……別に」

武内P「そう、ですか……それならば良いのですが」

武内P「あとは……ポケットティッシュは、鼻セレブですね」

凛・美嘉「……」

凛「……ふーん? ティッシュなんて、どれも変わらなくない?」

武内P「そうですね」

凛「……」

美嘉「――鼻セレブ、チョー良いよね★」

凛「……美嘉? ねえ、美嘉?」

美嘉「他とは違うって言うか、セレブで――」

スッ…

美嘉「――リッチな感じが、サイコーかな★」

凛「!? 鼻セレブ……!?」

武内P「はい、とても贅沢をしている気になります」

美嘉「うんうん★ あー、贅沢ってサイッコー!★」

凛「……!?」

凛「……そ、そんなに変わらないでしょ」

美嘉「何ていうか、ちょっとの違いが大事だよね★」

武内P「はい、その違いを楽しむのが、贅沢です」

美嘉「わかるぅー!★」

凛「……くちゅんっ!」

武内P「! 渋谷さん、大丈夫ですか?」

凛「う、うん……鼻が」

武内P「眼の前の、エリエールを使って下さい」

凛「……」

凛「……ズビッ」

武内P「どうぞ、備え付けの物なので、遠慮なさらず」

美嘉「ホラ、ティッシュで鼻かみな?」

凛「……ズズッ」

美嘉「……へくちっ!」

美嘉「!」チーンッ!

美嘉「……あー! 持ってて良かった★ 鼻★セレブ★」

凛「……ふーん!」チーンッ!

美嘉「凛、エリエールの使い心地はどう?」

凛「……まあ、悪くないかな」

武内P「……と、こういった贅沢ですね」

美嘉「アタシ、アンタの言ってる事わかった★」

武内P「わかって、いただけましたか」

美嘉「贅沢は敵、って言うケドさ、ある程度は必要だよね★」

武内P「はい。心の豊かさに繋がると、そう、思います」

凛「……ふーん、それだけ?」

武内P「渋谷さん?」

凛「他の贅沢は無いわけ? もう終わりなの?」

武内P「他に……ですか」

凛「そう! 他!」

凛「アンタの、一番の贅沢って何?」

武内P「そう、ですね……」


武内P「アイドルの皆さんの成長していく姿」

武内P「それを近くで見守っていける事」

武内P「それが……私の、最高の贅沢です」


凛「……」

美嘉「これは……一本取られちゃったかな」


凛「納得いかない」


武内P「えっ?」

凛「……」

凛「美嘉とだけ盛り上がって、何なの?」

武内P「し、渋谷さん……?」

凛「アンタ、私のプロデューサーでしょ!?」

美嘉「ちょっと凛、落ち着きなって!」

凛「私と共感出来る贅沢言ってよ!」

凛「……でなきゃ、許さないから!」

武内P「そ、それは……!?」

凛「……!」

武内P「……!?」

武内P「その……た、卵はヨード卵光です!」

凛「家で何を使ってるかなんて知らない!」

武内P「で、では……トイレットペーパーはダブルです!」

凛「シングルだよ! 何なの!?」

美嘉「あ、ウチはダブル★」

凛「ふ――んんんん!!」ジタバタ

美嘉「み、身につけてるものとかは!?」

武内P「身につけているもの!?」

武内P「特に、そこにこだわりは……」

美嘉「良いから! 何か贅沢だと思うものを!」

武内P「基本的に、スーツはオーダーメイドで――」

美嘉「そういう感じのじゃなくて!」

武内P「し、下着は三枚でなく、二枚一組です!」

美嘉「そう!★ そういう感じ!★」

凛「上下セットで買うから、共感出来ない!」

美嘉「だよね! アタシも駄目だろうなと思ったよ!」

武内P「そ、それでは……贅沢をしに行く、というのは?」

美嘉「! それだ!」

凛「……何それ」

美嘉「今から、共感出来る贅沢を作りにいくんだよ★」

武内P「勿論、渋谷さんが良ければ……になりますが」

凛「……例えば?」

武内P「何か、食べに行くというのはどうでしょうか?」

凛「……ふーん。まあ、悪くないかな」

美嘉「やったじゃん凛! デートだよ、デート!★」ボソボソ

凛「ちょ、ちょっと美嘉! そんなんじゃないから!///」ボソボソ

凛「そ、それで? どこに行くの?」

武内P「モスバーガー、です」

美嘉「おおっ! マックじゃなくてモスなんて、贅沢じゃん★」

凛「う、うん……贅沢だと思う///」

凛「……」

凛「……いや、待って! なんか……なんだか、納得いかない!」

凛「流れ的にはそうだけど! だけど……わかるでしょ!?」

武内P「……?」

凛「わからない!?」

凛「ちょっと変わったお店とかあるでしょ!?」

凛「隠れ家的な感じのとか!」

武内P「いえ、それは……!」

凛「ファミレスより、ちょっと贅沢な感じの!」

凛「高級店じゃない、ちょっとオシャレなお店が!」

武内P「……渋谷さん」

凛「! わかってくれた!?」


武内P「あまり、贅沢を言わないで下さい」



おわり

昨日書いてて感じてたんですが、多分もう限界です
浮かんだクロスネタが書くための領域を圧迫してます


×覇王大系リューナイト

×疾風アイアンリーガー

×聖闘士星矢 シリアスとギャグの2パターン

×銀魂

×スクライド

×ARMS


これらを今晩から消化しようと思います
わからない方もいらっしゃるでしょうが、申し訳ない

嗚呼、だめだ

×らんま

これも浮かんだので追加で
また夜に

多分、残りが足りないので

武内P「クローネの皆さんに挨拶を」
武内P「クローネの皆さんに挨拶を」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1509970245/)

次はここを埋めます
このスレの残りは、容量空いたと思ったらちまちま埋めていきます

書きます



武内P「肩こり、ですか」

早苗「そうなのよ! 最近ひどくって!」

瑞樹「早苗ちゃんはホラ、‘こう’だもの、‘こう’」

武内P「……」

早苗「瑞樹ちゃん? 楓ちゃんのオッサンがうつってるわよ?」

瑞樹「それは……ショックだわ」

楓「うふふっ♪ お仲間は、中まで似てくるんですね」

武内P「……」


武内P「あの……仕事中、なのですが」

早苗「これも職業病かしら! セクシーっていう職の!」

瑞樹「でも、無職でもなってると思うわ」

楓「無職は、ショック、うふふっ」

武内P「あの……皆さん?」

早苗「……ねえ、筋肉痛って、いつくる?」

瑞樹「あら、聞く? 聞くのね、それを?」

楓「筋肉痛になるほどの事は最近してませんから、なんとも」

武内P「あの……!?」

早苗「あー、それにしても肩がこったわ」

瑞樹「事務所内のエステで、マッサージも受けられるわ」

楓「そうですね、私もたまに利用します」

武内P「仕事中……あの、皆さん!」

早苗「それよりも、温泉でゆっくりしたいわー」

瑞樹「あっ、良いわねぇ! 今度、休みを合わせる?」

楓「温泉に入りながら、冷えた日本酒を……良いですねぇ」

武内P「……」


武内P「お願いします……! 雑談は、他の所で……!」

早苗「でも、マッサージってなんか気がひけるのよね」

瑞樹「あー……言いたいことはわかるわ」

楓「私は、マッサージは受けた事が無いです」

武内P「皆さーん! 皆さーん!?」

早苗「なんか、色々と負けた気分になりそうで」

瑞樹「違うわ、早苗ちゃん。エステと一緒で、メンテナンスと思うの」

楓「とっても大事ですよね、リフレッシュは」

武内P「……」


武内P「よければ、肩を揉みましょうか?」


早苗「えっ、悪いわよ! だけどそうね、甘えちゃおうかしら!」


武内P「待ってください! やはり聞こえているではないですか!?」

武内P「そして、あまりにも切り替えが早いです!」

早苗「キミ、手が大きいし力も有り余ってそうだしね!」

武内P「……そう、ですね」

瑞樹「アイドルに触れられるなんて、役得ね♪」

武内P「……そう、ですね」

楓「だけど、変な事を考えたらメッ、ですからね」

武内P「……はい、それは勿論」

早苗「何よ、あたしの肌に触れるのに! 失礼罪でタイホよ!」

武内P「あの、どうしろと!?」

早苗「……まあ良いわ、早速やってちょうだい!」

早苗「もー、しんどくってしんどくって!」

武内P「……はい、わかりました」

…サワッ

早苗「あんっ♪」

武内P「片桐さん、本当にそういうのは許してください」

早苗「なによー、ノリ悪いわねー」

武内P「……」

武内P「――では、いきます」

…グッ

早苗「!?」ビクンッ!

スッ


瑞樹「えっ? どうして笛をくわえたの?」

楓「笛を、急いで口にホイッする……うふふっ♪」


武内P「……」

グッ、グッ、グッ

早苗「――!――!」ビクビクンッ

ピーッ! プピッ! ピ――ッ!

武内P「……」

ググゥッ

早苗「――!?」ビクウンッ!

プピヒョロロロロロッ!


瑞樹・楓「!?」

  ・  ・  ・

武内P「……この程度、でしょうか」

瑞樹・楓「……!?」


早苗「……!……!」ビクッ、ビクッ

プヒョロロロッ……ピヒョロロロッ……


瑞樹「だ、大丈夫早苗ちゃん!?」

早苗「……あ、あれはまずいわ……ギルティよ……!」

楓「そんなに、痛かったんですか?」

早苗「一押し毎に……肩が取れたかと思ったわ」

瑞樹・楓「!?」


武内P「……」

早苗「ちょっとキミねぇ!? あんに強くする必要ある!?」

武内P「……肩こりの方は、どうでしょうか?」

早苗「肩こり!? そんなの――」


早苗「――あれ……? 肩が軽い!? 軽犯罪!?」


瑞樹「混乱してるわ」

楓「痛い分、効果はすごかったって事でしょうか?」

武内P「力は、あまり込めていません」

武内P「ただ、的確にツボを突いただけですね」

早苗「なるほど……」


早苗「「――それじゃあ、次は瑞樹ちゃんね!」


瑞樹「……」

瑞樹「えっ?」

瑞樹「待って待って? それはおかしいわ」

早苗「メンテナンスよ、メンテナンス!」

瑞樹「メンテかも知れないけど、最悪スクラップじゃない!」

楓「だけど、効果は凄いみたいですよ?」

瑞樹「痛いのは嫌だわ!」

武内P「痛くない方法もありますが……どうしますか?」

瑞樹「……えっ? そんなのもあるの?」

早苗「……」

早苗「ねえ!? なんであたしは痛い方法でやったの!?」

武内P「……申し訳ありません」

武内P「片桐さんは、コリがひどかったものですから……」

早苗「タイホよタイホ! 暴行罪よ!」

武内P「ですが、半年は肩こりで悩む事は無いと思います」

早苗「はい、無罪! 半年後にも、お願いするわ!」

瑞樹「早苗ちゃん……本当にきつかったのね」

楓「半年はその悩みがなくなるなら、良いみたいですね」

武内P「……では」


武内P「次は……川島さんで、よろしいですか?」


瑞樹「本当に……本当に痛くないのよね?」

武内P「はい、勿論」

瑞樹「……それじゃあ、お願いするわ」

瑞樹「……痛いって言ったら、すぐやめてね」

武内P「はい、わかりました」

瑞樹「お願いよ、本当、すぐやめないと怒るわ」

早苗「なんか、逆にフリみたいよ、ソレ」

楓「うふふっ、だったら、続けないといけないですね」

瑞樹「冗談じゃないわ! 本当、頼むわよ!?」

武内P「はい、頑張ります」

瑞樹「……不安だわ」

武内P「――では、いきます」

…サワッ

瑞樹「ひいっ!?」ビクンッ!


早苗「触られただけじゃない」

楓「きっと、それ位緊張してたんでしょうね」


武内P「大丈夫です、川島さん。リラックスしてください」

瑞樹「わ……わかったわ」

武内P「大きく息を吸って……」

瑞樹「すぅー……」

武内P「吐いて……」

瑞樹「はぁー……」

武内P「それでは、今から‘気’を流し込みます」

瑞樹「わかったわ」


瑞樹「わからないわ!」

瑞樹「何!? ‘気’!? えっ!? ‘気’!?」

武内P「……!」

瑞樹「えっ!? ヤダ、始まってるの!?」

武内P「……!」

瑞樹「あっ……なんだか、肩があったかく……」

武内P「……!」

瑞樹「これは良いわ……どんどんあったかくなって……」

武内P「……!」

瑞樹「あったか……いや、あつい、あついわ! あっつい!」

武内P「……!」

瑞樹「あちちちあつつつ! 溶けた! 肩が溶けた!」


早苗「大丈夫よ! 別になんともなってないわ!」


武内P「……!」

瑞樹「取れた! 取れた! 肩取れたわ! どこ!? 私の肩どこ!?」


楓「肩ですよ、瑞樹さん」

  ・  ・  ・

武内P「……この程度、でしょうか」

早苗・楓「……」


瑞樹「ある……! あるわ、私の肩……!」


早苗「あれ? なんだか、お肌のハリが出てない?」

瑞樹「そんな訳ないでしょ!?」

楓「あの……鏡を見てください」

スッ…

瑞樹「――えっ? えっ?」

瑞樹「……肌年齢が3歳若返ってるわ!」

早苗「細かくわかりすぎじゃない?」


武内P「……くっ!」

ガクッ!


早苗・瑞樹・楓「!?」

早苗「どっ、どうしたの!?」

武内P「申し訳、ありません……少し、目眩が」

瑞樹「顔色が真っ青だわ……!」

武内P「少し、‘気’を送り込みすぎました」

瑞樹「そんな……まさか、そこまでしてくれるなんて……」

武内P「ですが……その甲斐はあったようです」

瑞樹「――ええ! 効果、抜群だわ!」

武内P「それでは、私は仕事に戻りm」


早苗・瑞樹「次は、楓ちゃんね!」


武内P「待ってください!」

武内P「あの……膝をつくほど頑張ったのですが!?」

武内P「機会を改めてでは……駄目でしょうか?」

早苗「あたし達だけじゃホラ、仲間外れみたいじゃない!」

瑞樹「そんなの駄目よ。許されないわ」

武内P「ですが……」


楓「――よろしくお願いします」


武内P「……」

早苗・瑞樹「……」

武内P「……」

武内P「……わかり、ました」

楓「痛くも、熱くもしないでくださいね」

武内P「……はい、わかりました」

楓「だけど、ちょっとだけなら良いですよ」

武内P「……はい」

楓「私の初めて……お願いしますね」

武内P「待ってください、誤解を招く言い方は」

早苗「優しくしてあげなさいよ! でないとタイホするわ!」

瑞樹「これで、楓ちゃんも仲間入りだわ」

武内P「あの! 本当に! 本当にやめてください!」

武内P「……では、いきます」

…サワッ

楓「……」


武内P「……」

ぷにっ、ぷにっ

楓「うふふっ! あの、くすぐった、ふふっ!」

武内P「……!」

楓「……あの?」

武内P「……!!」

楓「……何も、なさらないんですか?」

武内P「……」


武内P「あの……健康すぎて、やる事が……」


早苗・瑞樹「はぁ!?」

楓「……」

早苗「ちょっとアンタ! やる気あるの!?」

武内P「待ってください! 」

瑞樹「それは無いわ! 楓ちゃん相手は手加減!?」

武内P「誤解です!」

楓「あの……仲間はずれ、ですか?」

武内P「それはもっと誤解です!」

早苗「毎日飲んでて、健康!? 有り得ない!」

瑞樹「そんなのずるいわ! ずるいわずるいわ!」

楓「それとも……触れているのも嫌、でしたか?」

武内P「……!?」


武内P「お願いします……! 話を聞いて下さい……!」

  ・  ・  ・

ちひろ「――なるほど、それで大騒ぎしてたんですね」

武内P「はい……千川さんが来てくれなければ、危険でした」

ちひろ「お疲れ様でした、プロデューサーさん」

武内P「仕事は……何一つ進んでいませんが、とても疲れました」

ちひろ「あっ、それじゃあ――」

武内P「?」

ちひろ「私が、プロデューサーさんの肩を揉みましょうか?」

武内P「……スタミナドリンクで、お願いします」

ちひろ「遠慮しないで良いんですよ!」

ちひろ「それとも、肩はこってないんですか?」

武内P「……いえ、肩もみは――」


武内P「もう、こりごりなので」



おわり

書きます


武内P「結婚したら、ですか」

部長「どんな家庭を築こうと思っているのかね?」

武内P「……いえ、しかし」

部長「相手が居ないのは百も承知さ」

武内P「……」

部長「だが、こういう家庭にしたい、というビジョン位あるだろう?」

武内P「……」

武内P「……そう、ですね」

部長「そうだろうそうだろう!」

武内P「本当に、ぼんやりと……ですが」

部長「それは興味があるねぇ!」

武内P「……はぁ」

部長「興味があるよねぇ!?」

武内P「……」

部長「……」

部長「よし、両隣の部屋に反応は無い! 続けよう!」

部長「結婚相手については置いておいて、だ」

武内P「……そう、ですね」

部長「子供は、何人欲しいと思う?」

武内P「……三人、ですね」

部長「三人? そりゃまた、どうして」

武内P「二人だと、どちらかを贔屓してしまうかも知れませんし」

武内P「三人ならば、どちらか、という形にはなりませんから」

部長「……驚いた、案外しっかり考えているね」

武内P「……」

部長「欲しいのは、全員女の子かい?」

武内P「いえ、男の子は一人は欲しいと、そう、思います」

部長「ほう?」

武内P「女の子だけだと、その……」

武内P「……家での立場が無いと、よく聞くので」

部長「……」

武内P「……申し訳ありません」

部長「……いや、良いんだ」

部長「そうだねぇ……本当に、立場が無くなるねぇ」

武内P「今も、仕事中にそれをよく実感します」

部長「……まあ、飲みたまえよ」

武内P「……はい」

武内P・部長「――カンパイ」

武内P・部長「……」

部長「……沁みるねぇ」

武内P「……ええ、本当に」

部長「子供の名前は、どうやって決めるんだい?」

武内P「相談して決められれば、それが一番です」

部長「ちなみに、キミの希望は?」

武内P「そう、ですね……」

武内P「男の子だったら、私の名前から一文字」

武内P「女の子だったら、妻の名前から一文字」

武内P「もしくは、季節を感じさせる名前が良いと、そう思います」

部長「……キミ、かなり結婚願望あるね?」

武内P「……いえ、そんな事は、決して」

部長「結婚はしたくないが、子供は欲しい、と?」

武内P「そういう訳では無いと思います。ただ……」

部長「ただ?」

武内P「誰かが成長するのを見守るのが、好きなのかも知れません」

部長「……なるほど」

部長「成長するのを! 見守るのが! 好きなんだね!」

武内P「……部長?」

部長「ああ、すまない。ちょっとした確認だよ、確認」

武内P「はぁ……?」

部長「まま、飲みたまえよ!」

武内P「はい……ぷはぁっ」

部長「体格に似合った、良い飲みっぷりだ」

武内P「ありがとう、ございます」

部長「今日はどんどん飲もうじゃないか」

武内P「……」

部長「そして、思っている事を全て言ってしまおう」

武内P「……はぁ」

部長「あとは……っと、少し待ってくれたまえ」

武内P「はい」

部長「あと確認するのは……ああ、そうだそうだ」

武内P「あの……部長?」

部長「いや、なんでもない。こっちの話さ」

武内P「……そう、ですか」

部長「まま! 飲もう飲もう!」

武内P「……」

部長「婿入りは、どうだい?」

武内P「婿入りですか……」

部長「大事な質問だよ、これは。いや、本当に」

武内P「……」

部長「……」

武内P「そうですね……それが必要であるなら、はい」

部長「よく言った! さあ、飲もう!」

武内P「は、はい」

部長「いやー、良かった良かった!」

武内P「あの、部長……?」

部長「嫁さんの実家の手伝いとかは、する気はあるかい?」

武内P「それは、当然すると思います」

部長「キミならそう言うと思ったよ! はっはっは!」

武内P「あの、何か様子が……」

部長「ままま! 飲みたまえよ! ささ、グイッと!」

武内P「……はぁ」

部長「……しかし、安心したよ」

武内P「安心、ですか?」

部長「そうとも。キミが、案外しっかりと考えていた事にね」

武内P「そう、でしょうか」

武内P「……自分では、あまりよくわかりません」

部長「いいや、キミはとてもしっかりとした答えを出していた」

武内P「……」

部長「これなら、安心だ」

部長「……っと、少し席を外すよ」

武内P「はい、わかりました」

部長「頑張りたまえ」

武内P「はぁ……?」

武内P「……」

武内P「……ん? LINEに、メッセージが?」

武内P「……」

武内P「……!?」

  ・  ・  ・

部長『――やあ』

武内P「部長! やあ、ではなく!」

部長『いやー、今日は寒いねぇ』

武内P「あの、今何処に居るのですか!?」

部長『勿論、家路についている所さ』

武内P「待ってください!」

部長『安心したまえ、そこは私の奢りだ』

武内P「……!?」

部長『まだ時間も早い、ゆっくりしていきなさい』

武内P「いえ、私はもう……!」

部長『入れ違いになったら、後々面倒だろうねぇ』

武内P「……!?」

部長『だが、安心したまえ』

部長『キミの答えは完璧だった、悪いようにはならないだろう』

武内P「……」

部長『男同士だからこそ、話せる事もあるからね』

部長『しかし、そんな話をこそ、気になってしまうものらしい』

武内P「あの……いつから、ですか?」

部長『……すまないね』

武内P「……最初から、ですか」

部長『最初は囲まれていると思ったんだがね』

部長『もしもそうだったら、私も逃げられなかったよ』

武内P「……」

部長『キミは、私が憎いかい?』

武内P「………………いいえ」

部長『はっは! 正直で、結構な事じゃないか!』

部長『私も、自分に正直に行動しただけさ』

武内P「……」

部長『私ももう若くない、あとは若い者たちだけで――』

部長『……』

武内P「……部長?」

部長『……』

  ・  ・  ・

部長「やはり、男の子は一人じゃ足りないと思うんだ」

武内P「そうですね。そう、思います」

部長「男は女に弱いもんだ。そうだろう?」

武内P「……はい」

部長「男女比が多少変わった所で、立場が無くなることに変わり無い」

武内P「ですが……とても、心強いです」

部長「そうか……そうかぁ」

部長「……さて、カンパイの挨拶がまだだったね」

部長「ゴホンッ!」

部長「既に、立場が無くなった私と彼だが……」

武内P「……」

部長「せめて、立場を忘れない程度に、大いに飲もうじゃあないか!」

部長「飲んで忘れるのはいけないよ! 良いね! 頼むよ、本当に!」

部長「酒は飲んでも呑まれるな!」

部長「……そんなに睨まないでくれよ、頼むから。私にも立場ってものがだね」

部長「はぁ……飲んで、忘れたいねぇ」


部長「……カンパイ!」


「カンパーイ!!」



おわり

あと一個いけるな

書きます


「……」


 シンデレラプロジェクトの、プロジェクトルーム。
 カタカタと、キーボードを叩く音と、かすかに聞こえる時計の針の音。
 前者を奏でているのは、大柄で、とても誠実なプロデューサーさん。
 少し、お話をしてみたいと思って来たのですが、
とても忙しそうな様子に声をかけるのを躊躇い、今に至ります。


「……」


 あの人の、真剣な眼差しが私に向けられる事はありません。
 それは、私が彼の担当するアイドルではないから……です。
 もし……もしも、私がシンデレラプロジェクトのメンバーだったら、
と夢想してしまうのは、どうしてなのでしょう……。
 自分でも、その理由がわからず、混乱……しているのでしょうね。


「……」


 特に、これと言った用事があったわけではないので、
あの人の仕事が一段落し……私に気付いてくれるまで、待つ事にしました。
 私はここのメンバーではないと言うのに、今のこの静けさと、
規則的な針の音と、不規則なタイピング音が、とても心地良く感じるのです。
 安らぎ、とでも言うべきでしょうか。
 ここには、確かにそれがあります。


「……」


 ソファーに腰掛け、持ち歩いていた本のページを開きます。
 挟んでいた栞は、目の前のテーブルの上に。
 この手作りの栞を見たら、あの人はどういう反応を示すのでしょうか。
 褒めてくれると、きっと、とても――……とても? よく、わかりません……。


「……」


 座った場所は、彼が視線を画面から外したら見える位置。
 早く気付いて欲しいと思うのは……きっと、我儘なのでしょうね。

  ・  ・  ・

「……」


 遂に、本を読み終えてしまいました。
 中程までは読んでいたのですが、まさか読破してしまうとは。
 物語の余韻に浸りながら、置いておいた栞に手を伸ばします。
 本に挟んでおかないと、折れて……しまうかもしれませんから。


「……あっ」


 伸ばした手の先に、栞はありました。
 そして、その横には、緑茶の小さなペットボトルが、一つ。
 蓋の部分がオレンジ色なのは、これがホットだという事でしょう。
 最近は、また肌寒く感じる風が吹くようになったので、ホットだったのでしょう。


「……」


 躊躇いがちに、そのペットボトルに手を伸ばします。
 そして、ちょんっ、と触れた人差し指は、まだそれが温かく、
そこに置かれてから然程時間が経っていない事を教えてくれました。
 私は、慌ててそれを置いてくれたであろう人へ顔を向けました。


「……」


 カタカタ、カチカチ。
 二つの音は、私が書の世界に入り込む前と同じように部屋に響いています。
 声をかけてくれても……いえ、もしかしたら、声をかけてくれたのかもしれません。
 それに、そこまでを望むのは、来訪者としてあるまじき事。


「……」


 嗚呼、勝手に部屋に入って、本を読み耽るおかしな女と、
そう、思われてしまったでしょうか?
 ……いえ、きっとそうに違いありません。


「……」


 部屋に入る時に、声はかけたのです。
 その……少し、声量は足りなかったかも……知れませんが。
 ノックもきちんとしましたが、反応がなく……。
 決して、コッソリと忍び込むというつもりは無かったのです。
 ただ……結果的にそうなってしまった形なだけ。


「……」


 そう、弁明したいのですが、あの人は、
私が最初に部屋に入った時と同じ様に、耳をヘッドフォンで覆い隠し、
外界との音の繋がりを完全に遮断しています。
 その目も、画面に向けられ……恐らく、担当している方達の動画の確認を。
 そう考えると、きゅう、と胸が締め付けられるような痛みがしました。


「……」


 あの人は、此処に居ない方達が映る画面に……目を奪われている。
 いえ、奪われているのではなく……注いでいる、そんな目をしています。
 絶対に、私には向けられる事の無い、目。
 担当アイドルでない私では、受ける事が出来ない想いの篭った眼差し。


「……」


 私は、此処に居るのに。


「……」


 ……なんて、そう思っているだけだから、駄目なのでしょうね、私は。
 そんな自分を変えたくてアイドルの道へと足を踏み入れたというのに、変わらない。
 人と触れ合う事を恐れる……そんな、弱い自分が今は……歯がゆい。


「……」


 気づけば、喉の奥がカラカラに渇いていました。
 その原因は、部屋が乾燥しているからか、はたまた、私自身の問題か。


「……」


 一旦、考えることをやめて、ペットボトルを両手で包み込む。
 まだ熱を残しているそれは、じんわりと私の両手を温めてくれます。
 ……けれど、乱雑に積み重ねられた本の海の様な私の内側までは、その熱は届きません。


「……」


 無駄な事だとはわかっていても、そうせざるを得なくて。
 この温かさが、私に向けられた優しさが、内側までも温めてくれると信じて。
 私のための、ペットボトルを持ち上げました。


 ……すると、その下には――


「……」


 ――黒いぴにゃこら太の、メモが置かれていました。


「……可愛い」


 お腹の白い部分に、


「どうぞ」


 と、まるで声まで聞こえてくる一言が添えられて――


「――っ!?」


 まるで、ではなく、実際にかけられた声に、私はビクリと体を震わせました。


「あ……あっ、あの……!?」


 さっきまで、デスクに座っていたと思ったのに、いつの間に……!?
 ワタワタと慌てる様子を見て、プロデューサーさんも、しまった、という顔をしています。
 この人は、自分の顔が、物語に登場する怪物のように思っているらしいのです。
 見ただけで、相手が怖がってしまう顔だ、と。


「あっ――」


 私が驚いた理由は、そうではないのに。
 それを弁明する暇もなく、慌てたせいか、持っていたペットボトルから手が離れてしまいました。


 絶対に、これを落としてはいけない。


 ……何故か、そんな想いが、私の思考を埋め尽くしました。


「――っ!」


 前までの私だったら、全く動くことなく、それを落としてしまっていたと思います。
 けれど、アイドルとしてのレッスンの成果でしょうか。
 両の手は、私自身でも驚く程の速さで、包み込みました。


「……あ」


 空中でペットボトルを掴んだ、彼の右手を。
 大きく、ゴツゴツとした……とても、温かい手。
 その手から伝わってくる熱が、手を、腕を、体を駆け巡っていくようです。
 ……自分で言うのも恥ずかしいのですが、なんて、熱を伝えやすい体なのでしょう。


「……」


 首を伝って、顔までも、熱くなってしまいました。


「……あの」


 いつまでも手を離さない私に、低い、戸惑う声がかけられました。
 慌てて両手を離し、銃を向けられているかのようなポーズを取ります。
 今のはわざとではありません、違うのです、と、無言の弁明のつもりで。


「……」


 そんな私の驚きように、目の前の人は、ふと、少しだけ考え、


「どうぞ」


 と、手に持っていたペットボトルを差し出してきた。
 混乱する私は、目を見開いたまま、カクカクと首を上下させ、それを受け取りました。
 思考をかき乱された理由は……わかっています。


 この人が、とても優しい、笑顔をしていたから。


「……ありがとう……ござい、ます」


 今にも消え入りそうな、感謝の言葉。
 目を見て言わなければと思うのですが、今は、とても顔をあげられません。
 だって、こんなに紅潮した顔を見られたら、余計に……いけません、考えたら、駄目。



「申し訳ありません。丁度、貴方の動画を確認していて――」



 気付くのが遅れてしまいました、と、言われた所までは聞こえていました。
 けれど、それに続く言葉は、私の耳には入ってきませんでした。


 心臓の音がうるさすぎて、それが彼に聞こえてしまわないか気が気でなくて。



おわり

こんなくだらないもん最後まで読んでくれてありがとう
しゃらあああ! 4スレ目消化じゃい!



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